JP2018091554A - 蓄熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塊状の蓄熱材料を太陽光の集中照射領域に比較的長い時間位置させ、固体蓄熱材料に万遍なく蓄熱させて十分な熱エネルギーを取り出すことのできる蓄熱装置を提供する。
【解決手段】集光手段Eにより集光される太陽光を蓄熱面21に照射し、蓄熱面21に熱を蓄積させる蓄熱装置1であって、蓄熱装置1は、前記太陽光の集中照射領域を包囲する筒状の外周壁11と、外周壁11内に収容された複数の塊状の固体蓄熱材料2と、を備え、外周壁11の中には、内底14と内底14の外側の外底13とが互いに相対移動可能に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、集光した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱装置に関する。
現代の生活は大量のエネルギーを必要としている。今までは化石燃料や原子力に頼ってエネルギーを作り出していたが、地球温暖化や原発事故などの影響により、安全でクリーンな再生可能エネルギーに注目が集まっている。その中でも太陽エネルギーは膨大なエネルギー量を誇っており、これからの技術開発に期待がかかっている。太陽エネルギーといえば太陽光発電のように光を直接電力に変換し利用する方法が一般的に知られているが、近年、光を集光し熱に変え、その熱を有効利用することへの関心が高まっている。この集光型太陽熱利用は日本のみならず世界中の国々で研究が盛んになっている。
この種の集光型の太陽光集光装置は、太陽光を効率よく集めて熱エネルギーに変えるものであり、例えば、トラフ型やタワー型太陽集光装置が知られている。このような太陽光集光装置を利用するに際しては、集光した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱装置の開発が望まれている。
アメリカやスペインにおいては、既に太陽熱を利用した水蒸気タービン発電が実用化されており、この水蒸気タービン発電においての蓄熱装置は、沸騰水を加熱した水蒸気や溶融塩に太陽熱が蓄熱できるようになっている。しかしながら水の臨界温度は374℃であり、それ以上の高温に適さないこと、溶融塩は500℃以上で熱分解することから、これらの蓄熱材料は高温度域での稼働には適さなかった。
高温度域を生成可能な太陽光集光装置として、特許文献1に示されるようなビームダウン式太陽集光装置が知られている。この装置によると1,000℃以上の高温環境が得られるようになっており、蓄熱材料に珪砂やマグネタイト(Fe)などの鉄酸化物や、炭化珪素(SiC)などからなる粒子を集熱容器内で気体を用いて循環流動させ、集熱容器上方より集光した太陽光を照射させ、蓄熱できるようになっている。
この特許文献1の太陽光を利用した集熱蓄熱装置によれば、粒子状の蓄熱材料を収容した蓄熱容器に管を挿通させ、管から空気・窒素・水蒸気などを流入させることにより、粒子状の蓄熱材料を気流に乗せて巻き上げて蓄熱材料の流動層を形成し、この蓄熱材料の流動層に、太陽集光手段により集光された太陽光を照射することにより蓄熱材料に蓄熱可能となっている。
他にも、粒子状の蓄熱材料をカーテン状に流下させ、そこに太陽集光手段により集光された太陽光を照射させて蓄熱させる集熱蓄熱装置も知られている。
国際公開2014−038553号公報(第14頁、第1図)
しかしながら、特許文献1の蓄熱装置は、気流に乗せて巻き上げた蓄熱材料の流動層に太陽光を照射するため、容器内の蓄熱に供される蓄熱材料の質量には限界があり、十分な熱エネルギーを取り出すことはできないばかりか、容器内の気体の取り扱いも煩雑となる。
また、粒子状の蓄熱材料をカーテン状に流下させる方式にあっても、流下時の蓄熱材料に瞬間的に太陽光を照射するため、十分な熱エネルギーを取り出すことはできないばかりか、粒子状の蓄熱材料の流量コントロールも煩雑となる。
そこで、本発明は、塊状の蓄熱材料を太陽光の集中照射領域に比較的長い時間位置させ、該固体蓄熱材料に万遍なく蓄熱させて十分な熱エネルギーを取り出すことのできる蓄熱装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の蓄熱装置は、
集光手段により集光される太陽光を蓄熱面に照射させ、該蓄熱面に熱を蓄積させる蓄熱装置であって、
前記蓄熱装置は、前記太陽光の照射領域を包囲する筒状の外周壁と、該外周壁内に収容された複数の塊状の固体蓄熱材料と、を備え、前記外周壁の中には、内側の内底とその外側の外底とが互いに相対移動可能に配置されていることを特徴としている。
この特徴によると、外周壁内において内底と外底とを、例えば垂直方向に相対移動させることにより、外周壁内における固体蓄熱材料に高低差が発生し、塊状の固体蓄熱材料が外周壁内において対流するかのように移動する。したがって内底と外底の相対移動の速度を制御することで、太陽光の集中照射領域に新たな固体蓄熱材料が出現する時間をコントロールできることになり、蓄熱材料を太陽光の照射領域に比較的長い時間配置させ、固体蓄熱材料に万遍なく十分な熱エネルギーを蓄熱できることとなる。
前記外周壁内において、前記内底の下降移動と前記外底の上昇移動とによる両者の相対移動で、前記固体蓄熱材料の表面形状が略テーパ―凹形状になるように制御されることを特徴としている。
この特徴によると、集光された太陽光は集光手段の中心から外側に広がるため、略テーパ―凹形状になる外周部で固体蓄熱材料の高さが高くなることにより、筒状の外周壁の内壁に当たる光が減少し、入射損失を減少させ、集中照射している太陽光を無駄なく固定蓄熱材料へ照射させることができるため、蓄熱効率の向上を図ることができる。
前記内底の総面積と前記外底の総面積とが略同一であり、両者の上下移動速度が略同一に制御されることを特徴としている。
この特徴によると、内底と外底との相対移動時において、外周壁内における蓄熱面の表面が常に一定の高さに保たれることになり、固体蓄熱材料への蓄熱を安定して行うことができる。
前記内底と前記外底とは、該内底が降下する方向に相対移動するようになっていることを特徴としている。
この特徴によると、集光し蓄熱された中央部の固体蓄熱材料が、内周壁内に導入されて内底の底面側へ集中し密になることで、この蓄熱された熱が逃げ難くなり、保温効果を向上できることになる。
前記複数の塊状の固体蓄熱材料は、略球体に形成されていることを特徴としている。
この特徴によると、略球体の固体蓄熱材料は、収容された外周壁内の底面の昇降移動により転動しながら移動するため、固体蓄熱材料の表裏にかけて蓄熱させることができる。
前記複数の塊状の固体蓄熱材料は、それぞれが略同一形状で形成されていることを特徴としている。
この特徴によると、固体蓄熱材料が略同一形状であることから、固体蓄熱材料の均一な移動が可能になり、蓄熱面の形状がより安定するようになっている。
前記固体蓄熱材料は、アルミナ球を少なくとも含むことを特徴としている。
この特徴によると、アルミナは融点が2,000℃以上と高いばかりか、その形状が球形の為に集光部からの照射により充分に蓄熱できる。また、球体ではない固体蓄熱材料をそのまま使うと内底と外底とが互いに相対移動する際に、往復動駆動装置におけるピストンやシリンダの隙間にかみこんでしまう恐れがあるため、アルミナ球を内底と外底とに数層敷き、球体ではない他の固体蓄熱材料とともに、蓄熱させるようにしてもよい。他の固体蓄熱材料としては、例えばフェロニッケルスラグなどの吸収率が高い個体蓄熱材料などを利用してもよい。
実施例1におけるビームダウン式太陽集光装置の概略図である。 実施例1における蓄熱装置を示す平面図である。 実施例1における蓄熱装置を示す上面図である。 実施例1における蓄熱装置内の時間の経過による動作状況と、固体蓄熱材料群の温度分布図を示す説明図である。 実施例1における蓄熱装置内の時間の経過による動作状況と、固体蓄熱材料群の温度分布図を示す説明図である。 実施例1における蓄熱装置内の固体蓄熱材料群の動きと温度を示すN部の拡大図である。 実施例1における蓄熱装置により蓄熱された固体蓄熱材料の、熱の取り出し方の一例を示す、説明図である。 実施例2におけるビームダウン式太陽集光装置の基本仕様を示す説明図である。 実施例2で用いた薄膜型熱流束計の構成図である。 実施例2における集光手段Eの平面上(z=−150mm)で熱流束分布を計測したときの実験条件を示す説明図である。 実施例2におけるz=−150mmからz=−250mmまで25mmずつ下方に位置を変えたときの実験条件を示す説明図である。 実施例2におけるz=−150mmのときの放射流束Rfの分布を示す図である。 実施例2におけるz=−150mmからz=−250mmまで25mmずつ下方に位置を変えて求めた熱流束分布を示す図である。 実施例2における機械撹拌式顕熱蓄熱装置1の概略図である。 実施例2における蓄熱装置1への熱電対1〜16の取り付け位置を示す説明図である。 実施例2における蓄熱装置1への熱電対1〜16の取り付け位置を示す説明図である。 実施例2における蓄熱装置1に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態から定常状態になるまでの固体蓄熱材料群2の形状の変化を示す説明図である。 実施例2におけるビームダウン式太陽集光装置Aでの蓄熱装置1の加熱実験の実験条件を示す説明図である。 実施例2におけるビームダウン式太陽集光装置での蓄熱装置1の加熱実験の結果を示す説明図である。 実施例2における実験後の内周壁12内における温度分布図を示す。 実施例2における蓄熱装置1の蓄熱槽内部に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態の位置関係を示す説明図である。
本発明に係る蓄熱装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る蓄熱装置につき、図1から図7を参照して説明する。
本実施例において蓄熱装置は、例えば太陽光を利用したビームダウン式太陽集光装置に設置され、集光された光を蓄熱する装置として説明する。
図1はビームダウン式太陽集光装置の概略図であり、ビームダウン式太陽集光装置Aは、地上に立設されるタワー8と、同じく地上に配置される複数のヘリオスタットB,B,・・・と、を備えている。タワー8は、その上部に半球状の反射鏡80,80が取り付けられ、且つ中央部に載置面81を備え、この載置面81には蓄熱装置1が設置されている。また、蓄熱装置1の上方には円筒状の集光手段Eが配置されている。
ヘリオスタットBは、太陽追尾装置であり、太陽の動きに追従し、太陽光を平面鏡で反射させて一定の方向に送る装置である。複数のヘリオスタットB,B,・・・で反射された太陽光は、タワー8の反射鏡80,80と蓄熱装置1との間の所定位置(第一焦点C)で集光され、第一焦点Cにて集光された太陽光は、タワー8の上部に設置された反射鏡80,80で更に反射され、蓄熱装置1の上部に設置された集光手段E内(第二焦点D)で集光され直下するように、集光された光を照射させるようになっている。
図2及び図3に示されるように、蓄熱装置1は、耐熱性の高い素材からなる円筒状の外周壁11と、同様に耐熱性の高い素材からなる円筒状の内周壁12と、ドーナツ型の外底13と、円形の内底14と、外気との対流熱伝達を防止するガラス蓋15と、から主に構成されている。外周壁11は、筒状で、中心がくり抜かれており、内底14と外側の外底13とにより、外周壁11の底部が形成されている。外周壁11で囲まれた固体蓄熱材料群2を収容する部分を外円筒、内周壁12で囲まれた固体蓄熱材料群2を収容する部分を内円筒ともいう。なお、図3は、図2に示す蓄熱装置1のM−M断面を示している。
図2に示されるように、蓄熱装置1は、外周壁11内には、内底14と外側の外底13とを備え、内底14と外側の外底13とには、同一形状の球状に形成されたアルミナを複数集合した固体蓄熱材料群2を収容できるようになっている。固体蓄熱材料群2を構成する球体は、アルミナで構成されているためその融点が2,000℃以上と高くなっている。外底13と内底14との形状は、外周壁11と内周壁12の形状に合わせて設けておく。
ガラス蓋15は、光の透過率が高い石英ガラスで形成されているため、蓄熱装置1の蓋として機能して固体蓄熱材料群2が外気の影響で温度が低下することを防止するとともに、蓄熱装置1の上方に設置された集光手段Eから照射される光を外周壁11内に透過させることができるようになっている。
図2に示される集光手段Eは集光強度を約4倍程度高めるCPC(Compound Parabolic Concentrator)を備え、第二焦点Dにて集光された太陽光の強度を高め、蓄熱装置1のガラス蓋15を通して固体蓄熱材料群2の蓄熱面21へ照射するようになっている。
図3に示されるように、外周壁11と内周壁12との間には、外周壁11の内周面の形状と内周壁12の外周面の形状に沿ったドーナツ型の外底13が嵌入されており、内周壁12の内側には、内周壁12の内周面の形状に沿った円形の内底14が嵌入されている。尚、外底13と内底14とは、外底13の上面70の表面積Sと、内底14の上面71の表面積Uが等しくなるように形成されている。
また、図2に示されるように、外底13は、その下方に配置された往復動駆動装置40により昇降移動されるようになっている。同様に内底14は、その下方に配置された往復動駆動装置41により昇降移動されるようになっている。また、往復動駆動装置は、ドーナツ型の外底13の形状に沿って複数配設されている(図3参照)。
往復動駆動装置40は、ピストンロッド31と、ピストンロッド31に外嵌するシリンダ32とを備え、図示しない駆動制御手段により伸縮することで外底13を昇降可能となっている。同様に往復動駆動装置41は、ピストンロッド33と、ピストンロッド33に外嵌するシリンダ34とを備え、図示しない駆動手段により伸縮することで内底14を昇降可能となっている。尚、これら往復動駆動装置40と往復動駆動装置41とは、それぞれ同時に、かつ所定時間単位当たりの移動量が等しく伸縮するように駆動制御手段により制御されるようになっている。
図2に示されるように、太陽光からの蓄熱を行う際には、前述した往復動駆動装置40と往復動駆動装置41とをそれぞれ昇降移動させ、外底13と内底14との高低差を生じさせることにより、複数の固体蓄熱材料により構成される固体蓄熱材料群2の蓄熱面21の表面形状が略テーパ―凹形状となっている。略テーパ―凹形状とは、中心部分が下側に窪んで、径が先細りになる形状をいい、外周壁11と内周壁12とが円筒状の場合には、全体としてお椀型に凹んだ形状をいう。略テーパ―凹形状には、蓄熱面21の表面形状を図2に示すように垂直断面で見たときに、放物線形状となるものを含む。これによれば、集光された太陽光は集光手段Eの中心から外側に広がるため、略テーパ―凹形状になる外周部で固体蓄熱材料の高さが高くなることにより、筒状の外周壁11の内壁に当たる光が減少し、入射損失を減少させ、集中照射している太陽光を無駄なく固定蓄熱材料へ照射させることができるため、蓄熱面21の表面形状が平坦面である場合と比較して、蓄熱効率を向上できる。特に、太陽光の放射方向と蓄熱面21の表面とが図2に示されるような方向関係にあれば、太陽光を無駄なく効率的に固体蓄熱材料に当てることができる。集光手段Eと蓄熱装置1との高さ方向の距離はなるべく近いことが望ましい。
図1に示される反射鏡80,80により集光手段Eへ反射された太陽光は、図2に示すように、集光手段Eによって蓄熱装置1の外周壁11内に照射されるように設定されており、この無駄なく集光された照射領域を、ここでは集中照射領域Lと規定する。なお、後述するが、図面中、最高温域帯Fの部分を最も濃い黒で示している。
図4及び、図5については、時間経過により外底13と、内底14が往復動駆動装置40、41によって相対移動していく様子と、固体蓄熱材料2群の高温度域を示す図である。図4(a)は蓄熱を開始し30分経過した蓄熱装置1の図を示し、固体蓄熱材料2群は、集光手段Eからの太陽光の照射により蓄熱面21が最高温度帯F(約1,200℃)まで熱されている。
蓄熱装置1の稼働を開始させると、ビームダウン式太陽集光装置Aにより集光手段Eへ反射された太陽光が、予め略テーパ―凹形状に形成された固体蓄熱材料群2の蓄熱面21に向けて照射される。外底13と内底14とは、蓄熱面21上に配置された固体蓄熱材料群2が充分に蓄熱された30分後に、相反する方向へ相対移動を開始するようになっている。これによれば、図4(b)に示されるように、外底13の上昇とともに内底14が下降していく状況で、外底13と内底14の高低差と、その球状からなる特徴から、蓄熱面21が略テーパ―凹形状の表面形状を維持できる限界を超えると、外底13上の端部蓄熱面域22で高温域帯Fまで蓄熱された固体蓄熱材料2群は、内底14上の中央部蓄熱面域24方向へ滑落するようになっている。(図6、N部拡大図の黒矢印参照)
また、中央部蓄熱面域24へ滑落した固体蓄熱材料2群は、内底14の降下と、蓄熱され滑落してくる固体蓄熱材料2群が順次、中央部蓄熱面域24で重合していくことから、内底14上の中央部中層域25へ沈降されるようになっている。
図4(b)は、外底13と、内底14が往復動駆動装置40、41によって相対移動を開始し、5分(稼働開始後35分)経過した図を示している。時間の経過とともに外底13が上昇し、内底14が降下するように制御されている。特に7、図4に示すN部拡大図を図6に示すように、外底13上の端部蓄熱面域22で蓄熱された固体蓄熱材料2群が滑落したことにより、すぐ下の固体蓄熱材料2群が新たな略テーパ―凹形状の蓄熱面を形成し、その後、外底13上の端部中層域23に位置していた固体蓄熱材料2群は、外底13の上昇により端部蓄熱面域22へ押し上げられ表層に出現することで、新たな略テーパ―凹形状の蓄熱面を形成し蓄熱されるようになっている。このため、固体蓄熱材料群2が外周壁11内において対流するかのように移動するようになっており、集光手段Eからの集中照射領域Lに新たな固体蓄熱材料群2が出現することにより、収容された固体蓄熱材料群2に顕熱で十分に蓄熱できることになる。
図5(a)は、外底13と、内底14が往復動駆動装置40、41によって相対移動を開始し、15分(稼働開始後45分)経過した図を示している。当初、蓄熱面21に位置していた固体蓄熱材料群2は内底14の垂下とともに最高温度帯F(約1,200℃)のまま沈降している。一方、その上方においては、蓄熱面21の略テーパ凹型状の中央部18まで蓄熱しながら滑落した固体蓄熱材料群2が、高温度帯G(約1,000℃〜1,100℃)と次いで高温となっている。また、隣接する中温度帯Hも、約900℃〜1,000℃まで蓄熱されている。特に前述したように往復動駆動装置40と往復動駆動装置41とは、それぞれ同時に、かつ所定時間単位当たりの移動量が等しく伸縮するように駆動制御手段により制御されるようになっている。ここで前記した駆動制御手段により往復動駆動装置40と往復動駆動装置41との相対移動、すなわち外底13と内底14の速度を制御し、太陽光の集中照射領域Lに新たな固体蓄熱材料群2が出現する時間をコントロールすることにより、蓄熱材料を太陽光の集中照射領域Lに比較的長い時間位置させ、固体蓄熱材料群2に万遍なく十分な熱エネルギーを蓄熱できるようになっている。
図5(b)は、外底13と、内底14が往復動駆動装置40,41によって相対移動を開始し、23分(稼働開始後53分)が経過後、蓄熱が完了した図を示している。内底14の降下により下部まで沈降された最高温度帯Fは、周りを取り巻く高温度帯Gによって放熱が遮断され保温効果が生じ、保温効果が高まるようになっている。
また、外底13と内底14の面積が等しいことから、蓄熱装置1に固体蓄熱材料2群を収容した状態で、外底13と内底14が等しい速度で相反する方向へ相対移動したとき、蓄熱面21の高さが、略面一となるように移動が制御されているため、外周壁11内における蓄熱面21の表面が、常に一定の高さに保たれることになり、固体蓄熱材料群2への蓄熱を安定して行うことができる。
また、ピストンによる外底13と内底14の相対移動は、固体蓄熱材料2群の蓄熱具合を鑑みて適宜、移動速度を変更できるようになっている。
取り出し方の態様は、種々考えられる。例えば、図7に示されるように、蓄熱が完了後、さらに内底14を降下させると固体蓄熱材料群2が連結パイプ9を通過して別の蓄熱槽90へ移動できるようになっている。蓄熱槽90は、下段パイプ91より空気や水を送ることで、上段パイプ92から固体蓄熱材料群2により熱された空気や蒸気を取り出すことができるようになっており、放熱した固体蓄熱材料群2は蓄熱装置1に戻し、再加熱できるようになっている。また、内側のピストン41の内底14に粒子が通らない程度の小さい穴をあけるようにしてもよい。固体蓄熱材料群2の加熱完了後に、内側のピストン41の内底14から外気を取り入れ、固体蓄熱材料群2の粒子を通った加熱空気を、外周壁11の上段に別途設けた外側シリンダから取り出すようにしてもよい。固体蓄熱材料群2の粒子の間を通すことで空気との接触面積が大きくなり、効率良く高温空気を得ることができる。
実施例2に係る蓄熱装置及びビームダウン式太陽集光装置につき、図8から図21を参照して説明する。
実施例2においては、実際に実験で使用したビームダウン式太陽集光装置と、集光された光を蓄熱する蓄熱装置を具体的に説明する。なお、基本的な構成は、特に示さない限り実施例1と同様であり、同一符号により説明する。
宮崎大学には日本最大級のビームダウン式太陽集光装置が設置されており、太陽熱に関する実証実験が進められている。図8にビームダウン式太陽集光装置の基本仕様を示す。ビームダウン式太陽集光装置の構成と集光原理は、上記実施例1においてビームダウン式太陽集光装置Aと同様である。本実施例2において、ビームダウン式太陽集光装置Aは、タワーの高さが16m、土地面積60m×60mの領域に、ヘリオスタットBを88基配置する。この場合、ビームダウン式太陽集光装置Aの配置領域は176m、容量は100kW時となっている。各ヘリオスタットBには、それぞれ10枚の凹面鏡を備え、太陽光を反射させて所定位置(第一焦点C)の方向に送るために凹面鏡の向きが調整される。ビームダウン式太陽集光装置Aは、各ヘリオスタットBにて反射された光をタワー8の上部の回転楕円面を持つ反射鏡80で再び反射させ、集光手段E内の第二焦点Dに向かって下向きに太陽光を集める方式である。通常のタワー型太陽集光装置に比べて鏡による反射が1回多いため反射による損失は若干増えるが、集光部が地面に近いため、冷却損失が低減でき装置の設置が容易であるという特徴を備える。また、ビームダウン式太陽集光装置Aは、集光強度を約4倍程度高めるためCPC(Compound Parabolic Concentrator)を備える集光手段Eが設置されており、集光手段Eの上部入口は第2焦点に位置している。
上記基本仕様のビームダウン式太陽集光装置Aを用い、集光手段Eの出口での放射流束分布を計測した。計測には、図9に示す薄膜型熱流束計112を用いた。図9に示す薄膜型熱流束計のセンサー部は、φ3.2mmで、厚さ10μmの銅薄膜(メッキ銅膜)101と、コンスタンタンからなるプローブ本体103とを表面結合102部分で結合させたT型熱電対を用いている。このセンサー部を、グラスウールからなるインシュレータ104に内蔵し、計測線となる絶縁銅線105とコンスタンタンワイヤ106とを接続している。薄膜型熱流束計112は、50μsのサンプリング間隔で温度変化を捉えることが可能である。集光面で薄膜型熱流束計112を移動させると、その経路に沿った放射流束分布が求められる。
集光手段Eの平面上(z=−150mm)で、集光手段Eの中心軸を通るように薄膜型熱流束計をトラバースさせて熱流束分布を計測したときの実験条件を図10に示す。ここで、zは、集光手段Eの基準面(出口面)からの垂直方向の距離を示している。図10に示すように、2015年12月25日午前10時44分から計測を始めた。この場合の実験条件としては、太陽直接法線入射率(DNI)が733W/m、この時集光に関与しているヘリオスタットの数74ユニット、スイングアームの回転速度4.19rad/S、データ収集間隔50μs、電波フィルタ1kHzのローパスフィルタを用いている。このz=−150mmのときの放射流束Rfの分布を図12に示す。図12において、xは、集光手段Eの第二焦点D(0mm)の中心軸からの東西方向の距離で、正方向は東向きを示し、yは集光手段Eの第二焦点D(0mm)の中心軸からの南北方向の距離で正方向は北向きを示し、これらのX及びYにより定まる位置の放射流束Rfを縦軸に示し、その放射流束Rfの等高線をX―Y平面に示している。
さらに焦平面位置をz=−150mmからz=−250mmまで25mmずつ下方に位置を変えて求めた熱流束分布を図13に示す。z=−150mmからz=−250mmまで25mmずつ下方に位置を変えたときの実験条件を図11に示している。実験日、トラバースの角速度およびデータ収録の条件は図10と同じであるため、それ以外の計測条件を図11に示している。
図13において、縦軸はヘリオスタット1基あたりの集光倍率Cmで、横軸は薄膜型熱流束計中心における集光手段Eの中心軸からの距離で正方向は東向きを示している。なお、時々刻々と、直達日射量DNIならびに集光に関与するヘリオスタットの基数が変化するため、集光倍率Cmは数1のとおり、薄膜型熱流束計によって求まる放射流束Rfを直達日射量DNIおよびヘリオスタットの基数Nで除した値と定義する。
[数1]
Cm=Rf/(DNI・N)
図13より、高さ位置z=−150mmおよびz=−175mmでの水平面上の放射流束分布は、中心部が高く周辺に向かって低くなっており絶対値もほぼ等しい。しかし、集光手段Eの特性から高さ位置が低くなるにつれて、中心部がくぼんだ形状が顕著となる。
図14に、実際に設計・製作を行った機械撹拌式顕熱蓄熱装置1の概略図を示す。この蓄熱装置1は、実施例1において説明したように、ビームダウン式太陽集光装置の集光方向を考慮し、高温蓄熱を実現するため、図14に示すように固定蓄熱材料表面を直接太陽光で加熱する形式のレシーバ機能を備えた蓄熱装置である。蓄熱槽は、図14にそれぞれ寸法を示しているように、内外の外周壁11・内周壁12、外底13と内底14との面積が互いに等しい二つの往復動駆動装置(以下、「ピストン」ということもある。)、すなわち内側の円形ピストンと外側のドーナッツ形ピストンと、外気との対流熱伝達を防止するための透過率σ=0.9の石英ガラスのガラス蓋15および固体蓄熱材料群2からなる。両ピストンは互いに逆方向かつ同じ速さで上下方向(z軸方向)に移動することで、蓄熱材料の固体蓄熱材料群2を撹拌する。
固体蓄熱材料群2には、融点が高く、種々の粒径のものが入手しやすいアルミナ球を用いた。また、蓄熱材料の粒径については、粒子中心部まで速く加熱されるため小さいほどが良いが、ピストンとシリンダのすきまを考慮してφ5mmとした。
この蓄熱装置1は次のような特徴を備える。
(1)固体蓄熱材料群2に顕熱で蓄熱を行うため、高温での蓄熱が可能である。
(2)固体蓄熱材料群2を直接太陽光で加熱するため、熱交換を行う間接加熱方式より熱損失が少ない。
(3)ピストンの移動速度を変更することにより、固体蓄熱材料群2の加熱温度を容易に制御できる。また、放射強度に合わせてピストン速度を制御することで、固体蓄熱材料群2温度を設定温度に保つことが可能となる。
図14に示すような蓄熱装置1を用いる場合、ピストンの動く方向によって固体蓄熱材料群2の受光面の表面形状が変化するが、次のような理由から、固体蓄熱材料群2の蓄熱面21の表面形状が、下に凸の形状なる略テーパ―凹形状となるようにピストンの内側ピストンが下降する方向で実験を行った。
(1)集光された太陽光は集光手段Eの中心から外側に広がるため、外周部でz方向の固体蓄熱材料群2の高さが高いほど、外部円筒の内壁に当たる光が減少し、入射損失が減少する。
(2)固体蓄熱材料群2の表面での照射強度が均一に近づき、固体蓄熱材料群2内部の温度ムラが小さくなる。
(3)加熱終了後に蓄熱粒子が内部円筒に集まり、外部円筒が空気の断熱層となるため保温効果が高まる。
蓄熱装置1の蓄熱槽内部に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態の位置関係を図21に示す。また、蓄熱装置1に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態から定常状態になるまでの固体蓄熱材料群2の形状の変化を図17に示す。図21においては、集光手段Eの中心軸からの距離を横軸にしめし、集光手段Eの底部面からの垂直方向の距離を縦軸で示し、また、後述する熱電対の配置位置も記載している。図17において、横軸は、蓄熱面21の中心位置からの距離を示し、縦軸は、集光手段Eの底部面からの垂直方向の距離を示している。
図21に示すように、蓄熱装置1に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態においては、z=−210mmで蓄熱粒子の表面が平面上に形成されている。固体蓄熱材料群2の受光面である蓄熱面21は、蓄熱装置1に固体蓄熱材料群2を配置した初期状態から、ピストンの移動により、図21及び図17に示すように、形状が変化し約2分で定常状態になることが解った。
固体蓄熱材料群2の蓄熱面21の形状を考慮して16本の熱電対を取り付け、温度計測を行った。図14に示すA−A断面におけるK型シース管熱電対1〜16の取り付け位置を図15及び図16に示す。図15(a)及び図16(a)は、外周壁11と内周壁12に固定され定点計測を行うための熱電対の取り付け位置を示し、高さ位置はz=−270mmである。また、図15(b)及び図16(b)は、ピストンの外底13、内底14とともに移動する熱電対の取り付け位置を示し、各ピストン上面から20mm上方が計測位置で、初期位置は、内ピストンでz=−270mm、外ピストンでz=−390mmである。また、図16(a)及び(b)は温度計測位置である熱電対先端の座標を示し、x座標が東西方向、y座標が南北方向を示す。なお、本明細書においては、図中の丸数字は、数字に対応する番号で示す。
上述した位置に熱電対を設置し、ビームダウン式太陽集光装置により、太陽光を集光し、蓄熱装置1に蓄熱させる加熱実験を行った。
ビームダウン式太陽集光装置Aでの蓄熱装置1の蓄熱槽の加熱実験は、開始から30分間は、ピストンを静止した状態で太陽光を照射し、その後ピストンを23分間でz方向に160mm移動するように等速運動させた。実験条件は図18に示すとおりである。図18に示すように、2016年1月20日正午12時から計測を始めた。この場合の実験条件としては、ピストン停止時の平均の太陽直接法線入射率(DNI)が953W/m、ピストン移動時の平均の太陽直接法線入射率(DNI)が962W/m、この時集光に関与しているヘリオスタットの数79ユニット、ピストン速度0.116mm/S、データ収集間隔1sである。
このような条件で行ったビームダウン式太陽集光装置での蓄熱装置1の加熱実験の結果を図19に示す。図19(a)は上述した外周壁11と内周壁12に固定した熱電対による計測結果を示し、図19(b)は内底14に取り付けられた熱電対による計測結果であり、図19(c)は外側ピストンの外底13に取り付けられた熱電対による計測結果である。また、図19(a)の一点鎖線はDNIを示す。図19より内底14の中心位置である1番位置のみ最高温度が1070℃となり、目標の1000℃に達したことがわかった。
図19(a)より、DNIの変動は小さく、ピストン停止時で942〜963kW/m、ピストン駆動時で953〜969kW/mで実験中ほぼ一定であるとみなすことができる。また、外周壁11と内周壁12のz=−270mmの位置に固定された熱電対で計測した結果は、中心部に近づくほど温度が高くなり、実験開始後30分にピストンが移動を開始するためその差は大きくなる。これは、ピストンの移動により、図17に示す開始から2分以降のような固体蓄熱材料群2が略テーパ―凹形状の表面形状になり、中心に近づくほど、固体蓄熱材料群2の受光面から熱電対までのz方向の距離が短くなるためである。実験開始後30〜40分で、静止状態のとき表面にあった固体蓄熱材料群2の蓄熱粒子が移動して熱電対に触れるため温度が急激に上昇し、実験開始後40分で最高温度1070℃となるが、固体蓄熱材料群2表面にあった蓄熱粒子への加熱量が一定値に近づくため、温度が下降しはじめる。
図19(b)より、5番位置は1番位置と開始後30分まではほぼ同じ位置にあるため、同様の温度経過を示しているが、移動開始後、温度上昇割合は減少する。これはピストンが下降し表層の蓄熱粒子からの距離が長くなり伝導熱量が減少していくためである。内側ピストンに取り付けられた熱電対は中心に近いほど同時刻における温度は高いが、5番位置と同様の温度経過を示す。一方、図19(c)外側ピストンでは、入射光を受ける表層の蓄熱粒子から熱電対取り付け位置までの距離が長いため温度の上昇が小さい。実験開始後45分から温度上昇割合がわずかに増加しているのは、内側にある高温の蓄熱粒子によるx方向からの熱伝導の影響と考えられる。
以上の実験結果より、この固体蓄熱材料群2内では、熱伝導による伝熱量は小さく、主として太陽光による直接加熱によって温度変化が生じていることがわかる。また、蓄熱槽に入射されたエネルギーQinは、静止した状態の固体蓄熱材料群2の表面位置がz=−210mmなので、図13においてz=−200mmの値を参考にして求めると、集光倍率Cmの面積平均値は、2.6となる。また、図18に示すDNIの時間平均値957W/m、石英ガラスの透過率σ=0.9、ヘリオスタット数N=79を掛け合わせると平均入射流束は177kW/mとなる。これに加熱時間53分、蓄熱槽の断面積A=0.126mを掛け合わせると入射エネルギーはQin=71MJとなる。なお、DNIの時間平均値957W/mは、実験中の平均DNIであり、ピストン停止時23分,移動時30分を含めて、太陽光を照射している時間におけるDNIから平均値を求めたものである。
図19に示す実験終了後の内周壁12内における温度を求めるため、外周壁11と内周壁12とに固定された熱電対で計測した30〜53分の時刻での温度を蓄熱槽内のz=−430〜−270mmの位置での温度とみなすと、直線補間によるシミュレーションにより図20に示す温度分布が得られた。図20に、内周壁12内における温度分布図を示し、横軸は集光手段EのCPCの中心軸からの距離を示し、縦軸zは、集光手段Eの基準面(第二焦点D)からの垂直方向の距離を示し、各位置における温度分布を示している。また、蓄熱量を求めると12MJとなり、入射エネルギーの17%が蓄熱されたことがわかった。この図20に示される温度分布は、実験開始から53分後の図5(b)に示す模式図にも対応する。計算方法としては、同じ半径位置では温度が同じとして、z=-270mmの位置に固定した熱電対1番位置〜4番位置をもとに計算し、熱電対に接触した蓄熱粒子はピストンとともに移動し、温度変化しないものとして、熱電対から下方向(z方向)の温度分布を求めた。また、熱電対より上は、熱電対位置と同じ温度とし、半径方向については,直線的に補間して温度分布を求めている。
以上説明したような、実施例2における実験の結果、次の結論を得ることができた。
(1)φ5mmのアルミナ球を固体蓄熱材料群2として用い、ピストンを30分間停止した後、23分間で160mmの速さで移動させる条件で太陽光を照射すると、蓄熱槽の中心部で最高温度が1070℃となった。
(2)蓄熱粒子間の熱伝導による伝熱量は小さく、主として太陽光による直接加熱によって温度変化が生じている。
(3)今回の実験条件では、入射エネルギーに対して17%が蓄熱できた。
上記実施例1、2によれば、外周壁内において内底と外底とを、垂直方向に相対移動させることにより、外周壁内における固体蓄熱材料に高低差が発生し、塊状の固体蓄熱材料が外周壁内において対流するかのように移動するため、内底と外底の相対移動の速度を制御することで、太陽光の集中照射領域に新たな固体蓄熱材料が出現する時間をコントロールできることになり、蓄熱材料を太陽光の照射領域に比較的長い時間配置させ、固体蓄熱材料に万遍なく十分な熱エネルギーを蓄熱できる。
また、上記実施例1、2においては、固体蓄熱材料としてアルミナ球を用いる場合を示したが、これ以外の吸収率が高い個体蓄熱材料などを利用してもよい。他の固体蓄熱材料としては、例えばフェロニッケルスラグなどを利用できる。フェロニッケルスラグなどの球体ではない固体蓄熱材料をそのまま使う場合には、内底と外底とが互いに相対移動する際に、往復動駆動装置におけるピストンやシリンダの隙間にかみこんでしまう恐れがあるため、アルミナ球を内底と外底とに数層敷き、球体ではない他の固体蓄熱材料をその上に敷きつめて、蓄熱させるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、外周壁12内には外周壁11と内周壁12が配置されていたが、これに限らず3つ或いは4つの底を設けて、それぞれ相対移動するようにしてもよい。
また、前記実施例では、外周壁11と内周壁12とは、円筒状としているが、これに限らず角筒状にしてもよい。この場合、外底13、内底14の形状も円形に限らず、外周壁11と内周壁12の形状に応じて楕円形・三角形・正方形・長方形等にしてもよい。
1 蓄熱装置
2 固体蓄熱材料(群)
8 タワー
9 連結パイプ
11 外周壁
12 内周壁
13 外底
14 内底
15 ガラス蓋
21 蓄熱面
31,33 ピストンロッド
32,34 シリンダ
40,41 ピストン
70 外底13の上面
71 内底14の上面
80 反射鏡
81 載置面
90 蓄熱槽
91 下段パイプ
92 上段パイプ
101 銅薄膜(メッキ銅膜)
102 表面結合
103 プローブ本体(コンスタンタン)
104 インシュレータ(グラスウール)
105 絶縁銅線
106 コンスタンタンワイヤ
112 薄膜型熱流束計
A ビームダウン式太陽集光装置
B ヘリオスタット
C 第一焦点
D 第二焦点
E 集光手段
F 最高温度帯
G 高温度帯
H 中温度帯
L 集中照射領域
S 外底13の上面70の表面積
U 内底14の上面71の表面積

Claims (7)

  1. 集光手段により集光される太陽光を蓄熱面に照射させ、該蓄熱面に熱を蓄積させる蓄熱装置であって、
    前記蓄熱装置は、前記太陽光の照射領域を包囲する筒状の外周壁と、該外周壁内に収容された複数の塊状の固体蓄熱材料と、を備え、前記外周壁の中には、内側の内底とその外側の外底とが互いに相対移動可能に配置されていることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記外周壁内において、前記内底の下降移動と前記外底の上昇移動とによる両者の相対移動で、前記固体蓄熱材料の表面形状が略テーパ―凹形状になるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記内底の総面積と前記外底の総面積とが略同一であり、両者の上下移動速度が略同一に制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱装置。
  4. 前記内底と前記外底とは、該内底が降下する方向に相対移動するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄熱装置。
  5. 前記複数の塊状の固体蓄熱材料は、略球体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄熱装置。
  6. 前記複数の塊状の固体蓄熱材料は、それぞれが略同一形状で形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の蓄熱装置。
  7. 前記固体蓄熱材料は、アルミナ球を少なくとも含むことを特徴とするとする請求項1ないし6のいずれかに記載の蓄熱装置。
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