JP2018080441A - 帽子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾品としても十分に機能を発揮することができる斬新なデザインの帽子の製造方法を提供する。【解決手段】シート状のフェルト生地から形成されるとともに、クラウン部と、クラウン部に接続する鍔部と、クラウン部の側部の表面又は鍔部の上面に形成されかつ盛り上がった形状の装飾部と、を有する帽子の製造方法であって、装飾部を設けるための型を形成する工程(S11)と、フェルト生地に蒸気を付与する蒸気付与工程(S02)と、蒸気付与工程により水分を含んだ状態のフェルト生地を型に被せる被せ工程(S03)と、蒸気を含むフェルト生地を型に押しつける押付け工程(S04)と、押付け工程後にフェルト生地を型に押し付けた状態で乾かしフェルト生地を硬化させる乾燥工程(S05)と、乾燥工程後にフェルト生地を型から取外す取外し工程(S06)と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、帽子の製造方法に関する。
帽子は、頭に装着する衣類の一種である。帽子は、主として、直射日光の遮断や、頭部の保護を目的として使用され、防暑や、防寒、防砂といった機能を有するが、装飾を目的として使用される場合がある。すなわち、帽子としては、装飾品としての機能を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。このような帽子は、一般的には、例えば円筒形状の箱やボックスなどの容器に収容され、型崩れが生じない状態で保管される。
特開2006−233373号公報
しかしながら、帽子を箱やボックスなどの容器に収容して保管する場合、容器を保管するためのスペースが必要となるばかりか、帽子の収納及び取り出しが面倒である。そこで、帽子を帽子掛けなどに掛けた状態で保管することが考えられる。ところが、この場合、帽子を帽子掛けなどに掛けた状態で長時間が経過すると、帽子の一部が変形して型崩れが生じ、これにより帽子の審美性が低下するおそれがある。また、近年においては、帽子は、お洒落の道具として活用されることが増えており、斬新なデザインのものが求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明では、装飾品としても十分に機能を発揮することができる斬新なデザインの帽子の製造方法を提供することを目的とする。また、帽子を掛けた状態で保管することにより帽子が変形する場合であっても審美性の低下を抑制することができる帽子の製造方法を提供することも本発明の目的とする。
本発明では、シート状のフェルト生地から形成されるとともに、クラウン部と、クラウン部に接続する鍔部と、クラウン部の側部の表面又は鍔部の上面に形成されかつ盛り上がった形状の装飾部と、を有する帽子の製造方法であって、装飾部を設けるための型を形成する工程と、フェルト生地に蒸気を付与する蒸気付与工程と、蒸気付与工程により水分を含んだ状態のフェルト生地を型に被せる被せ工程と、蒸気を含むフェルト生地を型に押しつける押付け工程と、押付け工程後にフェルト生地を型に押し付けた状態で乾かしフェルト生地を硬化させる乾燥工程と、乾燥工程後にフェルト生地を型から取外す取外し工程と、を含み、型を形成する工程は、木材を切削加工して行い、装飾部を形成するための盛上部を型の表面に形成する工程を含み、蒸気付与工程は、フェルト生地を閉鎖空間に収容し、フェルト生地に対して高温かつ高圧の蒸気を均一に付与して行い、押付け工程は、被せ工程後、蒸気付与工程により水分を含んだ状態のフェルト生地を型に対して押し付けて行い、フェルト生地の裏面の一部を盛上部により凹ませてフェルト生地の表面の一部を盛り上げて装飾部を形成する。
また、クラウン部の前方側であってクラウン部の左右方向の幅の中央部分の位置に帽子引掛用具の引掛部の先端が挿入可能であって厚さ方向に貫通する孔部を形成する孔部形成工程を含んでもよい。
本発明によれば、シート状のフェルト生地で形成されるとともに上側の表面に周辺部分に比べて盛り上がった形状の装飾部を有する帽子の製造方法であって、蒸気付与工程と押付け工程とを含み、生地の裏面の一部を凹ませて、生地の裏面に対応する表面部分を周辺部分に比べて盛り上げて装飾部を形成するので、蒸気が付与されて柔らかくなった状態の生地を型に対して押圧するだけで、装飾部を容易かつ確実に形成することができる。
また、クラウン部の前方側であってクラウン部の左右方向の幅の中央部分の位置に帽子引掛用具の引掛部の先端が挿入可能であって厚さ方向に貫通する孔部を形成する孔部形成工程を含む帽子の製造方法では、帽子には孔部が設けられるので、引掛部の先端を孔部に挿入して帽子引掛用具に帽子を掛けた状態にすると、帽子の向きは、常に、帽子の前方部分が上側となり後方部分が下側となる。このため、この状態で帽子を長期間保管した際に、クラウン部が重みにより撓んでトップ部分が下方に沈むように変形しても、クラウン部のトップ部分の位置が帽子の後方に相対的にずれるだけとなり、このような方向への変形が生じても帽子の審美性に与える影響は比較的小さい。したがって、孔部形成工程を含む帽子の製造方法によれば、審美性の低下を抑制しつつ掛けた状態で保管できる帽子を提供することができる。
第1実施形態に係る帽子の一例を示す斜視図である。 図1に示す帽子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。 図1に示す帽子の要部を示し、(a)は要部平面図、(b)は(a)の要部拡大図、(c)は要部断面図である。 図1に示す帽子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図1に示す帽子の製造方法の一工程を示し、(a)は被せ工程を示す概略断面図、(b)は被せ工程後の状態を示す概略断面図である。 第2実施形態に係る帽子の一例を示し、(a)は使用状態の一例を示す図、(b)は要部側面図である。 第3実施形態に係る帽子の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、模式的に記載するとともに、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、本実施形態において方向を示す場合は、以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系は、帽子の前後方向をX方向と表記し、その左右方向をZ方向と表記する。X方向及びZ方向のいずれの方向にも直交する方向をY方向と表記する。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。人が帽子を設計されたとおりの向きで頭に被った場合において、帽子の前方(+X方向)は、当該人の顔の正面方向となる(図1参照)。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る帽子100の一例を示す斜視図である。図2は、図1の帽子100を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、帽子100は、クラウン部20と鍔部30とを有している。
クラウン部20は、人Hが帽子100を被った際に当該人の頭に被せられる部分である。クラウン部20は、開口部20a(図2(b)参照)と、天井部21と、側部22と、を有している。開口部20aは、クラウン部20の下端部(−Y側の端部)に形成されている。開口部20aは、例えば所定の大きさの円形状であるが、開口部20aの大きさ及び形状は、帽子100を被る人Hの頭の大きさ及び形状に合わせて適宜設定されてもよい。
天井部21は、開口20aの上方(+Y方向)に形成されている。天井部21は、中央 部分に、周辺部分よりも−Y方向に窪んだ凹み21aを有している。
側部22は、天井部21の外周縁から下方(−Y方向)に延びるように形成されている。側部22は、凹み22a,22aと装飾部40と凹部40bとを有している。
凹み22a,22aは、側部22の表面22b(クラウン部20の外周面)に形成された凹みであり、側部22の前方部分(+X方向の部分)に配置され、左右対称に形成されている。なお、上記した凹み21a等の大きさ、形状、及び数は任意であり、天井部21及び側部22において凹み21a等を設けるか否かについても任意である。
装飾部40は、側部22の表面22bに形成されており、側部22の−Z側の部分に形成されている。装飾部40は、側部22の表面(外側面)22bの一部が膨出した形状となっている。すなわち、装飾部40は、膨らんだ際の表面に形成されるような曲面を有する形状をなしており、側部22の表面22bにおいて周辺部分に比べて盛り上がった状態となっている。装飾部40は、鳥の羽を模した形状に形成されている。装飾部40において、羽軸を模した部分と羽弁を模した部分との境界部分には溝40aが形成されている。このように、側部22の表面(外側面)22bには、表面22bの一部を膨出させて鳥の羽を模した形状に形成された装飾部40が設けられている。
なお、側部22の表面22bにおいて装飾部40が形成される位置は、上記した位置に限定されず、例えば、側部22の前方部分(+X方向の部分)や−Z側の部分に設けられてもよい。また、装飾部40は、鳥の羽を模した形状に限定されず、例えば、他の動物や、木の葉や花などの植物を模した形状や、種々の模様などの形状であってもよい。また、帽子100において、このような装飾部40を設けるか否かについては任意である。
凹部40bは、側部22の裏面22c(クラウン部20の内周面)に形成されている。凹部40bは、装飾部40に対応する位置に形成されている。凹部40bは、装飾部40とほぼ表裏対称形状の凹みとなっている。
天井部21及び側部22は、フェルト製のシート状の生地から一体で形成される。このようなフェルトとしては、肌触りが良くかつ多量の蒸気を吸収可能なウールフェルトが用いられるが、ラクダやウサギの毛や化学繊維などから形成されたものが用いられてもよい。
鍔部30は、クラウン部20に接続されており、クラウン部20の下側(−Y側)の端部(開口部20a)から外側に向けて突出するように形成されている。鍔部30は、クラウン部20の開口部20aの全周において設けられ、これにより、帽子100は、360度鍔を有するハット型の形状に形成されている。鍔部30は、例えば、クラウン部20を構成する生地と同一のフェルト生地から形成され、クラウン部20と一体で形成される。このように、クラウン部20及び鍔部30は、フェルト生地により形成されているため、柔軟性を有しており、重力によって下方に撓んだり、伸縮したりする。なお、鍔部30には、鍔部30の形状を維持するためのワイヤーなどの補強部材が適宜設けられてもよい。
鍔部30は、孔部50を有している。孔部50は、クラウン部20の前方側(+X方向側)であってクラウン部20の左右方向(Z方向)の幅Cの中央部分の位置に設けられている。孔部50は、鍔部30を厚さ方向に貫通する貫通孔である。孔部50は、不図示の帽子引掛用具の引掛部の先端が挿入可能に形成されている。ここで、帽子引掛用具とは、帽子100を引っ掛けるための用具であり、帽子100を引っ掛ける引掛部を備える。このような帽子引掛用具としては、例えば、床に設置されるスタンド型の帽子掛け、複数のフックや突起などを備え壁に取り付けられる帽子掛け、後述する吊るし具60などをいう。また、引掛部とは、帽子100を掛ける際に孔部50に挿入されるフックや突起などの部材や部位をいう。帽子100を帽子引掛用具に引っ掛ける際には、帽子100を把持した状態で引掛部の先端を孔部50に挿入させた後、かかる把持を解除することにより、引掛部に孔部50を係止させる。
図3は、帽子100の要部を示し、(a)は要部平面図、(b)は(a)の要部拡大図、(c)は要部断面図である。図3に示すように、鍔部30において孔部50が形成される部分には、孔部50を囲むようにハトメ部材hが取り付けられている。孔部50は、円筒形状に形成されている。鍔部30の外縁部(外周部分)31から孔部50までの最短の距離a及び孔部50の口径bは、いずれも帽子引掛用具の引掛部の形状及び大きさに合わせて適宜設定される。なお、孔部50は、上記形状に限定されず、例えば角筒形状や円錐台形状に形成されてもよい。また、孔部50の形成部分にハトメ部材hを取り付けるか否かについても任意である。
このように、第1実施形態に係る帽子100の構成によれば、孔部50は、クラウン部20の前方側(+X側)であってクラウン部20の左右方向(Z方向)の幅Cの中央部分の位置に設けられるので、引掛部の先端を孔部50に挿入して帽子引掛用具に帽子100を掛けた状態にすると、帽子100は、常に、前方部分(+X側の部分)が上側となり後方部分(−X側の部分)が下側となる(図6(a)参照)。このため、この状態で帽子100を長期間保管した際に、クラウン部20が重みにより撓んでクラウン部20のトップ部分(天井部21を含む部分)が下方に沈むように変形すると、クラウン部20のトップ部分の位置が帽子100の後方(−X方向)に相対的にずれることとなる。トップ部分のこのような方向への変形は、帽子100の前方(+X方向)や左右方向(Z方向)への変形に比べて、帽子100の審美性に与える影響が小さい。したがって、帽子100の審美性の低下を抑制しつつ、帽子100を掛けた状態で長期間にわたって保管することができる。
また、上述したように、帽子100は、帽子引掛用具において常に一定の向きで掛けられるので、人が帽子引掛用具にかかっている帽子100を手に取って被る際に、当該人は、帽子100の向き(例えば帽子100の前方向)の把握が容易であり、帽子100を所定向きで被ることが容易である。
また、帽子100は、シート状の生地で形成されるとともに、クラウン部20の側部22の表面22bに盛り上がった形状の装飾部40を有するので、防暑や、防寒、防砂といった機能に加えて、装飾品としても十分に機能を発揮することができる斬新なデザインの帽子100を提供することができる。また、帽子100において、鍔部30は、クラウン部20の下端部全周と接続されかつクラウン部20と一体形成されているので、斬新なデザインを有するハット形状の帽子100を提供することができる。
次に、帽子100の製造方法の一例について図面を用いて説明する。図4は、帽子100の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5は、帽子100の製造方法の一工程を示し、(a)は帽体10を型Mに被せる工程を示す概略断面図、(b)は型Mに帽体10が被せられた状態を示す概略断面図である。なお、図5の各図は、図2(a)のA−A線に相当する線に沿った断面図を表している。以下、帽子100の製造方法の一例について、図4に示すフローチャートに従って説明する。図4に示すように、先ず、帽体10が用意される(ステップS01)。また、型Mが用意される(ステップS11)。
図5(a)に示すように、帽体10としては、キャぺリン型のものが用意される。帽体10は、クラウン部分2と、クラウン部分2に接続される鍔部分3を有している。クラウン部分2は、帽子100のクラウン部20を構成する部分である。鍔部分3は、帽子100の鍔部30を構成する部分である。帽体10において、クラウン部分2と鍔部分3とは一体形成されている。帽体10としては、シート状のフェルト生地から形成されたものが用いられる。なお、帽体10としては、ベル型やベレー型のものが用いられてもよいし、複数枚の生地が積層されたものから製造されてもよいし、フェルト生地に代えて綿や、麻、皮革などの生地から製造されたものであってもよい。
型Mは、帽体10を帽子100の形状に形成するために用いられる帽子型である。型Mは、帽体10のクラウン部分2の裏面2aが型Mの表面(上面M1及び側面M2)に密着するように、帽体10のクラウン部分2を被せることが可能な形状かつ大きさに形成されている。型Mの表面(上面M1及び側面M2)は、帽子100のクラウン部20に対応する形状となっている。型Mは、凹状部m1と盛上部m2とを備えている。凹状部m1は、型Mの上面M1の中央部分に形成されている。凹状部m1により、上面M1は周辺部分に比べて中央部分が窪んだ状態となっている。凹状部m1は、帽子100の凹み21aを形成するための部位である。盛上部m2は、型Mの側面M2に形成されている。側面M2おいて、盛上部m2は周辺部分に比べて盛り上がった状態となっている。盛上部m2は、帽子100の凹部40bを形成する部位であり、凹部40bと同一の形状に形成されている。盛上部m2は、凹部40bと同時に、装飾部40を形成するための部位でもある。また、型Mには、帽子100の凹み22a,22aを形成するための凹状部(不図示)が設けられている。型Mは、例えば木から形成された木型である。型Mの表面は、切削加工などにより上記した形状に形成されている。
このように、ステップS11の型Mを用意する工程では、例えば木を切削加工することで、型Mを形成する。この際、例えば木の表面を切削加工することで、型Mの表面に凹状部m1と盛上部m2を形成する。
次いで、帽体10に蒸気が付与される(蒸気付与工程、ステップS02)。この蒸気付与工程では、例えば、閉じられた空間に帽体10が収容され、この空間内にボイラーにより発生させた高温かつ高圧の蒸気が送り込まれることにより、帽体10に対して高温かつ高圧の蒸気がほぼ均一に付与される。これにより、帽体10は、蒸気に含まれる水分と熱とにより伸縮性が向上した状態となる。なお、蒸気付与工程の直前に、帽体10に、乾くことで硬化して帽子100の変形や型崩れの発生を低減させる糊剤が塗布されてもよい。この場合、糊剤は、例えば刷毛を用いて帽体10に塗布される。また、糊剤は、帽体10の全体に塗布されてもよいし、型崩れが生じやすい部分に塗布されてもよい。
続いて、型Mに帽体10が被せられる(被せ工程、ステップS03)。この被せ工程では、図5(a)の矢印が示すように、用意された型Mに、上記した蒸気付与工程により伸縮性が向上して柔らかくなった状態の帽体10が被せられる。この際、帽体10は、クラウン部分2が型Mを覆うように被せられる。すると、図5(b)に示すように、クラウン部分2の裏面2aは、型Mの上面M1及び側面M2の一部に密着した状態となる。また、この状態のクラウン部分2の裏面2aは、型Mの盛上部m2に密着した部分が凹んだ状態となる。これにより、クラウン部分2の側部の表面2bは、裏面2aの凹んだ部分に対応する部分が膨らんだ状態となる。すなわち、クラウン部分2を表面側から見た場合に、クラウン部分2の側面の表面2bには周辺部分に比べて膨らんだ状態の膨らみ部分10aが形成される。
続いて、型Mに対して帽体10が押し付けられる(押付け工程、ステップS04)。この押付け工程では、型Mに被せられた状態の帽体10に対して、外側から型Mに向けて圧力が付与される。すると、クラウン部分2の上面2cの中央部分は、型Mの凹状部m1に沿って凹んだ状態となる。これにより、クラウン部分2の上面2cに、凹み21aが形成される。また、クラウン部分2には、同様に、凹み22a,22aが形成される。さらに、クラウン部分2の膨らみ部分10aは、押圧されて盛上部m2に対して押し付けられる。これにより、クラウン部分2の裏面2aには、盛上部m2の形状に沿って凹部40bが形成される。同時に、クラウン部分2の側部の表面2bには、盛上部m2の形状に沿って溝40aが形成され、盛り上がった形状の装飾部40が形成される。
上記した被せ工程及び押付け工程は、蒸気付与工程を経て蒸気を含んで柔らかくなった状態の帽体10に対して行われる。このため、被せ工程及び押付け工程は、蒸気付与工程の直後に連続的に行われる。
続いて、帽体10が乾かされる(乾燥工程、ステップS05)。この乾燥工程では、帽体10は、型Mに対して押し付けられた状態で乾かされる。この際、送風機などを用いて帽体10に風を当てることにより、帽体10に含まれる水分の蒸発を促進させてもよい。帽体10から水分が抜けることにより、帽体10は型Mに沿った形状で硬化する。
続いて、帽体10が型Mから取外される(取外し工程、ステップS06)。この取外し工程は、上記した乾燥工程において帽体10に含まれる水分がほぼ完全に抜けた後に行われる。
続いて、帽体10に孔部50が形成される(孔部形成工程、ステップS07)。この孔部形成工程は、以下のように行われる。先ず、帽体10の鍔部分3に厚さ方向に貫通する孔が穿設される。この孔は、孔部50が形成される位置に設けられる。次いで、当該孔にハトメ部材hが取り付けられる。これにより、帽体10の鍔部分3に、孔部50が形成される。以上の工程により、帽子100が完成する。
このような帽子100の製造方法によれば、蒸気付与工程と押付け工程とを含み、押付け工程によりクラウン部分2の裏面2aの一部を凹ませることにより、クラウン部分2の表面を周辺部分に比べて盛り上げて装飾部40を形成するので、蒸気が付与されて柔らかくなった状態の帽体10を型Mに押圧するだけで、装飾部40を容易かつ確実に形成することができる。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態に係る帽子200の一例を示し、(a)は使用状態の一例を示す図、(b)は要部側面図である。なお、以下の説明において第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図6(a)に示すように、第2実施形態に係る帽子200は、吊るし具(帽子引掛用具)60と帽子本体(帽子)210とを有している。
吊るし具60は、帽子本体210を吊り下げた状態で保持するための用具である。吊るし具60は、帽子本体200を吊るした状態で掛けておく際に用いられる。なお、突起部W1は、帽子100を吊り下げた状態の吊るし具60が引っ掛けられた際に、これらを保持可能な強度を備える構成であればよく、突起部W1としては、例えば玄関などの壁面Wから突出する突起状の構成のほか、上記した帽子引掛用具の引掛部の構成であってもよい。
図6(b)に示すように、吊るし具60は、環状体61と引掛部62とを有している。環状体61は、環状に形成され、突起部W1に引っ掛けられる。環状体61の周方向の長さは、孔部50の周方向の長さよりも長く設定されている。環状体61としては、例えば、変形容易な紐体である。環状体61としては、1本の紐体の端部どうしを結んで結合させたものであってもよい。引掛部62は、フックの構成であり先端側が曲がった形状となっている。引掛部62の基端部分には、孔62bが設けられている。引掛部62は、環状体61に取り付けられており、引掛部62の孔62bには環状体61が挿通されている。
帽子本体210は、上記した第1実施形態に係る帽子100と同様の構成である。但し、帽子本体210は、鍔部30の外縁部31から孔部50までの最短の距離a(図3(a)参照)及び孔部50の口径b(図3(b)(c)参照)について、それぞれ所定値に設定されているとともに、吊るし具60を介した状態で突起部W1に引っ掛けられるように構成されている。
帽子本体210において、鍔部30の外縁部31から孔部50までの最短の距離aは、20mm以内に設定されている。すなわち、孔部50は、鍔部30の外縁部31からクラウン部20の方向に20mm以内の範囲に設けられる。上記距離aが20mmを超える距離に設定される場合、例えば引掛部62の曲り部分の曲率半径が比較的大きく設定されるなど、引掛部62の外形が大きくなってしまうため、引掛部62の先端62aを孔部50に挿入する作業が容易ではない。しかし、距離aが20mm以内に設定されることにより、容易かつ確実に引掛部62の先端62aを孔部50に挿入して孔部50に引掛部62を引っ掛けて互いを係止させることができる。
帽子本体210の孔部50は、円筒形状に形成され、口径bは3mm〜6mmに設定される。ところで、口径bが3mm未満に設定される場合、口径bが狭いため、例えば細い金属線状の引掛部62を孔部50に挿入する場合などには、かかる挿入が容易ではない。一方、口径bが3mm以上に設定される場合であれば、引掛部62を孔部50に挿入する際に要する孔部50の開口の大きさの確保が容易となる。また、口径bが6mmを超える長さに設定される場合は、孔部50が帽子本体210の審美性に影響を及ぼす可能性がある。一方、口径bが6mm以下に設定される場合であれば、孔部50が帽子本体210の審美性に与える影響は低い。したがって、孔部50の口径bが3mm〜6mmに設定されることにより、孔部50の構成が帽子本体210の審美性に影響を及ぼすことを回避できるとともに、容易かつ確実に引掛部62の先端62aを孔部50に挿入して孔部50に引掛部62を引っ掛けて互いを係止させることができる。
このように、第2実施形態に係る帽子200の構成によれば、第1実施形態に係る帽子100と同様の効果を奏する。また、帽子200の構成によれば、帽子本体210は吊るし具60を介した状態で突起部W1に引っ掛けられるように構成されており、突起部W1には、孔部50ではなく環状体61が引っ掛けられるので、突起部W1が孔部50よりも大きい場合であっても、帽子本体210を突起部W1に掛けることができる。すなわち、帽子200の構成によれば、突起部W1に孔部50を引っ掛ける構成のものと比較して、種々の形状や大きさの突起部W1に帽子本体210を掛けることができる。
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について、図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態に係る帽子300の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。なお、以下の説明において他の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。帽子300は、クラウン部320と鍔部330とを有している。
クラウン部320は、上記した第1実施形態のクラウン部20と同様の構成である。クラウン部320は、天井部321と側部322とを有している。天井部321は、緩やかな曲面状に形成されている。側部322は、筒状に形成されており、装飾部40は形成されていない。
鍔部330は、上記した第1実施形態の鍔部30と同様の構成である。鍔部330は、装飾部340と凹部340cとを有している。
装飾部340は、鍔部330の上面(+Y側の面)330aに形成されている。装飾部340は、鍔部330の上面330aの一部が突出した形状となっており、鍔部330の上面330aにおいて周辺部分に比べて盛り上がった状態となっている。装飾部340は、クラウン部320の−Z側の部分において複数形成されており、装飾部340として、円環部340aと花びら部340bとが形成されている。これら円環部340a及び花びら部340bは、一体となることで例えば花を模した形状となっている。なお、装飾部340の形状は、円環部340aあるいは花びら部340bの形状に限定されず、花以外の植物や、動物、種々の模様などの形状であってもよい。
凹部340cは、鍔部330の下面(−Y側の面)330bに複数形成されている。凹部340cは、それぞれ装飾部340に対応する位置に形成されている。凹部340cは、装飾部340とほぼ表裏対称の形状の凹みである。なお、帽子300において、上記した装飾部340及び凹部340cを設けるか否かについては任意である。
このような帽子300は、上記した帽子100の製造方法と同様の工程で製造される。この場合において、装飾部340及び凹部340cは、先ず、装飾部340と同様の形状に形成された盛上部を備える型を用意し、次いで、この型に対して帽体10の鍔部分3を押圧する、といった工程により形成されてもよい。
このように、第3実施形態に係る帽子300の構成によれば、装飾部340及び孔部50を備えるので、第1実施形態に係る帽子100と同様の効果を奏する。また、帽子300は、鍔部330の上面330aに盛り上がった形状の装飾部340を有するので、防暑や、防寒、防砂といった機能に加えて、装飾品としても十分に機能を発揮することができる斬新なデザインの帽子300を提供することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態の一部の構成を他の実施形態の構成と置き換えてもよく、また、上記した実施形態の構成を組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態の帽子100において装飾部40に代えて第3実施形態の装飾部340が設けられてもよいし、第3実施形態の帽子300において装飾部340に代えて第1実施形態の装飾部40が設けられてもよい。また、帽子100,210,300において、第1実施形態の装飾部40及び第3実施形態の装飾部340の双方が設けられてもよい。
また、帽子100等において装飾部40,340が形成される位置は、上記した実施形態ではクラウン部20の側部22の表面22bあるいは鍔部330の上面330aであったが、これらの位置に限定されない。装飾部40,340が形成される位置は、帽子100等の上側(+Y側)の表面であれば任意であり、装飾部40,340は、例えばクラウン部20,320の天井部21,321の表面(+Y側の面)に形成されてもよい。
また、上記した実施形態の帽子100等としては、クラウン部20,320と鍔部30,330とを有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。帽子100等としては、例えば、トークやピルボックスハットのような鍔部30,330を有さない形状のものであってもよいし、クラウン部において側部のない形状のものであってもよい。
また、上記した実施形態に係る帽子100等は1枚のフェルト生地から1体で形成されるが、これに限定されず、帽子100等は、例えば、複数枚の生地が積層されたものから製造されてもよいし、フェルト生地に代えて綿や、麻、皮革などの生地から製造されてもよい。
20,320…クラウン部
22…側部
22b…表面
30,330…鍔部
31…外縁部
40,340…装飾部
50…孔部
60…吊るし具(帽子引掛用具)
61…環状体
62…引掛部
100,200,300…帽子
210…帽子本体(帽子)
330a…上面
b…口径
C…幅
M…型

Claims (2)

  1. シート状のフェルト生地から形成されるとともに、クラウン部と、前記クラウン部に接続する鍔部と、前記クラウン部の側部の表面又は前記鍔部の上面に形成されかつ盛り上がった形状の装飾部と、を有する帽子の製造方法であって、
    前記装飾部を設けるための型を形成する工程と、
    前記フェルト生地に蒸気を付与する蒸気付与工程と、
    前記蒸気付与工程により水分を含んだ状態の前記フェルト生地を前記型に被せる被せ工程と、
    前記蒸気を含む前記フェルト生地を前記型に押しつける押付け工程と、
    前記押付け工程後に前記フェルト生地を前記型に押し付けた状態で乾かし前記フェルト生地を硬化させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程後に前記フェルト生地を前記型から取外す取外し工程と、
    を含み、
    前記型を形成する工程は、木材を切削加工して行い、前記装飾部を形成するための盛上部を前記型の表面に形成する工程を含み、
    前記蒸気付与工程は、前記フェルト生地を閉鎖空間に収容し、前記フェルト生地に対して高温かつ高圧の蒸気を均一に付与して行い、
    前記押付け工程は、前記被せ工程後、前記蒸気付与工程により水分を含んだ状態の前記フェルト生地を前記型に対して押し付けて行い、前記フェルト生地の裏面の一部を前記盛上部により凹ませて前記フェルト生地の表面の一部を盛り上げて前記装飾部を形成することを特徴とする帽子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の帽子の製造方法であって、
    前記クラウン部の前方側であって前記クラウン部の左右方向の幅の中央部分の位置に帽子引掛用具の引掛部の先端が挿入可能であって厚さ方向に貫通する孔部を形成する孔部形成工程を含むことを特徴とする帽子の製造方法。

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