JP2018089346A - 光音響装置、画像表示方法、プログラム - Google Patents

光音響装置、画像表示方法、プログラム Download PDF

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【課題】 本発明は、診断能の低下を抑制しつつ、超音波画像による診断を補助するための光音響画像を適切に表示することのできる装置または方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明に係る画像表示方法は、被検体に対する超音波の送受信により、超音波画像を表示し、超音波画像を表示している間に、超音波画像の一部の領域を関心領域として設定し、関心領域に応じて、被検体への照射光の光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を設定し、光照射条件での被検体への光照射により発生する光音響波を受信することにより、関心領域に対応する領域の光音響画像を表示する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光音響効果により発生する光音響波に基づいた光音響画像を表示する装置または方法に関する。
生体内部の状態を非侵襲で画像化する画像診断装置として、超音波の送受信により超音波画像を生成する超音波診断装置が知られている。超音波診断装置は、送信超音波の透過波あるいは反射波(超音波エコー)の受信信号に基づいて超音波画像を生成する。
一方、生体内部の状態を非侵襲で画像化する画像診断装置として、光を照射された生体組織がその光エネルギーによって断熱膨張することにより発生する超音波(光音響波)を利用した光音響装置が知られている。光音響装置は、光音響波の受信信号に基づいて光音響画像を生成する。
特許文献1は、反射超音波を検出する動作モードと、光音響波を検出する動作モードとを切り換えるスイッチを開示する。また、特許文献1は、当該スイッチにより超音波画像の表示と、超音波画像及び光音響画像の重畳表示とを切り替えることを開示する。
特開2012−196430号公報
ところで、超音波画像及び光音響画像を用いた診断においては、従来の超音波診断装置と同様に超音波画像を基本的な診断画像として利用し、光音響画像は超音波画像による診断の補助的な役割として表示されることが望まれると想定される。しかしながら、超音波画像の表示から、超音波画像及び光音響画像の重畳表示へと切り換えてしまうと、診断能を低下させてしまう場合がある。
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、診断能の低下を抑制しつつ、超音波画像による診断を補助するための光音響画像を適切に表示することのできる装置または方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光音響装置は、被検体に対する超音波の送受信により、超音波画像を表示し、超音波画像を表示している間に、超音波画像の一部の領域を関心領域として設定し、関心領域に応じて、被検体への照射光の光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を設定し、光照射条件での被検体への光照射により発生する光音響波を受信することにより、関心領域に対応する領域の光音響画像を表示する。
本発明によれば、診断能の低下を抑制しつつ、超音波画像による診断を補助するための光音響画像を適切に表示することができる。
超音波画像に対して設定された関心領域を示す模式図 本実施形態に係る光音響装置のブロック図 本実施形態に係るハンドヘルド型プローブの模式図 本実施形態に係るコンピュータと周辺構成を示すブロック図 本実施形態に係る画像表示方法を示すフローチャート 本実施形態に係るタイミングチャート 超音波画像に対して設定された関心領域の別の例を示す模式図 本実施形態に係る保存データを示すブロック図 本実施形態に係る別のタイミングチャート
本発明は、光照射により照射対象に関する情報を取得する装置に関する発明である。具体的に、本発明は、光照射により発生する光音響波に由来する光音響画像データを取得する装置に関する発明である。本発明に係る、光音響効果により発生する音響波は、典型的には超音波であり、音波、音響波、光音響波と呼ばれるものを含む。
本発明に係る光音響画像データは、光照射により発生した光音響波に由来するあらゆる画像データを含む概念である。例えば、光音響画像データは、光音響波の発生音圧(初期音圧)、光吸収エネルギー密度、及び光吸収係数、被検体を構成する物質の濃度(酸素飽和度など)などの少なくとも1つの被検体情報の空間分布を表す画像データである。なお、互いに異なる複数の波長の光照射により発生する光音響波に基づいて得られる被検体情報は、被検体を構成する物質の濃度などの分光情報である。分光情報は、酸素飽和度、酸素飽和度に吸収係数等の強度を重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、またはデオキシヘモグロビン濃度であってもよい。また、分光情報は、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、または脂肪や水の体積分率であってもよい。
本実施形態に係る装置により得られる超音波画像データは、Bモード画像、ドップラー画像、及びエラスト画像の少なくとも1つの画像データを含む。超音波画像は、超音波の送受信により得られるあらゆる画像を含む概念である。
図1は、超音波を送受信可能なトランスデューサを含むプローブ180を用いて超音波画像1010を生成する様子を示した模式図である。図1に示すプローブ180は、光音響画像を生成するための、光源及び光音響波を受信することが可能なトランスデューサも備えている。
ユーザーがディスプレイに表示された超音波画像1010を確認し、腫瘍等の疑いのある関心部位を診断する場合を考える。さらに、ユーザーが超音波画像1010で関心部位を確認した後に、関心部位に対応する光音響画像を所望する場合を考える。このとき、超音波画像1010が表示されている全領域を同じ光照射条件で画像化すると、位置によっては適切な光音響画像を表示がされない場合がある。すなわち、超音波画像1010が表示されている全領域に光音響画像を超音波画像1010に重畳して表示すると、各位置に適した動画像の表示ができない場合がある。以下、リフレッシュ周波数と同期して照射光の繰り返し周波数が決定される場合を考える(例えば、リフレッシュ周波数と照射光の繰り返し周波数が一致する場合である)。
例えば、画像表示のリフレッシュ周波数を優先して照射光の繰り返し周波数を高くする場合、光源の発熱や最大許容露光量(MPE:Maximum Permissible Exposure)を考慮すると、照射光の光量を低くする必要がある。この場合、プローブ180からの距離(光照射位置からの距離)が近い位置については十分な画質の動画像を高いリフレッシュ周波数で表示することができる。一方、プローブ180からの距離が遠い位置については、高いリフレッシュ周波数で画像は更新されるが、照射光の光量が十分でないために各フレームの画質が低く、診断能が低い動画像となってしまう可能性がある。ここで、照射光の光量(以降、照射光量とも記す)とは、1パルスの光エネルギーの総量(単位はJ(ジュール))で定義する。したがって、照射光量と1秒あたりの発光回数を乗算したものが照射光の平均パワー(単位はW(ワット))となる。なお、1パルスの光とは、光強度の時間変化が矩形波である光の他に、三角波、正弦波などのあらゆる波形の光を含む。図1においては、プローブ180からの距離は、プローブ180の撮影対象物への接触面から紙面下方向の各位置まで距離で定義する。
典型的に、照射光量が大きいほど大きな光音響波を発生させることができ、光音響波の受信信号のS/Nが向上する。その結果、表示させたときの画質の高い光音響画像データが得られる。そこで、プローブ180から距離が遠い位置での画質を優先し、照射光量を高くした場合、光源の発熱やMPEを考慮すると、照射光の繰り返し周波数は低くしなければならない。このとき、プローブ180からの距離が遠い位置に関心部位がない場合には、プローブ180からの距離が近い位置のリフレッシュ周波数が不必要に低くなってしまい、診断能が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明者は、超音波画像が表示されている間に光音響画像を表示させたい関心領域を設定し、関心領域を示す情報に基づいて、光照射条件を設定することを見出した。そして、本発明者は、このようにして設定された光照射条件で光照射を行い、関心領域に対応する領域の光音響画像を選択的に表示することを見出した。なお、関心領域を示す情報は、関心領域を関数で表現した情報や関心領域の座標を表す情報など、関心領域を定義できる情報であれば、いかなる表現であってもよい。
具体的には、ユーザーが表示された超音波画像に対して関心領域を指定し、指定された関心領域がプローブ180から近い場合(関心領域と被検体への光照射の位置とが近い場合)には、照射光量を低くし、繰り返し周波数を高くする。一方、指定された関心領域がプローブ180から遠い場合には、照射光量を高くし、繰り返し周波数を低くする。
例えば、図1の点線1030を境界として、関心領域が点線1030よりも近くに設定された場合には、照射光量を低くし、繰り返し周波数を高くする。また、関心領域が点線1030よりも遠くに設定された場合には、照射光量を高くし、繰り返し周波数を低くする。例えば、図1のように指定された関心領域1021は、プローブ180の近くに設定されたと判断される。一方、関心領域1022は、プローブ180から遠くに設定されたと判断される。なお、境界が関心領域に含まれる場合、関心領域が遠くに位置すると判断してもよい。また、関心領域の中心を基準に、関心領域が遠くに位置するかを判断してもよい。すなわち、関心領域の中心と境界との位置関係によって関心領域が遠くに位置するかを判断してもよい。また、プローブからの距離が最も遠い関心領域の位置を基準に、関心領域が遠くに位置するかを判断してもよい。すなわち、プローブからの距離が最も遠い関心領域の位置と境界との位置関係によって関心領域が遠くに位置するかを判断してもよい。
ところで、超音波画像の全領域に光音響画像を所定のリフレッシュ周波数で重畳し、ユーザーが重畳後に光音響画像のリフレッシュ周波数を関心部位に合わせて調整する形態も考えられる。ところが、超音波画像に光音響画像を重畳すると、超音波画像で映っている関心部位が視認しづらくなる。一方、リフレッシュ周波数を調整している間に、被検体の動きやプローブの手ぶれによって、光音響画像の重畳前に表示されていた領域から表示領域が変化してしまう場合がある。そして、超音波画像の全領域に光音響画像を重畳してしまうと、その表示領域の変化を認識しづらくなってしまう。
以上の理由から、超音波画像の全領域に光音響画像を重畳した後にリフレッシュ周波数を調整する形態では、関心部位の位置に適切なリフレッシュ周波数の調整が困難である。すなわち、この方法では、リフレッシュ周波数に対応する照射光の繰り返し周波数や照射光量等の光照射条件を適切に設定することは困難である。
また、従前のように超音波画像で基本的な診断を行い、関心領域について局所的に光音響画像を確認したいというニーズに対して、光音響画像を全領域に表示してしまうと冗長な情報も表示することとなり、診断能が低下する可能性がある。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
(装置構成)
以下、図2を用いて本実施形態に係る光音響装置の構成を説明する。図2は、光音響装置全体の概略ブロック図である。本実施形態に係る光音響装置は、プローブ180(光照射部110及び送受信部120)、信号収集部140、コンピュータ150、表示部160、入力部170、及び電源部190を有する。
光照射部110が光を被検体100に照射し、被検体100から音響波が発生する。光に起因して光音響効果により発生する音響波を光音響波とも呼ぶ。電源部190は、光照射部110の光源を駆動するための電力を供給する。送受信部120は、光音響波を受信することによりアナログ信号としての電気信号(光音響信号)を出力する。
信号収集部140は、送受信部120から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピュータ150に出力する。コンピュータ150は、信号収集部140から出力されたデジタル信号を、光音響波に由来する信号データとして記憶する。
コンピュータ150は、記憶されたデジタル信号に対して後述する処理を行うことにより、画像データを生成する。また、コンピュータ150は、得られた画像データに対して表示のための画像処理を施した後に、画像データを表示部160に出力する。表示部160は、光音響画像を表示する。ユーザーとしての医師や技師等は、表示部160に表示された光音響画像を確認することにより、診断を行うことができる。表示画像は、ユーザーやコンピュータ150からの保存指示に基づいて、コンピュータ150内のメモリや、モダリティとネットワークで接続されたデータ管理システムなどに保存される。
信号データを3次元のボリュームデータに変換する再構成アルゴリズムとしては、タイムドメインでの逆投影法、フーリエドメインでの逆投影法、モデルベース法(繰り返し演算法)などのあらゆる手法を採用することができる。例えば、タイムドメインでの逆投影法として、Universal back−projection(UBP)、Filtered back−projection(FBP)、または整相加算(Delay−and−Sum)などが挙げられる。
また、コンピュータ150は、光音響装置に含まれる構成の駆動制御も行う。また、表示部160は、コンピュータ150で生成された画像の他にGUIなどを表示してもよい。入力部170は、ユーザーが情報を入力できるように構成されている。ユーザーは、入力部170を用いて測定開始や終了、作成画像の保存指示などの操作を行うことができる。
図3は、本実施形態に係るハンドヘルド型プローブ180の模式図を示す。プローブ180は、光照射部110、送受信部120、及びハウジング181を含む。ハウジング181は、光照射部110及び送受信部120を囲う筺体である。ユーザーは、ハウジング181を把持することにより、プローブ180をハンドヘルド型プローブとして用いることができる。光照射部110は、光源111、光源111から発生した光を伝搬させる光学系112、及び光源111を駆動させるドライバ回路114を含む。光照射部110の光学系112の射出端113から光が射出される。図3に示す光学系112は、LEDやLD等の光源111から発生するプローブ180は、ケーブル182を介して信号収集部140、コンピュータ150、及び電源部190と繋がっている。ケーブル182は、電源部190からドライバ回路114へ電力を供給する配線を含む。また、ケーブル182は、制御部153からドライバ回路114へ照射光量や発光タイミング等を制御する制御信号を送る配線を含む。また、ケーブル182は、送受信部120の出力であるアナログ信号を信号収集部140に出力する配線を含む。ケーブル182にコネクタを設け、プローブ180と光音響装置のその他の構成とを分離できる構成としてもよい。本実施形態において、ドライバ回路114と電源部190とを合わせた構成が、光源111に電力を供給する駆動部に相当する。すなわち、本実施形態に係る駆動部は、ドライバ回路114と電源部190とを含む。
なお、本実施形態に係るプローブ180は、ケーブル182を排したワイヤレスのハンドヘルド型プローブ180であってもよい。この場合、電源部190をプローブ180に内蔵し、プローブ180とその他の構成との各種信号の送受信を無線で行ってもよい。ただし、電源部190をプローブ180に内蔵すると、電源部190での消費電力に起因して発生する熱により、ハウジング181内部での発熱量は増加する。そのため、ハウジング181内部の温度上昇を抑制するために、電源部190をハウジング181の外部に配置してもよい。さらに、ドライバ回路114のうち、消費電力が大きく、発熱量の大きい一部の構成をハウジング181の外部に配置してもよい。
以下、本実施形態に係る光音響装置の各構成の詳細を説明する。
(光照射部110)
光照射部110は、光源111、光学系112、ドライバ回路114を含む。
光源111は、レーザーダイオード(LD)及び発光ダイオード(LED)の少なくとも一方を含み構成してもよい。また、光源111は、波長の変更が可能な光源であってもよい。
光源111が発する光のパルス幅としては、1ns以上、1000ns以下のパルス幅であってもよい。また、光の波長として400nmから1600nm程度の範囲の波長であってもよい。血管を高解像度でイメージングする場合は、血管での吸収が大きい波長(400nm以上、700nm以下)を用いてもよい。生体の深部をイメージングする場合には、生体の背景組織(水や脂肪など)において典型的に吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いてもよい。なお、1パルスの光とは、光強度の時間変化が矩形波である光の他に、三角波、正弦波などのあらゆる波形の光を含む。
光源111は、1MHz以上の鋸波状の駆動波形(駆動電流)に追随して光を発することのできるLDもしくはLEDを採用してもよい。
光学系112には、レンズ、ミラー、光ファイバ等の光学素子を用いることができる。乳房等を被検体100とする場合、パルス光のビーム径を広げて照射するために、光学系の光出射部は光を拡散させる拡散板等で構成されていてもよい。一方、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるために、光学系112の射出端113をレンズ等で構成し、ビームをフォーカスして照射してもよい。なお、光照射部110が光学系112を備えずに、光源111から直接被検体100に光を照射してもよい。
ドライバ回路114は、電源部190からの電力を用いて、光源111を駆動する駆動電流を生成する回路である。
(送受信部120)
送受信部120は、音響波を受信することにより電気信号を出力するトランスデューサと、トランスデューサを支持する支持体とを含む。また、送受信部120は、音響波を送信することもできる。
トランスデューサを構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いてもよい。例えば、静電容量型トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)、ファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどを用いることができる。なお、音響波を受信することにより電気信号を出力できる限り、いかなるトランスデューサを採用してもよい。また、トランスデューサにより得られる信号は時間分解信号である。つまり、トランスデューサにより得られる信号の振幅は、各時刻にトランスデューサで受信される音圧に基づく値(例えば、音圧に比例した値)を表したものである。
光音響波を構成する周波数成分は、典型的には100KHzから100MHzであり、トランスデューサとして、これらの周波数を検出することのできるものを採用することができる。
支持体は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイと呼ばれるような平面又は曲面内に、複数のトランスデューサを並べて配置してもよい。
また、送受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を増幅する増幅器を備えてもよい。また、送受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を時系列のデジタル信号に変換するA/D変換器を備えてもよい。すなわち、送受信部120が後述する信号収集部140を備えてもよい。
なお、音響波を様々な角度で検出できるようにするために、理想的には被検体100を全周囲から囲むようにトランスデューサを配置してもよい。ただし、被検体100が大きく全周囲を囲むようにトランスデューサを配置できない場合は、半球状の支持体上にトランスデューサを配置して全周囲を囲む状態に近づけてもよい。なお、トランスデューサの配置や数及び支持体の形状は被検体に応じて最適化すればよく、本発明に関してはあらゆる送受信部120を採用することができる。
送受信部120と被検体100との間の空間は、光音響波が伝搬することができる媒質で満たしてもよい。この媒質には、音響波が伝搬でき、被検体100やトランスデューサとの界面において音響特性が整合し、できるだけ光音響波の透過率が高い材料を採用する。例えば、この媒質には、水、超音波ジェルなどを採用することができる。
なお、超音波を送信するトランスデューサと、音響波を受信するためのトランスデューサとを別に用意してもよい。また、超音波を送信するトランスデューサと、音響波を受信するためのトランスデューサとが、同じトランスデューサで構成されていてもよい。また、超音波を送受信するためのトランスデューサと、光音響波を受信するためのトランスデューサとを別に用意してもよい。また、超音波を送受信するトランスデューサと光音響波を受信するトランスデューサとが、同じトランスデューサで構成されていてもよい。
(信号収集部140)
信号収集部140は、送受信部120から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成されてもよい。信号収集部140から出力されるデジタル信号は、コンピュータ150内の記憶部152に記憶される。信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。本明細書において電気信号は、アナログ信号もデジタル信号も含む概念である。なお、信号収集部140は、光照射部110の光射出部に取り付けられた光検出センサと接続されており、光が光照射部110から射出されたことをトリガーに、同期して処理を開始してもよい。また、信号収集部140は、フリーズボタンなどを用いてなされる指示をトリガーとして同期して、当該処理を開始してもよい。
なお、プローブ180が、増幅器とADC等から構成される信号収集部140を含んでいてもよい。すなわち、ハウジング181の内部に信号収集部140が配置されていてもよい。このような構成であれば、ハンドヘルド型プローブ180とコンピュータ150との間の情報をデジタル信号で伝搬できるため、耐ノイズ性を向上できる。また、アナログ信号を伝送する場合に比べ、高速デジタル信号を用いることによって、配線数を少なくすることが可能となり、ハンドヘルド型プローブ180の操作性が向上する。
(コンピュータ150)
情報処理部としてのコンピュータ150は、演算部151、記憶部152、制御部153を含む。各構成の機能については処理フローの説明の際に説明する。
演算部151としての演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成されることができる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。演算部151は、入力部170から、被検体音速や保持部の構成などの各種パラメータを受けて、受信信号を処理してもよい。
記憶部152は、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体で構成することができる。また、記憶部152は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の媒体であってもよい。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。なお、記憶部152は、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
記憶部152は、演算部151により生成される光音響画像データを保存することができる。また、記憶部152は、光音響画像データに基づいた表示画像を保存することもできる。
制御部153は、CPUなどの演算素子で構成される。制御部153は、光音響装置の各構成の動作を制御する。制御部153は、入力部170からの測定開始などの各種操作による指示信号を受けて、光音響装置の各構成を制御してもよい。また、制御部153は、記憶部152に格納されたプログラムコードを読み出し、光音響装置の各構成の作動を制御する。
コンピュータ150は専用に設計されたワークステーションであってもよい。また、コンピュータ150の各構成は異なるハードウェアによって構成されてもよい。また、コンピュータ150の少なくとも一部の構成は単一のハードウェアで構成されてもよい。
図4は、本実施形態に係るコンピュータ150の具体的な構成例を示す。本実施形態に係るコンピュータ150は、CPU154、GPU155、RAM156、ROM157、外部記憶装置158から構成される。また、コンピュータ150には、表示部160としての液晶ディスプレイ161、入力部170としてのマウス171、キーボード172が接続されている。
また、コンピュータ150および送受信部120は、共通の筺体に収められた構成で提供されてもよい。また、筺体に収められたコンピュータで一部の信号処理を行い、残りの信号処理を筺体の外部に設けられたコンピュータで行ってもよい。この場合、筺体の内部および外部に設けられたコンピュータを総称して、本実施形態に係るコンピュータとすることができる。すなわち、コンピュータを構成するハードウェアが一つの筺体に収められていなくてもよい。
(表示部160)
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。コンピュータ150により得られた被検体情報等に基づく画像や特定位置の数値等を表示する装置である。表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。なお、被検体情報の表示にあたっては、表示部160またはコンピュータ150において画像処理(輝度値の調整等)を行った上で表示することもできる。
(入力部170)
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボードなどで構成される操作コンソールを採用することができる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。
なお、光音響装置の各構成はそれぞれ別の装置として構成されてもよいし、一体となった1つの装置として構成されてもよい。また、光音響装置の少なくとも一部の構成が一体となった1つの装置として構成されてもよい。
(電源部190)
電源部190は、電力を発生する電源である。電源部190は、光照射部110のドライバ回路114に電力を供給する。電源部190から供給された電力は、ドライバ回路114及び光源111等で消費され、発光と共に熱が発生する。電源部190には、DC電源を用いることができる。また、電源部190は、一次電池や二次電池などあらゆる電池で構成されていてもよい。電源部190が電池で構成されることにより、プローブ180に電源部190を省スペースに収めることができる。なお、ドライバ回路114及び電源部190は、コンピュータ150内の制御部153により制御されてもよい。また、プローブ180が、電源部190及びドライバ回路114を制御する制御部を有していてもよい。
(被検体100)
被検体100は光音響装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の乳房や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指および足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。また、メチレンブルー(MB)、インドシニアングリーン(ICG)などの色素、金微粒子、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を光吸収体としてもよい。また、穿刺針や穿刺針に付された光吸収体を観察対象としてもよい。
次に、図5に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る画像表示方法を実現するための装置の制御方法を説明する。
(S100:撮影開始の指示があるか否かを判定する工程)
制御部153は、超音波画像の撮影開始の指示を受け付けることができる。制御部153が撮影開始の指示を受け付けたときにS200の工程に進む。
ユーザーが入力部170を用いて超音波画像の撮影開始の指示を行ったときに、制御部153は、入力部170からの撮影開始の指示を示す情報を受け取る。例えば、ユーザーがプローブ180に備えられた撮影開始用のスイッチを押下することにより、制御部153は入力部170からの撮影開始の指示に示す情報を受け取る。
(S200:超音波画像を表示する工程)
制御部153は、撮影開始を示す情報を受け取った場合、以下の装置制御を行う。
送受信部120は、被検体100に対して超音波を送受信することにより、超音波信号を出力する。信号収集部140は、超音波信号に対してAD変換処理等を行い、処理後の超音波信号をコンピュータ150に送信する。デジタル信号としての超音波信号は、記憶部152に記憶される。演算部151は、超音波信号に対して整相加算(Delay and Sum)等の再構成処理を行うことにより、超音波画像を生成する。なお、超音波画像を生成したところで、記憶部152に保存された超音波信号を削除してもよい。表示制御手段としての制御部153は、生成された超音波画像を表示部160に送信し、表示部160に超音波画像を表示させる表示制御を行う。これらの工程を繰り返し実行し、表示部160に表示される超音波画像を更新することにより、超音波画像を動画的に表示させることができる。ここでは、超音波を送信し、送信された超音波の反射波の受信信号を超音波信号と称する。
例えば、制御部153は、図1に示す超音波画像1010を表示部160に送信し、動画的に超音波画像1010を表示させる。
このとき、表示部160に動画的に表示されている超音波画像を全て記憶部152に保存しようとすると、保存データ量が膨大となる。そのため、表示画像が更新されたところで、先に表示されていた超音波画像を記憶部152から削除してもよい。
(S300:関心領域を設定する工程)
関心領域設定手段としての制御部153は、超音波画像が表示されている間に関心領域を示す情報を取得し、その情報に基づいて関心領域を設定する。例えば、制御部153は、超音波画像が表示されている間にユーザーから指定された関心領域を示す情報を受け取り、その情報に基づいて関心領域を設定する。具体的に、図1に示すように、ユーザーは入力部170を用いて、超音波画像1010に対して関心領域を示す領域を指定し、制御部153は、当該領域を示す情報を取得してもよい。ユーザーが、入力部170を用いて任意の形状、大きさ、及び位置の領域を指定し、制御部153は、指定された領域を関心領域として設定してもよい。また、ユーザーが所定の形状及び大きさの領域の位置を指定することにより、制御部153は、指定された位置における所定の形状及び大きさの領域を関心領域として設定してもよい。また、ユーザーが大きさ及び位置を指定することにより、制御部153は、指定された大きさ及び位置を有する所定の形状の領域を関心領域として設定してもよい。また、ユーザーは入力部170を用いて、超音波画像の座標系(プローブの位置及び傾きによって定義される座標系)における関心領域に対応する座標値を指定することにより、指定された座標値の示す関心領域を設定してもよい。
また、制御部153は、S200で生成された超音波画像データに対する画像処理により、関心領域を設定してもよい。例えば、演算部151が、ユーザーの指示や検査オーダに基づいて関心部位の情報を受け取る。また、演算部151は、予め記憶された関心部位に対応する画像パターンを記憶部152から読み出し、この画像パターンとS200で生成された超音波画像データ中の複数の領域との相関を計算する。演算部151は、算出された相関が閾値よりも高い領域を関心領域として決定し、関心領域を示す情報を記憶部152に保存する。
(S400:光照射条件を設定する工程)
照射条件設定手段としての制御部153は、S300で設定された関心領域に基づいて、光照射部110が発する光の照射光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を設定する。例えば、制御部153は、設定された関心領域のプローブからの距離を算出し、算出された距離に基づいて、光照射部110が発する光の照射光量及び繰り返し周波数を設定する。制御部153は、当該距離が大きくなるにつれて、光照射部110が発する光の照射光量を大きくし、繰り返し周波数を小さくするように光照射条件を設定してもよい。
また、制御部153は、当該距離が所定値よりも大きいか小さいかを比較して、照射光量及び繰り返し周波数の設定値を変更してもよい。すなわち、制御部153は、複数の光照射条件のパターンの中から設定された関心領域に対応する光照射条件を設定してもよい。このような光照射条件の設定方法の一例を、図6を用いて説明する。図6は、発光、光音響波の受信、画像生成、画像表示のタイミングを示すタイミングチャートである。図6に示すタイミングチャートにおいては、画像表示のリフレッシュ周波数と光照射の繰り返し周波数は一致している。
制御部153は、当該距離が所定値よりも大きいと判断した場合には、図6(a)の「発光」で示すように照射光量をI1[J]、繰り返し周波数を1/T1[Hz]に設定する。一方、制御部153は、当該距離が所定値よりも小さいと判断した場合には、図6(b)の「発光」で示すように照射光量をI1[J]よりも大きいI2[J]、繰り返し周波数を1/T1[Hz]よりも小さい1/T2[Hz]に設定する。ここで、所定値としては、図1に示すプローブ180から点線1030までの距離に相当する値が設定されている。
なお、本例では、2つの光照射条件のパターンの中から、1つの所定値を基準に光照射条件を設定していたが、3つ以上の光照射条件のパターンの中から光照射条件を選択してもよい。この場合、2つ以上の基準値を設定し、プローブから関心領域までの距離がいずれの数値範囲に含まれるかによって、光照射条件を設定してもよい。なお、関心領域の位置とは、関心領域の中心を基準にしてもよいし、プローブから最も遠い関心領域の位置を基準としてもよい。
(S500:光音響画像を表示する工程)
制御部153は、S400で設定された光照射条件を示す情報(制御信号)を光照射部110に送信する。例えば、制御信号を受け取ったドライバ回路114は、光源111に図6に示す「発光」を行うように電力を供給する。電力を供給された光源111は、図6の「発光」に示すタイミングで発光し、光学系112を介して射出端113から光が射出され、被検体100に光が照射される。
送受信部120は、図6の「受信」に示すタイミングで、光照射に起因して発生した光音響波を受信し、光音響信号を出力する。信号収集部140は、光音響信号に対してAD変換処理等を行い、処理後の光音響信号をコンピュータ150に送信する。デジタル信号としての光音響信号は、記憶部152に記憶される。
生成手段としての演算部151は、図6の「画像生成」に示すタイミングで、光音響信号に対してUniversal Back−Projection(UBP)等の再構成処理を行うことにより、光音響画像データを生成する。ここで光音響画像データの画像生成領域は、S300で設定された関心領域に対応する領域であってもよいし、超音波画像の表示領域に対応する領域であってもよい。関心領域に対応する領域以外の領域に対応する光音響画像データを生成しなくてもよい。また、関心領域が存在する深さ(プローブまたは光照射位置からの距離)までを画像生成領域としてもよい。すなわち、演算部151は、関心領域を示す情報を受け取り、この情報に基づいて画像生成領域を決定してもよい。なお、光音響画像データを生成したところで、記憶部152に保存された光音響信号を削除してもよい。なお、演算部151は、複数回の光照射に起因して発生する光音響波の受信信号を用いて、複数フレームの光音響画像データを生成する。
表示制御手段としての制御部153は、生成された光音響画像データを表示部160に送信し、光音響画像データに基づいた画像を表示部160に表示させる。ここで、表示部160は、図6の「画像表示」に示す期間、生成された光音響画像データに基づいて、S300で設定された関心領域に対応する領域の光音響画像を選択的に表示する。制御部153は、複数フレームの光音響画像データを用いて、関心領域に対応する光音響画像の動画を表示部160に表示させる。
S400において関心領域に基づいて図6(a)に示す光照射条件が設定された場合、本工程においても図6(a)に示すタイミングチャートで情報処理が実行される。図6(a)に示す表示モードにおいては、まず画像1をT1秒間表示し、次に画像2をT1秒間表示している。同様に、画像3、画像4、画像5についても順番にT1秒間ずつ表示する。以上の工程を繰り返し、T1秒毎に新しい画像データに基づいた画像の表示を更新する。
一方、S400において関心領域に基づいて図6(b)に示す光照射条件が設定された場合、本工程においても図6(b)に示すタイミングチャートで情報処理が実行される。図6(b)に示す表示モードにおいては、まず画像1をT2秒間表示し、次に画像2をT2秒間表示している。以上の工程を繰り返し、T2秒毎に新しい光音響画像データに基づいた画像の表示を更新する。
なお、図6(a)に示す表示モードでは、リフレッシュ周波数が高くなるので、再構成処理に要する時間を短くする必要がある。コンピュータ150の処理能力を単に向上したハードウェアを用いることも可能である。また、図6(a)に示す表示モードにおいては、再構成の計算量を減らすことにより、再構成処理に要する時間を減らしてもよい。例えば、再構成ボクセルのピッチを粗くしたり、アナログ−デジタル変換する階調数を少なくしたり、アナログ−デジタル変換する周波数を下げたりすることによりデータ量を少なくすることにより、計算量を減らしてもよい。
また、図6(a)に示す表示モードでは照射光量が小さくなるので、被検体内部の深層部に光が届きにくくなる。すなわち、送受信部120に到達する光音響波のうち、光照射から遅いタイミングに到達する光音響波の有用性は低くなる。そこで、制御部153は、アナログ−デジタル変換する時間(光音響波の受信時間)を短く設定し、アナログ−デジタル変換するデータ数すなわちデータ量を少なくし、計算量を少なくしてもよい。このとき、図6(b)に示す表示モードに比べて狭い領域(光が十分に到達した領域)を再構成してもよい。この場合、光音響波の受信時間(図6の「受信」に相当)と画像生成に要する時間(図6の「画像生成」に相当)の両方の時間を短縮できる。
図6(a)に示す表示モードと図6(b)に示す表示モードでは照射光量が異なるそのため光音響波の発生音圧が変化し、受信信号の大きさが変化する。結果として、表示画像の明るさが変化することになる。このように再構成画像を表示した場合、ユーザーによる再構成画像の観察の妨げになる。
モードに応じて光量設定値が決定されるため、モード間で発生する光音響波の音圧の比は予めわかる。そこで、コンピュータ150は、光源111からの光の光量が変化した場合であっても、光量設定値に基づいて画像データの表示画像の明るさが変化しないように補正してもよい。補正対象は、受信信号、画像データ、または表示画像のいずれであってもよい。例えば、図6(b)に示す表示モードから図6(a)に示す表示モードに切り替えたときに照射光量が1/3になる場合を考える。この場合、受信信号は1/3倍になることが予測できる。そこで、制御部153が、送受信部120のアナログ出力(光音響信号)を増幅する増幅度を3倍にしたり、ADCの変換する電圧範囲を1/3にしたり、ADCにより変換されたデジタル信号に3を乗算してもよい。これら処理のうちの少なくとも1つの処理を行い、設定された光量値によらずに、表示される画像の明るさが変わらないような処理を行ってもよい。
図6に示す表示モードおいては、コンピュータ150が1パルスの光照射毎に光音響画像データを生成し、表示している。なお、コンピュータ150は、複数のパルスの光照射に起因する光音響波の受信信号を用いて、画像データを生成し、表示してもよい。すなわち、光源111の発光の繰り返し周波数と画像表示のリフレッシュ周波数が一致していなくてもよい。光源111の発光の繰り返し周波数よりも画像表示のリフレッシュ周波数は低くてもよい。また、1フレームの画像を生成する際に、他のフレームの画像を生成するときに使用した受信信号を使用してもよい。この場合、複数の受信信号を平均してもよいし、移動平均してもよい。
以上、本実施形態に係る光音響装置は、光照射の繰り返し周波数が1/T1[Hz](第1の繰り返し周波数)、かつ、照射光量がI1[J](第1の光量)である第1のモードを選択することができる。また、本実施形態に係る光音響装置は、光照射の繰り返し周波数が1/T1[Hz]よりも低い1/T2[Hz](第2の繰り返し周波数)、かつ、照射光量がI1[J]よりも高いI2[J](第2の光量)である第2のモードを選択することができる。また、本実施形態に係る光音響装置は、関心領域を示す情報に基づいて、第1のモードと第2のモードとを切り換えることができる。
なお、光照射部110が複数個の光源を有し、モードによって光源111を切り替えてもよい。例えば、照射光量の低い第1のモードでは、光源111としてLEDを用いてもよい。一方、照射光量の高い第2のモードでは、光源111としてLDを用いてもよい。このように各モードの照射光量を効率的に発生することのできる光源を切り替えて使用することにより、供給電力を効率的に利用することができ、光源の消費電力の抑制につながる。また、このようにモードによって光源を切り換えることにより、局所的に熱が集中することを避けることができる。
また、制御部153は、関心領域に応じて、照射光の照射範囲を変更してもよい。例えば、図7に示すように、関心領域1023(破線)及び関心領域1024(一点鎖線)が設定された場合を考える。この場合、いずれの関心領域もプローブ180からの距離(光照射の位置からの距離)は略同じであるが、関心領域の紙面横方向の拡がりが異なる。制御部153は、関心領域1024が設定された場合、関心領域1024にできるだけ均一に光が照射されるように、関心領域1023が設定された場合と比べて、広い領域に光を照射してもよい。ところが、光源111へ供給する電力が、関心領域1023と関心領域1024とが設定されたときとで同じであると、関心領域1024が設定されたときに照射領域における単位面積当たりの光エネルギーが小さくなってしまう。これにより、関心領域1024に対応する領域の光音響画像の画質は低下してしまう可能性がある。そこで、制御部153は、設定された照射範囲を示す情報に基づいて、光源111が発する光の光量を変更するように光源111への供給電力を制御してもよい。例えば、制御部153は、光学系112等を動かして照射範囲を広げる場合、光源111への供給電力を大きくし、照射範囲の変更前後での単位面積当たりの光エネルギーの差が小さくなるように光源111への供給電力を制御してもよい。
また、光照射部110は、光の照射範囲を、照射光量の低い第1のモードでは広く、照射光量の高い第2のモードでは狭くしてもよい。すなわち、照射光量が多く必要なモードの時に照射範囲を狭くすることによって、被検体に照射される光エネルギー密度を上げてもよい。結果として、照射光量の高い第2のモードにおいて、光音響の発生音圧を大きくすることができるので、表示画像の画質をより良好にすることができる。
また、プローブ180が温度センサを備え、制御部153が温度センサの出力に基づいてプローブ180の温度情報を通知手段に通知させてもよい。例えば、制御部153は、温度センサからの出力に基づいてプローブ180の温度(例えばハウジング181内部の温度)が43℃以上となったと判断した場合に警告を通知手段に通知させてもよい。また、制御部153は、プローブ180の温度が43度より低い温度(例えば41℃)となったと判断した場合にも、警告を通知してもよい。このように、温度センサの出力から推定されるプローブ180の温度に対して多段階に通知を行ってもよい。例えば、通知手段としては、表示部160にプローブ180の温度情報を表示する手段の他、表示灯や音声等により通知する手段を採用してもよい。また、制御部153は、温度センサの出力に基づいて、プローブの温度が所定値より大きいと判断した場合、光源111への電力の供給を中止するように、電源部190及びドライバ回路114を制御してもよい。
なお、本実施形態に係る光音響装置は、ユーザーからの指示を示す情報をトリガーにして光照射を行い、保存指示のタイミングに対応する光音響画像を生成することができる。光照射部110は、ユーザーからの指示のタイミングや、ユーザーからの指示のタイミングから所定の時間が経過後に光照射を行ってもよい。
なお、制御部153は、ユーザーからの指示を受けつけたタイミングに対して、呼吸や拍動による体動の影響が小さいとみなせる期間に光照射を行い、光音響画像を生成するように各構成を制御することが好ましい。例えば、制御部153は、ユーザーの指示から250ms以内に光照射を行うように光照射部110を制御してもよい。また、制御部153は、ユーザーの指示から100ms以内に光照射を行うように光照射部110を制御してもよい。また、ユーザーの指示から光照射までの時間は、所定の値でもよいし、ユーザーが入力部170を用いて指定可能であってもよい。
また、制御部153は、ユーザーの指示を示す情報に加え、プローブ180と被検体100との接触を検知したことを示す情報を受け取ったときに、光照射を実行させてもよい。これにより、プローブ180と被検体100とが接触していないときに光照射が行われる事態を避けることができ、冗長な光照射を抑制することができる。
本工程においては、超音波画像に関心領域に対応する光音響画像を重畳してもよいし、超音波画像に光音響画像を重畳しなくてもよい。超音波画像を独立して観察できるように、光音響画像を表示部160に表示させてもよい。例えば、超音波画像が独立して観察できるように、超音波画像と光音響画像とを並べて表示させてもよい。この場合、超音波画像に光音響画像を重畳させない表示モードの他に、超音波画像と光音響画像とを重畳させて動画的に表示させる表示モードを備えていてもよい。ユーザーからの入力部170を用いた切り換え指示に基づいて、制御部153がそれぞれの表示モードを切り替えることができるように構成されていてもよい。例えば、制御部153は、超音波画像に光音響画像を重畳させない表示モードとしての並列表示モードと、重畳表示モードとを切り換えることができるように構成されていてもよい。
(S600:超音波画像と光音響画像とを保存する工程)
制御部153は、超音波画像と光音響画像とを保存する。制御部153は、ユーザーからの保存指示を示す情報を受け取ったときに、保存指示のタイミングに対応する超音波画像と光音響画像とを関連づけて保存してもよい。また、光音響画像データと超音波画像データとを関連づけずに、それぞれを独立に保存してもよい。
ユーザーは表示部160に動画的に表示された超音波画像及び光音響画像を観察し、保存対象を確認したときに入力部170を用いて保存指示を行うことができる。この場合、表示部160には静止画が表示された状態で、ユーザーは、入力部170としての操作コンソールに備えられたフリーズボタンを押下することにより保存を指示してもよい。このとき、制御部153は、入力部170からの保存指示を示す情報を受け取る。また、制御部153は、HISやRISなどの外部ネットワークからの保存指示を受けつけてもよい。
記憶部152は、保存指示を受けつけたときに表示部160に表示されている画像を、保存指示のタイミングに対応する画像として保存してもよい。また、記憶部152は、保存指示を受けつけたときに表示部160に表示されている画像と時間的に近傍のフレームの画像を、保存指示のタイミングに対応する画像として保存してもよい。
保存指示を受けつけたときに対して、呼吸や拍動による体動の影響が小さいとみなせる期間に生成された画像を、時間的に近傍のフレームの画像としてもよい。例えば、記憶部152は、保存指示から±250ms以内のフレームの画像を、時間的に近傍のフレームの画像として保存してもよい。また、記憶部152は、保存指示から±100ms以内のフレームの画像を、時間的に近傍のフレームの画像として保存してもよい。また、フレーム数を基準に保存対象を決定してもよい。例えば、記憶部152は、保存指示から±5フレーム以内の画像を、時間的に近傍のフレームの画像として保存してもよい。また、記憶部152は、保存指示から±1フレーム以内の画像、すなわち隣接した画像を、時間的に近傍のフレームの画像として保存してもよい。上記で説明した保存指示のタイミングと保存対象とする画像の取得タイミングとの時間差やフレーム差については、所定の値でもよいし、ユーザーが入力部170を用いて指定してもよい。すなわち、ユーザーが入力部170を用いて、「時間的に近傍」の範囲を指定してもよい。
本工程では、超音波画像及び光音響画像を関連付けて保存したが、この他に付帯情報も関連づけて保存してもよい。例えば、S600では、図8に示すような保存データ300を記憶部152に保存することができる。保存データ300には、付帯情報310と画像データ320とが含まれている。画像データ320には、互いに関連付けられた超音波画像データ321及び光音響画像データ322が含まれている。付帯情報310には、被検体100に関する情報である被検体情報311、プローブ180に関する情報であるプローブ情報312が含まれている。また、付帯情報310には、S600で保存対象となった超音波画像データ321または光音響画像データ322の取得タイミング(取得時刻)に関する情報である取得タイミング情報313が含まれている。
ここで、被検体情報311は、例えば、被検体ID、被検体名、年齢、血圧、心拍数、体温、身長、体重、既往症、妊娠週数、及び検査対象部位の少なくとも一つの情報を含む。なお、本実施形態に係る装置が心電図またはパルスオキシメータ(不図示)を有し、保存指示のタイミングに対応する心電図やパルスオキシメータから出力された情報を被検体情報として関連づけて保存してもよい。なお、この他にも被検体に関する情報であれば、あらゆる情報を被検体情報とすることができる。
また、プローブ情報312は、プローブ180の位置や傾きなどのプローブ180に関する情報を含む。例えば、プローブ180に磁気センサなどの位置センサが備えられており、保存指示のタイミングに対応する位置センサからの出力に関する情報を、プローブ情報312として保存してもよい。また、プローブ情報312は、S400で設定された光照射条件を示す情報を含んでいてもよい。
また、超音波の送受信の制御信号の送信タイミングに関する情報を、超音波画像の取得タイミング情報313として保存してもよい。また、光照射の制御信号の送信タイミングに関する情報を、光音響画像の取得タイミング情報として保存してもよい。また、本実施形態に係る装置が、光照射部110から射出されたパルス光を検出できるように構成された光検出部を備え、光検出部からの信号の出力タイミングに関する情報を、光音響画像の取得タイミング情報として保存してもよい。
図8においては、互いに関連づけられた1ペアの画像データ320を含む保存データ300について説明したが、複数のペアの画像データが1つの保存データに含まれていてもよい。この場合、複数のペアの画像データに関する付帯情報も同一の保存データに保存することが好ましい。あるいは、複数のペアの画像データをそれぞれ異なる保存データとして保存してもよい。
保存データの形式としては、例えばDICOM規格に基づいたデータ形式を採用することができる。なお、本発明に係る保存データの形式としては、DICOMに限らず、いかなるデータ形式を採用してもよい。
制御部153は、検査終了の指示を受け付けることができる。制御部153が検査終了の指示を受け付けたときに検査を終了する。制御部153は、ユーザーからの指示や、病院情報システム(HIS)や放射線情報システム(Radiology Information System)などの外部ネットワークからの指示を受けつけることができる。また、制御部153は、S100で受け付けた検査開始の指示から所定の時間が経過したところで検査終了と判定してもよい。
以上、本実施形態に係る画像表示方法によれば、超音波画像が表示されている間に適切な関心領域を設定することができる。さらに、設定された関心領域に応じて、診断能の低下を抑制することのできる光照射条件を設定することができる。このように設定された光照射条件で光照射することにより表示された関心領域に対応する領域の光音響画像は、診断能の向上に寄与する表示画像である。ユーザーは、超音波画像に加えて、この光音響画像を確認することにより、より適切な診断を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、超音波画像に対して関心領域を設定する例を説明したが、超音波診断装置とは別のモダリティ(CTやMRIなど)で得られた画像に対して関心領域を設定する場合に本発明を適用してもよい。また、所定の表示条件で表示された光音響画像に対して関心領域を設定し、光照射条件または表示条件を再設定する場合に本発明を適用してもよい。
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、光源111としてLDやLED等を用い、1パルスの照射による光音響信号のS/Nが十分ではない場合に特に好適な実施形態である。1パルスの発光では光量が不足している場合、複数回パルス発光し、得られた各々の光音響信号を加算平均してS/Nを向上させ、加算平均した光音響信号を基に、光音響画像を生成する構成が考えられる。ここで加算平均としては、単純平均や移動平均や重み付け平均等の加算平均処理を採用することができる。
第2の実施形態は1つの再構成画像を得るために複数回パルス発光し、得られた光音響信号を加算平均する実施形態である。第2の実施形態では1つの再構成画像を得るための複数回パルス発光した合計の光量を、前述した照射光量と同等に扱うこととする。このように照射光を扱うことによって、前述した第1の実施形態に係る光照射条件を適用することができる。また、この場合は、光照射の繰り返し周波数は、加算平均するために多数回パルス発光する間隔から定義される周波数ではなく、再構成画像を取得する周期を基にした周波数(リフレッシュ周波数)に対応する。
第2の実施形態において、第1の実施形態で説明した図5に示すフローチャートにおけるS400、S500での異なる処理について以降詳細に説明する。
(S400:光照射条件を設定する工程)
第1の実施形態同様に、照射条件設定手段としての制御部153は、S300で設定された関心領域に基づいて、光照射部110が発する照射光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を設定する。制御部153は、関心領域のプローブからの距離が大きくなるにつれて、光照射部110が発する照射光量を大きくし、繰り返し周波数を小さくするように光照射条件を設定する。
このような光照射条件の第2の実施形態の設定方法の一例を、図9を用いて説明する。図9は、発光、光音響波の受信、画像生成、画像表示のタイミングを示すタイミングチャートである。図9のうち、図6と同様の部分については、説明を省略する。図9は、図6と同様に、照射光の発光、光音響波の受信、画像データの生成、及び画像データの表示の各タイミングを示している。「発光」のタイミングチャートにおける縦軸は複数回のパルス発光における各々のパルス発光の光量(I0[J])を示す。また、複数回のパルス発光による合計の光量(I1[J]、I2[J])も合わせ記した。第2の実施形態では前述したように、複数回のパルス発光の合計の光量を、照射光量と同等であるとして制御する。
なお、図6との違いは、パルス発光を複数回行い、得られた光音響信号を加算平均し、加算平均した光音響信号を基に、画像再構成を行っている点である。このように複数回パルス発光する場合、複数回のパルス発光における各々のパルス発光の光量自体を制御することは回路が複雑になる。そのため第2の実施形態では、複数回のパルス発光における各々のパルス発光の光量(I0[J])は固定とし、複数回のパルス発光におけるパルス発光回数を制御して光量(照射光量:I1[J]、I2[J])を制御する方式とした。
制御部153は、関心領域までの距離が所定値よりも小さいと判断した場合には、図9(a)の「発光」で示すように照射光量をI1[J]、繰り返し周波数を1/T1[Hz]に設定する。例えば、光量がI0[J]のパルス光を3回発光することにより、照射光量I1[J]を実現する。
一方、制御部153は、当該距離が所定値よりも大きいと判断した場合には、図9(b)の「発光」で示すように照射光量をI1[J]よりも大きいI2[J]、繰り返し周波数を1/T1[Hz]よりも小さい1/T2[Hz]に設定する。例えば、光量がI0[J]のパルス光を6回発光することにより、照射光量I2[J]を実現する。
光量がドライバ回路は制御部153からの発光タイミング信号に基づいて、光量設定値に対応する発光回数でLDやLED等の光源111をパルス発光させる。ここで、所定値としては、図1に示すプローブ180から点線1030までの距離に相当する値が設定されている。
図9(a)(b)において、複数回のパルス発光における各々のパルス発光の光量は前述したように固定(I0[J])である。図9において、照射光量をI1[J](I0[J]×3)の倍の値の照射光量I2[J](I0[J]×6)と設定し、より深部の関心領域を観察するようにした。そして、繰り返し周波数1/T2[Hz]を繰り返し周波数1/T1[Hz]の1/2に決定する。このように設定することによって、光照射条件の変更によらず、ハウジング181内部での発熱量の低減することができる。
(S500:光音響画像を表示する工程)
送受信部120は、図9の「受信」に示すタイミングで、複数回のパルス発光に起因して発生した光音響波を受信し、各々光音響信号を出力する。信号収集部140は、各々の光音響信号に対してAD変換処理や加算平均処理等を行い、加算平均された光音響信号をコンピュータ150に送信する。デジタル信号としての加算平均された光音響信号は、記憶部152に記憶される。
演算部151は、図9の「画像生成」に示すタイミングで、加算平均された光音響信号に対して再構成処理を行うことにより、光音響画像データを生成する。演算部151は、関心領域を示す情報を受け取り、この情報に基づいて画像生成領域を決定してもよい。
表示制御手段としての制御部153は、生成された光音響画像データを表示部160に送信し、光音響画像データに基づいた画像を表示部160に表示させる。
S400において関心領域に基づいて図9(a)に示す光照射条件が設定された場合、本工程においても図9(a)に示すタイミングチャートで情報処理が実行される。図9(a)に示す表示モードにおいては、まず画像1をT1秒間表示し、次に画像2をT1秒間表示している。同様に、画像3、画像4、画像5についても順番にT1秒間ずつ表示する。以上の工程を繰り返し、T1秒毎に新しい画像データに基づいた画像の表示を更新する。
一方、S400において関心領域に基づいて図9(b)に示す光照射条件が設定された場合、本工程においても図9(b)に示すタイミングチャートで情報処理が実行される。図9(b)に示す表示モードにおいては、まず画像1をT2秒間表示し、次に画像2をT2秒間表示している。以上の工程を繰り返し、T2秒毎に新しい光音響画像データに基づいた画像の表示を更新する。
なお、図9(a)に示す表示モードでは、前述したようにリフレッシュ周波数が高くなるので、第1の実施形態で説明したように、再構成処理に要する時間を短縮する処理を実行してもよい。
図9(a)に示す表示モードと図9(b)に示す表示モードでは照射光量(複数回のパルス発光の合計の光量)が異なるが、複数回のパルス発光の各々の光量は固定である。そのため、複数回のパルス発光における各々のパルス発光に伴う被検体内部の光量分布(光量の強度)は変化しない。その結果、複数回のパルス発光における各々のパルス発光に対応する信号収集部140のアンプのゲインの制御等は必要としない利点もある。また、加算平均の結果も加算平均する回数が異なるだけであるので、加算平均された光音響信号についても同等となる。したがって、図9(a)に示す表示モードと図9(b)に示す表示モードにおいて信号処理を大きく変更する必要はない。
以上、第2の実施形態における光音響装置においても、光照射の繰り返し周波数が1/T1[Hz](第1の繰り返し周波数)、かつ、照射光量がI1[J](第1の照射光量)である第1のモードを選択することができる。また、本実施形態に係る光音響装置は、光照射の繰り返し周波数が1/T1[Hz]よりも低い1/T2[Hz](第2の繰り返し周波数)、かつ、照射光量がI1[J]よりも高いI2[J](第2の照射光量)である第2のモードを選択することができる。また、本実施形態に係る光音響装置は、関心領域を示す情報に基づいて、第1のモードと第2のモードとを切り換えることができる。
図9に示した光照射の繰り返し周波数(再構成画像を取得する周期を基にした周波数)と照射光量(1つの再構成画像を得るためのパルス発光の光量×発光回数:発光回数に比例)は、一例であり、システムに最適化した他の値であってもよい。
また、光の照射位置から関心領域までの距離が所定値よりも大きいと判断した場合に、図9(b)に示す表示モードに変えて、図9(c)に示す表示モードを用いてもよい。図9(c)の表示モードは、リフレッシュ周波数は、図9(a)の表示モードと変わらない。すなわち、図9(b)に示した表示モードに比べ動きの追従性が高い表示が可能である。
図9(c)の表示モードでは、光照射の繰り返し周波数は図9(a)の表示モードと同じである。ハウジング181内部での発熱量を抑制するために、光照射の繰り返し周波数の周期(再構成画像を取得する周期)毎に照射光量を変更する。具体的には、光照射の繰り返し周期はT1[s]で変えずに、照射光量I3[J]の光照射(I0[J]を5回パルス発光)と照射光量I4[J]の光照射(I0[J]を1回パルス発光)を繰り返す。
この場合は、照射光量に従って、あるフレームの再構成画像はS/Nが良好で、他のフレームの再構成画像はS/Nが悪くなる。このような制御を行うとリフレッシュ周波数を下げることなく、S/Nの劣化を抑えた再構成画像も得ることができる。そして、静止画を取得する場合、照射光量の多いフレームの画像を選択するようにすることができる。すなわち、プローブ180の昇温を抑制しながら、リフレッシュ周波数の低下を抑え、S/Nの劣化を抑えた再構成画像を得ることができる。
図9(c)に示した実施形態では複数回のパルス発光の各々の光量は一定である。前述したように、複数回のパルス発光における各々のパルス発光に伴う被検体内部の光量分布(光量の強度)は変化しない。そのため、複数回のパルス発光各々における信号収集部140のアンプのゲインの等は固定にすることができる。また、複数回のパルス発光各々における光音響信号を加算平均するため、複数回のパルス発光数によらず、同じ条件で再構成を行うことができる利点がある。
前述した第1の実施形態のように、光照射の繰り返し周波数の周期(再構成画像を取得する周期)毎に、一回のパルス発光を行う構成にも適応できる。この場合は、パルス発光の光量を変更し、信号収集部140のアンプのゲインの等を可変し、パルス発光の光量の変更による光音響信号の変化を補正することによって実現できる。
以上説明したように、第2の実施形態においては、設定された関心領域に応じて、診断能の低下を抑制することのできる光照射条件を設定することができる。また、光照射条件の変更によらず、ハウジング181内部での発熱量の低減することができる。このように設定された光照射条件で光照射することにより表示された関心領域に対応する領域の光音響画像は、診断能の向上に寄与する画像である。ユーザーは、超音波画像に加えて、この光音響画像を確認することにより、より適切な診断を行ってもよい。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
110 光照射部
120 送受信部
150 コンピュータ
180 プローブ
190 電源部

Claims (20)

  1. 被検体に対する超音波の送受信により、超音波画像を表示し、
    前記超音波画像を表示している間に、前記超音波画像の一部の領域を関心領域として設定し、
    前記関心領域に応じて、前記被検体への照射光の光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を設定し、
    前記光照射条件での前記被検体への光照射により発生する光音響波を受信することにより、前記関心領域に対応する領域の光音響画像を表示する
    を有することを特徴とする画像表示方法。
  2. 前記超音波画像に、前記関心領域に対応する領域の前記光音響画像を重畳して表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
  3. ユーザーの指示に基づいて前記超音波画像に対して指定された領域を、前記関心領域として設定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示方法。
  4. 前記関心領域に対応する領域の前記光音響画像を動画的に表示する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示方法。
  5. 前記繰り返し周波数をリフレッシュ周波数として前記光音響画像を動画的に表示する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像表示方法。
  6. 前記被検体への前記光照射の位置から前記関心領域までの距離に応じて、前記光照射条件を設定する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像表示方法。
  7. 前記距離が所定値よりも小さい場合は、第1の光量及び第1の繰り返し周波数を前記光照射条件として設定し、
    前記距離が前記所定値よりも大きい場合は、前記第1の光量よりも大きい第2の光量、及び、前記第1の繰り返し周波数よりも低い第2の繰り返し周波数を前記光照射条件として設定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像表示方法。
  8. 前記距離が大きくなるにつれて、前記光量を大きく、前記繰り返し周波数を低くするように前記光照射条件を設定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像表示方法。
  9. 前記関心領域に応じて、前記被検体への照射光の照射範囲を含む前記光照射条件を設定する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像表示方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の画像表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 被検体に対する超音波の送受信により超音波信号を出力するプローブと、
    前記超音波信号を用いて、超音波画像データを生成する生成手段と、
    前記超音波画像データを用いて、超音波画像を表示手段に表示させる制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記超音波画像が表示されている間に、前記超音波画像の一部の領域である関心領域を示す情報を生成し、
    前記関心領域を示す情報を用いて、前記被検体への照射光の光量及び繰り返し周波数を含む光照射条件を示す情報を生成し、
    前記プローブは、
    前記光照射条件を示す情報に基づいて、前記光照射条件の光を前記被検体に照射し、
    前記被検体への光照射により発生する光音響波を受信することにより光音響信号を出力し、
    前記生成手段は、
    前記光音響信号を用いて、光音響画像データを生成し、
    前記制御手段は、
    前記関心領域を示す情報及び前記光音響画像データを用いて、前記関心領域に対応する領域の光音響画像を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする光音響装置。
  12. 前記制御手段は、前記超音波画像に、前記関心領域に対応する領域の前記光音響画像を重畳して前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項11に記載の光音響装置。
  13. 前記制御手段は、入力手段を用いたユーザーの指示に基づいて前記入力手段から出力される前記関心領域を示す情報を取得する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の光音響装置。
  14. 前記プローブは、
    前記光照射条件を示す情報に基づいて、前記繰り返し周波数で前記被検体に複数回の光照射を行い、
    前記被検体への前記複数回の光照射により発生する光音響波を受信することにより前記光音響信号を出力し、
    前記生成手段は、
    前記光音響信号を用いて、複数フレームの前記光音響画像データを生成し、
    前記制御手段は、
    前記複数フレームの前記光音響画像データを用いて、前記関心領域に対応する領域の前記光音響画像を動画的に前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の光音響装置。
  15. 前記制御手段は、
    前記繰り返し周波数をリフレッシュ周波数として前記光音響画像を動画的に表示する
    ことを特徴とする請求項13に記載の光音響装置。
  16. 前記制御手段は、
    前記関心領域を示す情報を用いて、前記被検体への前記光照射の位置から前記関心領域までの距離を示す情報を生成し、
    該距離を示す情報を用いて、前記光照射条件を設定する
    ことを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の光音響装置。
  17. 前記制御手段は、
    前記距離を示す情報を用いて、前記距離と所定値との大きさを比較し、
    前記距離が所定値よりも小さい場合は、第1の光量及び第1の繰り返し周波数を前記光照射条件として設定し、
    前記距離が前記所定値よりも大きい場合は、前記第1の光量よりも大きい第2の光量、及び、前記第1の繰り返し周波数よりも低い第2の繰り返し周波数を前記光照射条件として設定する
    ことを特徴とする請求項16に記載の光音響装置。
  18. 前記制御手段は、
    前記距離を示す情報を用いて、前記距離が大きくなるにつれて、前記光量を大きく、前記繰り返し周波数を低くするように前記光照射条件を設定する
    ことを特徴とする請求項16に記載の光音響装置。
  19. 前記生成手段は、
    前記関心領域を示す情報及び前記光音響信号を用いて、前記関心領域に対応する領域の前記光音響画像データを生成し、前記関心領域に対応する領域以外の領域の前記光音響画像データを生成しない
    ことを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載の光音響装置。
  20. 前記プローブは、
    超音波を送受信する送受信手段と、光を発する光源と、前記光源から射出された光に起因して発生する光音響波を受信する受信手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載の光音響装置。
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