JP2018073389A - データ処理装置、及びデータ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースを効率的に利用可能なデータ処理装置等の提供。【解決手段】移動端末100は、テーブル管理部23及び優先度設定部25を備え、データ処理装置として機能する。テーブル管理部23は、データサンプルのデータ種別、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対で定義された利用属性情報、及び価値指標を定義可能な情報、が関連付けられたデータ価値テーブルを管理する。優先度設定部25は、特定のデータ種別に属し利用属性情報が紐付けられたデータサンプルの価値指標をデータ価値テーブルに基づき定義し、定義した複数の価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する。【選択図】図1

Description

この明細書による開示は、データサンプルを転送又は保全するデータ処理の技術に関する。
従来、例えば特許文献1には、データの転送等を行う装置の一種として、移動通信システムに用いられるコアネットワーク装置が開示されている。このコアネットワーク装置は、自装置のリソース利用率が低下した場合に、移動端末に通信の利用を促す利用促進メッセージを送信する。その結果、動的にユーザに利用を促して利用率を上げることができ、リソース側の利用率の最適化が図られる。
特許第5692384号公報
しかし、特許文献1に開示の技術では、リソース側の利用率は最適化され得るものの、転送されるデータの価値は、何ら定義されていなかった。そのため、データ処理のリソースが限られている場合に、データの優先度が適切に定義されないことに起因し、多用途等で利用可能な価値の高いデータであっても、転送又は保存の対象から外れる場合が想定され得た。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースを効率的に利用可能なデータ処理の技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、データサンプルを転送又は保全するデータ処理装置であって、データサンプルのデータ種別、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対で定義された利用属性情報、及び価値指標を定義可能な情報、が関連付けられたデータ価値テーブルを管理するテーブル管理部(23)と、特定のデータ種別に属し利用属性情報が紐付けられたデータサンプルの価値指標をデータ価値テーブルに基づき定義し、価値指標を用いてデータサンプルの転送又は保全の優先度を設定する優先度設定部(25)と、を備えるデータ処理装置とされる。
また、開示された第二の態様は、データサンプルを転送又は保全するデータ処理方法であって、少なくとも一つの処理部(20)の処理により、データサンプルのデータ種別、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対で定義された利用属性情報、及び価値指標を定義可能な情報、が関連付けられたデータ価値テーブルを参照し(S103)、特定のデータ種別に属し利用属性情報が紐付けられたデータサンプルの価値指標をデータ価値テーブルに基づいて定義し(S104)、定義した価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する(S105)、データ処理方法とされる。
これらの態様によれば、転送又は保全の対象であるデータサンプルは、データ価値テーブルに基づき、利用属性情報にて定義された利用形態に応じた価値指標が定義される。そして、定義された価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度が設定される。以上のように、個々のデータサンプルの価値指標がデータの利用形態を考慮して定義可能であれば、例えば利用形態の変化に対応して、データサンプルを転送又は保全する優先度は、柔軟に変更され得る。したがって、データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースが効率的に利用可能となる。
加えて、開示された第三の態様は、データサンプルを転送又は保全するデータ処理装置であって、データサンプルのデータ種別毎の価値指標を、データ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けて定義可能なデータ価値マップ、を含むデータ価値テーブルを管理するテーブル管理部(23)と、特定のデータ種別に属するデータサンプルについて、このデータサンプルを取得したときの状態情報をデータ価値マップに適用することにより導出した価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する優先度設定部(25)と、を備えるデータ処理装置とされる。
また、開示された第四の態様は、データ処理装置にてデータサンプルを転送又は保全するデータ処理方法であって、少なくとも一つの処理部(20)の処理により、データサンプルのデータ種別毎の価値指標を、データ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けて定義可能なデータ価値マップを参照し(S103)、特定のデータ種別に属するデータサンプルについて、このデータサンプルを取得したときの状態情報をデータ価値マップに適用することにより、価値指標を導出し(S104)、導出した価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する(S105)、データ処理方法とされる。
これらの態様でも、転送又は保全の対象であるデータサンプルは、データ価値マップに基づき、データ処理装置の状態を示す状態情報に応じた価値指標が定義される。そして、定義された価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度が設定される。以上のように、個々のデータサンプルの価値指標がデータ処理装置の状態を考慮して定義可能であれば、例えばデータ処理装置の状態の変化に対応して、データサンプルを転送又は保全する優先度は、柔軟に変更され得る。したがって、データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースが効率的に利用可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施例における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
移動端末を含むデータ処理に関連したシステムの全体像を示すブロック図である。 移動端末の制御回路にて実施される優先度設定処理の詳細を示すフローチャートである。 ストリートビュー用途におけるデータ価値マップを可視化した図である。 歩行者認識用途における価値補正マップを示す図である。 第一実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 SLAM用途におけるデータ価値マップを可視化した図である。 SLAM用途における価値補正マップを示す図である。 第二実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 遠隔監視用途におけるデータサンプルの価値指標の定義に用いられる遅延補正マップを示す図である。 第三実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 データサンプルの価値指標の推移を示す図である。 データサンプルの価値指標の推移を示す図である。 データサンプルの価値指標の推移を示す図である。 データサンプルの転送に起因した価値指標の低下を補正する価値補正マップを示す図である。 第四実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 第五実施例の移動端末がサーバから取得する情報を説明するための図である。 ストリートビュー用途におけるデータ価値マップを可視化した図である。 歩行者認識用途における価値補正マップを示す図である。 第六実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 LTEの通信資源マップを可視化した図である。 WiFiの通信資源マップを可視化した図である。 移動経路における各通信資源の帯域の広さと、ビットあたりの通信コストとを示す図である。 移動端末の位置と、各データサンプルの価値との相関を示す図である。 第七実施例にて策定される転送スケジュール1の詳細を示す図である。 第七実施例にて策定される転送スケジュール2の詳細を示す図である。 第七実施例にて策定される転送スケジュール3の詳細を示す図である。 第七実施例にて策定される転送スケジュール4の詳細を示す図である。 第八実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。 第九実施例におけるデータサンプルの価値指標の推移を示す図である。
以下、本開示の複数の実施例を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施例において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施例の構成を適用することができる。また、各実施例の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施例の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施例及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施例)
図1に示す本開示の第一実施例による移動端末100は、車両Acに搭載されており、車両Acと共に移動可能である。移動端末100は、車両Acにて取得された種々のデータサンプルを転送又は保全するデータ処理装置として機能する。移動端末100は、基地局12及びインターネット11を通じて、データセンタ等に設置された少なくとも一つのサーバ10と通信可能である。
サーバ10は、車両Acの外部に設置された計算装置である。サーバ10には、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置が設けられている。サーバ10は、インターネット11に接続されており、多数の車両Acにそれぞれ搭載された各移動端末100からデータサンプル等の情報を受信し、受信した情報を記憶装置に蓄積する。加えてサーバ10は、各移動端末100からの情報提供の要求に応じて、要求元の移動端末100へ向けて後述するデータ価値テーブル等の情報を送信する。
移動端末100は、車両Acに搭載された前方カメラ40及び記憶部50と電気的に接続されている。移動端末100は、通信部30、ロケータ36、及び制御回路20等によって構成されている。
前方カメラ40は、車両Acの前方領域を撮影する撮像装置である。前方カメラ40は、前方領域の画像(以下、「前面画像」)を、所定の周期で撮影することにより、前方領域の映像を生成する。前方カメラ40は、特定のイベントの発生情報を検知する。イベントの発生情報は、一例として、歩行者等の検知対象物が存在するという情報である。また別の例では、検知した対象物に最接近したという情報である。前方カメラ40により生成された前面画像の画像データは、データサンプルに相当する。
記憶部50は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクドライブ等の記憶媒体を有している。記憶部50には、前面画像等のデータサンプルに加えて、後述するデータ価値テーブル等が格納されている。記憶部50に格納された情報は、移動端末100によって読み出し可能である。記憶部50は、移動端末100に内蔵された形態であってもよく、又は移動端末100から取り外し可能なメモリカード等の形態であってもよい。
通信部30は、複数の無線通信用のアンテナ31,32を有している。アンテナ31は、基地局12との間において、移動体通信を行う。アンテナ32は、例えば無線LANのアクセスポイントとの間で無線通信によって情報の送受信を行う。通信部30は、制御回路20の制御に基づき、基地局12及びインターネット11を介して、サーバ10と通信可能である。通信部30は、前方カメラ40によって生成されたデータサンプル及び記憶部50に保全された未送信分のデータサンプルを、サーバ10へ向けて転送可能である。通信部30は、サーバ10に蓄積されたデータ価値テーブル等を、サーバ10から受信可能である。
ロケータ36は、複数の測位衛星から送信された測位信号を受信し、例えば慣性センサの計測結果と組み合わせることにより、移動端末100の現在位置を測位する。ロケータ36は、測位信号と電子コンパスの計測結果を組み合わせることにより、車両Acの進行方向を測定する。ロケータ36は、進行方向の情報を含む位置情報を、対応する車両Acの周辺の地図情報と共に制御回路20に提供する。
制御回路20は、少なくとも一つのプロセッサ、RAM、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体、情報の入出力を行う入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等によって構成されている。制御回路20は、時計の機能を有しており、現在の時刻情報を取得可能である。記憶媒体は、例えばフラッシュメモリ等であり、データサンプルを転送又は保全するデータ処理プログラムを記憶している。制御回路20は、プロセッサによってデータ処理プログラムを実行することにより、通信制御部21、データ取得部22、テーブル管理部23、マップ更新部24、及び優先度設定部25等の機能ブロックを有する。
通信制御部21は、通信部30からサーバ10へ向けたデータサンプルの転送を制御する。通信制御部21は、必要なデータ価値テーブル等の情報提供をサーバ10に要求し、サーバ10から提供された情報を取得する。通信制御部21は、各アンテナ31,32の受信状態を示す情報(以下、「通信状態情報」)を取得し、使用可能な通信資源の中でデータの転送に用いる通信資源を切り替える。
データ取得部22は、前面画像等のデータサンプル、歩行者検知等のイベントの発生情報、及び移動端末100の状態情報等を取得する。状態情報には、時刻情報と、ロケータ36から取得する現在の位置情報、進行方向を示す情報、これらの信頼度を示す情報(周辺認知状態情報)、及び走行中の道路の曲率等を示す移動情報とが含まれる。加えて状態情報には、通信部30から取得する各通信資源の通信状態情報、前方カメラ40の検知範囲SA(図3参照)を示す位置情報等が含まれる。またデータ取得部22は、車両Acに搭載された車載ネットワーク、例えばCAN(登録商標)等の通信バスからも情報を取得可能である。さらにデータ取得部22は、車載ネットワークから取得する車両Acの速度情報、急ブレーキの作動といった車両Acの異常度に関する情報も、状態情報として取得可能である(変形例2参照)。
テーブル管理部23は、記憶部50に格納されているデータ価値テーブルの管理及び参照を行う。テーブル管理部23は、取得したデータサンプルの価値指標の算定に必要なデータ価値テーブルを、記憶部50から読み出し可能である。データ価値テーブルには、データサンプルのデータ種別、価値指標を定義可能な情報、及び利用属性情報が関連付けられている。
データ種別は、例えば前面画像等の個々のデータの内容を示す情報である。価値指標を定義可能な情報には、後述するデータ価値マップ、価値補正マップ、データ転送価値マップ、及び通信資源マップ等が含まれている。
利用属性情報は、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対によって定義されている。属性種別には、用途、データを利用するユーザ識別情報、ユーザの区分及びユーザ数等が含まれている。属性種別の一つである用途は、データサンプルの使用目的を示す情報である。用途の対とされる具体例な値には、ストリートビュー、歩行者認識、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)、及び検出アルゴリズムの訓練用データ等である。
ユーザ識別情報の対とされる値には、データサンプルを利用する個々のユーザを示す情報、具体的には、「業者A」,「業者B」,「個人C」,「個人D」・・・等が入り得る。ユーザ区分の対とされる値には、データサンプルを利用するユーザの種別及び位置づけを示す情報、具体的には、「事業者」,「個人」,「プラチナ会員」,「ゴールド会員」,「有料ユーザ」,「無料ユーザ」等が入り得る。ユーザ数と対になる値には、利用するユーザの数を示す「1」,「2」・・・等の数値が入り得る。尚、第一実施例では、利用属性情報の属性種別として、「用途」のみが設定される。
マップ更新部24は、データ価値テーブルに含まれるデータ価値マップ等の情報を最新の内容に更新する。マップ更新部24は、所定のタイミングで、データ価値マップの更新要求をサーバ10へ向けて送信させる。マップ更新部24の要求に基づき、通信制御部21がサーバ10と通信を行う。マップ更新部24は、要求に応じてサーバ10から提供される最新の情報により、データ価値テーブルの内容を書き換える。
優先度設定部25は、特定のデータ種別に属し、上記した利用属性情報が紐付けられた個々のデータサンプルについて、具体的な利用属性情報と転送又は保全の優先度とを設定する。優先度設定部25は、一つのデータサンプルが複数の利用属性情報(例えば用途)を有している場合、利用属性情報(用途)毎の価値指標を、対応するデータ価値テーブルに基づき定義する。優先度設定部25は、利用属性情報(用途)毎に定義した複数の価値指標を用いて、具体的には、用途毎に定義した複数の価値指標の総和に基づくことにより、データサンプルの優先度を決定する。こうして定義される各価値指標は、データサンプルの価値を貨幣価値に換算可能なスカラー量である。
優先度設定部25は、例えば用途に対応したデータ価値マップが用意されている場合、データサンプルを取得したときの状態情報をデータ価値マップに適用することにより、データサンプルの価値指標を導出する。優先度設定部25は、マップ更新部24により更新された最新のデータ価値マップに基づいて、データサンプルの価値指標を導出することができる。
優先度設定部25は、設定した優先度に基づき、サーバ10等へ向けたデータサンプルの転送と、記憶部50へのデータサンプルの格納とを実施する。詳記すると、サーバ10への転送対象とされた複数のデータサンプルのうちで、優先度設定部25によって設定された優先度が高いデータサンプルほど、先に転送される。また、記憶部50への保全対象とされた複数のデータサンプルのうちで優先度の低いデータサンプルほど、記憶部50から先に削除される。
以上の制御回路20によって実行されるデータ処理方法の詳細を、図2に基づいて、図1を参照しつつ説明する。図2に示す優先度設定処理は、例えば車両Acが走行可能な状態となり、移動端末100への電源供給が開始された場合に、制御回路20によって開始される。制御回路20は、移動端末100への電源供給が終了されるまで制御回路20によって繰り返し実施される。尚、優先度設定処理は、車両Acのユーザによってオン状態とオフ状態とが切り替えられてもよい。
S101では、データサンプルを取得し、S102に進む。S101では、個々のデータサンプルを逐次取得してもよく、又は所定の周期で複数のデータサンプルを纏めて取得してもよい。S102では、S101にて取得したデータサンプルの利用属性情報(用途,ユーザ区分,ユーザ数等)を設定し、S103に進む。データサンプルの利用属性情報は、移動端末100のユーザによって入力された用途であってもよく、又は特定の管理機関によって設定された用途であってもよい。データサンプルに紐付けされた利用属性情報の内容は、逐次変更されてよい。例えば用途の数は、一つであってもよく、複数であってもよい。また、一つの利用属性情報も設定されない期間が設けられてもよい。
S103では、S102にて設定した利用属性情報(用途)での価値指標を定義可能なデータ価値テーブルを記憶部50から参照し、S104に進む。S104では、特定のデータ種別(例えば前方画像等)に属するデータサンプルについて、データ価値テーブルに基づいて価値指標を定義する。S102にて複数の用途が設定されていれば、用途毎の価値指標を定義して、S105に進む。
S105では、S104にて定義した用途毎の価値指標の総和から、データサンプルの優先度を設定し、S101に戻る。S105にて設定された優先度に基づき、データサンプルを転送する処理及びデータサンプルを保全する処理等が実施される。
次に、移動端末100によるデータサンプルの処理の詳細を、具体的なシーンを例示して説明する。図3〜図5を用いて説明するシーンは、ストリートビュー及び歩行者認識で利用可能な前面画像について、サーバ10への転送及び記憶部50への保全の優先度を決定しているシーンである。
図3に示すデータ価値マップは、ストリートビュー用途でのデータサンプルの価値指標を定義可能な情報である。データ価値マップは、データ価値テーブルに含まれる情報であって、記憶部50に格納されている。データ価値マップは、上記の優先度設定処理にて、テーブル管理部23によって参照される(図2 S103参照)。
ストリートビュー用途でのデータ価値マップでは、移動端末100の状態情報である位置情報及び時刻情報が価値指標と対応付けられている。価値指標は、データサンプルを取得したときの位置情報を、時刻情報の対応したデータ価値マップに適用することで導出される(図2 S104参照)。データ価値マップでは、格子状に規定された矩形状の領域毎に価値指標が設定されている。データ価値マップを可視化した場合、各領域の濃淡は、価値指標の高低を示している。
データ価値マップにおける各領域の価値指標は、例えばサーバ10に転送された特定の時刻帯のデータサンプルの密度と、データサンプルから抽出される情報の内容の分散とに基づいて設定される。具体的に、特定の時刻帯にてサーバ10に蓄積されたサンプル数(収集量)が少ない領域ほど、価値指標は高く導出される。また、収集されたデータサンプルについて、例えば明度等の情報が大きくばらついている(分散の大きい)領域ほど、価値指標は高く導出される。尚、図3のドットの濃い領域は、データサンプルの不足している領域又はデータサンプルの分散の大きい領域である。
以上のデータ価値マップに位置情報を適用することで、移動経路TPに沿って移動した移動端末100にて定義されるストリートビュー用途での価値指標は、図5の実線Vi1の如く推移する。データ価値マップに適用される位置情報は、移動端末100の位置情報であってもよく、又は前方カメラ40の検知範囲SAを特定する位置情報であってもよい。検知範囲SAの位置情報を用いる場合、検知範囲SAに含まれる複数の領域に関連付けられた各価値指標のうちで、最も高い価値指標がデータサンプルに紐付けされる。データ価値マップは、時刻帯毎に設定されており、現在時刻に対応した内容に逐次更新される。
また、他の一例として検知アルゴリズムを訓練する訓練データ用途としてデータサンプルの価値指標を定義する場合、訓練データ用途の価値指標の決定には、位置情報の信頼度を示す周辺認知状態情報が状態情報として用いられる。以上のデータ価値マップは、例えばビル影等で測位精度が低下した場合に、データサンプルである前面画像の価値指標を高く定義する。前面画像を用いた地図情報とのマッチングによれば、移動端末100の概ね正しい位置が推定できる。故に、衛星信号が受信し難い環境下にて、位置情報の精度がどの程度確保されているか否かを評価するデータとして有用となるためである。
図4に示す価値補正マップは、歩行者認識用途でのデータサンプルの価値指標を定義可能な情報である。歩行者認識用途では、前方カメラ40の前面画像は、機械学習のためにサーバ10にアップロードされる。歩行者認識用途での価値指標は、移動端末100の絶対的な位置によっては変動せず、特定のイベント発生時である歩行者検出時を基準とした状態の差、具体的には、時間差又は移動距離(位置の差)、或いはその両方等に影響されて変動する。換言すれば、歩行者認識用途でのデータ価値マップは、移動端末100の位置によらず所定値αとなる。尚、価値補正マップにて減衰率の設定に用いられる移動端末100の「状態の差」は、上記のような時間差や位置の差に限定されない。移動端末100の状態を示す指標の差分が「状態の差」として、価値補正マップに適宜用いられてよい。
具体的に、歩行者認識用途での価値補正マップでは、検出された歩行者等の特定物標のへの最接近点が基準点(図4 「0」参照)とされており、歩行者に最も接近した最接近点からの距離と価値指標の増減率(以下、「価値維持率」)とが対応付けられている。価値維持率は、「1」から価値指標の減衰率を差し引いた値である。価値維持率は、最接近点に接近するに従って漸増し、最接近点では「1」を示す(減衰率=0)。これは、前面画像に歩行者が最も高い解像度で写り、その結果、データサンプルの価値が高まることを示している。そして、最接近点の通過によって漸減し、最接近点から一定以上の距離で価値維持率は「0」となる。換言すれば、減衰率は、データサンプル取得時の状態(位置)情報がイベント検知時の状態(位置)情報と同一のとき「0」となり、状態情報に一定以上の差異が生じた場合には「1」となる。
尚、検知対象のイベントは上記のように検出された物標への最接近に限定されず、イベント検知部が検知可能なイベントが適宜用いられてよい。また、価値維持率と状態の差との対応も、上記のように連続的な対応に限定されない。例えば、歩行者の検出を検知対象イベントとし、価値維持率は、歩行者が1人以上検出されている場合に「1」とされ、1人も検出されていない場合に「0」とされる不連続な対応の設定であってもよい。
以上の価値補正マップに最接近点の位置情報とデータサンプル取得時の位置情報とを適用することで、価値維持率が算定される。データサンプルの価値指標は、価値補正マップの参照結果である価値維持率を、予め設定された所定値αに乗算することで定義できる。その結果、移動経路TPに沿って移動した移動端末100にて定義される歩行者認識用途での価値指標は、図5の実線Vi2の如く推移する。
データサンプルの優先度は、データ価値マップに基づくストリートビュー用途の価値指標(実線Vi1)と、価値補正マップに基づく歩行者認識用途の価値指標(実線Vi2)との総和(破線TA)に基づいて設定される。その結果、地点A〜Eにて取得されたデータサンプルの優先度は、C>A>B>D>Eの順で高くなる。以上により、サーバ10との通信が可能な状態では、データサンプルは、C,A,B,D,Eの順でサーバ10に転送される。また、通信圏外で記憶部の記憶容量が不足した場合、データサンプルは、E,D,B,A,Cの順で廃棄される。
ここまで説明した第一実施例によれば、転送又は保全の対象であるデータサンプルは、データ価値テーブルに基づき、利用属性情報にて定義された利用形態に応じた価値指標が定義される。そして、定義された価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度が設定される。以上のように、個々のデータサンプルの価値指標がデータの利用形態を考慮して定義可能であれば、例えば利用形態の変化に対応して、データサンプルを転送又は保全する優先度は、柔軟に変更され得る。
より具体的に説明すれば、第一実施例のデータサンプルは、属性種別の一つである用途を複数有している。こうした場合には、データ価値テーブルに基づき、用途毎の価値指標が定義される。そして、定義された複数の価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度が設定される。以上のように、個々のデータサンプルの価値指標が用途毎に定義可能であれば、用途の追加や削減に対応して、データサンプルを転送又は保全する優先度は、柔軟に変更され得る。
さらに第一実施例でのデータサンプルは、データ価値マップに基づき、移動端末100の状態を示す状態情報に応じた価値指標が定義される。そして、定義された価値指標を用いて、データサンプルの転送又は保全の優先度が設定される。以上のように、個々のデータサンプルの価値指標が移動端末100の状態を考慮して定義可能であれば、移動端末100の状態の変化に対応して、データサンプルを転送又は保全する優先度は、柔軟に変更され得る。
したがって、データの価値が最大化されるように、通信資源や記憶媒体等のデータ処理のリソースが効率的に利用可能となる。
加えて第一実施例での優先度は、利用属性情報毎、具体的には用途毎に定義した価値指標を総和した値に基づいて設定される。故に、用途が多いデータサンプルの優先度は、確実に高く設定されるようになる。したがって、個々のデータサンプルの価値は、異なる用途間での公平性を確保しつつ、利用属性情報の内容の変更、例えば用途の増減に対して柔軟に定義され得る。
また第一実施例のようなデータ価値マップを用いれば、データサンプルの取得時における移動端末100の状態に対応した価値指標が導出される。以上によれば、優先度設定部25は、移動端末100の状態に応じて変化するような用途の価値指標を適切に定義できる。
そして、移動端末100の状態を示す状態情報として位置情報及び時刻情報が用いられれば、優先度設定部25は、取得位置及び取得時刻によって価値の変化するデータサンプルの優先度を正しく評価できる。さらに、データ価値マップの状態情報に、周辺認知状情報を用いれば、測位精度の変動に起因して価値変化が生じる場合でも、データサンプルの優先度が適正に評価され得る。
さらに第一実施例では、マップ更新部24による更新が逐次行われることで、優先度設定部25は、最新のデータ価値マップに基づき、データサンプルの価値指標を導出できる。以上によれば、例えばデータサンプルの収集量の充足状況等によって価値指標が刻一刻と変化するような用途の価値指標であっても、優先度設定部25は、適切に適宜可能となる。
加えて第一実施例では、データ価値マップの更新により、サーバ10にて取得されたデータサンプルの密度が足りていない領域の価値指標が高く調整される。こうした価値指標の更新によれば、不足している領域のデータサンプルが優先的にサーバ10に集められるようになる。
また第一実施例におけるデータ価値マップの更新によれば、取得済みのデータサンプルについて内容の分散が大きい領域は、価値指標を高く調整される。こうした価値指標の更新によれば、精度の確保に通常よりも多くの情報を必要とする領域について、効率的にデータサンプルを収集することが可能となる。
さらに第一実施例の優先度設定部25は、イベントの発生に関連して価値が増減するような用途についても、価値補正マップを用いて価値指標を定義できる。加えて移動端末100は、歩行者検知等のイベントの発生情報を取得可能である。したがって、優先度設定部25は、イベントに関連するデータサンプルの価値指標を、適正に評価できる。
また第一実施例の価値補正マップは、イベントの発生検出時に価値指標を最もタック定義し、イベント発生時の状態から遠ざかるに従い、データサンプルに対し低い価値指標を定義する。こうした定義方法の採用によれば、発生時から次第に価値が減衰するイベントに対応して、データサンプルに適切な価値を提供できる。さらに、イベントには、歩行者以外の検出対象物(例えば白線や道路標識等)の検出及び検出ロスト、並びに検出信頼度の極大点及び極小点の通過等が含まれる。こうしたイベントを検知すれば、これらのイベントに価値(価値指標)が影響される特定の場合(用途)について、データサンプルの価値指標が正しく定義可能となる。
さらに第一実施例にて定義される価値指標は、データサンプルの価値を貨幣価値に換算可能なスカラー量とされている。故に、データサンプルの価値指標を、例えば通信資源の利用コストと客観的に比較するが容易である。以上によれば、データサンプルのサーバ10への転送により十分な収益を上げられるか否かが客観的な評価可能となる。
尚、第一実施例では、制御回路20が「処理部」に相当し、データ取得部22が「イベント情報取得部」に相当し、通信部30が「送信部」に相当し、記憶部50が「イベント検知部」に相当し、移動端末100が「データ処理装置」に相当する。
(第二実施例)
図6〜図8に示す第二実施例では、データサンプルの用途として、第一実施例のストリートビュー用途及び歩行者認識用途に加えて、SLAM用途が追加されている。SLAMでは、右左折及びカーブ走行の検出タイミングを地図データ上における交差点及びカーブ区間とマッチングさせることにより、ロケータ36(図1参照)等による位置情報の誤差を補正する。このようにSLAMでは、マップマッチングの精度確保のため曲率を伴った走行が必要とされる。故に、SLAM用途では、曲率の大きいカーブにて取得されたデータサンプルほど、高い価値指標が設定される。
図7に示す価値補正マップは、SLAM用途でのデータサンプルの価値指標を定義可能な情報である。上述したように、SLAM用途での価値指標は、移動端末100の絶対的な位置によっては変動せず、カーブの曲率に影響されて変動する。故に、SLAM用途の価値補正マップでは、移動端末100の状態情報として、データサンプル取得時のカーブの曲率情報が用いられる。カーブ曲率情報は、例えば車載ネットワークから取得する車速情報及び横方向の加速度情報、又は操舵角情報等から算出可能である。
価値補正マップでは、カーブの曲率情報がデータサンプルの相対価値と対応付けられている。相対価値は、特定の曲率よりも大きいカーブ区間を走行した場合に、概ね「1」とされる。相対価値は、カーブの曲率が小さくなるに従って、「1」よりも小さい値に減少する。例えば、車両Acが右折した場合(Cu1参照)、相対価値は、「1」に設定される。一方で、緩いカーブ区間を走行した場合(Cu2参照)、相対価値は、「0.4」程度に設定される。以上のような価値補正マップに、車両Acにて検出されたカーブの曲率情報を適用することで、SLAM用途での価値指標が定義される。一例として、移動経路TPに沿って移動する移動端末100にて定義されるSLAM用途での価値指標は、図8の実線Vi3の如く推移する。
データサンプルの優先度は、ストリートビュー用途及び歩行者認識用途の各価値指標の合計(実線Vi12)と、価値補正マップに基づくSLAM用途の価値指標(実線Vi3)との総和(破線TV2)に基づいて設定される。その結果、地点A〜Eにて取得されたデータサンプルの優先度は、第一実施例とは異なり、C>A>E>B>Dの順で高くなる。
ここで、SLAM用途でのデータサンプルの価値指標を定義可能な情報は、上記のような価値補正マップではなく、図6に示すようなデータ価値マップとされてもよい。SLAM用途のデータ価値マップでは、価値指標が位置情報と対応付けられている。図6では、ドットの濃い領域ほど、価値指標が高く設定されている。即ち、データ価値マップの多数の領域のうちで、特に交差点及びカーブ区間等に相当する領域では、価値指標が高く設定されている。こうしたデータ価値マップを用いることで、カーブの曲率情報が取得できない形態でも、位置情報に基づいてSLAM用途での価値指標が定義可能となる。
ここまで説明した第二実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏し、データサンプルに設定された複数の用途に対応して、データサンプルの優先度が設定される。したがって、データの価値が最大化されるようにしつつ、通信資源や記憶媒体等のデータ処理のリソースが効率的に利用可能となる。
加えて第二実施例では、カーブの曲率情報及び相対価値を対応付けた価値補正マップを用いることで、カーブの曲率に応じて変動するSLAM用途の価値指標が定義されている。こうした手法によれば、車両Acの走行状態に関連してデータサンプルの価値が増減するような用途であっても、データサンプルの価値指標は、適正に評価される。
(第三実施例)
図9〜図13に示す第三実施例では、データサンプルの用途として、第二実施例までのストリートビュー用途、歩行者認識用途、及びSLAM用途に加えて、自動運転困難エリアにおける遠隔監視用途が追加されている。
遠隔監視用途のために取得される前面画像には、リアルタイム性が要求される。故に、例えば転送遅延に起因してデータ取得時からの経過時間が長くなると、遠隔監視用途でのデータサンプルの価値は、急速に低下する(図9 実線参照)。一方で、ストリートビュー用途、歩行者認識用途、及びSLAM用途では、遠隔監視用途と比較してリアルタイム性が要求されない。故に、データサンプルの取得時から時間が経過しても、データサンプルの価値は維持される(図9 破線参照)。
遠隔監視用途でのデータサンプルの価値指標は、基準となるサンプル価値RV(図10等参照)に、データ取得時からの経過時間に対応した価値維持率を乗算した値となる。図9に示す遅延補正マップは、遠隔監視用途でのデータサンプルの価値指標を定義可能な情報であって、価値維持率を導出する情報である。遅延補正マップでは、データサンプル取得後の経過時間がデータサンプルの価値維持率と対応付けられている。具体的に遅延補正マップでは、データサンプル取得時における価値維持率が「1(減衰率=0)」とされており、取得から一定以上の時間経過により価値維持率が「0(減衰率=1)」となる。
図10には、移動経路TP(図6等参照)に沿って移動した移動端末100(図1参照)にて定義される遠隔監視用途でのサンプル価値RVと、遠隔監視用途以外の各価値指標の合計の推移(実線Vi13)とが示されている。サンプル価値RVは、自動運転困難エリアにて高い値とされている。遠隔監視用途での価値指標は、サンプル価値RVに、価値補正マップに基づく価値維持率を乗算した値となる。
図11に示すように、データサンプルに転送遅延が生じた場合、遠隔監視用途での価値指標(実線Vi4)は、サンプル価値RVに対して低い値となる。優先度設定部25(図1参照)は、価値補正マップによって補正された遠隔監視用途での価値指標(実線Vi4)と、遠隔監視用途以外の各価値指標の合計(実線Vi13)との総和(破線TV3)に基づいて、個々のデータサンプルの優先度を設定する。
また上述したように、遠隔監視用途での価値指標は、データサンプル取得後の経過時間に依存している。故に、車両Ac(図1参照)の移動速度が遅くなるほど、データサンプルの取得地点から短距離でデータサンプルの価値が失われる。
詳記すると、図11及び図12には、データサンプル取得時から時刻T1の経過後における価値指標が示されている。図12における車両Acの移動速度(=0.5Va)は、図11における車両Acの移動速度(=Va)の半分である。二つの実線Vi4の推移から明らかなように、移動速度が遅いほど、短距離での減衰が発生している。
さらに図13には、自動運転困難エリアを通過した後の時刻T2(>T1)における遠隔監視用途の価値指標が示されている。データサンプルの取得時から一定以上の時間が経過しているため、遠隔操作用途での価値指標は、実質的に0となっている。故に、データサンプルの価値指標は、遠隔操作用途以外の各価値指標の合計値(実線Vi13)と同一となる。換言すれば、データサンプルの優先度の決定に、遠隔監視用途の価値指標は、ほぼ寄与しなくなる。
ここまで説明した第三実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏し、データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースが効率的に利用される。加えて第三実施例では、データサンプル取得後の経過時間と価値維持率とを対応付けた遅延補正マップから価値指標の増減率(減衰率)を設定することにより、転送遅延によって減衰する遠隔監視用途の価値指標が適切に定義される。
(第四実施例)
図14及び図15に示す第四実施例では、第一実施例と同様に、ストリートビュー用途及び歩行者認識用途がデータサンプルの用途として設定されている。加えて第四実施例では、過去のデータサンプルの転送実績に基づいて各用途の価値指標が補正される。
詳記すると、例えばストリートビュー用途では、所定の画像取得間隔にて撮影された前面画像の全てが必要とされず、前面画像は、各用途に必要な間隔で取得されれば十分となる。そのため、一つの前面画像がサーバ10へ転送された場合、その前後に取得された前面画像の価値は低下する。図14に示す価値補正マップは、データサンプルの取得及び転送をイベントとして、当該イベントに起因した価値指標の低下を補正する情報である。
具体的に、価値補正マップでは、転送されたデータサンプルの取得位置が基準点とされており、基準点からの移動距離と価値指標の減衰率とが対応付けられている。各用途の減衰率β,γは、共に基準点からの移動距離が長くなるに従って小さくなる。また各用途の減衰率β,γは、移動距離に対する変化が互に異なっている。
ストリートビュー用途の減衰率βには、第一の希望取得周期fd及び第二の希望取得周期feが設定されている。基準点から第一の希望取得周期fdまでの区間は、第一の希望取得周期fdから第二の希望取得周期feまでの区間よりも、単位移動距離あたりの減衰率の低下が大きく設定されている。減衰率βは、第二の希望取得周期feにて「0」となる。
歩行者認識用途の減衰率γは、希望取得周期fcまでリニアに減少する。歩行者認識用途の希望取得周期fcは、ストリートビュー用途の第一の希望取得周期fdよりも、基準点に近接している。加えて、歩行者認識用途の希望取得周期fcは、画像の取得間隔よりも短くされている。以上により、歩行者認識用途の価値指標は、ストリートビュー用途の価値指標よりも、データ転送のイベントによって影響を受ける範囲が狭くなっている。
優先度設定部25(図1参照)は、データサンプルの転送を実施させた場合に、転送したデータサンプルの取得位置からの移動距離を価値補正マップに適用し、各用途の減衰率β,γを算出する。これら減衰率β,γが図15に示す補正前の各用途の価値指標の推移
(Vi1,Vi2)に乗算されることで、転送後における各データサンプルの価値指標が定義される。
詳記すると、移動端末100は、取得済みの多数のデータサンプルの中から、二つの価値指標の総和(TV1)が最も高いデータサンプルf1を転送する。以上により、ストリートビュー用途の価値指標の推移(Vi1)のうちで、データサンプルf1の取得地点を基準とした前後の範囲に、価値補正マップに基づく減衰率βが乗算される。ストリートビュー用途の価値指標は、データサンプルf1の取得地点から第二の希望取得周期feまでの範囲で低下する(図15 上から二段目参照)。尚、歩行者認識用途の価値指標が設定される範囲は、データサンプルf1の取得地点から希望取得周期fc以上離れている。故に、データサンプルf1の転送は、歩行者認識用途の価値指標には影響しない。
データサンプルf1の転送によってストリートビュー用途の価値指標が補正されると、移動端末100は、補正後の価値指標の総和(TV1)が最も高いデータサンプルf2を転送する。以上により、ストリートビュー用途の価値指標の推移(Vi1)のうちで、データサンプルf2の取得地点を基準とした前後の範囲に、減衰率βが乗算される。加えて、歩行者認識用途の価値指標の推移(Vi2)のうちで、データサンプルf2の取得地点を基準とした前後の範囲に、減衰率γが乗算される。その結果、歩行者認識用途の価値指標は、データサンプルf2の取得地点から希望取得周期fcまでの範囲で低下する(図15 上から三段目参照)。
データサンプルf2の転送によって各用途の価値指標が補正されると、移動端末100は、補正後の価値指標の総和(TV1)が最も高いデータサンプルf3を転送する。以上により、各価値指標の推移のうちで、データサンプルf3の取得地点を基準とした前後の範囲に、減衰率β,γが乗算される。その結果、データサンプルf4が次に転送されるデータサンプルとなる(図15 下段参照)。以上のように、データサンプルf1の転送によって価値の低下したデータサンプルf4であっても、他のデータサンプルの転送完了後に転送される可能性がある。
ここまで説明した第四実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏し、データの価値が最大化されるようにしつつ、データ処理のリソースが効率的に利用される。加えて第四実施例では、データサンプルの転送によって価値が影響される用途に対しても、価値補正マップを用いることで、適切な価値指標の算定が実現されている。さらに、価値補正マップの希望取得周期の長さを用途毎に調整することで、各用途にてデータサンプル転送の影響を受ける時間的又は空間的な範囲が適切に設定可能となる。
(第五実施例)
図16に示す第五実施例では、第二実施例と同様に、ストリートビュー用途、歩行者認識用途、及びSLAM用途がデータサンプルの用途として設定されている。加えて第五実施例では、移動端末100は、管理サーバ10bと通信可能であって、各用途の価値指標の定義に必要な最小限の情報を、管理サーバ10bから取得する。管理サーバ10bは、多数のデータ価値テーブルを配信可能に記憶している。尚、第五実施例では、データサンプルの転送先であるサーバ10(図1参照)を、管理サーバ10bと区別するために、ユーザサーバ10aとする。
移動端末100は、車両Acの状態変化履歴又は状態変化予測を管理サーバ10bに送信可能である。具体的に、移動端末100は、走行した又は走行予定の移動経路TPを管理サーバ10bへ向けて送信する。移動経路TPは、移動端末100の移動履歴であってもよく、又は移動端末100の予測移動経路であってもよい。
管理サーバ10bは、移動端末100から移動経路TPを受信すると、移動経路TP上にて取得された又は取得予定のデータサンプルについて、用途毎の価値指標を定義可能な情報を、移動端末100に送信する。具体的に、管理サーバ10bは、データ価値マップの中から、移動経路TPに関連した範囲を切り出して、移動端末100へ向けて送信する。管理サーバ10bは、ストリートビュー用途及びSLAM用途の各データ価値マップから、移動経路TPに関連する範囲を切り出して、移動端末100に提供できる。
移動端末100のテーブル管理部23(図1参照)は、各データサンプルの価値指標を定義可能なデータ価値テーブル等の情報を、管理サーバ10bから取得する。優先度設定部25(図1参照)は、管理サーバ10bから受信した各データ価値マップに基づき、送信していない多数のデータサンプルの価値指標の総和(TV2)及び優先度を設定する。優先度の設定方法は、第二実施例にて説明した方法と実質的に同一である。そして、上位に選択されたデータサンプルから順にユーザサーバ10aへの転送が実施される。
ここまで説明した第五実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏する。加えて第五実施例では、移動経路TP周辺のデータ価値マップが管理サーバ10bによって切り出されて、移動端末100に提供される。こうした手法によれば、移動端末100は、不要なデータ価値マップを持たなくても済む。故に、記憶部50(図1参照)の記憶容量の節約が可能になる。さらに、移動端末100に送信されるデータ価値マップは、移動経路TPの付近に限られる。よって、下り帯域の節約も可能になる。
以上の第五実施例では、実績又は予測の移動経路TPが管理サーバ10bに送信されていたが、移動端末100は、移動経路TPに替えて、現在の車両Acの位置情報を管理サーバ10bへ送信してもよい。管理サーバ10bは、受信した位置情報に基づき、各用途のデータ価値マップから移動端末100の現在位置を基準とした特定範囲を切り出して、移動端末100へ向けて送信する。その結果、テーブル管理部23は、特定範囲にて取得されるデータサンプルの価値指標を定義可能なデータ価値テーブルを取得できる。以上の変形例では、移動端末100から管理サーバ10bに送信される情報が位置情報に限られるため、上り帯域が節約され得る。
また、歩行者認識用途の価値補正マップは、データ価値マップと同様に、管理サーバ10bから提供される情報であってもよい。移動端末100は、イベントを検知した場合に、検知したイベントに関連する価値補正マップの提供を管理サーバ10bに要求する。こうした変形例であれば、移動端末100は、車両Acにて検出可能なイベントのみの価値補正マップしか取得しない。故に、下り帯域の節約と記憶部50の容量節約とが可能になる。
(第六実施例)
図17〜図19に示す第六実施例では、第一実施例と同様に、ストリートビュー用途及び歩行者認識用途がデータサンプルの用途として設定されている。加えて第六実施例の移動端末100は、他の車両Baにて検出されたイベントに関する情報を取得し、取得した情報とデータ価値補正マップを組み合わせることで、個々のデータサンプルの優先度を決定する。尚、第六実施例では、他の車両Baとの区別のために、車両Acを「自車両Ac」と記載する。また、車両Acに搭載された移動端末を「自端末100」と記載し、他の車両Baに搭載された移動端末を「他端末T」と記載する。
他端末Tは、自端末100と同様に、歩行者検知等のイベントの発生情報を、他の車両Baに搭載された前方カメラ等の自律センサの検出情報に基づいて取得する。他端末Tは、取得した発生情報を、イベントの発生場所及び発生時刻を示す位置情報及び時刻情報等と共にサーバ10(図1参照)へ向けて転送する。
図1及び図17に示す自端末100は、通信部30及び通信制御部21によるサーバ10との通信により、他端末Tにて取得されたイベントの発生情報を取得可能である。以上により、データ取得部22は、自端末100の取得した歩行者検知の発生情報(以下、「自端末情報」)と共に、他端末Tにて取得された歩行者検知の発生情報(以下、「他端末情報」)を共に取得できる。
優先度設定部25は、自端末情報と他端末情報とを用いてデータサンプルの価値指標を補正する。優先度設定部25は、自端末情報と他端末情報とを比較し、自端末情報と他端末情報との間に生じているイベントの検知結果の差異を抽出する。優先度設定部25は、特定のイベントについて、検知結果に差異がある場合に、差異がない場合よりも、当該イベントに関連したデータサンプルの価値指標を高く定義する。
ここで「差異がある」とは、例えば自端末と他端末双方のカメラの視野内に同時に入る領域において、いずれか一方の端末でのみ物標が検出されている場合である。又は、それぞれの端末で同時刻に検出された物標の推定位置が測位誤差以上異なる、或いは物標数や種類が異なる等、両端末の検出結果が共に真である場合にはあり得ないと判定される状態のことである。
以上のような「差異がある」場合のデータサンプルの価値を高く定義する理由は、サーバへのアップロードにより人の目や高性能サーバによる検出失敗の判定、警報の通知に利用可能であることによる。また別の理由としては、機械学習による検出性能の改善などへの寄与の差異がない場合に比べ高いと期待されること等が挙げられる。
具体的に、優先度設定部25は、第二実施例にて説明の価値補正マップ(以下、「第一補正マップ」 図4参照)に加えて、図18に示す自端末情報と他端末情報との比較に基づく価値補正マップ(以下、「第二補正マップ」)を価値指標の定義に用いる。優先度設定部25は、所定値αを示す歩行者認識用途のデータ価値マップに、第一補正マップ及び第二補正マップを共に乗算することにより、歩行者認識用途でのデータサンプルの価値指標を導出する。
第二補正マップでは、第一補正マップと同様に、歩行者に最も接近した最接近点からの距離と価値指標の価値維持率とが対応付けられている。第二補正マップには、自端末100と他端末Tとが同一の物標を検出できているときの価値維持率を規定した相関線δと、同一の物標が検出できていないときの価値維持率を規定した相関線εとが設定されている。相関線δに基づく価値維持率は、「1」前後の値となる。相関線εに基づく価値維持率は、最接近点では「2」を示し、最接近点から遠ざかるに従って漸減し、最接近点から一定以上の距離で「0」となる。以上の第二補正マップの適用により、他端末Tと自端末100のイベント検出結果の差異が、各データサンプルの価値指標を変化させるパラメータに含まれる。
図19には、移動経路TP(図17参照)に沿って移動した自端末100にて定義されるデータサンプルの価値指標の推移が示されている。図17及び図19に示す特定の地点Pにて、他の車両Baが歩行者を検出していたとする。自車両Acでも他の車両Baと同一の歩行者を検出できていた場合、歩行者認識用途での価値指標の推移(実線Vi22)は、第二実施例(図5 実線Vi2参照)と概ね同一となる。
一方、自車両Acにて他の車両Baと同一の歩行者を検出できていない場合、歩行者認識用途での価値指標は、歩行者の検出された地点Pにて、同一の歩行者を検出できていた場合と比較し、二倍程度の値に設定される(実線Vi6)。この場合、優先度設定部25
(図1参照)は、同一の歩行者を検出できていない場合の価値指標と、ストリートビュー用途での価値指標(実線Vi1)との総和(破線TV6)に基づき、個々のデータサンプルの優先度を定義する。
ここまで説明した第六実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏する。加えて第六実施例では、他端末Tで取得された他端末情報を取得可能であり、他端末情報の影響によるデータサンプルの価値の変化が補正される。以上により、イベント検出の齟齬が生じた場合に価値が変動する用途の価値指標であっても、優先度設定部25は、データサンプルの価値指標を正しく定義できる。
(第七実施例)
図20〜図27に示す第七実施例では、移動端末100は、通信資源に関する通信資源マップを保持している。移動端末100では、通信資源マップを利用することにより、通信資源の状況に応じたデータサンプルの転送スケジュールが生成される。通信資源マップでは、データサンプルの転送に用いる通信資源に関する情報と、移動端末100の状態を示す状態情報(例えば位置情報)とが対応付けられている。
優先度設定部25(図1参照)は、転送対象とされたデータサンプルの転送に用いる通信資源を、通信資源マップに基づいて選択可能である。加えて優先度設定部25は、データサンプルの転送に利用可能な通信資源について、データ量(例えばビット)あたりの価値指標と、データ量あたりの通信資源の利用コストとを比較する。そして優先度設定部25は、データ量あたりの価値指標と利用コストとの差又は比が閾値以上となるデータサンプルを、通信資源を用いて転送する転送対象として選択する。
通信部30(図1参照)は、例えばLong Term Evolution(LTE)セルラシステムの回線を利用した無線通信(以下、単に「LTE」と記載)と、WiFi(登録商標)規格での無線通信(以下、単に「WiFi」と記載)が可能である。移動端末100の記憶部50(図1参照)には、これら通信資源毎に生成された複数の通信資源マップが格納されている。通信資源に関する情報には、当該通信資源の利用可否を示す情報、当該通信資源の使用可能容量に関する情報、当該資源利用時の通信帯域を示す情報、当該資源利用時の通信遅延を示す情報、当該資源利用時の通信損失を示す情報等が含まれる。また特に、LTEについての通信資源に関する情報には、特定基地局を利用中の端末数を示す情報が含まれる。
図20に示す通信資源マップでは、データサンプルの転送に使用可能なLTEの帯域の広さを示す情報が、移動端末100の位置情報に対応付けられている。LTEの通信資源マップでは、格子状に規定された矩形状の領域毎に、使用可能な帯域の広さが規定されている。通信資源マップを可視化した場合、各領域のドットの濃淡は、帯域の広さを示している。ドットの濃い領域ほど、LTEの帯域は広く確保されている。尚、各領域のドット濃淡は、上述した他の通信資源に関する情報、例えば遅延の長さ及び損失の生じ易さ等を示していてもよい。
図21に示す通信資源マップは、データサンプルの転送に使用可能なWiFiの帯域の広さ及び圏内及び圏外を示す情報が、移動端末100の位置情報に対応付けられている。WiFiの通信資源マップは、WiFiによって通信可能な圏内を単に示す情報であってもよい。
加えて、通信資源に関する情報には、当該通信資源の利用コストに関する情報が含まる。利用コストに関する情報には、通信資源の提供者との契約情報、及び資源利用効率を示す情報等が含まれる。利用コストに関する情報は、例えば利用コストマップとして提供される。一例として、図20及び図21に示す移動経路TPに沿って移動端末100が移動したとき、各通信資源の帯域及びビットあたりのコストは、通信資源マップ及び利用コストマップに基づき、図22に示すように推移する。
LTEのビットあたりの通信コスト(破線)は、契約情報に基づいて抽出された転送単価に準じており、一例として移動端末100の位置に係らず一定となっている。一方で、WiFiのビットあたりの通信コスト(実線)は、WiFiの時間あたり維持コストが一定と仮定すると、時間あたり転送量が大きい広帯域ほど低く算定される。
以上の通信資源マップ及び利用コストマップを用いて生成される複数の転送スケジュールの詳細を、図1を参照しつつ以下説明する。移動端末100は、移動経路TP上を移動しており、将来的に通過する予定の地点Rにて、定点監視の要求を取得する。移動端末100は、ユーザの生体センサ情報、車速等の車両制御情報、及び前面画像を、データサンプルとして取得している。各データサンプルの価値は、図23に示すように、各データサンプルを取得した各取得地SPa〜SPbから離れるに従って漸減する。図23では、生体センサ情報の価値Va、車両制御情報の価値Vb、及び定点監視映像である前面画像の価値Vc、の各推移が示されている。尚、以下の説明では、各データサンプルのデータ量は、同一として説明する。
<転送スケジュール1>
図24に示す転送スケジュール1では、LTEの回線を利用して、生体信号(図24 領域a参照)及び車両制御情報(図24 領域b参照)の各データサンプルを転送する。一方で、定点監視映像としての前面画像(図24 領域c参照)のデータサンプルは、WiFiによって転送される。転送スケジュール1では、現時点において価値の高いデータサンプルから順に転送する。具体的には、生体センサ情報及び車両制御情報のうちで、生体信号情報が先に転送対象とされる。
優先度設定部25は、通信資源マップに基づいて平均転送帯域を推定し、各データサンプルの転送に必要とされる転送所要時間を算出する。優先度設定部25は、転送終了時における各データサンプルの価値と、通信資源の利用コストとを比較することにより、各データサンプルを転送するか否かを判断できる。
以上の比較処理によれば、生体センサ情報の転送終了時の価値は、LTEの利用コストよりも高く推定される。同様に、前面画像の転送終了時の価値は、WiFiの利用コストよりも高く推定される。故に、生体センサ情報及び前面画像の各データサンプルは、サーバ10へ向けて転送される。一方、車両制御情報の転送終了時の価値は、LTEの利用コストよりも低く推定される。故に、優先度設定部25は、マイナスの収益となる車両制御情報の転送を中止することができる。
<転送スケジュール2>
図25に示す転送スケジュール2では、転送スケジュール1と同様に、生体信号(図25 領域a参照)及び車両制御情報(図25 領域b参照)の各データサンプルがLTEの回線を利用して転送される。そして、前面画像(図25 領域c参照)のデータサンプルは、WiFiによって転送される。転送スケジュール2では、車両制御情報が生体センサ信号よりも先に転送される。生体センサ情報は、車両制御情報よりも、価値が失われ難い。優先度設定部25は、現時点では現時点で価値の低いデータサンプルを先に転送することにより、総転送価値を高めている。
<転送スケジュール3>
図26に示す転送スケジュール3では、将来利用可能になる通信資源と発生するデータ価値を考慮し、送信可能なデータサンプルの転送を待機する。具体的に、サンプル価値の低下が顕著な車両制御情報(図26 領域b参照)は、LTEによって早急に送信される。一方で、サンプル価値が低下し難い生体センサ情報は、WiFiの利用が可能になるまで転送されない。生体センサ情報(図26 領域a参照)は、サンプル価値の高い前面画像(図26 領域c参照)が転送された後で、WiFiによって転送される。以上により、データ転送に必要な通信資源の利用コストを最低に抑えることが可能となる。
<転送スケジュール4>
図27に示す転送スケジュール4では、転送スケジュール3と同様に、WiFiの利用が可能になるまで、送信可能なデータサンプルの転送を待機する。その結果、各データサンプルの転送順序は、転送スケジュール3(図26参照)と同一となる。一方で、転送スケジュール4では、データサンプルの価値が最大となるように、生体センサ情報(図27 領域a参照)及び前面画像(図27 領域c参照)の各データサンプルは、LTE及びWiFの両方の通信資源を利用して転送される。仮に、各通信資源に均等に通信負荷が分散されたと仮定すると、転送に要する通信コストは、LTEとWiFiとの平均となる。
ここまで説明した第七実施例では、各転送スケジュール1〜4にて示すように、各通信資源の現状及び状況予測に応じて、転送するデータサンプルの層別が可能である。加えて第七実施例では、データサンプルを転送する優先度に、通信資源の原価率又は契約内容といった通信資源の利用コストと、データサンプルの価値の双方とが共に反映される。故に、確実に有益とみなされるデータサンプルのみを転送対象に選択することが可能となる。以上により、移動端末100は、転送によって一定以上の収益を発生させるデータサンプルのみを選別し転送できる。
加えて第七実施例では、転送対象として選択したデータサンプルの組み合わせに対し、転送完了時の価値指標の総和と利用コストの差(又は比)が最大となるよう、利用する通信資源と転送順序が決定あれる。以上により、転送により発生する収益を目的関数として、収益を最大にする最適化が可能となる。
また第七実施例では、移動端末100の移動計画から将来時刻における位置が推定され得る。そして、予測される移動経路TP上の各地点にて利用可能な各通信資源の利用コストと、各地点へ到達するまでに新たに取得するデータサンプルの価値等とを総合的に考慮して、転送スケジュールが策定され得る。以上の処理によれば、転送により発生する収益をいっそう高めることが可能となる。
ここで、第七実施例では、転送するデータサンプルを選択するための閾値は、転送によって利益が生じるように、常に正の値に設定されていた。しかし、例えば、機械学習に用いるデータ等については、収集時における高精度な価値の見積もりが難しい。そのため、収集後の価値変動により高価値となるデータを収集し損ねるリスクを下げるために、転送対象とするデータサンプルを選択する閾値は、ゼロ又は負の値に設定されてもよい。こうした設定によれば、データ量あたりの価値指標が利用コストを下回るようなデータサンプル、換言すれば、一定以下の損失であるデータサンプルが、収集可能となる。
(第八実施例)
第八実施例の利用属性情報では、「用途」以外の属性種別とその値とが定義されている。具体的に、第八実施例の利用属性情報には、属性種別として、「ユーザ識別情報」が設定されている。詳細な利用属性情報は、{(ユーザ識別情報=ユーザ1),(用途=ストリートビュー):属性A}と、{(ユーザ識別情報=ユーザ2),(用途=ストリートビュー):属性B}となる。
ここで、データサンプルである前面画像の利用用途が同一であっても、データが不足しているのか十分であるのかに応じて、ユーザ(業者)にとってのデータサンプルの価値は増減する。図28に示すように、属性Aに対応する価値指標の推移(実線Vp1)と、属性Bに対応する価値指標の推移(実線Vp2)とが異なってくる。各価値指標は、ユーザ毎に規定された各データ価値マップに基づき算出される。
データサンプルの優先度は、属性Aに対応する価値指標と、属性Bに対応する価値指標との総和(破線TV8)に基づいて設定される。その結果、地点A〜Eにて取得されたデータサンプルの優先度は、D>A>E>C>Bの順で高くなる。以上により、通信可能な状態にて、データサンプルは、D,A,E,C,Bの順でサーバ10に転送される。また、通信圏外にて記憶部の記憶容量が不足した場合には、B,C,E,A,Dの順で、データサンプルは廃棄される。
ここまで説明した第八実施例でも、第一実施例と同様の効果を奏する。加えて第八実施例では、同じ用途であっても、ユーザ毎に異なる価値分布が適用可能である。その結果、データサンプルの利用が想定可能な全てのユーザに関する価値の総和に基づき、優先度の決定が可能となる。
(第九実施例)
第九実施例の利用属性情報には、属性種別として、「ユーザ数」が設定されている。詳細な利用属性情報は、{(用途=ストリートビュー),(ユーザ数=2):属性C}と、{(用途=SLAM),(ユーザ数=1):属性D}となる。この場合、同じ利用属性(用途)で利用するユーザ数を反映した価値指標として、1ユーザ分の価値指標を、ユーザ数に応じて補正した実効価値指標が算出される。
図29に示すように、優先度設定部25(図1参照)は、属性Cに対応する価値指標として、データ価値マップに基づき算出される1ユーザ分の価値指標(実線Vp1)にユーザ数を乗算し、実効価値指標(実線Vdp1)を算出する。第九実施例においては、1ユーザ分の価値指標を二倍した値が、実効価値指標となる。
データサンプルの優先度は、ユーザ数を反映した属性Cに対応する実効価値指標と、1ユーザ分の属性Dに対応する価値指標(実線Vp3)との総和(破線TV9)に基づいて設定される。その結果、地点A〜Eにて取得されたデータサンプルの優先度は、A>E>B>C>Dの順で高くなる。以上により、通信可能な状態にて、データサンプルは、A,E,B,C,Dの順でサーバ10(図1参照)に転送される。また、通信圏外にて記憶部の記憶容量が不足した場合には、D,C,B,E,Aの順で、データサンプルは廃棄される。
ここまで説明した第九実施例でも、第八実施例と同様の効果を奏する。加えて第九実施例では、同じ利用形態でデータサンプルを利用するユーザ数が価値指標に反映される。こうした手法によれば、移動端末100は、ユーザ数に応じて増減するデータサンプルの価値指標を適正に評価可能となる。
尚、ユーザ数に基づいて実効価値指標を求める算出手法は、1ユーザ分の価値指標をユーザ数で乗算する手法に限定されない。例えば1ユーザ分の価値指標にユーザ数の平方根の値が乗算されてもよい。或いは、ユーザ数と当該ユーザ数に応じて段階的に増加する定数とを関連付けたテーブルを定義し、1ユーザ分の価値指標にテーブルに基づく定数を乗算する処理により、実効価値指標が算出されてもよい。
(他の実施例)
以上、複数の実施例について説明したが、本開示は、上記実施例に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施例及び組み合わせに適用することができる。
上記実施例において、データサンプルの転送及び保全の優先度は、用途等の利用属性情報毎に定義された価値指標の総和に基づいて設定されていたが、利用属性情報毎の各価値指標を入力値とした関数によって定義されてもよい。また、車両にてイベントの発生を検知する「イベント検知部」は、前方カメラに限定されず、車両に搭載された種々の自律センサ等であってもよい。
上記実施例の変形例1では、移動端末の状態情報に無線通信の状態情報が含まれる。無線通信の状態情報に基づき、基地局との通信状態が悪化するに従い、データサンプルとしての前面画像の価値指標が高く算定される。前面画像は、通信状態を悪くしているビル等の遮蔽物の分析に用いられる。以上のように、優先度設定部は、無線通信の状態情報を用いることで、無線通信の状態で価値変化する用途等の利用属性情報に対しても、正当な価値評価を行い得る。
上記実施例の変形例2では、移動端末の状態情報に車両行動の異常度に関する情報が含まれる。具体的には、車速情報及び前後左右の加速度情報、或いはステアリング及びブレーキペダルの各操作情報に基づき、異常行動としての急ハンドル及び急制動が実施された場合に、データサンプルとしての前面画像の価値指標が高く算定される。前面画像は、ヒヤリハットポイントの分析に用いられる。以上のように、優先度設定部は、異常度に関する情報を用いることで、行動の異常度によって価値変化する用途等の利用属性情報に対しても、正当な価値評価を行い得る。
上記実施例の変形例3では、変形例2と同様に、急ハンドル及び急制動等の特定行動がイベントの発生情報として移動端末に取得される。以上のように、異常度に関連する情報は、イベントの発生情報として取得されても、当該イベント発生前後のデータサンプルの価値指標を高め得る。
上記実施例の変形例4では、イベントの発生情報には、特定のレファレンスデータへの類似度が一定以上のデータの検出が含まれる。具体的には、位置指紋による特定点通過の検出や特定人物の検出等により、局所的に価値指標が高く補正される基準点が設定される。以上によれば、特定データの類似データの検出に価値が影響される用途等の利用属性情報に対応して、データサンプルに正当な価値を与えることが可能となる。
上記第七実施例の変形例5では、通信資源に関する情報として、通信事業者との契約情報を参照する。その結果、例えば従量契約では高価値データのみ、上限付定額契約では転送量を上限に近づける等、データサンプルの転送スケジュールは、契約の内容に好適な態様へ変更され得る。
また、上記第七実施例の別の変形例6では、通信資源に関する情報に、当該通信資源の使用可能容量に関する情報と、当該通信資源の利用時における通信遅延に関する情報とが含まれる。以上により、通信資源における輻輳の影響と、低通信負荷での遅延の影響とを考慮した転送完了時刻が予測される。その結果、価値の遅延依存性を考慮した転送完了時の価値が推定可能となる。
さらに、通信資源に関する情報に、当該資源利用時の通信損失に関する情報が含まれていれば、再送による遅延及びコスト増の確率分布の考慮が可能になる。また、通信資源に関する情報に、LTEの特定基地局を利用中の端末数を含むことで、使用可能容量の資源マップ外の要因での変動確率の考慮が可能になる。
以上のように、変形例6では、転送対象に選択したデータサンプルの組み合わせに対し、通信容量、通信遅延、通信損失、並びに遅延依存性から計算した転送価値及び資源利用コスト及びそれらの確率分布を鑑みて、通信資源の利用態様が決定される。
上記実施例では、車両に搭載された移動端末がデータ処理装置として機能していた。しかし、本開示によるデータ処理方法は、上記とは異なるソフトウェア及びハードウェア、或いはこれらの組み合わせによって実現されてよい。例えば、データサンプルの転送又は保全を行うデータ処理プログラムは、車載された移動端末以外の処理部、例えばネットワーク上に設けられたサーバの処理部によって実行されてもよい。サーバは、車両から取得した情報に基づき、データサンプルの用途等の利用属性情報毎の価値指標及び優先度を演算可能である。また、移動端末の記憶部及びサーバの記憶装置としては、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクドライブ等の非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。
10b 管理サーバ(サーバ)、20 制御回路(処理部)、22 データ取得部(イベント情報取得部)、23 テーブル管理部、24 マップ更新部、25 優先度設定部、30 通信部(送信部)、40 前方カメラ(イベント検知部)、100 移動端末,自端末(データ処理装置)、T 他端末(他の移動端末)

Claims (21)

  1. データサンプルを転送又は保全するデータ処理装置であって、
    前記データサンプルのデータ種別、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対で定義された利用属性情報、及び価値指標を定義可能な情報、が関連付けられたデータ価値テーブルを管理するテーブル管理部(23)と、
    特定のデータ種別に属し前記利用属性情報が紐付けられた前記データサンプルの前記価値指標を前記データ価値テーブルに基づき定義し、前記価値指標を用いて前記データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する優先度設定部(25)と、
    を備えるデータ処理装置。
  2. 前記属性種別には、前記データサンプルの用途が含まれる請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記属性種別には、前記データサンプルを利用するユーザの識別情報、又はユーザの区分が含まれる請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
  4. 前記優先度設定部は、個々の前記利用属性情報に合致するユーザの数に応じて、前記利用属性情報毎に定義する前記価値指標を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  5. 前記優先度設定部は、前記利用属性情報毎に定義した複数の前記価値指標の総和に基づき、前記データサンプルの優先度を決定する請求項1〜4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  6. データサンプルを転送又は保全するデータ処理装置であって、
    前記データサンプルのデータ種別毎の価値指標を、データ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けて定義可能なデータ価値マップ、を含むデータ価値テーブルを管理するテーブル管理部(23)と、
    特定のデータ種別に属する前記データサンプルについて、このデータサンプルを取得したときの前記状態情報を前記データ価値マップに適用することにより導出した前記価値指標を用いて、前記データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する優先度設定部(25)と、
    を備えるデータ処理装置。
  7. 前記データ価値テーブルは、一つの前記利用属性情報における前記価値指標を、データ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けて定義可能なデータ価値マップを含み、
    前記優先度設定部は、前記データサンプルを取得したときの前記状態情報を前記データ価値マップに適用することにより、前記データサンプルの前記価値指標を導出する請求項1〜5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  8. 前記データ価値マップを更新するマップ更新部(24)、をさらに備え、
    前記優先度設定部は、前記マップ更新部により更新された最新の前記データ価値マップに基づいて、前記データサンプルの前記価値指標を導出する請求項7に記載のデータ処理装置。
  9. 前記データ価値マップは、特定の状態に対応する前記データサンプルの収集量が少ない領域の情報ほど、高い前記価値指標を導出するよう設定されている請求項8に記載のデータ処理装置。
  10. 前記データ価値マップは、特定の状態に対応した前記データサンプルの内容の分散が大きい領域の情報ほど、高い前記価値指標を導出するよう設定されている請求項8又は9に記載のデータ処理装置。
  11. 前記優先度設定部にて定義される前記価値指標は、前記データサンプルの価値を貨幣価値に換算可能なスカラー量である請求項1〜10のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  12. 前記価値指標に影響するイベントの発生情報を取得するイベント情報取得部(22)、をさらに備える請求項1〜11のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  13. 前記データ価値テーブルは、前記イベントに前記価値指標が影響される特定の場合について、前記イベントの発生時及び前記発生情報の取得時の状態の差と、前記価値指標の増減率とを対応付けた価値補正マップをさらに含み、
    前記優先度設定部は、前記価値補正マップに基づく増減率の乗算により、前記データサンプルの前記価値指標を定義する請求項12に記載のデータ処理装置。
  14. 前記発生情報を検知するイベント検知部(40)と共に移動可能な移動端末(100)であるデータ処理装置であって、
    前記イベント情報取得部は、前記イベント検知部にて検知された前記発生情報である自端末情報と共に、他の移動端末(T)にて取得された前記発生情報である他端末情報をさらに取得し、
    前記優先度設定部は、前記価値補正マップと共に前記他端末情報を用いて前記価値指標を定義する請求項13に記載のデータ処理装置。
  15. 前記優先度設定部は、前記自端末情報と前記他端末情報の少なくともいずれかに含まれる前記イベントに関し、前記自端末情報と前記他端末情報との間に差異がある場合に、差異がない場合よりも前記イベントに関連した前記データサンプルの前記価値指標を高く定義する請求項14に記載のデータ処理装置。
  16. 多数の前記データ価値テーブルを配信可能に記憶したサーバ(10b)と通信可能な移動端末(100)であるデータ処理装置であって、
    前記移動端末の移動履歴及び前記移動端末の予測移動経路の少なくとも一方を前記サーバに送信する送信部(30)、をさらに備え、
    前記テーブル管理部は、前記送信部から送信される前記移動履歴又は前記予測移動経路で取得される前記データサンプルの前記価値指標を定義可能な前記データ価値テーブルを、前記サーバから取得する請求項1〜15のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  17. 多数の前記データ価値テーブルを配信可能に記憶したサーバ(10b)と通信可能な移動端末(100)であるデータ処理装置であって、
    前記移動端末の現在位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信部(30)、をさらに備え、
    前記テーブル管理部は、前記現在位置を基準とした特定範囲にて取得される前記データサンプルの前記価値指標を定義可能な前記データ価値テーブルを、前記サーバから取得する請求項1〜16のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  18. 前記テーブル管理部は、前記データサンプルの転送に用いる通信資源に関する情報とデータ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けた通信資源マップを保持し、
    前記優先度設定部は、転送対象とされた前記データサンプルの転送に用いる通信資源を前記通信資源マップに基づいて選択する請求項1〜17のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  19. 前記優先度設定部は、
    前記データサンプルの転送に利用可能な通信資源について、データ量あたりの前記価値指標とデータ量あたりの前記通信資源の利用コストとを比較し、
    データ量あたりの前記価値指標と前記利用コストとの差又は比が閾値以上となる前記データサンプルを、前記通信資源を用いて転送する転送対象として選択する請求項1〜18のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  20. データサンプルを転送又は保全するデータ処理方法であって、
    少なくとも一つの処理部(20)の処理により、
    前記データサンプルのデータ種別、利用形態に係る一つ以上の属性種別と値との対で定義された利用属性情報、及び価値指標を定義可能な情報、が関連付けられたデータ価値テーブルを参照し(S103)、
    特定のデータ種別に属し前記利用属性情報が紐付けられた前記データサンプルの前記価値指標を前記データ価値テーブルに基づいて定義し(S104)、
    定義した前記価値指標を用いて、前記データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する(S105)、データ処理方法。
  21. データ処理装置(100)にてデータサンプルを転送又は保全するデータ処理方法であって、
    少なくとも一つの処理部(20)の処理により、
    前記データサンプルのデータ種別毎の価値指標を、前記データ処理装置の状態を示す状態情報と対応付けて定義可能なデータ価値マップを参照し(S103)、
    特定のデータ種別に属する前記データサンプルについて、このデータサンプルを取得したときの前記状態情報を前記データ価値マップに適用することにより、前記価値指標を導出し(S104)、
    導出した前記価値指標を用いて、前記データサンプルの転送又は保全の優先度を設定する(S105)、データ処理方法。
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