JP2018092867A - コイル用絶縁電線および回転電機 - Google Patents

コイル用絶縁電線および回転電機 Download PDF

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一臣 平井
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Abstract

【課題】コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができるとともに、耐熱性、曲げ特性が良好なコイル用絶縁電線を提供する。
【解決手段】コイル用絶縁電線は、複数本の被覆導線が撚り合わされてなる撚り線と、撚り線の周囲を囲むように設けられる被覆材とを有する。被覆導線は、導体素線と、前記導体素線の表面を覆うように設けられるポリイミドからなる絶縁被膜を有する。被覆材は、ポリエーテルエーテルケトンからなる。被覆材の内面と撚り線との間に隙間を有し、被覆材の内側部分における隙間の割合が30〜50%である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、コイル用絶縁電線およびこれを用いた回転電機に関する。
回転電機は、ロータ軸に取り付けられるロータと、このロータの周囲に配置されるステータとを有する。ステータは、周方向に複数のスロットを有するステータコアと、このスロット内に少なくとも一部が配置されるステータコイルとを有する。
ステータコイルには、例えば、複数本の撚り線と、これらの撚り線の周囲を囲むように設けられる被覆材とからなるコイル用絶縁電線が用いられている。従来、被覆材として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が用いられている。
近年、各種の車両に回転電機が使用されている。回転電機によれば、車両を駆動することができるとともに、車両の運動エネルギーを回生電力として回収することができる。また、エンジンと併用される場合、エンジンの始動等を行うこともできる。
車両用、特に、自動車用の回転電機については、耐振動性、耐衝撃性等に優れることが必要とされる。耐振動性、耐衝撃性等を向上させる方法として、例えば、ステータコアのスロット内にステータコイルが装着されたコイル装着体にワニスを含浸させて硬化させるワニス処理が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記した被覆材にポリテトラフルオロエチレン樹脂を用いたコイル用絶縁電線の場合、被覆材を構成するポリテトラフルオロエチレン樹脂がワニスをはじくことから、ワニス処理により十分な固定力を得ることができない。
また、コイル用絶縁電線には、ワニス処理により十分な固定力を得ることができるとともに、耐熱性、曲げ特性等が良好であることが必要とされる。例えば、駆動時には回転電機が高温になることから、このような高温時に被覆材が溶融しないことが必要とされる。また、コイルへの加工時に容易に曲げることができ、かつ被覆材に亀裂やシワが発生しないことが必要とされる。
特開2012−39719号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができるとともに、耐熱性、曲げ特性が良好なコイル用絶縁電線を提供することを目的としている。
本発明のコイル用絶縁電線は、複数本の被覆導線が撚り合わされてなる撚り線と、撚り線の周囲を囲むように設けられる被覆材とを有する。被覆導線は、導体素線と、前記導体素線の表面を覆うように設けられるポリイミドからなる絶縁被膜を有する。被覆材は、ポリエーテルエーテルケトンからなる。被覆材の内面と撚り線との間に隙間を有し、被覆材の内側部分における隙間の割合が30〜50%である。
本発明のコイル用絶縁電線は、被覆材としてポリエーテルエーテルケトンが押出成形されたものを有する。これにより、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができるとともに、耐熱性、曲げ特性も良好にすることができる。
実施形態のコイル用絶縁電線を示す断面図である。 実施形態のコイル用絶縁電線の製造に用いる集合体を示す断面図である。 集合体の周囲に被覆材を設けた状態を示す断面図である。 実施形態の回転電機を示す断面図である。 図4に示す回転電機のステータコアを示す平面図である。 図4に示す回転電機のステータコアおよびステータコイルを示す断面図である。 曲げ特性の評価方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本発明は図面により何ら限定されるものではない。
図1は、本発明のコイル用絶縁電線の一実施形態を示す断面図である。
コイル用絶縁電線10は、例えば、3本の撚り線11と、これらの撚り線11の周囲を囲むように設けられる被覆材12とを有する。各撚り線11は、複数本の被覆導線13が撚り合わされてなる。また、各被覆導線13は、導体素線14と、この導体素線14の表面を覆うように設けられる絶縁被膜15とを有する。
[被覆導線13]
導体素線14としては、通常、円形状の断面を有するものが用いられる。なお、導体素線14としては、必要に応じて、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、八角形状等の多角形状の断面を有するものを用いることもできる。
導体素線14の直径は、必ずしも限定されるものではないが、0.10〜1.00mmが好ましく、0.10〜0.90mmがより好ましく、0.10〜0.80mmがさらに好ましく、0.05〜0.70mmが特に好ましい。導体素線14は、銅、アルミニウム、または、これらの合金等からなることが好ましい。機械的強度、導電率等の観点から、銅または銅合金がより好ましい。
絶縁被膜15は、導体素線14の表面を覆うように設けられる。絶縁被膜15の厚さは、0.005〜40μmが好ましい。0.005μm以上であると、部分放電の開始電圧を十分に高くすることができる。また、40μm以下であると、被覆導線13の不必要な大型化を抑制することができる。
絶縁被膜15は、ポリイミドからなることが好ましい。ポリイミドは、一般に、油類に対して耐性を有する。油類として、例えば、絶縁油、機械油、エンジンオイル、トランスミッションオイル等が挙げられる。絶縁被膜15にポリイミドを用いることにより、車両用、特に、自動車用のコイルに好適なものとなる。
ポリイミドとしては、密着性、耐熱性等の観点から、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)40〜70モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)30〜60モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られるものが好ましい。
このようなポリイミドについては、酸成分中の3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)の割合が高くなるとともに無水ピロメリット酸(PMDA)の割合が低くなると密着性が向上しやすく、特に、撚り線のように製造時の擦れにより加工傷が発生しやすいものに対して有利となる。
このため、酸成分は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)45〜70モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)30〜55モル%からなることが好ましく、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物50〜70モル%および無水ピロメリット酸30〜50モル%からなることがより好ましく、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物55〜70モル%および無水ピロメリット酸30〜45モル%からなることがさらに好ましい。
ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外の成分を併用することができる。このようなものとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
ジアミン成分は、密着性の観点から、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを80モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。ジアミン成分は、特に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのみからなることが好ましい。
酸成分とジアミン成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
酸成分とジアミン成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
ポリイミドは、密着性向上剤を含有することができる。密着性向上剤としては、例えば、チアジアゾール、チアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、チオフェノール、チオフォン、チオール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ブチル化メラミン、ヘテロ環状メルカプタン等が挙げられる。
被覆導線13は、導体素線14に、ポリイミドを形成することができる被膜用ワニスを塗布および焼き付けて絶縁被膜15を形成することにより製造することができる。塗布方法としては、導体素線14を被膜用ワニスに浸漬する方法が好ましい。
[撚り線11]
撚り線11は、複数本の被覆導線13が撚り合わされたものであり、いわゆるリッツ線と呼ばれるものである。複数本の被覆導線13を撚り合わせることにより、コイルとしたときの高周波特有の表皮効果および近接効果による交流抵抗の増大を抑制することができ、コイルの温度上昇を抑制することができる。
撚り線11は、ほぐれた状態であることが好ましく、特に、ほぐれる前の撚り合わされていたときの状態に比べて被覆導線13どうしの密着度が低下していることが好ましい。このように、撚り線11がほぐれた状態にあり、被覆導線13どうしの密着度が低下している場合、被覆材12の内側における被覆導線13の移動が容易になり、コイルへの加工時に容易に曲げることができる。
撚り線11の断面形状、特に、ほぐれた状態での断面形状は、特に制限されるものではなく、楕円形状、多角形状、不定形状等が挙げられる。撚り線11の断面形状としては、特に、被覆材12の内側に含まれる全ての撚り線11が均等に分布するような形状が好ましい。
撚り線11は、例えば、被覆材12の内側に3本設けられる。撚り線11の本数が3本の場合、例えば、被覆材12の中心軸を囲むように3本の撚り線11がほぼ均等に設けられることが好ましい。なお、撚り線11の本数は、3本に限定されるものではなく、例えば、1本でもよいし、2本でもよいし、4本以上でもよい。
撚り線11の本数は、被覆導線13どうしの密着度を低下させる観点から、2本以上が好ましく、3本以上がより好ましい。本数の上限は、コイル用絶縁電線10に許容される直径、断面積等により決定される。撚り線11の本数は、例えば、8本以下が好ましく、7本以下がより好ましく、6本以下がさらに好ましい。撚り線11の本数を8本以下にすることによって、コイル径が大きくなることを避けることができる。
撚り線11を構成する被覆導線13の本数は、2本以上であればよく、撚り線11の本数によっても異なるが、5本以上が好ましく、10本以上がより好ましい。また、30本以下が好ましく、25本以下がより好ましい。
また、被覆材12の内側に含まれる全ての被覆導線13の合計した本数は、30本以上が好ましく、40本以上がより好ましく、50本以上がさらに好ましい。また、150本以下が好ましく、130本以下がより好ましく、100本以下がさらに好ましい。
[被覆材12]
被覆材12は、撚り線11の周囲を囲むように設けられるものであり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を押出成形したものである。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の場合、ワニスをはじかないことから、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、UL746Bに規定される連続使用温度が260℃であり、耐熱性に優れている。さらに、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、曲げ特性に優れており、折り曲げられたときの被覆材12における亀裂やシワの発生を抑制することができる。
さらに、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、比較的に硬いことから、撚り線11の周囲を囲むように押出成形したときに、撚り線11と撚り線11との間に形成されていた隙間を潰すことなく維持することができ、結果として被覆導線13どうしの密着度を低下させることができる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、難燃性、耐磨耗性、耐薬品性、電気絶縁性等についても、他の一般的な樹脂に比べて優れている。
被覆材12の厚さは、100〜400μmが好ましい。100μm以上であると、撚り線11を有効に保護することができるとともに、撚り線11の周囲を囲むように押出成形したときに、撚り線11と撚り線11との間に形成されていた隙間を潰すことなく維持することができ、結果として被覆導線13どうしの密着度を低下させることができる。また、400μm以下であると、コイル用絶縁電線10の不必要な大型化を抑制することができる。
[コイル用絶縁電線10]
コイル用絶縁電線10は、撚り線11の周囲を囲むように被覆材12が設けられたものである。コイル用絶縁電線10の大きさは、特に制限されるものではないが、例えば、断面積が15.00〜55.00mmである。
コイル用絶縁電線10は、被覆材12の内面と撚り線11との間、撚り線11と撚り線11との間、および撚り線11を構成する被覆導線13と被覆導線13との間に隙間を有することが好ましい。これらの隙間を有することにより、被覆材12の内側における被覆導線13の移動が容易になり、コイルへの加工時に容易に曲げることができる。
被覆材12の内側部分における隙間の割合は、30〜50%であることが好ましい。ここで、被覆材12の内側部分における隙間の割合とは、具体的には、被覆材12の内周面により囲まれた部分における隙間の割合である。また、隙間とは、被覆導線13が存在していないために空間となっている部分であり、具体的には、被覆材12の内周面と撚り線11との間、撚り線11と撚り線11との間、および撚り線11を構成する被覆導線13と被覆導線13との間の隙間が挙げられ、これらの全てが含まれる。
隙間の割合が30%以上であると、十分な隙間があるために、誘電率が低下し、かつ被覆材12の内側における被覆導線13の移動が容易となる。隙間の割合は、35%以上がより好ましい。また、隙間の割合が50%以下であると、コイルへの加工時に隙間によってできてしまうシワの発生を防ぐことで外観不良を改善し、コイル用絶縁電線10の不必要な大型化を抑制することができる。隙間の割合は、45%以下がより好ましい。
隙間の割合を大きくする方法として、例えば、複数の撚り線11を用いる方法が挙げられる。すなわち、ほぐれていない撚り線11を複数本集合させることにより、これらの撚り線11どうしの間に大きな隙間を形成することができる。したがって、複数本の撚り線11を用いることにより、1本の撚り線11を用いるときに比べて、隙間の割合を大きくすることができる。隙間の割合を大きくする観点から、撚り線11の本数は、3本以上が好ましい。なお、3本以上の撚り線11を用いる場合、3本以上の撚り線11を集合させるときの配置によっても隙間の割合を調整することができる。
また、隙間の割合を調整する別の方法として、被覆材12に比較的に硬い樹脂を用いる方法が挙げられる。被覆材12に比較的に硬い樹脂を用いることにより、撚り線11の周囲を囲むように押出成形したときの樹脂の変形を抑制することができ、撚り線11と撚り線11との間に形成されていた隙間を潰すことなく維持することができる。これにより、隙間の割合を大きくすることができる。比較的に硬い樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が挙げられる。
[製造方法]
コイル用絶縁電線10は、例えば、以下のようにして製造することができる。以下では、図1に示されるような3本の撚り線11を有するコイル用絶縁電線10の製造について説明する。
まず、図2に示すように、3本の撚り線11を集合させて集合体16とする。このとき、撚り線11として、ほぐれが発生しておらず、撚り合わされたままのものを用いることが好ましい。また、集合体16としては、各撚り線11が他の2本の撚り線11と接触するように、かつ、各撚り線11の中心が三角形の頂点に位置するように、各撚り線11が配置されているものが好ましい。このような集合体16によれば、撚り線11と撚り線11との間に大きな隙間を形成することができる。
集合体16の製造後、図3に示すように、集合体16の周囲にポリエーテルエーテルケトン樹脂を押出成形して被覆材12を形成する。ポリエーテルエーテルケトン樹脂によれば、比較的に硬いことから、撚り線11の周囲を囲むように押出成形したときに、撚り線11と撚り線11との間に形成されていた隙間を潰すことなく維持することができる。
被覆材12の形成後、被覆材12の内部に隙間が形成されていることにより、自然に、各撚り線11がほぐれた状態となり、ほぐれる前の撚り合わされていたときの状態に比べて被覆導線13どうしの密着度が低下する。これにより、図1に示すようなコイル用絶縁電線10を製造することができる。
[回転電機]
コイル用絶縁電線10は、被覆材12がポリエーテルエーテルケトン樹脂からなるために、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができるとともに、耐熱性、曲げ特性等にも優れており、回転電機に好適に用いられる。
図4は、コイル用絶縁電線10を使用した回転電機の一実施形態を示す断面図である。図5は、図4に示される回転電機のステータコアを示す平面図である。図6は、図4に示される回転電機のステータコアおよびステータコイルの断面図である。なお、図6においては、図中左右方向が周方向であり、図中上下方向がステータコアの内外方向であり、図中上側がステータコアの内側、図中下側がステータコアの外側となる。
図4に示されるように、回転電機20は、ケース21の中央付近に出力軸であるロータ軸22が保持されている。ロータ軸22には、回転子であるロータ23が固定されている。ロータ23の周囲には、固定子であるステータ24が配置されている。
ロータ23は、例えば、電磁鋼板が積層されたロータコアと、このロータコアに設けられた複数の永久磁石とから構成されている。ロータ23は、ステータ24から受ける回転磁界により回転エネルギーを発生させる。
ステータ24は、例えば、電磁鋼板が積層されたステータコア25と、このステータコア25に設けられたステータコイル26とを有する。ステータコイル26は、コイル用絶縁電線10からなる。
図5に示されるように、ステータコア25は、全体として円環状を有する。ステータコア25の内側には、周方向に複数のティース25aが設けられている。そして、これらのティース25aの間に空間部であるスロット25bが設けられている。
図6に示されるように、ステータコイル26は一部がスロット25bに収容されるようにして設けられている。ステータコイル26は、例えば、スロット25bの底部からコイル用絶縁電線10が順次積層されるようにして構成されている。
ステータ24には、ワニス処理が行われることにより、スロット25bとステータコイル26との間にワニス27が含浸されて硬化されるとともに、ステータコイル26を構成するコイル用絶縁電線10どうしの間にワニス27が含浸されて硬化されている。ワニス27により、スロット25bとステータコイル26とが固定されるとともに、ステータコイル26を構成するコイル用絶縁電線10どうしが固定される。
ワニス処理により、耐振動性、耐衝撃性を向上させることができる。また、大気中の水分、塵、ほこり、ガス、その他の有害な物質の浸入を抑制することができる。さらに、金属部分の腐食を抑制することができる。このようなワニス27としては、各種の合成樹脂を使用することができる。
既に説明したように、コイル用絶縁電線10は、被覆材12がポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、ワニス27をはじかないことから、スロット25bとステータコイル26との固定を十分に行うことができる。これにより、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を用いたときよりも、回転電機20の耐振動性、耐衝撃性を向上させることができる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、UL746Bに規定される連続使用温度が260℃であることから、回転電機20の耐熱性を向上させることができる。さらに、ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、曲げ特性に優れていることから、折り曲げられたときの被覆材12における亀裂やシワの発生を抑制することができ、回転電機の生産性、信頼性を向上させることができる。
回転電機20は、耐振動性、耐衝撃性、耐熱性等に優れることから、車両用、特に、自動車用として用いられることが好ましい。自動車として、ハイブリッド自動車、電気自動車が挙げられる。回転電機20は、これらの自動車における発電機および電動機のいずれに用いられてもよいが、駆動用モータとして用いられることが好ましい。
回転電機20、特に、ステータ24は、以下のように製造することができる。まず、ステータコア25のスロット25bにコイル用絶縁電線10からなるステータコイル26を装着してコイル装着体を製造する。その後、コイル装着体に対してワニス処理を行う。
ワニス処理は、以下のようにして行うことができる。まず、コイル装着体を中心軸が水平となるように配置する。そして、コイル装着体を中心軸の周りに回転させながら、コイル装着体の内側に含浸用ワニスであるワニス27を供給する。これにより、重力と遠心力とにより、スロット25bとステータコイル26との間にワニス27が含浸されるとともに、ステータコイル26を構成するコイル用絶縁電線10どうしの間にワニス27が含浸される。含浸後、加熱によりワニスを硬化させる。加熱は、ステータコイル26に通電することで実行してもよいし、加熱炉にコイル装着体を収容した状態で実行してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
例えば、図示しないが、コイル用絶縁電線10は、6本の撚り線11を有するものでもよい。6本の撚り線11を有する場合、例えば、1本の撚り線11が中心に配置され、この撚り線11の周囲に残りの5本の撚り線11が均等に配置される。具体的には、中心に配置される撚り線11が略5角形状となり、この略5角形状の各辺に残りの5本の撚り線11が配置される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
[実施例1]
実施例1のコイル用絶縁電線として、図1に示されるように、3本の撚り線の周囲に被覆材が設けられたコイル用絶縁電線を製造した。ここで、3本の撚り線は、それぞれ、導体素線の表面が絶縁被膜により覆われた被覆導線を18本撚り合わせたものとした。
また、絶縁被膜は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)および無水ピロメリット酸(PMDA)からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド樹脂(PI)とし、酸成分中、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を40モル%とし、無水ピロメリット酸(PMDA)を60モル%とした。また、被覆材は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)とし、押出成形により形成した。
以下、実施例1のコイル用絶縁電線の製造方法について具体的に説明する。
まず、絶縁被膜の形成に用いるポリイミド樹脂ワニスを製造した。すなわち、攪拌機、窒素流入管、および加熱冷却装置を備えたフラスコ内に、酸成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)0.4モル、無水ピロメリット酸(PMDA)0.6モル、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)1.02モルを投入した。その後、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン、増粘剤等を投入して、窒素雰囲気下で2時間反応させた。これにより、絶縁被膜の形成に用いるポリイミド樹脂ワニスを製造した。
このようにして製造されたポリイミド樹脂ワニスに導体素線を浸漬した後、この導体素線の表面に塗布された被膜用ワニスを焼き付けた。これにより、導体素線の表面が厚さ20μmの絶縁被膜により覆われた被覆導線を製造した。ここで、導体素線は、直径0.4mmの円形状の断面を有する銅線とした。
このようにして製造された18本の被覆導線を撚り合わせて撚り線とした。さらに、このようにして製造された撚り線を3本集合させて集合体とした。集合体においては、図2に示すように、各撚り線が他の2本の撚り線と接触するように、かつ、各撚り線の中心が三角形の頂点に位置するように、各撚り線の配置を調整した。ここでは、各撚り線が第1のピッチ幅aで並ぶように、各撚り線を配置した。なお、撚り線のピッチ幅は、撚り線を撚る装置において回転フライヤーの回転数と撚り線を送り込むスピードとを調整することで調整される。その後、集合体の周囲にポリエーテルエーテルケトン樹脂を押出成形することにより、集合体の周囲に厚さが0.3mmの被覆材を形成した。押出成形では、第1のダイス径aである金型を用いた。これにより、コイル用絶縁電線を製造した。
なお、このようなコイル用絶縁電線においては、被覆材の形成後、3本の撚り線がいずれもほぐれた状態となり、被覆材の内面と撚り線との間、撚り線と撚り線との間、および撚り線を構成する被覆導線と被覆導線との間に隙間が形成された。
[実施例2〜7]
表1に示すように、絶縁被膜を構成するポリイミド樹脂(PI)の組成、特に、酸成分の組成を変更したことを除いて、実施例1と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
なお、実施例6については、酸成分として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)の3成分を用いた。
また、実施例7については、酸成分として、無水ピロメリット酸(PMDA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)の2成分を用いた。
[比較例1]
被覆材をポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)に変更したことを除いて、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例2]
被覆材をポリエチレン樹脂(PE)に変更したこと、および、各撚り線のピッチ幅について第1のピッチ幅aよりも狭い第2のピッチ幅bにしたことを除いて、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例3]
被覆材をポリエチレン樹脂(PE)に変更したこと、および、各撚り線のピッチ幅について第1のピッチ幅aよりも広い第3のピッチ幅cにしたことを除いて、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例4]
絶縁被膜をポリウレタン樹脂(PU)に変更したことを除いて、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例5]
被覆材の形成方法を、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を塗布する方法に変更したことを除いて、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例6]
被覆材を押出成形で形成する際に、第1のダイス径aよりも小さい第2のダイス径bの金型を用いたことを除き、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
[比較例7]
被覆材を押出成形で形成する際に、第1のダイス径aよりも大きい第3のダイス径cの金型を用いたことを除き、実施例3と同様にしてコイル用絶縁電線を製造した。
次に、実施例および比較例のコイル用絶縁電線について、以下の評価を行った。
(絶縁被膜の耐熱性(軟化温度))
絶縁被膜の耐熱性に関して、「JIS C 3216−6:2011」の「4.耐軟化」欄および「5.温度指数」欄の記載に基づいて評価した。具体的には、被覆導線を30cmずつ切り取り、2本の試験片を得た。2本の試験片をそれぞれ環状にして交差させて、おもりをつり下げて、恒温槽に入れた。そして、試験片に交流電圧100Vを加え、1分間当たり2℃の割合で試験片の温度を上昇させて、試験片を短絡させた。試験片が短絡したときの温度を、最も近い部分に固定した熱電対にて測定し、その測定温度を絶縁層の軟化温度とした。ここでは、短絡電流を、5〜20mAとして試験を行った。表中、「◎」は、軟化温度が400℃以上であることを示し、「○」は、軟化温度が350℃以上400℃未満であることを示し、「×」は、軟化温度が350℃未満であることを示す。
(絶縁被膜の密着性)
絶縁皮膜の密着性に関して「JIS C 3216−3:2011」の「5.3 急激伸長試験」欄の記載に基づいて評価した。具体的には、直線状の試験片(導体径0.3mm)を急激に伸長させて、破断させた。ここでは、1秒間当たり約4mの引張速さで伸長できる装置を用いて、標線間距離を200〜250mmとして試験を行った。伸長させた後、光学顕微鏡を用いて皮膜の亀裂及び皮膜の浮きの有無を観察した。なお、破断点から2mmまでの範囲については、観察の対象外とした。表中「◎」は、皮膜の亀裂及び皮膜の浮きが無いあることを示し、「〇」は、皮膜の亀裂及び皮膜の浮きが5箇所以内であることを示す。
(被覆材の耐熱性)
UL758に基づいて被覆材の耐熱性を評価した。表中、「◎」は、ポリテトラフルオロエチレン相当の耐熱性が得られたことを示し、「×」は、ポリテトラフルオロエチレン相当の耐熱が得られなかったことを示す。
(被覆材の曲げ特性)
被覆材の曲げ特性については、下記に示す方法で評価した。具体的には、図7に示すように、丸棒41を中心にコイル用絶縁電線42を180度折り曲げて、折り曲げた部分の被覆材の外側部分における亀裂、および内側部分におけるシワの発生を調べた。なお、丸棒31として、直径5mm、6mm、7mmの3種を用いた。表中、「◎」は、いずれの直径の丸棒31においても亀裂およびシワのいずれも発生していないことを示し、「×」は、いずれかの直径の丸棒31において亀裂またはシワの発生があったことを示す。
(隙間の割合)
被覆材の内側部分における隙間の割合を以下のようにして求めた。まず、コイル用絶縁電線をポリエステル系の冷間埋込樹脂に埋め込んで硬化させた。硬化後、冷間埋込樹脂に埋め込まれたコイル用絶縁電線を長手方向に対して垂直な方向に切断して試料とした。試料の切断面を研磨した後、倍率100倍で被覆材の内側部分の断面積(被覆導線を含めた断面積)を測定した。また、倍率400倍で被覆導線の断面積(1本あたり)を測定した。そして、下記式により被覆材の内側部分における隙間の割合を求めた。なお、下記式における被覆導線の本数は、被覆材の内側部分に含まれる被覆導線の総数である。表中、「a」は、隙間の割合が30〜50%の範囲内にあることを示し、「b」は、隙間の割合が30%未満であることを示し、「c」は、隙間の割合が50%より大きいことを示す。
隙間の割合[%]=(1−(被覆導線の断面積×被覆導線の本数/被覆材の内側部分の断面積))×100
(ワニスのはじき)
ワニスのはじきを評価する際には、コイル用絶縁電線に含浸用ワニスを含浸させた。ここでは、含浸用ワニスとして、液状のエポキシ樹脂ワニス(ソマール社製、製品名 エピフォーム(登録商標) E530)を使用した。そして、加熱することによって、含浸用ワニスを硬化させた。その後、コイル用絶縁電線において含浸用ワニスがはじいたか否かを目視で観察した。表中において、「◎」は、ワニスのはじきが無い場合を示しており、コイル用絶縁電線がコアのスロットに十分に固定されることを示唆している。これに対して、「×」は、ワニスのはじきが有る場合を示しており、コイル用絶縁電線がコアのスロットに十分に固定されないことを示唆している。
(総合評価)
上記評価、すなわち、絶縁被膜の耐熱性および密着性、被覆材の耐熱性および曲げ特性、隙間の割合、ワニスのはじきに基づいて、総合評価を行った。表中、「◎」は、全ての評価が「◎」であることを示し、「○」は、全ての評価が「◎」または「○」のいずれかであることを示し、「×」は、1以上の評価に「×」があることを示す。
Figure 2018092867
表1から明らかなように、実施例1〜7のコイル用絶縁電線については、ワニスのはじきが無く、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができる。これとともに、実施例1〜7では、耐熱性、曲げ特性も良好になることがわかる。
一方、比較例1のコイル用絶縁電線のように、被覆材にポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を用いた場合、ワニスのはじきが有るので、コイルを固定するためのワニス処理において十分な固定力を得ることができないことがわかる。
また、比較例2および比較例3のコイル用絶縁電線のように、被覆材にポリエチレン樹脂(PE)を用いた場合、被覆材の耐熱性が低く、高温の使用環境下に耐えられないことがわかる。なお、隙間の割合が低くなる原因として、ポリエチレン樹脂(PE)が柔らかく変形しやすいことが挙げられる。すなわち、撚り線の周囲を囲むようにポリエチレン樹脂(PE)を押出成形した場合、ポリエチレン樹脂(PE)が撚り線と撚り線との間に形成されていた隙間に入り込むように変形することから隙間の割合が低くなる。この他に、比較例2の場合のように、撚り線のピッチ幅が狭い場合には、被覆材12の内側部分における隙間の割合が30%未満になるため、誘電率が低下せずに、被覆材12の内側において被覆導線13が移動しにくくなる。そして、比較例3の場合のように、被覆材12の内側部分における撚り線のピッチ幅が広い場合には、隙間の割合が50%より大きくなるため、コイルに加工する時にシワが発生して外観の不良が生ずる場合がある。
また、比較例4のコイル用絶縁電線のように、絶縁被膜にポリウレタン樹脂(PU)を用いた場合、絶縁被膜の耐熱性および密着性が十分でなくなることがわかる。
また、比較例5のコイル用絶縁電線のように、塗布する方法により被覆材を形成した場合、隙間の割合が低くなることがわかる。なお、隙間の割合が低くなる原因として、撚り線の周囲を囲むように被覆材の材料を塗布した場合、撚り線と撚り線との間に形成されていた隙間に被覆材の材料が入り込むために隙間の割合が低くなり、被覆材の内側において被覆導線が移動しにくくなる。その結果、本比較例では、コイルを加工する際に曲げられたときに、亀裂が発生しやすいので、十分な曲げ特性を得ることができない。
比較例6のコイル用絶縁電線のように、実施例3よりもダイス径が小さい金型を用いて被覆材を形成した場合には、被覆材12の内側部分における隙間の割合が30%未満になる。このため、本比較例では、被覆導線同士の密着度が高くなり、被覆材の内側において被覆導線が移動しにくくなる。その結果、比較例5の場合と同様に、コイルを加工する際に曲げられたときに、亀裂が発生しやすいので、十分な曲げ特性を得ることができない。
比較例7のコイル用絶縁電線のように、実施例3よりもダイス径が大きい金型を用いて被覆材を形成した場合には、隙間の割合が50%より大きくなる。このため、被覆材の内側において被覆導線13がない部分に、シワが発生する場合がある。その結果、本比較例は、十分な曲げ特性を得ることができない。
10…コイル用絶縁電線、11…撚り線、12…被覆材、13…被覆導線、14…導体素線、15…絶縁被膜、16…集合体、20…回転電機、21…ケース、22…ロータ軸、23…ロータ、24…ステータ、25…ステータコア、25a…ティース、25b…スロット、26…ステータコイル、27…ワニス、31…押出部材、41…丸棒、42…コイル用絶縁電線

Claims (8)

  1. 複数本の被覆導線が撚り合わされてなる撚り線と、前記撚り線の周囲を囲むように設けられる被覆材と、を有するコイル用絶縁電線であって、
    前記被覆導線は、導体素線と、前記導体素線の表面を覆うように設けられるポリイミドからなる絶縁被膜を有し、
    前記被覆材は、ポリエーテルエーテルケトンからなり、前記被覆材の内面と前記撚り線との間に隙間を有し、前記被覆材の内側部分における隙間の割合が30〜50%であることを特徴とするコイル用絶縁電線。
  2. 前記撚り線を3〜8本有することを特徴とする請求項1記載のコイル用絶縁電線。
  3. 前記絶縁被膜は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物50〜70モル%および無水ピロメリット酸30〜50モル%からなる酸成分(a)と、ジアミン成分(b)とからなるポリイミドを含むことを特徴とする請求項1または2記載のコイル用絶縁電線。
  4. 前記絶縁被膜は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物50〜70モル%および無水ピロメリット酸30〜50モル%を含むテトラカルボン酸成分(a)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分(b)とからなるポリイミドを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコイル用絶縁電線。
  5. 前記被覆材の厚みは、100〜400μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のコイル用絶縁電線。
  6. 前記絶縁被膜の厚みは、0.005〜40μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のコイル用絶縁電線。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載のコイル用絶縁電線を有することを特徴とする回転電機。
  8. 複数本の被覆導線が撚り合わされてなる撚り線と、前記撚り線の周囲を囲むように設けられた被覆材とを有し、前記被覆材の内面と前記撚り線との間に隙間が介在するコイル用絶縁電線の製造方法であって、
    前記被覆導線は、導体素線と、前記導体素線の表面を覆うように設けられるポリイミドからなる絶縁被膜とを有し、
    前記被覆材は、ポリエーテルエーテルケトンからなり、前記被覆材の内側部分における隙間の割合が30〜50%であり、
    押出成形によって前記被覆材を形成することを特徴とする、コイル用絶縁電線の製造方法。
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