JP2018095354A - バッグ型拡開装置 - Google Patents

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Minako Hosono
美奈子 細野
井野 秀一
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Abstract

【課題】 軽量コンパクトで、簡単な操作でセットでき、しかも、複数箇所にセットすることで、大型重量物のジャッキアップも可能な拡開装置を実現することにある。【解決手段】 本発明のバッグ型拡開装置は、柔軟材料からなる水素バッグ1と、水素吸蔵合金が封入された水素吸蔵合金タンク4と、水素吸蔵合金タンク4に熱伝達可能に装着された温度調整装置としての生石灰容器7を備えている。水素バッグ1と水素吸蔵合金タンク4とを開閉バルブ6を介在させた導管2により接続し、開閉バルブ6を開放するとともに温度調整装置を作動させることにより、水素バッグ1を膨張させて、該水素バッグが挿入された箇所の間隙を拡げる。【選択図】 図1

Description

本発明は、気体の膨張を利用して作動させ、物体のジャッキアップや、物体間の間隙を拡大するためのバッグ型拡開装置に関する。
従来より、気密コーティングしたバッグ型樹脂材料を家具等の下面に差し込んだ後、手動ポンプで膨張させ、移動などを可能にする、エアジャッキとも称される拡開装置が市販されている。
特許文献1には、人命救助のため、発破機の作動によりガス発生剤から大量のガスを発生させ、倒壊した家屋を短時間で持ち上げる緊急救助用エアジャッキが記載されている。
特許文献2には、シリンダやベローズ、ダイヤフラム構造をエンドエフェクタとして、加熱した水素吸蔵合金から水素を供給することにより倒壊した建物、崩落した地盤から人命を救助する災害救助用のジャッキが記載されている。
特開平8−324983号公報 特許第5920791号公報
市販されている拡開装置は、15cm程度の正方形バッグ型樹脂素材を用いており、家庭でも手軽にタンスなどの持ち上げに利用することができる。
しかし、大型重量物を持ち上げる際には、複数のバッグを差し込んで、それぞれを手動ポンプで膨張させる必要があるため、時間、労力を要し、一刻を争う人命救助には適していない。しかも、複数の救助隊員等が同時に、しかもバランスよく手動ポンプを操作しないと、大型重量物がバランスを崩し、人命を危険にさらすおそれもある。
特許文献1の緊急救助用エアジャッキは、そもそも、従前から災害現場で利用されている、大型の油圧ジャッキを代替するものとして開発されたものであり、重量物をジャッキアップするため、エンドエフェクタは、シリンダやベローズ、ダイヤフラム構造と、その下端に固定される作動ベースに、上端に固定される押上部から構成されている。
作動ベースや押上部は、油圧ジャッキと同様の構造となっており、倒壊物が複雑な形状をしているような場合、直径が30cm程度となり、上下で剛性の高い作動ベース、押上部を有するエンドエフェクタをスムースに差し込むことができず、また、差し込むために、倒壊物の下面形状を整えるなどの作業が必要となり、救助に時間を要する災害現場も想定される。しかも、特許文献1のものでは、ガス発生器が爆発的に作動するため、爆発音が被災者に恐怖を与え、パニックを引き起こす可能性があるばかりでなく、倒壊物の急激な上昇により、他の箇所の崩落を誘発するおそれも懸念される。
特許文献2の緊急救助用エアジャッキも、エンドエフェクタが上下にスライドする金属製の伸縮筒とガイド筒で構成されているため、狭い間隙に挿入することが難しく、小型化が困難で重量もあるため、持ち運びや間隙へのセットも容易ではない。
そこで、本発明の目的は、軽量コンパクトで、簡単な操作でエアジャッキをセットでき、しかも、複数箇所にセットすることで、大型重量物のジャッキアップも可能な拡開装置を実現することにある。
この課題を解決するため、本発明のバッグ型拡開装置は、柔軟材料からなる水素バッグと、水素吸蔵合金が封入された水素吸蔵合金タンクと、この水素吸蔵合金タンクに熱伝達可能に装着された温度調整装置とを有し、水素バッグと水素吸蔵合金タンクとを開閉バルブを介在させた導管により接続し、開閉バルブを開放するとともに温度調整装置を作動させることにより水素バッグを膨張させて、この水素バッグが挿入された箇所の間隙を拡げるようにした。
本発明によれば、次のような効果を達成することができる。
(1)バッグ素材に小型の水素吸蔵合金タンクを連結するだけで、小型でも、高い膨張率、膨張維持時間を得ることができる。
(2)市販の拡開装置と同様、倒壊物の間に差し込むだけで、簡単かつ短時間にセットできる。
(3)水素吸蔵合金の温度調整装置を作動させるだけで、簡単にジャッキアップ作動を開始でき、複数箇所にセットした場合でも、一人で順次ほぼ同時に作動を開始できる。
(4)温度調整装置の発熱速度、発熱容量を初期設定、あるいは、開閉バルブで調整可能とすることにより、バッグの膨張速度、膨張維持時間を変更することができる。
また、ヒータ、ペルチェ素子等の発熱装置、冷却装置を用いれば、さらに精緻な電気的制御を行うこともできる。
(5)水素吸蔵合金自体は、繰り返し利用が可能であるため、水素吸蔵合金を冷却することで水素バッグを収縮させ、水素吸蔵合金タンクを封止することで再利用が可能である。
特に水素吸蔵合金を利用したことにより、僅かな量の水素吸蔵合金で必要な水素発生量を持続的に確保することができ、温度に対する水素の平衡圧力を利用し、加熱温度、温度上昇率を変更することにより、膨張速度、膨張維持時間を幅広く調整することができる。
しかも、水素吸蔵合金から排出される水素により水素バッグを作動させることにより、拡開装置を静かに作動させることができるので、騒音によって被災者にパニックを与えるようなおそれがない。
温度調整装置として、生石灰(単独のもの、アルミ粉末を配合したものも含む。)、あるいは、カイロ用材料として用いられている鉄粉発熱剤を熱伝達可能に取り付け、水の供給量、供給速度、空気との接触量、混入させる助反応剤の量により、低コストで、発熱速度すなわちバッグの膨張速度を調整することも可能である。
一方、温度調整装置としてペルチェ素子等の熱電素子、電気ヒータを採用し、各種センサ(温度センサ、圧力センサ等)を用いて、水素吸蔵合金タンクの温度を制御すれば、マイクロコンピュータ等により、膨張量、膨張速度を精緻に制御することも可能である。
図1は、実施例1の構成例を示す図である。 図2は、実施例1における水素バッグの側面図である。 図3は、実施例1における水素バッグの端部形状の一例を示す図である。 図4は、水素バッグのリフト面の面積、水素バッグ内のゲージ圧、ジャッキアップ可能な質量との関係を示す図である。 図5は、経過時間に伴うリフトアップ高さの変化を計測するための実験装置を示す図である。 図6は、経過時間に伴うリフトアップ高さの変化を計測した結果を示す図である。 図7は、図7に水素吸蔵合金の温度―圧力特性を示す図である。 図8は、水タンク8における生石灰容器7との接触部の一部をフィルムで形成し、ひも82を引くことにより生石灰に水を浸透させる例を示す図である。 図9は鉄粉等からなるカイロ用材料を充填した例を示す図である。 図10は、複数の水素バッグを膨張させるための構成例を示す図である。 図11は、実施例2の構成例を示す図である。
[実施例1]
実施例1は、電源のない環境でも、簡単な操作で単独使用可能な温度調整装置を備えたもので、図1にその構成例を示す。
柔軟性があり、水素機密性の高い材料で周囲を封止された水素バッグ1には、水素を導入・導出するためのパイプ2が一体的に取り付けられており、その先端には、コネクタ3が装着されている。
コネクタ3は、水素吸蔵合金貯蔵タンク4の水素排出口に取り付けられている元栓5に着脱自在に装着され、開閉バルブ6を一体的に介在させている。
水素吸蔵合金貯蔵タンク4の外周には、生石灰もしくは生石灰とアルミ粉末が封入された生石灰容器7が、さらにその外方には、所定の量の水が封入された、水タンク8が装着されている。
水素バッグ1からのパイプ2を、水素吸蔵合金貯蔵タンク4の元栓5に連結し、元栓5と開閉バルブ6を順次開くと、パイプ2を介して、水素バッグ1と水素吸蔵合金貯蔵タンク4が連通するとともに、これに連動して、図示しない、水タンク8の底部や側壁に設けた開口が開き、生石灰容器7の一部が開放され、水タンク8内の水が生石灰容器7内に流入する。
これにより生石灰容器7内の生石灰が発熱し、水素吸蔵合金貯蔵タンク4内の水素吸蔵合金の温度が上昇し、水素を脱離し、水素バッグ1の側面図である図2に示すように、水素発生前の(a)の状態から、(b)に示すように水素バッグ1を膨張させ、水素バッグ1が挿入された箇所の間隙を大きくしてジャッキアップを行うことができる。
水素バッグ1は、柔軟性、耐圧性に優れ、ガラス片や金属片に対しても破れにくく、しかも、水素透過性の低い材料を選択する必要があり、プラスチックファイバークロス強化ゴムを筆頭に、水素透過性の低いEVOHやアルミ層を含むフィルムシート、クレーストなど水素ガス透過性を低くする補強塗料を塗布可能な材料などが好適である。
水素バッグ1は、膨張前の状態で、家庭では、家具などの底面の隙間、災害現場では、岩盤と倒壊物の隙間などに挿入する必要があるため、図3(a)−(c)に示すように、少なくとも1辺の端部1aを、金属や強化プラスチックなど伸縮しない固い材料で補強し、さらに、この補強材の先端断面を、湾曲した形状にするのが好適である。なお、図3(b)は図3(a)に示す水素バッグ1の挿入側角部の拡大図、図3(c)は端部1aの断面形状を示している。
いずれにせよ、水素バッグ1の材料、形状、強度などは、ジャッキアップの使用目的とコストに応じて最適なものを選択すればよい。
図4は、水素バッグのリフト面の面積、水素バッグ内のゲージ圧、ジャッキアップ可能な質量との関係を示している。上側の表は、水素バッグ内のゲージ圧を50kpaとしたときのリフト面の面積とジャッキアップ可能な質量(理論値)の関係を示し、下側の表は、リフト面の面積を100cm2としたときの水素バッグ内のゲージ圧とジャッキアップ可能な質量(理論値)である。
例えば、50kg程度の小型の家具などでは、リフト面が100cm2程度、ゲージ圧50kpa程度に、また、大型の倒壊物などでは、リフト面が1600cm2以上、ゲージ圧50kpa以上とし、大型倒壊物の複数箇所に設置することで、数トン以上の倒壊物をジャッキアップすることが可能となる。
図5は、水素バッグの材料として、プラスチックファイバークロス強化ゴムを使用した場合の経過時間に伴うリフトアップ高さの変化を計測するための実験装置を示すものである。40kgのウエイトWの端部に水素バッグ1を設置し、開閉バルブ6を開放し、Heを充填し、レーザー変位計Lにより、ウエイト端部の高さ(リフトアップ量)が40mmとなった状態で開閉バルブ6を閉じ、時間経過に伴うリフト量の減少を計測した。なお、実験では、比較的入手しやすく、水素ガスより分子サイズの小さいヘリウムガスを使用した。
この図6に示す実験結果から分かるように、生存救出限界の72時間を過ぎても、30mm程度のジャッキアップ高さを維持することができた。後述するように、水素吸蔵合金貯蔵タンク4内の水素吸蔵合金から脱離する水素を膨張ガスとして利用することで、さらに長時間のリフトアップ維持が図れることが明らかとなった。
次に水素吸蔵合金とこれを貯蔵する水素吸蔵合金貯蔵タンク4について説明する。
水素吸蔵合金が温度変化に伴って水素を放出(加熱時)、吸蔵(冷却時)する特性は、化学反応によるものであることから、圧縮ポンプなどを使用する必要はなく、水素の放出・吸蔵時に騒音が発生しない。
具体的には、以下の式によって反応が進行する。

2/x・M+|H| ⇔ 2/x・MHx+Q (1)

ただし、MはMH合金(水素吸蔵合金)、Hは水素、Qは反応に伴う熱量で一般にはQ>0となる。
また、xは反応式の係数で正の値をとり、最も簡単な場合はx=1となる。
(1)式より、MH合金は熱エネルギーによって水素の放出・吸蔵量を調整できる。
加えて、MH合金は1gで100〜150cc、体積比にして約1000倍もの水素を吸蔵することが可能である。
水素の放出による昇圧時に騒音が発生しないので、家庭内の使用でも、水素バッグの膨張に伴い不安を与えることがなく、特に災害救助時には、静かに、しかも、生石灰による加熱量を調整して徐々に膨張させることで、被救助者にパニックを引き起こすことなく、安全に救出することが可能となる。
図7は、水素吸蔵合金の温度―圧力特性の概要を示す図である。
各温度で、平衡状態になる圧力値(平衡水素圧)が変化するので、水素吸蔵合金の温度を制御することで目標値となる平衡水素圧に到達するよう、水素バッグ1の容量に応じて、水素吸蔵合金貯蔵タンク4内に貯蔵する水素吸蔵合金の量、生石灰容器7内の生石灰の量、水タンク8の容量、水タンク8の底部や側壁に設けた開口の開放量などを選定する。
なお、水素吸蔵合金貯蔵タンク4としては、市販されている水素吸蔵合金キャニスター(登録商標)のうちから最適な容量のものを利用してもよく、特に熱伝達率が高く、水素透過性が低い材料で個別に設計してもよい。
前述の水素吸蔵合金キャニスターは、高圧ガス保安法の適用外であり、2000回以上の繰り返し利用が可能とされている。
また、前述のように、水素バッグ1から漏出する水素はきわめて微量であり、最大水素発生量も水素吸蔵合金の量で制限されている。すなわち、合金1gあたりの水素吸蔵量は約100cm3(=0.1リットル)で、吸蔵した水素が密閉空間内に全て漏れたとした場合、水素の爆発下限界4%を超えてしまう密閉空間の大きさは合金使用量5g:1.25m以下、合金使用量10g:2.5m3以下、合金使用量20g:5m3以下である。
したがって、家庭内はもとより、きわめて特異な環境を除き、災害現場でも広く利用することが可能である。
また、生石灰容器7の外周は、断熱材で被覆し、保温性を高めることにより、水素圧力をさらに長時間にわたり維持することが可能となる。特に、生石灰容器7の中央部に水素吸蔵合金貯蔵タンク4を挿入するための凹部を設け、水タンク8とともにユニット化することで、使用後に、生石灰容器7を含むユニットのみを簡単に交換することが可能となる。
さらに、図8に示すように、水タンク8の生石灰容器7との接触部の一部をビニールなどのフィルムで形成し、開閉バルブ6と連動させてフィルムを破ったり、このフィルムに設けたひも82を引くことにより、生石灰容器7内の生石灰に水を浸透させるようにしてもよい。
なお、膨張速度をコントロールするためには、水タンク8の底部や側壁に設けた開口に調節バルブを設けて水の滴下速度を調整すれば、急速膨張や緩やかな膨張速度を選択することも可能となる。その他、生石灰容器7に直接熱湯を加えて膨張させたり、常温で水素分圧が上昇する水素吸蔵合金を使用し、常時冷蔵庫に保管し、使用時に冷蔵庫から取り出して膨張させるなど、使用目的、使用箇所に応じて様々な変形例が考えられる。
この実施例では、温度調整装置として、生石灰を利用したが、図9に示すように、生石灰に代えて、空気中の酸素と反応して発熱する、鉄粉等からなるカイロ用材料を袋体7aなどに充填してもよい。この場合、空気中の酸素と反応することで発熱が発生するため、水タンクが不要となり、カイロ用材料を封止する袋に設けた密閉バルブ7bを開放したり、カイロ用材料を封入する袋体7aを破ったりすることで大気供給口を開放し、さらに振動を加えることで、水素吸蔵合金貯蔵タンク4を加熱して水素圧力を高めることが可能となる。
このように本実施例によれば、ジャッキ自体をコンパクトにすることができ、簡単な操作で、しかも、電源を必要とせず、家庭内はもとより、災害発生危険箇所に常備することで、人命救助用具として活用することができる。また、水素バッグからの水素漏洩があったとしても、水素吸蔵合金貯蔵タンク4内の水素合金量を多めに設定することで、温度調整装置交換して再度加熱させれば、膨張を長時間にわたり持続させることができる。
また、図10に示すように、大小各種の水素バッグ1−1〜1−n、元栓5−1〜5−n、開閉バルブ6−1〜6−nを備えたユニットを、災害対策用品倉庫や救急車等に配備しておき、大型の倒壊物などの場合に、複数箇所に、リフトアップ対象物の重量に見合う大きさ、個数の水素バッグ1−1〜1−nを各所にセットし、分岐パイプ2−1〜2−nを介して、ほぼ同時に膨張作動させれば、小数の救助隊員でも、大型倒壊物をバランスよく、安全にジャッキアップさせることができるので、短時間で確実な人命救助が可能となる。
なお、この場合、大容量の水素吸蔵合金貯蔵タンクから、複数のパイプを分岐パイプ2−1〜2−nとして分岐させ、各パイプのそれぞれに大小各種の水素バッグを連結し、分岐部上流に設けた開閉バルブを開放することで、複数の水素バッグを一挙に膨張させることも可能である。
もちろん、電源を必要とするものの、元栓5−1〜5−n、開閉バルブ6−1〜6−nをソレノイドバルブ等、電気駆動式にすれば、スイッチひとつで、すべての水素バッグ1−1〜1−nを同時に膨張させることも可能である。
また、使用後は、水素吸蔵合金貯蔵タンク4を冷蔵庫などで冷却することで、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させ、その後、水素バッグ1が収縮した段階で、水素吸蔵合金貯蔵タンク4の水素排出口に取り付けられている元栓5を閉じることで、繰り返し利用することが可能となる。
[実施例2]
本実施例では、二次電池を含め、電源が利用可能な現場を前提に、水素バッグを膨張させる水素圧力をより精緻なジャッキアップを可能とするよう、水素圧力を制御できるようにしたもので、図11にその全体図を示す。
水素吸蔵合金タンク4の上面には温度制御ボックス9が一体的に設けられており、下面には、ペルチェ素子などの熱電素子や電気ヒータなどからなる温度調節器10が熱伝達可能に装着されている。なお、図中11は放熱フィンである。
一方、水素吸蔵合金タンク4には温度センサ、水素バッグ1には圧力センサ、張力センサが設けられており(ともに図示せず)、これらのセンサの検出値は温度制御ボックス9に入力されている。
温度制御ボックス9に電源を投入し、開閉バルブ6を開放すると、温度調節器10による水素吸蔵合金タンク4の加熱が開始され、水素圧力が上昇し、水素バッグ1が膨張を開始する。温度制御ボックス9は、水素吸蔵合金タンク4に設けた温度センサの検出値、水素バッグ1内に設けた圧力センサ、張力センサに基づき、操作者が選択した速度に基づいて、水素バッグ1を膨張させ、ジャッキアップを行うことができる。
特に大型倒壊物の場合、複数の水素バッグ1の各々に温度調節器10と圧力センサあるいは張力センサを設けて、温度制御ボックス9が倒壊物の傾きをレーザー測長器などを用いて検出し、これを温度制御ボックス9に入力することにより、倒壊物が傾いてバランスを失わないように、各水素バッグ1−1〜1−nの圧力を制御することで、バランスを崩すことなく、確実に倒壊物をジャッキアップすることが可能となる。
なお、温度調節器10として冷却も可能なペルチェ素子を利用することで、上昇量が大きすぎる水素バッグ1を収縮させるなどさらに緻密な制御が可能となる。さらに、使用後、水素吸蔵合金タンク4を冷却することで水素バッグ1を収縮させた後取り外し、再利用も可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、市販の拡開装置と同様、水素バッグを倒壊物の間に差し込むだけで、簡単かつ短時間にセットでき、バッグ素材に小型の水素吸蔵合金タンクを連結するだけで、小型でも、高い膨張率、膨張維持時間を得ることができる。
しかも、複数箇所にセットした場合でも一人に順次あるいは同時に作動を開始でき、温度調整装置の発熱速度、発熱容量を初期設定、あるいは、開閉バルブで調整可能とすることにより、バッグの膨張速度、膨張維持時間を変更することができる。
したがって、本発明のバッグ型拡開装置は、家庭内での使用はもとより、災害現場でも、短時間で安全な救出が可能となるので、様々な用途に広く採用されることが期待できる。
1:水素バッグ
2:パイプ
3:コネクタ
4:水素吸蔵合金貯蔵タンク
5:元栓
6:開閉バルブ
7:生石灰容器
8:水タンク
9:温度制御ボックス
10:温度調節器
11:放熱フィン

Claims (5)

  1. 柔軟材料からなる水素バッグと、
    水素吸蔵合金が封入された水素吸蔵合金タンクと、
    前記水素吸蔵合金タンクに熱伝達可能に装着された温度調整装置とを有し、
    前記水素バッグと前記水素吸蔵合金タンクとを開閉バルブを介在させた導管により接続し、
    前記開閉バルブを開放するとともに前記温度調整装置を作動させることにより前記水素バッグを膨張させて、該水素バッグが挿入された箇所の間隙を拡げることを特徴とする、バッグ型拡開装置。
  2. 前記温度調整装置は、前記水素吸蔵合金タンクに熱伝達可能に装着され、生石灰が充填された生石灰容器と、該生石灰容器内の生石灰に水を供給する水タンクとからなることを特徴とする請求項1に記載されたバッグ型拡開装置。
  3. 前記温度調整装置は、前記水素吸蔵合金タンクに熱伝達可能に装着され、空気中の酸素と反応して発熱するカイロ用材料を封止する袋体と、該袋体内のカイロ用材料を大気に開放する大気供給口とからなることを特徴とする請求項1に記載されたバッグ型拡開装置。
  4. 前記温度調整装置は、前記水素吸蔵合金タンクに熱伝達可能に装着された熱電素子あるいは電気ヒータからなり、前記水素吸蔵合金タンク4に設けた温度センサ、あるいは、前記水素バッグ内に設けた圧力センサ、張力センサの少なくとものひとつに基づき、前記熱電素子あるいは電気ヒータを制御し、前記水素バッグの水素圧力およびその上昇速度を制御する温度制御ボックスを備えていることを特徴とする請求項1に記載されたバッグ型拡開装置。
  5. 前記水素バッグを複数設け、前記開閉バルブの下流から前記導管をそれぞれの水素バッグに接続し、複数の水素バッグを同時に膨張させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載されたバッグ型拡開装置。


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