本実施形態は、ユーザが思考あるいは議論している対象の内容をキーワード及び又は識別マーク(これらを“アイテム”の一つと定義する。)で代表させ、そのキーワード及び又は識別マークを、所定の処理に従ってマップ上の適正な位置に配置する機能を有する。このアイテムが互いに何らかの関連を持って配置可能な空間(フィールド)を“アイテムマップ”と称する。これにより、(一人または複数人の)ユーザが思考している内容あるいは議論している内容を直感的に容易に把握できる効果がある。更に本実施形態は、ユーザが入力した内容(情報)だけでなく、その入力内容に関連した情報を含めた情報を上記のマップ上に配置する機能を有する。これにより、複数のユーザの認識の共通性、乖離性を容易に判断できる効果も生まれる。
また本実施形態では、ユーザが入力した内容を、アイテムとしてマップ上の適正な位置に配置する処理を電子的に行うことができるため、思考・議論支援の高速化が可能となる。更にマップ上に配置された任意のアイテム、キーワード又は識別マークをユーザが選択すると、そのアイテムに関連する情報の検索、およびその結果の表示も行うことが可能である。マップ上に配置されたアイテムに関連する情報の検索およびその結果の表示は、電子的に高速処理できるため、ユーザ操作に対応して効率の良い思考・議論の支援が可能となる。
なお本実施形態は、表示部と入力部と制御部を備える。また本実施形態は、この表示部の表示形態を上記制御で制御することにより、思考・議論を支援することができるシステムを提供する。ここで上記の入力部は、上記制御部にネットワークを接続された電子機器(例えばスマートフォン、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレットPCなど)を含んでも良い。
本実施形態で使用されるアイテムマップの具体的形態の一例であるIdea Wall Map(登録商標、以下本マップと記す)は、マップ全体をある基準に従い複数に分割した領域を持ち、ユーザにより入力された内容に対するアイテムを適正な領域内に配置することが可能である。即ち本マップは、分野として本マップ全体を第1方向に分類し、レベルとして本マップ全体を第1方向と交差する第2方向に分類し、上記複数の分野と上記複数のレベルにより各領域に分割される。また本マップは、少なくとも上記分野と上記レベルを属性としているアイテムを本マップの上で、その属性に該当する領域に配置可能としている。
ここで上記入力部は、上記表示部に表示されているメニュー画面の複数のアイコン(例えばクリックマーク、カメラマーク、ノートブックマーク等)を含んでも良い。またそれらに限らず上記入力部は、上記制御部に接続されたKeyboardを含んでも良い。更に上記入力部は、上記制御部に接続された音声ピックアップ装置(Microphone)を含んでも良い。
まず始めに、本実施形態で使用される各単語の意味を定義する。本実施形態で支援の対象となる“思考”とは、ユーザの知的活動の総称を示す。結果として連想や発想、立案に至る建設的な知的活動に結び付いても良い。また上記思考の総称となるユーザの知的活動については、個人の単独活動に限らず、複数ユーザの連携したあるいは非連携状態での知的活動でも良い。
同様に本実施形態で支援の対象となる“議論”とは、複数ユーザ間で連携して実行される知的活動を意味する。そしてこの“議論”は特定ユーザから第三者への思考伝達に限らず、その特定ユーザの思考をきっかけとした受け手側ユーザの更なる思考まで含めても良い。また“議論”は、その形態(手段)として言語を用いた思考伝達に限らず、文字や映像/画像表示、あるいはネットワーク経由でのあらゆる思考伝達手段を含めても良い。
また上記思考や議論の内容あるいは議論すべき対象項目としてあらかじめ準備されたワード等、アイテムマップ上に表示される全てのものをアイテムと称する。上記思考や議論の内容として、ユーザが入力する情報(内容)を新規アイテムと定義する。また、あらかじめデータベース上に保存されたテキスト、アイコン、画像、音声、動画等を既存アイテムと定義する。これらアイテムを表象化(代表化あるいは表示化)する方法は、テキストで表しても良いし、アイコンや画像、音声、動画などで表しても良い。特にテキスト形式で示された所定アイテムに関連した情報をキーワードと呼ぶ。またテキスト等のデータを、後述する図4Eに示すように一時的に新規アイテムを追加表示するための電子的表示形態を“付箋”と定義する。一般的に使用される付箋と同じく、テキストの入力のみならず絵を入力することも可能である。また、“付箋”は本マップ上における表示位置あるいは配置位置の移動が可能である。
本実施形態の思考・議論支援システム(以下、「本マップシステム」と称する)では、“アイテムマップ”上の機能とユーザの知的活動が連携して動作する。そして、この連携動作による“アイテムマップ”を用いたアイテムの抽出/マップの展開/マップ上のアイテム同士の比較を通して、ユーザの思考・議論を支援することができる。
上記アイテムは、特定の共通項で分類される。この共通項を“カテゴリ”と呼ぶ。アイテムマップは、“カテゴリ”によりアイテムマップ内の“領域”を形成してもよい。したがってアイテムマップが複数の“カテゴリ”を持つことにより、アイテムマップは複数の“領域”を持つ。ユーザにより入力された情報は、この“カテゴリ”に応じたアイテムマップ内の適正な領域にアイテムとして配置される。例えば「国家」という“カテゴリ”をある領域に対して定義した場合、その領域は「国家」という言葉と相関が強いアイテムが配置される領域であることを意味しており、その領域名は、「国家」であることを意味している。
ここでユーザが情報を入力することで生じたアイテムは、自動的に最適なカテゴリに配置されても良いが、自動的に配置されたカテゴリを、ユーザの判断で最終的に配置する位置を調整してもよい。ここでアイテムをアイテムマップ内の適正なカテゴリ内に配置する方法(ソフト/プログラムを含む)をアイテムマッピングと呼ぶことにする。
このアイテムマップの具体的な実施形態の一例である本マップは、「個人」と「社会」の大きく2つのカテゴリが定義され、そのカテゴリの中をさらに細かいカテゴリで定義し、その定義されたカテゴリによりマップ全体を領域に割り当て分割している。
次に前記のアイテムマップについて具体的に説明する。
図1Aは、一実施形態にかかる思考・議論においてユーザが行うアクション(具体的な知的活動内容)と、アイテムマップを用いたその支援内容の関係を示したものである。複数のユーザが集まって議論する場合、その思考・議論の内容を関係者全員で共有化する必要がある。そして、図1Aの左側に示すように、各ユーザが想起したアイテム(100A)毎に書き出し(101A)を行うと、思考・議論の可視化が行える。この可視化を行うことで、参加者は思考・議論の全体像を俯瞰する(102A)ことが容易になり、この俯瞰を通じて参加者の意識の共有化(103A)が促進される。これにより、思考・議論の検討漏れや不足アイテムの発見という気づきが行われ(104A)、アイテムマップに入力する新しい情報(内容)の創出につながる(105A)。
ユーザの想起に起因するアイテム(100A)は、図1Aの右側に示すように、アイテムマップ上の適正な位置に配置される(110A)。ユーザが思考・議論を重ねる過程で、ユーザはアイテムマップに次々に新しい情報(内容)を入力する。ユーザが入力した情報(内容)は、都度アイテムマップ上の適正な位置に配置される(110A)。このような機能によりユーザは、そのアイテムの配置の状況をリアルタイムで確認することが可能となり、目の前の状況の確認を踏まえて更なる次の入力情報やアイテムの想起の促進を図ることが出来る。
アイテムマップ上に配置されたアイテム毎に、その表示の形態を変えることが可能となる(111A)。具体的には、アイテムの表示の色や大きさを変化させても良いし、類似するアイテムとの相関を表示しても良い。それによりユーザは、議論の内容、議論の方向性を理解し易くなる効果が生まれる。このようにアイテムマップを利用することで、複数のユーザの意識の共有化や思考のきっかけが図られ、検討漏れや不足アイテムの発見の促進を図ることが出来る。
更にアイテムマップ上に配置されたアイテムは、アイテムマップの閲覧者やユーザにより下記のように利用される(112A)。
・ 各領域における、アイテムの分布状況の比較
・ 関連するアイテム同士の、表示の関連付けや関連付の変更
・ 関連するアイテム同士の、線による結び付け
・ 共通するトレンドのアイテム同士の、表示の関連付けや関連付けの変更
これらの機能により、アイテムマップ上のアイテムの分布の状況を色々な角度から見やすく俯瞰することが可能となる。これにより、ユーザが新たにアイテムマップに入力する情報(内容)創出を促進できる効果が生まれる。
上記のアイテムマップを使用する事でアイテムの抽出/マップの展開/マップの比較の支援が可能となる。
図1Bは、一実施形態にかかるアイテムマップの具体的活用内容の一例を示す一覧である。
次にアイテムマップの基本的な概念図を示す。
図1Cは、一実施形態にかかるアイテムマップの基本的な概念図の一例を示す図である。ユーザによる情報入力により生じたアイテムA102C〜アイテムD105Cが、それぞれアイテムマップ100C内に配置されている。ここでアイテムA102C、アイテムB103C、アイテムC104C、アイテムD105Cはアイコンなどの記号で表記されても良いし、テキスト形式でアイテム内容が記載されても良い。
思考または議論の途中でユーザが思い付いた内容(情報)は、例えばアイテムE107Cに示すように、ユーザの操作によりアイテムマップ100C上に追加で登録することができる。
また、本実施形態のシステムではアイテムマップ100C上に配置されている所定アイテムのアイコンをユーザがタップやクリック等の操作で選択(指定)すると、その関連情報の検索または表示が可能となっている。
ユーザが、例えばアイテムD105Cを指定すると、アイコンの大きさが拡大されて表示され“指定された状態である”であることが明示される。更にその拡大表示されたアイコンをクリック(またはタップ)すると、画像/映像を含むポップアップ画面106Cが表示される。ポップアップ画面106Cの中には、画像/映像/テキスト形式での情報表示や音声表示あるいは画像や映像などにより特定の処理や特定の情報源へのリンク先が表示される。更にユーザがこのリンク先をタップやクリック等の操作により選択することで、特定の処理の実行や特定の情報源へのアクセスが可能となる。
アイテムマップ100Cは、例えばアイテムD105Cに関連する情報の検索や詳細情報の表示が可能となる。その結果として、多彩かつ多様な思考展開や議論展開の促進が可能となる効果が生まれる。また検索のための操作を行うとアイテムマップをネットワークに接続することで、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等を用いた抽出情報の提示を行いユーザ視点以外の発想や着想を追加する事が可能となり、ユーザの発想を広げる効果も生まれる(図1F参照)。
アイテムマップ100Cは、またメニュー画面101Cを持つ。ユーザは、メニューの各項目を選択する事で、アイテムマップ100Cの表示内容を変更することが可能である。以上のようにアイテムマップは、ユーザの思考・議論を支援することができる。
図1Dは、図1Cに示したアイテムマップ100C上にユーザが入力した情報(内容)を追加する場合の処理の流れ位の一例を示した図である。本実施形態としての本マップシステムは、新規アイテムの関連情報を入力する入力部124Dと制御部126D、アイテムマップ100Cを表示する表示部122Dから構成される。また制御部126Dは、編集機能制御部128Dと使用機能制御部130Dの機能を有している。
入力部124Dの具体的な形態として、Keyboardやタッチパネル、手書き文字入力画面に限らず、例えばMicrophoneなどの音声入力機能やカメラなどの画像または映像入力機能を備えても良い。
例えば図1Cに示すように、ユーザの情報(内容)の入力によりアイテムE107Cを新規にアイテムマップ100C内に追加する場合を考える。
ユーザが図1Dに示すメニュー画面101D内の“ワーク”を指定(クリック)すると、ユーザは新たな情報(内容)をアイテムマップに追加することができる。新規にアイテム追加を開始する処理方法として上記に限らず、例えば事前に設定されたキーワードをユーザが発声し、その音声が前記入力部124Dに入力されても良い。またそれに限らずメニュー画面101D内の“ワーク”を指定(クリック)してパレット(図3Gの310G参照)を表示させ、パレット内の“ワーク”132D(図3Gでは314Gに対応)を指定(クリック)しても良い。更に上記以外の任意の方法を利用して新規にアイテムの追加処理を行っても良い。
ユーザが”ワーク“を指定(クリック)すると、入力するアイテム内容表示画面134Dが表れる。そして入力部124DからKeyboardによる入力あるいは手書きによる入力あるいは音声による入力などの手段でアイテムマップに表示する情報入力を行う。情報を入力している状況は、アイテム内容表示画面134D内に表示される。
図1Eは、図1Dに示したユーザが入力した情報(内容)をアイテムマップ上に追加した後の、アイテムマップ上に表示されているアイテムの様子を示した図である。表示画面134D内への情報の入力が完了すると、入力した情報がアイテムマップ100E内に追加される。上記の一連の処理の実行により、図1Cで示したアイテムE107Cのアイテムマップ100C内へ追加され、図1Eの状態となる。
図1Fに、アイテムマップの支援内容ごとの機能に対する効果の一覧を示す。
図2は、上記で説明したアイテムマップを具体化した一実施形態として、本マップ(Idea Wall Map)の基本概念を示した図である。本マップは、3次元構造を有する地球儀の表面を2次元的に表現した領域を、マップの全体としたものである。本マップは、「社会」と「個人」という2つのカテゴリにより、大きく2つの領域から成る。この2つの領域は、例えば地球儀を北半球と南半球の2つに分割し、その分割した2つの半球の表面を、2次元的に表現した2つの領域である。更に地球儀の表面上に存在している緯線/経線を2次元的に配置した線を用いて、カテゴリをさらに定義することで、「社会」と「個人」という2つの領域をさらに小さな領域に分割することが可能となっている。それぞれの小さな領域は、例えば「国」、「都市」、「家」、「生活」のカテゴリの領域である。ユーザにより入力された個々の情報(内容)は、その内容により本マップ内の適正な領域内に配置される。
図3Aは、一実施形態にかかる本マップを領域に分割した一例を示す図である。
はじめに赤道を含む面により地球儀を北半球と南半球に分ける。各々の半球の表面を2次元的に表現した2つの領域を、本マップの全体とする。各々の半球の表面を2次元的に表現するのに、例えば赤道を含む断面円の中心から各々の半球の表面を2次元的に表現することで、2つの領域は円形に表現される。この2つの領域には、もともとの半球に存在していた緯線/経線に相当する線が2次元的に配置されている。このうち経線に相当する線により、本マップの全体は「分野」と呼ばれるカテゴリごとの領域に分割される。また緯線に相当する線により、本マップの全体は「レベル」と呼ばれるカテゴリごとの領域に分割される。図3Aの例は、「社会」「個人」のカテゴリにより2つの領域がそれぞれ円で表現されており、円の中心(極とも呼ぶ)から円の外方向(南北)に延びる線が経線に相当する線である。この例は、「社会」「個人」の各領域が、前記経線に相当する線により8等分に分けられている例である。しかしそれに限らず、任意の数で均等分割しても良い。例えば後で示す図3Eのように14分割しても良い。また更にそれに限らず、分野毎に配置されるアイテム数に応じて非均等に分割しても良い。
「分野」は、「社会」の領域と「個人」の領域で共通化しても良い。例えば「社会」の領域の中の、経線に相当するある線により分割されている領域Aの分野は、「個人」の領域における同じ経線に相当する線により分割されている領域Bと同じ分野でもよい。またそれに限らず、設定される「分野」は「社会」の領域と「個人」の領域で異なっても良い。本マップをこのように設定する事で、地球規模の広い視野での思考あるいは議論を促進できる。
図3Aの例は、「社会」の領域と「個人」の領域とに配置するカテゴリは、領域Aと領域Hにおいて最も近づくように配置した例であるが、他の領域、例えば領域Gと領域Hにおいて「社会」の領域と「個人」の領域とが最も近づくように配置してもよい。
図3Bは、一実施形態に係る本マップを領域に分割した他の例を示す図である。この例は、「社会」の領域の中が「分野」と「レベル」が1つの場合の例であり、「社会」の領域がさらに細かな領域に分割されていない例である。
図3Cは、一実施形態に係る本マップを領域に分割した他の例を示す図である。この例は、「社会」の中の分野で分けられている領域が異なる緯度の幅で分割されている例を示している。さらに、分野により分割された領域の1つだけが、更にレベルによる領域が分割されている例である。
図3Dは、図3Aから図3Cのマップの内容をより具体的に示した図である。図3Dでは、「社会」の領域内を「家庭/個人」、「コミュニティ」、「都市」、「国」の「レベル」により、経線に相当する線で領域を分割している。これにより本マップ内に配置されるアイテム毎の位置が定義される。この結果ユーザから見ると、異なるアイテム間の関係を把握し易くなる効果が生まれる。
一方「個人」の領域は、「生活/活動」と、「脳」「五感」「感情/欲求」の2つの「レベル」により、経線に相当する線で2つの領域に分割されている例である。「脳」「五感」「感情/欲求」は、それぞれ異なる概念の言葉であるが、このように1つの「レベル」として定義される場合もある。この場合、各々の言葉はこの領域内でそれぞれが異なる位置に存在しているが、これらの間では明確な領域の分割を行っていない例である。このように、「社会」と「個人」とで、領域の分割方法を変えてもよい。また、複数の概念を持つ言葉で1つの「レベル」を定義してもよく、この異なる概念をもつ言葉の間で領域の分割を行わず、1つの領域として分割してもよい。これにより、「社会」と「個人」と言う異なる属性を持った領域毎に適正な領域設定が行える効果が生まれる。図3D中の各“○”(マル)は、入力されたアイテムが、本マップ上に登録されたものである。アイテム300Bは、登録されたアイテムの一例である。
アイテム300Bの表示の大きさは、アイテム300Bの重要性や、アイテムの内容に関連した統計値等に応じて変えてもよい。またアイテム300Bの表示の色は、そのアイテムの内容や種類に応じて変えてもよい。そしてこのアイテムの種類や内容として、「注目されているワードか?」、「最近聞くワードか?」、「課題となっているワードか?」、「技術ワードか?」により区別されても良い。
上記複数の「レベル」は、「社会」の領域では例えばその中心が社会側の頂点(例えば社会の最高機関、国会、最高裁判所などの何れか又はこれらの組み合わせ)に関係したカテゴリであり、「個人」の領域では例えばその中心が個人側の必須器官(例えば脳、腸、心臓等の何れか又はこれらの組み合わせ)に関係したカテゴリとしてもよい。また本マップの利用形態により、各種のあらゆる(レベルの)分類形態を使用しても良い。
また「レベル」が、「個人」の領域の中心に近付くにしたがって、ある「レベル」から「分野」による領域の分割がなくなってもよい。また「個人」の領域の中心を含む領域は、少なくとも脳に関するワードが含まれてもよい。一方で「社会」の領域の中心を含む「レベル」には、少なくとも国に関する「カテゴリ」が含まれてもよい。そしてその結果として、「個人」の領域の「レベル」は、脳に関する「レベル」の領域が高緯度に相当する「レベル」に位置しており、上記脳の「レベル」の領域から離れる領域のカテゴリが、低緯度に相当する「レベル」に位置している。また同様に、上記「社会」の領域「レベル」は、国に関する「レベル」の領域が高緯度に相当する「レベル」に位置しており、上記国の「レベル」の領域から離れる領域の下位組織に関するカテゴリが低緯度に相当する「レベル」に位置している。
図3Eは、図3Aから図3Cの内容をより具体的に示した他の例の図である。「社会」の領域は、「安全/安心」、「医療ヘルスケア」、「水・空気」等の「分野」により領域が分割されている例である。この例では、分野毎に経度方向で約15度ずつに分割されている。また、「個人」の領域は、「脳」「五感」等の「レベル」により領域が分割されている例である。この例に示すように、「レベル」による分割は、「社会」「個人」の領域の円の中心と同心円状に分割する必要はなく、あくまでも経線に相当する線により任意の形状で領域分割することが可能である。このように作成された本マップは、図5Aまたは図5Bで後述するMapDB501A内に保存されても良い。
すなわち前記複数の分野は、少なくとも社会・経済・産業に関係したワードを分類している。また本マップの利用形態により、各種のあらゆる(分野の)分類形態を使用しても良い。
図3Fは、ユーザが入力したアイテムに関する属性情報の内容の例を示している。ID300Fは、本マップ上に配置されているアイテムのユニーク番号を示している。またアイテム301Fは、本マップ上に配置されているアイテムそのものを示している。アイテム301Fは、既に述べたようにテキストに限らずアイコン、画像、音声、動画などでもよい。テキスト302Fは、入力されたアイテムの情報をテキスト情報として抽出した情報である。経度303Fと緯度304Fは、本マップ上に配置されているアイテムの配置位置に関する情報を示している。マルの大きさ305Fは、本マップ上にアイテムを配置する際の表示位置を示すマルの大きさを示している。属性情報306Fは、本マップ上にアイテムを配置する際の表示位置を示すマルの色を示している。関連KeyWord307Fは、関連するKeyWordのIDを示している。関連するKeyWord307Fの情報を持つアイテム同士は、互いに関連する関係を有する。これら互いに関連するアイテム同士は、例えば本マップ上で互いに線で結ばれて表示されても良い。この表示方法を利用する事で、ユーザはアイテム間の関連性を視認し易くなる効果が生まれる。
更に上述したような本マップ操作の効率化を図るため、本マップを表示する画面上には各種のメニューやパレットを表示させても良い。
図3Gは、本マップにおけるメニュー画面の表示の例および内容の例を示す。図3Gではメニュー画面310Gを本マップの左下位置に表示している。しかしそれに限らず、本マップ内あるいは本マップ外の任意位置にメニュー画面310Gを表示しても良い。またこのメニュー画面310Gは通常は表示させず、マウスの右クリックやダブルタップ、あるいはユーザが発した言葉から特定の単語の認識により表示させても良い。
メニュー画面310G内の“トップ”ボタン311Gを指定(クリック)すると、初期の本マップ画面(メニュー画面310Gを表示する前の画面)に戻る。この初期の本マップ画面とは、例えば図3Aのように「分野」「レベル」のみが設定され、アイテムがまだ登録されていない状態でも良い。またそれに限らず、デフォルトで設定された複数の特定のアイテムのみが表示された状態でも良い。
“本マップとは?”ボタン312Gを指定(クリック)すると、本マップの基本概念説明(動画または時間経過と共に変化する静止画像)が開始される。ここでは、図2から図3Cを利用した上記内容が説明される。
“エリア”ボタン313Gを指定(クリック)すると、前述した緯度の違いに対応する“レベル”と経度の違いで示される“分野”で分割された各領域の内容が説明される。一般的な多くのアプリケーションソフトでは“ヘルプ”キーが設定されている。しかし“ヘルプ”キー選択後にキーワード入力する従来の方法では、対応ソフトの基本概念理解までに時間が掛かる。それに比べて上記の“本マップとは?”ボタン312Gや“エリア”ボタン313Gのように本マップ(あるいは図1Cで示したアイテムマップ)の解説へ直接のアクセスを誘導する手段を持つ事で、初心者ユーザが短期間で熟練する効果が生まれる。
“ワーク”ボタン314Gを指定(クリック)すると、ユーザが入力する情報(内容)や指定したアイテム関連情報の(ネットワーク経由での)検索(表示)、所定アイテムの属性情報追加(編集)などの各種処理(ワーク)が開始する。その具体例として図1C、図1Dを用いて説明したようにユーザが入力する情報(内容)の追加処理を開始させても良い。また他の応用例として図3G、図3Hで示したように、各種処理(ワーク)の開始に導くパレットを表示させても良い。
“ホーム”ボタン315Gを指定(クリック)すると、本マップの表示サイズが初期の状態に戻る。本実施形態では、本マップ内の任意な位置での表示のズームインとズームアウトが可能となっている。このようにズームインまたはズームアウトを行った後に表示サイズを初期の状態に戻したい場合、“ホーム”ボタン315Gを使用する。上記ボタンを使用する事でアイテム間の関連性の全体が俯瞰できるので、ユーザがより広い視野で思考・議論する助けとなる。
“クリア”ボタン316Gを指定(クリック)すると、直前の操作の内容が破棄される。そのためユーザが操作ミスを起こした場合に、このボタンを使用できる。
“クリップ”のボタン317Gを指定(クリック)すると、予め指定した(クリップした)場所へジャンプする。例えばユーザが本マップを用いて編集/関連情報の検索/新規アイテムの追加時に得られた情報に対して予めクリップして置く。この処理後に対応したクリップを指定(クリック)する事で、前記情報の表示画面にジャンプする。また本実施形態では前記情報の表示画面へのジャンプに限らず、過去の操作に戻っても良い。すなわち本マップを用いた編集/関連情報の検索/新規アイテムの追加の過程で、途中の操作をクリッピングする。それにより過去の操作に素早く戻れるので、一連の処理効率が向上する。
“×”のボタン318Gを指定(クリック)すると、本マップが閉じる。
本実施形態では、上述したメニューに加えてパレットを利用して処理効率向上を図れる。図3Hは本マップにおけるパレットの表示の例および内容の例を示す。入力部124D(図1D)を用いた所定処理から、このパレット表示が開始される。しかしそれに限らず、例えば図3Gに示したメニュー310G内のワーク314Gを利用して上記パレット表示をしてもよい。パレット内のクリア325Hとエリア326H、ホーム327Hの使用方法は、図3Gで示したメニュー内のクリア316Gとエリア313G、ホーム315Gとそれぞれ一致する。またユーザが本マップを用いて編集/関連情報の検索/新しい情報(内容)の追加などを行った時に得られた情報を表示している時に“クリップ”ボタン324Hを指定(クリック)すると、その情報が一時保存される。その後にメニュー画面310G内の対応したクリップボタン317Gを指定すると、この一時保存された情報が再表示される。
また“ペン”ボタン323Hを指定(クリック)すると、本マップ上に自由に曲線を描ける。そしてパレット内のワークボタン321Hを指定すると、ユーザが入力した情報(内容)あるいは本マップ上に登録されているアイテムに対応した付箋が本マップ上に表示される(図4E参照)。そして入力部124Dを使用して、この付箋内に所定の文字や短文を入力できる。
更に本実施形態では“矢印マーク”322Hを指定する事で、入力したアイテムを線でつなぐことができる。このように本マップ上で付箋間(アイテム間)を線でつなぐ事で、複数の付箋(アイテム)間の関係が表示され、思考や議論の推進に効果が表れる。
一方で“Theme”ボタン328Hを使用して、思考途中または議論最中の中心テーマが設定できる。すなわち“Theme”ボタン328Hを指定(クリック)すると、図3Iを用いて後述する“テーマ設定/入力画面”が表示される。
図3Iは本マップにおけるテーマを設定/入力する画面例を示す図である。まず始めにメニュー画面内のワークボタン314Iを指定してパレットを表示する。そのパレット内の“Theme”ボタン328Iを指定(クリック)すると、テーマ設定/入力画面が表示される。このテーマ設定/入力画面は、テーマ入力場所332Iと決定ボタン334Iから構成されている。ユーザが入力部124Dから、思考途中または議論最中の中心テーマ内容をテーマ入力場所332I内に入力する。テーマ設定/入力が完了すると、決定ボタン334Iを指定し(押して)設定テーマを入力する。なおこの設定テーマの利用方法は、図4Cを用いて後述する。
図4は、本マップ上に配置された所定のアイテム(BIM‥Building Information Modeling)401Aを、ユーザが選択(指定)した場合の本マップの表示の一例である。ユーザが所定のアイテム(BIM)を選択(指定)する方法は、該当するアイコン(あるいはテキスト)をクリックやタップ等の操作でもよい。
図4Aの表示例では、拡大表示されたアイコンBIM401Aの周囲に「i」の表示が表れる。この部分を指定(クリック)することで、アイテム「BIM」に関連する説明または定義情報が表示できるようになっている。次にユーザがその部分をタップやクリック等の操作により選択すると、「BIM」に関する詳細情報が表示される(図示しない)。この「i」の表示は通常は表示されず、ユーザがアイテム「BIM」の表示をタップやクリック等の操作により選択した時に、初めて表示されるようにしてもよい。
図4Bは、図4A同様に本マップ上に配置された所定のアイテムをユーザが選択(指定)した場合の、本マップの表示の他の例である。アイテム「BIM」の周りの「i」401Bは、図4A同様にアイテム「BIM」に関連する説明または定義に関する情報の表示が可能となり、その部分をタップやクリック等の操作をすると詳細情報が表示される。「カメラマーク」402Bは、動画静止画等の画像情報を追加する処理の導線を表したもので、その部分をタップやクリック等の操作をすると、アイテム「BIM」と関連づけて新たな動画や静止画を保存する処理が開始される。「吹き出しマーク」403Bは、コメントやSNSの情報を追加する処理の導線を表したもので、その部分をタップやクリック等の操作をすると、アイテム「BIM」と関連づけて新たなコメントやSNSの情報を追加する処理が開始される。「検索マーク」404Bは、外部の検索エンジンを用いてアイテム「BIM」に関連する情報を検索する処理の導線を表したもので、その部分をタップやクリック等の操作をすると、Web等を使用してアイテム「BIM」と関連する情報を検索する処理が開始される。
このように本実施形態では所定のアイテムを代表する記号(アイコン)やテキストを本マップ上で選択(指定)すると、その近傍に次の操作ガイドが表示される。それによりユーザの次の処理への誘導が早く行えるため、ユーザの利便性が向上する。つまり所定アイテムから離れた位置に次の操作を指定するメニュー画面が設置する場合では、ユーザが所定アイテムを指定した後にメニュー位置まで目(視点)を移動させる必要が有る。それに比べて上記の表示方法では、ユーザは視線を移動させることなく次の処理選択への移行が行える。
図4Cは、図3Iで説明したテーマに関して、ユーザが指定したアイテムに関連する内容の検索結果例を示す図である。ユーザが図4Bで指定したアイテム(例えばBIM)に付随した吹き出しマーク403Cを指定すると、そのアイテムと図3Iを使って事前入力したテーマを組み合わせてインターネット上での情報検索を行う。この情報検索例としてSNSを使用しても良い。しかしそれに限らず、例えばインターネット上の辞書検索機能やTIPS(tipの複数形)機能を利用しても良い。
その情報検索の結果は、例えば、テーマに関する検索結果の表示画面450C内に記載されたような形式で表示される。ここで検索ヒット数が高い単語ほどフォントのサイズを大きくしている。このように単語ごとのフォントサイズを変えることで、ユーザは容易に検索ヒット数の大小を認識することができる。
本実施形態のように、ユーザが指定するアイテムと事前に登録しているテーマとの組み合わせで情報検索する事で、効率の良い(精度の高い)情報検索が可能となる。
なおテーマに関する検索結果の表示画面450C内に記載された情報の他の利用方法として、入力した情報を本マップ内に自動配置場所設定時の距離計算(図6A〜図6Fを用いて詳細を後述)などに用いても良い。
本マップ上に配置されたアイテムを選択(指定)した直後に現れる画面の他の表示方法を図4Dに示す。SNS401Dは、アイテム「健康維持」に関連してSNSを起動する導線を示している。そしてその部分をタップやクリック等の操作をすると、アイテム「健康維持」に関連してSNSを用いた処理が開始される。SNSを用いた処理は、例えば送信されているSNSのメッセージの内容にアイテム「健康維持」が含まれているものを本マップ上に表示しても良い。画像共有サービス402Dは、アイテム「健康維持」に関連して画像共有サービスを起動する導線を表す。画像共有サービスを用いた処理は、例えば画像共有サービス上に保存されている写真等から、アイテム「健康維持」に関連する写真を本マップ上に表示しても良い。辞書/辞典サービス403Dは、アイテム「健康維持」に関連して辞書/辞典サービスを起動する導線を表している。そしてそこをタップやクリック等の操作をすると、アイテム「健康維持」に関連して辞書/辞典サービス403Dを用いた処理が開始される。辞書/辞典サービス403Dを用いた処理の例としては、例えばアイテム「健康維持」を入力ワードとして辞書/辞典サービス403Dでその意味を検索するものがある。
アイテム「健康維持」に関連した付箋追加404Dを指定すると、ユーザがコメント追加(またはコメント入力)することができるエリアが表示され、そのエリアにユーザがコメント追加(またはコメント入力)することが可能となる。
図4Eは、図4Dに示した付箋追加404Dの機能を使って、ユーザがコメント追加(またはコメント入力)を行った後の付箋が、本マップ上に配置されている様子を示した例である。付箋としての記載内容として、例えば課題401Eとウォンツ402E(要求項目)の2つのジャンルに分け、それぞれ異なる色で表示しても良い。
図5Aは、本マップシステムの全体構成図の一例を示したものである。本マップシステムは、ユーザ側(クライアント端末側)に設置されたMicrophone510A、MapDisplay511AおよびKeyboard512A、及びインターネット/イントラネット530Aで接続されたクラウドサーバから構成されている。ここで前記クラウドサーバは、MapController500A、本マップに表示されるアイテムに関連する情報を保存するMap DB501Aから構成される。また、前記クラウドサーバは、ユーザから入力されたアイテムに関する情報が音声の場合にその入力された音声情報を認識するための音声認識サービス502Aに接続されている。更に前記クラウドサーバは、インターネット検索サービス520AおよびSNS商用サービス521Aが接続可能となっている。なおSNS商用サービス521Aに限らず、例えばブログ等のWeb上のサービスなどインターネットを経由したあらゆる情報収集サービスまたは情報発信サービスから情報を収集してもよい。
ユーザは、本マップ上に表示させるアイテムを、クライアント端末のMicrophone510Aを経由して音声で入力したりKeyboard512Aを用いてテキストデータ等で入力したりすることができる。これらのユーザが入力したデータは、インターネット/イントラネット530Aを経由して、クラウド上のMapController500Aに転送される。
MapController500Aは、MapDB501Aに保存されている各領域の位置に関する情報やレベルや分野の命名に関する属性情報及び既存アイテムの情報をもとに、インターネットあるいはイントラネット530経由で送られてきた新規アイテムのデータ若しくは既存アイテムに追加されるデータを本マップ上の適正な位置に配置する処理を行う。適正な位置への配置の処理の方法に関しては後述する。なおMapController500A、MapDB501Aおよび音声認識サービス502Aを合わせて制御部と称することとする。
図5Bは、本マップシステムの全体構成図の他の例を示す。本マップシステムを構成するクライアント端末514Bは複数台でも良い。また図5Bに示すようにクライアント端末514Bとして、PC515B、スマートフォン516B、タブレットPC517Bなど入力手段と表示手段をもつ任意の端末を使用しても良い。
図5Cは、本マップを有するシステムの全体構成図の他の例を示している。図5Aおよび図5Bに示したように制御部がクラウド上に存在しているのではなく、図5Cに示すようにクライアント端末515C、516C、517C内に存在していてもよい。
図5Dは、MapController520D(図5Aの500Aに相当)のハードウェア/ソフトウェアブロック図の一例示している。MapController520Dは、CPU520D、デバイス管理部521、本マップシステム制御部522Dと、表示制御部523D、機能管理部524D、編集機能制御部527D(図1Dの128Dに対応)、使用機能制御部528D(図1Dの130Dに対応)、相関度算出部525D、通信制御部526Dとを含む。これら構成要素は、CPU520Dによって実行されるソフトウェアプログラムであってもよいし、専用のハードウェアとソフトウェアプログラムとの協働であってもよい。
本マップシステム制御部522Dは、MapController520D全体の制御を司る。
表示制御部523Dは、クライアント端末の表示画面(図5Aに示すMap Display511A等)、に本マップを表示するデータの作成/制御を行う。クライアント端末の表示画面に表示する本マップのデータは、MapDBに保存されている。表示制御部523Dは、クライアント端末の表示画面に本マップを表示する際に、MapDBに保存されているデータを読み出し、読み出したデータをもとにクライアント端末の表示画面に表示する。また表示制御部523Dは、ユーザのキーボード操作や音声により、本マップの内容が追加された際には、追加された内容に対応して本マップの表示内容を適切に更新する。また、表示制御部523Dは、更新された本マップの表示内容に対応する表示用のデータを、適宜MapDBに保存する。
機能管理部524Dは、本マップシステムがもつ機能を管理する。本マップシステムの機能は、大きく2つの機能を持つ。1つは、編集機能(第1の機能とも呼ぶ)であり、もう1つは使用機能(第2の機能とも呼ぶ)である。機能管理部524は、本マップシステムにおけるこれらの機能の切り換えや、各機能おける状態の制御を行う。編集機能および使用機能のそれぞれの機能については、後述する。
編集機能制御部527Dは、本マップシステムが編集機能(第1の機能)として動作する場合の処理の制御を行う。また使用機能制御部528Dは、本マップシステムが使用機能(第2の機能)として動作する場合の処理の制御を行う。
相関度算出部525Dは、ユーザが本マップに入力する情報(内容)と既に本マップに登録済みのアイテムとの相関度を計算する。本実施形態は、後述するように、ユーザが入力した情報(内容)と既に本マップに登録済みのアイテムとの相関度を算出し、算出した相関度をもとにユーザが入力した情報(内容)を本マップ上に配置するための適正な位置を決定する。
通信制御部526Dは、クライアント端末と制御部とのデータのやり取りを管理している。またこの通信制御部526Dは、インターネットを経由したインターネット検索サービス520AやSNS商用サービス521Aとのやり取りも管理している。
図5Eは、制御部の処理フローの全体像を示している。先に説明したように本実施形態は、次の2つの機能を持つ。一つは編集機能(第1の機能)であり、もう一つは使用機能(第2の機能)である。
編集機能(第1の機能)は、ユーザが入力した新規アイテムを、本マップ上に追加配置、登録する機能である。
使用機能(第2の機能)は、本マップ上に新規アイテムを付箋として表示させる付箋表示機能と、本マップ上に表示されている既存アイテムや新規アイテムに関連する情報やユーザが知りたい情報を、インターネット・イントラネットを経由して取り込んで表示する外部情報表示機能を有する。
本マップシステムが、起動すると(S500E)、表示制御部523Dは、編集機能と使用機能のいずれかを選択することを促す表示を表示画面上に行う(S501E)。機能の選択を促す表示を見たユーザが編集機能を選択すると(501EのYesの場合)、表示制御部523Dは、その旨を機能管理部524Dに通知する。機能管理部524Dは、表示制御部523Dから受信した通知により、編集機能を動作させるように編集機能制御部527Dに通知する。表示制御部523Dより通知を受けた編集機能制御部527Dは、編集機能を動作させるように本マップシステムを設定する(S502E)。
一方、機能の選択を促す表示を見たユーザが使用機能を選択すると(501EのNoの場合)と、表示制御部523Dは、更に外部情報表示機能と付箋表示機能のいずれかを選択することを促す表示を表示画面上に行う(S503E)。機能の選択を促す表示を見たユーザが外在情報表示機能を選択した場合(503EのYesの場合)、表示制御部523Dは、その旨を機能管理部524Dに通知する。機能管理部524Dは、表示制御部523Dから受信した通知により、在外情報表示機能を動作させるように使用機能制御部528Dに通知する。表示制御部523Dより通知を受けた使用機能制御部528Dは、在外情報表示機能を動作させるように本マップシステムを設定する(S504E)。機能の選択促す表示を見たユーザが付箋表示機能を選択した場合(S503EのNoの場合)、表示制御部523Dは、その旨を機能管理部524Dに通知する。機能管理部524Dは、表示制御部523Dから受信した通知により、付箋表示機能を動作させるように使用機能制御部528Dに通知する。機能管理部524Dより通知を受けた使用機能制御部528Dは、付箋表示機能を動作させるように本マップシステムを設定する(S505E)。
図5Fは、制御部の処理フローの全体像の他の実施形態を示している。編集機能は、本マップに新たに情報(内容)を新規アイテムとして追加表示させることができる機能である。このため編集機能は、特定のユーザだけが使用できるようにしてもよい。図5Fの例は、編集機能と使用機能のいずれかを選択することを促す表示においてユーザが編集機能を選択した場合(S501FのYes)、表示画面上にパスワード入力画面を表示させ(S502F)、ユーザがパスワードを入力することで編集機能の正当な利用者かどうかを判断する(S503F)のステップを設けた例である。
図6Aは、図5Eに示した編集機能(第1の機能)および使用機能(第2の機能)において、ユーザが入力した新規アイテムのマップ上の表示位置を決定する表示位置決定機能の処理内容概略を示す図である。この配置位置決定機能は大きく4つのステップに分かれている。
ユーザが、本マップに新たな内容(情報)を入力すると、ステップ1として、入力された情報の配置場所として北半球か南半球かの決定を行う(S600A)。ステップ2として、分野の決定を行う(S601A)。ステップ3として極からの距離を決定する(S602A)。ステップ4として、ステップ3まで決定した配置場所におけるアイテムのマルの大きさを決定する(S603A)。このステップ4の処理は後述の付箋表示機能および外部情報表示機能では省略しても良い。
図6Bは、図5Eで示した編集機能処理(S502E)全体の処理フローを示している。編集機能の処理を開始する通知を受け取った編集機能制御部527Dは、編集機能の処理を開始する(S600B)。
編集機能制御部527Dは、通信制御部526Dを介してユーザが使用しているクライアント端末上の表示画面にアイテムの入力を促す画面を表示し、ユーザからの情報(内容)の入力待ちの状態に遷移する(S601B)。ユーザが情報(内容)を入力すると(S602B)、通信制御部526Dを介してその情報を受信した編集機能制御部527Dは、編集機能の処理であるステップ1の北半球、南半球の決定(S605B)の処理、ステップ2の分野の決定(S606B)の処理、ステップ3の極からの距離の決定(S607B)の処理、ステップ4のマルの大きさの決定(S608B)の処理を行う。これら処理により本マップ上の表示位置が特定されたユーザにより入力された情報は、既存アイテムとしてMap DB501Aに追加登録される(S610B)。編集機能制御部527Dは、このS605BからS610Bの処理を、ユーザが情報(内容)を入力するごとに繰り返し行う。ユーザが、クライアント端末の表示画面に表示されている「編集処理終了」ボタンを選択する(S603B)、編集機能制御部527Dは編集機能処理を終了し(S604B)、その旨を機能管理部524Dに通知する。編集機能処理の終了の通知を受け取った機能管理部524Dは、内部で管理する現在の機能の状態をアイドルに遷移させるとともに、現在の機能の状態がアイドルに遷移したことを本マップシステム制御部522Dに通知する。
編集機能処理の終了の方法は、例えばメニュー画面(図示しない)に表示されている機能選択(使用機能の選択)のボタンをユーザが選択する方法でもよい。あるいは、ある一定時間がユーザ操作の入力がないことを制御部が認識したら、編集機能処理を終了させる方法でもよい。
図6Cは、図6Bに示した北半球・南半球の決定(S605B)の処理フローの詳細を示したものである。
編集機能制御部527Dは、本マップシステムに既に登録されているモデルキーワードをMap DB501Aから読み出す(S601C)。
図6Gのモデルキーワードの例を示す。図6Gのモデルキーワードの例は、「個人」に関連が深い用語である。このモデルキーワードは、MapDB501Aに保存されており、本マップシステム制御部522Dにより管理されている。
編集機能制御部527Dは、保存されている各モデルキーワードとユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値(a1)の算出を相関度算出部525Dに指示する。指示を受けた相関度算出部525Dは、保存されている各モデルキーワードとユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値(a1)の算出(S602C)を行い、その結果を編集モード制御部527Dに返す。
図6Hは、保存されている各モデルキーワードとユーザが入力した情報(内容)との相関度の例を示した一覧である。縦軸が入力されたアイテムを示しており、横軸がモデルキーワードを示している。各々の数値は縦軸のユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と横軸のモデルキーワードの相関度を示している。例えばユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」とモデルキーワード「睡眠」との相関度は、20であることを示している。またa1は、ユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と各モデルキーワードとの各相関度の平均値を示している。図6Hの例では相関度の平均値a1は、68である。
相関度の値の算出の方法は、相関度算出部525Dが通信制御部526Dを経由してインターネット検索エンジンを用いてモデルキーワードとユーザが入力した情報(内容)のヒット数から算出する方法や、web上の文章の中でモデルキーワードが含まれている文章の集合体とユーザが入力した情報(内容)が含まれている文章の集合体の重なり具合から算出する方法のようにインターネットを利用した算出方法でもよい。またモデルキーワードに対してユーザが入力する情報(内容)と想定される単語各々に対して独自に相関度の値を決め、モデルキーワードとユーザが入力する情報(内容)の組み合わせごとの相関度のDBを独自に構築し、MapDB501Bに保存してもよい。この相関度のDBは、モデルキーワードの変更やユーザにより入力が予想される情報(内容)の増加により都度更新されてもよい。
相関度の値の算出が完了すると相関度算出部525Dは、算出結果を編集機能制御部527Dに通知する。
次に編集機能制御部527Dは、本マップに登録されている全アイテム(既存アイテム)とユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値(a2)の算出を相関度算出部525Dに指示する。指示を受け取った相関度算出部525Dは、本マップに登録されている全アイテムとユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値の算出を行う(S603C)。相関度の値の算出は、各モデルキーワードとユーザが入力する情報(内容)との相関度の算出と同様の方法を用いる。
図6Iは、本マップに登録済みの全アイテム(既存アイテム)とユーザが入力した情報(内容)との相関度の例を示したものである。縦軸がユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」を示しており、横軸が本マップに登録されている全アイテムの例を表している。各々の数値は縦軸のユーザが入力する情報(内容)と横軸の登録されている全アイテムとの相関度の例を表している。例えば入力されたアイテム「ブロックチェーン」と登録されているアイテム「楽しむ」の相関度は、80であることを表している。またa2は、ユーザが入力した「ブロックチェーン」に対する各登録されているアイテムとの各相関度の平均値を示している。図6Iの例では、平均値a2が83であることを表している。
相関度の算出が完了すると相関度算出部525Dは、算出結果を編集機能制御部527Dに通知する。
編集機能制御部527Dは、相関度算出部525Dから通知された平均値a1と平均値a2との大小関係を比較し(S604C)、a1の値がa2以上である場合(S604CがYesの場合)は、ユーザが入力した情報(内容)は「個人」の領域に属する、と判断する(S605C)。逆にa1の値がa2の値未満である場合(S604CがNoの場合)は、ユーザが入力した情報(内容)は「社会」の領域に属すると判断し(S606C)、北半球・南半球の決定の処理フローを終了する(S607C)。図6Hおよび図6Iの例の場合、a1が68でありa2が83であるので、S604Cの処理においてa1≧a2が成立せず、ユーザが入力した情報(内容)ブロックチェーンは、「社会」の領域に配置されるものと判断する。(S605C)。
次に、分野の決定の処理を行う。
図6Dは、分野の決定の処理フローの詳細を示したものである。編集機能制御部527Dは、MapDB501Aに保存されている分野の名前を読み出す(S601D)。先に示したように、各分野は経度で約15度の幅に相当する線により分割されているとする。分割されている「分野」の名前として「物流」「流通」「金の流れ」「ものづくり(働きかた)」「医療ヘルスケア」「水・空気」等があるとする。なお、図に示されていないが「分野」の名前として、生物(哺乳類動物、秘法乳類動物、食部、菌類)などが存在していてもよい。「分野」の数をm3とする。
編集機能制御部527Dは、読み出した分野の名前と関連の深い用語(以降分野関連用語と呼ぶ)を、通信制御部526Dを経由しインターネット検索エンジンにより検索する(S602D)。分野関連用語の数をn3とする。
図6Jは、分野の名前に対して、その分野の名前に関連する用語の一覧の例を示している。600Jは、分野の名前を表している部分であり、横方向の個数である「分野」の数がm3であることを表している。601Jは、分野関連用語を表している部分であり、各「分野」の関連用語の数がn3であることを表している。例えば、「物流」という分野の名前に対する分野関連用語は、「ロジスティクス」「SCM」「通信販売」「ネットショップ」「即日配達」・・・である。
編集機能制御部527Dは、図6Jの一覧に示した分野ごとの分野関連用語とユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値(a3k(k=1~m3)の算出を行う(S603D)。ユーザが入力した情報(内容)と分野ごとの分野関連用語との相関度の算出は、S602Cで示したように、相関度算出部525Dが通信制御部526Dを経由してインターネット検索エンジンによるモデルキーワードとアイテムのヒット数から算出する方法や、web上の文章の中でモデルキーワードが含まれている文章の集合体とユーザが入力した情報(内容)が含まれている文章の集合体の重なり具合から算出する方法のようにインターネットを利用した算出方法でもよい。また分野関連用語とユーザが入力する情報(内容)と想定される単語各々に対して独自に相関度を決め、この分野関連用語とユーザが入力する情報(内容)の組み合わせにおける相関度のDBを構築し、MapDB501Bに保存してもよい。この相関度のDBは、モデルキーワードの変更やユーザにより入力が予想される情報(内容)の増加により都度更新されてもよい。
図6K、図6L、および図6Mは、図6Jの一覧に示した分野ごとの分野関連用語とユーザが入力した情報(内容)との相関度の算出の例を示している。縦軸がユーザが入力した情報(内容)を示しており、横軸が分野関連用語を示している。各々の数値は縦軸のユーザが入力した情報(内容)と横軸の分野関連用語の相関度の例を示している。例えばユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と分野関連用語「ロジスティクス」との相関度は、45であることを示している。またa31は、ユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と各分野関連用語との各相関度の平均値を示している。図6Kの例では相関度の平均値a31は、40.4であることを示している。
同様にa32が、図6Lにおけるユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と各分野関連用語との相関度の平均値であり、a33が、図6Mにおけるユーザが入力した情報(内容)「ブロックチェーン」と分野関連用語との相関度の平均値である。このように、「分野」の数=m3だけ、ユーザが入力した情報(内容)と各分野関連用語の相関度の平均値a3k(k=1〜m3)が算出される。なお、図6Kから図6Mの例では、分野関連用語の数は5つであるが、この分野関連用語の数=m3は必要応じて任意に変えることが可能である。
分野ごとの分野関連用語とユーザが入力した情報(内容)の相関度の平均値a3k(k=1~m3)の算出が完了すると、編集機能制御部527Dは、算出された平均値a3kの中から最大値を抽出する(S604D)。最大値を抽出すると、編集機能制御部527Dは、ユーザが入力した情報(内容)は、分野ごとの分野関連用語とユーザが入力した情報(内容)との相関度の平均値の中で最大値となる分野の名前の領域に属する、と決定し(S605D)、分野の決定の処理を終了する(606D)。
次に、極からの距離の決定の処理を行う。
図6Eは、極からの距離の決定の処理フローを詳細に示したものである。極からの距離の決定は、ユーザが入力した情報(内容)が北半球、南半球の決定の処理(S605B)により北半球に配置される場合と南半球に配置される場合で、その決定の処理フローが異なる。
編集機能制御部527Dは、図6Cの北半球、南半球の決定の処理フロー(S600C)で、ユーザが入力した情報(内容)が北半球南半球のいずれに属するものと決定されたかを判定する(S601E)。ユーザが入力した情報(内容)が、北半球に属するものと決定されていると判定した場合(S601EがYesの場合)、北半球における局からの距離の算出処理に移る。
編集機能制御部527Dは、北半球における図6Dで決定した分野の領域に配置されている登録済みアイテム各々とモデルキーワードとの相関度の平均値(a4k(k=1~m4))の算出を行う(S602E)。ここで、図6Dで決定した「分野」の領域に配置されている登録済みアイテムの数をm4とする。編集機能制御部527Dは、算出した相関度の平均値a4kの中から、ユーザが入力した情報(内容)とモデルキーワードの相関度の平均値a1に一番近い値を持つ登録済みアイテムを抽出する(S603E)。編集機能制御部527Dは、その抽出した登録済みアイテムの近傍を、ユーザが入力した情報(内容)を配置する場所と決定する(S606E)。なお、ユーザが入力した情報(内容)の配置場所として、モデルキーワードの相関度平均値a1に対して、最も近い相関度を持つ登録済みアイテムの近傍でかつ、他の登録済みアイテム各々の相関度、配置位置の情報に基づいてユーザが入力した情報(内容)を配置する場所(緯度/経度)を決定しても良い。
図6N、図6O、および図6Pは登録済みアイテムとモデルキーワードの相関度の算出の例を示している。縦軸が登録済みアイテムを示しており、横軸がモデルキーワードを示しており、各々の数値は縦軸の登録済みアイテムと横軸のモデルキーワードの相関度の例を示している。例えば登録済みアイテム「現金を持たない」とモデルキーワード「睡眠」の相関度は20であることを示している。またa41、a42、a43は、それぞれの登録済みアイテムとモデルキーワードの相関度の平均値を示している。このように、図6Dで決定した「分野」の領域に配置されている登録済みアイテムの数=m4だけ、登録済みアイテムとモデルキーワードの相関度の平均値a4k(k=1〜m4)が算出される。
登録済みアイテムごとの相関度の平均値a4kの算出が完了すると、編集機能制御部527Dは、算出された平均値a4kの中から、ユーザが入力した情報(内容)である「ブロックチェーン」とモデルキーワードとの相関度の平均値68に一番近い値をもつ登録済みアイテムを抽出する(S603E)し、その近傍をユーザが入力した情報(内容)の配置場所と決定する(S606E)。図6Nから図Pの例では、ユーザが入力した情報である「ブロックチェーン」とモデルキーワードとの相関度平均値68(図6H参照)に一番近い値は70であり、その値を持つ登録済みキーワードは「現金をもたない」である。したがって、ユーザが入力した「ブロックチェーン」は、「現金をもたない」が配置されている場所の近傍に配置される。
次に入力されたアイテムが、南半球に属するものと決定された場合の、南半球における局からの距離の算出処理に移る。
編集機能制御部527Dは、南半球における図6Dで決定した分野の領域に配置されている登録済みアイテム各々とユーザが入力した情報(内容)との相関度(a5k(k=1~m5))を算出する(S604E)。ここで、図6Dで決定した「分野」の領域に配置されている登録済みアイテムの数をm5とする。編集機能制御部527Dは、算出した相関度のa5k(k=1~m5)の中から、ユーザが入力した情報(内容)とモデルキーワードの相関度の平均値a1に一番近い値を持つアイテムを抽出する(S605E)。編集機能制御部527Dは、その抽出したアイテムの近傍を、ユーザが入力した情報(内容)を配置する場所と決定する(S606E)。尚、ユーザが入力した情報(内容)の配置場所として、モデルキーワードの相関度平均値a1に対して、最も近い相関度を持つ登録済みアイテムの近傍でかつ、他の登録済みアイテム各々の相関度、配置位置の情報に基づいてユーザが入力した情報(内容)を配置する場所(緯度/経度)を決定しても良い。また、南半球においては、南半球における全登録済みアイテム(アイテム数:m6)と入力キーワードとの相関度を各々計算し、最も相関度の高い登録済みアイテムの近傍、且つ他の登録済みアイテム各々の相関度、配置位置の情報に基づいて、ユーザが入力した情報(内容)を配置する場所を決定しても良い。
以上により入力されたアイテムは、本マップ上の適正な位置に配置される。なおユーザが入力した情報(内容)に対して適正な位置が算出された際に、その算出された位置にすでに登録済みのアイテムが存在している場合は、ユーザが入力した情報(内容)を該当する登録済みのアイテムと同じ位置に配置してもよいし、該当する登録済みアイテムの近傍に配置してもよい。また、本マップ上にユーザが入力した情報(内容)を配置したあと、ユーザ操作によりその配置位置を移動出来るようにしてもよい。
またユーザが、入力されたアイテムごとにこれら図6Bから図6Eの処理を繰り返すことで、複数のアイテムを本マップに配置することができる。入力されたアイテムが、同一の領域に配置されても構わない。
次に、マルの大きさの決定の処理を行う。
図6Fは、マルの大きさの決定の処理フローの詳細を示したものである。
編集機能制御部527Dは、そのアイテムの有名度・重要度に応じて、本マップ上に表示するアイテムのアイコンの大きさを決定する。そのため編集機能制御部527Dは、相対的にそのアイテムがどれだけ一般的に利用されているかを判定し、該当のアイコンの大きさを決定する(S601F)。編集機能制御部527Dは、通信制御部526Dを経由して、インターネット検索エンジンによるユーザが入力した情報(内容)の利用頻度の情報を収集し、その結果に基づいてマルの大きさを決定する。あるいは、マルの大きさは統計的なデータに基づいて決定してもよい。この統計的データは、制御部内部で持つ統計的データでも、Web上の統計的データでもよい。なお表示する形状は、マルに限らず種々の形状を用いてもよい。また、アイテムの種類ごとに異なる形状及び色を用いてもよい。
次に使用機能の処理フローについて説明する。
図5Eに示す機能選択処理(S500E)においてユーザが使用機能を選択する(S501EのNoの場合)と、表示制御部523Dは、更に外部情報表示機能と付箋表示機能のいずれかを選択することを促す表示を表示画面上に行う(S503E)。機能の選択を促す表示を見たユーザが外部情報表示機能を選択した場合(S503EのYesの場合)、表示制御部523Dは、その旨を機能管理部524Dに通知する。機能管理部524Dは、表示制御部523Dから受信した通知により、在外情報表示機能を動作させるように使用機能制御部528Dに通知する。機能管理部524Dより通知を受けた使用機能制御部528Dは、在外情報表示機能を動作させるように本マップシステムを設定する(S504E)。
機能の選択促す表示を見たユーザが付箋表示機能を選択した場合(S503EのNoの場合)、表示制御部523Dは、その旨を機能管理部524Dに通知する。機能管理部524Dは、表示制御部523Dから受信した通知により、付箋表示機能を動作させるように使用機能制御部528Dに通知する。表示制御部523Dより通知を受けた使用機能制御部528Dは、付箋表示機能を動作させるように本マップシステムを設定する(S505E)。
最初に、付箋表示機能処理(S505E)の説明を行う。
図7Aは、ユーザにより付箋表示機能が選択された場合の処理フローの例を示している。付箋表示機能(S700A)が起動すると使用機能制御部528Dは、付箋表示機能の処理を開始する。
使用機能制御部528Dは、通信制御部526Dを介してユーザが使用しているMap Display511A上にユーザが新規アイテムを付箋として入力する入力画面を表示し、入力待ちに遷移する(S701A)。新規アイテムをユーザが入力したことを確認すると、使用機能制御部528Dは、内部にもつ設定情報の中の「類似語の抽出機能の設定」がオンになっているかの確認を行う(S702A)。「類似語の抽出機能」とは、入力された新規アイテムと類似すると思われる単体または複数の単語、画像等を抽出する機能である。このとき類似する単語、画像等は予め内部のデータベースに保存されているものを用いることができる。またインターネットを介して収集可能な単語、画像等の外部情報を用いることもできる。また音声収集装置を用いてマップを使用している状況において話されている単語を用いることもできる。またソーシャルネットワークサービスを用いて収集可能な言語、画像等を用いることもできる。またこれらを組合せて用いることも可能である。
「類似語の抽出機能の設定」がオンになっていない場合は、使用機能制御部528Dは、ユーザが入力した新規アイテムを本マップ上に配置する位置を、ユーザが入力した新規アイテムだけを用いて決定する(S706A)。ユーザが入力した新規アイテムの本マップ上に配置する場所を決定する処理は、ユーザが入力した新規アイテムに対して北半球、南半球の決定(S605B)、分野の決定(S606B)、極からの距離の決定(S607B)の処理により行い、新規アイテムの配置位置を決定する(S707A)。これらは、図6Aの配置位置決定機能のS600A、S601A、S602Aと同じ処理である。
使用機能制御部528Dは、S707Aで決定した配置位置に新規アイテムを付箋にてMap Display511Aに表示させる。使用機能制御部528Dは、ユーザによる付箋の配置位置の調整を受け付け、最終的に配置位置を決定する(S708A)。
「類似語の抽出機能の設定」がオンになっている場合は、使用機能制御部528Dは、ユーザが入力した新規アイテムに類似する単体又は複数の言葉や画像等(以降類似語群と呼ぶ)を用いて配置位置決定処理を行うことで、ユーザが入力した新規アイテムの本マップ上の配置位置を決定する。使用機能制御部528D、入力されたアイテムに類似する言葉(類似語)等を、内部に持つ辞書を使用して抽出する(S703A)。抽出する類似語は、1つでも複数でもよく類似語群を形成する(S704A)。抽出した類似語各々に対して、図6Cに示す北半球、南半球の決定、図6Dに示す分野の決定、図6Eに示す極からの距離の決定の処理において相関度の算出を行い(S705A)、その平均値を持ちることで、類似語群の配置位置を決定する(S707A)。
北半球、南半球の決定における類似語群の相関度の平均値の算出方法は、図6CのS602Cの処理が入力情報(内容)とモデルキーワードとの相関度の平均値(a1)の算出であるの対して、1つの類似語とモデルキーワードとの相関度の平均値(a1m)の算出を、m個全ての類似語に対して行い、算出されたm個の平均値(a1m)の平均値(a2)を算出すればよい。
また、分野の決定における類似語の相関度の平均値の算出方法は、図6DのS603Dの処理が入力情報(内容)と各分野の各分野関連用語各々の相関度の平均値(a3k)の算出であるのに対して、1つの類似語と各分野の分野関連用語各々の相関度の平均値(a3km)の算出を、m個全ての類似語に対して行い、算出されたm個の平均値(a3km)の平均値(a3k)を算出すればよい。
また、極からの距離の決定における類似語の相関度の平均値の算出方法は、図6EのS604Eの処理が決定した分野の領域に配置されている各登録済みアイテムと入力情報(内容)との相関度(a5k)の算出であるのに対して、決定した分野の領域に配置されている1つの登録済みアイテムと1つの類似語の相関度(a5km)の算出を、m個すべての類似語に対して行い、算出されたm個の相関度の平均値(a5k)を算出すればよい。
使用機能制御部528Dは、S707Aで決定した配置位置に新規アイテムを付箋にてMap Display511Aに表示させる。
なお本マップ上に配置する位置が決定した際(S707A)に、ユーザが入力した情報(内容)を示すアイコンの表示の大きさを決定するのにS608の処理を用いてもよい。
図7Bは図7Aと異なり、類似語の抽出処理を「選択する」/「選択しない」の選択を付箋表示機能の動作中にユーザが行う場合の処理フローの例である。使用機能制御部528Dは、Map Display511Aに類似語の抽出処理を「実行する」「実行しない」の選択を促す画面を表示する(S710B)。ユーザの選択(S711B)に従って、ユーザの選択に対応して処理を進め、ユーザが入力した新規アイテムの配置位置を決定し(S708B)、その配置位置にユーザが入力した新規アイテムの付箋を表示する。
図7Cは、入力された新規アイテムに対する類似語の抽出処理を行うのに、外部から取り込んだ音声情報を使用する場合(S703C)の処理フローの例を示している。ユーザが情報(内容)を本マップに入力する際に、ユーザの周辺で思考・議論として会話されている内容は、ユーザが入力しようとする新規アイテムに類似している場合がある。そこで、ユーザが入力した情報(内容)の類似語として、ユーザが本マップに情報(内容)を入力する前後で会話している内容から抽出することを行う。周辺で会話されている内容は、Microphone510A及び音声認識サービス502Aを用いて収集され、ユーザが入力した情報(内容)の類似語として判断される。また類似語を抽出する会話の長さは、任意に決めることが出来る。
次に外部情報表示機能の処理の説明を行う。
外部情報表示機能は、ユーザが入力した情報(内容)に関連し、MapDB502Aに保存されていない外部の情報、例えばインターネット上のウェブサイトやSNSのサイト等に存在する外部情報(以下、外部情報と定義する)を検索して取得し、本マップ上の配置する位置を決定し、決定した位置に外部情報を配置する機能である。本マップ上に配置する外部情報の位置の決定に使う情報の種類、および表示する外部情報の内容により複数の処理に分かれる。ユーザによる入力情報(内容)は、図4Dで説明したSNS401Dのタップやクリック等の操作例による検索対象の指定も含まれる。
なお外部情報表示機能における外部情報として、例えば検索エンジンで出力される情報のうち、ヒット数上位から選択して抽出してもよい。例えばSNS等の本文中の頻出単語の上位から選択してもよく、タイトルから単語を抜き出しその頻出単語の上位から選択してもよい。また、音声収集装置を用いてマップを使用している状況において話されている会話を検索対象としてもよい。
図7Dは、本マップ上に配置する外部情報の配置位置を決定するのに、ユーザが入力した情報(内容)のみを用いる場合の処理フローである。
使用機能制御部528Dは、通信制御部526Dを介してユーザが使用しているMap Display511A上の表示画面にユーザが検索したい情報(内容)の入力を促す画面を表示し、ユーザの入力待ちに遷移する(S701D)。ユーザが情報(内容)を入力したことを確認すると、使用機能制御部528Dは、ユーザが入力した情報(内容)に関連する外部情報を収集する(S702D)。
使用機能制御部528Dは、収集した外部情報の表示位置を決定するために、入力された情報(内容)を用いて配置位置の決定を行う(S703D)。配置位置の決定は、S605BからS607Bに記載の配置位置決定機能を用いる。外部情報の配置位置が決定すると(S704D)、使用機能制御部528Dは、通信制御部526Dを介して外部情報をMap Display511Aに表示される本マップ上の適正な位置に、外部情報を表示する。
なお本マップ上に配置する位置が決定した際(S705D)に、外部情報を表示する際の表示の大きさを決定するのにS608の処理を用いてもよい。
図7Eは、本マップ上に配置する外部情報の配置位置を決定するのに、ユーザにより入力された検索したい情報(内容)(S701E)に関連する外部情報を通信制御部526Dを介してインターネット上から収集し、その外部情報を用いる場合の処理フローである。
使用機能制御部528Dは、通信制御部526Dを介してユーザが使用しているMap Display511A表示画面に検索したい情報(内容)の入力を促す画面を表示し、ユーザの情報(内容)入力待ちに遷移する(S701E)。ユーザが情報(内容)を入力したことを確認すると、使用機能制御部528Dは、ユーザが入力した情報(内容)に関連する外部情報を収集し(S702E)、収集した外部情報を用いて配置位置の決定を行う。配置位置の決定は、S605BからS607Bに記載の処理を行う(S703E)。収集した外部情報は1つでも複数でもよい。各々の外部情報に対して本マップ上に配置する場所が決定すると(S704E)、使用機能制御部528Dは、通信制御部526Dを介して外部情報をMap Display511Aに表示される本マップ上の適正な位置に、外部情報を表示する(S705E)。なお、表示する外部情報の数は、あらかじめ決められた条件に応じて決定してもよい。例えば、ユーザが入力した情報(内容)に対して、Web上の検索エンジンでヒットするヒット数をもとに、本マップ上に表示する外部情報の数を決めてもよい。
図7Fは、図7Eに対して外部情報の収集の仕方を変えた場合の処理フローの例を示している。ユーザにより入力された検索したい情報(内容)(S701F)に対して、内部で持つ辞書により類似語を抽出する(S702F)。この抽出された1つあるいは複数の類似語からなる類似語群に対して、通信制御部526Dを介して関連する情報を外部から収集し(S705F)、その結果を本マップ上にマッピングする(S706F、S707F)。
図7Gは、図7Dの処理フローに対して外部情報としてSNSを用いた場合の処理フローの例を示している。
外部情報としてSNSを使用する場合、本マップ上に表示する内容としてSNSのキーワードだけを表示する場合と、SNSの全文を表示する場合の2つがある。図7Gの処理フローは、外部情報(SNS)の表示位置を決定するのに収集した外部情報(SNS)を用いている(S703G)いるが、図7Dのように外部情報の表示位置を決定するのにユーザが入力した情報(内容)を用いてもよい。あるいは、SNSのキーワードだけを表示する場合とSNSの全文を表示する場合の、少なくともいずれか一方だけの場合において、表示位置を決定するのに図7Dのようにユーザが入力した情報(内容)を用いてもよい。
図7Hは、外部情報の収集に用いる類似語群の抽出を、2段階で行う場合の処理フローの例である。第1段目の類似語群1の生成は、ユーザが入力したユーザが検索したい情報(内容)に対して内部にある辞書を用いて行いて1つ以上の類似語を抽出する(S702H)。この抽出により生成された類似語群1(S703H)を用いて、音声認識サービス502Aで認識した音声情報(周辺で会話されている内容)と類似語群1を照合して一致する類似語を抽出し(S704H)、その抽出した類似語から第2段目の類似語群2を生成する(S705H)。使用機能制御部527Dは、通信制御部526Dを介して類似語群2に関連する情報を外部から収集し、その結果を本マップ上にマッピングする。本マップ上の配置位置を決定するために、S605BからS607Bに記載の配置位置決定機能のフローを利用して行う。収集した外部情報は1つでも複数でもよい。各々の外部情報に対して本マップ上の配置位置が決定されると(S708H)、使用機能制御部528Dは、Map Display511A上に表示されている本マップ上の適正な位置に、各々の外部情報を表示する(S709H)。なお、表示する外部情報の数は、あらかじめ決められた条件に応じて決定してもよい。例えば、ユーザが入力した情報(内容)に対して、Web上の検索エンジンでヒットするヒット数をもとに、本マップ上に表示する外部情報の数を決めてもよい。また、外部情報の表示位置を決定するのに、図7Dのようにユーザが入力した情報(内容)だけの情報をもとに、その表示位置を決定してもよい。
図7Iは、図7Hの処理フローに対して類似語群2の生成方法が異なる処理フローの例である。図7Iの処理フローのS700IからS704Iは、それぞれ順番に図7Hの処理フローのS700HからS704Hに相当する。図7Iの図7Hとの相違点は、図7Hの処理フローのS705Hの処理が、図7Iの処理フローではS705IとS706Iに代わっている点である。図7Iの処理フローのS705Iでは、S704Iで使用した音声情報を元に、S704Iで抽出された特定の類似語(図7Hの類似語群2に相当)が当該音声情報に記録されている時刻の前後で音声認識された特定の単語を抽出する。なお、特定の単語は1つでも複数でも良い。S706Iでは、この特定の類似語と特定の単語の組み合わせ(例えば、特定の類似語と特定の単語の&演算子を用いた式や特定の類似語と特定の単語との合成語、または特定の類似語と特定の単語を含めた一文を含めるが、これに限らない。)を生成し、類似語群3を生成する。使用機能制御部527Dは、通信制御部526Dを介して類似語群3に関連する情報を外部から収集し、その結果を本マップ上にマッピングする。なお、外部情報の表示位置を決定するのに、図7Dのようにユーザが入力した情報(内容)だけの情報をもとに、その表示位置を決定してもよいし、類似語群1の中から抽出された特定の類似語を用いてもよい。
図8Aは、図3Gの応用例として、使用機能において本マップに表示される設定に関するメニュー画面の一例である。以降の機能は、機能管理部524D、使用機能制御部528Dによって実行される。図3Gと比べて図8Aに示したメニュー画面は、“クリップ”のボタン317Gを削除してメニュー画面の簡素化を図っている。また図3Gにおける“ワーク”のボタンは、特定アイテムの属性や情報を入力または表示する付箋(図4D参照)画像の表示に使用する。図3Gの使用方法と比べ、ここでは“ワーク”のボタンの使用目的を限定している。このように使用目的を限定する事で、ユーザの利便性を向上させる効果が生まれる。
また“?目的設定”のボタンは、図3Gの“?本マップとは”と同じ意味を持っている。本マップの概念を知りたいユーザの好みに応じて選択ボタンの表示名を変える事で、幅広いユーザへの利便性を確保できる。
図8Bは、使用機能において本マップに表示される機能に関するメニュー画面800Bの一例である。「Sticky notes」は、付箋表示機能への導線を示しており、「ExternalResources」は外部情報表示機能への導線を示しており、「Doodle」は手書き入力機能への導線を示しており、Displayは表示を拡大縮小する機能への導線を示している。
図8Cは、図8Bに示した機能に関するメニュー画面800Bにおいてユーザが「ExternalResources」にカーソルを遷移させたときの本マップに表示される機能に関するメニュー画面800Cの一例である。現在のカーソル位置が「ExternalResources」にあることをユーザが視認しやすいように、太枠で表示している。この現在のカーソル位置の部分を、ユーザがタップやクリック等の操作により選択することで「ExternalResources」の一覧の画面に遷移する。
図8Dは、「ExternalResources」の一覧の画面に遷移したときの、本マップに表示されるメニュー画面800Dの一例である。
図8Eは、図8Dに示した「ExternalResources」の一覧の画面においてユーザが「GetSNS」にカーソルを移動させたときの本マップの表示されるメニュー画面800Eの一例である。現在のカーソル位置が「GetSNS」にあることをユーザが視認しやすいように、太枠で表示している。この現在のカーソル位置の部分を、ユーザがタップやクリック等の操作により選択することで「GetSNS」の画面に遷移する。
図8Fは、「GetSNS」の画面に遷移したときの、本マップに表示される画面800Fの一例である。「GetSNS」は、ユーザが検索キーワードを入力すると、入力したキーワードを含む送信済みSNSのメッセージの内容を、予め決められた数だけ本マップ上に表示する機能である。図8Fに示すように、「GetSNS」の画面に遷移すると、ユーザに対して検索キーワードの入力を促す画面800Fが表示される。この画面においてユーザが検索キーワードを入力すると、入力したキーワードを含む送信済みSNSのメッセージの内容を、予め決められた数だけ本マップ上に表示する。
図8Gは、図8Fに示した画面においてユーザが入力した検索キーワードを含む送信されているSNSの内容が表示されている例である。
図8Hは、図8Dに示した「ExternalResources」の一覧の画面においてユーザが「SNSkeywords」にカーソルを移動させたときの本マップに表示される表示例800Hである。現在のカーソル位置が「SNSkeywords」にあることをユーザが視認しやすいように、太枠で表示している。この現在のカーソル位置の部分を、ユーザがタップやクリック等の操作により選択することで「SNSkeywords」の画面に遷移する。
図8Iは、「SNSkeywords」の画面に遷移した場合の本マップに表示されるメニュー画面の一例である。「SNSkeywords」は、ユーザがキーワードを入力すると、そのキーワードまたはそのキーワードと関連性の強い単語(類似語群)が記述されているSNSのメッセージを抽出する。抽出方法は、SNSで投票できる投票数、時間、キーワードの頻出度等に応じて抽出する。抽出されたSNS内に記述されている文章を単語化し、各単語の数をカウントする。これにより、カウントしたカウント数に応じて、予め決められた特定数だけ本マップ上に表示することが可能となる。例えば、最頻出単語の上位5位までを表示することが可能である。図8Iに示すように、「SNSkeywords」の画面に遷移すると、ユーザに対してキーワードの入力を促す画面800Iが表示される。この画面においてユーザがキーワードを入力すると、入力したキーワードと関連性の強い単語の送信されているSNSのメッセージの数をカウントした値が、本マップ上に表示される。
図8Jは、図8Iに示した画面においてユーザがキーワードとして「Toast」を入力した場合の、入力した「Toast」と関連性の強い単語を表示している例を示している。表示している内容は、例えば「Toast」が記述されているSNSを人気投票率が高い順に上位100位まで抽出、その上位100位までのSNS内に記述されている文章を単語化し、最も頻出する名詞上位2つが「french」、「interrupted」である場合の例である。図8Jに示す「french」800Jに併記されている「15」は、上記100個のSNSメッセージのうち、「french」を含むメッセージの数が15個であることを示している。同様に「interrupted」801Jに併記されている「26」は、上記100個のSNSメッセージのうち、「interrupted」を含むメッセージの数が15個であることを示している。
画面上に表示する頻出単語を表示する順序は、併記するメッセージの数の多い順、あるいは少ない順でもよい。また、関係性の強い言葉のすべてに対してカウントの値を表示してもよいし、一部を表示してもよい。
図8Kは、図8Dに示した「ExternalResources」の一覧の画面においてユーザが「辞書/辞典サービス(EN)」にカーソルを移動させたときの本マップに表示800Kされる表示例である。現在のカーソル位置が「辞書/辞典サービス(EN)」にあることをユーザが視認しやすいように、太枠で表示している。この現在のカーソル位置の部分を、ユーザがタップやクリック等の操作により選択することで「辞書/辞典サービス(EN)」の画面に遷移する。
図8Lは、「辞書/辞典サービス(EN)」の画面に遷移した場合のI本マップの表示の例である。「辞書/辞典サービス(EN)」は、直前に入力されたキーワードに関する辞書/辞典サービス(EN)の内容を本マップ上に表示する機能である。直前に入力されたキーワードが図8Jで入力されたキーワード「Toast」である場合、図8Lに示すように本マップ上には「Toast」に関する辞書/辞典サービス(EN)の内容800Lが表示される。
図8Mは、図8Dに示した「ExternalResources」の一覧の画面800Mにおいてユーザが「SNSimage」にカーソルを移動させたときの本マップの表示の例である。現在のカーソル位置が「SNSimage」にあることをユーザが視認しやすいように、太枠で表示している。この現在のカーソル位置の部分を、ユーザがタップやクリック等の操作により選択することで「SNSimage」の画面に遷移する。
図8Nは、「SNSimage」の画面に遷移した場合の本マップの表示の例である。「画像共有サービス」は、直前に入力されたキーワードに対する画像共有サービス上の写真を本マップ上に表示する機能である。図8Nに示すように、直前に入力されたキーワードである図8Jで入力されたキーワード「Toast」に関する辞書/辞典サービス(EN)の内容を表示される。
上記した思考・議論支援システム及びその方法は、思考あるいは議論内容の可視化を支援し、本マップ上でのアイテム(要素)の表示やアイテムの編集作業の高速化を可能とする。
先に説明したように本マップは、配置されている各アイテムを、ユーザ操作により移動させることが可能である。また本マップは、配置されている各アイテムのうち互いに関連するもの同士を線で結ぶことも可能である。即ち、既存アイテム、新規アイテム、付箋表示等を含めた本マップ上のアイテム全部に対して、関連度に応じた位置修正ができるものである。
このためユーザは、議論や思考を進めるに伴って、本マップに表示されているアイテムを自由に動かして配置を変えたり、関連するアイテムを線で結んだりすることができ、思考・議論の状況を簡単に俯瞰して確認することができる。
さらに本マップは、関連しているアイテム同士の関連の具合(以下、関連度と呼ぶ)を算出することが可能である。また本マップは、配置されているアイテムをユーザ操作により移動させた場合、移動に応じて関連度を再度算出することも可能である。また本マップは、算出した関連度に応じて、関連するアイテム(以下、関連語と呼ぶ)と結ぶ線の例えば太さや色を制御することも可能である。以下、関連度の算出、関連度に応じて関連語と結ぶ線の制御について説明する。
ユーザ操作は、例えば本マップがタッチパネルをもつ表示画面に表示されるものであり、アイテムの選択や移動、表示画面の拡大縮小回転、関連するアイテム同士に線を引いて表示する等を、タッチ操作で行うことができるものとする。
図9は、関連度の算出、関連度に応じて関連語との間に線を引いて表示する制御を行ったりする場合の、本マップシステムのMapControllerのハードウェア/ソフトウェアブロック図900の一例を示す図である。
用語関係記憶部901は、本マップに表示されているアイテムとそのアイテムの本マップ上の表示位置、そのアイテムの関連語、そのアイテムの関連語との関連度の情報を含むアイテムごとのデータベースである。用語関係記憶部901の詳細は、図10を用いて説明する。
検索処理部902は、本マップ上に表示している任意のアイテムとそのアイテムの関連語とを指定した場合、指定したアイテムとその関連語の両方が出現する文章を、ネットワークを通じて収集し、その結果の表示を行う。検索処理部902の詳細な処理内容については、図17、図18を用いて説明する。
図10は、用語関係記憶部1000が情報を記憶するデータベースのフォーマットの一例である。ID1001は、用語関係記憶部1000に記憶されているアイテム1002を管理する番号である。
アイテム1002は、本マップに表示されているアイテムである。本マップに表示されているアイテムは、すべてアイテム1002に登録される。
カテゴリ1003は、アイテム1002を一定の共通点でグループ分けするための観点を表している。
表示位置1004は、アイテム1002に設定されているアイテムが本マップ上に存在している位置を表している。図10の例では、表示位置1003は2次元で表現されているが、2次元の表現に限らず3次元の表現でも、あるいは任意のフォーマットによる表現でもよい。
関連語1005は、アイテム1002に設定されているアイテムAAと関連度1006で設定される値の関連度を持つ用語(アイテムAB)である。
関連度1006は、アイテム1002に設定されているアイテムAAと本マップ上の任意の位置に配置されたアイテムABとの関連の度合いを、数値で表現したものである。アイテムAAとアイテムABとの関連度の算出は、後述する方法を用いて行われる。なお、アイテムAAとアイテムABの関連度を算出した結果、関連度が0より大きい値を持つ場合に、アイテムABはアイテムAAの関連語として関連語1005に設定されるが、それに限らず関連度が0より大きいある閾値以上の値の場合のみアイテムABを関連語として設定してもよい。
関連度は、例えばPMI(Pointwise Mutual Information)から算出してもよい。ただしPMIが低い場合は、算出された関連度の値に問題が発生するため、Expected Mutual Information
EMI(x、y)=p(x、y)・log(p(x、y)/p(x)・p(y))
を用い、これを以下の式で正規化することにより関連度rを求める。
r(x、y)=EMI(x、y)/maxEMI
ここでp(x)は、アイテムxの生起確率を表し、p(x、y)はアイテムxとアイテムyの共起確率を表している。共起とは、ある単語と一緒に、同じ文や文章の中で使われることを言う。
また、任意の2つのアイテムの関連度から、その2つのアイテムの距離への変換は、例えば
d=−log(r)/a(r>0)
から算出してもよい(aは、パラメータ)。また、これらの方法に限らず他の方法を用いてもよい。
また、逆に任意の2つのアイテムの距離から、関連度を算出することも可能である。任意の2つのアイテムの距離から、その2つのアイテムの関連度への変換は、
r=e^(−ad)
により求めることができる(aはパラメータ)。
関連度の算出は、本マップシステム制御部522Dが用語関係記憶部901に設定されている情報を用いて行う。編集機能(第1の機能)により新規アイテムが追加された場合、追加されたアイテムに関する情報は、用語関係記憶部901のデータベースに追加される。またユーザ操作により既存アイテムが移動した場合、移動後の既存アイテムに関する位置の情報は、更新されて用語関係記憶部901に保存される。本マップシステム制御部522Dは、用語関係記憶部901に設定された、これらの追加された新規アイテムの情報あるいは更新された既存アイテムの情報を用いて、関連度の算出を行えばよい。
用語関係記憶部901が情報を記憶するデータベースの初期設定は、例えば本マップの初期状態として配置されているアイテムをもとに、行ってもよい。この場合関連度の算出は、本マップに初期値として配置されているアイテムの位置からアイテム間の距離を算出することで、算出してもよい。関連度の算出はまた、本マップの初期状態として配置されている各アイテムの出現確率や共起確率を、ネットワークを通じて収集した外部の情報あるいは本マップ内の情報をもとに算出し、この値をもとに算出してもよい。この場合算出された関連度から、アイテム同士の距離を算出し、その結果にもとづいて、初期状態として配置されている各アイテムの配置位置を微調整してもよい。
図11は、ユーザ操作により既存アイテムが移動した場合の、その関連語の移動の様子および関連度の更新の様子の一例を示した図である。
図11(A)は、図10に示した用語関係記憶部901のデータベースに登録されたアイテムが、本マップに配置されている様子を示した一例である。アイテム1002に設定されている個人決済、ビットコイン、ブロックチェーン、およびその関連語1005に設定されているクレジットカード、ペイパル、ネットショップ、モバイル、仮想通貨、分散型台帳、が図11の個人決済1103、ビットコイン1106、ブロックチェーン1108、クレジットカード1102、ペイパル1101、ネットショップ1104、モバイル1105、仮想通貨1107、分散型台帳1109である。また関連語は線で結ばれた状態で表示され、結ばれた線の近傍に配置された値は、関連度を示す。
図11(A)のアイテムの配置状態に対して図11(B)のアイテムの配置状態は、ユーザ操作により個人決済1103−1とブロックチェーン1108−1が、ビットコイン1106の近くに移動した状態を示している。図11(B)に示したアイテムのうちモバイル1105、ビットコイン1106、仮想通貨1107は、図11(A)に示したモバイル1105、ビットコイン1106、仮想通貨1107と本マップの同一の位置に配置されている。
一方個人決済1103−1の配置位置がユーザ操作により移動したのに伴い、個人決済1103−1の関連語であるペイパル1101−1、クレジットカード1102−1、ネットショップ1104−1も、個人決済1103−1との関連度を保ったまま同時に移動したことを示している例である。同様にブロックチェーン1108−1の配置位置がユーザ操作により移動したのに伴い、ブロックチェーン1108−1の関連語である分散型台帳1109−1も、ブロックチェーン1108−1との関連度を保ったまま同時に移動したことを示している例である。
このようにユーザが、本マップ上に配置されているアイテムの配置位置を所定の操作で移動した場合、本マップシステム制御部552Dは編集機能制御部527Dと連携して、用語関係記憶部901の該当するアイテム1002の表示位置1004の値を更新する。さらに本マップシステム制御部552Dは、更新された表示位置1004をもとに、該当する関連語ごとの関連度の値を更新する。
図12は、図11(B)のアイテムの配置状態における用語関係記憶部901のデータベースの状態を示したものである。図11(A)の配置状態に対して図11(B)の配置状態は、個人決済1103−1とブロックチェーン1108−1がユーザ操作によりビットコインに近づく方向に移動したが、個人決済1103−1およびブロックチェーン1108−1の他の関連語であるペイパル1101−1、クレジットカード1102−1、ネットショップ1103−1、分散型台帳1109−1との位置関係は保ったままである。よって図10の1020から1023と図12の1220から1223とを比べてわかるように、個人決済の関連語であるのクレジットカード、ペイパル、ビットコイン、ネットショップのうちのビットコインとの関連度1022だけが0.3から0.7に更新され、他の関連語との関連度(1020、1021、1023)は更新されないままである。
同様に図10の1030から1040と図12の1230から1240とを比べてわかるように、ブロックチェーンの関連語であるビットコイン、分散型台帳うちビットコインとの関連度1032だけが0.4から0.8に更新され、分散型台帳との関連度1040は更新されないままである。
図11の例は、本マップに配置されている各アイテムをユーザが移動させた場合に、その移動したアイテムの関連語も、ユーザ操作により移動したアイテムとの関連度を保ったまま移動する場合の例であるが、必ずしも関連語も移動する必要はない。
図13は、ユーザ操作により既存のアイテムが移動した場合の、その関連語の移動の様子をおよび関連度の更新の様子を他の例を示した図である。
図13(A)は、図10に示した用語関係記憶部901のデータベースに登録されたアイテムが、本マップに配置されている様子を示した一例である。ここでネットショップ1304と分散型台帳1309は、ユーザ操作により個人決済1303およびブロックチェーン1308が移動する場合、個人決済1303およびブロックチェーン1308との関連度を保って移動することが選択されている例である。関連度を保って移動するアイテムが選択されたことを示す方法は、選択されていないアイテムと識別できる方法であればどのような方法でもよく、例えば図13のネットショップ1304と分散型台帳1309の例のように、2重線で表示されていてもよい。あるいはアイテムの色が、選択されていないアイテムと異なっていてもよい。
図13(B)は、図13(A)のアイテムの配置の状態に対して、図11(B)同様にユーザ操作により個人決済1303−1とブロックチェーン1308−1をビットコイン1306に近づけた例である。ただし、ユーザ操作により移動した個人決済1303−1とブロックチェーン1308−1に伴って移動するアイテムは、ユーザにより選択されたネットショップ1304−1と分散型台帳1309−1だけである点が、図11(B)の場合と異なる。
このように本マップは、ユーザがアイテムを移動させたとき、その移動させたアイテムの関連語も同時に移動させるか否かをユーザ設定により選択することができる。これにより思考・議論の支援を、ユーザの趣向に合わせて行うことが可能となる。
図14は、図13(B)のアイテムの配置状態における用語関係記憶部901のデータベースの状態を示した図である。ユーザ操作により個人決済1103−1とブロックチェーン1108−1がビットコイン1106の近くに移動したことにともない、個人決済1103−1の関連語であるネットショップとの位置関係1304−1は保ったままであるが、ペイパル1301、およびクレジットカード1302との位置関係は変化している。よって、図10の1020から1023と図14の1420から1423とを比べてわかるように、個人決済の関連語であるのクレジットカード、ペイパル、ビットコイン、ネットショップのうちのクレジットカード、ペイパル、ビットコインとの関連度(1020、1021、1022)は更新され、ネットショップとの関連度(1023)は更新されないままである。
同様に図10の1030から1040と図14の1430から1440とを比べてわかるように、ブロックチェーンの関連語であるのビットコイン、分散型台帳のうちビットコインとの関連度1432だ1031けが0.4から0.8に更新され、分散台帳との関連度1440は更新されないままである。
さらに本マップは、ユーザ操作によりアイテムの位置を移動することにより各アイテムと関連語の関連度が更新された場合には、その更新された関連度をもとに、各アイテムと関連語とを結ぶ線を制御することができる。
本マップは、例えば関連度が0.5以上の関連語同士とは実線で結び、関連度が0.3以上0.5未満の関連語同士は点線で結び、関連度が0.3未満の関連語同士は、互いを線で結ぶことはしないように制御してもよい。
本マップシステム制御部522Dは、用語関係記憶部901の関連度の値を読み出し、読みだした値に応じて実線で結ぶ、点線のいずれの線で結ぶかの判定を行う。本マップシステム制御部522Dは、判定の結果にもとづいて、表示画面に表示されている本マップ上の該当するアイテムの間を線で結ぶように、表示制御部523Dに指示する。本マップシステム制御部522Dから指示を受けた表示制御部523Dは、指示内容にもとづいて表示画面に表示されている本マップ上の該当するアイテムの間を線で結ぶ。
この場合、例えば図13(A)の例では、ビットコイン1306と個人決済1303の関連度が0.3、ビットコイン1306とブロックチェーン1308の関連度が0.4であるので、このビットコイン1306と個人決済1303を結ぶ線およびビットコイン1306とブロックチェーン1308を結ぶ線が点線として本マップ上に表示される。また図13(B)の例のように、ユーザ操作により個人決済1303−1とブロックチェーン1308−1の配置位置をビットコイン1306に近づけた結果、ビットコイン1306と個人決済1303の関連度が0.7、ビットコイン1306とブロックチェーン1308の関連度が0.8に更新されているので、図13(A)の場合と異なり、ビットコイン1306と個人決済1303−1を結ぶ線およびビットコイン1306とブロックチェーン1308−8を結ぶ線は実線として本マップ上に表示される。一方、個人決済1303−1とペイパル1301との関連度は0.3に更新されているので、図13(A)の場合の表示と異なり、個人決済1303−1とペイパル1301を結ぶ線は点線として本マップ上に表示される。
各アイテムと関連語とを結ぶ線の制御は、実線/点線を変える以外にも、線の太さを変える、線の色を変える等でもよい。本マップシステム制御部522Dは、用語関係記憶部902のデータベースの関連語1005および関連度1006を参照して、関連語ごとに関連度に応じた線の制御を行い、その結果を本マップ上に表示する。
図15は、各アイテムとその関連語の関連度が更新された場合、更新された関連度をもとに、関連語と結ぶ線を制御する例である。
図15(A)は、アイテムAA1501の関連語がアイテムAB1502であり、アイテムAB1502の関連語がアイテムAC1503であり、線で結ばれた状態であることを示している。
本マップは、図3Aに示したように、互いに接する2つの円形の領域からなる。この2つの円形の領域は、ユーザ操作により、互いの接点を持ちながら回転させることが可能である。図具体的には、図15(A)に示した本マップの状態である「思考に関すること」が接点となっている状態からユーザ操作により、図15(B)に示す「活動に関わること」を接点とする状態に回転させることが可能である。この場合ユーザは、例えば右の「社会」のカテゴリの領域を右回りに180度回転させることで、図15(A)の状態から図15(B)の状態に本マップの見え方を変えることができる。
このように本マップを回転することで、例えば図15(A)のアイテムAA1501、アイテムAB1502、アイテムAC1503の互いの位置関係は、図15(A)の状態から図15(B)の状態に変わるにしたがって、アイテムAA1501−1とアイテムAB1502−1の間は変わらないが、アイテムAB1502−1とアイテムAC1503−1との間は大きく変わる。本マップは、このようにマップ自体を動かすことができるため、本マップ上のアイテム自体を動かさなくても、あるアイテムとその関連語の距離が移動する場合がある。本マップは、このような場合にも、関連語と結ぶ線を制御することが可能である。
さらに本マップは、円形の領域の表示を、ユーザ操作で拡大したり縮小したりする表示倍率をかえること可能である。また円形の領域の表示倍率を変えることで、本マップに表示するアイテムの数や、アイテム同士を結ぶ線を制御することも可能である。
図16は、本マップの領域の表示倍率を変えることで、表示するアイテムの数や、アイテム同士を結ぶ線を制御する様子の例を示した図である。
図16(A)の表示の例は、表示の倍率が100%とする。これに対して図16(B)の表示の例は、表示の倍率が150%とする。
図16(A)は、本マップ上にアイテムBA1601、アイテムBB1602が表示されている場合である。アイテムBA1601の関連語がアイテムBB1602である。一方図16(B)は、表示倍率を150%にすることで、図16(A)では本マップ上に表示されたかったアイテムBC1603、アイテムBD1604、アイテムBE1605が追加で表示されている場合である。アイテムBC1603の関連語は、アイテムBA1601、アイテムBD1604、アイテムBE1605である。
このように本マップは、例えば図16(A)に示す表示倍率から図16(B)に示す表示倍率にすることで、新たなアイテムであるアイテムBC1603、アイテムBD1604、アイテムDE1605が表示され、この新たに表示されたアイテムBC1603、アイテムBD1604、アイテムDE1605が関連語を持つ場合は、関連度に応じて線で結ぶことが可能である。図16(B)の例では、アイテムBC1603は、関連語アイテムBA1601、アイテムBD1604、アイテムBE1605との関連度が低いため、結ぶ線は点線で表示されている例である。
本マップの領域の表示倍率は、表示制御部523Dで制御される。表示制御部523Dは、表示倍率に対応してどのアイテムを表示するかは、例えば図6Fに示したマルの大きさを決定するフローで決定されたアイテムごとのマルの大きさにもとづいて決定してもよい。つまり、表示倍率が低くなればなるほどマルの大きさが大きいアイテム、つまり有名度や重要度が高いアイテムのみを表示し、表示倍率が高くなればなるほどマルの大きさが小さいアイテムも含めて表示するようにしてもよい。
あるいは表示制御部523Dは、表示倍率に対応してどのアイテムを表示するかは、ユーザが指定したアイテムとその関連語を、関連度にもとづいて決定してもよい。つまり、表示倍率が低くなればなるほど関連度が高い関連語のみを表示し、表示倍率が高くなればなるほど関連度が低いアイテムも含めて表示するようにしてもよい。このように表示倍率に対応してどのアイテムを表示するかは、関連度にもとづいて決定してもよい。
さらに本マップは、あるアイテムCAとその関連語を結んでいる線をユーザが選択することで、その選択した線の両端に位置する、アイテムCAとその関連語を含む文章を検索して表示することができる。
図17は、本マップ上の表示画面1700に表示されている、あるアイテムとその関連語とを結ぶ線をユーザが選択することで、選択した線の両端に位置するアイテムとその関連語を含む文章を検索した結果の画面1720の表示の例である。アイテムCA1701とその関連語であるアイテムCB1702を結ぶ線を、ユーザが選択したとする。この場合本マップは、マップの表示している例えば右側に、アイテムCA1701とアイテムCB1702の両方を含む文章を表示する。表示する順序は、アイテムCA1701とアイテムCB1702の両方を含む頻度が高い順に表示を行う。検索を行う文章の対象は、本マップ内の文章でも、インターネットで接続された外部の情報でもよい。
ユーザが選択した線の、両端に位置するアイテムとその関連語とを含む文章を検索する場合、さらにその両端に位置するアイテムとその関連語の2つのアイテムの関連語も含めて検索することもできる。
図18は、ユーザが選択した線の、両端に位置するアイテムとその関連語の2つのアイテムの関連語も含めて検索する場合の例を示した図である。
図18(A)は、ユーザがビットコイン1806と仮想通貨1807を結ぶ線を選択した場合の、その関連語であるモバイル1805までを含んで検索する場合の、アイテムの配置の例である。検索の結果の表示は、「ビットコイン」と「仮想通貨」の両方を含む文章を検索して、さらにその文章の中で「モバイル」を含む文章を優先して表示してもよい。具体的には、検索結果の表示領域である1720に、モバイルを含む文章を1721の領域に表示し、次にモバイル含まない文章で「ビットコイン」と「仮想通貨」を含む頻度が高い順に1722の領域から順に表示してもよい。
図18(B)は、図18(A)のアイテムの配置に対して、個人決済1803−1とブロックチェーン1808−1をビットコイン1806に近づけて移動させた場合の配置の例である。この例は、図13(B)の図13(A)に対して、個人決済1303−1とブロックチェーン1308−1をビットコイン1306に近づけて移動させた場合の配置の例と同じである。このように個人決済1803−1とブロックチェーン1808−1をビットコイン1806に近づけて移動させることで、ユーザがビットコイン1806と仮想通貨1807を結ぶ線を選択した場合に、モバイル1805に加えて、ペイパル1801、クレジットカード1802−1、個人決済1803−1、ネットショップ1804−1、ブロックチェーン1808、分散型台帳1809も含めて検索するようにしてもよい。
なおビットコイン1806と仮想通貨1807を含む文章を検索する場合に、ビットコイン1806と仮想通貨1807の関連語まで含んで検索する場合には、ビットコイン1806と仮想通貨1807の関連語の関連度で、重みづけしてもよい。また、ビットコイン1806と仮想通貨1807から、その関連語までの距離もとに、検索する際に含めるかどうかを判断してもよい。また単に検索する際に含める関連語の数に上限を設けてもよい。
さらに本マップは、用語関係記憶部901のデータベースの内容をスナップショットとして保存することができる。本マップシステムは、保存されたスナップショットのデータを再度読み出すことで、その保存されたスナップショットデータの内容を本マップ上に再現することができる。
図19は、用語関係記憶部901のデータベースに保存されているスナップショットのリストの一覧を表示した表示例である。図19の例は、1901から1906の6つのスナップショットのリストが一覧表示されている例である。1901から1906のスナップショットのリストに対応して、用語関係記憶部901は、スナップショットのデータを保存している。
1901から1906のスナップショットのリストは、例えば用語関係記憶部901の更新時間順にならべたものであってもよい。1901から1906のスナップショットのリストは、例えばそれぞれサムネイル表示されていてもよい。これによりユーザは、このサムネイル画面を確認することで、各スナップショットのデータの大まかな内容を簡単に把握することができる。
また本マップは、1901から1906のいずれかのスナップショットのリストが選択されると、その選択されたスナップショットのデータが保存された時間の表示内容を再現することができる。
これによりユーザは、本マップの過去の表示内容を簡単に確認することができるため、議論の内容の過去の状態にさかのぼることが可能となり、思考や議論の可視化をより一層高めることができる。
また本マップは、例えば1901から1906のスナップショットを使い、そのスナップショットのデータが保存された時間の表示内容を、連続的に表示することも可能である。これによりユーザは、特定の過去からの時間的遷移に伴う議論の流れを、本マップの表示内容の変換を見ることで把握することが可能となる。
なお、スナップショットとして保存するタイミングは、用語関係記憶部901が更新されたタイミングに限らない。例えば予め設定してある一定時間間隔で保存してもよい。あるいは深夜のある時刻に自動的に保存してもよい。
本実施形態によると、その特徴的な部分を以下のようにまとめることができる。
入力部と表示部と検索処理部と制御部と用語関係記憶部を備え、用語関係記憶部に格納されている用語同士の関係を表示部に表示する機能を有する検索支援システムにおいて、ユーザが表示部で表示されている用語の位置を変更した際には、制御部にて変更後の位置と他の用語との相互位置関係から関連度を再計算し用語関係記憶部内の情報も更新することを特徴とする検索支援システムである。
用語関係記憶部は用語とその共起語、関連度、表示位置の情報を有し、用語関係記憶部に格納されている用語同士の共起関係を表示部にグラフ表示し、入力部にて任意の2用語間の共起関係を指定した際には、検索処理部にてその共起関係が出現する文書を検索しその結果を表示部に表示する機能を有する検索支援システムである。
ユーザが表示部で表示されている用語の位置を変更した際には、制御部にて変更後の位置と他の用語との相互位置関係から関連度を再計算し用語関係記憶部内の情報を更新し、更新された用語関係記憶部内の情報を用いて検索処理部における検索結果の表示順位を変更することを特徴とする検索支援システムである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。