以下、第1の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図5および図6において、11は電動送風機を示す。この電動送風機11は、電動機13を備える。また、この電動送風機11は、遠心ファン14を備える。さらに、この電動送風機11は、整流体(整流板)であるディフューザ15を備える。また、この電動送風機11は、ファンカバー16を備える。そして、この電動送風機11(電動機13)は、図示されない制御回路により駆動が制御される。
電動機13は、整流子モータでもブラシレスモータでもよいが、本実施形態においては、例えば単相4極のブラシレスモータである。そして、この電動機13は、ロータ21を備えている。また、この電動機13は、ステータ22を備えている。さらに、この電動機13は、センサ基板23を備えている。また、この電動機13は、フレーム24を備えている。なお、以下、電動送風機11の軸方向の電動機13側を後方向(図6などに示す矢印RR側)、遠心ファン14側を前方向(図6などに示す矢印FR側)として説明する。また、特記しない限り、軸方向および径方向とは、電動送風機11の軸方向および径方向をいうものとする。
ロータ21は、回転磁極を形成するものである。このロータ21は、本実施形態では永久磁石型ロータであるが、電動機13が整流子モータである場合には巻線型ロータでもよい。このロータ21は、シャフト26を備えている。また、このロータ21は、磁石部27を備えている。さらに、このロータ21は、少なくとも1つのスリーブ28を備えていてもよい。そして、このロータ21は、一対のベアリング30を介してフレーム24に対して回転自在に保持されている。
シャフト26は、電動機13の出力軸となる回転軸である。このシャフト26には、遠心ファン14が接続されている。具体的に、このシャフト26には、フレーム24から突出した前端側に遠心ファン14が接続されている。
磁石部27は、円筒状に形成され、中央部にシャフト26が固着されている。この磁石部27には、回転方向(周方向)に互いに異なる極性を有する磁極(回転磁極)が隣接して形成されている。したがって、この磁石部27には、回転方向にN極とS極とが順次交互に配置されて対をなしている。
スリーブ28は、本実施形態では一対備えられ、磁石部27の前端部および後端部に隣接してシャフト26に固定されている。なお、このスリーブ28は、必須の構成ではない。
ベアリング30は、シャフト26の一端側および他端側に取り付けられており、フレーム24にそれぞれ固定されて、ロータ21をフレーム24に対して回転自在に保持するようになっている。
ステータ22は、ロータ21を回転させる固定磁極を構成するものである。このステータ22は、ステータコア33を備えている。また、このステータ22は、絶縁体であるステータ絶縁34を備えている。さらに、このステータ22は、コイル35を備えている。また、このステータ22は、端子36を備えている。
ステータコア33は、電磁鋼板などの薄板状の磁性体が積層されて略一定の厚みを有する板状に形成されている。このステータコア33は、円環状(円筒状)のバックヨーク41を備えている。また、このステータコア33は、3以上、本実施形態では4つのティース42を備えている。さらに、このステータコア33は、フレーム取付部43を備えている。また、このステータコア33は、本実施形態では分割部(図示せず)によって略半円弧状ずつに上下に2分割されている。すなわち、このステータコア33は、例えばプレス成形などにより打ち抜かれた2つの(一および他の)ヨーク体(コア部材)が分割部で一体的に連結されて構成されている。
バックヨーク41は、ティース42間を互いに連結し、対をなすティース42,42に巻回されたコイル35,35によって生じる固定磁極間を磁気的に(磁束で)結合する磁路が形成されるものである。
ティース42は、コイル35により固定磁極が形成されるものである。これらティース42は、左右に位置するティース42,42が磁気的に対をなしている。また、これらティース42は、バックヨーク41の内周部から中心方向、すなわちロータ21側に向けてそれぞれ突設されている。すなわち、このティース42は、バックヨーク41(ステータコア33)の径方向に沿って長手状に形成されており、基端部がバックヨーク41と連結され、先端部が自由端状に突出している。具体的に、左右に隣接するティース42,42は、ステータコア33(ステータ22)の周方向に互いに90°以下の角度をなすように配置されている。また、各ティース42の先端部には、ロータ21の外周面に対向する磁気作用面が構成されている。この磁気作用面は、コイル35により各ティース42に形成される固定磁極をロータ21に作用させるもので、ロータ21の外周面に対して僅かな間隙を介して離間されている。
フレーム取付部43は、ステータコア33(ステータ22)をフレーム24に対して固定するものである。このフレーム取付部43は、バックヨーク41の外側(外周側)に四角形状に突設され、各ティース42のそれぞれの基端部近傍に配置されている。したがって、このフレーム取付部43は、本実施形態ではバックヨーク41の周方向に互いに離間されてティース42に対応する数である4つ設定されている。そして、各フレーム取付部43には、軸方向(前後方向)に貫通する取付孔43aが設けられている。この取付孔43aには、取付部材であるねじ49が挿入され、このねじ49がフレーム24側に螺合されることでステータコア33(ステータ22)がフレーム24に固定されるようになっている。
ステータ絶縁34は、コイル35および端子36をステータコア33に対して絶縁された状態で保持するものである。このステータ絶縁34は、絶縁性の合成樹脂などにより形成されている。
コイル35は、各ティース42に固定磁極を形成するものである。本実施形態では、これらコイル35は、例えばステータコア33(ステータ22)の周方向に交互に異極を生じさせるように配置されている。
端子36は、制御回路と各コイル35とを電気的に接続するためのものである。この端子36は、ステータコア33の左右に位置するティース42,42間の位置にてそれぞれ一対ずつ配置されている。そして、左右に位置する端子36,36が対をなしている。
センサ基板23は、ロータ21(磁石部27)の磁極の極性を検出することによってロータ21の回転位置(回転角度)を検出するもので、例えばホールICなどを備えている。このセンサ基板23は、例えばC字状に形成され、ロータ21の磁石部27の外周に沿って配置されている。また、このセンサ基板23は、例えばステータ22の後側に重ねられ、例えばねじなどの基板固定部材59によりステータ絶縁34に固定されている。
図1ないし図6に示すフレーム24は、例えばアルミニウム、あるいはマグネシウムなどの、軽量で、かつ、導電性を有する金属部材により形成されている。このフレーム24は、例えば一のフレーム体61と、他のフレーム体62とを備えている。そして、このフレーム24は、これら一および他のフレーム体61,62がねじ49により互いに前後に固定されることにより、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23を前後から挟み込んで収容するように構成されている。
一のフレーム体61は、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23に対して前側に位置するものである。一のフレーム体61は、図8に示すように、円環状の外郭部64を備えている。また、一のフレーム体61は、一の軸受部65を備えている。さらに、一のフレーム体61は、複数の一の連結部としての脚部である一の脚部66を備えている。また、一のフレーム体61は、複数の規制部67を備えている。さらに、一のフレーム体61は、複数の被取付部としての螺合部68を備えている。また、一のフレーム体61は、吸気開口部であるフレーム吸気開口部69を備えている。
外郭部64は、フレーム24(一のフレーム体61)の最大外径を設定するものである。この外郭部64は、例えばディフューザ15と略等しい外径寸法を有している。
一の軸受部65は、一方(前側)のベアリング30を受けることでロータ21を回転自在に支持する(一の)ベアリング保持部である。一の軸受部65は、外郭部64に対してディフューザ15側、すなわち前側に位置している。この一の軸受部65には、電動機13とディフューザ15とを前後方向に固定するためのねじなどの固定体71が螺合される丸孔状の螺合孔65aが設けられている。また、この一の軸受部65は、ベアリング30が嵌合する(一の)突出部としての(一の)嵌合部65bを備えている。さらに、この一の軸受部65は、(一の)支持部としての(一の)平面部65cを備えている。
嵌合部65bは、一の軸受部65の中央部に設定されている。この嵌合部65bは、略円筒状に形成されている。また、この嵌合部65bは、平面部65cに対して軸方向に突出して設けられている。本実施形態において、この嵌合部65bは、平面部65cに対して前側、すなわちディフューザ15側に突設されている。また、本実施形態において、この嵌合部65bは、ディフューザ15に挿通されて先端側がディフューザ15の前側に露出している。
平面部65cは、ディフューザ15の後側に重ねられてディフューザ15を軸方向に支持するものである。また、この平面部65cは、嵌合部65bの周囲に連続する平面状(平板状)の部分である。この平面部65cは、一の軸受部65の周辺部に設定されている。また、この平面部65cは、軸方向に対して交差(直交)する方向に沿って形成されている。また、この平面部65cは、本実施形態において、例えば円形状に形成されている。さらに、この平面部65cを貫通して、螺合孔65aが設けられている。なお、この平面部65cは、少なくとも前側すなわちディフューザ15に対向する側が平面状、または所定の平面に対して凸部を有しない形状であれば、後側すなわちステータ22に対向する側は平面状でなくてもよい。
一の脚部66は、一の軸受部65と外郭部64とを連結するものである。また、これら一の脚部66は、ディフューザ15を軸方向および径方向に支持するものである。これら一の脚部66は、一の軸受部65からそれぞれ放射状に突設されている。本実施形態において、これら一の脚部66は、一の軸受部65の平面部65cからそれぞれ放射状に突設されている。また、これら一の脚部66は、ステータコア33のティース42の数に対応する複数設けられている。すなわち、これら一の脚部66は、本実施形態において4つ設けられている。また、これら一の脚部66は、フレーム24(一のフレーム体61)の周方向に略等配分されている。すなわち、これら一の脚部66は、電動送風機11(ロータ21)の周囲に複数配置されている。さらに、これら一の脚部66は、第1の脚部本体としての径方向脚部66aを備えている。また、これら一の脚部66は、第2の脚部本体としての軸方向脚部66bを備えている。さらに、これら一の脚部66は、傾斜部66cを備えていてもよい。そして、これら一の脚部66は、略L字状に屈曲されている。さらに、これら一の脚部66は、ディフューザ15に対向する前側が一の軸受部65と略面一に設けられ、ディフューザ15に対して当接している。また、これら一の脚部66は、ディフューザ15に対して軸方向にラップして配置されている。
径方向脚部66aは、一端部が一の軸受部65に対して連結され、他端部が軸方向脚部66bと連結される部分である。本実施形態において、この径方向脚部66aの一端部は、平面部65cに対して連結されている。この径方向脚部66aは、ディフューザ15に対して重ねられる部分である。この径方向脚部66aは、軸方向と交差(直交)する方向である径方向に沿って設けられている。この径方向脚部66aは、ディフューザ15に対向する前側が一の軸受部65と略面一に設けられている。具体的に、この径方向脚部66aは、少なくともディフューザ15に対向する前側が平面部65cと略面一に設けられている。このため、本実施形態において、この径方向脚部66aは、平面部65cとともにディフューザ15に対して重ねられる部分となっている。すなわち、本実施形態において、この径方向脚部66aは、平面部65cとともにディフューザ15を軸方向に支持している。
軸方向脚部66bは、電動送風機11(フレーム24)の軸方向に沿って設けられている。すなわち、この軸方向脚部66bは、径方向脚部66aに対して交差(直交)する方向に沿って設けられている。そして、この軸方向脚部66bは、一端部が外郭部64に対して連結され、他端部が径方向脚部66aと連結される部分である。また、この軸方向脚部66bは、少なくとも一部がディフューザ15に対して軸方向にラップされ、ディフューザ15により保持される部分である。したがって、この軸方向脚部66bは、ディフューザ15を径方向に支持している。さらに、この軸方向脚部66bは、外側面が外郭部64の外周面に対して中心軸側にオフセットされている。
傾斜部66cは、一の脚部66の屈曲部分に設けられている。すなわち、この傾斜部66cは、径方向脚部66aと軸方向脚部66bとの連結部分に設けられている。この傾斜部66cは、一の脚部66の外側に位置し、ディフューザ15に対向されている。この傾斜部66cは、径方向脚部66aおよび軸方向脚部66bのそれぞれに対して傾斜して形成されている。すなわち、この傾斜部66cは、径方向に沿って軸方向に対して傾斜している。言い換えると、この傾斜部66cは、一の脚部66の屈曲部分を面取りした、C面状に形成されている。このため、この傾斜部66cは、ディフューザ15に対して接触することなく離れて位置している。
規制部67は、ステータコア33を周り止めすることでステータ22に対してフレーム24(一のフレーム体61)を周方向に位置決めするものである。これら規制部67は、外郭部64と一の脚部66(軸方向脚部66b)との連結位置に設けられている。そして、これら規制部67には、フレーム取付部43がそれぞれ嵌合されることで、ステータコア33(ステータ22)が周方向に回り止めされる。
螺合部68は、規制部67に位置して一の脚部66(軸方向脚部66b)にそれぞれ設けられている。そして、この螺合部68には、ステータコア33の各フレーム取付部43の取付孔43aに挿通されたねじ49が螺合されるボス状に設けられている。
フレーム吸気開口部69は、外郭部64と、一の軸受部65と、隣接する一の脚部66,66との間に区画されている。このフレーム吸気開口部69は、ディフューザ15に対向して開口されている。
図5および図6に示すように、他のフレーム体62は、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23に対して後側に位置するものである。他のフレーム体62は、他の軸受部73を備えている。また、他のフレーム体62は、他の連結部としての他の脚部74を備えている。
他の軸受部73は、他方(後側)のベアリング30を受けることでロータ21を回転自在に支持する他のベアリング保持部である。
他の脚部74は、ステータコア33との接触部であり、他のフレーム体62と一のフレーム体61とを連結する部分である。これら他の脚部74は、他の軸受部73からそれぞれ放射状に突設されている。これら他の脚部74は、ステータコア33のティース42の数、換言すればフレーム取付部43の数に対応する複数設けられている。すなわち、これら他の脚部74は、本実施形態において一の脚部66と同数で、4つ設けられている。また、これら他の脚部74は、フレーム24(他のフレーム体62)の周方向に略等配分されている。すなわち、これら他の脚部74は、電動送風機11(ロータ21)の周囲に複数配置されている。さらに、これら他の脚部74は、先端側が前側、すなわち一のフレーム体61側に向けて屈曲されている。また、これら他の脚部74の先端部には、ねじ49が挿通される挿通孔74aがそれぞれ設けられている。そして、ステータコア33に重ねられたこれら他の脚部74の挿通孔74aに挿通されたねじ49がステータコア33のフレーム取付部43の取付孔43aに挿通されて一のフレーム体61の螺合部68に螺合されることで、一および他のフレーム体61,62が互いに固定されるようになっている。したがって、他のフレーム体62を一のフレーム体61と固定した状態で、一のフレーム体61の外郭部64と、他のフレーム体62の他の軸受部73と、隣接する他の脚部74,74との間に、排気開口部であるフレーム排気開口部75がそれぞれ区画される。これらフレーム排気開口部75は、電動機13内に流入した空気を外部へと排気するものである。また、これらフレーム排気開口部75のうち、互いに対向する一対のフレーム排気開口部75には、端子36がそれぞれ露出するように位置している。
遠心ファン14は、シャフト26に接続されて電動機13により回転されることで空気を中心側から外周側へと押し出す(吹き出す)ものである。この遠心ファン14は、中央部に、シャフト26が挿通されるシャフト挿通孔77を備えている。また、この遠心ファン14は、複数のファン翼78を備えている。そして、シャフト挿通孔77に挿通された電動機13のシャフト26の前端部に固定部材としてのナット79が螺合されることにより、遠心ファン14がシャフト26に一体的に固定される。
図1ないし図6に示すように、ディフューザ15は、遠心ファン14により押し出された空気を整流して電動機13の内部へと流し込むものである。このディフューザ15は、外枠部80を備えている。また、このディフューザ15は、本体部81を備えている。さらに、このディフューザ15は、通気開口部である風路部82を備えている。また、このディフューザ15は、取付開口部83を備えている。さらに、このディフューザ15は、固定孔部である通孔84を備えている。また、このディフューザ15は、複数の整流翼(ブレード)85を備えている。さらに、このディフューザ15は、フレーム位置決め部86を備えている。また、このディフューザ15の前側には、ファンカバー16が取り付けられる。そして、このディフューザ15は、例えば合成樹脂、本実施形態ではガラス繊維(GF)強化PETなどにより成形されている。
外枠部80は、フレーム24を支持するものである。この外枠部80は、ディフューザ15の外郭をなしている。この外枠部80は、例えばフレーム24と略同径の円環状に形成されている。すなわち、この外枠部80は、外郭部64と略等しい外径寸法に設定されている。また、この外枠部80は、フレーム24を支持した状態で、外郭部64に対して軸方向(前側)に重ねられる。さらに、この外枠部80は、本体部81よりも軸方向(前後方向)の寸法が大きく設定されている。このため、この外枠部80は、本体部81に対して前後方向に突出するように延びている。
本体部81は、フレーム24が重ねられる部分である。本実施形態において、この本体部81には、フレーム24の一のフレーム体61が重ねられる。より詳細に、この本体部81には、一のフレーム体61の一の軸受部65および一の脚部66の径方向脚部66aが重ねられる。この本体部81は、外枠部80の内方に配置されている。この本体部81は、遠心ファン14よりも大きく、外枠部80の内径寸法よりも小さい外径寸法に設定されている。このため、この本体部81の外縁部は、外枠部80の内縁部に対して内方(中心側)に離れ、整流翼85により連結されている。また、この本体部81には、遠心ファン14の後側が配置される円形状の凹部81aが中央部に設けられていてもよい。
風路部82は、遠心ファン14から吹き出された空気をフレーム吸気開口部69へと整流するものである。この風路部82は、外枠部80と本体部81との間にディフューザ15を前後方向に貫通して形成されている。この風路部82には、整流翼85が配置されている。換言すれば、外枠部80、本体部81および整流翼85,85間に風路部82が区画されている。そして、この風路部82には、フレーム24の一の脚部66の一部が対向されている。本実施形態において、この風路部82には、一の脚部66の傾斜部66cが対向されている。そして、傾斜部66cが軸方向に対して傾斜していることにより、一の脚部66の風路部82と対向する位置が、この風路部82に対して離れて位置している。すなわち、風路部82は、傾斜部66cと対向する位置が一の脚部66(フレーム24)により閉塞されていない。
取付開口部83は、フレーム24の一部が嵌合されるものである。本実施形態において、この取付開口部83は、一のフレーム体61の一の軸受部65(嵌合部65b)が嵌合される。このため、この取付開口部83は、円形状に開口されている。また、この取付開口部83は、本体部81の中央部に設けられている。本実施形態において、この取付開口部83は、本体部81の凹部81aを前後方向に貫通している。
通孔84は、例えば本体部81にて取付開口部83の両側に設けられている。本実施形態において、これら通孔84は、それぞれ本体部81の凹部81aを前後方向に貫通している。
整流翼85は、外枠部80と本体部81とを連結し、風路部82を区画するものである。これら整流翼85は、風路部82に配置されこの風路部82を通過する空気を整流する。このため、これら整流翼85は、フレーム24の一の脚部66(傾斜部66c)に対して対向されている。また、これら整流翼85は、前側から後側へと遠心ファン14の回転方向に沿ってそれぞれ傾斜して設けられている。さらに、これら整流翼85のうちの一部の整流翼85は、ディフューザ15によりフレーム24(電動機13)を支持した状態でフレーム24(一のフレーム体61)に対向している。本実施形態において、一部の整流翼85は、ディフューザ15によりフレーム24(電動機13)を支持した状態でフレーム24(一のフレーム体61)の一の脚部66に対向している。そして、これら整流翼85は、周方向に略等間隔に離れて設けられている。本実施形態では、この整流翼85は、フレーム24の一の脚部66および遠心ファン14のファン翼78よりも多く設けられている。
フレーム位置決め部86は、例えば一のフレーム体61の一の脚部66(軸方向脚部66b)が嵌合される部分である。したがって、このフレーム位置決め部86は、一の脚部66に対応する複数、本実施形態では4つ設けられている。このフレーム位置決め部86は、例えば外枠部80の後端側(電動機13側)の内縁部に前後方向に沿って溝状に設けられている。そして、これらフレーム位置決め部86に対して一の脚部66(軸方向脚部66b)が挿入嵌合されることにより、外枠部80に対して一の脚部66(軸方向脚部66b)が軸方向にラップして(重なって)配置されている。
ファンカバー16は、遠心ファン14の一部を覆ってディフューザ15に取り付けられている。このファンカバー16には、遠心ファン14の中央部を露出させる吸気口90が開口されている。
制御回路は、例えばインバータ回路を含むドライバと、このドライバをPWM制御する制御部とを備え、各端子36およびセンサ基板23と電気的に接続されている。そして、この制御回路は、ドライバによってコイル35に流れる電流の向きや通電時間を制御することで、各コイル35を介してステータ22のステータコア33の各ティース42にそれぞれ生じさせる磁極を時間毎に切り換えるように構成されている。
そして、上記の電動送風機11および制御回路は、本実施形態において図7に示す電気掃除機91に備えられる。電気掃除機91は、掃除機本体92と、集塵部93とを備えている。電気掃除機91としては、本実施形態では、例えば長手状の掃除機本体92に対して着脱可能な風路体94を備える長尺状のスティック型(ハンディ型)の電気掃除機とするが、例えばキャニスタ型などでもよいし、自律走行可能な自走式の電気掃除機でも好適に用いることができる。
掃除機本体92には、電動送風機11および制御回路が収容されている。また、この掃除機本体92には集塵部93が着脱可能となっている。
集塵部93は、電動送風機11の駆動により生じる負圧を利用して空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から捕集する部分である。この集塵部93は、本実施形態において例えば塵埃を遠心分離するサイクロン集塵部が用いられるが、例えばフィルタにより塵埃を濾過捕集するものや、慣性を利用して塵埃を捕集するものなど、任意の構成とすることができる。
風路体94は、電動送風機11の駆動により生じる負圧を床面などに作用させるものである。この風路体94は、必須の構成ではない。
次に、上記第1の実施形態の電動送風機11の動作を説明する。
電動送風機11は、センサ基板23によりロータ21の回転位置を検出しつつ、この回転位置に応じて、制御回路により各コイル35に流れる電流の向きおよび通電時間を制御することで、各ティース42に順次磁極を形成し、これら磁極とロータ21の磁極との反発・吸引によってロータ21を回転させる。そこで、電動送風機11の遠心ファン14の回転により発生した負圧により、空気が吸気口90から電動送風機11に吸い込まれる。
そして、この吸い込まれた空気は、遠心ファン14のファン翼78によりこの遠心ファン14とファンカバー16との隙間を通って遠心ファン14の周囲へと整流された後、ディフューザ15の前側を通って周囲の風路部82へと流れる。ここで、ディフューザ15の整流翼85により整流されつつ風路部82を通過した空気は、この風路部82と対向するフレーム24の一の脚部66(傾斜部66c)がこの風路部82に対して離れていることで形成される一の脚部66と風路部82との隙間からフレーム吸気開口部69へと流れてこのフレーム吸気開口部69を介して電動機13へと流し込まれる。そして、この空気は、ステータ22(ステータコア33)とフレーム24(一のフレーム体61(外郭部64))との隙間やステータ22の内部(ステータコア33のティース42,42間)を通過してステータ22およびロータ21を冷却しながらこの電動機13のフレーム24内を通過し、各コイル35および各端子36を冷却しつつフレーム排気開口部75から排気される。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、ベアリング30を保持するフレーム24の一の軸受部65から径方向に沿って突出する一の脚部66において風路部82と対向する位置に、径方向に沿って軸方向に傾斜する傾斜部66cを設けることにより、風路部82と一の脚部66との間に、傾斜部66cによって容易に隙間を形成できるので、空気が風路部82から電動機13へと流れる風路を容易に確保できる。
次に、第2の実施形態を図8を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、傾斜部66cが整流翼85による空気の整流方向に沿って傾斜しているものである。すなわち、傾斜部66cは、径方向に沿って軸方向に傾斜しているとともに、周方向に沿って一側から他側に傾斜している。換言すれば、この傾斜部66cは、整流翼85の傾斜方向に沿って(遠心ファン14の回転方向に沿って)傾斜している。このため、この傾斜部66cは、一側から他側へと徐々に軸方向に広くなる略台形状に形成されている。
そして、吸気口90から電動送風機11に吸い込まれた空気は、遠心ファン14のファン翼78によりこの遠心ファン14とファンカバー16との隙間を通って遠心ファン14の周囲へと整流された後、ディフューザ15の前側を通って周囲の風路部82へと流れる。ここで、ディフューザ15の整流翼85により整流されつつ風路部82を通過した空気は、この風路部82と対向するフレーム24の一の脚部66(傾斜部66c)がこの風路部82に対して離れているとともに、この整流翼85による整流方向に沿って傾斜部66cが傾斜しているので、流れが一の脚部66により妨げられにくく、一の脚部66と風路部82との隙間からフレーム吸気開口部69へと効率よく流れてこのフレーム吸気開口部69を介して電動機13へと流し込まれる。
このように、傾斜部66cを整流翼85による空気の整流方向に沿って傾斜させたことで、整流翼85により整流された空気が風路部82から電動機13側へと流れるときに傾斜部66cによって空気の流れを遮りにくいとともにその空気の流れを傾斜部66cによって乱しにくくでき、送風効率をより向上できる。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、一の脚部66(径方向脚部66a)のディフューザ15に対向する側が一の軸受部65(平面部65c)と略面一に設けられてディフューザ15に対して当接しているので、フレーム24によってディフューザ15を軸方向に確実に支持して剛性を確保できる。このため、電動送風機11の強度の向上、および、駆動時の振動の抑制がそれぞれ可能になる。
次に、第3の実施形態を図9を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態は、上記各実施形態の一の脚部66が、一の軸受部65に対してディフューザ15と反対側である後側にオフセットされているものである。
すなわち、一の脚部66は、ディフューザ15に対向する前側において、一の軸受部65の平面部65cに対して、径方向脚部66aの一端部が段差状に連結されている。したがって、一の脚部66は、ディフューザ15(本体部81)に対して軸方向に離れて位置し、このディフューザ15に重ねられていない。また、本実施形態では、一の脚部66が傾斜部66cを備えておらず、径方向脚部66aの他端部が軸方向脚部66bに対して直接連結されている。このため、一の脚部66は、L字状に屈曲した部分がディフューザ15に対して離れて位置している。したがって、一の脚部66の風路部82と対向する位置が、この風路部82に対して離れて位置している。すなわち、風路部82は、一の脚部66の屈曲部分と対向する位置が一の脚部66(フレーム24)により閉塞されていない。
そして、吸気口90から電動送風機11に吸い込まれた空気は、遠心ファン14のファン翼78によりこの遠心ファン14とファンカバー16との隙間を通って遠心ファン14の周囲へと整流された後、ディフューザ15の前側を通って周囲の風路部82へと流れる。ここで、ディフューザ15の整流翼85により整流されつつ風路部82を通過した空気は、この風路部82と対向するフレーム24の一の脚部66がこの風路部82に対して離れているので、流れが一の脚部66で妨げられにくくなり、一の脚部66と風路部82との隙間からフレーム吸気開口部69へと効率よく流れてこのフレーム吸気開口部69を介して電動機13へと流し込まれる。
このように、一の脚部66を一の軸受部65に対してディフューザ15と反対側へとオフセットしたことで、風路部82と一の脚部66との間に隙間を容易に形成でき、整流翼85により整流された空気が風路部82から電動機13側へと流れるときに一の脚部66によって空気の流れを遮りにくく、送風効率をより向上できる。
なお、上記各実施形態において、電動送風機11は電気掃除機91の吸引用として適用されるものとして説明したが、例えばブロワなどの排気用として適用されるものでもよい。
また、電動送風機11は、電気掃除機91以外の任意の電気機器に用いることができる。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、ベアリング30を保持する一の軸受部65から径方向に沿って突出する一の脚部66の少なくとも風路部82と対向する位置がこの風路部82に対して離れて位置しているので、風路部82を通過した空気の流れを一の脚部66によって遮りにくく、風路部82から電動機13への風路を容易に確保できる。したがって、空気が風路部82から電動機13へと流れる風路を確保するために、例えば一の脚部66を径方向にオフセットするためにディフューザ15を径方向に薄くしたり、ディフューザ15やフレーム24を大型化したりするなどの必要がなく、電動送風機11の剛性を確保しつつフレーム24の大型化を抑制でき、かつ、風路部82と一の脚部66との隙間を通って空気を電動機13へと容易に流すことができるので、送風効率を確保できる。
また、一の脚部66は、ディフューザ15に対して軸方向にラップして配置されているので、一の脚部66によってディフューザ15を径方向に支持でき、電動送風機11の剛性をより向上できる。
さらに、上記の電動送風機11を電気掃除機91に備えることにより、省エネルギで掃除性能がよく、かつ、耐久性や信頼性が高く、より小型の電気掃除機91を提供できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。