JP2018097879A - 仮想空間を介して通信するための方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、および当該プログラムを実行するための情報処理装置 - Google Patents

仮想空間を介して通信するための方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、および当該プログラムを実行するための情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】仮想空間上でより円滑なコミュニケーションを図ることができる技術を提供すること。
【解決手段】仮想空間を介して通信するためにコンピュータで実行される方法は、仮想空間を定義するステップ(S1810)と、仮想空間を介して通信するユーザのアバターオブジェクトを仮想空間に配置するステップ(S1820)と、ユーザの顔の動作を検出するステップ(S1830)と、検出された顔の動作を増幅してアバターオブジェクトの顔に反映させるステップとを備える。
【選択図】図18

Description

この開示は、仮想空間に配置されるアバターを制御する技術に関し、より特定的には、アバターの表情を制御する技術に関する。
ヘッドマウントデバイス(HMD:Head-Mounted Device)装置を用いて仮想現実を提供する技術が知られている。また、仮想空間上に、複数のユーザの各々のアバターを配置し、これらアバターを通じてユーザ間でのコミュニケーションを図る技術が提案されている。
アバターを利用したコミュニケーションを促進する技術として、フェイストラッキング技術によりユーザの顔の動作を検出して(特許文献1〜3)、検出した顔の動作をアバターに反映させる技術が知られている。例えば、特許文献1は、パターンマッチングによりユーザの口の動作を検出する技術を開示している。
特開2009−231879号公報 特開2009−533786号公報 特表2010−507854号公報
人が社会的生活を営む際には、他者とのコミュニケーションが重要である。特に対面対話においては、人は、音声言語を用いた情報伝達だけではなく、表情や視線、姿勢、身体動作といったさまざまな情報を合わせて用いることにより、より円滑なコミュニケーションを行っている。
そのため、仮想空間上でアバターを利用したコミュニケーションを行なう場合においても、アバターの表情などを利用してより円滑なコミュニケーションを図ることができる技術が必要とされている。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、仮想空間上でより円滑なコミュニケーションを図ることができる技術を提供することである。
ある実施の形態に従うと、仮想空間を介して通信するためにコンピュータで実行される方法が提供される。この方法は、仮想空間を定義するステップと、仮想空間を介して通信するユーザのアバターオブジェクトを仮想空間に配置するステップと、ユーザの顔の動作を検出するステップと、検出された顔の動作を増幅して、増幅した動作をアバターオブジェクトの顔に反映させるステップとを備える。
開示された技術的特徴の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
HMDシステムの構成の概略を表す図である。 コンピュータのハードウェア構成の一例を表すブロック図である。 ある実施の形態に従うHMDに設定されるuvw視野座標系を概念的に表す 図である。 ある実施の形態に従う仮想空間を表現する一態様を概念的に表す図である。 ある実施の形態に従うHMDを装着するユーザの頭部を上から表した図であ る。 仮想空間において視認領域をX方向から見たYZ断面を表す図である。 仮想空間において視認領域をY方向から見たXZ断面を表す図である。 ある実施の形態に従うコンピュータをモジュール構成として表わすブロック 図である。 HMDセット105A,105Bの各ユーザのアバターオブジェクトを説明 する図である。 ユーザの顔画像から口を検出する制御について説明する図である。 動き検出モジュールが口の形状を検出するための制御について説明する図 (その1)である。 動き検出モジュールが口の形状を検出するための制御について説明する図 (その2)である。 現実空間におけるユーザの表情と、仮想空間におけるユーザのアバターオ ブジェクトの表情との対比を説明する図である。 サーバのハードウェア構成およびモジュール構成を説明する図である。 ユーザの動作をアバターオブジェクトに反映するための、コンピュータと サーバとの信号のやりとりについて説明するフローチャートである。 現実空間におけるユーザの眉の動きを増幅して仮想空間におけるアバター オブジェクトに反映する制御について説明する図である。 現実空間におけるユーザの目の動き(形状)を増幅して仮想空間2におけ るアバターオブジェクトに反映する制御について説明する図である。 図16,17におけるコンピュータの処理を説明するフローチャートであ る。 現実空間におけるユーザの口の動き(形状)を増幅して仮想空間における アバターオブジェクトに反映する制御について説明する図である。 図19におけるコンピュータの処理を説明するフローチャートである。 アバターオブジェクトの種類と、検出したユーザの動作の増幅度合とにつ いて説明する図である。
以下、この技術的思想の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
[HMDシステムの構成]
図1を参照して、HMD(Head-Mounted Device)システム100の構成について説明する。図1は、HMDシステム100の構成の概略を表す図である。HMDシステム100は、家庭用のシステムとしてあるいは業務用のシステムとして提供される。
HMDシステム100は、HMD(Head-Mounted Device)セット105A,105B,105C,105Dと、ネットワーク19とサーバ150とを含む。HMDセット105A,105B,105C,105Dの各々は、ネットワーク19を介してサーバ150と通信可能に構成される。以下、HMDセット105A,105B,105C,105Dを総称して、HMDセット105とも言う。なお、HMDシステム100を構成するHMDセット105の数は、4つに限られず、3つ以下でも、5つ以上でもよい。HMDセット105は、HMD110と、HMDセンサ120と、コントローラ160と、コンピュータ200とを備える。HMD110は、モニタ112と、第1カメラ115と、第2カメラ117と、スピーカ118と、マイク119と、注視センサ140とを含む。コントローラ160は、モーションセンサ130を含み得る。
ある局面において、コンピュータ200は、インターネットその他のネットワーク19に接続可能であり、ネットワーク19に接続されているサーバ150その他のコンピュータ(例えば、他のHMDセット105のコンピュータ)と通信可能である。別の局面において、HMD110は、HMDセンサ120の代わりに、センサ114を含み得る。
HMD110は、ユーザの頭部に装着され、動作中に仮想空間をユーザに提供し得る。より具体的には、HMD110は、右目用の画像および左目用の画像をモニタ112にそれぞれ表示する。ユーザの各目がそれぞれの画像を視認すると、ユーザは、両目の視差に基づき当該画像を3次元の画像として認識し得る。HMD100は、モニタを備える所謂ヘッドマウントディスプレイと、スマートフォンその他のモニタを有する端末を装着可能なヘッドマウント機器のいずれをも含み得る。
モニタ112は、例えば、非透過型の表示装置として実現される。ある局面において、モニタ112は、ユーザの両目の前方に位置するようにHMD110の本体に配置されている。したがって、ユーザは、モニタ112に表示される3次元画像を視認すると、仮想空間に没入することができる。ある実施の形態において、仮想空間は、例えば、背景、ユーザが操作可能なオブジェクト、ユーザが選択可能なメニューの画像を含む。ある実施の形態において、モニタ112は、所謂スマートフォンその他の情報表示端末が備える液晶モニタまたは有機EL(Electro Luminescence)モニタとして実現され得る。
他の局面において、モニタ112は、透過型の表示装置として実現され得る。この場合、HMD110は、図1に示されるようにユーザの目を覆う密閉型ではなく、メガネ型のような開放型であり得る。透過型のモニタ112は、その透過率を調整することにより、一時的に非透過型の表示装置として構成可能であってもよい。また、モニタ112は、仮想空間を構成する画像の一部と、現実空間とを同時に表示する構成を含んでいてもよい。例えば、モニタ112は、HMD110に搭載されたカメラで撮影した現実空間の画像を表示してもよいし、一部の透過率を高く設定することにより現実空間を視認可能にしてもよい。
ある局面において、モニタ112は、右目用の画像を表示するためのサブモニタと、左目用の画像を表示するためのサブモニタとを含み得る。別の局面において、モニタ112は、右目用の画像と左目用の画像とを一体として表示する構成であってもよい。この場合、モニタ112は、高速シャッタを含む。高速シャッタは、画像がいずれか一方の目にのみ認識されるように、右目用の画像と左目用の画像とを交互に表示可能に作動する。
ある局面において、HMD110は、複数の光源(図示しない)を含む。各光源は例えば、赤外線を発するLED(Light Emitting Diode)により実現される。HMDセンサ120は、HMD110の動きを検出するためのポジショントラッキング機能を有する。より具体的には、HMDセンサ120は、HMD110が発する複数の赤外線を読み取り、現実空間内におけるHMD110の位置および傾きを検出する。
なお、別の局面において、HMDセンサ120は、カメラにより実現されてもよい。この場合、HMDセンサ120は、カメラから出力されるHMD110の画像情報を用いて、画像解析処理を実行することにより、HMD110の位置および傾きを検出することができる。
別の局面において、HMD110は、位置検出器として、HMDセンサ120の代わりに、センサ114を備えてもよい。HMD110は、センサ114を用いて、HMD110自身の位置および傾きを検出し得る。例えば、センサ114が角速度センサ、地磁気センサ、加速度センサ、あるいはジャイロセンサ等である場合、HMD110は、HMDセンサ120の代わりに、これらの各センサのいずれかを用いて、自身の位置および傾きを検出し得る。一例として、センサ114が角速度センサである場合、角速度センサは、現実空間におけるHMD110の3軸周りの角速度を経時的に検出する。HMD110は、各角速度に基づいて、HMD110の3軸周りの角度の時間的変化を算出し、さらに、角度の時間的変化に基づいて、HMD110の傾きを算出する。
第1カメラ115は、ユーザ190の顔の下部を撮影する。より具体的には、第1カメラ115は、ユーザ190の鼻および口などを撮影する。第2カメラ117は、ユーザの目および眉などを撮影する。HMD110のユーザ190側の筐体をHMD110の内側、HMD110のユーザ190とは逆側の筐体をHMD110の外側と定義する。ある局面において、第1カメラ115は、HMD110の外側に配置され、第2カメラ117は、HMD110の内側に配置され得る。第1カメラ115および第2カメラ117が生成した画像は、コンピュータ200に入力される。
スピーカ118は、音声信号を音声に変換してユーザ190に出力する。マイク119は、ユーザ190の発話を電気信号に変換してコンピュータ200に出力する。なお、他の局面において、HMD110は、スピーカ118に替えてイヤホンを含み得る。
注視センサ140は、ユーザ190の右目および左目の視線が向けられる方向(視線)を検出する。当該方向の検出は、例えば、公知のアイトラッキング機能によって実現される。注視センサ140は、当該アイトラッキング機能を有するセンサにより実現される。ある局面において、注視センサ140は、右目用のセンサおよび左目用のセンサを含むことが好ましい。注視センサ140は、例えば、ユーザ190の右目および左目に赤外光を照射するとともに、照射光に対する角膜および虹彩からの反射光を受けることにより各眼球の回転角を検出するセンサであってもよい。注視センサ140は、検出した各回転角に基づいて、ユーザ190の視線を検知することができる。
サーバ150は、コンピュータ200にプログラムを送信し得る。別の局面において、サーバ150は、他のユーザによって使用されるHMDに仮想現実を提供するための他のコンピュータ200と通信し得る。例えば、アミューズメント施設において、複数のユーザが参加型のゲームを行なう場合、各コンピュータ200は、各ユーザの動作に基づく信号を他のコンピュータ200と通信して、同じ仮想空間において複数のユーザが共通のゲームを楽しむことを可能にする。
コントローラ160は、有線または無線によりコンピュータ200に接続されている。コントローラ160は、ユーザ190からコンピュータ200への命令の入力を受け付ける。ある局面において、コントローラ160は、ユーザ190によって把持可能に構成される。別の局面において、コントローラ160は、ユーザ190の身体あるいは衣類の一部に装着可能に構成される。別の局面において、コントローラ160は、コンピュータ200から送信される信号に基づいて、振動、音、光のうちの少なくともいずれかを出力するように構成されてもよい。別の局面において、コントローラ160は、ユーザ190から、仮想空間に配置されるオブジェクトの位置や動きを制御するための操作を受け付ける。
モーションセンサ130は、ある局面において、ユーザの手に取り付けられて、ユーザの手の動きを検出する。例えば、モーションセンサ130は、手の回転速度、回転数等を検出する。検出された信号は、コンピュータ200に送られる。モーションセンサ130は、例えば、手袋型のコントローラ160に設けられている。ある実施の形態において、現実空間における安全のため、コントローラ160は、手袋型のようにユーザ190の手に装着されることにより容易に飛んで行かないものに装着されるのが望ましい。別の局面において、ユーザ190に装着されないセンサがユーザ190の手の動きを検出してもよい。例えば、ユーザ190を撮影するカメラの信号が、ユーザ190の動作を表わす信号として、コンピュータ200に入力されてもよい。モーションセンサ130とコンピュータ200とは、一例として、無線により互いに接続される。無線の場合、通信形態は特に限られず、例えば、Bluetooth(登録商標)その他の公知の通信手法が用いられる。
[ハードウェア構成]
図2を参照して、本実施の形態に係るコンピュータ200について説明する。図2は、ある局面に従うコンピュータ200のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。コンピュータ200は、主たる構成要素として、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、入出力インターフェイス13と、通信インターフェイス14とを備える。各構成要素は、それぞれ、バス15に接続されている。
プロセッサ10は、コンピュータ200に与えられる信号に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立したことに基づいて、メモリ11またはストレージ12に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。ある局面において、プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)その他のデバイスとして実現される。
メモリ11は、プログラムおよびデータを一時的に保存する。プログラムは、例えば、ストレージ12からロードされる。データは、コンピュータ200に入力されたデータと、プロセッサ10によって生成されたデータとを含む。ある局面において、メモリ11は、RAM(Random Access Memory)その他の揮発メモリとして実現される。
ストレージ12は、プログラムおよびデータを永続的に保持する。ストレージ12は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発記憶装置として実現される。ストレージ12に格納されるプログラムは、HMDシステム100において仮想空間を提供するためのプログラム、シミュレーションプログラム、ゲームプログラム、ユーザ認証プログラム、他のコンピュータ200との通信を実現するためのプログラムを含む。ストレージ12に格納されるデータは、仮想空間を規定するためのデータおよびオブジェクト等を含む。
なお、別の局面において、ストレージ12は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。さらに別の局面において、コンピュータ200に内蔵されたストレージ12の代わりに、外部の記憶装置に保存されているプログラムおよびデータを使用する構成が使用されてもよい。このような構成によれば、例えば、アミューズメント施設のように複数のHMDシステム100が使用される場面において、プログラムやデータの更新を一括して行なうことが可能になる。
ある実施の形態において、入出力インターフェイス13は、HMD110、HMDセンサ120およびモーションセンサ130との間で信号を通信する。ある局面において、HMD110に含まれる第1カメラ115,第2カメラ117,スピーカ118,およびマイク119は、HMD110のインターフェイスを介してコンピュータ200との通信を行ない得る。ある局面において、入出力インターフェイス13は、USB(Universal Serial Bus)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)その他の端子を用いて実現される。なお、入出力インターフェイス13は上述のものに限られない。
ある実施の形態において、入出力インターフェイス13は、さらに、コントローラ160と通信し得る。例えば、入出力インターフェイス13は、コントローラ160およびモーションセンサ130から出力された信号の入力を受ける。別の局面において、入出力インターフェイス13は、プロセッサ10から出力された命令を、コントローラ160に送る。当該命令は、振動、音声出力、発光等をコントローラ160に指示する。コントローラ160は、当該命令を受信すると、その命令に応じて、振動、音声出力または発光のいずれかを実行する。
通信インターフェイス14は、ネットワーク19に接続されて、ネットワーク19に接続されている他のコンピュータ(例えば、サーバ150)と通信する。ある局面において、通信インターフェイス14は、例えば、LAN(Local Area Network)その他の有線通信インターフェイス、あるいは、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)その他の無線通信インターフェイスとして実現される。なお、通信インターフェイス14は上述のものに限られない。
ある局面において、プロセッサ10は、ストレージ12にアクセスし、ストレージ12に格納されている1つ以上のプログラムをメモリ11にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。当該1つ以上のプログラムは、コンピュータ200のオペレーティングシステム、仮想空間を提供するためのアプリケーションプログラム、仮想空間で実行可能なゲームソフトウェア等を含み得る。プロセッサ10は、入出力インターフェイス13を介して、仮想空間を提供するための信号をHMD110に送る。HMD110は、その信号に基づいてモニタ112に映像を表示する。
なお、図2に示される例では、コンピュータ200は、HMD110の外部に設けられる構成が示されているが、別の局面において、コンピュータ200は、HMD110に内蔵されてもよい。一例として、モニタ112を含む携帯型の情報通信端末(例えば、スマートフォン)がコンピュータ200として機能してもよい。
また、コンピュータ200は、複数のHMD110に共通して用いられる構成であってもよい。このような構成によれば、例えば、複数のユーザに同一の仮想空間を提供することもできるので、各ユーザは同一の仮想空間で他のユーザと同一のアプリケーションを楽しむことができる。
ある実施の形態において、HMDシステム100では、グローバル座標系が予め設定されている。グローバル座標系は、現実空間における鉛直方向、鉛直方向に直交する水平方向、ならびに、鉛直方向および水平方向の双方に直交する前後方向にそれぞれ平行な、3つの基準方向(軸)を有する。本実施の形態では、グローバル座標系は視点座標系の一つである。そこで、グローバル座標系における水平方向、鉛直方向(上下方向)、および前後方向は、それぞれ、x軸、y軸、z軸と規定される。より具体的には、グローバル座標系において、x軸は現実空間の水平方向に平行である。y軸は、現実空間の鉛直方向に平行である。z軸は現実空間の前後方向に平行である。
ある局面において、HMDセンサ120は、赤外線センサを含む。赤外線センサが、HMD110の各光源から発せられた赤外線をそれぞれ検出すると、HMD110の存在を検出する。HMDセンサ120は、さらに、各点の値(グローバル座標系における各座標値)に基づいて、HMD110を装着したユーザ190の動きに応じた、現実空間内におけるHMD110の位置および傾きを検出する。より詳しくは、HMDセンサ120は、経時的に検出された各値を用いて、HMD110の位置および傾きの時間的変化を検出できる。
グローバル座標系は現実空間の座標系と平行である。したがって、HMDセンサ120によって検出されたHMD110の各傾きは、グローバル座標系におけるHMD110の3軸周りの各傾きに相当する。HMDセンサ120は、グローバル座標系におけるHMD110の傾きに基づき、uvw視野座標系をHMD110に設定する。HMD110に設定されるuvw視野座標系は、HMD110を装着したユーザ190が仮想空間において物体を見る際の視点座標系に対応する。
[uvw視野座標系]
図3を参照して、uvw視野座標系について説明する。図3は、ある実施の形態に従うHMD110に設定されるuvw視野座標系を概念的に表す図である。HMDセンサ120は、HMD110の起動時に、グローバル座標系におけるHMD110の位置および傾きを検出する。プロセッサ10は、検出された値に基づいて、uvw視野座標系をHMD110に設定する。
図3に示されるように、HMD110は、HMD110を装着したユーザの頭部を中心(原点)とした3次元のuvw視野座標系を設定する。より具体的には、HMD110は、グローバル座標系を規定する水平方向、鉛直方向、および前後方向(x軸、y軸、z軸)を、グローバル座標系内においてHMD110の各軸周りの傾きだけ各軸周りにそれぞれ傾けることによって新たに得られる3つの方向を、HMD110におけるuvw視野座標系のピッチ方向(u軸)、ヨー方向(v軸)、およびロール方向(w軸)として設定する。
ある局面において、HMD110を装着したユーザ190が直立し、かつ、正面を視認している場合、プロセッサ10は、グローバル座標系に平行なuvw視野座標系をHMD110に設定する。この場合、グローバル座標系における水平方向(x軸)、鉛直方向(y軸)、および前後方向(z軸)は、HMD110におけるuvw視野座標系のピッチ方向(u軸)、ヨー方向(v軸)、およびロール方向(w軸)に一致する。
uvw視野座標系がHMD110に設定された後、HMDセンサ120は、HMD110の動きに基づいて、設定されたuvw視野座標系におけるHMD110の傾き(傾きの変化量)を検出できる。この場合、HMDセンサ120は、HMD110の傾きとして、uvw視野座標系におけるHMD110のピッチ角(θu)、ヨー角(θv)、およびロール角(θw)をそれぞれ検出する。ピッチ角(θu)は、uvw視野座標系におけるピッチ方向周りのHMD110の傾き角度を表す。ヨー角(θv)は、uvw視野座標系におけるヨー方向周りのHMD110の傾き角度を表す。ロール角(θw)は、uvw視野座標系におけるロール方向周りのHMD110の傾き角度を表す。
HMDセンサ120は、検出されたHMD110の傾き角度に基づいて、HMD110が動いた後のHMD110におけるuvw視野座標系を、HMD110に設定する。HMD110と、HMD110のuvw視野座標系との関係は、HMD110の位置および傾きに関わらず、常に一定である。HMD110の位置および傾きが変わると、当該位置および傾きの変化に連動して、グローバル座標系におけるHMD110のuvw視野座標系の位置および傾きが変化する。
ある局面において、HMDセンサ120は、赤外線センサからの出力に基づいて取得される赤外線の光強度および複数の点間の相対的な位置関係(例えば、各点間の距離など)に基づいて、HMD110の現実空間内における位置を、HMDセンサ120に対する相対位置として特定してもよい。また、プロセッサ10は、特定された相対位置に基づいて、現実空間内(グローバル座標系)におけるHMD110のuvw視野座標系の原点を決定してもよい。
[仮想空間]
図4を参照して、仮想空間についてさらに説明する。図4は、ある実施の形態に従う仮想空間2を表現する一態様を概念的に表す図である。仮想空間2は、中心21の360度方向の全体を覆う全天球状の構造を有する。図4では、説明を複雑にしないために、仮想空間2のうちの上半分の天球が例示されている。仮想空間2では各メッシュが規定される。各メッシュの位置は、仮想空間2に規定されるXYZ座標系における座標値として予め規定されている。コンピュータ200は、仮想空間2に展開可能なコンテンツ(静止画、動画等)を構成する各部分画像を、仮想空間2において対応する各メッシュにそれぞれ対応付けて、ユーザによって視認可能な仮想空間画像22が展開される仮想空間2をユーザに提供する。
ある局面において、仮想空間2では、中心21を原点とするXYZ座標系が規定される。XYZ座標系は、例えば、グローバル座標系に平行である。XYZ座標系は視点座標系の一種であるため、XYZ座標系における水平方向、鉛直方向(上下方向)、および前後方向は、それぞれX軸、Y軸、Z軸として規定される。したがって、XYZ座標系のX軸(水平方向)がグローバル座標系のx軸と平行であり、XYZ座標系のY軸(鉛直方向)がグローバル座標系のy軸と平行であり、XYZ座標系のZ軸(前後方向)がグローバル座標系のz軸と平行である。
HMD110の起動時、すなわちHMD110の初期状態において、仮想カメラ1が、仮想空間2の中心21に配置される。ある局面において、プロセッサ10は、仮想カメラ1が撮影する画像をHMD110のモニタ112に表示する。仮想カメラ1は、現実空間におけるHMD110の動きに連動して、仮想空間2を同様に移動する。これにより、現実空間におけるHMD110の位置および向きの変化が、仮想空間2において同様に再現され得る。
仮想カメラ1には、HMD110の場合と同様に、uvw視野座標系が規定される。仮想空間2における仮想カメラのuvw視野座標系は、現実空間(グローバル座標系)におけるHMD110のuvw視野座標系に連動するように規定されている。したがって、HMD110の傾きが変化すると、それに応じて、仮想カメラ1の傾きも変化する。また、仮想カメラ1は、HMD110を装着したユーザの現実空間における移動に連動して、仮想空間2において移動することもできる。
コンピュータ200のプロセッサ10は、仮想カメラ1の配置位置と、基準視線5とに基づいて、仮想空間2における視認領域23を規定する。視認領域23は、仮想空間2のうち、HMD110を装着したユーザが視認する領域に対応する。
注視センサ140によって検出されるユーザ190の視線は、ユーザ190が物体を視認する際の視点座標系における方向である。HMD110のuvw視野座標系は、ユーザ190がモニタ112を視認する際の視点座標系に等しい。また、仮想カメラ1のuvw視野座標系は、HMD110のuvw視野座標系に連動している。したがって、ある局面に従うHMDシステム100は、注視センサ140によって検出されたユーザ190の視線を、仮想カメラ1のuvw視野座標系におけるユーザの視線とみなすことができる。
[ユーザの視線]
図5を参照して、ユーザの視線の決定について説明する。図5は、ある実施の形態に従うHMD110を装着するユーザ190の頭部を上から表した図である。
ある局面において、注視センサ140は、ユーザ190の右目および左目の各視線を検出する。ある局面において、ユーザ190が近くを見ている場合、注視センサ140は、視線R1およびL1を検出する。別の局面において、ユーザ190が遠くを見ている場合、注視センサ140は、視線R2およびL2を検出する。この場合、ロール方向wに対して視線R2およびL2が成す角度は、ロール方向wに対して視線R1およびL1が成す角度よりも小さい。注視センサ140は、検出結果をコンピュータ200に送信する。
コンピュータ200が、視線の検出結果として、視線R1およびL1の検出値を注視センサ140から受信した場合には、その検出値に基づいて、視線R1およびL1の交点である注視点N1を特定する。一方、コンピュータ200は、視線R2およびL2の検出値を注視センサ140から受信した場合には、視線R2およびL2の交点を注視点として特定する。コンピュータ200は、特定した注視点N1の位置に基づき、ユーザ190の視線N0を特定する。コンピュータ200は、例えば、ユーザ190の右目Rと左目Lとを結ぶ直線の中点と、注視点N1とを通る直線の延びる方向を、視線N0として検出する。視線N0は、ユーザ190が両目により実際に視線を向けている方向である。また、視線N0は、視認領域23に対してユーザ190が実際に視線を向けている方向に相当する。
また、別の局面において、HMDシステム100は、テレビジョン放送受信チューナを備えてもよい。このような構成によれば、HMDシステム100は、仮想空間2においてテレビ番組を表示することができる。
さらに別の局面において、HMDシステム100は、インターネットに接続するための通信回路、あるいは、電話回線に接続するための通話機能を備えていてもよい。
[視界領域]
図6および図7を参照して、視認領域23について説明する。図6は、仮想空間2において視認領域23をX方向から見たYZ断面を表す図である。図7は、仮想空間2において視認領域23をY方向から見たXZ断面を表す図である。
図6に示されるように、YZ断面における視認領域23は、領域24を含む。領域24は、仮想カメラ1の配置位置と基準視線5と仮想空間2のYZ断面とによって定義される。プロセッサ10は、仮想空間おける基準視線5を中心として極角αを含む範囲を、領域24として規定する。
図7に示されるように、XZ断面における視認領域23は、領域25を含む。領域25は、仮想カメラ1の配置位置と基準視線5と仮想空間2のXZ断面とによって定義される。プロセッサ10は、仮想空間2における基準視線5を中心とした方位角βを含む範囲を、領域25として規定する。極角αおよびβは、仮想カメラ1の配置位置と仮想カメラ1の向きとに応じて定まる。
ある局面において、HMDシステム100は、コンピュータ200からの信号に基づいて、視界画像26をモニタ112に表示させることにより、ユーザ190に仮想空間における視界を提供する。視界画像26は、仮想空間画像22のうち視認領域23に重畳する部分に相当する。ユーザ190が、頭に装着したHMD110を動かすと、その動きに連動して仮想カメラ1も動く。その結果、仮想空間2における視認領域23の位置が変化する。これにより、モニタ112に表示される視界画像26は、仮想空間画像22のうち、仮想空間2においてユーザが向いた方向の視認領域23に重畳する画像に更新される。ユーザは、仮想空間2における所望の方向を視認することができる。
このように、仮想カメラ1の向き(傾き)は仮想空間2におけるユーザの視線(基準視線5)に相当し、仮想カメラ1が配置される位置は、仮想空間2におけるユーザの視点に相当する。したがって、仮想カメラ1を移動(配置位置を変える動作、向きを変える動作を含む)させることにより、モニタ112に表示される画像が更新され、ユーザ190の視界が移動される。
ユーザ190は、HMD110を装着している間、現実世界を視認することなく、仮想空間2に展開される仮想空間画像22のみを視認できる。そのため、HMDシステム100は、仮想空間2への高い没入感覚をユーザに与えることができる。
ある局面において、プロセッサ10は、HMD110を装着したユーザ190の現実空間における移動に連動して、仮想空間2において仮想カメラ1を移動し得る。この場合、プロセッサ10は、仮想空間2における仮想カメラ1の位置および向きに基づいて、HMD110のモニタ112に投影される画像領域(すなわち、仮想空間2における視認領域23)を特定する。
ある実施の形態に従うと、仮想カメラ1は、2つの仮想カメラ、すなわち、右目用の画像を提供するための仮想カメラと、左目用の画像を提供するための仮想カメラとを含み得る。また、ユーザ190が3次元の仮想空間2を認識できるように、適切な視差が、2つの仮想カメラに設定される。本実施の形態においては、仮想カメラ1が2つの仮想カメラを含み、2つの仮想カメラのロール方向が合成されることによって生成されるロール方向(w)がHMD110のロール方向(w)に適合されるように構成されているものとして、本開示に係る技術思想を例示する。
[HMDの制御装置]
図8を参照して、HMD110の制御装置について説明する。ある実施の形態において、制御装置は周知の構成を有するコンピュータ200によって実現される。図8は、ある実施の形態に従うコンピュータ200をモジュール構成として表わすブロック図である。
図8に示されるように、コンピュータ200は、表示制御モジュール220と、仮想空間制御モジュール230と、メモリモジュール240と、通信制御モジュール250とを備える。表示制御モジュール220は、サブモジュールとして、仮想カメラ制御モジュール221と、視界領域決定モジュール222と、視界画像生成モジュール223と、基準視線特定モジュール224と、顔器官検出モジュール225と、動き検出モジュール266とを含む。仮想空間制御モジュール230は、サブモジュールとして、仮想空間定義モジュール231と、仮想オブジェクト生成モジュール232と、操作オブジェクト制御モジュール233と、アバター制御モジュール234とを含む。
ある実施の形態において、表示制御モジュール220と仮想空間制御モジュール230とは、プロセッサ10によって実現される。別の実施の形態において、複数のプロセッサ10が表示制御モジュール220と仮想空間制御モジュール230として作動してもよい。メモリモジュール240は、メモリ11またはストレージ12によって実現される。通信制御モジュール250は、通信インターフェイス14によって実現される。
ある局面において、表示制御モジュール220は、HMD110のモニタ112における画像表示を制御する。
仮想カメラ制御モジュール221は、仮想空間2に仮想カメラ1を配置する。また、仮想カメラ制御モジュール221は、仮想空間2における仮想カメラ1の配置位置と、仮想カメラ1の向き(傾き)を制御する。視界領域決定モジュール222は、HMD110を装着したユーザの頭の向きと、仮想カメラ1の配置位置に応じて、視認領域23を規定する。視界画像生成モジュール223は、決定された視認領域23に基づいて、モニタ112に表示される視界画像26を生成する。
基準視線特定モジュール224は、注視センサ140からの信号に基づいて、ユーザ190の視線を特定する。顔器官検出モジュール225は、第1カメラ115および第2カメラ117が生成するユーザ190の顔の画像から、ユーザ190の顔を構成する器官(例えば、口,目,眉)を検出する。動き検出モジュール226は、顔器官検出モジュール225が検出した各器官の動き(形状)を検出する。図10〜図12において、顔器官検出モジュール225および動き検出モジュール226の制御内容は後述される。
仮想空間制御モジュール230は、ユーザ190に提供される仮想空間2を制御する。仮想空間定義モジュール231は、仮想空間2を表わす仮想空間データを生成することにより、HMDシステム100における仮想空間2を規定する。
仮想オブジェクト生成モジュール232は、仮想空間2に配置されるオブジェクトを生成する。オブジェクトは、例えば、ゲームのストーリーの進行に従って配置される森、山その他を含む風景、動物等を含み得る。
操作オブジェクト制御モジュール233は、仮想空間2においてユーザの操作を受け付けるための操作オブジェクトを仮想空間2に配置する。ユーザは、操作オブジェクトを操作することにより、例えば、仮想空間2に配置されるオブジェクトを操作する。ある局面において、操作オブジェクトは、例えば、HMD110を装着したユーザの手に相当する手オブジェクト等を含み得る。ある局面において、操作オブジェクトは、後述するアバターオブジェクトの手の部分に相当し得る。
アバター制御モジュール234は、ネットワークを介して接続される他のコンピュータ200のユーザのアバターオブジェクトを仮想空間2に配置するためのデータを生成する。ある局面において、アバター制御モジュール234は、ユーザ190のアバターオブジェクトを仮想空間2に配置するためのデータを生成する。ある局面において、アバター制御モジュール234は、ユーザ190を含む画像に基づいて、ユーザ190を模したアバターオブジェクトを生成する。他の局面において、アバター制御モジュール234は、複数種類のアバターオブジェクト(例えば、動物を模したオブジェクトや、デフォルメされた人のオブジェクト)の中からユーザ190による選択を受け付けたアバターオブジェクトを仮想空間2に配置するためのデータを生成する。
アバター制御モジュール234は、HMDセンサ120が検出するHMD110の動きをアバターオブジェクトに反映する。例えば、アバター制御モジュール234は、HMD110が傾いたことを検知して、アバターオブジェクトを傾けて配置するためのデータを生成する。また、ある局面において、アバター制御モジュール234は、コントローラ160の動きをアバターオブジェクトに反映する。この場合、コントローラ160は、コントローラ160の動きを検知するためのモーションセンサ、加速度センサ、または複数の発光素子(例えば、赤外線LED)などを備える。また、アバター制御モジュール234は、動き検出モジュール226が検出した顔器官の動作を、仮想空間2に配置されるアバターオブジェクトの顔に反映させる。
仮想空間制御モジュール230は、仮想空間2に配置されるオブジェクトのそれぞれが、他のオブジェクトと衝突した場合に、当該衝突を検出する。仮想空間制御モジュール230は、例えば、あるオブジェクトと、別のオブジェクトとが触れたタイミングを検出することができ、当該検出がされたときに、予め定められた処理を行なう。仮想空間制御モジュール230は、オブジェクトとオブジェクトとが触れている状態から離れたタイミングを検出することができ、当該検出がされたときに、予め定められた処理を行なう。仮想空間制御モジュール230は、オブジェクトとオブジェクトとが触れている状態であることを検出することができる。具体的には、操作オブジェクト制御モジュール233は、操作オブジェクトと、他のオブジェクトとが触れたときに、これら操作オブジェクトと他のオブジェクトとが触れたことを検出して、予め定められた処理を行なう。
メモリモジュール240は、コンピュータ200が仮想空間2をユーザ190に提供するために使用されるデータを保持している。ある局面において、メモリモジュール240は、空間情報241と、オブジェクト情報242と、ユーザ情報243と、顔テンプレート244とを保持している。
空間情報241は、仮想空間2を提供するために規定された1つ以上のテンプレートを保持している。
オブジェクト情報242は、仮想空間2において再生されるコンテンツ、当該コンテンツで使用されるオブジェクト、およびオブジェクトを仮想空間2に配置するための情報(たとえば、位置情報)を保持している。当該コンテンツは、例えば、ゲーム、現実社会と同様の風景を表したコンテンツ等を含み得る。
ユーザ情報243は、HMDシステム100の制御装置としてコンピュータ200を機能させるためのプログラム、オブジェクト情報242に保持される各コンテンツを使用するアプリケーションプログラム等を保持している。
顔テンプレート244は、顔器官検出モジュール225が、ユーザ190の顔器官を検出するために予め記憶されたテンプレートを保持している。ある実施形態において、顔テンプレート244は、口テンプレート245と、目テンプレート246と、眉テンプレート247とを保持する。各テンプレートは、顔を構成する器官に対応する画像であり得る。例えば、口テンプレート245は、口の画像であり得る。なお、各テンプレートは複数の画像を含んでもよい。
メモリモジュール240に格納されているデータおよびプログラムは、HMD110のユーザによって入力される。あるいは、プロセッサ10が、当該コンテンツを提供する事業者が運営するコンピュータ(例えば、サーバ150)からプログラムあるいはデータをダウンロードして、ダウンロードされたプログラムあるいはデータをメモリモジュール240に格納する。
通信制御モジュール250は、ネットワーク19を介して、サーバ150その他の情報通信装置と通信し得る。
ある局面において、表示制御モジュール220および仮想空間制御モジュール230は、例えば、ユニティテクノロジーズ社によって提供されるUnity(登録商標)を用いて実現され得る。別の局面において、表示制御モジュール220および仮想空間制御モジュール230は、各処理を実現する回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
コンピュータ200における処理は、ハードウェアと、プロセッサ10により実行されるソフトウェアとによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスクその他のメモリモジュール240に予め格納されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD−ROMその他のコンピュータ読み取り可能な不揮発性のデータ記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、当該ソフトウェアは、インターネットその他のネットワークに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置その他のデータ読取装置によってデータ記録媒体から読み取られて、あるいは、通信制御モジュール250を介してサーバ150その他のコンピュータからダウンロードされた後、記憶モジュールに一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ10によって記憶モジュールから読み出され、実行可能なプログラムの形式でRAMに格納される。プロセッサ10は、そのプログラムを実行する。
[アバターオブジェクト]
図9を参照して、本実施の形態に従うアバターオブジェクトについて説明する。図9は、HMDセット105A,105Bの各ユーザのアバターオブジェクトを説明する図である。以下、HMDセット105Aのユーザをユーザ190A、HMDセット105Bのユーザをユーザ190B、HMDセット105Cのユーザをユーザ190C、HMDセット105Dのユーザをユーザ190Dと表す。また、HMDセット105Aに関する各構成要素の参照符号にAが付され、HMDセット105Bに関する各構成要素の参照符号にBが付され、HMDセット105Cに関する各構成要素の参照符号にCが付され、HMDセット105Dに関する各構成要素の参照符号にDが付される。例えば、HMD110Aは、HMDセット105Aに含まれる。
分図(A)は、ネットワークにおいて、複数のHMDのそれぞれが、複数のユーザのそれぞれに仮想空間を提供する状況を模式的に示す図である。分図(A)を参照して、コンピュータ200A〜200Dのそれぞれは、HMD110A〜110Dのそれぞれを介して、ユーザ190A〜190Dのそれぞれに、仮想空間2A〜2Dのそれぞれを提供する。図9に示される例において、仮想空間2Aと仮想空間2Bは同じである。換言すれば、コンピュータ200Aとコンピュータ200Bとは同じ仮想空間を共有していることになる。仮想空間2Aおよび仮想空間2Bには、ユーザ190Aのアバターオブジェクト900Aと、ユーザ190Bのアバターオブジェクト900Bとが存在する。なお、仮想空間2Aにおけるアバターオブジェクト900Aおよび仮想空間2Bにおけるアバターオブジェクト900BがそれぞれHMDを装着しているが、これは説明を分かりやすくするためのものであって、実際にはこれらのオブジェクトはHMDを装着していない。
ある局面において、仮想カメラ制御モジュール221Aは、ユーザ190Aの視界画像23Aを撮影する仮想カメラ1Aを、アバターオブジェクト900Aの目の位置に配置し得る。
分図(B)は、ユーザ190Aの視界画像910を示す図である。視界画像910は、HMD110Aのモニタ112Aに表示される画像である。この視界画像910は、仮想カメラ1Aにより生成された画像である。また、視界画像910には、ユーザ190Bのアバターオブジェクト900Bが表示されている。なお、特に図示はしていないが、ユーザ190Bの視界画像にも同様に、ユーザ190Aのアバターオブジェクト900Aが表示されている。
分図(B)の状態において、ユーザ190Aは仮想空間を介してユーザ190Bと対話による通信(コミュニケーション)を図ることができる。より具体的には、マイク119Aにより取得されたユーザ190Aの音声は、サーバ150を介してユーザ190BのHMD110Bに送信され、HMD110Bに設けられたスピーカ118Bから出力される。また、ユーザ190Bの音声は、サーバ150を介してユーザ190AのHMD110Aに送信され、HMD110Aに設けられたスピーカ118Aから出力される。
上記の通り、ユーザ190Aの動作(HMD110Aの動作、コントローラ160Aの動作)は、アバター制御モジュール234によりアバターオブジェクト900Aに反映される。これにより、ユーザ190Bは、ユーザ190Aの動作を、アバターオブジェクト900Aを通じて認識できる。
加えて、アバター制御モジュール234は、ユーザ190Aの顔の動作をアバターオブジェクト900Aに反映する。
[フェイストラッキング]
以下、図10〜図12を参照して、ユーザの顔の動作(形状)を検出するための具体例について説明する。図10〜図12では、一例として、ユーザの口の動作を検出する具体例について説明する。なお、図10〜図12で説明される検出方法は、ユーザの口の動作に限られず、ユーザの顔を構成する他の器官(例えば、目、眉)の動作の検出にも適用され得る。
図10は、ユーザの顔画像1000から口を検出する制御について説明する図である。第1カメラ115により生成された顔画像1000は、ユーザ190の鼻と口とを含む。
顔器官検出モジュール225は、顔テンプレート244に格納される口テンプレート245を利用したパターンマッチングにより、顔画像1000から口領域1010を特定する。ある局面において、顔器官検出モジュール225は、顔画像1000において、矩形上の比較領域を設定し、この比較領域の大きさ、位置および角度をそれぞれ変えながら、比較領域の画像と、口テンプレート245の画像との類似度を算出する。顔器官検出モジュール225は、予め定められたしきい値よりも大きい類似度が算出された比較領域を、口領域1010として特定し得る。
顔器官検出モジュール225はさらに、算出した類似度がしきい値よりも大きい比較領域の位置と、他の顔器官(例えば、目、鼻)の位置との相対関係に基づいて、当該比較領域が口領域に相当するか否かを判断し得る。
動き検出モジュール226は、顔器官検出モジュール225が検出した口領域1010から、より詳細な口の形状を検出する。
図11は、動き検出モジュール226が口の形状を検出する処理を説明する図(その1)である。図11を参照して、動き検出モジュール226は、口領域1010に含まれる口の形状(唇の輪郭)を検出するための輪郭検出線1100を設定する。輪郭検出線1100は、顔の高さ方向(以下、「縦方向」とも称する)に直交する方向(以下、「横方向」とも称する)に、所定間隔で複数本設定される。
動き検出モジュール226は、複数本の輪郭検出線1100の各々に沿った口領域1010の輝度値の変化を検出し、輝度値の変化が急激な位置を輪郭点として特定し得る。より具体的には、動き検出モジュール226は、隣接画素との輝度差(すなわち、輝度値変化)が予め定められたしきい値以上である画素を、輪郭点として特定し得る。画素の輝度値は、例えば、画素のRBG値を所定の重み付けで積算することにより得られる。
動き検出モジュール226は、口領域1010に対応する画像から2種類の輪郭点を特定する。動き検出モジュール226は、口(唇)の外側の輪郭に対応する輪郭点1110と、口(唇)の内側の輪郭に対応する輪郭点1120とを特定する。ある局面において、動き検出モジュール226は、1つの輪郭検出線1100上に3つ以上の輪郭点が検出された場合には、両端の輪郭点を外側の輪郭点1110として特定し得る。この場合、動き検出モジュール226は、外側の輪郭点1110以外の輪郭点を、内側の輪郭点1120として特定し得る。また、動き検出モジュール226は、1つの輪郭検出線1100上に2つ以下の輪郭点が検出された場合には、検出された輪郭点を外側の輪郭点1110として特定し得る。
図12は、動き検出モジュール226が口の形状を検出する処理を説明するための図(その2)である。図12では、外側の輪郭点1110は白丸、内側の輪郭点1120はハッチングされた丸としてそれぞれ示されている。
動き検出モジュール226は、内側の輪郭点1120間を補完することにより、口形状1200(口の開き具合)を特定する。ある局面において、動き検出モジュール226は、スプライン補間などの非線形の補間方法を用いて、口形状1200を特定し得る。なお、他の局面において、動き検出モジュール226は、外側の輪郭点1110間を補完することにより口形状1200を特定してもよい。さらに他の局面において、動き検出モジュール226は、想定される口形状(人の上唇と下唇とによって形成され得る所定の形状)から、大きく逸脱する輪郭点を除外し、残った輪郭点によって口形状1200を特定してもよい。このようにして、動き検出モジュール226は、ユーザの口の動作(形状)を特定し得る。なお、口形状1200の検出方法は上記に限られず、動き検出モジュール226は、他の手法により口形状1200を検出してもよい。また、動き検出モジュール226は、同様にして、ユーザの目および眉その他の顔器官の動作を検出し得る。
図13は、現実空間におけるユーザの表情と、仮想空間におけるユーザのアバターオブジェクトの表情との対比を説明する図である。分図(A)は、現実空間におけるユーザ190Bを示す図である。分図(B)は、ユーザ190Aが視認する視界画像1310を示す図である。
分図(A)を参照して、HMDセット105Bを構成する第1カメラ115Bおよび第2カメラ117Bは、ユーザ190Bを撮影する。このとき、ユーザ190Bは笑っている。なお、図13の分図(A)において、ユーザはHMD110Bを装着しているが、便宜的にHMD110Bが存在しないものとして表現している。これは、後述する同様の図面においても同様とする。
動き検出モジュール226Bは、第1カメラ115Bが撮影する画像に基づいて、ユーザ190Bの口の形状を検出する。コンピュータ200Bは、検出した口の形状(動作)を示すデータをサーバ150に出力する。サーバ150は、コンピュータ200Bと同じ仮想空間2を共有するコンピュータ200Aに、当該データを転送する。アバター制御モジュール234Aは、このデータに基づき、ユーザ190Bの口の形状をアバターオブジェクト900Bに反映する。これにより、分図(B)に示されるように、ユーザ190Aの視界画像1310に表示されるアバターオブジェクト900Bは、笑っている表情を表わす。
[サーバ150の制御構造]
図14は、サーバ150のハードウェア構成およびモジュール構成を説明する図である。ある実施の形態において、サーバ150は、主たる構成要素として通信インターフェイス1410と、プロセッサ1420と、ストレージ1430とを備える。
通信インターフェイス1410は、コンピュータ200など外部の通信機器と信号を送受信するための変復調処理などを行なう無線通信用の通信モジュールとして機能する。通信インターフェイス1410は、チューナ、高周波回路等により実現される。
プロセッサ1420は、サーバ150の動作を制御する。プロセッサ1420は、ストレージ1430に格納される各種の制御プログラムを実行することにより、送受信部1422、サーバ処理部1424、およびマッチング部1426として機能する。
送受信部1422は、各コンピュータ200と各種情報を送受信する。例えば、送受信部1422は、仮想空間2にオブジェクトを配置する要求、オブジェクトを仮想空間2から削除する要求、オブジェクトを移動させる要求、ユーザの音声、または仮想空間2を定義するための情報などを各コンピュータ200に送信する。
サーバ処理部1424は、複数のユーザが同じ仮想空間2を共有するために必要な処理を行なう。例えば、サーバ処理部1424は、コンピュータ200から受信した情報に基づいて、後述するアバターオブジェクト情報1436を更新する。
マッチング部1426は、複数のユーザを関連付けるための一連の処理を行なう。マッチング部1426は、例えば、複数のユーザが同じ仮想空間2を共有するための入力操作を行った場合に、仮想空間2に属するユーザ同士を関連付ける処理などを行なう。
ストレージ1430は、仮想空間指定情報1432と、オブジェクト指定情報1434と、アバターオブジェクト情報1436と、ユーザ情報1438とを保持する。
仮想空間指定情報1432は、コンピュータ200の仮想空間定義モジュール231が仮想空間2を定義するために用いられる情報である。例えば、仮想空間指定情報1432は、仮想空間2の大きさを指定する情報を含む。
オブジェクト指定情報1434は、コンピュータ200の仮想オブジェクト生成モジュール232が仮想空間2に配置(生成)するオブジェクトを指定する。
アバターオブジェクト情報1436は、顔情報1440と、位置情報1442とを含む。顔情報1440は、コンピュータ200のユーザの顔を構成する各器官(例えば、口,目,眉)の動作(形状)を示す情報(フェイストラッキングデータ)である。位置情報1442は、仮想空間2における各アバターオブジェクトの位置(座標)を示す。アバターオブジェクト情報1436は、コンピュータ200から入力される情報に基づいて随時更新され得る。
ユーザ情報1438は、コンピュータ200のユーザ190についての情報である。ユーザ情報1438は、例えば、複数のユーザ190を互いに識別する識別情報(例えば、ユーザアカウント)を含む。
[ユーザの動作をアバターオブジェクトに反映するための制御]
図15を参照して、仮想空間におけるアバターオブジェクトの動作の制御方法について説明する。図15は、ユーザの動作をアバターオブジェクトに反映するための、コンピュータ200とサーバ150との信号のやりとりを表わすフローチャートである。図15に示される処理は、コンピュータ200のプロセッサ10がメモリ11またはストレージ12に格納される制御プログラムを実行し、サーバ150のプロセッサ1420がストレージ1430に格納される制御プログラムを実行することにより実現され得る。
ステップS1502において、サーバ150のプロセッサ1420は、送受信部1422として、コンピュータ200Aおよび200Bから受信した仮想空間を生成するための要求に基づいて、仮想空間指定情報1432をコンピュータ200Aおよび200Bに送信する。このとき、各コンピュータ200は、仮想空間指定情報1432と併せてユーザ190の識別情報をサーバ150に送信し得る。プロセッサ1420はさらに、マッチング部1426として、ユーザ190Aおよび190Bが同じ仮想空間を共有するものとして、彼らの識別情報を互いに関連付け得る。
ステップS1504において、コンピュータ200Aのプロセッサ10Aは、仮想空間定義モジュール231Aとして、受信した仮想空間指定情報1432に基づいて、仮想空間2Aを定義する。ステップS1506において、コンピュータ200Bのプロセッサ10Bは、プロセッサ10Aと同様に仮想空間2Bを定義する。
ステップS1508において、プロセッサ1420は、仮想空間2Aおよび2Bに配置されるオブジェクトを指定するためのオブジェクト指定情報1434をコンピュータ200Aおよび200Bに送信する。
ステップS1510において、プロセッサ10Aは、仮想オブジェクト生成モジュール232Aとして、受信したオブジェクト指定情報1434に基づいて、仮想空間2Aにオブジェクトを配置する。ステップS1512において、プロセッサ10Bは、プロセッサ10Aと同様に仮想空間2Bにオブジェクトを配置する。
ステップS1514において、プロセッサ10Aは、アバター制御モジュール234Aとして、ユーザ190A自身のアバターオブジェクト900A(図15では「自アバターオブジェクト」と表記)を仮想空間2Aに配置する。プロセッサ10Aはさらに、アバターオブジェクト900Aの情報(例えば、モデリングのためのデータ、位置情報など)をサーバ150に送信する。
ステップS1516において、プロセッサ1420は、受信したアバターオブジェクト900Aの情報をストレージ1430(アバターオブジェクト情報1436)に保存する。プロセッサ1420はさらに、アバターオブジェクト900Aの情報を、コンピュータ200Aと仮想空間を共有するコンピュータ200Bに送信する。
ステップS1518において、プロセッサ10Bは、アバター制御モジュール234Bとして、受信したアバターオブジェクト900Aの情報に基づいて、仮想空間2Bにアバターオブジェクト900Aを配置する。
ステップS1520〜S1524において、ステップS1514〜S1518と同様に、仮想空間2Aおよび2Bにアバターオブジェクト900B(図15では「他アバターオブジェクト」と表記)が生成され、ストレージ1430にアバターオブジェクト900Bの情報が保存される。
ステップS1526において、プロセッサ10Aは、第1カメラ115Aおよび第2カメラ117Aによりユーザ190Aの顔を撮影して、顔画像を生成する。
ステップS1528において、プロセッサ10Aは、顔器官検出モジュール225Aおよび動き検出モジュール226Aとして、ユーザ190Aの顔(例えば、口,目,眉)の動作(形状)を示すフェイストラッキングデータを検出する。プロセッサ10Aはさらに、検出したフェイストラッキングデータをサーバ150に送信する。
ステップS1530において、プロセッサ10Aは、アバター制御モジュール234Aとして、検出したユーザ190Aの顔の動作を仮想空間2Aに配置されるアバターオブジェクト900Aに反映する。
ステップS1532〜ステップS1536において、プロセッサ10Bは、ステップS1526〜S1530と同様に、第1カメラ115Bおよび第2カメラ117Bが生成する顔画像に基づいて、ユーザ190Bの顔の動作をアバターオブジェクト900Bに反映する。また、プロセッサ10Bは、ユーザ190Bの顔の動作を示すフェイストラッキングデータをサーバ150に送信する。
ステップS1538において、プロセッサ1420は、サーバ処理部1424として、コンピュータ200Aから受信したフェイストラッキングデータに基づいてアバターオブジェクト900Aに対応する顔情報1440を更新する。プロセッサ1420はさらに、コンピュータ200Bから受信したフェイストラッキングデータに基づいてアバターオブジェクト900Bに対応する顔情報1440を更新する。
ステップS1538において、プロセッサ1420はさらに、送受信部1422として、コンピュータ200Aから受信したフェイストラッキングデータをコンピュータ200Bに送信する。また、プロセッサ1420は、コンピュータ200Bから受信したフェイストラッキングデータをコンピュータ200Aに送信する。
ステップS1540において、プロセッサ10Aは、アバター制御モジュール234Aとして、サーバ150から受信したフェイストラッキングデータに基づいてユーザ190Bの顔の動作をアバターオブジェクト900Bに反映する。
ステップS1542において、プロセッサ10Bは、アバター制御モジュール234Bとして、サーバ150から受信したフェイストラッキングデータに基づいてユーザ190Aの顔の動作をアバターオブジェクト900Aに反映する。
ステップS1544において、プロセッサ10Aは、アバターオブジェクト900Aを移動させる。このステップにおける「移動」とは、アバターオブジェクトの座標位置を変更することと、アバターオブジェクトの向き(傾き)を変更することとを含む。一例として、プロセッサ10Aは、コントローラ160から、自身のアバターオブジェクト900Aを動かすための指示の入力を受け付ける。他の例として、プロセッサ10Aは、HMDセンサ120が検出するHMD110の位置情報に基づいて、アバターオブジェクト900Aを動かす。ステップS1544において、プロセッサ10Aはさらに、アバターオブジェクト900Aの仮想空間2Aにおける位置情報をサーバ150に送信する。他の局面において、プロセッサ10Aは、アバターオブジェクト900Aの移動量を示す情報をサーバ150に送信する構成であってもよい。
ステップS1546において、プロセッサ10Bは、プロセッサ10Aと同様に、アバターオブジェクト900Bを移動させるとともに、アバターオブジェクト900Bの仮想空間2Bにおける位置情報をサーバ150に送信する。
ステップS1548において、プロセッサ1420は、サーバ処理部1424として、コンピュータ200Aから受信した位置情報に基づいてアバターオブジェクト900Aに対応する位置情報1442を更新する。プロセッサ1420はさらに、コンピュータ200Bから受信した位置情報に基づいてアバターオブジェクト900Bに対応する位置情報1442を更新する。
ステップS1548において、プロセッサ1420はさらに、送受信部1422として、コンピュータ200Aから受信した位置情報をコンピュータ200Bに送信する。また、プロセッサ1420は、コンピュータ200Bから受信した位置情報をコンピュータ200Aに送信する。
ステップS1550において、プロセッサ10Aは、アバター制御モジュール234Aとして、受信した位置情報に基づいてアバターオブジェクト900Bを移動させる。ステップS1552において、プロセッサ10Bは、アバター制御モジュール234Bとして、受信した位置情報に基づいてアバターオブジェクト900Aを移動させる。
ステップS1554において、プロセッサ10Aは、アバターオブジェクト900Aの目の位置に配置される仮想カメラ1Aが撮影する画像を、モニタ112Aに表示する。これにより、ユーザ190Aが視認する視界画像が更新される。その後、プロセッサ10Aは、処理をステップS1526に戻す。
ステップS1556において、プロセッサ10Bは、プロセッサ10Aと同様に、仮想カメラ1Bが撮影する画像をモニタ112Bに表示する。これにより、ユーザ190Bが視認する視界画像が更新される。その後、プロセッサ10Bは、処理をステップS1532に戻す。
ある実施の形態において、繰り返し実行されるステップS1526〜S1556の処理は、1/60秒または1/30秒の間隔で実行され得る。
上記の一連の処理により、ユーザ190は、仮想空間2において、相手のアバターオブジェクトを通じて、相手の表情を読み取ることができる。
なお、他の局面において、上記の繰り返し実行される処理は、ユーザ190の音声を、相手のコンピュータ200に送信する処理、その他の仮想空間2におけるユーザ同士のコミュニケーションを促進する処理を含み得る。
また、上記の例において、ステップS1414およびステップS1420において、コンピュータ200は、当該コンピュータ200のユーザ自身のアバターオブジェクト900を仮想空間2に配置する構成であった。他の局面において、これらの処理は省略され得る。仮想空間2において相手のアバターオブジェクトさえ配置されていれば、相手とのコミュニケーションを図ることができるためである。
[フェイストラッキングデータを増幅]
図16を参照して仮想空間2におけるユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にする技術について説明する。図16は、現実空間におけるユーザの眉の動きを増幅して仮想空間2におけるアバターオブジェクトに反映する制御について説明する図である。分図(A)は、現実空間におけるユーザ190Bを示す図である。分図(B)は、ユーザ190Aが視認する視界画像1600におけるアバターオブジェクト900Bを示す図である。
ある局面において、ユーザ190Bは、第1カメラ115Bおよび第2カメラ117Bにより、顔画像を撮影される。このとき、ユーザ190Bは困っており、右眉1610と左眉1620とが成す角度θが180度以上になっている。
例えば、角度θが200度以上であれば、ユーザ190Bのアバターオブジェクト900Bを視認するユーザ190Aは、ユーザ190Bが困っていることに容易に気が付く。しかしながら、角度θが180度以上200度未満であれば、ユーザ190Aは、ユーザ190Bが困っていることに気が付きにくい。
そこで、ある局面において、コンピュータ200Bのプロセッサ10Bは、ユーザ190Bの眉が成す角度θが180度以上200度未満である場合、角度θが200度以上になるように眉の動作を増幅したフェイストラッキングデータをサーバ150に送信する。これにより分図(B)に示されるように、ユーザ190Aが視認するアバターオブジェクト900Bの眉1640,1650が成す角度は200度以上になっているため、ユーザ190Aは、ユーザ190Bが困っていることに容易に気が付く。
なお、上記の例で、プロセッサ10は、ユーザ190の眉が成す角度θを検出しているが、ユーザ190が困っているか否かを判断する処理はこれに限られない。他の局面において、プロセッサ10は、ユーザ190Bの眉の通常角度をストレージ12に記憶しておき、通常角度に対する変位角度が予め定められた範囲(例えば、5度以上10度未満)内である場合に、動作を増幅したフェイストラッキングデータを生成してもよい。眉の通常角度は、例えば、ある期間(例えば、5秒間)において計測回数が最も多いユーザ190Bの眉の角度(例えば、目に対する眉の角度)であり得る。
さらに他の局面において、プロセッサ10は、ユーザ190の右眉1610と左眉1620との間に形成される皺1630に基づいて、ユーザ190が困っているか否かを判断してもよい。例えば、プロセッサ10は、皺1630の数が所定範囲内である場合に、ユーザ190が困っていると判断して、眉の動作を増幅したフェイストラッキングデータを生成してもよい。
図17は、現実空間におけるユーザの目の動き(形状)を増幅して仮想空間2におけるアバターオブジェクトに反映する制御について説明する図である。
分図(A)は、現実空間におけるユーザ190Bを示す図である。分図(B)は、ユーザ190Aが視認する視界画像1700におけるアバターオブジェクト900Bを示す図である。
分図(A)において、ユーザ190Bは驚いており、右目1710、左目1720が少し大きくなっている。しかしながら、アバターオブジェクト900Bの目が少し大きくなった程度では、ユーザ190Aは、ユーザ190Bが驚いていることに気が付かない場合もあり得る。
そこで、ある局面において、プロセッサ10Bは、ユーザ190Bの目の動作(形状)を増幅したフェイストラッキングデータをサーバ150に送信する。ある局面において、プロセッサ10Bは、図11および12で説明したように、ある輪郭検出線1722における外側の輪郭点1724の間隔を目の大きさとして検出し得る。プロセッサ10Bは、この目の大きさが所定範囲内である場合に、目の動作(形状)を増幅して、すなわち、目が大きくなるようなフェイストラッキングデータを生成してサーバ150に出力する。これにより分図(B)に示されるように、ユーザ190Aが視認するアバターオブジェクト900Bの目1730,1740が大きくなっているため、ユーザ190Aは、ユーザ190Bが驚いていることに容易に気が付く。
また、他の局面において、プロセッサ10Bは、目の通常の大きさに対する変位量が所定範囲内である場合に、目の動作を増幅したフェイストラッキングデータを生成するように構成されてもよい。目の通常の大きさは、例えば、ある期間(例えば、5秒間)において計測回数が最も多いユーザ190Bの目の大きさであり得る。
なお、図16および図17の例において、コンピュータ200Bが動作を増幅したフェイストラッキングデータを生成しているが、他の局面において、コンピュータ200Aまたはサーバ150がこの処理を行なってもよい。
図18は、図16,17におけるコンピュータ200の処理を説明するフローチャートである。図18に示される処理は、コンピュータ200のプロセッサ10がメモリ11またはストレージ12に格納される制御プログラムを実行することにより実現され得る。
ステップS1810において、プロセッサ10は、サーバ150から受信した仮想空間指定情報1432に基づいて仮想空間2を定義する。
ステップS1820において、プロセッサ10は、アバターオブジェクト900を仮想空間2に配置する。
ステップS1830において、プロセッサ10は、第1カメラ115および第2カメラ117が撮影するユーザ190の顔画像に基づいて、ユーザ190の顔の動作を検出する。
ステップS1840において、プロセッサ10は、検出したユーザ190の顔の動作が予め定められた条件を満たすか否かを判断する。より具体的には、プロセッサ10は、顔の各器官の動作が、それぞれの器官に設けられた条件を満たすか否かを判断する。例えば、プロセッサ10は、目の大きさが予め定められた範囲内であるか否かを判断する。
プロセッサ10は、検出したユーザ190の顔の動作が予め定められた条件を満たすと判断した場合(ステップS1840においてYES)、処理をステップS1850に進める。そうでない場合(ステップS1840においてNO)、プロセッサ10は処理をステップS1870に進める。
ステップS1850において、プロセッサ10は、検出した顔の動作を増幅して、増幅した動作を仮想空間2に配置されるアバターオブジェクト900に反映する。
ステップS1860において、プロセッサ10は、増幅後のフェイストラッキングデータをサーバ150に出力する。その後、プロセッサ10は、処理をステップS1830に戻す。
ステップS1870において、プロセッサ10は、アバターオブジェクト900に検出した顔の動作を反映する。このとき、プロセッサ10は、検出した顔の動作を増幅していない。
ステップS1880において、プロセッサ10は、増幅していないフェイストラッキングデータをサーバ150に出力する。その後、プロセッサ10は、処理をステップS1830に戻す。
上記によれば、ある実施の形態に従うHMDシステム100は、仮想空間2におけるアバターオブジェクトの表情を豊かにすることで、仮想空間2に属するユーザ間のより円滑なコミュニケーションが実現され得る。
図19は、現実空間におけるユーザの口の動き(形状)を増幅して仮想空間2におけるアバターオブジェクトに反映する制御について説明する図である。
分図(A)は、現実空間におけるユーザ190Bを示す図である。分図(B)は、ユーザ190Aが視認する視界画像1900におけるアバターオブジェクト900Bを示す図である。分図(A)を参照して、ユーザ190Bは、ユーザ190Aと仮想空間2B上で会話するにあたり、マイク119Bに対して発話する。第1カメラ115Bは、このときのユーザ190Bの口の動作(形状)を撮影する。
ある局面において、マイク119Bが検出するユーザ190Bの発話の音量は十分に大きいにも拘わらず、プロセッサ10が検出するユーザ190Bの口の動作が小さい場合があり得る。
この場合、ユーザ190Aは、アバターオブジェクト900Bの口が少ししか動いていないのに、スピーカ118Aから大きな声が聞こえてくるため、違和感を感じ得る。その結果、ユーザ190Aは、ユーザ190Bとのコミュニケーションに集中できなくなり得る。
そこで、ある局面において、プロセッサ10Bは、マイク119が検出する音声の音量が予め定められたしきい値(音量)以上であって、かつ、検出したユーザ190Bの口の動作が小さい場合に、検出した口の動作を増幅したフェイストラッキングデータを生成してサーバ150に出力する。これにより、分図(B)に示されるように、アバターオブジェクト900Bの口1920は大きく開いている。そのため、ユーザ190Aは、違和感を感じにくくなる。ある局面において、予め定められたしきい値(音量)は、人が会話時に発する発話の音量(例えば、60デシベル)程度に設定され得る。
上記では、音量が大きくて、口の動作が小さい場合について説明したが、逆の場合もあり得る。すなわち、音量が小さいにも拘わらず、口の動作が大きい場合(例えば、マイク119がユーザ190から遠い場合)にも、ユーザは違和感を感じ得る。そのため、プロセッサ10Bは、マイク119が検出する音声の音量がしきい値未満であって、かつ、検出したユーザ190Bの口の動作が大きい場合に、検出した口の動作を減少したフェイストラッキングデータを生成してサーバ150に出力する。これにより、音量と口の大きさとの関係において、ユーザは違和感を感じにくくなる。
上記において、一例として、プロセッサ10Bは、図12で説明したように、ある輪郭検出線1100における内側の輪郭点1120の間隔を口の動作(口の大きさ)として検出し得る。
図20は、図19におけるコンピュータ200の処理を説明するフローチャートである。図20に示される処理は、コンピュータ200のプロセッサ10がメモリ11またはストレージ12に格納される制御プログラムを実行することにより実現され得る。なお、図20に示される処理のうち図18と同じ参照符号を付している処理については、図18の処理と同じである。したがって、その処理の説明は繰り返さない。
ステップS2010において、プロセッサ10は、第1カメラ115が撮影するユーザ190の口の画像に基づいて、ユーザ190の口の動作(形状,大きさ)を検出する。
ステップS2020において、プロセッサ10は、マイク119が検出したユーザ190の音声の音量が予め定められたしきい値以上であるか否かを判断する。プロセッサ10は、ユーザ190の音声の音量が予め定められたしきい値以上であると判断した場合(ステップS2020においてYES)、処理をステップS2030に進める。そうでない場合(ステップS1920においてNO)、プロセッサ10は処理をステップS2050に進める。
ステップS2030において、プロセッサ10は、検出したユーザ190の口の動作が予め定められた条件を満たすか否かを判断する。一例として、プロセッサ10は、検出したユーザ190の口の大きさ(サイズ)が、しきい値未満である場合に、予め定められた条件を満たすと判断し得る。
プロセッサ10は、検出したユーザ190の口の動作が予め定められた条件を満たすと判断した場合(ステップS2030においてYES)、処理をステップS2040に進める。そうでない場合(ステップS2030においてNO)、プロセッサ10は処理をステップS2050に進める。
ステップS2040において、プロセッサ10は、検出したユーザ190の口の動作(大きさ)を増幅してアバターオブジェクト900に反映する。
ステップS2050において、プロセッサ10は、検出したユーザ190の口の動作を増幅することなくアバターオブジェクト900に反映する。
上記によれば、ユーザ190は、音声の音量とアバターオブジェクトの口の大きさとの関係に対して違和感を感じにくくなる。その結果、HMDシステム100は、ユーザ190に対して仮想空間2におけるより円滑なコミュニケーションを提供し得る。
[アバターオブジェクトの種類に応じて増幅度合を調整]
図21は、アバターオブジェクトの種類と、検出したユーザの動作の増幅度合とについて説明する図である。分図(A)は、写実的なアバターオブジェクト2110を示す図である。分図(B)は、デフォルメ(抽象化)されたアバターオブジェクト2120を示す図である。
ある局面において、仮想空間2に写実的なアバターオブジェクト2110が配置され得る。このとき、現実世界の人を忠実に再現したアバターオブジェクト2110の顔を構成する各器官が、現実世界とはかけ離れた動作を行なうと、当該アバターオブジェクト2110を視認するユーザ190は違和感を感じ得る。そのため、ある局面において、プロセッサ10は、写実的なアバターオブジェクト2110に対するユーザ190の顔の動作の増幅率を、デフォルメされたアバターオブジェクト2120に対するユーザ190の顔の動作の増幅率よりも低く設定する。これにより、写実的なアバターオブジェクト2110を視認するユーザ190は、違和感を感じにくくなる。このように、HMDシステム100は、アバターオブジェクト900の種類に応じて、検出したユーザ190の顔の動作の増幅率を調節するように構成され得る。アバターオブジェクト900は、例えば、動物を模したオブジェクト、デフォルメされた人のオブジェクト、写実的な人のオブジェクトなどを含み得る。
[他の構成]
上記の例において、HMDシステム100は、第1カメラ115および第2カメラ117によってユーザ190の顔の画像を取得し、画像処理によりユーザ190の顔の動作を検出する構成であった。他の局面において、HMDシステム100は、ユーザ190の顔の筋肉の動きを読み取る筋電計の出力に基づいて、ユーザ190の顔の動作を検出する構成であってもよい。この場合、HMDシステム100は、第1カメラ115および第2カメラ117を採用しなくともよいため、小型化され得る。また、HMDシステム100は、HMD110から第2カメラ117が突出することによるユーザ190の不便を解消し得る。
[構成]
以上に開示された技術的特徴は、以下のように要約され得る。
(構成1) 仮想空間を介して通信するためにコンピュータ200のプロセッサ10で実行される方法が提供される。この方法は、仮想空間を定義するステップ(S1810)と、仮想空間を介して通信するユーザ190のアバターオブジェクト900を仮想空間に配置するステップ(S1820)と、ユーザの顔の動作を検出するステップ(S1830)と、検出された顔の動作を増幅して、増幅した動作をアバターオブジェクト900の顔に反映させるステップとを備える。
(構成2) (構成1)において、反映させるステップは、検出された顔の動作が予め定められた条件を満たしたか否かを判断することと(S1840)、予め定められた条件が満たされたと判断された場合に、検出された顔の動作を増幅してアバターオブジェクト900の顔に反映させることとを含む。
(構成3) (構成2)において、ユーザ190の顔の動作を検出するステップは、ユーザ190の顔の所定部位の動作を検出することを含む。予め定められた条件は、所定部位の所定状態に対する変位量が予め定められた範囲内であることを含む。反映させるステップは、所定部位の動作を増幅してアバターオブジェクト900の顔に反映させることを含む。
(構成4) (構成3)において、所定部位は、口、目、および眉のうち少なくとも1つを含む。
(構成5) (構成2)において、ユーザ190の顔の動作を検出するステップは、ユーザ190の口の動作を検出することを含む。上記の方法は、ユーザ190の発話を検出するステップ(S2020)をさらに含む。予め定められた条件は、口の大きさがしきい値未満であって(S2030)、かつ、検出したユーザ190の発話の音量がしきい値以上であること(S2020)を含む。
(構成6) (構成1)〜(構成5)において、反映させるステップは、アバターオブジェクト900の種類に応じて、検出された顔の動作の増幅度合を設定することを含む。
(構成7) (構成1)〜(構成6)において、HMD110は、ユーザ190の顔の上部を撮影するための第2カメラ117と、ユーザ190の顔の下部を撮影するための第1カメラ115とを含む。ユーザ190の顔の動作を検出するステップは、第1カメラ115が生成した画像と、第2カメラ117が生成した画像とに基づいて、ユーザ190の顔の動作を検出することを含む。
(構成8) (構成1)〜(構成6)において、HMD110は、ユーザ190の顔を構成する筋肉の電気的特性値(例えば、電圧値)の変化を検出するための筋電計を含む。ユーザ190の顔の動作を検出するステップは、筋電計の出力に基づいてユーザ190の顔の動作を検出することを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 仮想カメラ、2,2A,2B 仮想空間、10,1420 プロセッサ、12,1
430 ストレージ、13 入出力インターフェイス、14,1410 通信インターフ
ェイス、100 HMDシステム、105 HMDセット、110 HMD、112 モ
ニタ、114,120 センサ、115 第1カメラ、117 第2カメラ、118 ス
ピーカ、119 マイク、130 モーションセンサ、140 注視センサ、150 サ
ーバ、160 コントローラ、190 ユーザ、200 コンピュータ、240 メモリ
モジュール、241 空間情報、242 オブジェクト情報、243,1438 ユーザ
情報、244 顔テンプレート、245 口テンプレート、246 目テンプレート、2
47 眉テンプレート、250 通信制御モジュール、900,2110,2120 ア
バターオブジェクト、1100,1722 輪郭検出線、1110 外側の輪郭点、11
20 内側の輪郭点、1422 送受信部、1424 サーバ処理部、1426 マッチ
ング部、1432 仮想空間指定情報、1434 オブジェクト指定情報、1436 ア
バターオブジェクト情報、1440 顔情報、1442 位置情報。

Claims (9)

  1. 仮想空間を介して通信するためにコンピュータで実行される方法であって、
    仮想空間を定義するステップと、
    前記仮想空間を介して通信するユーザのアバターオブジェクトを前記仮想空間に配置するステップと、
    前記ユーザの顔の動作を検出するステップと、
    前記検出された顔の動作を増幅して、増幅された動作を前記アバターオブジェクトの顔に反映させるステップとを備える、方法。
  2. 前記反映させるステップは、
    前記検出された顔の動作が予め定められた条件を満たしたか否かを判断することと、
    前記予め定められた条件が満たされたと判断された場合に、前記検出された顔の動作を増幅して前記アバターオブジェクトの顔に反映させることとを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ユーザの顔の動作を検出するステップは、前記ユーザの顔の所定部位の動作を検出することを含み、
    前記予め定められた条件は、前記所定部位の所定状態に対する変位量が予め定められた範囲内であることを含み、
    前記反映させるステップは、前記所定部位の動作を増幅して前記アバターオブジェクトの顔に反映させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記所定部位は、口、目、および眉のうち少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ユーザの顔の動作を検出するステップは、前記ユーザの口の動作を検出することを含み、
    前記方法は、ユーザの発話を検出するステップをさらに含み、
    前記予め定められた条件は、
    前記口の大きさがしきい値未満であって、かつ、前記検出したユーザの発話の音量がしきい値以上であることを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 前記反映させるステップは、アバターオブジェクトの種類に応じて、前記検出された顔の動作の増幅度合を設定することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ユーザの顔の動作を検出するステップは、ユーザの顔の上部を撮影する第1カメラが生成した画像と、ユーザの顔の下部を撮影する第2カメラが生成した画像とに基づいて、前記ユーザの顔の動作を検出することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを格納したメモリと、
    前記プログラムを実行するためのプロセッサとを備える、情報処理装置。

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