JP2018073536A - 基板接続用電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、低背化を図りつつ、相手コネクタの嵌合・抜去時におけるハウジング及びコンタクト部材の変形や破損のおそれを低減することを可能とする。【解決手段】コンタクト部材12を多極状に配列したハウジング11の外壁面の少なくとも一部を、金属製の板状部材からなるシェル部材13により覆い、当該シェル部材13を基板接続部13b2により回路基板P1に接続するととともに、そのシェル部材13とともにハウジング11を落し込み状態とするコネクタ収容穴P1aを回路基板P1に設け、それらシェル部材13及びハウジング11をコネクタ収容穴P1aの内部に落し込む分だけ電気コネクタ10の回路基板P1からの高さを低減させ、基板接続用電気コネクタの低背化を行う構成としたものである。【選択図】図12
Description
本発明は、回路基板に実装された状態で互いに嵌合される基板接続用電気コネクタに関する。
一般に、種々の電気機器において、スタッキングコネクタなどと呼ばれる基板接続用電気コネクタ装置が広く採用されている。基板接続用電気コネクタ装置は、第1の回路基板上に実装された第1の電気コネクタ(例えばリセプタクルコネクタ)に、第2の回路基板が連結された相手コネクタ(例えばプラグコネクタ)を対向するように配置し、その対向配置状態から相手コネクタが、第1の電気コネクタに向かって移動するようにして押し込まれ、それによって両コネクタ同士が嵌合状態になされることで、第1及び第2の回路基板同士が電気的に接続されるようになっている。
このように基板同士を接続する基板接続用電気コネクタ装置では、一対の回路基板と、それらの各回路基板上に実装された一対の電気コネクタとが、層状に積み重なるようにして嵌合状態になされることから、嵌合後における一対の回路基板と一対のコネクタとを含む全体の高さが増大する傾向となっている。特に近年における電気機器の小型化・薄型化に伴って、基板接続用電気コネクタの低背化が要請されているが、基板接続用電気コネクタの低背化を行うにあたっては、ハウジングの薄肉化が行われることが多いことなどから、ハウジングの強度が低下する傾向がある。そのため、相手コネクタを嵌合又は抜去する際に、ハウジングに変形や破損を生じたり、そのハウジングに保持されているコンタクト部材に変形や破損を招来するおそれがある。
そこで本発明は、簡易な構成で、低背化を図りつつ、相手コネクタの嵌合・抜去時における変形や破損のおそれを低減することができるようにした基板接続用電気コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1にかかる発明では、絶縁性部材からなるハウジングに、複数体のコンタクト部材が多極状に配列されたものであって、回路基板の主面に実装された状態で相手コネクタが嵌合・抜去される構成になされた基板接続用電気コネクタにおいて、前記ハウジングには、当該ハウジングの外壁面の少なくとも一部を覆う金属製の板状部材からなるシェル部材が装着され、前記シェル部材は、基板接続部を有し、前記基板接続部は、前記回路基板の主面から厚さ方向に形成されたコネクタ収容穴に前記ハウジングと共に前記シェル部材が落し込み状態で挿入された際に、前記回路基板の主面と対面し接続される構成が採用されている。
このような構成を備えた発明によれば、回路基板に対して基板接続用電気コネクタを実装する際に、回路基板に設けられたコネクタ収容穴の内方側に、シェル部材とともにハウジングが落し込み状態で挿入され、そのシェル部材及びハウジングの落し込み量に相当する分だけ、電気コネクタの回路基板からの高さが低減されることとなり、回路基板と基板接続用電気コネクタとを含む全体の低背化が行われる。加えて、ハウジングに装着された金属製のシェル部材の補強機能によって、ハウジングの剛性が強化されることとなり、相手コネクタが嵌合・抜去される際におけるハウジングの変形や破損が低減されるとともに、そのハウジングに保持されているコンタクト部材の変形や破損も低減される。
このとき、本発明においては、前記シェル部材が、前記コンタクト部材の多極状の配列方向において一体的に連結された中央部シェル体と端部シェル体とを備え、前記中央部シェル体は、前記コンタクト部材が配置された部位に前記ハウジングの前記外壁面に密着した状態で配置されているとともに、前記端部シェル体は、前記コンタクト部材の多極状の配列方向において前記中央部シェル体の外方に配置されている構成とすることが可能である。
また、本発明における前記端部シェル体は、前記ハウジングに対して固定状態になされたハウジング固定部と、当該ハウジング固定部から一体的に延出して前記回路基板の主面に対面する前記基板接続部とを有する構成とすることが可能である。
さらに、本発明における前記端部シェル体の前記基板接続部は、前記コンタクト部材の多極状の配列方向に対向して一対設けられているとともに、前記コンタクト部材の多極状の配列方向と直交する方向に対向して二対設けられていることが望ましい。
このような構成を備えた発明によれば、シェル部材が、基板接続部により固定状態になされることから、シェル部材の剛性が高められる。
さらにまた、本発明においては、前記コンタクト部材の一部が、前記ハウジングの内壁面に取り付けられたものであって、前記シェル部材を構成している前記中央部シェル体は、前記ハウジングの内壁面に対向する前記外壁面に配置されていることが望ましい。
このような構成を備えた発明によれば、コンタクト部材の一部が取り付けられているハウジングの内壁面が中央部シェル体によって補強されることから、コンタクト部材の支持性が高められ、相手コネクタが嵌合・抜去される際におけるコンタクト部材の変形や破損が低減される。
以上述べたように本発明にかかる基板接続用電気コネクタは、複数体のコンタクト部材を多極状に配列したハウジングの外壁面の少なくとも一部を、金属製の板状部材からなるシェル部材により覆い、当該シェル部材を基板接続部により回路基板に接続するととともに、そのシェル部材とともにハウジングを落し込み状態とするコネクタ収容穴を回路基板に貫通させるようにして設け、それらシェル部材及びハウジングをコネクタ収容穴の内部に落し込む分だけ電気コネクタの回路基板からの高さを低減させて基板接続用電気コネクタの低背化を行う構成としたものであるから、簡易な構成で、回路基板と基板接続用電気コネクタとを含む全体の低背化を図りつつ、相手コネクタの嵌合・抜去時におけるハウジング及びコンタクト部材の変形や破損のおそれを低減することができる。
以下、本発明をリセプタクルコネクタに適用した実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
[電気コネクタ装置の全体構造について]
図1〜図6に示された本発明の一実施形態にかかる基板接続用電気コネクタ装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット型コンピュータ等の各種電子機器内に配置された回路基板同士を電気的に接続するように用いられるものであって、図7〜図14に示された本発明にかかる基板接続用電気コネクタとしてのリセプタクルコネクタ10と、図15〜図20に示された相手コネクタとしてのプラグコネクタ20と、から構成された垂直嵌合型の基板接続用電気コネクタ装置である。
図1〜図6に示された本発明の一実施形態にかかる基板接続用電気コネクタ装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット型コンピュータ等の各種電子機器内に配置された回路基板同士を電気的に接続するように用いられるものであって、図7〜図14に示された本発明にかかる基板接続用電気コネクタとしてのリセプタクルコネクタ10と、図15〜図20に示された相手コネクタとしてのプラグコネクタ20と、から構成された垂直嵌合型の基板接続用電気コネクタ装置である。
このときのリセプタクルコネクタ10は、図12〜図14に示されているようにリセ側回路基板P1に実装されるとともに、プラグコネクタ(相手コネクタ)20は、図19及び図20に示されているようにプラグ側回路基板P2に実装され、そのように各回路基板P1,P2上に実装された状態で対向配置されたリセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とが互いに嵌合されることで、リセ側回路基板P1とプラグ側回路基板P2との電気的な接続が行われる。
以下においては、上述したリセ側回路基板P1及びプラグ側回路基板P2が「水平方向」に延在しているものとして、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ(相手コネクタ)20との嵌合方向を「上下方向」とし、その上下方向における下方位置に配置されたリセプタクルコネクタ10の上方位置に、上下を反転したプラグコネクタ20が対向した状態に配置され、そのような対向配置状態からプラグコネクタ20が下方向に押し込まれることで、図1〜図6に示されているように両電気コネクタ10,20同士の嵌合が行われるものとしての説明を行う。
なお、上述した嵌合状態からプラグコネクタ20が上方に向かって適宜の力で引き上げられることで、下方側のリセプタクルコネクタ10からプラグコネクタ20が上方に抜去される構成になされている。また、リセプタクルコネクタ10にプラグコネクタ(相手コネクタ)20を嵌合・抜去する操作は、作業者の手で行われることに限られることはなく、所定の治具や機械によって自動的に行うようにしても良い。
ここで、上述したように両電気コネクタ10,20同士の嵌合・抜去を行うにあたっては、下方側に配置されたリセプタクルコネクタ10に対して、上方側に配置されたプラグコネクタ(相手コネクタ)20は、上下が反転された状態で対向配置されることとなるが、プラグコネクタ20の単体を説明するにあたっては、反転して配置する前の状態、すなわち下方位置に配置されたプラグ側回路基板P2に対して、上方側からプラグコネクタ20を実装した状態で説明を行うこととする。
[各電気コネクタの構造について]
本発明にかかる基板接続用電気コネクタとしてのリセプタクルコネクタ10及び相手コネクタとしてのプラグコネクタ20は、細長状に延在する絶縁性部材からなる絶縁ハウジング(インシュレータ)11及び21をそれぞれ有している。それらの絶縁ハウジング11及び21は、プラスチック等の樹脂材を用いて例えばモールド成形されたものであるが、当該絶縁ハウジング11及び21の長手方向に沿って多数のコンタクト部材12及び22が、所定のピッチで多極状をなすように配列されている。
本発明にかかる基板接続用電気コネクタとしてのリセプタクルコネクタ10及び相手コネクタとしてのプラグコネクタ20は、細長状に延在する絶縁性部材からなる絶縁ハウジング(インシュレータ)11及び21をそれぞれ有している。それらの絶縁ハウジング11及び21は、プラスチック等の樹脂材を用いて例えばモールド成形されたものであるが、当該絶縁ハウジング11及び21の長手方向に沿って多数のコンタクト部材12及び22が、所定のピッチで多極状をなすように配列されている。
これらのコンタクト部材12及び22における多極状の配列方向である絶縁ハウジング11及び21の長手方向を、以下において「コネクタ長手方向」と呼び、その「コネクタ長手方向」及び「上下方向」に直交する方向を「コネクタ幅方向」と呼ぶこととする。
上述した各絶縁ハウジング11及び21は、例えば図6に示されているように、当該絶縁ハウジング11及び21の長手方向(コネクタ長手方向)に沿って延在する細長状の平板状部材からなる底面板11a,21aを有しているとともに、それら底面板11a,21aの「コネクタ幅方向」の両側端縁部から上方に突出する一対の長手側壁板11b,11b及び21b,21bを有している。それら一対の長手側壁板11b,11b同士、及び一対の長手側壁板21b,21b同士は、それぞれ「コネクタ幅方向」に対面するように配置されているが、当該長手側壁板11b,11b及び21b,21bおけるコネクタ長手方向の両端部同士は、それぞれ一対の短手側壁板11c,11c及び21c,21cにより一体的に結ばれている。なお、図6において、仕切り板11eを境として左側の絶縁ハウジング11については符号11a〜11cの図示を省略しており、仕切り板11eを境として右側の絶縁ハウジング21については符号21a,21bの図示を省略している。
図7、および図15に示される様に上述した各長手側壁板11b,21b及び短手側壁板11c,21cは、平面略長方形状をなす底面板11a,21aの外端縁から上方に立ち上がるように形成されており、それらの長手側壁板11b,21b及び短手側壁板11c,21cによって平面略長方形状をなすコネクタ内方空間が形成されている。
一方、コンタクト部材12及び22は、上述したようにコネクタ長手方向に多極状をなすように配列されているが、より具体的には、図11に示される様にリセプタクルコネクタ10の絶縁ハウジング11の長手側壁板11b,11bには、一定のピッチで凹設されたコンタクト取付溝11d,11dが凹設されており、それらの各コンタクト取付溝11dに対して、各コンタクト部材12が上方側から差し込まれるようにして装着されている。また、プラグコネクタ20の絶縁ハウジング21の長手側壁板21b,21bに対しては、図15に示される様にコンタクト部材22,22が埋設状態で装着されている。
これらのコンタクト部材12及び22は、各々が2列の電極列を形成するように「コネクタ幅方向」において対称的に向かい合う配置関係になされており、当該コンタクト部材12及び22の各々により形成された2列の電極列が、「コネクタ長手方向」に沿って略平行に延在する状態で並設されている。このようなコンタクト部材12及び22の詳細な構成を次に説明する。
[リセプタクルコネクタのコンタクト部材について]
まず、リセプタクルコネクタ10側のコンタクト部材12を、より具体的に説明すると、特に図6に示すように、当該コンタクト部材12が取り付けられている絶縁ハウジング11には、上述した2列の電極列同士の間部分、すなわち一対の長手側壁板11b,11b同士の間部分における「コネクタ幅方向」の略中央位置(以下、「コネクタ中心位置」と呼ぶ。)に、上述した底面板11aから上方に突出する仕切り板11eが、「コネクタ長手方向」に沿って延在するように設けられている。そして、その仕切り板11eと、当該仕切り板11eの「コネクタ幅方向」の両側に配置された長手側壁板11b,11bとの間に設けられ、上方に開口するように形成されている空間部分に、両側の電極列を構成している一対のコンタクト部材12,12が、コネクタ幅方向に対称的な形状をなすように向かい合って収容されている。なお、図6において、仕切り板11eを境として右側のコンタクト部材12については符号12a〜12dの図示を省略している。
まず、リセプタクルコネクタ10側のコンタクト部材12を、より具体的に説明すると、特に図6に示すように、当該コンタクト部材12が取り付けられている絶縁ハウジング11には、上述した2列の電極列同士の間部分、すなわち一対の長手側壁板11b,11b同士の間部分における「コネクタ幅方向」の略中央位置(以下、「コネクタ中心位置」と呼ぶ。)に、上述した底面板11aから上方に突出する仕切り板11eが、「コネクタ長手方向」に沿って延在するように設けられている。そして、その仕切り板11eと、当該仕切り板11eの「コネクタ幅方向」の両側に配置された長手側壁板11b,11bとの間に設けられ、上方に開口するように形成されている空間部分に、両側の電極列を構成している一対のコンタクト部材12,12が、コネクタ幅方向に対称的な形状をなすように向かい合って収容されている。なお、図6において、仕切り板11eを境として右側のコンタクト部材12については符号12a〜12dの図示を省略している。
これらの各コンタクト部材12は、上述した長手側壁板11b、底面板11a及び仕切り板11eの内壁面に沿って湾曲状に延在するように折り曲げ形成されているが、長手側壁板11bの内壁面に上下方向に延在するように凹設されたコンタクト取付溝11dに対して、当該コンタクト部材12の固定基部12aが、圧入によって上下方向に延在する状態で取り付けられている。また、その固定基部12aの上方側部分には、「コネクタ中心位置」側に向かって側面略「く」字状に張り出す外方側接点部12bが、上方に延出するように設けられている。
さらに、上述した外方側接点部12bの上端部分は、「コネクタ幅方向」の外方側に向かって折れ曲がって略水平に延びており、その水平延出部分が、リセ側回路基板P1の主面に対面する基板接続部12cになされている。この基板接続部12cは、後述するようにリセ側回路基板P1の主面上に形成された信号用導電路のランド部P1bに対して半田付けされる。
また、上述した固定基部12aの下方側部分は、絶縁ハウジング11の底面板11aに沿って「コネクタ中心位置」に向かって折れ曲がって略水平に延出しており、その延出側部分が、仕切り板11eの内壁面に沿って上方に延びて、さらに折返して内方側接点部12dになされている。その内方側接点部12dは、片持ちの弾性バネ状部分から形成されており、当該内方側接点部12dの上端部分が、上述した外方側接点部12bに向かって側面略「U」字状をなして張り出すように折り曲げ形成されている。
すなわち、上述した内方側接点部12dは、外方側接点部12bに対して「コネクタ幅方向」に対向する配置関係になされており、これらの内方側接点部12dと外方側接点部12bとの間に、上方に向かって開口する嵌合凹部が形成されている。そして、その嵌合凹部の内方側領域に、後述するプラグコネクタ20のコンタクト部材22の一部である嵌合凸部22aが挿入される構成になされており、当該コンタクト部材22の嵌合凸部22aに対して、上述したコンタクト部材12の内方側接点部12d及び外方側接点部12bが、「コネクタ幅方向」の両側から挟むようにして弾性的に接触する構成になされている。
[プラグコネクタのコンタクト部材について]
これに対して、プラグコネクタ(相手コネクタ)20のコンタクト部材22が取り付けられている絶縁ハウジング21においては、図15に示される様に上述した2列の電極列同士の間部分、すなわち底面板21aと、その底面板21aから立ち上がる一対の長手側壁板21b,21bとで囲まれた部分が、「コネクタ長手方向」に延在する凹状空間になされている。そして、その絶縁ハウジング21における「コネクタ幅方向」の両側端縁部に設けられた長手側壁板21b,21bに一対のコンタクト部材22,22が、「コネクタ幅方向」に対称的な形状をなすように向かい合った状態で設けられている。それらの各コンタクト部材22は、例えばインサート成形によって、長手側壁板21bに対して上方側から巻き付くようにして配置されており、長手側壁板21bの外側壁面から上端頂部を通って内側壁面に至る部位を、横断面略逆U字状をなして覆う嵌合凸部22aを備えている。
これに対して、プラグコネクタ(相手コネクタ)20のコンタクト部材22が取り付けられている絶縁ハウジング21においては、図15に示される様に上述した2列の電極列同士の間部分、すなわち底面板21aと、その底面板21aから立ち上がる一対の長手側壁板21b,21bとで囲まれた部分が、「コネクタ長手方向」に延在する凹状空間になされている。そして、その絶縁ハウジング21における「コネクタ幅方向」の両側端縁部に設けられた長手側壁板21b,21bに一対のコンタクト部材22,22が、「コネクタ幅方向」に対称的な形状をなすように向かい合った状態で設けられている。それらの各コンタクト部材22は、例えばインサート成形によって、長手側壁板21bに対して上方側から巻き付くようにして配置されており、長手側壁板21bの外側壁面から上端頂部を通って内側壁面に至る部位を、横断面略逆U字状をなして覆う嵌合凸部22aを備えている。
このコンタクト部材22の嵌合凸部22aは、長手側壁板21bの内側壁面に沿って下方側に向かって延出しているが、その嵌合凸部22aの内方側における下端部分は、図6に示される様に絶縁ハウジング21の底面板21aの内部を下方に向かって貫通しており、その後に「コネクタ幅方向」の外方側に向かって略直角に折れ曲がって略水平に延びており、その水平方向の延出端部分が、プラグ側回路基板P2の主面に対面する基板接続部22bになされている。この基板接続部22bは、後述するようにプラグ側回路基板P2の主面に形成された信号伝送用導電路のランド部P2aに対して半田付けされる。
このプラグコネクタ(相手コネクタ)20のコンタクト部材22に設けられた嵌合凸部22aは、両電気コネクタ10,20同士が嵌合されたときに、上述したリセプタクルコネクタ10のコンタクト部材12の嵌合凹部の内方側に挿入される構成になされている。そして、その両電気コネクタ10,20の嵌合時においては、プラグコネクタ20のコンタクト部材22に設けられた嵌合凸部22aが、リセプタクルコネクタ10のコンタクト部材12に設けられた内方側接点部12dと外方側接点部12bとの間の嵌合凹部に嵌り込むように押し込まれ(図6参照)、それによってリセプタクルコネクタ10のコンタクト部材12の内方側接点部12d及び外方側接点部12bが、プラグコネクタ20のコンタクト部材22の嵌合凸部22aに設けられた接点部に対して「コネクタ幅方向」の両側から弾性的に押圧接触し、それによって両コンタクト部材12,22同士の電気的な接続が行われるようになっている。
なお、前述したようにプラグコネクタ(相手コネクタ)20がリセプタクルコネクタ10に嵌合されるにあっては、図13、および図19等に示される様にプラグコネクタ20の「コネクタ長手方向」の両端部分に圧入により固定された一対のプラグ側固定金具23,23が、リセプタクルコネクタ10の絶縁ハウジング11の上面に沿って滑動する構成になされている。すなわち、それらの各プラグ側固定金具23は、絶縁ハウジング21の両端部分を上方側から覆うように装着されており、リセプタクルコネクタ10に対して、プラグコネクタ20の嵌合が行われる際に、上述したプラグ側固定金具23の一部が、リセプタクルコネクタ10の絶縁ハウジング11の上面に上方側から接触するように配置される関係になされており、リセプタクルコネクタ10の上面に沿って、プラグコネクタ20のプラグ側固定金具23が本来の嵌合位置まで滑動した際に位置決めが行われる構成になされている。これら各プラグ側固定金具23は、プラグ側回路基板P2の主面に半田付けされる一対の基板接続部23a,23aをそれぞれ備えている。
[リセシェル部材について]
ここで、上述したリセプタクルコネクタ10の絶縁ハウジング11には、図11に示される様に当該絶縁ハウジング11の外壁面のうちの上方部分を除く側面部分から底面部分を覆うリセシェル部材13が装着されている。このリセシェル部材13は、金属製の板状部材から形成されており、前述した絶縁ハウジング11の底面板11aから長手側壁板11b及び短手側壁板11cの外壁面に沿った状態で、コンタクト部材12の多極状の配列方向である「コネクタ長手方向」に沿って延在するように配置されている。そして、その「コネクタ長手方向」において当該リセシェル部材13には、上述したコンタクト部材12が配置されている領域に中央部シェル体13aが配置されているとともに、その中央部シェル体13aに対して「コネクタ長手方向」の両側外方領域に、一対の端部シェル体13b,13bが一体的に連結されている。
ここで、上述したリセプタクルコネクタ10の絶縁ハウジング11には、図11に示される様に当該絶縁ハウジング11の外壁面のうちの上方部分を除く側面部分から底面部分を覆うリセシェル部材13が装着されている。このリセシェル部材13は、金属製の板状部材から形成されており、前述した絶縁ハウジング11の底面板11aから長手側壁板11b及び短手側壁板11cの外壁面に沿った状態で、コンタクト部材12の多極状の配列方向である「コネクタ長手方向」に沿って延在するように配置されている。そして、その「コネクタ長手方向」において当該リセシェル部材13には、上述したコンタクト部材12が配置されている領域に中央部シェル体13aが配置されているとともに、その中央部シェル体13aに対して「コネクタ長手方向」の両側外方領域に、一対の端部シェル体13b,13bが一体的に連結されている。
このようなリセシェル部材13の「コネクタ長手方向」の中央部分を構成している中央部シェル体13aは、コネクタ長手方向に直交する「コネクタ幅方向」に沿った横断面形状が、略コの字状をなして延在しているが、絶縁ハウジング11の外壁面に対しては、圧入又はインサート成形によって密着した状態で、当該絶縁ハウジング11の長手側壁板11bを挟んでコンタクト部材12と対向するように配置されている。すなわち、この中央部シェル体13aは、直接的には絶縁ハウジング11の長手側壁板11bの外壁面を補強する構成になされているが、当該絶縁ハウジング11の長手側壁板11bの内壁面に取り付けられたコンタクト部材12の保持強度についても補強する構成になされている。
より具体的には、図6に示される様に絶縁ハウジング11の長手側壁板11bの内壁面には、コンタクト取付溝11dを介してコンタクト部材12の固定基部12aが取り付けられているが、その固定基部12aが位置する長手側壁板11bの内壁面と肉厚方向に対向する外壁面に対して、上述した中央部シェル体13aが密着状態で配置されている。従って、相手コネクタであるプラグコネクタ20が嵌合又は抜去される際にコンタクト部材12が大きく弾性変位した場合においても、絶縁ハウジング11の過度な変位がリセシェル部材13によって良好に防止され、コンタクト部材12も良好に保持されるようになっている。
また、上述したように中央部シェル体13aの「コネクタ長手方向」の両側外方に配置されている一対の端部シェル体13b,13bの各々は、絶縁ハウジング11の片方側の端部を構成している一対の長手側壁板11b,11bと短手側壁板11cとを外方側から覆う状態に配置されている。それらの各片側の端部シェル体13bには、三体のハウジング固定部13b1,13b1,13b1がそれぞれ設けられているが、そのうちの一対(二体)のハウジング固定部13b1,13b1は、「コネクタ幅方向」に対向するように配置されており、絶縁ハウジング11の長手側壁板11b,11bに凹設された一対の固定溝内に圧入されることで固定状態になされている。また、残り一体のハウジング固定部13b1は、絶縁ハウジング11の短手側壁板11cに凹設された固定溝内に圧入により固定状態になされている。
上述した三体のハウジング固定部13b1,13b1,13b1の各々は、絶縁ハウジング11の外壁面に沿って上下方向に延在しているが、それら各々のハウジング固定部13b1の上端縁部には、略直角外方に折れ曲がって水平方向に延出する基板接続部13b2が一体的に設けられている。これらの各板接続部13b2は、後述するようにしてリセ側回路基板P1の主面上に形成された接地用導電路のランド部P1cに対して半田付けにより固定される。
このような構成を有する各々の端部シェル体13bは、上述したように「コネクタ長手方向」の両端部分に一対配置されているが、双方の端部シェル体13b,13bは、コンタクト部材12の多極状の配列方向である「コネクタ長手方向」において対称的に対向する配置関係になされている。すなわち、リセプタクルコネクタ10の全体を見たときには、双方の端部シェル体13b,13bに設けられた一対(2体)の基板接続部13b2,13b2が、「コネクタ長手方向」に対称的に対向する配置関係になされている。また、コンタクト部材12の多極状の配列方向と直交する方向である「コネクタ幅方向」に対称的に配置された一組の基板接続部13b2,13b2は、リセプタクルコネクタ10の全体を見たときに、計二組にわたって設けられている。このようにしてリセシェル部材13の外周部の全体を基板接続部13b2が取り囲むように配置されていることから、リセシェル部材13の外周部の全体が基板接続部13b2によりリセ側回路基板P1に固定状態になされ、リセシェル部材13の補強機能が高められるようになっている。
[コネクタ収容穴について]
一方、前述したリセ側回路基板P1には、当該リセ側回路基板P1の主面を厚さ方向に貫通するコネクタ収容穴P1aが設けられている。このコネクタ収容穴P1aは、平面略矩形状(長方形形状)の開口を有しているが、当該コネクタ収容穴P1aの開口形状は、上述したリセシェル部材13における基板接続部13b2を除いた部位の外周よりも一回り大きい投影面積を備えている。そして、そのコネクタ収容穴P1aの開口を通して上方側から、リセシェル部材13を含む絶縁ハウジング11が落し込み状態で当該コネクタ収容穴P1aの内部に挿入される構成になされている。
一方、前述したリセ側回路基板P1には、当該リセ側回路基板P1の主面を厚さ方向に貫通するコネクタ収容穴P1aが設けられている。このコネクタ収容穴P1aは、平面略矩形状(長方形形状)の開口を有しているが、当該コネクタ収容穴P1aの開口形状は、上述したリセシェル部材13における基板接続部13b2を除いた部位の外周よりも一回り大きい投影面積を備えている。そして、そのコネクタ収容穴P1aの開口を通して上方側から、リセシェル部材13を含む絶縁ハウジング11が落し込み状態で当該コネクタ収容穴P1aの内部に挿入される構成になされている。
このようにコネクタ収容穴P1aの内部にリセプタクルコネクタ10のリセシェル部材13が挿入された状態にあっては、当該リセシェル部材13の基板接続部13b2及びコンタクト部材12の基板接続部12cが、コネクタ収容穴P1aの開口を形成している上方側の開口端縁部分に当接する関係になされている。そして、特に図12〜図14に示されているように、上述したリセ側回路基板P1には、コネクタ収容穴P1aの開口端縁部分に、コンタクト部材12の基板接続部12cが半田付けされる複数の信号用導電路のランド部P1bが多極状をなして並列すように形成されている。また、それらの信号用導電路のランド部P1bの「コネクタ長手方向」の両側外方部分には、リセシェル部材13の基板接続部13b2が半田付けされる接地用導電路のランド部P1cが形成されている。
一方、図19及び図20に示されているように、前述したプラグ側回路基板P2の実装表面には、プラグコネクタ20のコンタクト部材22に設けられた基板接続部22bが半田付けされる複数の信号用導電路のランド部P2aが多極状をなすように形成されているとともに、それらの信号用導電路のランド部P2aの「コネクタ長手方向」の両側外方部分には、プラグ側固定金具23の基板接続部23aが半田付けされる複数の接地用導電路のランド部P2bが形成されている。
このような構成を有する本実施形態によれば、リセ側回路基板P1に対してリセプタクルコネクタ10の実装が行われるにあたって、リセ側回路基板P1に設けられたコネクタ収容穴P1aの内部に、絶縁ハウジング11を含むリセシェル部材13が落し込み状態で挿入され、そのリセシェル部材13及び絶縁ハウジング11の落し込み量に相当する分だけ、リセプタクルコネクタ10のリセ側回路基板P1からの高さが低減されることとなり、リセ側回路基板P1とリセプタクルコネクタ10とを含む全体の低背化が行われる。
加えて、絶縁ハウジング11に装着された金属製のリセシェル部材13の補強機能によって、絶縁ハウジング11の剛性が強化されることから、相手コネクタであるプラグコネクタ20が嵌合・抜去される際における絶縁ハウジング11の変形や破損が低減されるとともに、その絶縁ハウジング11に保持されているコンタクト部材12の変形や破損も低減される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態におけるコンタクト部材12,22同士の凹凸嵌合関係は、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20との間において逆の関係に配置することが可能である。
また、上述した実施形態におけるリセ側回路基板P1には、その主面を厚さ方向に貫通するコネクタ収容穴P1aが設けられているが、これに限られない。リセ側回路基板P1には、その主面から厚さ方向に形成された凹み状の(貫通していない)コネクタ収容穴P1aが設けられてもよい。
以上のように本発明は、各種電子・電気機器に使用される多種多様な基板接続用電気コネクタ装置に対して広く適用することが可能である。
10 リセプタクルコネクタ(本発明にかかる電気コネクタ)
11 絶縁ハウジング
11a 底面板
11b 長手側壁板
11c 短手側壁板
11d コンタクト取付溝
11e 仕切り板
12 コンタクト部材
12a 固定基部
12b 外方側接点部
12c 基板接続部
12d 内方側接点部13 リセシェル部材
13a 中央部シェル体
13b 端部シェル体
13b1 ハウジング固定部
13b2 基板接続部
20 プラグコネクタ(相手コネクタ)
21 絶縁ハウジング
21a 底面板
21b 長手側壁板
21c 短手側壁板
22 コンタクト部材
22a 嵌合凸部
22b 基板接続部
23 プラグ側固定金具
23a 基板接続部
P1 リセ側回路基板
P1a コネクタ収容穴
P1b 信号用導電路のランド部
P1c 接地用導電路のランド部
P2 プラグ側回路基板
P2a 信号伝送用導電路のランド部
P2b 接地用導電路のランド部
11 絶縁ハウジング
11a 底面板
11b 長手側壁板
11c 短手側壁板
11d コンタクト取付溝
11e 仕切り板
12 コンタクト部材
12a 固定基部
12b 外方側接点部
12c 基板接続部
12d 内方側接点部13 リセシェル部材
13a 中央部シェル体
13b 端部シェル体
13b1 ハウジング固定部
13b2 基板接続部
20 プラグコネクタ(相手コネクタ)
21 絶縁ハウジング
21a 底面板
21b 長手側壁板
21c 短手側壁板
22 コンタクト部材
22a 嵌合凸部
22b 基板接続部
23 プラグ側固定金具
23a 基板接続部
P1 リセ側回路基板
P1a コネクタ収容穴
P1b 信号用導電路のランド部
P1c 接地用導電路のランド部
P2 プラグ側回路基板
P2a 信号伝送用導電路のランド部
P2b 接地用導電路のランド部
Claims (5)
- 絶縁性部材からなるハウジングに、複数体のコンタクト部材が多極状に配列されたものであって、
回路基板の主面に実装された状態で相手コネクタが嵌合・抜去される構成になされた基板接続用電気コネクタにおいて、
前記ハウジングには、当該ハウジングの外壁面の少なくとも一部を覆う金属製の板状部材からなるシェル部材が装着され、
前記シェル部材は、基板接続部を有し、
前記基板接続部は、前記回路基板の主面から厚さ方向に形成されたコネクタ収容穴に前記ハウジングと共に前記シェル部材が落し込み状態で挿入された際に、前記回路基板の主面と対面し接続されることを特徴とする基板接続用電気コネクタ。 - 前記シェル部材が、前記コンタクト部材の多極状の配列方向において一体的に連結された中央部シェル体と端部シェル体と、を備え、
前記中央部シェル体は、前記コンタクト部材が配置された部位に前記ハウジングの前記外壁面に密着した状態で配置されているとともに、
前記端部シェル体は、前記コンタクト部材の多極状の配列方向において前記中央部シェル体の外方に配置されていることを特徴とする請求項1記載の基板接続用電気コネクタ。 - 前記端部シェル体は、前記ハウジングに対して固定状態になされたハウジング固定部と、当該ハウジング固定部から一体的に延出して前記回路基板の主面に対面する前記基板接続部と、を有していることを特徴とする請求項2記載の基板接続用電気コネクタ。
- 前記端部シェル体の前記基板接続部は、前記コンタクト部材の多極状の配列方向に対向して一対設けられているとともに、前記コンタクト部材の多極状の配列方向と直交する方向に対向して二対設けられていることを特徴とする請求項3記載の基板接続用電気コネクタ。
- 前記コンタクト部材の一部が、前記ハウジングの内壁面に取り付けられたものであって、
前記シェル部材を構成している前記中央部シェル体は、前記ハウジングの内壁面に対向する前記外壁面に配置されていることを特徴とする請求項3記載の基板接続用電気コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016209687A JP2018073536A (ja) | 2016-10-26 | 2016-10-26 | 基板接続用電気コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016209687A JP2018073536A (ja) | 2016-10-26 | 2016-10-26 | 基板接続用電気コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018073536A true JP2018073536A (ja) | 2018-05-10 |
Family
ID=62114335
Family Applications (1)
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JP2016209687A Pending JP2018073536A (ja) | 2016-10-26 | 2016-10-26 | 基板接続用電気コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018073536A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019186168A (ja) * | 2018-04-17 | 2019-10-24 | イリソ電子工業株式会社 | コネクタ |
-
2016
- 2016-10-26 JP JP2016209687A patent/JP2018073536A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019186168A (ja) * | 2018-04-17 | 2019-10-24 | イリソ電子工業株式会社 | コネクタ |
JP7025982B2 (ja) | 2018-04-17 | 2022-02-25 | イリソ電子工業株式会社 | コネクタ |
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