以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、表示結果を導出表示させることが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、スティック形状に構成され、遊技者が把持して複数方向に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出する。プッシュボタン120には、プッシュボタン120の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、各種の演出についての画像を表示する画像表示装置として、メイン演出表示装置9と、サブ演出表示装置11との2つの液晶表示装置が設けられている。メイン演出表示装置9は、サブ演出表示装置11よりも大型の表示装置である。メイン演出表示装置9では、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)等の各種画像を表示する演出表示が実行可能である。サブ演出表示装置11は、メイン演出表示装置9よりも小型の表示装置であり、メイン演出表示装置9の下方側に隣接して設けられている。サブ演出表示装置11では、メイン演出表示装置9で表示される画像と演出上で連携した画像、または、メイン演出表示装置9で表示される画像とは演出上で独立した画像を表示する演出表示が実行可能である。
遊技領域7においては、遊技球の流下経路のうち、第1経路が、正面から見てメイン演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、第1経路とは異なる第2経路が、正面から見てメイン演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。第1経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
遊技領域7におけるメイン演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(7セグメントLED)で構成されている。メイン演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。この表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。メイン演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なってメイン演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なってメイン演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすい。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは、メイン演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときは、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、メイン演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、メイン演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音でされることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、メイン演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
メイン演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態のときは、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
メイン演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
メイン演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることにより、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態のときは、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。可変入賞球装置15が閉状態のときは、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態のときは、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からされる。
メイン演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、メイン演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
メイン演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図14の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。メイン演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別することにより第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図14等のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、メイン演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることにより、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示される。
具体的に、大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。この制御が行なわれると、この制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bやメイン演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態では、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態では、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りでは、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動してメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11のそれぞれの表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、メイン演出表示装置9での変動表示制御等の各種表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
特定遊技状態である大当りとしては、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)および図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれには、第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、メイン演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、メイン演出表示装置9において擬似連図柄が仮停止する。擬似連図柄としては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連専用図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する)、または、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄の組合せのうち、擬似連図柄の組合せとして設定された擬似連兼用図柄の組合せ(疑似連チャンス目とも呼ばれる)が用いられる。仮停止図柄は、予め定められた1種類の仮停止図柄のみが仮停止されてもよく、複数種類の仮停止図柄のうちから選択された仮停止図柄が仮停止されてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
パチンコ遊技機1では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第2スーパーリーチ〜第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。第2スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回(初回変動+再変動1回)実行され、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回(初回変動+再変動2回)実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が4回(初回変動+再変動3回)実行される。なお、スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行されてもよい、たとえば、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、たとえば、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連図柄が出現して仮停止するような演出が行なわれて擬似連図柄が滑る演出が行なわれ、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出が行なわれることにより、擬似連の演出ではあるが、再変動が実行されない。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)〔擬似連4回〕」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行され、変動表示中に、初回変動および再変動を含めて4回の変動表示がされる擬似連の演出がされる第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルと、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルとでは、非時短状態よりも時短状態のときの方が変動時間が短くなるようにデータが設定されている。これにより、時短状態中の保留消化時間を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルと、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルとでは、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、遊技制御状態に応じて、図7に示す各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンのデータは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、大当り等の各種遊技状態に関する予告を行なう予告演出制御パターンのデータは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。次に、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。次に、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための処理を実行する。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。次に、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。次に、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
次に、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。次に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示をするための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
次に、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。次に、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明では、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立したときは、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、この決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づき、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することにより、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じ、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときは、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに記憶(設定)する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が記憶(設定)される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が記憶(設定)される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。大当りフラグがセットされていない場合は、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合は、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときは「3」を停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定されたときは「7」を停止図柄に決定する。次に、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
また、前述した変動パターン設定処理(S301)においては、CPU56が次のような処理を行なう。大当りフラグがセットされているか否かを確認するとともに、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択し、乱数バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)およびランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、選択した判定テーブルを用いて、変動パターン種別および変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。そして、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信するとともに、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始することを指定するコマンドとして、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を行なう。そして、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始させる制御が実行させ、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新し、表示結果指定コマンド送信処理に進む。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図12は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従ってメイン演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み演出有無判定用のSR2、先読み演出種類選択用のSR3、同色図柄演出パターン選択用のSR4、保留変化演出パターン選択用のSR5、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6、擬似連演出種類選択用の乱数SR7、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13、および、出現保留色選択用のSR14を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成され、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、第1特別図柄の変動開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、第2特別図柄の変動開始時に送信される第2図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。第2更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、メイン演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御がされる。
図13は、図12に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、メイン演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理で実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りとなることを特定するときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告する演出(図14等参照)が先読み演出として行なわれる。先読み演出の対象とした保留情報を「ターゲットの保留情報」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、メイン演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御をする処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御をする処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、メイン演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御をする処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従ってメイン演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記憶されている。具体的には、メイン演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記憶されている。プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御をする。プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、メイン演出表示装置9において表示される保留表示およびアクティブ表示について、大当りとなる期待度を示唆可能な態様で表示する演出制御を行なうことが可能である。
保留表示をする保留画像、および、アクティブ表示をするアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、たとえば円形等のような所定形状で表示され、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、白色(通常色)<青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様(色態様)で大当りとなる期待度が示唆可能である。
新たな保留記憶情報の発生に基づいて、メイン演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、通常色(白色)、青色、緑色、または、赤色のような表示態様で表示される。保留画像は、以下に説明するような先読み演出によって、表示態様が変化される場合がある。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示をターゲットとして先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。先読み演出としては、たとえば、保留変化演出および同色図柄演出のような複数種類の演出のうちから選択された演出が実行される。保留変化演出および同色図柄演出は、先読み演出として個別に実行される場合と同時に実行される場合とがある演出である。
保留変化演出は、所定のタイミング(たとえば、当該保留記憶情報よりも先に保留記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始時等の所定のタイミング)で保留表示の表示態様(表示色)を変化させる演出である。保留変化演出では、先読み演出のターゲットの保留表示の色を、そのターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色に変化させることが可能である。青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、変化後の画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。
同色図柄演出は、複数回の変動表示に亘り継続して、左,中,右の演出図柄の停止図柄を、「青図柄(左)−青図柄(中)−青図柄(右)」、「緑図柄(左)−緑図柄(中)−緑図柄(右)」または「赤図柄(左)−赤図柄(中)−赤図柄(右)」というような、同色に揃った色で表示する演出である。左,中,右の各演出図柄は、「0」〜「9」の10個の数字図柄のうち、偶数の図柄が青色の図柄で構成され、奇数の図柄のうち「1」,「5」,「9」の図柄が緑色の図柄で構成され、「3」,「7」の図柄が赤色の図柄で構成されている。これにより、演出図柄は、青色図柄揃いの青同色図柄と、緑色図柄揃いの緑同色図柄と、赤色図柄揃いの赤同色図柄とのいずれかの同色図柄を表示可能である。
同色図柄演出では、先読み演出のターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で、同色図柄演出における停止図柄を表示可能である。たとえば、青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。青色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、青同色演出と呼ばれる。緑色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、緑同色演出と呼ばれる。赤色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、赤同色演出と呼ばれる。
パチンコ遊技機1では、次のような同色図柄の組合せを表示可能である。青同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「2,4,6」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。緑同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「1,5,9」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。赤同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「3,3,7」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。なお、青同色図柄、緑同色図柄、および、赤同色図柄のそれぞれについては、複数種類の同色図柄の組合せから選択した同色図柄の組合せを表示可能としてもよい。
変動表示が実行されるときにおいては、当該変動表示の開始時に、当該変動表示についての大当り判定結果を確認し、大当り判定結果に基づいて、当該変動表示に対応するアクティブ表示を所定のタイミング(たとえば、擬似連の変動パターンの変動表示における擬似連の初回変動および再変動の各変動開始時等の所定のタイミング)で、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
アクティブ変化演出は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときに所定割合で実行可能である。擬似連の変動パターンの変動表示においては、先読み演出で実行される同色図柄演出と同様の同色図柄を仮停止図柄として仮停止させる同色図柄演出と、擬似連専用図柄として「NEXT」という文字が描かれた図柄(以下、NEXT図柄という)を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出とのいずれかが擬似連の演出種類として選択されて実行される。
新たな保留記憶情報の発生時に出現表示された保留画像は、保留表示として当該保留画像が表示されている段階で表示態様を変化させる保留変化演出が実行可能である。保留記憶情報に基づく変動表示に対応するアクティブ画像は、変動表示中の段階で表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
保留画像についての保留変化演出、および、アクティブ変化演出についてのアクティブ変化演出としては、円形状の保留画像の色を変化させることにより表示態様を変化させる演出が実行可能である。通常色(白色)で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。
このように、保留変化演出、および、アクティブ変化演出のそれぞれにおいては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行される。なお、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行され、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されない。なお、高ベース状態においても先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるので、第1保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される。なお、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される場合には、第2保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されることとなる。
保留表示に関しては、保留変化演出により保留表示の表示態様が変化することを示唆する保留変化示唆演出が実行可能である。アクティブ表示に関しては、アクティブ変化演出によりアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆するアクティブ変化示唆演出が実行可能である。保留変化示唆演出およびアクティブ変化示唆演出のそれぞれとしては、サブ演出表示装置11において、スロット演出または作用演出が実行される。
スロット演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示し、その表示結果が特定の表示結果となるか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。
作用演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、そのキャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用するか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用する演出としては、たとえば、キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に向けて玉を投げる画像がサブ演出表示装置11で表示され、それに応じて、メイン演出表示装置9においてその玉が保留表示に当ると保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様が変化するというような演出が実行される。なお、キャラクタ画像が保留表示に作用する演出は、保留表示またはアクティブ表示に変化を及ぼすとの印象を遊技者に与える演出であれば、どのような演出であってもよい。
保留変化示唆演出が実行されるときは、先読み演出のターゲットの保留表示がシフト表示されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。アクティブ変化示唆演出が実行されるときは、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときにおいて、擬似連における初回変動および再変動のそれぞれが実行されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。
次に、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を説明する。図14は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を示すメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面図である。
図14においては、(A)〜(D)に、先読み演出時におけるメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面が示され、(E)〜(K)に、擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出時におけるメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面が示される。(E)〜(K)に示す擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出のうち、(H),(I)に、同色図柄演出時の表示画面が示され、(J),(K)に、NEXT図柄演出時の表示画面が示される。
図14においては、メイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11での表示状態が時間経過に従って示されている。メイン演出表示装置9では、表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cと、保留画像Hと、アクティブ画像AHとが示されている。サブ演出表示装置11では、表示画像として、スロット演出のスロット図柄12が示されている。図14において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。
図14を参照して、メイン演出表示装置9の表示領域内における下部には、第1保留記憶数を保留画像Hにより表示する第1保留表示エリアと、第2保留記憶数を保留画像Hにより表示する第2保留表示エリアとを含む保留表示エリア18cが設けられている。メイン演出表示装置9の表示領域内における下部の中央領域には、アクティブ画像AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが設けられている。
保留表示エリア18cのうち、アクティブ表示エリアAHAの左側の領域が第1保留表示エリアであり、アクティブ表示エリアAHAの右側の領域が第2保留表示エリアである。第1保留表示エリアにおいては、第1保留記憶情報が増加発生するごとに、右から左の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報が消化されるごとに左から右の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。第2保留表示エリアにおいては、第2保留記憶情報が増加発生するごとに、左から右の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第2保留記憶情報が消化されるごとに右から左の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。保留表示エリア18cにおいては、前述のような保留画像Hの表示色が変化する保留変化演出が実行される場合がある。
アクティブ表示エリアAHAにおいては、アクティブ画像AHが表示される。アクティブ表示エリアAHAでは、前述のようなアクティブ画像AHの表示色が変化するアクティ変化演出が実行される場合がある。
図14(A)では、先読み演出の保留変化示唆演出の開始時において、保留表示エリア18cにおいて、当初に2つの第1保留記憶情報に基づく2つの第1保留表示の保留画像Hが表示され、アクティブ表示エリアAHAにおいて、第1保留表示に対応するアクティブ画像AHが表示されている例が示されている。2つの保留表示のうち古い方の1つ目の保留画像Hに対応する保留記憶情報が、先読み演出のターゲットの保留記憶情報である。
先読み演出として、ターゲットの保留記憶情報に基づいて、保留変化演出、同色図柄演出、および、スロット演出による保留変化示唆演出が実行され、ターゲットの保留画像Hが1つ目の保留表示となった段階で、保留変化演出が実行される場合は、図14(A)に示すような、ターゲットの保留記憶情報の1つ前の保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始する。その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図14(B)に示すように、スロット図柄12の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図14(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化(たとえば、白→青に変化)する保留変化演出が実行される。
図14(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化した後、スロット図柄12は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。そして、図14(D)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄(図中において、実際は「色」を示す文字は表示されないが、色を識別容易とするために、青い「2」の図柄を「青2」で示し、青い「4」の図柄を「青4」で示し、青い「6」の図柄を「青6」で示している)として仮停止表示される。
図14(D)に示すように保留変化演出および同色図柄演出が実行されたターゲットの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときにおいて、擬似連の変動パターンによる変動表示が実行され、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときには、ターゲットの保留画像Hがターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHとしてアクティブ表示エリアAHAに移動表示した後、図14(E)に示すように、ターゲットの保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始する。
その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図14(F)に示すように、スロット図柄12の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図14(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化(たとえば、青→緑に変化)するアクティブ変化演出が実行される。
図14(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化した後、スロット図柄12は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。
擬似連の演出として、同色図柄演出が実行されるときには、図14(H)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図14(I)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
一方、擬似連の演出として、NEXT図柄演出が実行されるときには、図14(J)に示すように、演出図柄91〜93が画面隅部に移動した状態で、NEXT図柄94が演出が実行されることにより、NEXT図柄が仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図14(K)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
擬似連の演出としてスロット演出による保留変化示唆演出が実行されるときには、図14(I)または図14(K)に示すように、擬似連の各再変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始し、その後、所定時間経過後にスロット図柄12の変動表示が終了して、表示結果に応じた演出が実行される。
図14(D),(H)に示したように、同色図柄演出は、先読み演出と変動時演出との両方において共通演出として実行可能である。図14(A),(B)、および、図14(E),(F),(I),(K)に示したように、先読み演出では保留表示を対象として表示態様を変化させる保留変化演出と、その保留変化演出に対応する保留変化示唆演出とが実行可能であり、それらの演出と同様の演出として、変動時演出ではアクティブ表示を対象として表示態様を変化させるアクティブ変化演出と、そのアクティブ変化演出に対応するアクティブ変化示唆演出とが実行可能である。
このように、先読み演出と変動時演出とで、同様の演出、および、関連性がある演出を実行可能とすることにより、先読み演出と変動時演出とに関連性を生じさせて、演出の面白みを向上させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
図14(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図14(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
図15は、先読み演出有無判定テーブル、および、先読み演出種類選択テーブルを示す説明図である。先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を選択決定する抽選に用いるデータテーブルである。
先読み演出有無判定テーブルには、図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルと、図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルと、図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルとが含まれている。また、これら先読み演出有無判定テーブルとは別に、図15(D)の先読み演出種類選択テーブルが設けられている。これら先読み演出有無判定テーブルおよび先読み演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出のターゲットとなる保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチの変動パターンではずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチ以外の変動パターンでのはずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
図15(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する>先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する=先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合と、実行しない決定が選択される割合とが等しくなるようにデータが設定されている。図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する<先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図15(A)〜(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図15(B),(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施の形態では、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、図15(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する。なお、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを含むリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報のみを判定対象として、先読み演出を実行するか否かを判定してもよい。
図15(D)の先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を複数種類の演出種類のうちから選択するために用いられる。
図15(D)の先読み演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出種類選択用のSR3(0〜102の数値範囲)の合計103個の数値が、複数種類の先読み演出種類に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。先読み演出種類は、同色図柄演出単独の先読み演出と、保留変化演出単独の先読み演出と、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せとの3種類が選択可能に設けられている。これらのうち、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せには、保留変化示唆演出を実行する演出が加えて実行される。
先読み演出種類選択テーブルでの先読み演出種類の選択割合は、「同色図柄演出単独=保留変化演出単独>同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)」という大小関係で設定されている。なお、先読み演出種類の選択割合は、このような割振り以外の割振りで設定されてもよい。
図15に示すように、先読み演出としては、同色図柄演出単独が実行される場合と、保留変化演出単独が実行される場合と、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)が実行される場合とがある。これにより、先読み演出のバリエーションが豊富になり、演出の興趣を向上させることができる。
図16は、先読み同色図柄演出パターン選択テーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する同色図柄演出の同色図柄演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
先読み同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用のSR4(0〜107の数値範囲)の合計108個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留変化演出パターン選択テーブルについて説明する。保留変化演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出として保留変化演出が選択されたときに、保留変化演出の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
保留変化演出パターン選択テーブルとしては、新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数の値別に、複数のテーブルが設けられている。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が4個であるときに対応して、第1保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が3個であるときに対応して、第2保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が2個であるときに対応して、第3保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図17は、第1保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図18(A)は、第2保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図18(B)は、第3保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターン選択用のSR5(0〜1709の数値範囲)の合計1710個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類の保留変化演出パターンに割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図17および図18に示すように、保留変化演出パターンは、保留変化演出色が、白色から青色に変化する「白→青変化」の演出種類と、白色または青色から緑色に変化する「白,青→緑変化」の演出種類と、白色、青色または緑色から赤色に変化する「白,青,緑→赤変化」の演出種類との複数の演出種類に分類されている。そして、青変化演出種類、緑変化演出種類、および、赤変化演出種類のそれぞれについては、図17および図18に示すように、複数種類の保留変化演出パターンが選択可能に設けられている。
保留変化演出パターンは、始動入賞時における保留表示の出現時から、先に記憶された保留記憶情報に基づく変動表示が実行(消化)されることに応じて、保留表示がシフトされる場合における何回目かのシフト時に、保留表示色が変化するような演出パターンである。
図17の第1保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第3回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図18(A)の第2保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図18(B)の第3保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。
一例を挙げると、図17の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」の保留変化演出パターンは、保留表示の出現時が白、第1回目の保留表示のシフト時が白、第2回目の保留表示のシフト時が白であり、第3回目の保留表示のシフト時に青に変化する演出パターンである。
図17および図18に示す第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の保留変化演出種類の選択割合が、「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「白→青変化>白,青→緑変化>白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係となる。したがって、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化後の保留表示色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図17および図18に示す第1,第2保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについて、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合が、保留変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、保留変化演出の実行タイミングが保留表示の出現時に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合との関係が、図17および図18に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、保留変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図19は、保留変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「保留変化示唆演出」が選択決定されたときに、実行する保留変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留変化示唆演出パターン選択用のSR6(0〜96の数値範囲)の合計97個の数値が、複数種類の保留変化示唆演出パターンに割振られている。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。保留変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
保留変化示唆演出として実行されるスロット演出は、変動表示が実行されるごとに、図14(A)〜(D)に示すようなスロット図柄12として、保留表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、保留表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、保留表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。つまり、「変化」の図柄の停止が保留変化示唆演出の成功態様であり、「×」の図柄の停止が保留変化示唆演出の失敗態様であり、この保留変化示唆演出は、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出として実行される作用演出は、変動表示が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像が保留表示に作用するか否かにより保留変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、保留表示が変化するときは、変化する保留表示に特定キャラクタ画像が作用し(成功態様)、保留表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像が保留表示に作用しない演出が実行される(失敗態様)。この保留変化示唆演出も、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでの保留変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、保留変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部は、たとえばメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。演出制御タイマ設定部には、演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。演出制御カウンタ設定部には、たとえばSR1−1等の各種乱数を発生させるランダムカウンタのような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。演出制御バッファ設定部の所定領域には、始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。
第1特別図柄用と第2特別図柄用との各始動入賞時受信コマンドバッファは、それぞれの特別図柄についての各保留記憶情報の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。演出用バッファでは、先読み演出判定有無、先読み演出実行変動指定、同色図柄演出態様指定、保留等変化演出態様指定、および、保留変化示唆演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する「図柄指定」領域、変動種別コマンドを格納する「変動種別」領域、始動入賞指定コマンドを格納する「始動入賞指定」領域、および、保留記憶数指定コマンドを格納する「保留記憶数指定」領域が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。バッファ番号「1」と「2」とにデータが記憶されている状態において、演出図柄の変動表示が開始される場合は、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれの始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信がされる。したがって、コマンド受信が正常にされれば、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンドおよび保留記憶数指定コマンドが格納される。
第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、前述した図14に示すような先読み演出および擬似連演出の演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、図14に示したような先読み演出および擬似連演出を実行しないため、そのような演出を実行するために用いる演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、図14に示したような先読み演出および擬似連演出を実行するための演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様の先読み演出および擬似連演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「先読み演出判定有無」のデータ、「先読み演出実行変動指定」のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「先読み演出判定有無」のデータ格納領域、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に格納される。
「先読み演出判定有無」のデータは、先読み演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「先読み演出実行変動指定」のデータは、先読み演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「同色図柄演出態様指定」のデータは、先読み演出としての同色図柄演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化演出態様指定」のデータは、先読み演出としての保留変化演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化示唆演出態様指定」のデータは、先読み演出を示唆する演出としての保留変化示唆演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図18(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルに基づいて先読み演出を実行するか否かの判定がされているか否かに応じて、「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」または「判定有」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について先読み演出をしない判定がされたときは、新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「先読み演出態様指定」のデータの格納領域に「演出無」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に基づいて、先読み演出を実行する判定がされ、かつ、図17(D)の先読み演出種類選択テーブルに基づき、先読み演出種類が決定されたときには、決定された先読み演出種類に応じて、次のようにデータの記憶がされる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出単独の先読み演出種類が選択され、図16の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どのような演出パターンの同色図柄演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ100により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出単独の先読み演出種類が選択され、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。
選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
一方、選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されない変動回の保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータの格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出が実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色が変化せず、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色がどのような色に変化する演出パターンの保留変化演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ100により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せによる先読み演出種類(保留変化示唆演出付加)を実行することが選択され、図16の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図19の保留変化示唆演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。
新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づいて、図19の保留変化示唆演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された示唆演出を実行するために、次のように演出バッファにデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されないシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化しないときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化するときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せが実行され、かつ、保留変化示唆演出を実行する演出種類が選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づき、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どの演出パターンの同色図柄演出、保留変化演出、および、保留変化示唆演出が実行されるかを演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能となる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、このような演出バッファのデータに基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターン、保留変化演出が単独で実行される演出パターン、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せに加えて保留変化示唆演出が実行される演出パターンでの演出を実行することが可能である。
図20は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、前述した演出用バッファにおいて、少なくとも1つの保留記憶状態に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「先読み演出実行変動指定」のデータが記憶されているか否かを確認することにより、先読み演出の実行予定期間中であるか否かを判定する(S710)。先読み演出の実行予定期間中とは、前述した同色図柄演出または保留変化演出のような先読み演出を実行することが実行が予定されている期間をいい、実際に先読み演出が実行中の期間を含む期間をいう。
S710で先読み演出の実行予定期間中であるときは、新たな先読み演出に関する設定をしないことにより、重複した先読み演出の実行を避けるために処理を終了する。一方、S710で先読み演出の実行予定期間中でないときは、新たな先読み演出に関する設定を可能とするために、S711に進む。S711では、前述した第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、先読み演出判定有無のデータ格納領域において「判定無」を特定可能なデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で先読み演出を実行するか否かが未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく先読み演出のうち保留画像を対象とした先読み演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、先読み演出を実行する変動表示が実行可能であるか否かを確認する。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、先読み演出を実行しない(先読み演出無)ことに決定し(S714)、後述するS719に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、S711で判定した先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、先読み判定対象の第1保留記憶情報が大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S713)。
S713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S718)。一方、S713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたときは、S711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「変動種別」の記憶内容をチェックし、スーパーリーチを指定したものであるか否かを判定することにより、先読み判定対象の第1保留記憶情報がスーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであるか否かを判定する(S715)。
S715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S716)。
一方、S715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものでないと判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S717)。
S716、S717、または、S718により先読み演出を実行するか否かが判定された後は、前述の演出用バッファにおいて、今回の先読判定対象の第1保留記憶に対応する「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、先読み演出の「判定有」を特定するデータを記憶させる(S718)。
次に、S716、S717、または、S718により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S720)。S720で、先読み演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、後述するS729に進む。一方、S720で、先読み演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、先読み演出種類決定用のSR3を抽出し、図15(D)の先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出種類を選択決定する(S721)。これにより、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独、保留変化演出単独、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)のうちのいずれかの演出種類に決定される。
次に、S721で決定された先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独であるか否かを確認する(S722)。S722で同色図柄演出単独に決定されているときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、同色図柄演出パターン選択用のSR4を抽出し、図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S723)。次に、S729に進む。
S729では、ROM102に記憶され、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定するために用いることが可能な出現保留色選択テーブルを用いて、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定し、S730に進む。出現保留色選択テーブルは、保留記憶表示の出現時の保留色を、白、青、緑、赤のうちから選択するデータテーブルであり、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての出現保留色選択用のSR14の値に基づいて出現時の保留色がランダムに選択決定される。出現保留色選択テーブルは、新たな保留記憶情報に対応する変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かに応じて、保留色の選択割合が異なる。たとえば、大当り表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白<青<緑<赤」という選択割合の関係が設定されており、はずれ表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白>青>緑>赤」という選択割合の関係が設定されている。
一方、S722で同色図柄演出単独に決定されていないときは、S721で決定された先読み演出の演出種類が、保留変化演出単独であるか否かを確認する(S724)。S724で保留変化演出単独に決定されているときは、S725により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに「保留記憶数指定」の領域のデータに基づいて、新たな保留記憶情報を含む第1保留記憶数を確認する。そして、保留変化演出パターン選択用のSR5を抽出し、図17および図18の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S725)。S725においては、決定した保留変化演出パターンに基づいて、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の出現時の保留色も決定される。次に、S730に進む。
一方、S724で保留変化演出単独に決定されていないときは、S721で決定された先読み演出の演出種類が、消去法的に、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)の演出種類である。その場合には、前述したS723と同様の処理を実行することにより、図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S726)。
次に、前述したS725と同様の処理を実行することにより、図17および図18の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S727)。
次に、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6を抽出し、図19の保留変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、保留変化示唆演出パターンを選択決定し、決定した保留変化示唆演出パターンを特定可能なデータを「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S723)。前述したS725と同様の処理を実行することにより、図17および図18の保留変化示唆演出パターン第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S728)。そして、S730に進む。
S730では、S725,S727,またはS729で決定した出現保留色の保留画像を、新たな保留画像として出現させる表示をし(S730)、処理を終了する。このように出現表示された保留画像は、変動表示が実行される毎に、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられる。
このように先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定することに加えて、先読み演出を実行するか否かの選択決定、先読み演出を実行する決定がされたときの先読み演出の演出態様(演出種類、演出パターン等)、および、先読み演出を実行する決定がされたときの示唆演出の演出態様等の先読み演出に関連する各種演出に関する処理が実行される。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定する処理については、図12のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、実行するようにしてもよい。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図28を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27から音声出力をさせるために、音声出力基板70に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。
図22は、擬似連演出種類選択テーブル、アクティブ変化示唆演出実行有無選択判定テーブル、および、アクティブ変化演出実行有無選択判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおける擬似連の演出種類を選択する抽選に用いるデータテーブルである。
擬似連演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての擬似連演出種類選択用の乱数SR7(0〜100の数値範囲)の合計101個の数値が、変動開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、同色図柄演出と、NEXT図柄演出という複数種類の擬似連演出種類に割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR7の個数が示されている。
図22の擬似連演出種類選択テーブルでは、大当り決定時の擬似連演出種類の選択割合が、「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「同色図柄演出<NEXT図柄演出」という大小関係で設定されている。このような設定により、擬似連演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、擬似連演出種類についての大当り決定時とはずれ決定時との選択割合の関係は、図22(A)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、擬似連演出種類の選択割合は、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよく、変動表示結果に関係なく設定されてもよい。
図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化示唆演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8(0〜104の数値範囲)の合計105個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化示唆演出を実行する決定と、アクティブ変化示唆演出を実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定されている。
これにより、擬似連演出は、アクティブ変化示唆演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時>NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図22(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合の関係は、図22(B)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図22(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9(0〜106の数値範囲)の合計107個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化演出を実行する決定と、実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定されている。
この設定により、擬似連演出は、アクティブ変化演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時<NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図22(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合の関係は、図22(C)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図23は、擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを示す説明図である。同色図柄演出パターン選択テーブルは、図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて擬似連演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する擬似連時同色図柄演出の演出パターンを選択決定する抽選に用いるテーブルである。擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10(0〜101の数値範囲)の合計102個の数値が、先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR10については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR10値の個数が示されている。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴が「同色図柄演出なし」、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」の4種類の履歴に分けられている。「同色図柄演出なし」は、先読み演出時に同色図柄演出が実行されなかった履歴を示す。「青同色演出」は、先読み演出時に青同色演出が実行された履歴を示す。「緑同色演出」は、先読み演出時に緑同色演出が実行された履歴を示す。「赤同色演出」は、先読み演出時に赤同色演出が実行された履歴を示す。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、「赤同色演出」のみが選択される選択割合が設定されている。
このような設定により、擬似連の演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、青,緑,赤のすべての同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、緑,赤の同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、赤の同色演出のみが選択可能に設定されている。
これにより、ある保留記憶情報に基づいて、先読み演出時に同色図柄演出が実行された後に、当該保留記憶情報に基づく擬似連の変動表示時に同色図柄演出が実行されるときには、先読み演出時に実行された同色図柄演出における大当り期待度以上の大当り期待度の同色図柄演出が実行可能となる。したがって、先読み演出から変動表示における擬似連の演出に移行したときに、遊技者の大当りへの期待感が成り下がらないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図23の青同色演出、緑同色演出、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで擬似連演出を実行可能である。先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上できる。
図24は、アクティブ変化演出種類選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化演出を実行することが選択決定されたときに、アクティブ変化演出を実行するときのアクティブ表示の変化演出種類(色変化パターン)を選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11(0〜105の数値範囲)の合計106個の数値が、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、複数種類の変化演出種類に割振られている。SR11については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR11値の個数が示されている。
図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルでは、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における保留演出の実行履歴が「最終保留色白」、「最終保留色青」、および、「最終保留色緑」の3種類の履歴に分けられている。
「最終保留色白」は、先読み演出時に保留変化演出が実行されず変動表示直前の最終的な保留表示が白色であった履歴を示す。「最終保留色青」は、青色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され青色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が青色であった履歴を示す。「最終保留色緑」は、緑色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され緑色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が緑色であった履歴を示す。変動表示直前の最終的な保留表示が赤色であったときは、大当りの期待度が高くなる態様のアクティブ変化演出が不可能であるので、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類には含まれていない。
アクティブ変化演出種類選択テーブルで、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「白→青変化」、「白→緑変化」、および、「白→赤変化」のいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が「白→青変化<白→緑変化<白→赤変化」の大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が「白→青変化>白→緑変化>白→赤変化」の大小関係で設定されている。
図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「青→緑変化」、および、「青→赤変化」のうちいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が、「青→緑変化<青→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青→緑変化>青→赤変化」という大小関係で設定されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色緑」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、アクティブ表示の変化演出種類として「緑→赤変化」のみが選択可能となる選択割合が設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色による大当り遊技状態に制御される期待度が「青色<緑色<赤色」という大小関係となる。したがって、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、アクティブ変化演出パターン選択テーブルについて説明する。アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いて、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときに、アクティブ変化の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
アクティブ変化演出パターン選択テーブルとしては、アクティブ変化演出が実行される擬似連の変動表示における擬似連の変動回数(初回変動+再変動の合計回数)の値別に、複数のテーブルが設けられている。擬似連の変動回数が4回(擬似連4回)であるときに対応して、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が3回(擬似連3回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が2回(擬似連2回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図25は、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図26(A)は、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図26(B)は、第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12(0〜103の数値範囲)の合計104個の数値が、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて決定されたアクティブ表示の変化演出種類の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類のアクティブ変化演出パターンに割振られている。SR12は、割振られた乱数SR12値の個数が示されている。
図25および図26に示すように、アクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示の変化演出種類により、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」という複数種類の変化演出種類に分類されている。そして、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、図25および図26に示すように、複数種類のアクティブ変化演出パターンが選択可能に設けられている。
アクティブ変化演出パターンは、擬似連の演出で、初回変動から各再変動が表実行されるときの何回目かの変動時にアクティブ表示色が変化するような演出パターンである。
図25の第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色と、第3回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図26(A)の第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図26(B)の第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。
一例を挙げると、図25の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」のアクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示が、擬似連の変動表示中において、初回変動時が白、第1回目の再変動時が白、第2回目の再変動時が白であり、第3回目の再変動時に青に変化する演出パターンである。
図25および図26に示す第1,第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれのアクティブ変化演出種類について、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合が、アクティブ変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、アクティブ変化演出の実行タイミングが擬似連の初回変動に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合との関係が、図25および図26に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、アクティブ変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図14、図17〜図18、図24〜図26に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図27は、アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化示唆演出を実行することが決定されたときに、実行するアクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13(0〜97の数値範囲)の合計98個の数値が、複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンに割振られている。SR13については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR13値の個数が示されている。アクティブ変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
アクティブ変化示唆演出として実行されるスロット演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、図14(E)〜(K)に示すようなスロット図柄12として、アクティブ表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、アクティブ表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、アクティブ表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。
アクティブ変化示唆演出として実行される作用演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用するか否かによりアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、アクティブ表示が変化するときは、アクティブ表示に特定キャラクタ画像が作用し、アクティブ表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用しない演出が実行される。アクティブ変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像は、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と同じ画像のキャラクタである。なお、アクティブ変化示唆演出の特定キャラクタ画像としては、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と少なくとも一部が異なるキャラクタ画像を用いてもよい。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでのアクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、アクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
図27のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンの割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
図14(A)〜(D)、図19の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図14(E)〜(I)、図27の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、演出に関する興趣を向上させることができる。
図28は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明する処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S630)。具体的に、S630では、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータとして「指定有」のデータが記憶されているときに、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S630において、先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、後述するS631に進む。
S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ等の先読み演出に関連する演出の設定データに基づいて、同色図柄演出態様または保留変化演出態様のような先読み演出態様、および、保留変化示唆演出態様等の先読み演出に関連する演出態様を、先読み演出に関連する演出として実行する演出態様として設定(データを設定)する(S632)。S632では、同色図柄演出の演出パターンを実行するときには、停止図柄を同色図柄演出の色に応じた同色停止図柄の組合せとするために、停止図柄を、図21のS604等により決定された停止図柄に代えて、前述のような方法で、選択決定された同色演出図柄の組合せを変動表示時の停止図柄として設定する処理も行なう。
S632で先読み演出態様および保留変化示唆の演出態様が設定されることにより、S802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図14(A)〜(D)に示すような先読み演出等が実行されることとなる。
一方、S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、今回の変動表示の開始時に受信した変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認することに基づいて、今回の変動表示が、擬似連の変動パターンであるか否かを確認する(S631)。
S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンではないときは、S647に進む。一方、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであるときは、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認するとともに、擬似連演出種類選択用の乱数SR7を抽出し、図22の図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて、擬似連演出種類を同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかに選択決定し、選択決定された演出種類を特定可能なデータを、RAM103に設けられた擬似連演出種類記憶領域に記憶する(S633)。次に、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色が「赤」以外であるか否かを確認する(S634)。
S634で最終保留色が「赤」以外であるときは、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8を抽出し、図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の実行の有無を判定する(S635)。
次に、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9を抽出し、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の実行の有無を判定し(S636)、S637に進む。また、前述のS634で最終保留色が「赤」であるときは、直接的にS637に進む。
S637では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果により同色図柄演出に決定されたか否かを確認する(S637)。S637により同色図柄演出に決定されたときは、図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行する同色図柄演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102の擬似連同色図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S638)。S638では、同色図柄演出の演出パターンを実行するために、同色図柄演出の色に応じた仮停止図柄の組合せも前述のような方法で決定する。そして、S639に進む。一方、S637により同色図柄演出に決定されていないときは、直接的にS639に進む。
具体的にS638では、RAM102に設けられ、変動表示の実行前における先読み演出時に同色図柄演出が実行されたときに、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が記憶される先読み演出時同色図柄演出パターン履歴記憶領域の記憶データに基づいて、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が、図23の先読み演出時同色図柄演出パターン履歴欄に示されたいずれの履歴に該当するかを確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S638では、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10を抽出し、その抽出値と、確認した先読み演出時同色図柄演出パターン履歴と、確認した変動表示結果とに基づいて、図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連同色図柄演出の演出パターンを選択決定する。
S639では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果によりNEXT図柄演出に決定されたか否かを確認する(S639)。S633によりNEXT図柄演出に決定されたときは、NEXT図柄を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出の演出パターンを、選択決定し、RAM102の擬似連NEXT図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S640)。そして、S641に進む。一方、S639によりNEXT図柄演出に決定されていないときは、直接的にS641に進む。
S641では、S636でのアクティブ変化演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S641)。S641によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたときは、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出種類を、選択決定し、決定した演出種類を特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出種類記憶領域に記憶する(S642)。
具体的にS642では、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色を確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S642では、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11を抽出し、その抽出値と、確認した最終保留色と、確認した変動表示結果とに基づいて、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の演出種類を選択決定する。
次に、S643では、図25および図26の第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、アクティブ変化演出パターンを選択決定し、決定したアクティブ変化演出パターンを特定可能なデータを、RAM102のアクティブ変化演出種パターン記憶領域に記憶し(S643)、S644に進む。一方、S641によりアクティブ変化演出を実行しない決定がされたときは、直接的にS644に進む。
S644では、S635のアクティブ変化示唆演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S644)。S644によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたときは、図27のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出パターン記憶領域に記憶する(S645)。そして、S646に進む。
具体的にS645では、S633で決定され擬似連演出種類記憶領域に記憶されたデータに基づいて擬似連演出種類を確認し、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13を抽出し、その抽出値と、確認した擬似連演出種類とに基づいて、図27のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定する。
S646では、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであると判断されたときにおいて、擬似連の変動表示中に実行可能な、NEXT図柄演出、同色図柄演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出に関する選択決定結果として、S638,S640,S642,S643,S645等で記憶されたデータに基づいて、今回の変動表示における擬似連で実行する演出の演出態様を設定する(S646)。
S646でアクティブ表示の演出態様およびアクティブ変化示唆の演出態様が設定されることにより、S802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図14(E)〜(J)に示すようなアクティブ表示演出等が実行されることとなる。次に、S647においては、前述した先読み演出および擬似連の演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S647)。その後、演出設定処理を終了する。
このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図13に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における所定の演出期間において、同色図柄演出および保留変化演出のような先読み演出と、保留変化演出に付随して実行される保留変化示唆演出とが実行されることとなる。また、このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図13に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S646で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における特定の演出期間において、NEXT図柄演出、および、同色図柄演出のような擬似連演出と、アクティブ変化演出と、アクティブ変化演出に付随して実行されるアクティブ変化示唆演出とが実行されることとなる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例を説明する。
たとえば、擬似連演出としては、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかが実行される場合において、たとえば、擬似連演出として同色図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出として同色図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面中央部に表示する演出制御を行なう。一方、擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面隅部に表示する演出制御を行なう。擬似連演出として、特定のストーリーが展開されるストーリー擬似連演出が実行可能である場合に、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてストーリー擬似連演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面全体に表示する演出制御をする。
このような演出制御を行えば、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
なお、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の終了後のエフェクト画像を異ならせることに限らず、擬似連演出の終了後に表示する背景画像を異ならせる、または、擬似連演出の終了後に表示するキャラクタ画像を異ならせる等、その他の画像を異ならせることにより、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせるようにしてもよい。
また、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たせた画像を表示する例に限らず、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たない画像を表示してもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、変動対応表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるようにした例を説明する。第3実施形態においては、保留変化演出、および、アクティブ変化演出として複数種類の作用演出のうちから選択された作用演出が用いられる。演出制御用CPU101は、保留変化演出と、アクティブ変化演出とで、作用演出の選択割合が異なる。
演出制御用CPU101は、作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。「作用演出」とは、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する際に保留表示やアクティブ表示に何らかの形式で作用するような態様で実行される演出であり、作用演出が実行されることによって保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆することができる。
図29は、作用演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図29(A)は、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図29(B)は、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図29(C)は、通常変動(変動時間12.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。さらに、図29(D)は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。図29に示すように、この実施の形態では、作用演出決定テーブルには、「シフト時変化」や「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」、「リーチ後変化」に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
図29に示すように、作用演出が実行される期間は大きく変動開始時と変動中期と変動後期とに区別され、いずれの期間であるかによって実行可能な作用演出の種類が異なっている。図29に示すように、変動開始時に実行可能な作用演出として「シフト時変化」および「落雷作用演出」があり、変動中期に実行可能な作用演出として「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」があり、変動後期に実行可能な作用演出として「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」および「リーチ後変化」がある(ただし、「リーチ後変化」は、後述するように、アクティブ表示の表示態様を変化する場合にのみ実行可能である)。
「変動開始時」とは、例えば、変動表示を開始してから所定時間(例えば、5秒)経過後)までの期間や、変動表示を開始してから高速変動に移行するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の開始から直後までの期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動中期」とは、変動開始時の期間を終了してから、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前までの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されるまでの期間、リーチが発生するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の中段の期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動後期」とは、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前から変動表示を終了するまでの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されてから変動表示を終了するまでの期間、リーチが発生してから変動表示を終了するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の後段の期間であることまたは終了直前の期間であることを認識できるものであればよい。
また、予告対象の保留表示を宝箱を模した態様で表示する演出パターンを用いる場合には、そのまま予告対象の変動表示において「宝箱開放作用演出」が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化されることから、図42に示す作用演出決定テーブルには含まれていないが、「宝箱開放作用演出」は変動開始時に実行される作用演出に分類される。
「シフト時変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「シフト時変化」は厳密には作用演出には含まれない)。また、「落雷作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示やアクティブ表示に落雷したような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「役物作用演出」とは、可動部材が可動するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出A」とは、メイン演出表示装置9においてキャラクタAが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「保留変化図柄作用演出」とは、演出表示装置9において予告対象の保留表示が変化することを示唆する保留変化図柄を仮停止表示させるような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出B」とは、メイン演出表示装置9においてキャラクタBが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。さらに、「リーチ後変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「リーチ後変化」も厳密には作用演出には含まれない)。
演出制御用CPU101は、始動入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りのいずれであるかを特定し、作用演出決定テーブルを用いて、特定した入賞時判定結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図29(A)に示すように、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであるかスーパーリーチ大当りであるかにかかわらず、100%の確率で変動開始時の「シフト時変化」に決定される。すなわち、超短縮変動の変動表示では変動時間が極めて短く作用演出の演出期間を殆ど確保できないので、保留表示のシフトのタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様を変化させるように制御される。
また、図29(B),(C)に示すように、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルや通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」のいずれかに決定される。図29(B),(C)に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されて保留表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、この実施の形態で示した態様に限らず、例えば、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図29(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図29(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、図29(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図29(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低い。従って、この実施の形態では、変動時間が長くなるに従って、変動表示の後半に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなる。なお、変動時間が長くなるに従って、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなるようにしてもよい。
今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があれば、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドに基づいて、表示結果がはずれであるか大当りであるかを特定し、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、特定した表示結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図29(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、変動後期の「リーチ後変化」のいずれかに決定される。図29(D)に示すように、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動中期の「役物作用演出」や変動後期の「リーチ後変化」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されてアクティブ表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されてアクティブ表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図29(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」に決定される割合の合計がはずれの場合で30%+30%=60%、大当りの場合でも20%+20%=40%と比較的高くなっている。これは、保留等予告演出の予告対象の変動表示ではスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなることから、リーチ発生後やスーパーリーチ演出の実行中に作用演出を実行してしまうと演出が却って煩わしくなる。そのため、予告対象の変動表示に関しては変動開始時に作用演出を実行してアクティブ表示を変化させる割合を高めている。また、変動中期や変動後期にアクティブ表示を変化させる場合であっても、演出表示装置9における演出を伴わない「役物作用演出」や、厳密には作用演出なしでアクティブ表示を変化させる「リーチ後変化」のみを実行可能としている。
この実施の形態では、図29に示すように、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」および変動中期の「役物作用演出」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とアクティブ表示の表示態様を変化させる場合とで共通に実行可能な変化態様がある。また、変動中期の「キャラクタ作用演出A」および変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様がある。また、変動後期の「リーチ後変化」のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様もある。
また、この実施の形態では、図29(A)〜(C)に示す保留表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブル、および図29(D)に示すアクティブ表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果や表示結果に応じて判定値の割振りを異ならせる場合を示したが、その態様に限られない。例えば、保留等予告演出を通して保留表示やアクティブ表示が何段階に亘って変化したかによって異なる判定値の割振りにより作用演出を決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、作用演出が実行されれば必ず保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する場合を示したが、そのような態様に限らず、作用演出が実行されても保留表示やアクティブ表示が変化しない場合(いわゆるガセの作用演出を実行する場合)があるように構成してもよい。
また、上記のように、いわゆるガセの作用演出を実行可能に構成する場合、作用演出の種類によって保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が異なる(言い換えれば、ガセの作用演出である割合が異なる)ように構成してもよい。この場合、例えば、役物作用演出が実行される場合には、キャラクタ作用演出Aが実行される場合よりも、保留表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、キャラクタ作用演出Aの方が役物作用演出よりもガセの作用演出の割合が高い)ようにしてもよい。また、例えば、変動後期の作用演出が実行される場合の方が、変動開始時や変動中期の作用演出が実行される場合と比較して、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、変動後期の作用演出の方がガセの作用演出の割合が低い)ように構成してもよい。
次に、図29に示した作用演出の実行タイミングについて説明する。図30および図31は、図29に示した作用演出の実行タイミングを説明するための説明図である。図30は、予告対象の変動表示よりも前の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。図31は、予告対象の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。
図30に示すように、予告対象の変動表示よりも前の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」または「キャラクタ作用演出B」を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化可能である。図30に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。また、「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。また、「キャラクタ作用演出A」の場合には、変動中期の期間にキャラクタ作用演出Aが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。この実施の形態では、図30に示すように、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であっても、「役物作用演出」の方が「キャラクタ作用演出A」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、この実施の形態で示した態様に限らず、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「役物作用演出」と「キャラクタ作用演出A」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよいし、演出期間が一部共通するように構成してもよい。
「保留変化図柄作用演出」の場合には、変動後期の期間に保留変化図柄作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。「キャラクタ作用演出B」の場合には、変動後期の期間にキャラクタ作用演出Bが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。図30に示すように、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であっても、「キャラクタ作用演出B」の方が「保留変化図柄作用演出」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「保留変化図柄作用演出」と「キャラクタ作用演出B」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよく、演出期間が一部共通するようにしてもよい。
図31に示すように、予告対象の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「宝箱開放作用演出」、「役物作用演出」、または「リーチ後変化」を実行して、アクティブ表示の表示態様を変化可能である。図31に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちにアクティブ表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。「宝箱開放作用演出」の場合には、変動開始時の期間に宝箱作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。図31に示すように、「宝箱開放作用演出」の演出期間は、「落雷作用演出」の演出期間に包含される。なお、同じ変動開始時の期間に実行される作用演出であれば、「落雷作用演出」と「宝箱開放作用演出」とで演出期間や演出タイミングが異なっていてもよいし、逆に全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよい。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。また、「リーチ後変化」の場合には、変動後期の期間において、厳密には作用演出を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様が変化する。
以上に説明したように、複数種類の変動表示時間(非リーチの変動時間として、通常変動の変動時間12.5秒と、短縮変動の変動時間8.0秒と、超短縮変動の変動時間2.0秒とがある)のうちのいずれかの変動表示時間に亘って変動表示を実行する。また、入賞時判定の判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を変化させる変化演出(作用演出)を実行可能である。そして、複数種類の変動表示時間のうちの短い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときと、複数種類の変動表示時間のうちの長い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときとで、変化演出(作用演出)を実行可能なタイミングの数が異なる(図29(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能であり、図29(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に加えて変動中期や変動後期の作用演出を実行可能である)。そのため、変動表示時間に応じて変化演出(作用演出)が実行されるタイミングが変化するので、変化演出(作用演出)の演出効果を向上させることができる。
以上に説明した第3実施形態では、演出制御用CPU101は、図29(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図29(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、第3実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図22(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(2) 図22(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(3) 図22(A)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、大当り遊技状態に制御される割合が異なることにより、擬似連演出の演出種類に基づいて、これらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図27のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンが実行される割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
(5) 図14(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図14(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図23の青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで、擬似連演出を実行可能である。これにより、先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(7) 図14(A)〜(D)、図19の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図14(E)〜(I)、図27の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(8) 図14、図17〜図18、図24〜図26に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
(9) 第2実施形態に示したように、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
(10) 第3実施形態に示したように、図29(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図29(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、第3実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出表示装置として、2つの演出表示装置を用いる例を示したが、これに限らず、1つの演出表示装置を用いてもよい。
(2) 変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出である擬似連演出としては、同色図柄演出と、NEXT図柄演出と代表例として示し、ストーリー擬似連演出を追加的に示した。しかし、これに限らず、特別演出である擬似連演出としては、擬似連チャンス目と呼ばれる予め定められた擬似連図柄の組合せを仮停止する擬似連演出、および、「継続」または「LOOP」等の擬似連の継続を示唆する文字等の所定の画像を、数字図柄に加えて、または、数字図柄とは別に表示することにより仮停止表示する擬似連演出等のその他の擬似連演出を用いてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なる例として、複数種類の擬似連演出のすべての演出について、アクティブ変化示唆演出が実行可能な例を示したが、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されない(アクティブ変化示唆演出の選択割合が0%)種類の擬似連演出が、複数種類の擬似連演出中に含まれてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、始動入賞に基づく新たな保留記憶情報が発生した時点で、先読み演出での保留変化演出パターンと、アクティブ変化演出パターンとの両方を先に選択して、記憶データとして記憶しておき、その記憶データに基づいて、アクティブ表示がされたときのアクティブ変化演出を実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、図23に示すように、同色図柄演出を実行するときに、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が変化し得る例を示した。しかし、これに限らず、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が必ず維持されることにより、先読み演出時と擬似連演出時とで、同じ演出態様の同色図柄演出が実行されるようにしてもよい。
(6) 図19および図27に示すように、保留変化示唆演出とアクティブ変化示唆演出とで、演出の選択により、継続して同じ演出が実行される場合と、異なる演出が実行される場合とが生じ得るが、保留変化示唆演出が実行されたときは、保留変化示唆演出の演出と同じ演出がアクティブ変化示唆演出でも必ずされてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、図15(D)および図20に示すように、保留変化示唆演出が実行されるときには、必ず保留変化演出が実行される例を示した。しかし、これに限らず、保留変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合で保留変化演出が実行さないようにしてもよい。逆に、前述した実施の形態では、図22(B),(C)および図28に示すように、アクティブ変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合でアクティブ変化演出が実行されない例を示した。しかし、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されるときには、必ずアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、先読み演出として同色図柄演出を実行する場合において、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、その決定時点で存在しているすべての保留記憶情報に基づく変動表示の回数分の同色図柄演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、合計4個の保留記憶情報が存在しているときに、先読みターゲットの保留記憶情報の変動表示結果の先読みに基づいて、大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、先読み演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、同様に、擬似連演出での同色図柄演出の実行回数についても、同様に、変動表示が大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、擬似連演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、このような先読み演出での同色図柄演出が実行される回数の制御と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数の制御とを組合せることにより、先読み演出での同色図柄演出が実行される回数と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数との合計数の多少により、大当りとなる期待度が異なるようにする演出制御(たとえば、大当りとなる期待度が高い程、合計回数が多くなる割合が高い等)を実行してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれにおいて、変化回数が1回のみの例を示したが、これに限らず、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれについて、変化回数が1回または複数回(たとえば、白→青→緑というように複数段階で変化する等)から選択されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されたときに大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(11) 前述した実施の形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じ、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御をしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(13) 前述した実施の形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類を異ならせてもよい。また、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類の選択割合を異ならせてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとのそれぞれについて、特定の先読み演出と重複して実行されたときの方が、重複して実行されないときと比べて、保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、NEXT図柄演出について、先読み演出として実行されない例を示したが、これに限らず、NEXT図柄演出は、先読み演出として、変動表示が実行されるごとにNEXT図柄が所定タイミングで表示されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態において、図19および図27に示す保留変化示唆演出パターンは、「変化」の図柄が停止したときに、保留表示またはアクティブ表示が変化する演出が実行されるが、その「変化」の図柄の文字色を青、緑、赤等の複数種類設け、停止した「変化」の図柄の文字色により、保留表示またはアクティブ表示の色の変化段階数を異ならせてもよい。たとえば、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が青色であると、「白→青」というように1段階変化し、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が緑色であると、「白→緑」というように2段階変化するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度について、擬似連2回、擬似連3回、擬似連4回というような擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、アクティブ表示の態様の変化が成功するか否かを問わず、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度、および、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出の全般について、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示が変化する演出の成功割合(変化示唆演出が実行されたときの変化成功割合)について、擬似連の種類によって、成功割合が異なるようにしてもよく、成功割合が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、擬似連の種類によって、演出態様が異なるようにしてもよく、演出態様が同じとなるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、保留記憶数が2以上ないときに先読み演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、先読み演出を実行するようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、遊技者にとって有利な有利状態は、高確率状態(確変状態)、時短状態、および高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。