JP2018105799A - 測定装置、方法およびプログラム - Google Patents

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文男 唐澤
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Abstract

【課題】撮像部付きの市販の携帯端末を用いて再帰性反射係数を簡易に測定可能な装置、システム、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】対象物の画像を撮影する撮像部と、画像を表示する表示部と、画像の撮像情報を用いて画像の画像データを対象物の輝度値に変換する変換部と、対象物の画像において対象物の照度値と輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は輝度値を表示色に変換して画像内の相当する領域に表示色を出力する表示色出力部と、を有する装置。
【選択図】図15

Description

本発明は、再帰性反射の測定装置、方法およびプログラムに関する。
図13は、再帰性反射材について説明するための図である。再帰性反射とは、入射角度にかかわらず、入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象である。再帰性反射材80は、多数の微小な粒子(ビーズ)81を含有する透明な合成樹脂の塗料82で構成される。再帰性反射材80への入射光83は、粒子81内で屈折し、1点で焦点を結んだ後で反射して、再び粒子81内を通ってもとの方向に向かう反射光84となる。このため、再帰性反射材は、光の入射方向から見ると光って見えるが、光の入射方向とは異なる方向から見ると光っていないように見える。また、再帰性反射材80は、3次元状に形成されたプリズムなどの他の構成によっても実現できる。
再帰性反射材は、例えば案内標識や衣服(garment)などに広く使用されているが、使用とともに再帰性反射性能が低下することから、製品寿命を判断するために、その特性を調べる必要がある。再帰性反射材の特性の1つに、入射光の照度(lx)に対する再帰性反射の輝度(cd/m)の比で定義される再帰性反射係数(cd/mlx)がある。再帰性反射係数の値は、特性の定量化に用いられるだけでなく、再帰性反射材の製品の寿命を判断するための指標としても用いられる。例えば、特許文献1,2には、道路標識や衣服などに使用されている再帰性反射材の再帰性反射性能を測定するための装置および方法が記載されている。
米国特許出願公開2013/0194565号公報 米国特許第7961328号公報
再帰性反射係数については、ANSI107−2010およびJISZ8714−1995などの工業規格により測定方法が規定されている。それらの規格では、輝度や照度などの測光値だけでなく、再帰性反射材への照射光の入射角や、光源と検出器の間の観察角といった測定時の幾何学的な条件も規定されている。こうした測定条件を満たして再帰性反射係数を測定するためには、例えば特許文献1,2に記載されているような大掛かりで高価な測定器が必要であった。
そこで、本発明は、撮像部付きの市販の携帯端末を用いて再帰性反射係数を簡易に測定可能な装置、システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
たとえば、対象物の画像を撮影する撮像部と、画像を表示する表示部と、画像の撮像情報を用いて画像の画像データを対象物の輝度値に変換する変換部と、対象物の画像において対象物の照度値と輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は輝度値を表示色に変換して画像内の相当する領域に表示色を出力する表示色出力部と、を有する装置が提供される。
上記の表示色出力部は、再帰性反射係数値又は輝度値が高い場合と低い場合とで、色相と明度と彩度の少なくともいずれか一つを異ならせてもよい。
上記の表示色出力部は、対象物の画像において、再帰性反射係数値から変換した表示色と輝度値から変換した表示色とを切り替えて又は同時に表示部に出力してもよい。
上記の表示色出力部は、対象物の画像において、再帰性反射係数値又は輝度値を測定した測定点およびその周辺に反射係数値又は輝度値から変換した表示色を出力してもよい。
上記の装置は、撮影用発光の光源である発光部をさらに有してもよい。
上記の撮像部は、撮影用発光を用いて対象物の第1の画像を撮影するとともに、撮影用発光を用いずに対象物の第2の画像を撮影し、上記の変換部は、第1の画像の画像データを第1の輝度値に変換するとともに、第2の画像の画像データを第2の輝度値に変換し、第1の輝度値と第2の輝度値との差分を算出することにより対象物の輝度値を取得してもよい。
上記の装置は、撮像部と撮影用発光の光源と対象物と間の位置関係により決まる観察角を取得する観察角取得部と、対象物への撮影用発光の入射角を取得する入射角取得部と、をさらに有してもよい。
上記の装置は、撮像部と表示部とを有する端末と、変換部と表示色出力部とを有するサーバとが、通信回線を介して接続していてもよい。
上記の装置は、撮像部と表示部と表示色出力部を有する端末と、変換部を有するサーバとが、通信回線を介して接続していてもよい。
またたとえば、対象物の画像を取得するステップと、画像の撮像情報を用いて画像の画像データを対象物の輝度値に変換するステップと、対象物の画像において、対象物の照度値と輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は輝度値を表示色に変換し、画像内の相当する領域に出力するステップと、を有する方法が提供される。
またたとえば、コンピュータに、対象物の画像の撮像情報を用いて、画像の画像データを対象物の輝度値に変換し、対象物の画像において、対象物の照度値と輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は輝度値を表示色に変換し、画像内の相当する領域に出力する、ことを実現させるプログラムが提供される。
上記の装置、システム、方法およびプログラムによれば、撮像部付きの市販の携帯端末を用いて再帰性反射係数を簡易に測定することができる。これにより、案内標識や衣服における再帰性反射材の性能が十分であるか(劣化していないか)を、簡易に知ることができる。
端末装置1の概略構成図である。 入射角θと観察角φを説明するための図である。 入射角θと観察角φを説明するための図である。 制御部14の機能ブロック図である。 変換部141が使用する各データの関係図である。 差分処理部142の処理を説明するための図である。 基準範囲を決める観察角φと入射角θの対応関係の例を示す表である。 光源の種類と、観察角φと、入射角θと、対象物の照度値Iとの間の対応関係の例を示す表である。 端末装置1の動作例を示すフローチャートである。 撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である。 図8Aの部分拡大図である。 算出された再帰性反射係数の値の表示例を示す図である。 算出された再帰性反射係数の値の表示例を示す図である。 基準対象物について説明するための図である。 撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である。 フィルタ30とプリズム40の例を示す斜視図である。 通信システム2の概略構成図である。 再帰性反射材について説明するための図である。 変形例において、撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である(発光部12がオフのとき)。 第2実施形態において、撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である(発光部12がオンのとき)。 第2実施形態において、撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である(再帰性反射係数値について表示色変換したとき)。
以下、添付図面を参照して、測定装置、システム、方法およびプログラムについて詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、端末装置1の概略構成図である。端末装置1は、撮像部11と、発光部12と、記憶部13と、制御部14と、操作部15と、表示部16と、検知部17と、端末通信部18とを有する。端末装置1は、内蔵のセンサを用いて自装置と測定対象物との位置関係を示す入射角および観察角を取得し、対象物の画像を撮影し、得られた画像データを用いて輝度測定を行って、対象物の再帰性反射係数を算出する。端末装置1は、例えば、カメラが内蔵されたスマートフォンなどの携帯端末である。
撮像部11は、端末装置1に内蔵されたカメラに相当し、対象物の画像を撮影して、RAW(DNG)データ、JPEG(JFIF)データまたはsRGBデータなどの形式で、測定対象物の画像データを取得する。データの形式はこれらのうちのいずれでもよいが、以下では主に、撮像部11がJPEG(JFIF)データを取得する場合の例を説明する。例えば使用者の操作により、撮像部11は、撮影用発光を用いて対象物の第1の画像を撮影するとともに、撮影用発光を用いずに対象物の第2の画像を撮影する。
露光補正部11Aは、撮像部11のカメラの絞り、シャッタ速度調整部またはISO感度調整部などの少なくともいずれかに相当し、撮像部11による撮影時の露光量を調整する。例えば、露光補正部11Aは、撮影された画像から算出された輝度値が高すぎる場合に、輝度値を適当な範囲内の値に調整するために使用される。露光補正部11Aを用いた露光量の補正は、使用者が手動で行ってもよいし、撮像部11が自動で行ってもよい。
発光部12は、撮影用発光の光源となるLED(トーチまたはフラッシュ)であり、必要に応じて、撮像部11による撮像時に発光する。発光部12は、撮像部11のレンズに隣接して配置されることが好ましい。このようにすれば、撮影用発光が再帰性反射材に入射し反射する方向と撮像部11が撮影する方向とがほぼ同じになるので、再帰性反射による多くの反射光を撮影することができる。
記憶部13は、例えば半導体メモリであり、撮像部11が取得した画像データや、端末装置1の動作に必要なデータなどを記憶する。制御部14は、CPU、RAM、ROMなどにより構成され、端末装置1の動作を制御する。操作部15は、例えばタッチパネル、キーボタンなどにより構成され、使用者の操作を受け付ける。
表示部16は、例えば液晶ディスプレイやLEDであり、タッチパネルディスプレイとして操作部15と一体化されていてもよい。表示部16は、撮像部11により撮影される領域を表示する。また、表示部16は、後述する方法により得られる、測定対象物の輝度値、再帰性反射係数、ならびに入射角、観測角およびそれらについての判定結果のうちの少なくとも1つを表示する。
検知部17は、端末装置1に内蔵されたGPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、磁気コンパス、加速度センサ、モーションセンサ、重力センサなどの少なくともいずれかにより構成される。検知部17は、撮像部11が画像を撮影するときの、対象物に対する自装置の位置および姿勢の情報(幾何学情報)を測定する。端末通信部18は、端末装置1が外部装置との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。
図2Aおよび図2Bは、入射角θと観察角φを説明するための図である。観察角φは、撮像部11、発光部12および対象物である再帰性反射材20の間の位置関係により決まる。観察角φは、端末装置1から対象物である再帰性反射材20までの距離rと、撮像部11のレンズと発光部12のLEDと間の距離dから算出される。撮像部11と発光部12の間の距離dは、定規などを用いて容易に測定される。撮像部11のレンズまたは発光部12のLEDから再帰性反射材20までの距離rは、撮像部11のオートフォーカスの情報を用いて求められる。光源とレンズが極めて近接して配置されている携帯端末であれば、発光部12と再帰性反射材20の間の距離、および撮像部11のレンズと再帰性反射材20の間の距離は両方ともほぼ同じであるため、これらを近似的に距離rと表す。厳密には、距離rは、撮像部11のオートフォーカスの情報から求められる距離の値と実際の値との間の回帰曲線(検量線)を用いて求められる。そして、観察角φは、次式により算出される。
φ=arctan(d/r) ・・・(1)
観察角φは、端末装置1から対象物までの距離rに応じて変化するため、距離に対応する量である。
入射角θは、対象物である再帰性反射材20の法線方向と対象物への光の入射方向との間の角である。再帰性反射材20が卓上に水平に置かれている場合には、入射角θは、水平方向に対する端末装置1の傾き角である。一方、再帰性反射材20が鉛直な壁面に付けられている場合には、入射角θは、鉛直方向の面に対する端末装置1の傾き角である。入射角θは、例えば、検知部17からの情報を用いて、水平面または鉛直面に対する端末装置1の傾き角を測定することにより求められる。あるいは、入射角θは、単独の定規および/または分度器を用いて測定してもよい。
再帰性反射係数RA(cd/mlx)は、特定の観察角φおよび入射角θの下で発光部12により照らされる再帰性反射材20上の照度値I(lx)と、そのときの再帰性反射材20からの再帰性反射の輝度値L(cd/mまたはnit)とを用いて、次のように求められる。
RA=L/I ・・・(2)
このうち、輝度値Lは、撮像部11が撮影した画像の画像データを用いて、後述する方法により求められる。
一方、照度値Iは、発光部12が点光源であると仮定すると、光源の輝度値をL(cd/mまたはnit)、その有効面積をA(m)として、次のように表される。
I=((L×A)/r))cosθ ・・・(3)
発光部12のLED光源の特性がわかっていれば、観察角φと入射角θが決まれば照度値Iは求められる。このため、照度値Iは毎回測定する必要はなく、使用する光源(発光部12)の種類、観察角φ、入射角θおよび照度値Iの対応関係を予め記憶部13に記憶させておき、測定時にそれを参照して照度値Iを取得すればよい。もちろん、単独の照度計および/または輝度計を用いて照度値Iおよび/または光源の輝度値Lを求めてもよい。
図3は、制御部14の機能ブロック図である。制御部14は、機能ブロックとして、変換部141と、差分処理部142と、算出部143と、角度取得部144と、判定部145とを有する。
変換部141は、第1の変換部141Aと、基準輝度値取得部141Bと、第2の変換部141Cとを有する。変換部141は、撮像部11により撮影された画像の画像データを取得し、その画像データの撮像情報を用いて、その画像データを、観察角φにおける対象物の測光情報を含むデータ(輝度値)に変換する。変換部141は、撮影用発光ありで撮影された第1の画像の画像データを第1の輝度値に変換するとともに、撮影用発光なしで撮影された第2の画像の画像データを第2の輝度値に変換する。第1の輝度値Lは、発光部12による撮影用発光と周囲光とによる再帰性反射の輝度であり、第2の輝度値Lは、周囲光のみによる再帰性反射の輝度である。これら2つの輝度値の差分L=L−Lが、発光部12による撮影用発光のみによる真の再帰性反射の輝度を示す。
変換部141は、撮影用発光を用いて撮像部11により取得された第1の画像データと、撮影用発光を用いずに撮像部11により取得された第2の画像データとをそれぞれリニアスケールの輝度値に変換して、2つの輝度画像を生成する。このために、変換部141は、第1の画像データおよび第2の画像データのそれぞれについて、相対輝度値を求め、撮像部11の撮像情報を用いてそれぞれの画像の被写体の基準輝度値を求め、その基準輝度値を用いて画素ごとの相対輝度値を絶対輝度値に変換する。絶対輝度値は、nit、cd/mまたはftLなどの単位で表される量である。その際、変換部141は、例えば、撮像部11により取得された画像データに付随するExifデータから、撮像部11の有効口径値(F数)、シャッタ速度、ISO感度、焦点距離、撮影距離といった画像データの撮像情報を抽出する。そして、変換部141は、抽出した撮像情報を用いて、第1の画像データおよび第2の画像データを、絶対輝度値を含むデータに変換する。
図4は、変換部141が使用する各データの関係図である。
第1の変換部141Aは、撮像部11により取得された画像のJPEGデータを、相対輝度値を含むYCrCbのデータに変換する(矢印4a)。輝度信号Yの値が相対輝度値である。その際、第1の変換部141Aは、公知のIEC61966−2−1の規格で定められた変換テーブルに従って、JPEGデータをYCrCbのデータに変換してもよい。なお、画像データがsRGBデータの場合も、第1の変換部141Aは、公知の規格で定められた変換テーブルに従って変換してもよい(矢印4b)。また、RAWデータについては、第1の変換部141Aは、撮像部11を製造したメーカが提供する変換テーブルを用いて変換してもよい(矢印4c)。
基準輝度値取得部141Bは、画像データの撮像情報を用いて、撮像部11により取得された画像に含まれる被写体の基準輝度値βを求める。撮像部11の有効口径値(F数)をF、シャッタ速度をT(秒)、ISO感度をSとすると、全画面の平均の反射率を18%と仮定したときの被写体の基準輝度値β(cd/mまたはnit)は、次式で表される。
β=10×F/(k×S×T) ・・・(4)
ただし、kは定数であり、例えば0.65などの値が用いられる。基準輝度値取得部141Bは、この式を利用して、有効口径値(F数)F、シャッタ速度T(秒)およびISO感度Sの値から、基準輝度値βを算出する(矢印4d)。
大抵の場合、F、SおよびTの撮像情報は、RAWデータ、JPEGデータなどに付随するExifデータの中に記録されている。そこで、基準輝度値取得部141Bは、このExifデータからF、SおよびTを抽出して、基準輝度値βを算出する。このようにすれば、使用者が手動で撮像情報を入力する必要がなくなるので、使用者の利便性が向上する。ただし、Exifデータを利用できないときは、使用者が操作部15を介してF、SおよびTの値を入力し、基準輝度値取得部141Bはその入力値を取得する。
第2の変換部141Cは、基準輝度値βを用いて相対輝度値Yを絶対輝度値に変換する。その際、第2の変換部141Cは、まず、相対輝度値Yをリニアスケールに変換することにより、線形相対輝度値linearYを求める(矢印4e)。そして、第2の変換部141Cは、基準輝度値取得部141Bが算出した基準輝度値βを用いて、測定対象の各画素の線形相対輝度値lineartargetを、絶対輝度値βtargetに変換する(矢印4f,4g)。
一般に、ディスプレイに表示される各画素のRGB値は、ディスプレイの非線形性を補償するため、ガンマ補正により非線形のスケールに変換されている。このため、リニアスケールでないRGB値を使用する場合には、第2の変換部141Cは、第1の変換部141Aが算出した各画素の輝度信号Y(非線形値)を、例えば代表的なガンマ補正値2.2を用いて、次式によりリニアスケールのlinearYに変換する。
linearY=Y2.2 ・・・(5)
このようにガンマ補正をすると、多点多値を高速処理しやすくなるという利点がある。勿論、第2の変換部141Cは、(5)式に限らず各色空間に固有の方法で、相対輝度値Yをリニアスケールに変換できる。
反射率が18%のときの基準輝度値βが求まると、第2の変換部141Cは、対象画素の線形相対輝度値lineartargetから、次式により対象画素の絶対輝度値βtargetを算出する。
βtarget=β×lineartargetlinear ・・・(6)
ここで、linearは、全画面の平均の反射率を18%と仮定したときの線形相対輝度値(基準レベル)である。0から255までの8ビット系の場合には、ディスプレイの2.2ガンマ規格と18%平均反射率の規定によりこの基準レベルは46(最大値255×0.18)となるから、
linear=46/255
である。
Exifデータの撮像情報が利用可能であるか、またはそれに相当する情報を使用者が手動で入力すれば、sRGB、JPEGデータのRGB、RAWデータのRGBのいずれからでも、上記の手順により、画像上の各座標の画素について絶対輝度値βtargetを求めることができる。絶対輝度値であれば、異なる照明条件で取得された画像同士を比較するときの精度を向上させることが可能である。例えば、通常光で撮影された画像とフラッシュなどの補助光で撮影された画像とを比較して、補助光の強度が十分か否かなどを判断することも可能になる。
なお、第2の変換部141Cは、最終的な絶対輝度値βtargetに対し、撮像部11のレンズの焦点距離と撮像素子のサイズから得られる画角の情報を用いて、例えばいわゆるコサイン四乗則などの公知の方法により、周辺光量の低下(Vignetting)に関する補正を行ってもよい。これにより、絶対輝度値の精度を向上させることができる。
また、変換部141は、絶対輝度値までを算出しなくても、第1の画像データおよび第2の画像データの相対輝度値から、それぞれの輝度画像を生成してもよい。この場合、変換部141は、第1の変換部141Aのみを含めばよい。相対輝度値は絶対輝度値よりも簡単に計算することができ、精度を必要としない場合には相対輝度値でも十分である。
差分処理部142は、第1の輝度値と第2の輝度値との差分を算出することにより対象物の輝度値を取得する。すなわち、差分処理部142は、撮影用発光が存在する状態で撮影されたときの画像データによる第1の輝度値と、撮影用発光が存在しない状態で撮影されたときの画像データによる第2の輝度値との差分を算出する。この差分は、画素ごとの差分、全画素の平均値の差分、撮影領域の一部分の画素の平均値の差分などのいずれでもよい。これにより、周囲光の影響が排除される。
図5A〜図5Cは、差分処理部142の処理を説明するための図である。
図5Aは、発光部12による撮影用発光を用いて撮像部11により撮影された第1の画像51の一例である。また、図5Bは、発光部12による撮影用発光を用いずに撮像部11により撮影された第2の画像52の一例である。この例では、実線で囲んだ領域53の中に、再帰性反射材が塗布された7つの点がある。撮影用発光がない第2の画像52ではこれらの点はほとんど見えないが、撮影用発光がある第1の画像51では、再帰性反射材により撮影用発光が撮像部11に向けて反射するため、7つの点をはっきりと識別することができる。
図5Cは、第1の画像51と第2の画像52の各画素の輝度値を算出し、画素ごとにその輝度値の差分をとって生成された差分画像54である。差分画像54では、主に領域53内の再帰性反射材が塗布された点が明るく見えている。このように、差分処理部142は、第1の画像データと第2の画像データからそれぞれの輝度画像を生成し、2つの輝度画像の差分画像を生成する。
なお、2つの画像から差分画像を生成するにはそれらの画像を正確に位置合わせする必要があるため、撮像部11は、いわゆる露出ブラケットにより、撮影用発光を用いた画像と撮影用発光を用いない画像とをほぼ同時に撮影する。なお、露出ブラケットを使用せず、使用者が例えば三脚または固定した台を使用して端末装置1を固定することで、位置合わせされた第1の画像51と第2の画像52を撮影してもよい。
差分処理部142は、変換部141により変換された第1の画像データに基づく第1の輝度値と第2の画像データに基づく第2の輝度値との差分を例えば画素ごとに算出して、図5Cに示すような差分画像を生成する。第1の輝度値と第2の輝度値は、絶対輝度値でもよいし、相対輝度値でもよい。画像内に再帰性反射材とは関係ない明るい領域が含まれている場合であっても、撮影用発光の有無によらず輝度値があまり変化しない領域については、差分画像をとることによりそのほとんどが除去される。
算出部143は、輝度値算出部143Aと、係数算出部143Bと、照度値算出部143Cとを有する。
輝度値算出部143Aは、対象領域の画素について変換部141により変換された相対輝度値または絶対輝度値の平均値を算出する。
なお、輝度値算出部143Aは、対象物と壁面などの対象物以外の部分とを含む画像の画像データから得られる対象物以外の部分の輝度値に基づき、対象物の輝度値を補正することで、周囲光の影響を排除してもよい。例えば、輝度値算出部143Aは、対象物以外の部分の輝度値が予め定められた範囲外である場合、すなわち、輝度値のデータが飽和しており画像全体が明るすぎるかまたは暗すぎる場合には、画像全体の輝度値を一定倍率で小さくするかまたは大きくすることにより、画像全体の輝度値が予め定められた範囲内に収まるように補正してもよい。
係数算出部143Bは、観察角φおよび入射角θがそれぞれ予め定められた基準範囲内に含まれるときの対象物の照度値Iおよび輝度値Lに基づき、対象物の再帰性反射係数の値を算出する。係数算出部143Bは、算出した再帰性反射係数の値を表示部16に表示させる。
照度値算出部143Cは、例えば、照度値の較正のために、再帰性反射係数の値が既知である再帰性反射材に光源からの光を照射したときの再帰性反射材の輝度値に基づき、対象物の照度値を算出する。再帰性反射係数の値がRAである参照用の再帰性反射材を利用できる場合には、その参照用の再帰性反射材について輝度値算出部143Aが算出した輝度値Lを用いて、発光部12による照度値Iは、次のように逆算される。
I=L/RA(lx) ・・・(7)
照度値Iが得られたら、測定対象物である再帰性反射材について輝度値算出部143Aが算出した輝度値Lを用いて、対象物の再帰性反射係数RAは、次のように算出される。
RA=L/I(cd/mlxまたはnit/lx) ・・・(8)
参照用の再帰性反射材を利用できれば、照度計を使用しなくても、基準となる既知の再帰性反射係数の値を用いて、照度値を容易に決定および/または較正することができる。算出した照度値と記憶部13に記憶されている照度値とが異なる場合には、照度値算出部143Cは、算出した照度値で、記憶部13に記憶されている照度値を更新する。
角度取得部144は、撮像部11のオートフォーカスの情報を用いて求められた撮像部11または発光部12から再帰性反射材20までの距離rと、撮像部11と発光部12の間の距離dとから、観察角φの値を取得する。角度取得部144は、撮像部11のオートフォーカス機能と合わせて観察角取得部として機能する。また、角度取得部144は、検知部17により測定された端末装置1の傾き角の情報に基づき、対象物への撮影用発光の入射角θの値を取得する。角度取得部144は、検知部17と合わせて入射角取得部として機能する。角度取得部144は、取得した観察角φおよび入射角θの値を表示部16に表示させる。
判定部145は、記憶部13に記憶された観察角φおよび入射角θの基準範囲の情報を参照して、角度取得部144が取得した観察角φおよび入射角θの値がそれぞれ基準範囲内に含まれるか否かを判定する。規格により定められている観察角φおよび入射角θの大きさは撮影される対象物の種類に応じて異なるため、判定部145は、角度取得部144が取得した観察角φおよび入射角θの値が測定対象物についての基準範囲内にそれぞれ含まれるか否かを判定する。
判定部145は、その判定結果を、例えば表示部16に表示させることにより使用者に報知する。この場合には、判定部145は、例えば、観察角φおよび入射角θの値がそれぞれ基準範囲内に含まれると判定したときと、観察角φおよび/または入射角θの値が基準範囲内に含まれないと判定したときで、表示部16の表示態様を変化させてもよい。あるいは、判定部145は、発光部12とは別個に設けられたLEDの点灯や、そのLEDの色変化、内蔵のバイブレーションの駆動、内蔵のスピーカによる音の発生などの方法で、判定結果を使用者に報知してもよい。
再帰性反射係数を測定するためには、規格によりまたは任意で定められた観察角φおよび入射角θで、撮像部と撮影用発光の光源を配置する必要がある。しかしながら、撮影時に使用者の手で端末装置1を正確に保持させることは、使用者にとって負担が大きい。そこで、観察角φおよび入射角θの値がそれぞれ基準範囲内に含まれると判定部145が判定したときに、撮像部11は、使用者の操作によらずにシャッタを自動的に切って対象物の画像を撮影してもよい。この自動シャッタの機能により、使用者は、対象範囲内で端末装置1を動かすだけでよく、手動で端末装置1の角度を正確に合わせる必要がなくなるため、測定が容易になる。
図6Aは、基準範囲を決める観察角φと入射角θの対応関係の例を示す表である。記憶部13は、対象物の種類に応じた基準範囲を決めるための、例えば図6Aに示すような観察角φおよび入射角θの間の対応関係を記憶する。図6Aに示す観察角φと入射角θの値は、再帰性反射係数の測定用にANSI/ISEA107−2010で推奨されているものである。実際には角度を規定値に正確に合わせることは難しいため、基準範囲は、規定値を中心とする一定範囲に設定される。例えば、入射角θが5度の場合には、5度±1度が基準範囲として設定される。このように、角度の値に幅があることを、図6Aでは、「±Δφ」および「±Δθ」の表記で示している。例えば、撮像部11と発光部12の間の距離dが1cm程度である場合には、観察角φが12分(=0.2度)という条件は、対象物から3mくらい離れて撮影することに対応する。
距離dが1cm程度である場合には、距離rが例えば1m以下などのごく短い値であると、対象物が置かれた面での拡散光の影響が大きくなる。しかしながら、拡散光が減衰する1m以上などの十分離れた位置であれば、再帰性反射材による鏡面反射が支配的になり、反射光は平行光になるため、観察角φ(対象物からの距離r)を多少変化させても、輝度値Lはあまり変化しない。実際の測定により、対象物から1m以上離れていれば、例えば1〜5mくらいの範囲内での測定値はあまり変化しないことが確かめられている。このため、観察角φに一定の幅をもたせることにより、対象物と端末装置1の間の距離rは、例えば1〜3mくらいが許容範囲となる。
図6Bは、光源の種類と、観察角φと、入射角θと、対象物の照度値Iとの間の対応関係の例を示す表である。記憶部13は、図6Bに示すような、光源の種類と、観察角φと、入射角θと、対象物の照度値Iとの間の対応関係をさらに記憶する。係数算出部143Bは、記憶部13のこの対応関係を参照して得られる照度値Iと、輝度値算出部143Aにより算出された輝度値Lとを用いて、対象物の再帰性反射係数RAを算出する。
なお、撮影用発光の光源と撮像部11とは別体の装置でもよい。図6Bのように、撮影時に使用する光源に対応する照度値を記憶部13に予め記憶させておけば、発光部12以外の光源を用いて撮影された画像からも、再帰性反射係数は算出可能である。
図7は、端末装置1の動作例を示すフローチャートである。図7の各ステップの処理は、記憶部13に記憶されているプログラムに基づいて、制御部14により、端末装置1の各要素と協働して実行される。
まず、制御部14の角度取得部144は、撮影用発光の光源および対象物の間の位置関係により決まる観察角を取得する(ステップS1)。このとき、角度取得部144は、撮像部11のオートフォーカスの情報を用いて求められた撮像部11または発光部12から再帰性反射材20までの距離rと、撮像部11と発光部12の間の距離dとから、観察角φの値を取得する。また、角度取得部144は、検知部17により測定された端末装置1の傾き角の情報に基づき、対象物への撮影用発光の入射角θの値を取得する(ステップS2)。
そして、制御部14の判定部145は、記憶部13に記憶された観察角φおよび入射角θの基準範囲の情報を参照して、ステップS1およびS2で取得された観察角φおよび入射角θがそれぞれ基準範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS3)。角度取得部144と判定部145は、観察角φおよび入射角θ並びにそれらについての判定結果を、例えば表示部16に随時表示させる。角度取得部144と判定部145は、観察角φと入射角θがその基準範囲内に含まれるまで、ステップS1〜S3の処理を繰り返す。
そして、観察角φおよび入射角θがそれぞれ基準範囲内に含まれると判定されたら(ステップS3でYes)、制御部14は、撮像部11と発光部12に、撮影用発光を用いて対象物の第1の画像を撮影させ(ステップS4)、それとほぼ同時に、撮影用発光を用いずに対象物の第2の画像を撮影させる(ステップS5)。
次に、制御部14の変換部141は、ステップS4で撮影された第1の画像の画像データを第1の輝度値に変換するとともに、ステップS5で撮影された第2の画像の画像データを第2の輝度値に変換する(ステップS6)。その際、変換部141は、それぞれの画像データをリニアスケールの輝度値に変換して、2つの輝度画像を生成する。この輝度値は、第1の変換部141Aにより得られる相対輝度値でもよいし、第2の変換部141Cにより得られる絶対輝度値でもよい。そして、制御部14の差分処理部142は、ステップS6で変換された第1の輝度値と第2の輝度値との差分を算出することにより、対象物の輝度値を取得する(ステップS7)。
また、制御部14の算出部143は、ステップS4およびS5での撮影時の観察角φと入射角θに対応する照度値を、記憶部13から取得する(ステップS8)。そして、算出部143は、ステップS7で取得された対象物の輝度値と、ステップS8で取得された照度値とに基づき、対象物の再帰性反射係数の値を算出する(ステップS9)。最後に、算出部143は、ステップS9で算出された再帰性反射係数の値を、表示部16に表示させる(ステップS10)。これにより、図7の処理は終了する。
図8Aは、撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である。また、図8Bは、図8Aの部分拡大図である。撮影時の表示部16には、撮像部11により撮影される対象物と、その背景である対象物以外の領域が表示される。さらに、表示部16には、撮像部11の視界の表示に加えて、画面中央に円形の記号60が、画面右上に測定ボタン61が、画面下側に通知領域62がそれぞれ表示される。
円形の記号60は、再帰性反射係数の測定対象の領域を使用者に通知するためのものである。測定ボタン61は、測定を開始するためのボタンであり、使用者がこれを押下すると、撮影用発光あり/なしの2枚の画像が撮影され、再帰性反射係数が算出されて通知領域62に表示される。また、上記した自動シャッタの機能が動作するように設定されている場合には、使用者が測定ボタン61を押下すると、観察角φおよび入射角θが特定の条件を満たしたときに、撮像部11のシャッタが自動的に切られ、そのときの画像データから再帰性反射係数が算出される。通知領域62は、観察角φ、入射角θおよび再帰性反射係数などの値を表示するための領域である。
通知領域62における表示内容を以下で説明する。符号63は、発光部12(トーチ)の状態が点灯(ON)と消灯(OFF)のいずれであるかを示す。使用者は、符号63で示す部分を押下することにより、発光部12の点灯と消灯を切り替えることができる。
左上の符号64の輝度値は、撮像部11の視界中央における記号60で囲まれた領域付近の平均輝度である。図示した例では、記号60の円内には、対象物である再帰性反射材20とそれ以外の部分が含まれるため、符号64の輝度値は、概ね周囲光のレベルに対応する。一方、右上の符号65の輝度値は、記号60の円内の中央における数個の画素の平均輝度である。これらの輝度値が飽和するなどにより正しく算出されていない場合には、例えば表示色を緑色から赤色に変えるなどして、数値に異常があることを使用者に通知してもよい。
符号66は、角度取得部144により取得された観察角の値である。符号67は、撮像部11のオートフォーカスの情報から、回帰曲線(検量線)を用いて制御部14内で算出された、端末装置1と再帰性反射材20の間の距離rの値である。符号68は、検知部17の情報から算出された入射角とピッチ角の値である。入射角とピッチ角は、和が90度になり、互いの余角の関係にある。また、符号69は、上記の方法により係数算出部143Bが算出した最終的な再帰性反射係数RAの値である。
図8Cおよび図8Dは、算出された再帰性反射係数の値の表示例を示す図である。制御部14は、再帰性反射係数の算出値が予め定められた基準範囲に含まれるか否かを判定し、図8Cおよび図8Dに示すように、その判定結果に応じて算出値を異なる態様で表示してもよい。例えば、算出値が基準範囲内である場合にその値を強調して表示してもよいし、逆に算出値が基準範囲外である場合にその値を強調して表示してもよい。図示した例では、図8Cに符号69で示す再帰性反射係数(RA)の算出値「894.8」は基準範囲内であり、図8Dに符号69で示す算出値「94.8」は基準範囲外であって、基準範囲内の算出値が強調表示されている。図8Cおよび図8Dでは、便宜的に、この異なる表示態様を破線の枠の有無で表している。あるいは、制御部14は、算出値が基準範囲内であれば値を緑色で表示し、基準範囲内にない場合には値を赤色で表示してもよい。これにより、使用者が測定対象物の製品寿命を容易に判断することが可能になる。
この再帰性反射係数の算出値の判定を行うために、制御部14は、再帰性反射係数の閾値を予め設定しておき、例えば、係数算出部143Bによる算出値がその閾値以上であれば基準範囲内であり、算出値がその閾値未満であれば基準範囲外であると判定する。cd/mlxを単位として、例えば、再帰性反射係数の閾値が200に設定される場合には、基準範囲内の値は200以上であり、基準範囲外の値は、例えば180,160,140,120,100,80,60又は40以下である。また、例えば、再帰性反射係数の閾値が100に設定される場合には、基準範囲内の値は、例えば200以上、180,160,140,120または100であり、基準範囲外の値は、例えば80,60または40以下である。
あるいは、制御部14は、再帰性反射係数の閾値として、第1の閾値、および第1の閾値より小さい第2の閾値の2つを設定してもよい。この場合、制御部14は、例えば、係数算出部143Bによる算出値が第1の閾値以上であれば基準範囲内であり、算出値が第1の閾値未満かつ第2の閾値以上であれば中間範囲内であり、算出値が第2の閾値未満であれば基準範囲外であると判定する。cd/mlxを単位として、例えば、第1の閾値が180に、第2の閾値が60に設定される場合には、基準範囲内の値は180以上であり、中間範囲内の値は180未満かつ60以上であり、基準範囲外の値は60未満である。再帰性反射係数の算出値が基準範囲内であることは、対象物の再帰性反射性能が十分であることを示し、算出値が中間範囲内であることは、対象物の再帰性反射性能が低下しつつあり製品の交換時期が近いことを示し、算出値が基準範囲外であることは、対象物の再帰性反射性能が不十分であり製品の交換が必要なことを示す。
また、係数算出部143Bは、観察角φと入射角θが規格の(または任意で定められた)条件を満たしていない場合でも、再帰性反射係数を算出して表示させてもよい。この場合には、符号69で表示される値は仮の数値になるが、明らかに製品寿命が切れているものは測定条件が厳密に満たされていなくても再帰性反射係数の値が基準範囲から大きく外れると考えられるため、使用者に簡易測定の結果を通知することが可能になる。
また、端末装置1は、再帰性反射係数の値が予めわかっている参照用の再帰性反射材が配置された1つまたは複数の再帰性反射領域を含む基準対象物を、付属品として有してもよい。この場合、端末装置1は、測定したい対象物と基準対象物とを一緒に撮影して表示してもよい。そうすれば、撮影用発光による対象領域の再帰性反射の強度差を使用者が視覚的にとらえることができるため、再帰性反射係数の大小関係を簡易に把握したい場合に便利である。
図9は、基準対象物について説明するための図である。図9における符号20は測定対象物である再帰性反射材を示し、符号70は基準対象物を示す。基準対象物70は、再帰性反射係数の値が既知である3つの再帰性反射領域71〜73を含む。例えば、再帰性反射領域71〜73には、それぞれ、再帰性反射係数の値が基準範囲内、中間範囲内、および基準範囲外である再帰性反射材が配置されている。
この場合、例えば、算出部143は、再帰性反射材20と基準対象物70が一緒に撮影された画像から、測定対象物である再帰性反射材20の再帰性反射係数の値を算出し、その算出値が再帰性反射領域71〜73のうちでいずれの再帰性反射係数の値に最も近いかを判定してもよい。あるいは、算出部143は、再帰性反射材20の再帰性反射係数を算出する前に、再帰性反射材20と基準対象物70が一緒に撮影された画像から、例えば再帰性反射材20の領域と再帰性反射領域71〜73の輝度値をそれぞれ算出してもよい。この場合、算出部143は、その輝度値の大小関係により、再帰性反射材20の再帰性反射係数の値が再帰性反射領域71〜73のうちでいずれの再帰性反射係数の値に最も近いかを判定してもよい。このように、算出部143は、再帰性反射領域71〜73の再帰性反射係数の値や輝度値などの特徴量を用いて計算を行ってもよい。
再帰性反射領域71〜73は、予め定められたパターンで基準対象物70上に配置されていることが好ましい。そうすれば、制御部14は、基準対象物70全体の形状と、再帰性反射領域71〜73の形状とにより、既知の画像処理技術を用いて再帰性反射領域71〜73の位置を認識し、それらの特徴量を用いた計算を容易に行うことができる。
図示した例では再帰性反射領域の個数は3つであるが、基準対象物に含まれる再帰性反射領域の個数は1つでも、2つでもよいし、あるいは4つ以上でもよい。例えば、基準対象物に含まれる再帰性反射領域が1つの場合には、その領域の再帰性反射係数は、再帰性反射係数の基準範囲の境界を示す閾値であることが好ましい。また、基準対象物に含まれる再帰性反射領域が2つの場合には、それらの領域の再帰性反射係数は、上記した再帰性反射係数の基準範囲内と中間範囲内の境界を示す第1の閾値、および再帰性反射係数の中間範囲内と基準範囲外の境界を示す第2の閾値であることが好ましい。このように、複数の再帰性反射領域における再帰性反射係数の値は、互いに異なることが好ましい。
図10A〜図10Cは、撮影時に表示部16に表示される画面の例を示す図である。これらの図は、発光部12を点灯させた状態で、対象物である再帰性反射材20に対する端末装置1の位置および角度を変化させたときの、通知領域62の表示の変化を示す。
図10Aは、観察角(5.1分)と入射角(82度)の値がいずれも予め定められた基準範囲外である状態を示す。図10Bは、図10Aの状態から端末装置1を動かして、符号66の観察角(15.9分)が基準範囲内になった状態を示す。このとき、その状態を使用者に通知するために、例えば文字色が赤色から緑色に変わるなどのように、観察角の値の表示態様が変化する。図10Bおよび図10Cでは、便宜的に、この表示態様の変化を破線の枠で表している。
図10Cは、図10Bの状態から端末装置1をさらに動かして、符号66の観察角(11.3分)と符号68のピッチ角(5.0度)の両方が基準範囲内になった状態を示す。このときも、観察角とピッチ角の文字色が緑色に変わるなどのように、値の表示態様が変化する。図示した例では再帰性反射材20は水平に配置されており、入射角の85.0度は基準範囲外であるが、ピッチ角の5.0度は基準範囲内であることが示されている。なお、図10Cでは、通知領域62の右上に符号66で表示される測定領域の輝度値のデータの表示態様も変化しており、これは、図10Cにおいて初めて、データに飽和のない輝度値(34.67nit)が得られたことを示している。
図10Cの表示から、使用者は、観察角とピッチ角(入射角)がそれぞれφ±Δφおよびθ±Δθの基準範囲内に含まれていることを把握できる。したがって、使用者は、このときに測定ボタン61を押下すれば、端末装置1により再帰性反射材20の画像を撮影してその再帰性反射係数を求めることができる。上記した自動シャッタの機能が動作するように設定されている場合には、図10Cの表示状態になったときに、自動的に再帰性反射材20の画像が撮影されてその再帰性反射係数が求められる。自動シャッタの機能を利用すれば、使用者は、現在の観察角や入射角を考慮せず、単に端末装置1を動かすだけで、再帰性反射係数を測定することが可能になる。
例えば、撮像部11のレンズと発光部12のLEDの間の距離dが10.0mmである場合には、例えば観察角を12分に設定するときには、端末装置1から対象物までの距離rを2866mmにすべきである。しかしながら、実際には、対象物により近い位置の方が測定しやすいこともある。この場合には、光源とレンズの間の距離dを短くすれば、観察角の大きさを変えずに、端末装置1から対象物までの距離rを短くすることができる。光源とレンズの間の距離dを短くするためには、例えばプリズムなどの光学素子を利用可能である。
図11は、フィルタ30とプリズム40の例を示す斜視図である。プリズム40は、光源からの光の光路を偏向させて観察角の大きさを調整する。図示した例では、発光部12からの光がプリズム40の底面の領域41から入射するとする。プリズム40の側面には黒色のフィルム43が張り付けられており、入射光のビーム42は、プリズム40の両方の側面で2回屈折して、プリズム40の上面から外部に出射される。この2回の屈折により、入射前と出射後で光軸の位置が水平方向にΔdだけ移動する。したがって、端末装置1の発光部12にこうしたプリズム40を取り付けて出射光の光路を制御すれば、光源とレンズの間の距離dを短くすることが可能である。
また、図11のプリズム40の上面には、減光(ND)フィルタ30が張り付けられている。端末装置1のLED光源である発光部12からの光は特に明るいため、近距離で再帰性反射係数の測定を行うときには、こうしたフィルタ30も利用して、撮影用発光の強度を低減させるとよい。
以上説明してきたように、端末装置1は、内蔵のセンサを用いて自装置と測定対象物との位置関係を示す入射角および観察角を取得し、対象物の画像を撮影し、得られた画像データを用いて輝度測定を行って、対象物の再帰性反射係数を算出する。これにより、撮像部付きの市販の携帯端末を用いて再帰性反射係数を簡易に測定することが可能になる。必要なハードウェアがすべて組み込まれているハンドヘルド機器であれば、制御部14の機能を実現するプログラムをインストールするだけで、端末装置1を実現することが可能である。
また、利用者に対して測定結果をより視覚的に示す変形例を説明する。上述してきた内容は特段の除外をしない限り、変形例においても共通である。
上述した図10A〜Cの画面例では撮影した対象物のうち一部について、測定結果を数字を用いて示している。これにより端末装置1の利用者は詳細な情報を知ることができる。一方で、図10A〜Cはごく一部についての測定結果の表示であるため、対象物の多岐にわたる部分(たとえば衣服において着用者の胴体と肩にあたる部分等)において測定値の大小を把握するには手間がかかる可能性がある。変形例ではこの点を改善している。
図14A〜図16Bは、変形例に係る画面例を示す。これらの画面例は、図10A〜C等と同様に、図1の端末装置1の表示部16に表示される。また、変形例では、図3の機能ブロック図において、変換部141、差分処理部142、算出部143、角度取得部144、判定部145と同列に、表示色出力部146を有する。端末装置1内および制御部14内各部での上述した動作を経た出力を表示色出力部146に入力し、表示色出力部146で変換および画面作成を行って、表示部16に画面を表示する。以下、図14A〜図16Bの画面例を、表示色出力部146を含む端末装置1の動作と共に説明する。
図14Aは、対象物の一例として衣服(ここでは作業者用安全ベスト)および室内の様子を端末装置1(たとえばスマートフォン)で、発光部12をオフにした状態で、ISO感度160で撮影した際の画面例である。衣服には、帯状に再帰性反射材(Retro Reflective Tape)が貼り付けられている。図14Aの画面中央が撮像部11で撮像した映像(以下、図14〜16において、画面中央に表示される映像をメイン映像ともいう。なお映像は静止画であるか動画であるか、撮影中の映像か撮影後に記録された映像であるかを問わない。)、画面上端左側の文字表示類は撮影情報、画面下端には発光部12等の設定情報及び変更キー、画面右端には輝度値(nit)に応じた表示色を示す表示色バー(凡例)及び変更キーが表示されている。なお、画面上端右側の映像(以下、図14〜16において、画面上端右側に表示される映像をサブ画面ともいう。)は図15Bの説明で後述する。
表示色バーは表示色出力146によって作成される。高い値から低い値にかけてたとえば赤色〜黄色〜緑色〜青色のようにグラデーションで示されている。表示バーの上限は約531(赤色)、中央は約100(緑色)、下限は約0(青色)として示されているが、固定値であってもよいし、撮像した映像に応じて可変であってもよい。たとえば発光部12の強度を上げると対象物の輝度が高くなるため、発光部12の強度に連動または検出した輝度に連動又は手動で、表示バーの上限をたとえば約2000(赤色)に変更し中央を約500(緑色)に変更してもよい。図14Aのメイン映像は、撮像した映像については表示色出力部146による表示色変換をまだかけていない状態での画面例である。
図14Bのメイン映像は、図14Aのメイン映像に対して、撮像した映像については表示色出力部146による表示色変換をかけた状態の画面例である(発光部12がオフ、ISO感度160の条件は図14Aと同じ)。図14Bのメイン映像では表示色変換されているため、図14Aのメイン映像とは異なる表示色で示されている。輝度値が低い箇所を青色で示す場合には、図14Bのメイン映像では画面全体が青みがかった色合で表示されている。図14Bでは発光部12がオフであるため、再帰性反射材の輝度値は高くはなく、再帰性反射材の箇所も青く表示されている。なお、図14Bの画面上端右側のサブ映像には小さく、表示色変換する前の映像(すなわち図14Aのメイン映像に相当)も示しており、タッチパネルであればタッチすることで表示色変換の有無を切り替える(図14Bと図14Aとを切り替える)ことも可能である。
図15Aは、図14Aに対して、発光部12をオンにした状態で撮像した映像を示している(ISO感度160、表示色変換が無いという条件は図14Aと同じ)。図15Aのメイン映像は、図14Aのメイン映像と同様に、撮像した映像については表示色出力部146による表示色変換をまだかけていない状態での画面例である。図15Aでは、発光部12がオンであるため、再帰性反射材(Retro Reflective Tape)が、図14Aの撮影よりも銀色ないし白色に写っている。しかしながら、利用者が見ただけでは、再帰性反射材が反射を示していることはわかるものの、どの程度の反射を示しているかを把握することが難しい。
図15Bのメイン映像は、図15Aのメイン映像に対して、撮像した映像については表示色出力部146による表示色変換をかけた状態の画面例である(発光部12がオン、ISO感度160の条件は図15Aと同じ)。図15Bのメイン映像では表示色変換されているため、図15Aのメイン映像とは異なる表示色で示されている。輝度値が低い箇所を青色で示し、輝度値が高い箇所を赤色で示す場合には、図15Bのメイン映像では再帰性反射材に相当する箇所が赤色で表示され、他の部分は図14Bのメイン映像と同様に青みがかった色合で表示される(いわゆるヒートマップのように表示される)。
図16Aは、図15Bと同様に発光部12をオンにした状態で撮像した映像を示している(ただしISO感度25)。なお、ISO感度25に設定している理由は、感度を下げることで明るい部分についての詳細な再帰性反射係数値の違いを測定/表示できるようにするためである。明るい部分については測定精度が向上する一方、暗い部分の測定精度は低下する。このようにISO感度を切り替えることも可能である。図15Aも図16Aも、メイン映像には表示色出力部146によって表示色変換もかけられている点で共通するが、図15Bでは輝度値を表示色に変換していたのに対し、図16Aでは再帰性反射係数値(Ra)を表示色に変換している点が異なる。また、輝度値と再帰性反射係数値との双方を表示色に変換し切り替えて又は同時に表示部16に表示させてもよい。
また、図16Bは、図14A〜図16Aのように各表示色を比較的細かいグラデーション(色相の異なる色の混色や淡い色等も活用し、たとえば赤色と黄色の間に当たる値は赤色と黄色とが混ざった色を表示)しているのに対して、値の所定範囲を区分してこの所定範囲毎にはっきりと区切られた表示色を設定している点が異なる。たとえば、値が150以上が緑色、150〜100が黄色、100以下が赤色に、表示色出力部146が変換する場合、赤色と黄色の混ざった色は表示せず、値が149であるときも101であるときも同じ黄色であり、値が100であるときも1であるときも同じ赤色を表示する(いわゆるコンターのように表示される)。利用者にとって粗くはあるがより端的に示せることが期待される。このように輝度値や再帰性反射係数値に応じた表示色の変化の段階を切り替えることで、利用者の測定目的に応じた表示を可能にする。
また、表示色は必ずしも色相を変化させる必要はなく、明度、再度の少なくともいずれか一つを変化させてもよい(たとえば同じ色相において明度や彩度のみが変わるようにしてもよい)。輝度値や再帰性反射係数値から表示色への変換には、変換テーブルや変換式を用いることができる。
輝度値または再帰性反射係数値の算出や表示色への変換は、撮像された箇所すべてに対して実行してもよいし、処理速度を鑑みて一部について実施するようにしてもよい。一部の選択は、利用者による選択入力を操作部15で受けてもよいし、最初に撮像した画像の複数個所について輝度値または再帰性反射係数値の算出を制御部14で実行し、輝度値または再帰性反射係数値が高い箇所や隣と箇所とは輝度値または再帰性反射係数値が大きく相違する箇所の周辺の領域を重点的に算出、変換するようにしてもよい。また、測定可能なすべての点(ピクセル等)について実行するのではなく、間引して(たとえばXおよびY方向に何点かずつ飛ばして)算出、変換するようにしてもよい。この場合、測定しなかった箇所(点)については、無変換/空としてもよいし、近傍の測定箇所(点)の輝度値または再帰性反射係数値を使用してもよい。
また、図14〜16の画面変更キーについて説明する。画面下端の「On/Off」は発光部12のオン/オフを切り替えるキー、その右隣のスライドバーは発光部12の強度を調整するキー(画面上では0.1に設定されている)、「− +」は発光部12の照度を調整するキー(画面上では1.6lxに設定されている)、「Nit/Ra」は輝度(Nit)から表示色への変換か再帰性反射係数値(Ra)から表示色への変換かを切り替えるキーである。また画面右端は右角(上端部右側)サブ映像はメイン映像とサブ映像の内容を入れ替えるキーでもあり、「L/M」は図16Aのようなヒートマップ状の画面と図16Bのようなコンター状の画面とを切り替えるキー、「160 ISO」や「25 ISO」はISO感度を切り替えるキーである。本例では操作部15はタッチパネルであるため、操作部15は利用者による各キーへのタッチを検出して制御部14へ信号を発する。
以上の変形例により、利用者は再帰性反射材が示している反射の程度をより容易に把握することができる。特に図10の画面例と比較して、衣類の撮像されている部分全体の再帰性反射材の状態を容易に把握することができる。たとえば、衣類のうち胴体部分の再帰性反射材の反射は良いが、肩部分の再帰性反射材の反射は少し悪い(劣化して輝度が低い)、一部分に傷があって反射が悪いといったことを把握でき、安全性を鑑みて交換するきっかけを与え、衣類の着用者の安全性に寄与できる。
以下、変形例であるかを問わず、端末装置やサーバ装置(総称して装置ともよぶ)の関係を説明する。図12は、通信システム2の概略構成図である。通信システム2は、互いに通信可能な端末装置1’およびサーバ装置3を含む。これらの各装置は、有線または無線の通信ネットワーク4を介して互いに接続されている。
端末装置1’は、上記した端末装置1と同様の構成を有する。端末装置1’は、画像データから輝度値への変換と再帰性反射係数値の算出を行わず、撮像部11により撮影された画像の画像データをサーバ装置3に送信して、再帰性反射係数値をサーバ装置3から受信するという点で、端末装置1と相違する。端末装置1’の端末通信部は、撮影用発光を用いて撮像部により撮影された第1の画像、撮影用発光を用いずに撮像部により撮影された第2の画像の画像データ、ならびに撮影時の観察角および入射角をサーバ装置3に送信し、再帰性反射係数値をサーバ装置3から受信する。端末装置1’の表示部は、受信した再帰性反射係数値や、端末装置1’内で取得された観察角、入射角およびそれらの判定結果などを、端末装置1と同様に表示する。
サーバ装置3は、サーバ通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。サーバ通信部31は、第1の画像データ、第2の画像データ、観察角および入射角を端末装置1’から受信し、再帰性反射係数値を端末装置1’に送信する。記憶部32は、端末装置1’から受信された画像データ、撮像情報、図6Aおよび図6Bに示した対応関係のデータ、ならびにサーバ装置3の動作に必要な他のデータなどを記憶する。制御部33は、CPU、RAM、ROMなどで構成され、端末装置1の制御部14と同様の機能を有する。すなわち、制御部33は、受信された画像データの撮像情報を用いて画像データを対象物の輝度値に変換し、観察角および入射角がそれぞれ予め定められた基準範囲内に含まれるときの対象物の照度値および輝度値に基づき、対象物の再帰性反射係数値を算出する。さらに表示色出力部146の機能もサーバ装置3の制御部33にもたせ、端末装置では変換された表示色またはこれを付した画面を受信して表示部16に表示させてもよい。
このように、画像の撮影および表示と、輝度値や照度値や再帰性反射係数値の算出処理や表示色の出力処理とをそれぞれ別の装置で行ってもよい。処理速度が速く容量が大きいサーバ装置で画像処理などを行えば、処理の高速化と高精度化を実現することが可能になる。
一方で、動作/処理の分担はより細かく設定可能である。たとえば端末装置1の制御部14内の機能であっても、切り替えを頻繁に行う機能(たとえば表示色出力部146において処理する輝度や再帰性反射係数の表示色に変更等)は端末装置に行ったほうが通信回線を介する必要がなくなる。
また、対象物の情報をサーバ装置3の記憶部32に蓄積し(対象物にIDをつけ)、その対象物や同型品についての交換時期予測に役立て、利用者に交換時期の案内をすることも可能となる。
端末装置1の制御部14およびサーバ装置3の制御部33の各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供してもよい。
1,1’ 端末装置
11 撮像部
12 発光部
13 記憶部
14 制御部
141 変換部
142 差分処理部
143 算出部
144 角度取得部
145 判定部
146 表示色出力部
15 操作部
16 表示部
17 検知部
18 端末通信部
2 通信システム
3 サーバ装置

Claims (11)

  1. 対象物の画像を撮影する撮像部と、
    当該画像を表示する表示部と、
    前記画像の撮像情報を用いて前記画像の画像データを前記対象物の輝度値に変換する変換部と、
    前記対象物の画像において、前記対象物の照度値と前記輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は前記輝度値を表示色に変換し、前記表示部に表示される当該画像内の相当する領域に当該表示色を出力する表示色出力部と、
    を有することを特徴とする装置。
  2. 前記表示色出力部は、前記再帰性反射係数値又は輝度値が高い場合と低い場合とで、色相と明度と彩度の少なくともいずれか一つを異ならせる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記表示色出力部は、前記対象物の画像において、再帰性反射係数値から変換した表示色と輝度値から変換した表示色とを切り替えて又は同時に前記表示部に出力する、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記表示色出力部は、前記対象物の画像において、再帰性反射係数値又は輝度値を測定した測定点およびその周辺に当該反射係数値又は輝度値から変換した表示色を出力する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記撮影用発光の光源である発光部をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記撮像部は、撮影用発光を用いて前記対象物の第1の画像を撮影するとともに、撮影用発光を用いずに前記対象物の第2の画像を撮影し、
    前記変換部は、前記第1の画像の画像データを第1の輝度値に変換するとともに、前記第2の画像の画像データを第2の輝度値に変換し、前記第1の輝度値と前記第2の輝度値との差分を算出することにより前記対象物の輝度値を取得する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記撮像部と撮影用発光の光源と前記対象物と間の位置関係により決まる観察角を取得する観察角取得部と、
    前記対象物への撮影用発光の入射角を取得する入射角取得部と、をさらに有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記撮像部と前記表示部とを有する端末と、前記変換部と前記表示色出力部とを有するサーバとが、通信回線を介して接続している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記撮像部と前記表示部と前記表示色出力部を有する端末と、前記変換部を有するサーバとが、通信回線を介して接続している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  10. 対象物の画像を取得するステップと、
    前記画像の撮像情報を用いて前記画像の画像データを前記対象物の輝度値に変換するステップと、
    前記対象物の画像において、前記対象物の照度値と前記輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は前記輝度値を表示色に変換し、画像内の相当する領域に出力するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  11. コンピュータに、
    対象物の画像の撮像情報を用いて、前記画像の画像データを前記対象物の輝度値に変換し、
    前記対象物の画像において、前記対象物の照度値と前記輝度値とに基づいて算出した再帰性反射係数値又は前記輝度値を表示色に変換し、画像内の相当する領域に出力する、
    ことを実現させることを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114424046A (zh) * 2019-09-27 2022-04-29 松下知识产权经营株式会社 检查方法、程序以及检查系统

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