JP2018100915A - 位相分布測定装置、位相分布測定方法および位相分布測定プログラム - Google Patents

位相分布測定装置、位相分布測定方法および位相分布測定プログラム Download PDF

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考洋 増村
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Abstract

【課題】位相シフト法を用いて少ない測定回数で被検体から出射する信号の位相分布を高精度に測定する。【解決手段】位相分布測定装置は、光源からの光の一部の位相を変調して互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成する位相変調手段170と、第1の光と被検体に照射された第2の光との干渉により生じる信号の測定を行う測定手段230と、位相シフト法により上記信号の位相分布を算出する処理手段240とを有する。処理手段は、複数回の測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成し、各データセットに対して、位相シフト法における位相差の誤差を校正した校正位相差を算出し、該校正位相差に基づいて位相分布の位相成分を算出し、複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された位相成分を組み合わせて位相分布を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、被検体からの光の位相を測定する技術に関する。
生体等の被検体である散乱媒質に対して、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により様々な波面を成形した光を照射し、媒質を透過した散乱光を撮像素子を通して観察する方法が非特許文献1に開示されている。また、非特許文献1にて開示された方法では、SLMにより光の位相を変調する変調領域と変調しない非変調領域とを分離し、変調領域に非変調領域に対する位相差を与えて位相シフト法を実施することで、散乱光の位相分布を測定する。様々な入射波面に対して散乱光の位相分布を測定することで、媒質の光に対する入出力応答を表す応答特性行列(透過行列)を取得することができる。この透過行列を用いれば、媒質の背後の任意の位置に光をフォーカスすることが可能となる。
また、非特許文献2には、媒質を透過した散乱光の代わりに、媒質中で発生した光音響信号の応答特性行列を測定する方法が開示されている。応答特性行列を利用して媒質内部の吸収物体の位置に選択的に光を照射し、高SNR(Signal-to-Noise Ratio)にて光音響信号を測定することができる。
さらに、特許文献1には、マルチモードファイバの応答特性行列を測定し、該行列を利用してファイバの出射端に生成したフォーカススポットのスキャンを行うことで、ファイバを介して被検体の像を取得する装置が開示されている。加えて、非特許文献3には、被検体を透過または反射した光の位相分布を測定または回復する様々な方法や装置が開示されている。
前述した被検体の応答特性行列を測定するためには、被検体から発せられる信号(透過光、反射光または光音響信号等)の位相を測定する必要がある。この位相測定には、光の干渉計測を行うのが一般的である。例えば、マッハツェンダー干渉計に代表されるように、光源からの光を物体光と参照光とに分離し、前者を被検体に入射させ、その透過光を観察面で参照光と重ね合わせて光強度を測定する。このような測定系において、非特許文献3にて開示されているように位相シフト法を行うことで、被検体を透過した光の位相を測定することができる。
位相シフト法では、物体光または参照光に対して既知の位相遅延量を等間隔に複数回与え、それぞれの位相遅延量で測定した光強度を用いて、非特許文献3に開示された様々なアルゴリズムを用いて位相を回復することができる。また、非特許文献1にて開示されている測定装置のように、物体光と参照光の光路が、被検体への入射から被検体から出射してCCDにより観察されるまで共通である測定系においても位相シフト法を適用することができる。このようなコモンパスの測定系は、前述の測定系に比べて振動に強く、装置の構成も比較的簡易である。また、非特許文献2にて開示されているように、光音響信号の応答特性行列を測定することも可能である。
米国特許公開第2013/0182253号公報
S. M. Popoff et al., "Measuring the Transmission Matrix in Optics: An Approach to the Study and Control of Light Propagation in Disordered Media", Phys. Rev. Lett., 104(10), 100601 (2010) T. Chaigne et al., "Controlling light in scattering media non-invasively using the photoacoustic transmission matrix", Nat. Photonics, 8, 58 (2014) D. Malacara, OPTICAL SHOP TESTING 3rd Edition, WILEY P. J. de Groot et al., "New algorithm and error analysis for sinusoidal phase shifting interferometry", Proc. SPIE Vol. 7063 7063K (2008) Y. Choi et al., "Scanner-free and wide-field endoscopic imaging by using a single multimode optical fiber", Phys. Rev. Lett., 109, 203901 (2012)
前述した位相シフト法による位相回復において、与える既知の位相遅延量(位相シフト量)が観測面で観測する際に誤差が生じる場合、既知の位相量を前提として位相を回復(算出)するアルゴリズムを用いると、回復される位相に誤差が生じ精度が劣化する。これに対して、非特許文献3には、光強度の測定結果から、位相差(位相シフト量)をキャリブレーションした上で位相を回復する方法が開示されている。
しかしながら、位相シフト量が観測面で一様ではなく、観測する位置によって位相シフト量が大きく変化して既知である位相シフト量からの誤差が大きいと、前述したキャリブレーション手法ではエラーが生じて位相が回復できない場合がある。例えば、被検体が散乱媒質であってコモンパスの測定系を用いる場合には、被検体への入射前に与えた位相シフト量が、被検体透過後はランダムに乱される。この結果、観測面での位相シフト量は、既知の量に対して大きな誤差を含む。さらに、この位相シフト量の誤差に対して上述したキャリブレーション手法を用いても、キャリブレーションできずにエラーが発生することもある。このような場合、位相回復の精度が劣化し、さらにその位相を要素に持つ応答特性行列も精度が劣化する。この結果、媒質の背後にフォーカスされる光の最大強度が低下したり、或いは応答特性行列を用いて再構成される画像の精度が低下したりする等、応答特性行列を利用した様々な機能が劣化する。
本発明は、被検体が散乱媒質であっても、位相シフト法を用いて少ない測定回数で被検体から出射する信号の位相分布を高精度に測定することが可能な位相分布測定装置等を提供する。
本発明の一側面としての位相分布測定装置は、光源からの光の一部の位相を変調することで互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成する位相変調手段と、少なくとも第2の光を被検体に照射する光学系と、第1の光と被検体に照射された第2の光との干渉により生じる信号の測定を行う測定手段と、位相シフト法により上記信号の位相分布を算出する処理手段とを有する。そして、処理手段は、複数回の測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成し、複数のデータセットのそれぞれに対して、位相シフト法における位相差の誤差を校正した校正位相差を算出し、該校正位相差に基づいて位相分布の位相成分を算出し、複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された位相成分を組み合わせて位相分布を算出すること特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての位相分布測定方法は、光源からの光の一部の位相を変調することで互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成し、少なくとも第2の光を光学系を通して被検体に照射するステップと、第1の光と被検体に照射された第2の光との干渉により生じる信号の測定を行うステップと、位相シフト法により上記信号の位相分布を算出する処理ステップとを有する。そして、処理ステップにおいて、複数回の前記測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成し、複数のデータセットのそれぞれに対して、位相シフト法における位相差の誤差を校正した校正位相差を算出し、該校正位相差に基づいて位相分布の位相成分を算出し、複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された位相成分を組み合わせて位相分布を算出すること特徴とする。
なお、上記位相分布測定方法に従う処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとしての位相分布測定プログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、被検体が散乱媒質であっても、位相シフト法を用いて少ない測定回数で被検体から出射する信号の位相分布を高精度に測定することができる。
マッハツェンダー干渉計を示す図。 本発明の実施例1である位相分布測定装置の構成を示す図。 実施例1の装置の一部を示す図。 実施例1における測定処理を示すフローチャート。 実施例1における位相回復処理を用いた応答特性行列算出処理を示すフローチャート。 実施例1における位相回復処理の結果を示す図。 実施例1における再生フォーカス像の設定を示す図。 実施例1における再生フォーカス像の評価結果を示す図。 実施例1における別の再生フォーカス像の評価結果を示す図。 本発明の実施例2である位相分布測定装置の構成を示す図。 本発明の実施例3である位相分布測定装置における応答特性行列の測定を示す図。 実施例3の装置におけるイメージングを示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。本発明の各実施例は、参照光(第1の光)と物体光(第2の光)の干渉を利用して物体光の位相を観測する技術に関し、特に位相シフト法による位相測定の精度を向上させることを目的の1つとしている。
参照光と物体光を干渉させる方法として、例えば図1に示すマッハツェンダー干渉計を用いることができる。光源Sから出射した光はコリメートされた後、ビームスプリッタBS1によって、別々の光路を進む2つの光に分割される。一方の光は物体光と称され、被検物Tを通って(透過して)ミラーM1で反射され、ビームスプリッタBS2に向かう。もう一方の光は参照光と称され、ミラーM2で反射されてビームスプリッタBS2に向かう。物体光と参照光はビームスプリッタBS2により再び同一光路を通るように合成され、アレイセンサA上に光強度分布を形成する。仮に被検物Tが配置されておらず、ミラーM1とM2が理想的な平面であれば、均一な強度分布がアレイセンサAを通じて観測される。
次に、被検物Tが透過光に対して位相分布φを付加する場合について説明する。このとき、ミラーM1,M2が理想的な平面であっても、アレイセンサAには光強度分布が形成される。アレイセンサAにより観測される光強度分布I(x,y)は、非特許文献3によれば、
I(x,y)=I′(x,y)+I″(x,y)cosφ(x,y)
となる。ただし、I′(x,y)は強度一定のバイアス成分であり、I″(x,y)は物体光と参照光との干渉によって生じる信号(変調成分)である。(x,y)はアレイセンサAのセンサ面上での離散的な座標である。
位相シフト法は、参照光に位相遅延量を与えることで観測される光強度分布から被検物の位相分布φを測定する方法である。より具体的には、位相シフト法は、物体光または参照光に対して既知の位相差(位相遅延量)を等間隔に複数回与え、それぞれの位相遅延量で測定した光強度を用いて、非特許文献3にて開示された様々なアルゴリズムを用いて位相を回復する方法である。
参照光に位相を与えるには、例えばミラーM2を微小距離だけ動かす等して、参照光が通る光路の距離を変えればよい。参照光に与える位相差を、以下の説明において位相シフト量という。また、参照光が通る光路の距離が1波長分だけずれることを2πの位相シフト量という。例えば、参照光が通る光路の距離が4分の1波長分だけずれれば、0.5πの位相シフト量を参照光に与えたことになる。参照光に与えた位相シフト量をαとすれば、アレイセンサAで観測される光強度分布I(x,y)は、
I(x,y)
=I′(x,y)+I″(x,y)cos[φ(x,y)+α(x,y)]
と表すことができる。 各実施例では、被検物の位相分布φを求める。位相シフト量αが制御可能であって既知であるとき、光強度分布の式には、I′、I″およびφという3つの未知数がある。未知数が3つであるので、参照光に与える位相シフト量αを少なくとも3通り与えれば、3つの式を得ることができ、これら連立方程式を解いてφを求めることができる。もちろん、I′とI″を求めることもできる。
位相シフト量αは最低3つ必要であるが、高度な位相シフト法では位相シフト量は3つより多い(非特許文献3参照)。一般的な干渉計では、参照光に13種類の位相シフト量を与えることがある。
ただし、ミラーMが外部の振動の影響を受けて振動している場合、ミラーM2に凹凸がある場合、外部の温度変化により膨張/伸縮を繰り返している場合およびミラーM2の駆動機構に不具合がある場合は、所定の位相シフト量αを制御することができない。このような場合は、方程式を解く際に既知であると仮定したαが実際の値からずれているため、方程式を解いて算出した被検物の位相分布φが正しい値にならない。
また、実施例で説明するように、光学系の配置の都合上、参照光に与える位相シフト量αが原理的に正確に制御できないことがある。
各実施例の位相分布計測装置または位相分布計測方法によれば、位相シフト量αの制御が困難な場合においても、被検物から出射する信号の位相分布を高精度に算出することが可能である。
本発明の実施例1である位相分布測定装置および位相分布測定方法について説明する。図2には、本実施例の位相分布測定装置の構成を示している。
光源100からは所望のビームサイズでコリメートされた光160が出力される。光源100は、例えば400〜1500nmの可視域から近赤外域の波長を有し、強度が時間的に一定な連続光(CW光)を放射するレーザ光源である。光源100からの光は、目的に応じて、上記範囲以外の波長を有してもよいし、任意の周波数で強度変調された光やパルス光であってもよい。また、光源100からの光は、コヒーレンス長が十分に長い(例えば、数10cm以上)光であることが望ましい。
光源100からの光は、空間フィルタ110およびレンズ120によって平行光に変換され、可変絞り130によりビームサイズが適切に調整される。また、光源100からの光の強度は、被検体200に応じて又は目的に応じて適切に調整されている。ビームサイズと光強度が調整された光160は、ミラー140,150で反射されて位相変調手段としてのSLM170に入射する。
SLM170としては、例えばliquid crystal on silicon(LCOS)を用いることができる。SLM170は位相変調を行うデバイスであり、反射型のデバイスであってもよいし透過型のデバイスであってもよい。また、位変調手段としてDMD(Digital Mirror Device)を用いて、バイナリパターンによる回折像を利用して位相変調を行ってもよい。SLM170による位相変調を受けた光はその波面が成形される。
SLM170は、処理手段としてのパーソナルコンピュータ(PC)240に接続されており、PC240からの制御信号に応じて制御される。SLM170に入力する光160の偏光は、SLM170による位相変調が行われる偏光方向と一致するように調整されている。
SLM170で反射し、かつ波面が成形された光190は、レンズ180を介して被検体200に入射する。このとき、レンズ180とSLM170との間隔およびレンズ180と被検体200の入射面との間隔はいずれもレンズ180の焦点距離に等しい。したがって、SLM170と被検体200の入射面はフーリエ変換の関係にあり、SLM170で成形された波面をフーリエ変換した分布の光が被検体200に入射される。
被検体200を透過して出射した散乱光210は、レンズ220を介してCCDセンサ等の撮像デバイス(測定手段:以下、単にCCDという)230により測定(検出)される。撮像デバイスとして、CMOSセンサ、イメージインテンシファイアを有するアレイセンサ、EMCCD、sCMOS等を用いることもできる。また、CCD230は、PC240に接続され、PC240からの制御信号に応じて制御される。CCD230による測定により得られた測定データは、PC240に転送されて解析される。測定データおよびその解析結果は、表示部であるモニタ250に表示される。
被検体200の応答特性行列(ここでは透過行列)tは、次式(1)に示すように、被検体200に入力される電場をEとし、被検体200から出力(透過)される電場をEとするときに、媒質の線形的な応答特性として定義される。
様々な入力(基底)Eに対して出力Eを測定することで、被検体200の透過行列tを作成することができる。この透過行列tを利用して入力Eを適切に調整すれば、被検体200からの出力(散乱光)を自由に制御することができる。例えば、被検体200の背後にフォーカススポットを生成することが可能である。
SLM170の位相変調領域の画素を用いて基底を表現し、入力Eとする。基底としてアダマール基底(Hadamard basis)を用いる。アダマール基底は、全ての要素が+1または−1の要素から構成されることを特徴とする直交基底である。この特徴を利用して、基底の一方の要素(例えば+1)に対して、他方の要素に位相差πを与えることで、位相変調を行うSLM70を用いてアダマール基底を生成することができる。このアダマール基底をSLM170に順次設定する。
次に、被検体200から出射する透過光(信号)の位相測定について説明する。図3は、SLM170の有効領域(位相変調可能な全画素領域)171を模式的に示している。SLM170の有効領域171の中心に光源からの光160が照射されるようにアライメントがなされている。ここで、アダマール基底を描画して位相変調する位相変調領域173を設定する。位相変調領域173の中心は、有効領域171および入射光ビーム160の中心に一致し、入射光ビーム160の照射領域よりも小さく設定されている。この位相変調領域173の外側で、かつ入射光ビーム160が照射されている領域172を、位相変調を行わない非位相変調領域172とする。
本実施例では、位相変調領域173に、非位相変調領域172に対する位相差を与えることで、位相シフト法を行う。この際、位相変調領域173で位相変調される光を物体光とし、非位相変調領域172で位相変調されずに反射される光を参照光とすることで、入射光ビーム160を物体光と参照光とに分割する。
物体光の位相を参照光の位相に対して位相シフト量αでシフトさせながら、各位相シフト量に応じてCCD230で透過光210の強度分布を測定する。そして、測定された結果から、後述する位相回復方法により透過光210のCCD230上での位相分布を回復する。この光強度の測定と位相回復までの処理を、N個のアダマール基底に対して、順次行い、回復した位相分布を列ベクトルとして行列にスタックすることで応答特性行列を作成する。
CCD230において測定に用いられる画素の数をMとするとき、M行N列の応答特性行列tが得られる。例えば、応答特性行列のj列目の成分は、j番目のアダマール基底で測定した位相分布に対応する。
図4は、本実施例においてPC240が行う処理全体の流れを示す。本実施例では、位相回復方法を利用して被検体200の応答特性行列を作成し、被検体200の背後に光をフォーカスさせる。PC240がコンピュータプログラムである位相分布測定プログラムに従って本処理を実行する。以下の説明および図2において、Sはステップを意味する。
まずS310において、PC240は、被検体200の応答特性行列を作成するために必要なN個の基底のそれぞれについて、位相シフト法を用いて透過光の強度分布をCCD230に測定させる。位相シフト法については、非特許文献3に開示されている。非特許文献3によれば、m回目(m≧1)の位相シフトで測定される光強度I(x,y)は以下の式(2)ように表せる。
φ(x,y)が回復したい位相分布である。本実施例では、位相シフト量αをπ/4とし、測定回数mを11として光強度の測定を行い、I(x,y)〜I11(x,y)の測定データ(透過像データ)を得る。これをSLM170に設定する基底を変えながら、つまりは物体光と参照光が被検体200に入射するときの入射条件を変えながら、全N個の基底に対して測定を行う。つまり、S310では、N×11個の測定データを取得する。測定が終了すると、PC240は光源100の出力を停止させる。
次にS320において、PC240は応答特性行列を以下のようにして生成する。図5は、S320においてPC240が行う処理の詳細を示す。
図4を用いて、位相回復方法を利用した応答特性行列の生成について説明する。まずS321において、PC240は、N個全ての基底について後述する位相回復が完了したか否かを確認する。位相回復が完了していない場合は、PC240は、j番目(1≦j≦N)の基底を選択してS322に進む。S322〜S326では、PC240は、j番目の基底の測定結果について処理を行う。
S322では、PC240は、I(x,y)〜I11(x,y)の11個の測定データのうち複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成する。ここでは、それぞれ5つの測定データを含む3つのデータセットを次のように作成する。
データセット1を測定データI、I、I、IおよびIにより構成し、データセット2を測定データI、I、I、IおよびI10により構成する。また、データセット3を、I、I、I、IおよびI11により構成する。
各データセットは、位相π/2のステップ量で位相を0、π/2、π、3π/2、2πと複数回(ここでは5回)測定した結果、すなわち非特許文献3にて開示された5バケット法の測定結果に対応する。非特許文献3にて開示されたHariharanのアルゴリズムによれば、以下の式(3)で表される任意の位相シフト量αで測定した結果を用いて、式(4)のように位相分布φ(x,y)を回復することができる。
例えば、上述したデータセットでは、SLM170により与える位相シフト量はα=π/2に対応するので、式(4)4にα=π/2を代入して位相分布φ(x,y)を求めるのが通常である。しかし、本実施例では物体光と参照光をともに散乱媒質である被検体200に入射させるため、いずれの光の位相も被検体200によって乱され、CCD230で観測される位相シフト量αにランダムな誤差が含まれる。このような状況において、与えた位相シフト量α=π/2を前提に、式(3)のように測定したデータセットについて、式(4)から位相分布φ(x,y)を回復すると精度が低下する。これに対して、非特許文献3にて開示されたSchwiderのアルゴリズムを用いれば、与えた位相シフト量α(x,y)を次式(5)のようにCCD230で測定した結果からキャリブレーションすることができる。
式(5)により算出された校正位相シフト量(校正位相差)を式(4)に代入して位相分布φ(x,y)を回復することで、被検体200の散乱によって生じる位相シフト誤差をキャリブレーションできる。このため、位相分布φ(x,y)の回復精度を向上させることができる。
上述した3つのデータセットそれぞれについて、式(5)を用いて校正位相シフト量α(x,y)を算出した結果(添え字k(=1,2,3)はデータセットの番号)を図6(a)に示す。また、校正位相シフト量αから式(4)を用いて位相成分φ(x,y)を算出した結果を図6(b)に示す。ここでは、被検体200としてガラスの拡散板を用い、光源100として波長532nmのレーザを用いて測定している。また、位相はラジアンで表記している。
図6(c)は、それぞれのデータセットにおいて式(5)から算出されるコサイン値がとり得る値の範囲を超えている、つまりは所定条件を満たさないために校正位相シフト量α(x,y)を正しく算出できずエラーが生じた箇所を黒色で示したエラーマップである。校正位相シフト量α(x,y)を正しく算出できないとは、位相成分φ(x,y)を正しく算出できないことに相当する。
図6(c)において、白色の部分はエラーなく、つまりは所定条件を満たすように校正位相シフト量α(x,y)および位相成分φ(x,y)が正しく算出されている。各データセットのエラーマップにおける黒色の位置では、対応する位置の校正位相シフト量α(x,y)および位相成分φ(x,y)は値を算出できていないため、図中では0で示している。図6(c)のエラーマップに見られるように、被検体200の散乱が大きいと、式(4)や(5)に示した公知アルゴリズムを適用して校正位相シフト量を算出することで位相分布を回復しようとしても、エラーが生じて位相分布を正しく回復することができない。このような条件においてもエラーを回避して、位相分布を精度良く回復する方法について、図5におけるS323以降のステップにより説明する。
S323では、PC240は、k=1〜3の全てのデータセットについて、S324〜S325で示す処理が完了したか否かを確認する。完了した場合はS326に進み、完了していない場合はS324に進む。
S324では、PC240は、k番目のデータセット(以下、データセットkと記す)について、校正位相シフト量α(x,y)、位相成分φ(x,y)およびエラーマップを式(4)および(5)に基づいて算出する。
次にS325において、PC240は、データセット1について、最終的に回復したい位相分布φ(x,y)を、φ(x,y)=φ(x,y)と設定する。ただし、φ(x,y)には、図6(c)のError Map1(x,y)に示すように、位相成分が算出できていないエラー箇所が存在する。データセット2およびデータセット3についてはこのエラー箇所に着目する。
S324で算出したφ(x,y)において、位相分布φ(x,y)における着目エラー箇所でエラーが発生していない場合には、その位相分布を参照して、回復位相分布に、
φ(x,y)=φ(x,y)−offset
のように代入する。offsetは、データセット間における位相差に基づく位相のオフセット量である。例えば、データセット1とデータセット2とでは、5つの測定結果の位相がπ/4(すなわち、S310におけるm回の位相シフト測定における位相シフト量)ずつずれている。すなわち、π/4の位相差を有する。したがって、データセット1とデータセット2のそれぞれで回復された位相成分φ(x,y)は、このオフセット量を差し引いて調整した上で代入する。なお、データセット1とデータセット3の場合は、オフセット量は2π/4となる。また、着目エラー箇所で参照するφ(x,y)においても同様にエラーが生じている場合には、上記の代入処理を実行しない。
以上のS323〜S325の処理を繰り返すことで、それぞれのデータセットでエラーが発生せずに正しく回復できている位相成分をオフセット量を考慮しつつ適切に組み合わせることができ、これによりエラーを回避して位相分布を正しく回復することができる。
ただし、S323で全てのデータセットについて処理を実行してもエラーが残存する場合には、PC240は、S326においてエラー箇所の位相分布を任意の値(例えば0)に設定する。すなわち、所定の位相分布を設定する。エラーが残存しない場合には、PC240は、S326の処理をスキップする。また、S323において、PC240は、回復位相分布φ(x,y)にエラー箇所があるか否かを判定し、エラー箇所がない場合には反復処理を中断して、S323からS326をスキップして次の基底に対するS321の処理に移行してもよい。
以上の処理をN個の基底に対して順次実行することで、位相分布φ(x,y)を回復する。全ての基底で位相分布を回復したPC240は、S327に進む。S327では、PC240はそれぞれの基底で回復した2次元の位相分布φ(x,y)を1次元の列ベクトルにして、順に行列としてスタックすることで、前述したM行N列の応答特性行列tを生成する。以上で、本実施例における位相分布測定方法を用いた応答特性行列の生成が完了する。
図4において、S320で応答特性行列tが得られた後は、PC240は、該応答特性行列tを使用する目的に応じた処理を実行する。本実施例では、被検体200の背後のCCD230上にフォーカススポットを生成する。
具体的には、PC240は、図7に示すように、S330においてCCD230により再生したい電場の振幅分布450(以下、ターゲットEtargetという)を設定する。図7の中心に示す白い領域が、フォーカススポットが形成される領域(以下、フォーカススポット領域という)であり、その周囲の黒い部分は振幅0の領域である。また、位相についての設定は任意である。再生するフォーカススポットの光強度を最大限とするために、フォーカススポット領域のサイズをS310においてCCD230で観測されるスペックル粒サイズ以下に設定することが望ましい。
次に、PC240は、フォーカススポットの分布を再生するためにSLM170で設定すべき入力波面(位相分布)Eを以下のように算出する。
式(6)において、†は転置共役を示す。式(6)で表現される入力は、図6の電場分布がCCD230から出射して測定とは逆方向に伝搬し、被検体200を通ってSLM170に到達した波面の位相共役波に相当する。このEの位相分布をSLM170に設定する。
次にS340では、PC240は、再度、光源100から光を出射させ、SLM170に設定されている前述の位相分布により再生した波面の光を被検体200を照射する。被検体200を透過した散乱光は、CCD230上において設定されたフォーカススポット領域にフォーカスされ、フォーカススポット(フォーカス像)が再生される。
次にS350では、PC240は、再生されたフォーカス像をCCD230により測定する。
図8は、従来の位相回復方法を用いて応答特性行列を算出して再生した場合(図8(a),(b))と本実施例の位相回復方法を用いて応答特性行列を算出して再生した場合(図8(c))とで実測した再生フォーカス像の1次元断面を示す。図8(a)は、位相シフト量αをπ/2とし、5回の測定結果から式(4)を用い、位相シフト量αをπ/2に固定して位相分布を回復した結果を示す。図8(b)は、非特許文献4にて開示された方法を用い、位相シフト量αをπ/4とし、13回の測定結果から位相分布を回復した結果を示す。なお、実測では、被検体200はガラスの拡散板を用い、N=256のアダマール基底を用いている。図中のηは、フォーカスによる光強度の増加効果(エンハンスメント)を評価した値で、次式(7)から算出している。
式(7)において、Imaxはフォーカススポットの最大強度であり、<I>はSLM170の位相変調領域173にフラットな位相を設定した場合の透過像(バックグランド)の平均強度である。図8(a)〜(c)のいずれにおいても、応答特性行列から算出した位相共役波面(式(6))による再生の効果で、フォーカススポットが再生され、フラットな位相で照射した場合に比べてエンハンスメントηが向上していることが確認できる。
エンハンスメントηを、応答特性行列の測定精度を定量的に示す評価値として考えることができる。すなわち、応答特性行列の精度が高ければ、算出される位相共役波面の精度も高く、再生されるフォーカス像はより集光し、その最大強度が増加する。したがって、エンハンスメントηが高いことは、算出した応答特性行列の精度が高いことを表す。
応答特性行列は、上述した位相シフト法によって回復した位相を要素に持つ。つまり、応答特性行列の精度が高いということは、個々の位相回復の精度が高いということになる。位相回復の精度は、通常、位相シフト法の測定回数を増やせば向上する。図8(c)に示す本実施例の手法によれば、11回の測定(m=11)によって、図8(a)に示す5回の測定よりエンハンスメントが大幅に向上し、かつ図8(b)に示す13回の測定より若干大きいエンハンスメントηが得られる。したがって、本実施例は、従来の13回の測定よりも2回少ない測定回数で、ほぼ同等の精度で応答特性行列を取得することができる。
ここで述べた測定回数は、1つの基底で位相シフト法を実行するときの測定回数であり、基底N個の応答特性行列を測定する場合には、(2×N)回だけ測定回数を減らすことができる。このため、基底数Nの大きい応答特性行列を測定するほど、測定回数削減の効果は大きくなる。また、測定回数を減らすことで、応答特性行列を取得する時間を短縮できる。例えば、被検体200の散乱特性が時間によって変化する場合には、応答特性行列測定時と再生時とで散乱特性が変化しているため、上述した再生フォーカス像における応答特性行列を利用した効果がなくなる。このような観点から、できるだけ少ない測定回数で高精度に応答特性行列を測定することが重要である。同じ位相シフト量を与えて(つまりは位相差を等間隔に与えて)4回以上の測定回数で得られた測定データを用いて各データセットを作成することが望ましい。
また、本実施例における別の例として、10回(m=10)の測定結果から位相回復する方法について説明する。S310において、PC240は、SLM170により与える位相シフト量αをπ/4とし、I(x,y)〜I10(x,y)の測定結果を得る。これをSLM170に設定する基底を変えながら、全N個の基底のそれぞれに対して測定を行い、N×10個の測定(透過像)データを取得する。
次にS320における応答特性行列の生成処理のうちS322で、PC240は、2つのデータセットとしてデータセット1(I、I、I、I、I)およびデータセット2(I、I、I、I、I10)を作成する。PC240は、これらの2つのデータセットについてS323〜S325の処理を実行する。このとき、それぞれのデータセットから算出したエラーマップを参照し、どちらのデータセットでもエラーが発生していない位置について位相を回復する際は両者の平均値を算出する。ただし、平均値を算出する際は、データセット2から求めた回復位相分布φ(x,y)からオフセット量(ここではπ/4)を差し引いて調整した上で、データセット1から求めた回復位相分布φ(x,y)との平均値を算出する。回復位相分布φ(x,y)にエラーがあり、回復位相分布φ(x,y)にエラーがない場合は、上述したように回復位相分布φ(x,y)からオフセット量を差し引いた値を算出する。どちらにもエラーが発生している場合は、任意の位相を設定する。
このように、m=10の場合において5個の測定データを1セットとしてデータセットを作成するときには、データセットを2個しか作成することができない。その場合は上記のように平均化の処理を行うことで、2つのデータセットのみからでも測定誤差に対してある程度高精度に位相を回復することができる。
図9は、m=10の場合について、図8と同様に、公知の手法を用いた場合(図9(a),(b))と本実施例の手法を用いた場合(図9(c))とで実測した再生フォーカス像の1次元断面を示す。図9(a),(b)はそれぞれ、10回および14回の測定を行い、非特許文献3にて開示された最小二乗法を用いて位相回復した結果を示す。図9(c)に示す本実施例の手法によれば、同じ測定回数(10回)で測定して位相回復した場合よりも応答特性行列の精度が高く(エンハンスメントηが大きく)、図9(b)に示す14回の測定により位相回復した場合よりやや精度が高い結果が得られる。
本実施例では、式(3)で表される測定データを複数取得し、それぞれの測定データから位相シフト量をキャリブレーションし、エラーなく位相回復された結果を組み合わせて最終的に位相を回復する。本実施例では、エラーを回避するために、従来の位相シフト法で測定するデータセット(式(3))を複数用いて位相シフト量をキャリブレーションする。このエラー回避のための処理が本実施例の特徴であり、位相回復のアルゴリズムは、式(4)に示したHariharanのアルゴリズムや、式(5)に示したSchwiderのアルゴリズムに限定されない。例えば、非特許文献3にて開示された以下の式(8)〜(10)で示すCarreのアルゴリズムを用いてもよい。
式(8)は、位相シフト量2αで測定する位相シフト法のデータセットを示し、該データセットを構成する4つの測定データを利用して式(10)により位相シフト量αをキャリブレーションした校正位相を算出する。そして、校正位相を用いて式(9)により位相を回復する。例えば、1回の位相シフト量αをπ/3として8回測定を行い、式(8)のデータセットを2つ作成し、式(10)の校正位相と式(9)の位相回復とを用いて上述したS320の処理を実行することも可能である。作成するデータセットの数(測定回数m)は任意に設定でき、位相回復に用いるアルゴリズムも適宜変更してもよい。
また、本実施例においては、応答特性行列の基底をアダマール基底を用いて説明したが、用いる基底は他の基底であってもよい。ただし、使用する基底は直交基底であることが望ましい。
また、本実施例では物体光と参照光とが被検体への入射から信号の測定に至るまで共通の光路を伝搬するコモンパスの測定系を用いて位相回復を行う場合について説明した。しかし、マッハツェンダー干渉計のように、物体光と参照光の光路が分離している測定系に本実施例の位相回復方法位相および分布測定方法を適用してもよい。
また、本実施例では被検体の透過光についての位相分布を回復したり応答特性行列を作成したりする場合について説明したが、被検体からの反射光についても同様に位相分布を回復したり応答特性行列を作成したりすることもできる。
なお、図4において、S320で応答特性行列を作成した後、S330からS350の処理を繰り返すことでイメージングを行うことができる。例えば、上述した再生フォーカス像(フォーカススポット)のスキャンを行うことで画像を生成してもよい。
本発明の実施例2である位相分布測定装置および位相分布測定方法について説明する。図10に示す本実施例の位相分布測定装置は、光音響イメージング装置である。
被検体520は、生体組織であり、散乱粒子521を含む。この被検体520は、可視域から近赤外域の光に対して散乱媒質である。光源500からは可視域から近赤外域の波長を有する数nsのパルス光が放射される。また、光源500は、被検体520の主要な構成成分である水、脂肪、タンパク質、酸化ヘモグロビンおよび還元ヘモグロビン等の吸収スペクトルに応じた複数の波長を選択することができる。
光源500から発せられた光は、ビームスプリッタ501を透過してSLM502に入射する。SLM502は、制御部(処理手段)505によって制御される。SLM502に入射した光は、実施例1と同様に、その一部が位相変調を受けて残りが位相変調されずに反射される。SLM502で反射した光510は、ビームスプリッタ501で反射し、光学系503を介して被検体520に入射する。SLM502は、光学系503の瞳面に配置されている。
被検体520に入射した光511は、散乱されながら被検体520の内部を伝搬し、その一部のエネルギーは被検体520の内部のある位置としての局所領域512の吸収体で吸収される。これにより、局所領域512の温度が上昇し、その局所領域512の体積が膨張して音響波(光音響信号)513が発生する。超音波トランスデューサを含む超音波装置(測定手段)504は、この光音響信号513を測定する。このとき、制御部505は、超音波装置504を制御して、被検体520内の局所領域512からの光音響信号513を含む信号が検出されるように、超音波トランスデューサのフォーカスを制御する。
超音波トランスデューサは、例えばリニアアレイ探触子により構成され、アレイ探触子を用いた電子フォーカスによって被検体520の内部の任意の位置に超音波フォーカス領域を生成することが可能である。トランスデューサとしては、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量変化を用いたトランスデューサ等を用いることができる。また、超音波トランスデューサは、被検体520と音響的に整合されている。
被検体520の内部における光511の入射位置からの深さがzの位置(x,y,z)における光音響信号P(x,y,z)は、以下の式(11)ように表わされる。式(11)において、I(x,y,z)は位置(x,y,z)における光強度であり、μは該位置I(x,y,z)にある吸収体の吸収係数である。また、Γは熱から音響波への変換効率を表すグリュナイゼン係数である。
式(1)から分かるように、位置zにてグリュナイゼン係数Γと吸収係数μ(z)が媒質固有で一定であるとすれば、光音響信号P(x,y,z)は位置(x,y,z)での光強度I(x,y,z)に比例する。したがって、位置(x,y,z)での光強度の変調に応じて光音響信号P(x,y,z)も変調される。
このことを利用して、非特許文献2では、入力をアダマール基底で変調された光とし、出力を光音響信号として応答特性行列が測定できることが開示されている。非特許文献2では、ある基底の入射光で被検体を照射し、照射したタイミングから超音波装置504で測定する時間差(遅延時間)を測ることで、超音波装置504の伝搬軸に沿った複数(M個)の位置の光音響信号を同時に測定する。つまり、1回の光照射でM個の位置(画素)の光音響信号の応答を測定する。これをN個の基底を用いて、順次、光音響信号を測定すれば、N×Mの応答特性行列を算出することができる。この光音響信号に基づいた応答特性行列の算出についても、位相シフト法を利用する。
測定される光音響信号の変調は、光音響信号が発生する位置(x,y,z)での光の強度分布に比例する。したがって、位相シフト法を用いて光音響信号の強度の変調を計測することで、位置(x,y,z)での光の位相分布を回復する。光音響信号の強度は、非特許文献2にて開示されたように、例えば音圧信号の最大値と最小値の差(peak−to−peak)を測定すればよい。
SLM502は、図3を用いて説明したのと同様に、入射した光を位相変調する変調領域(物体光)と位相変調しない非変調領域(参照光)とに分割し、物体光に参照光に対する位相差(位相シフト)を与えることで位相シフト法を行う。
制御部505は、実施例1で図4を用いて説明した処理と同様の処理により応答特性行列を生成する。すなわち、制御部505は、S310において、位相シフト量αをπ/4とし、測定回数mを11として超音波装置504に光音響信号の測定を行わせ、P(x,y,z)〜P11(x,y,z)の測定データをそれぞれ異なる遅延時間に相当する複数の位置で得る。そして、S320において、この11個の測定データから実施例1と同様に3つのデータセットを作成し、位相シフト量αを各データセットでキャリブレーションした上でエラーを回避するように位相回復処理を行う。これをN個の基底に対して行うことで、実施例1と同様に、光音響信号を出力とした応答特性行列を生成することできる。
本実施例においても、被検体520の内部の観測位置(光音響信号の発生位置)における位相分布を回復する際に、実際にSLM502で与えた位相ではなく、観測位置における位相シフト量をキャリブレーションして位相を回復する。これにより、位相回復の精度が向上する。
応答特性行列を生成した制御部505は、S330にて任意の位置512を設定し、その位置で光音響信号の強度が増加(すなわち光がフォーカス)するように位相変調パターンを算出してこれをSLM502に設定する。
次にS340において、制御部505は、SLM502に、設定された位相変調パターンの光を被検体520に照射させる。照射された光511は、上述した局所領域512にフォーカスされる。
次にS350において、制御部505は、超音波装置504に光音響信号を測定させる。制御部505は、これを反復して任意の位置にフォーカススポットを形成し、該スポットのスキャンを行いながら、測定した光音響信号の3次元分布を画像化してモニタ506に表示してもよい。また、制御部505は、S330において、非特許文献2にて開示されているように応答特性行列を特異値分解する。このうち上位の特異値は、被検体520の内部の局所位置の吸収から発生した光音響信号に対応する。これを利用して、入力の特異ベクトルを上位から順次SLM502に設定して照射することで、各吸収体を選択的に照射して光音響信号を測定することができる。
また、任意の複数の波長を用いて上述した処理を行い、被検体520の内部の吸収分光特性を測定し、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンおよび水等の成分比率や、酸素飽和度等の代謝情報を求め、これを3次元画像としてイメージングすることも可能である。
さらに、光音響信号を用いた測定により生成した応答特性行列を、他のイメージングに利用することも可能である。例えば、得られた応答特性行列を利用して、被検体の内部の任意の位置に光をフォーカスさせ、該位置から発生する蛍光等の光信号を、別途用意した光検出器で測定して可視化することもできる。
次に、図11を用いて、本発明の実施例3である位相分布測定装置および位相分布測定方法について説明する。図11に示す本実施例の位相分布測定装置は、マルチモードファイバを利用したイメージング装置である。
光源600は可視域から近赤外域の波長を有するCW光を発するレーザ光源である。光源600からは平行光が発せられ、SLM601の有効領域に応じてそのビーム径が調整される。SLM601は透過型の位相変調デバイスであり、図3にて説明したように、光源600からSLM601に入射するビームの一部を物体光とし、残りを参照光とする。また、実施例1で説明したように、物体光の位相を参照光に対してシフトさせることで位相シフト法を行う。逆に物体光の位相を固定して、参照光の位相をシフトさせてもよい。SLM601は、制御部606によって制御される。
SLM601において物体光を生成する位相変調領域には、応答特性行列を作成(測定)するための基底が表示される。SLM601を透過した物体光および参照光610は、ビームスプリッタ606および光学系602を透過してマルチモードファイバ603にカップリングされる。
マルチモードファイバ603は、例えばコア径Dが50〜1000μmで、長さが1〜2m、NA(開口数)が0.1〜0.5のマルチモードファイバである。マルチモードファイバ603の内部では、λを入射光610の波長とするとき、NA×D/λに比例した数の伝搬モードで光が伝搬する。マルチモードファイバ603から出射した光611は、NA×D/λに比例した数の伝搬モードが重ね合わされた光である。制御部606は、マルチモードファイバ603の出射端の光強度分布を、光学系604を介してアレイセンサ605に測定させる。
このように構成された装置において、マルチモードファイバ603に対して、実施例1および実施例2で説明した方法により、応答特性行列を作成する。応答特性行列は、図4および図5に示したS310およびS320の処理によって作成される。これにより、より高精度にマルチモードファイバ603の応答特性行列を作成することが可能である。
応答特性行列を作成した制御部606は、次のステップ(図4に示すS330以降)でこの応答特性行列を利用する。これにより、本実施例のイメージング装置を、特許文献1にて開示されているように、マルチモードファイバ603を用いた内視鏡装置として使用することができる。医療用途では人体・動物等の生体を被検体として、工業用途では検査対象物を被検体として、マルチモードファイバ603の出射端を被検体の内部に挿入する。
図12は、本実施例の装置を用いて被検体の内部の観察対象620・BR>フ位置までマルチモードファイバ603を挿入した状態を示している。マルチモードファイバ603の出射端のある1点に光がフォーカスされるような入射光の位相分布を応答特性行列から算出し、SLM601に設定する(S330)。次に、その位相分布において入射光610をマルチモードファイバ603に入射させ、再生されるフォーカス光で観察対象620を照射する(S340)。そして、観察対象620からの反射光をマルチモードファイバ603を介してビームスプリッタ606に導き、ビームスプリッタ606で反射した光を光学系607を介してアレイセンサ608に導く。制御部606は、アレイセンサ608に該光を測定させる(S350)。アレイセンサ608は、図11のアレイセンサ605と同じものであってもよい。
特許文献1にて開示されているように、マルチモードファイバ603の出射端のフォーカス位置のスキャンを行い、順次、観察対象620からの反射光を測定することで、被検体620をイメージングすることが可能である。さらに、被検体からの反射光以外にも、照射光によって励起される蛍光信号を用いてイメージングしてもよい。この場合、必要に応じて、光源600からの光として、CW光ではなく、パルス光を用いてもよい。また、非特許文献5にて開示されているように、任意の入射光で被検体を照射し、アレイセンサ608を通じて測定した結果に対して、応答特性行列の逆行列(または疑似逆行列)を適用して被検体の像を回復することでイメージングを行ってもよい。
このように、本実施例では、マルチモードファイバの応答特性行列の作成にも適用可能であり、作成した応答特性行列を用いて1本のマルチモードファイバを用いたイメージング装置としての内視鏡装置を実現することができる。
以上、本発明の実施例について説明した。本発明の発明者は、1つのデータセット内で位相シフト量が2π以上となるように位相シフト量を設定すると測定精度が向上することを確認した。例えば、実施例1において、データセット1(I、I、I、I、I)では、最初(I)と最後(I)の測定データ間で位相が2πシフトしているのはそのためである。
上記各実施例によれば、被検体が散乱媒質であり、位相シフト法の測定において与える位相シフト量と観測面で観測される位相シフト量とに大きな誤差が生じる場合においても、観測面での位相シフト量をエラーを回避しつつキャリブレーションすることができる。そして、このキャリブレーションされた校正位相を用いることで、比較的少ない測定回数で高精度に測定対象の位相を回復することができる。
本発明の位相回復方法は、上述した応答特性行列の作成や該応答特性行列を利用した測定装置に留まらず、様々な干渉計測において使用することができる。(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
100 光源
170 空間光変調器
180 レンズ
230 撮像デバイス(CCD)
240 パーソナルコンピュータ(PC)
200 被検体

Claims (14)

  1. 光源からの光の一部の位相を変調することで互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成する位相変調手段と、
    少なくとも前記第2の光を被検体に照射する光学系と、
    前記第1の光と前記被検体に照射された前記第2の光との干渉により生じる信号の測定を行う測定手段と、
    位相シフト法により前記信号の位相分布を算出する処理手段とを有し、
    前記処理手段は、
    複数回の前記測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成し、
    前記複数のデータセットのそれぞれに対して、前記位相シフト法における前記位相差の誤差を校正した校正位相差を算出し、
    該校正位相差に基づいて前記位相分布の位相成分を算出し、
    前記複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された前記位相成分を組み合わせて前記位相分布を算出すること特徴とする位相分布測定装置。
  2. 前記所定条件を満たす前記位相成分は、エラーなく算出された位相成分であることを特徴とする請求項1に記載の位相分布測定装置。
  3. 前記処理手段は、前記複数のデータセット間において前記位相差に基づくオフセット量を調整してから前記位相成分を組み合わせることを特徴とする請求項1または2に記載の位相分布測定装置。
  4. 前記処理手段は、前記複数のデータセットの全てにおいて前記位相成分が前記所定条件を満たさない場合は、前記位相分布として所定の位相分布を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  5. 前記処理手段は、前記所定条件を満たす前記位相成分の平均値として前記位相成分を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  6. 前記処理手段は、前記各データセットを構成する前記複数の測定データのうち、最初の測定データと、最後の測定データとの間の前記位相差が2π以上となるように前記各データセットを作成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  7. 前記処理手段は、前記位相差を等間隔に与えて4回以上、前記信号を測定して得られた前記測定データを用いて前記各データセットを作成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  8. 前記第1および第2の光は、前記被検体への入射から前記信号の測定に至るまで互いに共通の光路を通ることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  9. 前記信号は、前記被検体からの透過光、反射光および光音響信号のうちいずれかであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  10. 前記信号は、前記透過光または前記反射光であり、
    前記測定手段は、前記透過光または前記反射光を測定するためのアレイセンサと、該アレイセンサに前記透過光または前記反射光を導く光学系とを含むことを特徴とする請求項9に記載の位相分布測定装置。
  11. 前記信号は、前記光音響信号であり、
    前記測定手段は、前記光音響信号を測定するための超音波トランスデューサを含むことを特徴とする請求項9に記載の位相分布測定装置。
  12. 前記処理手段は、前記第1および2の光を前記被検体に入射させるときの入射条件を変えながら、それぞれの前記入射条件に対して算出した前記位相分布を用いて行列を生成することで、前記入射条件に対する前記信号の応答特性行列を測定することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の位相分布測定装置。
  13. 光源からの光の一部の位相を変調することで互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成し、少なくとも前記第2の光を光学系を通して被検体に照射するステップと、
    前記第1の光と前記被検体に照射された前記第2の光との干渉により生じる信号の測定を行うステップと、
    位相シフト法により前記信号の位相分布を算出する処理ステップとを有し、
    前記処理ステップにおいて、
    複数回の前記測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成し、
    前記複数のデータセットのそれぞれに対して、前記位相シフト法における前記位相差の誤差を校正した校正位相差を算出し、
    該校正位相差に基づいて前記位相分布の位相成分を算出し、
    前記複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された前記位相成分を組み合わせて前記位相分布を算出すること特徴とする位相分布測定方法。
  14. 光源からの光の一部の位相を変調することで互いに位相差を有する第1の光と第2の光を生成する位相変調手段と、少なくとも前記第2の光を被検体に照射する光学系と、前記第1の光と前記被検体に照射された前記第2の光との干渉により生じる信号の測定を行う測定手段とともに用いられ、コンピュータに位相シフト法により前記信号の位相分布を算出する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    複数回の前記測定により得られる複数の測定データにより構成されるデータセットを複数作成させ、
    前記複数のデータセットのそれぞれに対して、前記位相シフト法における前記位相差の誤差を校正した校正位相差を算出させ、
    該校正位相差に基づいて前記位相分布の位相成分を算出させ、
    前記複数のデータセットのそれぞれにおいて所定条件を満たすように算出された前記位相成分を組み合わせて前記位相分布を算出させること特徴とする位相分布測定プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220053931A (ko) * 2020-10-23 2022-05-02 인하대학교 산학협력단 감쇠형 위상반전 마스크 블랭크 제작 공정을 위한 감쇠형 위상반전막의 노광광 파장 영역 투과율, 표면 반사율, 이면 반사율의 측정 및 계산 값을 이용하는 감쇠형 위상반전막의 광학상수 결정 방법 및 장치
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