JP2018085308A - 電動車両の燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の少なくとも一実施形態は、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制することができる電動車両の燃料電池装置を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料電池3と、燃料電池で発生される電力を充電する二次電池5と、主に二次電池からの電力で駆動する走行用モータ7とを備える電動車両の燃料電池装置であって、燃料電池の空気極11に酸素を供給する酸素供給手段27と、燃料電池の燃料極13に水素を供給する水素供給手段39と、燃料電池の起動時に、酸素供給手段及び前記水素供給手段を制御して、燃料電池の起動を制御する起動制御手段25と、を備え、起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に空気コンプレッサ23を停止した状態で外部から空気極に事前空気を取り入れることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池3と、燃料電池で発生される電力を充電する二次電池5と、主に二次電池からの電力で駆動する走行用モータ7とを備える電動車両の燃料電池装置であって、燃料電池の空気極11に酸素を供給する酸素供給手段27と、燃料電池の燃料極13に水素を供給する水素供給手段39と、燃料電池の起動時に、酸素供給手段及び前記水素供給手段を制御して、燃料電池の起動を制御する起動制御手段25と、を備え、起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に空気コンプレッサ23を停止した状態で外部から空気極に事前空気を取り入れることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本開示は、電動車両の燃料電池装置に関する。
一般的な燃料電池車両に搭載される燃料電池は、主に駆動用として機能するため、ドライバーからの要求出力(負荷出力)を燃料電池出力によって応じるため、速い起動制御が要求される。そのため、大流量のガス(水素、空気)を燃料電池内部に供給する必要があり、特に、空気用コンプレッサの起動時の負荷が大きいことが想定される。
また、駆動用として燃料電池は機能しているため、車両が発進や加速するたびに燃料電池は起動するため、空気用コンプレッサ起動頻度が多くなり、空気用コンプレッサの延べ起動回数を合計した積算負荷も大きくなる。
その結果、燃料電池の電極触媒の劣化の増大や空気用コンプレッサの起動時の負荷が増大する問題がある。
その結果、燃料電池の電極触媒の劣化の増大や空気用コンプレッサの起動時の負荷が増大する問題がある。
一方、燃料電池の劣化抑制の観点から、特許文献1が知られており、かかる文献には、燃料電池システムのアイドルストップ状態時(燃料電池が運転を休止している状態時)において、最大セル電圧が予め設定された所定電圧以下となるように空気コンプレッサを稼働させて、燃料電池スタックに空気を間欠的に供給制御することが示されている。
また、特許文献2には、不純物に起因する発電性能低下を抑え、耐久性に優れた燃料電池システムを提供することを目的に、燃料電池発電中に触媒層中の水量を制御して、低負荷時に水量を増大させて、その水により、燃料電池内に蓄積した不純物を除去することが示されている。
しかしながら、特許文献1は、燃料電池システムのアイドルストップ状態時(燃料電池が運転を休止している状態時)における空気コンプレッサの制御であり、燃料電池の起動時における空気コンプレッサの制御については示されていない。
また、特許文献2においては、燃料電池の触媒中の水量を制御することは示されているが、燃料電池内の不純物を除去するためであり、水量の制御によって燃料電池内のガスの拡散性を抑制して燃料電池の起動時の発電電力を抑制することは開示されていない。
また、特許文献2においては、燃料電池の触媒中の水量を制御することは示されているが、燃料電池内の不純物を除去するためであり、水量の制御によって燃料電池内のガスの拡散性を抑制して燃料電池の起動時の発電電力を抑制することは開示されていない。
そこで、上記技術的課題に鑑み、本発明の少なくとも一実施形態は、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制することができる電動車両の燃料電池装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両の燃料電池装置は、水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池で発生される電力を充電する二次電池と、を備える電動車両の燃料電池装置であって、
前記燃料電池の空気極に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記燃料電池の燃料極に水素を供給する水素供給手段と、
前記燃料電池の起動時に、前記酸素供給手段及び前記水素供給手段を制御して、燃料電池の起動を制御する起動制御手段と、を備え、
前記酸素供給手段は、前記燃料電池の空気極へ空気を圧送する空気コンプレッサを有し、前記起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に前記空気コンプレッサを停止した状態で外部から前記空気極に事前空気を取り入れる事前空気制御部を有することを特徴とする。
前記燃料電池の空気極に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記燃料電池の燃料極に水素を供給する水素供給手段と、
前記燃料電池の起動時に、前記酸素供給手段及び前記水素供給手段を制御して、燃料電池の起動を制御する起動制御手段と、を備え、
前記酸素供給手段は、前記燃料電池の空気極へ空気を圧送する空気コンプレッサを有し、前記起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に前記空気コンプレッサを停止した状態で外部から前記空気極に事前空気を取り入れる事前空気制御部を有することを特徴とする。
上記構成(1)によれば、燃料電池を二次電池の充電用として機能させることで、燃料電池の起動回数を低減し、且つ、起動時に求められる速いレスポンス性能の要求を回避することで、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制することができる。
また、起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に前記空気コンプレッサを停止した状態で外部から前記空気極に発電空気量より少量の事前空気を取り入れる事前空気制御部を有するので、事前空気の導入によって、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制できるようになる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、前記酸素供給手段は、前記空気極に供給される空気を加湿する加湿器を更に有し、前記起動制御手段は、前記事前空気の加湿状態を制御する加湿制御部を有することを特徴とする。
上記構成(2)によれば、事前空気の加湿状態を制御する加湿制御部を有することによって、事前空気が導入される空気極側の湿度を調整できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(2)において、前記加湿制御部は、前記事前空気によって前記空気極が過加湿状態となるように湿度状態を制御することを特徴とする。
上記構成(3)によれば、事前空気が導入される空気極側の湿度を過加湿状態に調整できる。その結果、発電空気を供給して燃料電池を起動する際に、空気極側の空隙を含む空気極触媒層内に液水を発生させることができ、その液水によって供給ガス(空気)の拡散性が低下して、起動時に生じる一時的な燃料電池のピーク電圧を抑制することができる。図5に示すように、過加湿状態下では触媒内の空隙に液水が充満し、供給ガスの空気中の酸素は、液水によって拡散性が抑制される。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(2)又は(3)において、前記加湿制御部によって制御された前記事前空気は、前記空気極及び前記燃料極の両方の極に供給されことを特徴とする。
上記構成(4)によれば、加湿制御部によって制御された事前空気は、空気極及び燃料極の両方の極に供給されるので、事前空気が導入される燃料極側の湿度を過加湿状態に調整できる。その結果、空気極における説明と同様に、発電水素を供給して燃料電池を起動する際に、燃料極側の空隙を含む燃料極触媒層内に液水を発生させることができ、その液水によって供給ガス(水素)の拡散性が低下して、起動時に生じる一時的な燃料電池のピーク電圧を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)から(4)のいずれかにおいて、前記起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に発電水素量より少量の事前水素を供給する事前水素制御部を有することを特徴とする。
上記構成(5)によれば、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に発電水素量より少量の事前水素を供給することによって、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制できるようになる。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(5)において、前記事前水素制御部は、起動開始前の発電スタンバイ時において前記事前空気制御部による事前空気の導入後に前記事前水素を供給することを特徴とする。
上記構成(6)によれば、事前水素は事前空気の導入後に行うことで、事前空気と事前水素の一時的な共存状態から発生する発電作用が生じないようにすることができ、これによって出力電圧の急激な立ち上がりを確実に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記構成(1)から(6)のいずれかにおいて、前記事前空気制御部は、前記空気コンプレッサをバイパスするバイパス通路への空気量を制御することを特徴とする。
上記構成(7)によれば、事前空気制御部は、空気コンプレッサを停止した状態で空気コンプレッサをバイパスするバイパス通路への空気量を制御することで、事前空気を大気圧または車両の走行風圧力によって確実に導入することができ、発電スタンバイ時の事前空気を確保できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記構成(1)から(7)のいずれかにおいて、前記起動制御手段による起動は、前記二次電池のSOCが所定閾値以下になった時に実行されることを特徴とする。
上記構成(8)によれば、二次電池のSOCが所定の閾値以下に低下した時に燃料電池が起動制御手段によって起動して二次電池に充電することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記構成(8)において、前記二次電池のSOCが、前記所定閾値以下に低下しなくても、前記起動制御手段による起動を実行させる起動スイッチを備えることを特徴とする。
上記構成(9)によれば、起動スイッチの操作によって、二次電池のSOCが、所定閾値以下に低下しなくても、起動制御手段による起動を実行させることができるので、ドライバーの意思によって、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制した起動が可能になる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の一実施形態に係る電動車両1の燃料電池装置2について、全体構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、電動車両1は、水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池3と、燃料電池3で発生される電力を充電する二次電池5と、主に二次電池5からの電力の供給を受けて駆動する走行用モータ7とを備えている。図1においては、前輪9側を走行用モータ7で駆動する例を示しているが、走行用モータを後輪側に設けても、前後輪両側に設けてもよい。
図1に示すように、電動車両1は、水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池3と、燃料電池3で発生される電力を充電する二次電池5と、主に二次電池5からの電力の供給を受けて駆動する走行用モータ7とを備えている。図1においては、前輪9側を走行用モータ7で駆動する例を示しているが、走行用モータを後輪側に設けても、前後輪両側に設けてもよい。
燃料電池(FC:Fuel Cell)3は、固体高分子電解質膜を挟んで空気極(カソード)と燃料極(アノード)とを対設した構造を有する発電セルを、セパレータで挟持して、これを複数積層して構成されている。
また、複数の発電セルの各空気極側の触媒層に酸素である空気が供給されるようになっており、各燃料極側の触媒層に燃料ガスの水素ガスが供給されるようになっている。
また、複数の発電セルの各空気極側の触媒層に酸素である空気が供給されるようになっており、各燃料極側の触媒層に燃料ガスの水素ガスが供給されるようになっている。
そして、この燃料電池においては、燃料極(アノード)に水素ガスを供給すると共に、空気極(カソード)に酸素を含む空気を供給すると、下記に示すような反応が生じるので、電極間に発生する起電力として電気エネルギーを取り出すことが可能となる。
燃料極(アノード):H2→2H++2e-
空気極(カソード):1/2O2+2H++2e-→H2O
燃料極(アノード):H2→2H++2e-
空気極(カソード):1/2O2+2H++2e-→H2O
図1においては、複数の発電セルの各空気極をまとめて便宜的に空気極11と示し、また、複数の発電セルの各燃料極をまとめて便宜的に燃料極13と示す。そして、燃料電池3には、空気極11に空気を供給する空気供給管15が接続され、燃料極13に水素ガスを供給する燃料ガス供給管17が接続されている。
空気供給管15には、上流端側にフィルタ19が設けられ、外部(大気)から取り入れられた大気圧または車両の走行風圧の空気から塵や埃が除去される。
フィルタ19の下流側には、空気供給弁21が設けられ、空気供給弁21の開閉作動によって空気の取り入れが制御される。空気供給弁21の下流側には、空気コンプレッサ23が設けられ、取り入れられた空気をさらに加圧する。
空気コンプレッサ23は、後述する起動制御手段25によって、空気コンプレッサの作動状態(回転速度状態)が制御され、燃料電池3の空気極11へ供給される空気流量が所望の値となるように制御される。
フィルタ19の下流側には、空気供給弁21が設けられ、空気供給弁21の開閉作動によって空気の取り入れが制御される。空気供給弁21の下流側には、空気コンプレッサ23が設けられ、取り入れられた空気をさらに加圧する。
空気コンプレッサ23は、後述する起動制御手段25によって、空気コンプレッサの作動状態(回転速度状態)が制御され、燃料電池3の空気極11へ供給される空気流量が所望の値となるように制御される。
空気コンプレッサ23の下流側には、加湿器26が設けられ、空気コンプレッサ23で加圧された空気、または空気コンプレッサ23が停止中であっても、大気圧または車両の走行風圧等によって空気コンプレッサ23内の隙間を通過した空気に対しても加湿を行い、燃料電池3の空気極11側へ導入される空気に対する湿度が制御される。
以上の空気供給管15、フィルタ19、空気供給弁21、空気コンプレッサ23、加湿器26を含んで燃料電池3の空気極11に酸素を供給する酸素供給手段27を構成している。
また、加湿器26の下流側には、空気供給管15と燃料ガス供給管17とを連通する連通管29に連通弁31が設けられている。この連通弁31が開状態のときに、加湿器26で加湿された空気の一部が燃料極13側に供給されるようになっている。
燃料ガス供給管17の上流端には、燃料ガスである水素を貯蔵する高圧水素タンク33が設けられる。高圧水素タンク33の下流側には、水素供給弁35が設けられ水素供給弁35の開閉作動によって水素の取り入れが制御される。水素供給弁35の下流側には、水素調流弁37が設けられ、高圧水素タンク33からの高圧水素ガスが減圧されて流量が制御されて、燃料電池3の燃料極13に供給される。
水素調流弁37は、後述する起動制御手段25によって、その開状態(開度量)が制御されて、燃料電池3の燃料極13へ供給される水素流量が所望の値となるように制御される。なお、水素調流弁37の下流側の燃料ガス供給管17に前述の連通管29が連結されている。
以上の高圧水素タンク33、燃料ガス供給管17、水素供給弁35、水素調流弁37を含んで燃料電池3の燃料極13に水素を供給する水素供給手段39を構成している。
以上の高圧水素タンク33、燃料ガス供給管17、水素供給弁35、水素調流弁37を含んで燃料電池3の燃料極13に水素を供給する水素供給手段39を構成している。
また、燃料電池3の空気極11および燃料極13にそれぞれ供給された空気、水素ガスは、それぞれ一部が消費され、未使用の空気、水素ガスは、空気排出管40、水素排出管42を介して外部(大気)に排出されるようになっている。
以上の酸素供給手段27、水素供給手段39、及び燃料電池3を備え、さらに後述する制御装置41を備えて、燃料電池装置2が構成されている。
次に、制御装置41について説明する。制御装置41は、燃料電池3の発電の起動および停止の制御、さらに燃料電池3からの発電電力の二次電池5および走行用モータ7への供給を総合的に制御する機能を有している。そして、制御装置41は、図1に示すように、主に起動制御手段25と、電力制御手段43とを有して構成される。
また、制御装置41には、図示しない信号入力部、信号出力部、記憶部、演算部、タイマー等が設けられている。信号入力部には、二次電池5の充電状態を検出する充電状態検出手段45から充電状態(SOC:State of Charge)の信号が入力される。
起動制御手段25は、燃料電池3の起動時の制御、すなわち発電スタンバイの制御も含めて、酸素供給手段27及び水素供給手段39を制御して、燃料電池3の発電の起動を制御する。
電力制御手段43は、燃料電池3で発生した電力を二次電池5に充電用として供給する電力経路47と、この電力経路47に加えて走行用モータ7にも電力を供給する電力経路49との電力供給経路を制御する。
燃料電池3で発生した電力は主に二次電池5に供給して充電に供されるが、二次電池5の充電状態では走行用モータ7の要求出力に対応できない状態になった場合には、燃料電池3からの発電電力の一部が走行用モータ7に供給されて走行出力が維持されるように制御される。
電力制御手段43は、燃料電池3で発生した電力を二次電池5に充電用として供給する電力経路47と、この電力経路47に加えて走行用モータ7にも電力を供給する電力経路49との電力供給経路を制御する。
燃料電池3で発生した電力は主に二次電池5に供給して充電に供されるが、二次電池5の充電状態では走行用モータ7の要求出力に対応できない状態になった場合には、燃料電池3からの発電電力の一部が走行用モータ7に供給されて走行出力が維持されるように制御される。
例えば、電力制御手段43は、切替器51を制御して、走行用モータ7の要求出力に二次電池5の充電状態では対応できない場合には、電力経路47に加えて電力経路49が接続されて、走行用モータと7と二次電池5との両方に燃料電池3からの出力が供給され、燃料電池3の出力のうち走行用モータ7に供給された分の余剰分が二次電池5の充電電力として用いられる。また、走行用モータ7の要求出力に二次電池5の充電状態で対応できる場合には、電力経路47によって燃料電池3からの出力が二次電池5の充電電力として用いられる。
起動制御手段25は、図2に示すように、事前空気制御部53と、事前水素制御部55と、加湿制御部57とを有して構成されている。
事前空気制御部53は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間において空気コンプレッサを停止した状態で外部から空気極11に発電空気量より少量の事前空気を取り入れる制御を行う。空気極11だけでなく燃料極13にも供給する。空気極11および燃料極13の両方に事前空気を供給するのは、後述する加湿制御部57によって事前空気の加湿状態が制御されて、事前空気が導入される空気極11側の湿度および燃料極13側の湿度を過加湿状態に調整される。その結果、空気極11および燃料極13における触媒層内の空隙に液水を発生させることができ、燃料電池を起動する際に、その液水によって空気中の酸素ガスおよび水素ガスの触媒層内における拡散性が低下して、起動時に生じる一時的な燃料電池のピーク電圧を確実に抑制することができるからである。
なお、過加湿状態とは、以上説明のように、空気極11および燃料極13における触媒層が事前空気の露点以下の状態になり、結露が発生する状態をいう。
事前空気制御部53は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間において空気コンプレッサを停止した状態で外部から空気極11に発電空気量より少量の事前空気を取り入れる制御を行う。空気極11だけでなく燃料極13にも供給する。空気極11および燃料極13の両方に事前空気を供給するのは、後述する加湿制御部57によって事前空気の加湿状態が制御されて、事前空気が導入される空気極11側の湿度および燃料極13側の湿度を過加湿状態に調整される。その結果、空気極11および燃料極13における触媒層内の空隙に液水を発生させることができ、燃料電池を起動する際に、その液水によって空気中の酸素ガスおよび水素ガスの触媒層内における拡散性が低下して、起動時に生じる一時的な燃料電池のピーク電圧を確実に抑制することができるからである。
なお、過加湿状態とは、以上説明のように、空気極11および燃料極13における触媒層が事前空気の露点以下の状態になり、結露が発生する状態をいう。
事前水素制御部55は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に発電水素を供給する前に発電水素量より少量の事前水素を燃料極13に供給する制御を行う。
また、加湿制御部57は、空気極11に供給される空気を加湿する加湿器26の作動状態を制御して、すなわち、加湿器26の温度を制御して供給空気の加湿状態を制御する。
また、加湿制御部57は、空気極11に供給される空気を加湿する加湿器26の作動状態を制御して、すなわち、加湿器26の温度を制御して供給空気の加湿状態を制御する。
次に、以上の構成を有する起動制御手段25の制御について、図3の制御フローチャート、および図4のタイムチャートを参照して説明する。図3の制御フローチャート内に示すt1〜t5は、タイムチャートにおける経過時間を示す。
図3の制御フローチャートにおいて、まずステップS1で、二次電池5のSOCを充電状態検出手段45によって検出する。ステップS2で、その検出値が所定の閾値C1以下か否かを判定する。閾値C1以下の場合には、次のステップS3に進んで空気コンプレッサ23の作動は停止を継続して、空気コンプレッサ23によらずに大気圧または走行風圧によって空気極11および燃料極13に事前空気を供給する(図4のタイムチャートのt1)。
ステップS4で加湿器26を作動して加湿器の温度をT3に調整する(図4のタイムチャートのt1)。そして、ステップS5で、湿度調整された事前空気によって空気極11および燃料極13の触媒層の湿度を過加湿状態に調整する。すなわち、空気極11および燃料極13の触媒層の湿度が過加湿状態になるように、加湿器26の温度がT3に制御される。
事前空気は、大気が大気圧または走行風圧によってフィルタ19を通過し、さらに空気供給弁21を通過し、空気コンプレッサ23は停止しているため、空気コンプレッサ23内部の隙間から流れ出し、加湿器26を通過して燃料電池3の空気極11に供給される。この事前空気の供給中は、水素供給弁35が閉止状態にあり、高圧水素タンク33からの高圧水素ガスは、供給されないようになっている。さらに、この事前空気の供給中は、連通管29の連通弁31が開状態にあるため、事前空気は燃料極13側にも供給されるようになっている。
図3の制御フローチャートに戻って、ステップS5で空気極11および燃料極13の触媒層の湿度を過加湿状態に調整した後に、ステップS6では、加湿器26をONにしてからΔt1以上経過したか否かが判定される。Δt1以上経過した場合には、ステップS7に進んで、ステップS3の空気極11および燃料極13の事前空気の供給を停止する(図4のタイムチャートのt2)。次にステップS8で燃料極13への事前水素の供給を開始する(図4のタイムチャートのt2)。
事前水素は、高圧水素タンク33からの高圧水素ガスが開状態の水素供給弁35を通過し、水素調流弁37によって減圧されて流量が制御されて、燃料電池3の燃料極13に供給される。この事前水素の供給中は、連通管29の連通弁31が閉状態にあるため、空気極11側には水素ガスは流れないようになっている。
図3の制御フローチャートに戻って、ステップS8で燃料極13に事前水素の供給を開始した後において、二次電池5のSOCが所定の閾値C1より少ない所定の閾値C2以下か否かを判定する。閾値C2以下の場合には、ステップS10に進んで、燃料極13への事前水素の供給を停止して、水素供給量を発電水素量に増量する(図4(C)のタイムチャートのt3における事前水素量F1→発電水素量F2への増量)。
この発電水素量F2は、水素調流弁37の開度を起動制御手段25によって制御される。
この発電水素量F2は、水素調流弁37の開度を起動制御手段25によって制御される。
次に、ステップS11において、空気極11への発電空気量を供給する。この発電空気量は、空気コンプレッサ23の作動状態、例えば、空気コンプレッサ23を構成するコンプレッサ翼の回転速度を制御することで調整される(図4のタイムチャートのt3において発電空気量F5へ向けて調整される)。
次に、ステップS12において、加湿器26の温度を制御して加湿器温度T4に調整する(図4のタイムチャートのt3における加湿器温度T4への調整)。この加湿器温度T4は、過加湿状態にするための温度T3より低温度であり、起動時おける燃料電池3内の触媒層を過加湿状態まではとはしない湿度状態に制御するものである。
次に、ステップS13において、燃料電池3からの発電出力がP1に制御される(図4のタイムチャートのt4)。
次に、ステップS14において、二次電池5のSOCが所定の閾値C1より多い所定の閾値C3以上か否かを判定する。閾値C3以上の場合には、二次電池5の充電状態が回復したと判定してステップS15に進んで、燃料電池3の発電を停止する(図4のタイムチャートのt5)。
次に、ステップS14において、二次電池5のSOCが所定の閾値C1より多い所定の閾値C3以上か否かを判定する。閾値C3以上の場合には、二次電池5の充電状態が回復したと判定してステップS15に進んで、燃料電池3の発電を停止する(図4のタイムチャートのt5)。
図4に示すタイムチャートは、横軸に時間経過を示し、縦軸は次の図4(A)〜(J)である。
図4(A)は、燃料電池3からの発電電圧の変化状態を示すものであり、実線が本実施形態における起動時の出力電圧の変化状態を示し、点線が本実施形態の起動時制御を行わない従来技術における起動時の出力電圧の変化状態を示すものである。すなすわ、本実施形態においては、急激な出力の立ち上がりが抑制されてV2からV1に抑制されることを概念的に示す。
図4(A)は、燃料電池3からの発電電圧の変化状態を示すものであり、実線が本実施形態における起動時の出力電圧の変化状態を示し、点線が本実施形態の起動時制御を行わない従来技術における起動時の出力電圧の変化状態を示すものである。すなすわ、本実施形態においては、急激な出力の立ち上がりが抑制されてV2からV1に抑制されることを概念的に示す。
図4(B)は、燃料電池(FC)3の温度変化を示すものであり、発電が開始されるt3以降には燃料電池3の温度がT1からT2に上昇変化することを示す。
図4(C)は、燃料極(アノード)13への燃料ガスである水素ガスの供給量の変化を示すものであり、t2以降においてΔt2の間に事前水素量F1が供給され、発電開始時のt3において発電水素量F2に増量されることを示す。
図4(D)は、燃料極(アノード)13への事前空気の供給量の変化を示すものであり、t1において、二次電池5のSOCがC1に達すると燃料電池の発電スタンバイが開始されて、t1からt2までのΔt1の間だけ、事前空気量F3が供給される。
図4(E)は、空気極(カソード)11への空気の供給量の変化を示すものであり、t1において、二次電池5のSOCがC1に達すると燃料電池の発電スタンバイが開始されて、t1からt2までのΔt1の間、事前空気量F4が供給され、その後t2からt3までのΔt2の間は供給が停止され、t3において発電空気量F5へ向けて供給される。
図4(C)は、燃料極(アノード)13への燃料ガスである水素ガスの供給量の変化を示すものであり、t2以降においてΔt2の間に事前水素量F1が供給され、発電開始時のt3において発電水素量F2に増量されることを示す。
図4(D)は、燃料極(アノード)13への事前空気の供給量の変化を示すものであり、t1において、二次電池5のSOCがC1に達すると燃料電池の発電スタンバイが開始されて、t1からt2までのΔt1の間だけ、事前空気量F3が供給される。
図4(E)は、空気極(カソード)11への空気の供給量の変化を示すものであり、t1において、二次電池5のSOCがC1に達すると燃料電池の発電スタンバイが開始されて、t1からt2までのΔt1の間、事前空気量F4が供給され、その後t2からt3までのΔt2の間は供給が停止され、t3において発電空気量F5へ向けて供給される。
図4(F)は、加湿器温度の変化状態を示す。t1までは、大気状態の温度であり、t1において、空気極11および燃料極13への事前空気の湿度を調整して空気極11および燃料極13のそれぞれの触媒層を過加湿状態にするように温度T3まで上昇される。その後、発電開始時のt3において加湿器温度T4へ低下される。
図4(G)は、二次電池5のSOCの変化状態を示す。SOCがt1においてC1以下に低下すると、発電スタンバイが開始される。その後、t3においてSOCがC2に低下すると、発電が開始され、その後、t4において走行用モータ7に燃料電池3から出力の供給が開始され、t5においてSOCがC1より大きいC3に上昇すると燃料電池3の発電を停止する。t1〜t3は、発電スタンバイの期間となっている。
図4(H)は、燃料電池3の出力の変化状態を示す。t3において燃料電池3に発電水素量および発電空気量が供給されて発電が開始され、その発電開始時から所定時間Δt3が経過したt4において、燃料電池3からの発電電力が電力負荷の走行用モータ7に供給されて発電出力がP1となる。そして、発電出力のP1のうち走行出力分が走行用モータ7に供給され、余剰分電力Dが、二次電池5の充電用に供給されることが示される。
図4(I)は、二次電池5の出力の変化状態を示す。t4において二次電池5のSOCはC2未満に低下して、二次電池5の充電状態がゼロに近い値になっているため、二次電池5から走行用モータ7への電力の供給は困難となり、二次電池5からの出力はゼロに変化され、燃料電池3からの出力が走行用モータ7へ供給される。
なお、この二次電池5から走行用モータ7への電力の供給は困難となり、燃料電池3からの出力が走行用モータ7へ供給される制御は、既に説明したように、電力制御手段43によって切替器51を制御することで行われる。
図4(J)は、走行出力、すなわち、走行用モータ7の出力の変化状態が示される。t4以降においては二次電池5からではなく、燃料電池3からの出力によって走行出力が確保される状態が示されている。
図4(G)は、二次電池5のSOCの変化状態を示す。SOCがt1においてC1以下に低下すると、発電スタンバイが開始される。その後、t3においてSOCがC2に低下すると、発電が開始され、その後、t4において走行用モータ7に燃料電池3から出力の供給が開始され、t5においてSOCがC1より大きいC3に上昇すると燃料電池3の発電を停止する。t1〜t3は、発電スタンバイの期間となっている。
図4(H)は、燃料電池3の出力の変化状態を示す。t3において燃料電池3に発電水素量および発電空気量が供給されて発電が開始され、その発電開始時から所定時間Δt3が経過したt4において、燃料電池3からの発電電力が電力負荷の走行用モータ7に供給されて発電出力がP1となる。そして、発電出力のP1のうち走行出力分が走行用モータ7に供給され、余剰分電力Dが、二次電池5の充電用に供給されることが示される。
図4(I)は、二次電池5の出力の変化状態を示す。t4において二次電池5のSOCはC2未満に低下して、二次電池5の充電状態がゼロに近い値になっているため、二次電池5から走行用モータ7への電力の供給は困難となり、二次電池5からの出力はゼロに変化され、燃料電池3からの出力が走行用モータ7へ供給される。
なお、この二次電池5から走行用モータ7への電力の供給は困難となり、燃料電池3からの出力が走行用モータ7へ供給される制御は、既に説明したように、電力制御手段43によって切替器51を制御することで行われる。
図4(J)は、走行出力、すなわち、走行用モータ7の出力の変化状態が示される。t4以降においては二次電池5からではなく、燃料電池3からの出力によって走行出力が確保される状態が示されている。
以上の一実施形態によれば、燃料電池3を主に二次電池5の充電用として機能させることで、燃料電池3の起動回数を低減し、且つ、起動時に求められる速いレスポンス性能の要求を回避することで、図4(A)に示すように、燃料電池3の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池3の劣化を抑制することができる。
また、空気コンプレッサ23の起動頻度が少なくなり、空気コンプレッサ23起動時の負荷が低減するため、空気コンプレッサ23の劣化も抑制できる。
また、空気コンプレッサ23の起動頻度が少なくなり、空気コンプレッサ23起動時の負荷が低減するため、空気コンプレッサ23の劣化も抑制できる。
また、起動制御手段25の事前空気制御部53によって、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間において空気コンプレッサ23を停止した状態で外部から空気極11に発電空気量より少量の事前空気を取り入れるので、事前空気の導入によって、燃料電池3の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制できる。
また、起動開始前の発電スタンバイ時において加湿制御部57によって、空気極11側の湿度および燃料極13側の湿度を、過加湿状態に調整できる。その結果、発電空気量の空気及び発電水素量の水素を供給して燃料電池を起動する前に、空気極及び燃料極の触媒層の空隙を液水で満たして、その液水によって供給ガス(水素、酸素)の拡散性を低下させることができるので、起動時に生じる一時的な燃料電池のピーク電圧を効果的に抑制することができる。
図5に示すように、過加湿条件下では触媒の担体内の空隙に液水が充満し、供給ガスの空気中の酸素は、液水によって拡散性が抑制される。図5は酸素について示すが、水素も同様に液水によって拡散性が抑制されることを概念的に示している。
また、起動制御手段25の事前水素制御部55によって、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間において発電水素量より少量の事前水素の導入によって、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制できるようになる。
また、事前水素は事前空気の導入後に行うことで、事前空気と事前水素の一時的な共存状態から発生する発電作用が生じないようにすることによって、出力電圧の急激な立ち上がりを確実に抑制することができる。
二次電池5のSOCが所定の閾値C1以下に低下した時に燃料電池3が起動制御手段25によって発電スタンバイが開始され、二次電池5に充電可能にすることができるので、二次電池5を燃料電池3によって所定の充電状態に維持される。
本発明の一実施形態を、図6に示す。図6に示すように、空気コンプレッサ23をバイパスするバイパス通路61、空気供給管15からバイパス通路61へのバイパス流量を制御するバイパス制御弁63を備え、事前空気制御部53は、バイパス制御弁63の開度を制御して、空気コンプレッサ23の停止時における事前空気の空気量を制御するように構成される。
かかる図6に示す実施形態の構成によれば、事前空気制御部53は、空気コンプレッサ23を停止した状態で空気コンプレッサ23をバイパスするバイパス通路61への流量を制御することで、事前空気を大気圧または車両の走行風圧力によって確実に導入することができる。
本発明の一実施形態を、図7に示す。図7に示すように、図3の制御フローチャートのステップS9における二次電池5のSOCが閾値C2以下かの判定条件に代えて、図7のようにステップS9'のように、S8の燃料極13への事前水素供給開始からΔt2時間以上経過したか否の判定条件とするものである。
かかる図7の実施形態の構成によれば、図3の実施形態のように二次電池5のSOCが閾値C2以下かに低下したかを待たずに一定時間後に、次の発電開始(起動開始)に移るため、燃料電池3の発電スタンバイの期間が、SOCによらず時間によって一定に設定されるので発電スタンバイの開始から一定時間後に確実に起動が実行される。
本発明の一実施形態を、図1に示す。図1に示すように、制御装置41の信号入力部には、起動制御手段25による燃料電池3の発電(起動)制御を強制的に実行させる起動スイッチ65からの信号が入力されるようになっている。
起動制御手段25による起動は、二次電池5のSOCが所定閾値以下、つまり、C1以下になったときに実行が開始され発電スタンバイが開始されるが、本一実施形態によれば、起動スイッチ65を設けて、起動スイッチ65をオペレータがON操作することで、二次電池5のSOCが、C1以下に低下しなくても、発電スタンバイ状態に入ってその後、燃料電池3を起動するので、ドライバーの意思によって、燃料電池3の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制した起動が可能になる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃料電池の起動時の出力電圧の急激な立ち上がりを抑制して、燃料電池の劣化を抑制することができるので、電動車両の燃料電池装置への利用に適している。
1 電動車両
2 燃料電池装置
3 燃料電池
5 二次電池
7 走行用モータ
11 空気極
13 燃料極
21 空気供給弁
23 空気コンプレッサ
25 起動制御手段
26 加湿器
27 酸素供給手段
29 連通管
31 連通弁
33 水素タンク
35 水素供給弁
37 水素調流弁
39 水素供給手段
41 制御装置
43 電力制御手段
45 充電状態検出手段
53 事前空気制御部
55 事前水素制御部
57 加湿制御部
61 バイパス通路
63 バイパス制御弁
65 起動スイッチ
2 燃料電池装置
3 燃料電池
5 二次電池
7 走行用モータ
11 空気極
13 燃料極
21 空気供給弁
23 空気コンプレッサ
25 起動制御手段
26 加湿器
27 酸素供給手段
29 連通管
31 連通弁
33 水素タンク
35 水素供給弁
37 水素調流弁
39 水素供給手段
41 制御装置
43 電力制御手段
45 充電状態検出手段
53 事前空気制御部
55 事前水素制御部
57 加湿制御部
61 バイパス通路
63 バイパス制御弁
65 起動スイッチ
Claims (9)
- 水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池で発生される電力を充電する二次電池と、を備える電動車両の燃料電池装置であって、
前記燃料電池の空気極に酸素を供給する酸素供給手段と、
前記燃料電池の燃料極に水素を供給する水素供給手段と、
前記燃料電池の起動時に、前記酸素供給手段及び前記水素供給手段を制御して、燃料電池の起動を制御する起動制御手段と、を備え、
前記酸素供給手段は、前記燃料電池の空気極へ空気を圧送する空気コンプレッサを有し、前記起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に前記空気コンプレッサを停止した状態で外部から前記空気極に事前空気を取り入れる事前空気制御部を有することを特徴とする電動車両の燃料電池装置。 - 前記酸素供給手段は、前記空気極に供給される空気を加湿する加湿器を更に有し、前記起動制御手段は、前記事前空気の加湿状態を制御する加湿制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記加湿制御部は、前記事前空気によって前記空気極が過加湿状態となるように湿度状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記加湿制御部によって制御された前記事前空気は、前記空気極及び前記燃料極の両方の極に供給されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記起動制御手段は、起動開始前の発電スタンバイ時の所定期間に発電水素量より少量の事前水素を供給する事前水素制御部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記事前水素制御部は、起動開始前の発電スタンバイ時において前記事前空気制御部による事前空気の導入後に前記事前水素を供給することを特徴とする請求項5に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記事前空気制御部は、前記空気コンプレッサをバイパスするバイパス通路への空気量を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記起動制御手段による起動は、前記二次電池のSOCが所定閾値以下になった時に実行されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電動車両の燃料電池装置。
- 前記二次電池のSOCが、前記所定閾値以下に低下しなくても、前記起動制御手段による起動を実行させる起動スイッチを備えることを特徴とする請求項8に記載の電動車両の燃料電池装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020009655A (ja) * | 2018-07-10 | 2020-01-16 | 三菱自動車工業株式会社 | 燃料電池システム及び該燃料電池システムを備えた電動車両 |
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2016
- 2016-11-25 JP JP2016229403A patent/JP2018085308A/ja active Pending
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