JP2018099804A - 印刷装置および印刷装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数部の印刷を行うにあたって、印刷データを記憶部から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善すること。【解決手段】印刷装置1は、RAM32に記憶される印刷データを読み出して印刷機構10に印刷を行わせる。複数ページの書類を複数部コレート印刷により印刷する場合、RAM32の記憶容量をオーバーする分の印刷データはHDD31に記憶させる。印刷対象ページの印刷データがRAM32上にない場合、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除してRAM32の空き容量を確保し、印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出してRAM32に記憶させる。ページデータ管理部23は、1ページ印刷する毎に全ページの印刷優先度を再設定し、最後に印刷を完了しているページの印刷優先度を他のページより低くする。印刷優先度に基づいてRAM32から削除する印刷データを決定する。【選択図】図2
Description
本発明は、コレート印刷を行う印刷装置およびその制御方法に関する。
プリンターなどの印刷装置において、複数ページからなる印刷データを複数部印刷する場合に、コレート印刷を行うものがある。コレート印刷とは、丁合印刷とも呼ばれる印刷方法であり、全ページを1枚ずつ印刷して1部の印刷を行い、これを複数回繰り返して目標部数を印刷する。
特許文献1には、コレート印刷を行うプリンター(印刷装置)およびその制御方法が開示されている。特許文献1のプリンターは、印刷データを展開するメモリー(すなわち、RAM)が全ページの印刷データを保持できるほど大きくない場合に、印刷データの一部をハードディスクに記憶させるが、1部目の印刷の際には、受信した印刷データを直接メモリーに展開して、ハードディスクを介さずに各ページの印刷を行う。そして、1部目の印刷が終了したページから順次印刷データをハードディスクへ記憶させる。2部目以降の印刷では、各ページの印刷データをハードディスクから順次読み出してメモリーに展開し、印刷を行う。
印刷データをハードディスクから読み出して印刷を行う場合、ハードディスクからのデータの読み出しは処理速度が遅いことが問題になっている。特許文献1のプリンターは、コレート印刷を行う場合に、1部目の印刷の際にはハードディスクから印刷データを読み出す処理を行わないため、1部目の印刷に要する印刷時間を低減させることができる。
特許文献1のプリンターは、1部目の印刷に要する時間を低減させることができるものの、2部目以降の印刷では、毎回全ページの印刷データをハードディスクから読み出す処理を行う。従って、印刷に時間がかかるという問題点がある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、複数部の印刷を行うにあたって、印刷データを記憶部から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することのできる印刷装置および印刷装置の制御方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、第1記憶部と、前記第1記憶部よりもデータの読み出しの速度が速い第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶される印刷データに基づいて印刷を行う印刷機構と、前記第1記憶部および前記第2記憶部に記憶される印刷データを管理する制御部と、を有し、前記制御部は、複数部印刷を行う場合であって印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除するページデータ削除処理と、前記印刷対象ページの印刷データを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶させるページデータ登録処理と、前記第2記憶部から前記印刷対象ページの印刷データを読み出して前記印刷機構に印刷を行わせる印刷実行処理と、を行うことを特徴とする。
また、本発明は、印刷ジョブに含まれる複数ページの印刷データを第1記憶部および前記第1記憶部よりもデータの読み出しの速度が速い第2記憶部に記憶させ、前記第2記憶部に記憶される印刷データに基づいて印刷機構に印刷を行わせる印刷装置の制御方法であって、複数部印刷を行う場合であって印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除するページデータ削除ステップと、前記印刷対象ページの印刷データを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶させるページデータ登録ステップと、前記第2記憶部から前記印刷対象ページの印刷データを読み出して印刷機構に印刷を行わせる印刷実行ステップと、を行うことを特徴とする。
本発明の印刷装置およびその制御方法によれば、第1記憶部よりもデータの読み出しの速度が速い第2記憶部に記憶される印刷データに基づいて印刷機構に印刷を行わせ、印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が第2記憶部にない場合は、前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除して第2記憶部の空き容量を確保した上で、印刷対象ページの印刷データを第1記憶部から読み出して第2記憶部に記憶させる。このように、第2記憶部の空き容量を確保する際に、必ず最後に印刷を完了しているページの印刷データを印刷対象ページの印刷データと書き換えることにより、第2記憶部から削除すべき印刷データを最適化することができる。例えば、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除対象とした場合、印刷を行ってから次の回の印刷までの間に、第2記憶部に保持され続ける印刷データが存在する。従って、複数部の印刷を行う間、印刷データを毎回第1記憶部から読み出す必要がないので、第1記憶部からのデータの読み出し回数を少なくすることができる。よって、複数部の印刷を行う場合に、印刷データを第1記憶部から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することができる。
本発明は、前記印刷機構による印刷データの印刷速度が、前記印刷データを前記第1記憶部から読み出す読み出し速度よりも早い印刷装置に適用すると好適である。すなわち、データの読み出しに要する処理時間が印刷機構の印刷動作に要する時間よりも遅い場合には、データの読み出しの処理時間がボトルネックとなる。本発明によれば、データの読み出し速度が遅い場合でも、データの読み出し回数を少なくすることによって印刷時間の遅さを改善することができる。
本発明において、複数ページの印刷データを1部印刷する処理を複数回繰り返して複数部の印刷を行う場合に、前記印刷対象ページの印刷データが前記第2記憶部に記憶されておらず、且つ、前記印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記ページデータ削除処理および前記ページデータ登録処理(前記ページデータ削除ステップおよび前記ページデータ読み出しステップ)を行うことが望ましい。このようにすると、コレート印刷を行う場合に、印刷データを第1記憶部から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することができる。
本発明の印刷装置において、前記第1記憶部および第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データの印刷優先度を設定する優先度設定部を備え、前記優先度設定部は、最後に印刷を完了したページの印刷データの印刷優先度を他の印刷データより低く設定し、前記制御部は、前記ページデータ削除処理において、前記印刷優先度に基づいて前記第2記憶部から削除するページを決定することが望ましい。また、本発明の印刷装置の制御方法において、前記第1記憶部および前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データの印刷優先度を設定する優先度設定ステップを行い、前記優先度設定ステップでは、最後に印刷を完了したページの印刷データの印刷優先度を他の印刷データより低く設定し、前記ページデータ削除ステップでは、前記印刷優先度が最も低いページの印刷データを削除することが望ましい。このようにすると、印刷データの印刷優先度を適切に設定することができ、第2記憶部から削除すべきデータを適切に決定することができる。
この場合に、通常ジョブの印刷データと割り込みジョブの印刷データが前記第2記憶部に記憶されると、前記割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、前記通常ジョブの印刷データの印刷優先度より高く設定することが望ましい。このようにすると、割り込みジョブの印刷データがある場合には、割り込みジョブの印刷データを第2記憶部に残すことができる。従って、割り込みジョブを行う際に第1記憶部から印刷データを読み出す回数を少なくすることができる。
本発明において、前記ページデータ削除処理(前記ページデータ削除ステップ)において、最後に印刷を完了しているページの印刷データが前記第1記憶部に記憶されていない場合、前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第1記憶部に記憶させてから前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第2記憶部から削除することが望ましい。このようにすると、第2記憶部から削除する印刷データを第1記憶部に保持させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した印刷装置および印刷装置の制御方法の実施形態を説明する。
図1は本発明を適用した印刷装置1の概略構成を示すブロック図である。印刷装置1は、印刷機構10と、印刷ジョブデータに基づいて印刷機構10を制御して印刷媒体に印刷を行わせる制御部であるコントローラー20を備える。印刷装置1はページ単位で印刷を行うページプリンターであり、例えば、レーザー印刷方式で印刷を行う印刷機構10を備える。コントローラー20は、ネットワークを介してホストコンピューター等の上位装置との間で通信を行うためのインターフェース部21を備える。コントローラー20は、インターフェース部21を介して上位装置から印刷ジョブデータを受信する。コントローラー20は、受信した印刷ジョブデータを印刷機構10で印刷可能な印刷データに変換して印刷機構10に出力し、印刷を実行させる。
コントローラー20は、CPU30と、第1記憶部であるハードディスク31(以下、HDD31という)と、第2記憶部であるRAM32と、不揮発性メモリーであるROM33を備える。これらCPU30、HDD31、RAM32、およびROM33はバス等を介して相互に接続されている。コントローラー20は、例えば、CPU30が、RAM32、ROM33に記憶されたファームウェア等のプログラムを読み出して処理を実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により各種の処理を実行する。
なお、コントローラー20は、CPU30以外に、ASIC等の電子部品や信号処理回路等を備えていてもよい。この場合は、ASICに実装された機能により処理を実行し、また信号処理回路で信号処理を行って処理を実行し、CPU30とASIC、信号処理回路との協働によって本発明に係る各種の処理を実行する。また、コントローラー20は複数のCPUを備えていてもよい。この場合は、複数のCPUによる分散処理を行うことにより、各種の処理を実行する。
コントローラー20は、言語解釈部22と、ページデータ管理部23と、印刷制御部24を備える。言語解釈部22、ページデータ管理部23、および印刷制御部24の機能は、上記のように、コントローラー20がハードウェアとソフトウェアとの協働により各種の処理を実行することによって実現される。
言語解釈部22は、インターフェース部21を介して受信した印刷ジョブデータを解析し、ページ毎の印刷内容のデータ(後述するデータ本体)を生成する。ページデータ管理部23は、言語解釈部22が生成したページ毎の印刷内容のデータ(データ本体)のそれぞれに対して、後述する管理情報を生成する。印刷データは、言語解釈部22が生成したページ毎の印刷内容のデータと、ページデータ管理部23が生成した管理情報を含む。ページデータ管理部23は、ページ毎の印刷データを管理する。ページデータ管理部23は、印刷データをRAM32もしくはHDD31、あるいはその両方に必要に応じて記憶させる処理や、RAM32もしくはHDD31に記憶させた印刷データを必要に応じて読み出したり削除したりする処理を行う。例えば、印刷が完了した印刷データをRAM32から削除する処理、印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出してRAM32に記憶させる処理、等を行う。ページデータ管理部23による印刷データの管理の詳細については後述する。
印刷制御部24は、RAM32に記憶される印刷データから印刷対象ページの印刷データを読み出して印刷機構10へ出力し、印刷を実行させる。言語解釈部22が生成しRAM32に記憶される印刷データは、印刷機構10が印刷を実行する際に用いられる最終イメージデータではなく、ページの構成内容を指定する中間コードを含むデータとなっている。印刷制御部24は、RAM32から読み出した印刷データに含まれる中間コードをイメージデータに変換し、印刷機構10に出力するための最終イメージデータを生成してイメージバッファに展開する。印刷機構10は、イメージバッファに展開された最終イメージデータに基づいて印刷を行う。
(印刷データの蓄積状態の制御)
図2は印刷装置1における印刷データの蓄積状態の制御のフローチャートである。複数ページを複数部印刷する印刷ジョブデータを受信した場合、言語解釈部22は複数ページの印刷データを生成してページデータ管理部23に出力する。ページデータ管理部23および印刷制御部24は、言語解釈部22によって印刷データが生成されると、図2のフローチャートの制御を行う。
図2は印刷装置1における印刷データの蓄積状態の制御のフローチャートである。複数ページを複数部印刷する印刷ジョブデータを受信した場合、言語解釈部22は複数ページの印刷データを生成してページデータ管理部23に出力する。ページデータ管理部23および印刷制御部24は、言語解釈部22によって印刷データが生成されると、図2のフローチャートの制御を行う。
まず、ページデータ管理部23は、ステップST1、ST2(ページデータ蓄積ステップ)において、ページデータ蓄積処理を行う。ステップST1では、ページデータ管理部23は、生成された印刷データをRAM32に記憶させる。そして、生成された印刷データのデータ容量がRAM32の記憶容量を超える場合には、ステップST2において、RAM32に記憶できないページの印刷データをHDD31に記憶させる。ステップST1では、印刷順が早い印刷データをRAM32に記憶させ、RAMの空き容量が不足するとステップST2に進み、印刷順が遅い印刷データをHDD31に記憶させる。
続いて、印刷制御部24は、印刷優先度が最も高い印刷データをRAM32から読み出し、印刷機構10を制御して印刷を行わせる(ステップST3:印刷実行ステップ)。後述するように、ステップST1、ST2では、各ページの印刷データに対して印刷優先度が設定される。その際、最初に印刷される1ページ目の印刷データの印刷優先度が最も高くなるように設定される。また、ステップST1では、1ページ目の印刷データはRAM32に記憶される。従って、ステップST3では、印刷制御部24は、最も印刷優先度が高い印刷データをRAM32から読み出して印刷することにより、1ページ目の印刷データを最初に印刷する。
ページデータ管理部23は、RAM32の印刷データ蓄積状況と印刷ジョブの進行状況に応じてステップST4〜ST13を行い、複数ページの印刷データが逐次印刷されるのに伴って、RAM32およびHDD31における印刷データの蓄積状態を制御する。また、ページデータ管理部23は、RAM32およびHDD31に記憶させた全ての印刷データの管理情報を印刷ジョブの進行状況に応じて最適化する。つまり、図2のフローチャートにおいて、印刷制御部24が行う処理はステップST3のみであり、他のステップの処理はページデータ管理部23が行う。以下に説明するように、印刷データには、ページ毎に印刷優先度を含む管理情報が設定される。
図3は印刷データのデータ構造を模式的に示す説明図である。印刷データは、データ本体および管理情報を備える。データ本体は印刷内容を指定するデータであり、言語解釈部22により生成される。管理情報は、例えば、次ページ情報および印刷優先度を含むデータであり、ページデータ管理部23によって生成される。また、管理情報は、印刷方法を指定する情報を含む。例えば、コレート印刷か、各ページを複数部繰り返して印刷するコピー印刷かを指定する情報を含む。また、両面印刷か片面印刷かを指定する情報を含んでいてもよい。
次ページ情報とは、次に印刷する印刷データを指定するアドレス情報である。例えば、図3に示すように、1ページ目の印刷データP1の次ページ情報は、2ページ目の印刷データP2を指定するアドレス情報である。このように、次ページ情報として、印刷ジョブデータにおいて指定される論理ページ順を用いることもできるが、次ページ情報は、論理ページ順と異なる順に設定されることもある。例えば、4ページの印刷を行う場合であって、印刷方法として両面印刷が指定されている場合、1枚目の印刷用紙にP2、P1の順で印刷され、続いて2枚目の印刷用紙にP4、P3の順で印刷される。従って、この場合は、論理ページ順とは異なる順に次ページ情報が設定される。ページデータ管理部23は、印刷装置1が備えるメカ機構や印刷用紙のセット状況に応じて、次ページ情報を適宜設定する。
図4は印刷優先度の設定例を示すテーブルである。印刷優先度は、例えば、現在印刷中の印刷データの印刷優先度が最も高く設定され、次の印刷対象ページの印刷優先度がその次に高く設定される。図4の例では、最も高い印刷優先度が「A」であり、次に高い印刷優先度が「B」であり、アルファベットの並び順で優先度を表している。また、最後に印刷が完了した印刷データの印刷優先度が最も低く設定される。例えば、図4の例では、最も低い印刷優先度は「Z」である。また、それ以外の印刷データについても適宜印刷優先度が設定される。例えば、現在印刷中の印刷データから数えて2つ前に印刷が完了した印刷データは、低い側から2番目の印刷優先度(すなわち、「Y」)に設定される。また、次の次に印刷される印刷データの印刷優先度は、高い側から3番目の印刷優先度(すなわち、「C」)に設定される。なお、優先度の設定方法は、このような設定方法に限定されるものでなく、他の設定方法であってもよい。すなわち、最後に印刷が完了した印刷データの印刷優先度が、他の印刷データの印刷優先度より低く設定される設定方法であればよい。
ページデータ管理部23は、ステップST1、ST2を行うとき、印刷データを1ページ分RAM32あるいはHDD31に記憶させる度に、各印刷データに対して印刷優先度を設定する。これにより、RAM32およびHDD31に記憶させた全ての印刷データに対して、印刷開始前に印刷優先度が設定される。ステップST3において最も印刷優先度の高い印刷データを印刷した後、ステップST4では、直前の印刷(ステップST3)で印刷したページについて、印刷ジョブデータで指定された目標部数のうちの最終部の印刷を完了したか否かを判定する。最終部の印刷を完了していない場合(ステップST4:No)、ステップST5へ進む。
ページデータ管理部23は、各ページの印刷優先度を印刷ジョブの進行状況に応じて再設定し、管理情報を更新する。そのため、1ページの印刷が完了する毎に、各印刷データの印刷優先度を更新する(ステップST5)。具体的には、各印刷データの印刷優先度を1ランクずつ繰り上げる。そして、印刷が完了した印刷データの印刷優先度については、最も優先度が低いランクに変更する。つまり、ステップST5は、優先度設定ステップである。また、ページデータ管理部23は、優先度設定部として機能する。
次に、ページデータ管理部23は、ステップST6において、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されているか否か判定する。この判定は、例えば、次ページ情報に基づいて行うことができる。あるいは、印刷優先度に基づいて、印刷優先度「B」の印刷データの有無を判定してもよい。次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されている場合には(ステップST6:Yes)、HDD31およびRAM32に記憶されている印刷データを操作せず、ステップST3(印刷ステップ)へ戻り、印刷を続ける。一方、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されていない場合には(ステップST6:No)、この印刷データをRAM32に記憶させるため、ステップST7〜ST11を行う。
まず、ステップST7において、RAM32の空き容量を判定する。すなわち、次の印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量の有無を判定する。空き容量がある場合には(ステップST7:Yes)、ステップST9へ進む。一方、空き容量がない場合には(ステップST7:No)、ステップST8へ進む。ステップST8〜ST10では、RAM32に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除してRAM32の空き容量を確保する。ここで、最後に印刷を完了しているページの印刷データは印刷優先度が最も低い。従って、ページデータ管理部23は、ステップST8〜ST10において、印刷優先度が最も低い印刷データをRAM32から削除する。
ページデータ管理部23は、ステップST8において、最後に印刷完了している印刷データ(すなわち、印刷優先度が最も低い印刷データ)がHDD31上に記憶されているかどうかを判定する。記憶されていない場合(ステップST8:No)、ページデータ退避処理(ステップST9、ST10)を行う。ページデータ退避処理は、最後に印刷完了している印刷データをRAM32からHDD31上に移動させる処理であり、最後に印刷完了している印刷データをRAM32から読み出してHDD31に記憶させる処理(ステップST9)と、最後に印刷完了した印刷データをRAM32から削除するページデータ削除処理(ステップST10:ページデータ削除ステップ)を含む。ページデータ退避処理を行うことにより、RAM32から削除する印刷データをHDD31に保持させることができる。一方、最後に印刷完了した印刷データが既にHDD31上に記憶されている場合は(ステップST8:Yes)、ステップST9を行わずにステップST10(ページデータ削除ステップ)のみを行う。
続いて、ステップST11(ページデータ登録ステップ)では、次の印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出し、読み出した印刷データをRAM32に記憶させるページデータ登録処理を行う。これにより、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶される。なお、ステップST11では、HDD31から読み出した印刷データをHDD31から削除せず、HDD31に保持させておく。続いて、ステップST3へ戻り、印刷を続ける。
ページデータ管理部23は、ステップST4において、直前の印刷(ステップST3)で印刷したページについて、印刷ジョブデータで指定された目標部数のうちの最終部の印刷を完了したと判定した場合(ステップST4:Yes)、ステップST12へ進み、該当ページの印刷データをページデータ管理部23の管理対象から外す処理を行う。そして、ステップST13へ進み、全ページについて最終部まで印刷を完了したか否かを判定する。完了していない場合(ステップST13:No)、ステップST5へ進み、管理対象の印刷データについて印刷優先度を更新する。ここで、印刷データを管理対象から外す処理(ステップST12)とは、具体的には、該当ページの印刷データの印刷優先度の設定を行わないようにする処理である。例えば、該当ページの印刷データを管理対象から外さない場合には、ステップST5で該当ページの印刷データの印刷優先度を「A」から「Z」へ更新するが、該当ページの印刷データを管理対象から外した場合、その印刷データに対して印刷優先度の設定自体を行わないものとする。
このように、ステップST4、ST12、ST13の処理を行うことにより、目標部数のうち最終部を印刷する際に、印刷を完了した順に1ページずつ印刷データが管理対象から外れてゆく。最終部の最終ページの印刷が完了した場合、全ページについて最終部まで印刷を完了したと判定される(ステップST13:Yes)。従って、印刷ジョブを終了する。
(コレート印刷を行う場合の印刷データの蓄積状態の制御)
印刷ジョブデータは、各ページの印刷内容以外に、印刷部数や印刷用紙、印刷品質等の指定を含む。また、複数部の印刷を行う場合の印刷方法の指定を含む。例えば、コレート印刷により印刷することの指定を含む。印刷ジョブデータが複数ページの書類をコレート印刷により複数部印刷するためのデータである場合、コントローラー20は、複数ページの書類を1部ずつ印刷する処理を複数回繰り返して複数部を印刷する制御を行う。
印刷ジョブデータは、各ページの印刷内容以外に、印刷部数や印刷用紙、印刷品質等の指定を含む。また、複数部の印刷を行う場合の印刷方法の指定を含む。例えば、コレート印刷により印刷することの指定を含む。印刷ジョブデータが複数ページの書類をコレート印刷により複数部印刷するためのデータである場合、コントローラー20は、複数ページの書類を1部ずつ印刷する処理を複数回繰り返して複数部を印刷する制御を行う。
図5、図6はHDD31およびRAM32の印刷データの蓄積状況を示す説明図であり、図5はコレート印刷で1部目を印刷する際の印刷データの蓄積状況の説明図である。また、図6はコレート印刷で複数部を印刷する際の印刷データの蓄積状況を示すテーブルである。以下、図5、図6に基づき、複数ページの書類をコレート印刷により複数部印刷する場合の印刷データの蓄積状態について詳細に説明する。図5、図6の例は、7ページの書類をコレート印刷により4回印刷する場合の例であり、RAM32の記憶容量が4ページ分以上5ページ分未満の場合の例である。図5において、符号P1〜P7はそれぞれ、1ページから7ページまでの印刷データを示す。
言語解釈部22は、印刷ジョブデータから複数ページ(図5の例では、7ページ)の印刷データを生成する。ページデータ管理部23は、印刷データが生成されると、これら複数ページの印刷データを印刷順(すなわち、ページの番号順)に可能な限り多くRAM32に記憶させる。そして、RAM32の記憶容量を超える分の印刷データは一旦HDD31に記憶させる。例えば、RAM32の記憶容量が4ページ分以上5ページ分未満である場合には、印刷順が早い印刷データP1〜P4をRAM32に記憶させるとともに、印刷順が遅い印刷データP5〜P7をHDD31に記憶させる(図5の「P1印刷中」参照)。そして、1ページ目の印刷データP1を印刷する。
1ページ目の印刷データP1を印刷するとき、印刷制御部24は、RAM32から最初の印刷対象ページである印刷データP1を読み出して印刷機構10へ出力し、印刷を実行する。図2のステップST3の説明で述べたように、印刷対象ページの印刷データは印刷優先度に基づいて決定される。図5の例では、印刷データP1〜P7の印刷優先度はページの番号順に設定されており、印刷データP1の印刷優先度が「A」に設定されているため、印刷データP1が最初に印刷される。印刷中の印刷データP1はRAM32から削除することが禁止される。以下、この状態をRAM固定状態と呼ぶ。印刷データP1の次の印刷対象ページは印刷データP2であるが、印刷データP2はすでにRAM32に記憶されている。従って、ページデータ管理部23はHDD31およびRAM32に記憶されている印刷データをそのまま保持する。
印刷データP1の印刷が完了すると、図2のステップST5の説明で述べたように、印刷優先度が更新される。例えば、印刷データP1の印刷優先度が「Z」に更新され、他の印刷データP2の印刷優先度が1段階ずつ繰り上がるように更新される。その結果、印刷データP2の印刷優先度が「A」に更新され、次の印刷対象ページとなる。そして、次の印刷データP2の印刷が開始され、印刷データP2がRAM固定状態となる(図5の「P2印刷中」参照)。なお、印刷ジョブの進行に伴ってRAM固定中となる印刷データが変更される際には、図5に示すようにRAM32上の印刷データのアドレスを変更してもよいし、あるいは、RAM32上の印刷データのアドレスを変更せずにRAM32からの削除を禁止するだけでもよい。
印刷データP2の印刷が完了すると、印刷データP2の印刷優先度が「Z」に更新されるとともに、他の印刷データの印刷優先度が1段階ずつ繰り上がり、印刷データP3の印刷優先度が「A」に更新されて次の印刷対象ページとなる。そして、次の印刷対象ページである印刷データP3の印刷が開始され、印刷データP3がRAM固定状態となる(図5の「P3印刷中」参照)。ここで、印刷データP2、P3の印刷中は、次の印刷対象ページ(印刷データP3、P4)はいずれも既にRAM32に記憶されている。従って、ページデータ管理部23は、HDD31およびRAM32に記憶されている印刷データをそのまま保持する。
印刷データP3の印刷が完了すると、印刷データP3の印刷優先度が「Z」に更新されるとともに、他の印刷データの印刷優先度が1段階ずつ繰り上がり、印刷データP4の印刷優先度が「A」に更新されて次の印刷対象ページとなる。そして、次の印刷対象ページである印刷データP4の印刷が開始され、印刷データP4がRAM固定状態となる(図5の「P4印刷中」参照)。一方、最初にRAMに記憶させた印刷データは印刷データP1〜P4であるため、次の印刷対象ページである印刷データP5はRAM32に記憶されていない。そこで、ページデータ管理部23は、最後に印刷を完了している印刷データである印刷データP3をRAM32から削除する。これにより、RAM32に印刷データP5を記憶させるための空き容量を確保する。そして、その後に印刷データP5をHDD31から読み出してRAM32に記憶させる。また、RAM32から削除した印刷データP3はHDD31に蓄積されていないので、印刷データP3をHDD31に記憶させる。
印刷データP4の印刷が完了すると、印刷データP4の印刷優先度が「Z」に更新されるとともに、他の印刷データの印刷優先度が1段階ずつ繰り上がり、印刷データP5の印刷優先度が「A」に更新されて次の印刷対象ページとなる。そして、次の印刷対象ページである印刷データP5の印刷が開始され、印刷データP5がRAM固定状態となる(図5の「P5印刷中」参照)。また、次の印刷対象ページである印刷データP6はRAM32に記憶されていない。従って、ページデータ管理部23は、最後に印刷を完了している印刷データである印刷データP4をRAM32から削除し、その後にHDD31から次の印刷対象ページである印刷データP6を読み出してRAM32に記憶させる。また、RAM32から削除した印刷データP4はHDD31に蓄積されていないので、印刷データP4をHDD31に記憶させる。
印刷データP5の印刷が完了すると、印刷データP5の印刷優先度が「Z」に更新されるとともに、他の印刷データの印刷優先度が1段階ずつ繰り上がり、印刷データP6の印刷優先度が「A」に更新されて次の印刷対象ページとなる。そして、次の印刷対象ページである印刷データP6の印刷が開始され、印刷データP6がRAM固定状態となる(図5の「P6印刷中」参照)。また、次の印刷対象ページ(印刷データP7)はRAM32に記憶されていない。従って、ページデータ管理部23は、最後に印刷を完了している印刷データP5をRAM32から削除し、その後にHDD31から次の印刷対象ページである印刷データP7を読み出してRAM32に記憶させる。そして、今回RAM32から削除した印刷データP5は、既にHDD31に記憶されているため、HDD31に記憶させる処理は行わない。
印刷データP6の印刷が完了すると、印刷データP6の印刷優先度が「Z」に更新されるとともに、他の印刷データの印刷優先度が1段階ずつ繰り上がり、印刷データP7の印刷優先度が「A」に更新されて次の印刷対象ページとなる。そして、1部目の最終ページである印刷データP7の印刷が開始され、印刷データP7がRAM固定状態となる(図5の「P7印刷中」参照)。そして、次の印刷対象ページは印刷データP1である。印刷データP1は、1回目の印刷中にRAM32から削除されることはなく、RAM32に保持されている。従って、ページデータ管理部23はHDD31およびRAM32に記憶されている印刷データをそのまま保持する。
次に、図6を参照して、コレート印刷の2部目以降の印刷における印刷データの蓄積状態について説明する。図6の「1部目」の欄に示した内容は、図5に従って既に説明した通りである。すなわち、1部目の印刷では、2ページ目から4ページ目の印刷の際に、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。つまり、1部目の印刷の際には、HDD31から印刷データを読み出す回数は3回である。
ページデータ管理部23は、2部目以降の印刷においても、1部目の印刷と同様に印刷データの管理を行う。すなわち、印刷中の印刷データをRAM固定状態とする。また、次の印刷対象ページがRAM32に記憶されておらず、HDD31に退避させられている場合には、最後に印刷を完了している印刷データをRAM32から削除してRAM32の空き容量を確保し、その後にHDD31に記憶された次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。そして、RAM32から印刷対象ページの印刷データを読み出して印刷を行い、1ページ印刷する毎に、各印刷データの印刷優先度を更新する。
2部目の印刷では、1ページ目、5ページ目、および6ページ目の印刷の際には、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されているため、HDD31およびRAM32に対して印刷データの読み書きを行わない。一方、2ページ目から4ページ目、および7ページ目の印刷の際には、次の印刷データがRAM32に記憶されていないため、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。また、2ページ目と3ページ目の印刷の際には、まだHDD31に記憶されていない印刷データP2、P3をHDD31に記憶させる。つまり、2部目の印刷の際には、HDD31から印刷データを読み出す回数は4回である。
3部目の印刷では、3ページ目と4ページ目の印刷の際には、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されているため、HDD31およびRAM32に対して印刷データの読み書きを行わない。一方、1ページ目と2ページ目、および5ページ目から7ページ目の印刷の際には、次の印刷データがRAM32に記憶されていないため、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。つまり、2部目の印刷の際には、HDD31から印刷データを読み出す回数は5回である。
4部目の印刷では、1ページ目から2ページ目、および6ページ目から7ページ目の印刷の際には、次の印刷対象ページの印刷データがRAM32に記憶されているため、HDD31およびRAM32に対して印刷データの読み書きを行わない。一方、3ページ目から5ページ目の印刷の際には、次の印刷データがRAM32に記憶されていないため、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。つまり、4部目の印刷の際には、HDD31から印刷データを読み出す回数は3回である。
図7は図5、図6の例における印刷データ読み出し回数の集計結果である。図7に示すように、本形態では、2部目以降の印刷において、従来のように1ページ印刷する毎にHDD31から印刷データを読み出しておらず、印刷データを読み出す回数が少ない。このため、印刷ジョブ全体におけるHDD31からの印刷データの読み出しの総回数は15回である。
ここで、図5〜図7で説明した例は、RAM32の記憶容量が4ページ分以上5ページ分未満の場合の例であったが、RAM32の記憶容量が上記と異なる場合の例を示す。図8はコレート印刷で複数部を印刷する際の印刷データの蓄積状況を示す説明図であり、RAM32の記憶容量が5ページ分以上6ページ分未満である場合の例である。
図8に示す例では、最初に印刷データP1〜P5をRAM32に格納し、印刷データP6〜P7をHDD31に退避させる。1部目の印刷では、5ページ目から6ページ目の印刷の際に、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。また、2部目の印刷では、3ページ目から4ページ目の印刷の際に、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。そして、3部目の印刷では、1ページ目から2ページ目、および、6ページ目から7ページ目の印刷の際に、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。最後に、4部目の印刷では、4ページ目から5ページ目の印刷の際に、HDD31から次の印刷対象ページの印刷データを読み出してRAM32に記憶させる。
図9は図8の例における印刷データ読み出し回数の集計結果である。図9に示すように、印刷ジョブ全体でのHDD31からの印刷データの読み出しの総回数は10回である。従って、図8の例では、図5、図6の例よりも更にHDD31からの印刷データの読み出し回数が少ない。このことは、本形態のようにHDD31およびRAM32の印刷データの蓄積状態を制御した場合、RAM32の記憶容量が大きいほど、HDD31からの印刷データの読み出し回数が少ないことを意味する。また、図7、図9の集計結果からわかるように、複数部の印刷を行うにあたって、何部目の印刷かによって、HDD31からの印刷データの読み出し回数が異なる。つまり、コレート印刷の印刷部数によっても、HDD31からの印刷データの読み出し回数の低減効果が異なる。
ここで、比較のため、印刷データをRAM32へ記憶させ、印刷した順にRAM32から削除する例(従来例)を説明する。従来例では、コレート印刷を行う際、印刷データを印刷した順にRAM32から削除してHDD31へ記憶させ、印刷対象ページの印刷データを、印刷する度にその都度HDD31から読み出してRAM32に記憶させる。
図10は従来例の印刷データの蓄積状況を示すテーブルであり、図11は従来例の印刷データ読み出し回数の集計結果である。図10に示す従来例は、図8に示した例と同様に、RAM32の記憶容量が5ページ分以上6ページ分未満の場合である。従来例では、1部目の印刷の際には、HDD31を介さずにRAM32に印刷データを記憶させ、印刷が完了した順にそれぞれのページの印刷データをRAM32から削除してHDD31に記憶させる。そして、2部目以降の印刷では、毎回次ページの印刷データをHDD31から読み出す。
図11に示すように、従来例では、HDD31から印刷データを読み出す総回数は21回である。これに対し、本形態では、既に説明したように、HDD31からの印刷データの読み出しの総回数は10回である。つまり、本形態の制御によれば、HDD31から印刷データを読み出す回数が大幅に低減される。従って、時間のかかるHDD31からの印刷データの読み出しの回数が少ないので、コレート印刷に要する印刷時間を大幅に低減させることができる。
本形態の印刷装置1は、印刷データを印刷機構10により印刷する印刷速度が、当該印刷データをHDD31から読み出す読み出し速度よりも早いという特徴を備える。このような場合、印刷対象ページの印刷データを印刷機構10により印刷する際の所要時間(印刷時間)が、当該印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出す際の所要時間(読み出し時間)よりも短くなるので、印刷データをHDD31から読み出す読み出し速度の遅さがボトルネックとなり、印刷時間の短縮が難しい。しかしながら、本形態では、上記のように印刷データをHDD31から読み出す読み出し回数を少なくすることができるので、印刷データをHDD31から読み出す読み出し速度を速めることができなくても、印刷時間を短縮することが可能である。
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の印刷装置1およびその制御方法は、HDD31よりもデータの読み出しの速度が速いRAM32に記憶される印刷データに基づいて印刷機構10に印刷を行わせ、印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量がRAM32にない場合は、RAM32に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除してRAM32の空き容量を確保した上で、印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出してRAM32に記憶させる。このように、RAM32の空き容量を確保する際に、必ず最後に印刷を完了しているページの印刷データを印刷対象ページの印刷データと書き換えることにより、RAM32から削除すべき印刷データを最適化することができる。例えば、複数部の印刷を行う際に、印刷を行ってから次の回の印刷の機会までの間に、RAM32に保持され続ける印刷データが存在する。従って、複数部の印刷を行う間、印刷データを毎回HDD31から読み出す処理を行う必要がないので、HDD31からのデータの読み出し回数を少なくすることができる。よって、複数部の印刷を行う場合に、印刷データをHDD31から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することができる。
以上のように、本形態の印刷装置1およびその制御方法は、HDD31よりもデータの読み出しの速度が速いRAM32に記憶される印刷データに基づいて印刷機構10に印刷を行わせ、印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量がRAM32にない場合は、RAM32に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除してRAM32の空き容量を確保した上で、印刷対象ページの印刷データをHDD31から読み出してRAM32に記憶させる。このように、RAM32の空き容量を確保する際に、必ず最後に印刷を完了しているページの印刷データを印刷対象ページの印刷データと書き換えることにより、RAM32から削除すべき印刷データを最適化することができる。例えば、複数部の印刷を行う際に、印刷を行ってから次の回の印刷の機会までの間に、RAM32に保持され続ける印刷データが存在する。従って、複数部の印刷を行う間、印刷データを毎回HDD31から読み出す処理を行う必要がないので、HDD31からのデータの読み出し回数を少なくすることができる。よって、複数部の印刷を行う場合に、印刷データをHDD31から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することができる。
本形態の印刷装置1は、複数ページの印刷データを1部印刷する処理を複数回繰り返して複数部の印刷を行うコレート印刷を行う場合に、印刷データをHDD31から読み出す読み出し回数を従来よりも大幅に削減できることを図5〜図9に示すシミュレーションにより確認できた。従って、印刷データをHDD31から読み出す速度の遅さに起因する印刷時間の遅さを改善することができる。
本形態では、HDD31およびRAM32に記憶されている複数ページの印刷データの印刷優先度を設定する優先度設定部(ページデータ管理部23)を備え、最後に印刷を完了したページの印刷データの印刷優先度を他の印刷データより低く設定する。そして、RAM32に蓄積されていない印刷対象ページをRAMに記憶させるためのページデータ削除処理を行う場合に、印刷優先度に基づいてRAM32から削除するページを決定する。このようにすると、印刷データの印刷優先度を適切に設定することができ、RAM32から削除すべきデータを適切に決定することができる。
本形態では、RAM32の空き容量を確保するためにRAM32から最後に印刷完了している印刷データを削除する際、当該印刷データがHDD31上に記憶されているかどうかを判定し、記憶されていない場合にはページデータ退避処理を行う。これにより、RAM32から削除する印刷データをHDD31に保持させることができる。また、ページデータ蓄積処理を行う際、RAM32が複数ページの印刷データの全てを記憶させる記憶容量を備えていない場合には、当該複数ページの印刷データのうち、印刷順が遅いページの印刷データ(例えば、図6の例では、印刷データP5〜P7)をHDD31に記憶させる。このように、印刷順が遅いページの印刷データを最初にHDD31に記憶させることにより、印刷済みの印刷データをRAM32に保持することができる。従って、HDD31からのデータの読み出し回数を少なくすることができる。
(他の実施形態)
(1)上記形態は、1つの印刷ジョブデータに基づいてコレート印刷を行う場合であったが、本発明は、通常ジョブと割り込みジョブを行う場合にも適用できる。通常ジョブの印刷中に割り込みジョブの印刷ジョブデータを受信した場合には、言語解釈部22は、割り込みジョブの印刷ジョブデータに基づいて生成した印刷データを出力する。ページデータ管理部23は、新たに生成された割り込みジョブの印刷データをHDD31もしくはRAM32に記憶させるとともに、新たに生成された割り込みジョブの印刷データに印刷優先度を設定する。その際、割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、通常ジョブの印刷データの印刷優先度よりも高くするように、全データの印刷優先度を再設定する。但し、通常データであっても、現在印刷中の印刷データについては、最も印刷優先度を高く設定する。また、1ページ印刷する毎に行われる優先度の再設定の際に、割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、通常ジョブの印刷データの印刷優先度よりも高くする。そして、再設定した印刷優先度に基づいて、HDD31およびRAM32への印刷データの蓄積状況を制御する。これにより、割り込みジョブの印刷データをRAM32に優先的に残すことができるので、割り込みジョブを優先して印刷を行い、且つ、HDD31から印刷データを読み出す回数を少なくすることができる。
(1)上記形態は、1つの印刷ジョブデータに基づいてコレート印刷を行う場合であったが、本発明は、通常ジョブと割り込みジョブを行う場合にも適用できる。通常ジョブの印刷中に割り込みジョブの印刷ジョブデータを受信した場合には、言語解釈部22は、割り込みジョブの印刷ジョブデータに基づいて生成した印刷データを出力する。ページデータ管理部23は、新たに生成された割り込みジョブの印刷データをHDD31もしくはRAM32に記憶させるとともに、新たに生成された割り込みジョブの印刷データに印刷優先度を設定する。その際、割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、通常ジョブの印刷データの印刷優先度よりも高くするように、全データの印刷優先度を再設定する。但し、通常データであっても、現在印刷中の印刷データについては、最も印刷優先度を高く設定する。また、1ページ印刷する毎に行われる優先度の再設定の際に、割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、通常ジョブの印刷データの印刷優先度よりも高くする。そして、再設定した印刷優先度に基づいて、HDD31およびRAM32への印刷データの蓄積状況を制御する。これにより、割り込みジョブの印刷データをRAM32に優先的に残すことができるので、割り込みジョブを優先して印刷を行い、且つ、HDD31から印刷データを読み出す回数を少なくすることができる。
(2)上記形態は、HDD31から印刷データを読み出してRAM32に記憶させる際に、HDD31上の印刷データは削除しないが、RAM32に記憶させるためにHDD31から印刷データを読み出した場合は、その都度HDD31上の印刷データを削除するように制御を変更しても良い。この場合、RAM32からHDD31に再び印刷データを退避させる際にHDD31への印刷データの書き込みが発生するが、RAM32とHDD31の記憶容量を効率的に使用できるという利点がある。従って、SSDのような中容量中速度の記憶装置をHDD31の代わりに第1記憶部として使用することができる。これにより、第1記憶部へのデータの読み書きの速度を速めることができるので、印刷速度の遅さを改善することができる。
1…印刷装置、10…印刷機構、20…コントローラー(制御部)、21…インターフェース部、22…言語解釈部、23…ページデータ管理部(優先度設定部)、24…印刷制御部、31…ハードディスク(第1記憶部)、32…RAM(第2記憶部)、33…ROM、P1〜P7…印刷データ。
Claims (12)
- 第1記憶部と、
前記第1記憶部よりもデータの読み出しの速度が速い第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶される印刷データに基づいて印刷を行う印刷機構と、
前記第1記憶部および前記第2記憶部に記憶される印刷データを管理する制御部と、を有し、
前記制御部は、複数部印刷を行う場合であって印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除するページデータ削除処理と、前記印刷対象ページの印刷データを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶させるページデータ登録処理と、前記第2記憶部から前記印刷対象ページの印刷データを読み出して前記印刷機構に印刷を行わせる印刷実行処理と、を行うことを特徴とする印刷装置。 - 前記印刷機構による印刷データの印刷速度は、前記印刷データを前記第1記憶部から読み出す読み出し速度よりも早いことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、複数ページの印刷データを1部印刷する処理を複数回繰り返して複数部の印刷を行う場合に、前記印刷対象ページの印刷データが前記第2記憶部に記憶されておらず、且つ、前記印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記ページデータ削除処理および前記ページデータ登録処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
- 前記第1記憶部および第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データの印刷優先度を設定する優先度設定部を備え、
前記優先度設定部は、最後に印刷を完了したページの印刷データの印刷優先度を他の印刷データより低く設定し、
前記制御部は、前記ページデータ削除処理において、前記印刷優先度に基づいて前記第2記憶部から削除するページを決定することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の印刷装置。 - 前記優先度設定部は、通常ジョブの印刷データと割り込みジョブの印刷データが前記第2記憶部に記憶されると、前記割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、前記通常ジョブの印刷データの印刷優先度より高く設定することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記ページデータ削除処理において、最後に印刷を完了しているページの印刷データが前記第1記憶部に記憶されていない場合、前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第1記憶部に記憶させてから前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第2記憶部から削除することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の印刷装置。
- 印刷ジョブに含まれる複数ページの印刷データを第1記憶部および前記第1記憶部よりもデータの読み出しの速度が速い第2記憶部に記憶させ、前記第2記憶部に記憶される印刷データに基づいて印刷機構に印刷を行わせる印刷装置の制御方法であって、
複数部印刷を行う場合であって印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、
前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データのうち、最後に印刷を完了しているページの印刷データを削除するページデータ削除ステップと、
前記印刷対象ページの印刷データを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶させるページデータ登録ステップと、
前記第2記憶部から前記印刷対象ページの印刷データを読み出して印刷機構に印刷を行わせる印刷実行ステップと、を行うことを特徴とする印刷装置の制御方法。 - 前記印刷機構による印刷データの印刷速度は、前記印刷データを前記第1記憶部から読み出す読み出し速度よりも早いことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置の制御方法。
- 複数ページの印刷データを1部印刷する処理を複数回繰り返して複数部の印刷を行う場合に、前記印刷対象ページの印刷データが前記第2記憶部に記憶されておらず、且つ、前記印刷対象ページの印刷データを記憶させる空き容量が前記第2記憶部にない場合は、前記ページデータ削除ステップおよび前記ページデータ登録ステップを行うことを特徴とする請求項7または8に記載の印刷装置の制御方法。
- 前記第1記憶部および前記第2記憶部に記憶されている複数ページの印刷データの印刷優先度を設定する優先度設定ステップを行い、
前記優先度設定ステップでは、最後に印刷を完了したページの印刷データの印刷優先度を他の印刷データより低く設定し、
前記ページデータ削除ステップでは、前記印刷優先度が最も低いページの印刷データを削除することを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載の印刷装置の制御方法。 - 通常ジョブの印刷データと割り込みジョブの印刷データが前記第2記憶部に記憶される場合に、前記優先度設定ステップでは、前記割り込みジョブの印刷データの印刷優先度を、前記通常ジョブの印刷データの印刷優先度より高く設定することを特徴とする請求項10に記載の印刷装置の制御方法。
- 前記ページデータ削除ステップにおいて、最後に印刷を完了しているページの印刷データが前記第1記憶部に記憶されていない場合、前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第1記憶部に記憶させてから前記第2記憶部に記憶されている当該印刷データを前記第2記憶部から削除することを特徴とする請求項7から11の何れか一項に記載の印刷装置の制御方法。
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JP2016246282A JP2018099804A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | 印刷装置および印刷装置の制御方法 |
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