JP6761219B2 - 水素気球とその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素の浮力で空中に浮上する水素気球とその運転方法に関する。
一般に気球は、周囲の空気より軽い気体又は熱せられることで膨張し体積あたりの重さが周囲の空気より軽くなった空気を気嚢に充填し、その浮力により、空中に浮上する。
ヘリウム等の、周囲の空気より軽い気体を気嚢に充填して空中に浮上する気球(以下、軽ガス気球)を運転する際には、ゴンドラに搭載した錘(例えばバラスト)を捨てることにより上昇し、気嚢中のガスを捨てることにより降下していた。
一方、水素の浮力を利用した気球として、例えば特許文献1、2が開示されている。
特許文献1には、水の電気分解によって生成した水素をヘリウム嚢に供給することにより、ヘリウムの漏洩による浮力の減少を水素で補償する飛行体が開示されている。
特許文献2には、水素が充填された気嚢から燃料電池へ水素を供給する気球が開示されている。水素と酸素の反応により生成された水は、燃料電池の冷却水として利用される。
また、水素と酸素の混合ガスが自着火するか否かの境界の初期温度と初期圧力の関係等の水素の燃焼特性が複雑であることが、特許文献3に開示されている。
図1は、特許文献3に開示されている水素と酸素の混合ガスの断熱容器中での爆発限界を示すグラフである。この図において、横軸が温度(℃)、縦軸が圧力(torr)、斜線部分が爆発反応領域を示す。
図1において、断熱容器の温度を480℃に保った場合、水素は、図中のU点(圧力1torr)では、着火しない。水素は、圧力がP点(爆発第一限界P)以上になると、自着火する。この爆発第一限界Pの圧力は、反応容器の大きさや容器壁の表面状態によって異なることが知られている。Q点(爆発第二限界Q)とR点(爆発第三限界R)との間では、水素は再び着火しなくなる。爆発第三限界R以上の圧力になると、水素は、容器の状態に限らず安定して着火することが知られている。
特開2002−255096号公報 特開2002−127991号公報 越 光男、水素安全の基礎:水素の燃焼・爆発の化学反応機構、水素エネルギーシステム、一般社団法人水素エネルギー協会、2011年、Vol.36,No.3、第5ページ〜第13ページ
上述した軽ガス気球では、上昇する際に錘を捨て、降下する際にガスを捨てる。一旦、降下の際にガスを減らすと、ガスの補充手段が無いため、再び上昇できない。
そのため軽ガス気球は、上昇と降下を繰り返せなかった。
また、上述した特許文献1の飛行体はヘリウム嚢に水素を供給する。そのため、電気分解に使用できる水が無くなった後は、水素を発生させることができず、再び上昇できなかった。
特許文献2の気球は、気嚢の水素から燃料電池で発生した水を燃料電池の燃料としては使用しない。そのため気嚢の水素が無くなった後には、再び上昇することができなかった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、長期間空中に浮上可能な水素気球とその運転方法を提供することにある。
本発明によれば、水素を貯留し水素の浮力でゴンドラを空中に浮上させる気嚢と、
水を貯留する水タンクと、
前記水を水素と酸素に電気分解する電気分解装置と、
大気中の酸素と前記気嚢中の水素とから水を生成させる水素利用装置と、を備え、
前記電気分解装置により発生した水素は、気体状態のまま前記気嚢に貯留され前記浮力の増加又は前記水素利用装置の駆動に再利用され、
前記電気分解装置により発生した酸素は、大気中に放出され、
前記水素利用装置により生成された水は、前記水タンクに貯留され前記電気分解に再利用される、水素気球が提供される。
また水素専用の水素用ポンプを備え、
前記水素用ポンプは、前記気嚢から前記水素利用装置へ送る水素又は前記電気分解装置から前記気嚢へ送る水素を、加圧して送気する。
また、前記電気分解装置と前記水素用ポンプとの間に該電気分解装置で発生した水素を一時的に貯留する水素タンクを有する。
また、前記水タンク、前記電気分解装置、及び前記水素利用装置を収容する格納室を備え、
前記格納室は、前記気嚢の下端部に該気嚢の内側と外側とを跨いで取り付けられ、前記気嚢との間で水素を出し入れし、大気から空気を取り込み大気に酸素を放出する。
また、前記水素利用装置は、酸素と水素とから発電する燃料電池、又は酸素と水素とを燃焼させる水素燃焼器である。
また、前記電気分解装置及び前記水素利用装置を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、上昇させるときに前記電気分解装置を駆動し、発生した水素を前記気嚢に貯留させ、発生した酸素を大気中に放出させ、
降下させるときに前記水素利用装置を駆動して前記気嚢内の水素と大気中の酸素とから水を生成させる。
また、マイクロ波又はレーザ光を介して外部から受電し電力を出力する受電装置又は太陽光発電し電力を出力する発電装置を備え、
前記電気分解装置は、前記電力により電気分解する。
また、前記気嚢は、その内腔を前後方向に複数に分ける複数の小気嚢を有し、
前記水素気球は、前記電気分解装置及び前記水素利用装置と各小気嚢との間にそれぞれ設けられた複数のバルブを備え、
前記制御装置は、前記バルブの開閉を制御することにより、水素を取り出す又は貯留する前記小気嚢を選択し、前記水素気球の姿勢を制御する構成としてもよい。
また、本発明によれば、水素を貯留し水素の浮力でゴンドラを空中に浮上させる気嚢と、
水を貯留する水タンクと、
前記水を水素と酸素に電気分解する電気分解装置と、
大気中の酸素と前記気嚢中の水素とから水を生成させる水素利用装置と、を備える水素気球の運転方法であって、
(A)前記水素気球を上昇させるときに、前記電気分解装置で水素と酸素とを発生させ、水素を気体状態のまま前記気嚢に貯留させ、酸素を大気中に放出し、
(B)前記水素気球を降下させるときに、前記水素利用装置で前記気嚢内の水素と大気中の酸素とから水を生成し、前記水タンクに貯留し、
(C)前記(A)と前記(B)とを繰り返す、水素気球の運転方法が提供される。
上述した本発明の装置と方法によれば、水素気球が、水素を貯留する気嚢、水タンク、電気分解装置、及び水素利用装置を備える。本発明は、電気分解装置により水を分解して生成された水素を気嚢に貯留し、酸素を大気中に放出し、大気中から酸素を取り込んで水素利用装置で水を生成し、水タンクに貯留する。そのため本発明によれば、水を電気分解に再利用し、水素を水素利用装置で再利用し続けることができる。つまり、電気分解装置と水素利用装置との間で、水素と水の水素原子を循環し続けることができる。
したがって本発明は、電気分解装置による電気分解と水素利用装置による水の生成とを繰り返すことができる。
電気分解装置が水を電気分解することにより、気嚢中の水素が増加するため、浮力が増し、水素気球は上昇する。
水素利用装置が大気中から取り込んだ酸素と気嚢中の水素を反応させ、水を生成することにより、気嚢中の水素が減少し、気嚢の浮力が減少する。それと共に、大気中から取り込んだ酸素の分だけ、水素気球の総重量が増加する。そのため水素気球は、降下する。
したがって、本発明は、電気分解装置と水素利用装置との間で水素原子を循環し、水と水素を再利用し続けることにより、上昇と降下を繰り返すことができる。また本発明の水素気球は、気嚢の浮力を燃料に依存しないため、電気分解装置と水素利用装置を駆動できる限り、必要に応じて昇降を繰り返しながら、長期間空中に浮上し続けることができる。
特許文献3に開示されている水素と酸素の混合ガスの断熱容器中での爆発限界を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の水素気球の説明図である。 本発明の格納室の説明図である。 本発明の水素気球を上昇させるときの説明図である。 本発明の水素気球を降下させるときの説明図である。 本発明の第2実施形態の水素気球の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態の水素気球1の説明図である。
本実施形態の水素気球1は、例えば水素を浮力源にする気球又は飛行船であり、気嚢4、電源6、格納室8、及び制御装置20を備える。水素気球1は、空気より軽いガスとして、水素Hを使用する。
気嚢4は、紐状部材で又は直接にゴンドラ2に連結されており、内部に水素Hを貯留し、水素Hの浮力でゴンドラ2を空中に浮上させる。本実施形態の気嚢4の内腔は、一つである。
電源6は、電力を出力する。電源6は、格納室内に設けられていてもよい。もしくは、例えば図2に示すように、電源6が格納室8とは別の場所(例えばゴンドラ2)に備えられ、電源6から格納室8へ延びる電源ケーブル6dで、電力を格納室8に送電してもよい。
電源6は、例えば電力を出力する受電装置6a又は発電装置6bであることが好ましい。しかし電源6の種類は、その他のものでもよい。
電源6が受電装置6aである場合、受電装置6aは、マイクロ波又はレーザ光を介して、水素気球1の外部(例えば遠方の施設)から受電し、その電力を電源ケーブル6dへ送電する。ここで「遠方の施設」とは、地上の施設や軌道上の発電衛星であってもよい。
電源6が発電装置6bである場合、水素気球1は、太陽電池フィルム6cを備える。太陽電池フィルム6cは、気嚢4の外面に貼り付けられてもよく、図2に示すように、ゴンドラ2の表面に貼り付けられていてもよい。また太陽電池フィルム6cは、太陽電池パネルであってもよい。
この構成により、発電装置6bは、太陽電池フィルム6cで太陽光発電し、その電力を電源ケーブル6dへ送電する。
例えば電源6は、図2に示すように、受電装置6aと発電装置6bの両方を有していてもよい。それにより、水素気球1が空中に浮上する環境に応じて受電装置6aと発電装置6bとを使い分けることができる。例えば日中は発電装置6bで発電し、夜間は受電装置6aで受電してもよい。もしくは、マイクロ波等が届くときは受電装置6aで受電し、届かないときは日中に発電装置6bで発電してもよい。
しかしこれに限らず本発明の水素気球1は、電源6として、受電装置6aと発電装置6bのどちらか一方を有していてもよい。また、水素気球1は、電源6が発電装置6bのみである場合は、日中に発電した電力を充電し、その電力を夜間に使用するための充電器を搭載していてもよい。
この構成により電源6は、発電装置6bである場合は発電装置6bや太陽電池フィルム6cが故障するまで、受電装置6aである場合には受電装置6aが故障するか、マイクロ波等による給電が終了するまで、電源ケーブル6dへ送電し続けることができる。
これにより、電源6が受電装置6aか発電装置6bであることにより、水素気球1は、電気分解装置12、水素利用装置14、制御装置20、若しくは後述するバルブ22a,22b,22c,22d(図3を参照)等を長期間駆動し続けることができる。
格納室8は、気嚢4の下端部に気嚢4の内側と外側とを跨いで取り付けられている。気嚢4と格納室8の間には、気密シール28が設けられており、気嚢内の水素Hが大気中に漏れ出ないように構成されている。なお、水素気球1が飛行船である場合は、飛行船の気嚢4の下端部に取り付けられたゴンドラ2を、格納室8として使用してもよい。
図3は、本発明の格納室8の説明図である。
格納室8は、水タンク10、電気分解装置12、水素利用装置14、水素用ポンプ16、水素タンク18、複数のバルブ22a,22b,22c,22d、空気圧縮ポンプ24、水ポンプ26、ヒーター30、復水装置32を収容する。また格納室8には大気吸気口34、水素吸排気口36、酸素放出口38、窒素放出口40が開口する。
なお、水素用ポンプ16と水素利用装置14の間のバルブをバルブ22a、水素用ポンプ16と電気分解装置12の間のバルブをバルブ22bとする。これらのバルブ22a、22bは、水素Hが通過する配管を開閉する。また、水タンク10と水素利用装置14の間のバルブをバルブ22c、水タンク10と電気分解装置12の間のバルブをバルブ22dとする。これらのバルブ22c、22dは、水Wが通過する配管を開閉する。バルブ22a,22b,22c,22dは、例えば電磁弁であってもよい。
制御装置20は、電気分解装置12及び水素利用装置14の駆動、複数のバルブ22a,22b,22c,22dの開閉、ヒーター30の出力を制御する。また制御装置20は、水素用ポンプ16、空気圧縮ポンプ24、若しくは水ポンプ26の駆動、及び水素用ポンプ16と水ポンプ26の回転方向を制御する。
制御装置20は、電源6の電力により、駆動することが好ましい。制御装置20は、気嚢4の下端部(図3の例では、格納室8の内部)に設けられていてもよい。もしくは、図2に示すように水素気球1が気球である場合には、制御装置20は、気嚢4に吊り下げられたゴンドラ2に設けられ、格納室8と制御装置20との間で制御信号を出入力するケーブルが設けられていてもよい。
なお、図3に示した水素気球1の例は、制御装置20が自動制御することを想定しているが、本発明の制御装置20は、これに限らない。例えば制御装置20が地上との通信装置を有しており、地上から、水素気球1の上昇と降下を遠隔操作できる構成となっていてもよい。
図3において、格納室8は、大気Aとの間に大気吸気口34、酸素放出口38、及び窒素放出口40を有し、気嚢4の内腔との間に水素吸排気口36を有する。格納室8は、気嚢4との間で水素Hを出し入れし、大気Aから空気を取り込み大気Aに酸素Oを放出する。
大気吸気口34は、水素気球1の周囲(大気A)の空気を取り込む吸い込み口である。大気吸気口34から吸い込まれた空気は、空気圧縮ポンプ24で圧縮され、配管を介して水素利用装置14へ送気される。これにより水素利用装置14に、空気が供給される。水素利用装置14は、この空気に含まれる酸素Oを、水素Hとの反応に使用する。
水素吸排気口36は、気嚢4の内腔に連通する水素Hの吸気口兼排気口である。水素吸排気口36は、配管を介して、水素利用装置14と電気分解装置12とに連結される。
電気分解装置12は、電源6からの電力により、水Wを水素Hと酸素Oに電気分解する。電気分解装置12には、水Wが溜まった容器と、2本の電極が設けられている。2本の電極は、電源6に接続されている。なお、水素利用装置14が燃料電池である場合は、電気分解の電力として燃料電池の電力を併用してもよい。
電気分解装置12は、水Wが入れられた空間が水中で連結して区切られている。2つの空間には、一方にマイナス極側の電極が、他方にプラス極側の電極が、水中に設けられている。
プラス極側の電極からは酸素Oが発生し、その空間の水面上に溜まる。プラス極側の空間の水面上には、酸素放出口38に連通する配管が接続されている。酸素放出口38は、水素気球1の外部(大気A)に開口する排気口である。
プラス極側の水面上の空間には、空間の圧力を測定するセンサが取り付けられている。センサが測定した計測値は、制御装置20に出力される。
この構成により、水Wから発生した酸素Oが大気中に捨てられるので、質量保存の法則により、捨てた酸素Oの分、水素気球1が軽くなる。
マイナス極側の電極からは水素Hが発生し、水面上のマイナス極側の空間に溜まる。マイナス極側の空間には、気嚢4の水素吸排気口36へ続く配管が連結されている。
これにより、電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hは、気体状態のまま気嚢4に水素Hとして貯留され、浮力の増加又は水素利用装置14の駆動に再利用される。
図3に示すように、気嚢4の手前(水素吸排気口36と電気分解装置12との間)の配管には、水素用ポンプ16が設けられている。水素用ポンプ16は、水素専用のポンプであり、電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hを加圧して気嚢4へ送気できる。それにより水素気球1は、気嚢4を積極的に膨らませて上昇することができる。
なお、本発明の水素用ポンプ16は、図3に示すように、電気分解装置12と水素利用装置14の双方に連結され、水素用ポンプ16と電気分解装置12との間にはバルブ22bが、水素用ポンプ16と水素利用装置14との間にはバルブ22aが設置されている。水素Hを流す方向に応じて、水素用ポンプ16の回転方向と、バルブ22a,22bの開閉を切り替える。それにより、気嚢4に水素Hを送り込む時と、気嚢4から水素利用装置14へ水素Hを送り込む時との両方に、同じ水素用ポンプ16を使用できる。
したがって本発明の水素気球1は、水素用ポンプ16を2台搭載する場合に比べて、格納室8を軽量化することができる。
例えば気嚢4から水素利用装置14へ送気する場合には、水素用ポンプ16は、電気分解装置12から気嚢4へ送気する場合の逆方向に回転する。
また、水素気球1は、水素用ポンプ16を備える場合、電気分解装置12と水素用ポンプ16との間に水素タンク18を有することが好ましい。水素タンク18は、電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hを一時的に貯留するタンクである。水素タンク18には、内部の圧力を計測し、その計測結果を制御装置20へ出力する図示しないセンサが取り付けられている。制御装置20は、この計測結果に基づき、水素用ポンプ16の駆動を作動又は停止させる。
上述のように、電気分解装置12のプラス極側の空間上部は、酸素放出口38に連結されている。そのため、水素用ポンプ16は、電気分解装置12のマイナス極側の空間、水W、及びプラス極側の空間を介して、水素気球1の外部の大気Aに連通している。
そのため、仮に水素用ポンプ16と電気分解装置12が直接連結されていた場合、水素用ポンプ16を駆動すると、電気分解装置12のプラス極側(酸素側)の空間よりマイナス極側(水素側)の空間の方が低圧になる。それにより、水素用ポンプ16が電気分解装置12に貯められた水Wごと酸素Oも吸い上げるおそれがある。
そのため本発明の水素気球1は、水素タンク18の内圧が電気分解装置12のプラス極側の空間の内圧より低圧にならないように(水柱を所定の高さ以上に維持するように)、制御装置20で調整しながら、水素用ポンプ16を駆動する。このように本発明の水素気球1は、水素タンク18を有することによりマイナス極側(水素側)の水柱の高さが設定した範囲内に維持できるので、酸素Oが水素Hの気嚢4へ混入するのを防ぐことができる。
この構成により本発明の水素気球1は、空気より軽いガスとして水素Hを使用しても、酸素Oと水素Hが水素利用装置14ではない場所で混合するのを防ぐので、水素気球1の安全性を確保できる。
水素利用装置14は、大気中の酸素Oと気嚢中の水素Hとから、水Wを生成させる装置である。水素利用装置14は、酸素Oと水素Hとから発電する燃料電池であってもよく、又は、酸素Oと水素Hとを燃焼させる水素燃焼器であってもよい。
水素利用装置14の酸素取り込み口は、大気吸気口34に配管で連結されている。水素利用装置14で使用する酸素Oは、大気吸気口34から取り込んだ空気中の酸素Oである。
図3に示すように、大気吸気口34と水素利用装置14との間には、空気圧縮ポンプ24が設けられていることが好ましい。上空の大気Aは薄いため、その分、大気中の酸素濃度は、地上付近のそれよりも低くなっている。
そのため本発明の水素気球1は、空気圧縮ポンプ24を有することにより、大気吸気口34から積極的に空気を取り込み、圧縮した状態で水素利用装置14に送り込むことができる。
また気嚢4と水素利用装置14との間の配管にも、水素用ポンプ16が設けられている。上述したように、気嚢4と水素利用装置14との間の水素用ポンプ16は、電気分解装置12と気嚢4との間にあるものと同一のものであることが好ましい。
気嚢4と水素利用装置14との間に水素用ポンプ16を有することにより、気嚢4から水素利用装置14へ送る水素Hを、加圧して送気することができる。
水素利用装置14で水素Hと酸素Oを反応させるためには、水素利用装置14の燃焼容器の温度と圧力の条件を揃える必要がある。水素利用装置14での反応を安定して行うには、図1における爆発第三限界Rより高い圧力を燃焼容器にかけることが好ましい。
そのため、水素気球1は、水素用ポンプ16と空気圧縮ポンプ24を有することにより、水素利用装置14の燃焼容器の圧力を高く維持できるので、水素Hと酸素Oの反応を安定化させることができる。
水素Hは、水素利用装置14で酸素Oと反応し、水Wを生成する。水素利用装置14から排出される水Wは、水蒸気W2として窒素ガスとともに排出される。
水素利用装置14と電気分解装置12は、復水装置32と水タンク10を介して、配管で連結される。
水タンク10は、水素利用装置14で生成された水Wを貯留するタンクである。
電気分解装置12及び復水装置32と水タンク10との間には、水ポンプ26が設けられる。水タンク10と水素利用装置14との間(図3の例では、水ポンプ26と復水装置32との間)には、バルブ22cが設けられている。水タンク10と電気分解装置12の間(図3の例では、水ポンプ26と電気分解装置12との間)には、バルブ22dが設けられている。
これらのバルブ22c,22dの開閉と水ポンプ26の回転方向を切り替えることにより、同一の水ポンプ26で、水タンク10に水Wを送り込み、又は水タンク10から水Wを引き出すことができる。これにより、水タンク10に水Wを送り込む用のポンプと引き出す用のポンプの2つを設ける場合に比べて、水素気球1を軽量化することができる。
水タンク10には、ヒーター30が取り付けられていることが好ましい。水素気球1は、高度20〜30kmの位置を飛行する。例えば高度20kmの外気温度は、約−56℃であり、高度30kmの位置ではさらに低温となっている。
そのため水素利用装置14で生成された水Wは外気により、容易に凍ってしまう。電気分解をするためには、水Wが液体である必要がある。そのため水Wを0℃以上に保温し、液体の状態を維持するため、本発明の水素気球1は、水タンク10や配管を保温するためのヒーター30を備えることが好ましい。ヒーター30は、例えば電源6の電力により作動するものであってもよい。また、水素利用装置14が燃料電池である場合は、燃料電池の電力をヒーター30に利用してもよい。
また、高度変更や時刻に応じてヒーター30を加熱するスケジュール管理を制御装置20で行ってもよく、常時保温し続けてもよい。
また、復水装置32は、水Wが通る配管や水タンク10に巻き付けられた配管であってもよい。これによって復水装置32をヒーター30として使用してもよい。この場合、水素利用装置14から排出された水蒸気W2を含む燃焼ガスが復水装置32を通過する間に水タンク10と熱を交換する。それにより、復水装置32の水蒸気W2は冷やされ、液体の水Wとなり、水タンク10の氷は温められて液体の水Wとなる。それにより復水装置32と水タンク10を介して、水Wが、水素利用装置14から電気分解装置12へ滞りなく流れることができる。
復水装置32がヒーター30でない場合は、復水装置32は、格納室8の外壁に近い位置に設けられていることが好ましい。水素気球1の周辺の大気Aの温度は氷点下であるため、復水装置32が外気の近くに配置されることにより、短時間で復水装置内の水蒸気W2を冷やし、液体の水Wにすることができる。復水装置32は、窒素放出口40と水タンク10へ繋がる配管とに連結され、窒素ガスは窒素放出口40から大気Aへ放出される。液体となった水Wは、水タンク10へ繋がる配管へ流れる。
このように、水素利用装置14により生成された水Wは、水タンク10に貯留され、必要なときに水タンク10から引き出され、電気分解装置12に送られる。これにより、水素利用装置14で生成された水Wは、電気分解に再利用される。
この構成により、電気分解装置12や制御装置20を作動させる電力が途切れず、またはその他の装置が故障しない限り、上昇と降下を繰り返しながら、長期間空中に浮上し続けることができる。
図4は、本発明の水素気球1を上昇させるときの説明図である。この図において、黒いバルブ22a,22cは閉鎖しており、白いバルブ22b,22dは開放されている。
図4に示すように本発明の制御装置20は、水素気球1を上昇させるときに、電気分解装置12を駆動し、発生した水素Hを気体状態のまま気嚢4に水素Hとして貯留させ、発生した酸素Oを大気中に放出させる。
具体的には、水タンク10から電気分解装置12に水Wを流すように水ポンプ26を駆動させるとともに、バルブ22dを開放し、バルブ22c、バルブ22b、及びバルブ22aを閉鎖する。
次いで、制御装置20は、電気分解装置12に電力を供給し、水Wを電気分解させ、酸素Oと水素Hを発生させる。また制御装置20は、電気分解装置12のプラス極側の空間の圧力と水素タンク18の圧力とを比較する。それにより、水素タンク18に水素Hが溜まる。
次いで、制御装置20は、水素Hが十分に水素タンク18に溜まったとき(水素タンク18の圧力が電気分解装置12のプラス極側の空間の圧力より十分に高くなったとき)に、水素用ポンプ16を駆動させ、バルブ22bを開放する。
制御装置20は、電気分解装置12のマイナス極側の水柱の高さが所定の高さを超えないように調整し、水素タンク18の圧力が電気分解装置12のプラス極側の空間の圧力より低くなったときに、水素用ポンプ16の駆動を停止する。
これにより、電気分解装置12の水Wが、電気分解装置12と気嚢4とを繋ぐ配管に入り込むのを防ぐので、気嚢内で酸素Oと水素Hが混合するのを防ぐことができ、水素気球1の安全性が保たれる。
また制御装置20がこのように水Wと水素Hの流れを制御することにより、水素気球内の水素原子の量を保ったまま、気嚢4の水素Hを増量させることができる。酸素Oは、大気中に放出される。それにより、水素気球1は、気嚢4の浮力が増し、上昇することができる。
図5は、本発明の水素気球1を降下させるときの説明図である。この図において、黒いバルブ22b,22dは閉鎖しており、白いバルブ22a,22cは開放されている。
図5に示すように制御装置20は、水素気球1を降下させるときに、水素利用装置14を駆動して気嚢内の水素Hと大気中の酸素Oとから水Wを生成させる。
具体的には制御装置20は、気嚢4の水素Hと大気中の空気を水素利用装置14に供給するように空気圧縮ポンプ24、水素用ポンプ16を駆動するように制御し、バルブ22a及びバルブ22cを開放し、バルブ22b及びバルブ22dを閉鎖する。そして水素利用装置14に集められた空気中の酸素Oと水素Hを反応させ、水Wを生成する。水Wは、例えば約400℃以上の高温で生成されるため、水蒸気W2と窒素ガスとの混合ガスとして水素利用装置14から排出される。
水素利用装置14から排出された水蒸気W2と窒素ガスの混合ガスは、復水装置32を通過している間に冷やされ、液体の水Wと窒素ガスとなる。窒素ガスは、窒素放出口40から放出され、大気中に捨てられる。液体となった水Wは、水タンク10へ誘導され、水タンク10に溜められる。
これにより、気嚢内の水素Hが利用されて減り、水Wの量が増加し、取り込んだ酸素Oの分、水素気球1の質量が増加するので、水素気球1の浮力が低下する。それにより、水素気球1は降下する。
本発明の水素気球1は、これらの構成により、電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hを、気嚢4を介して水素利用装置14へ送り、水素利用装置14で再び水Wを生成するという作動を繰り返す。
本発明の水素気球1のように水素Hを利用する装置では、水素Hと酸素Oの存在を想定した上で設計された装置ではない場所で、水素Hと酸素Oが混合する事態を予め避けることにより、安全に水素Hを使用できる。
本発明の水素利用装置14や電気分解装置12は、予め水素Hと酸素Oが存在することを想定して設計された装置である。また、本発明の水素気球1は、水素専用の水素用ポンプ16、空気圧縮ポンプ24、水ポンプ26とそれぞれのポンプが流体の種類ごとに分けられているので、水素利用装置14や電気分解装置12ではない場所でそれぞれの流体が混ざり合うおそれが無い。つまり流体の種類ごとに別々のポンプを使用するため、液体と気体又は酸素Oと水素Hで共有して一つのポンプを使用したときに発生する不具合を未然に防ぐことができる。
したがって本発明の水素気球1は、安全性を確保することができる。
次に、本発明の水素気球1の運転方法について説明する。
(ステップS1)
水素気球1を上昇させるときには、図4に示すように、電気分解装置12で水素Hと酸素Oとを発生させ、発生した水素Hを気体状態のまま気嚢4に水素Hとして貯留させ、発生した酸素Oを大気中に放出する。
これにより、酸素Oを大気中に放出した分と、水Wが減少した分、水素気球1の質量は軽くなる。また水素Hが増量したことにより浮力が増加する。
したがって、ステップS1により、本発明の水素気球1は上昇する。
(ステップS2)
水素気球1を降下させるときに、水素利用装置14で気嚢内の水素Hと、大気中の酸素Oと、から水Wを生成し、水タンク10に貯留する。
これにより酸素Oを大気中から取り込んだ分と、水Wが増量した分、水素気球1の質量は重くなる。また水素Hの量が減少する分、浮力が減少する。
したがって、ステップS2により、本発明の水素気球1は降下する。
(ステップS3)
上述したステップS1とステップS2とを繰り返す。
本発明の水素気球1の運転方法は、ステップS1とステップS2とを繰り返すことにより、電気分解装置12、気嚢4、及び水素利用装置14の間で水素原子を循環させることができる。それにより水素気球1は、上昇と降下を繰り返しながら、長期間、水素気球1を空中に浮上させることができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態の水素気球1の説明図である。
本実施形態の水素気球1は、例えば飛行船である。しかし、それに限らず、本実施形態の水素気球1は、気嚢4の内腔が前後方向に複数に分かれた気球であってもよい。
本実施形態の気嚢4は、その内腔を前後方向に複数に分ける複数の小気嚢4aを有している。それにより気嚢4の内腔は、前後方向に気密に複数に分割されている。
各小気嚢4aには、水素吸排気口36が設けられている。また、水素気球1(飛行船)は、各小気嚢4aと電気分解装置12及び水素利用装置14(好ましくは水素用ポンプ16)との間に、それぞれバルブ22eを有する。
本実施形態の制御装置20は、水素Hを取り出す小気嚢4a又は電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hを貯留する小気嚢4aを選択し、そのバルブ22eの開閉を制御する。例えば、船首を上げて上昇するときには、制御装置20は、前方に位置する小気嚢4aのバルブ22eのみを開放した状態で、電気分解装置12を駆動するように制御する。それにより、電気分解装置12により水Wから生成された水素Hが前方に位置する小気嚢4aにのみ送り込まれるので、その小気嚢4aのみの浮力が増加し、水素気球1が船首を上げた姿勢となる。
このように本実施形態の制御装置20は、小気嚢毎に浮力を調整できるので、制御装置20が飛行船(水素気球1)の姿勢を制御できる。
次に、本実施形態の水素気球1の運転方法について説明する。この運転方法は、複数の小気嚢4aのうちから水素Hを出し入れする小気嚢4aを選択し、その小気嚢4aに水素Hを供給又はその小気嚢4aから水素Hを取り出すことにより、飛行船の姿勢を制御するものである。例えば前方に位置する小気嚢4aに水素Hを貯留させることにより、前方に位置する小気嚢4aの浮力を増加させ、飛行船の船首を上げて上昇する運転をしてもよい。もしくは、前方に位置する小気嚢4aから水素Hを引き出し、その水素Hを使用して水Wを生成することにより、前方に位置する小気嚢4aの浮力を減少させ、飛行船の船首を下げて降下する運転をしてもよい。
本実施形態の水素気球1は、この構成により、水素気球1の左右方向を軸として上下に回転(ピッチング)するときの水素気球1の傾き(前後方向の傾き)を調整できる。
また、全てのバルブ22eを開放して、水素Hを出し入れすることで、水素気球1の前後方向の傾きを変えずに上昇又は降下することができる。
なお、本実施形態の発明のその他の構成と運転方法、及び効果は、第1実施形態のそれと同様である。
上述した本発明の装置と方法によれば、水素気球1が、水素Hを貯留する気嚢4、水タンク10、電気分解装置12、及び水素利用装置14を備える。本発明は、電気分解装置12により水Wを分解して生成された水素Hを気嚢4に貯留し、酸素Oを大気中に放出し、大気中から酸素Oを取り込んで水素利用装置14で水Wを生成し、水タンク10に貯留する。そのため本発明によれば、水Wを電気分解に再利用し、水素Hを水素利用装置14で再利用し続けることができる。つまり、電気分解装置12と水素利用装置14との間で、水素Hと水Wの水素原子を循環し続けることができる。
したがって本発明は、電気分解装置12による電気分解と水素利用装置14による水Wの生成とを繰り返すことができる。
電気分解装置12が水Wを電気分解することにより、気嚢中の水素Hが増加するため、浮力が増し、水素気球1は上昇する。
水素利用装置14が大気中から取り込んだ酸素Oと気嚢中の水素Hを反応させ、水Wを生成することにより、気嚢中の水素Hが減少し、気嚢4の浮力が減少する。それと共に、大気中から取り込んだ酸素Oの分だけ、水素気球1の総重量が増加する。そのため水素気球1は、降下する。
したがって、本発明は、電気分解装置12と水素利用装置14との間で水素原子を循環し、水Wと水素Hを再利用し続けることにより、上昇と降下を繰り返すことができる。また本発明の水素気球1は、気嚢4の浮力を燃料に依存しないため、電気分解装置12と水素利用装置14を駆動できる限り、必要に応じて昇降を繰り返しながら、長期間空中に浮上し続けることができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 水素気球、2 ゴンドラ、
4 気嚢、4a 小気嚢、
6 電源、6a 受電装置、6b 発電装置、
6c 太陽電池フィルム、6d 電源ケーブル、
8 格納室、10 水タンク、
12 電気分解装置、14 水素利用装置、
16 水素用ポンプ、18 水素タンク、20 制御装置、
22a 水素用ポンプと水素利用装置の間のバルブ、
22b 水素用ポンプと電気分解装置の間のバルブ、
22c 水タンクと水素利用装置の間のバルブ、
22d 水タンクと電気分解装置の間のバルブ、
22e 電気分解装置及び水素利用装置と小気嚢との間のバルブ、
24 空気圧縮ポンプ、26 水ポンプ、
28 気密シール、30 ヒーター、32 復水装置、
34 大気吸気口、36 水素吸排気口、
38 酸素放出口、40 窒素放出口、
A 大気、H 水素、O 酸素、
W 水、W2 水蒸気、
P 爆発第一限界、Q 爆発第二限界、R 爆発第三限界

Claims (9)

  1. 水素を貯留し水素の浮力でゴンドラを空中に浮上させる気嚢と、
    水を貯留する水タンクと、
    前記水を水素と酸素に電気分解する電気分解装置と、
    大気中の酸素と前記気嚢中の水素とから水を生成させる水素利用装置と、
    前記水タンク、前記電気分解装置、及び前記水素利用装置を収容する格納室と、を備え、
    前記電気分解装置により発生した水素は、気体状態のまま前記気嚢に貯留され前記浮力の増加又は前記水素利用装置の駆動に再利用され、
    前記電気分解装置により発生した酸素は、大気中に放出され、
    前記水素利用装置により生成された水は、前記水タンクに貯留され前記電気分解に再利用され
    前記格納室は、前記気嚢の下端部に該気嚢の内側と外側とを跨いで取り付けられ、前記気嚢との間で水素を出し入れし、大気から空気を取り込み大気に酸素を放出する、水素気球。
  2. 水素を貯留し水素の浮力でゴンドラを空中に浮上させる気嚢と、
    水を貯留する水タンクと、
    前記水を水素と酸素に電気分解する電気分解装置と、
    大気中の酸素と前記気嚢中の水素とから水を生成させる水素利用装置と、
    前記電気分解装置から前記気嚢へ送る水素を加圧して送気する水素専用の水素用ポンプと、
    前記電気分解装置と前記水素用ポンプとの間に設けられ該電気分解装置で発生した水素を一時的に貯留する水素タンクと、を備え、
    前記電気分解装置により発生した水素は、気体状態のまま前記気嚢に貯留され前記浮力の増加又は前記水素利用装置の駆動に再利用され、
    前記電気分解装置により発生した酸素は、大気中に放出され、
    前記水素利用装置により生成された水は、前記水タンクに貯留され前記電気分解に再利用される、水素気球。
  3. 前記水素用ポンプは、前記気嚢から前記水素利用装置へ送る水素を、加圧して送気する、請求項に記載の水素気球。
  4. 前記水素利用装置は、酸素と水素とから発電する燃料電池、又は酸素と水素とを燃焼させる水素燃焼器である、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素気球。
  5. 前記電気分解装置及び前記水素利用装置を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、上昇させるときに前記電気分解装置を駆動し、発生した水素を前記気嚢に貯留させ、発生した酸素を大気中に放出させ、
    降下させるときに前記水素利用装置を駆動して前記気嚢内の水素と大気中の酸素とから水を生成させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素気球。
  6. マイクロ波又はレーザ光を介して外部から受電し電力を出力する受電装置又は太陽光発電し電力を出力する発電装置を備え、
    前記電気分解装置は、前記電力により電気分解する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素気球。
  7. 前記気嚢は、その内腔を前後方向に複数に分ける複数の小気嚢を有し、
    前記水素気球は、前記電気分解装置及び前記水素利用装置と各小気嚢との間にそれぞれ設けられた複数のバルブを備え、
    前記制御装置は、前記バルブの開閉を制御することにより、水素を取り出す又は貯留する前記小気嚢を選択し、前記水素気球の姿勢を制御する、請求項に記載の水素気球。
  8. 前記水素用ポンプの駆動を制御する制御装置と、
    前記電気分解装置のプラス極側の水面上の空間の圧力を測定しその計測値を前記制御装置へ出力する第1センサと、
    前記水素タンクの内圧を計測しその計測結果を前記制御装置へ出力する第2センサと、を備え、
    前記制御装置は、前記水素タンクの前記内圧が前記電気分解装置のプラス極側の空間の前記圧力より低圧にならないように前記水素用ポンプの前記駆動を調整する、請求項2に記載の水素気球。
  9. 請求項1又は2に記載の水素気球の運転方法であって、
    (A)前記水素気球を上昇させるときに、前記電気分解装置で水素と酸素とを発生させ、
    水素を気体状態のまま前記気嚢に貯留させ、酸素を大気中に放出し、
    (B)前記水素気球を降下させるときに、前記水素利用装置で前記気嚢内の水素と大気中の酸素とから水を生成し、前記水タンクに貯留し、
    (C)前記(A)と前記(B)とを繰り返す、水素気球の運転方法。
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