JP2018063142A - 運動パラメータ推定装置、運動パラメータ推定方法及びプログラム - Google Patents

運動パラメータ推定装置、運動パラメータ推定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】アクティブセンサとパッシブセンサとの組み合わせにより、対象物の運動の推定精度を高められるようにする。【解決手段】測定部は、アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いてアクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で対象物の方向を測定する。駆動雑音サンプル設定部は、対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する。粒子算出部は、駆動雑音のサンプルの各々を状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する。第一推定部は、粒子算出部が算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、測定部の測定値の推定値を算出する。選択部は、測定部の測定値と第一推定部の推定値との誤差に基づいて、複数の粒子のうち一部の粒子を選択する。第二推定部は、選択部が選択した粒子に基づいて、対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、運動パラメータ推定装置、運動パラメータ推定方法及びプログラムに関する。
ソナー等のセンサを用いて対象物の位置を測定するための幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、パッシブ方式のソナー使用時に、別の周波数でアクティブ方式のソナーを使用する。
特公平03−060394号公報
アクティブセンサとパッシブセンサとの組み合わせにより、それぞれのセンサを単独で用いる場合よりも対象物の運動の推定精度を高められることが好ましい。これに対し、特許文献1では、アクティブ方式での測定結果とパッシブ方式での測定結果とを組み合わせて対象物の運動の推定精度を高める具体的方法は示されていない。
本発明は、アクティブセンサとパッシブセンサとの組み合わせにより、対象物の運動の推定精度を高めることができる運動パラメータ推定装置、運動パラメータ推定方法及びプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によれば、運動パラメータ推定装置は、アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定部と、前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定部と、前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出部と、前記粒子算出部が算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定部の測定値の推定値を算出する第一推定部と、前記測定部の測定値と前記第一推定部の推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択部と、前記選択部が選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定部と、を備える。
前記状態方程式は前記対象物の運動に加えて前記運動パラメータ推定装置の運動を示し、前記観測方程式は、前記対象物の運動の測定値の方程式に加えて前記運動パラメータ推定装置の運動の測定値の方程式を含み、前記第二推定部は、前記対象物の運動および前記運動パラメータ推定装置の運動を示す前記運動パラメータの推定値を算出するようにしてもよい。
前記観測方程式は、前記運動パラメータ推定装置の速度の測定値の方程式を含むようにしてもよい。
前記観測方程式は、前記アクティブセンサにおけるドップラー効果に基づく前記対象物の速度の測定値の方程式を含むようにしてもよい。
前記第一推定部は、前記アクティブセンサ、前記パッシブセンサそれぞれの観測方程式を用いて前記測定部の測定値の推定値を算出するようにしてもよい。
本発明の第二の態様によれば、運動パラメータ推定方法は、アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定ステップと、前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定ステップと、前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出ステップと、前記粒子算出ステップで算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定ステップでの測定値の推定値を算出する第一推定ステップと、前記測定ステップでの測定値と前記第一推定ステップでの推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定ステップと、を含む。
本発明の第三の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定ステップと、前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定ステップと、前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出ステップと、前記粒子算出ステップで算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定ステップでの測定値の推定値を算出する第一推定ステップと、前記測定ステップでの測定値と前記第一推定ステップでの推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
上記した運動パラメータ推定装置、運動パラメータ推定方法及びプログラムによれば、できる。アクティブセンサとパッシブセンサとの組み合わせにより、対象物の運動の推定精度を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る運動パラメータ推定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る運動パラメータ推定装置が測定を行う測定系の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るパッシブセンサによる対象物の方向の測定例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るアクティブセンサによる対象物の位置の測定例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る運動パラメータ推定装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る運動パラメータ推定装置による運動パラメータの推定値の真値付近への収束例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る運動パラメータ推定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、運動パラメータ推定装置100は、測定部110と、記憶部180と、制御部190とを備える。測定部110は、パッシブセンサ111と、アクティブセンサ112とを備える。制御部190は、駆動雑音サンプル設定部191と、粒子算出部192と、第一推定部193と、選択部194と、補正部195と、第二推定部196とを備える。また、運動パラメータ推定装置100は、移動体10に搭載されている。
運動パラメータ推定装置100は、対象物の運動を示す運動パラメータの値を推定する。運動パラメータ推定装置100は、例えばセンサを備えたコンピュータを用いて構成される。
図2は、運動パラメータ推定装置100が測定を行う測定系の構成例を示す図である。図2に示すように、測定系1は、運動パラメータ推定装置100を搭載した移動体10と、運動パラメータ推定装置100が運動を測定する対象である対象物20とを含む。
線L11は、移動体10の軌跡の例を示す。線L12は、対象物20の軌跡の例を示す。矢印B11は、移動体10の速度ベクトルの例を示す。矢印B12は、対象物20の速度ベクトルの例を示す。
運動パラメータ推定装置100は、移動するいろいろな物を測定対象(運動パラメータ推定対象)とすることができる。例えば、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域は海中等の水中であってもよく、対象物20は、水中航走体であってもよい。あるいは、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域は海上などの水面上であってもよく、対象物20は船舶など水面上を移動する物であってもよい。あるいは、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域は陸上(地面)であってもよく、対象物20は、車両など陸上を走行する物であってもよい。あるいは、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域は空中であってもよく、対象物20は、飛行機など空中を移動する物であってもよい。あるいは、運動パラメータ推定装置100の測定対象は宇宙であってもよく、対象物20は宇宙船など宇宙を移動する物であってもよい。
対象物20と同様、移動体10も、いろいろな物とすることができる。例えば、移動体10は、水中航走体であってもよい。あるいは、移動体10は、船舶など水面上を移動する物であってもよい。あるいは、移動体10は、車両など陸上を走行する物であってもよい。あるいは、移動体10は、飛行機など空中を移動する物であってもよい。あるいは、移動体10は、宇宙船など宇宙を移動する物であってもよい。
なお、以下では、運動パラメータ推定装置100が移動体10に搭載されて移動する場合を例に説明するが、運動パラメータ推定装置100が固定的に設置されていてもよい。例えば、運動パラメータ推定装置100が移動体10に代えて建物内など移動しない構造物に設けられていてもよい。
また、以下では、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域が2次元の領域であり、運動パラメータ推定装置100がxy座標(2次元直交座標)を用いる場合を例に説明するが、運動パラメータ推定装置100の測定対象領域は3次元であってもよい。運動パラメータ推定装置100の測定対象領域が3次元の領域である場合、運動パラメータ推定装置100がxyz座標(3次元直交座標)を用いるようにしてもよい。
運動パラメータ推定装置100の測定対象領域が3次元の領域である場合、運動パラメータ推定装置100は、以下に説明するx座標及びy座標に関する処理をz座標についても行う。また、運動パラメータ推定装置100は、以下に説明する2次元の角又は方向に関する処理と同様に、3次元の角又は方向について処理を行う。
測定部110は、運動パラメータを測定する。
パッシブセンサ111は、対象物20からパッシブセンサ111に到達した物理的エネルギーを測定することにより、測定部110の位置(移動体10の位置)から見た対象物20の方向を測定する。対象物20の方向は、運動パラメータの1つである。
図3は、パッシブセンサ111による対象物20の方向の測定例を示す図である。図3の例で、対象物20からパッシブセンサ111に到達した物理的エネルギーを矢印B21で示している。
例えば、パッシブセンサ111がパッシブソナーである場合、パッシブセンサ111は、対象物20からパッシブセンサ111に到達した音を測定する。この音は、対象物20が発した音であってもよいし、対象物20以外の物が発した音を対象物20が反射した音であってもよい。
あるいは、パッシブセンサ111がパッシブなレーダーである場合、パッシブセンサ111は、対象物20からパッシブセンサ111に到達した電磁波を測定する。この電磁波は、対象物20が発した電磁波であってもよいし、対象物20以外の物が発した電磁波を対象物20が反射した電磁波であってもよい。
アクティブセンサ112は、対象物20に向けて物理的エネルギーを出力し、対象物20で反射してパッシブセンサ111に到達した物理的エネルギーを測定することにより、対象物20の位置を測定する。対象物20の位置は、運動パラメータの1つである。
図4は、アクティブセンサ112による対象物20の位置の測定例を示す図である。図4の例で、アクティブセンサ112が対象物20に向けて出力した物理的エネルギーを矢印B31で示している。また、対象物20で反射してパッシブセンサ111に到達した物理的エネルギーを矢印B32で示している。
例えば、アクティブセンサ112がアクティブソナーである場合、アクティブセンサ112は、対象物20に向けて音(音波)を出力し、対象物20で反射してアクティブセンサ112に到達した音を測定する。
あるいは、アクティブセンサ112がアクティブなレーダーである場合、アクティブセンサ112は、対象物20に向けて電磁波を出力し、対象物20で反射してアクティブセンサ112に到達した電磁波を測定する。
アクティブセンサ112は、アクティブセンサ112の位置(移動体10の位置)に対する対象物20の相対位置を測定する。アクティブセンサ112が、この相対位置とアクティブセンサ112自らの位置とに基づいて、アクティブセンサ112の位置以外の位置を基準とした対象物20の位置を求めるようにしてもよい。
記憶部180は、運動パラメータ推定装置100が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。
制御部190は、運動パラメータ推定装置100の各部を制御して各種処理を実行する。制御部190は、例えば運動パラメータ推定装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
制御部190は、パッシブセンサ111による測定結果とアクティブセンサ112による測定結果とを用いて対象物20の運動パラメータを推定する。制御部190は、例えば対象物20の位置を推定する。
ここで、パッシブセンサ111は、測定部110の位置から見た対象物20の方向を測定することはできるが、測定部110と対象物20との相対距離を測定することはできない。このため、パッシブセンサ111の測定結果のみを用いたのでは、対象物20の位置を高精度に推定することは困難である。
これに対し、制御部190は、パッシブセンサ111による測定結果とアクティブセンサ112による測定結果とを用いることで、パッシブセンサ111の測定結果のみを用いる場合よりも高精度に対象物20の位置を測定することができる。
また、アクティブセンサ112は、対象物20に対して物理的エネルギーを出力した後、対象物20で反射した物理的エネルギーの到達を待ち受ける。このため、アクティブセンサ112の測定結果のみを用いたのでは、サンプリング周期をある程度大きくする必要がある。サンプリング周期がある程度大きくなることで、例えば運動パラメータの初期値が未知である場合など、運動パラメータの推定値が真値に近い値に収束するまでに時間を要する可能性がある。
これに対し、制御部190は、パッシブセンサ111による測定結果とアクティブセンサ112による測定結果とを用いることで、アクティブセンサ112の測定結果のみを用いる場合よりも速やかに、運動パラメータの推定値を真値に近い値に収束させることができる。
駆動雑音サンプル設定部191は、駆動雑音のサンプルを設定する。ここでいう駆動雑音は、対象物20の運動モデルを用いて推定される対象物20の運動を、対象物20の実際の運動に合わせるためのパラメータである。制御部190は、対象物20の運動モデルとして対象物20の状態方程式を用いており、状態方程式に駆動雑音が含まれている。
制御部190が用いる対象物20の状態方程式は、例えば式(1)のように定義される。
Figure 2018063142
ここで、kはパッシブセンサ111のサンプリングタイミングのインデックスを示す。具体的には、時刻0を基準時刻として、kは、パッシブセンサ111が基準時刻よりも後に行ったサンプリングの回数を示す。パッシブセンサ111のサンプリング周期をTで表すと、k回目のサンプリング時刻はkTと表される。
以下では、パッシブセンサによる基準時刻よりも後のk回目のサンプリングのタイミング(すなわち、インデックスkで示されるサンプリングタイミング)を、タイミングkと称する。
運動パラメータベクトルq(k)は、タイミングkにおける運動パラメータを示す。特に、運動パラメータベクトルq(k)は、タイミングkにおける対象の位置、速度及び加速度を示す。運動パラメータベクトルq(k)は、式(2)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、x(k)、y(k)は、それぞれタイミングkにおける対象の位置のx座標値、y座標値を示す。x’(k)、y’(k)は、それぞれタイミングkにおける対象の速度のx座標値、y座標値を示す。1階微分を’で示している。x’’(k)、y’’(k)は、それぞれタイミングkにおける対象の加速度のx座標値、y座標値を示す。2階微分を’’で示している。
行列又はベクトルの右に上付きで示されたTは、行列の転置又はベクトルの転置を示す。
駆動雑音ベクトルu(k)は、タイミングkにおける駆動雑音を示す。駆動雑音ベクトルu(k)は、2つのスカラ変数u(k)及びu(k)を用いて式(3)のように示される。
Figure 2018063142
式(1)の行列Aは、係数を示す行列である。行列Aは、式(4)のように示される。
Figure 2018063142
上記のようにTは、パッシブセンサ111のサンプリング周期を示す。
行列Bは、係数を示す行列である。行列Bは、式(5)のように示される。
Figure 2018063142
式(1)に示される状態方程式は、タイミングkにおける運動パラメータの値(対象の位置、速度、加速度)及び駆動雑音の値と、タイミングk+1における運動パラメータの値(対象の位置、速度及び加速度)との関係を示している。
駆動雑音サンプル設定部191は、駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する。ここで、制御部190は、粒子フィルタを用いて運動パラメータの推定値を算出する。駆動雑音サンプル設定部191は、粒子フィルタにおける粒子数だけ駆動雑音を設定する。
駆動雑音サンプル設定部191が駆動雑音のサンプルの設定に用いる確率分布は特定の確率分布に限定されない。例えば、駆動雑音サンプル設定部191がガウス分布に基づいて駆動雑音の設定を行うようにしてもよい。あるいは、駆動雑音サンプル設定部191がガウス分布以外の分布に基づいて駆動雑音の設定を行うようにしてもよい。
粒子算出部192は、駆動雑音サンプル設定部191が設定した駆動雑音のサンプルの各々を状態方程式に代入して粒子フィルタにおける粒子を複数算出する。粒子算出部192は、タイミングk−1における運動パラメータの値及び駆動雑音の値を状態方程式に代入して、タイミングkにおける運動パラメータの値を、粒子フィルタにおける粒子として算出する。
第一推定部193は、粒子算出部192が算出した粒子の各々を観測方程式に代入して運動パラメータの測定値の推定値を算出する。ここでいう観測方程式は運動パラメータから測定部110の測定値を推定するための方程式であり、運動パラメータの値に観測誤差(測定雑音)を付加する。
アクティブセンサ112における観測方程式は、例えば式(6)のように定義される。
Figure 2018063142
ここで、ベクトルm(k)は、タイミングkにおける運動パラメータの測定値を示す。アクティブセンサ112の場合、ベクトルm(k)は、式(7)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、x(k)は、タイミングkにおける対象の位置のx座標値の測定値を示す。y(k)は、タイミングkにおける対象の位置のy座標値の測定値を示す。
式(6)の行列Cは、係数を示す行列である。行列Cは、式(8)のように示される。
Figure 2018063142
また、式(6)のw(k)は、タイミングkにおけるアクティブセンサ112の観測誤差を示す。
一方、パッシブセンサ111における観測方程式は、例えば式(9)のように定義される。
Figure 2018063142
ここで、atanは、アークタンジェントを示す。x(k)は、タイミングkにおける測定部110の位置のx座標値を示す。y(k)は、タイミングkにおける測定部110の位置のy座標値を示す。
(k)は、タイミングkにおけるパッシブセンサ111の観測誤差を示す。
また、パッシブセンサ111の場合、m(k)は式(10)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、θ(k)は、タイミングkにおける測定部110の位置に対する対象の方位の測定値(測角計測値)を示す。
選択部194は、測定部110による運動パラメータの測定値と、第一推定部193が算出した運動パラメータの測定値の推定値との誤差に基づいて、複数の粒子のうち一部の粒子を選択する。具体的には、選択部194は、誤差の逆数から粒子の尤度を算出し、尤度が高い順に所定個の粒子を選択する。
補正部195は、選択部194が選択した粒子の各々に拡張カルマンフィルタを適用して、粒子の各々を補正する。補正部195は、各粒子の尤度を高めるように補正を行う。
第二推定部196は、補正部195による補正後の粒子に基づいて、運動パラメータの推定値を求める。さらに、第二推定部196は、運動パラメータに示される対象物20の位置及び速度に基づいて、測定部110と対象物20との間の距離、測定部110の位置から見た対象物20の方向、及び、対象物20の速度の大きさを算出する。
次に、図5を参照して運動パラメータ推定装置100の動作について説明する。図5は、運動パラメータ推定装置100が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。運動パラメータ推定装置100は、パッシブセンサ111のサンプリングタイミング毎に、図5のステップS101〜S110の処理を繰り返す。
ここで、アクティブセンサ112では、対象物20に向けて出力した物理的エネルギーが反射してアクティブセンサ112に戻ってくるまで待つ必要がある。これに対し、パッシブセンサ111では、アクティブセンサ112の場合のような待ち時間の制約はない。このため、パッシブセンサ111のサンプリング周期はアクティブセンサ112のサンプリング周期よりも短く設定できる。
そこで、運動パラメータ推定装置100は、アクティブセンサ112のサンプリング周期よりもパッシブセンサ111のサンプリング周期を短く設定して運動パラメータの測定を行う。具体的には、パッシブセンサ111が運動パラメータをn回(nは正整数)測定する毎に、アクティブセンサ112が運動パラメータを1回測定する。これにより、パッシブセンサ111とアクティブセンサ112とが運動パラメータを測定するサンプリングタイミングと、パッシブセンサ111のみが運動パラメータを測定するサンプリングタイミングとがある。
(ステップS101)
駆動雑音サンプル設定部191は、駆動雑音(駆動雑音ベクトルu(k))のサンプルを粒子数Pだけ生成する。以下、タイミングkにおける駆動雑音のサンプルをu(k)と表記する。
ステップS101の後、ステップS102へ遷移する。
(ステップS102)
粒子算出部192は、ステップS101で生成したP個のサンプル(ベクトルu(k))の各々を状態方程式(式(1))に代入し、P個の粒子を算出する。以下では、タイミングkにおける粒子をq(k)と表記する。
ステップS102の後、ステップS103へ遷移する。
(ステップS103)
第一推定部193は、ステップS102で得られた粒子の各々を観測方程式に代入し、測定部110による測定値の推定値を算出する。上記のように、アクティブセンサ112の場合の観測方程式(式(6))と、パッシブセンサ111の場合の観測方程式(式(9))とがある。ここでは、第一推定部193は、パッシブセンサ111の場合の観測方程式(式(9))を用いて、タイミングkにおけるセンサに対する対象の方位の測定値の推定値を求める。以下では、タイミングkにおけるセンサに対する対象の方位の測定値の推定値をθ(k)と表記する。
なお、観測誤差W(k)については、例えば、センサ(パッシブセンサ111又はアクティブセンサ112)の特性、及び、実環境(測定を行う環境)に基づいて、観測誤差が従う確率分布及びそのパラメータを予め設定しておく。そして、設定した確率分布及びパラメータに基づいて乱数を生成することで、各粒子に対応する観測誤差を生成することができる。
ステップS103の後、ステップS104へ遷移する。
(ステップS104)
選択部194は、ステップS103で得られた測定値の推定値と、測定値との誤差を算出する。
ここでは、選択部194は、タイミングkにおけるセンサに対する対象の方位の測定値の推定値θ(k)から、タイミングkにおけるセンサに対する対象の方位の測定値θ(k)を減算した差を誤差として算出する。
以下では、ステップS103で得られた測定値の推定値と、測定部110による測定値との誤差をe(k)と表記する。
ステップS104の後、ステップS105へ遷移する。
(ステップS105)
選択部194は、ステップS104で算出した誤差e(k)の逆数e(k)−1から、タイミングkにおける尤度π(k)を算出する。選択部194は、誤差の逆数e(k)−1に対して総和が1になるように正規化を行う。タイミングkにおける尤度π(k)は、式(11)のように示される。
Figure 2018063142
ステップS105の後、ステップS106へ遷移する。
(ステップS106)
選択部194は、尤度の高い粒子(尤度π(k)の値が大きい粒子)から順にP個(Pは正整数)の粒子を選択(リサンプリング)する。ここで、Pは予め定められている定数である。
選択部194は、選択したP個の粒子以外の粒子は棄却する。
ステップS106の後、ステップS107へ遷移する。
(ステップS107)
補正部195は、ステップS106で選択したP個の粒子の各々に拡張カルマンフィルタを適用して各粒子の値を補正する。補正部195は、各粒子の尤度を高めるように補正を行う。そのために、補正部195は、選択部194が選択した粒子の各々を用いてソナーによる測定値の推定値を再度算出する。ここでは、ステップS103の場合と異なり、補正部195は、アクティブセンシング時は、アクティブセンサ112による観測方程式(式(6))を用いる。一方、補正部195は、パッシブセンシング時は、パッシブセンサ111による観測方程式(式(9))を用いる。これにより、アクティブセンサ112による測距の情報を粒子の尤度補正に反映させることができる。
ここで、パッシブセンシング時については、パッシブソナーによる観測方程式はアークタンジェント(atan)を含む非線形な式である。そこで、拡張カルマンフィルタの枠組みに基づき、観測方程式をテイラー展開して1次の項で打ち切った近似値を採用する。具体的には、式(9)を式(12)のように変形して用いる。
Figure 2018063142
ここで、ベクトルC(k)は係数を示すベクトルであり、式(13)のように示される。
Figure 2018063142
偏微分∂h/∂x(k)は、式(14)のように示される。
Figure 2018063142
α(k)は、センサに対する対象の相対位置のy座標値をx座標値で除算した比を示す。α(k)は、式(15)のように示される。
Figure 2018063142
偏微分∂h/∂y(k)は、式(16)のように示される。
Figure 2018063142
式(12)に示される観測方程式を用いることにより、補正部195は、パッシブセンシング時もアクティブセンシング時と同様にカルマンゲインを算出することができる。補正部195は、各粒子に対してカルマンゲインを用いた補正を行う。
ここでのカルマンゲインL(k)は、式(17)のように示される。
Figure 2018063142
P(k)は、タイミングkにおける推定誤差共分散行列を示す。W(k)は、タイミングkにおける観測誤差の分散行列を示す。
ここでのカルマンゲインL(k)を用いた粒子の補正は、式(18)のように示される。
Figure 2018063142
式(18)の左辺のq(k)は、タイミングkにおける補正後の粒子を示す。右辺のq(k)は、タイミングkにおける補正前の粒子を示す。また、q (k)は、タイミングkにおける運動パラメータの推定値を示す。
ステップS107の後、ステップS108へ遷移する。
(ステップS108)
第二推定部196は、カルマンゲインを用いた補正後の粒子の算術平均を算出する。第二推定部196は、得られた平均値を、タイミングkにおける対象の運動パラメータ推定値とする。以下では、タイミングkにおける対象の運動パラメータ推定値をq(k)と表記する。
ステップS108の後、ステップS109へ遷移する。
(ステップS109)
第二推定部196は、タイミングkにおける対象の運動パラメータ推定値q(k)と、センサの位置とに基づいて、センサと対象との距離、センサに対する対象の方位及び相対速度を算出する。タイミングkにおけるセンサと対象との距離R(k)は、式(19)のように示される。
Figure 2018063142
ここでの対象の位置のx座標値x(k)、y座標値y(k)として、いずれもq(k)における値を用いる。
タイミングkにおけるセンサに対する対象の方位θ(k)は、式(20)のように示される。
Figure 2018063142
ここでの対象の位置のx座標値x(k)、y座標値y(k)として、いずれもq(k)における値を用いる。
タイミングkにおけるセンサに対する対象の相対速度v(k)は、式(21)のように示される。
Figure 2018063142
ここでの対象の速度のx座標値x’(k)、y座標値y’(k)として、いずれもq(k)における値を用いる。
ステップS109の後、ステップS110へ遷移する。
(ステップS110)
制御部190は、k:=k+1とする。すなわち、サンプリングタイミングを示すインデックスの値を1進める(大きくする)。
ステップS110の後、次のサンプリングタイミングでステップS101からの処理を繰り返す。
図6は、運動パラメータ推定装置100による運動パラメータの推定値の真値付近への収束例を示す図である。図6に示すグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は運動パラメータの値を示す。線L21は、運動パラメータの真値を示す。線L22は、運動パラメータ推定装置100による運動パラメータの推定値を示す。線L23は、アクティブセンサのみによる場合の運動パラメータの推定値を示す。時間t11は、アクティブセンサのみによる場合のサンプリング周期を示す。
アクティブセンサのみによる場合、上記のようにアクティブセンサでは物理的エネルギーを対象物に向けて出力してから対象物で反射した物理的エネルギーを受信するまでの待ち時間が生じるため、時間t11で示されるようにある程度のサンプリング間隔が生じる。これに対し、運動パラメータ推定装置100では、アクティブセンサ112のサンプリング間隔より短いサンプリング間隔にてパッシブセンサ111が対象物の運動を測定することができる。この点で、運動パラメータ推定装置100によれば、アクティブセンサのみによる場合よりも短い周期で対象物の運動を測定することができ、より高精度に対象物の運動を推定することが期待され、また、より速やかに真値付近に収束することが期待される。
以上のように、測定部110は、アクティブセンサ112を用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサ111を用いてアクティブセンサ112での測定周期よりも短い周期で対象物20の方向を測定する。駆動雑音サンプル設定部191は、状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する。粒子算出部192は、駆動雑音のサンプルの各々を状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する。第一推定部193は、粒子算出部192が算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、測定部110の測定値の推定値を算出する。選択部194は、測定部110の測定値と第一推定部193の推定値との誤差に基づいて、複数の粒子のうち一部の粒子を選択する。第二推定部196は、選択部194が選択した粒子に基づいて、運動パラメータの推定値を算出する。
このように、運動パラメータ推定装置100では、状態方程式及び観測方程式を含むモデルに粒子フィルタを適用することで、アクティブセンサ112の測定結果とパッシブセンサ111の測定結果を同一のモデルに適用することができる。これにより、運動パラメータ推定装置100では、アクティブセンサ112による対象物20の位置の測定結果を用いることができ、かつ、アクティブセンサ112のみによる場合よりも短いサンプリング周期で対象物20の運動を測定することができる。この点で、運動パラメータ推定装置100によれば、アクティブセンサ112とパッシブセンサ111との組み合わせにより、対象物20の運動の推定精度を高めることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、センサの位置([x(k) y(k)])の誤差については考慮していない。これに対し、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)を用いた測位、デッドレコニング(Dead Reckoning)など、いずれの測位でもセンサの位置の測位結果に誤差が生じ得る。
そこで、第2実施形態では、対象の運動パラメータに加えてセンサ自らの運動パラメータも推定する。
第2実施形態における運動パラメータ推定装置100の構成は、図1を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。また、第2実施形態における処理手順は、図5を参照して説明した第1実施形態の場合の処理手順と同様である。但し、第2実施形態では、数式モデルを以下のように拡張する。
運動パラメータベクトルq(k)には、対象の運動パラメータに加えてセンサの運動パラメータも含める。第2実施形態でのタイミングkにおける運動パラメータ態ベクトルq(k)は、式(22)のように示される。
Figure 2018063142
第2実施形態では、駆動雑音も拡張する。第2実施形態でのタイミングkにおける駆動雑音ベクトルu(k)は、式(23)のように示される。
Figure 2018063142
(k)及びu(k)と同様、u(k)、u(k)のいずれもスカラ変数である。
第2実施形態では、式(1)に示される状態方程式の行列A及びBも拡張する。第2実施形態では、式(1)で行列Aに代えて行列Aを用いる。行列Aは、式(24)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、R12×12は、12行12列の実数行列を示す。
第2実施形態では、式(1)で行列Bに代えて行列Bを用いる。行列Bは、式(25)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、06×2は、6行2列のゼロ行列を示す。R12×4は、12行4列の実数行列を示す。
第2実施形態では、式(6)に示される観測方程式の行列Cも拡張する。第2実施形態では、式(6)で行列Cに代えて行列Cを用いる。行列Cは、式(26)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、02×6は、2行6列のゼロ行列を示す。
第2実施形態では、観測値ベクトルに自己位置の測定値も追加する拡張を行う。第2実施形態では、アクティブソナーの場合の観測値ベクトルとして式(7)に代えて式(27)を用いる。
Figure 2018063142
ここで、xOmは、センサ自らの位置の測定値(測位結果)のx座標値を示す。yOmは、センサ自らの位置の測定値のy座標値を示す。
センサの位置は、アクティブソナー、パッシブソナーとは別に測定できるため、パッシブソナーの場合の観測値ベクトルとして式(28)を用いる。
Figure 2018063142
θ(k)は、式(9)及び式(12)を参照して説明したとおりである。
図5のステップS107におけるパッシブ時の非線形関数の近似として、式(13)に代えて式(29)を用いる。
Figure 2018063142
また、パッシブセンサの場合、式(6)に示される観測方程式の行列Cに代えて、式(30)に示される行列Cを用いる。
Figure 2018063142
は、式(31)のように示される。
Figure 2018063142
上記のように、02×6は、2行6列のゼロ行列を示す。また、R2×12は、2行12列の実数行列を示す。
以上のように、第2実施形態では、状態方程式は対象物20の運動に加えて運動パラメータ推定装置100の運動を示す。また、観測方程式は、対象物20の運動の測定値の方程式に加えて運動パラメータ推定装置100の運動の測定値の方程式を含む。第二推定部196は、対象物20の運動および運動パラメータ推定装置100の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する。
これにより、第2実施形態の運動パラメータ推定装置100では、運動パラメータ推定装置100自らの運動の測定誤差に対しても補正を行うことができる。この点で、対象物20の運動の推定精度をより高めることができる。
<第3実施形態>
センサ自らの位置に加えてセンサの速度の測定値を得られる場合、センサの測定の測定値を用いることで状態の推定速度、又は、真値付近への集束速度、あるいはこれら両方がさらに向上する可能性がある。そこで、第3実施形態では、第2実施形態における拡張に加えて、さらにセンサ自らの速度を観測値ベクトルに含める拡張を行う。
第3実施形態における運動パラメータ推定装置100の構成は、図1を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。また、第3実施形態における処理手順は、図5を参照して説明した第1実施形態の場合の処理手順と同様である。但し、第3実施形態では、数式モデルを第2実施形態の場合からさらに拡張する。
第3実施形態でのアクティブセンシング時の観測値ベクトルは式(32)のように示される。
Figure 2018063142
Om(k)’は、タイミングkにおけるセンサの速度のx座標値の測定値を示す。yOm(k)’は、タイミングkにおけるセンサの速度のy座標値の測定値を示す。
また、第3実施形態では、式(6)で行列Cに代えて行列Cを用いる。行列Cは、式(33)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、02×6は、2行6列のゼロ行列を示す。04×6は、4行6列のゼロ行列を示す。また、行列Cは、式(34)のように示される。
Figure 2018063142
一方、パッシブセンシング時の測定値ベクトルは、式(35)のように示される。
Figure 2018063142
この場合、式(6)で行列Cに代えてC(k)を用いる。C(k)は、式(36)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、R5×12は、5行12列の実数行列を示す。
行列Cは、式(37)のように示される。
Figure 2018063142
上記のように、04×6は、4行6列のゼロ行列を示す。R4×12は、4行12列の実数行列を示す。
以上のように、第3実施形態では、観測方程式は、運動パラメータ推定装置100の速度の測定値の方程式を含む。これにより、第3実施形態の運動パラメータ推定装置100では、運動パラメータ推定装置100自らの運動の推定精度をより高めることができ、もって、対象物20の運動の推定精度をより高めることができる。
<第4実施形態>
アクティブセンサ112によるドップラー効果を測定することで、対象の速度のうちセンサ方向の速度成分を測定することができる。これを測定値の1つに加える拡張を行うことで、状態の推定速度、又は、真値付近への集束速度、あるいはこれら両方がさらに向上する可能性がある。そこで、第4実施形態では、対象の速度のうちセンサ方向の速度成分の測定値を観測値ベクトルに含める拡張を行う。第1実施形態〜第3実施形態のいずれにも第4実施形態を適用可能である。
第4実施形態における運動パラメータ推定装置100の構成は、図1を参照して説明した第1実施形態の場合と同様である。また、第4実施形態における処理手順は、図5を参照して説明した第1実施形態の場合の処理手順と同様である。但し、第4実施形態では、数式モデルを以下のように拡張する。
アクティブセンサ112によるドップラー効果は、対象物20の速度のうち測定部110の方向の速度成分に現れる。タイミングkにおける対象物20の速度のうち測定部110の方向の速度成分v(k)は、式(38)のように示される。
Figure 2018063142
ここで、v(k)は、タイミングkにおける対象の速度を示す。φ(k)は、対象の進行方向をx軸に対する角度で示す。
推定すべき状態(運動パラメータベクトルq(k)の成分)を用いて、式(38)は式(39)のように示される。
Figure 2018063142
式(39)を、アクティブセンシング時の観測方程式の1つとして追加する。
以上のように、第4実施形態では、観測方程式は、アクティブセンサ112におけるドップラー効果に基づく対象物20の速度の測定値の方程式を含む。
対象物20の運動の測定値が増える点で、第4実施形態における運動パラメータ推定装置100によれば、対象物20の運動の推定精度をより高めることができる。
<第5実施形態>
図5に示される処理では、ステップS103で常にパッシブセンシングによる測定値(センサから見た対象の方位)を用いている。このため、ステップS104では、常にパッシブセンシングによる測定値を用いて誤差を算出している。これに対し、アクティブセンシング時には対象の方位のみならず距離の測定値も用いることで、状態の推定速度、又は、真値付近への集束速度、あるいはこれら両方がさらに向上する可能性がある。
そこで、第5実施形態では、アクティブセンシング時とパッシブセンシング時とで誤差計測の方法を切り替える。アクティブセンシング時には、対象の方位のみならず距離の測定値も用いる。具体的には、図5のステップS103で、アクティブセンシング時には、式(6)に示される観測方程式を用いる。
一方、パッシブセンシング時は、式(9)に示される観測方程式を用いる。
第5実施形態は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれにも第5実施形態を適用可能である。
以上のように、第一推定部193は、アクティブセンサ112、パッシブセンサ111それぞれの観測方程式を用いて測定部110の測定値の推定値を算出する。
第一推定部193が対象物20の方向のみならず対象物20の位置に基づいて測定部110の測定値の推定値を算出することで、第一推定部193が算出する推定値の精度が向上し、対象物20の運動の推定精度をより高められることが期待される。
なお、制御部190の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 測定系
10 移動体
20 対象物
100 運動パラメータ推定装置
110 測定部
111 パッシブセンサ
112 アクティブセンサ
180 記憶部
190 制御部
191 駆動雑音サンプル設定部
192 粒子算出部
193 第一推定部
194 選択部
195 補正部
196 第二推定部

Claims (7)

  1. アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定部と、
    前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定部と、
    前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出部と、
    前記粒子算出部が算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定部の測定値の推定値を算出する第一推定部と、
    前記測定部の測定値と前記第一推定部の推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択部と、
    前記選択部が選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定部と、
    を備える運動パラメータ推定装置。
  2. 前記状態方程式は前記対象物の運動に加えて前記運動パラメータ推定装置の運動を示し、
    前記観測方程式は、前記対象物の運動の測定値の方程式に加えて前記運動パラメータ推定装置の運動の測定値の方程式を含み、
    前記第二推定部は、前記対象物の運動および前記運動パラメータ推定装置の運動を示す前記運動パラメータの推定値を算出する、
    請求項1に記載の運動パラメータ推定装置。
  3. 前記観測方程式は、前記運動パラメータ推定装置の速度の測定値の方程式を含む、
    請求項2に記載の運動パラメータ推定装置。
  4. 前記観測方程式は、前記アクティブセンサにおけるドップラー効果に基づく前記対象物の速度の測定値の方程式を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の運動パラメータ推定装置。
  5. 前記第一推定部は、前記アクティブセンサ、前記パッシブセンサそれぞれの観測方程式を用いて前記測定部の測定値の推定値を算出する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の運動パラメータ推定装置。
  6. アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定ステップと、
    前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定ステップと、
    前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出ステップと、
    前記粒子算出ステップで算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定ステップでの測定値の推定値を算出する第一推定ステップと、
    前記測定ステップでの測定値と前記第一推定ステップでの推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定ステップと、
    を含む運動パラメータ推定方法。
  7. コンピュータに、
    アクティブセンサを用いて対象物の位置を測定し、パッシブセンサを用いて前記アクティブセンサでの測定周期よりも短い周期で前記対象物の方向を測定する測定ステップと、
    前記対象物の運動を示す状態方程式における駆動雑音のサンプルを所定の確率分布に基づいて複数設定する駆動雑音サンプル設定ステップと、
    前記駆動雑音のサンプルの各々を前記状態方程式に代入して、粒子フィルタにおける粒子を複数算出する粒子算出ステップと、
    前記粒子算出ステップで算出した粒子の各々を観測方程式に代入して、前記測定ステップでの測定値の推定値を算出する第一推定ステップと、
    前記測定ステップでの測定値と前記第一推定ステップでの推定値との誤差に基づいて、複数の前記粒子のうち一部の粒子を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択した粒子に基づいて、前記対象物の運動を示す運動パラメータの推定値を算出する第二推定ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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