以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、パチンコ遊技機の正面図である。パチンコ遊技機(以下、適宜に「遊技機1」と呼ぶ)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、略円形状の遊技領域が形成されている。遊技機用枠3は、図2に示すように、遊技枠3A及び扉枠3Bを備えている。遊技枠3Aは、箱状の枠体である。扉枠3Bは、正面視した大きさが遊技枠3Aと略同じ大きさとされており、遊技枠3Aに対して開閉可能に設けられている。また、遊技枠3Aの左側端部には、上下方向に延在する回転軸部材が設けられている。扉枠3Bは、回転軸部材を中心として鉛直軸周りに回動可能とされており、回転軸部材を中心として回動することにより、開放状態または閉鎖状態となる。扉枠3Bが開放状態となることで遊技機1の外側から遊技盤2に接触可能となり、扉枠3Bが閉鎖状態となることで扉枠3Bが遊技盤2の遊技領域(以下、単に遊技領域という)を覆って遊技機1の外側から遊技盤2に接触不能となる。扉枠3Bには、図示しないガラス板が設けられている。ガラス板としては、例えば2枚のガラス板が平行に並べて配置されているが、1枚のガラス板が設けられていてもよい。遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。以下、遊技領域内または遊技領域周辺の主要部材について説明する。
図1に示すように、遊技盤2には、スクリーン5(後述の特別スクリーン205との区別において「メインスクリーン5」ともいう)、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、センターフレーム4C、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普通図柄表示器20、通過ゲート41、普図保留表示器25C、ロゴ役物26、及び装飾構造物27が設けられている。また、ロゴ役物26には、図2に示すように、反射ミラー28が設けられている。遊技機用枠3には、図7に示すように、スピーカ8(スピーカ8L、8R)、遊技効果ランプ9、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B、コントローラセンサユニット31C、プッシュセンサ31D、十字ボタン31E、ボタンセンサ31F、センサ類205SX(図4に示す左原点センサ205YL、右原点センサ205YR、左上端センサ205ZL、右上端センサ205ZR)、及び昇降モータ205M(図4に示す左昇降モータ205ML、右昇降モータ205MR)が設けられている。さらに、図2に示すように、遊技盤2の裏面側であって遊技枠3Aの内側上方には、プロジェクタ32が設けられており、遊技枠3Aの内側下前方には、サブLED33が設けられている。また、図2に示すように、遊技盤2には、特別スクリーン装置205が設けられている。特別スクリーン装置205は、特別スクリーン205Aを備えている。特別スクリーン205Aは、プロジェクタ32から照射される光の照射側から見てスクリーン5より前方に出現可能とされている。プロジェクタ32は、スクリーン5よりも手前側(遊技者側)に配置されているので、特別スクリーン205Aは、スクリーン5の手前位置に出現可能とされている。特別スクリーン205Aは、所定のリーチ演出、例えば特別スクリーン出現演出が実行されるときに出現する。特別スクリーン205Aには、平面状の画像表示領域が形成されている。演出制御基板12における表示制御部123(図7参照)の制御によって、プロジェクタ32は、スクリーン5と特別スクリーン205Aとの各々に応じたフォーカスにより画像(映像)を投影可能である。
遊技盤2に設けられた普通入賞球装置6Aは、常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図7に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、通常開放状態と拡大開放状態とに変化する電動チューリップ型役物を備え、始動領域としての第2始動入賞口を形成する。なお、電動チューリップ型役物は、普図ゲーム(後述)における可変表示結果(最終結果)が「普図当り」になった場合に拡大開放状態に制御される。特別可変入賞球装置7は、図7に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。なお、大入賞口は、第1特図ゲーム(後述)または第2特図ゲーム(後述)における可変表示結果(最終結果)が「大当り」になった場合等に開放状態に制御される。
第1特別図柄表示装置4Aは、普通入賞球装置6Aへの入賞の後に(遊技球が第1始動入賞口を通過したことによる第1始動条件が成立した後に)、後述する第1開始条件が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示を行う。第2特別図柄表示装置4Bは、普通可変入賞球装置6Bへの入賞の後に(遊技球が第2始動入賞口を通過したことによる第2始動条件が成立した後に)、後述する第2開始条件が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示を行う。
以下、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を第1特図とも称し、第1特図の可変表示を「第1特図ゲーム」とも称する。第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を第2特図とも称し、第2特図の可変表示を「第2特図ゲーム」とも称する。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームの両方を「特図ゲーム」と総称し、第1始動条件と第2始動条件の両方を「特図始動条件」と総称し、第1開始条件と第2開始条件の両方を「特図開始条件」と総称する場合がある。
特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になった後(例えば、大当り図柄として予め定められた特別図柄が可変表示結果として導出表示(停止表示)された後)には、大当り遊技状態(遊技者にとって有利な有利状態の一例)に制御される。大当り遊技状態とは、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間、大入賞口を開放状態に制御する遊技状態である。
普通入賞球装置6Aへの入賞があったにもかかわらず(第1始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ第1特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件とも称する)が成立していないときには、当該入賞に対応する可変表示は、保留記憶として記憶される。具体的には、当該入賞に基づく可変表示(第1特図ゲーム)を実行するための情報が、所定数(例えば4)を上限に入賞順がわかるような態様で保留される(第1特図保留記憶として記憶される。詳細は後述する)。普通可変入賞球装置6Bへの入賞があったにもかかわらず(第2始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ第2特図ゲームを開始するための開始条件(第2開始条件とも称する)が成立していないときには、当該入賞に対応する可変表示は、保留記憶として記憶される。具体的には、当該入賞に基づく可変表示(第2特図ゲーム)を実行するための情報が、所定数(例えば4)を上限に入賞順がわかるような態様で保留される(第2特図保留記憶として記憶される。詳細は後述する)。また、例えば、第1特図保留記憶や第2特図保留記憶とは別に第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とを合せた全体(下記の特図保留記憶)における入賞順がわかるような情報を記憶してもよい。なお、第1始動条件の成立時に直ちに第1開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが(記憶後に直ちに消化されるが)、第1特図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。また、第2始動条件の成立時に直ちに第2開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが、第2特図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。なお、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶の両方を「特図保留記憶」と総称する場合がある。これらの保留記憶はや入賞順がわかる情報は、RAM102の所定領域に記憶される。
特図開始条件は、例えば、特図ゲームの保留数(特図保留記憶数とも称する)が0でない場合であって、特図ゲームが実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立する。特図開始条件が成立したときは(特図ゲームが開始される毎に)、特図保留記憶は消化され(特図保留記憶が減少し)、特図ゲームが開始される。換言すれば、特図保留記憶は、特図ゲームが開始される毎に減少する。より詳細には、第1特図ゲームの保留数(第1特図保留記憶数)は、第1特図ゲームが開始される毎に(第1開始条件が成立する毎に)減少し、第2特図ゲームの保留数(第2特図保留記憶数)は、第2特図ゲームが開始される毎に(第2開始条件が成立する毎に)減少する。
本実施形態では、特図保留記憶は、第1特図保留記憶であるか第2特図保留記憶であるかにかかわらず、入賞順に消化する。従って、例えば、第1特図保留記憶、第1特図保留記憶、第2特図保留記憶、第1特図保留記憶の順に記憶されている場合には、第1開始条件、第1開始条件、第2開始条件、第1開始条件の順に成立する。つまり、上述したように、特図開始条件は、特図保留記憶数が0でない場合であって、特図ゲームが実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立するが、より詳細には、最も先に記憶された特図保留記憶が第1特図保留記憶である場合には第1開始条件が成立し、最も先に記憶された特図保留記憶が第2特図保留記憶である場合には第2開始条件が成立する。
センターフレーム4Cは、遊技盤2の中央に設けられており、センターフレーム4Cの中央部分にスクリーン取付孔2Aが形成されている。また、センターフレーム4Cの上端部分にロゴ役物26が取り付けられている。ロゴ役物26は、センターフレーム4Cに対して固定的に取り付けられているが、例えば上下方向に沿って移動する可動式などとしてもよい。
第1保留表示器25Aは、第1特図ゲームの保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図ゲームの保留数(第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する。普通図柄表示器20は、遊技球が通過ゲート41を通過した後に(遊技球が通過ゲート41を通過したことによる普図始動条件が成立した後に)、後述する普図ゲームの開始条件が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示を行う。なお、普通図柄の可変表示を「普図ゲーム」とも称する。
遊技球が通過ゲート41を通過したにもかかわらず(普図始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ普図ゲームの開始条件(普図開始条件とも称する)が成立していないときには、当該通過に基づく可変表示(普図ゲーム)は所定数(例えば4)を上限に保留される(普図保留記憶として記憶される)。
普図ゲームの開始条件(普図開始条件)は、例えば、普通保留記憶数が0でない場合であって、普通図柄の可変表示(普図ゲーム)が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立する条件であってもよい。なお、普図始動条件の成立時に直ちに普図開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが、普図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。
普図保留表示器25Cは、普図ゲームの保留数(普図保留記憶数)を特定可能に表示する。なお、普図ゲームの保留数(普図保留記憶数とも称する)は、普図ゲームが開始される毎に(普図開始条件が成立する毎に)減少する。
ロゴ役物26は、図2に示すように、装飾材26A及び役物用筐体26Bを備えて構成されている。装飾材26Aは、光透過性材料によって形成されており、役物用筐体26Bは、光非透過性材料によって形成されている。また、装飾材26Aには、図1に示すように、正面からみて例えば「FEVER」の文字が表されている。役物用筐体26Bは、前面側が開口した箱状をなしており、開口した部分に装飾材26Aが嵌め込まれている。役物用筐体26Bの裏面略中央位置には、プロジェクタ32から投影される投影光LPが通過する開口部が形成されており、役物用筐体26Bの裏面下側及び下面裏側には、反射ミラー28が反射した投影光(映像)LPが通過する開口部が形成されている。また、ロゴ役物26における役物用筐体26Bの内側に反射ミラー28が固定された状態で取り付けられている。役物用筐体26Bの内側及び反射ミラー28の裏面側は白色であり、反射率が高くなっている。なお、反射ミラー28は遊技機1の後方を向いているので、反射ミラー28の裏面は、遊技機1の前方を向いている。
図2に示すように、プロジェクタ32は、スクリーン5の上方に配置され、高さ方向に見ると、反射ミラー28は、プロジェクタ32の下方であり、スクリーン5の上方に配置されている。このため、スクリーン5に形成された画像表示領域5X(図3参照)のうち、下方の方が上方よりもプロジェクタ32に対する離間距離が大きくなる。したがって、画像表示領域5Xの下方に到達する光は、画像表示領域5Xの上方に到達する光よりも長い光路を経てプロジェクタ32からスクリーン5の画像表示領域5Xに到達する。なお、プロジェクタ32は、特別スクリーン205Aの上方に配置され、高さ方向に見ると、反射ミラー28は、プロジェクタ32の下方であり、特別スクリーン205Aの上方に配置されているのは、スクリーン5と同様である。
プロジェクタ32は、スクリーン5の上方位置において、投影した投影光LPが反射ミラー28に到達する向きで配置されている。また、反射ミラー28は、プロジェクタ32が投影した投影光がスクリーン5に向かう向きで配置されている。プロジェクタ32は遊技枠3Aに設けられ、反射ミラー28は、遊技枠3Aに固定される遊技盤2に取り付けられたロゴ役物26に設けられている。このため、遊技機1を移動させたり、扉枠3Bを開閉させたりしたとしてもプロジェクタ32と反射ミラー28との相対的な位置関係、さらには、プロジェクタ32とスクリーン5との相対的な位置関係は変化せずに維持される。したがって、遊技機1の移動や扉枠3Bの開閉があったとしても、スクリーン5における適切な位置にプロジェクタ32から画像を投影することができる。また、反射ミラー28がロゴ役物26の裏面側に設けられていることにより、意匠性を損なうことなく反射ミラー28を設けることができる。
プロジェクタ32から投影される画像(投影画像)は、プロジェクタ32から画像表示領域5Xへの投影状態によって生じる色調の偏りが調整されている。投影状態によって生じる色調の偏りを調整するため、反射ミラー28の表面には、色補正フィルタ28Fが配置され設けられている。投影状態とは、プロジェクタ32が画像をスクリーン5(または特別スクリーン205A)に投影する際の状態であり、例えばプロジェクタ32とスクリーン5(または特別スクリーン205A)との間における距離や角度などの位置関係、プロジェクタ32から投影される画像の照度や照度分布などをいう。色補正フィルタ28Fは、例えば偏光フィルタによって構成されている。色補正フィルタ28Fは、色調補正フィルタであり、画像の一部について、他の部分に対してコントラストを高く(濃く)するように補正を掛けるフィルタである。色補正フィルタ28Fでは、プロジェクタ32から投影され、スクリーン5(または特別スクリーン205A)の画像表示領域5Xに表示される画像における下端部近傍部分が、他の部分よりもはっきり映るように色の三属性、そのうちの例えば明度及び彩度を補正する。
プロジェクタ32は、例えばステッピングモータなどの駆動源を備えるプロジェクタ移動装置32Aに搭載されている。プロジェクタ移動装置32Aは、基台と、基台に対して前後上下左右に移動可能とされた移動部材とを備えている。この移動部材は、ボールねじ機構(あるいはラック・ピニオン機構や、ベルト機構等であってもよい)とその駆動源とを、前後用、上下用及び左右用の3セット備えている。この駆動源は例えばステッピングモータである。ステッピングモータは、パルスが一回送られるたびに一定の角度だけ回転するモータである。この回転角はステップ角と呼ばれる。例えば5相ステッピングモータの場合には、基本ステップ角が0.72°であり、125ステップの信号が入力されるとこのモータが90°回転することになる。例えば前後用のステッピングモータについて言えば、正方向のステップ角に応じて移動部材が前方向に移動し、負方向のステップ角に応じて移動部材が後方向に移動することになる。上下用及び左右用のステッピングモータについても、前後用のステッピングモータの場合と基本的に同様である。プロジェクタ移動装置32Aにおける基台が遊技枠3Aに取り付けられており、プロジェクタ32が移動部材に取り付けられている。このため、プロジェクタ32は、遊技枠3Aに対して上下前後左右に移動可能とされている。ここで、プロジェクタ32のスクリーン5に対する上下前後左右の相対位置、プロジェクタ32のスクリーン5に対する相対距離などを投影姿勢といい、プロジェクタ32が上下前後左右に移動すると、プロジェクタ32の投影姿勢が変化する。逆に、プロジェクタ32が移動しないと、プロジェクタ32の投影姿勢は変化せずに維持される。
反射ミラー28は、例えばステッピングモータなどの駆動源を備えるミラー移動装置28Aに取り付けられている。ミラー移動装置28Aは、役物用筐体26Bに吊下げられた固定部と、固定部に対して相対的に上下左右に移動する移動部と、を備えている。固定部は、ロゴ役物26の内側に固定されており、移動部に反射ミラー28が取り付けられている。このため、反射ミラー28は、ロゴ役物26に対して相対的に上下左右に移動可能とされている。これらのプロジェクタ移動装置32A及びミラー移動装置28Aは、作業員等(例えば、遊技機1の製造会社などの作業者や、遊技機1が設置された遊技店の関係者など)による十字ボタン31E等(後述する図16に示すコマンド入力装置38やコントローラ210などであってもよい)の操作に基づいてプロジェクタ32が移動可能とされている。なお、作業員等による十字ボタン31E等の操作に基づいてプロジェクタ32及び反射ミラー28が移動可能としてもよい。
プロジェクタ32は、プロジェクタ移動装置32Aによって移動可能とされているが、プロジェクタ32には、図13(C)に示すように第1正位置及び第2正位置が設定されている。プロジェクタ32が第1正位置にあるときには、スクリーン5に対してフォーカスが合わされており(つまり、スクリーン5までの投影距離が第1焦点距離となっており)、プロジェクタ32から投影される画像は、スクリーン5にピントが合った状態(スクリーン5に応じた第1焦点距離に合った状態)で適切に表示される。また、プロジェクタ32が第2正位置にあるときには、特別スクリーン205Aに対してフォーカスが合わされており(つまり、特別スクリーン205Aまでの投影距離が第2焦点距離となっており)、プロジェクタ32から投影される画像は、特別スクリーン205Aにピントが合った状態(特別スクリーン205Aに応じた第2焦点距離に合った状態)で適切に表示される。換言すれば、プロジェクタ32の第1正位置は、スクリーン5までの投影距離が第1焦点距離と合った位置であり、プロジェクタ32から投影される画像がスクリーン5に適切に表示される位置である。プロジェクタ32の第2正位置は、特別スクリーン205Aまでの投影距離が第2焦点距離と合った位置であり、プロジェクタ32から投影される画像が特別スクリーン205Aに適切に表示される位置である。また、プロジェクタ移動装置32Aからの距離は、スクリーン5の方が特別スクリーン205Aよりも遠い。このため、プロジェクタ32の第1正位置は、第2正位置よりも前方(反射ミラー28に近い方)となっている。また、プロジェクタ32には、第1正位置及び第2正位置の他に、原点位置が設定されている。当該原点位置は、例えば、所定の対象にピントを合わせる前の任意の位置であり、プロジェクタ32の仕様に応じて予め設定されている位置であり、前述の第1焦点距離及び第2焦点距離とは異なり、焦点距離としての原点となる位置でもある。プロジェクタ32が原点位置に位置することは、原点位置センサ32B(図8参照)によって検出可能となっている。
スクリーン5は、遊技盤2の中央に形成されたスクリーン取付孔2Aに設けられており、遊技盤2の奥方に配置されている。スクリーン5は、遊技盤2の奥方に固定されて設けられている。このため、プロジェクタ32が動かない場合には、スクリーン5とプロジェクタ32との距離は一定である。また、反射ミラー28が動かない場合には、スクリーン5と反射ミラー28との距離も一定である。スクリーン5は、横長の長方形状をなし、飾り図柄(演出図柄とも称する)の可変表示や各種の演出表示を行う。特別スクリーン205Aは、プロジェクタ32から見た場合、スクリーン5よりも遠い位置に配置されている。しかし、プロジェクタ32から投影される光は、反射ミラー28によって反射されてスクリーン5や特別スクリーン205Aに到達する。このため、プロジェクタ32から照射される光の照射側から見た場合、特別スクリーン205Aは、スクリーン5の前方に出現可能とされている。
また、図1、図2に示すように、スクリーン5は、平面表示領域5A及び立体表示領域5Bを備えている。これらの平面表示領域5A及び立体表示領域5Bによって画像表示領域5Xが構成される(図3参照)。画像表示領域5Xには、種々の画像が表示される。立体表示領域5Bは、中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、左立体表示領域5BL、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULを備えている。これらの中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、左立体表示領域5BL、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULは、投影される画像に対応する外形形状に形成されている。例えば中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR及び左立体表示領域5BLは、ここではいずれもフィギア状をなしている。また、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULは、ここではいずれも飾り図柄の外形形状(図柄状)をなしている。スクリーン5は、平面板にフィギア状や図柄状などの立体物が貼り付けられて形成されており、立体物が貼り付けられていない位置が平面表示領域5Aとなり、立体物が貼り付けられた位置が立体表示領域5Bとなる。なお、スクリーン5は、平面板に立体物を貼り付けて形成されるものに限らず、該スクリーン5の投影面の削り出しで平面表示領域5A及び立体表示領域5Bが形成されるものや、射出成形などで平面表示領域5A及び立体表示領域5Bが形成されるものであってもよい。
平面表示領域5Aには、背景画像などが主に表示される。また、中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、及び左立体表示領域5BLには、それぞれの立体表示領域に対応するキャラクタ(後に説明する特定画像)が主に表示される。図3に示す例では、中央立体表示領域5BCにメインキャラクタ画像MCが表示され、左立体表示領域5BLに第1サブキャラクタ画像SC1が表示され、右立体表示領域5BRに第2サブキャラクタ画像SC2が表示される。特図ゲームが開始される際には、原則的に、各立体表示領域5BC,5BL,5BRに各キャラクタ画像MC,SC1,SC2を表示した状態として演出を実行する。
なお、中央立体表示領域5BC、左立体表示領域5BL、右立体表示領域5BRには、それぞれ対応するメインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SCを表示しているが、他の画像を表示するようにしてもよい。例えば、表示されるキャラクタが入れ替わり、中央立体表示領域5BCに第1サブキャラクタ画像SC1または第2サブキャラクタ画像SC2が表示されるようにしてもよい。また、立体表示領域5Bにキャラクタ以外の画像、例えば背景画像が表示されるようにしてもよいし、平面表示領域5Aにキャラクタ画像が表示されるようにしてもよい。
図3に示すように、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULは、飾り図柄(後に説明する特定画像)が表示される飾り図柄表示エリア5C,5R,5Lに対応しており、特図ゲームに対応して飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄表示エリア5C,5R,5Lの詳細については後述する。
スクリーン5上における画像表示領域5Xは、プロジェクタ32から投影される映像(画像)が表示される投影領域となる。プロジェクタ32から投影された映像は、反射ミラー28で反射されてスクリーン5上の画像表示領域5Xに表示される。スクリーン5上の画像表示領域5Xに表示される画像は、プロジェクタ32が投影する映像によって形成されることとなる。画像表示領域5Xは、スクリーン5の平面表示領域5A及び立体表示領域5Bの双方に形成され、プロジェクタ32からの映像によるいわゆるプロジェクションマッピングによって演出が実行される。
スクリーン5における立体表示領域5Bに映像が投影されることにより、図3(A)に示すように、立体表示領域5Bには、立体形状に合わせた立体画像に見える画像は表示される。また、立体表示領域5Bに映像が投影されていない状態では、図3(B)に示すように、立体表示領域5Bにおける立体形状は視認困難な状態であり、遊技者が立体表示領域5Bの立体形状を認識することは難しい状態となっている。
また、スクリーン5には、図2に示すように、平面表示領域5Aに対して前方側(遊技者側)に突出した保留表示エリア5Hが設けられている。なお、図2では図示していないが、今回表示エリア5Kも平面表示領域5Aに対して前方側(遊技者側)に突出して設けられる(図18参照)。また、図3に示す保留数表示エリア5Fも平面表示領域5Aに対して前方側(遊技者側)に突出して設けられる。保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kや保留数表示エリア5Fの詳細については後述する。
立体表示領域5Bや突出した保留表示エリア5Hが設けられていることにより、プロジェクタ32とスクリーン5との間の距離は一様ではない。具体的には、プロジェクタ32からスクリーン5までの投影距離についてみれば、立体表示領域5Bの方が、平面表示領域5Aよりも近くなる。このため、プロジェクタ32から投影される映像の焦点は、プロジェクタ32から投影される映像における所定軸、例えば光軸上の立体表示領域5Bの表面に相当する位置(以下「立体表面相当位置」という)と平面表示領域5Aに相当する位置(以下「平面表面相当位置」という)の間の位置、例えばその中間位置に設定されている。立体表面相当位置と平面表面相当位置との間に焦点を設定することにより、スクリーン5の全面にわたって映像の歪みを小さくすることができる。また、立体表面相当位置と平面表面相当位置との間に焦点を設定する代わりに焦点を調節可能としてもよいし、立体表面相当位置と平面表面相当位置との間に焦点を設定し、さらに焦点を調節可能としてもよい。
また、図3(B)示すように、スクリーン5における複数箇所には、例えば点形状のマーカPS1〜PS13が描かれている。具体的には、スクリーン5における中心部、上部両端隅部及び下部両端隅部にはマーカPS1〜PS5が描かれ、スクリーン5における立体表示領域5Bの上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULにはマーカPS6〜PS8が描かれ、今回表示エリア5KにはマーカPS9が描かれ、中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR及び左立体表示領域5BLにはマーカPS10〜PS12が描かれ、保留数表示エリア5FにはマーカPS13が描かれている。マーカPS1〜PS13は、肉眼では視認しにくい色、例えば白色で描かれており、スクリーン5に画像が投影されているときには、遊技者がそのマーカを視認することは非常に難しくされている。マーカPS1〜PS13は、後に説明する表示画像の調整の際に利用される。なお、マーカPS1〜PS13は、白色などで描かれたもののほか、スクリーン5に形成された小孔やくぼみなどの凹部や、小突起などの凸部であってもよい。
なお、マーカPS1〜PS13としては、肉眼では視認しにくい色(例えば白色)で描かれたものに限らず、後に説明する表示画像の調整の際にのみ用いられる特殊な光(例えば紫外線など)を照射したときにだけ見える特殊な塗料を塗ったものとしてもよい。この場合には、マーカPS1〜PS13として白色に描かれたものとした場合や凹部または凸部とした場合では、マーカPS1〜PS13が遊技中に微かに見えることが懸念されるが、特殊な塗料を塗ったものとした場合にはマーカPS1〜PS13が遊技中に全く見えないようにすることができる。
また、プロジェクタ32及び反射ミラー28はスクリーン5の上方に配置されており、プロジェクタ32から投影される映像は、反射ミラー28に反射してスクリーン5の前上方からスクリーン5に投影される。こうして、プロジェクタ32は、投影光LPの光軸とスクリーン5の表示面(平面表示領域5A)とが直交せず、スクリーン5の表示面に対して斜めの投影方向からスクリーン5に画像を投影する。プロジェクタ32は、斜めの投影方向から画像を投影することから、スクリーン5に表示される画像は台形状となる。また、スクリーン5は長方形状であり、スクリーン5とプロジェクタ32から投影される画像の領域とは一致せず、スクリーン5は、スクリーン5に表示される画像よりも広くなっている。
このため、図3(A)に示すように、スクリーン5における平面表示領域5Aの範囲内における画像表示領域5Xのうち、平面表示領域5Aの下方の部分に形成される領域は、幅が広い幅広部5XWとされ、平面表示領域5Aの上方の部分に形成される領域は、幅広部5XWよりも幅が狭い幅狭部5XNとされる。幅狭部5XNは台形状をなし、幅広部5XWは長方形状をなしており、画像表示領域5Xは六角形状をなしている。なお、以下の説明では、画像表示領域5Xの形状は、六角形状を概略化して台形状であると称することもある。また、スクリーン5は長方形状をなすことから、幅狭部5XNの左右位置は、プロジェクタ32から投影された映像が届かないか、届いたとしても映像を表示しない非投影領域5NL,5NRとなる。
非投影領域5NL,5NRは、幅狭部5XNの外の領域に相当し、画像表示領域5Xにおける幅広部5XWと幅狭部5XNとの幅の差分を有する領域である。言い換えると、幅広部5XWの幅と、幅狭部5XNのうちの最も幅が狭い部分の幅との差が、非投影領域5NL,5NRの最大幅となる。遊技枠3Aの内側下前方に設けられたサブLED33は、この非投影領域5NL,5NRに照射光LLを照射して非投影領域5NL,5NRを発光させ、スクリーン5の全面において、映像(光)が表示されない範囲をなくしている。なお、平面表示領域5Aの多くの部分が幅狭部5XNに含まれ、わずかな部分が幅広部5XWに含まれている。また、立体表示領域5Bは、全て幅広部5XWに含まれている。ただし、平面表示領域5A及び立体表示領域5Bが幅広部5XW及び幅狭部5XNのいずれに含まれるかについては他の態様としてもよい。例えば、幅広部5XWまたは幅狭部5XNに平面表示領域5Aの全体または立体表示領域5Bの全体が含まれていてもよいし、それらの各一部分が含まれていてもよい。
また、スクリーン5における周囲の部材、具体的には、センターフレーム4C、釘、風車などが難反射材で形成されている。難反射材としては、投影光LPを反射しにくい色である黒などの黒色系の色とされたものや、投影光LPを反射しにくい材質、例えばカーボンブラック、酸化クロム、表面が荒い材質のものを用いてもよい。
特別スクリーン装置205は、図4に示すように、特別スクリーン205Aを巻き取るスクリーン収容筒205Bを備えている。特別スクリーン205Aは、例えば布製であり、スクリーン収容筒205Bに巻き付け可能とされている。また、特別スクリーン205Aの表面は白色、裏面は黒色とされている。
特別スクリーン装置205は、左昇降モータ205ML及び右昇降モータ205MRを備えている。左昇降モータ205MLは、スクリーン収容筒205Bの左側方に配置され、右昇降モータ205MRは、スクリーン収容筒205Bの右側方に配置されている。左昇降モータ205MLの上方には、左ボールねじ205GLが設けられ、右昇降モータ205MRの上方には、右ボールねじ205GRが設けられている。左ボールねじ205GL及び右ボールねじ205GRは、いずれも上下方向に沿って延在して配置されている。
特別スクリーン装置205は、左ボールねじ205Gの回転に伴って上下動する左スライダ205SLと、右ボールねじ205GRに回転に伴って上下動する右スライダ205SRと、を備えている。左スライダ205SLは、左昇降モータ205MLが作動し、左ボールねじ205GLが鉛直軸周りに回転することによって上下動する。右スライダ205SRは、右昇降モータ205MRが作動し、右ボールねじ205GRが鉛直軸周りに回転することによって上下動する。なお、左スライダ205SL及び右スライダ205SRは、いずれも左ボールねじ205GL及び右ボールねじ205GL以外の機構、例えばラックアンドピニオン機構やベルト機構などによって上下動する態様としてもよい。
左昇降モータ205ML及び右昇降モータ205MRは、互いに同期して作動する。このため、左スライダ205SLと右スライダ205SRは、常に同じ高さ位置に配置される。左スライダ205SLと右スライダ205SRとの間には、昇降フレーム205Fが配設されている。昇降フレーム205Fは、左スライダ205SL及び右スライダ205SRに保持されている。このため、昇降フレーム205Fは、左スライダ205SL及び右スライダ205SRとともに上下動する。
昇降フレーム205Fには、特別スクリーン205Aの上端部が取り付けられている。図2に仮想線で示すように、この昇降フレーム205Fは、スクリーン取付孔2Aの下方に形成された特別スクリーン収容孔2AHに収容可能とされている。昇降フレーム205Fの上端面は平面状である。また、スクリーン収容筒205Bは、特別スクリーン収容孔2AHの下方に設けられている。特別スクリーン205Aがスクリーン収容筒205Bに収容された状態では、昇降フレーム205Fの上端面は、スクリーン取付孔2Aの底面と略面一となる。
スクリーン収容筒205Bは、筒体205BTと、筒体205BTと同軸状に配置された巻取軸205BAとを備えている。巻取軸205BAの一端には、歯車機構205Hが設けられており、歯車機構205Hは、左昇降モータ205MLと接続されている。巻取軸205BAには、特別スクリーン205Aが巻き付け可能とされている。
左昇降モータ205MLが作動すると、左スライダ205SLが上下動するとともに、スクリーン収容筒205Bの巻取軸205BAが回転する。左スライダ205SLが下降する方向に左昇降モータ205MLが作動すると、巻取軸205BAは、特別スクリーン205Aを巻き取る方向に回転する。逆に、左スライダ205SLが上昇する方向に左昇降モータ205MLが作動すると、巻取軸205BAは、特別スクリーン205Aを巻き出す方向に回転する。
左ボールねじ205GLの上部には、左上部ストッパソレノイド205ULが設けられ、右ボールねじ205GRの上部には、右上部ストッパソレノイド205URが設けられている。左上部ストッパソレノイド205ULがセットされると左スライダ205SLの下方への移動が規制され、左上部ストッパソレノイド205ULが解除されると、左スライダ205SLの下方への移動が可能となる。同様に、右上部ストッパソレノイド205URがセットされると右スライダ205SRの下方への移動が規制され、右上部ストッパソレノイド205URが解除されると、右スライダ205SRの下方への移動が可能となる。
また、左ボールねじ205GLの下部には、左下部ストッパソレノイド205DLが設けられ、右ボールねじ205GRの下部には、右下部ストッパソレノイド205DRが設けられている。左下部ストッパソレノイド205DLがセットされると左スライダ205SLの上方への移動が規制され、左下部ストッパソレノイド205DLが解除されると、左スライダ205SLの上方への移動が可能となる。同様に、右下部ストッパソレノイド205DRがセットされると右スライダ205SRの上方への移動が規制され、右下部ストッパソレノイド205DRが解除されると、右スライダ205SRの上方への移動が可能となる。
左スライダ205SL及び右スライダ205SRがそれぞれ左上部ストッパソレノイド205UL及び右上部ストッパソレノイド205URによって移動が規制されたときに、特別スクリーン装置205は、昇降フレーム205Fが最も高い位置に配置された状態(図4に示す状態、以下「セット状態」という)となる。特別スクリーン205Aは、セット状態のときに露出面積が最も広くなっている。
一方、左スライダ205SL及び右スライダ205SRがそれぞれ左下部ストッパソレノイド205DL及び右下部ストッパソレノイド205DRによって移動が規制されたときに、特別スクリーン装置205は、昇降フレーム205Fが最も低い位置に配置された状態(以下「収納状態」という)となる。特別スクリーン205Aは、収納状態であるときには、特別スクリーン205Aが露出しない状態となっている。
左上部ストッパソレノイド205ULの近傍には、左上端センサ205ZLが設けられ、右上部ストッパソレノイド205URの近傍には、右上端センサ205ZRが設けられている。左上端センサ205ZLは、特別スクリーン装置205がセット状態にあるときの左スライダ205SLを検出し、右上端センサ205ZRは、特別スクリーン装置205がセット状態にあるときの右スライダ205SRを検出する。左上端センサ205ZL及び右上端センサ205ZRは、それぞれ左スライダ205SL及び右スライダ205SRの動作端(上方の動作端)に配置されている。
左上端センサ205ZL及び右上端センサ205ZRがそれぞれ左スライダ205SL及び右スライダ205SRを検出したとき、特別スクリーン装置205はセット状態となっている。左上端センサ205ZL及び右上端センサ205ZRは、特別スクリーン装置205がセット状態にあるときの左スライダ205SL及び右スライダ205SRを検出したときに、それぞれ原点位置信号を演出制御用CPU120におけるプロジェクタ表示制御部213に送信する。
左下部ストッパソレノイド205DLの近傍には、左原点センサ205YLが設けられ、右下部ストッパソレノイド205DRの近傍には、右原点センサ205YRが設けられている。左原点センサ205YLは、特別スクリーン装置205が収納状態にあるときの左スライダ205SLを検出する。右原点センサ205YRは、特別スクリーン装置205が収納状態にあるときの右スライダ205SRを検出する。左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRは、それぞれ左スライダ205SL及び右スライダ205SRの動作端(下方の動作端)に配置されている。
左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRがそれぞれ左スライダ205SL及び右スライダ205SRを検出したとき、特別スクリーン装置205は収納状態となっている。左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRは、特別スクリーン装置205がセット状態にあるときの左スライダ205SL及び右スライダ205SRを検出したときに、それぞれ原点位置信号を演出制御用CPU120(図7)におけるプロジェクタ表示制御部213に送信する。
また、スクリーン5には、図5に示すように、飾り図柄表示エリア5L,5C,5R、保留表示エリア5H1,5H2、保留数表示エリア5F、及び今回表示エリア5Kが配置されている。また、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームに対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が導出表示されることに対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。なお、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々にて可変表示が行われる飾り図柄を夫々、左図柄、中図柄、右図柄とも称する。なお、識別情報の可変表示を可変表示ゲームと総称する場合があるが、上述した特図ゲーム、普図ゲームとともに、飾り図柄の可変表示も可変表示ゲームに含まれる。
特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になるときには、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。また、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」とならないときには、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、予め定められた大当り組み合わせとは異なる確定飾り図柄が導出表示される。予め定められた大当り組み合わせの一例は、左図柄、中図柄、右図柄が同一図柄となる組み合わせ(例えば、(「7」「7」「7」)等)である。
保留表示エリア5H1,5H2(総称して保留表示エリア5Hともいう)では、特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示の保留数が特定可能に表示される。例えば、保留表示エリア5H1,5H2では、第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶ごとの入賞順(消化順)がわかるような態様で、飾り図柄の可変表示の保留数に応じた数の保留表示が表示される。具体的には、第1保留表示エリア5H1には、第1保留記憶に対応する保留表示が左側から入賞順に従って並べられて表示され、第2保留表示エリア5H2には、第2特図保留記憶に対応する保留表示が右側から入賞順に従って並べられて表示される。また、保留表示エリア5H1,5H2では、当該特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示が開始される毎に、開始される可変表示に対応する保留表示が消去(消化)されるとともに、消去される保留表示の他に他の保留表示があるときには当該他の保留表示の表示位置が消去される保留表示の側(今回表示エリア5Kの側)に移動(シフト)される。
保留数表示エリア5Fでは、保留表示エリア5H1,5H2と同様、特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示の保留数が特定可能に表示される。その表示態様は、算用数字で表示される態様である。今回表示エリア5Kでは、今回表示(消化時表示、アクティブ表示などとも称される場合がある)が表示される。今回表示とは、消化された保留表示に対応する飾り図柄の可変表示に応じて表示されるもの(保留表示が消化されるときに消化される保留表示に代えて表示されるもの)である。なお、保留表示や今回表示は、単純な図形、例えば円形で示されている。
この実施形態では、図17に示すように、保留表示エリア5H(5H1、5H2)や今回表示エリア5Kは、スクリーン5の平面表示領域5Aから前方側(遊技者側)に突出している。このようにすることで、保留表示を遊技者が視認しやすくなる。保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kは、スクリーン5の平面表示領域5Aから前方側(遊技者側)に突出している領域を特定領域ともいう。なお、今回表示エリア5Kを設けなくてもよく、今回表示エリア5Kを突出させなくもよい。
また、各保留数(保留番号)に対応した保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kには、保留表示LED34が埋め込まれている。保留表示LED34は、例えば、任意の色を発光可能なフルカラーLEDで構成される。そして、飾り図柄の可変表示の保留数に応じて、各保留表示LED34が所定の態様で発光することで、保留表示として表示される。なお、保留表示LED34は、プロジェクタ32から画像や映像が投影されるスクリーン5上(内)に設けられる(図5参照)。このように、この実施形態では、プロジェクタ32から画像や映像が投影されるスクリーン5に、保留表示LED34といった発光手段を備えている。このように、プロジェクタ32から画像や映像といった光が投影される被投影部材であるスクリーン5に、発光手段を設けることで、プロジェクタからの光と発光手段の光を組み合わせた今までにない演出を実行でき、遊技の興趣が向上する。
図17に示すように、各保留表示エリア5Hの突出量は、それぞれ異なっている。第1保留表示エリア5H1には、左から保留番号1、保留番号2、保留番号3、保留番号4に対応した第1保留表示エリア5H1が設けられている。第1保留表示エリア5H2には、右から保留番号1、保留番号2、保留番号3、保留番号4に対応した第2保留表示エリア5H2が設けられている。各保留表示エリア5Hの突出量は、保留番号1>保留番号2>保留番号3>保留番号4の順に大きくなっている。このようにすることで、保留番号に応じて突出量にメリハリを付けることができる。また、可変表示の実行順が近い方(保留番号が若い方)の突出量が大きいので、可変表示の実行順を遊技者が把握しやすくなる。なお、保留番号によらず突出量が一定であってもよい。なお、各保留表示エリア5Hの突出量は、一定であってもよい。
また、今回表示エリア5Kの方が保留番号1に対応した保留表示エリア5Hよりも大きくなっている。このようにすることで、遊技者が今回表示を認識しやすくなり、遊技の興趣が向上する。
図18は、スクリーン5と保留表示エリア5Hと今回表示エリア5Kの側面図である。この実施形態では、図18(A)に示すように、保留表示エリア5Hと今回表示エリア5Kとが、平面表示領域5Aに対して前方側(遊技者側)に突出している。図18に示す例では、立体表示領域5Bは省略している。このように、保留表示エリア5Hと今回表示エリア5Kを遊技者側に突出させることで、遊技者が保留表示エリア5Hと今回表示エリア5K(保留表示や今回表示)を視認しやすくなる。
なお、平面表示領域5Aに対して前方側(遊技者側)に突出させるエリアは、この実施形態のように2カ所(保留表示エリア5Hを1単位とした場合)に限定されず、1カ所であってもよいし、3カ所以上でもよい。この場合において、図18(B)に示すように、例えば、第1保留表示エリア5H1をスクリーン5の下部にも設け、第2保留表示エリア5H2をスクリーン5の上部にも設けてもよい。また、図18(C)に示すように、少なくとも一部の突出させたエリアを前方側(遊技者側)以外の方向(例えば上方側等)に突出させるようにしてもよい。
飾り図柄表示エリア5L,5C,5R、保留数表示エリア5Fは、いずれも立体表示領域5Bに表示されているが、平面表示領域5Aに表示されるようにしてもよい。この場合には、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに表示される飾り図柄、保留数表示エリア5Fに表示される保留数表示が、いずれも平面状の平面表示領域5Aに表示されることになる。
遊技機1では、種々の演出が実行可能である。例えば、遊技機1では、確定飾り図柄が導出表示される迄の間において、例えば、予め定められた大当り組み合わせと一部が一致している状態(リーチ状態)で行われるリーチ演出が実行される。大当り組み合わせと一部が一致している状態とは、例えば、同一の左図柄と右図柄とが導出表示されている状態であって中図柄が未だ可変表示している状態である。また、遊技機1では、保留表示の表示態様による演出や今回表示の表示態様による演出が実行可能である。また、遊技機1では、図1に示すスピーカ8(8L,8R)や遊技効果ランプ9を用いた演出も実行可能である。遊技機1では、これらの演出を実行することによって、例えば大当り期待度(信頼度)を遊技者に報知または示唆している。
ある演出Aの大当り期待度(信頼度)は、例えば、(大当りとなるときに演出Aが実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当りとなるときに演出Aが実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当りとならないときに演出Aが実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には必ず「大当り」になる)。
なお、演出に関する判定や決定(演出の実行有無、実行する演出の種類、内容等に関する判定や決定)は、始動入賞時に行われる場合と可変表示開始時に行われる場合とがあってもよい。
また、図6に破線で示すように、プロジェクタ32による画像の投影可能領域32Rは、平面表示領域5A及び立体表示領域5Bを含む画像表示領域5Xよりも広くされている。特に、プロジェクタ32による画像の投影可能領域32Rは、平面表示領域5Aにおける上方において、非投影領域5NL,5NRの一部を含む領域まで含んでいる。ここで、投影可能領域32Rに含まれる領域であっても、画像表示領域5Xには含まれない部分もある。
図7は、各種の制御基板等を示す構成図である。遊技機1には、例えば図7に示すように、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15、電源基板16、特別スクリーン制御基板135等が搭載されている。なお、遊技機1には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等が搭載されていてもよい。これらの基板は、遊技機に関する制御を行う制御手段となる。
これらの基板のうち、電源基板16以外の主基板11、演出制御基板12、払出制御基板等の各制御基板は、遊技盤2の裏面側に設けられている。その一方、電源基板16は、遊技盤2の表面に設けられた装飾構造物27(図2参照)の裏面側であって、遊技盤2の前側、言い換えると、スクリーン5の平面表示領域5A及び立体表示領域5Bよりも前側に配置されている。また、電源基板16は、装飾構造物27の裏面側に設けられていることにより、装飾構造物27によって覆われて、遊技者から視認できなくなっている。
主基板11は、メイン側の制御基板である。主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20を制御する機能、中継基板15を介して演出制御基板12側に演出制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに各種の情報を出力する機能等を有する。
演出制御基板12側に出力される演出制御コマンドは、例えば、第1始動入賞口(第2始動入賞口)への入賞を通知する第1始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、第1特図保留記憶数(第2特図保留記憶数)を通知する第1保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時の判定結果として可変表示結果が大当りとなるか否かの判定結果や大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンド、特別図柄や飾り図柄等の変動パターンの種別(カテゴリ、グループ)を指定する変動カテゴリ指定コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、遊技機1の現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を指定する遊技状態指定コマンド等である。
主基板11には、例えば図6に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に出力する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば図7に示すように、ROM101、RAM102、CPU103、乱数回路104、I/O105を備える。CPU103は、例えば、各種の判定(決定)に用いる各種の乱数値(乱数値を示す数値データ)を更新可能にカウントする。例えば、CPU103は、乱数回路104等によって、特図表示結果判定(決定)用の乱数値MR1、大当り種別判定(決定)用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5を更新可能にカウントする。乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」するか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)を判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR3は、変動カテゴリを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか否か(普通可変入賞球装置6B(電動チューリップ型役物)を拡大開放状態に制御するか否か)を判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR5は、変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
ROM101は、CPU103によって実行されるプログラムを記憶する。また、ROM101は、CPU103が各種の判定(決定)を行うために用いられる各種テーブルを構成するデータを記憶する。RAM102は、保留情報として未だ開始されていない可変表示に関する情報(特図保留記憶、普図保留記憶)を入賞順(消化順)がわかるような態様で(例えば入賞順を示した保留番号に対応付けて)記憶する。なお、特図保留記憶は、具体的には、入賞時における乱数値MR1等の値を示す数値データ(または、当該数値データによる判定(決定)結果を示す情報)であってもよい。普図保留記憶は、具体的には、入賞時における乱数値MR4の値を示す数値データ(または、当該数値データによる判定(決定)結果を示す情報)であってもよい。また、RAM102は、現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を示す情報(例えば、各種のフラグ等)を記憶する。RAM102は、電源基板16に設けられるバックアップ電源回路によってバックアップされるバックアップRAMであってもよい。
演出制御基板12は、サブ側の制御基板である。演出制御基板12は、演出制御コマンドを入力する機能、プロジェクタ32の映像投影等における演出を判定(決定)する機能、プロジェクタ32からスクリーン5に投影される画像の表示位置を調整する機能等を有する。
演出制御基板12は、例えば図7に示すように、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125を備える。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124等によって、各種の演出判定(決定)用の乱数値を更新可能にカウントする。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出したプログラムを実行することにより各種の判定(決定)を行う。
ROM121は、演出制御用CPU120によって実行されるプログラムを記憶する。また、ROM121は、演出制御用CPU120が各種の判定(決定)を行うために用いられる各種テーブルを構成するデータを記憶する。RAM122は、保留情報として未だ開始されていない可変表示に関する情報(変動カテゴリ指定コマンドや図柄指定コマンド等によって示される情報)を入賞順(消化順)がわかるような態様で(例えば入賞順を示したバッファ番号に対応付けて)記憶する。また、RAM122は、演出制御用CPU120による決定結果(例えば、保留表示等の表示態様の決定内容等)を記憶する。また、RAM122は、現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を示す情報(例えば、各種のフラグ等)を記憶してもよい。
演出制御基板12における表示制御部123は、図8に示すように、プロジェクタ制御部260及びサブLED制御部270を備えている。また、プロジェクタ制御部260は、画像データROM261、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262、及びSDRAM263を備えている。画像データROM261は、原画像データを予め格納しておくためのROMである。原画像データには、キャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、及び背景画像の画像データが含まれる。また、原画像データには、白色の無模様単一色となる所定画像の画像データが含まれる。所定画像は、スクリーン5から特別スクリーン205Aに画像を投影する際のフォーカスを変更する際にプロジェクタ32から投影される画像である。所定画像は、白色の無模様単一色以外の画像であってもよい。例えば、白色以外の無彩色または有彩色の無模様単一色の画像であってもよいし、単純形状が単調に並べられたなどの簡単な模様が付された画像であってもよい。また、放射線が1点または複数点から広がるような画像でもよい。また、サンドストーム(ホワイトノイズ、砂嵐)、格子柄、ドットパターンなどであってもよい。
また、原画像データには、プロジェクタ32からスクリーン5に投影される画像の表示位置を調整するための調整画像(図10(A)参照)の画像データが含まれる。調整画像は、図10(A)に示すように、スクリーン5のマーカPS1〜PS13に対応する調整画像用のマーカPG1〜PG13を有する透明性のある画像である。調整画像用のマーカPG1は、図14(A)〜(C)に示すように中空円形状となっており、その円形内についても透明となっている(調整画像用のマーカPG2〜PG13についても調整画像用のマーカPG1と同様に中空円形状となっており、その円形内についても透明となっている)。ここで言う「透明性のある画像」としては、調整画像をスクリーン5に投影した際に、調整画像を介してスクリーン5のマーカPS1〜PS13が視認可能な程度に該調整画像の透明度が確保されている画像(透明画像、半透明画像など)であればよいことから、調整画像の透明度は任意に設定すればよい。調整画像は、少なくとも調整画像用のマーカPG1〜PG13を含む透明性のある画像であればよく、調整画像用のマーカPG1〜PG13のみで構成される透明性のある画像や、遊技中には表示されない調整専用画像と調整画像用のマーカPG1〜PG13とを含む透明性のある画像や、遊技中にスクリーン5に投影される表示画像の少なくとも一部と調整画像用のマーカPG1〜PG13とを含む半透明の画像などとしてもよい。この実施形態での調整画像は、例えば調整画像用のマーカPG1〜PG13のみで構成される透明性のある画像とする。
VDP262は、画像データROM261に記憶された原画像データを読み出し、プロジェクタ32に投影する表示画像に応じた表示画像データを原画像データから生成する。演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って各種の画像データが記憶された画像データROM261から必要な原画像データを読み出すための指令をVDP262に出力する。VDP262は、演出制御用CPU120の指令に応じて、画像データROM261から原画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した原画像データに基づいて表示画像データを生成する。
VDP262は、システムレジスタ202、アトリビュートレジスタ203、描画制御部206、画像バスインタフェース204、データ転送制御部211、プロジェクタ表示制御部213、出力部214などが搭載された集積回路である。システムレジスタ202には、VDP262の各種設定などが格納されている。アトリビュートレジスタ203には、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されている。描画制御部206は、SDRAM263のフレームバッファ領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う。データ転送制御部211は、画像データROM261に格納されている原画像データをフレームバッファ領域に転送する制御を行う。
プロジェクタ表示制御部213は、フレームバッファ領域に格納されている表示画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する。また、プロジェクタ表示制御部213は、センサ類205SXから送信される原点位置信号に基づいて、プロジェクタ32から投影される画像の焦点を合わせるスクリーンをスクリーン5とするか特別スクリーン205Aを決定する。プロジェクタ表示制御部213により、スクリーン5と特別スクリーン205Aとの各々に応じたフォーカスにより画像を投影可能とされている。出力部214は、プロジェクタ表示制御部213から出力されたビデオ信号をプロジェクタ32に出力する。
VDP262の内部には、システムバス、画像バスが設けられており、システムバス及び画像バスはCPUインタフェース201を介して演出制御用CPU120(図7参照)と接続されているとともに、画像バスは画像バスインタフェース204を介して画像データROM261に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、画像バスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU120は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、プロジェクタ表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211は画像バスに接続されており、画像データROM261、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、VRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインタフェース209を介してSDRAM263と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、プロジェクタ表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM263のフレームバッファ領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、フレームバッファ領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、フレームバッファ領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインタフェース201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU120に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU120に対して出力する。プロジェクタ表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているフレームバッファ領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。
なお、SDRAM263のフレームバッファ領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタの原画像データが画像データROM261から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際に表示画像データを一時的に保存するための画像用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、フレームバッファ領域には、プロジェクタ32から投影されてスクリーン5に表示される画像の表示画像データを記憶する描画領域が割り当てられている。フレームバッファ領域には、図9(A)に示すように、描画領域262Rと実描画領域262Aとが割り当てられている。実描画領域262Aは、描画領域262Rの一部に割り当てられている。プロジェクタ32が第1正位置にあるときに描画領域262Rに描画された画像をプロジェクタ32からスクリーン5に投影すると、図6に示す投影可能領域32Rに画像が投影される。実描画領域262Aに描画された画像をプロジェクタ32からスクリーン5に投影すると、図6に示す画像表示領域5Xに画像が投影される。実描画領域262Aが本発明の第1データ記憶領域であり、描画領域262Rから実描画領域262Aを除いた領域が本発明の第2データ記憶領域である。原画像データを変換して生成された表示画像データは、第2データ記憶領域を含む描画領域262Rにわたって記憶可能である。VDP262は、生成した表示画像データをSDRAM263の描画領域262Rに記憶させる。
実描画領域262Aはポリゴン分割されており、各ポリゴンにおいてアトリビュートが設定されて画像領域における画像が形成されている。実描画領域262Aでは、所定の領域、例えば立体表示領域5Bに表示される画像が描画されている領域については、他の領域とは異なるポリゴンとして調整可能とされている。実描画領域262Aが表示レジスタによって指定されることにより、実描画領域262Aに描画されて記憶されている画像がプロジェクタ32から投影される。プロジェクタ32から投影された画像は、スクリーン5に表示される。なお、実描画領域262Aに描画されている画像や表示領域に表示される表示画像は、それぞれを変換することで調整可能とされている。
演出制御用CPU120は、CPUインタフェース201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、プロジェクタ32の投影パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU120がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行う画像データやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
ここで、描画制御について簡潔に説明する。描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタなどの原画像データがフレームバッファ領域に配置されている必要がある。このため、表示画像データのソースデータとなるキャラクタなどの原画像データをフレームバッファ領域に配置する必要がある。
このため、演出制御用CPU120は、各種の演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタの原画像データを画像データROM261からフレームバッファ領域へ転送するための転送命令を行う。この転送命令に伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタの原画像データがフレームバッファ領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、画像データROM261に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタの原画像データをフレームバッファ領域に配置することにより、各フレーム毎に画像データROM261からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。なお、演出制御用CPU120が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタの原画像データを画像データROM261からフレームバッファ領域へ転送する転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの原画像データに対する転送命令をその都度行うようにしても良い。
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、演出制御用CPU120は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU120は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従ってプロジェクタ32が投影してスクリーン5に表示される画像の表示画像データの描画を行う。
演出制御用CPU120のプロジェクタ表示制御部213は、表示画像データの描画を行った後、表示画像データに応じた画像をプロジェクタ32によってメインスクリーン5または特別スクリーン205Aに投影させる。このとき、プロジェクタ表示制御部213は、画像表示するスクリーンがメインスクリーン5であるか特別スクリーン205Aであるかに応じて、プロジェクタ移動装置32Aを制御し、プロジェクタ32の位置を調整する。プロジェクタ表示制御部213は、画像が表示されるスクリーンがメインスクリーン5であるときには、プロジェクタ32が第1正位置に配置されるようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。また、プロジェクタ表示制御部213は、画像が表示されるスクリーンが特別スクリーン205Aであるときには、プロジェクタ32が第2正位置に配置されるようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。
例えば、プロジェクタ32を図13(C)に示す第1正位置に移動させる例としては、一旦、原点位置に戻してから第1正位置に移動させることがある。プロジェクタ表示制御部213は、原点位置センサ32B(図8参照)からの検出信号に基づいて、プロジェクタ32が原点位置に位置するか否かを判定する。原点位置センサ32Bからの検出信号がオンであれば、次に説明する第1正位置に進める制御を実行する。一方、原点位置センサ32Bからの検出信号がオフであれば、プロジェクタ32が原点位置に位置しないので、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置に戻すようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。原点位置センサ32Bからの検出信号がオンになると(つまり、プロジェクタ32が原点位置に位置すると)、プロジェクタ32の移動を停止させる。続いて、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置から第1正位置に進めるための第1数のパルス信号(原点位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第1数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を原点位置から第1正位置に移動させる。
また、プロジェクタ32を図13(C)に示す第2正位置に移動させる例としては、一旦、原点位置に戻してから第2正位置に移動させることがある。プロジェクタ表示制御部213は、原点位置センサ32B(図8参照)からの検出信号に基づいて、プロジェクタ32が原点位置に位置するか否かを判定する。原点位置センサ32Bからの検出信号がオンであれば、次に説明する第2正位置に進める制御を実行する。一方、原点位置センサ32Bからの検出信号がオフであれば、プロジェクタ32が原点位置に位置しないので、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置に戻すようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。原点位置センサ32Bからの検出信号がオンになると(つまり、プロジェクタ32が原点位置に位置すると)、プロジェクタ32の移動を停止させる。続いて、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置から第2正位置に進めるための第2数のパルス信号(原点位置から第2正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第2数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を原点位置から第2正位置に移動させる。
一方、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第1正位置から第2正位置に移動させる場合もある。プロジェクタ表示制御部213は、第2数から第1数を減算した数である第3数のパルス信号、つまりプロジェクタ32を第1正位置から第2正位置に移動させるための第3数のパルス信号(第1正位置から第2正位置までの負方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第3数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を第1正位置から第2正位置に直接に移動させる。
前記とは逆に、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第2正位置から第1正位置に移動させる場合もある。プロジェクタ表示制御部213は、第1数から第2数を減算した数である第4数のパルス信号、つまりプロジェクタ32を第2正位置から第1正位置に移動させるための第4数のパルス信号(第2正位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第4数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を第2正位置から第1正位置に直接に移動させる。
なお、演出制御用CPU120は、第1正位置及び第2正位置に関するステップ角数情報を位置制御データ記憶エリアに記憶している。このステップ角数情報としては、例えば、プロジェクタ32を原点位置から第1正位置に進めるための第1数のパルス信号(原点位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)を示す第1情報、プロジェクタ32を原点位置から第2正位置に進めるための第2数のパルス信号(原点位置から第2正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)を示す第2情報、プロジェクタ32を第1正位置から第2正位置に移動させるための第3数のパルス信号(第1正位置から第2正位置までの負方向のステップ角に相当する数のパルス信号)を示す第3情報、プロジェクタ32を第2正位置から第1正位置に移動させるための第4数のパルス信号(第2正位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)を示す第4情報などがある。
図8に戻って、サブLED制御部270は、演出制御用CPU120からの指令や制御データ等に基づいて、飾り図柄の可変表示等の各種の演出に応じたサブLED33の点灯、点滅等を制御する。また、サブLED制御部270は、演出制御用CPU120からの指令や制御データ等に基づいて、保留表示や今回表示の表示態様による演出等の各種の演出に応じた保留表示LED34の点灯、点滅等を制御する。なお、サブLED制御部270とは別に、保留表示LED34の点灯、点滅等を制御する制御部を設けてもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12(演出制御用PCU120)からの指令や制御データ等に基づいてスピーカ8を制御する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12(演出制御用PCU120)からの指令や制御データ等に基づいて遊技効果ランプ9を制御する。
特別スクリーン制御基板135は、演出制御基板12(演出制御用PCU120)からの指令や制御データ等及びセンサ類205SX(左原点センサ205YL、右原点センサ205YR、左上端センサ205ZL、右上端センサ205ZR)から送信される原点位置信号に基づいて、特別スクリーン装置205における昇降モータ205M(左昇降モータ205ML、右昇降モータ205MR)の駆動制御を行う。昇降モータ205Mが昇降制御されることにより、特別スクリーン205A(図2、図4参照)が出現したり収納されたりする。
電源基板16は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板等の各制御基板と独立して設置され、遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板16では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板16には、バックアップ電源回路と、クリアスイッチとが搭載されていればよい。バックアップ電源回路は、例えばVDD(直流+5V)の電源ラインから充電されるコンデンサを含んでいればよい。
本実施形態に係る遊技機1では、プロジェクタ32から投影された映像がスクリーン5または特別スクリーン205Aに表示される(当該映像は、スクリーン5と特別スクリーン205Aとに同時に投影されてもよい)ことによって演出が実行される。以下、遊技機1におけるプロジェクタ32からスクリーン5に映像を表示することによる演出の一例及び遊技機1における作用効果について説明し、続いて、特別スクリーン205Aに映像を表示することによる演出を含む演出の一例及び遊技機1における作用効果について説明する。
まず、遊技機1におけるプロジェクタ32からスクリーン5に映像を表示することによる演出の一例及び遊技機1における作用効果について説明する。例えば、普通入賞球装置6Aへの入賞の後に、第1開始条件が成立すると、図1に示す飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rの変動表示が開始される演出が実行される。また、変動表示が開始された後に確定飾り図柄が導出表示される迄の間においてリーチ演出が実行されたり、特別図柄として大当り図柄が導出表示された後に移行する大当り遊技中における大当り演出が実行されたりする。これらの演出は、プロジェクタ32から投影された映像がスクリーン5に投影されることで表示される。
プロジェクタ32から投影された映像は、まず、ロゴ役物26の内側に配置された反射ミラー28に到達する。反射ミラー28では、投影された映像がスクリーン5に向けて反射される。スクリーン5では、投影された映像が平面表示領域5Aや立体表示領域5Bに映し出され、さまざまな演出が実行される。
このうち、立体表示領域5Bに映像が投影されたときには、立体表示領域5Bにおける立体形状と投影された映像とが組み合わされて形成されるいわば立体画像表示による演出が実行される。このような立体画像表示による演出が実行されることにより、平面的な画像を用いた演出よりも興趣の高めた演出を実行することができる。特に、スクリーンが立体的であることから、平面的なスクリーンにいわゆる3D表示を行った場合よりもリアルに立体形状を表現することができるので、平面的な画像を用いた演出よりも興趣の高めた演出を実行することができる。
また、平面表示領域5Aには、プロジェクタ32から投影された映像による画像表示での演出が実行される。ここで、スクリーン5における平面表示領域5Aには、図1に示すように、プロジェクタ32の性質等により、プロジェクタ32から投影される映像が届かない非投影領域5NL,5NRが生じてしまう。
このような非投影領域5NL,5NRに対しては、サブLED33から照射される照射光が映されている。このように、非投影領域5NL,5NRにサブLED33の照射光を照射することにより、プロジェクタ32が映像を投影できない領域があるものの好適に演出を実行することができる。なお、非投影領域5NL,5NRには、サブLED33による照射光を単に照射する態様のほか、非投影領域5NL,5NRの映像をサブLED33の照射光で補完するようにしてもよい。
さらに、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄が、保留表示エリア5H1,5H2に保留表示が、保留数表示エリア5Fに保留数表示が、今回表示エリア5Kに今回表示がそれぞれ表示される。これらの飾り図柄、保留表示、保留数表示、今回表示の画像(以下「特定情報画像」という)は、遊技の進行の上で遊技者に確実に伝えることが求められる情報を含んでいる。このような特定情報画像が立体表示領域5Bなどに表示されることで、特定情報画像が視認しやすくなる。なお、このような特定情報画像を平面状の平面表示領域5Aに表示させるようにしてもよく、特定情報画像に含まれる情報を平面表示で提供できる。
なお、特定情報画像には、上記の画像のほかの情報の画像が含まれるようにしてもよい。例えば、音量調整の案内を行う音量調整表示の画像、光量調整の案内を行う光量調整表示の画像、飾り図柄を小さく表示した小図柄の画像などを含んでもよい。特定情報画像は、平面表示領域5Aにおける画像表示領域5X内において、プロジェクタ32から投影される映像による画像にすべてが含まれて表示されている。このような画像の表示態様に変えて、平面表示領域5Aにおける画像表示領域5Xを外れた非投影領域5NL,5NRに特定情報画像を表示するようにしてもよい。ただし、サブLED33では画像を表示することは難しいので、この場合には、非投影領域5NL,5NRには、プロジェクタ32以外の他のプロジェクタや液晶表示装置などの表示装置によって画像を表示することが好適となる。
また、特定情報画像は、その全てが立体表示領域5Bに表示されている。特に、飾り図柄については、大きな文字で表示されることから、その全部(あるいは一部であってもよい)が立体表示領域5Bに表示されるようにしている。また、遊技の進行における関与は小さいが、画像表示が乱れることにより不具合が生じる画像、例えば著名人の肖像やキャラクタなどの完全な表示が要望される画像である完全表示要望画像についても平面表示領域5Aに表示し、立体表示領域5Bに表示しないようにしてもよい。特定画像には、特定情報画像と完全表示要望画像とが含まれる。また、平面表示領域5A及び立体表示領域5Bでは、種々の演出が実行されるが、これらの演出は、平面表示領域5Aのみで実行されてもよいし、立体表示領域5Bのみで行われてもよい。また、平面表示領域5Aは、スクリーン5の上方に形成され、立体表示領域5Bはスクリーン5の下方に形成されているが、その他の位置に形成されていてもよい。例えば、平面表示領域5Aが下方に配置され、立体表示領域5Bが上方に配置されていてもよいし、平面表示領域5Aが右側または左側、立体表示領域5Bがその反対の左側または右側に配置されていてもよい。あるいは、中央に平面表示領域5Aが形成され平面表示領域5Aの周りを囲むようにして立体表示領域5Bが形成されていてもよいし、中央に立体表示領域5Bが形成され立体表示領域5Bの周りを囲むようにして平面表示領域5Aが形成されていてもよい。
また、プロジェクタ32からスクリーン5に投影される画像の一部は台形状を成している。本実施形態においてスクリーン5は長方形であることから、スクリーン5に投影される画像の台形の長辺の長さを短辺の長さに合わせるいわゆる台形補正を行うことが考えられる。ところが、台形補正を行うためのスクリーン5とプロジェクタ32との距離関係等の制約から、台形補正によっても画像を長方形にまでは補正できず、台形の上方左右位置にプロジェクタ32の映像が表示できない非投影領域5NL,5NRが生じている。本実施形態では、この非投影領域5NL,5NRにサブLED33の照射光を照射することによって、長方形状のスクリーン5の全体に光があてられることにより、スクリーン5が長方形であることを遊技者に認識させることができる。また、横長の長方形状をなすスクリーン5の全ての領域に画像を表示することができるので、プロジェクタが投影できない領域があったとしても好適に演出を実行することができる。したがって、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、サブLED33が遊技枠3Aの内側下前方に配置されており、スクリーン5との相対的な位置関係としては、スクリーン5の下側前面にサブLED33が配置されている。サブLED33の配置位置はその他の位置としてもよく、例えば、スクリーン5の上側前面としてもよいし、右方前面または左方前面としてもよい。
また、非投影領域5NL,5NRに表示される画像は、サブLED33以外の表示装置によって形成してもよい。例えば、サブLED33に代えて、プロジェクタ32とは異なる他のサブプロジェクタを用いてもよいし、スクリーン5の非投影領域5NL,5NRに液晶表示装置を配置して、液晶表示装置で画像を表示してもよい。また、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置であってもよい。
また、非投影領域5NL,5NRは、平面領域に形成されているが、非投影領域に役物などの立体物を設けて、サブLEDで照射して立体物を発光させるようにしてもよい。あるいは、立体物を光透過性材料で構成して、立体物の裏側にサブLED等を配置して立体物を発光させるようにしてもよい。
また、プロジェクタ32から投影される投影光LPは、反射ミラー28の面積よりも広い範囲に投射されている。このため、プロジェクタ32から投影された投影光LPは、反射ミラー28によって反射されてスクリーン5に投影される映像のほか、ロゴ役物26における装飾材26Aを照らす光となる。装飾材26Aは、光透過性材料によって構成されているので、プロジェクタ32から投射される光が透過して装飾が施されることとなる。
また、反射ミラー28に投影された投影光LPは、図9(B)に示すように、ロゴ役物26における装飾材26Aの裏面及び役物用筐体26Bの内側面並びに反射ミラー28の裏面の間で乱反射する。この光の乱反射により、装飾材26Aを通過する光の輝度を高めることができる。さらに、役物用筐体26Bの内側面及び反射ミラー28の裏面は、白色であり、光の反射率が高くなっている。このため、ロゴ役物26の内側面及び反射ミラー28の裏面の間で乱反射する光の量が多くなり、装飾材26Aを通過する光の輝度をさらに高めることができる。
なお、装飾材26Aを通過する光の輝度を高めるために、ロゴ役物26の内側面及び反射ミラー28における役物用筐体26Bの裏面の間で光の吸収量を減らし、反射量が多くなるようにしてもよい。具体的には、上記のように白色とするほか、光の反射率の高い素材で役物用筐体26Bを形成してもよいし、光の反射率の高い素材からなる層を形成してもよい。
また、スクリーン5の表示やロゴ役物26を用いた演出の内容などによっては、プロジェクタ32から投影される投影光LPの投影範囲を反射ミラー28の内側のみに限定したり、反射ミラー28の範囲を超えてロゴ役物26の内側にまで投影光LPが到達するようにしたりしてもよい。例えば、大当り期待度が高い演出が実行されないときには、プロジェクタ32から投影される投影光LPを反射ミラー28の内側に限定してロゴ役物26を投影光LPが透過することによる装飾を行わず、大当り期待度が高い演出が実行されるときには、プロジェクタ32から投影される投影光LPを反射ミラー28より広い範囲としてロゴ役物26を投影光LPが透過することによる装飾を行うようにしてもよい。ロゴ役物26を投影光LPが透過することによる装飾を行うにあたって、プロジェクタ32から投影される投影光LPによって種々の装飾を容易に行うことができる。
また、プロジェクタ32は、スクリーン5から見て相対的に上方に配置されているが、スクリーン5から見て下方に配置されていてもよいし、右方または左方に配置されていてもよい。プロジェクタ32をスクリーン5から見て相対的に下方に配置する場合には、例えば反射ミラー28を普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、または特別可変入賞球装置7の裏面側に配置してもよい。また、プロジェクタ32をスクリーン5から見て右方または左方に配置する場合には、スクリーン5の右方または左方における装飾構造物の裏面側等に反射ミラー28を配置してもよい。
また、プロジェクタ32からスクリーン5に映像を投影する場合、スクリーン5とプロジェクタ32との距離をある程度確保することが好適である。このため、例えばプロジェクタ32は遊技盤2の裏面側に配置することが好適である。ところが、遊技機1の裏面側には、一般に、遊技機1における制御を実行するための主基板11、演出制御基板12、電源基板16、払出制御基板等の各制御基板が設けられる。これらの制御基板が設けられることから、遊技盤2の裏面側にプロジェクタ32を配置するスペースを確保することが難しくなる。
この点、上記の遊技機1では、装飾構造物27の裏面側に電源基板16が設けられている。このため、電源基板16を遊技盤2の裏面側に設ける必要がなくなるので、その分プロジェクタ32を配置するスペースを容易に確保することができる。したがって、スクリーンとプロジェクタとの距離を確保することができる。また、電源基板16は、遊技盤2の前面であるものの装飾構造物27の裏面に配置されているため、遊技者が視認可能となるような露出を避けることができる。
また、プロジェクタ32は、使用に伴う放熱量が比較的大きい。さらに、制御基板のうち、電源基板16の放熱量も他の制御基板と比較して大きい。これらの放熱量が大きいプロジェクタ32と電源基板16を遊技盤2の裏面と前面に分けて配置することにより、放熱量の分散を図ることができる。
なお、上記の実施形態では、制御基板のうちの電源基板16を遊技盤2の前面側に配置しているが、他の制御基板、例えば演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14を遊技盤2の前面側に配置してもよい。また、主基板11、払出制御基板を遊技盤2の前面側に配置してもよい。ただし、遊技盤2の前面側よりも裏面側の方が、遊技島に設置された遊技機1に対して不正操作を行いにくいことから、セキュリティ対策として、遊技球の払出球数の制御に関与する基板、例えば主基板11や払出制御基板は、遊技盤2の裏面側に配置することが望ましい。
また、電源を立ち上げて(ONにして)から、しばらくの準備時間、例えばプロジェクタ32からの投影光を投影可能となるまでの間は、サブLED33による照射光の照射を抑制するようにしてもよい。電源を立ち上げたときにプロジェクタ32が投影可能となるまでには、プロジェクタ32の暖機運転が必要となり、暖機運転を行っている間は、プロジェクタ32からの適切な投影制御ができないことがある。プロジェクタ32からの投影光の投影ができない状態でサブLED33から照射光を照射した場合には、スクリーン5のうち、非投影領域5NL,5NRのみが明るい状態となり、違和感を覚えさせる虞がある。この点、電源を立ち上げてから、準備時間の間は、サブLED33からの照射光の照射を抑制することにより、スクリーン5のうち、非投影領域5NL,5NRのみが明るい状態となることによる違和感を小さくすることができる。なお、サブLED33からの照射光の照射を抑制する態様としては、照射光の照射を中止または遮断してもよいし、照射光の光量を小さくするようにしてもよい。
また、プロジェクタ32からスクリーン5までの間における各開口部などのプロジェクタ32から投影される投影光の光路上にレンズを設けてもよい。プロジェクタ32から投影される投影光の光路上にレンズ設けることにより、プロジェクタ32から投影される映像の大きさを調整することができる。またプロジェクタ32から投影される投影光の光路上にレンズ設けるレンズとして、魚眼レンズを用いてもよい。魚眼レンズを用いることで、映像を大きく表示することができる。
また、非投影領域5NL,5NRに光を照射するにあたり、非投影領域5NL,5NRが画像表示領域5Xよりも目立たないようにしながらも、スクリーン5の全体としては台形ではなく長方形であるかのような印象を遊技者に与えられる工夫をしてもよい。具体的には、画像表示領域5Xと非投影領域5NL,5NRとを別素材で形成し、画像表示領域5Xに使用される素材よりも非投影領域5NL,5NRで使用される素材の方が、黒かったり表面が荒かったりして反射率が低くなるようにしてもよい。また、画像表示領域5Xと非投影領域5NL,5NRとを一体的に形成する場合には、非投影領域5NL,5NRを黒塗りしたり、表面処理を施して表面を粗くしたりして、反射率を低くしてもよい。
プロジェクタ32とスクリーン5、特別スクリーン205Aとの位置関係がずれていると、プロジェクタ32から投影された映像がスクリーン5、特別スクリーン205Aの適切な位置に投影されないことがある。そこで、プロジェクタ32の投影姿勢やSDRAM263に記憶される表示画像データなどを調整して、スクリーン5、特別スクリーン205Aに表示される画像を調整する調整作業が行われる。調整作業は、遊技機1の出荷前あるいは遊技機1を遊技場に設置した後、時間が経過してプロジェクタ32とスクリーン5、特別スクリーン205Aとの位置にずれが生じた場合などに実行可能である。例えば、遊技機1を遊技場に設置した後であれば、作業員等が特定操作する(例えば遊技機1の電源投入時にプッシュボタン31Bを押下するなど)ことで、調整モードにすることができる。以下、表示画像の調整について、スクリーン5の表示される調整画像45を例として説明する。なお、特別スクリーン205Aに表示される表示画像の調整も同様に行うことができる。
図10は、表示画像の調整を行う際にスクリーンに表示される調整画像と該スクリーンとを示す図である。なお、遊技機1では、画像表示領域5Xは台形状をなしているが、説明を容易にするために、画像表示領域5Xを長方形状に見立てて説明する。表示画像の調整を行う際には、SDRAM263(図8参照)に割り当てられた描画領域262R(図9(A)参照)において、表示画像データに頂点変形を行って表示画像の大きさを調整する。また、スクリーン5には、プロジェクタ32からの投影距離が第1距離以下の上領域(第1領域)と前記第1距離よりも大きい下領域(第2領域)とを有する。言い換えれば、スクリーン5には、図10(A)に示すように、調整画像45を上下に二分するX方向の中央線GCLと一致するスクリーン5のX方向の中央線SCLよりも上側に位置する上領域(第1領域)と、その中央線SCLよりも下側に位置する下領域(第2領域)とを有する。
表示画像の大きさを調整するために、図2に示すプロジェクタ32からスクリーン5に対して、描画領域262Rに記憶された表示画像データに基づく画像を図10(A)に示す画像表示領域5Xに投影する。スクリーン5には、画像表示領域5Xよりも広い投影可能領域32Rが設定されており、描画領域262Rに記憶される表示画像データに基づく画像は、例えば、投影可能領域32Rの内側に投影されて表示される。
表示画像の調整では、描画領域262Rに所定の調整画像データを記憶させておき、調整画像データに基づく調整画像をスクリーン5に投影する。調整画像をスクリーン5に投影すると、例えば、図10(B)に示すように、投影可能領域32Rの内側に調整画像45が表示される。調整画像45は、文字画像45Aとフレーム画像45Bを含んでいる。ここでは、投影可能領域32Rの内側に表示される文字のぼやけ具合を作業員が目視して、フォーカス調整を行う。
フォーカス調整は、スクリーン5に対するプロジェクタ32(図2参照)からの距離を調整することで行う。スクリーン5に対するプロジェクタ32からの距離の調整は、プロジェクタ移動装置32Aでプロジェクタ32を移動させることによって行う。例えば、プロジェクタ32が、スクリーン5に対して近づける方向である手前方向32XN(図12参照)や、スクリーン5に対して遠ざける方向である奥行方向32XF(図12参照)に移動可能であり、プロジェクタ32が図13(C)に示す第1正位置に位置すると(つまり、プロジェクタ32からスクリーン5までの距離が第1焦点距離になると)、調整画像45がスクリーン5にフォーカスされた状態となる。また、プロジェクタ32が図13(C)に示す第2正位置に位置すると(つまり、プロジェクタ32から特別スクリーン205Aまでの距離が第2焦点距離になると)、調整画像45が特別スクリーン205Aにフォーカスされた状態となる。例えば、第1正位置や第2正位置の変更があった場合(新たな第1正位置や第2正位置に変更された状態でプッシュボタン31Bの押下があった場合)には、前述したステップ角数情報(第1〜第4情報のうちの対応する情報)が位置制御データ記憶エリアに更新して記憶される。なお、フォーカス調整は、プロジェクタ32が焦点調整機能を備えている場合には、当該焦点調整機能で行ってもよい。
上記のフォーカス調整が終了すると、表示画像の調整、つまり、図11(A)に示すように調整画像45のスクリーン5への位置合わせ調整(キャリブレーション)が可能となる。具体的には、遊技機1は、図16(A)に示すように、作業員等が十字ボタン31Eを操作することでスクリーン5に表示される表示画像の調整が可能な自動調整装置42を備えている。まず、図11(A)に示すように、調整画像45が緑色で表示されるとともに、調整画像45の中心のマーカPG1が表示される。演出制御基板12(演出制御用PCU120)は、作業員による十字ボタン31Eの操作に基づいて、プロジェクタ32をプロジェクタ移動装置32Aによって移動させる等の制御を行うよう表示制御部123を制御し、図11に示すように調整画像45がスクリーン5に位置合わせされる。要するに、作業員による十字ボタン31Eの操作に従って、図12に示すようにプロジェクタ32がプロジェクタ移動装置32Aによって移動などされ、調整画像45が図13に示すように移動などされる。
例えば、調整画像45のX、Y方向への移動調整モード(図11(A)参照)において、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの左ボタンBLを押下(操作)すると、図12に示すように、プロジェクタ32が左方向32YLに移動され、図13(A)に示すように、調整画像45は左方向32PLに移動する。一方、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの右ボタンBRを押下(操作)すると、プロジェクタ32が右方向32YRに移動され、調整画像45は右方向32PRに移動する。
また、調整画像45のX方向(左右方向)、Y方向(上下方向)への移動調整モード(図11(A)参照)において、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの上ボタンBUを押下(操作)すると、図12に示すように、プロジェクタ32が上方向32ZUに移動され、図13(B)に示すように、調整画像45は上方向32PUに移動する。一方、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの下ボタンBDを押下(操作)すると、図12に示すように、プロジェクタ32が下方向32ZDに移動され、図13(B)に示すように、調整画像45は下方向32PDに移動する。
また、表示画像の回転は、描画領域262Rに記憶される表示画像データを描画し直すことで行われる。調整画像45の回転調整モード(図11(B)参照)において、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの右ボタンBRを押下(操作)すると、描画領域262Rに記憶される表示画像データが時計回り方向に回転され、図12に示すように、投影される画像が時計回り方向32XM1に回転される。このとき、図13(D)に示すように、調整画像45は、時計回り方向32PM1に回転する。一方、作業員が図1に示す十字ボタン31Eの左ボタンBLを押下(操作)すると、描画領域262Rに記憶される表示画像データが反時計回り方向に回転され、投影される画像が反時計回り方向32XM2に回転される。このとき、図13(D)に示すように、調整画像45は、反時計回り方向32PM2に回転する。
この実施形態では、反射ミラー28は固定とし、作業員による十字ボタン31Eの操作に基づいてプロジェクタ32が移動などされて表示画像の調整が行われているが、プロジェクタ32の移動に伴い、ミラー移動装置28A(図2)によって、反射ミラー28の位置調整も行うようにしてもよい。反射ミラー28の位置調整は、プロジェクタ32の位置調整に伴い、プロジェクタ32から投影された映像がスクリーン5に到達する位置に反射ミラー28が配置されるように行う。
図11(A)に示すように、調整画像45のX方向(左右方向)、Y方向(上下方向)への移動調整モードでは、調整画像45が緑色で表示されるとともに、調整画像45の中心のマーカPG1が表示される。調整画像45が緑色で表示されることにより、作業員は、調整画像45のX方向(左右方向)、Y方向(上下方向)への移動調整モードであることが分かる。作業員による十字ボタン31Eの操作に従って調整画像45がスクリーン5に対してX方向(左右方向)またはY方向(上下方向)に移動することから、スクリーン5のマーカPS1が調整画像用のマーカPG1の内側に収まるように、調整画像45をX方向(左右方向)またはY方向(上下方向)へ移動させる。つまり、調整画像45の中心をスクリーン5の中心に合わせる。図14(B)に示すように、スクリーン5のマーカPS1が調整画像用のマーカPG1の内側に収まっていれば、位置合わせ良好(位置合わせOK)であり、図14(C)に示すように、スクリーン5のマーカPS1の少なくとも一部が調整画像用のマーカPG1からはみ出ていれば(言い換えれば、マーカPS1の全体がマーカPG1の内側に収まっていなければ)、位置合わせ不良(位置合わせNG)である。
また、演出制御基板12の例えばROM121には、複数種類の位置調整パターンPP1〜PP25が記憶されている。これらの位置調整パターンPP1〜PP25は、スクリーン5のマーカと調整画像45のマーカとの大きさ(ここでは直径)の違いで区別された位置調整用のパターンである。また、この実施形態の遊技機1では、図14(D)に示すように、複数種類の位置調整パターンPP1〜PP25のうちで位置調整パターンPP2が選択設定されている。位置調整パターンPP2では、スクリーン5のマーカの直径LS1が1mmで、調整画像45のマーカの直径LG1が2mmである。なお、位置調整パターンPP2以外の位置調整パターンPP1、PP3〜PP5の何れか一つに変更可能となっている。変更後の位置調整パターンが図7に示すRAM122に記憶され、遊技機1の電源を再投入した後も、変更後の位置調整パターンに従って位置調整が可能である。また、スクリーン5のマーカが1mm以外の大きさ(例えば、2mm〜5mm)のマーカを有するスクリーン5に変更された場合には、位置調整パターンPP6〜PP25のうちでスクリーン5のマーカの変更後直径に対応する位置調整パターンの何れか一つに変更可能である。なお、スクリーン5に大きさの異なるマーカを投影表示することが可能な構成である場合(例えばマーカ投影装置などを備える場合)には、位置調整パターンPP1〜PP25のうちの何れか一つに変更可能である。
作業員による十字ボタン31Eの操作により、スクリーン5のマーカPS1が調整画像用のマーカPG1の内側に収まると、作業員が例えばプッシュボタン31Bを押下し、調整画像45の回転調整モード(図11(B)参照)に移行させる。図11(B)に示すように、調整画像45の回転調整モードになると、調整画像45が青色で表示される。調整画像45が青色で表示されることにより、作業員は、調整画像45の回転調整モードであることが分かる。作業員による十字ボタン31Eの操作に従って、描画領域262Rに描画された調整画像データについて、マーカPG1を回転中心として回転させるように描画し直し、左上のマーカPG2と右上のマーカPG3とがそれぞれスクリーン5の左上マーカPS2と右上マーカPS3とを結んだ直線上に位置するように十字ボタン31Eが操作される。つまり、十字ボタン31Eの操作に従って、調整画像45がスクリーン5に対してZ軸周り(時計回り方向または反時計回り方向)に回転され、調整画像45がスクリーン5に対して平行となるように回転調整される。
上述した図11(A)に示す調整画像45のX方向(左右方向)、Y方向(上下方向)への移動調整モードでは、調整画像45の中心をスクリーン5の中心に合わせているが、これに限定されない。例えば、調整画像45には、その中心のマーカPG1以外のマーカ(例えばPG2〜PG5の何れか一つ)が表示され、そのマーカに対応するスクリーン5のマーカ(例えばマーカPS2〜PS5の何れか一つ)と一致させるようにしてもよい。また、図11に示すように調整画像45の全体をスクリーン5に位置合わせする際に、作業員が例えばプッシュボタン31Bを押下するごとに、調整モードが、調整画像45のX、Y方向への移動調整モード(図11(A)参照)、調整画像45の回転調整モード(図11(B)参照)の順に切り替わるようになっているが、プッシュボタン31B以外の操作手段の操作で切り替わるようにしてもよいし、各モードでの調整OKとの入力指示で自動的に切り替わるようにしてもよい。
上述したように、調整画像45の全体のスクリーン5への位置合わせ調整(図11参照)を行った後に、必要に応じて、図15(A)に示すように調整画像45の部分調整モードに移行することが可能である。例えば、作業員が部分調整モードへの移行を指示する入力操作を行うことで、調整画像45の部分調整モードに移行される。この調整画像45の部分調整モードでは、図15(A)に示すように調整画像45を構成する複数の分割調整画像45a〜45iについての個別の調整(つまり、調整画像45の部分調整)が可能となっている。各分割調整画像45a〜45iは、調整画像45を分割した画像である。また、スクリーン5についてみれば、その画像表示領域5Xについても複数の分割調整画像45a〜45iに対応するように複数の区分け領域に区分けされていると考えることができ、これらの区分け領域に表示される各分割調整画像45a〜45iについての位置合わせ調整を個別に行うことが可能と言える。ここでの区分け領域には、図11(A)に示すように、立体表示領域5Bや特定画像(特定情報画像や完全表示要望画像)が表示される領域(以下、適宜に「特定画像領域」と呼ぶ)などを含んでいるが、立体表示領域5Bや特定画像領域を含まない区分け領域があってもよい。
分割調整画像45a〜45iの調整では、例えば、立体表示領域5Bなどの画像表示領域にキャラクタや飾り図柄などが確実に表示されるようにするための調整がVDP262によって行われる。具体的には、複数の分割調整画像45a〜45iのうちで調整対象となっている分割調整画像の位置合わせ調整の際に、VDP262は、作業員等による十字ボタン31E等の操作に基づいて、描画領域262Rに描画された調整画像データにおける調整対象となっている分割調整画像が対応する分割調整画像データについて、X方向(左右方向)またはY方向(上下方向)に移動させるように描画し直したり、Z軸周り(時計回り方向または反時計回り方向)に回転させるように描画し直したり、拡大または縮小させるように描画し直したりする。このようにして、分割調整画像45a〜45iの位置合わせ調整が行われる。
調整画像45の分割調整として、図15(B)に示すように、全ての分割調整画像45a〜45iを順番に位置合わせ調整を行うように設定可能である。この設定では、図15(B)に示すように、全ての分割調整画像45a〜45iについて、まず上部の左、中央、右の順番に進み、続いて下部左端、下部左端から2番目、下部左端から3番目、下部右端といった順番に行われる。図15(B)に示す場合には、作業員は、かかる順番に従って全ての分割調整画像45a〜45iの位置合わせを行うので、確実に全ての分割調整画像45a〜45iの位置合わせを行うことができる。
また、調整画像45の分割調整としては、図15(C)に示すように、調整が必要な分割調整画像のみを位置合わせ調整を行う設定に変更することも可能である。図15(C)では、分割調整画像45fのマーカPG11がスクリーン5のマーカPS11からはみ出ているので、分割調整画像45fのマーカPG11の内側にスクリーン5のマーカPS11が収まるように分割調整画像45fのみを位置合わせ調整している。図15(C)に示す場合には、作業員が位置合わせ必要と判断した分割調整画像のみについて位置合わせを行うので、位置合わせ調整についての作業の効率化を図ることができる。
なお、調整画像45の全体の位置合わせ調整を行った後に、必要に応じて、図15(B)、(C)に示すように調整画像45の分割調整を行っているが、これに限定されない。例えば、調整画像45の全体調整が不要であった場合などは、該全体調整を行うことなく、図15(B)、(C)に示すように部分調整を行ってもよい。なお、調整画像45の全体の位置合わせ調整(図11参照)や部分の位置合わせ調整(図15参照)は、台形補正を行った後に行われている。
以上の構成を有する遊技機1において、プロジェクタ32は、スクリーン5の画像表示領域5Xに対して斜めの投影方向から画像表示領域に表示画像を投影している。このため、表示画像の調整を行う前段階では、調整画像データに基づく画像は台形状をなすので、この画像が長方形状になるように調整画像データを調整すると、調整された長方形状の画像は、調整画像データに基づく画像の範囲内での長方形状の画像となる。したがって、描画領域262Rが実描画領域262Aと共通であるとすると、画像表示領域5Xの全域にわたって画像を表示できないこととなる。
この点、上記の遊技機1では、描画領域262Rが実描画領域262Aよりも広い領域として割り当てられている。このため、表示画像の調整を行って台形状の画像を長方形状に調整したときに、画像表示領域5Xの範囲内に調整された画像を表示することができる。したがって、プロジェクタ32での画像の補正によらずに正常な画像を投影できる。ただし、描画領域262Rに表示する画像をプロジェクタ32の補正機能によって補正して投影できるようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、表示画像の調整(つまり、調整画像45による位置合わせ調整など)を行うにあたり、作業員等による十字ボタン31E等の操作に基づいてプロジェクタ32を上下左右に移動させたり、描画領域262Rに記憶された表示画像データを回転させたりしている。このため、表示画像を効率よく調整することができる。また、表示画像の調整を行うにあたり、上下左右の位置はプロジェクタ32を移動させて調整し、表示画像の回転位置は、表示画像データを回転させて調整している。プロジェクタ32の上下左右方向への移動は比較的容易であるが、回転方向への移動は、プロジェクタ32を保持する必要が生じるなどの困難性がある。このような回転方向の調整を表示画像データで行うことにより、表示画像をさらに効率よく調整することができる。
また、スクリーン5には、マーカPS1〜PS13が設けられている。マーカPS1〜PS13が設けられていることにより、表示画像の調整を行う際の目印としてマーカPS1〜PS13を利用することができる。したがって、表示画像をさらに効率よく調整することができる。
なお、上記実施形態では、図16(A)に示すように、十字ボタン31Eの操作に基づいてスクリーン5に表示される表示画像の調整が可能な自動調整装置42を用いているが、この構成に限定されない。例えば、図16(B)に示す自動調整装置42を用いてもよい。図16(B)に示す自動調整装置42は、十字ボタン31Eに替えてコマンド入力装置38を備えたものである。コマンド入力装置38は演出制御基板12に接続されている。なお、図16(B)に示す自動調整装置42においても、図16(A)に示す場合と同様に、図11に示すような態様での全体調整や、図15に示すような態様の部分調整が可能である。
コマンド入力装置38は、上キー、下キー、右キー、左キー、前キー、後キー、右回転キー、左回転キーの8つのキーを有し、図11(A)に示す調整画像45の位置合わせ調整(キャリブレーション)の開始を指示するコマンド(キャリブレーション開始コマンド)を送信可能である。演出制御基板12は、コマンド入力装置38からキャリブレーション開始コマンドを受信すると、調整画像45の位置合わせ調整(キャリブレーション)モードとなる。このような位置合わせ調整モードにおいて、コマンド入力装置38の各キーを操作すると、操作信号が演出制御基板12に送信される。演出制御基板12は、操作信号を受信した際に、表示制御部123による処理が行われる。
演出制御基板12は、コマンド入力装置38から上キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が上昇するようにプロジェクタ32を上昇させる上昇信号を生成する。演出制御基板12は、生成した上昇信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。また、演出制御基板12は、コマンド入力装置38から下キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が下降するようにプロジェクタ32を下降させる下降信号を生成する。演出制御基板12は、生成した下降信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。
演出制御基板12は、コマンド入力装置38から左キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が左方に移動するようにプロジェクタ32を移動させる左移動信号を生成する。演出制御基板12は、生成した左移動信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。また、演出制御基板12は、コマンド入力装置38から右キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が右方に移動するようにプロジェクタ32を移動させる右移動信号を生成する。演出制御基板12は、生成した右移動信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。
演出制御基板12は、コマンド入力装置38から前キー操作信号が送信されたときには、プロジェクタ32を前進させる前進信号を生成する。演出制御基板12は、生成した前進信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。また、演出制御基板12は、コマンド入力装置38から後キー操作信号が送信されたときには、プロジェクタ32を後退させる後退信号を生成する。演出制御基板12は、生成した後退信号をプロジェクタ移動装置32Aに送信する。
演出制御基板12は、コマンド入力装置38から右回転キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が時計回りに回転した画像を表示制御部123に設けられたVDP262(図8参照)において生成する。演出制御基板12は、生成した画像に応じた画像をプロジェクタ32に投影させる。また、演出制御基板12は、コマンド入力装置38から左回転キー操作信号が送信されたときには、スクリーン5に表示される画像が反時計回りに回転した画像を表示制御部123に設けられたVDP262において生成する。演出制御基板12は、生成した画像に応じた画像をプロジェクタ32に投影させる。
また、図16(C)に示す自動調整装置42を用いてもよい。図16(C)に示す自動調整装置42は、図16(B)に示すコマンド入力装置38に替えてコントローラ210とコンピュータ211とを備えたものである。コントローラ210はコンピュータ211に接続され、作業員等の上下、左右、前後、回転などの各操作が入力可能なものである。コンピュータ211は演出制御基板12に接続されている。なお、図16(C)に示す自動調整装置42においても、図16(A)に示す場合と同様に、図11に示すような態様での全体調整や、図15に示すような態様の部分調整が可能である。また、図16(A)〜(C)に示すミラー移動装置28Aを設けないようにしてもよい。
なお、自動調整装置42を用いる場合には、作業員による作業を完全になくして完全自動化してもよい。例えば、スクリーン5に表示された画像をカメラなどの撮像手段によって撮像し、撮像手段で撮像された画像に画像処理を施して、スクリーン5と、スクリーン5に表示される画像とのずれを検出する。ここで検出されたずれに基づいて、自動調整装置42のプロジェクタ移動装置32Aを作動させ、さらには画像を回転させて画像を調整するようにしてもよい。
次に、特別スクリーン205Aに映像を表示することによる演出を含む演出の一例及び遊技機1における作用効果について説明する。特別スクリーン205Aに映像を表示する演出は、特定スーパーリーチ演出中に特別スクリーン出現演出として実行される。以下、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを拡大開放状態とし、所定時間が経過すると通常開放状態に戻す制御が行われる。
遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
本実施形態における遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。遊技機1は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、その後、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。つまり、遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態に維持し、1回のラウンドを終了させる。
遊技機1は、1回のラウンドにつき1回、大入賞口を開放状態に変化させる(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態と変化させる)。なお、遊技機1は、1回のラウンドにつき複数回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい。例えば、遊技機1は、1回のラウンドにつき2回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態→開放状態→閉鎖状態と変化させてもよい)。
なお、上述のような、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時に大入賞口扉を直ちに開く態様)ではなく、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時には大入賞口扉を開かない態様)であってもよい。つまり、遊技機1は、ラウンドの開始時には大入賞口扉を開くことなく大入賞口を閉鎖状態に維持し、その後、大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて1回のラウンドを終了させてもよい。
大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、固定(一定)の回数(例えば、常に10回)でなくてもよい。例えば、大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、複数種類の回数(例えば、2回、8回、16回)のなかから選択(抽選)されたいずれかの回数であってもよい。
つまり、遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が上限回数(上述所定の回数が固定の回数である場合には当該固定の回数、上述の所定の回数が複数種類から選択される場合には選択された回数)に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、遊技機1は、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、のいずれかとなるまでの期間、開放状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に29秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、複数種類の時間(例えば、0.1秒間、29秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。また例えば、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、ラウンドの開始した後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に3秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、複数種類の時間(例えば、1秒間、3秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
以上のように、遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、夫々の大当り遊技状態において遊技者が得る価値、即ち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))を夫々異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
また、当該大当り遊技状態自体によって遊技者が得る価値(当該大当り遊技状態の期間において遊技者が得る価値)に加えて、当該大当り遊技状態の後に制御される遊技機1の状態の種類(例えば、通常状態、時短状態、確変状態の別)や、当該大当り遊技状態の後に制御される遊技機1の状態(例えば、時短状態、確変状態)が維持される期間(例えば、時短回数、ST回数)の長さなどを異ならせることにより、当該大当り遊技状態以降において遊技者が得る価値を異ならせてもよい。
スクリーン5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、スクリーン5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される飾り図柄の組合せのうち、全ての飾り図柄が停止表示された際には、上記の大当り組合せ以外の組合せをハズレ組合せと称する。また、大当り組合せの一部として停止表示された飾り図柄の組合せをリーチ組合せとも称する。また、ハズレ組合せのうち、リーチ組合せを含む飾り図柄の組合せをリーチハズレ組合せとも称し、リーチ組合せを含まない飾り図柄の組合せを非リーチハズレ組合せとも称する。また、リーチ組合せが表示される際、リーチ組合せとともにリーチ変動図柄が表示されることもあるし、表示されないこともある。また、リーチ組合せは、リーチ演出の実行に伴い、スクリーン5または特別スクリーン205A内の領域であって、飾り図柄表示エリア5L、5C、5R以外の領域に表示されることもある。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、スクリーン5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(またはリーチ演出表示)という。また、この実施形態のリーチ演出には、特別スクリーン装置205等の動作(静止、微動、移動等)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれる。また、リーチ演出には、スクリーン5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)が含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される擬似連演出などが実行可能である。擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
この実施形態では、大当りとなることやリーチやスーパーリーチとなることを予告する(大当り期待度やリーチなる可能性を報知する)予告演出として、いわゆる先読み予告演出が実行可能となっている。先読み予告演出は、始動入賞時に、可変表示結果や変動パターンの種別(変動カテゴリ、リーチ、スーパーリーチ、擬似連等の演出の有無)を判定し、その判定結果に基づいて実行される予告演出である。この実施形態では、先読み予告演出として、保留表示の表示態様を変化させる保留表示予告が実行されるようになっている。
図19は、所定の演出制御メイン処理に含まれる演出制御プロセス処理(S75)の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源基板16等から電源電圧の供給を受けると起動し、演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理では、初期化処理が実行されることなどにより、演出制御の初期設定が行われる。その後、予め定められた演出制御用割込み時間(例えば2ミリ秒)が経過して演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理などが実行される。演出制御用のタイマ割込みとは別に、コマンド受信用の割込みが発生したときには、主基板11から伝送された演出制御コマンドとなる制御信号を取り込み、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファなどに、演出制御コマンドを格納する。例えば、コマンド解析処理において、始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファに格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファに格納する。
図19に示す演出制御プロセス処理では、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、保留表示エリア5Hに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理や、後述の保留表示処理(図20)などが実行される。
ステップS150の入賞時演出決定処理を実行後、演出制御用CPU120は、後述の特別スクリーン装置初期動作処理を実行する(ステップS151)。特別スクリーン装置初期動作処理の実行後は、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(または第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づき、スクリーン5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理や、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)を実行する処理を表示する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。ステップS170の可変表示開始待ち処理については、後にさらに説明する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、スクリーン5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄を決定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データ(プロセスデータ)に基づき、映像信号(演出画像)をスクリーン5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御、特別スクリーン装置205の駆動制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理は、ST回数(確変回数)や時短回数をカウントする処理や、演出数カウンタの値を更新する処理や、演出数カウンタの値に応じて遊技状態を変更する処理などを含んできる。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、停止図柄が大当り図柄であるときは、ファンファーレ演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、停止図柄が大当り図柄でないときは、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り開始処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態となる前に実行され、ファンファーレ演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このラウンド中処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行され、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときの演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときに実行する演出を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このラウンド後処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行される。主基板11からの大入賞口開放中通知コマンドを受信したときは、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。また、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したときは、エンディング演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り終了後処理は、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となる前に実行され、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を設定する処理や、ST回数(確変回数)や時短回数を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図20は、保留表示処理の一例を示すフローチャートである。保留表示処理では、演出制御用CPU120は、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101では、主基板11から、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否かを判定すればよい。
始動入賞が発生したと判定した場合(ステップS101;Yes)、保留表示予告を実行するか否かや実行する場合の演出態様を決定する(ステップS102)。ステップS102では、主基板11から受信した入賞時の判定結果を示すコマンド(図柄指定コマン、変動カテゴリコマンド)が示す表示結果に基づいて、例えば図21に示す決定割合で保留表示予告を実行するか否かや実行する場合の演出態様を決定すればよい。図21に示すように、この実施形態では、保留表示予告が実行されない場合の保留表示の表示色は「白」となり、保留表示予告が実行される場合には、「青」、「緑」または「赤」となる。図21に示すように、大当り信頼度は「赤」>「緑」>「青」となっている。このように、保留表示予告では、保留表示の表示態様(ここでは表示色)に応じて、大当り信頼度や、スーパーリーチ等の演出の実行割合が異なっていればよい。
ステップS102で、保留表示予告の実行有無や実行する場合の演出態様(表示色)を決定した後には、決定結果に応じて、保留表示LED34を発光させる表示制御を実行する(ステップS103)。また、決定結果に応じた色を、プロジェクタ32に投影させる表示制御を実行する(ステップS104)。
ステップS103では、演出制御用CPU120は、例えば、サブLED制御部270にステップS102にて決定された表示色で、今回の入賞に対応する保留表示エリア5H(または今回表示エリア5K)の保留表示LED34を発光させるための指令を伝送すればよい。
ステップS104では、演出制御用CPU120は、例えば、プロジェクタ制御部260にステップS102にて決定された表示色に対応する色を、今回の入賞に対応する保留表示エリア5Hに投影させるための指令(演出制御コマンド)を伝送すればよい。この実施形態では、図22に示すように、保留表示を表示するための保留表示装置として、保留表示LED34が「白」、「青」、「緑」、「赤」で発光している場合には、プロジェクタ32からも同じ色を投影するようになっている。このようにすることで、プロジェクタ32からの投影画像によって保留表示の視認性が悪くなることを防止できるとともに、同じ色を投影することで保留表示を強調することができる。
ステップS104の処理を実行した後や、新たな始動入賞が発生していない場合(ステップS101;No)、保留表示のシフトするタイミングであるか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105では、演出制御用CPU120は、例えば、変動が終了することまたは変動が開始することを示すコマンド(変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等)を示すコマンドを受信した場合に、保留表示のシフトするタイミングであると判定すればよい。なお、変動パターン指定コマンドから特定される変動時間が経過した場合に、保留表示のシフトするタイミングであると判定してもよい。
保留保有のシフトするタイミングでなければ(ステップS105;No)、保留表示処理を終了する。保留保有のシフトするタイミングであれば(ステップS105;Yes)、シフト元の保留表示エリア5Hの保留表示LED34を消灯する制御を実行するとともに(ステップS106)、シフト元の保留表示エリア5Hへのプロジェクタ32からの投影を終了させる制御を実行する(ステップS107)。
ステップS106やS107では、演出制御用CPU120は、保留表示を表示するときと同様に、サブLED制御部270やプロジェクタ制御部260に対して保留表示を消灯させるための指令(演出制御コマンド)を伝送すればよい。
この実施の形態では、図22に示すように、保留表示LED34が点灯していない場合には、その保留表示エリア5Hへのプロジェクタ32からの投影も実行しないようになっている。このようにすることで、その保留番号に対応する保留がない場合には、その保留表示エリア5Hは、黒色となる。これにより、保留表示エリア5Hに画像や映像が投影されることで、保留がないにも関わらず保留があると誤解されることを防止できる。保留表示エリア5Hへのプロジェクタ32からの投影を実行しない場合、例えば、投影範囲を全体的に縮小するように制御してもよい。なお、保留表示LED34が点灯していない場合に、その保留表示エリア5Hへは黒など保留表示に用いない色を投影するようにしてもよい。また、保留表示の表示色として白を使用しない場合には、白を投影するようにしてもよい。
ステップS106やS107においてシフト元の保留表示を消灯(消去)させる処理を実行した後には、シフト先の保留表示エリア5H(または今回表示エリア5K)の保留表示LED34をシフト元と同じ色で発光させる制御を実行するとともに(ステップS108)、シフト元と同じ色をプロジェクタ32からの投影させる制御を実行する(ステップS109)。その後、保留表示処理を終了する。
次に、ステップS151の特別スクリーン装置初期動作処理を説明する。図23は、特別スクリーン装置初期動作処理の一例を示すフローチャートである。
特別スクリーン装置初期動作処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に形成された初期化指定コマンド格納領域または停電復旧コマンド格納領域に、初期化指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドが格納されているか否かを判断する(ステップS1511)。初期化指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドは、前述のコマンド解析処理において格納される。初期化指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドが格納されていないと判断した場合(ステップS1511;NO)、演出制御用CPU120は、特別スクリーン装置初期動作処理を終了する。
一方、初期化指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドが格納されていると判断した場合(ステップS1511;YES)、演出制御用CPU120は、初期動作Aを実行するための処理を行う(ステップS1512)。初期動作Aは、特別スクリーン装置205が可動範囲の全域で移動可能であることを確認するための初期動作である。その後、演出制御用CPU120は、特別スクリーン装置初期動作処理を終了する。
本実施形態において説明する特別スクリーン装置205の初期動作(イニシャル動作)には、ロングイニシャル動作とショートイニシャル動作がある。このうち、初期動作Aは、ロングイニシャル動作に相当する初期動作である。また、後に説明する初期動作Bは、ショートイニシャル動作に相当する初期動作である。
ロングイニシャル動作とは、通常の演出動作において特別スクリーン装置205に不具合が発生するか否かのチェック(正常動作確認)を行う初期動作である。一方、ショートイニシャル動作とは、特別スクリーン装置205を通常の演出動作の一部を省略して動作させる初期動作をいう。このため、ロングイニシャル動作では、特別スクリーン205Aを作動させるが、ショートイニシャル動作では、特別スクリーン205Aをロングイニシャル動作よりも簡素な動作で作動させる。なお、ショートイニシャル動作は、あくまで原点復帰(原点検出)をさせるための動作処理である。このため、ショートイニシャル動作は、ロングイニシャル動作と比較して動きが少ないものである。ショートイニシャル動作を実行することにより、ロングイニシャル動作を実行する場合に比べて短時間で特別スクリーン装置205の動作のチェックをすることが可能となる。
次に、図24を用いて、特別スクリーン装置初期動作処理(ステップS151)におけるステップS1512の初期動作A実行処理(ロングイニシャル動作)を説明する。図24に示すように、初期動作A実行処理において、演出制御用CPU120は、まず、初期動作A実行準備が済んでいるか否か判断する(ステップS1521)。演出制御用CPU120では、初期動作A実行準備の判断において、特別スクリーン205Aが収納状態であり、下降時間タイマ及び上昇開始タイマがセットされていないことを判断する。収納状態は、左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRから送信される原点位置信号に基づいて判断する。演出制御用CPU120は、初期動作A実行が済んでいないと判断した場合(ステップS1521;NO)、初期動作A実行準備を行う(ステップS1522)。初期動作A実行準備では、特別スクリーン205Aを収納状態にするとともに、下降時間タイマ及び上昇開始タイマをクリアする。
演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aを収納状態にする収納操作を行うにあたり、昇降モータ205Mを作動させて左スライダ205SL及び右スライダ205SRを下降させ、昇降フレーム205Fを下降させる。演出制御用CPU120は、ステップS1521において初期動作A実行準備が済んだと判断するまで収納操作を繰り返して継続する。演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが収納状態となったときに、左下部ストッパソレノイド205DL及び右下部ストッパソレノイド205DRをセットする。左下部ストッパソレノイド205DL及び右下部ストッパソレノイド205DRをセットすることによって、収納状態にある特別スクリーン205Aのずれなどが抑制される。
また、演出制御用CPU120は、ステップS1521において、初期動作A実行準備が済んだと判断した場合(ステップS1521;YES)、下降時間タイマがセット中であるか否かを判断する(ステップS1523)。下降時間タイマは、特別スクリーン205Aが出現しているときに、特別スクリーン205Aに対してデモ演出画像を投影する時間である。演出制御用CPU120は、下降時間タイマが中でないと判断した場合(ステップS1523;NO)、上昇開始タイマがセット中であるか否かを判断する(ステップS1524)。上昇開始タイマは、特別スクリーン205Aが収納状態にあるときに、スクリーン5に対してデモ演出画像を投影する時間である。
演出制御用CPU120は、上昇開始タイマがセット中でないと判断した場合(ステップS1524;NO)、上昇開始タイマ(=tu)をセットして(ステップS1525)、ステップS1526に進む。また、演出制御用CPU120は、上昇開始タイマがセット中であると判断した場合(ステップS1524;YES)、上昇開始タイマ(=tu)をセットすることなく、そのままステップS1526に進む。
続いて、演出制御用CPU120は、メインスクリーン5にデモ画像を投影する(ステップS1526)。次に、演出制御用CPU120は、上昇開始タイマがカウントアップしたか(tu=0)否かを判断する(ステップS1527)。その結果、上昇開始タイマがカウントアップしていない(tU≠0)と演出制御用CPU120が判断した場合(ステップS1527;NO)、スクリーン5で実行されるデモ演出が未だ終了していないこととなる。このため、演出制御用CPU120は、そのまま初期動作A実行処理を終了する。
演出制御用CPU120は、上昇開始タイマがカウントアップした(tu=0)と判断した場合(ステップS1527;YES)、左下部ストッパソレノイド205DL及び右下部ストッパソレノイド205DRを解除し、昇降モータ205Mを作動させて(ステップS1528)、左スライダ205SL及び右スライダ205SRを上昇させる。また、演出制御用CPU120は、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの上昇によって、昇降フレーム205Fも上昇させる(ステップS1528)。
特別スクリーン205Aは、昇降フレーム205Fが上昇することによってスクリーン5の手前側に出現し、徐々にセットされていく。このとき、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させる(ステップS1529)。所定画像は、キャラクタなどの生物(人物)や模様などを持たない単一色、例えば白色の画像である。また、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させるとともに、投影される画像のフォーカスをスクリーン5から特別スクリーン205Aに変更し(ステップS1530)、特別スクリーン205Aに応じたフォーカスに調整する。演出制御用CPU120は、投影される画像のフォーカスをスクリーン5から特別スクリーン205Aに変更するため、プロジェクタ移動装置32Aを作動させて、プロジェクタ32を第1正位置から第2正位置まで後退させる。
続いて、演出制御用CPU120は、左上端センサ205ZL及び右上端センサ205ZRから送信される原点位置信号に基づいて、特別スクリーン205Aが最上段に到達したか否かを判断する(ステップS1531)。その結果、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが最上段に到達していないと判断した場合には、(ステップS1531;NO)、そのまま初期動作A実行処理を終了する。このため、特別スクリーン205Aが最上段に到達するまで左スライダ205SL及び右スライダ205SRの上昇が継続される。
また、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが最上段に到達したと判断した場合には(ステップS1531;YES)、特別スクリーン205Aが全体的に出現してセット状態となる。このとき、演出制御用CPU120は、昇降モータ205Mを停止させて(ステップS1532)、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの上昇を終了させる。合わせて、昇降フレーム205Fの上昇も終了させる。続いて、左上部ストッパソレノイド205UL及び右上部ストッパソレノイド205URをセットして、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの下降移動を規制する。それから、演出制御用CPU120は、上昇開始タイマをクリアする(ステップS1533)。
続いて、演出制御用CPU120は、下降時間タイマ(=td)をセットする(ステップS1534)。それから、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に対してデモ演出画像を特別スクリーン205Aに投影させる(ステップS1535)。このとき、プロジェクタ32から投影される画像のフォーカスは、全体的に出現してセット状態にある特別スクリーン205Aに応じているので、フォーカスが合った画像が特別スクリーン205Aに投影される。
また、演出制御用CPU120は、ステップS1523において、下降時間タイマがセット中であると判断した場合(ステップS1523;YES)にも、ステップS1535に進む。続いて、演出制御用CPU120は、下降時間タイマがカウントアップしたか(td=0)否かを判断する(ステップS1536)。その結果、下降時間タイマがカウントアップしていない(td≠0)と判断した場合(ステップS1536;NO)は、特別スクリーン205Aで実行されるデモ演出が未だ終了していないこととなる。この場合、そのまま初期動作A実行処理を終了して、特別スクリーン205Aにおけるデモ演出を継続する。
演出制御用CPU120は、下降時間タイマがカウントアップした(td=0)と判断した場合(ステップS1536;YES)、左上部ストッパソレノイド205UL及び右上部ストッパソレノイド205URを解除し、昇降モータ205Mを作動させて(ステップS1537)、左スライダ205SL及び右スライダ205SRを下降させる。また、演出制御用CPU120は、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの下降によって、昇降フレーム205Fも下降させる(ステップS1537)。
特別スクリーン205Aは、昇降フレーム205Fが下降することにより、スクリーン5の手前側において、徐々に収納されていく。このとき、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させる(ステップS1538)。所定画像は、ステップS1529で投影した画像であってもよいし、この画像とは異なる画像であってもよい。演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させるとともに、投影される画像のフォーカスを特別スクリーン205Aからスクリーン5に合せるように変更し(ステップS1539)、スクリーン5に応じたフォーカスに調整する。演出制御用CPU120は、投影される画像のフォーカスを特別スクリーン205Aからスクリーン5に変更するため、プロジェクタ移動装置32Aを作動させて、プロジェクタ32を第2正位置から第1正位置まで前進させる。
続いて、演出制御用CPU120は、左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRから送信される原点位置信号に基づいて、特別スクリーン205Aが収納されたか否かを判断する(ステップS1540)。その結果、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが収納されていないと判断した場合には、(ステップS1540;NO)、そのまま初期動作A実行処理を終了する。このため、特別スクリーン205Aが収納されるまで左スライダ205SL及び右スライダ205SRの下降が継続される。
また、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが収納されたと判断した場合には、(ステップS1540;YES)、昇降モータ205Mを停止させて(ステップS1541)、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの下降を終了させる。合わせて、昇降フレーム205Fの下降も終了させる(ステップS1541)。このとき、左上部ストッパソレノイド205UL及び右上部ストッパソレノイド205URをセットし、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの上昇移動を規制する。続いて、下降時間タイマをクリアする(ステップS1542)。こうして、初期動作A実行処理を終了する。
次に、図25を用いて、演出制御プロセス処理(ステップS75)のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理を説明する。図25に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンド(または第2変動開始コマンド)の受信があるか否かを判定する(ステップS1000)。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(または第2変動開始コマンド)の受信がないと判定した場合(ステップS1000;NO)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1002)。デモ演出中フラグは、客待ちデモンストレーション表示が行われているか否かを示すフラグである。デモ演出中フラグがオン状態(例えば、値「1」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていることを示し、デモ演出中フラグがオフ状態(例えば、値「0」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていないことを示す。デモ演出中フラグの値は、例えば、演出制御フラグ設定部191に記憶されていればよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1002;NO)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS1004)。ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信がないと判定した場合(ステップS1004;NO)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信があると判定した場合(ステップS1004;YES)、デモ演出中フラグをオン状態にセットし(ステップS1006)、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)に応じたプロセスデータ(演出制御パターン)を選択し(ステップS1008)、演出制御プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1010)。これにより、客待ちデモ指定コマンドの受信にもとづいて、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)が開始される。その後、可変表示開始待ち処理を終了する。なお、本実施形態では、デモ演出を開始する条件としてステップS170の可変表示開始待ち処理において、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する場合を説明したが、デモ演出を開始する条件はこれに限定されない。例えば、可変表示停止から所定の時間が経過したときにデモ演出を開始してもよい。また、センサ等により遊技者が遊技状態ではないことを検出してデモ演出を開始してもよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1002;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、演出制御用CPU120は、所定の操作(例えば、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B、十字ボタン31Eなどによる所定の操作)があるか否かを判定する(ステップS1012)。ステップS1012において所定の操作がないと判定した場合(ステップS1012;NO)、演出制御用CPU120は、後述のデモ中初期動作実行処理を実行する(ステップS1014)。ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了する。すなわち、デモ演出中においてスティックコントローラ31A等を用いた所定の操作が行われない場合は、デモ演出が継続されることになる。
一方、ステップS1012において所定の操作があると判定した場合(ステップS1012;YES)、演出制御用CPU120は、メニュー処理を実行する(ステップS1013)。ステップS1013におけるメニュー処理は、スクリーン5にメニューを表示して、遊技者にメニュー内容に従った操作を可能とするものである。ステップS1013の処理の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(または第2変動開始コマンド)の受信があると判定した場合(ステップS1000;YES)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1022)。ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1022;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、デモ演出中フラグをオフ状態にリセットする(ステップS1024)。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS1026)。
ステップS1026の処理を実行後、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグをオフ状態とする(ステップS1027)。初期動作実行済みフラグは、ステップS1014の処理において初期動作が実行された場合にオン状態にされるフラグであり、ステップS170の可変表示開始待ち処理を終了するときにオフ状態にすることで、次にデモ演出を実行するときに再度特別スクリーン装置205等の初期動作を実行可能とする。ステップS1027の処理を実行後、演出制御用CPU120は、可変表示開始待ち処理を終了する。
一方、ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1022;NO)、ステップS1024の処理を省略(飛ばして)して、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS1026)、可変表示開始待ち処理を終了する。
次に、図26を用いて、図25の可変表示開始待ち処理(ステップS170)におけるステップS1014のデモ中初期動作実行処理の詳細を説明する。図23を用いて説明した特別スクリーン装置初期動作処理(ステップS151)は、主基板11から初期化指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したときに実行されるのに対して、図26に示すデモ中初期動作実行処理(ステップS1014)は、遊技機1がデモ中に実行される。すなわち、本実施形態では、初期動作を電源が投入された時のタイミングで行うとともに、それ以外のタイミングで行う場合を例示している。したがって、電源が投入された時以外において、特別スクリーン装置205等の不具合をチェックできるとともに、特別スクリーン装置205等が原点位置にない場合であっても原点位置に戻すことが可能となる。
図26に示すデモ中初期動作実行処理おいて、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS10141)。デモ演出中において初期動作は1回のみ実施される。初期動作実行済みフラグは、遊技機1がデモ演出を開始するときにステップS1014のデモ中初期動作実行処理において初期動作が行われたことを示すフラグである。したがって、初期動作実行済みフラグがオン状態であると判断した場合(ステップS10141;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。なお、初期動作実行済みフラグは、上述の通り、図25の可変表示開始待ち処理(ステップS170)における、ステップS1027の処理においてオフ状態とされる。
一方、初期動作実行済みフラグがオン状態ではないと判断した場合(ステップS10141;NO)、演出制御用CPU120は、初期動作実行済みフラグをオン状態にする(ステップS10142)。初期動作実行済みフラグは、例えば、RAM122に設けられた、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域(演出制御用データ保持エリア)に記憶する等すればよい。ステップS10142の処理を実行後、演出制御用CPU120は、初期動作Bを実行するための処理を行う(ステップS10146)。初期動作Bでは、特別スクリーン205Aに対する画像の投影を行うことなく、特別スクリーン205Aを収納状態からセット状態に動作させ、セット状態を維持することなく即座に収納状態に移動させる処理が行われる。ステップS10146の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS1014のデモ中初期動作実行処理を終了する。
次に、図27を用いて、図19に示す演出制御プロセス処理(ステップS75)のステップS172にて実行される可変表示中演出処理を説明する。図27に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;NO)、特別スクリーン出現演出を実行するための特別スクリーン出現演出期間であるか否かを判定する(ステップS542)。つまり、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示を実行しているときに、特別スクリーン出現演出期間であるか否かを判定する。特別スクリーン出現演出期間は、変動パターン指定コマンドとして、特定の変動パターン(例えば特別スクリーン出現演出を実行することに対応した特定スーパーリーチ演出を実行する特定スーパーリーチ変動パターン)対応するコマンドが主基板11から送信される場合に設定される。ステップS542にて特別スクリーン出現演出期間であると判断したときには(ステップS542;YES)、特別スクリーン出現演出処理を行う(ステップS543)。
図28は、特別スクリーン出現演出処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別スクリーン出現演出処理は、主に、メインスクリーン5と特別スクリーン205Aに所定の演出画像を投影するための処理である。演出制御用CPU120は、当該処理と併せて、特別スクリーン205Aの位置を制御するための特別スクリーン制御処理(図示せず)を実行する。
特別スクリーン制御処理では、まず、演出制御用CPU120は、特別スクリーン出現演出処理の開始に応じて、特別スクリーン205Aが最上段に到達するまで昇降モータ205Mを作動し、特別スクリーン205Aが最上段に到達したと判断した場合には、昇降モータ205Mを停止させる。これにより、特別スクリーン205Aはセット状態となる。続いて、演出制御用CPU120は、後述の特別スクリーン下降期間であると判断した場合、昇降モータ205Mを作動させて昇降フレームFを下降させる。特別スクリーン205Aは、昇降フレーム205Fが下降することにより、スクリーン5の手前側において、徐々に収納されていく。続いて、演出制御用CPU120は、左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRから送信される原点位置信号に基づいて、特別スクリーン205Aが収納されたか否かを判断する。そして、特別スクリーン205Aが収納されたと判断した場合には、昇降モータ205Mを停止させて、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの下降を終了させ、昇降フレーム205Fの下降も終了させる。さらに、左下部ストッパソレノイド205DL及び右下部ストッパソレノイド205DRをセットして、左スライダ205SL及び右スライダ205SRの上昇移動を規制する。
それでは、図28に示す特別スクリーン出現演出処理について説明する。特別スクリーン出現演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、特別スクリーン205Aが動作可能であるか否かを判定する(ステップS901)。ここで、特別スクリーン出現演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、前記の特別スクリーン制御処理を実行して昇降モータ205Mを作動させることで特別スクリーン205Aが上昇させるが、昇降モータ205Mを作動させる制御を行ったとしても、何らかの理由、例えば昇降モータ205Mと左スライダ205SLまたは右スライダ205SRとを連結する歯車機構205Hに不具合が生じたり、左スライダ205SLまたは右スライダ205SRと昇降フレーム205Fとが外れてしまったりすることが考えられる。そのため、ここで特別スクリーン出現演出を継続するか否かの判定を行う。特別スクリーン205Aが正常に作動しない場合には、後述の特別スクリーンリーチ演出が実行されないことになる。
特別スクリーン205Aが動作可能で無いと判定した場合は(ステップS901;NO)、スクリーン(メインスクリーン)5に演出画像を投影する特別スクリーン非出現演出を実行する(ステップS902)。特別スクリーン非出現演出では、特別スクリーン205Aの投影画像によるリーチ演出を実行することなく、代わりに、当該投影画像をスクリーン5に投影することで演出を実行する。ここで、この実施形態では、特定スーパーリーチ演出が開始されると、プロジェクタ32からの投影画像は、モノクロ態様としての第1色態様CL1(図32等参照)で表示される。そして、ステップS902の特別スクリーン非出現演出が実行された場合は、投影画像を第1色態様CL1から、カラー態様としての第2色態様CL2(図34参照)に変更する色調変更演出が実行されない。したがって、特別スクリーン非出現演出の実行時における投影画像は、モノクロ態様としての第1色態様CL1のままとなる。色調変更演出については後に詳細に述べる。
なお、ステップS901の判定処理や、ステップS902の特別スクリーン非出現演出の実行処理を設けない構成として、仮に特別スクリーン205Aの駆動機構に不具合があっても投影画像による演出が継続されるようにしてもよい。前記のように、特別スクリーン205Aの移動を制御するための特別スクリーン制御処理は、演出画像の投影制御を行うための特別スクリーン出現演出処理とは別の処理であるため、仮に特別スクリーン205Aに不具合があっても投影画像による演出は継続される。また、特別スクリーン出現演出処理を、図24に示す初期動作A実行処理(ステップS1512)のように、特別スクリーン205Aの駆動制御と統合した処理としてもよい。
また、特別スクリーン205Aの移動を制御するための特別スクリーン制御処理では、左原点センサ205YL及び右原点センサ205YRから送信される原点位置信号に基づいて特別スクリーン205Aの収納状態を判断し、左上端センサ205ZL及び右上端センサ205ZRから送信される原点位置信号に基づいて、特別スクリーン205Aのセット状態を判断する。これに限られず、特別スクリーン205Aの可動範囲において、より多くのセンサを設けたり、特別スクリーン205Aが現在どの位置にあるか逐次検出可能なセンサ(光センサなど)を設けたりして、特別スクリーン205Aの可動の途中(上昇途中や下降途中)においても、特別スクリーン205Aの移動に何らかの不具合が生じたと判断した場合は、特別スクリーン非出現演出(ステップS902)を実行したり、所定画像の投影処理(ステップS904やS909)を実行しないようにしたり、フォーカス変更処理(ステップS905やS910)を実行しないようにしたりしてもよい。このようにすることで、特別スクリーン205Aに何らかの不具合が生じた場合であっても、投影画像に生じる違和感を軽減することができる。
図28に戻って、特別スクリーン205Aが動作可能であると判定した場合(ステップS901;YES)、演出制御用CPU120は、特別スクリーン上昇期間であるか否かを判定する(ステップS903)。特別スクリーン上昇期間は、特別スクリーン出現演出の演出内容に対応した演出制御パターンにおいて、特別スクリーン制御処理による特別スクリーン205Aの駆動制御と同期するように予め定められていればよい。なお、後述のステップS906、S908、S914の各処理における判定対象となる、特別スクリーン最上段停止期間、特別スクリーン下降期間、特別スクリーン収納期間などの各期間についても同様である。
特別スクリーン上昇期間であると判定した場合(ステップS903;YES)、演出制御用CPU120は、所定画像を投影する(ステップS904)。所定画像は、ステップS1529で投影した画像であってもよいし、この画像とは異なる画像であってもよい。続いて、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させるとともに、投影される画像のフォーカスをメインスクリーン5から特別スクリーン205Aに変更するフォーカス変更(メインから特別へ)処理を実行する(ステップS905)。つまり、特別スクリーン205Aに応じたフォーカスに調整する。
このフォーカス変更(メインから特別へ)処理では、図29に示すように、第1焦点位置から第2焦点位置に焦点変更された実行回数が所定数(例えば4回目)であるか否かを判定する(ステップS921)。演出制御用CPU120は、第1焦点位置から第2焦点位置に焦点変更された実行回数を実行回数記憶エリアに記憶している。所定数(例えば4回目)であれば(ステップS921;YES)、プロジェクタ32を第1正位置から一旦原点位置に戻した後に第2正位置へと移動させ(ステップS922)、実行回数を「0」にリセットし、その値である「0」を実行回数として実行回数記憶エリアに記憶する。具体的には、図8に示すプロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置に戻すようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。プロジェクタ32が原点位置に位置すると原点位置センサ32Bからの検出信号がオンとなり、プロジェクタ表示制御部213は、検出信号がオンになることに基づいてプロジェクタ32の移動を停止させる。続いて、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置から第2正位置に進めるための第2数のパルス信号(原点位置から第2正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第2数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を原点位置から第2正位置に移動させる。このように、プロジェクタ32の焦点を変更するための、プロジェクタ移動装置32A内の前後用のステッピングモータの脱調等により正確に焦点位置に合わなくなることで焦点位置がずれて画像がぼやけてしまう不具合を軽減できる。より具体的に言えば、プロジェクタ32を原点位置に戻すことでステッピングモータの脱調を解決でき、原点位置から第2正位置に変更することで、ボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。
一方、所定数(例えば4回目)でなければ(ステップS921;NO)、つまり該実行回数が4回未満であれば、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第1正位置から第2正位置へと移動させ(ステップS923)、実行回数をインクリメントし、その「1」を加算した実行回数を実行回数記憶エリアに記憶する。プロジェクタ表示制御部213は、第2数から第1数を減算した数である第3数のパルス信号、つまりプロジェクタ32を第1正位置から第2正位置に移動させるための第3数のパルス信号(第1正位置から第2正位置までの負方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第3数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を第1正位置から第2正位置に直接に移動させる。このように、所定数(例えば4回目)に到達していない場合には、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第1正位置から第2正位置へと移動させる。つまり、常にプロジェクタ32を第1正位置から原点位置に戻して第2正位置に移動させるわけではないので、必要以上にボールねじ機構のギア等に負担がかからないようにすることができる。
ステップS922の後、あるいはステップS923の後、フォーカス変更(メインから特別へ)処理を終了する。
図28に戻って、ステップS905の実行後や、特別スクリーン上昇期間で無い場合(ステップS903;NO)、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが最上段で停止している期間に応じた特別スクリーン最上段停止期間であるか否かを判定する(ステップS908)。特別スクリーン最上段停止期間であると判定した場合(ステップS908)、演出制御用CPU120は、特別スクリーンリーチ演出を特別スクリーン205Aに表示して実行する(ステップS907)。
ステップS907の実行後や、特別スクリーン最上段停止期間で無い場合(ステップS908;NO)、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが下降中の期間に応じた特別スクリーン下降期間であるか否かを判定する(ステップS908)。特別スクリーン下降期間であると判定した場合(ステップS908;YES)、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させる(ステップS909)。所定画像は、ステップS904で投影した画像であってもよいし、この画像とは異なる画像であってもよい。続いて、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32に所定画像を投影させるとともに、投影される画像のフォーカスを特別スクリーン205Aからメインスクリーン5に変更するフォーカス変更(特別からメインへ)処理を実行する(ステップS910)。つまり、スクリーン5に応じたフォーカスに調整する。
このフォーカス変更(特別からメインへ)処理では、図30に示すように、第2焦点位置から第1焦点位置に焦点変更された実行回数が所定数(例えば4回目)であるか否かを判定する(ステップS931)。演出制御用CPU120は、第2焦点位置から第1焦点位置に焦点変更された実行回数も実行回数記憶エリアに記憶している。所定数(例えば4回目)であれば(ステップS931;YES)、プロジェクタ32を第2正位置から一旦原点位置に戻した後に第1正位置へと移動させ(ステップS932)、実行回数を「0」にリセットし、その値である「0」を実行回数として実行回数記憶エリアに記憶する。具体的には、図8に示すプロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置に戻すようにプロジェクタ移動装置32Aを制御する。プロジェクタ32が原点位置に位置すると原点位置センサ32Bからの検出信号がオンとなり、プロジェクタ表示制御部213は、検出信号がオンになることに基づいてプロジェクタ32の移動を停止させる。続いて、プロジェクタ表示制御部213は、プロジェクタ32を原点位置から第1正位置に進めるための第1数のパルス信号(原点位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第1数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を原点位置から第1正位置に移動させる。このように、プロジェクタ32の焦点を変更するための、プロジェクタ移動装置32A内の前後用のステッピングモータの脱調等により正確に焦点位置に合わなくなることで焦点位置がずれて画像がぼやけてしまう不具合を軽減できる。より具体的に言えば、プロジェクタ32を原点位置に戻すことでステッピングモータの脱調を解決でき、原点位置から第1正位置に変更することで、ボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。
一方、所定数(例えば4回目)でなければ(ステップS931;NO)、つまり該実行回数が4回未満であれば、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第2正位置から第1正位置へと移動させ(ステップS933)、実行回数をインクリメントし、その「1」を加算した実行回数を実行回数記憶エリアに記憶する。プロジェクタ表示制御部213は、第1数から第2数を減算した数である第4数のパルス信号、つまりプロジェクタ32を第2正位置から第1正位置に移動させるための第4数のパルス信号(第2正位置から第1正位置までの正方向のステップ角に相当する数のパルス信号)をプロジェクタ移動装置32Aに出力する。プロジェクタ移動装置32Aは、この入力された第4数のパルス信号に基づいて、プロジェクタ32を第2正位置から第1正位置に直接に移動させる。このように、所定数(例えば4回目)に到達していない場合には、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第2正位置から第1正位置へと移動させる。つまり、常にプロジェクタ32を第2正位置から原点位置に戻して第1正位置に移動させるわけではないので、必要以上にボールねじ機構のギア等に負担がかからないようにすることができる。
続いて、演出制御用CPU120は、色調変更演出実行決定フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS911)。そして、色調変更演出実行決定フラグがオン状態である場合は(ステップS911;YES)、色調変更演出を実行する(ステップS912)。一方、色調変更演出実行決定フラグがオフ状態である場合は(ステップS911;NO)、色調非変更演出を実行する(ステップS913)。ここで、「色調変更演出」とは、特別スクリーン205Aのセット状態(第1位置の一例)から収納状態(第2位置の一例)への移動に応じて、プロジェクタ32による投影画像の色調を変更する演出である。一方、「色調非変更演出」とは、特別スクリーン205Aの移動に応じて、プロジェクタ32による投影画像の色調を変更しない演出である。この実施形態では、色調非変更演出の実行が決定された場合は、色調変更演出が実行されないことになる。
色調変更演出は、例えば、図19に示す可変表示開始設定処理(S171)において、その実行有無が決定される。ここで、可変表示開始設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する。演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。例えば、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」などがある。演出制御用CPU120は、特図表示結果が「ハズレ」である場合、変動パターンが非リーチ変動パターンであれば非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定し、非リーチ変動パターンではなければリーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。一方、特図表示結果が「大当り」である場合、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合は、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される各組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された各組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、各種の確定飾り図柄を決定すればよい。なお、変動パターンが擬似連変動パターンの場合には、演出制御用CPU120は、仮停止表示される飾り図柄(仮停止図柄)の組合せも決定する。演出制御用CPU120は、例えば、このような最終停止図柄の決定後に、変動パターンが「特定スーパーリーチ」に応じたものである場合に、色調変更演出の実行有無を決定する処理を実行する。なお、特定スーパーリーチ演出が実行される変動パターンの大当り期待度は高いものであることが望ましい。例えば、リーチ演出の中で最も大当り期待度が高くてもよい。このようにすることで、特別スクリーン205Aが出現することで遊技者の期待感を高めることができる。
演出制御用CPU120は、例えば図31に示すような決定割合で色調変更演出の実行有無を決定する。図31に示す決定例では、可変表示結果が「大当り(特定スーパーリーチ)」であるか「ハズレ(特定スーパーリーチ)」であるかに応じて、色調変更演出と色調非変更演出との実行割合が定められている。図31の例は、色調変更演出が実行される場合は、色調変更演出が実行されない場合(色調非変更演出が実行される場合)に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように構成されている。また、色調非変更演出が実行される場合は、色調変更演出が実行される場合に比べて、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高くなるように構成されている。このようにしたため、色調変更演出が実行されるか否かに注目させることができる。図31の決定例は、例えば、ROM121に予め記憶されて用意されたテーブルによって規定され、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される色調変更演出の決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、当該テーブルを参照することなどによって種々の決定を行う。例えば、色調変更演出実行決定フラグは、RAM122の所定領域に設けられており、色調変更演出の実行が決定された場合にオン状態にセットされ、ステップS912やS913の実行後にオフ状態にクリアされる。
ステップS912、S913の実行後や、ステップS908でNO判定であった場合、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aが収納状態で停止している期間に応じた特別スクリーン収納期間であるか否かを判定する(ステップS914)。特別スクリーン収納期間であると判定した場合(ステップS914;YES)、演出制御用CPU120は、当落結果表示演出をメインスクリーン5に表示することによって実行する(ステップS915)。当落結果表示演出は、特別スクリーン205Aが収納状態となった後、メインスクリーン5に表示される演出であり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに大当り組合せまたはハズレ組合せが表示される演出である。ステップS915、S902の処理後や、特別スクリーン収納期間でないと判定した場合(ステップS914;NO)、演出制御用CPU120は、特別スクリーン出現演出処理を終了する。
図27に示す可変表示中演出に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS543の後、あるいは、ステップS542において、特別スクリーン出現演出期間でないと判断した場合(ステップS542;NO)、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定等に基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS548)、可変表示中演出処理を終了する。
また、演出制御用CPU120は、ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;YES)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS549)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS549;NO)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS549にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS549;YES)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS550)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS551)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS552)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、特別スクリーン出現演出動作の一例を、図32〜図35を参照して説明する。特別スクリーン出現演出は、前記のように特定スーパーリーチ演出の実行期間に実行される。特別スクリーン205Aは、イニシャル動作を除いて、特別スクリーン出現演出が実行されるまでの間に出現することがなく、特別スクリーン205Aが出現していない状態においては、メインスクリーン5にプロジェクタ32から投影される画像が表示され、プロジェクタ32から投影される画像のフォーカスは、メインスクリーン5に応じたものとなっている。
図32(A)は、飾り図柄の可変表示が開始された後、リーチが成立した状態(リーチ状態)を示している。リーチ状態においては、メインスクリーン5の左右のそれぞれの上方位置に2つの飾り図柄がリーチ図柄として表示され、その間の位置で飾り図柄が変動表示されている。左右に表示される飾り図柄は共通の「7」図柄である。また、メインスクリーン5の中央では、メインキャラクタ画像MCで表示されるメインキャラクタ(以下「メインキャラクタMC」とも称する)が表示されている。このようなリーチの成立に応じて、特定スーパーリーチに応じた演出(特定スーパーリーチ演出)が実行される。なお、特定スーパーリーチ演出は、特別スクリーンリーチ演出と、色調変更演出(または色調非変更演出)とを含む演出である。また、この実施形態では、特定スーパーリーチ演出が開始されると、プロジェクタ32からの投影画像は、モノクロ態様としての第1色態様CL1で表示される。そして、色調変更演出が実行された場合は、投影画像のうちメインスクリーン5に表示される画像は、カラー態様としての第2色態様CL2による表示となる。この実施形態におけるカラー態様は、例えば、3原色や4原色の組み合わせによるものであり、フルカラーでの態様も含む。なお、色調変更演出が実行されない場合(つまり、色調非変更演出が実行される場合)は、例えば、特定スーパーリーチ演出が終了するまでや、飾り図柄が停止表示されるまでは、プロジェクタ32からの投影画像はモノクロ態様のままとなる。
リーチが成立すると、図32(B)に示すように、昇降フレーム205Fがメインスクリーン5の手前側で上昇し、特別スクリーン205Aがメインスクリーン5の手前側に徐々に出現してくる。昇降フレーム205Fが上昇して特別スクリーン205Aがセットされている間、演出制御用CPU120は、プロジェクタ32から投影される画像のフォーカスを、メインスクリーン5に応じたフォーカスから特別スクリーン205Aに応じたフォーカスに変更する。
ここで、特別スクリーン205Aがセットされている間は、プロジェクタ32から投影される画像の一部はメインスクリーン5に表示され、他の一部は特別スクリーン205Aに表示される。また、プロジェクタ32からメインスクリーン5までの距離と特別スクリーン205Aまでの距離は異なっている。このため、特別スクリーン205Aがセットされているときにプロジェクタ32から投影される画像は、そのフォーカスがメインスクリーン5と特別スクリーン205Aとの一方に応じたフォーカスとしても、他方において投影される画像はピントが合わないため、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。
そこで、演出制御用CPU120は、特別スクリーン205Aがセットされているときには、図32(B)に示すように、プロジェクタ32から投影される画像として、白色無模様の所定画像を投影する。この所定画像では、人物や文字、図柄など所定の形状を遊技者に認識させる画像が含まれていないので、仮にピントがあっていなかったとしても、遊技者に与える違和感が小さなものとなる。また、この所定画像が表示されている際にフォーカスを変更したとしても、やはり遊技者に与える違和感を小さくすることができる。なお、本実施形態では、特別スクリーン装置205のセットされた状態(つまり、進出した状態)や、特別スクリーン装置205の進出上昇中や収納下降中において白色無模様の所定画像が投影されるとしているが、これに限定されない。例えば、特別スクリーン装置205の進出上昇中や収納下降中においてのみ白色無模様の所定画像が投影されるとしてもよい。また、白色無模様に限らず、黒色表示や発光態様表示などであってもよい。
そして、図33(A)に示すように、昇降フレーム205Fが上昇して特別スクリーン205Aが出現し、セット状態となるまでは、プロジェクタ32から所定画像を継続して投影する。なお、セット状態となった後でも、所定期間は所定画像を継続して投影してもよい。特別スクリーン205Aがセット状態となり、所定画像の投影を終了した後は、図33(B)に示すような、特別スクリーンリーチ演出を実行する。例えば、当該演出は、モノクロ態様としての第1色態様CL1で表示され、例えば、メインキャラクタMCや、図示しない他のキャラクタや、背景表示などを適宜変化させた動画態様で実行されればよい。
特別スクリーンリーチ演出が終了すると、特別スクリーン205Aの下降が開始される。そして、例えば、特別スクリーン205Aの下降開始直後に、プロジェクタ32から投影される画像のフォーカスを、特別スクリーン205Aからメインスクリーン5に応じたものへと変更する。この場合、特別スクリーン205Aが上昇する場合と同様に、フォーカスの変更タイミングに合わせて、プロジェクタ32から所定画像を投影すればよい。これにより、フォーカスを変更する際に、遊技者に与える違和感を軽減することができる。
フォーカスをメインスクリーン5に応じたものへと変更した後、図34(A)(B)に示すように、特別スクリーン205Aのセット状態から収納状態への移動に応じて、色調変更演出が実行される。色調変更演出は、徐々に出現領域が下方向に狭まっていく特別スクリーン205Aと、徐々に露出領域が下方向に拡大していくメインスクリーン5の各々に応じて実行される。具体的には、プロジェクタ32からの投影画像のうち、徐々に狭まっていく特別スクリーン205Aに表示される画像をモノクロ態様としての第1色態様CL1で表示しつつ、徐々に拡大していくメインスクリーン5に表示される画像をカラー態様としての第2色態様CL2で表示する。このように、特別スクリーン205Aの動作と連動して投影画像の色調を変化させることで、遊技興趣を向上させることができる。なお、色調非変更演出が実行された場合は、メインスクリーン5に投影される画像は、モノクロ態様としての第1色態様CL1のままで変更されない。この場合は、メインスクリーン5と特別スクリーン205Aとに投影される画像は、同様の第1色態様CL1のままとなる。このように、色調を変更するパターンと色調を変更しないパターンを設けることで、色調変更演出が実行されるか否かに注目させることができる。また、図31に示すように、色調変更演出が実行される場合のほうが、色調非変更演出が実行される場合よりも、大当りに制御される割合が高い。このため、遊技者に色調変更演出が実行されるか否かに、より関心を持たせることができ、遊技興趣を向上させることができる。
特別スクリーン205Aの下降とともに、色調変更演出が実行され、特別スクリーン205Aが収納状態になった後、例えば、図35(A)、(B)に示すように、特別スクリーン205Aに、メインキャラクタMCが表示された後に、「7」「7」「7」の大当り組合せが停止表示される。この実施形態では、図35(A)、(B)に示すメインスクリーン5に投影される画像は、カラー態様としての第2色態様CL2となる。可変表示結果が「ハズレ(特定スーパーリーチ)」に決定されていた場合には、例えば、メインキャラクタMC以外のキャラクタなどを表示した後に、ハズレ組合せ(リーチハズレ組合せ)を停止表示すればよい。例えば、ハズレとなる場合には、特別スクリーン205Aが収納した後に、図35(A)、(B)に示すメインスクリーン5に投影される画像を、カラー態様としての第2色態様CL2からモノクロ態様としての第1色態様CL1に戻すようにしてもよい。こうして、特別スクリーン出現演出が終了する。なお、色調変更演出が実行されない場合(つまり、色調非変更演出が実行される場合)には、投影画像は第1色態様CL1から第2色態様CL2へと変更されず、特別スクリーン205Aが下降しても、特別スクリーン205Aの下降開始前のモノクロ態様としての第1色態様CL1のままとなる。
ここで、特別スクリーン205Aがセット状態になり、図33(B)に示すように実行される特別スクリーンリーチ演出における演出画像と、図34(A)(B)のように色調変更演出の実行中における演出画像は、同種のものである。具体的には、色調変更演出によって色調が変更される前と後の画像とは、少なくとも、同じ演出内容を示すものであればよい。同じ演出内容を示す画像とは、例えば、図33(B)、図34(A)(B)に示すように、色調変更演出によって色調が変更される前と後の画像において、アイコン画像やキャラクタ画像(ここでは、メインキャラクタMC)が共通していたり、背景パターン(背景画像の模様など)が共通していたりすればよい。また、共通の画像を用いて無くとも、特定スーパーリーチ演出や特別スクリーンリーチ演出におけるストーリーが色調変更演出中も引き継がれていることで、色調変更演出によって色調が変更される前と後の画像が同じ演出内容を示していてもよい。また、この実施形態では、特定スーパーリーチ演出の進行中に色調変更演出が実行可能であり、映像(動画)が演出に応じて進行していく過程で色調変更演出が実行されるが、変形例として、色調変更演出の実行中に演出画像が静止画態様で表示され、色調変更演出によって色調が変更される前と後の画像が、色調が異なる他は全く同じとしてもよい。なお、以上では、特別スクリーン205Aがセット状態である際にモノクロ態様としての第1色態様CL1で投影画像を表示し、特別スクリーン205Aの下降に応じて徐々に露出していくメインスクリーン5に投影する画像をカラー態様としての第2色態様CL2とした例を説明したが、カラー態様からモノクロ態様へと変更するようにしてもよい。つまり、特別スクリーン205Aがセット状態である際にカラー態様としての第1色態様CL1で投影画像を表示し、特別スクリーン205Aの下降に応じて徐々に露出していくメインスクリーンに投影する画像をモノクロ態様としての第2色態様CL2としてもよい。
また、第1色態様CL1と第2色態様CL2とは、その一方がモノクロ態様で、他方がカラー態様であるものに限られない。第1色態様CL1と第2色態様CL2とは、遊技者が「色合いや色味が変化した」と認識可能な差を出すことができれば、互いに様々な態様を採用することができる。例えば、第1色態様CL1と第2色態様CL2の一方がカラー態様で、他方がモノクロではない単色態様(例えば、単一色(赤など)でのグラデーションで表される態様)であってもよい。また、第1色態様CL1と第2色態様CL2の一方がモノクロで他方がモノクロではない単色態様であってもよいし、一方が赤による単色態様で他方が青による単色態様であってもよい(つまり、第1色態様CL1と第2色態様CL2とが互いに異なる単色態様であってもよい)。また、第1色態様CL1と第2色態様CL2の一方がカラー態様またはモノクロ態様で、他方がセピア態様であってもよい。また、第1色態様CL1と第2色態様CL2の一方と他方がネガポジ反転の関係であってもよい。また、第1色態様CL1と第2色態様CL2の一方と他方とが、彩度と明度とコントラストとの少なくともいずれかが異なっていることで、遊技者に色調の変更を認識可能な差を出すようにしてもよい。
また、色調変更演出において、徐々に露出していくメインスクリーン5に投影される画像の全てが第2色態様CL2で表示されなくともよい。つまり、色調変更演出において、メインスクリーン5に投影される画像の少なくとも一部が第2色態様CL2で表示されればよい。例えば、遊技において重要な情報を示す画像については、第2色態様CL2に変更せずに第1色態様CL1のままとし、それ以外の画像について色調変更演出を実行し、第2色態様CL2としてもよい。例えば、飾り図柄(図34(A)(B)においては「7」の数字)や、いわゆる第4図柄や、大入賞口が遊技領域の右側にある場合の右打ち報知画像などについては、第2色態様CL2に変更せずに第1色態様CL1のままとし、メインキャラクタMCや背景画像について色調変更演出を実行し、第2色態様CL2としてもよい。つまり、飾り図柄などについては、色調変更演出時にも色態様が変更されないようにしてもよい。このようにすれば、遊技において重要な情報を示す画像が変化することの違和感を低減することができる。逆に、メインキャラクタMCなどのキャラクタ画像や背景画像について、第2色態様CL2に変更せずに第1色態様CL1のままとし、飾り図柄などの遊技において重要な情報を示す画像について色調変更演出を実行して、第2色態様CL2とすることで、遊技者に驚きを与えて、興趣を向上させてもよい。また、特定スーパーリーチ演出開始の際にメインスクリーン5に表示されている投影画像(図32(A)参照)や、特別スクリーンリーチ演出開始の際に特別スクリーン205Aに表示されている投影画像(図33(B))の全てが、第1色態様CL1でなくともよい。これらの投影画像の少なくとも一部が第1色態様CL1であればよい。
また、遊技において重要な情報を示す画像を表示する領域(重要表示領域)を、予めメインスクリーン5の端部(例えば、上側端部)などに設けておいてもよい。図33では、昇降フレーム205Fがメインスクリーン5の上端部まで到達し、特別スクリーン205Aのセット状態では、特別スクリーン205Aがメインスクリーン5の上端部まで至っている例を示したが、例えば、特別スクリーン205Aのセット状態においても特別スクリーン205Aに覆われない領域を設け、当該領域を重要表示領域とすればよい。このようにすれば、遊技において重要な情報を示す画像が、特別スクリーン205Aの挙動に左右されずに、メインスクリーン5に表示されるため、遊技者に安心感を与えることができ、ユーザフレンドリである。
また、図34(A)(B)に示す色調変更演出の実行中において、昇降フレーム205Fの近傍の領域については、第1色態様CL1と第2色態様CL2との中間の色態様としたり(例えば、第1色態様CL1における色座標と第2色態様CL2における色座標との平均により算出される色など)、ぼかし処理を施したりしてもよい。こうすれば、何らかの不具合により、特別スクリーン205Aの移動制御と色調変更演出による画像制御とにずれが生じた場合でも、そのずれを目立たなくすることができる。
また、以上では、特定スーパーリーチ演出開始の際の投影画像が、例えばモノクロ態様としての第1色態様CL1となる例を説明したが、特定スーパーリーチ演出開始の際にカラー態様であった投影画像が、特別スクリーンリーチ演出の開始に応じて第1色態様CL1となり、その後に色調変更演出が行われる場合は、次第に露出していくメインスクリーン5に投影する画像を第2色態様CL2とするなどしてもよい。また、色調変更演出が実行されて特別スクリーン205Aが収納状態になった後にメインスクリーン5に投影される画像は、第2色態様CL2のままであってもよいし、第1色態様CL1に戻してもよい。
また、以上では、色調変化演出(または色調非変化演出)の実行前に、プロジェクタ32から投影される画像のフォーカスを、特別スクリーン205Aに応じたフォーカスからメインスクリーン5に応じたフォーカスに変更する例(図28のステップS910参照)を説明したが、色調変化演出の実行中や実行後にメインスクリーン5に応じたフォーカスに変更してもよい。例えば、特別スクリーン205が収納状態となり、メインスクリーン5が完全に露出するタイミングに合わせて、急にメインスクリーン5に応じたフォーカスに変更することで、ぼやけていた投影画像が急に鮮明となる効果をもたらすことができるので、遊技者に驚きを与えることができる。また、特別スクリーン205Aの下降開始直後の所定画像投影(図28のステップS909参照)をあえて省略することで、ピントが合わないことによるぼやけを演出の一態様とし、遊技者に驚きを与えてもよい。同様にステップS909の所定画像の投影処理を省いてもよい。
また、以上では、特別スクリーン205Aがセット状態から収納状態へと移動(下降)する際に、色調変更演出を行う例を説明したが、これに限られない。特別スクリーン205Aが収納状態からセット状態へと移動(上昇)する際に、色調変更演出を行うようにしてもよい。また、特別スクリーン205Aが下降する際と上昇する際の双方において、色調変更演出を行うようにしてもよい。この場合において、特別スクリーン205Aがセット状態から収納状態へと下降する際に色調変更演出が可能な演出パターンと、収納状態からセット状態へと上昇する際に色調変更演出が可能な演出パターンを設け、一方の演出パターンよりも他方の演出パターンに応じた演出が実行されるときのほうが、有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御される割合が高くなるようにして、遊技興趣を向上させてもよい。
また、上記の実施形態では、特別スクリーン出現演出において、特別スクリーン装置205に設けられた昇降フレーム205Fは、1往復の上下動のみを行い、特別スクリーン205Aは1回セット状態となるが、昇降フレーム205Fが2往復以上の上下動を行うようにしてもよい。また、昇降フレーム205Fが最も高い位置と最も低い位置との間にある場合においても昇降フレームが停止したり、上下の移動方向を転換したりするようにしてもよい。そして、特別スクリーン205Aが、セット状態と収納状態と区間における、第1特定位置と第2特定位置との間でも移動可能であり、特別スクリーン205Aの第1特定位置と第2特定位置との一方から他方への移動に応じて、色調変更演出を実行可能としてもよい。つまり、色調変更演出が実行されるのは、特別スクリーン205Aが最も高い位置にあるセット状態と、最も低い位置にある収納状態との一方から他方への移動に限られない。
また、上記の実施形態では、特別スクリーン205Aは、昇降フレーム205Fが上昇することにより、下方から出現するが、他の方向から出現するようにしてもよい。例えば、下降フレームを下降させることにより、上方から特別スクリーンが出現するようにしてもよいし、左右側方から特別スクリーンが出現するようにしてもよい。また、これらのうちの、あるいはその他の方向を含めた方向のうちの複数の方向から特別スクリーンの断片が出現し、メインスクリーンの手前で組み合わされて特別スクリーンが出現するようにしてもよい。あるいは、メインスクリーン5が上下左右の何れかの方向に退避することによって特別スクリーンが出現するようにしてもよい。このときに、メインスクリーンが複数に分割されて、それぞれ異なる方向に、あるいは同じ方向に退避して特別スクリーンが出現するようにしてもよい。このような場合においても、特別スクリーン205Aの移動に応じて、色調変更演出が実行可能である。
上記の遊技機1では、特別スクリーン205Aが出現する特別スクリーン出現演出は、特定スーパーリーチ変動パターンが決定された際の特定スーパーリーチ演出において実行される。特定スーパーリーチ演出が実行されると、大当り期待度が高くなる。このように、大当り期待度が高い特定スーパーリーチ演出において特別スクリーン出現演出が実行されるので、遊技の興趣を向上できる。
また、特別スクリーン出現演出を実行するにあたり、特別スクリーン205Aが正常に作動することを条件としている。このため、特別スクリーン出現演出において、特別スクリーン205Aが上昇した場合には、特別スクリーンリーチ演出を実行し、特別スクリーン205Aが上昇しなかった場合には、特別スクリーン非出現演出を実行する。したがって、特別スクリーン205Aが正常に動作していないにも関わらずフォーカス合わせを行うことで、メインスクリーン5に投影される映像に不具合が出ることを防止できる。
また、上記の遊技機1では、電源投入時に特別スクリーン205Aの正常な動作を確認するための正常動作確認処理(ロングイニシャル動作を実行させる処理)を実行可能である。このとき、正常動作確認処理の実行中に、特別スクリーン205Aの正常な動作に基づいて、特別スクリーン205Aに応じたフォーカスを合わせた画像を投影している。このため、フォーカス合わせの制御が正常動作していることを確認することができる。
また、特別スクリーン205Aには、平面状の画像表示領域が形成されているが、メインスクリーン5のような立体状の画像表示領域が形成されていてもよい。また、特別スクリーン内において、立体状の画像表示領域が平面上の画像表示領域に対して相対的に移動するようにしてもよい。
また、画像表示領域5Xに表示される画像の下方部のコントラストが高く(濃く)されている。画像表示領域5Xにおける下方は、画像表示領域5Xの上方よりもプロジェクタ32との離間距離が長い。このため、画像表示領域5Xに表示される画像は、画像表示領域5Xの上方に表示される画像よりもぼけて映る印象が大きい。そこで、画像表示領域5Xに表示される画像の下方部のコントラストが高く(濃く)されていることにより、画像表示領域5Xに表示される画像のぼけがやわらげられる。その結果、好適に画像表現を行うことができる。なお、プロジェクタ32から投影される画像の色調の調整にあたっては、コントラストを調整してもよいし、他の調整方法によってもよい。
また、プロジェクタ32と画像表示領域5Xとの間に色補正フィルタ28Fが配置されている。このため、好適に画像表現を行うことができる。上記の遊技機1において、色補正フィルタ28Fは、反射ミラー28の表面に設けられているが、プロジェクタ32から照射された画像(光)が通過する位置であれば、色補正フィルタ28Fを反射ミラー28の表面以外の位置に設けてもよい。例えば、プロジェクタ32におけるレンズの外側に設けられていてもよいし、メインスクリーン5の表面に設けられていてもよい。あるいは、特別スクリーン205Aの表面に設けられていてもよい。言い換えると、色補正フィルタ28Fは、プロジェクタ32と反射ミラー28との間に配置されていてもよいし、反射ミラー28とスクリーン(メインスクリーン5及び特別スクリーン205A)との間に配置されていてもよい。
メインスクリーン5の表面または特別スクリーン205Aの表面に色補正フィルタ28Fを設けることにより、メインスクリーン5または特別スクリーン205Aの一方に表示される画像のコントラストを容易に強調することができる。また、色補正フィルタ28Fは、色調の補正を行うことができるが、色の三属性のうちの他の要素、例えば色相を調整できるものでもよい。また、色補正フィルタ28Fに代えて、プロジェクタ32から投影される画像における色の三属性以外の特性を調整できるようにしてもよいし、色の三属性を適宜組み合わせて調整できるものでもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施形態では、第1焦点位置から第2焦点位置に焦点変更された実行回数が所定数(例えば4回目)である場合(図29のステップS921参照)や、第2焦点位置から第1焦点位置に焦点変更された実行回数が所定数(例えば4回目)である場合(図30のステップS931参照)に、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから第1正位置や第2正位置に移動させているが、これに限定されない。例えば、第1焦点位置から第2焦点位置への焦点変更の実行回数と、第2焦点位置から第1焦点位置への焦点変更の実行回数とのうちの一方のみに基づいて、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから第1正位置や第2正位置に移動させるようにしてもよい。また、図24に示す初期動作A実行処理(ステップS1512)内のフォーカス変更処理(ステップS1530、S1539)における焦点変更を実行回数に含めないようにしているが、含めるようにしてもよい。また、リアルタイムカウンタなどにより計時された時刻が所定時刻(例えば、午後2時、5時、8時)を経過している場合や、電源投入から計時を開始しその計時時間が所定時間(例えば2時間)を経過している場合であって、特別スクリーン出現演出処理(ステップS543)内のステップS905やステップS910において、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから第1正位置や第2正位置に移動させるようにしてもよい。また、主基板11から所定コマンド(例えば、客待ちコマンドや大当りのエンディングコマンドなど)を演出制御基板12が受信した場合に、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから第1正位置や第2正位置に移動させるようにしてもよい。これらの場合には、遊技者等から見て変に見えないタイミング(期間)で、焦点変更を実行することができ、遊技者にとって違和感の無いときに、正確に焦点変更を実行することができる。
また、図36(A)、図37に示す変形例1のように特定スーパーリーチにおいてプロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから第1正位置や第2正位置に移動させるようにしてもよい。図36(A)に示す変形例1では、特定スーパーリーチにおいて、第1特定演出(リーチ前演出)と第2特定演出(リーチ中演出)とが所定の決定割合(例えば前者が80%、後者が20%)で実行可能である。図37(A)に示すように、フォーカス変更(メインから特別へ)処理(ステップS905)において、第1特定演出(リーチ前演出)の実行期間であるか否かを判定し(ステップS941)、第1特定演出(リーチ前演出)の実行期間である場合(ステップS941;Yes)には、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第1正位置から第2正位置へと移動させ(ステップS942)、このフォーカス変更(メインから特別へ)処理を終了する。一方、第1特定演出(リーチ前演出)の実行期間でない場合(ステップS941;No)には第2特定演出(リーチ中演出)の実行期間であるか否かを判定し(ステップS943)、第2特定演出(リーチ中演出)の実行期間である場合(ステップS943;Yes)には、プロジェクタ32を第1正位置から原点位置に戻してから第2正位置に移動させ(ステップS944)、このフォーカス変更(メインから特別へ)処理を終了する。続いて、図37(B)に示すように、フォーカス変更(特別からメインへ)処理(ステップS910)において、第1特定演出(リーチ前演出)の終了期間であるか否かを判定し(ステップS951)、第1特定演出(リーチ前演出)の終了期間である場合(ステップS951;Yes)には、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく第2正位置から第1正位置へと移動させ(ステップS952)、このフォーカス変更(特別からメインへ)処理を終了する。一方、第1特定演出(リーチ前演出)の終了期間でない場合(ステップS951;No)には第2特定演出(リーチ中演出)の終了期間であるか否かを判定し(ステップS953)、第2特定演出(リーチ中演出)の終了期間である場合(ステップS953;Yes)には、プロジェクタ32を第2正位置から原点位置に戻してから第1正位置に移動させ(ステップS954)、このフォーカス変更(特別からメインへ)処理を終了する。
変形例1によれば、第1特定演出(リーチ前演出)のように、急いで焦点変更を実行する必要がある場合には、原点位置に戻すことなく、第1正位置から第2正位置へと移動させたり、第2正位置から第1正位置へと移動させたりすることで、迅速な焦点変更に対応することができる。第1特定演出(リーチ前演出)は、その実行期間が短い(例えば、遊技者をびっくりさせるようにしたい)ことから、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく、第1正位置から第2正位置へと移動させたり、第2正位置から第1正位置へと移動させたりすることが好ましい。一方、第2特定演出(リーチ中演出)においては、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻して第1正位置や第2正位置に移動させることにより、プロジェクタ移動装置32Aにおけるボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。また、第2特定演出(リーチ中演出)は、その実行期間が長いことから、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻して第1正位置や第2正位置に移動させることが確保しやすい。
また、図36(B)に示す変形例2のように、特定スーパーリーチには、第1特定演出(リーチ前演出)と、第2特定演出(リーチ中演出)と、第1特定演出(リーチ前演出)及び第2特定演出(リーチ中演出)の両方とが、所定の決定割合(例えば前者が70%、中者が20%、後者が10%)で実行可能としてもよい。また、特定スーパーリーチは、第1特定演出(リーチ前演出)又は第2特定演出(リーチ中演出)の一方のみ演出可能であるとし、かかる演出期間において、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻して第1正位置や第2正位置に移動させるようにしてもよい。また、特定スーパーリーチ以外のリーチ演出において実行してもよいし、リーチ演出以外の演出として大当り演出、昇格演出(確変昇格演出、大当り昇格演出など)などにおいて実行してもよい。
また、図38(A)に示すように、変形例3の初期動作A実行処理内のフォーカス変更(メインから特別へ)処理において、プロジェクタ32を第1正位置から原点位置に戻してから第2正位置に移動させる(ステップS981)ようにしてもよい。例えば、前回校正時からの焦点変更の実行記憶回数が所定記憶数であれば、プロジェクタ32を第1正位置から原点位置に戻してから第2正位置に移動させ、所定記憶数でなければ、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく、第1正位置から第2正位置に移動させるようにしてもよい。図38(B)に示すように、変形例3の初期動作A実行処理内のフォーカス変更(特別からメインへ)処理において、プロジェクタ32を第2正位置から原点位置に戻してから第1正位置に移動させる(ステップS982)ようにしてもよい。例えば、前回校正時からの焦点変更の実行記憶回数が所定記憶数であれば、プロジェクタ32を第2正位置から原点位置に戻してから第1正位置に移動させ、所定記憶数でなければ、プロジェクタ32を原点位置に戻すことなく、第2正位置から第1正位置に移動させるようにしてもよい。
また、図38(C)に示すように、変形例4のデモ中初期動作実行処理においてプロジェクタ32の同焦点戻し処理を実行するようにしてもよい。変形例4のデモ中初期動作実行処理では、初期動作実行済みフラグがONであるか否かを判定する(ステップS10141)。初期動作実行済みフラグがオフであれば(ステップS10141;No)、初期動作実行済みフラグをオンにし(ステップS10142)、第1正位置にあるプロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから同じ第1正位置に戻す(ステップS11001)ようにしてもよい。また、ステップS11001において、第2正位置にあるプロジェクタ32を一旦原点位置に戻してから同じ第2正位置に戻すようにしてもよい。これによれば、プロジェクタ32を一旦原点位置に戻して第1正位置や第2正位置に戻すことにより、プロジェクタ移動装置32Aにおけるボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。また、前記の同焦点戻し処理は、所定条件が成立している場合(例えば、焦点変更の実行回数が所定数(例えば4回目)に到達している場合、所定時刻や所定時間が経過している場合、特定演出(例えば特定スーパーリーチ)が実行される場合、所定コマンド(例えば、客待ちコマンドや大当りのエンディングコマンドなど)を受信した場合など)において実行するようにしてもよい。
例えば、保留表示に演出画像が作用する演出等、突出した保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kを跨がるように演出画像をプロジェクタ32から投影する場合、突出した保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kの少なくとも一部に演出画像を投影しないようにしてもよい。例えば、図39(A)、(B)に示すように、突出した今回表示エリア5Kに対して矢の画像が作用するような演出を実行する場合に、今回表示エリア5Kには矢の画像を表示せずに、今回表示エリア5Kを矢が貫通するように表示してもよい。このようにすることで、突出部位に画像が跨がって投影されることによって、画像が歪んで違和感を生じさせたりすることを防止できる。この場合において、今回表示エリア5Kには今回表示エリア5Kに対応した画像(保留表示LED34の表示色と同じ色等)を投影しておけばよい。
また、他の可動部材が保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kに対して作用することに応じて、保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kの突出量が変化するというように、他の可動部材と連動して保留表示エリア5Hや今回表示エリア5Kが変化するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、及び左立体表示領域5BLに各キャラクタ画像MC,SC1,SC2が主に表示され、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULに飾り図柄が可変表示されているが、図40に示すように、中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、及び左立体表示領域5BLに飾り図柄が可変表示され、上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR、及び上左立体表示領域5BULに各キャラクタ画像MC,SC1,SC2が主に表示されるようにしてもよい。このようにすることで、飾り図柄をわかりやすく表示できる。
また、上記実施形態では、調整画像45の全体調整において、図11(A)、(B)に示すように、調整画像45の色表示にて、何れの調整事項(実施形態では、X、Y方向への移動調整、回転調整の2つ)のうちの何れであるか特定可能にスクリーン5に表示しているが、これに限定されない。例えば、調整画像45の色表示に替えて、あるいはそれと共に、「X、Y方向への移動調整」、「回転調整」などの文字表示や音声報知などを行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、マーカPS1〜PS13がスクリーン5の立体表示領域5Bに設けられているが、立体表示領域5Bの周囲領域である平面表示領域5A(例えば、立体表示領域5Bの近傍の平面表示領域5Aにおける任意箇所など)に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図10に示すように、スクリーン5の立体表示領域5Bごとに1つのマーカが設けられているが、2以上のマーカを設けるようにしてもよい。例えば、1つの立体表示領域5Bにおいて、モチーフとなる外形が異なる態様の画像を投影表示する場合には、異なる態様の画像ごとに位置合わせを行うことができる。なお、図10に示すスクリーン5のマーカPS1はスクリーン5の中心点(基準点)を示すマーカであり、マーカPS11は中央立体表示領域5BCの位置合わせマーカであるため、中央立体表示領域5BCについてはここでいう2以上のマーカを設けるものとは異なることを補足しておく。
また、上記実施形態では、調整画像45の部分調整において図41(A)に示すように、調整画像45を構成する分割調整画像45a〜45i(図41(A)では例えば部分調整画像45f)をそのまま移動させているが、これに限定されない。例えば、図41(B)に示すように、分割調整画像45a〜45i(図41(B)では例えば部分調整画像45f)について、要部画像領域MSとその外周領域OSとの画像で構成され、要部画像領域MSにおける要部画像MS1の変位量X1の方が外周領域OSにおける外周領域画像OS1の変位量X2よりも大きいとするなど、領域の違いで画像の変位量が異なるようにしてもよい。また、分割調整画像45fにかかるポリゴンを、視線を仰角方向に変化させたものとするなどで、分割調整画像45fの態様を変更調整するようにしてもよい。例えば、分割調整画像45fが人の顔であれば、正面上から見下ろした状態(額が大きめに表示された顔)から正面視した状態(正面から見た顔)に変化しさらに正面下から見上げた状態(顎が大きめに表示された顔)に変化する。
上記実施形態では、保留番号に応じて保留表示エリア5Hの突出量(長さ)が異なっていたが、突出面積や突出する形状(丸や四角)が異なるようにしてもよい。保留表示エリア5Hと今回表示エリア5Kとの突出面積や突出する形状(丸や四角)が異なるようにしてもよい。例えば、保留番号が若い程突出面積が大きく、今回表示エリア5Kの突出面積が最も大きいようにしてもよい。
上記実施形態では、保留表示LED34が発光している場合には、プロジェクタ32からも同じ色を投影するようにしていたが、プロジェクタ32から通常の画像(可変表示や各種演出画像)を投影するようにしてもよい。即ち、保留表示LED34の発光のみで保留表示を表示したり、保留表示予告を実行するようにしたりしてもよい。
また、保留表示LED34が発光している場合には、プロジェクタ32からも異なる色を投影するようにしてもよい。この場合、保留表示LED34の発光色とプロジェクタ32から投影する色によって、保留表示の色を調整するようにしてもよい。また、この場合、保留表示LED34の少なくとも一部を単色のLEDで構成してもよい。単色のLEDを使用することで、コストを抑えることができる。また、保留表示LED34が故障や不具合で発光できない場合には、プロジェクタ32からの投影のみによって保留表示を表示するようにしてもよい。この場合、保留表示LED34が故障や不具合を検出する検出手段を設け、故障や不具合を検出された場合に、プロジェクタ32からの投影のみによって保留表示を表示する制御を実行するようにしてもよい。
また、保留表示LED34が点灯していない場合には、その保留表示エリア5Hへのプロジェクタ32からの投影も実行しないようになっていたが、プロジェクタ32からの投影を完全に実行しないのではなく、例えば保留表示に使用される色の投影を中止するなど、投影する画像の種類を制限するようにしてもよい。
また、遊技中であるか否かによって、プロジェクタ32からスクリーン5に画像を投影する範囲を異ならせてもよい。例えば、遊技中は大きな画面で演出を実行するため、スクリーン5全体に画像を投影する一方、遊技が実行されていないデモ画面表示中は、投影範囲を全体的に縮小することでスクリーン5の一部に画像を投影するように制御してもよい。なお、デモ画面表示中は、保留表示LED34が点灯することはないので、スクリーン5の保留表示エリア5Hより下方に画像を投影するようにしてもよい。
また、保留表示LED34の近傍を、保留表示LED34の発光色が際立つように投影するようにしてもよい。例えば、保留表示LED34が点灯する場合に、その近傍の色を保留表示LED34の発光色と異ならせたり、近傍の明度を低下させるようにプロジェクタ32を制御するようにしてもよい。また、保留表示LED34が点灯する場合に、その近傍に保留表示LED34の発光色の補色なる色を投影させて、保留表示LED34の発光色が際立つようにしてもよい。このようにすることで、保留表示LED34の発光色(保留表示)を際立たせることができ、保留表示予告をわかりやすくすることができる。
また、保留表示エリア5H(今回表示エリア5K)の上部に、プロジェクタ32からの保留表示エリア5H(今回表示エリア5K)への投影を遮蔽する遮蔽手段を設けるようにしてもよい。このようにすることで、突出した保留表示エリア5H(今回表示エリア5K)に光が投影されることによって、意図せぬ影ができて投影画像の視認性が落ちることを防止できる。なお、遮蔽手段は、スクリーン5内等に収納されるようにして、必要に応じて、保留表示エリア5H(今回表示エリア5K)への投影を遮蔽するようにしてもよい。例えば、保留表示エリア5H(今回表示エリア5K)が突出する場合、当該突出した部位を遮蔽するように遮蔽手段を動作させるようにしてもよい。
実施形態の図15による部分調整以外に、図42(A)に示すように、画像表示領域5Xにおける中央などの重要な領域に表示される画像が当該領域に表示されるように特定部分の調整を行うようにしてもよい。ここでの重要な領域には、例えば、立体表示領域5Bや特定画像(特定情報画像や完全表示要望画像)が表示される領域などが含まれるようにしてもよい。また、各画像は、各種演出が実行される際に表示される画像であり、特定部分の調整では、例えば、立体表示領域5Bなどの画像表示領域にキャラクタなどが確実に表示されるようにするための調整がVDP262によって行われる。特定部分の調整を行うに当たって、各種画像の中からいくつかのサンプル画像を用意し、このサンプル画像に含まれる特定の画像が、立体表示領域などの所定の表示領域に表示されるように調整を行う。
VDP262は、図43に示すように、実描画領域262Aを分割している。実描画領域262Aは、中央の特定分割領域262Bと、特定分割領域262Bの周囲における非特定分割領域262Cを備えている。このうち、特定分割領域262Bと、非特定分割領域262Cとは、独立して変換可能である。実描画領域262Aの分割に伴い、実描画領域262Aに記憶される原画像データも同様に分割される。また、特定分割領域262Bに記憶される表示画像データに応じた表示画像が特定部分となり、非特定分割領域262Cに記憶される表示画像データに応じた表示画像が特定部分以外の非特定部分となる。なお、特定分割領域262Bは、立体表示領域5Bや特定画像(特定情報画像や完全表示要望画像)が表示される領域などの重量な領域が含まれるようにしてもよい。
特定分割領域262Bのポリゴンは、非特定分割領域262Cよりも細かいポリゴンに分割されている。図42(A)に示すように、画像表示領域5Xには、実描画領域262Aにおける中央の特定分割領域262Bに記憶された原画像データまたは表示画像データ(以下「原画像データ等」ともいう)の画像が表示される特定表示領域35Tが設定され、その周囲には、非特定分割領域262Cに記憶された原画像データ等の画像が表示される非特定表示領域35Uが設定される。これらの特定表示領域35T及び非特定表示領域35Uによって画像表示領域5Xが形成される。
図42(A)に示すように、特定表示領域35Tに表示された画像が所定領域に合っている場合には、特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等の調整は不要である。一方、特定表示領域35Tに表示された画像が所定領域に合っていない場合には、特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等の調整を行う。特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等の調整を行う際には、図42(B)に示すように、特定表示領域35Tの周囲の非特定表示領域35Uにおける四隅の位置は変更せず、特定分割領域262Bにおける原画像データ等について、順次変換して調整を行う。
ここで、図43に示すように、特定分割領域262Bにおけるポリゴンは、非特定分割領域262Cにおけるポリゴンよりも細かくされている。このため、特定分割領域262Bにおける位置合わせなどを行う際の特定部分の調整を細かく行うことができる。また、非特定分割領域262Cについては、ポリゴンが大まかにされている。非特定表示領域35Uに表示される情報は、特定表示領域35Tに表示される情報よりも重要度が低いので、重要度が低い情報が表示される領域のポリゴンを大きくすることで、演算処理負荷を軽減することができる。
なお、特定分割領域262Bの調整を行うにあっては、図44(A)に示すように、特定分割領域262Bを除いて非特定分割領域262Cの調整を行った後、特定分割領域262Bの調整を行ってもよい。あるいは、図44(B)に示すように、特定分割領域262B及び非特定分割領域262Cを合わせて調整を行った後、特定分割領域262Bについての調整を行ってもよい。
こうして、必要に応じて特定部分の調整を行ったら、図42(C)に示すように、文字を表示させて再度フォーカス調整を行う。その後、図42(D)に示すように、所定の確認画像(ターゲット画像)を画像表示領域5Xに表示して、画像の最終確認を行う。最終確認が行われた後、表示画像の調整が終了する。
また、上記の遊技機1では、スクリーン5に表示される画像の特定部分に相当する特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等と、スクリーン5に表示される画像の非特定部分に相当する非特定分割領域262Cに記憶された原画像データ等とを独立して調整可能とされている。このため、特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等について、非特定分割領域262Cに記憶された原画像データとは独立して特定部分についての調整を行うことができる。したがって、特定部分における画像の歪みの発生を抑制することができる。
また、特定分割領域262Bに記憶された原画像データ等の調整は、非特定分割領域262Cに記憶された原画像データ等の調整を行った後に行われている。このため、全体的な非特定分割領域262Cについて調整が行われた後に、部分的な特定分割領域262Bについての調整が行われる。したがって、表示画像を効率よく調整できる。
また、特定分割領域262B及び非特定分割領域262Cでは、原画像データを複数部分に分割して変換している。このため、表示画像を細やかに調整することができる。特に、特定分割領域262Bについては非特定分割領域262Cよりも細かく分割されている。このため、特定分割領域262Bに相当する表示画像について、より細かく調整することができる。
また、特定部分は、表示画像のうちの立体表示領域5Bに表示される画像とされている。立体表示領域5Bでは、平面表示領域5Aよりも特徴的な演出が実行されることが多いので、演出表示において重要度が高い部分となる。このような重要度が高い立体表示領域5Bにおける画像についての歪みの発生を抑制することができる。
上記実施形態では、スクリーン5(プロジェクタ32による投影対象となる部分)に発光手段として、保留表示LED34が設けられていたが、他の発光手段を設けてもよい。例えば、スクリーン5において第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bの変動状況を示す、いわゆる第4図柄をLED等の発光手段により表示するようにしてもよい。また、スクリーン5に他の演出用の発光手段を設けてもよい。
上記実施の形態では、スクリーン5の、遊技に関する特定情報として保留表示や今回表示を表示する部位(特定領域)を平面表示領域5Aよりも前方側(遊技者側)に突出させていた。遊技に関する特定情報はこれに限定されず、特定情報は飾り図柄、第4図柄、予告画像、大入賞口が遊技領域の右側にある場合の右打ち報知画像などであってもよい。即ち、飾り図柄、第4図柄、予告画像、右打ち報知画像を表示する部位を他の部分より遊技者側に突出させるようにしてもよい。このような特定情報を表示するための突出した特定領域を複数設けてもよい。そして、複数の特定領域のうち少なくとも一部は、突出量を変化可能にしてもよい。例えば、特定領域に特定情報を表示する場合のみ、当該特定領域を突出させるようにしてもよい。
また、図45(A)に示すように、部分調整の際において、十字ボタン31Eを示すボタン画像BGAを表示させてもよい。図45(A)では、調整対象である分割調整画像45fにおいてボタン画像BGAが表示されている。このため、作業員等は部分調整の際に十字ボタン31Eが操作し易くなっている。また、全体調整の際にボタン画像BGAを表示するようにしてもよいし、調整事項(例えば、X、Y方向への移動調整、回転調整、部分調整など)において表示位置や表示態様を異なるようにしてもよい。全体調整の際にボタン画像BGAを表示する場合には、調整画像45が回転などしても、ボタン画像BGA自体の表示態様は変化しないようにしてもよい。また、全体調整と部分調整とでボタン画像BGAを異なる位置で表示したり、異なる態様で表示したりしてもよい。また、全体調整や部分調整の際においてボタン画像BGAを表示しないようにしてもよい。
上記実施の形態では、マーカPS1〜PS13がスクリーン5の図10(A)に示す位置に設けられているが、他の位置に設けてもよい。例えば、平面表示領域5Aと立体表示領域5Bとのそれぞれに設けられていてもよいし、平面表示領域5Aにおける特定の位置、例えば平面表示領域の中央位置、立体表示領域5Bに囲まれた平面表示領域の所定位置などに設けられていてもよい。また、立体表示領域5Bにおける特徴部分、例えばキャラクタの顔が表示される部分に設けられていてもよいし、平面表示領域5Aと立体表示領域5Bとの境目に設けられていてもよい。また、マーカは円形状や点形状(図10(A)参照)などに限らず、例えば直線、曲線、十字形状、V字形状の他、正六角形などの多角形や楕円形などの所定の形状としてもよい。また、図45(B)に示すように、立体表示領域5Bの外形の少なくとも一部(例えば外端部、溝部、窪み部など)を、位置合わせ対象部としてのマーカ(図45(B)ではマーカPS11)としてもよい。
上記実施の形態では、遊技者以外の作業員等のみが投影調整(調整画像45の位置合わせ)可能としているが、遊技者が投影調整可能としてもよい。遊技者による投影調整は、遊技終了となる(例えば、遊技者が席を離れる)と遊技者による投影調整が初期調整に自動復帰するようにしたり、遊技者による投影調整範囲を制限するようにしたりしてもよい。
(A1)以上に説明した遊技機(パチンコ遊技機)1は、遊技が可能な遊技機であって、画像を投影する投影手段(プロジェクタ32)と、前記投影手段から画像が投影される被投影部材(例えばスクリーン5、特別スクリーン205Aなど)と、を備え、前記被投影部材として、前記投影手段からの距離が異なる第1被投影部材(例えばスクリーン5など)と第2被投影部材(例えば特別スクリーン205Aなど)とを備え、前記投影手段は、前記第1被投影部材に応じた第1焦点距離に合わせて画像を投影可能であり(例えばプロジェクタ32を第1正位置に位置させた状態でスクリーン5に画像を投影するなど)、前記第2被投影部材に応じた第2焦点距離に合わせて画像を投影可能であり(例えばプロジェクタ32を第2正位置に位置させた状態で特別スクリーン205Aに画像を投影するなど)、前記第1焦点距離及び前記第2焦点距離とは異なり、焦点距離としての原点となる原点位置(例えば図13(C)に示すプロジェクタ32の原点位置など)とを備え、前記第1被投影部材から前記第2被投影部材に焦点距離を変更するときに、前記第1焦点距離から前記原点位置に変更し、前記原点位置から前記第2焦点距離に変更することで焦点距離を変更することが可能である(例えば、演出制御用CPU120が、図29のステップS922、図37(A)のステップS944、図38(A)のステップS981、などの処理を実行することにより、焦点距離を変更するなど)。このようにしたから、投影手段の焦点を変更するためのプロジェクタ移動装置32Aのステッピングモータの脱調等により正確に焦点位置に合わなくなることで焦点位置がずれて画像がぼやけてしまう不具合を軽減できる。より具体的に言えば、投影手段を原点位置に戻すことでモータの脱調を解決でき、原点位置から第2焦点距離に変更することで、プロジェクタ移動装置32Aにおけるボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。
(A2)また、前記投影手段は、前記第1被投影部材から前記第2被投影部材に焦点距離を変更するときに、所定条件が成立している場合(例えば、焦点変更の実行回数が所定数(例えば4回目)に到達している場合、所定時刻や所定時間が経過している場合、特定演出(例えば特定スーパーリーチ)が実行される場合、所定コマンド(例えば、客待ちコマンドや大当りのエンディングコマンドなど)を受信した場合(客待ちコマンドを受信した場合にはかかる受信から所定時間(例えば15秒)が経過した後、大当りのエンディングコマンドを受信した場合には大当りのエンディング期間)など)に、前記第1焦点距離から前記原点位置に変更し、前記原点位置から前記第2焦点距離に変更することで焦点距離を変更する。このようにしたから、投影手段を一旦原点位置に戻して第1焦点距離や第2焦点距離に変更することを、常に実行するわけではないので、必要以上にボールねじ機構のギア等に負担がかからないようにすることができる。
(A3)また、投影手段は、第1被投影部材から第2被投影部材に焦点距離を変更するときに、焦点変更の実行回数が所定数(例えば4回目)に到達している場合には、第1焦点距離から原点位置に変更し、原点位置から第2焦点距離に変更することで焦点距離を変更する。このようにしたから、焦点変更の実行回数が所定数(例えば4回目)に到達するごとに、正確に焦点変更を実行することができる。また、常に実行するわけではないので、必要以上にボールねじ機構のギア等に負担がかからないようにすることができる。
(A4)また、投影手段は、第1被投影部材から第2被投影部材に焦点距離を変更するときに、特定演出(例えば特定スーパーリーチ)が実行される場合には、第1焦点距離から原点位置に変更し、原点位置から第2焦点距離に変更することで焦点距離を変更する。このようにしたから、特定演出が実行されるごとに、正確に焦点変更を実行することができる。また、常に実行するわけではないので、必要以上にボールねじ機構のギア等に負担がかからないようにすることができる。
(A5)また、投影手段は、第2被投影部材から第1被投影部材に焦点距離を変更するときに、第2焦点距離から原点位置に変更し、該原点位置から第1焦点距離に変更することで焦点距離を変更する(例えば、演出制御用CPU120が、図30のステップS932、図37(B)のステップS954、図38(B)のステップS982などの処理を実行することにより、焦点距離を変更するなど)。このようにしたから、投影手段の焦点を変更するためのプロジェクタ移動装置32Aのステッピングモータの脱調等により正確に焦点位置に合わなくなることで焦点位置がずれて画像がぼやけてしまう不具合を軽減できる。より具体的に言えば、投影手段を原点位置に戻すことでモータの脱調を解決でき、原点位置から第2焦点距離に変更することで、プロジェクタ移動装置32Aにおけるボールねじ機構のギアのバックラッシュ等で正確な焦点位置にならないことを解決できる。これにより、正確に焦点変更を実行することができる。
(B1)また、遊技機(パチンコ遊技機)1は、遊技が可能な遊技機であって、画像を投影する投影手段(プロジェクタ32)と、前記投影手段から画像が投影される被投影部材(スクリーン5)と、を備え、前記被投影部材は、位置合わせ対象部(マーカPS1〜PS13)を有し、前記投影手段から前記被投影部材に投影される画像の表示位置を調整するための調整画像45を該被投影部材に表示可能であり、前記調整画像は、前記位置合わせ対象部に合わせるための調整表示(マーカPG1〜PG13)を有する。このようにしたから、被投影部材(スクリーン5)の位置合わせ対象部(マーカPS1〜PS13)に調整画像45の調整表示(マーカPG1〜PG13)を合わせることができる。これにより、被投影部材(スクリーン5)に対する投影画像45の位置調整を好適に実行することができる。被投影部材(スクリーン5)への投影画像表示による遊技の興趣を向上させることができる。
(B2)また、操作者により操作される操作手段(十字ボタン31E、コマンド入力装置38、コントローラ210など)を備え、前記被投影部材は、前記投影手段から画像が投影される面に突出部(例えば立体表示領域5B、保留表示エリア5H、今回表示エリア5K、保留数表示エリア5Fなど)を有し、前記突出部または該突出部の周囲領域は、前記位置合わせ対象部を有し、前記操作手段の操作に基づいて前記調整表示を前記位置合わせ対象部に合わせることにより、前記調整画像と前記被投影部材との位置調整が可能である。このようにしたから、被投影部材(スクリーン5)に対する投影画像45の位置調整を好適に実行することができる。例えば、被投影部材(スクリーン5)に対して調整画像45の全体を調整する上で、例えば中心のマーカPS1といった調整要素(調整軸、調整点など)を決定することができる。
(B3)また、調整画像45と被投影部材(スクリーン5)との位置調整に際して、複数種類の調整事項(例えば、X、Y方向への移動調整、回転調整など)のうちのいずれの調整事項を実行中であるかが被投影部材に表示される(例えば、X、Y方向への移動調整のときには調整画像45が緑色で表示、回転調整のときには調整画像45が青色で表示されるなど)。このようにしたから、作業員等は被投影部材(スクリーン5)から視線を外すことなく実行中の調整事項を知ることができ、作業員等による操作手段の操作をサポート(支援、補助など)することができる。例えば、現在実行中の調整事項を確認するための操作を不要にでき、作業員等による操作手段の操作誤りを低減できる。これにより、各調整事項を迅速に遂行することができ、位置調整の効率化を図ることができる。
(B4)また、操作手段の操作に基づいて、調整画像を構成する複数の分割調整画像45a〜45iのうちの一の分割調整画像の調整表示を、被投影部材の一以上の突出部および該突出部の周囲領域における少なくとも二以上の箇所の位置合わせ対象部のうちの該一の分割調整画像に対応する一の位置合わせ対象部に合わせることにより、該一の分割調整画像と該一の位置合わせ対象部との位置調整が可能である(例えば図15(B)では分割調整画像45aのマーカPG6をスクリーン5のマーカPS6に合わせることや、図15(C)では分割調整画像45fのマーカPG11をスクリーン5のマーカPS11に合わせることなど)。このようにしたから、調整画像45を構成する複数の分割調整画像45a〜45iごとに位置調整を行うことができる。これにより、被投影部材(スクリーン5)に対する投影画像45の位置調整を好適に実行することができる。また、調整画像45の全体調整後に部分調整を行うこともできる。このように、全体調整では補えない調整を部分調整によって実現できる。
(B5)また、大きさが異なる複数種類の調整表示の中から一の種類の調整表示が選択可能である(例えば図14(D)に示す複数種類の位置調整パターンPP1〜PP25のうちの何れか一つを選択可能であるなど)。このようにしたから、当初選択した調整表示よりも大きい調整表示を選択する(例えば図14(D)に示す調整画像のマーカの大きさを大きいものに変更するなど)ことで、位置調整作業の迅速化を図るようにしたり、当初選択した調整表示よりも小さい調整表示を選択する(例えば図14(D)に示す調整画像のマーカの大きさを小さいものに変更するなど)ことで、位置調整の高精度化を図るようにしたりすることができる。このため、事後的な調整ニーズに対応した位置調整作業に変更することができ、位置調整作業の利便性を向上させることができる。
(B6)また、被投影部材は、投影手段からの投影距離が第1距離以下の第1領域と該第1距離よりも大きい第2領域とを有する(例えば調整画像45を上下に二分するX方向の中央線GCLと一致するスクリーン5のX方向の中央線SCLよりも上側に位置する上領域(第1領域)と、その中央線SCLよりも下側に位置する下領域(第2領域)とを有する)。下領域(第2領域)は、上領域(第1領域)に比べて投影手段(プロジェクタ32)からの投影距離が大きいため、投影される画像の位置ずれが生じやすい。そのため、第2領域の突出部または該突出部の周囲領域における位置合わせ対象部に調整表示を合わせることにより、投影距離が大きいことで生じる位置ずれを低減できる。つまり、投影距離に応じて生じる不具合を抑制できる。
また、下領域(第2領域)は、上領域(第1領域)よりも突出部の数が多い(図3(B)では下領域(第2領域)には中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、左立体表示領域5BL、今回表示エリア5K及び保留数表示エリア5Fの5つであり、上領域(第1領域)での上中立体表示領域5BUC、上右立体表示領域5BUR及び上左立体表示領域5BULの3つよりも多い)ので、投影される画像の位置ずれが生じやすい下領域(第2領域)については、上領域(第1領域)よりも多く位置調整が行われる。このようにしたから、投影距離が大きいことで生じる位置ずれを低減できる。つまり、投影距離に応じて生じる不具合を抑制できる。
(B7)また、第2領域は、演出用図柄を可変表示させる領域を複数有する(図40では下領域(第2領域)には飾り図柄を可変表示させる中央立体表示領域5BC、右立体表示領域5BR、左立体表示領域5BLを有する)。下領域(第2領域)は、上領域(第1領域)に比べて投影手段からの投影距離が大きいため、第2領域に投影される飾り図柄の画像に位置ずれが生じやすい。飾り図柄の画像は遊技者が注目する画像であるため、位置ずれによる表示の違和感が生じないようにする必要がある。そのため、第2領域の突出部における位置合わせ対象部に調整表示を合わせることにより、投影距離が大きいことに起因する飾り図柄の画像の位置ずれを低減できる。つまり、投影距離に応じて生じる不具合を抑制できる。
(C1)また、遊技機(パチンコ遊技機)1は、画像を表示するスクリーン5(表示手段の一例)と、第1位置と、第1位置とは異なる第2位置とを移動可能な特別スクリーン205A(可動物の一例)と、を備える。そして、特別スクリーン205Aの第1位置から第2位置への移動に応じて、色調変更演出を実行可能である。このようにしたから、可動物の動作と連動して画像の色調が変化するため、遊技興趣が向上する。
(C2)また、遊技機1は、画像を投影するプロジェクタ32(投影手段の一例)を備え、表示手段は、プロジェクタ32から画像が投影される被投影部材であり、可動物の少なくとも一部にも投影手段から画像が投影される。このような構成によれば、可動物の動作と連動して画像の色調が変化するため、遊技興趣が向上する。
なお、可動物は、特別スクリーン205Aに限られない。可動物は、スクリーン5の手前側で移動する棒状の役物(例えば、図34(A)(B)における特別スクリーン205Aが無く、昇降フレーム205Fの形状に対応する物)などであってもよい。そして、このような可動物によって区画され、可動物の移動に応じて変化するスクリーン5の領域に応じて色調変更演出を実行可能な構成としてもよい。また、このような可動物は、平行移動するものに限られず、スクリーン5の手前側で車両のワイパー状に回転移動する棒状のものであったり、スクリーン5の手前において開閉可能な扉状のフレーム体であったりしてもよい。このような場合においても、可動物の移動に合わせて色調変更演出を実行すればよい。また、画像を表示する表示手段は、プロジェクタ32によって画像が投影されるスクリーン5に限られない。表示手段は、液晶表示ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの画像表示装置(メイン画像表示装置)であってもよい。この場合、可動物は、画像表示装置の手前側で平行移動または回転移動可能なサブ画像表示装置(液晶表示ディスプレイ、有機ELディスプレイなどからなる)であってもよい。そして、サブ画像表示装置の移動に応じて、露出領域が変化するメイン画像表示装置において、色調変更演出を実行するようにすればよい。また、メイン画像表示装置の背面側からサブ画像表示装置を出現可能とし、サブ画像表示装置の移動とともに変化するサブ画像表示装置の表示領域に応じて、色調変更演出を実行することも可能である。また、表示手段が液晶表示ディスプレイなどの画像表示装置であり、その手前側で移動する可動物が棒状の役物などであってもよい。また、プロジェクタ32の構成も任意である。例えば、LEDからの光をDMD(Digital Mirror Device)で反射制御して所定のスクリーンに投影する構成であってもよいし、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイなどが表示した画像をミラーで反射させて所定のスクリーンに投影する構成などであってもよい。
また、以上では、色調変更演出が可変表示中(変動中)に実行される例を説明したがこれに限られない。例えば、図25に示す、遊技者にメニュー内容に従った操作を可能とするメニュー処理(ステップS1013)において、遊技者の所定の操作(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどによる所定の操作)に応じて、実行されてもよい。例えば、所定の演出時の演出画像の色態様(例えば、モノクロかカラーか等)を選択可能なモードにおいて、遊技者の操作に応じて色態様が選択された際に、色調変更演出を実行してもよい。また、当該メニュー処理において、遊技者の操作により所定の場合に色調変更演出を実行可能とするか否かを選択可能としてもよい。また、例えば、リーチ演出を伴う変動パターンに応じた変動中と、リーチ演出を伴わない変動パターンに応じた変動中とで色調変更演出を実行可能とし、色調変更演出をリーチ状態になる期待度を示す予告演出とする構成としてもよい。この場合、例えば、色調変更演出が実行されたほうが、実行されない場合に比べリーチ状態に制御される割合が高くなるようにしてもよい。また、図19に示す入賞時演出決定処理(ステップS150)において、入賞時判定結果に応じて色調変更演出の実行有無を決定する構成とし、色調変更演出を先読み予告演出の一態様としてもよい。また、大当り遊技状態における演出として、色調変更演出を実行してもよい。
(C3)また、遊技機1において、第1位置は、可動物が表示手段に重なる位置である。これにより、表示手段の手前側で移動する可動物の動作と連動して画像の色調が変化するため、遊技興趣が向上する。
なお、例えば、可動物が、前記した棒状の役物やフレーム体である場合などは、第1位置と第2位置とが共に、表示手段に重なる位置でなくともよい。これは、例えば、棒状の役物が、スクリーン5の下方位置からスクリーン5の上方位置(なお、当該下方位置も当該上方位置も、スクリーン5とは重ならない位置)まで移動する場合などが該当する。また、第1位置と第2位置とは互いに異なる位置であればよく、前記の通り、特別スクリーン205Aのセット状態における位置と、収納状態における位置には限られない。例えば、第1位置と第2位置とは、セット状態と収納状態との区間における任意の位置であればよい。
(C4)また、遊技機1において、色調変更演出では、可動物の第1位置から第2位置への移動に応じて、表示手段に表示する画像を単色態様と多色態様との一方から他方へと変更する。このようにしたから、可動物の動作と連動して画像が単色態様と多色態様との一方から他方へと変更するため、遊技者に驚きを与えることができる。なお、色調変更演出における画像態様の変化は、前記の第1色態様CL1と第2色態様CL2の説明で述べたように、遊技者に色調の変更を認識させることが可能であれば、様々な態様を採用することができる。
(C5)また、遊技機1では、可動物の第1位置から第2位置への移動に応じて、表示手段に表示する画像の色調を変更するパターンと該画像の色調を変更しないパターンとがある。
(C6)また、色調を変更するパターンのほうが色調を変更しないパターンよりも有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御される割合が高い(例えば図31)。このようにしたから、色調変更演出が実行されるか否かに注目させることができる。
なお、特定リーチ演出実行時は、必ず色調変化演出が実行されるようにしてもよい。また、以上では、色調変化演出が実行されたほうが、制御される割合が高くなる有利状態は大当り遊技状態に限られない。当該有利状態は、確変制御が行われる確変状態、時短制御が行われる時短状態といった遊技者にとって有利な任意の状態であればよい。また、前記の通り、色調変化演出が実行されたほうがリーチ状態(有利状態の他の一例)になり易いように構成してもよい。
(C7)また、遊技機1は、画像を投影する投影手段(例えばプロジェクタ32)と、前記投影手段から画像が投影される被投影部材(例えばスクリーン5)と、を備え、前記被投影部材の一部(例えば保留表示エリア5H、今回表示エリア5K)に発光可能な発光手段(保留表示LED34)を設けた。このような構成によれば、今までに無い新たな演出を実行でき、興趣が向上する。
(C8)また、遊技機1は、遊技を実行可能な遊技機1であって、画像を投影する投影手段(例えばプロジェクタ32)と、前記投影手段から画像が投影される被投影部材(例えばスクリーン5)と、を備え、前記被投影部材の一部に、前記投影手段から投影することで遊技に関する特定情報(例えば、保留表示、今回表示、飾り図柄、第4図柄、予告画像、右打ち報知画像)を表示するための特定領域(例えば保留表示エリア5Hや今回表示エリア5K)を設け、前記特定領域を前方側へ突出させる(例えば図17、図18)。このような構成によれば、特定情報を視認しやすくなり、興趣が向上する。
その他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。例えば、本発明は、いわゆる封入式遊技機にも適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲーム(遊技)を実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。このようなスロット機における画像を表示する手段として、上記各実施形態及び変形例で示したプロジェクタ、スクリーン、サブLED等を設けてもよい。
例えば、本発明に係る遊技機は、上述のようなゲームが可能な上述のようなスロット機であって、遊技を行うことが可能な遊技機であって、所定の表示画像(例えば、当該スロット機に設けられるプロジェクタから投影されて当該スロット機に設けられるスクリーンの表示される画像)を表示する画像表示領域(例えば、当該スロット機に設けられるスクリーンに形成された画像表示領域)に対して斜めの投影方向から前記画像表示領域に表示画像を投影する投影手段(例えば、当該スロット機に設けられるプロジェクタ)と、前記表示画像に応じた表示画像データを記憶するフレームバッファ(例えば、当該スロット機に設けられるSDRAMに割り当てられたフレームバッファ領域)と、原画像データ(例えば、当該スロット機に設けられる画像データROMに記憶された原画像データ)に基づいて表示画像データを生成し、前記フレームバッファに記憶させる投影制御手段(例えば、当該スロット機に設けられるVDP)と、を備え、前記投影手段が正位置(例えば、当該スロット機の実描画領域に記憶された表示画像データに基づく表示画像を当該スロット機に設けられるスクリーンに表示したときに、表示画像が適切に表示される位置)にあるときに、前記原画像データを変換せずに生成した表示画像データを前記フレームバッファのうちの第1データ記憶領域(例えば、当該スロット機に設けられるSDRAMに割り当てられた実描画領域)に記憶させて表示画像を投影した場合は、該表示画像は前記画像表示領域内に表示され(例えば、当該スロット機の実描画領域に記憶された表示画像は当該スロット機の画像表示領域に表示され)、前記投影制御手段は、前記原画像データを変換せずに生成した表示画像データを前記フレームバッファのうちの第1データ記憶領域に記憶させて表示画像を投影したときに、該表示画像が前記画像表示領域外に投影される場合(当該スロット機に設けられるプロジェクタが正位置になく、当該スロット機の実描画領域に記憶された表示画像が当該スロット機の画像表示領域に表示されない場合)に、該表示画像が前記画像表示領域内に表示されるように前記原画像データを変換して表示画像データを生成(当該スロット機に設けられるスクリーンに表示される画像を調整)し、該生成した表示画像データを前記フレームバッファのうちの第1データ記憶領域及び該第1データ記憶領域とは異なる第2データ記憶領域(当該スロット機に設けられる描画領域のうち、実描画領域を除いた領域)にわたって記憶可能であることを特徴とするスロット機であってもよい。
また、本発明に係る遊技機は、上述のようなゲームが可能な上述のようなスロット機であって、遊技を行うことが可能な遊技機であって、所定の表示画像(例えば、当該スロット機に設けられるプロジェクタから投影されて当該スロット機に設けられるスクリーンの表示される画像)を表示する画像表示領域(例えば、当該スロット機に設けられるスクリーンに形成された画像表示領域)に対して斜めの投影方向から前記画像表示領域に表示画像を投影する投影手段(例えば、当該スロット機に設けられるプロジェクタ)と、原画像データ(例えば、当該スロット機に設けられる画像データROMに記憶された原画像データ)に基づいて前記表示画像に応じた表示画像データを生成し、フレームバッファ(例えば、当該スロット機に設けられるSDRAMに割り当てられたフレームバッファ領域)に記憶させる投影制御手段(例えば、当該スロット機に設けられるVDP)と、を備え、前記投影制御手段は、前記表示画像における特定部分(例えば、当該スロット機の立体表示領域に表示される画像)に応じた、原画像データ中の特定原画像データ(例えば、当該スロット機の立体表示領域に表示される画像に応じた表示画像データであり、当該スロット機の特定分割領域に記憶される原画像データ等)と、前記表示画像における前記特定部分を除いた非特定部分(例えば、当該スロット機の立体表示領域以外の領域に表示される画像)に応じた、原画像データ中の非特定原画像データ(例えば、当該スロット機の立体表示領域以外の領域に表示される画像に応じた表示画像データであり、当該スロット機の非特定分割領域に記憶される原画像データ等)を含む画像データと、を独立して変換可能であることを特徴とするスロット機であってもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用してもよい。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用してもよい。なお、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。また、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。