JP2018094480A - 塗布ノズルおよび塗布用カートリッジ - Google Patents

塗布ノズルおよび塗布用カートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】塗布ノズルにおいて、種々の塗布部に塗布剤を容易に塗布することが可能となり、コストも低減できるようにする。
【解決手段】塗布ノズル2は、塗布剤容器と接続する接続部2Aと、接続部2Aに接続され、接続部2Aから離れるにつれて第1の中心軸線Cから第1の方向dにおいて連続的に偏心する第2の中心軸線Cを中心とする管状に形成され、接続部2Aから離れるにつれて縮径する縮径部2fと、縮径部2fに接続され、第1の中心軸線Cに対して第1の方向dに偏心して第1の中心軸線Cと平行に延びる第3の中心軸線Cを中心とする管状に形成され、縮径部2fの最小外形を超えることなくかつ縮径部2fよりも外形変化が緩やかな状態で第3の中心軸線Cに沿う方向に延びる管状部2gと、管状部2gに接続され、管状部2gの最小外形を超えない外形を有する先端部2hと、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗布ノズルおよび塗布用カートリッジに関する。
例えば、シーリング剤、コーキング剤、接着剤などの塗布剤を塗布するために先細の塗布ノズルを用いることが知られている。このような塗布ノズルは、塗布剤容器に接続されて塗布用カートリッジを構成する場合がある。塗布用カートリッジは、例えば、コーキングガンなどにセットされて用いられる場合がある。
例えば、特許文献1には、直円錐状のノズル体を有するシーリング剤充填ガン用カートリッジが記載されている。このノズル体は、使用時には、先端が切除されることによってノズル口が形成される。
例えば、特許文献2には、略矩形状の断面が入口領域の中心軸線に対して傾斜する方向に沿って縮径する、斜角錐状の形状を有する塗布ノズルが記載されている。
例えば、特許文献3には、接続部から先端に向かうにつれて縮径するとともに、先端部が斜めに屈曲しているコーキング材供給ノズルが記載されている。
特開平7−238670号公報 特表2016−520424号公報 特開2016−50432号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載された直円錐状のノズル体は、カートリッジの中心から前方に向かってシーリング剤を吐出する。このため、塗布部の配置あるいは形状によっては、塗布が難しくなる場合がある。塗布できたとしてもシーリング剤充填ガンに隠れて塗布部が見えにくくなるため、きれいに塗布できないおそれがある。例えば、高所の窓サッシの上辺部、窓サッシの下部の隙間、壁際となる洗い場の溝などの難塗布箇所に塗布しなければならない場合、このようなノズル体の形状では塗布が難しくなる。
特許文献2に記載された斜角錐状の塗布ノズルにおいては、吐出口が偏心しているため、特許文献1のような直円錐状のノズル体に比べると、種々の塗布部に対して吐出口を向けやすくなる。しかし、塗布ノズルは一様に縮径しているため、塗布剤が塗布ノズルの前方に吐出されることは直円錐状ノズルと同様である。
このため、上述のような難塗布箇所に塗布する場合には、直円錐状のノズルに比べて格段に塗布しやすくなるということはない。
例えば、塗布ノズルの先端を斜めに形成して吐出口に傾斜をつけることによって、作業性は向上する。しかし、塗布ノズルは斜角錐状であるため、吐出口を設ける位置によっては、吐出口の面積が大きくなりすぎる。この結果、塗布量の制御が難しくなり、塗布量がばらつきやすくなる。
特許文献3に記載されたコーキング材供給ノズルは、先端部が斜めに屈曲しているため、直円錐状、斜角錐状のノズルでは塗布できない場所でも塗布しやすくなる。しかし、アンダーカットを有する形状であるため、成形によって製造する場合に、型構造が複雑になる。この場合、型代が増大するため、製造コストが増大するという問題がある。
さらに先端が屈曲したノズルは、塗布時の抵抗が大きくなる。このため、塗布剤容器との接続部の強度を確保するため、ノズル部と接続部とを分けることが必要になる場合もある。この場合、部品コストが増大するという問題がある。
このように、従来の塗布ノズルは、塗布部の配置あるいは形状によって、最適の形状が異なる。このため、一定の中心軸線に沿って延びる円錐状などのストレートノズル(例えば、特許文献1、2)と、全体として中心軸線が屈曲したカーブノズル(例えば、特許文献3)とを、塗布部に応じて使い分けることも行われている。この場合、塗布剤は同一でも、ノズルの異なる複数の塗布用カートリッジが必要になるため、使用しきれない塗布剤が発生して塗布剤が無駄になるおそれがある。また、塗布用カートリッジを使い分けて作業が行われるため、作業性が低下したり、資材の管理の手間が増大したりするおそれがある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、種々の塗布部に塗布剤を容易に塗布することが可能となり、コストも低減できる塗布ノズルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の塗布ノズルは、第1の中心軸線を中心とする管状に形成され、塗布剤容器と接続する接続部と、前記接続部の端部に接続され、前記接続部から離れるにつれて前記第1の中心軸線から第1の方向において連続的に偏心する第2の中心軸線を中心とする管状に形成され、前記接続部から離れるにつれて縮径する縮径部と、前記縮径部において前記接続部と反対側の端部に接続され、前記第1の中心軸線に対して前記第1の方向に偏心して前記第1の中心軸線と平行に延びる第3の中心軸線を中心とする管状に形成され、前記縮径部の最小外形を超えることなくかつ前記縮径部よりも外形変化が緩やかな状態で前記第3の中心軸線に沿う方向に延びる管状部と、前記管状部における前記縮径部と反対側の端部に接続され、前記管状部の最小外形を超えない外形を有する先端部と、を備える。
この場合、管状部および先端部の少なくとも一方にわたって、切断部を形成することによって、塗布ノズルの内部に連通する吐出口が形成できる。
塗布剤容器に収容される塗布剤は、適宜の操作によって、接続部が設けられた塗布ノズルの基端側から塗布ノズルの内部に押し出される。塗布剤は、縮径部と、管状部および先端部もしくは管状部との内部に形成される流路を通して、吐出口から吐出される。
塗布ノズルにおいて接続部よりも先端側には、縮径部と、縮径部の最小外形を超えることなくかつ縮径部よりも外形変化が緩やかな状態で第3の中心軸線に沿う方向に延びる管状部と、管状部の最小外形を超えない外形を有する先端部とが形成されている。これにより、塗布ノズルにおける管状部から先の部位は、管状部の外形より大きな隙間であれば、挿入可能である。このため、塗布ノズルを用いることによって、管状部の外形よりも大きな隙間に塗布剤が塗布できる。さらに、第3の中心軸線が第1の中心軸線に対して偏心しているため、吐出口を種々の塗布部に向けて配置しやすい。例えば、高所の窓サッシの上辺部、窓サッシの下部の隙間、壁際となる洗い場の溝などの難塗布箇所であっても、管状部の長さの範囲では、より大径の縮径部が、壁や下面部などと干渉しないため、吐出口を塗布部に近づけて対向させることが可能になる。
塗布部が管状部の長さよりも遠くにある場合でも、縮径部は管状部の基端から漸次基端側に拡径しているため、例えば、吐出口から一定の径変化率で拡径する円錐状のノズルなどに比べて縮径部と壁や下面部などとの干渉が起こりにくい。このため、管状部を有しない吐出口を塗布部に近づけて対向させやすい。さらに、塗布作業時の塗布ノズルの傾きが少なくて済むため、塗布部の近傍の塗布ノズルが視認しやすい。
管状部は、第3の中心軸線に直交する断面における外形の変化が縮径部の変化に比べて緩やかであるため、管状部の長さの範囲で切断を行うことによって、吐出量があまり変化しない状態で、吐出口の位置、傾斜を修正することができる。例えば、異なる塗布部において塗布を行う場合に、吐出口の傾斜を変更することが可能であるため、塗布部の形状に応じて塗布ノズルを変更する手間を低減できる。
上記塗布ノズルにおいては、前記縮径部、前記管状部、および前記先端部は、前記第1の中心軸線に沿う方向から見て、アンダーカットを有しない形状に形成されていてもよい。
この場合、接続部よりも先端側の部位は、第1の中心軸線に沿う方向から見てアンダーカットを有しない形状であるため、少なくとも接続部よりも先端側の部位は、簡素な型構造を有する成形型を用いる射出成形によって製造することが可能である。
上記塗布ノズルにおいては、前記先端部は、前記管状部から離れるにつれて、前記第3の中心軸線から前記第1の中心軸線の方にむかって傾斜または湾曲する第4の中心軸線に沿って延びてもよい。
この場合、先端部が第4の中心軸線に沿って延びるため、先端部に吐出口が設けられた場合、塗布剤が、第4の中心軸線に沿って、第3の中心軸線の偏心方向と反対方向における斜め方向に吐出される。このため、アンダーカットを有しない形状であっても斜め方向に塗布剤を吐出することができる。
上記塗布ノズルにおいては、前記第3の中心軸線に直交する断面における前記管状部の断面形状は、前記第1の方向に短軸を有する略楕円状であってもよい。
この場合、管状部の内周面の流路断面積は、同じ隙間に挿入できる円管の内周面の流路断面積よりも大きくなる。このため、管状部における塗布剤の流動抵抗が円管に比べて低減される。このため、塗布剤を押し出すための力量が低減される。
上記塗布ノズルにおいては、前記縮径部、前記管状部、および前記先端部の肉厚は、それぞれ略一定であってもよい。
この場合、縮径部、管状部、および先端部の部位ごとの肉厚が略一定であるため、部位ごとに、それぞれ均等な強度が得られる。
上記塗布ノズルにおいては、前記先端部には、塗布剤を吐出する吐出口が形成されていてもよい。
この場合、吐出口を形成する手間が省かれる。
本発明の塗布用カートリッジは、塗布剤を収容する塗布剤容器と、上記の塗布ノズルと、を備える。
この場合、上記塗布ノズルを備えるため、上記塗布ノズルと同様の作用を備える塗布用カートリッジが提供できる。
本発明の塗布ノズルおよび塗布用カートリッジによれば、種々の塗布部に塗布剤を容易に塗布することが可能となり、コストも低減できるという効果を奏する。
本発明の実施形態の塗布ノズルおよび塗布用カートリッジの構成例を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの構成例を示す模式的な平面図である。 図2におけるA−A断面図である。 図4におけるB−B断面図である。 図4におけるD−D断面図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの製造工程の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの吐出口の形成方法の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの吐出口の形成方法の一例を示す模式的な断面図である。 第1比較例の塗布ノズルの吐出口の形状について説明する模式的な断面図である。 第2比較例の塗布ノズルの吐出口の形状について説明する模式的な断面図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。 本発明の実施形態の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。 第2比較例の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。 第2比較例の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。
本発明の実施形態の塗布ノズルおよび塗布用カートリッジについて説明する。
図1は、本発明の実施形態の塗布ノズルおよび塗布用カートリッジの構成例を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の実施形態の塗布ノズルの構成例を示す模式的な正面図である。図3は、本発明の実施形態の塗布ノズルの構成例を示す模式的な平面図である。図4は、図2におけるA−A断面図である。図5は、図4におけるB−B断面図である。図6は、図4におけるD−D断面図である。
図1に示すように、本実施形態の塗布用カートリッジ1は、本実施形態の塗布剤容器3と、塗布ノズル2と、を備える。
塗布剤容器3は、図示略の塗布剤を押出可能に収容する。塗布剤容器3は、容器本体3aと、ノズル連結部3bとを備える。
容器本体3aとしては、例えば、チューブ、パウチ袋などが用いられてもよい。容器本体3aは、外力によって変形可能な材料で作製されている。容器本体3aの材料の例としては、後述する塗布剤に対する耐性およびバリア性を有する樹脂材料、金属材料、およびこれらの複合材料などが挙げられる。
容器本体3aの形状は、容器本体3a内の塗布剤を押し出す外力を加える押出装置にセット可能な適宜形状が可能である。図1には、一例として、容器本体3aが塗布剤を封入した状態で略円筒状になる例が示されている。
ノズル連結部3bは、容器本体3aの長手方向の端部に固定されている。ノズル連結部3bは、容器本体3aから塗布剤が押し出される押出口を形成するとともに、後述する塗布ノズル2を連結する。図示は省略するが、ノズル連結部3bの中心部には、押出口となる貫通孔が形成されている。ノズル連結部3bの外周部には、後述する塗布ノズル2と連結するための適宜の係合構造が形成されている。本実施形態では、ノズル連結部3bの外周部には、係合構造の一例として、雄ねじが形成されている。
塗布剤としては、容器本体3aに圧力をかけてノズル連結部3bの貫通孔から押し出すことができる粘性流動体が使用可能である。塗布剤としては、例えば、シーリング剤、コーキング剤、充填剤、接着剤などが用いられてもよい。塗布剤の具体例としては、例えば、シリコーン充填剤、ウレタン充填剤、アクリル接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
塗布ノズル2は、ノズル連結部3bにおいて塗布剤容器3と接続される先細のキャップ状あるいはシース状の部材である。塗布ノズル2には先端に予め吐出口が形成されていてもよいが、本実施形態では、塗布ノズル2の先端は閉じられている。このため、塗布ノズル2に吐出口が形成されるまでは、塗布ノズル2は、塗布剤容器3の押出口を密閉する蓋の機能を有する。
塗布ノズル2の中心軸線Cに沿って断面形状が変化している。中心軸線Cは湾曲している。
以下では、塗布ノズル2の形状を説明する場合、中心軸線Cに関して「軸方向」、「周方向」、「径方向」が用いられる場合がある。「軸方向」は、中心軸線Cに沿う方向である。「周方向」は、中心軸線C回りに周回する方向である。「径方向」は、中心軸線Cに直交する平面において中心軸線Cに交差する線に沿う方向である。
図2に示すように、塗布ノズル2は、基端E1から先端E2に向かって、接続部2Aと、ノズル本体部2Bと、がこの順に形成されている。
以下では、塗布ノズル2における位置または領域の相対関係を説明する場合、「基端側」、「先端側」が用いられる場合がある。「基端側」(「先端側」)の位置または領域は、相対比較する位置または領域に比べて、より基端E1(先端E2)寄りの位置または領域を意味する。
図2〜図4に示すように、接続部2Aは、略円筒状の筒状部2cと、基端E1において径方向において筒状部2cの外側に向かって延びるフランジ2aと、を備える。
以下では、中心軸線Cにおいて、筒状部2cの範囲の部分を指す場合、第1の中心軸線Cと表記する。第1の中心軸線Cは、直線状に延びている。
図2に示すように、筒状部2cの外周部における先端側には、軸方向に延びる突起部2nが、周方向において間隔をあけて複数形成されている。
フランジ2aは、平面視(図3参照)において円環状である。フランジ2aにおける先端側の表面には、径方向に延びる複数のリブ2mが放射状に形成されている。
突起部2nおよびリブ2mは、接続部2Aの補強リブの機能を有するとともに、塗布ノズル2をノズル連結部3bに着脱する際の滑り止めの機能を有する。
図4に示すように、筒状部2cの内部における基端側には、ノズル連結部3bの雄ねじと螺合する雌ネジからなるネジ部2bが形成されている。
接続部2Aは、ネジ部2bがノズル連結部3bと螺合することによって、塗布ノズル2を塗布剤容器3に接続する。
ノズル本体部2Bは、基端側から先端E2に向かって、縮径部2f、管状部2g、および先端部2hを備える。
以下では、中心軸線Cにおいて、縮径部2f、管状部2g、および先端部2hの範囲の部分を指す場合、それぞれ第2の中心軸線C、第3の中心軸線C、および第4の中心軸線C、と表記する。
ノズル本体部2Bの肉厚は、場所によってばらついてもよいが、縮径部2f、管状部2g、および先端部2hの肉厚は、それぞれ略一定であることがより好ましい。
ここで肉厚が「略一定」とは、各部位における肉厚が、各部位の平均肉厚±10%の範囲に収まっていることを意味する。
このような部位ごとの略一定の肉厚は、例えば、塗布ノズル2が射出成形で製作されることによって、容易に実現される。ただし、塗布ノズル2がブロー成形で製作される場合には、このような部位ごとの肉厚の作り分けは困難である。
先端部2hおよび管状部2gは、吐出口を形成しやすいように、縮径部2fに比べて薄肉に形成することがより好ましい。以下では、一例として、縮径部2fは、例えば、平均肉厚1mmの厚肉部、管状部2gおよび先端部2hは、例えば、平均肉厚0.8mmの薄肉部として構成される場合の例で説明する。このため、ノズル本体部2Bにおいて、中心軸線Cに直交する同一断面における内面Sの断面形状と外面Sの断面形状とは、互いに相似の関係にある。
さらに本実施形態では、内面Sおよび外面Sの形状は、第1の中心軸線Cに沿う方向から見て、アンダーカットを有しない形状である。すなわち、ノズル本体部2Bは、成形型のコアとキャビティとを第1の中心軸線Cに沿う方向に相対移動するのみで、ノズル本体部2Bの部位を脱型できる形状に形成されている。
縮径部2fは、接続部2Aにおける先端側の端部に接続されている。縮径部2fは、第2の中心軸線Cを中心とする管状に形成されている。
第2の中心軸線Cは、接続部2Aから離れるにつれて第1の中心軸線Cから第1の方向dにおいて連続的に偏心している。第1の方向dは、図4において、図示の右から左に向かう方向である。
図4に示す例では、第2の中心軸線Cの偏心量の変化は軸方向にわたって滑らかである。第2の中心軸線Cの偏心量の変化率は、縮径部2fにおける基端側の端部から先端側の端部に向かって、0から徐々に増大して極大値にする。さらに、第2の中心軸線Cの偏心量の変化率は、極大値から漸次減少して0に近づくか、もしくは0に戻るように変化している。
縮径部2fにおいて、外面Sおよび内面Sは、縮径部2fにおける基端側の端部から先端側の端部に向かうにつれて、連続的かつ滑らかに縮径している。
縮径部2fにおいて、第1の中心軸線Cに直交する断面における断面形状は、基端側の円形断面部2dでは円形(図5参照)、先端側の楕円形断面部2eでは第1の方向dに短軸を有する楕円形である。第1の中心軸線Cは、円形部分においては円の中心を通り、楕円形部分においては楕円の中心を通る。なお、本明細書では、楕円の長軸と短軸との交点を楕円の中心と定義する。また、厳密には楕円と言えない略楕円形の場合でも、長軸および短軸の交点によって略楕円形の中心として定義する。
縮径部2fにおいて、第2の中心軸線Cを含み第1の方向dに延びる断面と、外面Sおよび内面Sとの交線は、第1の中心軸線Cと略平行である。ここで「略平行」とは、交線が第1の中心軸線Cとが平行の場合と、交線が第1の中心軸線Cに対して射出成形における抜き勾配に相当する程度傾いている場合と、が含まれる。
管状部2gは、縮径部2fにおける先端側の端部(接続部2Aと反対側の端部)に接続されている。管状部2gは、第3の中心軸線Cを中心とする管状に形成されている。図6に示すように、第3の中心軸線Cに直交する断面における管状部2gの断面形状は、第1の方向dに短軸を有する楕円形である。管状部2gは、縮径部2fにおける先端側の端部と滑らかに接続している。
図4に示すように、第3の中心軸線Cは直線状である。第3の中心軸線Cは、第1の中心軸線Cに対して第1の方向dにΔだけ偏心し第1の中心軸線Cと平行に延びている。
管状部2gの外面Sは、縮径部2fの最小外形を超えることなくかつ縮径部2fよりも外形変化が緩やかな状態で第3の中心軸線Cに沿う方向に延びている。
ここで「縮径部2fよりも外形変化が緩やかな状態」とは、第1の中心軸線Cに直交する断面において、縮径部2fにおける先端側の断面積の変化率の大きさよりも管状部2g全体の断面積の変化率の大きさが小さいことを意味する。これにより、縮径部2fおよび管状部2gは全体として漏斗状である。
本実施形態では、図2に示すように、縮径部2fの先端側である楕円形断面部2eにおける長径の変化率と、管状部2gにおける長径の変化率とは同一である。しかし、本実施形態では、図4に示すように、管状部2gの短径の変化率は略0であるのに対して、楕円形断面部2eにおける短径の変化率は格段に大きい。この結果、断面積の変化率としては、短径の変化率の寄与が大きくなるため、管状部2gは、縮径部2fよりも外形変化が緩やかな状態で延びている。
このように、管状部2gにおいては、短径の変化率は略0であっても、長径は、基端側の端部から先端側の端部に向かって漸次縮径している。このため、管状部2gの内面Sも、外面Sと同様、基端側から先端側に向かって縮径しているため、塗布剤を付勢して吐出するノズル機能は保たれている。
管状部2gにおいて、第3の中心軸線Cを含み第1の方向dに延びる断面と、外面Sおよび内面Sとの交線は、縮径部2fにおける同様の交線の延長上に形成されている。
このため、縮径部2fおよび管状部2gにおいて、第1の方向dにおける側部は、第1の中心軸線Cに略平行な直線に沿って延びている。
管状部2gの第3の中心軸線Cに直交する断面における外面Sの短径の大きさは、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、溝内に塗布剤を塗布する必要がある場合には、短径の大きさは管状部2gが溝に挿入できるように大きさを設定されればよい。例えば、外面Sの短径の大きさは、3mm以上10mm以下であってもよい。
管状部2gの先端側の端部における内面Sの短径および長径の大きさは、塗布剤の押し出し抵抗が大きくなりすぎない範囲で、適宜設定されればよい。管状部2gの先端側の端部における内面Sの短径の大きさは、例えば、2mm以上10mm以下であってもよい。同様に内面Sの長径の大きさは、例えば、3mm以上15mm以下であってもよい。
管状部2gの軸方向の長さは、塗布剤の押し出し抵抗が大きくなりすぎない範囲で、なるべく長いことが好ましい。例えば、管状部2gの長さは、5mm以上20mm以下であってもよい。
先端部2hは、管状部2gにおける先端側の端部(縮径部2fと反対側の端部)に接続されている。先端部2hは、第4の中心軸線Cを中心とするキャップ状に形成されている。本実施形態では、先端部2hは、管状部2gの先端側の端部に滑らかに接続している。先端部2hは、管状部2gの先端側を塞いでいる。
先端部2hは、管状部2gの最小外形を超えない外形を有する。第4の中心軸線Cに直交する断面における先端部2hの断面形状は、第1の方向dに短軸を有する楕円形である。
先端部2hの第4の中心軸線Cは、第3の中心軸線Cと同軸であってもよい。ただし、先端部2hの第4の中心軸線Cは、第3の中心軸線Cから第1の中心軸線Cの方にむかって傾斜または湾曲していることがより好ましい。
図4に示す例では、第1の方向dの方に向いている側面部に、第1の方向dと反対の方向(図示右方向)に傾斜または湾曲した傾斜部2jが形成されている。このため、第4の中心軸線Cに直交する断面における先端部2hの断面形状は、基端側から先端側に向かって縮径している。これにより、第4の中心軸線Cは、第3の中心軸線Cから第3の中心軸線Cの方にむかって傾斜または湾曲している。
このような構成の塗布ノズル2の材質は、塗布剤に対する耐性を有する樹脂材料が用いられる。塗布ノズル2に用いられる樹脂材料は、少なくとも先端部2hおよび管状部2gにおいて、カッターなどの刃物で切断可能な硬さを有する材料が用いられる。本実施形態では、縮径部2fに比べて、管状部2gおよび先端部2hが薄肉になっているため、管状部2gおよび先端部2hの切断が容易になっている。
塗布ノズル2は、このような樹脂材料が射出成形されることによって、製造されてもよい。以下、射出成形による塗布ノズル2の製造方法の一例について簡単に説明する。
図7は、本発明の実施形態の塗布ノズルの製造工程の一例を示す模式的な断面図である。
塗布ノズル2は、例えば、図7に主要部の構成を示す成形装置50によって製造可能である。
成形装置50は、固定型52、可動型51、および図示略の射出シリンダーを備える。
固定型52は、コアプレート52Aに、ネジ部2bの形状を転写するネジ抜き金型52Bと、ノズル本体部2Bの内面Sの形状を転写する成形面52aが形成されたコア52Cと、が設けられている。
可動型51は、図示略のキャビティプレートに、接続部2Aの外面およびノズル本体部2Bの外面Sの形状を転写する成形面51aが形成されたキャビティ51Aが設けられている。
本実施形態では、塗布ノズル2の形状において、塗布ノズル2の第1の中心軸線Cから見たアンダーカットは、ネジ部2bのみである。成形面52aは、第1の中心軸線Cに沿う方向を抜き方向とし、ネジ部2bを除く塗布ノズル2の内面形状を反転した凸形状になっている。成形面51aは、第1の中心軸線Cに沿う方向を抜き方向とし、塗布ノズル2の外面形状とを反転した凹形状になっている。
塗布ノズル2を成形するには、可動型51を固定型52に型合わせし、ネジ抜き金型52Bおよびコア52Cと、キャビティ51Aとの間の成形空間に図示略の射出シリンダーから成形用樹脂が充填される。これにより、成形空間内に充填された成形用樹脂が塗布ノズル2の形状に成形される。
成形用樹脂が硬化したら、ネジ抜き金型52Bを回転させながら型開きを行うことで、塗布ノズル2の形状を有する成形品が脱型される。
このようにして、塗布ノズル2が、樹脂射出成形によって一体成形される。
本実施形態の塗布ノズル2は、ネジ部2bを除いてアンダーカットを有しないため、固定型52はネジ抜き金型52Bを有するが、その他にスライド型などを用いる必要はない。このため、成形装置50に用いる成形型の型構造を簡素化できる。この結果、型コストが低減されるため、塗布ノズル2の型コストが低減される。
また、塗布ノズル2の形状は、成形困難なアンダーカットを有しないため、上述のように一体成形が可能である。例えば、接続部2Aとノズル本体部2Bとを別々に形成した後、2部品を組み立てたり、接合したりするといった製造工程が不要である。このため、塗布ノズル2は、2部品から構成する場合に比べて、製造コストを低減することができる。
次に、塗布ノズル2の作用について、塗布ノズル2の使用方法とともに説明する。
図8、図9は、それぞれ、本発明の実施形態の塗布ノズルの吐出口の形成方法の一例を示す模式的な断面図である。
塗布ノズル2は、予め塗布剤が収容された塗布剤容器3に連結されて塗布用カートリッジ1の一部を構成する状態で供給されてもよい。この場合には、使用者が吐出口の形成作業を行う。
塗布ノズル2は、塗布剤が封入された塗布剤容器3と、連結されていない状態で供給されてもよい。この場合、使用者は、塗布ノズル2を塗布剤容器3と連結する作業も行う必要がある。塗布ノズル2は、未開封の塗布剤容器3に連結されてもよい。塗布ノズル2は、すでに使用開始された塗布剤容器3の塗布ノズルの交換ノズルとして用いられてもよい。
未連結の塗布ノズル2を使用する場合、使用者は、塗布ノズル2を塗布剤容器3に連結する前に、吐出口を形成してもよいし、塗布ノズル2を塗布剤容器3に連結した後に、吐出口を形成してもよい。
図8に、塗布ノズル2における吐出口の形成方法の一例を示す。
図8に示す例では、径方向において第1の中心軸線Cに近い方の先端部2hから傾斜部2jに向かって交差する切断線L1に沿って、先端部2hの先端側が切除されている。これにより、第4の中心軸線Cを斜めに横断する平面に沿って吐出口2pが形成されている。吐出口2pを形成する切り口は、第3の中心軸線Cに対して鋭角をなして傾斜している。
このようにして形成された吐出口2pは、第1の中心軸線Cから管状部2gの偏心方向である第1の方向dにおいて見ると、切り口の傾斜に応じて楕円状または円状に開口している。吐出口2pの近傍の内面Sは、傾斜部2jが残存していることによって、第4の中心軸線Cに沿って傾斜または湾曲する管路を構成している。
このため、塗布ノズル2の内部から図示略の塗布剤が押し出されると、塗布剤は、図示白抜き矢印のように、第4の中心軸線Cに沿って、第1の中心軸線Cの方に向かう斜め方向に吐出される。
このような吐出口2pによれば、切断線L1の傾斜に応じて、塗布剤の吐出方向が変更される。このため、アンダーカットとなる屈曲形状を有するカーブノズルを用いるのと略同様にして、第1の中心軸線Cと交差する斜め方向に塗布剤を吐出することができる。
図9に、吐出口の形成方法の他の例を示す。
図9に示す例では、第3の中心軸線Cに直交する平面に沿って管状部2gを横断する切断線L2に沿って、管状部2gの中間部よりも先端側の管状部2gと先端部2hとが切除されている。これにより、第3の中心軸線Cに直交する平面に沿って吐出口2qが形成されている。
このようにして形成された吐出口2qは、第3の中心軸線Cに沿う方向において、楕円状に開口している。吐出口2qの近傍の内面Sは、第3の中心軸線Cに沿う真直の管路を構成している。
このような吐出口2qによれば、塗布ノズル2の内部から図示略の塗布剤が押し出されると、塗布剤は、図示白抜き矢印のように、第3の中心軸線Cに沿ってまっすぐに吐出される。このため、ストレートノズルを用いる場合と同様、第1の中心軸線Cに平行な方向に塗布剤を吐出することができる。
さらに、吐出口2qによれば、管状部2gにおける切断位置を変えても吐出口2qの断面積はあまり変わらない。このため、吐出口2qが詰まってしまった場合には、残りの管状部2gの範囲を再度切断することによって、吐出口2qを再生することができる。
また、管状部2gにおける切断位置が変わっても、外面Sの短径は変わらないため、再生前に挿入したできた隙間であれば、吐出口2qの再生後も同様に管状部2gが挿入される。
吐出口2qは、切断線L1のように第3の中心軸線Cに対して斜め方向に延びる切断線、あるいは切断線L1と反対側に傾いた切断線によって形成されてもよい。この場合、吐出方向は変わらないが、吐出される塗布剤が切り口によって片側に寄せられる。このため、塗布部の溝の一方の隅部への塗布が容易となる。
次に、本実施形態の塗布ノズル2の作用について、比較例と対比して説明する。
図10は、第1比較例の塗布ノズルの吐出口の形状について説明する模式的な断面図である。図11は、第2比較例の塗布ノズルの吐出口の形状について説明する模式的な断面図である。
図10に、第1比較例の塗布ノズル20における吐出口の形成方法の一例を示す。第1比較例の塗布ノズル20は、中心軸線C20を中心とする直円錐状のストレートノズルである。
第1比較例では、例えば、中心軸線C20と図示右下がりの斜め方向に交差する切断線L20a(L20b)に沿って、先端部を切除することによって、吐出口20a(20b)が形成される。ここで、切断線L20a、L20bは互いに平行である。切断線L20aは、切断線L20bよりもより先端側に位置する。
塗布ノズル20においては、塗布剤が基端側で加圧されると、中心軸線C20上で最も大きな流速を有する塗布剤の流れが中心軸線C20を中心として形成される。吐出口20a(20b)の近傍では、図示左右の内面20c、20dに沿う流れが中心に合流するようにして、吐出口20a(20b)から吐出される。このため、内面20dに沿う流れが、外部に出た後も、内面20cに沿う一部の流れが内面20cにガイドされているため、その影響で塗布剤の吐出方向がわずかに図示右側に偏ることが考えられる。しかし、塗布剤の流れの主要部は、管路中心の中心軸線C20を中心として中心軸線C20に沿う流れであるため、塗布剤全体としては、中心軸線C20に略沿って吐出される。
したがって、切断線L20a(L20b)の傾斜を変えても、カーブノズルのように、吐出方向を斜め方向に変えることは難しい。
これに対して、本実施形態の塗布ノズル2に吐出口2pが形成された場合には、第4の中心軸線Cに沿う管路が残されているため、吐出方向を第4の中心軸線Cに沿う方向にすることができる。
第1比較例では、吐出口20aと吐出口20bとの開口の大きさが異なる。このため、吐出口20aが詰まってしまうと、より大きな開口を有する吐出口20bしか形成できない。吐出口20bは、吐出口20aよりも弱い押出力でも吐出口20aと同量以上に吐出されてしまうため、吐出口20aと同様の塗布作業を行うことが難しくなる。例えば、狭い領域に少量の塗布剤を塗布する必要がある場合のような繊細さが求められる塗布作業が難しくなってしまう。
これに対して、本実施形態の塗布ノズル2は、ストレートノズルと同様の用途であれば、上述のように、吐出口の断面積をほとんど変えることなくより基端側に新たな吐出口を形成することができる。このため、新たな吐出口を形成しても、略同様の塗布作業を続けることができる。
図11に、第2比較例の塗布ノズル21における吐出口の形成方法の一例を示す。第2比較例の塗布ノズル21は、中心軸線C21を中心とする斜円錐状のストレートノズルである。
第2比較例では、例えば、中心軸線C21と図示右下がりの斜め方向に交差する切断線L21a(L21b)に沿って、先端部を切除することによって、吐出口21a(21b)が形成される。ここで、切断線L21a、L21bは互いに平行である。切断線L21aは、切断線L21bよりもより先端側に位置する。
このような斜円錐状の塗布ノズル21は、図示略の接続部の中心軸線から吐出口21a(21b)が偏心しているため、塗布部の配置または形状によっては、第1比較例の塗布ノズル20よりも、塗布作業がやりやすくなる場合がある。
しかし、塗布ノズル21においては、上記第1比較例と同様、塗布剤が基端側で加圧されると、管路中心の中心軸線C21を中心として中心軸線C21に沿う主要な流れが形成される。このため、上記第1比較例と同様、塗布剤全体としては、中心軸線C21に略沿って吐出される。
したがって、切断線L21a(L21b)の傾斜を変えても、カーブノズルのように、吐出方向を斜め方向に変えることは難しいため、本実施形態の塗布ノズル2に比べると、塗布作業が難しくなってしまう。
さらに、吐出口21a、21bの開口の大きさが異なってしまうことも、上記第1比較例と同様である。
塗布ノズル2は、アンダーカットを有しないため、従来の湾曲した管路を有するカーブノズルとは形状が異なる。しかし、上述のように、塗布ノズル2によれば、先端部2hに吐出口2pを形成することによって吐出方向を第1の中心軸線Cに対する斜め方向にすることができるため、カーブノズルのような使い方が可能である。さらに、塗布ノズル2によれば、管状部2gに吐出口2qを形成することによって、断面積が一定の吐出口が再生可能なストレートノズルとして用いることも可能である。
次に、塗布ノズル2の作用について、塗布時の使用方法とともに説明する。
図12、図13は、それぞれ、本発明の実施形態の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。
図12に、吐出口2pが形成された塗布ノズル2および塗布用カートリッジ1の使用方法の一例を示す。第1使用例における塗布部は、壁30に嵌め込まれた窓サッシ31の上面31aと、壁30の表面30aとで形成される隅部である。このような塗布部では、上方に図示略の天井があるため、塗布ノズル2をできるだけ水平に近い状態に構えて塗布作業が行えることが好ましい。塗布ノズル2を水平に近い状態に配置することによって、使用者は、塗布作業中に斜め上から塗布部の状況を視認しやすくなる。
本使用例に置いて使用される塗布剤6は、例えば、シリコーン充填剤である。
塗布用カートリッジ1は、シリコーンガンなどの押出装置4にセットされる。押出装置4は、塗布剤容器3の長手方向に沿って延びている。押出装置4の先端部からは、塗布ノズル2が押出装置4の長手方向に沿って延びている。使用者は、予め、塗布ノズル2に吐出口2pを形成しておく。なお、図12は模式図のため、ノズル連結部3bの図示は省略されている(図13も同様)。
使用者は、窓サッシ31の上面31aと、壁30の下端部の表面30aとによって形成される隅部に吐出口2pが近接して対向するように、押出装置4を保持する。具体的には、吐出口2pの切り口の外周部が表面30aと上面31aと接するように配置されることがより好ましい。
壁30の表面30aからは窓サッシ31の上面31aが飛び出しているが、塗布ノズル2の管状部2gが上面31aの飛び出し量よりも長くしておくことによって、塗布ノズル2を略水平に配置することが可能である。
さらに、管状部2gの第3の中心軸線Cは、第1の中心軸線Cに対して図示上方にΔだけ偏心している。このため、塗布剤容器3および押出装置4は、Δ程度図示下方にずれた位置に配置される。これにより、使用者が押出装置4を保持する高さがΔ程度低くなり、塗布ノズル2の図示上方にそれだけ見通しのよい空間が拡がる。
この結果、窓サッシ31の上部の塗布部への塗布作業でも、塗布部の周辺が使用者によって視認しやすくなる。このため、作業性が向上するとともに、仕上がりを確認しながら塗布作業が行える。
使用者が押出装置4を操作すると、吐出口2pから塗布剤6が吐出される。塗布剤6は、第4の中心軸線Cに沿って、図示右下がりの斜め方向に吐出される。このため、吐出口2pが塗布部の上側に配置されていても、塗布剤6が塗布部に効率的に充填される。
使用者は、例えば、押出装置4を紙面奥側に移動することによって、窓サッシ31の上辺部に沿って塗布剤6を塗布することができる。
本実施形態では、管状部2gおよび先端部2hの断面形状が第1の方向dに短軸を有する楕円形である。このため、管状部2gおよび先端部2hは、内面Sの流路断面積は、同じ隙間に挿入できる円管の内周面の流路断面積よりも大きくなる。このため、管状部2gおよび先端部2hにおける塗布剤6の流動抵抗が円管に比べて低減される。このため、塗布剤6を押し出すための力量が低減される。
図13に、吐出口2pが形成された塗布ノズル2および塗布用カートリッジ1の使用方法の他の一例を示す。第2使用例における塗布部は、躯体32から突出したサッシ取り付け部32bの表面32cと、サッシ取り付け部32b上に嵌め込まれた窓サッシ33の下部における下面33aとで形成される隅部である。本使用例に置いて使用される塗布剤6は、例えば、シリコーン充填剤である。
窓サッシ33は、床面に近い部位に取り付けられるため、躯体32の版状部32aと窓サッシ33の下面33aとの間の隙間Hは、押出装置4の先端部の大きさの半分程度しかない。
このような塗布部では、版状部32aと下面33aとの隙間Hが小さいため、塗布ノズル2をできるだけ水平に近い状態に構えて塗布作業が行えることが好ましい。このとき、使用者は、塗布部および塗布ノズル2の先端を視認できないため、塗布剤6が確実に隅部に向かうように押出装置4を保持できることが重要である。
本使用例においても、第1使用例と同様に、吐出口2pが形成された塗布ノズル2が用いられる。
使用者は、吐出口2pが斜め上方を向くように、第1使用例と上下の向きを逆にした状態で、管状部2gを、窓サッシ33の下面33aの下側に挿入する。使用者は、できるだけ管状部2gが水平に近い姿勢となるように押出装置4を保持した状態で吐出口2pをサッシ取り付け部32bの表面32cに近づける。
このとき、管状部2gの第3の中心軸線Cは、第1の中心軸線Cよりも図示下方に約Δだけ偏心している。このため、押出装置4の先端部の大きさの半分程度しかない隙間Hに管状部2gを挿入しても、管状部2gを下面33aに近づけることで、押出装置4が版状部32aと干渉しない状態で、押出装置4を略水平に保持できる。
使用者が押出装置4を操作すると、吐出口2pから塗布剤6が吐出される。塗布剤6は、第4の中心軸線Cに沿って、図示右上がりの斜め方向に吐出される。このため、吐出口2pが塗布部の下側に配置されていても、塗布剤6が塗布部に効率的に充填される。
使用者は、例えば、押出装置4を紙面奥側に移動することによって、窓サッシ33の下辺部に沿って塗布剤6を塗布することができる。
次に、本実施形態の塗布ノズル2の使用時における作用について、比較例と対比して説明する。ただし、上記第1使用例、上記第2使用例のいずれにおいても、上記第2比較例よりは上記第1比較例の方が塗布しにくいことは明らかであるため、以下では、第2比較例の塗布ノズル21と対比して説明する。
図14、図15は、それぞれ、第2比較例の塗布ノズルの作用について説明する模式図である。
図14は、上述の第1使用例において、塗布ノズル2に代えて塗布ノズル21を用いる場合の例を示す。吐出口としては上述の吐出口21aが形成されている。
塗布ノズル21は、斜円錐状のノズルであるため、吐出口21aは、塗布ノズル21の基端部の中心に対して径方向に偏心している。このため、押出装置4は、この偏心量に対応して、図示下方に配置することができる。
しかし、塗布ノズル21は、偏心方向と反対側の外面21fが、吐出口21aから一定の傾斜に沿って延びている。このため、塗布ノズル21は、外面21fが上面31aと平行になる角度が最も浅い傾斜になる。
したがって、塗布ノズル21が用いられる場合には、吐出口21aの偏心量が本実施形態と同様にΔであっても、水平面に対する押出装置4の傾斜は、塗布ノズル21の方が確実に大きくなってしまう。このため、塗布ノズル21が用いられる場合には、図示上方に本実施形態の塗布ノズル2が用いられる場合に比べると、塗布ノズル2の上方における空間が狭まってしまう。この結果、押出装置4が保持しにくくなるため、作業性が低下する。さらに、塗布部の周辺が使用者によって視認しにくくなるため、仕上がりを確認しながら塗布作業を行うことができなくなってしまう。
図15は、上述の第2使用例において、塗布ノズル2に代えて塗布ノズル21を用いる場合の例を示す。
第2使用例のように、隙間Hが狭い場合、塗布ノズル21の外面21fを下面33aに平行に配置することはできなくなる。この場合、押出装置4を水平に近づけて保持しても、外面21fと窓サッシ33の角部とが干渉するため、吐出口21aの切り口を下面33aに当接させることができなくなる。この状態で塗布剤6が押し出されると、塗布剤6は、中心軸線C21に沿って図示右下がりに吐出される。吐出された塗布剤6は、下面33aよりも下方の表面32cに集まってしまうため、下面33aと表面32cと形成される隅部には、塗布剤6が回り込めなくなり、塗布不良になってしまう。
本実施形態の塗布ノズル2を用いる場合には、上述したように、第1使用例および第2使用例において、第2比較例の塗布ノズル21のような問題は発生しない。
以上説明したように、本実施形態の塗布ノズル2および塗布ノズル2を備える塗布用カートリッジ1によれば、種々の塗布部に塗布剤を容易に塗布することが可能となり、コストも低減できる。
なお、上記実施形態の説明では、管状部2gおよび先端部2hにおいて中心軸線Cに直交する断面における断面形状が楕円形の例で説明した。しかし、管状部2gおよび先端部2hの断面形状は、楕円形に近い略楕円形であればよく、厳密な楕円形には限定されない。
さらに、管状部2gおよび先端部2hの断面形状は、短軸と長軸とが区別できる扁平形状であれば、楕円形以外の断面形状が用いられてもよい。例えば、管状部2gおよび先端部2hの断面形状は、長円形、長方形、多角形などであってもよい。
上記実施形態の説明では、縮径部2fにおいて中心軸線Cに直交する断面における断面形状は、基端側で円形、先端側で楕円形である場合の例で説明した。しかし、縮径部2fの断面形状は、基端側で正多角形、先端側で短軸と長軸とが区別できる扁平な多角形であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 塗布用カートリッジ
2 塗布ノズル
2A 接続部
2B ノズル本体部
2d 円形断面部
2e 楕円形断面部
2f 縮径部
2g 管状部
2h 先端部
2j 傾斜部
2p、2q 吐出口
3 塗布剤容器
4 押出装置
6 塗布剤
30 壁
31、33 窓サッシ
32 躯体
32b サッシ取り付け部
C 中心軸線
第1の中心軸線
第2の中心軸線
第3の中心軸線
第4の中心軸線
d 第1の方向
内面
外面

Claims (7)

  1. 第1の中心軸線を中心とする管状に形成され、塗布剤容器と接続する接続部と、
    前記接続部の端部に接続され、前記接続部から離れるにつれて前記第1の中心軸線から第1の方向において連続的に偏心する第2の中心軸線を中心とする管状に形成され、前記接続部から離れるにつれて縮径する縮径部と、
    前記縮径部において前記接続部と反対側の端部に接続され、前記第1の中心軸線に対して前記第1の方向に偏心して前記第1の中心軸線と平行に延びる第3の中心軸線を中心とする管状に形成され、前記縮径部の最小外形を超えることなくかつ前記縮径部よりも外形変化が緩やかな状態で前記第3の中心軸線に沿う方向に延びる管状部と、
    前記管状部における前記縮径部と反対側の端部に接続され、前記管状部の最小外形を超えない外形を有する先端部と、
    を備える、塗布ノズル。
  2. 前記縮径部、前記管状部、および前記先端部は、
    前記第1の中心軸線に沿う方向から見て、アンダーカットを有しない形状に形成されている、
    請求項1に記載の塗布ノズル。
  3. 前記先端部は、
    前記管状部から離れるにつれて、前記第3の中心軸線から前記第1の中心軸線の方にむかって傾斜または湾曲する第4の中心軸線に沿って延びる、
    請求項2に記載の塗布ノズル。
  4. 前記第3の中心軸線に直交する断面における前記管状部の断面形状は、
    前記第1の方向に短軸を有する略楕円状である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布ノズル。
  5. 前記縮径部、前記管状部、および前記先端部の肉厚は、それぞれ略一定である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布ノズル。
  6. 前記先端部には、塗布剤を吐出する吐出口が形成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布ノズル。
  7. 塗布剤を収容する塗布剤容器と、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布ノズルと、
    を備える、塗布用カートリッジ。
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