JP2018082730A - 生体リスク取得装置、生体リスク取得方法、生体リスク取得プログラム及び記録媒体 - Google Patents

生体リスク取得装置、生体リスク取得方法、生体リスク取得プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】外的負荷の生体リスクを算出する。【解決手段】生体リスク取得装置1は、外的負荷時の心電位を取得する生理状態取得部3と、生体インピーダンスにより脈波を取得する脈波取得部13と、脈波の波形と生体リスク情報との対応を保持する記憶部5と、心拍と脈拍とが異なる場合に、心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する生体リスク情報を、外的負荷の生体リスクとする生体リスク計算部7とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、生体リスク取得装置、生体リスク取得方法、生体リスク取得プログラム及び記録媒体に関する。
特許文献1及び2に記載されているように、脳波のような生体情報を用いて、アルツハイマー病等の疾患を診断する方法が知られている。
また、特許文献3〜6に記載されているように、生体インピーダンスを測定することにより生体情報を取得し、診断に利用する方法が知られている。特許文献3〜8においては、アルツハイマー等の疾患発現因子となる身体組成状況や心理的精神的状況の変動推移と、生体情報との関連性は明確にされていない。
特許文献7及び8には、心拍などの生体計測データから、被検者の測定時点での健康状態を推定する技術が記載されている。
特開2001−161652号公報 特表2004−535221号公報 特開2005−218582号公報 特開2008−279173号公報 特開2010−70273号公報 特開2010−167014号公報 特開2016−036729号公報 特開2016−129629号公報
近年時にアルツハイマー病を含む認知症、パーキンソン病、うつ病、薬物依存症、統合失調症のような精神障害、及び、生活習慣病の発現因子であるストレスと生活習慣とのアンバランスから発生する生活習慣病といわれるもの疾病者や、これに類似する疾患の患者と、健常者や未病者との間で、異なる脳波が見られることが知られている。しかしながら、これらの生活習慣病とされる精神障害における脳波以外の生理状態の異常の詳細については未だ明らかにされていない。また、特に精神障害を有する患者の心理状態に、音、光、色調等の外的負荷(TV、動画、映像等含む)がどのような影響を及ぼすかについても、検討が十分であるとは言えない。
なお、特許文献3〜8においては、アルツハイマー等の疾患発現因子となる身体組成状況や心理的精神的状況の変動推移と、生体情報との関連性は明確にされていない。
さらに、通常生体情報を取得する場合、生物個体に着目した生体情報を評価測定するが、それらを取り巻く環境条件の変動はあまり注視されておらず、これらの関連性は数値化されていない。そのため、漠然とした環境下で生体情報を様々なセンサーにより取得しているのが現状である。その結果、常に変動する環境条件に対応した生体情報を取得及び診断することができない、すなわち、生体リスク因子が明確でないため正確な診断ができないという問題がある。
本発明の一実施形態は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外的負荷時の生理状態の測定データと、生体情報のエレクトロスキャンニングデータとに基づき、外的負荷が、被験者の健康状態や心理状態に及ぼす影響を算出する生体リスク取得装置、生体リスク取得方法、生体リスク取得プログラム及び記録媒体を実現することにある。
上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、外的負荷時の生理状態を測定することにより、健康な状態から発病に至る疾病の発現リスク因子を解析することができることを見出し、これを利用した発病予測診断システムを構築するに至った。特に、本発明の一実施形態は、従来のESG(エレクトロスキャングラム)により生体システム細胞内代謝と有機的酵素とを反映させた生体情報を取得し、その上で外的負荷の影響を特に受けやすい脳波、心拍、表情と感情との関係から、生体状態(健康状態〜未病状態〜疾病状態)の定量化及び予測化を行い、生活環境のQOLを高めるための質的因子の変動を予測し、各生体要素別、及び要素間の相互関係を明らかにすることを目的としている。
本発明の一態様に係る生体リスク取得装置は、音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の、少なくとも心電位を含む生理状態を取得する生理状態取得部と、被測定者の生体インピーダンス値を測定し、当該生体インピーダンス値に基づき被測定者の脈波を取得する脈波取得部と、脈波の波形と、当該波形を示す対象の、健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データを保持する記憶部と、前記生理状態取得部が取得した心電位から得られる心拍と、前記脈波取得部が取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、前記心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する前記生体リスク情報を前記波形データから抽出し、前記外的負荷による生体リスクとして算出する生体リスク計算部とを備えている。
本発明の一態様に係る生体リスク取得プログラムは、前記生体リスク取得装置としてコンピュータを機能させるための生体リスク取得プログラムであって、前記生理状態取得部、前記脈波取得部及び前記生体リスク計算部としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明の一態様に係る記録媒体は、前記生体リスク取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明の一態様に係る生体リスク取得方法は、音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の、少なくとも心電位を含む生理状態を取得する生理状態取得工程と、被測定者の生体インピーダンス値を測定し、当該生体インピーダンス値に基づき被測定者の脈波を取得する脈波取得工程と、前記生理状態取得工程において取得した心電位から得られる心拍と、前記脈波取得工程において取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、脈波の波形と、当該波形を示す対象の健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データから、前記心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する前記生体リスク情報を抽出し、抽出した生体リスク情報を前記外的負荷による生体リスクとして算出する生体リスク計算工程とを含む。
本発明の一実施形態は、外的負荷時の被測定者の生理状態と、被測定者の体質又は体調に基づく生体リスク情報とに基づき、外的負荷によりもたらされる生体リスクを取得するので、外的負荷が、被験者の健康状態や心理状態に及ぼす影響を算出することが可能であり、これに基づき、より正確な診断が可能である。
本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生理状態測定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生理状態計算部が用いるデータと算出するデータとの関係を示す。 本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生体リスク計算処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1の生理状態の測定結果を示す図である。 実施例1の生理状態の他の測定結果を示す図である。
〔生体リスク取得装置1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。まず、図1に基づき、本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の要部構成の一例を示すブロック図である。生体リスク取得装置1は、生理状態取得部3、脈波取得部13及び生体リスク計算部7を含む制御部2、並びに記憶部5を備えている。また、生体リスク取得装置1は、制御部2に、コンテンツ提供部4及び生体情報計算部6をさらに含み、また、脳波測定部8、心電位測定部9、筋電位測定部10、音声発生部11、表示部12、及び脈波測定部14を備えている。
生体リスク取得装置1によれば、外的負荷時の被測定者の生理状態と、体質又は体調に基づく生体リスク情報とに基づき、外的負荷によりもたらされる生体リスクを取得することができる。
〔外的負荷時の生体情報の取得〕
生体リスク取得装置1は、生理状態取得部3により、外的負荷が与えられている状態の被測定者の生理状態を取得する。まず、生理状態取得部3による外的負荷時の生理状態の取得について説明する。
(生理状態取得部3)
生理状態取得部3は制御部2に含まれ、測定された被測定者の脳波、心電位、筋電位等の生理状態を取得する。制御部2は、生体リスク取得装置1の全体を制御するものである。被測定者の脳波、心電位、筋電位等を含む生理状態の測定は、従来公知の方法により行うことができる。なお、筋電位は、表情筋について測定した筋電位であることが好ましい。生理状態取得部3は、脳波、心電位、及び筋電位以外の生理状態、を取得してもよく、例えば、脈拍、呼吸、瞬目、血圧、血流、動脈血飽和度、眼球運動、体動、体位、SPO(血中酸素濃度)及び疲労度等が含まれるがこれに限定されない。
生理状態取得部3は、音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の生理状態を取得する。被測定者の生理状態は、外部環境の影響を受けて変化する被測定者の心理状態に応じて変化する。したがって、外的負荷を与えることによって、被測定者に、外部環境の変化を疑似的に体験させ、この時の生理状態を取得することで、外部環境の変化により被測定者の心理状態が受ける影響を分析することができる。
なお、音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、及び色調の外的負荷は、後述するコンテンツ提供部4から提供される音声コンテンツ及び映像コンテンツの視聴により被測定者に与えてもよい。また、明度、彩度、輝度、及び色調の外的負荷には、液晶画面等からの人口光によるものと、自然光によるものとが含まれる。気圧の外的負荷は、気圧を変動可能な空間内において生理状態を測定することで、被測定者に与えてもよい。
生理状態取得部3は、外的負荷が与えられている状態の被測定者の生理状態を、複数の種類の外的負荷についてそれぞれ取得してもよい。種類や時間の異なる複数の外的負荷が与えられている状態の被測定者の心理状態をそれぞれ取得することで、与えられる外的負荷により被測定者の心理状態が受ける影響を、外的負荷毎に取得することができ、外的負荷に対する被測定者の心理状態をより詳細に分析することができる。
生理状態取得部3は、所定時間継続して測定された被測定者の生理状態を取得する。生理状態を所定時間継続して測定することによって、生理状態の時間毎の変化や、経時変化を分析することができる。継続して測定する時間は、被測定者の心理状態の変化を分析するために必要な生理状態が取得できる時間を適宜設定すればよく、例えば、数十秒から数分間であってもよい。
なお、生理状態取得部3は、生体リスク取得装置1の外部の生理状態測定装置により測定した生理状態を表すデータを無線又は有線通信を介して取得するようになっていてもよいし、生体リスク取得装置1が備える生理状態測定装置において測定された生理状態を表すデータを取得してもよい。すなわち、生体リスク取得装置1は、脳波測定部8、心電位測定部9、及び筋電位測定部10等の生理状態測定装置を装置内に備えていてもよいし、装置外に設けられたものを利用してもよい。
生体リスク取得装置1が生理状態測定装置を備えた形態における、生理状態の測定処理の例を、図2を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生理状態測定処理の一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS1において、制御部2は、脳波測定部8、心電位測定部9、及び筋電位測定部10等の生理状態測定装置を起動させて、脳波、心電位、及び筋電位等の生理状態の測定を開始する。そして、被測定者の定常状態(ベースライン)の生理状態を測定した後、生理状態取得部3はベースラインの生理状態を取得する(ステップS2)。このとき、コンテンツ提供部4は、後述するように、ベースラインコンテンツを被測定者に視聴させてもよい。
次に、コンテンツ提供部4は、後述するストレスコンテンツの再生を開始した後(ステップS3)、生理状態取得部3がストレスコンテンツ視聴時の被測定者の生理状態を取得する(ステップS4)。コンテンツ提供部4は、ストレスコンテンツの再生から所定時間経過したら、ストレスコンテンツの再生を停止して(ステップS5)、次のコンテンツがあるか否かを判定する(ステップS6)。
コンテンツ提供部4がステップS6において、次のコンテンツがあると判定した場合(Yes)、ステップS3に戻り、コンテンツ提供部4は次のストレスコンテンツの再生を開始する。この処理を、視聴させるコンテンツが全て終了するまで繰り返す。ステップS6において、コンテンツ提供部4が次のコンテンツがないと判定した場合(No)、生理状態取得部3は再度ベースラインの生理状態を取得する(ステップS7)。そして、制御部2は、ステップS8において生理状態測定装置を停止させて、生理状態の測定を終了する。
(コンテンツ提供部4)
コンテンツ提供部4は、被測定者に、外的負荷を与えるために、音声及び映像の少なくとも一方のコンテンツを提供する。被測定者が受ける明度、彩度、輝度、及び色調の負荷が、生理状態及び心理状態により効果的に影響するため、映像コンテンツは、明度、彩度、輝度、及び色調の負荷を被測定者に与えるものであってもよい。生体リスク取得装置1は、外部の音声発生部から音声を流し、表示部に映像を表示させることによって、被測定者にコンテンツを提供してもよいし、生体リスク取得装置1が備える、音声発生部11から音声コンテンツを流し、表示部12に映像コンテンツを表示させてもよい。音声発生部11は、例えば、スピーカー、イヤホン等を介して、音声コンテンツを被測定者に提供する。表示部12は、例えば、ディスプレイに動画や静止画等の映像を表示させることで、映像コンテンツを被測定者に提供する。
コンテンツ提供部4は、被測定者に、音声コンテンツ及び映像コンテンツのいずれかのみを提供してもよいし、両方を同時に提供してもよい。コンテンツとしては、被測定者の心理状態に影響を与え得る、快い音声及び映像や、不快な音声及び映像等が例として挙げられ、ニュース映像や物語の朗読等の情報を包含するものであってもよいし、風景映像や鳥のさえずり等の情報を包含しないものであってもよい。コンテンツは、アナログコンテンツであっても、デジタルコンテンツであってもよい。
音声コンテンツには、例えば、著名な曲目のプロ音楽家による演奏、公表されていない曲目の素人による演奏、コンピュータにより作製したデジタル音声等が含まれる。また、音声コンテンツは、ハイレゾと称される高密度音声データであってもよい。さらに、映像コンテンツには、自動車運転時の景色を示す映像、公園などの風景映像、アナログテレビ放送のスノーノイズ(砂嵐)等が含まれる。また、映像コンテンツは、4Kと称される高精細画像データであってもよい。高密度音声データ又は高精細画像データをコンテンツとして被測定者に提供することにより、被測定者の生理状態及び心理状態により効果的に影響し得る。
また、コンテンツ提供部4は、コンテンツが被測定者の心理状態に及ぼす影響の基準として、無音で白一色又は黒一色の画像コンテンツをベースラインコンテンツとして被測定者に提供し、このときの被測定者の心理状態を定常状態(ベースライン)と規定してもよい。ここで、ベースラインコンテンツに対して、被測定者の生理状態及び心理状態に影響を及ぼすコンテンツを、ストレスコンテンツと称する。
コンテンツ提供部4が提供するコンテンツの数及び長さは、生理状態の測定目的や、被測定者の状況等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、30秒の長さの4種類のコンテンツを順に提供したり、2分の長さの3種類のコンテンツを順に提供した後に、30秒の別の1種類のコンテンツを提供したりしてもよい。また、コンテンツ提供部4は、音声及び動画を含むコンテンツを提供した後に、音声のみのコンテンツを提供し、次に動画のみのコンテンツを提供するようにしてもよい。さらに、コンテンツ提供部4は、ベースラインのコンテンツを、他のコンテンツを提供する前及び後の少なくとも一方で、数十秒から数分間提供してもよい。
コンテンツ提供部4は、被測定者に提供するコンテンツを変化させてもよい。すなわちコンテンツ提供部4は、被測定者に提供中のコンテンツを停止させて、別のコンテンツの提供を開始する。このようにコンテンツ提供部4からコンテンツを提供させながら、生理状態取得部3が生理状態を取得し、これに基づき生体情報計算部6が心理状態の変化の指標を算出することによって、コンテンツが変化することによる被測定者の生理状態及び心理状態の変化を分析することができる。
(記憶部5)
記憶部5は、脈波の波形と、当該波形を示す対象の、健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データを保持する。また、記憶部5は、生理状態取得部3が取得した生理状態、及び、生体情報計算部6が算出した不快指標及び快指標、基準等を記憶する。記憶部5は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。
記憶部5の例としては、制御部2が動作するときに必要なプログラム等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAM(Random Access Memory)とが挙げられる。また、記憶部5は、生理状態取得部3が、特定の精神障害を有する被測定者から取得した生理状態、及び、当該生理状態に基づき生体情報計算部6が算出した不快指標及び快指標を、特定の精神障害に特徴的な基準生理状態、基準不快指標及び基準快指標として記憶してもよい。記憶部5が記憶するこのような生理状態及び指標を、被測定者から取得した生理状態及び指標と比較すれば、被測定者がその精神障害を有するか否か、その精神障害にかかるリスク等を判定することができる。
(生体情報計算部6)
生体情報計算部6は、生理状態取得部3が取得した被測定者の生理状態に基づき、脳波が変化した時点から心電位が変化するまでの時間に応じた不快指標を算出し、筋電位が変化した時点から心電位が変化するまでの時間に応じた快指標を算出する。生体情報計算部6は、記憶部5に記憶された生理状態に基づき不快指標及び快指標を算出してもよい。
本発明者は、脳波、筋電位、及び心電位が、被測定者の心理状態の変化に応じで変化することを見出し、さらに、心電位が変化する前に脳波及び筋電位の変化が見られることを見出した。このような、被測定者の心理状態の変化が、脳波及び筋電位に影響してから心電位に影響するまでの時間を、心電位変化のラグタイムとして算出し、これを被測定者の心理状態の変化を表す指標として用いることで、より詳細に被測定者の心理状態の変化を分析することができる。
生体情報計算部6は、被測定者の心理状態の変化に対して、脳波が変化した時点から心電位が変化するまでの時間に応じた不快指標を算出する。具体的には、心電位から得た心拍数の低下開始時点から、その前の脳波のα波成分がθ波成分よりも多くなる時点までの時間を算出し、これを不快指標とすればよい。心拍数の低下は心理状態が不快状態であることを示す。
生体情報計算部6は、被測定者の心理状態の変化に対して、筋電位が変化した時点から心電位が変化するまでの時間に応じた快指標を算出する。具体的には、心電位から得られる心拍数の上昇開始時点から、その前の筋電位から得られる二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)が上昇した時点までの時間を算出し、これを快指標とすればよい。心拍数の上昇は心理状態が快状態であることを示す。
また、生体情報計算部6は、複数のコンテンツ毎に、心電位から得られる心拍数に基づき被測定者の心理状態を表す感情基準を算出し、筋電位に基づき被測定者の心理状態を表す感情基準を算出し、かつ、脳波に基づき被測定者の覚醒状態を表す覚醒基準を算出してもよい。これにより、複数のコンテンツについて、コンテンツ毎の被測定者の心理状態を分析できるのみならず、コンテンツ間の被測定者の心理状態の変化も分析することもできる。感情基準及び覚醒基準の算出方法については、後述する。
なお、生体情報計算部6は、不快指標及び快指標についても、複数のコンテンツ毎に算出してもよく、これにより、不快指標及び快指標に関して、コンテンツ内及びコンテンツ間の両方の被測定者の心理状態を分析することができる。
心電位、脳波及び筋電位を組み合わせて得られる不快指標及び快指標と、心電位、脳波及び筋電位のそれぞれから得られる感情基準及び覚醒基準とを、生体情報計算部6において算出することで、被測定者の心理状態の変化をより詳細に分析することができる。
生体情報計算部6は、心電位から得られる心拍数が低下する場合の時定数、及び、心拍数が上昇する場合の時定数をさらに算出してもよい。
生体情報計算部6による、快指標及び不快指標、並びに、感情基準及び覚醒基準の算出方法について、以下説明する。
心電位から算出されるRR間隔(心拍数)の変化から、おおよその心理状態が推測できるため、生体情報計算部6によるデータ解析は心電位から開始することが好ましい。そして、計算が容易な筋電位を解析し、その後周波数解析が必要な脳波を解析すればよいが、データ解析の順はこれに限定されない。算出したこれらのデータに基づき、さらに快指標及び不快指標を算出する。生体情報計算部6が用いるデータと算出するデータとの関係については、図3に示す。図3は、本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生体情報計算部が用いるデータと算出するデータとの関係を示す図である。
<心電位の解析>
心電位から得られるRR間隔21は、心電位がある閾値よりも大きいピークを認識し、その間隔を算出することで得られる。RR間隔21は、例えば、0.5秒〜1秒であり得る。具体的な算出方法の例においては、まず、心電位を測定した生理状態データ20を確認し、左手電極側のR波の値が+か−かを判断する。次に、ピークの値のうち90%以上が電位500以上(又は電位−500以下)になるように生データのトレースを掛け算する(ファクターを掛ける)。そして、生データにファクターを掛けたトレースのデータについて、500以上のデータポイントTiを抽出する。このデータポイントTi、及び、前のデータポイントTi−1から、Ti−(Ti−1)を算出する。算出されたTi−(Ti−1)がRR間隔21である。
このRR間隔21について、負荷されるコンテンツ毎(ブロック毎)の平均RR間隔26を算出する。得られた平均RR間隔26を、ブロック毎の感情基準とする。RR間隔21が大きいほど被測定者の心理状態が快状態であると言える。
また、RR間隔21が低下あるいは上昇する時点で、単一指数関数フィットを行い、その結果に基づきそれぞれの時定数を算出する。
なお、もし、RR間隔21が途切れることなく算出できた場合は、スプライン補間を行い、その後にブロック毎の周波数解析を行う。LF成分(0.04〜0.15Hz:血圧変動)とHF成分(0.15Hz〜0.50Hz:呼吸変動)の積分値からLF/HF比を算出してもよい。
<筋電位の解析>
筋電位からは、表情筋のうち、例えば、眉皺筋運動強度(EMG(筋電位)二乗平均平方根)22を算出する。眉皺筋運動強度22は、例えば、0.1〜1秒であり得る。具体的な算出方法の例においては、まず、筋電位を測定した生理状態データ20を二乗したトレースを算出し、全ポイント区間で積分する。次に、0.1秒間毎の積分値を抽出し、RMS(i)=I(i+100)−I(i)を算出する。得られたRMS(i)が眉皺筋運動強度22である。
そして、この眉皺筋運動強度のブロック毎の和27を算出する。ブロック毎の眉皺筋運動強度の和27を、ブロック毎の感情基準とする。ブロック毎の眉皺筋運動強度の和27が大きいほど被測定者の心理状態が不快状態であると言える。
<脳波に基づく指標>
脳波からは、1秒間におけるα波/θ波成分比23を算出する。具体的な算出方法の例においては、まず、脳波を測定した生理状態データ20から、1秒間毎の脳波データを得るために、1000ポイント毎のパワースペクトルを算出する。例えば、1Hz毎のパワースペクトルを得ればよい。そして、5〜8Hzの強度和をα波成分、9〜12Hzの強度和をθ波成分とし、α波/θ波成分比=(α波成分)/(θ波成分)23を算出する。脳波を計測した全ての電極について、α波/θ波成分比23を算出してもよいし、例えば、覚醒水準の分析には、後頭部の2つの電極について算出すればよい。
そして、α波/θ波成分比のブロック毎の割合28を算出する。各ブロックの1秒間毎のα波/θ波成分比23を、ベースラインブロックと、ストレスブロックとについて算出し、(ストレスブロック算出値)/(ベースラインブロック算出値)が、ブロック毎のα波/θ波成分比の割合38となる。ブロック毎のα波/θ波成分比の割合28を、ブロック毎の覚醒基準とする。負荷されるコンテンツが動画の場合、α波/θ波成分比の割合28が小さいほど被測定者の集中度が高いと言える。
<不快指標及び快指標の算出>
不快指標及び快指標として、RR間隔低下時及び上昇時それぞれのラグタイムを算出する。RR間隔低下時のラグタイムとして、RR間隔低下開始時点から、その直前のα波/θ波成分比が1以上になる時間であるA値24を算出する。このA値24を不快指標とする。RR間隔上昇時のラグタイムとして、RR間隔上昇開始時点から、その直前の眉皺筋強度がベースラインよりも上がってスパイク状になった時間であるB値25を算出する。このB値25を快指標とする。
具体的には、RR間隔の指数関数フィットを行ったスタートの時点から、その前のα波/θ波成分比が1以上になった時点までの時間を算出し、これを不快指標とする。同様に、RR間隔の指数関数フィットを行ったスタートの時点から、その前の眉皺筋強度が小さくてもスパイクになっている時点までの時間を算出し、これを快指標とする。
また、生体情報計算部6は、算出した快指標及び不快指標に基づき、被測定者が特定の精神障害を有しているか否かを判定してもよい。生体情報計算部6は、記憶部5に基準快指標及び基準不快指標として記憶された、特定の精神障害を有する被測定者の快指標及び不快指標と、被測定者の快指標及び不快指標とを比較することで、被測定者が特定の精神障害を有しているか否かを判定することができる。生体情報計算部6は、被測定者の快指標及び不快指標に加えて、感情基準及び覚醒基準に基づいて判定してもよい。生体情報計算部6による判定は、確率論に基づく公知の検定手法等により行うことができる。
生体情報計算部6は、被測定者が特定の精神障害を有しているか否か以外にも、被測定者が特定の精神障害にかかるリスクについて判定してもよい。リスク判定についても、公知の手法により行うことができる。生体情報計算部6が判定する特定の精神障害には、アルツハイマー病を含む認知症、統合失調症、パーキンソン病、薬物依存症、うつ病、更年期障害、ストレス障害、パニック障害、自閉症、薬物依存症等が含まれる。
〔生体インピーダンスによる脈波の取得〕
生体リスク取得装置1は、脈波取得部13により、測定された被測定者の生体インピーダンスから被測定者の脈波を取得する。被測定者の生体インピーダンスの測定は、従来公知の方法により行うことができる。なお、被測定者の生体インピーダンスは、被測定者の額、腕、手首、脚、足首等に装着した電極を用いて測定することができる。被測定者の生体インピーダンスは、生体リスク取得装置1内に設けられた脈波測定部14により測定してもよいし、生体リスク取得装置1外に設けられた脈波測定装置により測定してもよい。
脈波取得部13は、取得した被測定者の生体インピーダンスに基づいて被測定者の脈波を取得する。具体的には、インピーダンスは、血流量が多いほど、また、血液の赤血球が整列するほど小さくなる。ここで、大動脈弁開放前には、大動脈血流はほとんどなく血液の配列もランダムなので、インピーダンスは大きくなる。これに対して、大動脈弁開放後には、大動脈拍動流が生じて血流量が多くなり、大動脈弁を通過する時の血液の赤血球も整列するので、インピーダンスは小さくなる。脈波取得部13は、このような大動脈弁からの拍動流によって変動するインピーダンスに基づいて、被測定者の脈波を取得する。
脈波取得部13が、被測定者の脈波を取得するために利用する脈波測定装置としては、公知の生体インピーダンス測定装置を使用することが可能であり、特に、エレクトロインタースティシャルスキャニング(EIS:Electro Interstitial Scanning)システムを利用して、全身の細胞間質液を介した電流の流れに対する抵抗を測定する、SKY−10ESと称される装置を用いることが好ましい。このような装置として、LD Technology社のES TECK装置が知られている。
脈波取得部13が取得する脈波は、外的負荷が与えられていない状態の被測定者から得られる物であり、被測定者の体質、体調等によりもたらされる被測定者の通常の環境条件下における生理状態であると言える。
〔生体リスクの算出〕
生体リスク取得装置1は、生理状態取得部が取得した外的負荷時の被測定者の生理状態と、脈波取得部13が取得した被測定者の生体インピーダンスとに基づき、被測定者の生体リスクを取得する。
ここで、脈波と生体リスクとの関係については、波形診断法として公知である。波形診断法とは、脈波の波形が、年齢や、疾患、健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位等の生体リスクに応じて変化するパターンが蓄積された波形データに基づき、特定の波形パターンを有する被検者の生体リスクを診断する方法である。波形診断法によれば、例えば、動脈硬化患者の波形パターンや、その進行に伴い変化する波形パターンが知られており、被検者の波形パターンを動脈硬化患者の波形パターンに当てはめ、被検者が動脈硬化を患っているか、その進行がどの程度であるかを、脈波を測定するのみで診断することができる。
本発明においては、外的負荷時の被測定者の生理状態と、非外的負荷時の被測定者の脈波と、上述した波形データとに基づき、外的負荷によりもたらされる生体リスクを取得する。このように、外的負荷による生体リスクを取得することにより、外的負荷による発病の有無、そのリスク等を診断することができる。
生体リスク取得装置1は、生体リスク計算部7において、生理状態取得部3が取得した心電位から得られる心拍と、脈波取得部13が取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する生体リスク情報を波形データから抽出し、外的負荷による生体リスクとして算出する。ここで、波形データは上述したように、公知の予め取得されたデータであり、脈波の波形と、当該波形を示す対象の健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示すデータである。生体リスク取得装置1において、波形データは、記憶部5に保持されている。
心電位から得られる心拍と脈波から得られる脈拍とは、脈拍欠損や不整脈存在下では必ずしも一致するものではないが、概ね一致している。したがって、心電位の波形と脈波の波形とも、概ね一致していると言える。したがって、生体リスク計算部7は、心拍と脈拍との比較、並びに、心電位の波形と脈波の波形との比較を、同種データの比較として扱う。すなわち、生体リスク計算部7は、外的負荷時の心拍と、生体インピーダンスに基づく脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、心拍に外的負荷の影響が表れていると判断し、当該心拍が得られたときの心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する生体リスクを、当該外的負荷による生体リスクとして算出する。
生体リスク計算部7による生体リスクの算出処理の例を、図4を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置の生体リスク計算処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、上述したように、生理状態取得部3が外的負荷時の心拍を取得する。次に、ステップS12において、上述したように、脈波取得部13がインピーダンスに基づく脈波を取得する。そして、生体リスク計算部7は、取得された心拍と脈波が表す脈拍とに差があるか否かを判定する(ステップS13)。
生体リスク計算部7が、ステップS13において心拍と脈拍とに差があると判定した場合(Yes)、心拍が表す脈波形に対応する生体リスクを、記憶部5に保持された波形データから抽出する(ステップS14)。そして、ステップS15において、生体リスク計算部7は、抽出した生体リスクを、外的負荷による生体リスクとして取得し、処理を終了する。なお、生体リスク計算部7が、ステップS13において心拍と脈拍とに差がないと判定した場合(No)、外的負荷による生体リスクはないと判断し、処理を終了する。
生体リスク取得装置1は、外的負荷による疾患、健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位等の生体リスクを取得できる。したがって、生体リスク取得装置1によれば、医師の診断や侵襲的な検査を受けることなく、種々の外的負荷によりもたらされ得る疾患の予測や診断を容易に行うことができる。例えば、特定の外的負荷を受け続けた場合に、どのような疾患を発症する可能性があるのか、どの程度の期間経過すると発症する可能性があるのか等を予測することができる。
また、生体リスク計算部7は、上述したように算出した外的負荷時の生体リスクを、生体情報計算部6が算出した外的負荷時の被測定者の心理状態における生体リスクとして算出してもよい。これにより、被測定者の心理状態における疾患の予測や診断を行うことができる。例えば、特定の心理状態にある被測定者が、どのような疾患を発症する可能性があるのか、どの程度の期間経過すると発症する可能性があるのか等を予測することができる。
本発明の一実施形態に係る生体リスク取得装置によれば、外的負荷時の心理状態と生体情報との関連性、生体のリスク因子である体質情報を生体部位別(系統別、臓器別)に診断及び予測することが可能である。すなわち、外部コンテンツにより擬似的に外的環境要因を変動させることで、被測定者毎に様々な疾患のリスク因子の程度を予測診断することが可能である。したがって、日々の環境変化と、その人固有の身体(生体情報)の健康程度、疾患進行状況、ストレス度、心理状態との関連性が明確になると共に、その予測が可能であり、また、リスク因子の予測も可能となる。
環境条件において主な変動因子となる外的環境音や、光、色調等の影響で、生体のどの部位が、健康状態、未病状態、疾病発症状態のどの段階にあるかを、統合的に診断することが可能となり、その人に対応したテーラーメイド的なデータベース化が可能となる。そして、このようなデータ蓄積したデータベースを用いて、ビッグデータ解析を実施することにより、被測定者への外的負荷条件、疾病の進行状況、疾病の予測診断、回復程度状況等を、簡単かつ迅速に予測、診断することができる。
また、統合的な生体の診断が可能となれば、生体に最適な環境や食事、現時点での健康維持や疾病の予防に最適な環境や食事、病院での薬物、外科等の画一的な治療以外の治療、最適な健康食品や薬剤、安静状態と活動状態との最適なバランス等を提供することが可能であり、段階的なQOLの向上が可能な生活環境、食生活等の選定が可能となる。
このことにより、何ら現状の医療体制を変更、修正、追加等する必要がなく、また、有名な医師や病院、並びに広告効果の高い医療施設を頼る必要がなく、過度な集中による医療の副次的弊害を必然的に改善することが可能となる。その結果、医療の分散化、過度な医療費の抑制が可能となる。
生体リスク取得装置1は、例えば、音声及び映像コンテンツを提供可能なメガネ型ウエアラブルデバイス、時計やイヤホン型デバイス、ワイヤレスデバイス、ポータブルデバイス、PC装置、ウエアラブル衣服、手袋、靴下、靴、帽子、傘、鞄、ヘルメット、特殊防護衣、ジャケット等の衣類全般、それらを搭載した移動体車両、自動車、バイク、自転車、タクシー、ボート、ヨット、船、潜水艦、特殊車両(軍事、航空宇宙含む)、航空機、電車、鉄道乗物、地下鉄、バス、建設車両(ダンプ、ブルトーザー、ユニック、玉かけ、クレーン車両含む等)、長距離移動車両(バス、トラック含む)、料理器具(まな板、包丁、調理器、コンロ、ポット、はし、茶碗、フォーク、ナイフ、スプーン、皿、鍋、フライパン、コップ等日常調理や食事用具、容器等含む)、トイレ、便器等に搭載することで、より容易に被測定者の生体情報を取得する形態に応用することができる。また、生体リスク取得装置1が取得した生体情報を、クラウドサーバーに保存し、クラウドサーバー上で被測定者が、特定の精神障害、生活習慣病、又は他の疾患を有しているか、またそのリスクがあるかについて判定する形態に応用することもできる。
疾患の病態又は症状のリスク要因又はリスク判定、疾患判定、及び予測においても、データベースを自動生成してビッグデータ化することにより、容易に人工知能(AI)による固有の生体因子の解析及び判定することが可能である。その結果、家族、性別、地域、国別、生活水準、職制、人種等の層別に、疾患環境因子(食べ物、食事バランス、食育、水、空気、土壌、植物の有無、ペットの有無、大学族、核家族、介護老人、障害者、シェアハウス等)の判定及び予測も可能となる。
〔応用例1〕
自動車又は移動体車両への生体リスク取得装置の活用として、例えば、自分の生体情報から、リラックス、覚醒、不安等の緊張環境運転条件であることを診断し、例えば、不安や緊張と診断されるようなエリアや裏道を回避可能なルートをアドバイスする。これにより、最適な運転状況と運転者の快適性とを維持可能な移動経路で、目的地まで安心及び安全(事故を起こさない、誘発させない)を最優先としたような最短ルートを選定することが可能となる。なお、地理的に最短ルートというのは俗に裏道を運転であり、事故や迷いに会う確率が非常に高いと考えられる。
また、自動車の運転者や同乗者における、自動車の運転や目的先に対する安全性、安心性、快適性等を相互補完として活用し、自動車間、自動車と地域との間、あるいは自動車と歩行者との間等で、安全性及び安心性を相互補完可能なシステムを提供できる。
さらに、生体リスク取得装置を、自動車又は移動体車両における危険因子を見出すために利用することもできる。例えば、外的負荷による生体リスクから運転における様々な危険因子(運転者の健康疾患状態、居眠り、わき見運転等)を予測し、リスクファクター減少改善させる支援及び診断を行うことができる。また、最適な休息情報の提供、食事の飲食、サプリメントや薬剤の投与、交代情報等を提供することが可能となる。
また、メーカー別、車種別、又は走行地域別に、環境条件をネットワーク通信で車両間又は運転者間で共有する、テンポラリーネットワークを構築すれば、例えば、目的先別に、例えば半径20km圏内の環境情報(天候、天災、事故、救急情報、行事等)を共有することにより、携帯電話情報、スマートフォン情報、カーナビ情報、テレビ情報、又は、ネット情報では取得に時間のかかるような情報をリアルタイムに取得し、これらの環境情報が外的負荷として生体に及ぼす影響を予測することができる。
〔応用例2〕
生体リスク取得装置を、スーパー等における食材の提供を、購買者又は消費者に最適な食材、食事の提案及び企画を、地域又は顧客毎に提供に利用することができる。同様に、ドラッグストア、調剤薬局、並びに、健康食品、機能性食品及び医薬品販売会社も、購買者又は消費者の体質に合わせて、健康増進及び予防効果を向上させる商品の提案及び企画を提供することができる。さらに、幼児、高齢者、又は要介護者の施設に対して、テーラーメイド型の食の提供を行うこともできる。また、ペット(犬、猫、鳥含む)や家畜(牛、馬、豚、鳥含む)のストレス又は疾病状態の診断、最適な食事又は休息環境等を提供することもできる。
〔応用例3〕
生体リスク取得装置を、地政学、政治、経済、地球環境等の変動状況によるリスク因子の解析及び影響度の評価に利用することができる。排他的経済水域(EEZ)、台風、地震等の天災、政治的地政学、又は自然環境型衣食住地政学等の情報に応じた人々の集合意識(心理、生体又は疾患状態)の変動のような、不安定因子がもたらすリスク因子の予測により、それぞれの地域で社会生活を営む人々の衣食住に対する不安定因子の影響を低減することが可能となる。
〔応用例4〕
生体リスク取得装置を、生鮮食品、農産物商品、作物、発酵食品等が個人の嗜好品にあっているかの選別に利用することができる。例えば、リンゴは指で弾いて音が高いものが美味しいとされているが、ウエアラブルメガネに装着されている集音センサーと画像認識センサーとによりこれを確認することができる。同様に、梨は同じ大きさであれば重いものが美味しいが、ウエアラブルメガネにより集音及び画像認識し、さらにウエアラブル時計に内蔵された加速度センサーで梨の重さを測定することにより、要望以上の物の選定が可能となる。また、バナナはシュガースポットがでてきたものが甘い美味しいとされているが、ウエアラブルメガネにより集音及び画像認識し、さらにウエアラブル時計に内蔵された加速度センサーでバナナの重さを測定することにより、要望以上の物の選定が可能となる。
〔応用例5〕
生体リスク取得装置を、地震、災害、天災、局地的戦争、テロ、犯罪等の非日常による直接被害及び二次被害、これらに関する映像、動画等の様々な媒体で入手した情報による精神的ダメージ、生体の疾病、機能不全、突発性障害、薬物依存障害等に対する、正常化又はリハビリ支援システムとして利用することができる。
〔応用例6〕
生体リスク取得装置を、緊急のリハビリ又は正常化のためのバイタルシステムとして利用することができる。また、衛星GPS、自動車環境、住環境、オフィス環境等の、定住又はテンポラリーな住空間における集中的なリハビリに利用することもできる。
〔応用例7〕
生体リスク取得装置を、ウエアラブルデバイス、ウエアラブルセンサー等の各種PC装置デバイス、ビッグデータ解析システム、人工知能(AI)のアルゴリズムとして、また、これらの支援システムとして利用することもできる。
〔応用例8〕
生体リスク取得装置を、靴屋、鞄等の日用品に搭載してもよい。これにより、靴の履きやすさ、快適さ、痛み、窮屈さを診断し、靴の形状、寸法、色目等を、仕事用、スポーツ用、日常散歩用等の用途に応じて選定することができる。また、健康の維持ため、ストレス低減のため、筋力維持及び向上のため、又は、精神的負荷の耐久力を養うための靴の選定が可能となる。
〔応用例9〕
生体リスク取得装置を、ストレス及び認知症の評価及び検証に利用することができる。ストレスチェックが義務化されているが、ストレスが健康管理、疾病、治療、介護、通院等にどのように影響するのかは未だ不明確な部分があり、社会や個人に質的に浸透していないのが現状である。生体リスク取得装置によれば、主観的及び客観的にストレスが生体に及ぼす影響を判断することができるので、健康維持、運動、治療、投薬、介護、介助等を支援するシステムとして利用することができる。
〔応用例10〕
生体リスク取得装置を、取引条件の選定に利用することができる。現在の商取引は、官公庁と民間企業との間、民間企業間、民間企業と個人との間、及び個人間で行われることが一般的であり、その取引の主たる要件は商品(有形、無形)や役務(サービス)である。そして、これらの取引における価格、数量、品質、迅速性(地域的時間含む)、換金性(交換性)等の競争を勝ち抜くために、生体リスク取得装置を、ユーザーの要望を満足させる取引条件の選択や絞り込みに活用することにより、より経済的に効率がよく、かつ要望を満たす競争が成立するシステムを提供することができる。さらに、このシステムにAIを活用することにより、同時に多方面への取引が可能となるマルチタスク市場競りシステムを構築できる。
〔本発明の産業上の利用可能性〕
本発明を利用可能な産業例には以下が含まれる:薬物依存者診断、日常生活、オフィス仕事等のストレス診断判定と予測判定、消費購買のマーケテイングや市場心理診断、株式市場動向予測診断、生活習慣病の疾患状態の診断;様々な移動体車両(動車、船、潜水艦、特殊車両(自衛隊、救急車、消防車含む)、建設車両、農業車両、航空機(民間航空機含む))の運転、乗車による運転者や同乗者の健康や疾病管理、診断や予測、とリスク因子の定量化、予測化;気象観測による心理、生体診断と予測診断;スポーツ選手の健康心理診断による肉体精神能力向上診断;介護施設入居者の肉体精神能力向上診断;農産物、魚介類、畜産物、食品、健康食品、医薬品(化学薬品、漢方薬、ハーバル含む)の診断判定及びテーラーメイド型診断管理や予測;犬、猫、鳥等のペットや家畜(牛、豚、鳥含む)等の各種動物のストレスや生体情報の診断や予測化;乳幼児、介護老人のストレスや生体情報の予測診断、精神や身体障害者の診断と予測化;美容健康(頭皮頭髪、育毛、美顔、痩身含む)の判断判定指標;各種AI診断プログラム及びアルゴリズム、各種ビッグデータ解析プログラム、セキュリテープログラム、個人認証プログラム、食育プログラム、瞑想プログラム、交通渋滞プログラム、公共乗物等(地下的、バス、電車、タクシー、トラック、船、新幹線含む)プログラム、運搬車両(タクシー、宅配便、トラック含む)プログラム、VR(バーチャル)プログラム、AR(拡張現実)プログラム、PCゲーム利用判定診断プログラム;社会的QOLを向上させることが可能なサウンドスケープ、ビジュアルスケープ負荷における様々な地域社会環境や都市計画によるストレス因子の低減な都市計画;ハイレゾ音響、超高画質映像装置の開発にSTMによる相補完的リスク因子診断開発と評価。
〔ソフトウェアによる実現例〕
生体リスク取得装置1の制御ブロック(特に制御部2)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、生体リスク取得装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔生体リスク取得プログラム及び記録媒体〕
本発明に係る生体リスク取得プログラムは、本発明に係る生体リスク取得装置としてコンピュータを機能させるための生体リスク取得プログラムであって、生理状態取得部、脈波取得部及び生体リスク計算部としてコンピュータを機能させるための生体リスク取得プログラムである。また、本発明に係る記録媒体は、本発明に係る生体リスク取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
すなわち、本発明に係る生体リスク取得プログラム及び記録媒体の一実施形態は、上述した生体リスク取得装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、及びこれを記録した記録媒体である。したがって、本発明に係る生体リスク取得プログラム及び記録媒体の一実施形態は、上述した本発明に係る生体リスク取得装置の説明に準じる。
〔生体リスク取得方法〕
本発明に係る生体リスク取得方法は、音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の、少なくとも心電位を含む生理状態を取得する生理状態取得工程と、被測定者の生体インピーダンス値を測定し、当該生体インピーダンス値に基づき被測定者の脈波を取得する脈波取得工程と、前記生理状態取得工程において取得した心電位から得られる心拍と、前記脈波取得工程において取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、脈波の波形と、当該波形を示す対象の健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データから、前記心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する前記生体リスク情報を抽出し、抽出した生体リスク情報を前記外的負荷による生体リスクとして算出する生体リスク計算工程とを含む。
すなわち、本発明に係る生体リスク取得方法の一実施形態は、上述した生体リスク取得装置を用いて行う生体リスク取得方法である。したがって、本発明に係る生体リスク取得方法の一実施形態は、上述した本発明に係る生体リスク取得装置の説明に準じる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について説明すれば以下のとおりである。
(コンテンツ負荷モデルの設計)
音声ありの動画、音声のみ、及び音声なしの動画のコンテンツを連続的に被験者(健常者3人)に呈示した。なお、これらのコンテンツは、高精細画像(4K)データ及び高密度(ハイレゾ)音声データであった。音声なしの動画は音声ありの動画と同じであった。動画の構成としては、緊張、リラックス、退屈、不安といった感情を喚起するようなコンテンツを30秒ごとに計2分間程度になるように設計した。
動画コンテンツとして、動画1:自動車運転時の早回し画像、動画2:公園の風景、動画3:テレビの砂嵐、動画4:編集したお寺の風景を、それぞれ30秒間被験者に呈示した。動画3以外は実験者が撮影し、編集した。動画3については、パブリックドメインの動画を使用した。
音声コンテンツとして、リラックス、退屈、不安、緊張の効果が得られるようなパブリックドメイン又は実験者が自作したコンテンツを用いた。音声コンテンツとして、音声1:パッヘルベルのカノンを2分間、音声2:音声1と同じ曲の最初の2小節の繰り返しを2分間、音声3:リコーダーを模した音声による不安を喚起する音声(実験者作曲)を2分間、音声4:星条旗よ永遠なれを30秒間、それぞれ被験者に対して呈示した。音声コンテンツは、楽譜作成ソフトFinale NotePad 2012J(エムアイセブンジャパン社製)を用いて作成した。
音声コンテンツ呈示終了後に、動画コンテンツを音声なしで被験者に呈示した。実験時には、表1に示す順でコンテンツを被験者に呈示した。本実験前後にはベースラインとして、白及び黒一色のスライドを被験者に呈示した。
Figure 2018082730
(生理状態計測方法)
覚醒水準の取得のために、リラックスあるいは緊張時の評価を目的とした脳波計測を行った。測定場所について、表情筋電図については、左右の眉皺筋と大頬筋とに電極を装着して測定し、心電図については四肢誘導を採用した。脳波は、標準10−20法における、Fp、Fp、Fz、T、T、T、T、O、Oにおいて測定した。これらの生体信号を同時に多チャンネルで計測した。
ポリグラフにはポリメイト(ミユキ技研社製)を用いた。
これらの生体信号について同時計測を行った。その際は1000または2000Hzのサンプリング周波数であった。従って、1ポイントあたりの時間間隔は1または0.5msであった。表1にしめすコンテンツ呈示時の信号応答を1000〜1500秒間継続的に記録した。
(データ解析)
表情筋電については、得られたトレースを二乗して符号の影響を無くし、100ポイントごとに積分を行い、その値をポイント数で割った、Root Mean Square(RMS)値の二乗をトレースとして図5及び6に示す。時間間隔は100または50msであった。
心電図については、四肢誘導で得られた心電図のRR間隔のポイント数を得た。横軸にはRR間隔の終値、縦軸にはその間のRR間隔を示す。時間間隔としては0.5〜1秒程度であった。一部のデータについては、複数の誘導トレースを重ね合わせた。または、スプライン補間を行った。
脳波については、各測定位置について、1秒間(1000または2000ポイント)ごとにトレースを分割し、そのトレースについて高速フーリエ変換によるパワーアナリシスを行った。4〜8Hzの成分をθ波成分、8〜12Hzの成分をα波成分とした。これらの区間における積分値の比をα/θ比とし、1秒ごとの比をトレースとして図5及び6に示す。
得られた上記の生体信号はIgor Pro 6.3日本語版(ヒューリンクス社製)およびエクセル2010(マイクロソフト社製)を用いて信号処理及び解析し、図5及び6に示す。
<A:RR間隔上昇の時定数及びラグタイムの分析方法>
RR間隔が上昇したフェイズの時定数と、その開始時点からその前のα波賦活時までのラグタイムとを算出した。これに基づき、リラックスによる心拍数低下を分析した。
<B:RR間隔低下の時定数及びラグタイムの分析方法>
RR間隔が低下したフェイズの時定数と、その開始時点からその前の眉皺筋運動スパイク時までのラグタイムとを算出した。これに基づき、不快感情に伴う心拍数上昇を分析した。
なお、分析AおよびBの時定数及びラグタイムにおいては、被験者間の違いについてt検定を行い、属性間の比較を行った。感情と心拍数変化との相関から生理応答に関する傾向を分析した。
<C:脳波に基づく覚醒基準の分析方法>
各コンテンツ負荷時の覚醒基準については、1秒ごとにα/θ比を計算したトレースデータのうち、各コンテンツに対応する部分のデータを抽出した。例えば30秒間の動画視聴時においては30点を抽出できる。そのデータ点のうち、α/θ比の値が1以上になるポイントの割合(Rat(EventX))を算出した。その値をベースライン測定時についても同様にデータ抽出を行い、Rat(Base)を求めた。各コンテンツの覚醒基準を評価する最終的な評価指標はC(Event)=Rat(EventX)/Rat(Base)であり、このC(Event)についてt検定で有意差を分析した。
<D:眉皺筋運動強度に基づく感情基準の分析方法>
眉皺筋運動強度に基づく感情基準については、各コンテンツのブロックにおける左右の眉皺筋信号のスパイクの数をカウントした。眉皺筋運動強度に基づく感情基準により、不快性を及ぼすコンテンツ間の違いを検討するために、t検定で有意差を分析した。
<E:心拍数に基づく感情基準の分析方法>
心拍数に基づく感情基準については、眉皺筋運動強度のスパイクが観測された後の、RR間隔低下が観察された回数も評価した。時間的には各コンテンツのブロックに1回の低下が観察されたため、「頻度(%)=起こった場合/起こらなかった場合」でChi二乗検定を用いて統計的有意差を分析した。
(結果)
得られた表情筋電図、心電図、及び脳波について、表情筋電図のRMS値の二乗のトレース、心電図のRR間隔、及び脳波のα/θ成分比に変換したトレースを、それぞれ、被験者1について図5に、被験者2について6に示す。図5及び6中、上から、表情筋電図のRMS値、心電図のRR間隔、脳波のα波/θ波成分比を示す。横軸はデータポイント数(0.5ms)であり、縦軸は、RR間隔についてはポイント数、RMS値及びα波/θ波成分比については5〜10倍に拡大したトレースである。
これらの得られたトレースについて、下記の通り分析結果を示す。
<A:RR間隔上昇の時定数及びラグタイムの分析結果>
RR間隔上昇の時定数と、RR間隔上昇時点からその前のO又はOにおけるα/θ比増のシグナルまでのラグタイムとを、被験者の属性別に評価した結果を表2に示す。時定数は、RR間隔が上昇する(心拍数が低下する)相について、指数関数フィットを行うことで算出した。ラグタイムは、RR間隔上昇開始時からさかのぼって、O又はOにおけるα/θ比のスパイクが観測された時間とした。
Figure 2018082730
<B:RR間隔低下の時定数及びラグタイムの分析結果>
RR間隔低下の時定数と、RR間隔低下時点からその前の眉皺筋運動強度増のシグナルまでのラグタイムとを、被験者の属性別に評価した結果を表3に示す。
Figure 2018082730
<C:脳波に基づく覚醒基準の分析結果>
各コンテンツのブロックにおいて、Oにおけるα波/θ波比を計算した。1以上ではα波成分が多く、リラックスしていることを示す。結果を表4に示す。表4に、各イベントにおけるα波/θ波比が1以上の時間の割合を示す。この指標からコンテンツの覚醒水準を評価することができる。個人差があるので、ベースライン測定時の値で割った値を示す。
Figure 2018082730
<D:眉皺筋運動強度に基づく感情基準の分析結果>
各コンテンツのブロックにおいて、眉皺筋(一番上とその下のトレース)におけるトレースのスパイク数で不快感情を評価した。結果を表5に示すこのスパイク数の評価では、不快感情は概ね予測できるものの、各コンテンツの時間を調整する必要があるため、心拍数変化と併せた評価が好ましいと考えられる。例えば、スパイクの後に心拍数の上昇が見られた場合、不快感情が喚起されたものと想定できる。
Figure 2018082730
以上の結果から、覚醒基準については脳波中心で評価できるとともに、表情筋電位及び脳波と心拍数の指標となる心電図のRR間隔とを組み合わせて評価することで、より好適に心理状態を分析できることが分かる。したがって、本発明はコンテンツのストレス評価に適用可能であり、さらには、これに基づく神経障害の予測などに適用できると考えられる。また、当該評価を、生体インピーダンスによる脈波の測定及び脈波診断法による評価と組み合わせることで、外的負荷時の心理状態と生体情報との関連性、生体のリスク因子である体質情報を生体部位別(系統別、臓器別)に診断及び予測することが可能である。
本発明は、種々の精神障害診断、健康管理及び疾病管理におけるリスク因子解析等に活用可能なことから、日常生活習慣の見直し及び改善、予防健康管理、疾病管理等を行う分野に利用することができる。
1 生体リスク取得装置
2 制御部
3 生理状態取得部
4 コンテンツ提供部
5 記憶部
6 生体情報計算部
7 生体リスク計算部
13 脈波取得部

Claims (9)

  1. 音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の、少なくとも心電位を含む生理状態を取得する生理状態取得部と、
    被測定者の生体インピーダンス値を測定し、当該生体インピーダンス値に基づき被測定者の脈波を取得する脈波取得部と、
    脈波の波形と、当該波形を示す対象の、健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データを保持する記憶部と、
    前記生理状態取得部が取得した心電位から得られる心拍と、前記脈波取得部が取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、前記心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する前記生体リスク情報を前記波形データから抽出し、前記外的負荷による生体リスクとして算出する生体リスク計算部と
    を備えていることを特徴とする生体リスク取得装置。
  2. 前記生理状態取得部が取得した生理状態から、前記外的負荷時の前記被測定者の心理状態を算出する生体情報計算部をさらに備え、
    前記生体リスク計算部は、前記外的負荷による生体リスクを、前記心理状態における生体リスクとして算出することを特徴とする請求項1に記載の生体リスク取得装置。
  3. 前記生理状態は、脳波及び筋電位をさらに含み、
    前記生体情報計算部は、前記脳波が変化した時点から前記心電位が変化するまでの時間に応じた不快指標を算出し、前記筋電位が変化した時点から前記心電位が変化するまでの時間に応じた快指標を算出することを特徴とする請求項2に記載の生体リスク取得装置。
  4. 前記生体情報計算部は、前記不快指標として、前記心電位から得られる心拍数の低下開始時点から、その前の前記脳波のα波成分がθ波成分よりも多くなる時点までの時間を算出し、前記快指標として、前記心電位から得られる心拍数の上昇開始時点から、その前の前記筋電位から得られる二乗平均平方根が上昇した時点までの時間を算出することを特徴とする請求項3に記載の生体リスク取得装置。
  5. 前記生理状態取得部は、複数の種類の前記外的負荷がそれぞれ与えている状態の被測定者の前記生理状態を取得し、
    前記生体情報計算部は、前記複数の種類の外的負荷毎に、心電位に基づき被測定者の心理状態を表す感情基準を算出し、筋電位に基づき被測定者の心理状態を表す感情基準を算出し、かつ、脳波に基づき被測定者の覚醒状態を表す覚醒基準を算出することを特徴とする請求項3又は4に記載の生体リスク取得装置。
  6. 前記外的負荷が、高精細画像データ及び高密度音声データの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体リスク取得装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体リスク取得装置としてコンピュータを機能させるための生体リスク取得プログラムであって、前記生理状態取得部、前記脈波取得部及び前記生体リスク計算部としてコンピュータを機能させるための生体リスク取得プログラム。
  8. 請求項7に記載の生体リスク取得プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 音声、環境音、映像、明度、彩度、輝度、色調、及び気圧の少なくとも1つの外的負荷が与えられている状態の被測定者の、少なくとも心電位を含む生理状態を取得する生理状態取得工程と、
    被測定者の生体インピーダンス値を測定し、当該生体インピーダンス値に基づき被測定者の脈波を取得する脈波取得工程と、
    前記生理状態取得工程において取得した心電位から得られる心拍と、前記脈波取得工程において取得した脈波から得られる脈拍とを比較し、これらが異なる場合に、脈波の波形と、当該波形を示す対象の健康状態、心理状態、精神疾患、及び疾患部位の少なくとも1つを含む生体リスク情報との対応を示す、予め取得された波形データから、前記心電位の波形に一致する脈波の波形に対応する前記生体リスク情報を抽出し、抽出した生体リスク情報を前記外的負荷による生体リスクとして算出する生体リスク計算工程と
    を含むことを特徴とする生体リスク取得方法。
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