JP2018064215A - 信号処理装置、信号処理方法、およびプログラム - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】音を適切に取得できるように収音対象エリアを分割する。
【解決手段】収音装置の収音対象エリアにおける音響信号を処理する信号処理装置は、該収音装置と該収音対象エリアとの位置関係に基づいて、該収音対象エリアを分割する最小サイズを決定し、該最小サイズ以上の分割サイズで、該収音対象エリアを分割する分割手段と、該分割された分割エリアそれぞれにおいて該収音装置により収音された音響信号を処理する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、収音対象エリアをエリア分割する信号処理システムに関する。
収音対象エリアを複数の分割エリアに分割し、マイクアレイを利用して各分割エリアの音を取得し、当該音を用いて収音対象エリアにいるかのような音場を再現する技術が、近年注目されている。特許文献1には、マイクアレイを利用して各分割エリアの音を取得して、頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function(HRTF))を適用して再生することで、音場を再現する技術が開示されている。
特開2016−25469号公報
音場再現において、仮想的な聴取位置・姿勢を様々に設定することを考えると、平均的に良好な再生を実現するためには、収音対象エリアを縦横比が1に近い分割エリアに略均等に分割することが望ましい。また同時に、音場再現における空間的な分解能を考えると、マイクアレイで適切に音を取得可能な範囲内で、各分割エリアはなるべく小さい方が望ましい。しかしながら、従来において、音を適切に取得できるように収音対象エリアを分割する技術については提案されていなかった。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、音を適切に取得できるように収音対象エリアを分割することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の情報処理装置は以下の構成を有する。すなわち、収音装置の収音対象エリアにおける音響信号を処理する信号処理装置であって、前記収音装置と前記収音対象エリアとの位置関係に基づいて、前記収音対象エリアを分割する最小サイズを決定する決定手段と、前記最小サイズ以上の分割サイズで、前記収音対象エリアを分割する分割手段と、前記分割手段により分割された分割エリアそれぞれにおいて前記収音装置により収音された音響信号を処理する処理手段と、を有する。
以上の構成から成る本発明によれば、音を適切に取得できるように収音対象エリアを分割することが可能となる。
実施形態における信号処理システムの概略図。 実施形態において実行される処理のフローチャート。 実施形態におけるエリア分割を説明するための図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
図1は、実施形態における信号処理システム10を概略的に示す図である。信号処理システム10は、信号処理装置100、収音装置110、およびV個の撮影装置120−1〜120−Vを備える。信号処理装置100については後述する。収音装置110は、M個のマイク素子を備えたマイクアレイで構成される。収音装置110は、収音のためのI/F(増幅やAD変換を行うインタフェース)を備え、収音している音響信号を信号処理装置100の記憶部101に逐次記録する。撮影装置120−1〜120−Vのそれぞれは、カメラで構成され、撮影のためのI/Fを備え、撮影により取得している映像(画像)信号を信号処理装置100の記憶部101に逐次記録する。なお、収音装置110は、撮影装置120−1〜120−Vの少なくとも一つと位置・姿勢関係が明らかなように配置されているものとする。
信号処理装置100は、記憶部101、解析処理部102、幾何処理部103、分割処理部104、表示部105、表示処理部106、操作検出部107、および再生部108を備える。
記憶部101は、各種データを記憶する。解析処理部102は、収音装置110により収音された音響信号や、撮影装置120−1〜120−Vにより取得された映像(画像)信号に対する解析処理を行う。例えば、解析処理部102は、収音装置110が収音している音響信号に対し、指向性形成のフィルタ係数を選択して掛け合わせることで、収音装置110の指向性を形成する。また、解析処理部102は、記憶部101に記録されている情報に基づいて、収音装置110に対する制御も行う。幾何処理部103は、座標変換等の幾何処理を行う。分割処理部104は、収音対象エリアのエリア分割に関する処理を行う。表示部105は、典型的にはディスプレイであり、各種表示を行う。本実施形態では、表示部105は、タッチパネルで構成されるものとする。表示処理部106は、収音対象エリアのエリア分割に関する画像を生成し、表示部105に表示する。操作検出部107は、タッチパネルで構成される表示部105へのユーザ操作入力を検出する。再生部108は、本実施形態ではヘッドホンで構成され、再生のためのI/F(DA変換や増幅を行うインタフェース)を備え、生成された再生信号をヘッドホンから再生する。
以下、本実施形態の処理について、図2と図3を参照して説明する。図2は、信号処理システム10において実施される処理のフローチャートである。また、図3(a)および図3(b)は、本実施形態におけるエリア分割を説明するための図である。
本実施形態における収音対象エリアは、図3(a)および図3(b)に示される収音対象エリア301とする。収音対象エリア301は、例えば、スタジアムのグランドのエリアである。収音装置110は、収音対象エリア301の上方(以下に説明するグローバル座標系におけるz軸方向)に設置されるものとする。
S201では、幾何処理部103と解析処理部102が連携して、収音装置110の位置・姿勢を導出する。具体的には、収音装置110の位置・姿勢は、カメラキャリブレーションと呼ばれる公知の手法を利用して導出される。例えば、まず、撮影装置120−1〜120−Vそれぞれが、収音対象エリア301に広く配置されたキャリブレーション用のマーカを撮影することにより画像信号を取得し、信号処理装置100の記憶部101へ記録する。解析処理部102は、記憶部101から画像信号を抽出して解析処理を行い、キャリブレーション用のマーカを検出する。続いて、幾何処理部103が、解析処理部102により検出されたマーカの座標位置を導出し、当該座標位置から、撮影装置120−1〜120−Vそれぞれの位置・姿勢を導出する。上述のように、本実施形態では、収音装置110は、撮影装置120−1〜120−Vの少なくとも一つと位置・姿勢関係が明らかである。したがって、撮影装置120−1〜120−Vそれぞれの位置・姿勢が分かれば、収音装置110の位置・姿勢が導出できる。
ここで、位置・姿勢は、グローバル座標系で記述されるものとする。典型的には、例えば、図3(a)のように、収音対象エリア301の中心にグローバル座標系の原点を取り、収音対象エリア301の各辺と平行になるようにx軸およびy軸を取って、それらの軸と垂直に鉛直上方向にz軸を取る。
なお、収音装置110がGPS(Global Positioning System)や姿勢センサを備えることで、収音装置110の位置・姿勢を取得するようにしてもよい。また、収音対象エリア301にキャリブレーション用の音源が配置される場合、A個の収音装置110−1〜110−A(不図示)を用いて収音した音響信号から、各収音装置の位置・姿勢を算出するようにしてもよい(特許文献2を参照)。
また、S201では、信号処理装置100は、グローバル座標系における収音対象エリア301の四隅の位置を取得する。例えば、収音対象エリア301の四隅にキャリブレーション用のマーカが配置される場合、上述のカメラキャリブレーションの手法で、撮影装置120−1〜120−V、解析処理部102、幾何処理部103により当該四隅の位置が取得可能である。また、上述のような音源、GPSが収音対象エリア301の四隅に配置される場合にも、信号処理システム10内で当該四隅の位置が取得可能である。収音対象エリア301の四隅の位置が取得されると、収音対象エリア301は、z=0でx座標およびy座標の範囲が限定された平面として記述される。
S202では、操作検出部107がユーザ操作入力を検出することで、現在の時間ブロック(所定の時間長を有する)における仮想聴取位置・姿勢(方向)を取得する。当該仮想聴取位置・姿勢(方向)は、後のステップ(S211)で各分割エリアの音を再生するために必要となる。
図3(a)において、頭部を模式的(仮想的に)に表す円311の中心が仮想聴取位置を、鼻を模式的に表す二等辺三角形312の頂点が仮想聴取方向を表している。ここでは、分かり易さのため矢印313も付与しており、矢印313の始点が仮想聴取位置、矢印313の方向が仮想聴取方向に対応する。表示処理部106は、図3(a)のような画像を生成して表示部105に表示している。操作検出部107は、表示部105における円311の移動や二等辺三角形312の回転といったユーザ操作入力(ドラッグ等)を検出することで、現時間ブロックの仮想聴取位置・姿勢を取得する。
S203では、解析処理部102が、M個のマイク素子(Mチャンネルマイクアレイ)で収音している現時間ブロックのMチャンネル音響信号を取得する。解析処理部102は、音響信号をチャンネルごとにフーリエ変換することで、周波数領域のデータ(フーリエ係数)であるz(f)を得る。ここで、fは周波数のインデックス、z(f)はM個の要素を持つベクトルである。
S204〜S211は、周波数ごとの処理であり、周波数ループの中で行う。S204では、分割処理部104は、収音対象エリア301内にサーチ点を設定する。例えば、分割処理部104は、収音対象エリア301全体を概ねカバーするよう、格子点上に略等間隔で配置する。ここで、格子点とは、x座標とy座標で表される所定の区切り点を指すものとする。
S205〜S206は、S205で設定したサーチ点ごとの処理であり、サーチ点ループの中で行う。S205では、解析処理部102は、現在のサーチ点ループで対象としているサーチ点の方向(指向方向)に、収音装置110から投影する指向性のメインローブを形成可能なフィルタ係数の中で、最も指向性が鋭いものを取得する。ここで、指向性形成のフィルタ係数は、記憶部101があらかじめ保持しているものとする。形成可能な最も鋭い指向性のフィルタ係数は、フィルタ設計における指向性の目標ビームパターンを、例えば指向方向のみ値を持つようにすることで設定可能である。
なお、一般に指向性形成のフィルタ係数は、収音装置のマイクアレイ座標系で球面座標表現(半径r、方位角θ、仰角φ)した指向方向(θ、φ)と対応付けられている。このため前処理として、幾何処理部103は、S201で導出した収音装置110の位置・姿勢を用いて、グローバル座標系で記述したサーチ点位置をマイクアレイ座標系に座標変換し、さらに直交座標表現(x、y、z)から球面座標表現(r、θ、φ)に変換する。
S206では、解析処理部102は、S205でフィルタ係数を取得した指向性のビームパターン(収音装置110から投影される指向性の円錐型のモデル)を算出する。そして、幾何処理部103が、このビームパターンによる収音範囲(指向性の円錐型モデルの収音対象エリア301における投影断面)を導出する。
まず、解析処理部102は、S205で取得したフィルタ係数に、記憶部101に保持されるアレイ・マニフォールド・ベクトルを掛け合わせることで、指向性のビームパターンを算出する。アレイ・マニフォールド・ベクトルは、各方向の音源とマイクアレイの各マイク素子間の伝達関数である。ここで、ビームパターンの指向方向からの減衰量が、所定値(例えば3dB)となる方向で形成する曲面を考える。本実施形態では、当該曲面を指向性曲面と呼び、指向性曲面内の音が取得され、指向性曲面外の音が抑制されると想定する。
続いて、幾何処理部103は、S201で導出された収音装置110の姿勢・位置を用いて、指向性曲面を回転および並進させることで、グローバル座標系における指向性曲面を得る。そこで、解析処理部102は、グローバル座標系で表現した指向性曲面の、収音対象エリア301(平面)による断面を算出する。本実施形態では、当該断面を収音範囲とし、収音範囲内の音が取得され、収音範囲外の音が抑制されると想定する。また、解析処理部102は、収音範囲の面積も同時に算出する。最も鋭い指向性のフィルタ係数を用いたときの収音範囲が、形成可能な最も狭い(面積の小さい)収音範囲である。なお、上述のような立体図形の断面を求める処理は、公知の3DCAD等で実現されている。
本実施形態では、図3(a)に示すように、サーチ点341〜343それぞれに対して、収音範囲321〜323が導出される。収音装置110は、上述のように収音対象エリア301の上方に設定される。収音装置110が収音対象エリア301を上方から収音し、サーチ点341〜343それぞれに向かう各指向性の指向方向が収音対象エリア301に対して仰角を有し、結果として収音範囲321〜323が導出される。
S207では、分割処理部104は、S206で導出した、各サーチ点で形成可能な最も狭い収音範囲のうち面積が最大の収音範囲から、収音対象エリア301の分割エリアの最小サイズを決定する。
指向性を鋭くする、すなわち収音範囲を狭くすることには限界がある。そのため、形成可能な最も狭い収音範囲より小さいサイズで収音対象エリア301をエリア分割しても、各分割エリアに対する収音範囲の重複が過多となるため、適切な再生ができなくなる。また、任意の仮想聴取位置・姿勢に対し平均的に良好な再生を実現するため、収音対象エリア301を略均等にエリア分割することを考えると、上述のように全サーチ点で面積が最大となった収音範囲を分割エリアの基準とすることが好適と考えられる。指向性を緩くする、すなわち収音範囲を広くすることは一般に可能であるため、上述のように分割エリアの最小サイズを定めれば、それに合わせることで各分割エリアに対する収音範囲が適切となることが期待される。
図3(a)の例では、収音範囲321〜323のうち面積最大のものは収音範囲321である。そこで、分割処理部104は、収音範囲321から、収音対象エリア301の分割エリアの最小サイズを決定する。本実施形態では、一例として、分割処理部104は、収音範囲321と少なくとも2点で内接し、各辺が収音対象エリア301の各辺(x軸、y軸)と平行な長方形のうち、面積が最大となる矩形(四角形)を、最小サイズ302と決定する。ここで、長方形の面積を最大化したのは、収音範囲との差分を小さくするためである。また、収音範囲321に内接としたのは、特に隣接する分割エリアの境界付近で収音範囲の重なりを適度に持たせ、再生において分割エリア境界付近の音も適切に再現するためである。なお、S206で収音範囲を導出する際の、ビームパターンの所定減衰量の値(例えば3dBでなく1dB)によっては、例えば内接でなく外接としてもよい。
なお、収音対象エリア301境界付近のサーチ点に対応する収音範囲のうち、所定の条件を満たすものを、分割処理部104は、分割エリアの最小サイズを決定するための候補から除くようにしてもよい。例えば、分割処理部104は、収音対象エリア301より外となる面積が所定比率(例えば2割)を超えた収音範囲を、分割エリアの最小サイズを決定するための候補から除くことができる。
なお、上記の説明では、マイクアレイのマイク素子の配置によって、形成可能な指向性の鋭さが指向方向ごとに異なる可能性があるため、分割処理部104は、収音対象エリア301全体にサーチ点を設けた。ただし、指向方向が近ければ形成可能な指向性の鋭さも大きくは変わらないと考えられる。したがって、分割処理部104は、最初は収音対象エリア301にサーチ点を粗く設け、収音範囲の面積が最大となったサーチ点付近をさらに細かくサーチするといった、階層的なサーチを行ってもよい。
なお、収音装置110が、例えばマイク素子が全方位に等方的に配置された球形マイクアレイで構成され、指向性が等方的に生成できる場合は、一般に収音装置110からの距離が大きくなるほど収音範囲も広くなる。このような場合は、分割処理部104は、収音対象エリア301において、収音装置110からの距離が最大となる点付近にのみ、サーチ点を設けてもよい。
なお、収音対象エリア301と収音装置110のとの位置関係によって各サーチ点における収音範囲は変化するため、それに応じて分割エリアの最小サイズも変わり得る。また、収音対象エリア301が変わることにより(例えば収音対象エリア301とする範囲のみ変わる場合であっても)、分割エリアの最小サイズは変わり得る。このことを考慮すると、S201で収音装置110の位置・姿勢を導出し、収音対象エリア301と収音装置110の位置関係を把握しておくことは大切であることがわかる。
S208では、分割処理部104は、収音対象エリア301をS207で決定した最小サイズ以上の分割サイズで収音対象エリア301を分割し、分割エリアを生成する。
具体的にはまず、分割処理部104は、収音対象エリア301の縦(x方向)および横(y方向)の長さを、S207で決定された最小サイズの縦および横の長さでそれぞれ割り、得られた値のそれぞれの小数点以下を切り捨てる。分割処理部104は、当該切り捨てにより得られた、縦および横それぞれに対応する数を、収音対象エリア301の縦および横の最大分割数と設定する。ここで切り捨て処理を行ったのは、切り上げた数で収音対象エリア301を縦横にエリア分割すると、分割エリアの縦横の長さが最小サイズの縦横の長さより小さくなってしまうためである。
そして、分割処理部104は、当該設定した最大分割数で、収音対象エリア301を縦横に分割して分割エリアの縦横比を求める。縦横比が所定値(例えば1.2)を超えていれば、分割処理部104は、縦横比が所定値以下となるまで縦または横の分割数を減らして行く(言い換えれば分割サイズを大きくして行く)。分割処理部104は、縦横比が所定値(例えば1.2)以下になった際に使用した分割数を、最終的な分割数に決定する。ここで、分割サイズの縦横比に上限を設けたのは、様々な仮想聴取位置・姿勢で平均的に良好な再生を実現するためには、収音対象エリア301を縦横比が1に近い分割サイズで略均等に分割することが望ましいからである。なお、分割サイズの縦横比が所定値以下となる縦横の分割数の組み合わせが存在しない場合は、分割処理部104は、縦横比の上限を緩和(大きく)してもよい。
図3(a)の例では、分割処理部104は、S207で決定された最小サイズ302をもとに、収音対象エリア301の縦の分割数を3、横の分割数を5と決定する。そして、分割処理部104は、収音対象エリア301を、分割エリア303(分割エリア303のサイズ(分割サイズ)は、最小サイズ302より大きい)と同じサイズの3×5=15の分割エリアに分割する。
このような処理により、縦横比が1に近く、また適切に音を取得でき、かつ、なるべく小さい分割エリアに、収音対象エリアを略均等に分割することができる。
S209〜S211は、S208で決定した分割エリアごとの処理であり、分割エリアループの中で行う。S209では、解析処理部102が、現在の分割エリアループで対象としている分割エリアの音を適切に取得するための指向性のフィルタ係数w(f)を記憶部101から取得する。ここで、d(=1〜D)は分割エリアのインデックス、Dは分割エリアの総数である。フィルタ係数(ベクトル)w(f)は周波数領域のデータ(フーリエ係数)であり、M個の要素で構成される。
例えば、図3(a)の収音範囲322〜323のように、最も鋭い指向性を用いると対象とする分割エリアの一部分の音しか取得できない場合があるため、重要な音を逃してしまう可能性がある。そこで、解析処理部102は、分割エリアの音(分割エリア音)を適切に取得するために、S207における分割エリアの最小サイズ決定法と同様に考えて、指向性のフィルタ係数を取得する。すなわち、解析処理部102は、分割エリアと少なくとも2点で外接した上で、面積が最小となるような収音範囲を形成する指向性のフィルタ係数を取得する。これにより、各分割エリアに対する指向方向および指向幅が適切に設定される。なお、S206で収音範囲を導出する際の、ビームパターンの所定減衰量の値(例えば3dBでなく1dB)によっては、例えば外接でなく内接としてもよい。
解析処理部102は、対象としている分割エリア内で、指向性の鋭さを例えば最も鋭いものから徐々に緩めて収音範囲を確認して行くことで、分割エリアの音を適切に取得するための指向性を決定することができる。なお、収音装置110が指向性を等方的に生成できる場合、同じ鋭さの指向性では一般に収音装置110からの距離が近いほど収音範囲は狭くなるため、解析処理部102は、収音装置110からの距離が近い分割エリアほど指向性を緩めることになる。
S210では、解析処理部102は、S203で取得した現時間ブロックのMチャンネル音響信号のフーリエ係数z(f)に、S209で取得した指向性形成のフィルタ係数wd(f)を適用する。これにより、解析処理部102は、現在の分割エリアループに対応する分割エリア音Yd(f)を式(1)のように生成する。ここで、Yd(f)は周波数領域のデータ(フーリエ係数)である。
Figure 2018064215
なお、幾何処理部103が分割エリアの例えば中心と収音装置110との間の距離Sdを算出し、解析処理部102がYd(f)にS掛けることで、分割エリアごとに異なる距離減衰を補償するようにしてもよい。また、解析処理部102が、基準距離(例えばS[d=1〜D]の最大値とする)とSの距離差に対応する位相成分をYd(f)に掛けることで、分割エリアごとの距離遅延差を吸収するようにしてもよい。
S211では、幾何処理部103は、グローバル座標系で記述された分割エリアの代表位置(例えば中心)を、S202で取得した仮想聴取位置・姿勢で規定される仮想頭部座標系に座標変換する。幾何処理部103はさらに、当該代表位置を、直交座標表現から球面座標表現に変換する。これは、本ステップで使用するHRTFが、一般に頭部座標系で球面座標表現した方向と対応付けられているためである。
そして、解析処理部102は、S210で取得した分割エリア音のフーリエ係数Yd(f)に、分割エリアの方向(θd、φd)に対応する左右耳のHRTF[H(f、θ、φ)、H(f、θ、φ)]を適用(乗算)する。さらに、解析処理部102は、式(2)のように、左右それぞれのヘッドホン再生信号X(f)、X(f)に、当該乗算値を加算して行く。ここで、X(f)、X(f)は、周波数領域のデータ(フーリエ係数)である。なお、HRTFは記憶部101があらかじめ保持しているものを取得して用いればよい。
Figure 2018064215
なお、幾何処理部103が分割エリアの例えば中心と仮想聴取位置との間の距離Tを算出し、解析処理部102がYd(f)をTで割ることにより、仮想聴取位置に対する分割エリア音ごとの距離減衰を表現することができる。また、解析処理部102が、Tに対応する位相成分をYd(f)に掛けることにより、仮想聴取位置に対する分割エリア音ごとの距離遅延差を表現するようにしてもよい。
このように、分割エリアループの中で本ステップの処理を行うことで、各分割エリア音を再生する仮想スピーカをユーザの周囲に順次配置して行くような効果が得られる。
S212では、解析処理部102は、S211で生成したヘッドホン再生信号のフーリエ係数X(f),X(f)をそれぞれ逆フーリエ変換する。これにより、解析処理部102は、時間波形である現時間ブロックのヘッドホン再生信号x(t),x(t)を生成する。解析処理部102は、窓掛け処理を施すことにより、前時間ブロックまでのヘッドホン再生信号にオーバーラップ加算していき、得られるヘッドホン再生信号を記憶部101へ逐次記録する。
S213では、再生部108が、S212で生成されたヘッドホン再生信号x(t),x(t)にDA変換および増幅を施し、ヘッドホンから再生する。
このように、以上に説明した本実施形態によれば、収音対象エリア301を適切に音が取得可能な分割エリアに略均等に分割することができる。なお、本実施形態において記憶部101が保持しているとした各種データは、不図示のデータ入出力部を介して外部から入力するようにしてもよい。
[変形例]
上記実施形態の周波数ループにおいて、エリア分割に対するS204〜S208の処理は、代表周波数(例えば1kHz)についてのみ行ってもよい。例えば、代表周波数は、音響信号で卓越している帯域の中心周波数などとしてもよい。
しかし、一般に周波数が低いほど形成可能な指向性が緩くなるといった周波数依存性を考慮して、上記エリア分割に対する処理を周波数ごとに行ってもよい。このとき、図3(a)のようなエリア分割となった周波数より低い周波数では、収音対象エリアの同じ点に対応する収音範囲がより広くなるため、例えば図3(a)より縦横の分割数が少なく、分割エリアが広くなった図3(b)のようなエリア分割となる。すなわち、周波数に応じてエリア分割を制御することになり、分割エリアの数も周波数に依存する(関数D(f)となる)。この場合、例えばS211では、仮想スピーカの数も周波数ごとに制御することができる。なお、S204において、周波数が低いほどサーチ点を粗く設けるようにしてもよい。
なお、例えばS201およびS204〜S209は、あらかじめ処理して結果を記憶部101に保持しておいてもよい。そして、S202の仮想聴取位置・姿勢の取得および、S203の音響信号の取得に合わせて、例えば時間ブロックごとにS210〜S213の信号生成・再生処理のみリアルタイムに行うようにしてもよい。
なお、分割エリアの数Dが多いほど信号生成の処理量は増えるため、Dの値によってはリアルタイム処理が間に合わなくなる可能性がある。このような場合、信号処理システム10の許容処理量に応じて分割エリアの上限数Dmaxを設定し、S208においてD≦Dmaxとなるようエリア分割を行うようにしてもよい。これにより、例えば処理量に余裕がある場合は図3(a)のようにエリア分割し、処理量に制限がある場合は図3(b)のようにエリア分割することで、空間的な分解能を落としてリアルタイム性を担保することができる。このとき、図3(a)や図3(b)のようなエリア分割のパターンごとに、S209の各分割エリアに対する指向性のフィルタ係数はあらかじめ決定しておき、その結果を記憶部101に保持しておいてもよい。
なお、表示処理部106が図3(a)のマーク331〜332や矢印333などを表示部105に表示し、操作検出部107が検出する表示部105へのユーザ操作入力に応じて、分割処理部104がエリア分割を制御するようにしてもよい。
例えば、ユーザがマーク331〜332の上向き/下向き三角形をタッチしたり、テキストボックスに直接数値入力したりすることで、縦または横の分割数を調整できるようにしてもよい。このとき、縦(横)の分割数を変更すれば、分割サイズの縦横比が所定値以下となるよう横(縦)の分割数が自動的に変更される。例えば、図3(a)においてマーク331の下向き三角形をタッチすれば、図3(b)のようにエリア分割が自動的に変更される。なお、縦横比を所定値以下にできない分割数は自動的にスキップしたり、(分割サイズが最小サイズより小さくなる等)分割数が限界を超える方向の三角形は非アクティブ状態にしたりするのが好適である。
また、ユーザが例えば矢印333のような双方向矢印をドラッグすることで、分割サイズを直接的に調整できるようにしてもよい。調整により、分割サイズの縦横比が所定値以下となるよう縦横の分割数が自動的に変更される。なお、縦横の分割数の可能な組み合わせは限られるため、分割サイズは連続的ではなく離散的に変化する。
なお、上記実施形態において、分割サイズは縦横比が所定値以下の長方形(理想的には正方形)としたが、収音対象エリアをあまり隙間なくカバーすることができれば、例えば円形など任意の形状としてもよい。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10 信号処理システム、100 信号処理装置、110 収音装置、120−1〜120−V 撮影装置

Claims (15)

  1. 収音装置の収音対象エリアにおける音響信号を処理する信号処理装置であって、
    前記収音装置と前記収音対象エリアとの位置関係に基づいて、前記収音対象エリアを分割する最小サイズを決定する決定手段と、
    前記最小サイズ以上の分割サイズで、前記収音対象エリアを分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された分割エリアそれぞれにおいて前記収音装置により収音された音響信号を処理する処理手段と、
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記位置関係として、前記収音対象エリアに設定された1つ以上の点に対する、前記収音装置から所定の指向性での投影による前記収音対象エリアにおける投影断面の面積に基づいて、前記最小サイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記決定手段は、前記1つ以上の点のうち前記収音装置から距離が最大の点に対する、前記収音装置から所定の指向性での投影による前記収音対象エリアにおける投影断面の面積に基づいて、前記最小サイズを決定することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記投影断面は、前記収音装置から投影される指向性の円錐型のモデルの前記収音対象エリアにおける断面であることを特徴とする請求項2または3に記載の信号処理装置。
  5. 前記所定の指向性は、前記収音装置が有する指向性のフィルタ係数のうち最も鋭い指向性に基づくことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  6. 前記決定手段は、前記1つ以上の点に対する投影断面のうち最も面積の大きい投影断面を超えない範囲を、前記最小サイズと決定することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  7. 前記決定手段は、前記最も面積の大きい投影断面に内接する矩形を、前記最小サイズと決定することを特徴とする請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 前記分割手段は、縦横比が所定値以下となるように前記分割サイズを設定することを特徴とする請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 前記分割手段は、前記信号処理装置の許容処理量に応じて、前記収音対象エリアを分割する数の上限を設定することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  10. 前記決定手段は、前記収音装置により収音される音響信号の周波数ごとに、前記最小サイズを決定し、
    前記分割手段は、当該周波数ごとに、前記分割サイズを設定することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  11. 前記分割手段は、前記収音装置により収音される音響信号の周波数が高い場合は、前記最小サイズをより小さく決定することを特徴とする請求項10に記載の信号処理装置。
  12. 前記分割エリアの範囲を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  13. 前記処理手段は、前記分割エリアそれぞれで収音された音響信号から、前記収音対象エリアに仮想的に配置された仮想聴取位置に対する再生信号を生成することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  14. 収音装置の収音対象エリアにおける音響信号を処理する信号処理方法であって、
    前記収音装置と前記収音対象エリアとの位置関係に基づいて、前記収音対象エリアを分割する最小サイズを決定する決定工程と、
    前記最小サイズ以上の分割サイズで、前記収音対象エリアを分割する分割工程と、
    前記分割工程により分割された分割エリアそれぞれにおいて前記収音装置により収音された音響信号を処理する処理工程と、
    を有することを特徴とする信号処理方法。
  15. コンピュータを、請求項1から13のいずれか1項に記載の信号処理装置として機能させるためのプログラム。
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JP2021197566A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 本田技研工業株式会社 音源分離装置、音源分離方法、およびプログラム

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