JP2018086797A - 払拭装置、及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄液を含浸させた払拭シートの洗浄液の蒸発が抑制される払拭装置、及び液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッド56の液体吐出面277を払拭し、洗浄液を含浸させた払拭シート310と、払拭シートが収納される収納部、及び払拭シートの出口402を備え、気密性を有する材料が用いられる収納容器400と、収納容器の出口を介して筐体に形成された走行経路に沿って、収納容器から繰り出された払拭シートを走行させる払拭シート走行部と、を備え、払拭シートは払拭シートにおける洗浄液の流れを抑制する構造であり、払拭シートの走行方向と交差する方向に沿う抑制部が形成される。
【選択図】図14

Description

本発明は払拭装置、及び液体吐出装置に係り、特に液体吐出ヘッドの液体吐出面の払拭に関する。
インクジェット方式の液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置が知られている。インクジェット方式の液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッドの吐出性能を良好な状態に保つために、液体吐出ヘッドに対して回復処理が施される。
特許文献1は、予め洗浄液を含浸させた払拭シートが用いられて、液体吐出ヘッドの液体吐出面に対して払拭処理が施される液体吐出装置が記載されている。
なお、本明細書における洗浄液は、特許文献1における含浸液に対応している。本明細書における払拭シートは、特許文献1における払拭部材に対応している。本明細書における液体吐出装置は、特許文献1におけるインクジェット記録装置に対応している。本明細書における液体吐出ヘッドは、特許文献1における記録ヘッドに対応している。
特許文献2は、ロール状に巻かれた払拭シートが、スリット状の出口を有する密閉された容器に収納される払拭装置が記載されている。特許文献2に記載の発明では、払拭シートを密閉された容器に収納することに起因して、払拭シートに含浸させた洗浄液の溶媒の蒸発が極力防止されている。
なお、本明細書における払拭シートは、特許文献2におけるウエップに対応している。本明細書における払拭装置は、特許文献2における被記録材の再生装置に対応している。
特許文献3は、液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭シートに対して、予め決められた距離を離して突起部を形成し、突起部を順に液体吐出面に接触させる液体吐出装置が記載されている。
なお、本明細書における液体吐出ヘッドは、特許文献3における記録ヘッドに対応している。本明細書における液体吐出面は、特許文献3におけるノズルプレートに対応している。本明細書における払拭シートは、特許文献3における吸収紙に対応している。本明細書における液体吐出装置は、特許文献3におけるインクジェットプリンタに対応している。
特許文献4は、ロール状の払拭シートを収納する吸収部材収納部を備え、吸収部材収納部の上部に払拭シートを液体吐出面へ押し付ける際に使用される押圧部材を備えたヘッドメンテナンス装置が記載されている。
なお、本明細書における払拭シートは、特許文献4におけるインク吸収部材に対応している。
特開2013−226805号公報 特開平11−348260号公報 特開平11−115215号公報 特開2008−6715号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、乾いた状態の払拭シートを用いて液体吐出面が払拭されると、所望の払拭性能を発揮することが困難である。特許文献1に記載の発明は、液体吐出面の払拭の際に、確実に濡れた状態の払拭シートが用いられる必要がある。しかし、特許文献1には、液体吐出面の払拭の際に、確実に濡れた状態の払拭シートが用いられる構成は記載されていない。
特許文献2に記載の発明は、スリット状の出口から洗浄液が蒸発してしまい、払拭シートが乾燥してしまうという問題がある。
特許文献3に記載の発明は、払拭シートに形成された構造を用いて、洗浄液を含浸させた払拭シートの状態を維持することは困難である。
特許文献4に記載の発明は、吸収部材収納部に収納された払拭シートについて、洗浄液を含浸させた状態を維持することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、洗浄液を含浸させた払拭シートの洗浄液の流出が抑制される払拭装置、及び液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
第1態様に係る払拭装置は、液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭シートであり、洗浄液を含浸させた払拭シートと、払拭シートが収納される収納部、及び払拭シートの出口を備えた収納容器であり、出口を除いた非出口領域において気密性を有する収納容器と、収納容器が取り付けられる筐体と、収納容器の出口を介して、筐体に形成された走行経路に沿って、収納容器から繰り出された払拭シートを走行させる払拭シート走行部と、を備え、払拭シートは、払拭シートにおける洗浄液の流れを抑制する構造である抑制部であり、払拭シートの走行方向と交差する方向に沿う抑制部が形成される払拭装置である。
第1態様によれば、払拭シートに抑制部を備えることに起因して、抑制部の位置において払拭シートの毛管力を低下させる。これにより、払拭シートに含浸させた洗浄液が、払拭シートの繊維を伝わって収納容器の外部へ流出することが抑制される。
払拭シートは、紙、及び布などの繊維を有する材料を適用可能である。
抑制部は、払拭シートの走行方向と交差する方向について、払拭シートの全長以下の長さを有する態様が好ましい。抑制部は、払拭シートの走行方向と直交する方向に沿って形成されてもよい。
第2態様は、第1態様の払拭装置において、払拭シートは、収納容器の収納部に、ロール状に巻かれた状態で収納される。
第2態様によれば、収納容器の中に払拭シートをコンパクトに収納することが可能である。
第3態様は、第1態様又は第2態様の払拭装置において、収納容器は、払拭シートの走行方向と交差する方向について、払拭シートの第一面、及び第一面の反対側の第二面に接触して、払拭シートに形成された抑制部を払拭シートの第一面、及び第二面から挟持する挟持部を備え、挟持部は、出口に配置される構成とされてもよい。
第3態様によれば、収納容器の出口における収納容器の内部の洗浄液の蒸発が抑制される。また、払拭シートに含浸させた洗浄液の一部の除去が可能である。これにより、払拭シートの洗浄液の過多状態の回避が可能である。
第4態様は、第3態様の払拭装置において、挟持部は払拭シートの経路が折り返される構造を有する構成とされてもよい。
第4態様によれば、収納容器の出口における収納容器の内部の洗浄液の蒸発が効果的に抑制される。
第5態様は、第3態様の払拭装置において、挟持部は、収納容器の内側の面に向けて払拭シートを付勢する付勢部を備えた構成とされてもよい。
第5態様によれば、収納容器の内側面と付勢部との間に、払拭シートを挟持することが可能である。
第6態様は、第3態様の払拭装置において、挟持部は、複数のローラを備えた構成とされてもよい。
第6態様によれば、複数のローラの間に払拭シートを挟持することが可能である。
第7態様は、第3態様から第6態様のいずれか一態様の払拭装置において、挟持部は、収納容器の内側に配置される構成とされてもよい。
第7態様によれば、収納容器の内側において、払拭シートの挟持が可能である。
第8態様は、第3態様から第6態様のいずれか一態様の払拭装置において、挟持部は、収納容器の外側に配置される構成とされてもよい。
第8態様によれば、収納容器の外側において、払拭シートの挟持が可能である。
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか一態様の払拭装置において、出口に取り付けられるキャップを備えた構成とされてもよい。
第9態様によれば、払拭シートの非使用状態において、収納容器の内部の洗浄液の蒸発が抑制される。
第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか一態様の払拭装置において、液体吐出ヘッドと払拭シートの走行経路が形成される筐体とを相対的に移動させる相対移動部を備えた構成とされてもよい。
第10態様によれば、効率のよい払拭処理が可能である。
第11態様は、第1態様から第10態様のいずれか一態様の払拭装置において、払拭シートは、払拭シートの走行方向に沿って複数の抑制部が形成され、複数の抑制部は、一回の払拭処理に使用される払拭シートの長さに対応する間隔で配置される構成とされてもよい。
第11態様によれば、抑制部を払拭に使用せずに、払拭シートを用いて液体吐出ヘッドの液体吐出面の払拭が可能である。
第12態様に係る液体吐出装置は、液体を吐出させる液体吐出面を備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭装置と、を備え、払拭装置は、液体吐出面を払拭する払拭シートであり、洗浄液を含浸させた払拭シートが収納される収納部、払拭シートの出口を備えた収納容器であり、出口を除いた非出口領域において気密性を有する収納容器、収納容器が取り付けられる筐体、及び収納容器の出口を介して、筐体に形成された走行経路に沿って、収納容器から繰り出された払拭シートを走行させる払拭シート走行部を備え、払拭シートは、払拭シートにおける洗浄液の流れを抑制する構造である抑制部であり、払拭シートの走行方向と交差する方向に沿う抑制部が形成される液体吐出装置である。
第12態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
第12態様において、第2態様から第11態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、払拭装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う液体吐出装置の構成要素として把握することができる。
第13態様は、第12態様の液体吐出装置において、収納容器は、洗浄液を貯留する洗浄液貯留部と、払拭シートが洗浄液貯留部に貯留されている洗浄液に接触する位置に払拭シートを案内するガイド部材と、を備えた構成とされてもよい。
第13態様によれば、収納容器の内部において、払拭シートに洗浄液を接触させることが可能である。
第14態様は、第13態様の液体吐出装置において、払拭シート走行部を用いた払拭シートの走行を制御する走行制御部と、払拭シートの前回の使用からの経過期間を計測する計測部と、を備え、走行制御部は、計測部を用いて計測された払拭シートの前回の使用からの経過期間が予め決められた基準期間以上の場合に、払拭シート走行部を動作させて、収納容器の外部に露出している払拭シートを、収納容器の洗浄液貯留部の位置まで巻き戻す構成とされてもよい。
第14態様によれば、乾燥が進行した払拭シートに対して洗浄液の付与が可能となる。
本発明によれば、払拭シートに抑制部を備えることに起因して、抑制部の位置において払拭シートの毛管力を低下させる。これにより、払拭シートに含浸させた洗浄液が、払拭シートの繊維を伝わって収納容器の外部へ流出することが抑制される。
図1はインクジェット記録装置の全体構成図である。 図2は図1に示されたインクジェット記録装置の制御系のブロック図である。 図3は液体吐出ヘッドの構造例が示される透視平面図である。 図4はヘッドモジュールの斜視図であり部分断面図を含む図である。 図5は液体吐出ヘッドの構造例が示される透視平面図である。 図6はヘッドモジュールの内部構造が示される断面図である。 図7は液体吐出ヘッド支持部の構成例を示す描画部の側面図である。 図8は描画部の正面図である。 図9はヘッドクリーニングユニットの構成を示す側面図である。 図10はクリーナの正面図である。 図11はクリーナの背面図である。 図12はクリーナの平面図である。 図13は払拭ウエブの収納状態が示される斜視図である。 図14は払拭処理の模式図である。 図15は払拭ウエブの構造例が示される斜視図である。 図16は穴部の変形例が示される斜視図である。 図17は払拭ウエブの他の構造例が示される斜視図である。 図18は払拭ウエブ収納容器の他の構造例が示される斜視図である。 図19は図18に示された払拭ウエブ収納容器の分解斜視図である。 図20は図18に示された払拭ウエブ収納容器の内部構造例が示される斜視図である。 図21はニップ部の他の構成例が示される模式図である。 図22はニップ部の他の構成例が示される模式図である。 図23はニップ部の他の構成例が示される模式図である。 図24は洗浄液貯留部の構造例が示される払拭ウエブ収納容器の本体部の平面図である。 図25は払拭ウエブの巻芯の構造例が示される斜視図である。 図26は払拭ウエブの巻芯の構造例が示される側面図である。 図27は払拭ウエブ収納容器の斜視断面図である。 図28は払拭ウエブ収納容器に取り付け可能なキャップの一例が示される斜視図である。 図29はメンテナンス方法の制御の流れが示されるフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。なお、本明細書における平行の用語は、交差するものの、平行と同様の作用効果を得ることが可能な実質的な平行が含まれる。また、本明細書における直交の用語は、90度未満の角度、又は90度を超える角度で交差するものの、直交と同様の作用効果を得ることが可能な実質的な直交が含まれる。
また、本明細書における上の用語は、重力方向と反対の方向の成分を有する方向を表す。また、本明細書における下の用語は、重力方向の成分を有する方向を表す。本明細書における同一の用語は、相違点が存在するものの、同様の作用効果を得ることが可能な実質的な同一が含まれる。
[インクジェット記録装置の説明]
<全体構成>
図1はインクジェット記録装置の全体構成図である。インクジェット記録装置は液体吐出装置の一態様である。
図1に示されたインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙Sにインクを用いてインクジェット方式で画像を描画するインクジェット記録装置である。なお、本明細書では、インクの用語は液体の用語に置き替えることが可能である。用紙Sは、紙、樹脂、又は金属などのシート状の部材が挙げられる。樹脂、又は金属などのシート状の部材には、基材、又は基板と呼ばれるものが含まれていてもよい。
インクジェット記録装置10は、主として、給紙部12、処理液付与部14、処理液乾燥処理部16、描画部18、インク乾燥処理部20、及び排紙部24を備えている。以下、各部が詳細に説明される。
<給紙部>
給紙部12は、給紙台30、サッカー装置32、給紙ローラ対34、フィーダボード36、前当て38、及び給紙ドラム40を備えている。フィーダボード36はリテーナ36A、及びガイドローラ36Bを備えている。
リテーナ36A、及びガイドローラ36Bは、フィーダボード36の用紙Sが搬送される搬送面に配置される。前当て38はフィーダボード36と給紙ドラム40との間に配置される。
給紙ドラム40は、回転軸40Bと平行になる方向を長手方向とする円筒形状を有している。給紙ドラム40は長手方向について、用紙Sの全長を超える長さを有している。給紙ドラム40の回転軸40Bの方向は図1の紙面を貫く方向である。
ドラムとは円筒形状を有し、媒体の少なくとも一部を保持して円筒形状の中心軸について回転させることで、媒体を円筒形状の外周面に沿って搬送させる搬送部材である。
給紙ドラム40はグリッパー40Aを備えている。グリッパー40Aは、複数の爪、爪台、及びグリッパー軸を備えている。複数の爪、爪台、及びグリッパー軸の図示は省略される。
グリッパー40Aの複数の爪は、給紙ドラム40の回転軸40Bと平行になる方向に沿って配置される。複数の爪の基端部はグリッパー軸に揺動可能に支持される。複数の爪の配置間隔、及び複数の爪が配置される領域の長さは、用紙Sのサイズに応じて決められている。
爪台は給紙ドラム40の回転軸40Bと平行になる方向を長手方向とする部材である。給紙ドラム40の長手方向について、爪台の長さは複数の爪が配置される領域の長さ以上とされる。爪台は複数の爪の先端部と対向する位置に配置される。
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Sを一枚ずつ処理液付与部14へ給紙する。給紙台30の上に積載された用紙Sは、サッカー装置32が用いられて上から順に一枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。
給紙ローラ対34に給紙される用紙Sは、フィーダボード36に載置され、フィーダボード36が用いられて搬送される。フィーダボード36が用いられて搬送される用紙Sは、リテーナ36A、及びガイドローラ36Bが用いられてフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。
フィーダボード36が用いられて搬送される用紙Sは、先端が前当て38に当接されることに起因して傾きが矯正される。フィーダボード36が用いられて搬送される用紙Sは、給紙ドラム40に受け渡される。
給紙ドラム40に受け渡された用紙Sは、給紙ドラム40のグリッパー40Aが用いられて先端部を把持される。給紙ドラム40を回転させると用紙Sは給紙ドラム40の外周面に沿って搬送される。給紙ドラム40が用いられて搬送される用紙Sは処理液付与部14へ受け渡される。
<処理液付与部>
処理液付与部14は、処理液ドラム42、及び処理液付与装置44を備えている。処理液ドラム42はグリッパー42Aを備えている。グリッパー42Aには給紙ドラム40のグリッパー40Aと同様の構成を適用することができる。
図1に示された処理液ドラム42は、給紙ドラム40の直径の二倍の直径を有している。処理液ドラム42はグリッパー42Aが二か所に配置されている。二か所のグリッパー42Aの配置位置は、処理液ドラム42の外周面42Cにおいて半周分ずらされた位置である。
処理液ドラム42は用紙Sが支持される外周面42Cに用紙Sを固定させる構成を有している。処理液ドラム42の外周面42Cに用紙Sを固定させる構成の例として、処理液ドラム42の外周面42Cに複数の吸着穴が設けられ、複数の吸着穴に負圧を作用させる構成が挙げられる。
処理液ドラム42には、上記以外は給紙ドラム40と同様の構成を適用することができる。符号42Bは処理液ドラム42の回転軸である。
処理液付与装置44にはローラ塗布方式を適用することができる。ローラ塗布方式の処理液付与装置44として、処理液槽、計量ローラ、及び塗布ローラが備えられる構成を採用しうる。
処理液槽は処理液供給系を介して処理液タンクから供給された処理液が貯留される。計量ローラは処理液槽に貯留された処理液を計量する。計量ローラは計量された処理液を塗布ローラへ転写する。塗布ローラは用紙Sへ処理液を塗布する。
なお、ここで説明された処理液付与装置44の構成はあくまでも一例であり、処理液付与装置44には他の方式が適用されてもよい。また、処理液付与装置44には他の構成が適用されてもよい。
処理液付与装置44の他の方式の例として、ブレードを用いた塗布、インクジェット方式が用いられる吐出、又はスプレー方式が用いられる噴霧などが挙げられる。
グリッパー42Aが用いられて用紙Sの先端が把持された状態で処理液ドラム42を回転させると、用紙Sは処理液ドラム42の外周面42Cに沿って搬送される。処理液ドラム42の外周面42Cに沿って搬送される用紙Sは、処理液付与装置44が用いられて処理液が付与される。処理液が付与された用紙Sは処理液乾燥処理部16へ送られる。
用紙Sに付与される処理液は、後段の描画部18で用紙Sに吐出させるインク中の色材を凝集させる機能、又はインクの色材を不溶化させる機能を有している。用紙Sに処理液を付与してインクを吐出させることに起因して、汎用の用紙を用いても着弾干渉等を起こすことなく、高品位な画像形成を行うことができる。
処理液付与部14が用いられて処理液が付与された用紙Sは、処理液乾燥処理部16へ受け渡される。
なお、本明細書における吐出の用語は、打滴、画像形成、又は画像記録の用語と適宜読み替えることが可能である。
<処理液乾燥処理部>
処理液乾燥処理部16は、処理液乾燥処理ドラム46、用紙搬送ガイド48、及び処理液乾燥処理ユニット50を備えている。処理液乾燥処理ドラム46はグリッパー46Aを備えている。グリッパー46Aには給紙ドラム40のグリッパー40Aと同様の構成を適用することができる。
図1に示された処理液乾燥処理ドラム46は給紙ドラム40の直径の二倍の直径を有している。処理液乾燥処理ドラム46はグリッパー46Aが二か所に配置されている。二か所のグリッパー46Aの配置位置は、処理液乾燥処理ドラム46の外周面46Cにおいて半周分ずらされた位置である。
処理液乾燥処理ドラム46の上記以外の構成には、給紙ドラム40と同様の構成を適用することができる。符号46Bは処理液乾燥処理ドラム46の回転軸である。
用紙搬送ガイド48は処理液乾燥処理ドラム46の外周面46Cと対向する位置に配置される。用紙搬送ガイド48は処理液乾燥処理ドラム46の下側に配置される。
処理液乾燥処理ユニット50は処理液乾燥処理ドラム46の内部に配置される。処理液乾燥処理ユニット50は処理液乾燥処理ドラム46の外部に向けて風を送風する送風部、及び風を加熱する加熱部を備えている。図示の都合上、送風部、及び加熱部の符号は省略される。
処理液付与部14から処理液乾燥処理部16へ受け渡された用紙Sは、処理液乾燥処理ドラム46のグリッパー46Aが用いられて先端を把持される。
用紙Sは、処理液が塗布された面を、処理液乾燥処理ドラム46の外周面46Cに向けた状態で、処理液が塗布された面の反対側の面を用紙搬送ガイド48が用いられて支持される。処理液乾燥処理ドラム46を回転させることに起因して、用紙Sは処理液乾燥処理ドラム46の外周面46Cに沿って搬送される。
処理液乾燥処理ドラム46が用いられて搬送される用紙Sであり、用紙搬送ガイド48が用いられて支持される用紙Sは、処理液乾燥処理ユニット50から加熱された風が吹き当てられて乾燥処理が施される。
用紙Sに乾燥処理が施されると、用紙Sに付与された処理液中の溶媒成分が除去され、用紙Sの処理液が付与された面に処理液層が形成される。処理液乾燥処理部16が用いられて乾燥処理が施された用紙Sは描画部18へ受け渡される。
<描画部>
描画部18は、描画ドラム52、用紙押さえローラ54、液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、液体吐出ヘッド56K、及びインラインセンサ58を備えている。描画ドラム52はグリッパー52Aを備えている。
グリッパー52Aは描画ドラム52の外周面52Cに設けられた凹部の内部に配置される。グリッパー52Aの配置以外の構成には給紙ドラム40のグリッパー40Aと同様の構成を適用することができる。
描画ドラム52は処理液乾燥処理ドラム46と同様にグリッパー52Aが二か所に配置されている。二か所のグリッパー52Aの配置には処理液乾燥処理ドラム46と同様の配置を適用することができる。
描画ドラム52は、用紙Sが支持される外周面52Cに吸着穴が配置される。吸着穴は用紙Sが吸着支持される媒体支持領域に配置される。なお、吸着穴、及び媒体支持領域の図示は省略される。
描画ドラム52の上記以外の構成には、給紙ドラム40と同様の構成を適用することができる。符号52Bは描画ドラム52の回転軸である。
用紙押さえローラ54は円筒形状を有している。用紙押さえローラ54の長手方向は描画ドラム52の回転軸52Bと平行になる方向である。用紙押さえローラ54は長手方向について用紙Sの全長を超える長さを有している。
用紙押さえローラ54は、描画ドラム52における用紙Sの搬送方向について、用紙Sの受け渡し位置の下流側であり、液体吐出ヘッド56Cの上流側に配置される。以下の説明において、用紙Sの搬送方向は、用紙搬送方向、又は媒体搬送方向と記載することがある。
液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、インクジェット方式が用いられて液体を吐出させるノズル部を備えている。図1では、ノズル部の図示は省略される。ノズル部は図6に符号281が付されて図示される。
ここで、液体吐出ヘッドの符号に付されたアルファベットは色を表している。Cはシアンを表している。Mはマゼンタを表している。Yはイエローを表している。Kはブラックを表している。
液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、描画ドラム52の上側に配置される。液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、用紙搬送方向に沿って、用紙搬送方向の上流側から、液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kの順に配置される。
インラインセンサ58は用紙搬送方向について液体吐出ヘッド56Kの下流側の位置に配置される。インラインセンサ58は撮像素子、撮像素子の周辺回路、及び光源を備えている。
撮像素子はCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像素子を適用することができる。撮像素子、撮像素子の周辺回路、及び光源の図示は省略される。CCDはCharge Coupled Deviceの省略語である。CMOSはComplementary Metal-Oxide Semiconductorの省略語である。
撮像素子の周辺回路は、撮像素子の出力信号の処理回路を備えている。処理回路として、撮像素子の出力信号からノイズ成分を除去するフィルタ回路、増幅回路、又は波形整形回路などが挙げられる。フィルタ回路、増幅回路、又は波形整形回路の図示は省略される。
光源はインラインセンサの読取対象物に照明光を照射可能な位置に配置される。光源にはLEDやランプなどを適用することができる。LEDはlight emitting diodeの省略語である。
処理液乾燥処理部16から描画部18へ受け渡された用紙Sは、描画ドラム52のグリッパー52Aが用いられて先端が把持される。描画ドラム52のグリッパー52Aが用いられて先端が把持された用紙Sは描画ドラム52の回転が用いられて、描画ドラム52の外周面52Cに沿って搬送される。
用紙Sは用紙押さえローラ54の下を通過する際に、描画ドラム52の外周面52Cに押し当てられる。用紙押さえローラ54の下を通過した用紙Sは、液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kの直下において、液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kのそれぞれから吐出させたカラーインクが用いられて画像が形成される。
液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kが用いられて画像が形成された用紙Sは、インラインセンサ58の読取領域において、インラインセンサ58が用いられて画像が読み取られる。
インラインセンサ58が用いられて画像が読み取られた用紙Sは描画部18からインク乾燥処理部20へ受け渡される。インラインセンサ58が用いられた画像読取の結果から、吐出異常の有無の判断が可能である。
<インク乾燥処理部>
インク乾燥処理部20は、チェーングリッパー64、インク乾燥処理ユニット68、ガイドプレート72を備えている。チェーングリッパー64は第一スプロケット64A、第二スプロケット64B、チェーン64C、及び複数のグリッパー64Dを備えている。
チェーングリッパー64は、一対の第一スプロケット64A、及び第二スプロケット64Bに、一対の無端状のチェーン64Cが巻き掛けられた構造を有している。図1には、一対の第一スプロケット64A、及び第二スプロケット64B、並びに一対のチェーン64Cのうち、一方のみが図示されている。
チェーングリッパー64は、一対のチェーン64Cの間に複数のグリッパー64Dが配置される構造を有している。また、チェーングリッパー64は用紙搬送方向における複数の位置に複数のグリッパー64Dが配置される構造を有している。図1には、一対のチェーン64Cの間に配置される複数のグリッパー64Dのうち、一つのグリッパー64Dのみが図示されている。
図1に示されたチェーングリッパー64は、用紙Sを水平方向に沿って搬送する水平搬送領域、及び用紙Sを斜め上方向に搬送する傾斜搬送領域が含まれる。
インク乾燥処理ユニット68はチェーングリッパー64における用紙Sの搬送経路の上に配置される。インク乾燥処理ユニット68の構成例として、ハロゲンヒータ、赤外線ヒータ等の熱源を含む構成が挙げられる。インク乾燥処理ユニット68の他の構成例として、熱源が用いられて熱せられた空気を用紙Sへ吹き付けるファンを含む構成が挙げられる。インク乾燥処理ユニット68は熱源、及びファンを含む構成とされてもよい。
ガイドプレート72の詳細な図示は省略されるが、ガイドプレート72は板状の部材が適用される。ガイドプレート72は用紙搬送方向と直交する方向について、用紙Sの全長を超える長さを有している。
ガイドプレート72は、チェーングリッパー64が用いられる用紙Sの水平搬送領域における搬送経路に沿って配置される。ガイドプレート72は、チェーングリッパー64が用いられる用紙Sの搬送経路の下側に配置される。ガイドプレート72は用紙搬送方向について、インク乾燥処理ユニット68の処理領域の長さに対応する長さを有している。
インク乾燥処理ユニット68の処理領域の長さに対応する長さとは、インク乾燥処理ユニット68の処理の際に、ガイドプレート72が用いられる用紙Sの支持が可能なガイドプレート72の長さである。
例えば、用紙搬送方向について、インク乾燥処理ユニット68の処理領域の長さとガイドプレート72の長さを同一にする態様が挙げられる。ガイドプレート72は、用紙Sを吸着支持する機能を備えてもよい。
描画部18からインク乾燥処理部20に受け渡された用紙Sは、グリッパー64Dが用いられて先端が把持される。第一スプロケット64A、及び第二スプロケット64Bの少なくともいずれか一方を、図1における時計回りに回転させてチェーン64Cを走行させると、用紙Sはチェーン64Cの走行経路に沿って搬送される。
用紙Sがインク乾燥処理ユニット68の処理領域を通過する際に、用紙Sに対してインク乾燥処理ユニット68が用いられてインク乾燥処理が施される。
インク乾燥処理ユニット68が用いられてインク乾燥処理が施された用紙Sは、チェーングリッパー64が用いられて搬送され、排紙部24へ送られる。
図1に示されたチェーングリッパー64は、用紙搬送方向におけるインク乾燥処理ユニット68の下流側の位置において、用紙Sを図1における左斜め上方向へ搬送させる。用紙Sを図1における左斜め上方向へ搬送させる傾斜搬送領域の搬送経路には、ガイドプレート73が配置される。
ガイドプレート73には、ガイドプレート72と同様の部材を適用することができる。ガイドプレート73の構造、及び機能の説明は省略される。
<排紙部>
排紙部24は、排紙台76を備えている。排紙部24における用紙Sの搬送にはチェーングリッパー64が適用される。
排紙台76はチェーングリッパー64が用いられる用紙Sの搬送経路の下側の位置に配置される。排紙台76は図示されない昇降機構を含む構成が可能である。排紙台76は、積載される用紙Sの増減に応じて昇降させて、最上位に位置する用紙Sの高さを一定に保つことができる。
排紙部24は画像形成の一連の処理がされた用紙Sを回収する。用紙Sが排紙台76の位置に到達すると、グリッパー64Dは用紙Sの把持を開放する。用紙Sは排紙台76に積載される。
図1では、処理液付与部14、及び処理液乾燥処理部16を備えたインクジェット記録装置10が示されたが、処理液付与部14、及び処理液乾燥処理部16が省略される態様も可能である。
また、図1では、描画後の用紙Sを搬送する構成としてチェーングリッパー64が例示されているが、描画後の用紙Sを搬送する構成には、ベルト搬送、又は搬送ドラム搬送など他の構成が適用されてもよい。
<制御系の説明>
図2は制御系の概略構成が示されるブロック図である。図2に示されるように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ100を備えている。システムコントローラ100は、CPU100A、ROM100B、及びRAM100Cを備えている。
図2に示されたROM100B、及びRAM100Cは、CPUの外部に設けられていてもよい。CPUはCentral Processing Unitの省略語である。ROMはRead Only Memoryの省略語である。RAMはRandom Access Memoryの省略語である。
システムコントローラ100は、インクジェット記録装置10の各部を統括的に制御する全体制御部として機能する。また、システムコントローラ100は、各種演算処理を行う演算部として機能する。システムコントローラ100は、プログラムを実行して、インクジェット記録装置10の各部を制御してもよい。
更に、システムコントローラ100は、ROM100B、及びRAM100Cなどのメモリにおけるデータの読み出し、及びデータの書き込みを制御するメモリーコントローラとして機能する。
インクジェット記録装置10は、通信部102、画像メモリ104、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液付与制御部114、処理液乾燥制御部116、描画制御部118、インク乾燥制御部120、及び排紙制御部124を備えている。
通信部102は、図示されない通信インターフェースを備えている。通信部102は通信インターフェースと接続されたホストコンピュータ103との間でデータの送受信を行うことができる。
画像メモリ104は、画像データを含む各種データの一時記憶部として機能する。画像メモリ104は、システムコントローラ100を通じてデータの読み書きが行われる。通信部102を介してホストコンピュータ103から取り込まれた画像データは、一旦画像メモリ104に格納される。
搬送制御部110は、インクジェット記録装置10における用紙Sの搬送部11の動作を制御する。図2に示された搬送部11には、図1に示された処理液ドラム42、処理液乾燥処理ドラム46、描画ドラム52、及びチェーングリッパー64が含まれる。
図2に示された給紙制御部112は、システムコントローラ100からの指令に応じて給紙部12を動作させる。給紙制御部112は、用紙Sの供給開始動作、及び用紙Sの供給停止動作などを制御する。
処理液付与制御部114は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液付与部14を動作させる。処理液付与制御部114は、処理液の付与量、及び付与タイミングなどを制御する。
処理液乾燥制御部116は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液乾燥処理部16を動作させる。処理液乾燥制御部116は、乾燥温度、乾燥気体の流量、及び乾燥気体の噴射タイミングなどを制御する。
描画制御部118は、システムコントローラ100からの指令に応じて、描画部18の動作を制御する。すなわち、描画制御部118は、図1に示された液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kのインク吐出を制御する。
描画制御部118は、図示されない画像処理部を備えている。画像処理部は入力画像データからドットデータを形成する。画像処理部は、図示されない色分解処理部、色変換処理部、補正処理部、及びハーフトーン処理部を備えている。
色分解処理部では、入力画像データに対して色分解処理が施される。例えば、入力画像データがRGBで表されている場合、入力画像データがR、G、及びBの色ごとのデータに分解される。ここで、Rは赤を表す。Gは緑を表す。Bは青を表す。
色変換処理部では、R、G、及びBに分解された色ごとの画像データを、インク色に対応するC、M、Y、及びKに変換される。ここで、Cはシアンを表す。Mはマゼンタを表す。Yはイエローを表す。Kはブラックを表す。
補正処理部では、C、M、Y、及びKに変換された色ごとの画像データに対して補正処理が施される。補正処理の例として、ガンマ補正処理、濃度むら補正処理、又は異常記録素子補正処理などが挙げられる。
ハーフトーン処理部では、例えば、0から255といった多階調数で表された画像データが、二値、又は入力画像データの階調数未満の三値以上の多値で表されるドットデータに変換される。
ハーフトーン処理部では、予め決められたハーフトーン処理規則が適用される。ハーフトーン処理規則の例として、ディザ法、又は誤差拡散法などが挙げられる。ハーフトーン処理規則は、画像記録条件、又は画像データの内容等に応じて変更されてもよい。
描画制御部118は、図示されない波形生成部、波形記憶部、及び駆動回路を備えている。波形生成部は駆動電圧の波形を生成する。波形記憶部は駆動電圧の波形が記憶される。駆動回路はドットデータに応じた駆動波形を有する駆動電圧を生成する。駆動回路は駆動電圧を、図1に示された液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kへ供給する。
すなわち、画像処理部が用いられる処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量が決められ、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量に応じた駆動電圧、各画素の吐出タイミングを決める制御信号が生成され、この駆動電圧が液体吐出ヘッドへ供給され、液体吐出ヘッドから吐出させたインクが用いられてドットが記録される。
インク乾燥制御部120は、システムコントローラ100からの指令に応じてインク乾燥処理部20を動作させる。インク乾燥制御部120は、乾燥気体温度、乾燥気体の流量、又は乾燥気体の噴射タイミングなどを制御する。
排紙制御部124は、システムコントローラ100からの指令に応じて排紙部24を動作させる。排紙制御部124は、図1に示された排紙台76が昇降機構を含む場合に、用紙Sの増減に応じて昇降機構の動作を制御する。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、メンテナンス制御部126を備えている。メンテナンス制御部126は、システムコントローラ100からの指令に応じてメンテナンス部28の動作を制御する。メンテナンス部28の詳細、及びメンテナンス部28を用いたメンテナンスの詳細は後述される。
図2に示されたインクジェット記録装置10は、操作部130、表示部132、パラメータ記憶部134、及びプログラム格納部136を備えている。
操作部130は、操作ボタン、キーボード、又はタッチパネル等の操作部材を備えている。操作部130は複数の種類の操作部材が含まれていてもよい。操作部材の図示は省略される。
操作部130を介して入力された情報は、システムコントローラ100に送られる。システムコントローラ100は、操作部130から送出された情報に応じて各種処理を実行させる。
表示部132は、液晶パネル等の表示装置、及びディスプレイドライバーを備えている。表示装置、及びディスプレイドライバーの図示は省略される。表示部132はシステムコントローラ100からの指令に応じて、装置の各種設定情報、又は異常情報などの各種情報を表示装置に表示させる。
パラメータ記憶部134は、インクジェット記録装置10に使用される各種パラメータが記憶される。パラメータ記憶部134に記憶されている各種パラメータは、システムコントローラ100を介して読み出され、装置各部に設定される。
プログラム格納部136は、インクジェット記録装置10の各部に使用されるプログラムが格納される。プログラム格納部136に格納されている各種プログラムは、システムコントローラ100を介して読み出され、装置各部において実行される。
図2には機能ごとに各部が列挙されている。図2に示された各部は適宜、統合、分離、兼用、又は省略が可能である。また、図2に示された各部はハードウエアとソフトウエアとを適宜組み合わせて構成することができる。
[液体吐出ヘッドの構造]
<全体構成>
図3は液体吐出ヘッドの構造例が示される透視平面図である。図3に示された液体吐出ヘッド56は、用紙Sの搬送方向と直交する方向である用紙Sの幅方向について複数のヘッドモジュール200を繋ぎ合わせた構造を有している。
図3に示された液体吐出ヘッド56は、図1に示された液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kのうちの任意の一つである。以下、符号が付されていない液体吐出ヘッドも同様である。
用紙Sの幅方向は符号Xが付された矢印線を用いて図示される。用紙Sの搬送方向は符号Yが付された矢印線を用いて図示される。
図3に示された液体吐出ヘッド56は、用紙Sの幅方向における用紙Sの全長Lmax以上の長さにわたって、複数のノズル部が配置されたライン型の液体吐出ヘッドである。図3に図示されないノズル部は図6に符号281が付されて図示される。
液体吐出ヘッド56を構成する複数のヘッドモジュール200は同一の構造を適用可能である。また、ヘッドモジュール200は単体でも液体吐出ヘッドとして機能させることが可能である。
<ヘッドモジュールの構造>
図4はヘッドモジュール斜視図であり部分断面図を含む図である。
ヘッドモジュール200は、ノズルプレート275の液体吐出面277と反対側である図4における上面の側に、インク供給室232とインク循環室236等からなるインク供給ユニットを有している。
インク供給室232は、供給側個別流路252を介して不図示のインクタンクに接続され、インク循環室236は、回収側個別流路256を介して不図示の回収タンクに接続される。
図5はヘッドモジュールの液体吐出面の透視平面図である。図5では液体吐出面277に配置されるノズル開口280の数が省略されて描かれているが、一つのヘッドモジュール200の液体吐出面277には、二次元配置が適用されて複数のノズル開口280が配置されている。
ヘッドモジュール200は、媒体搬送方向と直交する方向に対して角度βの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、媒体搬送方向に対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっており、V方向に沿う行方向、及びW方向に沿う列方向について、複数のノズル開口280がマトリクス配置されている。
ノズル開口280の配置は図5に図示された態様に限定されず、媒体搬送方向と直交する方向に沿う行方向、及び媒体搬送方向と直交する方向に対して斜めに交差する列方向に沿って複数のノズル開口280が配置されてもよい。
ノズル開口280のマトリクス配置とは、複数のノズル開口280を媒体搬送方向と直交する方向に投影させて、複数のノズル開口280を媒体搬送方向と直交する方向に沿って配置させた媒体搬送方向と直交する方向の投影ノズル列において、ノズル開口280の配置間隔が均一となるノズル開口280の配置である。
図6は液体吐出ヘッドの内部構造が示される断面図である。符号214はインク供給路、符号218は圧力室、符号216は各圧力室218とインク供給路214とを繋ぐ個別供給路、符号220は圧力室218からノズル開口280に繋がるノズル連通路、符号226はノズル連通路220と循環共通流路228とを繋ぐ循環個別流路である。圧力室218は、液室と呼ばれることがある。
インク供給路214、個別供給路216、圧力室218、ノズル連通路220、循環個別流路226、及び循環共通流路228を構成する流路構造体210の上に、振動板266が設けられる。振動板266の上には接着層267を介して、下部電極265、圧電体層231、及び上部電極264の積層構造から成る圧電素子230が配設されている。下部電極265は共通電極と呼ばれることがあり、上部電極264は個別電極と呼ばれることがある。
上部電極264は、各圧力室218の形状に対応してパターニングされた個別電極となっており、圧力室218ごとに、それぞれ圧電素子230が設けられている。
インク供給路214は、図4に示されたインク供給室232に繋がっており、図6に示されたインク供給路214から個別供給路216を介して圧力室218にインクが供給される。
入力画像データに応じて、対応する圧力室218に設けられた圧電素子230の上部電極264に駆動電圧を印加することに起因して、圧電素子230及び振動板266が変形して圧力室218の容積が変化し、これに伴う圧力変化に起因してノズル連通路220を介してノズル開口280からインクが打滴される。
入力画像データから生成されるドット配置データに応じて各ノズル開口280に対応した圧電素子230の駆動を制御することに起因して、ノズル開口280からインクを打滴させることができる。
用紙Sを一定の速度で媒体搬送方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル開口280からのインクの打滴タイミングが制御されることに起因して、用紙Sの上に所望の画像を記録することができる。
各ノズル開口280に対応して設けられている圧力室218は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル開口280への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口である個別供給路216が設けられている。圧力室218の平面形状の図示は省略される。
なお、圧力室の平面形状は、正方形に限定されない。圧力室の平面形状は、菱形、長方形などの四角形、五角形、六角形その他の多角形、円形、及び楕円形など、多様な形態があり得る。
ノズル開口280、及びノズル連通路220を含むノズル部281には、循環出口が形成され、ノズル部281は循環出口を介して循環個別流路226と連通される。ノズル連通路220、及びノズル開口280のインクのうち、打滴に使用されないインクは循環個別流路226を介して循環共通流路228へ回収される。
循環共通流路228は、図4に示されたインク循環室236に繋がっており、循環個別流路226を通って常時インクが循環共通流路228へ回収されることに起因して、非打滴時におけるノズル開口280近傍のインクの増粘が防止される。
ヘッドモジュールに備えられる吐出素子の一態様として、一つのノズル部281、及び一つのノズル部281に連通される圧力室218などの流路、ノズル部281に対応する圧電素子230が含まれる態様が挙げられる。
本明細書におけるノズル部はノズル開口を含む概念を表している。本明細書においてノズル開口の用語とノズル部の用語とは、適宜、読み替えることが可能である。
圧電素子230の例として、ノズル部281に対応して個別に分離した構造を有する圧電素子230が挙げられる。もちろん、複数のノズル部281に対して一体に圧電体層231が形成され、各ノズル部281に対応して個別電極が形成され、ノズル部281ごとに活性領域が形成される構造を適用してもよい。
圧電素子に代わり圧力発生素子として圧力室218の内部にヒータを備え、ヒータに駆動電圧を供給して発熱させ、膜沸騰現象を利用して圧力室218内のインクをノズル開口280から打滴するサーマル方式が適用されてもよい。
[液体吐出ヘッド支持部の構成例]
図7は液体吐出ヘッド支持部の構成例を示す描画部の側面図である。図7には、用紙搬送方向における描画部18の上流側の位置に配置される処理液乾燥処理ドラム46、及び用紙搬送方向における描画部18の下流側の位置に配置されるチェーングリッパー64の一部が図示される。
図7に示された液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、ヘッド支持部15に取り付けられている。なお、図7には、符号1が付されて水平面が図示されている。
図8は描画部の正面図である。ヘッド支持部15は、描画ドラム52の回転軸52Bと直交する方向に配置された一対のサイドプレート82L、及びサイドプレート82R、並びに一対のサイドプレート82L、及びサイドプレート82Rを上端部において連結する連結フレーム84を含んで構成されている。
一対のサイドプレート82L、及びサイドプレート82Rは、板状に形成されており、描画ドラム52を挟んで互いに対向する位置に配置されている。一対のサイドプレート82L、及びサイドプレート82Rの内側面には、液体吐出ヘッド56Cを取り付ける取付部86C、液体吐出ヘッド56Mを取り付ける取付部86M、液体吐出ヘッド56Yを取り付ける取付部86Y、及び液体吐出ヘッド56Kを取り付ける取付部86Kが備えられている。なお、図8には、取付部86Y、及び取付部86Kが図示され、取付部86C、及び取付部86Mの図示は省略される。
図示されない取付部86C、及び取付部86M、並びに図8に示された取付部86Y、取付部86Kは、描画ドラム52の回転軸52Bを中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。
液体吐出ヘッド56Yの長手方向の両端に形成された被取付部88Yを取付部86Yに固定することに起因して、液体吐出ヘッド56Yはヘッド支持部15に取り付けられる。また、液体吐出ヘッド56Kの長手方向の両端に形成された被取付部88Kを取付部86Kに固定することに起因して、液体吐出ヘッド56Kはヘッド支持部15に取り付けられる。
図示は省略されるが、液体吐出ヘッド56Cの長手方向の両端に形成された被取付部88Cを取付部86Cに固定することに起因して、液体吐出ヘッド56Cはヘッド支持部15に取り付けられる。また、液体吐出ヘッド56Mの長手方向の両端に形成された被取付部88Mを取付部86Mに固定することに起因して、液体吐出ヘッド56Mはヘッド支持部15に取り付けられる。
そして、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、ヘッド支持部15に取り付けられることに起因して、描画ドラム52の回転軸52Bを中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kが取り付けられるヘッド支持部15は、図示されないガイドレールにガイドされて、描画ドラム52の回転軸52Bに平行となる方向にスライド移動自在に設けられている。なお、描画ドラム52の回転軸52Bに平行となる方向は、水平方向に平行となるである。
そして、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、図示されないリニア駆動手段に駆動されて、実線が用いられて示される描画位置と、破線が用いられて示されるメンテナンス位置との間を移動自在に設けられている。
図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、ヘッド支持部15を描画位置に位置させることに起因して、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、描画ドラム52の周囲に配置され、描画が可能な状態になる。
一方、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、ヘッド支持部15をメンテナンス位置に位置させることに起因して、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは、描画ドラム52から退避する。
メンテナンス位置には、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kを保湿するための保湿ユニット94が設けられている。
図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kが長時間使用されない場合は、ヘッド支持部15をメンテナンス位置に位置させ、保湿ユニット94を用いて図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kは保湿される。これにより、乾燥に起因する、図8に図示されない液体吐出ヘッド56C、及び液体吐出ヘッド56M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kの不吐出が防止される。
描画位置とメンテナンス位置との間には、図8に図示されない液体吐出ヘッド56Cの液体吐出面277C、及び液体吐出ヘッド56Mの液体吐出面277M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Yの液体吐出面277Y、及び液体吐出ヘッド56Kの液体吐出面277Kを清掃するヘッドクリーニングユニット90が設けられている。ヘッドクリーニングユニット90は払拭装置の一態様である。
図8に図示されない液体吐出ヘッド56Cは、描画位置からメンテナンス位置に移動する際に、液体吐出面277Cに払拭ウエブが押圧当接される。また、図8に図示されない液体吐出ヘッド56Mは、描画位置からメンテナンス位置に移動する際に、液体吐出面277Mに払拭ウエブが押圧当接される。
同様に、図8に示される液体吐出ヘッド56Yは、描画位置からメンテナンス位置に移動する際に、液体吐出面277Yに払拭ウエブが押圧当接される。また、図8に示される液体吐出ヘッド56Kは、描画位置からメンテナンス位置に移動する際に、液体吐出面277Kに払拭ウエブが押圧当接される。
これにより、図8に図示されない液体吐出ヘッド56Cの液体吐出面277C、及び図8に図示されない液体吐出ヘッド56Mの液体吐出面277M、並びに図8に示される液体吐出ヘッド56Yの液体吐出面277Y、及び図8に示される液体吐出ヘッド56Kの液体吐出面277Kが払拭清掃される。払拭ウエブは、払拭シートの一態様である。
なお、図8に符号393が付されて図示された部材は、ヘッドクリーニングユニット90のラックである。また。符号52Eが付されて図示された部材は、軸受である。符号52Dが付されて図示された部材は、本体フレームである。描画ドラム52は、回転軸52Bが本体フレーム52Dに備えられた軸受52Eに軸支されて、水平に配置されている。
[ヘッドクリーニングユニットの構成]
図9は、ヘッドクリーニングユニットの構成を示す側面図である。図9に示されたヘッドクリーニングユニット90は、液体吐出ヘッド56Cに対応して設けられたクリーナ300C、液体吐出ヘッド56Mに対応して設けられたクリーナ300M、液体吐出ヘッド56Yに対応して設けられたクリーナ300Y、及び液体吐出ヘッド56Kに対応して設けられたクリーナ300Kを備えている。
また、ヘッドクリーニングユニット90は、クリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kがセットされるラック393を備えている。
ラック393は、上端部が開口した箱状に形成されており、その内部にクリーナ300Cを装着する装着部95C、クリーナ300Mを装着する装着部95M、クリーナ300Yを装着する装着部95Y、及びクリーナ300Kを装着する装着部95Kが形成されている。
クリーナ300Cは、装着部95Cの上端開口部から鉛直下向きに差し込むことに起因して、装着部95Cにセットされる。クリーナ300Mは、装着部95Mの上端開口部から鉛直下向きに差し込むことに起因して、装着部95Mにセットされる。クリーナ300Yは、装着部95Yの上端開口部から鉛直下向きに差し込むことに起因して、装着部95Yにセットされる。クリーナ300Kは、装着部95Kの上端開口部から鉛直下向きに差し込むことに起因して、装着部95Kにセットされる。
ラック393は、インクジェット記録装置の図示されない装置本体フレームに設けられた、図示されない昇降装置に支持されて、水平面に対して垂直に昇降移動自在に設けられている。
図9に破線が用いられて図示された円弧は、図8に示された描画ドラム52を模式的に表している。図9に図示された一点鎖線は、水平面に平行となる面を表している。クリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kに備えられる、符号312が付された部材はケースである。
符号310が付された部材は払拭ウエブである。符号318が付された部材は押圧ローラである。符号358が付された部材は巻取ギアである。符号378が付された部材は昇降レバーである。
符号382が付された部材はピンである。符号386が付された部材はローラ駆動ギアである。符号388が付された部材はアイドルギアである。符号392が付された部材は駆動ギアである。符号394が付された部材はモータである。
ヘッドクリーニングユニット90に備えられるクリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kの詳細は後述される。図9に示されたクリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kは、液体吐出ヘッドごとの払拭装置として機能させることが可能である。
[クリーナの構成]
次に、クリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kの構成について説明がされる。なお、クリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kの基本構成は共通しているので、ここでは、クリーナ300C、クリーナ300M、クリーナ300Y、及びクリーナ300Kは、クリーナ300として説明がされる。
図10はクリーナの正面図である。図11はクリーナの背面図である。図12はクリーナの平面図である。図10、及び図11では、図9に示されたケース312の図示が省略されている。
図10に示されたクリーナ300は、払拭ウエブ収納容器400、前段ガイド320、押圧ローラ318、後段ガイド322、及び巻取軸316を備えている。前段ガイド320、押圧ローラ318、後段ガイド322、及び巻取軸316は、払拭シート走行部の構成要素である。
払拭ウエブ収納容器400は、ロール状に巻かれた状態の払拭ウエブ310が収納される容器である。払拭ウエブ収納容器400は、出口402が上向きとなる姿勢でクリーナ300に装着される。払拭ウエブ収納容器400は、クリーナ300から取外しが可能である。
払拭ウエブ収納容器400の中に払拭ウエブ310をコンパクトに収納することが可能である。払拭ウエブ収納容器400は気密性を有する材料が用いられる。払拭ウエブ収納容器400の材料の例として、金属、及び樹脂が挙げられる。
払拭ウエブ収納容器400は、出口402を除いた領域である非出口領域が気密性を有する構造が適用される。払拭ウエブ収納容器400は、非出口領域において気密性が確保されていればよい。
前段ガイド320、押圧ローラ318、及び後段ガイド322は、払拭ウエブ310の走行方向について、前段ガイド320、押圧ローラ318、及び後段ガイド322の順に配置される。払拭ウエブ310の走行方向は、前段ガイド320、押圧ローラ318、及び後段ガイド322を経由して、払拭ウエブ収納容器400から巻取軸316へ向かう方向である。
前段ガイド320は、第一前段ガイド360、及び第二前段ガイド362を備えている。第一前段ガイド360、及び第二前段ガイド362は、払拭ウエブ収納容器400から繰り出された払拭ウエブ310をガイドする。
第一前段ガイド360は、図7に示された水平面1に対して直交する方向に延びる板状の部材が適用される。第一前段ガイド360の上縁は上向きに凸となる曲面とされる。第一前段ガイド360の上縁は、図7に示された水平面1に対して傾斜している。第一前段ガイド360は、払拭ウエブ310の走行方向を上向き方向から水平方向へ変換させる。
第二前段ガイド362は、長手方向の一方の端に、図10に図示されないフランジ部を有し、長手方向の他方の端にフランジ部362Rをするガイドローラが適用される。図10に図示されないフランジ部は、ブラケット368Aを用いて支持される。なお、図10に図示されないフランジ部は、図12に符号362Lが付されて図示される。
第二前段ガイド362は、第一前段ガイド360と押圧ローラ318との間に配置される。第二前段ガイド362は、払拭ウエブ310の走行方向を微調整する。
押圧ローラ318は、払拭ウエブ収納容器400の上部の位置に配置される。図10に示された押圧ローラ318は、払拭ウエブの繰出軸404、及び巻取軸316と同一直線上に配置される。
押圧ローラ318は、図7に示された水平面1に対して傾斜して配置される。水平面1に対する図10に示された押圧ローラ318の傾斜は、図7に示された水平面1に対する払拭対象の液体吐出ヘッドの液体吐出面277の傾斜に対応している。
換言すると、図10に示された押圧ローラ318は、液体吐出ヘッドの液体吐出面と平行に配置される。ここでいう液体吐出ヘッドの液体吐出面は、図9に示された液体吐出ヘッド56Cの液体吐出面277C、液体吐出ヘッド56Mの液体吐出面277M、液体吐出ヘッド56Yの液体吐出面277Y、及び液体吐出ヘッド56Kの液体吐出面277Kの任意の一つである。以下、符号が付されない液体吐出面も同様である。
押圧ローラ318は、長手方向の一方の端に図示されない第一軸部を備えている。第一軸部は、押圧ローラ318の長手方向の一方の端から突出している。また、押圧ローラ318は、長手方向の他方の端に図示されない第二軸部を備えている。第二軸部は、押圧ローラ318の長手方向の他方の端から突出している。
第一軸部は、第一軸支持部346Lを用いて支持される。第二軸部は、第二軸支持部346Rを用いて支持される。押圧ローラ318は、第一軸支持部346L、及び第二軸支持部346Rを用いて、回動自在、且つ、揺動自在に支持される。
クリーナ300は、払拭対象の液体吐出ヘッドの液体吐出面に向けて押圧ローラ318を付勢させる付勢部を備えている。図10では、付勢部の図示は省略される。付勢部は図14に符号319が付されて模式的に図示される。付勢部の例として、ばね等の弾性部材を備える態様が挙げられる。ばねの配置例として、図示されない第一軸部の下側、及び図示されない第二軸部の下側が挙げられる。
後段ガイド322は、第一後段ガイド364、及び第二後段ガイド366を備えている。第一後段ガイド364、及び第二後段ガイド366は、押圧ローラ318を通過した払拭ウエブ310をガイドする。
第一後段ガイド364は、第一前段ガイド360と同様の構造が適用可能である。第一後段ガイド364の構造の説明は省略される。第一後段ガイド364は、払拭ウエブ310の走行方向を水平方向から下向き方向へ変換させる。
第二後段ガイド366は、第二前段ガイド362と同様の構造が適用可能である。第二後段ガイド366の構造の説明は省略される。第二後段ガイド366は、押圧ローラ318と第一後段ガイド364との間に配置される。第二前段ガイド362は、払拭ウエブ310の走行方向を微調整する。
なお、符号366Rが付された部材は、第二前段ガイド362のフランジ部である。また、符号368Bが付された部材は、第二後段ガイド366の一方の端を支持するブラケットである。
図10には、払拭ウエブ収納容器400から繰り出された払拭ウエブ310が巻取軸316へ至る、払拭ウエブ310の走行経路が模式的に図示されている。払拭ウエブ収納容器400の出口402から繰り出された払拭ウエブ310は、第一前段ガイド360の上縁、第二前段ガイド362の下側、押圧ローラ318の上側、第二後段ガイド366の下側、第二前段ガイド362の上縁、及びフィードローラ324を経由して、巻取軸316へ到達する。
図11に示された第一ギア440は、図10に示された繰出軸404に取り付けられる。図11に示された第一ギア440は、第二ギア442が噛み合わせられている。第二ギア442は、第三ギア444が噛み合わせられている。
第三ギア444を固定することに起因して、第二ギア442、及び第一ギア440が固定される。そうすると、図10に示された繰出軸404を固定することが可能となる。一方、図11に示された第三ギア444を回転可能とすることに起因して、第二ギア442、及び第一ギア440が回転可能となる。そうすると、図10に示された繰出軸404は回転可能となる。
図11に示された巻取ギア358は、巻取軸316に取り付けられる。巻取ギア358は、アイドルギア388が噛み合わせられる。アイドルギア388は、ローラ駆動ギア386が噛み合わせられる。
ローラ駆動ギア386は、図10に示されたフィードローラ324に取り付けられる。図11に示されたアイドルギア388は、図9に示された駆動ギア392と噛み合わせられる。駆動ギア392は、モータ394の回転軸に取り付けられる。
モータ394の回転軸が回転されることに起因して、駆動ギア392、及び図11に示されたアイドルギア388が回転する。アイドルギア388の回転に起因して、巻取ギア358、及びローラ駆動ギア386が同期して回転する。
図9に示されたモータ394の動作を制御するモータ制御部は、図2に示されたメンテナンス制御部126に含まれてもよいし、メンテナンス制御部126とは別に、モータ制御部が備えられてもよい。
モータ制御部は、図9に示されたモータ394の動作開始タイミング、動作停止タイミング、回転速度、及び回転期間等を制御する。モータ制御部は、プロセッサー、及びプロセッサーの周辺回路から構成されてもよい。モータ制御部は、プログラムの実行に起因して動作してもよい。
図9に示された駆動ギア392、及びモータ394、並びに図11に示された巻取ギア358、ローラ駆動ギア386、及びアイドルギア388は、払拭シート走行部の構成要素である。
図12に示されるケース312は、ケース本体326、及び蓋328を備えている。ケース本体326は、縦方向に長い長方形の箱状に形成されており、上端部、及び前面部に開口が形成されている。蓋328は、ヒンジ330を介して、ケース本体326の前面部に取り付けられている。ケース本体326は、蓋328を用いて前面部の開閉が可能とされる。
蓋328は、弾性変形可能なロック爪332を備えている。ケース本体326に備えられた爪受部334にロック爪332を弾性変形させて係合させることに起因して、蓋328はケース本体326に固定される。
図12に破線が用いられて図示された蓋328は、ケース本体326の前面が開けられた状態の蓋328を表している。図12に実線が用いられて図示された蓋328は、ケース本体326の前面が閉められた状態の蓋328を表している。
図12に362Lが付された部材は、第二前段ガイド362のフランジ部である。図12に符号366Lが付された部材は、第二後段ガイド366のフランジ部である。
図10から図13に示されたクリーナ300は、傾斜して設置された押圧ローラ318に帯状に形成された払拭ウエブ310が巻き掛けられ、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310を、液体吐出ヘッドの液体吐出面に押圧当接させることに起因して、液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭清掃する。
本実施形態では、四つの液体吐出ヘッドを一体に移動させる態様が例示されているが、四つの液体吐出ヘッドは一つずつ移動させてもよい。また、本実施形態では、四つの液体吐出ヘッドに対応して、四つのクリーナを備える態様が例示されているが、液体吐出ヘッドの数未満の数のクリーナを備え、一つのクリーナが用いられて複数の液体吐出ヘッドの払拭が実行されてもよい。
本実施形態では、四つのクリーナが一体に支持される態様が例示されているが、四つのクリーナは個別に支持されてもよい。また、二つのクリーナが一体に支持されてもよいし、三つのクリーナが一体に支持されてもよい。
[払拭ウエブの詳細な説明]
<払拭ウエブの収納状態の説明>
図13は払拭ウエブの収納状態が示される斜視図である。図13に示された払拭ウエブ収納容器400は、洗浄液を含浸させた払拭ウエブ310であり、ロール状に巻かれた払拭ウエブ310が収納される容器である。
洗浄液は、液体吐出ヘッドの液体吐出面に付着した液体を溶解させる機能を有していてもよい。洗浄液は、液体吐出ヘッドの液体吐出面を湿潤化させる液体を適用してもよい。
払拭ウエブ収納容器400は、出口402、払拭ウエブ収納部406、及びニップローラ対408を備えている。出口402は、払拭ウエブ収納容器400の外周面に形成される開口である。
払拭ウエブ収納部406は、円柱形状を有している。払拭ウエブ収納部406は、中空構造を有している。払拭ウエブ収納部406の内部は、ロール状に巻かれた払拭ウエブ310の外形に対応する形状を有している。
払拭ウエブ収納部406の内部にロール状に巻かれた払拭ウエブ310が収納される。払拭ウエブ収納部406に収納された払拭ウエブ310は、出口402を介して払拭ウエブ収納部406の外部に繰り出される。
ニップローラ対408は、払拭ウエブ収納容器400の出口402に備えられている。ニップローラ対408を構成するニップローラの一方は、払拭ウエブ収納容器400の外周面410の周方向について、出口402の一方の側に配置される。他方のニップローラは、払拭ウエブ収納容器400の外周面410の周方向について、出口402の他方の側に配置される。
図13に示されたニップローラ対408は、払拭ウエブ収納容器400の出口402の外側において、払拭ウエブ310の両面に接触して、払拭ウエブ310の両面から払拭ウエブ310を挟む構造を有している。図13に示されたニップローラ対408は、払拭ウエブ収納容器400の出口402の外側において、払拭ウエブ310を挟むことが可能である。払拭ウエブ310の両面のうち一方の面は、第一面に相当する。払拭ウエブ310の両面のうち他方の面は、第二面に相当する。
ニップローラ対408は、払拭ウエブ310の非走行状態において、払拭ウエブ310の抑制部の位置に接触する。図13では、払拭ウエブ310の抑制部の図示は省略される抑制部の一例は、図15に符号311Aが付されて図示される。
ニップローラ対408は、払拭ウエブ収納容器400の出口402を塞ぐ部材として機能する。ニップローラ対408を構成するニップローラの表面は、弾性を有する材料が適用される。
払拭ウエブ収納容器400は、ニップローラ対408が用いられて出口402が塞がれることに起因して、出口402を介して、払拭ウエブ収納容器400の内部から外部への洗浄液の流出が抑制される。
これにより、払拭ウエブ収納部406に収納されている払拭ウエブ310を濡らした状態で保持することが可能である。
図13に示された払拭ウエブ収納容器400は、図10から図12が用いられて説明がされたクリーナ300のケース312の内部に取り付けられる。図10には、クリーナ300のケース312の内部に取り付けられた払拭ウエブ収納容器400が図示されている。
払拭ウエブ310は、洗浄液が用いられて濡らされた状態であり、払拭ウエブ収納容器400に収納された状態でユーザへの提供が可能である。また、使用された払拭ウエブ310は、図10に示された巻取軸316に巻き取られた状態で回収されることが可能である。
図14は払拭処理の模式図である。払拭ウエブ収納容器400の出口402から引き出された払拭ウエブ310が用いられる液体吐出ヘッド56の液体吐出面277の払拭処理は、濡れた状態の払拭ウエブ310を用いて液体吐出ヘッド56の液体吐出面277が払拭される。
払拭ウエブ310は、走行方向について走行させる。液体吐出ヘッド56は、図示されないヘッド移動部を用いてヘッド移動方向について移動させる。払拭ウエブ310と液体吐出ヘッド56の液体吐出面277とが接触する位置において、払拭ウエブ310の走行方向は、ヘッド移動方向と反対方向とされる。
図示されないヘッド移動部は、相対移動部の一態様である。液体吐出ヘッド56を固定して払拭ウエブ310の走行経路が形成される、図9に示されたヘッドクリーニングユニット90を移動させてもよい。また、図14に示された液体吐出ヘッド56、及び図9に示されたヘッドクリーニングユニット90の両者を移動させてもよい。
ヘッドクリーニングユニット90を移動させるヘッドクリーニングユニット移動部は、相対移動部の一態様である。ヘッドクリーニングユニット90のケース312は、払拭シートの走行経路が形成される筐体の一態様である。
払拭ウエブ収納容器400に収納される払拭ウエブ310が洗浄液を用いて濡らされていることに起因して、液体吐出ヘッド56の液体吐出面277、又は払拭ウエブ310への洗浄液を供給する洗浄液供給部が不要とされる。
なお、図14に符号319が付された部材は、模式的に図示された押圧ローラ318の付勢部である。図14では、図10に示された巻取軸316の図示は省略される。
<払拭ウエブの構造の説明>
図15は払拭ウエブの構造例が示される斜視図である。図15に示された払拭ウエブ310Aは、複数の抑制部311Aが形成される。図15に示された抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの長手方向における払拭ウエブ310Aの繊維が分断された構造を有している。
払拭ウエブ収納容器400の外側の払拭ウエブ310Aは、洗浄液の蒸発が進行する。払拭ウエブ収納容器400の外側の払拭ウエブ310Aは、払拭ウエブ収納容器400の内部の払拭ウエブ310Aと比較して、洗浄液の含有量が少なくなる。
払拭ウエブ310Aの毛管力の作用に起因して、払拭ウエブ310Aに含浸させた洗浄液は、払拭ウエブ310Aの繊維を伝わる。そうすると、払拭ウエブ310Aに含浸させた洗浄液は、払拭ウエブ収納容器400の外側の払拭ウエブ310Aへ流出してしまう。
そこで、払拭ウエブ310Aの長手方向における払拭ウエブ310Aの繊維の一部を分断させる構造を用いて、毛管力の作用を低下させることに起因して、抑制部311Aを挟んで隣接する領域の間における洗浄液の流通が阻害される。これにより、払拭ウエブ310に含浸させた洗浄液の、払拭ウエブ収納容器400の外側の払拭ウエブ310への流出が抑制される。
図15に示された複数の抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの長手方向について等間隔に形成される。ここでいう間隔は距離を表している。払拭ウエブ310Aの長手方向における抑制部311Aの配置間隔は、一回の払拭処理に使用される払拭ウエブ310Aの長さ以上とされる。
なお、払拭ウエブ310Aの長手方向は、払拭ウエブ310Aの走行方向と読み替え可能である。払拭ウエブ310Aの短手方向は、払拭ウエブ310Aの走行方向と直交する方向、又は払拭ウエブ310Aの幅方向と読み替え可能である。
以下に、一回の払拭処理に使用される払拭ウエブ310Aの長さの算出例が示される。図14に示された液体吐出ヘッド56の移動速度の絶対値はVとされる。払拭ウエブ310の走行速度の絶対値はVとされる。速度の絶対値はV、及び速度の絶対値Vの単位はミリメートル毎秒である。液体吐出ヘッド56の長手方向の全長はXとされる。長さXの単位はミリメートルである。
液体吐出ヘッド56が液体吐出面277と払拭ウエブ310との接触位置を通過する期間はthwとされる。期間thwの単位は秒である。期間thwは以下の式1を用いて表される。
hw=X/V …式1
一回の払拭処理に使用される払拭ウエブ310の長さXは、期間thwの間に払拭ウエブ310が移動する距離として求められる。一回の払拭処理に使用される払拭ウエブ310の長さXは、以下の式2を用いて表される。長さXの単位はミリメートルである。
=V×thw …式2
図15に示された抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの繊維一部が欠落している。払拭ウエブ310Aは、繊維の一部が欠落している部分において、図14に示された液体吐出ヘッド56の液体吐出面277と非接触となる。
そうすると、図15に示された抑制部311Aを図14に示された液体吐出ヘッド56の液体吐出面277に接触させた際に、拭き残し等の発生が懸念される。そこで、図15に示された抑制部311Aは、払拭処理の際に非使用とされる。一回の払拭処理の際に、抑制部311Aが非使用とされることに起因して、払拭処理の際の拭き残し等が抑制される。払拭ウエブ310Aを停止させる際は、図14に示された払拭ウエブ収納容器400の出口402の位置に、抑制部311Aを停止させることが好ましい。抑制部311Aの停止は、出口402における払拭ウエブ収納容器400の内側の位置であることが好ましい。
図15に示された抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの短手方向に沿って形成される。また、抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの短手方向について、払拭ウエブ310Aの全長に対応する長さを有している。図15に示された抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの短手方向と交差する斜め方向に沿って形成されてもよい。図16に示されたる払拭ウエブ310B、及び図17に示される払拭ウエブ310Cについても、同様である。
抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの短手方向について、払拭ウエブ310Aの全長未満の長さを有していてもよい。払拭ウエブ310Aの全長に対応する長さの例として、払拭ウエブ310Aの全長以下の長さが挙げられる。
図15に示された抑制部311Aは、払拭ウエブ310Aの短手方向に沿って、複数の穴部311B、及び複数の非穴部311Cを有している。図15に示された抑制部311Aは、穴部311Bと非穴部311Cとが交互に配置される。
図15に示された穴部311Bの開口の平面形状は長方形である。ここでいう長方形は、頂角が丸められた形状を有していてもよい。図15に示された穴部311Bは、払拭ウエブ310Aの短手方向の長さが、払拭ウエブ310Aの長手方向の長さの十分の一以下とされる。
また、図15に示された抑制部311Aは、穴部311Bの面積を非穴部311Cの面積で除算して算出される、穴部311Bの面積と非穴部311Cとの面積比が1である。
穴部311Bと非穴部311Cとの面積比は、洗浄液の蒸発の抑制と、払拭ウエブ310Aの強度とのバランスが考慮されて決めることができる。例えば、穴部311Bと非穴部311Cとの面積比を相対的に大きくすると、洗浄液の流れを、より抑制させることが可能である。
一方、穴部311Bと非穴部311Cとの面積比を相対的に小さくすると、払拭ウエブ310Aの強度の低下が懸念される。そこで、払拭ウエブ310の強度、及び洗浄液の流れの抑制の程度を考慮して、穴部311Bと非穴部311Cとの面積比が決められる。
払拭ウエブ310Aの長手方向における穴部311Bの長さは、図13に示されたニップローラ対408を用いてニップされた際に、ニップローラ対408を用いて穴部311Bが被覆される長さとしてもよい。本明細書におけるニップは挟持と読み替えが可能である。
図16は穴部の変形例が示される斜視図である。図16に示された払拭ウエブ310Bの抑制部311Dは、図15に示された払拭ウエブ310Aの穴部311Bに代わり、図16に示された楕円穴部311Eを備えている。
楕円穴部311Eの開口の平面形状は楕円形状である。楕円穴部311Eにおける長軸の方向は、払拭ウエブ310Bの短手方向に平行となる方向である。楕円穴部311Eにおける短軸の方向は、払拭ウエブ310Bの長手方向に平行となる方向である。
楕円穴部311Eの長軸半径を短軸半径で除算した値は1以上10未満とすることが可能である。なお、楕円穴部311Eの長軸が払拭ウエブ310Bの長手方向に平行となる方向とされ、楕円穴部311Eの短軸が払拭ウエブ310Bの短手方向に平行となる方向とされてもよい。
楕円穴部311Eの長軸が払拭ウエブ310Bの長手方向に平行となる方向とされ、楕円穴部311Eの短軸が払拭ウエブ310Bの短手方向に平行となる方向とされると、払拭ウエブ310Bの長手方向における抑制部311Dの長さが相対的に長くなり、払拭ウエブ310Bの長手方向における払拭処理に使用されない領域の長さが相対的に長くなってしまう。
したがって、楕円穴部311Eの長軸が払拭ウエブ310Bの短手方向に平行となる方向とされ、楕円穴部311Eの短軸が払拭ウエブ310Bの長手方向に平行となる方向とされる態様が好ましい。
図17は払拭ウエブの他の構造例が示される斜視図である。図17に示された払拭ウエブ310Cは、図15に示された抑制部311Aに代わり、図17に示された抑制部311Fが形成される。抑制部311Fは、払拭ウエブ310Bの繊維が溶かされた後に硬化させた構造である、加熱加圧痕が適用される。
図17には、払拭ウエブ310Cの短手方向について連続する抑制部311Fが例示されているが、払拭ウエブ310Cの短手方向について、間欠的に抑制部311Fが形成されてもよい。
払拭ウエブ310Cの長手方向における抑制部311Fの長さは、より短いことが好ましい。払拭ウエブ310Cの長手方向における抑制部311Fの長さは、図13に示されたニップローラ対408が、図17に示された払拭ウエブ310Cをニップする際に、払拭ウエブ310Cの長手方向について、図13に示されたニップローラ対408が、図17に示された払拭ウエブ310Cに接触する長さ以下としてもよい。
図17に示された抑制部311Fは、払拭ウエブ310Cの長手方向について、二列にジグザグ状に形成されてもよい。
[払拭ウエブの構造に起因する作用効果]
図15に示された払拭ウエブ310Aによれば、払拭ウエブ310Aの短手方向に沿って抑制部311Aが形成されることに起因して、抑制部311Aの位置において、払拭ウエブ310Aの長手方向に沿う払拭ウエブ310Aの毛管力を低下させる。これにより、払拭ウエブ310Aの長手方向に沿う払拭ウエブ310Aの繊維を介した洗浄液の流れが抑制される。
また、一回の払拭処理に使用される払拭ウエブ310Aの長さに対応して、払拭ウエブ310Aの長手方向における抑制部311Aの配置間隔が決められことに起因して、抑制部311Aを払拭処理に使用せずに済む。これにより、抑制部311Aが形成されたことに起因する払拭への影響を抑制することが可能である。
図16に示された払拭ウエブ310B、及び図17に示された払拭ウエブ310Cについても、同様の作用効果を得ることが可能である。
[払拭ウエブ収納容器の詳細な説明]
<払拭ウエブ収納容器の構造例>
図18は払拭ウエブ収納容器の他の構造例が示される斜視図である。図18に示された払拭ウエブ収納容器400Aは、払拭ウエブ収納部406A、及び出口形成部401Aを備えている。
払拭ウエブ収納部406Aは、本体部406B、蓋部406C、及び開口部406Dを備えている。本体部406B、及び蓋部406Cは、互いに嵌め合わせが可能な形状であり、且つ、互いに密着が可能な形状を有している。
開口部406Dは、本体部406B、及び蓋部406Cを貫通する貫通穴である。開口部406Dは、図18に図示されない駆動接続部が形成される。駆動接続部は図27に符号406Eが付されて図示される。
出口形成部401Aは、払拭ウエブ収納部406Aの外周面410から突出した部分である。出口形成部401Aの先端は、出口402が形成されている。図18に示された矢印線は、払拭ウエブ310の繰出方向を表している。
図19は図18に示された払拭ウエブ収納容器の分解斜視図である。図19に示された払拭ウエブ310の巻芯310Dは、本体部406Bの開口部406Dに位置合わせがされ、払拭ウエブ310は本体部406Bへ取り付けられる。
本体部406Bの出口形成部401Aは、ばね支持部409、及びニップローラ408A、及び図示されないばねを備えている。図19に図示されないばねは、図20に符号414が付されて図示される。図19に符号401Bが付された面は、払拭ウエブ収納部406Aの内側の面であるニップ面である。
図19に示された払拭ウエブ収納容器400Aは、図13に示されたニップローラ対408に代わり、ニップローラ408A、ばね支持部409、ニップ面401B、及び図示されないばねを備えたニップ部420を備えている。
ニップ部420は、本体部406Bの出口形成部401A、及び蓋部406Cの出口形成部401Aの両者に、ばね支持部409、及び図示されないばねを備えていてもよい。図19に示されたニップ部420は挟持部の一態様である。図19に示されたニップローラ408A、ばね支持部409、ニップ面401B、及び図20に示されるばね414は、付勢部の構成要素である。
図20は図18に示された払拭ウエブ収納容器の内部構造例が示される斜視図である。図20は、図18、及び図19に示された払拭ウエブ収納容器400Aに払拭ウエブ310が収納された状態が図示されている。
払拭ウエブ310の巻芯310Dは、本体部406Bの開口部406Dに取り付けられる。払拭ウエブ310は、本体部406Bが用いられて、巻芯310Dを回転軸として回転可能に支持される。
払拭ウエブ310は、ガイドローラ416を用いて案内され、出口402へ導かれる払拭ウエブ310は、払拭ウエブ収納容器400Aの内部であり、出口402の手前の位置において、ニップローラ408Aとニップ面401Bとが用いられてニップされる。なお、図20では図19に示されたニップ面401Bの図示は省略される。
払拭ウエブ収納容器400Aの内側にニップローラ408Aが備えられるので、払拭ウエブ収納容器400Aの内側において、払拭ウエブ310の挟持が可能である。ニップローラ408Aの表面は、払拭ウエブ310をニップ面401Bへ押し付けた際に変形する弾性を有する材料が適用される。
ニップローラ408Aは、ばね414が用いられてニップ面401Bに向けて付勢される。ニップローラ408Aは、払拭ウエブ310をニップ面401Bへ押し付ける。ばね414は適切なニップ圧力が実現されるばね定数を有している。
ニップローラ408Aとニップ面401Bとが用いられる、払拭ウエブ310のニップに起因して出口402が密閉される。これにより、払拭ウエブ収納容器400Aの内部の水分の蒸発が抑制される。払拭ウエブ収納容器400Aの内部の水分は、払拭ウエブ310に含浸させた洗浄液の溶媒が含まれる。
ここでいう密閉は、厳密な意味の密閉だけでなく、ニップローラ408Aと払拭ウエブ310の隙間、及びニップ面401Bと払拭ウエブ310の隙間の少なくともいずれか一方を介して、微量な水分が払拭ウエブ収納容器400Aの内部から外部へ流出するものの、払拭ウエブ収納容器400Aの内部の水分量が十分な状態が維持される実質的な密閉が含まれていてもよい。
また、ニップローラ408Aとニップ面401Bとが用いられて、払拭ウエブ310がニップされた状態において払拭ウエブ310が搬送されることに起因して、払拭ウエブ310が絞られる。これにより、払拭ウエブ310に含浸させた洗浄液の一部が除去され、払拭ウエブ収納容器400Aの内部から外部への洗浄液の流出が防止される。
払拭ウエブ310を走行させる際に、ニップローラ408Aとニップ面401Bとを用いたニップの圧力を調整することに起因して、払拭ウエブ310に含浸させた洗浄液を除去する量の調整が可能である。
<ニップ部の構成例>
図21から図23はニップ部の他の構成例が示される模式図である。ニップ部の一態様として、図13に示されたニップローラ対408が挙げられる。ニップ部の他の一態様として、図20に示されたニップローラ408A、ばね支持部409、ニップ面401B、及びばね414が挙げられる。
図21に示されたニップ部420Aは、図20に示されたニップローラ408Aに代わり、板状弾性部材422を備えている。板状弾性部材422の一例としてエラストマーが挙げられる。図21に示された板状弾性部材422は、基端側が支持部材424を用いて支持される。板状弾性部材422は、先端側を払拭ウエブ310に押し付けて、出口形成部401Aとの間で払拭ウエブ310をニップする。
図21に示されたニップ部420Aは、収納容器の内側の面に向けて払拭シートを付勢する付勢部を備えた挟持部の一態様である。板状弾性部材422は付勢部の構成要素である。
図22に示されたニップ部420Bは、図13に示されたニップローラ対408を備えている。図13には、払拭ウエブ収納容器400の外周面410の側にニップローラ対408が配置されている。ニップローラ対408は、図18に示された払拭ウエブ収納容器400Aの出口形成部401Aに配置されてもよい。図22に示されたニップ部420Bは、複数のローラを備えた挟持部の一態様である。
図23に示されたニップ部420Cは、走行路規制構造体430、第一ニップローラ432、及び第二ニップローラ434を備えている。走行路規制構造体430は、払拭ウエブ310の走行路を二回折り返す構造を有している。
走行路規制構造体430の第一ニップローラ432が配置される位置において、払拭ウエブ310は折り返しがされる。第一ニップローラ432が配置される位置において、払拭ウエブ310は走行路規制構造体430の内壁に押し付けられてもよい。
また、走行路規制構造体430の第二ニップローラ434が配置される位置において、払拭ウエブ310は折り返しがされる。走行路規制構造体430の第二ニップローラ434が配置される位置において、払拭ウエブ310は走行路規制構造体430の内壁に押し付けられてもよい。
走行路規制構造体430における払拭ウエブ310を折り返す構造は、三か所以上であってもよい。一方、走行路規制構造体430における払拭ウエブ310を折り返す構造が相対的に多くされると、払拭ウエブ310の走行の障害となる可能性があるので、走行路規制構造体430における払拭ウエブ310を折り返す構造は必要最小限の数とされることが好ましい。図23に示されたニップ部420Cは、挟持部の一態様である。
<洗浄液貯留部の説明>
図24は洗浄液貯留部の構造例が示される払拭ウエブ収納容器の本体部の平面図である。図24は、払拭ウエブ収納容器400Aの本体部406Bに、払拭ウエブ310が収納された状態が図示されている。
図24に示された払拭ウエブ収納容器400Aは、洗浄液貯留部436を備えている。洗浄液貯留部436は、払拭ウエブ収納容器400Aの底面436Aに形成される。払拭ウエブ310は、ガイドローラ416に案内されて洗浄液貯留部436を通過する。ガイドローラ416はガイド部材の一態様である。
払拭ウエブ収納容器400Aの底面436Aは、払拭ウエブ310に含浸させた洗浄液のうち、払拭ウエブ310から除去された洗浄液が溜められる。払拭ウエブ310のうち、払拭ウエブ収納容器400Aの外部の払拭ウエブ310は、払拭ウエブ収納容器400Aの内部の払拭ウエブ310と比較して、水分の蒸発が進行する。
払拭ウエブ310を用いた払拭処理が実行される前に、払拭ウエブ収納容器400Aの外部の払拭ウエブ310が、ガイドローラ416に案内されて洗浄液貯留部436へ戻されることに起因して、払拭ウエブ310の全体に洗浄液を含浸させることが可能となる。
払拭ウエブ収納容器400Aの外部の払拭ウエブ310が、払拭ウエブ収納容器400Aの洗浄液貯留部436へ戻される処理は、払拭処理の際と払拭ウエブ310を逆方向へ走行させて実現することが可能である。
払拭処理の際と払拭ウエブ310を逆方向へ走行させる構成として、図24に示された巻芯310Dに駆動力の伝達構造を連結させ、モータ等の駆動源を用いて、駆動力の伝達構造を介して巻芯310Dを回転させればよい。モータ等の駆動源を制御する走行制御部は、図2に示されたメンテナンス制御部126に含まれる。図2に示されたメンテナンス制御部126は、走行制御部の一態様である。
<払拭ウエブの巻芯の構造例>
図25は払拭ウエブの巻芯の構造例が示される斜視図である。図26は払拭ウエブの巻芯の構造例が示される側面図である。図25、及び図26に示された巻芯310Dは、内周面に溝310Gが形成されている。
溝310Gは、払拭ウエブ310を巻き戻す際の駆動力の伝達構造が連結される。溝310Gは、巻芯310Dの長手方向の全長に対応する長さを有していてもよい。溝310Gは、巻芯310Dの長手方向の全長未満の長さを有していてもよい。
図27は払拭ウエブ収納容器の斜視断面図である。図27は図18に示された27−27線に沿う断面が示されている。図27に示された開口部406Dは、開口部406Dの長手方向の中央部に駆動接続部406Eが形成されている。
図27に示された開口部406Dは、駆動接続部406Eの位置において、切断された構造を有している。開口部406Dの長手方向の中央部とは、開口部406Dの長手方向について、開口部406Dを二等分する位置である開口部406Dの中央位置を含む領域である。
開口部406Dの駆動接続部406Eにおいて、図25に示された巻芯310Dの溝310Gが露出する。これにより、駆動接続部406Eを介して、巻芯310Dの溝310Gへの払拭ウエブ310を巻き戻す際の駆動力の伝達構造の連結が可能となる。
<キャップの説明>
図28は払拭ウエブ収納容器に取り付け可能なキャップの一例が示される斜視図である。図28に示されたキャップ500は、出口形成部401Aに取り付けが可能な形状を有している。また、キャップ500は、出口形成部401Aに取り付けが可能な構造を有している。
キャップ500は、払拭ウエブ収納容器400Aと同じ材料が用いられてもよい。キャップ500は、払拭ウエブ収納容器400Aと異なる材料が用いられてもよい。キャップ500の材料は限定されない。キャップ500は、出口形成部401Aを塞ぐことが可能であり、水分が非透過であればよい。また、キャップ500は、出口形成部401Aに固定が可能であればよい。
キャップ500は、工場の出荷検査が終了した後に出口形成部401Aに取り付けられてもよい。キャップ500は、払拭ウエブ収納容器400Aが図10に示されたクリーナ300に搭載される際に取り外される。
キャップ500は、払拭ウエブ収納容器400Aに払拭ウエブ310が収納された状態において保管される際に、出口形成部401Aに取り付けられてもよい。
払拭ウエブ収納容器400Aの出口形成部401Aにキャップ500が取り付けられることに起因して、クリーナ300に未搭載の払拭ウエブ収納容器400Aにおける払拭ウエブ310の水分の蒸発が、より抑制される。
[払拭ウエブ収納容器の作用効果]
上記の如く構成された払拭ウエブ収納容器によれば、ニップ部が用いられて払拭ウエブ収納容器の出口が密閉されることに起因して、払拭ウエブ収納容器の水分の蒸発が抑制される。
ニップ部が用いられて払拭ウエブが絞られることに起因して、払拭ウエブに含浸させた洗浄液の一部が除去される。これにより、払拭ウエブの余分な洗浄液が除去される。また、払拭ウエブから除去された洗浄液は払拭ウエブ収納容器の洗浄液貯留部に溜められる。これにより、払拭ウエブ収納容器の外部に露出した払拭ウエブを巻き戻し、巻き戻した払拭ウエブに対して洗浄液貯留部に溜められた洗浄液の付与が可能となる。
更に、払拭ウエブの構造に起因する作用効果との相乗効果を得ることが可能であり、払拭ウエブ収納容器の内部から外部への洗浄液の流出が抑制される。
[メンテナンス方法のフローチャートの説明]
図29はメンテナンス方法の制御の流れが示されるフローチャートである。ここでいうメンテナンスとは、液体吐出ヘッドの使用に起因して、液体吐出ヘッドの吐出性能の低下が生じた際の回復処理が含まれる。回復処理は、液体吐出ヘッドの液体吐出面の払拭処理が含まれる。
メンテナンスモード実行判定工程S10では、図2に示されたメンテナンス制御部126がメンテナンス実行命令を受信したか否かが判定される。
図29のメンテナンスモード実行判定工程S10において、図2に示されたメンテナンス制御部126がメンテナンス実行命令を受信していない場合は、No判定とされる。No判定の場合は、図29のメンテナンスモード実行判定工程S10においてYes判定とされるまで、メンテナンスモード実行判定工程S10が繰り返し実行される。
図29のメンテナンスモード実行判定工程S10において、図2に示されたメンテナンス制御部126がメンテナンス実行命令を受信した場合は、Yes判定とされる。Yes判定の場合は、図29の経過期間判定工程S12が実行される。
経過期間判定工程S12では、図2に示されたメンテナンス制御部126は、前回のウエブの送りからの経過期間が、予め決められた基準期間以上であるか否かを判断する。前回のウエブの送りとは、前回の払拭処理におけるウエブの走行である。予め決められた閾値はt分とされる。
前回のウエブの送りからの経過期間を計測する計測部は、図2に示されたメンテナンス制御部126に含まれている。図2に示されたメンテナンス制御部126とは別に、前回のウエブの送りからの経過期間を計測する計測部を備えてもよい。
図29の経過期間判定工程S12では、計測部を用いて取得された計測結果を取得する。経過期間判定工程S12では、計測結果を用いて、前回のウエブの送りからの経過期間が、予め決められた基準期間t分以上であるか否かを判断する。
経過期間判定工程S12において、前回のウエブの送りからの経過期間が、予め決められた基準期間t分未満の場合は、No判定とされる。No判定の場合は、メンテナンスシーケンス実行工程S16へ進む。
経過期間判定工程S12において、前回のウエブの送りからの経過期間が、予め決められた基準期間t分以上の場合は、Yes判定とされる。Yes判定の場合は、巻戻し工程S14へ進む。
巻戻し工程S14では、図2に示されたメンテナンス制御部126は、図18に示された払拭ウエブ収納容器400Aの外部に露出していた払拭ウエブ310が、図24に示された洗浄液貯留部436へ到達するまで、払拭ウエブ310を巻き戻す。図29に示される例では、図18に示された払拭ウエブ310が巻き戻しされる長さはsミリメートルとされる。
更に、図29の巻戻し工程S14では、図2に示されたメンテナンス制御部126は、図18に示された払拭ウエブ310をsミリメートル送り出す。これにより、図18に示された払拭ウエブ収納容器400Aの外部に露出していた払拭ウエブ310に対して洗浄液を含浸させることが可能となる。
図29の巻戻し工程S14の後に、メンテナンスシーケンス実行工程S16が実行される。メンテナンスシーケンス実行工程S16では、図2に示されたメンテナンス制御部126は、メンテナンス部28を用いて、図7に示された液体吐出ヘッド56C、液体吐出ヘッド56M、液体吐出ヘッド56Y、及び液体吐出ヘッド56Kに対してメンテナンスシーケンスを実行する。
メンテナンスシーケンスは、液体吐出ヘッド56Cの液体吐出面277Cの払拭処理、液体吐出ヘッド56Mの液体吐出面277Mの払拭処理、液体吐出ヘッド56Yの液体吐出面277Yの払拭処理、及び液体吐出ヘッド56Kの液体吐出面277Kの払拭処理が含まれる。
図29のメンテナンスシーケンス実行工程S16の後に、メンテナンス方法は終了される。図29に示されたメンテナンス方法は、払拭装置において、液体吐出ヘッドの液体吐出面の払拭方法に適用してもよい。
[メンテナンス方法の作用効果]
上記の如く構成されたメンテナンス方法によれば、先に説明がされた払拭ウエブ収納容器の作用効果と同様の作用効果を得ることが可能である。
本明細書では、搬送ドラムが用いられて用紙が搬送される態様が例示されているが、搬送ベルト、ニップローラ等の搬送部材が用いられて用紙が搬送されてもよい。
本明細書では、液体吐出装置の一例としてインクジェット記録装置が例示されているが、液体吐出装置は、グラフィック用途のインクジェット記録装置に限定されず、工業用途である電気配線形成、マスクパターン形成を行うインクジェット方式のパターン形成装置に対しても広く適用することが可能である。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
1 水平面
10 インクジェット記録装置
11 搬送系
12 給紙部
14 処理液付与部
15 ヘッド支持部
16 処理液乾燥処理部
18 描画部
20 インク乾燥処理部
24 排紙部
28 メンテナンス部
30 給紙台
32 サッカー装置
34 給紙ローラ対
36 フィーダボード
36A リテーナ
36B ガイドローラ
38 前当て
40 給紙ドラム
40A、42A、46A、52A、64D グリッパー
40B、42B、46B、52B 回転軸
42 処理液ドラム
42C、46C、52C 外周面
44 処理液付与装置
46 処理液乾燥処理ドラム
48 用紙搬送ガイド
50 処理液乾燥処理ユニット
52 描画ドラム
52D 本体フレーム
52E 軸受
54 用紙押さえローラ
56、56C、56M、56Y、56K 液体吐出ヘッド
58 インラインセンサ
64 チェーングリッパー
64A 第一スプロケット
64B 第二スプロケット
64C チェーン
68 インク乾燥処理ユニット
72、73 ガイドプレート
76 排紙台
82L、82R サイドプレート
84 連結フレーム
86C、86M、86Y、86K 取付部
88C、88M、88Y、88K 被取付部
90 ヘッドクリーニングユニット
94 保湿ユニット
95C、95M、95Y、95K 装着部
100 システムコントローラ
100A CPU
100B ROM
100C RAM
102 通信部
103 ホストコンピュータ
104 画像メモリ
110 搬送制御部
112 給紙制御部
114 処理液付与制御部
116 処理液乾燥制御部
118 描画制御部
120 インク乾燥制御部
124 排紙制御部
126 メンテナンス制御部
130 操作部
132 表示部
134 パラメータ記憶部
136 プログラム格納部
200 ヘッドモジュール
210 流路構造体
214 インク供給路
216 個別供給路
218 圧力室
220 ノズル連通路
226 循環個別流路
228 循環共通流路
230 圧電素子
231 圧電体層
232 インク供給室
236 インク循環室
252 供給側個別流路
256 回収側個別流路
264 上部電極
265 下部電極
266 振動板
267 接着層
275 ノズルプレート
277、277C、277M、277Y、277K 液体吐出面
280 ノズル開口
281 ノズル部
300、300C、300M、300Y、300K クリーナ
310、310A、310B、310C 払拭ウエブ
310D 巻芯
310G 溝
311A、311D、311F 抑制部
311B 穴部
311C 非穴部
311E 楕円穴部
312 ケース
316 巻取軸
318、358 押圧ローラ
319 付勢部
320 前段ガイド
322 後段ガイド
324 フィードローラ
326 ケース本体
328 蓋
330 ヒンジ
332 ロック爪
334 爪受部
346L 第一軸支持部
346R 第二軸支持部
358 巻取ギア
360 第一前段ガイド
362 第二前段ガイド
364 第一後段ガイド
362L、362R フランジ部
366 第二後段ガイド
366L、366R フランジ部
368A、368B ブラケット
378 昇降レバー
382 ピン
386 ローラ駆動ギア
388 アイドルギア
392 駆動ギア
393 ラック
394 モータ
400、400A 払拭ウエブ収納容器
401A 出口形成部
401B ニップ面
402 出口
404 繰出軸
406、406A 払拭ウエブ収納部
406B 本体部
406C 蓋部
406D 開口部
406E 駆動接続部
408 ニップローラ対
408A ニップローラ
409 ばね支持部
410 外周面
414 ばね
416 ガイドローラ
420、420A、420B、420C ニップ部
422 板状弾性部材
424 支持部材
430 走行路規制構造体
432 第一ニップローラ
434 第二ニップローラ
436 洗浄液貯留部
436A 底面
440 第一ギア
442 第二ギア
444 第三ギア
500 キャップ
S 用紙
S10からS16 メンテナンス方法の各工程

Claims (14)

  1. 液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭シートであり、洗浄液を含浸させた払拭シートと、
    前記払拭シートが収納される収納部、及び前記払拭シートの出口を備えた収納容器であり、前記出口を除いた非出口領域において気密性を有する収納容器と、
    前記収納容器が取り付けられる筐体と、
    前記収納容器の前記出口を介して、前記筐体に形成された走行経路に沿って、前記収納容器から繰り出された払拭シートを走行させる払拭シート走行部と、
    を備え、
    前記払拭シートは、前記払拭シートにおける前記洗浄液の流れを抑制する構造である抑制部であり、前記払拭シートの走行方向と交差する方向に沿う抑制部が形成される払拭装置。
  2. 前記払拭シートは、前記収納容器の前記収納部に、ロール状に巻かれた状態で収納される請求項1に記載の払拭装置。
  3. 前記収納容器は、前記払拭シートの走行方向と交差する方向について、前記払拭シートの第一面、及び前記第一面の反対側の第二面に接触して、前記払拭シートに形成された前記抑制部を前記払拭シートの第一面、及び前記第二面から挟持する挟持部を備え、
    前記挟持部は、前記出口に配置される請求項1又は2に記載の払拭装置。
  4. 前記挟持部は、前記払拭シートの経路が折り返される構造を有する請求項3に記載の払拭装置。
  5. 前記挟持部は、前記収納容器の内側の面に向けて前記払拭シートを付勢する付勢部を備えた請求項3に記載の払拭装置。
  6. 前記挟持部は、複数のローラを備えた請求項3に記載の払拭装置。
  7. 前記挟持部は、前記収納容器の内側に配置される請求項3から6のいずれか一項に記載の払拭装置。
  8. 前記挟持部は、前記収納容器の外側に配置される請求項3から6のいずれか一項に記載の払拭装置。
  9. 前記出口に取り付けられるキャップを備えた請求項1から8のいずれか一項に記載の払拭装置。
  10. 前記液体吐出ヘッドと前記払拭シートの走行経路が形成される前記筐体とを相対的に移動させる相対移動部を備えた請求項1から9のいずれか一項に記載の払拭装置。
  11. 前記払拭シートは、前記払拭シートの走行方向に沿って複数の抑制部が形成され、
    前記複数の抑制部は、一回の払拭処理に使用される前記払拭シートの長さに対応する間隔で配置される請求項1から10のいずれか一項に記載の払拭装置。
  12. 液体を吐出させる液体吐出面を備えた液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドの前記液体吐出面を払拭する払拭装置と、
    を備え、
    前記払拭装置は、前記液体吐出面を払拭する払拭シートであり、洗浄液を含浸させた払拭シートが収納される収納部、前記払拭シートの出口を備えた収納容器であり、前記出口を除いた非出口領域において気密性を有する収納容器、前記収納容器が取り付けられる筐体、及び前記収納容器の前記出口を介して、前記筐体に形成された走行経路に沿って、前記収納容器から繰り出された払拭シートを走行させる払拭シート走行部を備え、
    前記払拭シートは、前記払拭シートにおける前記洗浄液の流れを抑制する構造である抑制部であり、前記払拭シートの走行方向と交差する方向に沿う抑制部が形成される液体吐出装置。
  13. 前記収納容器は、洗浄液を貯留する洗浄液貯留部と、
    前記払拭シートが前記洗浄液貯留部に貯留されている洗浄液に接触する位置に前記払拭シートを案内するガイド部材と、
    を備えた請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記払拭シート走行部を用いた前記払拭シートの走行を制御する走行制御部と、
    前記払拭シートの前回の使用からの経過期間を計測する計測部と、
    を備え、
    前記走行制御部は、前記計測部を用いて計測された前記払拭シートの前回の使用からの経過期間が予め決められた基準期間以上の場合に、前記払拭シート走行部を動作させて、前記収納容器の外部に露出している前記払拭シートを、前記収納容器の前記洗浄液貯留部の位置まで巻き戻す請求項13に記載の液体吐出装置。
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