JP2018091246A - 風力発電機 - Google Patents

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【課題】 簡易な構成のため製作コストが安く操作と点検も簡単に行える発電効率の良い風力発電機を提供する。【解決手段】 天板と底板及び側板からなり、前部に風の流入口を構成し後部に風の排出口を構成した筐体と、前記筐体の内部前方に構成した前後移動可能な風量調節体と、前記風量調節体の移動手段と、前記風の流入口より筐体内に流入した風によって回転する一対の筒型回転体と、前記風量調節体と一対の筒型回転体の間に配置した整風板と、前記一対の筒型回転体の回転力によって駆動する発電機と、前記発電機のカバーとからなる風力発電機。【選択図】図1

Description

本発明は、小型で発電効率の良い風力発電機に関するものである。
従来より風力発電機には、特許文献1に示すプロペラを利用したものや特許文献2に示す羽根車を利用したものなどが提案されていた。
特開2005−233172号公報
特開2004−239247号公報
特許文献1記載の発明は、多重軸の中心軸である第1回転軸(2)に小型第1一枚羽根(5)を第2回転軸管(3)には、中型第2一枚羽根(6)、第3回転軸管(4)には、大形第3一枚羽根(7)を設置し、それぞれの回転軸及び回転軸管が動力伝達軸であり個別に発電する多重軸プロペラ風力発電機である。
特許文献2記載の発明は、側面板(1)に装着した発電機(6)を回転する羽根車(5)は、その片側半分をカバーした固定集風面(2)と風向板(3)を持ち、先端間隙(4−c)がある多機能性可動集風板(4)で構成されたフレーム内に支持され、広範周囲の風量を集統合して、羽根車(5)の回転作動部分に風力を集中作用する構造で、多機能性可動集風板(4)は両側面板(1)に開閉リンク(7)と開閉制御バネ(7−c)でリンク構成され、保持具(8)で安定保持されている高効率風力発電装置である。
前記特許文献1に示すプロペラ式のものは、機構が複雑となる上に大量の風力を得るにはプロペラを大型化しなければならないためコストがかかり設置場所も限定された。更にプロペラの回転時の騒音も問題となっていた。
特許文献2に示す風力発電装置は、羽根車風車の回転の高効率化を計ったものであるが、羽根車(5)の回転能力の高効率化を果たすために、羽根車(5)の片側半分をカバーする固定集風面(2)と、開閉リンク(7)と開閉制御バネ(7−c)と保持具(8)を有する多機能性可動集風板(4)を構成するため、構成が複雑となりコストが嵩むという問題点もあった。
本発明は上記従来例の問題点を解決し、簡易な構成のため製作コストが安く操作と点検も簡単に行える発電効率の良い風力発電機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、天板と底板及び側板からなり、前部に風の流入口を構成し後部に風の排出口を構成した筐体と、前記筐体の内部前方に構成した前後移動可能な風量調節体と、前記風量調節体の移動手段と、前記風の流入口より筐体内に流入した風によって回転する一対の筒型回転体と、前記風量調節体と一対の筒型回転体の間に配置した整風板と、前記一対の筒型回転体の回転力によって駆動する発電機と、前記発電機の周囲に構成した発電機のカバーとからなる風力発電機である。
請求項2に記載の発明は、前記風量調節体の移動手段を、風量調節体の後部に構成したスライド板と、このスライド板が前後移動可能に遊嵌するガイド部材と、風量調節体を移動させる駆動部材によって構成し、前記発電機のカバーの一部に通気窓を構成すると共に内側に前記通気窓を開閉するための遮蔽手段を構成したことを特徴とする風力発電機である。
請求項1記載の風力発電機は簡易な構成であり製作コストも安く点検も簡単に行え、発電機等の装置類が筐体によって保護されているため低周波が発生せず、騒音の軽減につながると共に装置類の劣化も防げる。さらに筐体が常に風上に向くため発電効率が良い。また一ヶ所に複数の風力発電機を設置する際も簡易な構造体を用いて設置できる等の効果を奏する。
請求項2記載の風力発電機は、前記風量調節体の移動手段を、風量調節体の後部に構成したスライド板とガイド部材及び風量調節体を移動させる駆動部材から構成したから風量調節体の移動がスムーズに行なわれ、また前記発電機のカバーの一部に通気窓を構成し内側に前記通気窓を開閉する遮蔽手段を構成したから、発電機から発生する熱を調整して利用することができ風力発電機を保護すると共に筐体内の装置類を効率良く作動させることができる。
風力発電機の一実施形態の全体斜視図 風力発電機の一実施形態の側板を省いた状態の一部省略した側面図 風力発電機の一実施形態の風量調節体が後退した状態を示す一部省略した横断面図 風力発電機の一実施形態の風量調節体が前進した状態を示す一部省略した横断面図 風量調節体の移動手段を示す説明図 発電機のケースの通風窓の遮蔽手段を示す一部省略した縦断面図 風力発電機を複数配置した例を示す説明図 風力発電機を複数配置した例を示す説明図
本発明の風力発電機の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1乃至図6に示すように、風力発電機Aの筐体1は2枚の流線型の側板11,11と天板12及び底板13からなるもので、2枚の側板11の前端の湾曲部を結合して前方両側面を外側に湾曲して後方に向かって滑らかな曲面を形成しながら後端で接続しているもので、平面視でいわゆる水滴型を構成している。この形状により筐体1は風がどの方向から当たっても軸9を中心に回転して常に風上に向くのである。
前記筐体1の前端(正面)に風の流入口14を構成し、側板11,11の後部に風の排出口15を構成する。前記風の流入口14は筐体1の前端に所定の大きさで開口しており前方からの風を受け入れる働きをし、風の排出口15は風を筐体1内から外部へ排出するために設けられ多数のスリットが構成されている。
図3乃至図5に示すように、前記筐体1内部の前端に風の流入口14を開閉するための風量調節体2が前後移動可能に配置されている。前記風量調節体2は水平断面略三角形で内部が空洞の箱状の合成樹脂製であり、後部に長尺の板材からなるスライド板24,24を突設してある。このスライド板24,24は、天板12と底板13に支持されて立設した水平断面コ字形の長尺のガイド部材25,25にそれぞれ進退可能に遊嵌している。更に風量調節体2の後部中央には固定部22を構成し、この固定部22に駆動部材である油圧シリンダ23の先端を固定してある。
前記スライド板24、ガイド部材25及び油圧シリンダ23で風量調節体2の移動手段を構成している。図3中符号19は筐体1内の温度を測定するための温度センサである。
前記風量調節体2の後部には整風板4が設けられている。前記整風板4は、風量調節体2と同じ高さを有する長尺の板材からなり、風量調節体2の後部の両側に天板12と底板13に軸41によって回動可能に支持されている。
整風板4は軸41との間に構成したバネ部材(図示せず)によって常時前方に付勢されているため風量調節体2の後板21の両側に常に接触した状態を保っていて、風量調節体2の進退に伴って前進と後退を行う。
整風板4は風の流入口14より流入した風の逆流を防止し風が筒型回転体5に効率よく当たるようにガイドするため発電効率が高まるのである。
前記風量調節体2の後方には、一対の筒型回転体5,5が天板12と底板13に回転自在に支持されている。この筒型回転体5の周囲には風を受けるためのフィン51が多数構成されている。このフィン51は、一定の幅を有した風上に向かって湾曲した部材で、筒型回転体5の全長に亘って設けられている。この筒型回転体5の下端は軸52に設けた円板(図示せず)と発電機6の下端の軸62に設けた円板(図示せず)との間に掛け渡したベルト55によって発電機6と連結している。なお、一対の筒型回転体5は異なる方向に回転するが、各々のベルト55,55によって発電機6は一方向に回転するようにする。
前記筒型回転体5の後部に設けた発電機6は軸62で底板13に立設していて発電機のカバー7内に収納されている。発電機のカバー7は4個の支持体72で天板12と底板13に支持されている。
前記発電機のカバー7の下方には3ヶ所の通気窓71が設けられている。この通気窓71は発電機のカバー7の内側に設けた遮蔽手段80によって開閉する。図6に示すように遮蔽手段80は、通気窓71を覆うための遮蔽板81を設け、この遮蔽板81の上端と下端に設けた支持片85,85に螺旋軸82を貫通させ、この螺旋軸82の上端を回転用のモータMと連結している。図中符号84は螺旋軸82の支持部材である。
上記の構成により、モータMが回転すると螺旋軸82が回転して遮蔽板81が上下動するので、これに伴って通気窓71が開閉するのである。
また、風力発電機Aを構成する前記の各装置類の大きさ、形状、材質等の構成要素は本実施形態のものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記のように構成した風力発電機Aの作用と効果を説明する。
筐体1に風が当たると、風圧を受けた筐体1は軸9を中心に回転し常に前方を風上に向けるため風の流入口14より風が効率よく入る。風力計測用のセンサ(図示せず)によって風が適度な風圧の場合は、油圧シリンダ23が作動して風量調節体2を後方に移動させ風の流入口14を開放する(図3参照)。これにより風の流入口14より流入した風は整風板4によってガイドされ筒型回転体5を回転させる。筒型回転体5の回転に伴い、ベルト55で連結された発電機6が回転して発電が行われる。
一方、図4に示すように、強風時には油圧シリンダ23が作動して風量調節体2を前方に移動させ風の流入口14を閉鎖する。
このように風力の程度によって風量調節体2を前後移動させて風の流入口14の開放状態を調節できるから効率よく発電できると共に、強風時には筐体1及び内部の装置を保護することができる。
発電機6の外側に設けたケース7の内部には遮蔽板81が昇降可能に設けられている。図6に示すように、この遮蔽板81は前述のように温度センサ19の指示によるモータMの回転に伴う螺旋軸82の回転によって上下動して通気窓71を開閉するのである。
前記遮蔽板81は発電機6の周囲と筐体1内の温度を調節するもので、筐体1内の温度が高いときは遮蔽板81を上方に移動させて通気窓71を開けて、通気窓71から入ってきた風で発電機6を冷やすことができる。また温度が低いときは遮蔽板81を下降させて通気窓71を閉めて発電機6によって発生した熱を自然循環させて筐体1内部を温めて内部の装置類を保護するのである。
図7及び図8は複数の風力発電機Aを同時に設置する場合を示している。図7において、風力発電機Aは上下の軸9,9を、鉄骨からなる2本の支持材90,90に固定して横方向に一列に配列したものである。図では風力発電機Aを前方から見た状態を表しており、隣接する風力発電機Aとの間隔は風力発電機Aが軸9を中心に回転できる距離としている。図8は、前記図7の状態で設置したものを縦4列に並べたものである。このように本実施形態の風力発電機Aは簡易な方法で多数の装置を設置できると共に省スペースとなり狭い場所でも発電効率を上げることができる。
1 筐体 2 風量調節体
4 整風板 5 筒型回転体
6 発電機 7 発電機のカバー
9 軸 11 側板
12 天板 13 底板
14 風の流入口 15 風の排出口
23 油圧シリンダ(駆動部材)
24 スライド板 25 ガイド部材
71 通気窓 80 遮蔽手段
81 遮蔽板 M モータ
A 風力発電機

Claims (2)

  1. 天板と底板及び側板からなり、前部に風の流入口を構成し後部に風の排出口を構成した筐体と、前記筐体の内部前方に構成した前後移動可能な風量調節体と、前記風量調節体の移動手段と、前記風の流入口より筐体内に流入した風によって回転する一対の筒型回転体と、前記風量調節体と一対の筒型回転体の間に配置した整風板と、前記一対の筒型回転体の回転力によって駆動する発電機と、前記発電機の周囲に構成した発電機のカバーとからなる風力発電機。
  2. 前記風量調節体の移動手段を、風量調節体の後部に構成したスライド板と、このスライド板が前後移動可能に遊嵌するガイド部材と、風量調節体を移動させる駆動部材によって構成し、前記発電機のカバーの一部に通気窓を構成すると共に内側に前記通気窓を開閉するための遮蔽手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の風力発電機。
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