JP2018066608A - 光計測システムおよび光計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な光学系であって、多数の微粒子の形状およびサイズを推定することを可能とする、光計測システムおよび光計測方法を提供する。
【解決手段】本発明の光計測システムは、レーザー光源102と、レーザー光源102を用いて微粒子Pに照射するレーザー光L1の集光スポットの形状を、線状となるように調整するレーザー光集光スポット形状調整手段103と、レーザー光L1の集光スポットを、微粒子Pの位置に合うように調整するレーザー光集光スポット位置調整手段104と、レーザー光L1の光軸と直交する軸を中心に、微粒子Pと集光スポットとを相対的に回転させて、微粒子Pに対するレーザー光L1の入射角度を調整するレーザー光入射角度調整手段105と、微粒子Pから散乱される散乱光を利用して、前記微粒子の投影像を表示する微粒子投影像表示手段106と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、散乱光を利用して多数の微粒子の情報を取得する、光計測システムおよび光計測方法に関する。
光学的に粒子の吸収スペクトルを得る従来の手法として、X線吸収分光法、紫外/可視分光法、赤外分光法等があり、特に、単独微粒子の吸収スペクトルを得る手法として、顕微赤外分光法がある。顕微赤外分光法は、赤外光と集光システムを用いて、散乱体の吸収スペクトルから光散乱体の消光係数(あるいは吸収係数)を読み取る手法である(非特許文献1)。一般に、この手法では、フィルム状の試料で得られるような定量的なスペクトルを、粒状の試料から得るのは難しいとされている(非特許文献2、3)。
赤外線吸収スペクトルは、官能基の同定や未知試料の同定に、産業界及び大学にて広く利用されている。赤外線吸収スペクトルは、核磁気共鳴スペクトルと異なり、溶媒に溶けないものでも簡便に計測でき、また、質量分析と比較して定量性があるという点で優れている。そのため、例えば、固体中における、部分的な反応の追跡に有効である。赤外線の計測用試料としては、一般に、KBrと一緒に乳鉢ですりつぶし、圧力をかけて錠剤としたものが用いられるが、粒子の状態で計測することは非常に難しい。その理由は、粒子の状態ではスペクトルに歪みが出ることや再現性が乏しいことにある。一方、粒径の影響なく解析ができるラマン散乱では、個別粒子スペクトル計測の装置が市販されていることから分かるように、粒子ごとに組成を計測することの重要性は高い。
赤外線吸収スペクトルに歪みが出る理由は、粒径が照射光の波長近傍の共鳴領域にある場合に、散乱パターンが、波長によって大きく変化することであるとして、説明することができる(非特許文献4、5)。粒径が波長の半分以下である場合には、透過光は散乱せず、直進する。一方、波長の20倍以上である場合には、空気との界面で屈折し、曲げられるという比較的単純な理論(幾何光学)で説明できる。中間の波長領域では、波長と粒径の関係によって、複雑に散乱する。通常の有機合成で作製される粉末のサイズは、μmオーダーであることが多く、赤外線の共鳴領域に当たっている。そのため、再現性の高いデータを得るために、粒径が波長の半分以下となるように試料を前処理して測定されることが多い。
赤外計測の場合、一つの試料作製にかかる時間は1時間弱であり、数百個あるいは数千個の試料を作製して、それらを全て計測するのは事実上不可能である。前処理が、粒子ごとに計測する際の障害となっている。粒子の前処理なしで、解析可能な吸収スペクトルを得るには、粒径・形状を正確に計測し、シミュレーションにより、計測結果を補正する必要がある。そのために、単一微粒子の粒径・形状を正確に計測することが求められる。
波長近傍のサイズにおいては、従来のレンズ結像を利用した計測では、単一微粒子の粒径・形状を正確に計測することは難しい。実験でレンズ倍率が高いと焦点合わせが難しいことがその理由として挙げられるが、得られた像の解析において、より本質的な問題がある。結像の輪郭を形状とした場合、光は粒子近傍を直進しているという仮定が入っているが、粒径が波長に近いと回折効果が顕著となるためその仮定が成り立たなくなる。このため、レンズを使わずに光散乱パターンの解析による微粒子の計測が検討されている。
粒子形状やサイズを光散乱で正確に計測するには、回折効果を正確に評価する必要があるが、波長の近傍の粒径では、特にこの評価が難しい。この波長近傍の光散乱から様々な形状を正確に求める計算手法が考案され(非特許文献6)、さらに、この振る舞いを詳細に検討することで、正確な計測を行う手法が考案されている(非特許文献7)。この手法を用いることで、粒径・形状を正確に計測し、シミュレーションにより、吸収スペクトルを補正することができる(非特許文献8、特許文献1)。
波長近傍の粒径(共鳴領域)において単独の微粒子の吸収スペクトルを歪みなく得るという試みは、これまでうまくいかなかった。そこには、二つの問題がある。一つは微粒子の形状・サイズを簡便かつ正確に計測する手法がなかったこと、もう一つは、不規則な形状の単独微粒子の吸収を正確に計測・解析する手法がなかったことである(非特許文献9)。
微粒子の散乱パターンの解析は、粒子形状が球形に近い場合を除いて、あまりうまくいっていない。その理由は、計算時間、プログラミング時間、精度を高い次元で両立させることができなかったことにある。例えば、discrete dipole approximationやT-matrixという計算手法が形状計測に利用されているが、計測可能なサイズに制約があり、実用レベルには至っていない(非特許文献10、11)。現在、実用レベルで利用されているのは、球体近似(Mie理論)または、微粒子の3次元的な取り扱いが難しいフラウンホーファー近似である(非特許文献12)。本発明者は、様々な形状について、簡便に精度良く計算する方法を考案し、この問題に対応している(非特許文献7)。
光の電場の計算に使用しているアルゴリズムとしては、厳密結合波解析という方法によるものがあり、1980年代にMoharamとGaylordによって開発され、今では市販のプログラムも販売されている。この方法の欠点は、周期的な構造にしか適用できないことである。これに対し、本発明者らは、孤立した形状に適用する方法を見出している(非特許文献13)。他の厳密な電場の計算手法と比較して、様々な形状・材質に容易に対応できることと、新たなプログラムの開発の必要がほぼないことで優れている。そのため、本発明者らが見出した方法は、未知の形状の微粒子の光散乱の計算に適している。
従来、微粒子の形状を得る方法としては、X線CTが用いられており、有機物に関しても、軟X線による計測が試みられている(非特許文献16、17)。これは、微粒子のサイズが波長の20倍以上であるときに有効な方法である。また、X線散乱だけを用いた未知形状の微粒子についても、2次元での解析が行われており(非特許文献18)、さらに、3次元についても研究が進められている(非特許文献19)。本発明者らは、非特許文献7において、シミュレーションに偏光を考慮する波動光学を用いた方法を開示している。この方法では、特に粒子サイズが波長の0.5〜10倍程度のときに、散乱パターンの高い計算精度を見込むことができる。未知形状の微粒子についても、非特許文献7の計算を繰り返し併用することで、原理的には、従来の方法より高精度に、形状・サイズを求められることが、2次元では示されている。しかし、同方法を用いて、未知形状の微粒子の3次元的な解析をどのように行えばよいか、そして、実験レベルで具体的に、どのような計測方法を用いればよいかは明らかにされていない。
例えば、以下の問題が存在する。
i)粒子を固定する支持体をどうするか。
ii)粒子を支持体とともに回転させたときに、どのようにして、集光点からずれないようにするか。
iii)粒子と支持体、さらにレンズを、一緒に光学的に解析するためにはどうするか。
iV)多数の粒子から一つの粒子を特定するにはどうすればよいか。
これらの問題の解決が難しい理由は、多数の粒子から一つの粒子を選択するには平行光でなく集光を用いなければいけない点(理由1)と、集光を含めた微粒子のシミュレーションが難しい点(理由2)にある。(理由1)は、集光してしまうと、特定粒子とまわりの粒子との位置関係を把握するのが難しくなることによる。(理由2)は、集光位置を正確に把握しないと、シミュレーションができないが、集光位置を直接、正確に計測するのは、計測時間・装置コスト・精度のいずれにも壁があることによる。
多数の粒子の吸収スペクトルを個々に解析する場合、多大な時間を要するため、この解析を人手で行うことは難しい。そこで、この解析を自動化する必要がある。赤外線吸収スペクトルを例にとると、粒子が一つの場合、この粒子の吸収スペクトルは、水酸基、カルボニル基、アミノ基等の官能基の種類によって、吸収のピーク位置が概ね特定される。吸収スペクトルのピークの波数が、ある範囲に入っていると考え、特定の範囲でのピークの有り無しを符号化したファイル(シグニチャファイル)を作成する(非特許文献20)。このファイルを既存のデータベースと照合することにより、成分の同定を行うことができる。一方、多数の粒子に対して、こうした方法をどのように適用すればよいかは、まだ知られていない。
多数成分の分類は、クラスタリングを用いれば、解析できることが知られている(非特許文献21)。クラスタリングとは、複数の標本の属性を、N次元座標で表し、標本間の座標の距離をもとに、いくつかの種類に分類する手法である。標本間の距離の取り方としては、ユークリッド距離を用いる方法が最も知られている。
特開2014−174274号公報
田隅三生編著:「赤外分光測定法−基礎と最新手法」、エス・ティ・ジャパン(2012) 服部 覚、"顕微赤外分光法の活用"東亞合成グループ研究年報48 TREND 第10号 48−50(2007) 宮下 喜好、 混合物系の ATR−IRスペクトルとスペクトル歪み緩和 第18回高分子分析討論会(2013) T. Hoshino, M. Itoh, T. Yatagai, "Antireflective grating in the resonance domain for displays", Applied Optics, Vol.46, pp. 648-656, 2007 T. Hoshino, S. Banerjee, M. Itoh, and T. Yatagai, "Diffraction pattern of triangular grating in the resonance domain", J. Opt. Soc. Am. A, Vol.26, No 3, pp.715-722, 2009 T. Hoshino, T. Yatagai, and M. Itoh, "Precise and rapid distance measurements by scatterometry", Opt. Express, Vol.20, pp.3954-3966, 2012 T. Hoshino and M. Itoh, "Cross-sectional shape evaluation of a particle by scatterometry", Optics Communications, Vol.359, No 15, 240-244, 2016 T. Hoshino, T. Yatagai, and M. Itoh, "Optical Memory Model of the Human Brain" Chapter 7. In: Spatial, Long-and Short-Term Memory: Functions,Differences and Effects of Injury. Nova Science Publishers, Inc. (2016) 松尾 保孝、「光散乱を利用した単一微粒子吸収分光法に関する研究」 博士論文、北海道大学,(2001) P.J.Flatau,B.Draine,Discrete-dipole approximation for scattering calculations, J. Opt.Soc.Am.A11(1994)1491-1499 A.Macke,M.I.Mishchenko,K.Muinonen,B.E.Carlson, Scattering of light by large nonspherical particles : ray-tracing approximation versus t-matrix method, Opt.Lett. 20 (1995) 1934-1936. G. Eshel,G.J.Levy,U.Mingelgrin,M.J.Singer,Critical evaluation of the use of laser diffraction for particle-size distribution analysis, SoilSci.S Soc.Am.J.68 (2004)736-743. Hoshino, Tetsuya, Toyohiko Yatagai, and Masahide Itoh. "Precise and rapid distance measurements by scatterometry." Optics Express 20.4 (2012): 3954 A. Braun, et al., Advantages of soft X-ray absorption over TEM-EELS for solid carbon studies-a comparative study on diesel soot with EELS and NEXAFS, Carbon, 43.1, (2005), pp. 117. 桜井健次編 "X 線反射率法入門" 講談社 (2009) Hoshino, Masato, and Sadao Aoki. "Laboratory-scale soft X-ray imaging microtomography using Wolter mirror optics." Applied physics express 1.6 (2008): 067005. Hoshino, Masato, and Sadao Aoki. "Laser plasma soft x-ray microscope with Wolter mirrors for observation of biological specimens in air." Japanese journal of applied physics 45.2R (2006): 989. Marchesini, Stefano, et al. "X-ray image reconstruction from a diffraction pattern alone." Physical Review B 68.14 (2003): 140101. Oroguchi, Tomotaka, and Masayoshi Nakasako. "Three-dimensional structure determination protocol for noncrystalline biomolecules using x-ray free-electron laser diffraction imaging." Physical Review E 87.2 (2013): 022712. 包赤軍、北川博之、鈴木功 全国大会講演論文集 51.4(1995)231−232 古賀 崇嗣、「L1空間に基づくクラスタリングアルゴリズム」 修士論文、筑波大学(2002) Andrews, David L. Structured light and its applications: An introduction to phase-structured beams and nanoscale optical forces. Academic Press, 2011. HUANG, FU MIN, et al. "Focusing of light by a nanohole array." Applied physics letters 90.9 (2007).
特定の微粒子のみにレーザー光を照射して形状を計測するためには、光が照射されている微粒子を同定する必要がある。もう一つの課題は、形状の計測である。従来、粒子形状を把握するためには、レンズによる結像が行われていたが、共鳴領域においては、回折効果が大きいため、結像による正確な形状計測が期待できない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、単純な光学系であって、多数の微粒子の形状およびサイズを推定することを可能とする、光計測システムおよび光計測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する上で、次の(1)〜(5)の問題が存在する。
(1)粒子と集光位置の関係把握:
光散乱のシミュレーションと実験を比較するには、粒子とレンズによる集光位置との関係を把握する必要がある。
(2)3次元形状の計測:
基板の上に乗った粒子の粒径が10波長より小さい場合、散乱パターンだけから、当該粒子の形状を計測することは難しい。
(3)特定の粒子の同定:
多数の粒子から特定の粒子を同定し、しかも、その粒子の形状と吸収スペクトルを計測する方法がない。
(4)形状計測と吸収スペクトルの光軸合わせ:
従来のように、形状計測を行ったのちに、吸収スペクトルを別の光軸で計測すると、光軸合わせに多大な時間を要する。
(5)多数粒子のスペクトルの解析・分類:
一つ一つ帰属と分類をしていては膨大な時間がかかる。自動化する方法がない。
本発明者は、鋭意検討を重ね、これらの問題について次のように対応すればよいことを明らかにした。
(1)粒子と集光位置の関係把握について:
粒子の形状にあまり関わりなく、集光位置が粒子の手前にあるか、中にあるか判断できることが、実験およびシミュレーションから分かった。散乱光角度分布のコントラストおよび散乱強度は、集光位置が、入射光側から見て粒子の少し手前にあるときに最大になる。この結果、集光点の位置の計測と、散乱光角度分布の計測とを、同じレンズ・試料位置でできることが分かった。集光位置を決定できれば、シミュレーションで散乱光角度分布を計算し、実験データと対応させることで、粒子形状の情報が得られる。粒子の散乱光角度分布を観測して、そのコントラストおよび散乱強度を解析しながら、集光位置を精密に制御できるシステムを構築すればよい。
(2)3次元形状の計測について:
スリットとアイリス絞り等を用いて集光スポットの形状を変えると同時に、粒子への入射角度を変えることで、様々な角度から見た微粒子の断面情報を得ることができる。そして、この情報を統合することにより、微粒子の形状およびサイズを計測できることが分かった。したがって、特定の粒子に対し、所定の集光形状で様々な角度から光が照射されるように、制御するシステムを構築すればよい。
(3)特定の粒子の同定について:
粒子への入射角度を45°変えると回転中心軸の精度が高くても、集光位置が10μm程度はずれてしまう。このはずれを補正するために、複数のマーカーを基準とすることで、集光位置を調整することができる。粒子への集光時に、マーカーを同時に観測できるように、一部の光を集光点から外せるシステムを構築すればよい。
より詳細には、次の通りである。
[1]支持台に載置された微粒子に光を照射して、前記微粒子に関する情報を取得する光計測システムであって、レーザー光源と、前記レーザー光源を用いて前記微粒子に照射するレーザー光の集光スポットの形状を、線状となるように調整するレーザー光集光スポット形状調整手段と、前記レーザー光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整するレーザー光集光スポット位置調整手段と、前記レーザー光の光軸と直交する軸を中心に、前記微粒子と前記集光スポットとを相対的に回転させて、前記微粒子に対する前記レーザー光の入射角度を調整するレーザー光入射角度調整手段と、前記微粒子から散乱される散乱光を利用して、前記微粒子の投影像を表示する微粒子投影像表示手段と、を備えていることを特徴とする光計測システム。
[2]さらに、前記レーザー光入射角度調整手段で調整された各入射角度で得られた前記微粒子の投影像の形状の情報を組み合わせて、前記微粒子の3次元形状を推定する微粒子形状推定手段を備えていることを特徴とする[1]に記載の光計測システム。
[3]さらに、白色光源と、前記白色光源を用いて微粒子に照射する白色光の集光スポットのサイズを、調整する白色光集光スポットサイズ調整手段と、前記白色光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整する白色光集光スポット位置調整手段と、
前記微粒子から散乱される散乱光の強度の波長分布から、前記微粒子の吸収スペクトルを計測する微粒子吸収スペクトル計測手段と、を備えていることを特徴とする[1]または[2]のいずれかに記載の光計測システム。
[4]支持台に載置された微粒子に光を照射して、前記微粒子に関する情報を取得する光計測方法であって、レーザー光源を用いて前記微粒子に照射するレーザー光の集光スポットの形状を、線状となるように調整するレーザー光集光スポット形状調整ステップと、前記レーザー光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整するレーザー光集光スポット位置調整ステップと、前記レーザー光の光軸と直交する軸を中心に前記微粒子と前記集光スポットとを相対的に回転させて、前記微粒子に対する前記レーザー光の入射角度を調整するレーザー光入射角度調整ステップと、前記微粒子から散乱される散乱光を利用して、前記微粒子の投影像を表示する微粒子投影像表示ステップと、を有していることを特徴とする光計測方法。
[5]前記レーザー光入射角度調整ステップで調整された各入射角度に対応して前記微粒子投影像表示ステップで表示される投影像の形状の情報を組み合わせて、前記微粒子の3次元形状・サイズを推定する微粒子形状・サイズ推定ステップを有することを特徴とする[4]に記載の光計測方法。
[6]前記微粒子の3次元形状・サイズを推定する前または推定した後に、白色光源を用いて前記微粒子に照射する白色光の集光スポットのサイズを、調整する白色光集光スポットサイズ調整ステップと、前記白色光の集光スポットが前記微粒子の位置に合うように調整する白色光集光スポット位置調整ステップと、前記微粒子から散乱される散乱光の強度の波長分布から、前記微粒子の吸収スペクトルを計測する微粒子吸収スペクトル計測ステップと、を有することを特徴とする[4]または[5]のいずれかに記載の光計測方法。
[7]前記集光素子と前記微粒子との距離、および、前記光軸と前記微粒子との距離を、レーザ光源の波長λに対して、0.0010λ以上100λ以下の範囲で調整することを特徴とする[4]〜[6]のいずれか一つに記載の光計測方法。
[8]前記微粒子の3次元形状・サイズと前記波長分布の情報から、前記波長分布の前記断面形状依存性を抽出し、前記波長分布に対して、前記3次元形状・サイズに依存しないものとなるように校正を行うことを特徴とする[6]または[7]のいずれかに記載の光計測方法。
[9]前記微粒子の吸収スペクトルを特定の波長範囲ごとに区切り、各波長範囲における前記吸収スペクトルのピークの有無を符号化したシグニチャファイルを作成し、既知の成分を有する微粒子の吸収スペクトルにおいて、得られているシグニチャファイルと照合することにより、前記微粒子の成分を同定することを特徴とする[6]〜[8]のいずれか一つに記載の光計測方法。
[10]前記微粒子の吸収スペクトルのピークの波長または波数を、前記シグニチャファイルと照合することにより、前記微粒子の成分を同定することを特徴とする[9]に記載の光計測方法。
本発明の光計測システムは、単純な光学系であるが、回折限界の制約がないため、従来より10倍以上の精度で、微粒子(光散乱体)の形状およびサイズを計測することができる。
本発明の一実施形態に係る光計測システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る光計測システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る光計測システムのスライドガラス上における粒子の位置を示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 本発明の実施例1に係る光計測システムのスライドガラス上における粒子の位置を示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(d)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(f)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(d)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(e)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 本発明の実施例1に係る光計測システムによる微粒子の散乱パターンについて、シミュレーションを行う際の概略構成図である。 本発明の実施例1に係る光計測システムによる微粒子の散乱パターンについて、シミュレーションを行う際の概略構成図である。 本発明の実施例1に係る光計測システムを用いて散乱させた、微粒子の散乱パターンについてのシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る光計測システムを用いて散乱させた、微粒子の散乱パターンについてのシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る光計測システムを用いて散乱させた、微粒子の散乱パターンについてのシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る光計測システムを用いて散乱させた、微粒子の散乱パターンについてのシミュレーション結果を示すグラフである。 (a)〜(d)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。(e)散乱パターンから推定される微粒子の概形図である。 (a)〜(d)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。 (a)〜(d)本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子の散乱パターンを示す図である。(e)散乱パターンから推定される微粒子の概形図である。 本発明の実施例1に係る光計測システムにおける微粒子について、光学顕微鏡で観察して得た概形図である。 本発明の実施例2に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例2に係る光計測システムによる微粒子の散乱パターンについて、シミュレーションを行う際の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例2に係る光計測システムにおける微粒子の消光係数の波長依存性を示すグラフである。 本発明の比較例1に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の比較例2に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の比較例3に係る光計測システムによる微粒子の散乱パターンについて、シミュレーションを行う際の概略構成図である。 本発明の比較例3に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例3に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルについて、自動分類する方法を説明する図である。 本発明の実施例3に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルについて、自動分類する方法を説明する図である。 本発明の実施例3に係る光計測システムにおける微粒子の吸収スペクトルについて、自動分類する方法を説明する図である。
以下、本発明を適用した実施形態である光計測システムおよび光計測方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[光計測システムの構成]
本発明の一実施形態に係る光計測システム100の構成について、図1を用いて説明する。光計測システム100は、支持台101に載置された微粒子P(以下、単に粒子と呼ぶ場合がある)に光を照射して、微粒子Pに関する情報を取得するものである。なお、支持台101に対して、光圧を用いて微粒子Pを固定してもよい(非特許文献22)。支持台がスライドガラスの場合は、微粒子の位置は支持台の表面であるが、光圧を用いる場合は、光圧を与えるレーザー(YAGレーザー等)の集光点に微粒子が位置する。光計測システム100は、微粒子Pの支持台101と、レーザー光源102と、レーザー光集光スポット形状調整手段103と、レーザー光集光スポット位置調整手段104と、レーザー光入射角度調整手段105と、微粒子投影像表示手段106と、を備えている。
レーザー光源102、レーザー光集光スポット形状調整手段103、レーザー光集光スポット位置調整手段104は、z軸に平行な一直線上に並ぶように配置されている。図1では、レーザー光源102側から、レーザー光集光スポット形状調整手段103として、アイリス絞り103a、スリット103bが、順に並んで配置されている。また、図1では、レーザー光源102側から、レーザー光集光スポット位置調整手段104として、偏光ビームスプリッタ―104a、対物レンズ104b、ピンホール104c、レンズ104d、レンズ104eが、順に並んで配置されている。アイリス絞り103a、スリット103bは、レンズ104dとレンズ104eとの間に配置されている。
支持台(スライドガラス)101は、波長オーダーの精度で制御可能なXYステージ107上に固定されている。支持台101は、微粒子の配置可能な形状であればよく、微粒子の存在形態によって好適な形状が異なる。固体の上で静止している粒子の場合は、計測波長に対して透明で平滑な板を用いることができる。この板の材料としては、X線ではSiN、紫外・可視では石英やサファイヤ、赤外線ではKBrやGe(ゲルマニウム)が好ましい。板の表面は、平坦度:3μm以下(25×25mm)、表面粗さ100Å(Rz)以下であることが好ましい。
支持台101の表面には、粒子の位置を特定できるマーカーがついていることが好ましい。マーカーは複数個所ついていることが好ましい。マーカーを目印とすることにより、支持台101の回転時にずれた集光位置を補正することができる。マーカーは、支持台101の表面に書かれた点や形成された傷等の光を遮ったり、散乱するものであれば何でもよい。
液中の粒子についての計測を行う場合には、液体に圧力をかける装置につながった細い流路が適している。例えば、フローサイトメトリーの流路である。気中に浮遊する粒子についての計測を行う場合には、計測対象とする粒子を導入するための排気設備につながった流路が適している。例えば、車の排気ガス用マフラー等が挙げられる。液中の粒子の支持台は細い流路を形成する管およぶ液体が、気中に浮遊する粒子の支持台はマフラーと内部の気体がこれに相当する。
レーザー光源102としては、放射光、X線自由電子レーザー、気体レーザー、固体レーザー等が挙げられる。波長はX線、紫外・可視、赤外線、テラヘルツ波等、幅広く用いることができる。
レーザー光集光スポット形状調整手段103は、レーザー光源102を用いて、微粒子Pに対して照射するレーザー光L1の集光スポットの形状・サイズを、線状でかつ特定の粒子にのみ集光するように調整する機能を有する。具体的には、スリット、瞳等が用いられる。スリットとしては、径のサイズ可変の瞳と集光素子の間に設置され、取り外し可能であり、設置時には、波長の200倍以下の精度で位置制御が可能なものであることが好ましい。スリットは、集光スポットを回転させるため、回転可能な構成を有している。瞳としては、アイリス絞りや、径の異なるピンホール等を用いることができるが、アイリス絞りは径が可変であり、差し替えの必要がないため好ましい。
瞳を用いる場合、次の3つの手順〔1〕〜〔3〕で、レーザー光L1の集光スポットの形状調整を行うことができる。
〔1〕瞳の径を大きくして最初の計測を行い、全体像を観察する。
〔2〕集光素子あるいは微粒子の配置可能な部品の位置を動かして、対象とする粒子に集光する。
〔3〕瞳を絞って、光が対象とする粒子だけに当たるようにする。
〔1〕から〔3〕までの手順を、対象とする粒子を変えた時、および、微粒子の配置可能な部品の向きを変えた時に、その都度行う。
レーザー光集光スポット位置調整手段104は、レーザー光L1の集光スポットを、微粒子Pの位置に合うように調整する機能を有する。具体的には、レンズ等の集光素子、すなわち、レンズ、ゾーンプレート、準結晶ホールアレイ(非特許文献23)、ウォルターミラー等が用いられる。
このうち、紫外線より長波長で汎用性の高いレンズが好ましく、色収差の小さい色消しレンズであればより好ましい。色収差が小さいことで、波長分布の計測にも好適である。また、レンズの材質としては、光吸収が少ないことから、可視光では石英が好ましい。一方、赤外線では、広い波長で透過率が高いことからゲルマニウムが好ましい。一方、紫外線より短い波長では、安価であることと集光効率が高いことからゾーンプレートが好ましい。
集光素子の単色収差については、手順〔3〕では小さい方がよいが、手順〔1〕では、ある程度大きい方が、観察が容易になる。必要に応じて、手順〔1〕では、レンズ70とレンズ50の間に拡散体などを挿入することにより、集光を意図的に妨げることができる。
光軸上において、レーザー光源102とレーザー光集光スポット形状調整手段103との間には、ピンホールと対物レンズからなるスペーシャルフィルターが置かれていることが好ましい。スペーシャルフィルターを経由させることにより、照射されるレーザー光L1から余分なモードを除くことができる。また、この目的のためピンホールのサイズは、波長の50倍以下であることが好ましい。
レーザー光源101とスペーシャルフィルターの間には、照射されたレーザー光をスペーシャルフィルターに導くために、ミラーが置かれていてもよい。さらに、ミラーとスペーシャルフィルターの間には、偏光ビームスプリッタ―が置かれていることが好ましい。ミラー、偏光ビームスプリッタ―が置かれていることによって、微粒子に集光する偏光を正確に規定することができ、散乱パターンの計算が容易になる。また、偏光子でなく、偏光ビームスプリッタ―を用いることで、粒子に集光する光の波面の歪みを小さくすることができる。また、偏光の向きを自由に変えるため、偏光ビームスプリッタ―は、光軸周りに回転できるものであることが好ましい。
また、可変スリット等のレーザー光集光スポット形状調整手段103、集光素子等のレーザー光集光スポット位置調整手段104、および支持台101の位置制御は、光軸に垂直な面内での、平行移動および回転によって行うことが好ましい。このために、XYステージや回転ステージ、ゴニオメータを用いることができる。XYステージ107や回転ステージ、ゴニオメータは、散乱パターンを解析し、位置をフィードバック制御できるように、計算機制御できることが好ましい。微粒子に照射する光の範囲を制御することで、散乱パターンの実験値と計算値の比較が容易になる。可変スリットの幅は、レーザーの波長の2000倍以下であることが好ましい。このスリット幅と瞳により、微粒子に当てる光の範囲が定まるとき、光散乱の実験値と計算値の比較が容易になる。可変スリットの設置位置は、瞳と集光素子間で自由に変えられることが好ましい。
可変スリットは前述の手順〔1〕〜〔3〕の後に、光軸上に設置し、平行移動や回転を行って、粒子の光散乱を計測する。また、可変スリットに合わせて前述の偏光ビームスプリッタ―の向きを変えるのが好ましい。偏光の向きと可変スリットの向きを合わせることで、散乱光角度分布の解析が容易になる。偏光ビームスプリッタ―と光源の間には、位相差板が挿入できるのが好ましい。特定の偏光で、偏光ビームスプリッタ―を抜ける光が弱くなるときに、それを防ぐことができる。可変スリットの最大回転角は90°以上が好ましく、より好ましくは135°以上である。
レーザー光入射角度調整手段105は、レーザー光L1の光軸(z軸)と直交する軸(x軸、y軸)を中心に、微粒子Pと集光スポットとを相対的に45°以上回転させて、微粒子Pに対するレーザー光L1の入射角度を調整する機能を有する。
図1では、レーザー光入射角度調整手段105がXYステージ107に接続され、xyステージ107とともに微粒子Pが載置された支持台101を回転させる構成となっているが、この構成は一例である。例えば、レーザー光入射角度調整手段105は、レーザー光集光スポット形状調整手段103に接続され、レーザー光集光スポット形状調整手段103を回転させる構成となっていてもよい。また、レーザー光入射角度調整手段105は、xyステージ107とレーザー光集光スポット形状調整手段103の両方に接続され、それぞれを回転させる構成となっていてもよい。
微粒子投影像表示手段106は、微粒子Pから散乱される散乱光を利用して、微粒子Pの投影像を表示する機能を有する。具体的には、散乱光を投影するスクリーンと投影像を撮影する装置(イメージセンサ)の組み合わせ、あるいは、スクリーンなしで直接の投影が可能なCCDイメージセンサ(CCD画像素子)等を用いることができる。CCDイメージセンサの方が、感度の高さとダイナミックレンジの広さの点で好ましい。感度のダイナミックレンジは3ケタ以上あることが好ましい。
[光計測方法]
光計測システム100を用いた光計測方法として、微粒子Pに関する情報を取得する方法について説明する。光計測方法は、主に、微粒子Pの形状・サイズを測定する次の第1〜第4ステップを有している。
(第1ステップ)
まず、第1ステップ(レーザー光集光スポット形状調整ステップ)として、微粒子Pに照射するレーザー光L1の集光スポットの形状を、レーザー光集光スポット形状調整手段103(スリット)を用いて、線状となるように調整する。集光スポットは、スリットの開口の長い辺に対して、集光効果が大きくなる。その結果、集光スポットは長い長方形となり、その長辺は、スリットの開口の長辺と垂直になる。
スリットの向きを変えることで、粒子に対して様々な角度で照射し、細長い長方形の集光スポットを形成することができる。集光スポットの長辺が粒子より大きいとき、その領域内での粒子の長い方の幅wが与える散乱パターンは、矩形開口の散乱パターンに類似すると考えられる(非特許文献3)。波長をλ、空気の屈折率をn、回折次数をm、回折次数mの散乱角度をθとするとき、wは次式(1)で与えられる。
w=mλ/{n・sin(θm)} (1)
粒子が載置された基板101を入射光に対して垂直にした状態で、スリットを回転させることで、粒子の輪郭を得ることができる。
第1ステップの前または後に、集光素子(レンズ等)と微粒子Pとの距離、および、光軸と微粒子Pとの距離を、レーザ光源102の波長λに対して、0.0010λ以上100λ以下の範囲で調整することが好ましい。また、その精度は波長オーダーであることが望ましい。レンズの集光点と微粒子の距離が、数波長異なるだけで、散乱パターンが変化する。散乱パターンから粒子の形状を算出するうえで、この距離が厳密に制御されていることが重要である。
集光素子から微粒子Pまでの距離は、集光素子を、ゴニオメータの上に載せ、位置を光軸方向に垂直な面内で動かすことで可変となる。ゴニオメータを動かす方法としては、手動式マイクロメータ、または、ピエゾアクチュエータが挙げられる。ピエゾアクチュエータは制御が高精度であるので、より好ましい。
(第2ステップ)
次に、第2ステップ(レーザー光集光スポット位置調整ステップ)として、レーザー光L1の集光スポットを、微粒子Pの位置に合うように調整する。
(第3ステップ)
次に、第3ステップ(レーザー光入射角度調整ステップ)として、レーザー光L1の光軸(z軸)と直交する軸(x軸、y軸)を中心に、XYステージ107により、支持台101または光軸を回転させて、微粒子Pに対するレーザー光L1の入射角度θiを調整する。
xyzの直交座標系において、光がz方向に進むとき、スリットの長辺をx軸方向に固定し、x軸上にある粒子を基板とともに、x軸まわり、y軸まわりに回転させる。このようにして、粒子の赤道帯に集光し、異なる入射角度での散乱光角度分布を得ることができる。入射角度の変化によるwの変化は粒子の断面の形状に依存する。基板上の粒子の散乱光角度分布をシミュレーションすることでこの依存性がわかる。これを利用して、断面形状を推定することができる。
(第4ステップ)
次に、第4ステップ(微粒子投影像表示ステップ)として、微粒子Pから散乱される散乱光を利用して、微粒子Pの投影像を表示する。投影像を取得する方法としては、スクリーンに投影してそれを撮影する方法と、スクリーンに投影せずに直接CCD画像素子に投影する方法等がある。
粒子をz軸方向から見た時の輪郭と、x軸周りの断面、y軸まわりの断面を組み合わせることで、粒子の大まかな3次元形状を得ることができる。
第1〜第4ステップを経ることにより、各方向から見た微粒子Pの形状、サイズの情報を取得することができる。さらに、第5ステップ(微粒子形状・サイズ推定ステップ)として、第3ステップで調整された各入射角度に対応して前記微粒子投影像表示ステップで表示される投影像の形状の情報を組み合わせれば、微粒子Pの3次元形状・サイズを推定することもできる。
粒子の形状・サイズを算出する方法として、入射角度を変えて、散乱強度の角度分布を計測して、ピーク同士の間隔から、サイズを求めるというものがある。ピーク同士の間隔が短いほど、入射光の方向から観察した幅が長くなる傾向にあるので、これを粒子の周囲から計測することで、形状が分かる(対称性の方法)。対称性の方法は、粒子の周囲から入射角度を変えつつ光を当てた時に、その散乱パターンが、粒子の対称性によって変化するため、形状がわかるというものである(非特許文献7)。粒子が液中あるいは気中で孤立しているときに有効である。
しかし、計測対象の粒子は必ずしも孤立していない。そこで、ピークの数あるいはピークの波長間隔の入射角度による変化を比較するという方法を新しく見出した。入射角度が0°から45°まで15°ずつ増えるときに、透過散乱光の角度分布のピークの数が増えるか減るかあるいはほぼ同じかで、円と三角と四角を見分けることができる。三角や四角など、形状が単純で、頂角の向きが異なるときに有効であることが多い。また、粒子が、板の上に固定され、周囲から光を当てるのが困難なときにも有効である。形状・サイズとピークの数は、光学シミュレーションで求めることでできる。光学シミュレーションの手法としては、RCWA(厳密結合波理論)、FDTD(有限差分時間領域法)、BEM(境界要素法)が挙げられる。
散乱光の波長分布を校正する方法として、吸光係数を変えて、実験で得られた形状・サイズに基づいて、光散乱強度の波長分布を計算する方法が挙げられる。各波長における、実験の吸収強度と、計算された吸収強度を比較することで、実験の吸収強度を補正することができる。
第1〜第4ステップにおいて、微粒子Pの形状(3次元形状)・サイズを推定する前または推定した後に、微粒子Pの吸収スペクトルを計測することもできる。この場合の光計測システム200の構成について、図2を用いて説明する。
光計測システム200は、支持台201に載置された微粒子Pに光を照射して、微粒子Pに関する情報を取得するものである。光計測システム200は、微粒子Pの支持台201と、白色光源202と、白色光集光スポットサイズ調整手段203と、白色光集光スポット位置調整手段204と、微粒子吸収スペクトル計測手段205と、を備えている。
白色光源202としては、計測する波長範囲に合わせて、放射光、ハロゲンランプ、キセノンランプ、赤外線ランプ等を用いることができる。
白色光集光スポットサイズ調整手段203は、白色光源202を用いて微粒子Pに照射する、白色光L2の集光スポットのサイズを調整する機能を有する。具体的には、レーザー光集光スポット形状調整手段103と同様のスリット、瞳等が用いられる。
白色光集光スポット位置調整手段204は、白色光L2の集光スポットを、微粒子Pの位置に合うように調整する機能を有する。具体的には、レーザー光集光スポット位置調整手段104と同様のレンズ等の集光素子、すなわち、レンズ、ゾーンプレート、準結晶ホールアレイ、ウォルターミラー等が用いられる。
微粒子吸収スペクトル計測手段205は、主に、光強度の波長分布を計測する光計測装置208と、計測されたデータを解析するコンピュータ209とで構成される。光計測装置208としては、計測する波長に合わせたスペクトラムアナライザー(分光器)等を用いることができる。
スペクトルアナライザー205と微粒子の支持台201の間には、集光素子を置いてもよい。また、スペクトルアナライザー205に集光素子で集光した光を導くために、光ファイバー210を用いてもよい。
白色光源と瞳の間の光軸上には、ピンホールと対物レンズからなるスペーシャルフィルターが置かれているほうが好ましい。白色光のコヒーレンスを高くすることができ、散乱光波長分布計算値との対応が容易になる。
本実施形態に係る光計測システム200を用いた微粒子Pの吸収スペクトルの計測は、主に次の第6〜第8ステップで行うことができる。
(第6ステップ)
まず、第6ステップ(白色光集光スポットサイズ調整ステップ)として、白色光源202から照射される白色光L2を、集光素子を経由させたのち、微粒子Pに集光する。具体的には、白色光L2を、ピンホールを通したのち、平行光として、アイリス絞り、スリット、レンズを通して、微粒子Pに集光する。ここで、白色光集光スポットサイズ調整手段203を用いて、微粒子Pに照射する白色光L2の集光スポットのサイズを、調整する。
(第7ステップ)
次に、第7ステップ(白色光集光スポット位置調整ステップ)として、白色光L2の集光スポットが微粒子Pの位置に合うように調整する。
(第8ステップ)
次に、第8ステップ(微粒子吸収スペクトル計測ステップ)として、スペクトルアナライザー(分光器)208を用いて、微粒子Pから散乱される散乱光の強度の波長分布から、微粒子Pの吸収スペクトルを計測する。
なお、計測された微粒子の吸収スペクトルは、粒子の形状・サイズによって変化する。ここでは、それを補正するためには、第1ステップ〜第4ステップで得られた形状・サイズの微粒子Pについて、波長によって光吸収がどのように変化するかを計算し、校正する。この計算を、3次元で行うと計算量が膨大になるため、微粒子Pの短径における断面形状についての2次元で計算を行ってもよい。
また、計測された光は、すべてが粒子に散乱された光ではなく、散乱されていない光と散乱された光の和になっている。この二つの光の光量比が適切に考慮されないと、光吸収がない波長においても、吸収があるかのように見える。光吸収がないと分かっている波長の光については、計測された光から除く必要がある。
さらに、第8ステップを経て得た微粒子Pの吸収スペクトルを、特定の波長範囲ごとに区切り、各波長範囲における当該吸収スペクトルのピークの有無を符号化したシグニチャファイルを作成し、既知の成分を有する微粒子Pの吸収スペクトルにおいて、得られているシグニチャファイルと照合することにより、微粒子Pの成分を同定することができる。
また、微粒子の吸収スペクトルのピークの波長または波数を、得られたシグニチャファイルと照合することによっても、微粒子Pの成分を同定することができる。
成分の同定を行った後に、類似成分ごとに分類する。この分類は、基準を設けて類似度を判定する。基準は、ピークの波長とピークの大小の差異である。ピークが複数ある場合には、その差異の合計で判別する。
微粒子Pが単一成分からなる場合には、微粒子Pの形状を計測して、スペクトルを補正するだけでよいが、複数成分が混じっている場合には、クラスタリングを用いて分類を行う。クラスタリングを行うには、標本を座標で表し、標本間の距離の基準を決める。この基準としては、ユークリッド距離やタイムワーピング距離を検討する。標本としては、スペクトルのピークの横軸である波長を基本として、その属性に、ピークの高さや幅が与えられる。
クラスタリングした結果、二つのグループに分けられる場合、同じグループ内でのピークの波長の変動や異なるグループ間での違いの大きさを考慮して判定する。粒子の形状やサイズによって、クラスタリングの基準が変わる可能性がある。ここでは、この基準を、シグニチャファイルを適用して分類された、同じ成分における微粒子間のピークの距離の最大値とする。ここでは、類似度の判定単位を10cm−1とする。吸収スペクトルのピークの波数による分類として、赤外線吸収スペクトルを例にとる。この吸収スペクトルは、官能基の水酸基、カルボニル基、アミノ基等について、特徴的な吸収のピークが存在する。そこで、これらのピークの波長範囲を設定して、ピークの有無と、ピークが存在する場合は、基準のピーク波長からのずれを算出する。
例えば、3つの波長範囲を選択した場合、ピークの有無で、2=8通りに大きく区分される。さらに、三つともピークが存在するものについては、3つの波長による3次元の表示が可能となる。この3次元の空間における距離を各粒子計算し、10cm−1より近いものを同じ区分の粒子と割り当てる。A、B、Cの三つの粒子があった時に、AとBの距離が10cm−1以下で、BとCの距離が10cm−1以下であれば、A、B、Cは同じ区分となる。なお、距離の算出方法や、同じ区分の距離の範囲については、上述の方法に限定しない。サイズ・形状、形態、成分のそれぞれの範疇で分類してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光計測システム100によれば、回折限界の制約がない方法のため、従来より10倍以上の精度で、微粒子P(光散乱体)の形状およびサイズを測定することができる。
また、本実施形態に係る光計測システム100によれば、屈折率の違いはわずかであっても、微粒子Pが光軸方向に長い形状であれば検出することができる。
また、本実施形態に係る光計測システム100によれば、微粒子Pの形状およびサイズの計測を、非破壊で高速かつ高精度で行うことができる。
また、本実施形態に係る光計測システム100によれば、レーザー光入射角度調整手段105で調整された各入射角度で、レーザー光L1を微粒子Pに照射することができる。これにより、複数の方向から見た微粒子Pの画像が得られ、各方向から見た微粒子Pの形状、サイズの情報を取得することができる。
光計測システム100は、さらに、レーザー光入射角度調整手段105で調整された各入射角度で得られた微粒子Pの投影像の形状の情報を組み合わせて、微粒子の3次元形状を推定する微粒子形状推定手段を備えていることが好ましい。これにより、多数の微粒子Pについて形状・サイズ等の情報を得たい場合であっても、対応可能となる。
また、本実施形態に係る光計測システム200によれば、微粒子Pから散乱される散乱光の強度の波長分布から、微粒子の吸収スペクトルを計測することができる。
また、本実施形態に係る光計測システム200によれば、非破壊・非接触の吸収スペクトルの計測において問題となっていた、吸収スペクトルの歪みを修正することができる。
また、レンズを用いずに散乱光を解析して画像を得る場合、一般には位相情報を用いた3次元画像の再構成が行われていたが、本実施形態に係る光計測システム200によれば、強度情報のみで3次元画像を再構成することができる。
また、レンズを用いた従来の計測方法では、微粒子の大きさの絶対値を得るために、スケールを入れていたが、本実施形態に係る光計測システム200によれば、スケールなしで微粒子の大きさを求めることができる。
また、レンズを用いた従来の3次元画像再構成では、光学的な輪郭から距離を算出するものであり、これは実際の物理的な輪郭とは必ずしも同じではなく補正が必要であった。ところが、本実施形態に係る光計測システム200によれば、3次元構造の断面について光散乱を厳密に計算することにより、正しい形状と大きさを得ることができる。
また、散乱光について、位相情報を用いた3次元画像再構成を行う場合、従来はフラウンホーファー近似に基づいて、フーリエ変換で計算していた。これに対し、本実施形態に係る光計測システム200では、フラウンホーファー近似による厳密な解を与える方法を用いることで、正しい距離を得ることができる。この方法を用いることにより、散乱光から散乱体の大きさを精度よく測定することができ、また、散乱光から定量的に一つの光散乱体の吸収スペクトルを得ることができる。
本実施形態のように、微粒子Pについて形状計測した後に、吸収スペクトルを計測する場合、形状計測に、吸収スペクトルの計測と近い波長を用いることで、同じ光軸で形状計測と吸収スペクトル計測ができる。この結果、吸収スペクトル計測の前には、光軸合わせは微調整のみで済む。
上述したように、シグニチャファイルを適用し、多数粒子の吸収スペクトルの成分を自動的に帰属させることにより、吸収スペクトルの解析を自動化することができ、最終的に、多数粒子の分類を行うことができる。この手法を利用すれば、粉末等の多数粒子の個別解析ができるようになる。
光計測システム100を用いて得た微粒子Pの3次元形状・サイズの情報と、光計測システム100を用いて得た微粒子Pの波長分布の情報から、波長分布の断面形状依存性を抽出することができる。波長分布の断面形状依存性の抽出結果を踏まえ、波長分布に対して、3次元形状・サイズに依存しないものとなるように校正を行うことができる。
上記抽出は、具体的には、3次元形状・サイズの計測結果と波長分布の計測結果を同じ計算機に取り込み、所定のプログラムを実行する。このプログラムは、周期構造を対象とした波動光学の計算結果または、微粒子の光散乱を計算する波動光学のプログラムを利用したものである。
2種類の測定結果を同じ計算機に取り込む手法としては、測定結果のキーボードからの手入力、USBケーブルによる伝送、USBメモリによるデータ移動等が挙げられるが、USBケーブルによる伝送が、最も簡便で好ましい。
片方の測定結果をもう片方の測定結果で校正する例としては、光計測システム100を用いて測定した光散乱パターンから、粒子のサイズ・形状を算出し、この結果に基づいて、光計測システム200を用いて測定した光吸収スペクトルを校正する手法が挙げられる。
光散乱パターンとしては、粒子のサイズ・形状を正確に算出する手法としては、粒子のサイズ・形状を仮定して計算し、計測された光散乱パターンからのずれをもとに逐次近似するものが挙げられる。光吸収スペクトルを校正する手法としては、吸光係数を変えて、実験で得られた形状・サイズに基づいて、光散乱強度の波長分布を計算する方法が挙げられる。各波長における、実験の吸収強度と、計算された吸収強度を比較することで、実験の吸収強度を補正することができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
図1の光計測システム100を用いて、ローダミンB粉末の微粒子P1の形状・サイズを計測した(光学的測定試験1)。
光源102、偏光ビームスプリッタ―104a、対物レンズ104b、ピンホール104c、レンズ104d、アイリス絞り103a、レンズ104e、微粒子P1、スライドガラス101、衝立106の順に並べた。これらを、z軸平行に延びる直線レール(不図示)上に置き、レール専用の治具、または両面テープで固定した。照射されるレーザー光L1が、直線レール(z軸)と平行になるようにした。
さらに、スリット103bを、アイリス絞り103aとレンズ104eの間に配置した。レンズ104eとスライドガラス(支持台)101をXYステージ107上に設置(固定)し、これらを波長オーダーの精度で制御するように設定した。ここで、XとYはそれぞれ図1のx軸とy軸に対応している。光源102としてアルゴンレーザーを用いた。微粒子P1をスライドガラス101上に付着させた。スライドガラス101の粒子付着面を、定規等で、直線レールの長手方向に対して、垂直になるようにした。偏光ビームスプリッタ―104aを、電場がx軸と垂直に振動するようにした。
スライドガラス101から12cm離れた位置に、衝立(スクリーン)106を、その主面がx軸方向およびy軸方向と平行になるように設置した。衝立の主面を、A4の白い紙で覆った。レンズ104eとスライドガラス101の距離を5.0cmとした。微粒子P1投影像の中心が、幅21cmのA4紙の中央になるようにした。レンズ104dとレンズ104eとして、平凸レンズを用い、これらの中心軸がz軸方向と平行になるように配置した。なお、レンズは必ずしも平凸レンズである必要はない。
微粒子の形状・サイズを計測するために、まず、レンズ104eと微粒子Pの距離fを調整し、集光点と微粒子の距離を設定した。この距離は、XYステージのマイクロメータの読みfzで調整した。そのために、散乱光角度分布と距離fzの関係を把握した。スリット103bを取り除いて、デジタルカメラで衝立の像を撮影した全体像を、図3に示す。デジタルカメラとしては、オリンパス社製のXZ−10を用いた。
図3に見える微粒子P1にXYステージのマイクロメータで焦点を合わして、レンズ104eと微粒子P1の距離をXYステージのマイクロメータで遠ざけると、微粒子P1の同心円の粒子像のパターンは図4(a)〜(f)に示すように変化する。図4(a)〜(f)の各々の左下に表示されている数値は、f−f、すなわち、XYステージのマイクロメータのメモリ(mm)である。
このとき、アイリス絞り60を30mmφから6mmφと小さくして、微粒子Pだけがみえるようにすると、直進光の範囲が中央に限定され、散乱パターンが図5(a)〜(f)に示すように明瞭に見えた。図5(a)〜(f)の各々の左下に表示されている数値は、f−f、すなわち、XYステージのマイクロメータのメモリ(mm)である。
さらに、スリットをx軸と平行となるように入れて観測した結果を、図6(a)〜(f)に示す。図6(a)〜(f)に示すように、y軸方向に長い集光形状が投影された。粒子の散乱光のシミュレーションはyz面内で考えることができ、この平面に平行に電場が振動するようビームスプリッタを配置した。この時の偏光を、TM偏光とする。
図4から、同心円の粒子像のパターンは、粒子に集光点を近づけていくと、あるところまでは、輪帯の数が増え、同時に散乱光角度分布のコントラストが強まるが、さらに近づけるとぼやけることが分かる。図5でも、図4でコントラストの高いところでは、散乱強度が強まっていることが分かる。図6から、図4のコントラストの強まるところで、微粒子による散乱強度とコントラストも強まることが読み取れる。図4〜6のそれぞれにおいて、コントラストが最も強いのは、図4(c)、図5(c)、図6(c)である。
図7(a)〜(f)、8(a)〜(f)は、それぞれ、平凸レンズ104d、104eを反転させ単波長収差を小さくして、同じ粒子について観測したものである。コントラストがより強まり、周期的なパターンもより明確になっている。距離fz’による、コントラストの変化も見やすくなっている。図6でコントラストが最も強いのは、図7(d)である。図7でコントラストが最も強いのは、図8(c)である。
図6から、図4のコントラストが高く、図5の散乱強度が強いところで、スリットを入れると、縞のコントラストも高まることが分かる。実施例1では、図6のコントラストが高く、周期的なパターンもより明確になっているところで、観測を行った。
この周期的なパターンについての周期を解析することにより、入射光を含む平面内での、微粒子P1の幅wを求めた(非特許文献7)。散乱光の角度分布から、粒子の形状を求めるためには、矩形開口の散乱パターンから予測される、粒子幅wとm番目の散乱光のピークの角度の関係式(1)を用いた(非特許文献7)。
図9〜12は、別の微粒子P2について、同様に計測した結果を示している。図9が全体像、図10(a)〜(f)、11(a)〜(d)が微粒子の同心円の投影パターン、図12(a)〜(f)、13(a)〜(d)が、集光範囲をアイリス絞り103aで狭めた微粒子P2の散乱パターン、図14(a)〜(e)がスリットで微粒子の断面に集光したときの散乱パターンである。図10(a)〜(f)、11(a)〜(d)でコントラストが最も強いのは、図10(e)でる。また、図12(a)〜(f)、13(a)〜(d)でコントラストが最も強いのは、図12(e)である。また、図14(a)〜(e)でコントラストが最も強いのは、図14(c)である。微粒子P1と同様に、コントラストと輝度が高い、散乱パターンがあるfzで観測するのがよいことが分かる。
次に、実験的に確認したコントラストの高い点があるかどうか、および、一つに定まるのかを、シミュレーションで確認した。コントラストの高いか否かの基準は、散乱角度が0°付近での強度が小さい(散乱している)ことと、−15°〜15°で最高の強度が大きく、最低の強度との差が大きいことである。
シミュレーションに用いた光学系は、図15に示すように、微粒子Pが付着した透明な板(支持台)101とレンズ104eと遮蔽板111とで構成されるものである。遮蔽体111は、微粒子Pの載置面と対向する位置に配置され、微粒子Pと重なる位置において貫通孔を有している。この貫通孔にレンズ104eが嵌め込まれている。微粒子Pと透明な板101およびレンズ104eの屈折率は1.5とした。レンズ104eの焦点距離は50λとした。微粒子の直径はwとした。
また、図16に示すように、粒子形状が円形、三角形、正方形である場合について検討し、粒子の幅wや形状を変えた場合の散乱光の角度分布をRCWAで計算した。円形、三角形、正方形である場合についての計算結果を、それぞれ図17〜20のグラフに示す。グラフの横軸は回折角(°)を示し、縦軸は散乱効率を示している。矢印で示したところがコントラスト最大と考えられるfzの極小値である。焦点距離である50λ近傍でコントラスト最大となっている。各形状および幅wについて、コントラスト最大となるfzを表1にまとめた。いずれも、レンズの焦点距離50λの近傍にある。
このように、コントラストが最大のfzが、レンズの焦点距離近傍に来ることが本発明で明らかになった。これで、コントラスト最大の時の実験条件が明確になり、シミュレーションと実験を対応させる足がかりを得た。光散乱を計測し、解析するシステムを構築すれば、粒子の3次元形状を計測できる可能性がある。
そこで、次に、実際に散乱パターンを解析して、粒子の3次元形状を推測する検討を行った。xyzの直交座標系において、光がz方向に進むとき、スリットの長辺をz軸まわりに0、45°、90°、135°回転させる場合のシミュレーションを行った。そのときの、散乱光角度分布を図21(a)〜(d)、22(a)〜(d)、23(a)〜(d)に示す。
この結果から縞と縞の角度間隔を計算し、上記式(1)をもとに解析すると、図21(e)に示すように、長方形に近い形となる。これが上面から見た形状である。光学顕微鏡で観察して得た微粒子の形状を図24に示す。散乱光の角度分布から得た図21(e)の微粒子の形状と、光学顕微鏡による観察で得た図24の微粒子の形状とを比較したところ、両者は類似した形状であることを確認した。
次に、3次元的な形状を検討するために、粒子をx軸まわりに回転させた。粒子を回転し、そこに集光点を維持するためには、可視光において、回転ブレを1μm以下にすることが求められるが、これを実際に行うことは難しい。ここでは、図3に示すようなマークを碁盤目状に配置し、回転後にxy面内の集光位置を、マークを目安に修正するということを行う。
図22(a)〜(d)は、粒子の赤道面(yz面)に集光したときに、地軸(x軸)を中心に回転したときの散乱パターンの変化を示している。図22(a)〜(d)は、それぞれ、入射角を0、15、30、45°とした場合に対応している。各散乱パターンから計算した縞と縞の間隔を、表4に示す。
また、図23(a)〜(d)は粒子の子午面(xz面)に集光したときに、地軸(y軸)を中心に回転したときの散乱パターンの変化を示している。図23(a)〜(d)は、それぞれ、入射角を0、15、30、45°とした場合に対応している。各散乱パターンから計算した縞と縞の間隔を表5に示す。図23(e)は、z軸、x軸、y軸まわりに回転させて得た画像の形状をもとにして、後述の手順によって予測された3次元形状を示している。
ここで、3次元形状についての手がかりを得るために、回転角度と、粒子形状との関係を計算した。光学系は図15、16に示すものと同じとし、微粒子の形状が、円形、三角形、正方形、長辺と短辺の比が2対1の長方形1、長辺と短辺の比が4対1の長方形2のいずれかである場合を想定して計算した。長方形1、2のいずれも、長辺が基板に接するように配置されているものとした。
形状と入射角度を変えた時の、散乱角度分布の縞と縞の間隔に対応する角度間隔を計算した。計算結果を表2、3にまとめる。表2、3は、それぞれ、幅3波長、幅5波長の粒子のピーク間隔(縞間隔)に対応する角度間隔の平均を示すものである。
表2、3の計算結果によると、円形の場合、入射角度の絶対値が大きくなると、縞の間隔の角度が減るが、正方形の場合はその逆であり、三角形の場合は、縞の間隔(角度間隔)の増え方が顕著である。この計算結果をもとにして実験結果を解析すると、表4、5のようになった。表4はx軸まわりに回転させた場合に対応し、表5はy軸まわりに回転させた場合に対応している。
表4では、入射角度とともに縞の間隔(角度間隔)が狭くなっていることから、表2、3の円の場合と比較すると、断面は円に近いと推定される。一方、表5では、0と15°での角度間隔は10°程度と大きいが、30°以上では8°程度と小さくなっている。これを、表2、3の入射角が0°の場合と比較すると、0°では、三角または円、それ以外では、正方形であると推定される。以上の結果から、図23(n)に示すような形状を推定することができる。
なお、微粒子の形状については、散乱強度の角度分布図からも分かる。例えば、図17〜20のグラフによれば、円形、三角形、正方形に対応する角度分布の形状が、全体として、それぞれ三角、M字型、台形になっている。したがって、角度分布の形状をもとにして、粒子の形状を区別することができる。今回の計測では、角度分布はM字型でなかったことから、三角形状ではないと判断することができる。最終的に、表5の0と15°から推定される断面は三角ではなく円であると考えることができる。
(実施例2)
図2の光計測システム200を用いて、ローダミンB粉末の微粒子Pの光吸収スペクトルを計測した(光学的測定試験2)。
光源202、対物レンズ204a、ピンホール204b、レンズ204c、アイリス絞り203、レンズ204d、微粒子Pを付着させたスライドガラス201、光ファイバー210の順に並べ、実施例1と同様に固定した。光ファイバー210を、スペクトラムアナライザー208につなげ、そのデータをコンピュータ208で解析できるように設定した。レンズ204d、スライドガラス201を、それぞれXYステージ207a、207bの上に載置した。コンピュータ210を、このXYステージ207a、207bに接続した。
おおよその各粒子の座標については、実施例1の光学的測定試験1で計測しておく。なお、必要であれば、CCDカメラを光ファイバー210の代わりに配置し、微粒子像を観測することもできる。集光位置を光学的測定試験1で調整した集光点のfzを、ほぼそのままにして、x軸y軸を動かした。吸収スペクトルを計測しながら、吸収が極大となる、xyを探した。このようにして計測した結果(散乱強度の波長依存性)を図25に示す。
次に、直径5μmの円について、シミュレーションを行った。計測した結果を補正した。シミュレーションは、消光係数kを0から0.2まで変えて、波長480〜780nmまで行った。シミュレーションには、図26に示す光学系を用いた。微粒子Pと透明な板201およびレンズ204eの屈折率は1.5とした。レンズの直径は11.25μmとし、レンズ204eと粒子Pの間隔はfzとし、微粒子の直径はwとした。焦点距離は、25μmとなるようにレンズの曲率半径を調整した。入射光がレンズに制限されるように、レンズのわきに吸収体211を置いた。
元のデータは、粒子で散乱されない光を考慮して、変換をする。変換式は下記の式(2)または(3)で与えられる。
Tobs=(Ibg + Tcal)/Ithrough (2)
Tcal=(Tobs − rate)Ithrough (3)
式(2)において、Tobsは透過率の実験値、Ibgは光ファイバーに集光される光のうち粒子に当たらず光散乱に寄与しない光、Tcalはシミュレーションの透過率、Ithroughは実験の入射光の光量である。実験で粒子に当たらない光が多い場合、見かけ上、Ithroughは大きくなる。式(2)を変形すると式(3)のようになる。rateはIbg/Ithroughを意味している。
実測結果に対して式(3)で変換した結果を、図27のグラフに粒子P1として示した。また、図27のグラフには、透過散乱強度を波長を変えてシミュレーションして、消光係数kを0、0.0002、0.002、0.02、0.2とした場合の各々に対応する等高線を示した。透過散乱強度は、透明な板201において、散乱角θが±20°以下の範囲の強度の和を求めた。この等高線から、消光係数の波長依存性を求めることができる。各等高線で挟まれた領域ごとに、散乱強度に対してkが一次関数で変化すると仮定して、kの値を算出する。例えば、kが0.02から0.2の間には波長0.52から0.56μmの散乱強度が存在する。これを、0.52から0.56まで、0.01波長ごとに、散乱強度から、kを推定する。その結果として、図28のようにkの極大値が530nmとなる。このように、粒子形状を基に、吸収スペクトルをある程度定量的に算出することができる。なお、同様の計測を反射散乱強度について行い、計算をすれば、やはり、吸収スペクトルを算出することができる。
(比較例1)
粒子径が、実際と異なる場合、シミュレーションがどのような結果を与えるか検討した。形状は円とし、粒子幅は実施例2の約半分の2.5μmとした。シミュレーションを行った結果、図29に示すようになり、補正曲線(等高線)の範囲が狭くなることから、粒子幅が計測結果の解釈に大きな影響を与えることが分かった。
(比較例2)
レンズの焦点位置が、実際と異なる場合、シミュレーションがどのような結果を与えるか検討した。形状は円とし、粒子幅は5μmとした。粒子の光源側の側面とレンズの中心の距離fzは焦点距離が50μmであるのに対し、ここでは、fzが70μmであるとしてシミュレーションを行った。その結果、図30のグラフに示すようになり、補正曲線の範囲が広くなることから、焦点距離が計測結果の解釈に大きな影響を与えることが分かった。
(比較例3)
微粒子P1について、実測と異なる形状・サイズとしてシミュレーションを行った。具体的には、図31に示すように、微粒子P1の幅wが2.5μm、高さhが2.5μmの三角形であるとしてシミュレーションを行い、計測した結果の補正を試みた。照射光の焦点の位置は、三角形の頂点に合わせた。シミュレーションの結果を図32のグラフに示すようになり、消光係数kについて、補正曲線の範囲が狭くなることから、粒子形状が計測結果の解釈に大きな影響を与えることが分かった。
(実施例3)
光吸収スペクトルを計測した微粒子Pを自動的に分類するため、成分同定と成分の類似するもの同士を自動分類した。自動分類の方法について、以下に説明する。
(自動分類1)
多数の粒子の光吸収スペクトルを計測した後、自動的に成分帰属をすることで多数粒子の成分を区別できる。分類のために、まずピークの帰属を行う。図29は、計測結果を分類する一手順について説明する図である。図29に示すように、吸収スペクトルのピークが多数あるとき、一定間隔ごとに、ピークを区分けする。たとえば、波数1cm−1ごとに区分けするとき、160〜161cm−1が、一つの区切りとなる。1000〜3000cm−1を計測対象とすると、2000個の区分がある。この区分ごとにピークの有無と個数を判定し、スペクトルのデータベースと比較することで、成分の推定を行うことができる。赤外線に関するこのようなデータベースとしては、産業技術総合研究所が公開しているスペクトルデータベースが知られている。
(自動分類2)
図30は、計測結果を分類する他の手順について説明する図である。図30に示すように、粒子ごとに成分が異なり、3種類程度に分類できるとき、その種類が類似しているかどうかを判定する。粒子が類似しているかどうかの判別は、ピークの数で多次元空間を張り、その空間内での距離を計算して行う。模式的なイメージを図31に示した。距離の計算には、該当するピークの波数(または波長)を基準にとる。ある二つの粒子を持ってきたときに、それぞれ10個のピークがあり、そのユークリッド距離が個数の平方根(ここでは10の平方根)よりも小さければ同じ種類、異なれば別の種類と判断する。
(自動分類3)
図25に示すように粒子ごとに成分が異なり、成分が少しずつ異なるとき、ある成分がどの程度含まれているかで序列をつけることができる。この序列は、上記の自動分類2と同様に定義される距離を用いて行うことができる。ある二つの粒子のそれぞれが有する10個のピークについて、そのユークリッド距離が近いものから順番に並べる。最も距離が遠い二つを両端に置いて、その中間に順番に並べることにより、序列をつけることができる。
本発明は、主に次の3つの技術分野において応用することができる。
(1)光学測定方法、測長装置:
微粒子の3次元形状計測装置に適用すると、高速で精度の高い計測が可能となる。投影像でなく、光軸方向の分布を含めた重心で距離を出すことができる。
(2) 光吸収スペクトルの計測:
吸収スペクトルの定量的な計測においては、溶媒に溶かしたり、フィルム化したりという前処理が必要である。また、タンパク質の結晶のように、試料量がもともと少ない場合は、これらの前処理を行うことも難しい。微光散乱体から直接、光吸収スペクトルを得ることができれば、前処理の簡略化とともに、少ない試料量でも、定量的な計測が可能となる。
(3)多数の粒子の成分による自動分類:
計測した多数の微粒子の成分を自動的に分類し、粒子ごとの成分の分布を知ることができる。これにより、従来、時間的・労力的な制約からできなかった、粉末の粒子ごとの成分分析とそれによる少数成分の抽出や違いのわずかな異性体の検出などが可能になる。
100・・・光計測システム
101・・・支持台
102・・・レーザー光源
103・・・レーザー光集光スポット形状調整手段
103a・・・アイリス絞り
103b・・・レンズ
104・・・レーザー光集光スポット位置調整手段
104a・・・偏光ビームスプリッタ―
104b・・・対物レンズ
104c・・・ピンホール
104d・・・レンズ
104e・・・レンズ
105・・・レーザー光入射角度調整手段
106・・・微粒子投影像表示手段
107・・・XYステージ
200・・・光計測システム
201・・・支持台
202・・・白色光源
203・・・白色光集光スポットサイズ調整手段
204・・・白色光集光スポット位置調整手段
204a・・・対物レンズ
204b・・・ピンホール
204c・・・レンズ
204d・・・レンズ
204e・・・レンズ
205・・・微粒子吸収スペクトル計測手段
207a・・・XYステージ
207b・・・XYステージ
208・・・光計測装置
209・・・コンピュータ
210・・・光ファイバ
P・・・微粒子
P1・・・微粒子
P2・・・微粒子
L1・・・レーザー光
L2・・・白色光

Claims (10)

  1. 支持台に載置された微粒子に光を照射して、前記微粒子に関する情報を取得する光計測システムであって、
    レーザー光源と、
    前記レーザー光源を用いて前記微粒子に照射するレーザー光の集光スポットの形状を、線状となるように調整するレーザー光集光スポット形状調整手段と、
    前記レーザー光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整するレーザー光集光スポット位置調整手段と、
    前記レーザー光の光軸と直交する軸を中心に、前記微粒子と前記集光スポットとを相対的に回転させて、前記微粒子に対する前記レーザー光の入射角度を調整するレーザー光入射角度調整手段と、
    前記微粒子から散乱される散乱光を利用して、前記微粒子の投影像を表示する微粒子投影像表示手段と、を備えていることを特徴とする光計測システム。
  2. さらに、前記レーザー光入射角度調整手段で調整された各入射角度で得られた前記微粒子の投影像の形状の情報を組み合わせて、前記微粒子の3次元形状を推定する微粒子形状推定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光計測システム。
  3. さらに、白色光源と、
    前記白色光源を用いて微粒子に照射する白色光の集光スポットのサイズを、調整する白色光集光スポットサイズ調整手段と、
    前記白色光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整する白色光集光スポット位置調整手段と、
    前記微粒子から散乱される散乱光の強度の波長分布から、前記微粒子の吸収スペクトルを計測する微粒子吸収スペクトル計測手段と、を備えていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の光計測システム。
  4. 支持台に載置された微粒子に光を照射して、前記微粒子に関する情報を取得する光計測方法であって、
    レーザー光源を用いて前記微粒子に照射するレーザー光の集光スポットの形状を、線状となるように調整するレーザー光集光スポット形状調整ステップと、
    前記レーザー光の集光スポットを、前記微粒子の位置に合うように調整するレーザー光集光スポット位置調整ステップと、
    前記レーザー光の光軸と直交する軸を中心に前記微粒子と前記集光スポットとを相対的に回転させて、前記微粒子に対する前記レーザー光の入射角度を調整するレーザー光入射角度調整ステップと、
    前記微粒子から散乱される散乱光を利用して、前記微粒子の投影像を表示する微粒子投影像表示ステップと、を有していることを特徴とする光計測方法。
  5. 前記レーザー光入射角度調整ステップで調整された各入射角度に対応して前記微粒子投影像表示ステップで表示される投影像の形状の情報を組み合わせて、前記微粒子の3次元形状・サイズを推定する微粒子形状・サイズ推定ステップを有することを特徴とする請求項4に記載の光計測方法。
  6. 前記微粒子の3次元形状・サイズを推定する前または推定した後に、
    白色光源を用いて前記微粒子に照射する白色光の集光スポットのサイズを、調整する白色光集光スポットサイズ調整ステップと、
    前記白色光の集光スポットが前記微粒子の位置に合うように調整する白色光集光スポット位置調整ステップと、
    前記微粒子から散乱される散乱光の強度の波長分布から、前記微粒子の吸収スペクトルを計測する微粒子吸収スペクトル計測ステップと、を有することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の光計測方法。
  7. 前記集光素子と前記微粒子との距離、および、前記光軸と前記微粒子との距離を、レーザ光源の波長λに対して、0.0010λ以上100λ以下の範囲で調整することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の光計測方法。
  8. 前記微粒子の3次元形状・サイズと前記波長分布の情報から、前記波長分布の前記断面形状依存性を抽出し、
    前記波長分布に対して、前記3次元形状・サイズに依存しないものとなるように校正を行うことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の光計測方法。
  9. 前記微粒子の吸収スペクトルを特定の波長範囲ごとに区切り、各波長範囲における前記吸収スペクトルのピークの有無を符号化したシグニチャファイルを作成し、
    既知の成分を有する微粒子の吸収スペクトルにおいて、得られているシグニチャファイルと照合することにより、前記微粒子の成分を同定することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の光計測方法。
  10. 前記微粒子の吸収スペクトルのピークの波長または波数を、前記シグニチャファイルと照合することにより、前記微粒子の成分を同定することを特徴とする請求項9に記載の光計測方法。
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