JP2018107664A - 画像処理装置および画像処理方法、撮像装置、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の視点画像を用いて合成された画像を所定のファイル形式で記録媒体に保存できる画像処理装置および画像処理方法を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、1回の撮影で取得される複数の視点画像データを取得して画像処理を行う。複数の視点画像データは、撮像装置にて撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の光電変換部から出力される画像データである。画像処理部120は、入力画像データである複数の視点画像データにHDR(ハイダイナミックレンジ)合成処理を行って出力画像データを生成する。制御部110は、合成された出力画像データをファイルとして記録媒体150に記録する際、入力画像データのファイル形式と同じファイル形式で保存する処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】画像処理装置は、1回の撮影で取得される複数の視点画像データを取得して画像処理を行う。複数の視点画像データは、撮像装置にて撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する複数の光電変換部から出力される画像データである。画像処理部120は、入力画像データである複数の視点画像データにHDR(ハイダイナミックレンジ)合成処理を行って出力画像データを生成する。制御部110は、合成された出力画像データをファイルとして記録媒体150に記録する際、入力画像データのファイル形式と同じファイル形式で保存する処理を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の視点画像データを用いてダイナミックレンジ拡張処理を行う画像処理技術に関する。
複数の画像を合成することにより、ダイナミックレンジ(以下、DRとも表記する)を拡張する技術がある。撮像装置等では、白とびや黒つぶれのないハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)画像を生成し、ファイルとして保存する方法がある。特許文献1では、HDR合成後の画像データと、合成前後で変化した画素の合成前の値を付加情報としてファイルに記録し、不自然な合成結果となった領域を後から修正可能とする技術が開示されている。また、特許文献2では、複数の視点画像から成るライトフィールド画像を複数用いて合成してHDR画像が取得される。ファイルの保存時には合成に使用しない画素値を特定の値に置き換えることにより、高効率に圧縮して保存することができる。
また、特許文献3では、瞳分割画像を用いてHDR画像を合成する技術が開示されている。具体的には、単一のマイクロレンズを共有して光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する撮像素子が用いられる。第1画素および第2画素のうち、一方の画素から得られる画像データと、第1画素および前記第2画素の値を加算して得られる画像データを、被写体の明るさに応じて合成することでHDR画像を生成することができる。
しかしながら、瞳分割画像を用いて合成されたHDR画像のデータを、ユーザが使用目的に合致した形式でファイルとして保存することを可能にする技術は、これまで提案されていなかった。
本発明の目的は、複数の視点画像を用いて合成された画像を所定のファイル形式で記録媒体に保存できる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
本発明の目的は、複数の視点画像を用いて合成された画像を所定のファイル形式で記録媒体に保存できる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
本発明の一実施形態の画像処理装置は、視点の異なる複数の視点画像データを入力画像データとして取得する取得手段と、前記入力画像データにダイナミックレンジ拡張に係る合成処理を行って出力画像データを生成する合成手段と、前記出力画像データまたは前記視点画像データおよび前記出力画像データを、予め定められたファイル形式で記録媒体にファイルとして保存する保存手段と、を備える。
本発明によれば、複数の視点画像を用いて合成された画像を所定のファイル形式で記録媒体に保存できる画像処理装置および画像処理方法を提供することができる。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
本実施形態では、ダイナミックレンジ拡張の合成処理前の画像データと合成パラメータをファイルに保存することが可能な画像処理装置の例を示す。図1(A)は、本実施形態におけるPersonal Computer(以下、PCという)100の構成例を示すブロック図である。
[第1実施形態]
本実施形態では、ダイナミックレンジ拡張の合成処理前の画像データと合成パラメータをファイルに保存することが可能な画像処理装置の例を示す。図1(A)は、本実施形態におけるPersonal Computer(以下、PCという)100の構成例を示すブロック図である。
制御部110はPC100全体を制御する中枢部であり、例えば中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備える。画像処理部120は、入力された画像データを用いてHDR合成処理を行う。HDR合成処理については後述する。メモリ130は、外部から供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。メモリ130はプログラムの実行に伴って出力されるデータの一時的な格納領域としても用いられる。ROM(Read Only Memory)140は、プログラムやパラメータを格納する記憶デバイスである。本実施形態にてROM140はアプリケーション200(図2参照)等の、制御部110によって実行されるソフトウェアのプログラムコードや、アプリケーション200の動作において必要なパラメータ等を格納する。ROM140は、例えばフラッシュROMであり、制御プログラムを書き換え可能である。
記録媒体150は、コンピュータが読み書き可能である。例えばコンピュータが備える内蔵メモリや、コンピュータに着脱可能に接続されるメモリカードやHDD、CD−ROM、MOディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどの電子データを記録することができるような媒体等を使用可能である。記録媒体150には、画像データなどのデジタルデータがファイルとして格納されている。
操作部160は、キーボード、ポインティングデバイス等で構成される。ユーザは操作部160を用いてPC100への操作指示を行い、入出力データの指定、プログラムの変更、画像処理の実行等が可能である。
表示部170は液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備える。表示部170の画面には、例えばアプリケーション200のGraphical User Interface(GUI)画面や、画像処理の結果などが表示される。内部バス180はPC100において、各要素間の制御信号やデータ信号の伝送路である。なお、PC100が撮像機能を有する場合には、撮像部190を備える。撮像部190は、レンズや絞りなどの光学部材を有する撮像光学系と、撮像光学系を通して結像される光像を光電変換する撮像素子を備える。制御部110および画像処理部120は撮像部190から取得される画像データに対し、現像などの画像処理を行う。
図1(B)は、瞳分割型撮像素子における画素の配置例を模式的に示す図である。図1(B)の紙面に垂直な方向をz方向として、z方向に直交する横方向(左右方向)をx方向として、x方向およびz方向に直交する縦方向(上下方向)をy方向と定義する。図1(B)は、画素がx方向に4画素でy方向に4画素配列された領域を代表的に示している。瞳分割型撮像素子は、撮影光学系の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく信号から複数の画像信号を生成可能である。具体的には、各画素の光電変換部が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換部が副画素部として機能する。図1(B)では、副画素部がx方向に8画素でy方向に4画素配列された領域を例示する。
図1(B)の左上の2行2列の画素群1210は、撮像素子に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素1210Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素1210Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素1210Bが右下に配置されている。また、図1(B)の右上の画素に代表的に示すように、各画素は、x方向にて2つに等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1副画素部1211、右半分の光電変換部が第2副画素部1212として利用可能である。副画素部1211の出力を取得して得られる1つの画像と、副画素部1212の出力を取得して得られる1つの画像とが、1組の視点画像を構成する。したがって、1回の撮影によって2つの視点画像を生成することができる。また、各画素の第1副画素部1211と第2副画素部1212で得られる信号を加算することで、加算信号を瞳分割がなされていない1つの通常画素の画素信号として利用することができる。本実施形態では、各マイクロレンズに対応する各画素の回路が、瞳分割された複数の光電変換部で共通の電荷蓄積部(フローティングデフュージョン部:FD部)を有して構成されている。FD部への電荷の転送と、FD部の電荷のリセットを制御することにより、各副画素部からの電荷に基づく画素信号および各副画素部からの電荷が混合されて出力された画素信号とが出力可能である。例えば、各副画素部に入射される異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく光学像としてのA像およびB像と、各副画素部からの信号が混合された信号をもつ(A+B)像を取得することができる。なお、各画素における光電変換部については4分割、9分割など、任意の分割が可能である。
図2は、アプリケーション200が表示部170の画面に表示するユーザインターフェース(UI)の画面例を示す。フォルダの表示エリア210は、記録媒体150から読み込まれたファイルの一覧をフォルダツリー構造で表示するフォルダツリー表示エリアである。単一のフォルダをアイコン211で表現する表示処理が行われる。ユーザはアイコン211をクリックすることによって、画像処理の対象となる画像ファイルを内包するフォルダを選択することができる。サムネイル表示エリア220は、フォルダツリー表示エリア210で選択されたフォルダ内に保存された画像ファイルの一覧を表示する領域である。サムネイル画像221は、単一の画像ファイルに対応する縮小画像を表した画像である。ユーザはサムネイル画像221をクリックすることによって、画像処理の対象となる画像ファイルを選択することができる。プレビューエリア230は、ユーザによって選択された入力画像ファイルに画像処理を行った結果を表示する領域である。
編集操作領域240は、ユーザが画像編集操作を行うためのGUI群で構成される領域である。GUI群とは、例えばボタン、スライダー、チェックボックス、数値の入力ボックスのオブジェクトである。ユーザは編集操作領域240の各GUIオブジェクトを操作することで、GUIに割り当てられた編集操作指示を行うことができる。編集操作とは、例えば画像回転、トリミング、明るさ調整、コントラスト調整、ホワイトバランス調整、ノイズ除去である。HDR合成処理ボタン241は、ユーザがクリックすることでHDR合成処理の実行を指示するためのボタンである。保存処理ボタン250は、ユーザが入力画像ファイルに対する編集結果の保存を指示するためのボタンである。設定ボタン251は、アプリケーション200の動作をユーザが設定するためのボタンである。この他、アプリケーション200は、画像処理アプリケーションとしての一般的なメニュー操作部を有するが、図示を省略する。
図3は、記録媒体150に格納されているRAW画像ファイル300のデータ構造を示す概念図である。RAW画像とは、現像処理などの画像加工処理が行われていない画像である。本実施形態では、1つのファイルに複数ページの画像データを格納したマルチページファイルに対応したファイルフォーマットの一例としてTIFF(Tagged Image File Format)形式に準拠した画像ファイルの構造を説明する。
RAW画像ファイル300のTIFFヘッダ部301は、TIFF形式のファイル構造であることを識別するためのデータや、最初のIFD部へのオフセットなどを格納する領域である。
IFD部302〜305にはそれぞれ、下記データが格納される。
・画像データ部306〜309に格納される各画像データに関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータA〜D。
・画像データ部306〜309までのオフセット値E〜H。
・次のIFD部へのオフセット値。
最後に位置するIFD部には、次のIFD部が存在しないことを示す特定のオフセット値が格納される。また、IFD部302〜305はそれぞれ、対応する画像データ部に格納されている画像データのサイズ(縦横の画素数)や、縮小画像であるかどうかの情報や、後述する瞳分割画像としての情報をメタデータA〜Dに含んでいる。従って、RAW画像ファイル300を用いた処理を行う画像処理装置は、IFD部302〜305を参照することで、複数の画像データの中から用途に応じた適切な画像データを読み出すことができる。
IFD部302〜305にはそれぞれ、下記データが格納される。
・画像データ部306〜309に格納される各画像データに関連する撮影情報やパラメータなどのメタデータA〜D。
・画像データ部306〜309までのオフセット値E〜H。
・次のIFD部へのオフセット値。
最後に位置するIFD部には、次のIFD部が存在しないことを示す特定のオフセット値が格納される。また、IFD部302〜305はそれぞれ、対応する画像データ部に格納されている画像データのサイズ(縦横の画素数)や、縮小画像であるかどうかの情報や、後述する瞳分割画像としての情報をメタデータA〜Dに含んでいる。従って、RAW画像ファイル300を用いた処理を行う画像処理装置は、IFD部302〜305を参照することで、複数の画像データの中から用途に応じた適切な画像データを読み出すことができる。
画像データ部306〜309は、表示用画像データ部306、サムネイル画像データ部307、(A+B)像データ部308、A像データ部309から成る。表示用画像データ部306は、表示部170などに表示するための表示用画像を格納する領域である。本実施形態では表示用画像のデータ形式をJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式とする。サムネイル画像データ部307はアプリケーション200のサムネイル表示エリア220での表示などに使用するためのサムネイル画像を格納する領域である。サムネイル画像は表示用画像のデータの間引き処理などで縮小した画像である。(A+B)像データ部308とA像データ部309は、瞳分割画像を取得可能な撮像装置によって記録されたRAW画像データを格納する領域である。具体的には以下の方法でデータが記録される。
撮像装置はCCD(電荷結合素子)型イメージセンサやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)型イメージセンサ等の撮像素子を有する。撮像素子を構成する複数の主画素はそれぞれ、単一のマイクロレンズの下に配置され、単一のマイクロレンズを共有して撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光を受光する第一画素および第二画素を有する。撮像素子によって受光された光学像は光電変換およびA(アナログ)/D(デジタル)変換を施され、第一画素の瞳分割画像(A像)と第二画素の瞳分割画像(B像)が生成される。A像およびB像は視点の異なる視点画像である。A像およびB像はそれぞれ瞳強度分布が異なり、シェーディング特性を有するため、その逆特性を用いてシェーディング補正が行われる。この補正により、分割瞳のケラレ量ムラによる明暗ムラを補正することが可能である。撮像装置は、シェーディング補正後のA像データをRAW画像ファイル300のA像データ部309に記録する処理を行う。また撮像装置は、A像とB像を加算して得られる(A+B)像データを(A+B)像データ部308に記録する処理を行う。このとき、(A+B)像に対してA像は画素の開口が1段分の露出アンダー状態であるため、(A+B)像が適正露出画像で、A像がアンダー露出画像となる。なお、A像の代わりにB像をアンダー露出画像としてRAW画像ファイル300に記録する構成でもよい。また、本実施形態では、(A+B)像およびA像のビット深度を14bpp(bits per pixel)とするが、それ以外のbit深度で記録してもよい。本実施形態では、(A+B)像データ部308およびA像データ部309に格納されるデータとしては、圧縮されていない非圧縮RAW画像データとする。この形態に限らず、(A+B)像データ部308およびA像データ部309に、可逆圧縮したRAW画像データを格納し、読み出し時に圧縮RAW画像データの伸長処理を行う構成でもよい。
編集パラメータ部310は、編集処理のパラメータを記録する領域である。編集処理のパラメータは、RAW画像ファイル300に対して過去にアプリケーション200などにより編集処理を行ったときのパラメータであり、画像編集パラメータとHDR合成パラメータで構成される。画像編集パラメータは、例えば編集操作領域240をユーザが操作することによって実行された画像編集処理のパラメータである。HDR合成パラメータは、本実施形態では、入力RAW画像データに対してHDR合成処理が行われたかどうかを示す判別用フラグ(以下、HDR合成フラグという)とする。HDR合成フラグがONである場合、HDR合成処理が実行されたことを意味する。なお、HDR合成パラメータには、各画素に対する判定結果を用いてもよい。
次に、本実施形態に係る画像処理と保存処理の動作について、図4〜図8を用いて説明する。本実施形態では、フローチャートの処理を実現するプログラムがROM140に記憶されている例を示すが、プログラムがメモリカードなどの記録媒体150に記録されている形態でもよい。またネットワーク上にプログラムがある場合、プログラムをダウンロードして実行する形態にも本実施形態を適用可能である。本実施形態ではアプリケーション200がPC100上で動作する例を示すが、アプリケーション200と同様の処理が可能な各種の処理装置、例えば撮像装置などに本実施形態を適用可能である。
図4のフローチャートを参照して、HDR合成機能とファイル保存機能を備えたアプリケーション200の動作を説明する。HDR合成機能は、入力RAW画像ファイルに対してHDR合成を行う機能である。ファイル保存機能は、編集処理後のRAW画像データを画像ファイルとして保存する機能である。S400で制御部110は、ユーザからの操作指示を受け付ける。ユーザの操作指示が検出された場合、S401の処理へ移行し、操作指示がない場合にはS400の判定処理が繰り返される。
S401で制御部110は、ユーザによる入力RAW画像ファイルの選択操作が行われたか否かを判定する。ファイル選択操作は、例えばユーザがフォルダツリー表示エリア210に表示されたフォルダの1つをクリックし、その後にサムネイル表示エリア220に表示されたサムネイル画像の1つをクリックすることで行われるものとする。入力RAW画像ファイルの選択操作が行われたと判定された場合、S402の処理へ移行する。また、入力RAW画像ファイルの選択操作が行われていないと判定された場合には、S403の処理へ移行する。
S402で制御部110は、画像読み込み処理を行う。その詳細は後述する。画像読み込み処理が終了すると、制御部110は処理をS400へ戻す。S403で制御部110は、ユーザによって編集操作領域240のGUIオブジェクトが操作されたか否か、つまり画像編集操作が行われたか否かを判定する。画像編集操作が行われたと判定された場合、S404の処理へ移行し、画像編集操作が行われていないと判定された場合にはS405の処理に移行する。
S404で制御部110は、入力RAW画像ファイルの(A+B)像データ部308に格納された画像データに対し、S403で操作されたGUIオブジェクトに割り当てられた内容やパラメータに応じた画像編集処理を行う。画像編集処理の結果はプレビューエリア230に表示されることで、ユーザに提示される。画像編集処理が終了すると、制御部110はS400の処理に戻す。なお、画像編集処理については本発明の本質的な事項ではないため、説明を省略する。
S405で制御部110は、ユーザによってHDR合成処理ボタン241が操作されたか否かを判定する。図2のHDR合成処理ボタン241が操作されたと判定された場合、S406の処理へ移行し、操作されていない場合にはS407の処理へ移行する。S406で制御部110は、HDR合成処理を行う。その詳細は後述する。HDR合成処理が終了すると、制御部110はS400へ処理を戻す。
S407で制御部110は、ユーザによって保存処理ボタン250が操作されたか否かを判定する。図2の保存処理ボタン250が操作されたと判定された場合、S408の処理へ移行し、操作されていない場合にはS409の処理に移行する。
S408で制御部110は、ファイル保存処理を行う。その詳細は後述する。ファイル保存処理が終了すると、制御部110はS400へ処理を戻す。S409で制御部110は、ユーザによってアプリケーション200の終了操作が行われたか否かを判定する。アプリケーション200の終了操作が行われたと判定された場合には処理を終了し、アプリケーション200の終了操作が行われない場合にはS400へ処理を戻す。
以上の動作において、処理の開始後に、S401で入力RAW画像ファイルの選択がされるまでの間、S403〜S408がスキップされるように構成してもよい。あるいは、サムネイル表示エリア220に表示されているRAW画像ファイルのうち、特定の入力RAW画像ファイルを、初期の入力RAW画像ファイルとして設定してもよい。特定の入力RAW画像ファイルとは、例えば表示位置、クリップ名、撮影日時などによる順番が先頭または末尾になるRAW画像ファイルや、前回画像処理の対象としたRAW画像ファイルなどである。
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のS402に示した画像読み込み処理について説明する。S500で制御部110は、記録媒体150から、図4のS401でユーザによって選択された入力RAW画像ファイルを取得する。S501で制御部110は、画像編集パラメータが存在するか否かを判定する。入力RAW画像ファイルの編集パラメータ部310に画像編集パラメータが記録されていると判定された場合、S502の処理に移行し、画像編集パラメータが記録されていないと判定された場合にはS503の処理へ移行する。
S502で制御部110は画像編集処理を実行する。入力RAW画像ファイルの(A+B)像データ部308に格納された画像データに対し、編集パラメータ部310に記録された画像編集パラメータに応じた画像編集処理が行われる。画像編集処理が終了すると、S503の処理へ移行する。
S503で制御部110はHDR合成フラグの判別処理を行う。入力RAW画像ファイルの編集パラメータ部310にHDR合成パラメータが存在し、かつHDR合成フラグがONであるという判定条件を満たす場合、S504の処理へ移行する。判定条件を満たさない場合にはS505の処理に移行する。S504で制御部110は、入力RAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を行う。その詳細は後述する。HDR合成処理が終了すると、S505の処理へ移行する。
S505で制御部110はプレビュー表示処理を行う。入力RAW画像ファイルから表示用画像データ部306の画像データを取得して、図2のプレビューエリア230に表示する処理が行われた後、画像読み込み処理を終了する。なお、プレビューエリア230に表示する画像データとしては、S502およびS504で処理を行った結果を用いて生成した画像データであってもよい。
次に、図6および図7を参照して、図4のS406および図5のS504におけるHDR合成処理について説明する。HDR合成処理では、図3に示したRAW画像ファイル300について、ダイナミックレンジを拡張した画像データを生成し、生成された画像データを表示する処理が実行される。
図6は、HDR合成処理の説明図である。縦軸は画素値を表わし、横軸は被写体の明るさを表わす。グラフ線601はA像の画素値を表わし、グラフ線603は(A+B)像の画素値を表す。TH2は画素値の飽和レベルを表わす。明るい被写体を適正露出で撮像した場合、画素値はレベルTH2でクリップされる。本実施形態では(A+B)像のビット深度を14bppとする。TH2は14bitで表現できる画素値の最大値に相当する。TH1は適正露出の飽和レベルに対応する被写体の明るさである。グラフ線602は、A像を1段分ゲインアップしたA*像の画素値を表わす。A像は(A+B)像より1段分アンダーの画像であるため、A*像により(A+B)像と明るさを合わせることができる。また、14bppのA像を1段ゲインアップすることで、A*像として15bppの画素値を取得できる。A*像の画素値の上限は飽和レベルTH2の2倍、つまり「TH2×2」となる。被写体の明るさを、「TH1×2」までのA*像の画素値により表現することができる。
図7のフローチャートを参照して、HDR合成処理について説明する。S700で制御部110は、入力RAW画像ファイルの(A+B)像データ部308から、(A+B)像データを取得する。S701で制御部110は、入力RAW画像ファイルのA像データ部309から、A像データを取得する。S702で制御部110は、所定の画素位置における被写体像の明るさが閾値(TH1)以上であるか否かを判定する。所定の画素位置における被写体像の明るさが閾値以上である場合、S703の処理へ移行する。所定の画素位置における被写体像の明るさが閾値未満である場合にはS704の処理へ移行する。
S703で制御部110は、取得したA像データ601および(A+B)像データ603のうち、A像データ601を選択する。S704で制御部110は、取得したA像データ601および(A+B)像データ603のうち、(A+B)像データ603を選択する。S705で制御部110は、S703、S704で選択された画像データに基づいてHDR合成画像を生成する処理を行う。このとき制御部110は、被写体像の明るさが閾値以上の画素位置では、A像データ601をゲインアップしてA*像データ602を生成する。S706で制御部110は、S705で生成したHDR合成画像をプレビューエリア230に表示する処理を行い、HDR合成処理を終了する。
次に、図8のフローチャートを参照して、図4のS408に示したファイル保存処理について説明する。アプリケーション200による画像処理の結果は、RAW画像ファイル300と同じ構成を持つファイル形式で保存される。
S800で制御部110は、入力RAW画像ファイルの(A+B)像データ部308から、(A+B)像データを取得する。S801で制御部110は、入力RAW画像ファイルのA像データ部309から、A像データを取得する。S802で制御部110は、編集パラメータを取得する。編集パラメータは、以下のとおりである。
・入力RAW画像ファイルの編集パラメータ部310から取得したパラメータ
・図4のS404で実行された画像編集処理のパラメータ
・図4のS406で実行されたHDR合成処理のHDR合成パラメータ。
・入力RAW画像ファイルの編集パラメータ部310から取得したパラメータ
・図4のS404で実行された画像編集処理のパラメータ
・図4のS406で実行されたHDR合成処理のHDR合成パラメータ。
S803で制御部110は、図4のS404の画像編集処理の結果を用いて表示用画像とサムネイル画像を生成する処理を行う。S804で制御部110は、S800〜S803で取得した各データについてIFD部の情報を生成し、図3のRAW画像ファイル300の形式で記録媒体150に保存し、ファイル保存処理を終了する。このとき、本実施形態では、入力RAW画像ファイルが上書き保存されるものとする。ただし、上書き保存を行うか、または別のファイルとして保存するかをユーザが選択できるように構成してもよい。
本実施形態では、(A+B)像およびA像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を施した結果を、元のファイルと同じ構成を持つRAW画像ファイルとして保存することが可能である。また、HDR合成処理の結果を入力RAW画像ファイルと同じファイル形式で保存することにより、再度アプリケーション200での画像編集が可能である。本実施形態によれば、1回の撮影で取得される複数の視点画像データをHDR合成処理して生成されるHDR画像データを所定のファイル形式で記録媒体に保存する点で有利な画像処理装置を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では、保存するRAW画像ファイルの形式を、ユーザが複数の異なるファイル形式から選択可能な例を説明する。本実施形態におけるPCの構成を示すブロック図、アプリケーション200のUI構成図、記録媒体150に格納されているRAW画像ファイルの概念図は、それぞれ第1実施形態の図1〜図3と同様である。よって、それらの説明を省略し、主に相違点を説明する。このような説明の省略については後述の実施形態でも同じである。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では、保存するRAW画像ファイルの形式を、ユーザが複数の異なるファイル形式から選択可能な例を説明する。本実施形態におけるPCの構成を示すブロック図、アプリケーション200のUI構成図、記録媒体150に格納されているRAW画像ファイルの概念図は、それぞれ第1実施形態の図1〜図3と同様である。よって、それらの説明を省略し、主に相違点を説明する。このような説明の省略については後述の実施形態でも同じである。
図9および図10を参照して、本実施形態に係る画像処理と保存処理について説明する。図9は、RAW画像データ部と差分画像データ部を持つHDR合成済みRAW画像ファイル900のデータ構造を示す概念図である。RAW画像ファイル900は、RAW画像ファイル300と同様、TIFF形式に準拠した画像ファイルのデータ構造を有する。領域901〜903、906〜907および910は、図3の301〜303、306〜307および310にそれぞれ相当するため、説明を省略する。
RAW画像データ部908は、単一のRAW画像データを格納する領域である。本実施形態では、RAW画像データのビット深度を14bppまたは15bppとする。差分画像データ部909は、ファイル保存処理で生成される差分画像データを格納する領域である。データの内容の詳細については後述する。また、差分画像データ部909は必ず存在するとは限らない。
IFD部904および905は、それぞれRAW画像データ部908、差分画像データ部909に対応するIFD部である。第2IFD部904には、RAW画像データ部908に格納されているRAW画像データのビット深度の情報も記録されている。
次に図10および図11を参照して、本実施形態に係る画像処理とファイル保存処理について説明する。図10は、HDR合成機能とファイル保存機能を備えたアプリケーション200の動作を説明するフローチャートである。HDR合成機能は、入力RAW画像ファイルに対してHDR合成を行う機能である。ファイル保存機能は、編集されたRAW画像ファイルを、ユーザの選択に応じた形式の画像ファイルとして保存する機能である。S1000〜S1004の処理はそれぞれ、図4のS400〜404と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1005で制御部110は、入力RAW画像ファイルのIFD部の情報を検索し、入力RAW画像ファイルに(A+B)像データ部308とA像データ部309の両方が存在するかどうかを判断する。(A+B)像データ部308およびA像データ部309が存在する場合には、S1006の処理へ移行し、(A+B)像データ部308およびA像データ部309が存在しない場合にはS1008の処理へ移行する。S1006〜S1010の処理はそれぞれ、図4のS405〜S409と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のS1002における本実施形態に特有の画像読み込み処理について説明する。なお、S1100〜S1102の処理はそれぞれ、図5のS500〜S502と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1103で制御部110は、入力RAW画像ファイルのIFD部の情報を検索し、入力RAW画像ファイルにA像データ部309が存在するかどうかを判定する。入力RAW画像ファイルにA像データ部309が存在すると判定された場合、S1104のHDR合成フラグ判定処理へ移行する。入力RAW画像ファイルにA像データ部309が存在しない場合にはS1106の処理に移行する。S1104およびS1105の処理はそれぞれ、図5のS503およびS504と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1106で制御部110は、入力RAW画像ファイルのIFD部の情報を検索し、入力RAW画像ファイルに差分画像データ部909が存在するかどうかを判定する。入力RAW画像ファイルに差分画像データ部909が存在する場合、S1107の処理へ移行し、存在しない場合にはS1108の処理に移行する。
S1107で制御部110は、RAW画像データ部908の画像データに、差分画像データ部909の差分画像データを加算する。S1108で制御部110は、入力RAW画像ファイルから表示用画像データ部306の画像データを取得してプレビューエリア230に表示し、画像読み込み処理を終了する。なお、プレビューエリア230に表示する画像データとしては、S1102、S1105およびS1107で処理を行った結果を用いて生成した画像データでもよい。
図10のS1007および図11のS1105におけるHDR合成処理は、図6および図7で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
図10のS1007および図11のS1105におけるHDR合成処理は、図6および図7で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、図12から図14を用いて、図10のS1009におけるファイル保存処理について説明する。ファイル保存処理では、アプリケーション200による画像処理の結果を、ユーザの選択に応じて、RAW画像ファイル300、HDR合成済みRAW画像ファイル900のいずれかと同じ構成を持つファイル形式で保存する処理が行われる。
図12は、ファイル保存処理を説明するための図である。図12(A)は、ファイル保存処理においてユーザが選択可能なファイル形式の一覧表である。4つのファイル形式について、ファイルサイズ、データの劣化、保存後の視差画像利用の可否、互換性の有無をそれぞれ例示する。ファイル形式の情報は表示部170の画面に表示されてユーザに提示される。図12(A)では、出力画像データのファイル形式の情報としてファイルサイズ情報、互換性に関する情報、失われるデータによる画質の変化に関する情報を例示するが、その他の情報を使用可能である。ファイル形式は、「オリジナル」、「差分データを付加」、「15bppRAW」、「14bppRAW」とする。
図12(B)は、ファイル保存処理においてユーザがファイル形式を選択するためのファイル形式選択ダイアログ1200のUI構成の例を示す。ダイアログ1200内には、ユーザにファイル形式の選択を促すメッセージ1201が表示される。その下のドロップダウンリスト1202には、ユーザのクリックにより、ファイル形式を選択するためのリストが表示される。ユーザがドロップダウンリスト1202をクリックすると、図12(A)に示す複数のファイル形式の名称がリスト形式で表示される。ユーザはドラッグアンドドロップ操作により、所望のファイル形式を選択することができる。ダイアログ1200が表示された際のドロップダウンリスト1202の初期状態は、いずれのファイル形式も選択していないものとする。なおデフォルト状態は、リスト内で一番上のファイル形式を選択した状態でもよく、または前回にファイル保存処理を行ったときと同じファイル形式を選択した状態でもよい。領域1203は、ユーザがドロップダウンリスト1202を操作することで選択したファイル形式に基づいて、保存されるファイルのサイズの予測値を表示するエリアである。ファイルサイズは、ドロップダウンリスト1202の選択状態が変化するごとに数値が更新される。OKボタン1204は、ユーザはクリックすることでファイル保存処理の実行を指示するための操作領域である。キャンセルボタン1205は、ユーザがクリックすることでファイル保存処理の取り消しを指示するための領域であり、前の画面に戻ることができる。この他、ファイル形式選択ダイアログ1200は、選択されたファイル形式について、図12(A)に示される情報の説明文を表示するエリアや、ファイルの保存場所を選択するエリア、ファイルの名称や拡張子を変更するエリアを有する。
図13および図14はファイル保存処理を説明するフローチャートである。S1300で制御部110は、入力RAW画像ファイルのIFD部の情報を検索し、入力RAW画像ファイルにA像データ部309が存在するかどうかを判定する。入力RAW画像ファイルにA像データ部309が存在すると判定された場合、S1302の処理へ移行し、存在しない場合にはS1301の処理に移行する。
S1301で制御部110は、入力RAW画像ファイルと同じファイル形式を選択し、図14のS1306の処理に移行する。また、S1302で制御部110は、図12(B)に示すファイル形式選択ダイアログ1200を表示部170の画面に表示する処理を行う。S1303で制御部110は、ファイル形式選択ダイアログ1200のドロップダウンリスト1202で、図12(A)に示すいずれかのファイル形式が選択されているかどうかを判定する。いずれかのファイル形式が選択されている場合、S1304の処理へ移行し、選択されていない場合にはS1305の処理へ移行する。
S1304で制御部110は、ユーザによって図12(B)のOKボタン1204が操作されたか否かを判定する。OKボタン1204が操作された場合、図14のS1306の処理へ移行し、操作されない場合にはS1305の処理に移行する。S1305で制御部110は、ユーザによってキャンセルボタン1205が操作されたか否かを判定する。図12(B)のキャンセルボタン1205が操作された場合には、ファイル保存処理を終了し、操作されない場合にはS1303の処理に移行する。
図14のS1306で制御部110は、ファイル形式選択ダイアログ1200のドロップダウンリスト1202で、「オリジナル」のファイル形式が選択されているかどうかを判定する。「オリジナル」のファイル形式が選択されている場合には、S1307の処理へ移行し、選択されていない場合にはS1309の処理へ移行する。S1307およびS1308はそれぞれ、図8のS800およびS801と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1309で制御部110は、図4のS406におけるHDR合成処理で得られたHDR合成画像を取得する。HDR合成画像データは15bppの画像データである。S1310で制御部110は、ファイル形式選択ダイアログ1200のドロップダウンリスト1202で、差分データ付加のファイル形式が選択されているかどうかを判定する。差分データ付加のファイル形式が選択されている場合、S1311の処理へ移行し、選択されていない場合にはS1312の処理へ移行する。
S1311で制御部110は、差分画像データを取得する。差分画像データは、S1309で取得したHDR合成画像から、HDR合成画像を14bppでクリップした画像を減算することで得られる。本実施形態では、差分画像データはA像データの最高位ビットで表される1bppの画像データと同義である。図15(A)は14bppのHDR RAW画像データと差分画像データの説明図である。横軸は被写体の明るさを表し、縦軸は画素値を表す。
S1312で制御部110は、ファイル形式選択ダイアログ1200のドロップダウンリスト1202で、14bppRAWのファイル形式が選択されているかどうかを判定する。「14bppRAW」のファイル形式が選択されている場合、S1313の処理へ移行し、選択されていない場合、すなわち「15bppRAW」のファイル形式が選択されている場合にはS1314の処理へ移行する。
S1313で制御部110は、HDR RAW画像圧縮処理を行う。HDR RAW画像圧縮処理は、15bppのHDR合成画像を14bppのデータに変換する処理である。その詳細は後述する。HDR RAW画像圧縮処理が終了すると、S1314の処理へ移行する。S1314〜S1316の処理はそれぞれ、図8のS802〜S804と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
図15(B)は、図14のS1313におけるHDR RAW画像圧縮処理を説明するための図である。縦軸はHDR RAW画像圧縮処理の出力画像データにおける画素値を表わし、横軸は入力画像データにおける画素値を表わす。グラフ線1401はHDR RAW圧縮処理をしない場合の出力画素値を表す。グラフ線1401の表わす出力画素値は、本実施形態では15bppRAWのファイル形式が選択されている場合の出力画素値と同義である。図15(C)は、14ビット圧縮データの生成処理の流れを示す概念図である。HDR合成処理部は、(A+B)像データおよびA像データと、撮影時のパラメータを取得し、合成パラメータに従って合成処理を実行する。生成された15bppのRAWデータは圧縮処理されて、14bppのHDR RAWデータが得られる。
図15(B)のグラフ線1402は、15bit(0〜32768)の入力画素値を、14bit(0〜16384)の範囲にマッピングした場合の出力画素値を表わす。マッピングには、アプリケーション200が保持する入力画素値と出力画素値の対応表を参照し、各画素について対応する値を取り出す方法を用いる。なお、アプリケーション200は対応表を複数保持し、入力画像データによって使い分けてもよい。例えば、全体的に暗い画像の場合には、グラフ線1402に示されるように出力画素値の値を入力画素値の小さい範囲により多く割り当てることで、低輝度部分の階調を残すことができる。また、図14のS1314で取得される編集パラメータに対応表を追加することで、保存したファイルをアプリケーション200に再度読み込んだ際に、逆変換によって元のHDR合成画像データに近いデータに変換することができる。
この他、グラフ線1403の表わす画素値のように、グラフ線1401の表わす画素値を1段分ゲインダウンした出力画素値とすることで14bppに圧縮する方法を用いてもよい。この場合、図14のS1314で取得される編集パラメータに1段分ゲインアップする内容のデータを追加することで、保存したファイルをアプリケーション200に再度読み込んだ際に、明るさを元のHDR合成画像データと合わせることができる。
本実施形態によれば、(A+B)像およびA像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を施した結果を、ユーザが選択した形式のRAW画像ファイルとして保存することができる。
本実施形態によれば、(A+B)像およびA像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を施した結果を、ユーザが選択した形式のRAW画像ファイルとして保存することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、A像およびB像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を行う例を示す。第1実施形態では、ファイル保存処理を実行する際に必ずファイル形式選択ダイアログを表示する例を説明した。これに対して本実施形態では、ファイル形式が一度選択された場合、その後に、ファイル保存処理の実行のたびにファイル形式を選択する操作が不要な例を示す。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、A像およびB像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を行う例を示す。第1実施形態では、ファイル保存処理を実行する際に必ずファイル形式選択ダイアログを表示する例を説明した。これに対して本実施形態では、ファイル形式が一度選択された場合、その後に、ファイル保存処理の実行のたびにファイル形式を選択する操作が不要な例を示す。
図16は、記録媒体150に格納されているRAW画像ファイル1500の概念図である。RAW画像ファイル1500は、RAW画像ファイル300と同様、TIFF形式に準拠した画像ファイルの構造を持ち、画像データ部はA像データ部とB像データ部を有する。領域1501〜1503、1506〜1507および1510は、図3の領域301〜303、306〜307および310にそれぞれ相当するため、それらの説明を省略する。
A像データ部1508とB像データ部1509はそれぞれ、瞳分割画像を取得可能な撮像装置によって記録されたRAW画像データを格納する領域である。具体的には、第1実施形態で説明した撮像装置が、第一画素の瞳分割画像(A像)と第二画素の瞳分割画像(B像)の各データを生成する。撮像装置はシェーディング補正を行ったA像をRAW画像ファイル1500のA像データ部1508に記録し、シェーディング補正を行ったB像をB像データ部1509に記録する。このとき、A像とB像を加算して得られる(A+B)像に対してA像およびB像は画素の開口が1段分の露出アンダーとなるため、(A+B)像が適正露出画像となり、A像およびB像がアンダー露出画像となる。IFD部1504および1505は、それぞれA像データ部1508、B像データ部1509に対応するIFD部である。
次に、本実施形態に係る画像処理と保存処理について、図17から図20を用いて説明する。図17は、HDR合成機能とファイル保存機能を備えたアプリケーション200の動作を説明するフローチャートである。HDR合成機能は、入力RAW画像ファイルに対してHDR合成を行う機能である。ファイル保存機能は、編集されたRAW画像ファイルを、あらかじめ設定されたファイル形式で保存する機能である。S1600〜S1604の処理はそれぞれ、図10のS1000〜S1004と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1605で制御部110は、入力RAW画像ファイルのIFD部の情報を検索し、入力RAW画像ファイルにA像データ部1508とB像データ部1509の両方が存在するかどうかを判定する。入力RAW画像ファイルにA像データ部1508とB像データ部1509の両方が存在すると判定された場合、S1606の処理へ移行する。入力RAW画像ファイルにA像データ部1508およびB像データ部1509が存在しないと判定された場合にはS1608の処理に移行する。S1606の処理は、図10のS1006と同様の処理であるため、説明を省略する。
S1607で制御部110はHDR合成処理を行う。本実施形態において、HDR合成処理は、入力画像ファイルのA像データ部1508とB像データ部1509から取得したデータを加算した(A+B)像データを生成し、プレビューエリア230に表示する処理である。A像データとB像データはそれぞれ14bppの1段露出アンダーの画像であるため、それらを加算して得られる(A+B)像データは15bppの適正露出画像となり、図6のグラフ線602と同様の被写体の明るさに対応する画素値を持つ。
S1608で制御部110は、ユーザによってファイル形式の設定ボタン251が操作されたか否かを判定する。設定ボタン251が操作されたことが判定された場合、S1609の処理へ移行し、操作されない場合にはS1610の処理に移行する。S1609で制御部110は、ファイル形式設定処理を行う。その詳細は後述する。ファイル形式設定処理が終了すると、S1600の処理へ移行する。S1610、S1612の処理はそれぞれ、図10のS1008、S1010と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
次に、図18のフローチャートを参照して、図16のS1609におけるファイル形式設定処理について説明する。S1700〜S1702の処理はそれぞれ、図13のS1302〜S1304と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1703で制御部110は、ファイル形式選択ダイアログ1200のドロップダウンリスト1202で選択されたファイル形式を、アプリケーション200の設定情報としてメモリ130に記録する。ファイル形式の設定情報はアプリケーション200を終了する際にROM140に記録され、再度アプリケーション200を起動した際に読み込まれるので、同じ設定を再び使用できる。なお、ファイル形式の設定情報はS1703の時点でROM140に記憶してもよいし、アプリケーション200の終了時に破棄し、再度アプリケーション200を起動した際は初期値を使用する構成でもよい。また、ファイル形式の設定情報の初期値は「オリジナル」の形式とする。なお、ファイル形式の設定情報が設定されていない場合には、保存処理ボタン250を無効とすることで図17のS1610をスキップする構成でもよい。
S1704で制御部110は、ユーザによってキャンセルボタン1205が操作されたか否かを判定する。キャンセルボタン1205が操作されたことが判定された場合、ファイル形式設定処理を終了し、操作されない場合にはS1701の処理に戻る。
次に、図19、図20のフローチャートを参照して、図17のS1611に示したファイル保存処理について説明する。S1800およびS1801の処理はそれぞれ、図13のS1300およびS1301と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
S1802で制御部110は、図17のS1609で設定されたファイル形式を選択する。S1803で制御部110は、S1601またはS1602で、「オリジナル」のファイル形式が選択されたかどうかを判定する。「オリジナル」のファイル形式が選択されていると判定された場合、S1804の処理へ移行し、選択されていない場合にはS1806の処理へ移行する。
S1804で制御部110は、入力RAW画像ファイルのA像データ部1508から、A像データを取得する。S1805で制御部110は、入力RAW画像ファイルのB像データ部1509から、B像データを取得する。図19および図20のS1806〜S1813の処理はそれぞれ、図13のS1309〜S1316と同様の処理であるため、それらの説明を省略する。
本実施形態によれば、A像およびB像で構成されるRAW画像ファイルに対し、HDR合成処理を施した結果を、ユーザが選択した形式のRAW画像ファイルとして保存することができる。また、一度ユーザがファイル形式を選択した結果をアプリケーションが保持することで、ファイル保存処理の実行ごとにファイル形式を選択する操作を行う必要がなく、所望のファイル形式でファイル保存を行える。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
110‥‥ 制御部
120‥‥ 画像処理部
150‥‥ 記録媒体
160‥‥ 操作部
170‥‥ 表示部
120‥‥ 画像処理部
150‥‥ 記録媒体
160‥‥ 操作部
170‥‥ 表示部
Claims (13)
- 視点の異なる複数の視点画像データを入力画像データとして取得する取得手段と、
前記入力画像データにダイナミックレンジ拡張に係る合成処理を行って出力画像データを生成する合成手段と、
前記出力画像データまたは前記視点画像データおよび前記出力画像データを、予め定められたファイル形式で記録媒体にファイルとして保存する保存手段と、を備える
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記入力画像データは1回の撮像で取得される視点画像データであって、画像加工処理が行われる前のRAW画像データである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記入力画像データは、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する第1および第2の光電変換部のうち、前記第1の光電変換部から取得される第1の画像データと、前記第1の画像データおよび第2の光電変換部から取得される画像データを加算して得られる第2の画像データであり、
前記保存手段は、前記ファイルの第1の領域に前記第1の画像データを保存し、前記ファイルの第2の領域に前記第2の画像データを保存する処理を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記入力画像データは、撮像光学系の異なる瞳領域を通過した光をそれぞれ受光する第1および第2の光電変換部のうち、前記第1の光電変換部から取得される第1の画像データと、前記第2の光電変換部から取得される第2の画像データの画像データであり、
前記保存手段は、前記ファイルの第1の領域に前記第1の画像データを保存し、前記ファイルの第2の領域に前記第2の画像データを保存する処理を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記保存手段は、前記入力画像データのファイル形式で前記出力画像データを保存する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記保存手段は、前記ファイルの第1の領域に前記RAW画像データを保存し、前記ファイルの第2の領域に差分画像データを保存する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 複数のファイル形式から1つのファイル形式を選択する選択手段を備え、
前記保存手段は、前記選択手段により選択されたファイル形式で前記出力画像データを保存する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記複数のファイル形式の情報を表示する表示手段を備え、
前記ファイル形式の情報は、前記出力画像データが保存されたファイルについて、ファイルサイズ情報、互換性に関する情報、画質の変化に関する情報のうちの1つ以上を含む
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記保存手段は、前記出力画像データに対して前記合成処理が行われたことを示す情報を付加する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
被写体を撮像する撮像素子を備える撮像装置。 - 前記撮像素子は、複数のマイクロレンズと、複数の光電変換部を有し、各マイクロレンズがそれぞれ前記複数の光電変換部に対応しており、
前記各マイクロレンズに対応する前記複数の光電変換部より出力される信号から前記複数の視点画像データが生成されることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。 - 視点の異なる複数の視点画像データを処理する画像処理装置にて実行される画像処理方法であって、
前記視点画像データを入力画像データとして取得する工程と、
前記入力画像データにダイナミックレンジ拡張に係る合成処理を行って出力画像データを生成する工程と、
前記出力画像データまたは前記視点画像データおよび前記出力画像データを、予め定められたファイル形式で記録媒体にファイルとして保存する工程と、を有する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12に記載の各工程を画像処理装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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