JP2018105922A - 根管治療用歯牙模型、囲み部材、歯牙模型 - Google Patents

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Abstract

【課題】疑似根管の切削時に前記疑似根管の曲がり具合や方向を目視することを防止できるとともに、簡単かつ正確に切削した疑似根管を評価できる根管治療用歯牙模型、囲み部材、及び歯牙模型を提供することを目的とする。
【解決手段】
透明材料で形成されるとともに、歯牙における根管を模した疑似根管23が内部に設けられた歯牙模型2と、不透明材料で形成されるとともに、歯牙模型2の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲まれた収納ケース3とで構成された根管治療用歯牙模型1
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば根管治療の実習に用いる根管治療用歯牙模型、囲み部材、及び歯牙模型に関する。
歯科医療の分野における根管治療は、歯髄が細菌に感染して炎症などを起こした根管の治療であり、根管を切削して痛んだ歯髄を丁寧に除去したのちに、根管を注意深く殺菌消毒し、再度の感染を防ぐために切削された根管の中に詰め物を充填して終了する治療である。
この根管治療において、痛んだ歯髄が除去されていないと、炎症などが再発することとなるため、確実に根管を切削して歯髄を除去する必要がある。一方で根管を切削し過ぎるとリーマやファイルなどの切削工具が根尖を突き抜けて歯根膜を損傷するなどのおそれがある。このように根管治療には高度の技術を要し、このような技術を取得するために、歯学の実習では歯牙模型に設けられた疑似根管を切削する練習が行われることがある。
また例えば、歯科医が根管治療に用いるリーマやファイルなどの切削工具や、切削工具を装着した根管切削用ハンドピースなどの切削工具を購入する場合には、歯科医は切削工具やハンドピースを用いて歯牙模型に設けられた湾曲した疑似根管を実際に切削し、切削工具やハンドピースの使い心地、性能、精度などを調べることがある。
このような根管治療の練習や、切削工具やハンドピースの使い心地、性能、精度などの確認用に従来から用いられる歯牙模型は、全体が透明の材料で構成されるとともに、歯牙における根管を模して湾曲した疑似根管が内部に設けられているが、本体が透明であるため疑似根管の形状や延びる方向を外から目視できるので、根管に沿った根管拡大が出来ていない場合や、切削工具が根尖を突き破っている場合に術者は意図して修正を行ってしまう欠点があり、根管の切削の練習や切削工具の精度などの確認には不向きであった。
これに対して例えば特許文献1に開示されている根管治療用歯牙模型は、歯牙における根管に模した疑似根管が設けられた一部分が透明な材料で構成された歯牙模型が、部分的に透明な材料で構成された歯牙模型の周囲を囲む歯列弓状の歯肉部分を模った歯牙模型保持部に一体となるように固定されており、前記歯牙模型の透明な材料で構成された側方を撮像するように備えられたカメラにより、前記疑似根管内での切削工具の動きや位置を把握できるとされている。
しかしながら、前記根管治療用歯牙模型は、前記歯牙模型を前記歯牙模型保持部から取り外すことができず、前記カメラで前記歯牙模型を映さなければ切削された前記疑似根管を評価するには必ず前記カメラが必要であるから、前記疑似根管の切削状況を確認することが困難であるといった問題があった。
特開2012−29755号公報
この発明は、上記問題点に鑑み、疑似根管の切削時に前記疑似根管の曲がり具合や方向を目視することを防止できるとともに、簡単かつ正確に切削した疑似根管を評価できる根管治療用歯牙模型、囲み部材、及び歯牙模型を提供することを目的とする。
この発明は、透明材料で形成されるとともに、歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられた歯牙模型と、不透明材料で形成されるとともに、前記歯牙模型の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲まれた囲み部材とで構成された根管治療用歯牙模型であることを特徴とする。
またこの発明は、歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられた、透明材料で形成された歯牙模型の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲む、不透明材料で形成された囲み部材であることを特徴とする。
上述の透明材料とは、内部に設けられた前記疑似根管の形状等が透けて見える程度の透明度を有する材料をさし、例えば前記疑似根管の形状が透けて見える半透明な材料も含む。
前記囲み部材は、例えば、歯牙模型を収納可能な収納ケースや、前記歯牙模型の下方側面に貼り付け可能な薄肉状の薄状体を含む。
上述の取り外し可能とは、前記歯牙模型から前記囲み部材を交換可能に取り外す場合の他、交換不可能に取り外す場合も含む。すなわち、囲み部材を再利用できる場合のみならず、再利用できない場合も含む。
前記囲むとは、前記歯牙模型に対して前記囲み部材がスライド可能な程度に所定の間隔を隔てるように前記囲み部材で前記歯牙模型を囲んだ状態や、前記歯牙模型の下方側面全体又は一部に前記囲み部材を密着させて囲んだ状態のいずれをも含む。
この発明によると、疑似根管の切削時に前記疑似根管の曲がり具合や方向を目視することを防止できるとともに、簡単かつ正確に切削した疑似根管を評価できる。
詳述すると、前記囲み部材で前記歯牙模型の少なくとも下方側面を覆い隠すことができるため、前記疑似根管の曲がり具合や方向、形状などを目視して把握することを防止でき、実際の治療に近い状態で前記疑似根管を切削できる。また前記囲み部材から取り外された前記歯牙模型が透明であることから、切削後の前記疑似根管の切削状況を簡単かつ容易に評価できる。
さらにまた、前記根管治療用歯牙模型は、前記歯牙模型と前記囲み部材といったシンプルな構成であるため、前記根管治療用歯牙模型を用いた前記疑似根管の切削するためのスペースを必要とせず、場所などを考慮することなく前記疑似根管を切削するとともに、切削された前記疑似根管の切削状況を確認できる。
またこの発明の態様として、前記歯牙模型は、異なる湾曲形状で構成された複数の前記疑似根管を内部に設けてもよい。
この発明により、一の根管治療用歯牙模型を用いて様々な湾曲形状をした複数の前記疑似根管を切削できるため、効率よく切削工具やハンドピースの使い方を学ぶことができる。また、様々な湾曲形状の前記疑似根管を切削工具やハンドピースで切削できるため、様々な湾曲形状に対する切削工具やハンドピースの使い心地、性能、精度などを評価できる。
またこの発明の態様として、前記囲み部材に、前記歯牙模型を収納する収納部を設けてもよい。
この発明により、前記歯牙模型を確実に前記囲み部材に収納させることで、前記歯牙模型の下方側面を前記囲み部材で囲むことができるため、前記疑似根管の形状などを前記囲み部材で覆い隠すことができる。
さらにまたこの発明の態様として、前記囲み部材及び前記歯牙模型は、非導電性材料で構成され、前記歯牙模型に、前記疑似根管における根尖部位から外部に貫通する貫通細孔を設け、前記歯牙模型が前記収納部に収納された収納状態において、前記囲み部材の外部から前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する根管連通部を設けてもよい。
この発明により、例えば切削工具の先端から前記疑似根管の根尖までの距離を電気的根管長測定器で測定することができる。
詳述すると、現実の根管治療における根管長測定は、切削対象である根管と、口腔内とのインピーダンス値を測定することにより、切削工具の先端が前記根管の根尖まで到達しているか否かを判断できる。この発明では、前記囲み部材及び前記歯牙模型が非導電性材料で構成されているとともに、前記疑似根管と前記根管連通部とが前記貫通細孔を介して連通されていることから、例えば、この連通部に生理食塩水等の導電性液体で満たすことで前記疑似根管と前記根管連通部との導通性を確保できる。
これにより、切削工具の先端から前記疑似根管の根尖までのインピーダンス値を測定することができ、切削工具の先端が前記擬似根管の根尖に到達しているか否かを判断できる。したがって、前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
またこの発明の態様として、前記歯牙模型の側面に、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する有底の溝部を設け、前記溝部が前記根管連通部として機能してもよい。
またこの発明は、非導電性材料で構成され、歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられるとともに、少なくとも下方側面が、収納部を有する囲み部材によって取り外し可能に囲まれ、前記疑似根管は、根尖部位から外部に貫通する貫通細孔が設けられ、側面に、前記収納部に収納された収納状態において、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する有底の溝部が設けられた歯牙模型であってもよい。
またこの発明の態様として、前記囲み部材に、前記収納部に収納された前記歯牙模型との間に凹部を設け、前記凹部が前記根管連通部として機能させてもよい。
前記凹部は、前記収納部あるいは前記収納部を形成する囲み部材の一方又は双方に設けた場合を含む。
これら発明によると、例えば生理食塩水や水道水のような導電性を有する物質を前記溝部や前記凹部に溜めることができるため、前記疑似根管と前記溝部とを貫通細孔を介して確実に導通させることができ、切削工具の先端から前記疑似根管の根尖までのインピーダンス値で測定できる。したがって、前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
なお、前記溝部及び前記凹部に溜めることができる導電性を有する物質は、生理食塩水などのような導電性を有する液体の他、ゲル形状のものも含む。
また、この発明の態様として、前記凹部に、導電性を有するとともに、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と前記根管連通部とを根管長測定可能な液体を溜めてもよい。
上述の根管長測定可能な液体を溜めとは、前記疑似根管及び前記根管連通部に前記液体を前記疑似根管の根管長測定が可能となるように溜めることをさす。すなわち、前記疑似根管と前記根管連通部とを電気的に導通させるように上述した導電性を有する液体を溜めることをさす。
この発明によると、前記凹部に導電性を有する液体を溜めることで、前記疑似根管と前記凹部とを導通させることができる。これにより、前記切削工具と前記疑似根管の根尖とのインピーダンス値を測定でき、前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
またこの発明の態様として、前記根管連通部が、導電性を有する導電性根管連通部で構成してもよい。
この発明により、前記導電性根管連通部に対して根管長測定装置の一方の電極を接続して、前記切削工具と前記疑似根管の根尖との間のインピーダンス値を測定できるため、前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
またこの発明の態様として、前記疑似根管の内部に、導電性を有する根管内導電部を設けてもよい。
この発明により、前記疑似根管内の導電性を確保できるため、前記切削工具と前記疑似根管の根尖とのインピーダンス値を測定して、前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
なお、前記疑似根管及び前記根管連通部を、それぞれ導電性を有する根管内導電部及び前記導電性根管連通部で構成した場合、生理食塩水などの液体を一切用いることなく前記切削工具と前記疑似根管の根尖とのインピーダンス値を測定できる。したがって、液体がこぼれることを心配することなく準備や片付けなどの効率を向上できる。
さらにまた、前記根管連通部と前記疑似根管内とを導電性物質で満たすことにより、前記根管連通部と前記疑似根管内との間の導通をより確実に確保できるため、より確実かつ正確に前記切削工具の先端から前記疑似根管の根尖までのインピーダンス値で測定できる。したがって、より正確に前記疑似根管の根管口から根尖までの距離を測定できる。
またこの発明の態様として、前記収納部に収納された前記歯牙模型を固定する固定部を設けてもよい。
この発明により、前記収納部に収納された前記歯牙模型を前記囲み部材に固定できるため、前記疑似根管の切削中に前記歯牙模型が不用意に前記囲み部材から外れたり、ずれたりすることを防止できる。換言すると、前記疑似根管の切削中に、前記歯牙模型が前記囲み部材に対して動くことを防止できるため、根管治療の技術や切削工具の精度などを適正に評価できる。
またこの発明の態様として、導電性材料で構成されるとともに、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と外部との間の電気的接続を可能とする導電部材を備え、該導電部材を、前記固定部として機能させてもよい。
上述の前記貫通細孔を介して前記疑似根管と外部との間の電気的接続を可能とするとは、導電性を有する前記根管連通部に前記導電部材を接触させることで、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と外部とを電気的に接続させる場合や、前記貫通細孔に前記導電部材を直接接触させ前記疑似根管と外部とを電気的に接続させる場合を含む。
この発明によると、前記導電部材が前記根管治療用歯牙模型の外部に設けられているため、根管長測定装置の電極の一方を確実に前記導電部材に接続できる。これにより、根管長測定装置の電極の一方が前記導電部材を介して、前記疑似根管と電気的に接続されるため、前記導電部材を用いて前記疑似根管の根尖と切削工具の先端とのインピーダンス値を測定できる。
また、前記固定部と前記導電部材とを一体で構成されているため、組み付け作業の効率化を図ることができるとともに、部品点数を削減することができる。
またこの発明の態様として、一つの前記囲み部材に対して、複数の前記歯牙模型を取り替え可能としてもよい。
この発明により、前記囲み部材に対して前記歯牙模型の取り替えることができるため、前記疑似根管を切削した前記歯牙模型のみを使い捨てできる。すなわち、前記歯牙模型のみを交換する構成とできるため、不要な廃棄物を出す必要もなく、またコストを削減できる。
またこの発明の態様として、前記囲み部材は、薄膜状あるいは薄肉状の薄状体で構成されるとともに、前記歯牙模型の少なくとも下方側面に対して貼付可能に構成されてもよい。
この発明によると、前記歯牙模型の下方側面に前記囲み部材を張り付けるだけで前記疑似根管の曲がり具合や方向、形状などを覆い隠せることができ、また前記囲み部材を取り外すだけで、前記疑似根管の切削状況を評価できる。
この発明により、疑似根管の切削時に前記疑似根管の曲がり具合や方向を目視することを防止できるとともに、簡単かつ正確に切削した前記疑似根管を評価できる根管治療用歯牙模型、囲み部材、及び歯牙模型を提供することができる。
根管治療用歯牙模型の概略斜視図。 根管治療用歯牙模型の概略分解斜視図。 歯牙模型を収納ケースに収納した状態の根管治療用歯牙模型の説明図。 根管治療用歯牙模型での根管長測定の説明図。 他の実施形態の歯牙模型の概略斜視図。 他の実施形態の歯牙模型の説明図。 他の実施形態の根管治療用歯牙模型の説明図。 他の実施形態の根管治療用歯牙模型の説明図。 他の実施形態の根管治療用歯牙模型の説明図。 他の実施形態の根管治療用歯牙模型の説明図。
以下、根管治療用歯牙模型1について図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は根管治療用歯牙模型1の概略斜視図を示し、図2は根管治療用歯牙模型1の概略分解斜視図を示し、図3は根管治療用歯牙模型1を構成する歯牙模型2を収納ケース3に収納した状態の説明図を示し、図4は、根管治療用歯牙模型1を用いた根管長測定の説明図を示す。
図1及び図2は、透明な材料で構成された歯牙模型2の内部を破線で示し、図2は根管治療用歯牙模型1を構成する歯牙模型2と収納ケース3の概略斜視図及び、貫通細孔24を明確にするための貫通細孔24の近辺であるα部を拡大した拡大図を示す。図3について詳しく説明すると、図3(a)は、根管治療用歯牙模型1の平面図を示し、図3(b)は図3(a)における根管治療用歯牙模型1のA−A矢視断面図を示す。
根管治療用歯牙模型1は、図1に示すように、歯牙模型2と、歯牙模型2を収納可能な収納ケース3とが互いに分離可能に構成されている。
歯牙模型2は、図2に示すように、底面が正方形である直方体形状をした歯牙模型本体21と、歯牙模型本体21の側面に形成された溝部22と、歯牙模型本体21の内部に湾曲して形成された疑似根管23と、疑似根管23の先端部分と溝部22とを連通させる貫通細孔24とで構成されている。
歯牙模型本体21は、非導電性の透明なアクリル樹脂で構成された直方体形状をした角柱体であり、その硬度は象牙質と同程度の硬度を有するように加工している。
なお、歯牙模型本体21を構成する材料は、透明な材料であればアクリル樹脂に制限されるわけでなく、例えば、エポキシ樹脂やポリカーボネート樹脂などで構成してもよく、さらには透明なセラミックであってもよい。換言すると、歯牙模型本体21を構成する材料は、常温で透明な固体であるポリマー体や、透明なセラミックなどの無機化合物であってもよい。
溝部22は、歯牙模型本体21の上面から長手方向に沿って設けられた溝であり、歯牙模型本体21の4つの側面のうちの湾曲している疑似根管23の貫通細孔24が開口する一面に形成されている。より詳しくは、溝部22は、歯牙模型本体21の一面の中央部分を半円状に窪ませた窪みであり、長手方向に沿った長さは、歯牙模型本体21の高さ(長手方向の長さ)の3分の2程度である。そして、前記貫通細孔24がこの溝部22に開口している。
換言すると、溝部22は歯牙模型本体21の側面に形成された半円柱状の有底の溝である。
なお、溝部22の形状に関しては半円柱状である必要はなく、例えば、矩形状に窪ませた角柱状もよく、また三角形状に窪ませた三角柱状でもよい。
疑似根管23は、図2及び図3(b)に示すように、歯牙模型本体21の上面から内部を貫通する管状の貫通孔である。詳述すると、疑似根管23は、歯牙模型本体21上面中央部分から長手方向下方に向けて延びるとともに、先端側が溝部22に向けて湾曲した形状をしている。
このような形状をした疑似根管23は、歯牙模型本体21の上面に設けられた疑似根管口231と、疑似根管口231を一端として下方に向けて延びる管状の根管胴体232と、根管胴体232の他端を形成する根尖233とで構成されている。なお、根管胴体232は、根管を切削する切削工具100の径よりも細く形成されており、また根尖233に向かうにつれて細くなっている。
貫通細孔24は、根尖233と溝部22とを貫通させた微細な貫通孔である。
このような構成された歯牙模型2は、アクリル樹脂製の直方体の側面を削り溝部22を形成させるように、疑似根管23を射出成形で掘削して製造されているが、必ずしもこの製造方法である必要はなく、例えば3Dプリンタを用いて製造や、切削成形などで製造してもよい。
次に、図2及び図3に基づいて、歯牙模型2を収納可能な収納ケース3について説明する。
囲み部材に対応する収納ケース3は、円柱状に形成されたケース本体31と、ケース本体31の上面中央部分に設けられた収納凹部32と、収納凹部32の上端部分において径外側に向けて窪ませて形成された給水部33と、ケース本体31の側面に設けられた側面貫通孔34と、側面貫通孔34から径外側に突出する導電性を有する導電性固定部材35とで構成されている。
ケース本体31は、非導電性で、かつ、不透明な材料で構成された円柱形状の柱体であり、その上面中央部分には、下方に所定の長さ分だけ窪ませて、歯牙模型2を収納可能とした収納凹部32が設けられている。
この収納凹部32は、図3(a)及び図3(b)に示すように、歯牙模型2を嵌め合せて収納させる収納部321と、平面視で収納部321よりもわずかに拡大させた凹部322と、凹部322の長手方向上方に形成されたテーパー部323とで一体に構成されている。
収納部321は、歯牙模型本体21と略同じ形状に形成された底面が正方形である直方体状の窪みであり、ケース本体31の上面からの深さは歯牙模型本体21の長手方向の長さの10分の9程度である。すなわち、図3(b)に示すように、歯牙模型2を収納ケース3に収納した状態において歯牙模型2の下方は収納ケース3に覆われることとなるが、歯牙模型2の上端側は収納ケース3から突出することとなる。
この収納部321の外側に形成された凹部322は、図3(a)及び図3(b)に示すように、外側に所定の間隔を広げた底面が収納部321の正方形よりも大きな正方形で深さが収納部321よりも浅い直方体状の窪みである。
凹部322の上端に形成されたテーパー部323は、上面から下方に向かうにつれて内側に入り込むテーパー面である。
このように収納部321と凹部322とテーパー部323とで一体に構成される収納凹部32は、ケース本体31の上面から下方に向けて、平面視正方形状の直方体状の窪みを二つ重ね合わせて段差形状とした凹部であり、上面側は内側下方に向けてテーパー状に形成されている。
平面視正方形状に形成されたテーパー部323の一辺には、径外側に半円状に窪ませた給水部33が形成されている。この給水部33は長手方向下方に向かうにつれて径内側に向かうテーパー形状をしており、テーパー面の下端は、凹部322の上端と交差することとなる。
側面貫通孔34は、給水部33が突出する方向に設けられたケース本体31の側面を貫通する管状の貫通孔である。換言すると、側面貫通孔34は収納凹部32と外部とを挿通する管状の貫通孔であり、内壁面には図示しない螺旋状の溝が形成されている。なお、側面貫通孔34はケース本体31の長手方向略中央に設けられている。
導電性固定部材35は、側面貫通孔34に挿通された円柱状の棒状体であり、円柱状の導電柱体351と、側面貫通孔34に挿通した状態で導電柱体351の径内側に設けられた先端接触部352と、導電柱体351の径外側に設けられた固定操作部353とで構成されている。
導電柱体351は、導電性を有する金属製の円柱体であり、表面には側面貫通孔34に形成された螺旋状の溝と螺合する螺旋状の凸部が設けられている(図示省略)。なお。導電柱体351は、必ずしも金属製である必要はなく、導電性を有していれば、セラミックなどの無機化合物であってもよい。
先端接触部352は導電柱体351の先端部分(径内側)であり、導電柱体351よりもわずかに先細りした円錐台形状をしている。
固定操作部353は、導電柱体351の他端側に一体として組み付けられた円柱体であり、導電柱体351の径よりも拡径であるとともに、非導電性部材で構成されている。
この導電性固定部材35は、導電柱体351の中心軸を回転軸として固定操作部353を時計回りに回転することで、導電柱体351に設けた螺旋状の凸部が側面貫通孔34の溝と螺合して内径側に移動するように構成されている。
すなわち、導電性固定部材35は、収納ケース3のケース本体31の側面を貫通して収納凹部32に達するねじ孔を有する側面貫通孔34にねじこまれて前後方向に調節可能とされており、歯牙模型2を収納凹部32に収納して、導電性固定部材35の端部に形成したねじ部でねじこむことで歯牙模型2を収納凹部32に固定する。歯牙模型2を収納凹部32から分離する時には、導電性固定部材35の端部に形成したねじ部を緩めることで歯牙模型2を収納凹部32から離脱させることが出来る。
このように構成されている収納ケース3は、歯牙模型2を収納して固定することができる。詳しくは、収納凹部32を構成する収納部321は歯牙模型2と同じ形状の溝であるため、歯牙模型2を収納凹部32に挿入することで収納できる。なお、テーパー部323がテーパー状に形成されているため、歯牙模型2はテーパー部323に案内されて容易に収納凹部32に挿入できる。
次に、固定操作部353を時計回りに回転することで、導電柱体351がケース本体31の内側に挿入され、先端接触部352が溝部22に圧接することとなり、歯牙模型2が収納ケース3に固定される。
本実施形態では図1及び図3に示すように溝部22と給水部33とが対向するように歯牙模型2を収納ケース3に収納しているが、必ずしもこの方向である必要はなく、違う向きに収納しても構わない。
この歯牙模型2が収納ケース3に収納された状態では、歯牙模型2は不透明な材料で構成されたケース本体31によって囲まれることとなるため、疑似根管23の形状や曲がる方向などは外部から目視することができない。したがって、切削工具100を用いて疑似根管23を目視できない状態で切削できる。
次に、図4に基づいて、根管治療用歯牙模型1を用いて根尖233と切削工具100との距離の測定方法について説明する。
はじめに、歯牙模型2が収納ケース3に収納された根管治療用歯牙模型1に対して、導電性を有する生理食塩水Sを給水部33及び疑似根管口231から注ぎ込む。ここで、収納凹部32及び溝部22は有底の溝形状に形成されているため、注ぎ込まれた生理食塩水Sは収納凹部32、溝部22及び疑似根管23に溜まることとなる(図4参照)。また、微細な貫通孔である貫通細孔24を介して疑似根管23の根尖部分に僅かな生理食塩水Sが流れ込み、疑似根管23と溝部22とが導通されることとなる。なお、この状態で先端接触部352は生理食塩水Sの内部に位置されている。
次に、ケース本体31よりも外側に露出した導電柱体351に根管測定装置の電極の一方を接続するとともに、切削工具100に根管測定装置の電極の他方を接続することで、根管長測定装置の電極同士が電気的に接続されて回路を形成するため、切削工具100の先端と根尖233とのインピーダンス値を測定することで、疑似根管口231と根尖233との距離を測定できる。
なお、本実施形態では、切削工具100の先端が根尖233に最接近した時のインピーダンス値が6.5kΩとなるようにインピーダンス値を調整されており、実際の根管治療に近い状態で根管長を測定できる。
このような構成を有する根管治療用歯牙模型1は、必ずしも収納ケース3に歯牙模型2を収容する必要はなく、例えば図5に記載する歯牙模型2と異なる構成の歯牙模型2xを収納ケース3に収容する根管治療用歯牙模型1xとしてもよい。
以下、歯牙模型2xについて図5とともに説明する。
なお、以下で説明する歯牙模型2xの構成のうち、上述した歯牙模型2と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで、図5は、歯牙模型2xの概略斜視図を示し、透明な材料で構成された歯牙模型2の内部は破線で表している。
歯牙模型2xは、歯牙模型2と同様に、底面を正方形とした直方体形状をした歯牙模型本体21と、歯牙模型本体21の側面に形成された溝部22と、歯牙模型本体21の内部に形成された3つの疑似根管23xと、疑似根管23xの先端部分と溝部22xとを挿通させる貫通細孔24xとで構成されている。
歯牙模型2xにおける溝部22は、歯牙模型本体21を形成するすべての側面に形成されている。
また、歯牙模型2xには形成されている3つの疑似根管23xは、根尖233xがそれぞれ最近の溝部22に向かうように根管胴体232xが湾曲しており、また各根尖233xは貫通細孔24を介して溝部22xと連通している。なお、歯牙模型本体21の内部に形成された3つの根管胴体232xはそれぞれ異なる湾曲形状をしている。
このような歯牙模型2xは、歯牙模型2と同一形状をした歯牙模型本体21をベースとしているため、複数の異なる湾曲形状を有する疑似根管23xが設けられた歯牙模型2xを収納ケース3に収納することができる。
さらに、根管治療用歯牙模型1の構成として歯牙模型2を、図6に示すように、溝部22に導電膜40を張り付けた歯牙模型2yとした根管治療用歯牙模型1yとしてもよい。
以下、歯牙模型2yについて図6とともに説明する。なお、歯牙模型2x説明と同様に、以下で説明する歯牙模型2yの構成のうち、上述した歯牙模型2と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ここで図6は歯牙模型2yの説明図を示し、詳しくは、図6(a)は収納ケース3に収納した状態の歯牙模型2yの概略斜視図を示し、図6(b)は図6(a)における収納ケース3に収納された歯牙模型2yのB−B矢視断面図を示す。なお、図6(a)では、透明な材料で構成された歯牙模型2yの内部を破線で表している。
歯牙模型2xは、図6(a)及び図6(b)に示すように、底面を正方形とした直方体形状をした歯牙模型本体21と、歯牙模型本体21の側面に形成された溝部22と、歯牙模型本体21の略中央に形成された疑似根管23と、疑似根管23の先端部分と溝部22とを挿通させる貫通細孔24と、溝部22の溝底に貼り付けられた導電膜40とで構成されている。
導電膜40は、導電性を有する薄膜であり、溝部22の溝底に沿って貼り付けられており、貫通細孔24を介して疑似根管23と導通可能に構成されている。
ここで、導電膜40は導電性を有する材質であればよく、例えば金属膜や金属箔、導電性樹脂などあっても構わない。換言すると、導電膜40は貫通細孔24を介して疑似根管23と導通可能な導電性材料で構成されていればよい。
このような構成を有する歯牙模型2yを収納ケース3に収納し、固定操作部353を回転させることで、先端接触部352と導電膜40とが当接することができる(図6(b)参照)。これにより、導電性固定部材35と導電膜40とを電気的に接続させることができるため、導電柱体351に電極の一端を接続し、疑似根管23を切削する切削工具100などに根管長測定装置の電極の他端を接続して、疑似根管口231と根尖233との距離を測定できる。
また、根管治療用歯牙模型1yでは歯牙模型2yを収納ケース3に収納しているが、歯牙模型2yの代わりに、図7に示す歯牙模型2zを収納ケース3に収納する根管治療用歯牙模型1zであっても疑似根管口231と根尖233との距離を測定できる。
以下、歯牙模型2zについて図7とともに説明する。ここで図7は図6(a)におけるB−B矢視断面図に対応する断面図を示す。すなわち、収納ケース3に収納された歯牙模型2zの状態を示す断面図を示す。
歯牙模型2zは、図7に示すように、歯牙模型2と異なり、導電性を有する根管導電部50で疑似根管23の内周を一体となるように被覆した構成されている。
詳述すると、根管導電部50は導電性を有するとともに、根管と同程度の硬度を有する導電性樹脂で構成されており、根管導電部50は所定の厚さを有する。
このように構成された歯牙模型2zは、歯牙模型2と同様に、収納ケース3に収納して、導電性固定部材35で溝部22を圧接して歯牙模型2zを固定することができる。そして、給水部33から生理食塩水Sを所定の量だけ注ぎ込むことにより、収納部321及び凹部322と溝部22とを生理食塩水Sで満たすことができる。
このように生理食塩水Sを収納部321及び凹部322と溝部22に溜めることにより、疑似根管23と溝部22及び収納凹部32とが生理食塩水Sを介してと根管導電部50とで導通可能となる。これにより、根管長測定装置の両電極を導電性固定部材35と切削工具100の先端に接続して、切削工具100の先端と根尖233とが電気的に接続されインピーダンス値を測定でき、疑似根管口231と根尖233との距離を測定できる。
なお、切削工具100で根管導電部50を切削し、根管拡大することにより、切削工具100の先端と根尖233との間のインピーダンス値が低下していくため、この値が所定の値(例えば6.5kΩなどに設定する)となった場合に切削工具100の先端が根尖233と最接近したことを知ることができる。
また例えば、収納ケース3は歯牙模型2を収納可能な収納凹部32を有する構成としているが、必ずしもこの構成である必要はなく、例えば図8に示すように薄肉状の収納テープ3wとしても良い。
以下、収納テープ3wについて図8に基づいて説明する。
ここで、図8は歯牙模型2に対して貼り付けた収納テープ3wの説明図であり、詳しくは、図8(a)は歯牙模型2に収納テープ3wを貼り付けた状態での根管治療用歯牙模型1wの概略斜視図を示し、図8(b)は図8(a)におけるC−C矢視断面図を示す。なお、図8(a)では、透明な材料で構成された歯牙模型2の内部を破線で表している。
根管治療用歯牙模型1wは、歯牙模型2の下方側側面に収納テープ3wを貼りつけた構成である。(図8(a)参照)。この場合において、収納テープ3wは歯牙模型2と密着するように貼り付けられているため、図8(b)に示すように、溝部22と収納テープ3wにより有底の溝が形成されることとなる。
ここで、収納テープ3wは、折り曲げ自在な薄肉状の板状体であり、一面側には着脱可能な接着剤が塗布されている。例えば、絶縁テープが使用できる。
また、収納テープ3Wの変形として、前記歯牙模型1Wの側面の一部に接着剤を吹き付けてその外側に絶縁性材料等の粉体を吹き付けて不透明な囲み部材を形成しても良く、これらの粉体を指で擦る事で剥がれるようにしても良い。
但し、この収納テープは、導電性があると根管長測定が正確に出来ないので絶縁性を持つようにする必要がある。また、この収納テープ3wの上部に図示しない鉄製クリップを取り付けて、このクリップに根管長測定用口腔電極を取り付けて根管長測定をしている。
このような構成を有する根管治療用歯牙模型1は、透明材料で形成されるとともに、歯牙における根管を模した疑似根管23が内部に設けられた歯牙模型2と、不透明な材料で形成されるとともに、歯牙模型2の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲まれた収納ケース3とで構成されたことにより、疑似根管23の切削時に疑似根管23の曲がり具合や方向を目視することを防止できるとともに、簡単かつ正確に切削した疑似根管23を評価できる。
詳述すると、収納ケース3で歯牙模型2の下方側面を覆い隠すことができるため、疑似根管23の曲がり具合や方向、形状などを目視して把握することを防止でき、実際の治療に近い状態で疑似根管23を切削できる。なお、例えば歯牙模型2の上面を不透明にすることでより疑似根管23の曲がり具合などを把握することを防止できる。
また収納ケース3から取り外された歯牙模型2が透明であることから、切削後の疑似根管23の切削状況を簡単かつ容易に評価できる。
さらにまた、根管治療用歯牙模型1は、歯牙模型2と収納ケース3といったシンプルな構成であるため、根管治療用歯牙模型1を用いた根管治療を実施するのにスペースを必要とせず、場所などを考慮することなく疑似根管23の切削及び切削された疑似根管23の確認ができる。
また、歯牙模型2の代わりに、異なる湾曲形状で構成された複数の疑似根管23が内部に設ける歯牙模型2xを用いることにより、一の根管治療用歯牙模型1を用いて様々な湾曲形状をした複数の疑似根管23を切削でき、効率よく切削工具100の使い方を学ぶことができる。
また、様々な湾曲形状の疑似根管23を切削工具100で切削できるため、使用した切削工具100の切削の精度や耐久性、使い心地などを適正に評価できる。さらにまた、例えば臼歯のような複数の根管を有する歯牙に対応した歯牙模型2として用いることができ、より現実の根管治療に近い状態で疑似根管23を切削することができる。
また収納ケース3に、歯牙模型2を収納する収納部321を設けることにより、歯牙模型2を確実に収納ケース3に収納させ、歯牙模型2の下方側面を収納ケース3で囲んで疑似根管23を確実に覆い隠すことができる。
さらにまた、収納ケース3を構成するケース本体31及び歯牙模型2を構成する歯牙模型本体21は、非導電性材料で構成され、歯牙模型2に、疑似根管23における根尖部位(根尖233)から外部に貫通する貫通細孔24を設け、歯牙模型2が収納部321に収納された収納状態において、収納ケース3の外部から貫通細孔24を介して疑似根管23と連通することにより、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離を測定することができる。
詳述すると、ケース本体31及び歯牙模型本体21が非導電性材料で構成されているとともに、疑似根管23と溝部22(及び凹部322)とが貫通細孔24を介して連通されていることから、疑似根管23と溝部22(及び凹部322)との導通性を確保でき、切削工具100の先端から疑似根管23の根尖233までのインピーダンス値で測定できる。したがって、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離を測定できる。
また、歯牙模型2の側面に、貫通細孔24を通して疑似根管23と連通する有底の溝部22を設けること、又は、収納ケース3に、収納部321に収納された歯牙模型2との間に凹部322を設けることにより、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離を測定できる。
詳述すると、溝部22や凹部322を有することで、導電性を有する生理食塩水Sを溝部22や凹部322に溜めて、疑似根管23と溝部22(凹部322)とを貫通細孔24を介して導通させることができる。これにより、切削工具100の先端から疑似根管23の根尖までのインピーダンス値で測定することができ、切削工具100の先端から疑似根管23の根尖233までの距離を測定できる。
なお、本実施形態では、溝部22及び凹部322の双方を設けているが、溝部22及び凹部322は一方のみを設けてもよい。
また、溝部22の溝底に導電性を有する導電膜40を張り付けた構成とすることで導電膜40に根管長測定装置の一方の電極を接続して、溝部22と根管長測定装置とを電気的に接続できる。これにより、溝部22と疑似根管23との間のインピーダンス値を測定でき、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離を測定できる。
なお、導電膜40は凹部322に張り付けてもよく、また溝部22及び凹部322の双方に張り付けてもよい。
また、疑似根管23の内部に、導電性を有する根管導電部50を設けることにより、疑似根管23の導電性を確保できるため、導電性を有する構成とした溝部22などと疑似根管23とのインピーダンス値を測定して、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離を測定できる。
なお、疑似根管23の内部に、導電性を有する根管導電部50を設け、さらに根管連通部を導電性根管連通部で構成した場合には、生理食塩水Sなどの導電性物質を一切用いることなくインピーダンス値を測定できる。したがって、準備や片付けなどの効率を向上できる。
さらにまた、疑似根管23の内部に、導電性を有する根管導電部50を設けることに加え、溝部22及び凹部322を導電性物質で満たすことにより、溝部22及び凹部322と疑似根管23との間の導通を確実に確保でき、より正確に切削工具100の先端から疑似根管23の根尖233までのインピーダンス値で測定できる。したがって、疑似根管23の疑似根管口231から疑似根管23の根尖233までの距離をより正確に測定できる。
また、収納部321に収納された歯牙模型2を固定する導電性固定部材35を設けることにより、確実に収納ケース3の収納部321に収納された歯牙模型2を固定できるため、根管治療の実習中に歯牙模型2が収納ケース3から不用意に外れたりずれたり防止できる。換言すると、根管治療用歯牙模型1を用いて疑似根管23を切削しているときに、歯牙模型2が収納ケース3に対して動くことを防止できるため、施術者の根管治療の技術や切削工具100の精度などを適正に評価できる。
また、導電性材料で構成されるとともに、貫通細孔24を介して疑似根管23と外部との間の電気的接続を可能とする導電性固定部材35が備えられ、導電性固定部材35により歯牙模型2を収納ケース3に固定させることにより、根管長測定装置の電極の一方を確実に導電性固定部材35に接続でき、根管長測定装置の電極の一方が導電性固定部材35を介して、根管連通部と電気的に接続できる。したがって、導電性固定部材35を用いて疑似根管23の根尖233と切削工具100の先端とのインピーダンス値を測定し、その根管長を測定できる。
また、導電性固定部材35が疑似根管23と外部と導電可能とする機能と歯牙模型2を収納ケース3に固定する機能を一体で構成されているため、組み付け作業の効率を図ることができるとともに、部品点数を削減することができる。
また、一つの収納ケース3に対して、複数の歯牙模型2を取り替え可能とすることにより、根管治療の実習や根管の切削に用いられた歯牙模型2のみを使い捨てすることができる。すなわち、歯牙模型2のみを交換する構成とできるため、不要な廃棄物を出す必要もなく、またコストを削減できる。
また収納テープ3wは、薄膜状あるいは薄肉状の薄状体で構成されるとともに、歯牙模型2の少なくとも下方側面に対して貼付可能に構成することにより、歯牙模型2の下方側面に収納テープ3wを張り付けるだけで疑似根管23の曲がり具合や方向、形状などを覆い隠せることができ、また収納テープ3wを取り外すだけで、疑似根管23の切削状況を評価できる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
根管内導電部は、根管導電部50に対応し、
導電性根管連通部は、導電膜40に対応し、
囲み部材は、収納ケース3に対応し、
固定部及び導電部材は、導電性固定部材35に対応し、
液体は、生理食塩水Sに対応し、
根管連通部は、溝部22及び凹部322に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施形態において、歯牙模型2や歯牙模型2xは、歯牙模型本体21が透明な材料で形成されているが、必ずしも全体が透明である必要はなく、例えば上面が不透明な材質でできていてもよく、また、側面の一部も不透明な材質でできていてもよい。さらには、歯牙模型本体21に電流を流すことで歯牙模型本体21が透明となる液晶材料で構成されてもよい。すなわち、歯牙模型2は、疑似根管23の切削した後に、疑似根管23の切削結果を確認する場合に、少なくとも下方部分の一部分が透明であればよい。
これにより、例えば上面から疑似根管23の方向や形状を目視することをより確実に防止でき、現実の根管治療に近い状態で疑似根管23の切削作業を行うことができ、歯学の実習生は現実に近い疑似根管23の切削を経験できる。
また、本実施形態では、溝部22や凹部322などに生理食塩水Sを満たす構成であるが、導電性さえあれば生理食塩水Sである必要はなく、例えば水道水や、ゲル物質であっても構わず、さらにはこれらを組み合わせても構わない。
また、本実施形態において、歯牙模型2は上方から収納ケース3に収納する構成としているが、必ずしも上方から収納する必要はなく、図9に示すように、下方から歯牙模型2を収納ケース3に収納する構成としてもよい。また、この場合において、収納ケース3の上部に現実の歯牙と同じように形成された疑似歯冠部60を被せても構わない。なお、疑似歯冠部60は、天蓋が削られていて、いなくても構わない。また、歯牙模型2に溝部22を形成して溝部22に生理食塩水Sを注ぐ構成としているが、必ずしも溝部22を形成せずに前記貫通細孔24が生理食塩水Sに漬かるように収納ケース3に保持すれば良い。
さらにまた、本実施形態では、導電性固定部材35は固定機能及び導電性機能を有しているが、例えば図10に示すように、歯牙模型2を収納ケース3に固定する固定部36と、溝部22や凹部322と外部とを導通可能な導電部37とで構成してもよい。
また、歯牙模型2は直方体形状をしているが、必ずしも直方体形状である必要はなく、円柱状であってもよいし、例えば様々な歯牙形状をしていてもよい。なお、円柱状である場合には、歯牙模型2が収納ケース3の内部で回転しないように回転阻止部を設けた方が好ましい。
例えば歯牙形状をした歯牙模型2に対して、その形状(臼歯など)に合わせて疑似根管23の個数を適宜合わせても構わない。これにより、より現実の根管治療に即した疑似根管23の切削を行うことができる。
さらに、収納ケース3も円柱体である必要はなく、直方体形状など適宜好ましい形状としてもよく、また歯肉形状としてもよい。仮に収容ケースを歯肉形状とした場合、現実の根管治療に即した疑似根管23の切削を行うことができる。
さらには、歯牙模型2及び収納ケース3の少なくとも一方を、弾性材で構成してもよく、これにより歯牙模型2から収納ケース3を取り外す際に、歯牙模型2又は収納ケース3変形させることができるため、容易に取り外すことができる。
以上記載の構成は、必ずしも上記記載の構成に限るものでなく、それぞれの構成を組み合わせても構わない。具体的には歯牙模型2yを収納ケース3に収納してもよいし、また歯牙模型2yに収納テープ3wを張り付けてもよい。
1、1x、1y、1z、1w 根管治療用歯牙模型
2、2x、2y、2z 歯牙模型
22 溝部
23 疑似根管
24 貫通細孔
3 収納ケース
3w 収納テープ
321 収納部
322 凹部
35 導電性固定部材
36 固定部
37 導電部
40 導電膜
50 根管導電部

Claims (20)

  1. 透明材料で形成されるとともに、歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられた歯牙模型と、
    不透明材料で形成されるとともに、前記歯牙模型の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲まれた囲み部材とで構成された
    根管治療用歯牙模型。
  2. 前記歯牙模型は、異なる湾曲形状で構成された複数の前記疑似根管が内部に設けられた
    請求項1に記載の根管治療用歯牙模型。
  3. 前記囲み部材に、
    前記歯牙模型を収納する収納部が設けられた
    請求項1又は請求項2に記載の根管治療用歯牙模型。
  4. 前記囲み部材及び前記歯牙模型は、非導電性材料で構成され、
    前記歯牙模型に、前記疑似根管における根尖部位から外部に貫通する貫通細孔が設けられ、
    前記歯牙模型が前記収納部に収納された収納状態において、前記囲み部材の外部から前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する根管連通部が設けられた
    請求項3に記載の根管治療用歯牙模型。
  5. 前記歯牙模型の側面に、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する有底の溝部が設けられ、
    前記溝部が前記根管連通部として機能する
    請求項4に記載の根管治療用歯牙模型。
  6. 前記囲み部材に、
    前記収納部に収納された前記歯牙模型との間に凹部が設けられ、
    前記凹部が前記根管連通部として機能する
    請求項4又は請求項5に記載の根管治療用歯牙模型。
  7. 前記凹部に、
    導電性を有するとともに、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と前記根管連通部とを根管長測定可能な液体が溜められた
    請求項6に記載の根管治療用歯牙模型。
  8. 前記根管連通部が、導電性を有する導電性根管連通部で構成された
    請求項4乃至請求項7のうちのいずれかに記載の根管治療用歯牙模型。
  9. 前記疑似根管の内部に、導電性を有する根管内導電部が設けられた
    請求項4乃至請求項8のうちのいずれかに記載の根管治療用歯牙模型。
  10. 前記収納部に収納された前記歯牙模型を固定する固定部が設けられた
    請求項4乃至請求項9のうちのいずれかに記載の根管治療用歯牙模型。
  11. 導電性材料で構成されるとともに、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と外部との間の電気的接続を可能とする導電部材が備えられ、
    該導電部材が、前記固定部として機能する
    請求項10に記載の根管治療用歯牙模型。
  12. 一つの前記囲み部材に対して、取り替え可能な複数の前記歯牙模型がある
    請求項1乃至請求項11のうちのいずれかに記載の根管治療用歯牙模型。
  13. 前記囲み部材は、
    薄膜状あるいは薄肉状の薄状体で構成されるとともに、前記歯牙模型の少なくとも下方側面に対して貼付可能に構成された
    請求項1又は請求項2に記載の根管治療用歯牙模型。
  14. 前記囲み部材及び前記歯牙模型は、非導電性材料で構成され、
    前記歯牙模型に、前記疑似根管における根尖部位から外部に貫通する貫通細孔が設けられ、
    前記囲み部材で囲んだ状態において、前記囲み部材の外部から前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する根管連通部が設けられた
    請求項13に記載の根管治療用歯牙模型。
  15. 歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられた、透明材料で形成された歯牙模型の少なくとも下方側面に対して取り外し可能に囲む、不透明材料で形成された
    囲み部材。
  16. 前記歯牙模型を収納する収納部が設けられた
    請求項15に記載の囲み部材。
  17. 前記収納部に収納された前記歯牙模型を固定する固定部が設けられた
    請求項16に記載の囲み部材。
  18. 非導電性材料で構成されるとともに、
    前記歯牙模型が前記収納部に収納された収納状態において、前記疑似根管における根尖部位から外部に貫通する、前記歯牙模型に設けられた貫通細孔を介して、外部から前記疑似根管と連通する根管連通部が設けられた
    請求項16又は請求項17に記載の囲み部材。
  19. 薄膜状あるいは薄肉状の薄状体で構成されるとともに、前記歯牙模型の少なくとも下方側面に対して貼付可能に構成された
    請求項15に記載の囲み部材。
  20. 透明な非導電性材料で構成され、
    歯牙における根管を模した疑似根管が内部に設けられるとともに、
    少なくとも下方側面が収納部を有するとともに、不透明部材からなる囲み部材により側面周囲に取り外し可能に囲まれ、
    前記疑似根管は、根尖部位から外部に貫通する貫通細孔が設けられ、
    側面に、前記収納部に収納された収納状態において、前記貫通細孔を介して前記疑似根管と連通する有底の溝部が設けられた
    歯牙模型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022150025A3 (en) * 2021-01-06 2023-05-11 Süleyman Demi̇rel Üni̇versi̇tesi̇ An implementation system for regenerative endodontic treatments

Cited By (1)

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WO2022150025A3 (en) * 2021-01-06 2023-05-11 Süleyman Demi̇rel Üni̇versi̇tesi̇ An implementation system for regenerative endodontic treatments

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