<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,入賞ユニット301,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。また、入賞ユニット301には、上作動口303及び下作動口305が設けられている。本実施の形態においては、下作動口305に入賞させるよりも上作動口303に入賞させる方が遊技者にとって有利となっている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口303及び下作動口305への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、下作動口305への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、上作動口303への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口305に対する上作動口303の有利性を高める上では、下作動口305に係る払出個数よりも上作動口303に係る払出個数を多く設定することが好ましい。逆に、後述するサポート状態の有利性を高めるに過ぎない、という観点では、上作動口303に係る払出個数よりも下作動口305に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口303,305に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口303,305に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口303、下作動口305又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射ハンドル54の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射ハンドル54の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル54の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
上作動口303及び下作動口305は、上作動口303が上方となるようにして上下方向に並んでいる。上作動口303は前向きに開放されており、下作動口305は上向きに開放されている。これら上作動口303及び下作動口305へは、遊技者が上記第1発射操作及び第2発射操作のいずれを行っている場合であっても遊技球が到達可能となっている。上作動口303には、当該上作動口303を開閉する電動役物307が設けられている。電動役物307は、上作動口303に遊技球が入賞不能な閉鎖状態(非受入状態、非サポート状態又は非ガイド状態)と、閉鎖状態よりも遊技球が入賞可能な開放状態(受入状態、サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。上作動口303、電動役物307及び下作動口305は、入賞ユニット301上に搭載され、作動口装置として1ユニット化されて遊技盤24における下側領域PE4に設置されている。なお、入賞ユニット301の詳細については後述する。
可変入賞装置32は、遊技盤24において下側領域PE4に設置されている。つまり、可変入賞装置32へは、遊技者が上記第1発射操作及び第2発射操作のいずれを行っている場合であっても遊技球が到達可能となっている。可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
スルーゲート35は、遊技盤24において左側領域PE2と右側領域PE3とに、可変表示ユニット36を挟んで2つ設けられている。つまり、遊技者が上記第1発射操作を行っている場合には、左側領域PE2に設けられた側のスルーゲート35へ遊技球が到達可能となっており、遊技者が上記第2発射操作を行っている場合には、右側領域PE3に設けられた側のスルーゲート35へ遊技球が到達可能となっている。両スルーゲート35は遊技球が通過可能な構成となっており、遊技領域PEにおいてスルーゲート35に入賞した遊技球はそのまま同遊技領域PEに排出される。そして、スルーゲート35へ入賞(を通過)した遊技球は、その後下側領域PE4へと流下する。つまり、スルーゲート35へ入賞した遊技球は、上作動口303、下作動口305及び可変入賞装置32へ入賞することが可能となっている。スルーゲート35への入賞が発生すると、それがスルーゲート35に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知される。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の前面には、上述した一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、下作動口305への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、上作動口303への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、下作動口305への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口305への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口305への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。なお、下作動口305への入賞を契機に変動表示される絵柄を第1特別図柄又は第1特図ということがある。
第2結果表示部BSでは、上作動口303への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口303への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口303への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。なお、上作動口303への入球を契機に変動表示される第2特別図柄又は第2特図ということがある。
ここで、いずれかの作動口305,303への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口305,303への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口305に設けられた電動役物307が所定の態様で開放状態となる。なお、スルーゲート35への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
ここで、スルーゲート35への入賞に基づいて、役物用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、役物用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下、上記の結果表示部AS,BSにおける遊技回と区別すべく、この役物用表示部44における遊技回を普図遊技回ともいい、メイン表示部43(結果表示部AS,BS)における遊技回を特図遊技回(第1特図遊技回、第2特図遊技回)ともいう。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口303又は下作動口305への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
図柄表示装置41では、上記結果表示部AS,BSに対応する特図遊技回の変動表示だけでなく、役物用表示部44に対応する普図遊技回の変動表示も行われる。そして、表示画面における変動表示の領域の位置や大きさ、変動図柄等が、特図遊技回と普図遊技回とで異ならせて設定されており、特図遊技回の変動表示と普図遊技回の変動表示とがそれぞれ見た目上識別可能となっている。これら、特図遊技回と普図遊技回とが行われる領域等については、後に詳細に説明する。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が下作動口305に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が上作動口303に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
図2に示すように、内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<入賞ユニット301について>
次に、入賞ユニット301について図5〜図10に基づいて説明する。図5は入賞ユニット301の正面図、図6は入賞ユニット301を斜め前方から見た斜視図、図7は図5のA−A線断面図、図8は遊技球の流下状況を説明するための正面図、図9は遊技球の流下状況を説明するための断面図、図10は発光基板を示す正面図である。
図5に示すように、遊技盤24には、可変表示ユニット36(図4参照)の下方において同一の高さ位置に設けられた左右一対の第1及び第2遊技釘(所謂ヘソ釘)281,282と、第1及び第2遊技釘281,282の左右に設けられた第3及び第4遊技釘(所謂ジャンプ釘)283,284と、が配置されている。入賞ユニット301は、それら第1〜第4遊技釘281〜284の下方に位置するように配置されている。
入賞ユニット301の上部には第1発光部311が設けられ、中央部には上入賞部313が設けられ、下部には下入賞部315が設けられている。さらに、入賞ユニット301の左右両側部には第2発光部317が設けられている。これら第1発光部311、上入賞部313、下入賞部315及び第2発光部317は、ベース体320に対して設けられている。
ベース体320は、ABS樹脂等の合成樹脂で形成されている。ベース体320は、不透明な部材で形成されたり、その表面に金属めっき処理が施されたりすることで、不透明となっている。ベース体320は、板状をなす板状ベース部321を備えており、ベース体320において厚み方向に突出する部位が当該板状ベース部321に一体形成されている。図7に示すように、板状ベース部321の前面321aは窓パネル62と対向しており、窓パネル62との距離L1が遊技球1個分よりも大きくなっている。このため、板状ベース部321の前方を遊技球が流下可能となっている。
ここで、入賞ユニット301は、上入賞部313及び下入賞部315による作動口装置としての構成と、第1及び第2発光部311,317による電飾装置としての構成と、第1発光部311及び上入賞部313による遊技球の案内装置としての構成と、を備えている。以下、各構成について順に説明する。
<上入賞部313及び下入賞部315による作動口装置としての構成について>
図5に示すように、上入賞部313は、上作動口303と、当該上作動口303を開閉する電動役物307としての開閉部材331と、を備えている。
上作動口303は、前方に開口しており、横長の略長方形状をなしている。この上作動口303を前方から覆うようにして開閉部材331が配置されている(図7参照)。開閉部材331は、板状に形成されており、正面視で横長の略長方形状をなしている。開閉部材331の左右幅(長手方向の寸法)は、第3遊技釘283と第4遊技釘284との間の距離と同程度に設定されており、換言すれば、遊技球約3個分の長さに設定されている。一方、開閉部材331の上下幅(短手方向の寸法)は、遊技球の直径よりも若干大きく設定されている。
上作動口303及び開閉部材331は、第1〜第4遊技釘281〜284の下方に位置している。詳しくは、開閉部材331の左右両端部の一方が第3遊技釘283の真下に位置し、他方が第4遊技釘284の真下に位置している。
開閉部材331は、ベース体320によって前後方向(遊技盤24の厚さ方向)に回動可能な状態で保持されている。具体的には、図9に示すように、開閉部材331の下端部331aが回動可能に軸支されており、当該下端部331aを中心として回動可能となっている。そして、下端部331aを中心に前後回動することにより、遊技盤24(板状ベース部321)の前面からの突出が抑えられ上作動口303を覆う閉鎖位置(第2位置)と、遊技盤24(板状ベース部321)の前面321aから前方に突出し上作動口303を開放する開放位置(第1位置)と、に変位可能となっている。
開閉部材331は、閉鎖位置(起立姿勢)において、その前面331bが板状ベース部321の前面321aと略面一となっており、板状ベース部321との間で段差が極力生じないように構成されている。これにより、開閉部材331の前方を遊技球が通過可能となっているだけでなく、板状ベース部321と開閉部材331との境界に遊技球が引っ掛かることが抑制され、遊技球の円滑な流れが確保されている。
図6に示すように、ベース体320の背面側には開閉部材331を駆動する電動役物駆動部332が取り付けられている。電動役物駆動部332は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドからの駆動力を開閉部材331に伝達する駆動力伝達手段としてのリンク機構とを有している。ソレノイドは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて駆動する。ソレノイドが駆動することで、開閉部材331が閉鎖位置から開放位置へ回動し、閉鎖状態から開放状態に切り換わる。主制御装置81からの駆動信号の出力が停止すると、付勢手段(ばね等)の付勢力によって開閉部材331が開放位置から閉鎖位置に回動し、開放状態から閉鎖状態に切り換わる。
図7に示すように、ベース体320には、上作動口303に入った遊技球を遊技盤24の背面側に案内する上側案内通路333が形成されている。上側案内通路333は、後方に延びており、上側案内通路333に到達した遊技球は通路底面333aに沿って後方に誘導される。その途中位置には、上作動口303に入球した遊技球を検知する検知センサが配置されている。検知センサは主制御装置81に電気的に接続されており、検知センサの検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される構成となっている。主制御装置81ではこの検知情報に基づいて上作動口303への入賞の有無を判定する。
図5に示すように、下入賞部315は下作動口ケース337を備えており、下作動口ケース337が上方に開口することで下作動口305を構成している。下作動口ケース337は、上入賞部313の下方において開閉部材331の近傍に配置されている。下作動口ケース337は、図6に示すように、板状ベース部321の前面321aから前方に突出している。下作動口ケース337の上辺における左右幅(すなわち下作動口305の左右幅)及び前後幅(すなわち下作動口305の前後幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きくなっており、遊技球が1個ずつ下作動口305に入賞可能となっている。
図5に示すように、下作動口ケース337は、第1及び第2遊技釘281,282の下方に位置している。詳しくは、下作動口ケース337(下作動口305)の左右両端部の一方が第1遊技釘281の真下に位置し、他方が第2遊技釘282の真下に位置している。
図7に示すように、ベース体320には、下作動口305に入った遊技球を遊技盤24の背面側に案内する下側案内通路339が形成されている。下側案内通路339は、後方に延びており、下側案内通路339に到達した遊技球は通路底面339aに沿って後方に誘導される。その途中位置には、下作動口305に入球した遊技球を検知する検知センサが配置されている。検知センサは主制御装置81に電気的に接続されており、検知センサの検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される構成となっている。主制御装置81ではこの検知情報に基づいて下作動口305への入賞の有無を判定する。
以上の構成において、第1及び第2遊技釘281,282の間を通過した遊技球は、図8(a)に示すように、下作動口305へ向けて第1流下経路R1を流下する。開閉部材331が下作動口305の上方に位置するようにして両者が縦並びに配列されているところ、開閉部材331が閉鎖状態になっている場合は、当該開閉部材331が第1流下経路R1から退避していることで(図9(a)参照)、上記遊技球は開閉部材331の前方を通過して下作動口305に入賞可能となる。
また、第1及び第3遊技釘281,283の間を通過した遊技球と、第2及び第4遊技釘282,284の間を通過した遊技球とは、それぞれ第2及び第3流下経路R2,R3を流下する。但し、これらの遊技球は、下作動口305に入賞することなく、下作動口ケース337の脇を抜けてアウト口37(図5参照)に至る。
図8(b)及び図9(b)に示すように、開閉部材331が閉鎖位置から前方に回動(傾倒)して開放位置に変位すると、遊技球を上作動口303へ受入可能な受入領域RAが第1流下経路R1上に形成される。すなわち、上作動口303を開放すると同時に、開閉部材331が第1流下経路R1と交差する(開閉部材331が第1流下経路R1上に位置する)。この場合、開閉部材331は、第1流下経路R1を流下する遊技球を背面331cに受け、上作動口303へと導く。このため、第1流下経路R1を流下する遊技球は、下作動口305に到達する前に上作動口303に入賞することとなる。
さらに、受入領域RAは、第2及び第3流下経路R2,R3上にも形成されるため、第2及び第3流下経路R2,R3を流下する遊技球も上作動口303に入賞する。つまり、第1流下経路R1だけでなく、その左右両側を流下する遊技球も上作動口303に入賞可能となる。
ちなみに、本実施の形態では、開閉部材331が下作動口305の上方に位置し、且つ、両者が隣接配置されるため、図9(b)に示すように、開閉部材331が開放状態に切り換えられた場合に、上作動口303を開放すると同時に、開閉部材331が下作動口305を閉鎖する。具体的には、開放位置に変位した開閉部材331が下作動口305を上方から覆う。これにより、下作動口305への入賞を狙う遊技と、上作動口303への入賞を狙う遊技とを遊技者の目線で明確に切り分けることができる。その結果、開閉部材331が開放状態に切り換えられた場合に、遊技者が下作動口305に気を取られることが抑制され、電動役物307や上作動口303に効果的に注目させることが可能になる。
<第1及び第2発光部311,317による電飾装置としての構成について>
図5に示すように、第1発光部311には、光透過性を有する透光部341が設けられている。透光部341は、上入賞部313の上方において開閉部材331の近傍に配置されている。透光部341は、透明性を有する合成樹脂により形成されており、正面視で横長の略長方形状をなしている。透光部341の左右幅は、開閉部材331の左右幅と同程度に設定されており、換言すれば、遊技球約3個分の長さに設定されている。透光部341の上下幅は、遊技球約2個分の大きさとなっている。
図7に示すように、透光部341は、その前面341aが板状ベース部321の前面321aと略面一となっている。つまり、窓パネル62との距離L2が遊技球1個分よりも大きくなっている。このため、第1〜第3流下経路R1〜R3を流下する各遊技球は、透光部341の前方を流下可能となっている。透光部341の前面341aは、第1〜第3流下経路R1〜R3上の遊技球の流れが乱れるのを抑制するため、平坦状に形成されている。
なお、前面341aの全体が平坦状でなくてもよく、少なくとも第1〜第3流下経路R1〜R3と重なる領域が平坦状になっていればよい。また、透光部341は必ずしも単一部材より形成される必要はなく、複数の透光部材が前後方向に積層されて透光部341が構成されてもよい。この場合、最も前の透光部材の前面が平坦状とされていることが好ましい。
図6に示すように、第2発光部317には、板状ベース部321の前面321aから前方に突出する突出部347が設けられている。各突出部347は、透明性を有する合成樹脂により形成されている。各突出部347は、透光部341の左右両側において透光部341の近傍に配置され、透光部341及び上入賞部313を跨ぐようにして上下方向に直線状に延設されている。図6及び図7に示すように、各突出部347は、側面視において縦長の長方形状をなしており、その突出量(前後幅)は遊技球1個分よりも大きくなっている。各突出部347の前面347aは窓パネル62と対向しており、窓パネル62との距離L3は遊技球1個分よりも小さくなっている。
図7及び図10に示すように、透光部341及び突出部347の後方には、光拡散プレート357(導光板)と、複数の発光体360(詳しくはLED)が実装された発光基板359とが配置されている。
光拡散プレート357は、透明性を有する合成樹脂材料の表面につや消し加工(スリガラス加工)や凹凸加工が施されたものである。光拡散プレート357を設けることにより、透光部341及び突出部347を通過した光が多方向に分散され、その反対側が鮮明に視認されないようになっている。すなわち、光拡散プレート357は、発光体360からの光を拡散させる他、前方から視認した場合にその後方、具体的には発光基板359及び発光体360を視認困難又は視認不可とする役割を果たしている。
発光基板359は、発光体360の実装面が遊技機前方を向くように配置されている。各発光体360は、透光部341及び突出部347の後方に位置するように配列されており、発光面が前方を向くように配置されている。各発光体360から照射された光は、光拡散プレート357によって拡散された後、透光部341及び突出部347のそれぞれに入射する。なお、透光部341の背面341b及び突出部347の背面には、図7に示すように、光拡散用の所定のカット加工が施され、凹凸が形成されている。このため、透光部341及び突出部347に入射した光は、当該凹凸によりさらに拡散された後、透光部341及び突出部347を透過して前方に照射される。これにより、透光部341及び突出部347の全域が発光しているように視認させることができる。
なお、透光部341が複数の透光部材の積層構造より構成されている場合は、上記凹凸は、最も前の透光部材の背面に形成されてもよいし、前から2番目以降の透光部材の前面又は背面に形成されてもよい。
発光基板359は、演出制御装置82に電気的に接続されている。演出制御装置82により遊技状況に応じて発光制御が行われることで、開閉部材331の切換制御の実行態様に対応する発光演出が実行される。なお、発光演出の詳細については後述する。
<第1発光部311及び上入賞部313による案内装置としての構成について>
図6に示すように、透光部341の前面341aには、透光部341の前方を流下する遊技球を案内可能な2つの第1案内部365が設けられている。各第1案内部365は、透光部341の前面341aから前方に突出しており、板状をなしている。これら第1案内部365は、透光部341に一体形成されており、透光部341と同様に光透過性を有している。
各第1案内部365は同一の長さで上下に延設されており、具体的には、透光部341の上端から下端まで直線状に延びている。図6及び図7に示すように、各第1案内部365は、側面視で縦長の略長方形状をなしており、その突出量(前後幅)は遊技球1個分よりも大きくなっている。各第1案内部365の前面365aは、窓パネル62と対向しており、窓パネル62との距離L4は遊技球1個分よりも小さくなっている。
これら第1案内部365は、図8に示すように、1個の遊技球が通過可能な間隔を隔てて平行に配置され、それぞれが各遊技釘281,282の真下に位置している。各第1案内部365の上面365bと各遊技釘281,282との距離L5は、図7に示すように、遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、第1及び第2遊技釘281,282の間を通過した遊技球のみが第1流下経路R1を通過可能となっている。
図5及び図6に示すように、上入賞部313の開閉部材331の前面331bには、開閉部材331の前方を流下する遊技球を案内可能な2つの第2案内部371が設けられている。各第2案内部371は、開閉部材331の前面331bから前方に突出しており、板状をなしている。これら第2案内部371は、開閉部材331に一体形成されている。
各第2案内部371は同一の長さで上下に延設されており、具体的には、開閉部材331の上端からその途中位置まで直線状に延びている。これら第2案内部371は、それぞれ各第1案内部365から連続するようにして配置されている。詳しくは、第2案内部371及び第1案内部365は左右方向の中心軸線が一致するように配列されており、両者は正面視で一直線状に縦列している。なお、各第2案内部371の厚み(横幅)は、各第1案内部365のそれと略同一となっている。
かかる構成により、図8に示すように、第1及び第2遊技釘281,282の間を通過した遊技球は、第1及び第2案内部365,371のそれぞれにおいて流下方向が下方に規定される。そして、開閉部材331が閉鎖状態となっている場合は、図8(a)に示すように、上記遊技球が第1及び第2案内部365,371の双方によって下作動口305へ案内される。一方、開閉部材331が開放状態に切り換えられている場合は、図8(b)に示すように、上記遊技球は第1案内部365によって開閉部材331の背面331c(球受け面)へ案内される。
このように、第1〜第4遊技釘281〜284を通過後の遊技球を第1案内部365や第2案内部371によって案内することで、透光部341や開閉部材331の前方で遊技球が暴れることが抑制される。これにより、下作動口305や上作動口303への入賞確率が過度に低下することが抑制され、遊技者を安心させることができる。同時に、透光部341の前方を流下する遊技球の影響で、透光部341における発光演出の視認性が低下することも抑制される。加えて、第1及び第2案内部365,371によって遊技球の案内経路が明示されるため、外観上、遊技者に対して下作動口305や上作動口303へ遊技球が入賞しやすい(誘導されやすい)印象を与えることができ、遊技意欲を向上させることにも繋がる。
ちなみに、第2発光部317の突出部347が立設されていることにより、第1遊技釘281と第3遊技釘283との間、及び第2遊技釘282と第4遊技釘284との間を通過した各遊技球も上作動口303へと案内される。さらに、突出部347の存在により、第1〜第3流下経路R1〜R3への側方からの遊技球の進入が抑制されている。これにより、第1〜第3流下経路R1〜R3上の遊技球に他の遊技球が側方から衝突し、遊技球が上作動口303や下作動口305の外側に弾かれたりすることが抑制されている。
図7に示すように、各第2案内部371は、側面視で縦長の長方形状をなしており、その突出量(前後幅)は、各第1案内部365のそれよりも少なく抑えられている。各第2案内部371は開閉部材331の回動に伴って変位するところ、各第2案内部371の突出量を少なく抑えることで、窓パネル62への各第2案内部371の衝突が回避されている。これにより、開閉部材331の変位に伴う各第2案内部371や窓パネル62の損傷が抑制される。窓パネル62への衝突を回避する上で、各第2案内部371の突出量は、開閉部材331に対する各第2案内部371の高さ位置や、開閉部材331の回動角等との兼ね合いになるが、遊技球を案内する観点から見た場合、遊技球の半径以上であることが好ましい。
第2案内部371の上面371a(上端部)と第1案内部365の下面365c(下端部)との距離L6は、遊技球の直径よりも小さくなっている。この場合、第1流下経路R1を流下する遊技球が、第1案内部365と第2案内部371との間を通じて他の流下経路R2,R3側に移動することが抑制される。これにより、第1流下経路R1上の遊技球を適正に下作動口305へ案内可能となる。
さらに、上記距離L6が遊技球の直径よりも小さくなっていることで、第1案内部365を、第2案内部371の上面371aに対する上方からの遊技球の衝突を抑制する抑制手段として機能させることができる。開閉部材331は閉鎖位置(起立姿勢)から前方に回動することで上作動口303を開放するように構成されているところ、第2案内部371の上面371aに上方から遊技球が衝突すると、その衝撃で開閉部材331が前方に回動し、切換制御とは無関係に上作動口303が開放されることが懸念される。この場合、遊技設計に反して上作動口303に遊技球が入賞する可能性が生じ、遊技ホールが損失を被るおそれがある。この点、第1案内部365が抑制手段として機能することで、開閉部材331の不意な開放が抑制され、上記不都合を好適に解消することができる。
特に、本実施の形態では、第2案内部371の突出量が第1案内部365のそれよりも小さくなっていることから、第1案内部365が第2案内部371の上面全体を上方から覆う態様となり、上方からの遊技球の衝突が一層抑制されている。なお、抑制手段として機能させる点からすると、第1案内部365の厚み(横幅)を第2案内部371のそれよりも大きくしてもよい。
図7に示すように、第2案内部371の下面371b(下端部)と下作動口305(下作動口ケース337の上端部)との距離L7は、遊技球の直径よりも大きくなっている。かかる構成により、第1流下経路R1を流下する遊技球が、第2案内部371と下作動口305との間を通じて側方に移動し、第1流下経路R1から逸脱可能となっている。これにより、第1及び第2遊技釘281,282の間を通過した遊技球が常に下作動口305に入賞することが回避され、遊技の単調化を抑制したり、各遊技釘281,282間を通過した遊技球の行方に対する遊技者の関心を持続させたりすることができる。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211などが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211の一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口303、下作動口305及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口303及び下作動口305への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口305への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口303への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、特図遊技回に関する変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種特図用の演出コマンドや、普図遊技回に関する変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種普図用の演出コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、上作動口303の電動役物307を開閉動作させる電動役物駆動部332、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物307の開放状態当選となった場合には、電動役物307が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部332の駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。そして、普図遊技回に際しては、MOU202において役物用表示部44の表示制御が実行されるとともに、電動役物307の開放状態当選となるサポート状態に際しては役物用表示部44においてそのサポート状態当選を示す表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47、前扉枠14に設けられた表示発光部63及び入賞ユニット301に設けられた第1及び第2発光部311,317やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組合せの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図12に基づいて説明する。図12は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図12(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、特図遊技回の変動表示の領域として、当該表示画面Gの略中央部に上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図12(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する6R通常大当たり結果、6R確変大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留発光部45に対応する第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留発光部46に対応する第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が下作動口305に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口305に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口305に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が下作動口305に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が上作動口303に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口303に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口303に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が上作動口303に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
表示画面Gにおける上記各図柄列Z1〜Z3及び保留表示領域Ga,Gbと重ならない領域、より具体的には表示画面Gにおける上部には、普図遊技回の変動表示の領域として普図表示領域Pが設定されている。普図表示領域Pは、複数(2個)の表示部からなり、これら各表示部における表示色の切換により変動表示が可能となっている。また、普図表示領域Pは各図柄列Z1〜Z3における変動表示領域よりも小さく、また、普図表示領域Pにおける各表示部は各図柄(主図柄及び副図柄)よりも小さい。
普図表示領域Pは、役物用表示部44に対応するものであり、役物用表示部44にて変動表示が行われる場合には当該普図表示領域Pにおいても変動表示が行われる。そして、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が、役物用表示部44とともに役物用表示部44にて表示される。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における図柄列Z1〜Z3の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、上作動口303の電動役物307を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する開放乱数カウンタC4と、電動役物307の開放パターンが設定された開放種別を判定する際に使用する開放種別カウンタC5とを用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS1,C4〜C5は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、下作動口305又は上作動口303への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、第1実行エリアAE1とを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリアRa1,Rb1、第2エリアRa2,Rb2、第3エリアRa3,Rb3、第4エリアRa4,Rb4を備えており、下作動口305又は上作動口303への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリアRa1,Rb1〜第4エリアRa4,Rb4には、下作動口305又は上作動口303への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1,Rb1→第2エリアRa2,Rb2→第3エリアRa3,Rb3→第4エリアRa4,Rb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、下作動口305又は上作動口303への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には下作動口305又は上作動口303への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
第1実行エリアAE1は、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアRa,Rbの第1エリアRa1,Rb1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1の特図遊技回の開始に際しては第1実行エリアAE1に記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口305又は上作動口303に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、下作動口305に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、上作動口303に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図14を用いて説明する。図14に示すように、特図用の当否テーブルとしては、図14(a)の低確率モード用の特図用当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図14(b)の高確率モード用の特図用当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記特図用の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が通常外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の上作動口303の電動役物307におけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
上作動口303の電動役物307におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、上作動口303の電動役物307が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、開放乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物307が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物307の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも上作動口303への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、上作動口303よりも下作動口305への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口305よりも上作動口303への入賞が発生する確率が高くなる。そして、上作動口303への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口305又は上作動口303に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、下作動口305に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、上作動口303に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての種別テーブル記憶エリア222に種別テーブル(振分情報群)として記憶されている。
本実施形態では大当たり結果の種類として、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されている。通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の種別テーブルでは、図15(a)に示すように、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜39」が6R通常大当たり結果に対応しており、「40〜89」が6R確変大当たり結果に対応しており、「90〜99」が15R確変大当たり結果に対応している。
一方、第2結果表示部用の種別テーブルでは、図15(b)に示すように、遊技結果の振分先として、6R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜39」が6R通常大当たり結果に対応しており、「40〜99」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口303への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口305への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の種別テーブル及び第2結果表示部用の種別テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の種別テーブルでは、6R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、60個となっている。また、第2結果表示部用の種別テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、60個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、下作動口305への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、上作動口303への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には60%)。
但し、上作動口303への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、下作動口305への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、50%の確率で6R確変大当たり結果となり、10%の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、上作動口303への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、下作動口305への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
以上のとおり、下作動口305と上作動口303とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は下作動口305及び上作動口303のうち、上作動口303への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、上作動口303への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下作動口305又は上作動口303に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、下作動口305に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、上作動口303に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する特図遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる特図遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図12の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、をMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が下作動口305又は上作動口303に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、下作動口305に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、上作動口303に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
抽選カウンタ用バッファ231において、開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図側の取得情報記憶手段としての電役保留エリア233に格納される。
電役保留エリア233は、電役用保留エリアRcと、普図用の第2実行エリアAE2とを備えている。保留エリアRcは、第1エリアRc1、第2エリアRc2、第3エリアRc3、第4エリアRc4を備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリアRc1〜第4エリアRc4には、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRc1→第2エリアRc2→第3エリアRc3→第4エリアRc4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
普図用の第2実行エリアAE2は、役物用表示部44の変動表示を開始する際に、保留エリアRcの第1エリアRc1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1の普図遊技回の開始に際しては第2実行エリアAE2に記憶されている各種数値情報に基づいて、開放判定などが行われる。
普図側の各カウンタについて詳しくは、開放乱数カウンタC4は、例えば、0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された開放乱数カウンタC4の値によって電動役物307を開放状態に制御するか否かの普図抽選が行われる。
普図抽選においてサポート状態当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に普図用当否テーブルとして記憶されている。既に説明したとおり、普図抽選においては、サポートモードの高低に関わらずサポート状態となる確率(サポート状態当選となる確率)は同じとなっており、ROM203に記憶されている普図用当否テーブルも共通のテーブルを使用している。例えば、図14(c)に示すように、普図用当否テーブルでは、開放乱数カウンタC4=0〜99であれば、電動役物307を開放状態に制御するサポート状態に移行させ、C4=100〜199であれば、電動役物307を開放状態に制御せずにサポート状態に移行させないように設定されている。
ここで、サポート状態における電動役物307の開閉制御の態様としては、サポート状態が開始されてから終了するまでの間における電動役物307への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高入賞サポート状態と低入賞サポート状態とが設定されている。さらに、高入賞サポート状態として第1高入賞サポート状態と第2高入賞サポート状態との2種類が設定されている。
具体的には、第1高入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに、電動役物307の開閉が1回行われるとともに、その開放は3secが経過するまで又は電動役物307(上作動口303)への入賞個数が5個となるまで継続される。また、第2高入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに、電動役物307の開閉が2回行われるとともに、1回の開放は2secが経過するまで又は電動役物307(上作動口303)への入賞個数が10個となるまで継続される。ちなみに、第2高入賞サポート状態において、1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間(待機期間)は0.2secに設定されている。
低入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに、電動役物307の開閉が1回行われるとともに、その開放は0.2secが経過するまで又は電動役物307(上作動口303)への入賞個数が3個となるまで継続される。
上記のように、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低入賞サポート状態では、上記のとおり1回の電動役物307の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低入賞サポート状態では、遊技球の発射周期よりも1回の電動役物307の開放時間が短くなっている。したがって、低入賞サポート状態にかかるサポート状態では実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態における電動役物307の開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高入賞サポート状態の方が低入賞サポート状態よりも、サポート状態が開始されてから終了するまでの間における上作動口303への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高入賞サポート状態の方が低入賞サポート状態よりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高入賞サポート状態と低入賞サポート状態との間での特典の差異を明確にする上では、低入賞サポート状態にかかるサポート状態では、実質的に上作動口303への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高入賞サポート状態では、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低入賞サポート状態では、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の上作動口303の開放時間が上記のものでなかったとしても、低入賞サポート状態では、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に上作動口303への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
開放種別カウンタC5に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての種別テーブル記憶エリア222に種別テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、普図用の種別テーブルの内容について図16を用いて説明する。図16に示すように、普図用の種別テーブルとしては、図16(a)の低頻度サポートモード時の普図用種別テーブルが設定されている。
図16(a)に示すように、普図当選の振分先として、低頻度サポートモード時の普図用種別テーブルにおいては、第1開放結果(第1サポート結果)及び第2開放結果(第2サポート結果)が設定されている。第1開放結果は低入賞サポート状態となる振分結果であり、第2開放結果は第1高入賞サポート状態となる振分結果である。低頻度サポートモード時の普図用種別テーブルでは、「0〜99」の開放種別カウンタC5の値のうち、「0〜89」が第1開放結果に対応しており、「90〜99」が第2開放結果に対応している。つまり、低頻度サポートモード時において普図当否抽選の結果がサポート状態に移行する結果となった場合、そのうちの90%は低入賞サポート状態に移行し、残りの10%が第1高入賞サポート状態に移行する。
一方、高頻度サポートモード時における電動役物307の開閉制御の態様は、図16(b)に示すように、第2高入賞サポート状態のみとなっている。つまり、高頻度サポートモード時において普図当否抽選の結果がサポート状態に移行する結果となった場合、常に第2高入賞サポート状態に移行する。
既に説明したように、MPU202では、第1実行エリアAE1に格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223における特図用変動表示時間テーブルが用いられる。また、MPU202では、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224における特図用停止結果テーブルが用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、下作動口305への入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に下作動口用の入賞検知フラグを格納し、上作動口303への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア235に上作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理の詳細については後述する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、各作動口305,303のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行う。
<スルー用の入賞処理>
次に、図18のフローチャートを参照して、スルー用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球がスルーゲート35に入賞(入球)したか否かを、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているかを確認することにより判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞していない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。スルーゲート35に入賞している場合には、ステップS202にて、スルーゲート35に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
ステップS203では、電役用保留エリアRcにおける保留情報の数を記憶する保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該電役用保留エリアRcに記憶されている保留情報の数を示す普図保留記憶数FNが、上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが上限値である場合にはそのまま本入賞処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS204にて普図保留記憶数FNを1増加(インクリメント)する。そして、ステップS205にて、開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5の各値を格納する処理を行い、本入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図19のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S306の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS309,S310のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS301にて外部信号出力処理を実行する。ステップS301の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、各特図遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、特図側の大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS303の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS304に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS305では、普図側遊技回における遊技を制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、普図側のサポート判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、役物用表示部44の表示制御、上作動口303に設けられた電動役物307の駆動制御等を行う。
これら、ステップS303〜ステップS305の各処理については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS306では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS307では、RAM204に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板205において停電の発生が確認され当該停電監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS308にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS309では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS310では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、ステップS302と同様に、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS301〜S306の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS303の遊技回制御処理を図20〜図22のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS401にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口305,303への入賞が発生しているか否かに関係なく、特図遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、始動保留記憶数RaN,RbNを合わせた数である共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下作動口305及び上作動口303のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS404にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS405にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS404のデータ設定処理及びステップS405の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS501にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS502〜ステップS507の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS508〜ステップS513の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、上作動口303に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS502にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS503では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS504では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納されたデータを第1実行エリアAE1に移動する。
その後、ステップS505にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第4エリアRa4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアすると共に、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS506では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS507では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報である特図シフトコマンド(特図シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下作動口305に対応していることの情報を含む特図シフトコマンドを選定し、その選定した特図シフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS507にて設定された特図シフトコマンドは、通常処理(図19)における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した特図シフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS508にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS509では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS510では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアRb1に格納されたデータを第1実行エリアAE1に移動する。
その後、ステップS511にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRb1〜第4エリアRb4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRb1のデータをクリアすると共に、第2エリアRb2→第1エリアRb1、第3エリアRb3→第2エリアRb2、第4エリアRb4→第3エリアRb3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS512では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS513では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報である特図シフトコマンド(特図シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち上作動口303に対応していることの情報を含む特図シフトコマンドを選定し、その選定した特図シフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS513にて設定された特図シフトコマンドは、通常処理(図19)における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した特図シフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS601にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、いずれかの確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS602にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図14(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS603にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図14(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS602又はステップS603の処理の後は、ステップS604〜ステップS612にて、今回の特図遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の特図遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
具体的には、先ずステップS604にて、ステップS602又はステップS603における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS605〜ステップS610において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS605では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS606にて第1結果表示部用の種別テーブル(図15(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R通常大当たり結果の数値範囲、6R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS607にて第2結果表示部用の種別テーブル(図15(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、6R通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS606又はステップS607の処理の後は、ステップS608にて、ステップS606又はステップS607において振り分けた遊技結果がいずれかの確変大当たり結果(6R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれか)であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS609にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の特図遊技回において、確変大当たり結果が発生することに対応する停止結果を表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。またステップS609では、今回の特図遊技回の当否判定結果が、いずれの確変大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報(6R確変フラグ、15R確変フラグのいずれか)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
一方、ステップS606又はステップS607において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS608にて否定判定をし、ステップS610に進む。ステップS610では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。また、ステップS610では、今回の特図遊技回の当否判定結果が、通常大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報(通常大当たりフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
また、ステップS602又はステップS603における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS604にて否定判定をし、ステップS611に進む。ステップS611では、外れ結果となる今回の特図遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS609、ステップS610、ステップS611のいずれかの処理を実行した後は、ステップS612にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の特図遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM203に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、第1及び第2特図の各遊技回に対して、大当たり当選に対応したものと、外れ結果に対応したものとが設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能になる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
続くステップS613にて、特図用変動用コマンド及び特図種別コマンドを設定する。特図変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、特図種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、特図種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、6R確変大当たり結果の情報、6R通常大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS613にて設定された特図変動用コマンド及び特図種別コマンドは、通常処理(図19)における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した特図変動用コマンド及び特図種別コマンドに基づいて、その特図遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各特図遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS614にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の特図遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の特図遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の特図遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図20)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の特図遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の特図遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動開始処理(図22)のステップS609、ステップS610及びステップS611のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS409では、特図変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS409にて設定された特図変動終了コマンドは、通常処理(図19)における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、当該特図変動終了コマンドを受信することにより、その特図遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させるように表示制御装置212を制御する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS304の遊技状態移行処理を図23及び図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS701では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS702に進み、1の特図遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS703にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、6R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS704にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
続くステップS705では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS706では、今回の開閉実行モードが15R大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に15R確変フラグが格納されているか否かを判定する。15R大当たりでない場合、すなわち6R確変大当たり又は6R通常大当たりである場合には、ステップS707にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「6」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、15R大当たりである場合には、ステップS708にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS707又はステップS708の処理を実行した後は、ステップS709にて特図オープニングコマンドを設定する。この設定された特図オープニングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。この特図オープニングコマンドには、6R通常大当たり、6R確変大当たり又は15R大当たりのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した特図オープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS710では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に6R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
ステップS701にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS711に進む。ステップS711では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS712にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS801にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS802にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定するとともに、ステップS803にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1タイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。
第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合又は第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でなく且つ第1タイマエリアT1の値が「0」である場合には、ステップS804に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS805では、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、第1タイマエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。
続くステップS806では、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1入賞カウンタエリアPC1に、「10」をセットする。その後、ステップS807にて特図開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された特図開放コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、ステップS801にて大入賞口が開放中である場合にはステップS808に進み、第1タイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合、ステップS809にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS810にて第1入賞カウンタエリアPC1の値を1ディクリメントした後にステップS811にて第1入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS808にて第1タイマエリアT1の値が「0」の場合、又はステップS811にて第1入賞カウンタエリアPC1の値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS812にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS813では第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1ディクリメントし、ステップS814にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合にはステップS815にて、大入賞口32aを閉鎖状態に維持する期間として第1タイマエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。その後、ステップS816にて特図閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された特図閉鎖コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS814にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には、ステップS817にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の特図遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS818にて、特図エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された特図エンディングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した特図エンディングコマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
遊技状態移行処理(図23)の説明に戻り、ステップS712にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS713にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定するとともに、ステップS714にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS715にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理では、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの設定を行う。具体的には、今回の開閉実行モードの契機が確変大当たり結果であった場合には、開閉実行モード終了後は高確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態に移行し、通常大当たり結果となっている場合には、開閉実行モード終了後は低確率モード且つ回数限定の高頻度サポートモードの遊技状態に移行する。
そして、ステップS716にてラウンド表示部RSの表示を終了するための処理を実行し、ステップS717にて開閉実行モードの終了処理を実行してから、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モードへの移行や開閉実行モード中に使用した各種カウンタやフラグの消去を行う。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS305の電役サポート用処理について図25のフローチャートを参照して説明する。電役サポート用処理では、ステップS901にて普図遊技回制御処理を実行し、ステップS902にて普図遊技状態移行処理を実行して、本サポート用処理を終了する。
すなわち、電役サポート用処理は、基本的には、特図側の遊技回制御処理(図20)や遊技状態移行処理(図23)の処理構成と同様の構成となっている。すなわち、ステップS901の普図遊技回制御処理が図20の特図側の遊技回制御処理に対応し、ステップS902の普図遊技状態移行処理が図23の特図側の遊技状態移行処理に対応している。以下、普図側の遊技回制御処理(ステップS901)と遊技状態移行処理(ステップS902)の処理について、詳細に説明する。
<普図遊技回制御処理>
先ず、普図遊技回制御処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
普図遊技回制御処理では、ステップS1001にて、サポート状態中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235におけるサポート状態フラグ格納エリア(サポート状態情報記憶手段)にサポート状態フラグ(サポート状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該サポート状態フラグは、後述する普図遊技状態移行処理にて電動役物307の開閉制御を行うサポート状態に移行させる場合に格納され、同じく普図遊技状態移行処理にてサポート状態を終了させる場合に消去される。
サポート状態中である場合には、ステップS1002以降の処理、すなわちステップS1003〜ステップS1005の普図遊技回開始用処理及びステップS1006〜ステップS1009の普図遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本普図遊技回制御処理を終了する。つまり、サポート状態中である場合には、スルーゲート35への入賞が発生しているか否かに関係なく、普図遊技回が開始されることはない。
サポート状態中ではない場合には、ステップS1002にて、役物用表示部44が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における普図変動表示中フラグ格納エリア(第2変動表示中情報記憶手段)に普図変動表示中フラグ(第2変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。普図変動表示中フラグは、役物用表示部44について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
役物用表示部44が変動表示中でない場合には、ステップS1003〜ステップS1005の普図遊技回開始用処理に進む。普図遊技回開始用処理では、先ずステップS1003にて、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図保留記憶数FNが「0」ではない場合には、ステップS1004にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1ディクリメントするとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを第2実行エリアAE2に移動する。そして、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。すなわち、第1エリアRc1〜第4エリアRc4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRc1のデータをクリアするとともに、第2エリアRc2→第1エリアRc1、第3エリアRc3→第2エリアRc2、第4エリアRc4→第3エリアRc3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報である普図シフトコマンド(普図シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から普図シフトコマンドを読み出し、その普図シフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップS1004にて普図データ設定処理を実行した後は、ステップS1005にて普図変動開始処理を実行してから、本普図遊技回制御処理を終了する。
ここで、普図変動開始処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、先ずステップS1101にて、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定する。上記のとおり、高頻度サポートフラグは、特図側の遊技状態移行処理にて格納され、その後、移行条件が成立した場合(特図遊技回が100回継続した場合)に消去される。
高頻度サポートモードではない場合には、ステップS1102にて低頻度サポートモード用の当否テーブルを参照して当否判定(サポート抽選)を行い、高頻度サポートモードである場合には、ステップS1103にて高頻度サポートモード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。なお、既に説明したとおり、本実施の形態では、サポートモードの高低に関わらず普図用の当否テーブルを共通のものを使用する構成としており、ステップS1102にて参照する当否テーブルと、ステップS1103にて参照する当否テーブルとは同じものである(図14(c)参照)。そのため、ステップS1101におけるサポートモードの高低を判定する処理を省略する構成としてもよい。
ステップS1102又はステップS1103の処理の後は、ステップS1104〜ステップS1112にて、今回の普図遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の普図遊技回において役物用表示部44で実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)のうち、普図用の停止結果テーブルが参照される。
具体的には、先ずステップS1104にて、ステップS1102又はステップS1103における抽選の結果がサポート状態当選であるか否かを判定する。サポート状態当選である場合には、ステップS1105〜ステップS1111において、サポート状態当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS1105では、RAM204に高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグが設定されている場合には、ステップS1106にて今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、第2高入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、第2高入賞サポート状態用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS1106では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第2高入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(第2高入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
一方、高頻度サポートモードフラグが格納されていない場合には、ステップS1107にて低頻度サポートモード用の普図用種別テーブル(図16(a))を参照して振分判定を行う。具体的には、第2実行エリアAE2に格納されている開放種別カウンタC5の値が、第1開放結果の数値範囲、第2開放結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
続くステップS1108にて、ステップS1107において振り分けた遊技結果が第1高入賞サポート状態となる結果(第2開放結果)であるか否かを判定する。第1高入賞サポート状態となる結果である場合には、ステップS1109にて、今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、第1高入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、第1高入賞サポート状態用の停止結果設定処理を実行する。またステップS1109では、今回の普図遊技回の当否判定結果が第1高入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(第1高入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
続くステップS1110では第1高入賞サポートコマンドを設定する。この設定された第1高入賞サポートコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した第1高入賞サポートコマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、ステップS1108において振り分けた遊技結果が第1高入賞サポート状態となる結果でない場合、すなわち振り分けた遊技結果が第1開放結果であり低入賞サポート状態となる場合には、ステップS1111にて、低入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、低入賞サポート状態用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS1111では、今回の普図遊技回の当否判定結果が低入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(低入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
また、ステップS1104にて否定判定した場合は、ステップS1112にて、今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、第1高入賞サポート状態、第2高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態のいずれもが発生しないことを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、外れ用の停止結果設定処理を実行する。またステップS1112では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報(普図外れフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
ステップS1106、ステップS1110〜S1112のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1113にて、役物用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定するための普図変動表示時間の設定処理を実行する。
普図変動表示時間の設定処理では、上記の高頻度サポートモードフラグの有無を確認することで、高頻度サポートモードか低頻度サポートモードかを判定し、高頻度サポートモードである場合には、ROM203に記憶されている高頻度サポートモード用の普図変動表示時間情報を取得して、その情報に対応する値を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアにセットする。一方、低頻度サポートモードである場合には、ROM203に記憶されている低頻度サポートモード用の普図変動表示時間情報を取得して、その情報に対応する値を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアにセットする。これら、高頻度サポートモード用の普図変動表示時間情報と、低頻度サポートモード用の普図変動表示時間情報と、では、高頻度サポートモードのほうが低頻度サポートモードよりも変動表示時間が平均して短くなるように設定されている。本実施の形態では、低頻度サポートモード用の普図変動表示時間情報として一律に20secが設定されている。
なお、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのそれぞれに対して、複数種類の変動表示時間が設定された変動表示時間テーブルがROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶され、当該各変動表示時間テーブルから普図用の変動種別カウンタの値に対応する変動表示時間が選択される構成としてもよい。この場合、高頻度サポートモード時に選択され得る変動表示時間の一部が、低頻度サポートモード時に選択され得る変動表示時間の一部よりも長くなるように設定されていてもよく、いずれの変動表示時間が選択されても、高頻度サポートモードのほうが低頻度サポートモードよりも短くなるように設定してもよい。また、普図用の変動種別カウンタの値だけでなく、普図保留記憶数FNの数に応じて変動表示時間が異なるように設定してもよく、普図保留記憶数FNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定してよく、その逆であってもよい。
ステップS1113にて普図変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS1114にて、普図変動用コマンド及び普図種別コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、普図変動表示時間の情報が含まれる。また、普図種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
ステップS1114にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて、その普図遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各普図遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS1115にて、役物用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図26)の説明に戻り、役物用表示部44が変動表示中である場合には、ステップS1006〜ステップS1009の普図遊技回進行用処理を実行する。普図遊技回進行用処理では、先ずステップS1006にて、今回の普図遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている普図用の変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、普図変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS1007にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、役物用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該役物用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本普図遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS1008にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS1106、S1109、S1111及びS1112のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した図柄が役物用表示部44にて停止表示されるように当該役物用表示部44を制御する。
続くステップS1009では、普図変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS1009にて設定された普図変動終了コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、当該普図変動終了コマンドを受信することにより、その普図遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させるように表示制御装置212等を制御する。
<普図遊技状態移行処理>
次に、電役サポート用処理におけるステップS902の普図遊技状態移行処理を図28〜図30のフローチャート等を参照して説明する。
先ず、ステップS1201では、サポート状態中か否かを判定する。サポート状態中ではない場合にはステップS1202に進み、1の普図遊技回の図柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
普図用の変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1203にて、今回の普図遊技回の遊技結果がサポート状態への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、第1高入賞サポートフラグ、第2高入賞サポートフラグ、低入賞サポートフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1204にてサポート状態の開始処理を実行する。当該開始処理では、サポート状態のオープニング用に電動役物307の開放を開始することなく待機するための普図オープニング用の待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図用待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されている普図オープニング用の待機時間情報をセットする。普図オープニング用の待機時間は、第1高入賞サポート状態用として2.0secが設定され(図16(b)参照)、第2高入賞サポート状態用及び低入賞サポート状態用として0.2secが設定される(図16(b),(c)参照)。
続くステップS1205では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合は、今回のサポート状態が第1高入賞サポート状態又は低入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS1206にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に、「1」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物307が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、サポートモードが高頻度サポートモードでない場合は、今回のサポート状態が第2高入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS1207にて、上記第2ラウンドカウンタエリアRC2に「2」を設定する。
ステップS1206又はステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208にて、普図オープニングコマンドを設定する。この設定された普図オープニングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。この普図オープニングコマンドには第1高入賞サポート状態であることの情報と、普図オープニング用の待機時間情報と、が含まれる。演出制御装置82では、受信した普図オープニングコマンドに基づいて、サポート状態に対応したオープニング演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回のサポート状態に対応した表示(例えば、アニメーション表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS1209では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。これにより、役物開放信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に役物開放信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にてサポート状態が発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に第1高入賞サポートフラグ又は第2高入賞サポートフラグが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた高入賞サポート状態信号用の出力端子の信号出力状態を高入賞サポート状態信号出力状態とする。これにより、高入賞サポート状態信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に高入賞サポート状態信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて高入賞サポート状態が発生したことを把握することができる。
ステップS1201にてサポート状態であると判定した場合には、ステップS1210に進む。ステップS1210では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1211にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1301にて電動役物307を開放中であるか否かを判定する。具体的には、電動役物駆動部332の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。電動役物307を開放中でない場合には、ステップS1302にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定するとともに、ステップS1303にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。
第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合又は第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本役物開閉処理を終了する。一方、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でなく且つ第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1304に進み、電動役物307を開放すべく電動役物駆動部332を駆動状態とする(役物開放処理)。
続くステップS1305では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1401では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでない場合は、ステップS1402にてサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。第1高入賞サポート状態である場合は、ステップS1403にて、電動役物307を開閉させる開閉タイミングを計るために、第2タイマエリアT2に「1500」(すなわち3sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS1404では、電動役物307への遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2入賞カウンタエリアPC2に「5」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
ステップS1402にてサポート状態が第1高入賞サポート状態でない場合は、サポート状態が低入賞サポート状態であることを意味するため、第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。続くステップS1406にて第2入賞カウンタエリアPC2に「3」をセットし、本設定処理を終了する。
一方、ステップS1401にてサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップS1407にて第2タイマエリアT2に「1000」(すなわち2sec)をセットする。続くステップS1408では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」でない場合は本設定処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」である場合は、ステップS1409にて第2入賞カウンタエリアPC2に「10」をセットし、本設定処理を終了する。
役物開閉処理(図29)の説明に戻り、ステップS1305の各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1306にて普図開放コマンドを設定し、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図開放コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。この普図開放コマンドには第1高入賞サポート状態であることの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した普図開放コマンドに基づいて、サポート状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1301にて電動役物307が開放中である場合にはステップS1307に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、ステップS1308にて上作動口303に遊技球が入賞したか否かを、上作動口303に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本役物開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1309にて第2入賞カウンタエリアPC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1310にて第2入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本役物開閉処理を終了する。
ステップS1307にて第2タイマエリアT2の値が「0」の場合、又はステップS1310にて第2入賞カウンタエリアPC2の値が「0」の場合は、役物閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1311にて電動役物307を閉鎖すべく電動役物駆動部332を非駆動状態とする(役物閉鎖処理)。
続くステップS1312では第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントし、ステップS1313にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、第2高入賞サポート状態における電動役物307の1回目の開放処理が終了したことを意味するため、ステップS1314にて、2回目の開放処理を実行するまでの待機期間として、第2タイマエリアT2に「100」(すなわち、0.2sec)をセットする。
続くステップS1315にて普図閉鎖コマンドを設定し、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図閉鎖コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した普図閉鎖コマンドに基づいて、サポート状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1313にて、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には、ステップS1316にて、サポート状態の終了処理を実行する。当該処理では、サポート状態のエンディング用に次の普図遊技回を開始することなく待機するための普図エンディング用の待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図用待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されている普図エンディング用の待機時間情報をセットする。普図エンディング用の待機時間は、第1高入賞サポート状態用として1.0secが設定され(図16(b)参照)、第2高入賞サポート状態用及び低入賞サポート状態用として0.2secが設定される(図16(b),(c)参照)。
その後、ステップS1317にて、普図エンディングコマンドを設定した後に、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図エンディングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。この普図エンディングコマンドには、第1高入賞サポート状態であることの情報と、上記ステップS1316にて設定する普図エンディング用の待機時間情報と、の情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した普図エンディングコマンドに基づいて、サポート状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回のサポート状態に対応した表示(例えば、アニメーション表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
普図遊技状態移行処理(図28)の説明に戻り、ステップS1211にて役物開閉処理を実行した後は、ステップS1212に進む。ステップS1212では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。そして、ステップS1213にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1214にて、サポート状態の終了処理を実行する。サポート状態の終了処理では、第1高入賞サポートフラグ、第2高入賞サポートフラグ、低入賞サポートフラグ等のサポート状態用の各種フラグの消去処理を行う。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
次に、各種演出を行うための構成の説明を行う。先ず、演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図31のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、特図シフトコマンドといった特図保留表示制御用コマンド(第1保留表示制御用情報)を受信する。また、特図変動用コマンド、特図種別コマンド、特図変動終了コマンドといった特図遊技回制御用コマンド(第1遊技回制御用情報)を受信する。また、特図オープニングコマンド、特図エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(第1状態移行情報)を受信する。さらに、普図変動用コマンド、普図種別コマンド、普図変動終了コマンドといった普図遊技回制御用コマンド(第2遊技回制御用情報)を受信する。また、第1高入賞サポートコマンド、普図オープニングコマンド、普図エンディングコマンドといったサポート状態用コマンド(第2状態移行情報)を受信する。
ROM243には、主制御装置81から受信した各種制御処理を実行する上で用いられる各種テーブルが記憶される各種テーブル記憶エリア245が設定されている。また、RAM244には、各種演出用のアドレス情報等を記憶するために用いられる各種アドレス記憶エリア246と、各種制御処理を実行する上で用いられる各種フラグ格納エリア247と、主制御装置81から受信したコマンドを一旦記憶しておくためのコマンド格納エリア248と、各種制御処理を実行する上で用いられる各種カウンタエリア249と、主制御装置81からのコマンドに基づいて特図側の保留情報や普図側の保留情報を記憶するための保留用記憶エリア250と、が設定されている。なお、コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
保留用記憶エリア250は、主制御装置81における保留球格納エリア232及び電役保留エリア233に対応するものである。図32に示すように、保留用記憶エリア250は、主制御装置81側の保留球格納エリア232に対応させて、第1副側保留エリア250aと第2副側保留エリア250bと第1副側実行エリアSAE1とを備えている。第1副側保留エリア250aは主制御装置81側の第1結果表示部用保留エリアRaに対応するものであり、第2副側保留エリア250bは第2結果表示部用保留エリアRbに対応するものであり、第1副側実行エリアSAE1は第1実行エリアAE1に対応するものである。そして、第1副側保留エリア250aと第2副側保留エリア250bとは、それぞれ第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。各エリアは、主制御装置81側から受信する特図側の保留情報に関するコマンドに含まれる情報をそれぞれ記憶可能に設定されている。
また、保留用記憶エリア250は、主制御装置81側の電役保留エリア233に対応させて、副側電役保留エリア250cと第2副側実行エリアSAE2とを備えている。副側電役保留エリア250cは電役用保留エリアRcに対応するものであり、第2副側実行エリアSAE2は第2実行エリアAE2に対応するものである。副側電役保留エリア250cはそれぞれ第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。各エリアは、主制御装置81側から受信する普図側の保留情報に関するコマンドに含まれる情報をそれぞれ記憶可能に設定されている。
図31に示すように、MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47や前扉枠14に設けられた表示発光部63、入賞ユニット301に設けられた発光基板359、スピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、特図側の保留表示制御を行うための特図保留表示制御用コマンド(第1保留表示制御用情報)、特図側の図柄の変動表示を行うための特図遊技回制御用コマンド(第1遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(第1状態移行情報)などを受信する。また、普図側の図柄の変動表示を行うための普図遊技回制御用コマンド(第2遊技回制御用情報)、サポート状態中の演出を行うためのコマンド(第2状態移行情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<特図側の各種演出に関する処理について>
特図側の各種演出に関する処理について説明する。特図側の演出に関する処理としては、主として変動表示制御処理が設定されている。
<演出制御装置82にて行われる変動表示制御処理>
演出制御装置82のMPU242によって実行される特図側の変動表示制御処理について、図33のフローチャートに基づいて説明する。
変動表示制御処理は、所定の周期(例えば2msec)ごとに起動されるものである。そして、変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された特図変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された特図変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。
変動表示制御処理では、図33のフローチャートに示すように、ステップS1501にて特図遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS1502にて、主制御装置81から送信された特図変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。特図変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。特図変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1503にて特図変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。ここで、特図変動開始用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1601にて、今回受信した特図変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は特図変動用コマンドを送信する場合には特図種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1601では、今回受信した特図変動用コマンドとともに受信している特図種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報(6R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果)、通常大当たり結果の情報(6R通常大当たり結果)を特定する。そして、ステップS1601では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をRAM244の保留用記憶エリア250における第1副側実行エリアSAE1に記憶する。
続くステップS1602では、ステップS1601にて把握した情報に基づいて、今回開始する特図遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち6R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果又は6R通常大当たり結果である場合には、続くステップS1603にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では、大当たり用の停止結果決定処理を実行する。具体的には、6R確変大当たり又は15R確変大当たり結果である場合は、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。また、6R通常大当たり結果である場合は、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。さらに、大当たり用の演出設定処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の大当たり用の演出パターンを設定する処理を実行する。
一方、ステップS1602にて大当たり結果でないと判定した場合はステップS1604に進む。ステップS1604では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1605に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。
リーチ発生用の演出設定処理では、外れリーチ用の停止結果決定処理を実行する。具体的には、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。さらに、リーチ発生用の演出設定処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の外れリーチ用の演出パターンを設定する処理を実行する。
ステップS1604にてリーチ発生ではない場合は、ステップS1606に進み、通常外れ用の演出設定処理を実行する。通常外れ用の演出設定処理では、リーチ非発生用の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、いずれの有効ラインL1〜L5上にも大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させず、また外れリーチ図柄の組合せも停止させないように、今回の停止結果を決定する。さらに、通常外れ用の演出設定処理では、リーチ非発生の通常外れ用の演出パターンを設定する処理を実行する。
ステップS1603、ステップS1605又はステップS1606の処理を実行した後は、ステップS1607にて、上記決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、図柄表示装置41に対して、今回の特図遊技回における演出を実行するための表示制御を行う。
続くステップS1608にて、特図遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本特図変動開始用処理を終了する。具体的には、上記決定した演出パターンに基づいてスピーカ部64や表示発光部63の駆動制御を開始して、特図遊技回用の演出を開始する。
変動表示制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS1501にて特図遊技回中でない場合は、ステップS1504に進み、主制御装置81から送信された特図変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。特図変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1505にて特図変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。特図変動中用処理では、特図変動開始用処理にて決定された演出内容で特図遊技回を実行するように、表示制御装置212を制御する。一方、ステップS1504にて特図変動終了コマンドを受信している場合は、ステップS1506にて特図変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。特図変動終了用処理では、特図遊技回の終了用の処理として、特図遊技回の遊技結果を報知すべく変動表示を終了するとともに、特図遊技回にて使用した各種フラグやカウンタのクリア処理を実行する。
<普図側の各種演出に関する処理について>
次に、普図側の各種演出に関する処理について説明する。普図側の各種演出に関する処理としては、大別して、普図遊技回の演出制御に関する普図変動表示制御処理と、サポート状態用の演出制御に関するサポート状態用処理と、が設定されている。これらの処理は、所定の周期(例えば2msec)ごとに起動される。
<普図変動表示制御処理>
先ず、演出制御装置82のMPU242によって実行される普図変動表示制御処理について以下に説明する。普図変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された普図変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の普図図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された普図変動終了コマンドを受信している場合に、普図図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。
普図変動表示制御処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS1701にて普図遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の普図図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の普図図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS1702にて、主制御装置81から送信された普図変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。普図変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本普図変動表示制御処理を終了する。普図変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1703にて普図変動開始用処理を実行した後に、本普図変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の普図図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS1704にて、主制御装置81から送信された普図変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。普図変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1705にて普図変動中用処理を実行した後に、本普図変動表示制御処理を終了する。ステップS1704にて普図変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1706にて普図変動終了用処理を実行した後に、本普図変動表示制御処理を終了する。普図変動終了用処理では、普図遊技回の終了用の処理として、普図遊技回の遊技結果を報知すべく変動表示を終了するとともに、普図遊技回にて使用した各種フラグやカウンタのクリア処理を実行する。
<普図変動開始用処理>
普図変動開始用処理は、主制御装置81から送信された普図変動用コマンドを受信したことに基づき、普図遊技回用の演出を開始させるための処理である。ここでは、普図変動開始処理の説明に先立って、普図遊技回の演出内容について、図36(a)の概略図を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、表示画面Gにおける普図遊技回の変動表示は、普図表示領域Pにおける2個の表示部の表示色の切換によって行われる。例えば、図36(a1)に示すように、2個の表示部の表示色が同色又は略同色の第1表示色(例えば白色)で表示された状況から普図遊技回が開始されると、図36(a2)に示すように、一方の表示部の表示色がそれまでの色とは異なる色である第2表示色(例えば青色)に切り換えられる(図では表示部の色の違いをハッチにより異ならせて表示している)。その後、図36(a3)に示すように、当該第2表示色に切り換えられた側の表示部の色が元の第1表示色に切り換えられるとともに、他方の表示部の色が第1表示色から第2表示色に切り換えられ、図36(a4)に示すように、再度それぞれの表示部の色の切り換えが行われる。普図遊技回の変動表示は、基本的にはこの2つの表示部の表示色の切り換えの繰り返し(図36(a2) → 図36(a3) → 図36(a4) → 図36(a2)の繰り返し)によって行われる。この表示色の切り換えは約0.5secで1周するように設定されており、切り換え前後のそれぞれの表示を遊技者は識別することが困難となっている。
普図遊技回の変動表示時間が経過すると、普図遊技回の遊技結果としてサポート状態へ移行する開放結果か外れ結果かの報知が行われる。開放結果の場合には、図36(a5)に示すように、2個の表示部がいずれも第2表示色となって変動表示が終了し、外れ結果の場合には、図36(a1)に示すように、2個の表示部がいずれも第1表示色となって変動表示が終了する。すなわち、普図遊技回において変動表示の態様及び遊技結果の報知態様(変動表示の停止結果)は、特図遊技回側と比較して単純な構成となっている。
さて、本実施の形態における普図変動開始用処理では、図36(b)のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1801にて、今回受信した普図変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は普図変動用コマンドを送信する場合には普図種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1801では、今回受信した普図変動用コマンドとともに受信している普図種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、遊技結果の情報(開放結果か外れ結果)を特定する。そして、ステップS1801では、上記特定した情報から、開放結果か否かの情報及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をRAM244の保留用記憶エリア250における第2副側実行エリアSAE2に記憶する。
続くステップS1802では、ステップS1801にて把握した情報に基づいて、今回開始する普図遊技回における停止結果を設定する処理を実行する。すなわち、ステップS1801にて特定した情報が開放結果であった場合には、今回の普図遊技回における変動表示の終了時に2個の表示部を第2表示色で停止表示するように停止結果を設定し、また、ステップS1801にて特定した情報が外れ結果であった場合には、今回の普図遊技回における変動表示の終了時に2個の表示部を第1表示色で停止表示するように停止結果を設定する。
そして、ステップS1803では、普図遊技回用の演出を開始するように、表示制御装置212へコマンド出力をする処理を実行してから、本普図変動開始用処理を終了する。表示制御装置212のMPU252では、その受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に対して、今回の普図遊技回における演出を実行するための表示制御を行う。なお、上記のように普図遊技回としては、上記普図表示領域Pにおける2個の表示部の表示色の切り換えを行うだけであるため、表示制御装置212では、上記コマンドを受信したことに基づいて周期的に当該表示部の表示色の切り換え表示を実行するように図柄表示装置41の表示制御を行う。
<普図変動中用処理>
普図変動中用処理では、普図変動開始用処理にて決定された演出内容で普図遊技回を実行するように、表示制御装置212を制御する。また、普図変動中用処理では、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合に、入賞ユニット301の第1及び第2発光部311,317にて特別発光演出が実行されるように発光基板359を制御する。この特別発光演出は、電動役物307の開閉制御の開始に先立って実行され、電動役物307にて第1高入賞サポート状態の開閉制御が実行されることを遊技者に示唆するものである。ここでは、普図変動中用処理の説明に先立ち特別発光演出の内容について、図37を参照しながら説明する。
特別発光演出の開始前は、例えば、図37(a1)に示すように、第1及び第2発光部311,317のいずれも消灯状態に制御されている。そして、普図当否判定の結果が第1高入賞サポート状態に移行する結果である場合は、普図遊技回における変動表示の開始後、変動表示の終了時(図37(b)のタイミングt3)から遡って3sec前のタイミング(タイミングt1)になると、特別発光演出を開始するように第1及び第2発光部311,317の発光態様が切り換えられる。
特別発光演出にあたっては、先ず、図37(a2)に示すように、第1及び第2発光部311,317が白色発光する第1発光状態A2に切り換えられる。この第1発光状態A2は、第1及び第2発光部311,317が同時に発光開始するように実行され、当該発光の開始から1sec間に亘って継続される。第1発光状態の実行中は、各発光部311,317が共に白色発光を持続するように制御される。
第1発光状態A2の開始から1sec後のタイミングt2になると、図37(a3)に示すように、第1及び第2発光部311,317の発光色が徐々に赤色に変化していく第2発光状態A3に切り換えられる。当該第2発光状態A3は、タイミングt2から2sec間に亘って継続される。つまり、第2発光状態A3は、その開始から2sec後に赤色発光への切り換えが完了するように行われる。
第2発光状態A3の実行中は、第1発光部311が連続発光する一方、第2発光部317は点滅するように各発光体360の点灯状態が制御される。これは、遊技機前方からの正面視において、第1発光部311はその前方を遊技球が流下する一方、第2発光部317は遊技球の流下領域と重ならない(図8参照)点を考慮して、両者の発光態様を相違させたものである。すなわち、第1発光部311では、遊技球の視認性を重視して発光状態の激しい変化を伴わない発光演出とし、第2発光部317では、点滅により遊技者の注意を惹きやすくしている。なお、第1発光部311における遊技球の視認性を一層向上させるため、第1発光部311の発光強度(発光輝度)を第2発光部317のそれよりも低くしてもよい。
第2発光状態A3の開始から2sec後のタイミングt3以降は、図37(a4)に示すように、第1及び第2発光部311,317が赤色発光する第3発光状態A4を継続する。第3発光状態A4の実行中においても、第2発光状態A3と同様に、第1発光部311は連続発光し、第2発光部317は点滅するように制御される。この第3発光状態A4は特別発光演出の終了まで継続される。なお、特別発光演出は、電動役物307の開放状態から閉鎖状態への切り換えに伴って終了する。
ちなみに、上記特別発光演出は、電動役物307が低入賞サポート状態及び第2高入賞サポート状態で開閉される場合には行われないものであり、第1高入賞サポート状態で開閉される場合の専用演出である。
次に、演出制御装置82のMPU242によって実行される普図変動中用処理について、図38のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、上記特別発光演出に関する制御処理を中心に説明する。
先ず、ステップS1901にて、特別発光演出の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア247に特別発光フラグが格納されているか否かを判定する。当該特別発光フラグは、特別発光演出が開始される場合に格納され、特別発光演出が終了する場合に消去される。
特別発光演出の実行中でない場合は、ステップS1902にて、主制御装置81から送信される第1高入賞サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。第1高入賞サポートコマンドを受信していない場合は本変動中処理を終了する。
第1高入賞サポートコマンドを受信している場合は、ステップS1903にて、特別発光演出の実行タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置81から送信される普図変動用コマンドに基づいて今回の普図遊技回の変動表示時間を把握した上で、当該遊技回の残り変動表示時間が3secであるか否かを判定する。特別発光演出の実行タイミングでない場合は本変動中処理を終了する。
特別発光演出の実行タイミングである場合は、ステップS1904にて、第1発光状態A2の実行処理を行い、第1及び第2発光部311,317の発光態様を第1発光状態A2に切り換える。続くステップS1905にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に特別発光フラグを設定し、その後、ステップS1906にて、同フラグ格納エリア247に第1発光フラグを設定する。第1発光フラグは、第1発光状態A2の実行中であることを示すフラグである。次いで、ステップS1907にて、RAM244の各種カウンタエリア234に設けられたタイマエリアSTに「500」(すなわち、1sec)をセットし、本変動中処理を終了する。ステップS1907でセットした値は、普図変動表示制御処理(図35)が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。
ステップS1901にて特別発光演出の実行中である場合は、ステップS1908に進み、第1発光状態A2の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア247に第1発光フラグが格納されているか否かを判定する。第1発光状態A2の実行中である場合は、ステップS1909にて、タイマエリアSTの値が「0」であるか否か、すなわち、第1発光状態A2の実行期間が経過したか否かを判定する。タイマエリアSTの値が「0」でない場合は、そのまま本変動中処理を終了する。
一方、タイマエリアSTの値が「0」である場合は、ステップS1910にて、第2発光状態A3の実行処理を行い、第1及び第2発光部311,317の発光態様を第2発光状態A3に切り換える。また、ステップS1910では、RAM244の各種フラグ格納エリア247に格納されている第1発光フラグを消去する。続くステップS1911にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に第2発光フラグを設定する。第2発光フラグは、第2発光状態A3の実行中であることを示すフラグである。次いで、ステップS1912にてタイマエリアSTに「1000」(すなわち、2sec)をセットし、本変動中処理を終了する。
ステップS1908にて第1発光状態A2の実行中でない場合は、ステップS1913に進み、第2発光状態A3の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア247に第2発光フラグが格納されているか否かを判定する。第2発光状態A3の実行中である場合は、ステップS1914にて、タイマエリアSTの値が「0」であるか否か、すなわち、第2発光状態A3の実行期間が経過したか否かを判定する。タイマエリアSTの値が「0」でない場合は、そのまま本変動中処理を終了する。
一方、タイマエリアSTの値が「0」である場合は、ステップS1915にて、第3発光状態A4の実行処理を行い、第1及び第2発光部311,317の発光態様を第3発光状態A4に切り換える。また、ステップS1915では、RAM244の各種フラグ格納エリア247に格納されている第2発光フラグを消去する。その後、本変動中処理を終了する。
ステップS1913にて第2発光状態A3の実行中でない場合は、第3発光状態A4を実行中であることを意味するため、当該第3発光状態A4を継続すべく、そのまま本変動中処理を終了する。
<サポート状態用処理>
次に、演出制御装置82のMPU242によって実行されるサポート状態用処理について、図39及び図40を参照して説明する。図39はサポート状態用処理を示すフローチャート、図40はサポート状態中の演出を説明するための説明図である。
サポート状態用処理では、主制御装置81から送信された普図オープニングコマンドや普図エンディングコマンド等のサポート状態用のコマンドに基づいて、図柄表示装置41においてサポート状態中の演出を行うための処理を実行する。
すなわち、ステップS2001では、普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。普図遊技回の実行中である場合には、そのままサポート状態用処理を終了する。この処理では、上記の普図変動表示制御処理において、普図変動開始用処理が実行されてから普図変動終了用処理が終了するまでの間が普図遊技回の実行中であり、より具体的には、主制御装置81側の役物用表示部44や図柄表示装置41における普図表示領域Pにおいて変動表示が開始され、当該変動表示が終了して普図側の当否抽選の結果が停止結果として報知されるまでを普図遊技回の実行中であると判定する。なお、この判定については、例えば、普図変動開始用処理(図36(b))のステップS1803の普図遊技回用の演出を開始する処理において、RAM244の各種フラグ格納エリア247に普図実行中フラグを格納する。そして、普図変動終了用処理において確定表示を実行する(変動表示を終了させる)際に、当該普図実行中フラグを消去する構成とし、ステップS2001にて当該フラグが格納されているか否かを判定する構成とするとよい。
普図遊技回の実行中ではない場合には、ステップS2002へ進み、直前の普図遊技回の遊技結果がサポート状態への移行に対応する結果であったか否かを判定する。より具体的には、直前の普図遊技回の遊技結果が開放結果であったか否かを判定する。開放結果ではなく、外れ結果であった場合には、そのままサポート状態用処理を終了する。開放結果であった場合には、ステップS2003へ進む。
なお、このサポート状態中の演出においても、特図側の遊技状態に応じて異ならせる構成としてもよい。また、普図側の各開放結果によってサポート状態中の演出を異ならせる構成とし、特図側の遊技状態によって選択される開放結果が異なり得ることで、サポート状態中の演出が異なる構成としてもよい。このようにすれば、特図側の状態に応じてサポート状態の報知を好適に行うことができる。
ステップS2003では、サポート状態へ移行した結果として電動役物307の開放制御を実行中であるか否かを判定する。開閉制御を実行中ではないと判定した場合、すなわち、直前の普図遊技回の遊技結果が開放結果であっても電動役物307の開閉制御を現在実行中ではない場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004に進む場合とは、電動役物307の開閉制御が行われる前の待機時間すなわちオープニング期間(OP期間)や、電動役物307の開閉制御が行われた後であって次の普図遊技回の開始までの待機時間すなわちエンディング期間(ED期間)や、普図遊技回の契機となる普図側の保留情報の取得が行われていない状況などが考えられる。本実施の形態では、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合の専用演出が設定されており、以下のステップS2004〜ステップS2009では、上記専用演出をOP期間やED期間中に行うための処理を実行する。
ステップS2004では、主制御装置81から送信される普図オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。普図オープニングコマンドを受信している場合は、ステップS2005にて、主制御装置81からの第1高入賞サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。普図オープニングコマンド及び第1高入賞サポートコマンドを受信している場合は、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される直前のOP期間であることを意味するため、ステップS2006に進み、図柄表示装置41の表示画面Gにて特別表示演出B1を行うための処理を実行する。
特別表示演出B1は、第1高入賞サポート状態において電動役物307の開閉制御が行われる状況、すなわち、第2特図の当否抽選機会を取得し易い状況であることを遊技者に報知するためのものである。この特別表示演出B1としては、例えば、図40(a1)に示すように、図柄表示装置41における表示画面Gの下部中央において、「電チューを狙え!!」といった文字表示381や、表示画面Gにおける背景色をそれまでの背景色とは異なる専用色に変更したりする構成等が考えられる。
なお、「電チュー」とは、電動チューリップの略称であり、換言すれば、電動役物307及び上作動口303を指す俗称である。また、上記表示381を表示画面Gの下部中央に表示するのは、電動役物307及び上作動口303が表示画面Gのセンター下方に位置することに対応して、当該表示381を表示画面Gのうちの電動役物307及び上作動口303寄りの領域に表示するものである。
図39のステップS2006では、上記特別表示演出B1の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、特別表示演出B1用の画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像データの内容が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。
ステップS2004にて普図オープニングコマンドを受信していない場合、ステップS2005にて第1高入賞サポートコマンドを受信していないと判定した場合、又はステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007へ進む。ステップS2007では、主制御装置81から送信される普図エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。普図エンディングコマンドを受信している場合は、ステップS2008にて、主制御装置81からの第1高入賞サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。普図エンディングコマンド及び第1高入賞サポートコマンドを受信している場合は、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御された直後のED期間であることを意味するため、ステップS2009に進み、図柄表示装置41の表示画面Gにて特別エンディング演出B2を行うための処理を実行する。
上記特別エンディング演出B2は、第1高入賞サポート状態による電動役物307の開閉制御が終了したこと、すなわち、特図側の保留が取得され易い状況が終了したことを遊技者に報知するためのものである。当該特別エンディング演出B2では、例えば、図40(a2)に示すように、図柄表示装置41における表示画面Gの下部中央において、「お助け終了」といった文字表示382や、表示画面Gにおける背景色を特別表示演出B1の実行前の通常色に戻したり、特別表示演出B1の実行中の背景色や通常色とは異なるエンディング用の色に変更したりする構成等が考えられる。
図39のステップS2009では、上記特別エンディング演出B2の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、特別エンディング演出B2用の画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像データの内容が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。
ステップS2009の実行後は、ステップS2010にて特別発光演出(図37(a))の終了処理を実行する。本ステップでは、第1及び第2発光部311,317を消灯させるように発光基板359を制御し、さらに、RAM244の各種フラグ格納エリア247に格納されている特別発光フラグを消去する。
一方、ステップS2003にて電動役物307の開閉制御を実行中である場合は、ステップS2011に進み、サポート状態中処理を行ってから当該サポート状態用処理を終了する。ステップS2011のサポート状態中処理では、OP期間の開始に伴って開始した特別表示演出を継続するための処理を実行する。
なお、上記特別表示演出B1及び特別エンディング演出B2は、電動役物307が低入賞サポート状態及び第2高入賞サポート状態で開閉制御される場合には行われないものであり、第1高入賞サポート状態の専用演出である。
<遊技の流れについて>
次に、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合の遊技の流れについて、図41を中心に参照しながら説明する。
図41に示すように、タイミングt11において、スルーゲート35への入賞が発生すると、検知センサにより遊技球の通過が検知され、これを契機として普図当否抽選、及び役物用表示部44における普図遊技回の変動表示の開始が実行される。この変動表示は20sec間に亘って継続され、タイミングt13まで行われる。
上記普図当否抽選の結果が第1高入賞サポート状態に移行する結果であった場合、変動開始後のタイミングt12において、入賞ユニット301の第1及び第2発光部311,317による特別発光演出が開始される。この特別発光演出は、電動役物307にて第1高入賞サポート状態の開閉制御が実行されることを遊技者に示唆するためのものである。特別発光演出は、既に説明したとおり、普図遊技回の変動表示が終了するタイミングt13の3sec前から開始され、その後、第1発光状態A2から第3発光状態A4へと発光態様が順次切り換えられる(図37参照)。
タイミングt13において普図遊技回の変動表示が終了すると、第1高入賞サポート状態におけるOP期間が開始されるとともに、図柄表示装置41の表示画面Gにて特別表示演出B1が開始される。この特別表示演出B1は、第2特図の当否抽選機会を取得し易い状況であることを遊技者に報知するためのものであり、具体的には、表示画面Gにて「電チューを狙え!!」の文字表示381等を行う(図40参照)。
タイミングt14においてオープニング期間が終了すると、電動役物307が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、上作動口303に遊技球が入賞し易い状態となる。
ここで、本実施の形態のパチンコ機10では、下作動口305よりも上作動口303への入賞の方が、大当たり当選となった場合の15R大当たりの発生確率が高くなっており、下作動口305よりも上作動口303の方が遊技者にとって有利な作動口となっている。このため、遊技者は、上作動口303に遊技球が入賞することを強く希望する。
一方で、電動役物307が閉鎖状態とされている場合は上作動口303への入賞が困難となっており、上作動口303への遊技球の入賞機会は非常に限られたものとなっている。すなわち、電動役物307のサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態では、普図側の当否抽選結果がサポート状態に移行する結果であっても大半が低入賞サポート状態での開閉制御であるため、上作動口303への恒常的な入賞が見込めるのは高頻度サポートモードに移行している期間に制限されている。特に、高頻度サポートモードは特図側の当否抽選結果が大当たりとなって初めて生じ得るため、1度も大当たりに当選していない遊技者にとっては、上作動口303への遊技球の入賞機会がほぼ無いに等しいものとなる。
このため、低頻度サポートモードにて発生する第1高入賞サポート状態は、遊技者にとって上作動口303への入賞を期待できる貴重な機会となり、遊技者は、当該開閉制御が行われる期間において、少しでも多くの遊技球が上作動口303に入賞することを切望する。しかも、低頻度サポートモードにおける第1高入賞サポート状態の発生頻度は低いため、かかる状態を有効活用したいという遊技者の気持ちは一層強いものとなる。
このような状況において、電動役物が設けられた可変作動口と、電動役物が設けられてない非可変作動口との位置関係によっては、電動役物が開放状態となった場合に、遊技球が非可変作動口に入賞することで可変作動口に到達しなくなる場合がある。つまり、開放状態になっているにも関わらず、非可変作動口によって可動作動口への入賞機会が奪われ、電動役物の開放による利益を遊技者が十分に享受できないという不都合が生じ得る。
この点、本実施の形態では、図8及び図9に示すように、電動役物307が下作動口305の上方(上流)に配置され、電動役物307が開放状態となった場合に受入領域RAが第1流下経路R1(下作動口305への遊技球の流下経路)上に形成されるように構成されている。このため、下作動口305に向けて流下する遊技球が、下作動口305への到達前に受入領域RAに到達し、下作動口305によって遊技球の受入が阻害されることが抑制される。これにより、上作動口303への入賞機会が安定的に確保され、第1高入賞サポート状態の発生による利益を遊技者が適正に享受可能となる。
しかも、電動役物307が閉鎖状態となっている場合には、電動役物307(開閉部材331)の前方を遊技球が流下可能であるため、電動役物307により下作動口305への遊技球の流れが阻害されることもない。
図41の説明に戻り、タイミングt14において電動役物307が開放状態に切り換えられると、その直後のタイミングt15において1個目の遊技球が上作動口303に入賞し、これに伴って第2結果表示部BSにて第2特図の遊技回の変動表示が開始される。開放状態の上限期間はタイミングt18までの3sec間に設定される一方、遊技球は0.6sec間隔で発射されることから、1個目の遊技球に引き続いて4個の遊技球が順次入賞し(タイミングt16〜タイミングt17)、合計で5個の遊技球が入賞する。2個目以降の遊技球の入賞に伴い第2特図の保留記憶数が順に増加し、当該保留記憶数は5個目の遊技球が入賞した時点で4個となる。
ここで、第2特図の保留記憶数の上限が4個に設定されており、それを超えた上作動口303への入賞があっても、当該入賞は第2特図の当否抽選に結び付かないものとなる。つまり、保留記憶数の上限数を超える入賞は、当否抽選との関係で見た場合、無効なものとなる。
この点、第1高入賞サポート状態の開放状態は、開放状態の開始から3secが経過するか、又は上作動口303への入賞個数が5個に達することを条件として終了するように構成されている。これにより、最初の第2特図の遊技回の変動表示に対応する1個と、第2特図の保留記憶数が上限に達するまでの4個との計5個の遊技球を入賞可能としつつ、入賞個数がそれを超えないものとすることができる。つまり、保留記憶数を最大数としながらも上記無効な入賞が生じにくくなる構成とすることができ、第1高入賞サポート状態による電動役物307の開閉を遊技者が有効に活用可能となる。
特に、入賞ユニット301において上作動口303への入賞が下作動口305により妨げられにくい構成とされていることで、上作動口303への入賞上限数や電動役物307の開放上限期間を上記のように定めたことの意義を高めることができる。すなわち、電動役物307が開放された場合に、その開始から開放期間の上限である3secが経過しても上作動口303への遊技球の入賞個数が5個に達しないといった事象の発生が抑制され、第1高入賞サポート状態による電動役物307の開放機会を遊技者が一層有効に活用することができる。
タイミングt17において5個目の遊技球が入賞すると、入賞個数が上限数に達するため、電動役物307が閉鎖状態に切り換えられる。その後、タイミングt19までの間においてエンディング演出が行われる(図40参照)。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電動役物307が設けられた上作動口303が下作動口305の上方に配置され、電動役物307が開放状態となった場合に受入領域RAが第1流下経路R1上に形成されるように構成した。これにより、第1高入賞サポート状態の発生による利益を遊技者が適正に享受可能となる。
開閉部材331の前面331bに第2案内部371を設け、当該第2案内部371により開閉部材331の前方において遊技球を下作動口305に案内する構成とした。これにより、開閉部材331の前方領域を案内領域として活用することができる。この場合、開閉扉の前方を遊技球が流下するに過ぎない構成に比べて遊技球の流下態様を安定させることができ、遊技球を下作動口305へ良好に導くことが可能になる。
電動役物307の上方に第1発光部311を隣接配置するとともに、当該第1発光部311の前方を遊技球が流下可能とした。その上で、第1発光部311において、第1高入賞サポート状態の発生前(電動役物307の開放状態への切り換え前)に特別発光演出を実行する構成とした。
上作動口303に遊技球が入賞するか否かに遊技者が強い関心を抱くところ、電動役物307及び第1発光部311が近接していることで、遊技者の注目箇所を集約することができる。これにより、特別発光演出を視認しながらも、上作動口303に遊技球が入賞したか否かを把握し易くすることができ、特別発光演出及び電動役物307のそれぞれに対する注目度を効果的に高めることが可能になる。
さらに、第1高入賞サポート状態の発生前に特別発光演出を開始するため、遊技者が事前に上記サポート状態の発生を予測し得るようになる。これにより、電動役物307(上作動口303)を狙うための準備期間を遊技者に提供できるばかりか、第1発光部311の前方を通った遊技球が上作動口303に入賞するか否かを楽しむ遊技性を提供可能となる。
また、電動役物307への遊技球の流下経路(第1〜第3流下経路R1〜R3)上に第1発光部311を設けたため、当該流下経路を遊技球の流下領域としてだけでなく、報知領域としても活用可能になる。この場合、流下領域及び報知領域が各別となっている構成に比べて、流下領域を大きく確保し易くなり、遊技球の動きの多様化等を図ることが可能になる。
第1発光部311(透光部341)の横幅を遊技球の複数個分の大きさとし、第1発光部311上に複数の流下経路が形成される構成とした。第1発光部311の前方を遊技球が通過する場合、当該遊技球による特別発光演出の視認性の低下が懸念されるが、本構成によれば、第1発光部311上の一の流下経路を遊技球が流下しても、残りの部分を介して特別発光演出を視認し得る。これにより、第1発光部311の前方を遊技球が通過することに起因して特別発光演出の内容を把握しにくくなる不都合を好適に解消することができ、流下領域と報知領域とを両立させる上で実用上好ましい構成を実現できる。
図柄表示装置41、電動役物307及び第1発光部311を縦並びとし、図柄表示装置41と電動役物307との間に第1発光部311を配置する構成とした。本構成によれば、遊技者が図柄表示装置41の表示画面Gに注目している中で、特別発光演出の開始を契機に第1発光部311へ視線を移し、その後、遊技球の流れに従って電動役物307に視線を移せばよいものとなる。つまり、表示画面Gを始点とする下方への自然な視線移動によって、第1発光部311及び電動役物307を適正な順序で視認させることが可能になり、演出理解の容易化が促進される。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、入賞ユニット301における上入賞部の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態の上入賞部401について図42〜図45を参照しながら説明する。図42は入賞ユニット301の正面図、図43は入賞ユニットを斜め前方から見た斜視図、図44は図42のB−B線断面図、図45は遊技球の流下状況を説明するための正面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る上入賞部401では、図43及び図44に示すように、開閉部材331の前方において遊技球を案内する第2案内部403が、開閉部材331の後方(裏側)から延設されている。その上で、開閉部材331において、当該第2案内部403が挿通可能な切欠き部411が形成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
第2案内部403は、図44(a)に示すように、上側案内通路333を区画する区画壁405に設けられている。具体的には、区画壁405の上壁部405aに一体形成されており、上壁部405aから開閉部材331の前方(表側)まで前方に向けて直線状に延びている。
第2案内部403は、閉鎖位置にある開閉部材331の後方に位置する部分と、前方に位置する部分とで上下幅が異なっている。詳しくは、開閉部材331の後方に位置する後部403aの上下幅が、前方に位置する前部403bのそれよりも小さくなっており、後部403aの下端の高さ位置が前部403bのそれよりも高くなっている。これにより、上側案内通路333内において通路底面333aとの間に、遊技球の直径よりも大きな高さの空間を形成している。これは、上側案内通路333を遊技球が円滑に移動可能とするためのものである。
上側案内通路333では、上作動口303に入賞した遊技球を1つずつ検知可能なように、上側案内通路333に入った遊技球を1箇所に集合させるように構成されている。すなわち、区画壁405の後壁部405bにおいて、1個の遊技球が通過可能な大きさの開口部407(図42参照)が設けられており、当該開口部407を通った遊技球を検知センサにより検知する構成とされている。このため、通路底面333aは、上側案内通路333の遊技球を開口部407に誘導するように傾斜しており、上側案内通路333に入った遊技球は、通路底面333a上を傾斜に沿って横方向に移動することになる。
後部403aの上下幅が上記のように設定されていることで、上側案内通路333を遊技球が円滑に移動することができ、上側案内通路333内での遊技球の停滞が抑制される。これにより、上側案内通路333内の遊技球によって、後続の遊技球の作動口303への入賞が妨げられたり、開閉部材331の閉鎖位置への変位が阻害されたりする等の不都合が解消される。
一方、第2案内部403の前部403bの上下幅は、上記第1の実施の形態に係る第2案内部371と同様になっている。すなわち、第1案内部365との距離L6が遊技球の直径よりも小さく、下作動口ケース337(下作動口305)との距離L7が遊技球の直径よりも大きくなる寸法に設定されている。
図42及び図43に示すように、開閉部材331の上縁部には、第2案内部403に対応して縦長の切欠き部411が形成されている。切欠き部411には、少なくとも開閉部材331が閉鎖位置に位置する状態において、第2案内部403が挿通可能となっている。これにより、開閉部材331と第2案内部403との干渉が回避され、開閉部材331の回動が可能となっている。
ここで、本実施の形態の入賞ユニット301では、図44に示すように、電動役物307が開放状態に切り換えられる場合に、開閉部材331のみが変位し、第2案内部403は不動となる。すなわち、第2案内部403の位置が固定化される。このため、窓パネル62に当接しない範囲で第2案内部403を延ばすことができ、窓パネル62との距離L8を遊技球の直径よりも簡単に小さくすることができる。これにより、第2案内部403の前方を遊技球が通過することが抑制され、遊技球の案内を好適に行うことが可能になる。
なお、本実施の形態の入賞ユニット301においても、図45に示すように、電動役物307が閉鎖状態の場合は、第1流下経路R1上の遊技球が第1案内部365及び第2案内部403により下作動口305に案内され、電動役物307が開放状態の場合は、第1〜第3流下経路R1〜R3上の遊技球が上作動口303に入賞可能となる。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
<第2の実施の形態の変形例>
本変形例では、第2案内部の構成が上記第2の実施の形態と異なっている。本変形例の第2案内部451について図46を参照しながら説明する。図46は第2案内部451を説明するための断面図であり、図42のC−C線断面に相当する断面図である。なお、上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形に係る第2案内部451では、図46(a)に示すように、閉鎖位置に位置する開閉部材331の前方において、開閉部材331の前面331bと離間するようにして当該前面331bと対峙する対峙部453が設けられている。具体的には、第2案内部451の上下幅が幅狭のまま、開閉部材331の後方から前方まで延設され、開閉部材331の前方において、前方に向かうにつれて幅広となるように構成されている。
対峙部453の縁部453aは、側面視(開閉部材331の回動軸の軸線方向)において曲線状に形成されており、具体的には、前方に凸となる円弧状に形成されている。縁部453aの曲率は、開閉部材331の回動軌跡の曲率に対応しており、詳しくは、切欠き部411の底面411a上の一点Jの軌跡PTの曲率と略同一となっている。この場合、第2案内部451との間で略一定の大きさの隙間を保ちながら、開閉部材331を回動させることができる。
かかる構成により、開閉部材331と第2案内部451との干渉を抑制する上で、切欠き部411の大きさ(上下寸法)を小さくすることができる。その結果、切欠き部411に起因する開閉部材331の剛性や強度の低下を抑制しつつ、開閉部材331の前方を流下する遊技球を好適に案内することが可能になる。
なお、上記変形例において、図46(b)に示すように、対峙部453の縁部453aを直線状としてもよい。この場合においても、上記第2の実施の形態の構成に比べて切欠き部411を小さくすることができ、開閉部材331の剛性や強度を向上させることが可能になる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、入賞ユニット301における上入賞部の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態の上入賞部501について図47〜図49を参照しながら説明する。図47は入賞ユニット301の正面図、図48は入賞ユニットを斜め前方から見た斜視図、図49は図47のD−D線断面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る上入賞部501では、図48及び図49に示すように、開閉部材511の前方において遊技球を案内する第2案内部503が、開閉部材511の後方(裏側)から延設されている。その上で、開閉部材511において、当該第2案内部503が挿通可能な貫通孔517が形成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
第2案内部503は、図49(a)に示すように、上側案内通路333を区画する区画壁405に設けられている。具体的には、区画壁405の上壁部405aに一体形成されており、上壁部405aから開閉部材331の前方(表側)まで前方に向けて直線状に延びている。
第2案内部503と第1案内部365との距離は、遊技球の直径よりも小さく、第2案内部503と下作動口ケース337(下作動口305)との距離は、遊技球の直径よりも大きくなっている。また、第2案内部503と窓パネル62との距離は、遊技球の直径よりも小さくなっている。
なお、第2案内部503において、後部503aの下端の高さ位置が前部503bのそれよりも高くなっているのは、上記第2の実施の形態と同様に、上側案内通路333内での遊技球の移動を円滑化するためである。
図48及び図49に示すように、開閉部材511は、立ち壁状の前壁部513と、前壁部513の背面から後方に延設される延設部515と、を備えている。これら前壁部513及び延設部515は一体形成されており、開閉部材511は略L字状の縦断面をなしている。
開閉部材511は、ベース体320によって前後方向の直線移動が可能な状態で保持されており、前後移動することで上作動口303を開閉するように構成されている。すなわち、遊技盤24(板状ベース部321)の前面からの突出が抑えられ上作動口303を覆う閉鎖位置と、遊技盤24(板状ベース部321)の前面321aから前方に突出し上作動口303を開放する開放位置と、に変位可能となっている。延設部515の上面、すなわち、球受け面は後方に向かうほど低くなるように傾斜しており、開閉部材511内に入った遊技球は後方へと誘導される。
図47に示すように、前壁部513には、第2案内部403に対応して貫通孔517が形成されている。貫通孔517には第2案内部503が挿通可能となっている。これにより、開閉部材511と第2案内部503との干渉が回避され、開閉部材511の前後移動が可能となっている。
ところで、第2案内部503を開閉部材の貫通孔に挿通させる構成では、回動により開閉部材が開放位置と閉鎖位置とに変位する構成であると、第2案内部503と開閉部材との干渉を避けるべく、貫通孔の拡大化が必要になり、開閉部材の剛性や強度の低下が懸念される。この点、本実施の形態によれば、前後方向の直線移動により開閉部材511が開放位置と閉鎖位置とに変位するため、貫通孔517の拡大化が抑制され、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
ちなみに、前後方向の直線移動により上作動口303を開閉する構成の場合、開閉部材511において前壁部513を設けない構成とすることも考えられる。しかしながら、第2案内部503が上作動口303の前方に位置する構成では、第2案内部503への接触により遊技球の流下方向が変化し、閉鎖状態であるにも関わらず遊技球が上作動口303内に飛び込んでくることが想定される。本実施の形態によれば、図48に示すように、開閉部材511が閉鎖位置に位置する場合に、上作動口303が前壁部513により覆われるため、上記飛び込みによる不意な入賞が抑制される。
ここで、図49に示すように、前壁部513の前面は、下方に向かうほど窓パネル62との距離が大きくなるように傾斜している。この場合、開閉部材511が閉鎖位置から開放位置に向けて変位した際に、前壁部513と窓パネル62との間に遊技球が挟まれても、当該遊技球が下方へ逃げ易くなり、所謂球噛みが抑制される。
なお、本実施の形態の入賞ユニット301においても、図47(b)に示すように、電動役物307が閉鎖状態の場合は、第1流下経路R1上の遊技球が第1案内部365及び第2案内部503により下作動口305に案内され、電動役物307が開放状態の場合は、第1〜第3流下経路R1〜R3上の遊技球が上作動口303に入賞可能となる。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、入賞ユニット301における第1案内部の構成が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態の第1案内部603について図50〜図53を参照しながら説明する。図50は入賞ユニット301の正面図、図51は入賞ユニットを斜め前方から見た斜視図、図52は図50のE−E線断面図、図53は遊技球の流下状況を説明するための正面図である。なお、上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る入賞ユニット301では、図51及び図52に示すように、第1案内部603が透光部341の下端よりも下方に垂下し、閉鎖位置に位置する開閉部材331の前方まで延びている。かかる構成において、第1案内部603のうち開閉部材331の前方に位置する部分が上記各実施の形態における第2案内部としての役割を果たしている。
第1案内部603では、図52(a)に示すように、閉鎖位置に位置する開閉部材331の前方において、開閉部材331の前面331bと離間するようにして当該前面331bと対峙する対峙部605が設けられている。この対峙部605は、上記第2の実施の形態の変形例における対峙部453と同様に、前方に凸となる円弧状に形成されている。
拡大図に示すように、対峙部605の上端部605a(換言すれば、第1案内部603における遊技盤24側(パチンコ機10の背面側)の下端部)は、開閉部材331が閉鎖位置に位置する状態において、開閉部材331の上端部331dよりも上方に位置している。さらに、対峙部605の曲率は、開閉部材331の上端部331d上の一点の軌跡の曲率と略同一となっている。これにより、開閉部材331に切欠き等を設けることなく、第1案内部603と開閉部材331との干渉を抑制することができる。
本実施の形態によれば、開閉部材331の上方と開閉部材331の前方とにおける遊技球の各案内を連続させることができ、第1及び第2遊技釘281,282の間を通過した遊技球を下作動口305へ好適に案内可能となる。加えて、上記各案内のための部材が一体で形成されるため、開閉部材331の前方における案内構造の強度や剛性を高めることができる。さらに、開閉部材331に切欠き等を設けない構成とすることで、開閉部材331の強度や剛性を高めることができる。
また、電動役物307が開放状態に切り換えられる場合に、開閉部材331のみが変位し、第1案内部603は不動となる。このため、窓パネル62に当接しない範囲で第1案内部603を前方に延ばすことができ、窓パネル62との距離を遊技球の直径よりも簡単に小さくすることができる。これにより、開閉部材331の前方において遊技球が第1案内部603の前方を通過することが抑制され、遊技球の案内を好適に行うことが可能になる。
本実施の形態の入賞ユニット301においても、図53に示すように、電動役物307が閉鎖状態の場合は、第1流下経路R1上の遊技球が第1案内部603により下作動口305に案内され、電動役物307が開放状態の場合は、第1〜第3流下経路R1〜R3上の遊技球が上作動口303に入賞可能となる。よって、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態において、上記第2の実施の形態の変形例(図46)のように、対峙部605の上端部605aが開閉部材331の上端部331dよりも下方に位置し、第1案内部603が挿通する挿通部(切欠き等)を開閉部材331に設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、第1案内部603の垂下長を大きくし易くなる。その結果、第1案内部603と下作動口305との距離を縮め易くなり、開閉部材331の前方における遊技球の案内を安定化させ易くなる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、サポート状態が第1高入賞サポート状態である場合の電動役物307の開放パターンが上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図54〜図57を参照しながら説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、低頻度サポートモードにおいて、第2結果表示部BSにて行われる第2特図の遊技回の変動表示時間が、第2特図の遊技回が通常外れ結果(リーチ非発生)に対応したものである場合、一律に7secに設定されるように構成されている。本実施の形態に係る第1高入賞サポート状態時の電動役物307の開放パターンは、上記第2特図の遊技回が通常外れ結果に対応したものである場合の変動表示時間を加味して設定されている。以下、同開放パターンについて図54を参照しながら説明する。
本実施の形態において、第1高入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに、電動役物307の開閉が3回行われる。1回目の開放は3secが経過するまで行われ、残り2回の開放は各回で1secが経過するまで行われる。なお、サポート状態の開始からの上作動口303への入賞個数が10個に達した場合には、その時点でサポート状態が終了する。
1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間(第1待機期間)は5.5secに設定されている。つまり、1回目開放の開始から2回目開放が開始されるまでの期間(1回目開放の開放期間(3sec)と第1待機期間(5.5sec)との和)が8.5secに設定されており、上記第2特図の遊技回が通常外れ結果に対応したものである場合の変動表示時間(7sec)よりも長くなっている。これにより、上作動口303への1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の変動表示が、2回目開放の開始前に終了可能となっている。
さらに、2回目の開放と3回目の開放との間の閉鎖期間(第2待機期間)は6.5secに設定されている。つまり、2回目開放の開始から3回目開放が開始されるまでの期間(2回目の開放の開放期間(1sec)と第2待機期間(6.5sec)との和)が7.5secに設定されており、上記変動表示時間(7sec)よりも長くなっている。これにより、上作動口303への2個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の変動表示が、3回目開放の開始前に終了可能となっている。
次に、本実施の形態にて、主制御装置81のMPU202にて実行される各制御処理について説明する。
<普図遊技状態移行処理>
図55は、本実施の形態における主制御装置81のMPU202にて実行される普図遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
本実施の形態の普図遊技状態移行処理では、上記第1の実施の形態に係る普図遊技状態移行処理(図28)と同様に、ステップS1201にてサポート状態中か否かを判定し、サポート状態中でない場合は、ステップS1202〜S1205の処理を実行する。そして、ステップS1205にて電動役物307のサポートモードが高頻度サポートモードであると判定した場合は、ステップS1207にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に、「2」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物307が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、サポートモードが高頻度サポートモードでない(低頻度サポートモードである)と判定した場合は、ステップS2101に進み、電動役物307のサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。
サポート状態が第1高入賞サポート状態である場合は、ステップS2012にて第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。一方、サポート状態が第1高入賞サポート状態でない(低入賞サポート状態である)場合は、ステップS2103にて、上記第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」を設定する。
ステップS1207、ステップS2102又はステップS2103の処理の実行後は、ステップS1208,S1209の処理を順次実行し、本状態移行処理を終了する。なお、ステップS1201にてサポート状態中であると判定した場合は、第1の実施の形態に係る普図遊技状態移行処理(図28)と同様にしてステップS1210〜S1214の処理を実行し、その後、本状態移行処理を終了する。
<役物開閉処理>
図56は、本実施の形態における主制御装置81のMPU202にて実行される役物開閉処理を示すフローチャートである。
本実施の形態の役物開閉処理では、上記第1の実施の形態に係る役物開閉処理(図29)と同様に、ステップS1301にて電動役物307が開放中であるか否かを判定し、開放中でない場合はステップS1302〜S1304の処理を実行する。ステップS1304の役物開放処理の実行後は、ステップS1305にて各ラウンド用の設定処理を実行する。
ここで、各ラウンド用の設定処理について図57のフローチャートを参照しながら説明する。
各ラウンド用の設定処理では、上記第1の実施の形態に係る各ラウンド用の設定処理(図30)と同様に、先ず、ステップS1401にて電動役物307のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでないと判定した場合は、ステップS1402にて電動役物307のサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。第1高入賞サポート状態であると判定した場合は、ステップS2301に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「3」であるか否か、すなわち、1回目の開放であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「3」である場合は、ステップS2302にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2に「1500」をセットし、1回目の開放の上限期間として3secを設定する。続くステップS2304では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2入賞カウンタエリアPC2に「10」をセットし、上作動口303への入賞個数の上限を10個に設定し、各ラウンド用の設定処理を終了する。
ステップS2301にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「3」でない判定した場合は、2回目又は3回目の開放であることを意味する。この場合は、ステップS2305にて、第2タイマエリアT2に「500」をセットし、開放期間の上限として1secを設定する。その後、各ラウンド用の設定処理を終了する。
これに対し、ステップS1402にて電動役物307のサポート状態が第1高入賞サポート状態でないと判定した場合は、ステップS1405,S1406にて、開放期間の上限を0.2secに、上作動口303への入賞個数の上限を3個にそれぞれ設定し、各ラウンド用の設定処理を終了する。
また、ステップS1401にて電動役物307のサポートモードが高頻度サポートである場合は、サポート状態が第2高入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS1407〜S1409にて、第2高入賞サポート状態である場合の電動役物307の開放期間の上限を2secに、上作動口303への入賞個数の上限を10個にそれぞれ設定し、各ラウンド用の設定処理を終了する。
図56の説明に戻り、ステップS2201の処理の実行後は、ステップS1306の普図開放コマンドの設定処理を実行してから役物開閉処理を終了する。
一方、ステップS1301にて電動役物307が開放中であると判定した場合は、ステップS1307〜S1312の処理を実行した後、ステップS1313にて、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップS2202にて、電動役物307のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否か、すなわち、サポート状態が第2高入賞サポート状態であるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合は、第2タイマエリアT2に「100」をセットし、待機期間として0.2secを設定する。
ステップS2202にて高頻度サポートモードでない場合は、電動役物307のサポート状態が第1高入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS2204にて、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」である場合は、ステップS2205にて、第2タイマエリアT2に「2750」をセットし、第1待機期間(1回目開放と2回目開放との間の待機期間)として5.5secを設定する。一方、ステップS2204にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「2」でないと判定した場合は、ステップS2206にて、第2タイマエリアT2に「3250」をセットし、第2待機期間(2回目開放と3回目開放との間の待機期間)として6.5secを設定する。
ステップS2203、ステップS2205又はステップS2206の処理の実行後は、ステップS1315にて普図閉鎖コマンドの設定処理を実行してから役物開閉処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合の遊技の流れについて、図58を中心に参照しながら説明する。なお、ここでは、1回目の電動役物307の開放開始時から第1高入賞サポート状態の終了時までの間において、第1特図の遊技回が行われていないものとする。
図58において、タイミングt21において、スルーゲート35への入賞が発生すると、検知センサにより遊技球の通過が検知され、これを契機として普図当否抽選、及び役物用表示部44における普図遊技回の変動表示の開始が実行される。この変動表示は20sec間に亘って継続される。
なお、図示を省略しているが、本実施の形態においても、普図当否抽選の結果が第1高入賞サポート状態に移行する結果であった場合、変動表示終了の3sec前から入賞ユニット301の第1及び第2発光部311,317にて特別発光演出が開始される(図37等を参照)。また、電動役物307の開放状態への切り換え時の2sec前から図柄表示装置41の表示画面Gにて特別表示演出B1(「電チューを狙え!!」の文字表示等)が開始される(図40等を参照)。
その後、タイミングt22において電動役物307にて1回目の開放が行われると、その直後のタイミングt23において1個目の遊技球が上作動口303に入賞し、これに伴って第2結果表示部BSにて第2特図の遊技回の変動表示が開始される。この場合において、当該入賞に基づく第2特図の当否抽選結果が通常外れ結果であった場合、上記第2特図の遊技回は、変動表示の開始から7sec間に亘って継続される。
また、電動役物307における1回目の開放の上限期間は3sec間に設定される一方、遊技球は0.6sec間隔で発射されることから、1個目の遊技球に引き続いて4個の遊技球が順次入賞し、合計で5個の遊技球が入賞する。2個目以降の遊技球の入賞に伴い第2特図の保留記憶数(RAM204の第2結果表示部用保留エリアRbへの情報記憶数)が順に増加し、当該保留記憶数は5個目の遊技球が入賞した時点で4個となる。
そして、タイミングt24において電動役物307の開放から3secが経過すると、電動役物307が閉鎖状態に切り換えられる。この閉鎖状態は第1待機期間(5.5sec)が経過するまで継続される。
一方、タイミングt25において、第2特図の遊技回の変動表示の開始から7secが経過すると、当該遊技回の変動表示が終了し、0.5sec間の停止表示期間に亘って停止結果が表示される。停止結果の表示が終了すると、タイミングt26において、次の第2特図の遊技回、すなわち、上作動口303への2個目の遊技球の入賞に基づく遊技回の変動表示が開始される。これに伴い、第2特図の保留記憶数が1個減少して3個となり、上限数(4個)に対して1個分の余裕が発生する。
その後、タイミングt27において第1待機期間が経過し、これに伴って電動役物307が再び開放状態に切り換えられる。この2回目の開放は1sec間に亘って継続されるため、電動役物307が開放状態とされている間のタイミングt28において、1個の遊技球が上作動口303に入賞する。これにより、第2特図の保留記憶数が1個増加し、再び上限数に達する。
さらにその後、タイミングt29において、3個目の入賞に基づく第2特図の遊技回の変動表示が開始されることに伴い、第2特図の保留記憶数が1個減少する。そして、タイミングt30において3回目の開放が開始されることで、再び1個の遊技球が入賞し(タイミングt31)、第2特図の保留情報の記憶数が上限数に達する。
なお、図58においては、第2特図の遊技回が通常外れ結果(リーチ非発生)に対応したものであり、その変動表示時間が7secである場合を例示したが、第2特図の遊技回が外れリーチ結果(リーチ発生)に対応したものである場合は、変動表示時間が通常外れ結果に対応するものよりも長くなり、例えば、12secに設定される。1個目の遊技球に入賞に対応する遊技回が外れリーチ結果に対応したものである場合は、2回目の電動役物307の開放が終了してから当該遊技回が終了する。このため、2回目の開放中において第2特図の保留記憶数が上限数に維持され、2回目の開放にて上作動口303への入賞が発生しても第2特図の保留記憶数を増加させることはできない。つまり、第2特図の遊技回の選択態様によって、2回目の開放にて第2特図の保留記憶数を増加させ得るか否かが相違する。ちなみに、第2特図の遊技回として、通常外れ結果に対応するものの方が外れリーチ結果に対応するものよりも選択され易くなっている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1高入賞ポート状態において、1回目の電動役物307の開放中に上作動口303に遊技球が入賞した場合に、当該入賞に対応する遊技回の終了後に2回目の電動役物307の開放が行われるように構成した。
例えば、1回目の開放にて上作動口303に遊技球が入賞した場合に、当該入賞に対応する遊技回が第1高入賞ポート状態の終了時まで継続する構成であると、当該遊技回の開始から第1高入賞ポート状態の終了までの間、RAM204の第2結果表示部用保留エリアRb(第2特図の保留エリア)にて新たな空き領域が発生しない。このため、第1高入賞ポート状態への移行中において、第2特図の保留数が上限数に達した後は、作動口303への入賞に対する遊技者の関心が薄れることが想定される。さらに、第2結果表示部用保留エリアRbにて新たな空き領域が生じないことから、多くても、最初の入賞に基づく第2特図の当否抽選の実行分と第2特図の保留数の上限数との合計回数(5回)分の抽選機会しか獲得できないという懸念もある。
この点、本実施の形態によれば、1回目の電動役物307の開放中に上作動口303に遊技球が入賞した場合に、2回目の開放の開始前において、当該入賞に対応する遊技回を終了させ、次の遊技回を開始させることが可能になる。これにより、第2結果表示部用保留エリアRbの空き領域を増やしてから2回目開放を始めることができ、2回目の開放中に上作動口303に入賞させようとする意欲が生じる。よって、第1高入賞ポート状態の全体を通して、上作動口303への入賞に対する遊技者の関心を持続させることが可能になる。さらに、最初の入賞に基づく第2特図の当否抽選の実行分と第2特図の保留数の上限数との合計を超える回数の抽選機会を獲得することができる。これにより、第1高入賞ポート状態中に多くの遊技球を上作動口303に入球させることを目指す楽しみが増強され、第1高入賞ポート状態の興趣性が向上する。
低頻度サポートモードにおける第1高入賞サポート状態の開放パターンを上記の如く構成した。高頻度サポートモードでは、第2高入賞サポート状態が短い間隔が繰り返され易いため、一の第2高入賞サポート状態にて第2特図の当否抽選の獲得数が少なくても、その不足分を次回の第2高入賞サポート状態にて補えばよいとの遊技者心理が働く。一方、低頻度サポートモードでは、サポート状態が終了してから次回のサポート状態が発生するまでの期間が長くなり易く、当否抽選機会の補充を期待しにくい。このため、高頻度サポートモードの場合とは異なり、一のサポート状態にて、より多くの当否抽選機会を獲得したいという強いニーズが生じる。この点、本実施の形態では、低頻度サポートモードにおいて、電動役物307の3回開放を1セットする第1高入賞サポート状態が発生し、それが、1回目の電動役物307の開放中に上作動口303に遊技球が入賞した場合に、当該入賞に対応する遊技回の終了後に2回目の電動役物307の開放が行われるように構成した。これにより、低頻度サポートモードにおいて第2特図の当否抽選機会を最大限に獲得可能となり、第1高入賞サポート状態の魅力を効果的に高めることが可能になる。
1回目開放の開始から2回目開放の開始までの期間を、通常外れ結果に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間(停止表示期間を含む。7.5sec)よりも長い期間(8.5sec)とし、且つ、第1待機期間を上記変動表示時間よりも短い期間(5.5sec)とした。この場合、1回目開放の開始から1sec以内に上作動口303に遊技球が入賞した場合は、当該入賞に対応する遊技回が2回目開放の開始前に終了し易くなり、1sec経過後に入賞した場合は、当該入賞に対応する遊技回が2回目開放の開始前に終了しにくくなる。つまり、上作動口303への入賞タイミングによって、2回目開放の開始前における遊技回の終了し易さが相違するものとなる。これにより、1回目開放の早期に入賞を目指す楽しみが付加され、興趣性が向上する。
1回目開放の開始から2回目開放の開始までの期間を、通常外れ結果に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間よりも長く、外れリーチ結果に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間よりも短い期間とした。この場合、第2特図の遊技回として、通常外れ結果及び外れリーチ結果のいずれに対応するものが選択されるかによって、2回目開放の開始前における遊技回の終了し易さが相違するものとなる。常に2回目開放の開始前に遊技回が終了する場合に比べて遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
なお、第2特図の遊技回が外れリーチ結果に対応するものである場合、遊技者は表示画面Gにて行われるリーチ演出に注意が向いていることが想定されるため、第2特図の保留記憶数に空きが生じにくい状況となっても(換言すれば、上作動口303に遊技球を入賞させる意義が薄まっても)、遊技演出上の不都合は生じにくいものと考えられる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われる特別表示演出の態様が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図59〜図65を参照しながら説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、特別表示演出として、図59(a)に示す第1特別表示演出S1と、図59(b)に示す第2特別表示演出S2とが設定されている。これら第1及び第2特別表示演出S1,S2は、電動役物307が第1高入賞サポート状態で開閉制御される場合に、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われるものである。
第1特別表示演出S1は、上記第1の実施の形態の特別表示演出(図40(a))と同様のものであり、当該演出では、図柄表示装置41における表示画面Gの下部中央において、「電チューを狙え!!」といった文字表示381等の所定画像が表示される。一方、第2特別表示演出S2は、遊技球の発射を待機又は停止することを遊技者に促すためのものであり、当該演出では、表示画面Gの下部中央において、「ちょっと待ってね」といった文字表示701等の所定画像が表示される。これら第1及び第2特別表示演出S1,S2は、第1特別表示演出S1の実行タイミングにおける第2特図の保留状況(RAM204の第2結果表示部用保留エリアRbにおける情報の記憶状況)に応じて使い分けられる。
次に、本実施の形態における、サポート状態が第1高入賞サポート状態である場合の電動役物307の開放パターンについて、図60(a)を参照しながら説明する。
本実施の形態の開放パターンでは、電動役物307の開放回数、各回の開放期間の上限、オープニング期間及びエンディング期間は、上記第5の実施の形態に係る第1高入賞サポート状態の開放パターン(図54)と同様となっている。一方で、1回目開放と2回目開放との間の閉鎖期間(第1待機期間)及び2回目開放と3回目開放との間の待機期間(第2待機期間)は、上記第5の実施の形態の場合と異なっている。具体的には、第1及び第2待機期間のそれぞれにおいて、2secずつ長くなっている。
上記開放パターンと特別表示演出との関係について、図60(b)を参照しながら説明する。
タイミングt41のオープニング期間の開始からタイミングt42の1回目開放の終了までは、図柄表示装置41の表示画面Gにて第1特別表示演出S1を実行する。タイミングt42において電動役物307が閉鎖状態に切り換えられることに伴い、特別表示演出の実行態様を変更し、第1特別表示演出S1から第2特別表示演出S2への切り換えを行う。
2回目開放の開始の2sec前のタイミングt43では、第2特図の保留状況を把握し、その把握結果に応じて、第2特別表示演出S2から第1特別表示演出S1への切り換えを行うか、そのまま第2特別表示演出S2を継続するかを選択する。第1特別表示演出S1への切り換えを行った場合は、タイミングt44において2回目開放が終了することに伴い、再び第2特別表示演出S2への切り換えを行う。
3回目開放の開始の2sec前のタイミングt45では、上記と同じく、第2特図の保留状況を把握し、その把握結果に応じて、第2特別表示演出S2から第1特別表示演出S1への切り換えを行うか、そのまま第2特別表示演出S2を継続するかを選択する。その後、タイミングt46の3回目開放の終了に伴い、特別表示演出を終了するとともに、特別エンディング演出B2(図40(a))を実行する。
次に、本実施の形態において、演出制御装置82のMPU242にて実行される各制御処理について説明する。なお、主制御装置81のMPU202にて実行される制御処理は上記第5の実施の形態と同様である。
<サポート状態中処理>
図61は、主制御装置81のMPU202にて実行されるサポート状態中処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、上記第1の実施の形態におけるサポート状態用処理(図39)のステップS2011のサポート状態中処理にて実行されるものであり、具体的には、直前の普図遊技回の遊技結果が開放結果(サポート状態への移行結果)であり、且つ、電動役物307の開閉制御が実行中である場合に実行されるものである。
サポート状態中処理では、先ず、ステップS2401にて、主制御装置81からの第1高入賞サポートコマンド(図27のステップS1110参照)を受信しているか否かを判定する。第1高入賞サポートコマンドを受信していない場合は、サポート状態中処理を終了する一方、第1高入賞サポートコマンドを受信している場合は、ステップS2402にて、主制御装置81からの普図開放コマンド(図29のステップS1306参照)を受信しているか否かを判定し、電動役物307が閉鎖状態から開放状態に切り換えられたか否かを判定する。
普図開放コマンドを受信している場合、すなわち、電動役物307が開放状態に切り換えられた場合は、RAM244の各種カウンタエリア249のラウンドカウンタSRC2を1インクリメントする。このラウンドカウンタSRC2は、第1高入賞サポート状態における電動役物307の開放回数を計数するためのものである。
続くステップS2404にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に待機フラグが格納されているか否かを判定する。待機フラグは、電動役物307の待機期間中であることを示すものである。この待機フラグは、電動役物307が開放状態から閉鎖状態へ切り換えられたことが把握された場合に、上記フラグ格納エリア247に格納され、電動役物307が閉鎖状態から開放状態へ切り換えられたことが把握された場合に、上記フラグ格納エリア247から消去される。
待機フラグが格納されている場合は、ステップS2405にて、上記フラグ格納エリア247に格納された待機フラグを消去する。ステップS2405の実行後、又はステップS2402,S2404で否定判定した場合は、ステップS2406にて、主制御装置81からの普図閉鎖コマンド(図29のステップS1315参照)を受信しているか否かを判定し、電動役物307が開放状態から閉鎖状態に切り換えられたか否かを判定する。
普図閉鎖コマンドを受信している場合、すなわち、電動役物307が閉鎖状態に切り換えられた場合は、ステップS2407にて、RAM244のラウンドカウンタSRC2の値が「3」であるか否か、すなわち、電動役物307の閉鎖状態への切り換えが3回目(最後)の開放の終了に対応するものであるか否かを判定する。ラウンドカウンタの値が「3」でなく、電動役物307の閉鎖状態への切り換えが1回目又は2回目の開放の終了に対応する場合は、ステップS2408にて、第1特別表示演出S1の実行中であるか否かを判定する。
第1特別表示演出S1の実行中である場合は、特別表示演出を第2特別表示演出S2に切り換えるべく、ステップS2409にて第2特別表示演出S2を行うための処理を実行する。本ステップでは、第2特別表示演出S2の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、第2特別表示演出S2用の画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像データの内容が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。続くステップS2410では、RAM244の各種フラグ格納エリア247に待機フラグを格納する。
一方、ステップS2407にてラウンドカウンタSRC2の値が「3」であると判定した場合、すなわち、電動役物307の閉鎖状態への切り換えが3回目の開放の終了に対応する場合は、ステップS2411にて、ラウンドカウンタSRC2の値を「0」にクリアする。
ステップS2410,S2411の実行後、又はステップS2406にて否定判定した場合は、ステップS2412にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に待機フラグが格納されているか否かを判定する。待機フラグが格納されていない場合は、サポート状態中処理を終了する一方、待機フラグが格納されている場合は、ステップS2413にて待機期間中処理を実行してからサポート状態中処理を終了する。
ここで、ステップS2413の待機期間中処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
待機期間中処理では、先ず、ステップS2501にて、RAM244のラウンドカウンタSRC2の値が「1」であるか否か、すなわち、現在の待機期間が1回目開放と2回目開放との間の第1待機期間であるか否かを判定する。ラウンドカウンタSRC2の値が「1」であり、第1待機期間中である場合は、第1特定タイミング(図60(b)参照)であるか否か、すなわち、第2特別表示演出S2から第1特別表示演出S1への切り換えタイミングに至ったか否かを判定する。具体的には、電動役物307の1回目開放の終了(換言すれば第1待機期間の開始)から5.5secが経過したか否かを判定する。
ここで、MPU242では、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた経過カウンタを用いて1回目開放の終了からの経過時間を計測している。詳しくは、普図閉鎖コマンドを受信したことに基づいて上記経過カウンタのカウント処理を開始し、所定の周期(例えば、2msec)で当該カウント値を1インクリメント(更新)する。ステップS2502では、経過カウンタの値を参照して第1特定タイミングの到来を判別する。
その結果、第1特定タイミングでないと判定した場合は待機期間中処理を終了する。一方、第1特定タイミングであると判定した場合は、ステップS2503にて、第2特図の保留記憶数(第2始動保留記憶数RbN)を把握し、その数が4個(上限数)に達しているか否かを判定する。本ステップでは、RAM244の保留用記憶エリア250(図32)に設けられた第2副側保留エリア250bを参照し、第2特図の保留記憶数を把握する。
第2特図の保留記憶数が4個でない場合は、ステップS2504にて、図柄表示装置41の表示画面Gにて第1特別表示演出S1を行うための処理を実行し、その後、待機期間中処理を終了する。ステップS2504では、第1特別表示演出S1の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置212へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、第1特別表示演出S1用の画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像データの内容が表示画面Gにて表示されるように図柄表示装置41を制御する。
一方、ステップS2503にて、第2特図の保留記憶数が上限数に達していると判定した場合は、ステップS2505にて、第1特図の遊技回が実行中(変動表示中又は停止表示中)であるか否かを判定する。本ステップでは、主制御装置81から下作動口305用の特図変動用コマンド(図22のステップS613参照)を受信後、下作動口305用の特図変動終了コマンド(図20のステップS409)を受信しているか否かに基づいて、第1特図の遊技回が実行中であるか否かを判定する。
第1特図の遊技回の実行中である場合は、ステップS2506にて、上記特図変動用コマンドに含まれる変動表示時間に関する情報に基づいて、変動表示終了までの第1特図の残り変動表示時間(停止表示期間を含む)を把握する。一方、第1特図の遊技回が実行中でない場合は、第2特図の遊技回が実行中であることを意味するため、ステップS2507にて、上作動口303用の特図変動用コマンドに含まれる変動表示時間に関する情報に基づいて、変動表示終了までの第2特図の残り変動表示時間を把握する。
ステップS2506又はステップS2507の実行後は、ステップS2508にて、第1特定タイミングから3sec以内、すなわち、第1特定タイミングから当該第1特定タイミングの直後の開放期間が終了するまでの間に、第2特図の遊技回が開始されるか否かを判定する。具体的には、上記ステップS2506,S2507で把握した残り変動期間が3secよりも短いか否かを判定する。
ステップS2508にて3sec以内に第2特図の新たな遊技回が開始されると判定した場合は、第1特定タイミングでは第2特図の保留記憶数が上限数の4個に達しているものの、その直後の開放期間中にて第2特図の保留記憶数が3個となって1個分の空き領域が生じることを意味する。この場合は、ステップS2509に進み、第1特別表示演出S1を行うための処理を実行する。本ステップでは、ステップS2504の場合に比べて、第1特別表示演出S1が0.5sec遅れて実行されるように制御する。これは、第1特定タイミングの時点で第2特図の保留記憶数が上限数に達していない場合に比べて、空き領域の発生タイミングが遅れることを踏まえ、上作動口303への入賞に結び付かない遊技球の発射を抑制するためのものである。
一方、ステップS2508にて3sec以内に第2特図の遊技回が開始されないと判定した場合は、第2特別表示演出S2の実行を継続すべく、そのまま待機期間中処理を終了する。
ステップS2501にてRAM244のラウンドカウンタSRC2の値が「1」でない判定した場合は、現在の待機期間が2回目開放と3回目開放との間の第2待機期間であることを意味する。この場合、ステップS2510に進み、第2特定タイミング(図60(b)参照)であるか否か、すなわち、第2特別表示演出S2から第1特別表示演出S1への切り換えタイミングに至ったか否かを判定する。具体的には、電動役物307の2回目開放の終了(換言すれば第2待機期間の開始)から6.5secが経過したか否かを判定する。第2特定タイミングであると判定した場合はステップS2503以降の処理に進み、第2特定タイミングでないと判定した場合は待機期間中処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、電動役物307が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合の遊技の流れについて、図63〜図65を参照しながら説明する。
<ケース1>
ケース1として、第1特定タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数に達していない場合について、図63を参照しながら説明する。
図63のケースでは、1回目開放の開始時に第1特図の遊技回が実行されておらず、上作動口303への1個目の遊技球の入賞に伴って直ちに第2特図の遊技回が実行される。この遊技回は、通常外れ結果に対応するものであり、その変動表示時間は7secに設定される。
タイミングt51において、第1高入賞サポート状態に係るオープニング期間が開始されると、第1特別表示演出S1が表示画面Gに表示される。遊技者は、当該第1特別表示演出S1を視認することで、電動役物307を狙って遊技球を発射するように促される。その結果、上記第1の実施の形態にて説明したように、電動役物307の1回目の開放中に5個の遊技球が上作動口303に入賞可能となり、第2特図の保留記憶数が4個(上限数)に達する。
タイミングt52において、電動役物307の1回目開放が終了し、第1待機期間が始まると、第2特別表示演出S2が表示画面Gに表示される。遊技者は、当該第2特別表示演出S2を視認することで、遊技者の発射を待機(停止)するように促される。これにより、電動役物307が閉鎖されている状態での遊技球の発射が抑制される。
その後、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が終了すると、タイミングt53において、2個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が開始される。これに伴い、第2特図の保留記憶数が1個減少し、RAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに1個分の空き領域が発生する。
そして、電動役物307の2回目開放の2sec前のタイミングt54(第1特定タイミング)になると、第2特図の保留状況が把握される。保留記憶数が4個でないことから、第1特別表示演出S1が実行され、表示画面G上の特別表示演出が第2特別表示演出S2から第1特別表示演出S1に切り換えられる。遊技者は、当該第1特別表示演出S1を視認することで、電動役物307を狙って遊技球を発射するように促される。その結果、電動役物307の2回目の開放中に1個の遊技球が上作動口303に入賞可能となり、第2特図の保留記憶数が再び4個となる。
タイミングt55において、電動役物307の2回目開放が終了し、第2待機期間が始まると、第2特別表示演出S2が表示画面Gに表示される。また、2個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が通常外れ結果に対応するものであり、その変動表示時間が7secである場合は、タイミングt56において、3個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が開始され、第2特図の保留記憶数が3個になる。
電動役物307の3回目開放の2sec前のタイミングt57(第2特定タイミング)になると、第2特図の保留記憶数が把握される。保留記憶数4個でないことから、第1特別表示演出S1が実行され、電動役物307を狙った遊技球の発射が促される。その結果、電動役物307の3回目の開放中に1個の遊技球が上作動口303に入賞可能となり、第2特図の保留記憶数が再び4個となる。これにより、第2特図の保留記憶を満タンにした状態で第1高入賞サポート状態を終えることが可能になる。
<ケース2>
次に、ケース2として、第1特定タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数に達している場合について、図64を参照しながら説明する。
第1特定タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数に達している場合としては、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間が長い場合や、電動役物307の1回目開放の開始時点で第1特図の遊技回が実行中となっており、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の開始が遅れる場合等が想定される。図64では、1個目の入賞する対応する第2特図の遊技回が外れリーチ結果に対応し、その変動表示時間が12secに設定される場合を例示している。
電動役物307の2回目開放の2sec前のタイミングt62(第1特定タイミング)になると、第2特図の保留記憶数が把握される。図64のケースでは、上作動口303への1個目の入賞に対応する遊技回が12sec間に亘って継続されることから、第1待機期間の開始(タイミングt61)からタイミングt62までの間において、第2特図の遊技回が開始されない。このため、第2特図の保留記憶数は、第1待機期間の開始時点で4個であれば、タイミングt62においても4個となる。また、図64のケースでは、タイミングt62から3sec以内に第2特図の遊技回が開始されることもなく、電動役物307の2回目開放が終了するタイミングt64までの間、第2特図の保留記憶数が4個の状態が継続する。
この場合は、第1特別表示演出S1が実行されず、引き続き第2特別表示演出S2が表示される。すなわち、第1特別表示演出S1の実行タイミングが到来しても第1特別表示演出S1が実行されない。これにより、電動役物307の2回目開放が行われる場合であっても、第2特図の保留記憶数を増加させることができない状況では、遊技球の発射を待機するように促すことができる。
なお、電動役物307の3回目開放の2sec前のタイミングt64(第2特定タイミング)では、第2特図の保留記憶数が4個でないことから、第1特別表示演出S1の実行タイミングの到来に伴い第1特別表示演出S1が実行される。
<ケース3>
次に、ケース3として、第1特定タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数に達している場合の他の例について、図65を参照しながら説明する。図65では、電動役物307の1回目開放の開始時点で第1特図の遊技回が実行中となっており、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の開始が遅れる場合を例示している。なお、1個目の入賞する対応する第2特図の遊技回は通常外れ結果に対応し、その変動表示時間は7secに設定される。
図65のケースでは、第1特図の遊技回が電動役物307の1回目の開放期間の途中まで実行されていることにより、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の開始タイミング(タイミングt71)が上記開放期間の後半にずれ込んでいる。その結果、電動役物307の2回目開放の1sec前となるタイミングt74において、2個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が開始される。
この場合、電動役物307の2回目開放の2sec前となるタイミングt72(第1特定タイミング)では第2特図の保留記憶数が4個であるものの、当該タイミングから2回目開放が終了するタイミングt75までの間に、第2特図の保留記憶数が1個減少して空き領域が発生する。この場合、第1特定タイミングから3sec以内に第2特図の遊技回が開始されることから、第1特別表示演出S1が実行される。これにより、第1特定タイミングにおいて第2特図の保留記憶数に余裕がなくても、2回目開放の終了までに第2特図の保留記憶数に余裕が生じる場合に、上作動口303への入賞を促すことができる。
また、本ケースの場合の第1特別表示演出S1は、第1特定タイミング(第1特別表示演出S1の実行タイミング)の0.5sec後のタイミングt73にて行われる。図63の場合に比べて、遅れて第2特図の保留記憶数に余裕が生じることから、第1特別表示演出S1の表示タイミングを遅延させることで、第2特図の保留記憶数に余裕が生じるまでの遊技球の発射(消費)が抑制される。
なお、電動役物307の3回目開放の2sec前のタイミングt76(第2特定タイミング)では、第2特図の保留記憶数が4個でないことから、本来の第1特別表示演出S1の実行タイミング(タイミングt76)にて第1特別表示演出S1が実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電動役物307の切換制御の実行態様に対応する特別表示演出を行うとともに、その特別表示演出の態様を第2特図の保留状況に応じて変更可能に構成した。
第2特図の保留上限数の範囲内で第2特図の当否判定が行われる都合上、上作動口303へ遊技球を効率的に入球させるには、電動役物307が開放状態に切り換えられ、且つ、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶数が上限数未満である場合に、上作動口303へ遊技球を入球させ、それ以外の場合は入球を控えることが望ましくなる。しかしながら、そのような打ち分けを遊技者の判断で行おうとすると、遊技者は、電動役物307の状況だけでなく、第2特図の保留数にも常に気を配る必要が生じ、注意が散漫になりがちとなる。
この点、本実施の形態によれば、電動役物307の開放状態への切り換えと第2特図の保留状況との両方に対して相関を有する特別表示演出を行うことができる。このため、遊技者は、自らが電動役物307の切換状況と第2特図の保留状況とを把握しなくても、特別表示演出を参考に遊技を進めれば、それらの状況を踏まえた遊技を自然と行うことができる。これにより、注意が散漫化することが抑制され、遊技への集中力を増進させることが可能になる。加えて、特別表示演出に対する注目度を向上させることができ、演出効果を高めることが可能になる。
特別表示演出として、遊技者に対して電動役物307が開放状態に切り換わることを示唆、又は遊技者に対して電動役物307を狙うように促す態様の第1特別表示演出S1と、遊技者に対して遊技待機又は遊技球の発射停止を促す態様の第2特別表示演出S2とを設定し、それらの演出を使い分ける構成とした。これにより、特別表示演出により遊技者の発射操作を補助することができ、電動役物307及び第2特図の保留状況の各状況に適した遊技を行い易くなる。
電動役物307の開放状態への切り換え前に第1特別表示演出S1の実行タイミングを設定する構成とした。これにより、遊技者が事前に第1特別表示演出S1を把握することができ、電動役物307を狙った遊技球の発射を適正なタイミングで行うことが可能になる。その上で、上記実行タイミングにおける第2特図の保留状況を把握し、その把握結果に基づいて第1特別表示演出S1の実行有無を切り換える構成とした。この場合、最新の保留状況を反映させた報知を行うことができ、特別表示演出に対する信頼性や関心度を高めることが可能になる。
電動役物307が開放状態に切り換えられる直前の待機期間(オープニング期間、第1待機期間、第2待機期間)にて特別表示演出を行う構成とした。これにより、特別表示演出を第1高入賞サポート状態中の一演出として活用できるとともに、直近の開放状態の実行態様に応じた報知を行うことが可能になる。
第1特別表示演出S1の実行タイミング(第1特定タイミング、第2特定タイミング)において第2特図の保留記憶数が上限数に達していても、電動役物307の切換制御が終了するまでに第2特図の保留記憶数が減少する場合は、第1特別表示演出S1を実行する構成とした。これにより、第1特別表示演出S1の実行タイミングで第2特図の保留状況に余裕がなくても、切換制御が終了するまでに余裕が生じる状況であれば、それを踏まえた報知を行うことができる。その結果、上作動口303への効率的な入球を好適に補助することが可能になり、興趣性が向上する。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、電動役物307が閉鎖状態となると上作動口303への入賞が不可となる構成としたが、入賞しにくくなる構成としてもよい。例えば、開閉部材331,511が上作動口303を完全に閉鎖せずに、半開きとなる構成としてもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで上作動口303への入賞し易さが相違するものであれば足り、閉鎖や開放の度合は任意である。
(2)上記各実施の形態では、「可変受入手段」として、板状の開閉部材331が閉鎖位置にて起立し、当該閉鎖位置から前方に回動することで開放位置に変位する電動役物307を備えるが、横開きタイプや前後スライドタイプ等の他の構成のものであってもよい。すなわち、開放状態に切り換えられた場合に受入領域を第1流下経路R1上に形成し得るものであれば、電動役物の構成は任意である。
なお、横開きタイプの電動役物としては、遊技盤24の前面から前方に突出し、入球部としての開口を有する突出部と、当該突出部に設けられ、遊技盤に交差する方向の軸線を中心として回動する可動体としての可動羽根と、を備え、可動羽根が回動することで上記開口の開口度合を変化させ、開放状態(入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態)と、閉鎖状態(入球部に遊技球を受入不能又は第1状態よりも受け入れにくい第2状態)とに切り換わるものが挙げられる。この構成では、電動役物(突出部)の前方を遊技球が流下不可又は流下困難となっている場合が多いため、遊技機前方からの正面視において、可動羽根が閉鎖位置に位置する状態では、可動羽根及び突出部を含む電動役物の全体が第1流下経路R1から退避しており、可動羽根が開放位置に変位した際に、可動羽根のみが第1流下経路R1と交差する構成とするとよい。
また、前後スライドタイプの電動役物としては、遊技盤24の前面から前方に突出し、上方に開口する入球部としての開口を有する突出部と、前後方向に進退可能な可動体としての可動板と、を備え、上記可動板が上記開口を上方から覆う前進位置から、上記開口を覆う面積が減少する後退位置に後退してその開口度合を拡張することで受入領域を形成し、閉鎖状態(入球部に遊技球を受入不能又は受け入れにくい第2状態)から開放状態(入球部に遊技球を受入可能又は第2状態よりも受け入れ易い第1状態)に切り換わるものが挙げられる。この構成では、上方から見て第1流下経路R1上に受入領域が形成される構成とするとよい。
(3)上記各実施の形態では、電動役物307と下作動口305を縦並びに配置したが、これらの並び方向は斜めであってもよい。電動役物307が下作動口305の上流に位置し、受入領域RAが第1流下経路R1上に形成されるものであれば、これらの並び方向は任意である。
(4)開閉部材331の左右幅(受入領域RAの大きさ)を遊技球約3個分の長さとして下作動口305の左右幅(下作動口305の大きさ)よりも大きくしたが、両者を等しくして第1流下経路を流下する遊技球のみが上作動口303へ入賞可能となる構成としてもよい。
なお、第1流下経路R1以外の流下経路を流下する遊技球も上作動口303へ入賞可能とする構成においては、開閉部材331の左右幅を下作動口305の左右幅の2倍以上で且つ5倍以下とすることが好ましい。2倍以上とすることで、第1流下経路R1上の遊技球以外の遊技球も上作動口303への入賞対象に含めることができる。また、5倍以下とすることで、次の効果が期待される。5倍を超える大きさとした場合、上作動口303への入賞が容易になり過ぎる結果、遊技機の仕様上、開放状態への切り換え頻度を低下せざるを得なくなる。この点、上記構成とすることで、上作動口303への入賞を適度に制限することができ、開放状態への切り換え頻度の適正な確保が図られる。さらに、遊技領域における占有割合が増加する結果、遊技球の流下領域や他の遊技部品の設置領域に対する制約が強まるおそれもあるが、これを抑制し、遊技領域が限られている中で最適な構成とすることができる。
(5)上記各実施の形態では、電動役物307が閉鎖状態に切り換えられている状態において、第2及び第3流下経路R2,R3を流下する遊技球が下作動口305に入賞しない構成としたが、入賞可能な構成としてもよい。この場合、第1流下経路R1を流下する遊技球よりも入賞しにくい構成とするとよい。
(6)上記第3の実施の形態では、開閉部材511が前後に直線移動する構成としたが、他の実施の形態と同様に、回動軸を中心に前方に回動することで閉鎖位置から開放位置に変位する構成としてもよい。この場合、貫通孔517を挿通する第2案内部503を、側面視において(回動軸の軸線方向に見て)前方に凸の円弧状となるように湾曲させるとよい。これにより、開閉部材511と第2案内部503との干渉を緩和することができ、貫通孔517の小型化、延いては開閉部材511の剛性や強度を高めることが可能になる。
かかる構成において、第1案内部365を開閉部材511の前方まで垂下させ、その下端部を第2案内部503と同様の円弧状とするとよい。つまり、第1案内部365を上記第4の実施の形態に係る第1案内部603と同様の構成とすることで、第1案内部365と第2案内部503との距離(図7の距離L6参照)を縮め易くなり、両案内部365,503の間から遊技球が外側にこぼれることが抑制される。
また、上記第3の実施の形態以外の実施の形態において、開閉部材331が前後に直線移動する構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態では、「規定手段」又は「案内手段」として左右一対の第2案内部371,403,451,503を備えるが、これらを片方のみ備える構成としてもよい。但し、好適な遊技球の流下方向の規定や遊技球の案内を踏まえると、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。このことは、第1案内部365,603についても同様である。
(8)上記各実施の形態では、第1案内部365、603を案内方向に延びる連続壁によって構成したが、複数の遊技釘によって第1案内部の全部又は一部を構成してもよい。この場合、複数の遊技釘は、相互に間隔が遊技球の直径未満となるように案内方向に並べるとよい。この構成によれば、遊技球を案内する過程において、遊技球が遊技釘に当接することで遊技球の流下速度が減速し易くなり、下作動口305や受入領域RAに到達するまでの期間を長期化し易くなる。これにより、遊技球の動きの視認性を高めたり、上記期間を活用した演出が行い易くなり、興趣性が向上する。
(9)上記各実施の形態では、左右の第2案内部371,403,451,503、第1案内部603の長さ(上下幅)を同一とする構成としたが、これらの長さを異ならせてもよい。この場合、長い側の第2案内部371,403,451,503、第1案内部603を途中位置から曲げるなどして、遊技球の流下方向を変更させてもよい。このことは、第1案内部365についても同様である。
(10)上記各実施の形態では、左右の第2案内部371,403,451,503、第1案内部603の突出量を同一とする構成としたが、これらの突出量を異ならせてもよい。このことは、第1案内部365についても同様である。
(11)上記第1の実施の形態では、第2案内部371が開閉部材331に一体形成され、上記第2及び第3の実施の形態では、第2案内部403,451,503が上側案内通路333に一体形成されるが、第2案内部を開閉部材331や上側案内通路333と別体に構成し、係合部や留め具を用いるなどしてそれらに連結する構成としてもよい。この場合、例えば遊技球からの衝撃により第2案内部の一部が欠損する等、第2案内部が損傷した場合に、当該第2案内部の交換のみで足り、修理が容易となる。但し、部品点数や遊技機製造時の組み付け作業性を考慮すると、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(12)上記第1の実施の形態において、開閉部材331が開放位置に変位した場合に第2案内部371の一部又は全部が下作動口305内に収容される(入り込む)構成としてもよい。この場合、開閉部材331の開放度合に対する制約を緩和することができ、開閉部材331を大きく開放し易くなる。また、開閉部材331と下作動口ケース337との距離を縮め、両者を一層近接させることも可能になる。
また、上記第1の実施の形態において、左右の第2案内部371の間隔を下作動口ケース337の左右幅よりも大きくし、開閉部材331が開放位置に変位した場合に、各第2案内部371が下作動口ケース337の左右外側に入り込む構成としてもよい。この構成によっても、開閉部材331の開放度合に対する制約を緩和することができ、開閉部材331を大きく開放し易くなる。また、開閉部材331と下作動口ケース337との距離を縮め、両者を一層近接させることも可能になる。
(13)上記各実施の形態では、開閉部材331,511と下作動口ケース337との間に遊技釘を設けない構成としたが、遊技釘を設ける構成としてもよい。この場合、上記第1の実施の形態においては、開閉部材331が開放位置に変位すると、左右の第2案内部371がその間に収まるように、2本の遊技釘を左右方向に並設するとよい。この場合、それらの遊技釘を両者が近づく方向に曲げすぎると、第2案内部371と干渉して開閉部材331を適正に作動させることが困難となることから、極端な釘曲げが抑制される。なお、上記遊技釘は、それらの両方が左右の第2案内部371の間に収まるように設けてもよい。
(14)上記第1の実施の形態では、第2案内部371を案内方向に延びる連続壁によって構成したが、複数の遊技釘によって第2案内部の全部又は一部を構成してもよい。この場合、複数の遊技釘は、相互に間隔が遊技球の直径未満となるように案内方向に並べるとよい。かかる構成では、遊技釘を合成樹脂製(開閉部材331と同一材料)として開閉部材331に一体形成してもよい。
(15)上記各実施の形態では、閉鎖位置に位置する開閉部材331の前面331bがベース体320の前面320bと略面一となる構成としたが、当該前面320bよりも後方に位置する構成としてもよい。この場合でも、遊技球が開閉部材331の前方を通過する際に開閉部材331に引っ掛かり、遊技球の流れが停滞したり開閉部材331が損傷したりすることが抑制される。
(16)上記各実施の形態では、第1発光部311の透光部341において、第1案内部365,603が設けられている第1領域と、第1案内部365,603が設けられていない第2領域との発光態様を共通化させているが、各領域の発光態様を相違させてもよい。すなわち、第1案内部365,603の前方を遊技球が流下不可又は流下困難であることから、第1領域の発光態様を第2発光部317と同様にしてもよい。この場合、透光部341の後方において、第1領域を発光させる発光体の光が第2領域に進入することを抑制する遮光部材を設けるとよい。
(17)上記各実施の形態では、第2発光部317が前方に突出する構成としたが、突出しない構成としてもよい。この場合、第1発光部311の透光部341と同様に、その前面がベース体320と略面一となるように第2発光部317を構成し、第2発光部317の前方を遊技流が流下可能な構成とすることができる。
(18)上記各実施の形態では、発光基板359の発光制御により第1及び第2発光部311,317の発光態様を相違させるが、発光体の仕様により発光態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、第2発光部317用の発光体として、第1発光部311用の発光体よりも高輝度発光が可能な発光体を配置するなど、各発光部で発光体の種類を異ならせることで発光態様が相違する構成としてもよい。
(19)上記各実施の形態において、第1発光部311の前方と開閉部材331,511の前方とで遊技球の流下速度を異ならせる構成としてもよい。具体的には、第1発光部311の前方よりも開閉部材331,511の前方を遊技球が流下する場合の方が、遊技球の流下速度が速くなる構成としてもよい。例えば、第1発光部311の前方に遊技球を減速させる減速手段を設ける一方、かかる減速手段を開閉部材331,511の前方に設けない構成とすることができる。
開閉部材331,511の前方を遊技球が流下する構成においては、開閉部材331,511の前方で遊技球の流れが停滞すると、当該遊技球によって開閉部材331,511の開放位置への変位が妨げられるおそれが生じる。そこで、開閉部材331,511の前方を遊技球が素早く通過可能とすることで、上記不都合の発生を抑制する。一方、開閉部材331,511の上方では遊技球の流れを遅くすることで、電動役物307(上作動口303)へ向かう遊技球の流れを遊技者が視認し易くし、電動役物307の上流の遊技球が上作動口303に入ることへの期待感を効果的に煽ることが可能になる。
(20)上記各実施の形態では、遊技球が上作動口303に入賞可能となる複数の流下経路(第1〜第3流下経路R1〜R3)を隣接させるが、各流下経過を分散させて経路同士が離間する構成としてもよい。この場合、特定報知を行うための報知手段(第1発光部311)を各経路上に設けるとよい。但し、3以上の流下経路が存在する場合は、必ずしも全ての流下経路に対応して報知手段を設ける必要はなく、少なくとも2つの経路上に報知手段を設ければ足りる。
(21)上記各実施の形態では、開閉部材331,511(電動役物307)の上方にて第1案内部365,603により下方へ向けて案内される遊技球を、開閉部材331,511の前方にて、同じく下方へ向けて案内する構成としたが、開閉部材331,511の前方に遊技球の流下方向を左右方向に変更する変更手段を設け、同部材331,511の前方にて遊技球の流下方向を変更する構成としてもよい。これにより、電動役物307の前方領域を遊技球の流下方向を変更する変更領域として活用可能となる。この場合、電動役物307の前方を遊技球が流下するに過ぎない構成に比べて、遊技球の動きを多様化させたりすることができ、興趣性が向上する。
(22)上記各実施の形態では、「報知手段」としての第1発光部311(透光部341)の前方を遊技球が流下する構成としたが、報知手段が、電動役物307の切換制御の実行態様に対応する特定報知を表示可能であるとともに、その後方を遊技球が流下可能に構成されており、且つ、遊技機前方から当該報知手段の後方を視認可能なように光透過性(透明性)を有している構成としてもよい。この場合における報知手段としては、例えば、導光板を用いたエッジライト式の透過型ディスプレイ(前面又は後面に所定の凹凸(溝)が形成された導光板の端面から光を照射するとともに、その光を上記凹凸によって反射又は屈折させることで光を前方に照射し、導光板上に所定の発光表示を行うもの)や、透過型の液晶表示装置(液晶パネル)等を用いることができる。かかる構成によっても、電動役物307への遊技球の流れを視認しながら、特定報知を把握することが可能になり、上記各実施の形態と同様の効果が期待される。
また、上記構成において、報知手段の後方だけでなく、前方も遊技球が流下可能となる構成としてもよい。前後方向のスペースを有効活用できることから、実質的な流下領域の拡大が可能となる。この場合において、例えば、報知手段の上流に遊技球を前方側と後方側とに振り分ける振分手段を設けた上で、遊技球が報知手段の前方を流下する場合と、後方を流下する場合とで、上作動口303への入賞し易さ(電動役物307への拾われ易さ)を異ならせてもよい。これにより、遊技者が報知手段の前方及び後方のいずれを通るかを楽しむ遊技性が付加され、興趣性が向上する。
(23)上記各実施の形態では、「可変受入手段」として電動役物307を備えるが、「可変受入手段」は上作動口(第2特図の抽選口)303を開閉するものに限られず、大入賞口32aや一般入賞口31等の他の入球口を開閉するものであってもよい。例えば、大入賞口32aを開閉する可変入賞装置32を「可変受入手段」とする場合は、可変入賞装置32を下作動口305の上流に配置し、その受入領域が第1流下経路R1上に形成される構成とするとよい。この場合、開閉実行モードにおいて可変入賞装置32が開放状態に切り換えられた場合に、大入賞口32aへの入賞が下作動口305によって阻害されることが抑制される。
なお、大入賞口32aや一般入賞口31等の他の入球口を開閉する電動役物を「可変受入手段」とする構成において、下流側の「入球部」は、第1特図の抽選口に限られず、スルーゲート35や一般入賞口31、第2特図の抽選口等の他の入球口であってもよい。この場合において、下流側の「入球部」は電動役物を備えないものに限定されず、電動役物を備えるものであってもよい。
(24)上記各実施の形態では、下流側の「入球部」として下作動口305を備えるが、かかる「入球部」は第1特図の抽選口に限られず、スルーゲート35や一般入賞口31等の他の入球口であってもよい。また、下流側の「入球部」が大入賞口32aであり、電動役物(可変入賞装置32)を備えるものであってもよい。
(25)上記各実施の形態では、下作動口305への入賞に基づいて第1特図の当否判定が行われ、上作動口303への入賞に基づいて第2特図の当否判定が行われるが、両作動口303,305のいずれに遊技球が入賞しても共通の当否判定が行われる構成としてもよい。この場合、特別図柄として1種類のみを備える構成でもよいし、第1及び第2特別図柄を備える構成において、それら特別図柄の一方に両作動口303,305の双方が対応する構成でもよい。
(26)上記各実施の形態では、下作動口305に入賞させるよりも上作動口303に入賞させる方が遊技者にとって有利となる構成としたが、各作動口303,305の有利度合を等しくてもよいし、逆転させてもよい。但し、上作動口303への入賞に対する期待感を増進させ、第1高入賞サポート状態の魅力を高める上では、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(27)上記各実施の形態では、大当たりとなった場合の15R大当たりの選択され易さ(15R大当たりの割合)を上作動口303と下作動口305とで相違させることで(図15参照)、上作動口303の方が下作動口305よりも遊技者にとって有利となる構成としたが、15R大当たりの選択され易さや大当たり種別の内訳(特典)を等しくした上で、開閉実行モード終了後の高頻度サポートモードや高確率モードへの移行率(有利状態への移行率)を異ならせることにより、上作動口303と下作動口305との優位性に差を設ける構成としてもよい。なお、15R大当たりの選択され易さや大当たり種別の内訳を上作動口303の方が下作動口305よりも有利とした上で、さらに上記有利状態への移行率も上作動口303の方が有利となっている構成としてもよい。
(28)上記各実施の形態では、上作動口303及び下作動口305のいずれに入賞した場合も共通の当否テーブル(図14(a)、(b))を用いて特図当否判定を行う構成としたが、上作動口303用及び下作動口305用の当否テーブルを各別に備え、上作動口303と下作動口305とで大当たり当選となる乱数の値が異なる構成としてもよい。この場合、大当たり当選となる確率は、上作動口303と下作動口305とで同じであってもよいし、異なってもよい。
(29)上記各実施の形態では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報よりも第2結果表示部用保留エリアRbの保留情報を優先的に当否判定の対象とする構成としたが、その逆であってもよく、入賞順(取得順)に当否判定する構成としてもよい。但し、第2結果表示部用の種別テーブル(図15(b)参照)における上作動口303の優位性を鑑みると、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(30)上記各実施の形態では、電動役物307の切換制御を主制御装置81が行う構成としたが、他の制御装置(演出制御装置82、表示制御装置212、払出制御装置97等)が行う構成としてもよい。
(31)上記各実施の形態では、上作動口303への入賞に基づいて保留情報が取得され、所定数(4個)を上限として保留情報が記憶される構成としたが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。このことは、下作動口305及びスルーゲート35への各入賞についても同様である。
(32)上記各実施の形態では、上作動口303への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。この場合、第1高入賞サポート状態における電動役物307の開放期間(複数回の開放がある場合は1回目開放の開放期間)の上限は、上限保留数に合わせて設定することができる。具体的には、上限数に1を加算した加算値と、遊技球の発射周期である0.6secとの積となる期間に設定するとよい。また、第1高入賞サポート状態における上作動口303への入賞個数の上限についても、保留個数の上限に合わせて設定することができる。具体的には、上限数に1を加算した加算値とするとよい。
なお、下作動口305及びスルーゲート35への各入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。また、各作動口303,305及びスルーゲート35への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(33)上記各実施の形態では、オープニング開始の3sec前に第1及び第2発光部311,317による特別発光演出を開始する構成としたが、当該特別発光演出の実行タイミングは電動役物307の開放前であればよく、その具体的なタイミングは任意である。例えば、特別発光演出の開始から電動役物307の開放開始までの期間を、遊技球が発射されてから電動役物307に到達するまでの所要期間よりも短くしてもよい。この場合、特別発光演出を見てから遊技球を発射させても、第2特図の保留記憶数を上限数に到達させる最適タイミングで上作動口303に遊技球を入賞させることが困難となり、狙い打ちを抑制することが可能になる。このことは、特別表示演出においても同様であり、特別表示演出の実行タイミングは電動役物307の開放前であればよく、電動役物307の開放開始の2sec前に限定されるものではない。
(34)上記各実施の形態では、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に、第1高入賞サポート状態によるサポート状態への移行が生じる構成としたが、サポートモードが高頻度サポートモードである場合にも第1高入賞サポート状態が生じる構成としてもよい。この場合、高頻度サポートモード用のサポート状態として第1高入賞サポート状態のみが設定されてもよいし、入賞し易さが相違する複数のサポート状態が設定されてもよい。また、高頻度サポートモードである場合にのみ第1高入賞サポート状態が生じる構成としてもよい。但し、高頻度サポートモードはそもそもが上作動口303への入賞を期待し易い状態であることを踏まえると、第1高入賞サポート状態の魅力を高める上では、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(35)上記各実施の形態では、特定発光演出を第1高入賞サポート状態の専用演出としたが、第2高入賞サポート状態で電動役物307が開閉される場合も実行可能な構成としてもよい。この場合、第1高入賞サポート状態の方が第2高入賞サポート状態よりも特定発光演出が行われ易く、すなわち、電動役物307のサポート状態が第1高入賞サポート状態である場合に優先的に特定発光演出が行われる構成としてもよい。このことは、特定表示演出においても同様である。但し、第1高入賞サポート状態を際立たせる観点や遊技者の混乱を抑制する観点からすると、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
また、低頻度サポートモード中に限らず、高頻度サポートモード中にも第1高入賞サポート状態が発生可能な構成では、低頻度サポートモード中での第1高入賞サポート状態の発生に限り、特定発光演出や特定表示演出を行う構成としてもよいし、サポートモードの相違に関係なく第1高入賞サポート状態の発生に対応して特定発光演出や特定表示演出を行う構成としてもよい。なお、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードの双方で特定発光演出や特定表示演出を行う構成では、低頻度サポートモード中の第1高入賞サポート状態の発生の方が、高頻度サポートモード中の第1高入賞サポート状態の発生よりも行われ易くするとよい。
(36)上記各実施の形態では、サポート状態への移行時における上作動口303への入賞個数の上限と、各回の開放期間の上限とが設定され、それらのいずれかの条件が成立した場合にサポート状態が終了したり、電動役物307が開放状態から閉鎖状態に切り換えられたりする構成としたが、上記各条件の一方のみが設定される構成としてもよい。
(37)上記各実施の形態では、上作動口303への入賞に基づく保留情報が4個であることを前提として、第1高入賞サポート状態における電動役物307の開放期間(複数回の開放がある場合は1回目開放の開放期間)の上限を3secに設定したが、第2特図の当否判定との関係で見た無効な入賞を抑制できれば足りるため、3sec未満の期間としてもよい。この場合、少なくとも1個の入賞が見込めるように、遊技球の発射周期である0.6sec以上の期間とするとよい。
なお、無効な入賞を抑制しながらも第2特図の保留記憶数を上限数に到達させる構成とする場合、電動役物307の開放期間は、3sec以上で且つ3.6sec以下とすることが好ましい。すなわち、第2特図の遊技回の実行分と第2特図の保留記憶数の上限との合計数(5個)に遊技球の発射周期を乗算した値を下限値とし、当該下限値に上記発射周期を加算した加算値を上限値とするとよい。
(38)上記各実施の形態では、第1発光部311を電動役物307への遊技球の流下経路上に設けたが、上作動口303又は上作動口303用の検知センサ(遊技球の通過を検知することで、上作動口303への遊技球の入賞を検知するセンサ)への流下経路(移動経路)上に設けてもよい。この場合、第1発光部311としての発光手段を電動役物307に備えて両者を一体化したり、上記発光手段を上作動口303の内部(閉鎖位置に位置する開閉部材331の後方)に備えたりするとよい。後者においては、例えば開閉部材331や電動役物307の全体又は前方から見て同発光手段と重なる部分が透明性(透光性)を有する構成とし、発光手段からの光が開閉部材331又は電動役物307を通じて遊技機前方から視認可能な構成とするとよい。
(39)上記第1の実施の形態では、上作動口303への入賞に基づく保留情報が4個であることを前提として、第1高入賞サポート状態における上作動口303への上限入賞個数を5個に設定したが、第2特図の当否判定との関係で見た無効な入賞を抑制できれば足りるため、5個未満としてもよい。
(40)上記各実施の形態において、電役保留エリア233又は副側電役保留エリア250cに格納された普図の保留情報(開放乱数カウンタC4や開放種別カウンタC5)を、当該保留情報が普図当否判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段を備え、当該先特定手段の特定結果に基づいて特別表示演出を行う構成としてもよい。この場合、電動役物307が開放状態に切り換えられる前に特別表示演出を開始する中で、特別表示演出のための報知期間を長く確保することが可能になる。これにより、遊技者が特別表示演出を認識し易くしたり、特別表示演出の態様を多様化して演出効果を高めたりすることが可能になる。但し、制御処理の簡略化や処理負荷の軽減を図る点では、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(41)上記第5及び第6の実施の形態において、電動役物307と下作動口305との関係は、電動役物307が開放状態に切り換えられた場合に、受入領域RAが下作動口305への遊技球の流下経路(第1流下経路R1)上に形成されるものでなくてもよい。例えば、下作動口305に対応する入賞口(第1特図の始動入賞口)が電動役物307の上流(上方)に配置される構成であってもよい。
(42)上記第5の実施の形態においては、通常外れ結果に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間を7secに固定化したが、長さの異なる複数の変動表示時間を設定してもよい。かかる構成では、それら変動表示時間の違いを加味して第1待機期間の長さを設定するとよい。例えば、7secと4secとを設定し、その上で第1待機期間を2.5secとするとよい。この場合、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間として4secが選ばれると、電動役物307の2回目開放の開始前に遊技回の変動表示が終了し易く、逆に7secが選ばれると終了しにくくなる。これにより、同じ通常外れ結果であっても、第2特図の保留状況に空き領域が形成される場合と、そうでない場合とを生じさせることが可能になる。かかる構成において、7secの変動表示時間と4secの変動表示時間との選択確率は等しくてもよいし、相違してもよい。また、両者の選択確率が相違する場合、前者よりも後者の方が高くてもよいし、その逆でもよい。
また、第2特図の保留状況に応じて上記遊技回の変動表示時間が変化する構成としてもよい。例えば、第2特図の保留記憶数が3個未満である場合は、通常外れ結果に対応する第2特図の遊技回の変動表示時間が7secに設定され、3個以上である場合は、変動表示時間が4secに設定される構成とすることができる。この場合において、第1待機期間を2.5secとすれば、第2特図の保留記憶数が3個以上となった場合に限り、2回目開放の開始前に遊技回の変動表示が終了し易くすることができる。これにより、1回目の開放において3個以上の遊技球を上作動口303に入賞させる楽しみが付加され、興趣性が向上する。
(43)上記第5の実施の形態では、1個目の入賞に対応する第2特図の遊技回が電動役物307の2回目の開放前に終了可能な構成としたが、3回目の開放前に終了可能な構成としてもよい。つまり、3回目の開放が行われることによって、第2特図の新たな保留情報を保留可能となる構成としてもよい。このことは、上記第6の実施の形態においても同様である。
(44)上記第5の実施の形態では、第1待機期間を第2特図の遊技回の変動表示時間(7sec)よりも短い期間(5.5sec)に設定したが、第2特図の遊技回の変動表示時間よりも長い期間に設定してもよい。この場合、電動役物307の1回目の開放中に上作動口303に遊技球が入賞した場合に、その入賞に対応する遊技回が当該1回目の開放の終了前に開始されれば、当該遊技回を2回目開放の開始前に確実に終了させることが可能になる。これにより、2回目開放の開放時点において第2特図の保留領域に空き領域が形成され易くなる。また、第2待機期間(6.5sec)についても、上記と同様に、第2特図の遊技回の変動表示時間よりも長い期間に設定してもよい。
(45)上記第5及び第6の実施の形態では、1回目開放の開放期間を2回目開放の開放期間よりも長くしたが、これらの開放記憶の長さは等しくてもよく、また、長短が逆であってもよい。このことは、2回目開放と3回目開放との関係、又は、1回目開放と3回目開放との関係においても同様である。但し、第1高入賞サポート状態の早期で第2特図の保留記憶数を貯め易くなり、遊技者が安心して遊技を進められる点を踏まえると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
また、上記第5及び第6の実施の形態では、1回目開放の開放期間を最も長く設定したが、2回目開放や3回目開放の開放期間が最も長くなる構成としてもよい。但し、第1高入賞サポート状態の早期で第2特図の保留記憶数を貯め易くなり、遊技者が安心して遊技を進められる点を踏まえると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
(46)上記各実施の形態では、可変入賞装置32、上作動口303及び下作動口305を下側領域PE4に設け、左側領域PE2及び右側領域PE3のいずれを流下するように遊技球を発射させても、両作動口303,305へ入賞可能な構成としたが、打ち分けが可能なように配置してもよい。すなわち、例えば、左側領域PE2及び右側領域PE3の一方に可変入賞装置32、上作動口303及び下作動口305を設ける構成とする。このようにすると、可変入賞装置32、上作動口303及び下作動口305が設けられた側の領域を流下するように遊技球を発射させた場合に、各作動口303,305に入賞可能な構成となる。この場合において、第1特図又は第2特図に対応する作動口を両作動口303,305とは別に設けるとともに、かかる作動口を両作動口303,305が設けられる側の領域とは反対側の領域に設けるとよい。
上記第6の実施の形態において、両作動口303,305を左側領域PE2及び右側領域PE3の一方に設けた場合は、第1特別表示演出S1に代えて又は加えて、両作動口303,305が設けられている側の領域にて遊技球を流下させるべきことを示唆する態様の報知を行ってもよい。例えば、両作動口303,305が右側領域PE3に設けられる場合は、右報知を行うことができる。これにより、遊技者の発射操作をサポートすることができ、電動役物307の切換状況及び第2特図の保留状況に適した遊技を行い易くなる。
(47)上記第6の実施の形態では、第2特別表示演出S2を第2特図の保留記憶数が上限数である場合又は上限数となる場合に限り行う構成としたが、第2特図の保留記憶数が上限数でなくても第2特別表示演出S2を行う構成としてもよい。例えば、第2特図の保留記憶数が4個(上限数)である場合に限らず3個である場合にも第2特別表示演出S2を行う構成としてもよい。つまり、入賞させることができても1個に限られる場合等のように見返り(特典)が少ない場合は、第1特別表示演出S1を実行しない構成としてもよい。
(48)上記第6の実施の形態において、第1特別表示演出S1の実行タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数になっている場合は、電動役物307の次回の開放が終了するまでに保留記憶数が減少するか否かに関わらず、第2特別表示演出S2を表示する構成としてもよい。
(49)上記第6の実施の形態において、第2特別表示演出S2の表示期間にて第2特別表示演出S2を表示せず特別表示演出を実行しない構成としてもよい。
(50)上記第6の実施の形態において、第1特別表示演出S1の実行タイミングにおいて第2特図の保留記憶数が上限数になっており、且つ、電動役物307の次回の開放が終了するまでに保留記憶数が減少しない場合に、第1特図の保留状況を把握する構成としてもよい。その上で、第1特図の保留領域に空き領域が存在する場合は、特別表示演出として「ヘソチャッカーを狙え!!」の表示を行い、存在しない場合は、第2特別表示演出S2の表示を行う構成としてもよい。ここで、「ヘソチャッカー」は下作動口305の俗称であり、上記表示により、遊技者に対して下作動口305を狙って遊技球を発射するように促すことができる。これにより、待機期間を活用して下作動口305への入賞をサポートすることができ、第1高入賞サポート状態の興趣性が向上する。
(51)上記第6の実施の形態において、第1特別表示演出S1を実行する場合に、当該第1特別表示演出S1に代えて又は加えて、第2特図の上限記憶数までの残り保留数に応じた報知(例えば、「電チューに○個入賞させろ!!」等の表示)を行ってもよい。これにより、遊技者が特別表示演出に集中していても、第2特図の上限記憶数までの残り数を把握しながら遊技を進めることが可能になる。
(52)上記第6の実施の形態において、第2特図の保留状況との関係において第1特別表示演出S1の実行条件が成立している場合に、第1特別表示演出S1を実行するか否かを抽選する抽選手段を設け、第1特別表示演出S1をランダムに実行する構成としてもよい。これにより、第1特別表示演出S1の実行頻度が低減され、過度な補助が抑制される。
(53)上記第6の実施の形態において、上作動口303に遊技球が入賞した場合の賞球数を4個未満としてもよい。具体的には、電動役物307の2回目開放の開放期間(1sec)にて発射可能な遊技球の数(1個)以下とするとよい。かかる構成では、第2特図の保留記憶数が上限数に達している状態で2回目開放がなされる場合に、遊技球を上作動口303に入賞させても発射数より多くの払出しを得ることができず、遊技球の発射を控える意義が高まる。その結果、第2特別表示演出S2に対する遊技者の関心が高まり、特別表示演出への注目度が向上する。
(54)上記第6の実施の形態では、第2特図の保留状況(場合によっては第1特図の保留状況、又は上記(50)に記載の構成では第1及び第2特図の保留状況)に応じて、第1及び第2特別表示演出S1,S2の実行態様を変更する構成としたが、これに代えて又は加えて、特別発光演出(図37参照)の実行態様を変更する構成としてもよい。例えば、第2特図の保留状況に空きがある又は生じる場合は各特定タイミングにて特別発光演出を実行する一方、第2特図の保留状況に空きがない又は生じない場合は、第1及び第2発光部311,317を消灯させて特別発光演出を不実行としたり、発光強度を弱くして実行度合を低く抑えたりするなどの構成とすることができる。
この場合において、第1高入賞サポート状態における電動役物307の閉鎖期間(待機期間)は、特別発光演出を不実行等とする構成としてもよい。これによれば、第2特図の保留状況に空きがないこと等に応じて、特定タイミングにて特別発光演出を不実行等とする場合に、待機期間における特別発光演出の実行状況をそのまま維持する構成とすることができ、制御処理の簡単化や処理負荷の軽減とともに、第1及び第2発光部311,317の発光状態が頻繁に変更させることによる遊技者の混乱の抑制を図ることができる。
また、例えば、高入賞サポートモードにおいて第1高入賞サポート状態への移行が生じる場合など、第1高入賞サポート状態における電動役物307の初回の開放時(開放開始時又は開放期間中)にて第2特図の保留状況に空きがない又は生じない場合は、事前の特別発光演出(電動役物307のサポート状態への移行前3sec間の特別発光演出(図37のA2,A3参照))、オープニング期間中及び初回開放期間中の特別発光演出を行わない構成としてもよい。
(55)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、以下の各特徴群に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技球が入球可能な入球部と、入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と入球部に遊技球を受入不能又は受け入れにくい第2状態とに切り換わり可能な可変受入手段と、を備えたものが知られている(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という背景技術について、「興趣向上を図る上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(下作動口305)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて第1情報を取得する第1情報取得手段(主制御装置81による下作動口305用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第1情報取得手段の取得した第1情報に基づいて第1判定を行う第1判定手段(主制御装置81による下作動口305用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(上作動口303)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報に基づいて第2判定を行う第2判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態(開放状態)と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な所定の受入領域(受入領域RA)を形成し、当該所定の受入領域に受け入れた遊技球を前記第2入球部に受け入れるように構成されており、
前記所定の受入領域は、前記遊技領域における前記第1入球部への遊技球の流下経路(第1流下経路R1)上に形成されることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1入球部への遊技球の入球に基づいて第1判定が行われ、第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2判定が行われる。かかる構成の下、第1入球部と第2入球部との位置関係によっては、可変受入手段が第1状態であるにも関わらず、遊技球が第1入球部に入球する結果、第2入球部に入球しにくくなることがある。すなわち、第2判定を受ける機会が奪われることになり、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受できないという不都合が生じ得る。
この点、本構成によれば、可変受入手段が第1状態となった場合に、第1入球部への遊技球の流下経路上に所定の受入領域が可変受入手段によって形成される。このため、第1入球部に向けて流下する遊技球が、第1入球部への到達前に可変受入手段に到達し、第1入球部によって遊技球の受入が阻害されることが抑制される。これにより、第2判定を受ける機会が安定的に確保され、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受可能となる。
特徴A2.前記可変受入手段は、第1位置(開放位置)と、当該第1位置とは異なる第2位置(閉鎖位置)と、に変位可能な可動体(開閉部材331,511)を有し、当該可動体が前記第2位置から前記第1位置に変位することで前記第2状態から前記第1状態に切り換わり可能に構成されており、
前記可動体は、前記第1位置に位置する場合に、前記第1入球部への遊技球の流下経路上に位置するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の状態を切り換えるための可動体を、第1入球部に向かって上記流下経路を流れる遊技球を受ける球受け部として機能させることができる。これにより、上記流下経路の途中位置で遊技球を第2入球部へ導くことができ、第1入球部へ向かう遊技球を好適に第2入球部へ入球させることが可能になる。
特徴A3.前記可動体は、前記第1位置から前記第2位置に変位した場合に、前記第1入球部への遊技球の流下経路上から退避可能に構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第2状態に切り換えられている場合に、第1入球部への遊技球の流れが可動体によって阻害されることが抑制される。これにより、可動体が第2位置に位置する場合は第1入球部への入球を目指して遊技することができ、第1入球部への入球状況に支障を来すことなく、第2入球部への入球し易さを向上させることが可能になる。
特徴A4.前記可変受入手段は、前記第2状態に切り換えられている場合に、その前方を遊技球が流下可能に構成されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を遊技球の流下領域として活用することが可能になる。これにより、可変受入手段の前方を遊技球が流下不能又は流下困難な構成と比べて、流下領域を拡大化したり、流下領域として利用可能な領域が増える結果、遊技領域全体(遊技盤の前面)で占める流下領域の割合を小さくしたりすることできる。流下領域を拡大化した場合は、遊技球の動きを多様化して面白みを高め易くなり、流下領域の割合を小さくした場合は、装飾部材や可動役物、入賞口等の遊技部品の配置や増設、大型化のためのスペースを確保し易くなるため、遊技領域が制限されている遊技機において好ましい態様とすることができる。さらに、可変受入手段の前方領域を第1入球部への流下経路の一部として利用することができ、可変受入手段を迂回して流下経路を構築する場合に比べて、経路を簡単化し易くなる。これにより、遊技者が第1入球部までの経路を把握し易くなり、遊び易さが向上する。
なお、特徴A4において、「その前方」を「遊技機の正面視における当該可変受入手段の手前側」と読み替えてもよい。以下の各特徴においても同様に、「可変受入手段の前方」を「遊技機の正面視における可変受入手段の手前側」と読み替えてもよい。
特徴A5.前記第2判定が行われる方が前記第1判定が行われるよりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2入球部が第1入球部よりも有利な構成となっていることから、遊技者は第2入球部への入球を強く望むようになる。このため、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合は、少しでも多くの遊技球を第2入球部に入球させたいとのニーズが生じる。かかる事情の下、上記A1乃至A4のいずれかに記載の構成では、可変受入手段が第1状態である場合に第1入球部に向かう遊技球が第2入球部に入球し、第2入球部への入球が優先される構成となっている。これにより、遊技者のニーズに適った構成とすることができ、遊技意欲を高めることが可能になる。
特徴A6.前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて第1特典を付与可能な第1特典付与手段(主制御装置81による下作動口305用の開閉実行モードへの移行機能、払出制御装置97による下作動口305への入賞に基づく賞球機能)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて、前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典を付与可能な第2特典付与手段(主制御装置81による上作動口303用の開閉実行モードへの移行機能、払出制御装置97による上作動口303への入賞に基づく賞球機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2特典が第1特典よりも有利となっていることから、遊技者は第2入球部への入球を強く望むようになる。このため、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合は、少しでも多くの遊技球を第2入球部に入球させたいとのニーズが生じる。かかる事情の下、上記A1乃至A4のいずれかに記載の構成では、可変受入手段が第1状態である場合に第1入球部に向かう遊技球が第2入球部に入球し、第2入球部への入球が優先される構成となっている。これにより、遊技者のニーズに適った構成とすることができ、遊技意欲を高めることが可能になる。
特徴A7.前記可変受入手段及び前記第1入球部が縦並びに配置されており、前記第1入球部の上方に前記可変受入手段が配置されていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態である場合に第2入球部への入球が優先される構成を簡単な構成で実現することができる。さらに、外観上、第2入球部に遊技球が入球し易い印象を遊技者に与えることができ、遊技意欲を向上させることが可能になる。
特徴A8.前記可変受入手段が前記第1入球部に隣接して配置されていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1入球部に隣接配置されているため、遊技者が視線を移動させなくても各入球部への遊技球の入球状況を把握し易くなる。
なお、本特徴を特徴A5又はA6に適用した場合は、「第1及び第2入球部のいずれに遊技球が入球したのかが遊技者にとって大きな関心事項になるところ、第1入球部及び可変受入手段を同時に視認し易くなることから、いずれの入球部に入球したのかを遊技者が容易に把握可能となり、遊び易さが向上する」という効果が期待される。
また、本特徴を特徴A7に適用した場合は、「第1入球部及び可変受入手段の位置関係を一見して把握し易くなり、遊技球が第2入球部に入球し易い印象を一層与え易くなる」という効果が期待される。
特徴A9.前記所定の受入領域は、前記第1入球部に入球可能な第1流下経路を流下する遊技球と、前記第1入球部に入球不能又は前記第1流下経路よりも入球しにくい第2流下経路を流下する遊技球との両方を受入可能に形成されることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部に向かう遊技球だけでなく、それ以外の遊技球も第2入球部に入球し易くなる。これにより、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、遊技球が第2入球部に受け入れられることを期待し易くなり、第1状態となることへの期待感を高めたり、第1状態への切り換えを遊技者が好機として捉え易くなったりすることができ、可変受入手段への注目度を高めることが可能になる。
特徴A10.前記所定の受入領域の大きさが前記第1入球部の入口の大きさよりも大きいことを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1状態における第2入球部への入球難易度が、第2状態における第1入球部への入球難易度よりも低く抑えられている。これにより、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、遊技球が第2入球部に受け入れられることを期待し易くなり、第1状態となることへの期待感を高めたり、第1状態への切り換えを遊技者が好機として捉え易くなったりすることができ、可変受入手段への注目度を高めることが可能になる。
特徴A10において、好ましくは、前記所定の受入領域の大きさを前記第1入球部の入口の大きさの2倍以上で且つ5倍以下とすることができる。2倍以上とすることで、第1入球部に向かう遊技球以外の遊技球も第2入球部に入球し易くすることができる。また、5倍以下とすることで、次の効果が期待される。5倍を超える大きさとした場合、第2入球部への入球が容易になり過ぎる結果、遊技機の仕様上、第1状態への切り換え頻度を低下せざるを得なくなる。この点、上記構成とすることで、第2入球部への入球を適度に制限することができ、第1状態への切り換え頻度の適正な確保が図られる。さらに、遊技領域における可変受入手段の占有割合が増加する結果、遊技球の流下領域や他の遊技部品の設置領域に対する制約が強まるおそれもあるが、これを抑制し、遊技領域が限られている中で最適な構成とすることができる。
なお、上記特徴A10において、「前記所定の受入領域の大きさ」及び「前記第1入球部の入口の大きさ」をそれぞれ「遊技機前方からの正面視における前記所定の受入領域の大きさ」及び「遊技機前方からの正面視における前記第1入球部の入口の大きさ」、又は「遊技機前方からの正面視における前記所定の受入領域の横幅」及び「遊技機前方からの正面視における前記第1入球部の入口の横幅」と読み替えることができる。
特徴A11.前記遊技領域に設けられ、1個の遊技球が通過可能な通過幅を有する通過部(第1及び第2遊技釘281,282)を備えており、
前記通過部を通過した遊技球が前記第1入球部への遊技球の流下経路を流下可能となっており、
前記通過部及び前記第1入球部の間には、前記通過部を通過した遊技球を前記第1入球部に向けて案内可能な案内手段(第1案内部365,603)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部に向かう遊技球を、通過部を通過した遊技球に制限することで、第1及び第2入球部への過度な入球を抑制することができる。一方で、通過部を通過した遊技球については、案内手段により第1入球部に向けて案内することで、第1入球部や受入領域に向かわせ易くし、遊技者が安心して遊技可能となる。
なお、上記特徴A11において、「前記通過部を通過した遊技球が前記第1入球部への遊技球の流下経路を流下可能となっており」を「前記通過部を通過した遊技球が前記通過部を通過しない遊技球よりも優先的に前記第1入球部への遊技球の流下経路を流下可能となっており」や「前記通過部を通過した遊技球のみが前記第1入球部への遊技球の流下経路を流下可能となっており」と読み替えてもよい。
特徴A12.前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記案内手段は、前記遊技盤の前面よりも前方に突出し、遊技機前方からの正面視において遊技球の案内方向に沿って延びる壁部を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部を通過した遊技球を安定して第1入球部や受入領域に誘導することができる。また、案内手段を遊技釘によって構成した場合に比べて、遊技球を円滑に流下させることができ、遊技球の流れが停滞することが抑制される。
特徴A13.前記案内手段は、遊技球の案内方向に並設され相互の間隔が遊技球1個分未満となっている複数の遊技釘を備えていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球を案内する過程において、遊技球が各遊技釘に当接することで遊技球の流下速度が減速し易くなり、第1入球部や受入領域に到達するまでの期間を長期化し易くなる。これにより、遊技球の動きの視認性を高めたり、上記期間を活用した演出が行い易くなり、興趣性が向上する。
特徴A14.前記可変受入手段は、前記第2状態となっている場合に、その前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記第2状態にある前記可変受入手段の前方を流下する遊技球を前記第1入球部に案内可能な球案内手段(第2案内部371,403,451,503、第1案内部603)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を第1入球部への案内領域として活用することができる。この場合、可変受入手段の前方を遊技球が流下するに過ぎない構成に比べて第1入球部への遊技球の流れを安定させることが可能になる。
特徴A15.前記可変制御手段は、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が少なくとも1回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態は、前記第2入球部への遊技球の入球個数が予め定められた上限個数となった場合に終了するように制御されるものであり、
前記上限個数が5個以下であることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれかに記載の遊技機。
遊技球が第2入球部に入球することに基づいて第2判定が行われるところ、本構成によれば、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、上記第2判定との関係で見た場合の第2入球部への無効な入球が生じることを抑制することができる。
なお、上記特徴A15は、「前記第2情報取得手段の取得した第2情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)を備え、
前記可変制御手段は、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が少なくとも1回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態は、前記第2入球部への遊技球の入球個数が予め定められた上限個数となった場合に終了するように制御されるものであり、
前記所定数が4個であり、前記上限個数が5個以下であることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれかに記載の遊技機。」とすることもできる。この場合において、「前記所定数が4個であり、前記上限個数が5個以下である」を「前記上限個数が、前記所定数に対して1を加算した加算値以下の数である」と読み替えてもよい。
特徴A16.前記可変制御手段は、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が少なくとも1回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御は、前記第1状態の実行期間が予め定められた上限期間となった場合に、前記可変受入手段を前記第1状態から前記第2状態とするように行われるものであり、
前記上限期間が3sec以下であることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、第2判定との関係で見た場合の第2入球部への無効な入球が生じることを抑制することができる。
なお、特徴A16において、「3sec以下」を「0.6sec以上で且つ3.0sec以下」と読み替えてもよい。
また、上記特徴A16は、「前記発射手段は、所定の発射周期で遊技球を発射可能となっており、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)を備え、
前記可変制御手段は、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が少なくとも1回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御は、前記第1状態の実行期間が予め定められた上限期間となった場合に、前記可変受入手段を前記第1状態から前記第2状態とするように行われるものであり、
前記上限期間が、前記所定数に1を加算した加算値と前記発射手段の発射周期との積以下の期間であることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれかに記載の遊技機。」とすることもできる。この場合において、「前記所定数に1を加算した加算値と発射手段の発射周期との積以下」を「前記発射手段の発射周期以上で、且つ前記所定数に1を加算した加算値と前記発射手段の発射周期との積以下」と読み替えてもよい。
特徴A17.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(下作動口305)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による下作動口305用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による下作動口305用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(上作動口303)と、
前記遊技領域に設けられ、前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な所定の受入領域(受入領域RA)を形成し、当該所定の受入領域に受け入れた遊技球を前記第2入球部に受け入れるように構成されており、
前記所定の受入領域は、前記遊技領域における前記第1入球部への遊技球の流下経路(第1流下経路R1)上に形成されることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1入球部への遊技球の入球を狙う遊技と、可変受入手段が第1状態となった場合に第2入球部への遊技球の入球を狙う遊技とが併存している。かかる構成の下、第1入球部と第2入球部との位置関係によっては、可変受入手段が第1状態であるにも関わらず、遊技球が第1入球部に入球する結果、第2入球部に入球しにくくなり、第1状態となった利益を遊技者が十分に享受できないという不都合が生じ得る。
この点、本構成によれば、可変受入手段が第1状態となった場合に、第1入球部への遊技球の流下経路上に所定の受入領域が可変受入手段によって形成される。このため、第1入球部に向けて流下する遊技球が、第1入球部への到達前に可変受入手段に到達し、第1入球部によって遊技球の受入が阻害されることが抑制される。これにより、第2入球部への入球機会が安定的に確保され、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受可能となる。
特徴A18.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(下作動口305)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(上作動口303)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な所定の受入領域(受入領域RA)を形成し、当該所定の受入領域に受け入れた遊技球を前記第2入球部に受け入れるように構成されており、
前記所定の受入領域は、前記遊技領域における前記第1入球部への遊技球の流下経路(第1流下経路R1)上に形成されることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1入球部への遊技球の入球を狙う遊技と、可変受入手段が第1状態となった場合に第2入球部への遊技球の入球を狙う遊技とが併存し、第2入球部に遊技球が入球した場合には付与判定処理が行われる。かかる構成の下、第1入球部と第2入球部との位置関係によっては、可変受入手段が第1状態であるにも関わらず、遊技球が第1入球部に入球する結果、第2入球部に入球しにくくなることがある。すなわち、第2判定を受ける機会が奪われることになり、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受できないという不都合が生じ得る。
この点、本構成によれば、可変受入手段が第1状態となった場合に、第1入球部への遊技球の流下経路上に所定の受入領域が可変受入手段によって形成される。このため、第1入球部に向けて流下する遊技球が、第1入球部への到達前に可変受入手段に到達し、第1入球部によって遊技球の受入が阻害されることが抑制される。これにより、付与判定を受ける機会が安定的に確保され、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受可能となる。
特徴A19.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(下作動口305)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて第1情報を取得する第1情報取得手段(主制御装置81による下作動口305用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第1情報取得手段の取得した第1情報に基づいて第1判定を行う第1判定手段(主制御装置81による下作動口305用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(上作動口303)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報に基づいて第2判定を行う第2判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第1入球部の上流に設けられており、
前記可変受入手段が前記第1状態となっている場合に、遊技球が前記第1入球部に入球不能、又は前記可変受入手段が前記第2状態となっている場合よりも遊技球が前記第1入球部に入球しにくくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態となっている場合に、第1入球部に入球不能又は入球しにくくなるように構成されていることで、可変受入手段の状態と第1入球部への入球し易さとが相関する。これにより、可変受入手段が第1状態及び第2状態のいずれになっているかによって、第1入球部に遊技球を入球させる遊技と、第2入球部に遊技球を入球させる遊技とを遊技者の目線で明確に切り分けることができる。その結果、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、遊技者が第1入球部に気を取られることが抑制され、可変受入手段や第2入球部に効果的に注目させることが可能になる。
さらに、第1及び第2入球部への同時入球が抑制されるため、第1及び第2情報を取得するための各取得処理や、それら各情報に対応する判定処理に要する制御上の処理負荷を軽減することが可能になる。加えて、第1状態の実行中における第1入球部への遊技球の入球を考慮する必要性が低くなるため、遊技設計を容易化することができる。
特徴A20.前記可変受入手段は、
第1位置(開放位置)と、当該第1位置とは異なる第2位置(閉鎖位置)と、に変位可能な可動体(開閉部材331,511)を有し、当該可動体が前記第2位置から前記第1位置に変位することで前記第2状態から前記第1状態に切り換わり可能に構成されており、
前記可動体が前記第1位置に位置する場合に、当該可動体によって前記第1入球部への遊技球の入球を阻害可能に構成されていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1位置に位置する可動体によって第1入球部への遊技球の入球が直接的に阻害されるため、可変受入手段が第1状態となっている場合に、遊技球が第1入球部に入球不能又は入球しにくくなる構成を好適に実現することができる。
特徴A21.前記第1入球部は、上方に開口するように構成されており、
前記可変受入手段は、前記可動体が前記第1位置に位置する場合に、当該可動体によって前記第1入球部の開口の少なくとも一部を上方から覆うことが可能に構成されていることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態となっている場合に、遊技球が第1入球部に入球不能又は入球しにくくなることが、遊技者の目線から分かり易くなる。また、可動体によって第1入球部への入球を阻害可能とする構成を、実用上好ましい態様にて実現することができる。
特徴A22.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(下作動口305)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(上作動口303)と、
前記遊技領域に設けられ、前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な所定の受入領域(受入領域RA)を形成するように構成されており、
前記所定の受入領域は、前記遊技領域における前記第1入球部への遊技球の流下経路(第1流下経路R1)上に形成されることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1入球部への遊技球の入球を狙う遊技と、可変受入手段が第1状態となった場合に第2入球部への遊技球の入球を狙う遊技とが併存する。かかる構成の下、第1入球部と第2入球部との位置関係によっては、可変受入手段が第1状態であるにも関わらず、遊技球が第1入球部に入球する結果、第2入球部に入球しにくくなり、第1状態となった利益を遊技者が十分に享受できないという不都合が生じ得る。
この点、本構成によれば、可変受入手段が第1状態となった場合に、第1入球部への遊技球の流下経路上に所定の受入領域が可変受入手段によって形成される。このため、第1入球部に向けて流下する遊技球が、第1入球部への到達前に可変受入手段に到達し、第1入球部によって遊技球の受入が阻害されることが抑制される。これにより、第2入球部への入球機会が安定的に確保され、第1状態となった利益を遊技者が適正に享受可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態となっている場合に、その前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記第2状態となっている前記可変受入手段の前方を流下する遊技球の流下方向を規定可能な規定手段(第2案内部371,403,451,503、第1案内部603)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を、遊技球の流下方向を決めたり、流下方向を変えたりする調整領域として活用することができる。この場合、可変受入手段の前方を遊技球が通過するに過ぎない構成に比べて、遊技球の流下態様を安定させたり、遊技球の動きを多様化させたりすることができ、興趣性が向上する。
なお、上記特徴B1の「遊技球の流下方向」を「遊技機前方からの正面視において前後方向以外の方向における遊技球の流下方向」又は「遊技機前方からの正面視において上下方向及び左右方向の少なくとも一方における遊技球の流下方向」と読み替えてもよい。或いは、特徴B1に「前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え」の構成を追加した上で、特徴B1の「遊技球の流下方向」を「前記遊技盤の前面に沿った方向における遊技球の流下方向」又は「前記遊技盤の前面に平行な方向における遊技球の流下方向」と読み替えてもよい。
特徴B2.前記入球部としての第1入球部と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な前記第1入球部とは異なる第2入球部(下作動口305)と、
を備え、
前記第2入球部は前記可変受入手段の下流に配置され、
前記規定手段は、前記可変受入手段の前方を流下する遊技球を前記第2入球部に案内可能に構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を案内領域として活用することができる。この場合、可変受入手段の前方を遊技球が通過するに過ぎない構成に比べて第2入球部への遊技球の流れを安定させることが可能になる。
特徴B3.前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記第2入球部は上方に開口しており、
前記規定手段及び前記第2入球部は、前記遊技盤の前面よりも前方に突出しており、且つ、相互の間隔が遊技球の直径よりも大きくなるように離間していることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
規定手段により遊技球が第2入球部に案内されるところ、本特徴によれば、規定手段により案内される遊技球が、規定手段と第2入球部との間隔を利用して第2入球部に向かう経路から逸脱可能となる。これにより、案内を受ける遊技球が常に第2入球部に入球することが回避されるばかりか、案内を受けない遊技球が第2入球部に入球することも可能になり、遊技の単調化が抑制される。
特徴B4.前記可変受入手段は、第1位置(開放位置)と、当該第1位置とは異なる第2位置(閉鎖位置)と、に変位可能な可動体(開閉部材331,511)を有し、当該可動体が前記第2位置から前記第1位置に変位することで前記第2状態から前記第1状態に切り換わり可能に構成されており、
前記可動体は、前記第2位置に位置している場合に、その前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記規定手段は、前記第2位置に位置している前記可動体の前方を流下する遊技球の流下方向を規定可能に構成されている特徴B1乃至B3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段を適正に第1状態としつつ、可変受入手段が第2状態である場合は、可変受入手段の前方を流下する遊技球の流下方向を好適に規定できる。
特徴B5.前記規定手段は、
前記可動体の前方を流下する遊技球の流下方向を所定方向に規定可能に構成されており、
前記第2位置に位置している前記可動体の前面よりも前方に突出し、前記所定方向に延びる壁部(第2案内部371,403,451,503、第1案内部603)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
第2位置に位置する可動体の前方を遊技球が流下可能な構成において、可動体の前方に遊技球が留まっていると、当該遊技球により可動体の第1位置への変位が妨げられることが懸念される。この点、本特徴によれば、遊技球の流下方向を規定するにあたり、遊技球を円滑に流下させることができ、第2位置に位置する可動体の前方で遊技球が停滞したり、暴れたりすることが抑制される。これにより、それら停滞等する遊技球によって、可動体の第1位置への変位が妨げられることが抑制され、可変受入手段の前方領域を規定領域として活用しながらも、可変受入手段の第2状態から第1状態への切り換えを良好に行うことが可能になる。
なお、上記特徴B5において、「前記壁部における遊技球の流下方向の規定面が平坦状になっている」という特徴をさらに備えてもよい。この場合、可変受入手段の前方における遊技球の流れを一層円滑化することが可能になる。
また、上記特徴B5において、「第1位置」を「第2位置よりも可動体が前方に突出する第1位置」と読み替えてもよい。
特徴B6.前記規定手段は、前記第2位置に位置している前記可動体の前面よりも前方に突出しており、
前記遊技領域を流下する遊技球が前記規定手段の上方から当該規定手段の上面に当接することを抑制する抑制手段(第1案内部365)を備えていることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
遊技領域を流下する遊技球が規定手段の上方から規定手段の上面に当接したり、載ったりすることで、可動体の前方を通過する直前又は通過中にその流下速度が大きく減速され、第2位置に位置する可動体の前方で遊技球の流れが遅くなることが懸念されるところ、本特徴によれば、抑制手段によりこれが抑制される。その結果、可動体の第1位置への変位が妨げられることが抑制され、可変受入手段の前方領域を規定領域として活用しながらも、可変受入手段の第2状態から第1状態への切り換えを良好に行うことが可能になる。
特徴B7.前記可動体は、前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっており、
前記規定手段は、前記第2位置に位置する前記可動体の前方において、当該可動体の前面と離間するようにして当該前面と対峙する対峙部を備えており、
前記対峙部と前記可動体の前面との距離が下方に向かうにつれて大きくなっていることを特徴とする特徴B4乃至B6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体が第2位置から第1位置へ回動するに際して、規定手段と可動体とが干渉することを抑制することが可能になる。
特徴B8.前記対峙部は、前記可動体の回動軸の軸線方向に見て、前記第2位置に位置する前記可動体とは反対側に凸となる円弧状に形成されており、その曲率が前記可動体上の一点の回動軌跡の曲率と略同一となっていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、規定手段との間で略一定の大きさの隙間を保ちながら、可動体を回動させることができる。これにより、可動体と規定手段との干渉を好適に抑制しつつ、可動体の前方における流下方向の規定を好適に行うことが可能になる。
特徴B9.前記規定手段(第2案内部371)は、前記可動体の前面に設けられていることを特徴とする特徴B4乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を規定領域として活用する構成を実用上好ましい態様にて実現することができる。なお、特徴B9において、「前記可動体の前面に設けられている」を「前記可動体の前面に連結又は一体形成されている」と読み替えてもよい。
特徴B10.前記可動体の前方には、前記可動体から離間して遊技部品(窓パネル62)が配置されており、
前記可動体は、前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体の前面上の規定手段が可動体と一体に変位する構成において、可動体が第2位置から前方に回動することで第1位置に変位する構成とされている。可動体が前後方向に直線移動する場合に比べて、遊技部品に対する規制手段の干渉を緩和することができ、可動体の変位量を大きく確保し易くなる。
なお、上記特徴B10において、「前記可動体は、前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっている」を「前記入球部は、前方に開口し遊技球が通過可能な開口部を備え、前記可動体は、前記第2位置において前記開口部を前方から覆うことが可能であり、且つ前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっている」と読み替えてもよい。
特徴B11.前記第2位置に位置する前記可動体と前記遊技部品とは、前記可動体が前記第2位置から前記第1位置に変位する過程において、前記規定手段と前記遊技部品とが交わらないように離間していることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、規定手段が前方の遊技部品に衝突して規定手段や遊技部品が破損することが抑制される。
特徴B12.前記可動体は、前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっており、
前記遊技領域を流下する遊技球が前記規定手段の上方から当該規定手段の上面に当接することを抑制する抑制手段(第1案内部365)を備えていることを特徴とする特徴B9乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
可動体が前方に回動することで第2位置から第1位置に変位する構成においては、上方から規定手段の上面に遊技球が当接した場合に、その衝撃で可動体が第1位置に向けて前方に回動し、切換制御とは無関係に可変受入手段が第1状態となることが懸念される。この点、本特徴によれば、規定手段への上方からの遊技球の当接が抑制手段により抑制されることから、可変受入手段が不意に第1状態となることが抑制される。
特徴B13.前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記遊技盤の前面よりも前方に突出し、前記遊技領域を流下する遊技球を前記第2位置に位置する前記可動体の前方に導出する導出手段(第1案内部365)を備え、
前記導出手段は、前記可動体が前記第2位置に位置している状態において、前記規定手段の上方に配置されており、
前記導出手段と前記規定手段との間隔が遊技球の直径よりも小さいことを特徴とする特徴B9乃至B12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域を流下する遊技球が導出手段により可動体の前方に導かれることから、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、入球部に遊技球が入球し易くなる。さらに、導出手段が規定手段の上方に配置され、両手段の間隔が遊技球の直径よりも小さくなっていることから、導出手段からの遊技球が規定手段に導かれ易くなり、さらには、導出手段を抑制手段(遊技球が規定手段の上方から当該規定手段の上面に当接することを抑制する手段)としても活用することが可能になる。
特徴B14.前記規定手段(第2案内部403,451,503)は、前記第2位置に位置している前記可動体(開閉部材331、開閉部材511の前壁部513)の後方から当該可動体の前方に延設されており、
前記可動体は、少なくとも前記第2位置において前記規定手段が挿通可能な挿通部(切欠き部411、貫通孔517)を備えていることを特徴とする特徴B4乃至B13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を規定領域として活用する構成を実用上好ましい態様にて実現することができる。さらに、規定手段を残したまま可動体を変位させることができ、第1位置及び第2位置のいずれにおいても遊技球の流下方向を好適に規定可能となる。
なお、特徴B14に対して「前記可動体は、前記第2位置から前方に回動することで前記第1位置に変位可能となっており、前記可動体の前方には、前記可動体から離間して遊技部品(窓パネル62)が配置されている」という構成を適用してもよい。この場合、可動体の変位に関わらず規定手段を不動化できることから、規定手段を遊技部品に当接しない範囲で前方に延ばすことができ、規定手段と遊技部品との距離を簡単に遊技球の直径未満とすることができる。これにより、規定手段の前方を遊技球が通過することが抑制され、遊技球の流下方向を好適に規定可能となる。
特徴B15.前記遊技領域を流下する遊技球が前記規定手段の上方から当該規定手段の上面に当接することを抑制する抑制手段(第1案内部365)を備えていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
上記構成によれば、上方からの規定手段の上面への遊技球の当接によって規定手段が損傷することが抑制される。さらに、遊技球が可動体の前方を通過する直前又は通過する際に遊技球が大きく減速されることが抑制され、第2位置に位置する可動体の前方での遊技球の停滞が抑制される。これにより、停滞する遊技球によって可動体の第1位置への変位が妨げられることが抑制され、可変受入手段の第2状態から第1状態への切り換えを良好に行うことが可能になる。
特徴B16.前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記遊技盤の前面よりも前方に突出し、前記遊技領域を流下する遊技球を前記第2位置に位置する前記可動体の前方に導出する導出手段(第1案内部365)を備え、
前記導出手段は、前記可動体が前記第2位置に位置している状態において、前記規定手段の上方に配置されており、
前記導出手段と前記規定手段との間隔が遊技球の直径よりも小さいことを特徴とする特徴B14又はB15に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域を流下する遊技球が導出手段により可動体の前方に導かれることから、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を入球部に入球し易くすることができる。さらに、導出手段が規定手段の上方に配置され、両手段の間隔が遊技球の直径よりも小さくなっていることから、導出手段からの遊技球が規定手段に導かれ易くなり、さらには、導出手段を抑制手段としても活用することが可能になる。
特徴B17.前記挿通部として、前記可動体の縁部から当該可動体の一部を切り欠いた切欠き部(切欠き部411)を備え、当該切欠き部を前記規定手段が挿通可能になっていることを特徴とする特徴B14乃至B16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、規定手段が可動体の後方から前方に延設することで遊技球の流下方向を規定可能とする構成を実用上好ましい態様にて実現することができる。
上記構成によれば、可動体と規定手段との干渉を抑制する上で、切欠き部を小さくすることができる。これにより、可動体の剛性や強度の低下を抑制しつつ、可動体の前方を流下する遊技球の流下方向を好適に規定することが可能になる。
特徴B18.前記挿通部として、前記可動体を前後方向に貫通する貫通孔(貫通孔517)を備え、当該貫通孔を前記規定手段が挿通可能になっていることを特徴とする特徴B14乃至B17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、規定手段が可動体の後方から前方に延設することで遊技球の流下方向を規定可能とする構成を実用上好ましい態様にて実現することができる。
特徴B19.前記入球部は、前方に開口し遊技球が通過可能な開口部を備え、
前記可動体は、
前記第2位置において前記開口部を前方から覆うことが可能な壁部(前壁部513)と、
前記壁部の背面から後方に延設された延設部(延設部515)と、
を備え、
前後方向に直線移動することで前記第1位置と前記第2位置とに変位可能に構成されていることを特徴とする特徴B18に記載の遊技機。
規定手段を可動体の貫通孔に挿通させる構成では、回動により可動体が第1位置と第2位置とに変位する構成であると、規定手段と可動体との干渉を避けるべく、貫通孔の拡大化が必要になり、可動体の剛性や強度の低下が懸念される。この点、本特徴によれば、前後方向の直線移動により可動体が第1位置と第2位置とに変位するため、貫通孔の拡大化が抑制され、上記不都合を好適に解消することが可能になる。さらに、本特徴では、可動体が第1位置に変位した場合に、延設部が上方からの遊技球を受ける球受け部として機能する。これにより、遊技領域を流下する遊技球を適正に受入可能となる。加えて、可動体が第2位置に位置している場合に壁部により開口部が覆われるため、規定手段への衝突により遊技球の流下方向が変化しても、遊技球の入球部への飛び込みが抑制される。
特徴B20.前記可動体の周辺において前記遊技領域に設けられ、前記第2位置に位置する前記可動体の前面よりも前方に突出する突出部(第1案内部603)を備え、
前記突出部が、遊技機前方からの正面視において少なくとも前記第2位置に位置する前記可動体の前方まで延びていることで、前記規定手段が構成されていることを特徴とする特徴B4乃至B19のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体の周辺領域と可動体の前方領域とを跨いで連続的な規定路を構築することができ、遊技球の流れを好適に規定することが可能になる。加えて、可動体の周辺部材に一体形成するようにして規定手段を設けることができるため、可動体の前方に独立して規定手段を設ける場合に比べて、規定手段の強度や剛性を高めることが可能になる。
特徴B21.前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記可動体が前記第2位置に位置している場合に、前記可動体の前面が前記遊技盤の前面と略面一又は前記遊技盤の前面よりも後方に位置していることを特徴とする特徴B4乃至B20のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域を流下する遊技球が可動体の前方に進入する際に可動体に引っ掛かり、遊技球の流れが停滞したり可動体が損傷したりすることが抑制される。
なお、特徴B21の「遊技盤の前面」は、上記可動体がベース体に設けられ、当該ベース体の前方を遊技球が流下可能となっている構成においては当該ベース体の前面とも解することができる。
特徴B22.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記第2入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態となっている場合に、前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記第2状態となっている前記可変受入手段の前方を流下する遊技球の流下方向を変更可能な変更手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の前方領域を、遊技球の流下方向を変更する変更領域として活用することができる。この場合、可変受入手段の前方を遊技球が通過するに過ぎない構成に比べて、遊技球の動きを多様化させたりすることができ、興趣性が向上する。なお、本特徴に対して特徴B2乃至B21のいずれかに記載された各構成を適用することが可能であり、この場合、各構成における「規定手段」は「変更手段」と読み替えることができる。
<特徴C群>
特徴C1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える切換制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記切換制御の実行態様に対応する特定報知が所定の報知手段(第1発光部311)にて実行されるように制御する報知制御手段(演出制御装置82により普図変動中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の報知手段は、前記遊技領域における前記可変受入手段への遊技球の流下経路上に設けられ、その前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記報知制御手段は、前記可変制御手段により前記切換制御が実行される場合に、前記第1状態への切り換え前に前記特定報知を実行可能とする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、入球部への遊技球の入球に基づいて付与判定が行われるため、遊技者は入球部に遊技球が入球するか否かに強い関心を抱く。かかる前提の下、本特徴では、可変受入手段の切換制御の実行態様に対応する特定報知を所定の報知手段にて実行可能とし、当該特定報知を可変受入手段が第1状態に切り換えられる前に実行する構成としている。このため、遊技者が事前に第1状態の発生を予測可能となり、入球部に遊技球が入球することへの期待感が高められる。その上で、本特徴では、上記報知手段を可変受入手段への遊技球の流下経路上に設け、且つ、その前方を遊技球が流下可能な構成としている。このため、遊技者は、可変受入手段への遊技球の流れを視認しながら、特定報知を把握することが可能になる。これにより、報知手段の前方を通った遊技球が入球部に入球するか否かを楽しむ遊技性を提供可能となり、興趣性が向上する。
また、遊技球の流下経路上に報知手段を設けたため、当該流下経路を遊技球の流下領域としてだけでなく、報知領域としても活用可能になる。この場合、流下領域及び報知領域が各別となっている構成に比べて、流下領域を大きく確保し易くなり、遊技球の動きの多様化等を図ることが可能になる。
特徴C2.前記所定の報知手段は、前記遊技領域における前記可変受入手段の上流であって且つ前記可変受入手段の周辺に設けられていることを特徴とする特徴C1の遊技機。
上記構成によれば、報知手段、遊技球及び可変受入手段の三者の同時視認が可能となり、遊技者の注目箇所を集約することができる。これにより、特定報知に注目しながらも、可変受入手段への遊技球の流れ及び可変受入手段の動きを把握し易くなる。その結果、特定報知の開始から入球部に遊技球が入球するまでの流れを遊技者が一連のものとして捉え易くなり、報知手段及び可変受入手段を連携させた遊技演出の実現が可能になる。
特徴C3.第1流下経路(第1流下経路R1)を流下する遊技球と、前記第1流下経路とは異なる第2流下経路(第2流下経路R2)を流下する遊技球とが前記可変受入手段に到達可能に構成されており、
前記所定の報知手段は、前記第1流下経路及び前記第2流下経路の各流下経路上に設けられていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の流下経路を通じて遊技球が可変受入手段に到達可能となっていることで、可変受入手段までの遊技球の流れが一本化せず、遊技の単調化が抑制される。また、報知手段の前方を流下する遊技球によって特定報知の視認性が低下することが懸念されるところ、本特徴では、各流下経路上に報知手段が設けられているため、一の流下経路を遊技球が流下することによって特定報知の視認性が低下しても、他の流下経路を通じて特定報知を把握可能になる。これにより、遊技球の通過に起因して特定報知が把握しにくくなる不都合を好適に解消することができ、流下領域及と報知領域とを好適に両立させることが可能になる。
特徴C4.前記第1流下経路と前記第2流下経路とが隣接しており、
前記所定の報知手段は、前記第1流下経路及び前記第2流下経路を跨ぐように設けられていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の流下経路を遊技球が流下している場合に、僅かに視線をずらすだけで特定報知を把握することが可能になる。これにより、可変受入手段への遊技球の流れと特定報知とを同時に把握し易くなり、入球部への入球の有無や特定報知の見落としが抑制される。
特徴C5.前記所定の報知手段は、発光可能な発光手段(第1発光部311)を備え、
前記報知制御手段は、前記特定報知として所定の発光演出を実行するように前記発光手段を制御する発光制御手段(演出制御装置82により普図変動中処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、発光手段の発光の有無や発光色の変更等により特定報知が行われる。この場合、表示装置を用いた動画表示等によって演出構成する場合に比べて、簡素な内容で特定報知を行うことができる。このため、報知手段の前方を遊技球が流下しても報知内容を理解し易くなり、流下領域と報知領域とを両立させる上で実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C6.前記発光手段は、
前方に向けて光を発することが可能な発光体(発光体360)と、
当該発光体の前方に配置され、その前方を遊技球が流下可能な透光部(透光部341)と、
を備え、
前記透光部は、その前面のうち少なくとも前記流下経路と重なる領域が平坦状となっており、当該前面よりも後方に前記発光体からの光を拡散する拡散部を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、流下領域及び報知領域を両立化した構成において、透光部の前方における遊技球の流れを円滑化しながら、発光体の光を拡散して前方に照射することができる。これにより、遊技球の流れに支障を来すことなく、演出効果を高めることが可能になる。
特徴C7.前記所定の報知手段は、
前記発光手段としての第1発光手段(第1発光部311)と、
前記第1発光手段の周辺に配置され、発光可能な第2発光手段(第2発光部317)と、
を備え、
前記第1発光手段は、その前方を遊技球が流下可能に構成されており、
前記第2発光手段は、その前方を遊技球が流下不能又は前記第1発光手段よりも流下しにくく構成されており、
前記所定の発光演出を実行する場合に、前記第1発光手段が第1発光態様で発光し、且つ、前記第2発光手段が前記第1発光態様とは異なる第2発光態様で発光することが可能に構成されていることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
上記構成では、第1発光手段と、第1発光手段の周辺に配置される第2発光手段とが設けられ、所定の発光演出を実行する場合に各発光手段が異なる発光態様で発光可能となっている。これにより、前方を遊技球が流下するか否か(流下し易いか否か)という特性の違いに応じた発光態様で各発光手段を発光させることができる。例えば、前方を遊技球が流下可能な第1発光手段については、遊技球の視認性を重視した発光態様で発光させる一方、前方を遊技球が流下不能又は流下困難な第2発光手段については、遊技者の関心を惹くことを重視した発光態様で発光させることができる。これにより、遊技者の注意を特定報知に向けながらも、報知手段の前方を流下する遊技球の流れを把握し易くすることが可能になる。
特徴C8.前記所定の報知手段の前方を流下する遊技球を前記可変受入手段に案内可能な案内手段(第1案内部365)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態に切り換えられた場合に遊技球が入球部に入球しやすくなるばかりか、報知手段の前方での遊技球の流れを安定させることができる。これにより、報知手段の前方で遊技球が暴れて特定報知の視認性が低下することが抑制される。
特徴C9.前記所定の報知手段は、発光可能な発光手段(第1発光部311)を備え、
前記報知制御手段は、前記特定報知として所定の発光演出を実行するように前記発光手段を制御する発光制御手段(演出制御装置82により普図変動中処理を実行する機能)を備えており、
前記案内手段が光透過性を有することを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、案内手段を報知領域として活用することが可能になり、案内手段による特定報知の視認性の低下が抑制される。
なお、本特徴を特徴C8を介して特徴C5乃至C7のいずれかに適用した場合は、「前記案内手段は、前記発光手段に設けられ、光透過性を有することを特徴とする」としてもよい。この場合、「案内手段を発光手段の一部としても活用することが可能になり、特定報知の視認性が高められる。」という効果が期待される。
特徴C10.前記所定の報知手段を第1報知手段として備え、
前記第1報知手段とは異なる第2報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了することを遊技回の1回として、各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定手段の判定結果が反映される遊技回用動作に関する報知と、可変受入手段の切換制御の実行態様に対応する特定報知と、が各別の報知手段にて行われる。これにより、遊技者が両報知を混同することが抑制され、各報知の適切な内容把握を促すことが可能になる。
特徴C11.前記可変受入手段は、前記第2報知手段の下方に配置され、
前記第1報知手段は、前記第2報知手段と前記可変受入手段との間に配置されていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第2報知手段に注目している中で、第1報知手段での特定報知の実行を契機に第1報知手段へ視線を移し、その後、遊技球の流れに従って可変受入手段に視線を移せばよいものとなる。つまり、第2報知手段を始点とする下方への自然な視線移動によって、第1報知手段及び可変受入手段を適正な順序で視認させることが可能になり、演出理解の容易化が促進される。
特徴C12.遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態(高頻度サポートモード)と、当該第1遊技状態よりも前記可変受入手段が前記第1状態とされにくい第2遊技状態(低頻度サポートモード)と、を有しており、
前記可変制御手段は、前記第2遊技状態において所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記切換制御を実行する手段を備え、
前記報知制御手段は、前記第2遊技状態において前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられる場合に、当該第1状態への切り換え前に前記特定報知が行われるように前記所定の報知手段を制御する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれかに記載の遊技機。
第2遊技状態は可変受入手段が第1状態に切り換えられる頻度が低いため、可変受入手段に対する遊技者の関心が薄れ、第1状態への切り換わりに遊技者が気付きにくくなることが懸念される。この点、本特徴によれば、第2遊技状態において第1状態への切り換わりが行われる場合に特定報知が実行されるため、第1状態への切り換わりに遊技者が気付き易くなり、遊び易さが向上する。
特徴C13.前記可変制御手段は、
前記切換制御にて実行される前記第1状態の態様を決定する態様決定手段と、
前記所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記態様決定手段により決定された態様で前記切換制御を実行する手段と、
を備えており、
前記態様決定手段により決定可能な前記第1状態の態様には、第1態様(低入賞サポート状態)と、当該第1態様よりも前記入球部に遊技球を受け入れ易い第2態様(第1高入賞サポート状態)と、が含まれており、
前記報知制御手段は、前記第2態様により前記切換制御が実行される場合に、前記特定報知が行われるように前記所定の報知手段を制御する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部への遊技球の入球が見込まれ易い第2態様で可変受入手段が切換制御される場合に、特定報知が行われるため、遊技者が特定報知に基づいて可変受入手段を狙うように遊技球を発射した場合に、その見返り(入球部への入球)を感受し易くなる。これにより、特定報知に対する関心度を高めることができ、演出効果を向上させることが可能になる。
特徴C14.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(スルーゲート35)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報が、予め定められた第2付与情報に対応しているか否かの第2付与判定を行う第2判定手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変制御手段は、前記第2判定手段による第2付与判定の結果が、判定対象の第2情報が前記第2付与情報に対応しているとする第2対応結果となったことに基づいて、前記切換制御を実行するように構成されており、
前記報知制御手段は、前記第2判定手段により第2付与判定が行われてから前記可変制御手段により前記切換制御が実行される前に前記特定報知が開始されるように前記所定の報知手段を制御する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2付与判定の判定結果に基づいて可変受入手段の切換制御が行われるところ、第2付与判定が行われてから可変受入手段が第1状態に切り換えられる前に特定報知が開始されるため、切換制御の実行態様との整合を図りながら、第1状態への切り換え前における特定報知の実行が可能になる。
特徴C15.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(スルーゲート35)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報を記憶する第2情報記憶手段(電役保留エリア233)と、
前記第2情報記憶手段に記憶されている第2情報が、予め定められた第2付与情報に対応しているか否かの第2付与判定を行う第2判定手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段により取得された所定の第2情報について当該所定の第2情報が前記第2付与判定の対象となった場合の当該第2付与判定の結果に対応する情報を、当該所定の第2情報が前記第2付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段と、
を備え、
前記可変制御手段は、前記第2判定手段による第2付与判定の結果が、判定対象の第2情報が前記第2付与情報に対応しているとする第2対応結果となったことに基づいて、前記切換制御を実行するように構成されており、
前記報知制御手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて前記特定報知が実行されるように前記所定の報知手段を制御する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状態への切り換え前に特定報知を開始する中で、特定報知のための報知期間を長く確保することが可能になる。これにより、遊技者が特定報知を認識し易くしたり、特定報知の態様を多様化して演出効果を高めたりすることが可能になる。
特徴C16.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える切換制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記切換制御の実行態様に対応する特定報知が所定の報知手段(第1発光部311)にて実行されるように制御する報知制御手段(演出制御装置82により普図変動中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の報知手段は、前記遊技領域における前記可変受入手段への遊技球の流下経路上に設けられ、その後方を遊技球が流下可能で、且つ、その後方を遊技機前方から視認可能に構成されており、
前記報知制御手段は、前記可変制御手段により前記切換制御が実行される場合に、前記第1状態への切り換え前に前記特定報知を実行可能とする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、入球部への遊技球の入球に基づいて付与判定が行われるため、遊技者は入球部に遊技球が入球するか否かに強い関心を抱く。かかる前提の下、本特徴では、可変受入手段の切換制御の実行態様に対応する特定報知を所定の報知手段にて実行可能とし、当該特定報知を可変受入手段が第1状態に切り換えられる前に実行する構成としている。このため、遊技者が事前に第1状態の発生を予測可能となり、入球部に遊技球が入球することへの期待感が高められる。その上で、本特徴では、上記報知手段を可変受入手段への遊技球の流下経路上に設けるとともに、その後方を遊技球が流下可能で、且つ、その後方を遊技機前方から視認可能な構成としている。このため、遊技者は、可変受入手段への遊技球の流れを視認しながら、特定報知を把握することが可能になる。これにより、報知手段の後方を通った遊技球が入球部に入球するか否かを楽しむ遊技性を提供可能となり、興趣性が向上する。
また、遊技球の流下経路上に報知手段を設けたため、当該流下経路を遊技球の流下領域としてだけでなく、報知領域としても活用可能になる。この場合、流下領域及び報知領域が各別となっている構成に比べて、流下領域を大きく確保し易くなり、遊技球の動きの多様化等を図ることが可能になる。
特徴C17.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える切換制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記切換制御の実行態様に応じた特定報知が所定の報知手段にて実行されるように制御する報知制御手段(演出制御装置82により普図変動中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の報知手段は、前記遊技領域における前記可変受入手段への遊技球の流下経路上に設けられ、その前方及び後方の少なくとも一方を遊技球が流下可能になっており、
前記報知制御手段は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられる前に前記特定報知を実行可能とする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、入球部への遊技球の入球に基づいて特典が付与されるため、遊技者は入球部に遊技球が入球するか否かに強い関心を抱く。かかる前提の下、本特徴では、可変受入手段の切換制御の実行態様に対応する特定報知を報知手段にて実行可能とし、当該特定報知を可変受入手段が第1状態に切り換えられる前に実行する構成としている。このため、遊技者が事前に第1状態の発生を予測可能となり、入球部に遊技球が入球することへの期待感が高められる。その上で、本特徴では、上記報知手段を可変受入手段への遊技球の流下経路上に設け、且つ、その前方及び後方の少なくとも一方を遊技球が流下可能な構成としている。このため、遊技者は、可変受入手段への遊技球の流れを視認しながら、特定報知を把握することが可能になる。これにより、可変受入手段を狙って遊技球を発射するための準備期間を遊技者に提供できるばかりか、報知手段の前方を通った遊技球が入球部に入球するか否かを楽しむ遊技性を提供可能となり、興趣性が向上する。
また、遊技球の流下経路上に報知手段を設けたため、当該流下経路を遊技球の流下領域としてだけでなく、報知領域としても活用可能になる。この場合、流下領域及び報知領域が各別となっている構成に比べて、流下領域を大きく確保し易くなり、遊技球の動きの多様化等を図ることが可能になる。
<特徴D群>
特徴D1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
所定の報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了することを遊技回の1回として、各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が複数回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態にて実行される複数回の前記可変受入制御において、先の前記可変受入制御の実行にて前記入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する前記遊技回である入球対応遊技回の終了後に後の前記可変受入制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報が取得され、当該特別情報が情報記憶手段に記憶される。そして、情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定処理が行われ、さらに、当該付与判定処理に対応して遊技回が実行される。この構成では、遊技回が実行されることに応じて情報記憶手段での特別情報の記憶数が減少し、これに伴って新たな特別情報を記憶可能な空き領域が増加する。かかる構成を前提とし、本特徴では、特定状態にて実行される複数回の可変受入制御において、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、入球対応遊技回の終了後に後の可変受入制御を実行可能に構成されている。
例えば、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、入球対応遊技回が特定状態の終了時まで継続する構成であると、当該遊技回の開始から特定状態の終了までの間、情報記憶手段にて新たな空き領域が発生しない。このため、特定状態への移行中において、情報記憶手段の記憶数が上限数に達した後は、入球部への入球に対する遊技者の関心が薄れることが想定される。さらに、情報記憶手段にて新たな空き領域が生じないことから、多くても、最初の入球に基づく付与判定の実行分と特別情報の上限記憶数との合計回数分の付与判定機会しか獲得できないという懸念もある。
この点、本特徴によれば、先の可変受入制御の実行中に入球部に遊技球が入球した場合に、後の可変受入制御の開始前において、入球対応遊技回を終了させ、次の遊技回を開始させることが可能になる。これにより、情報記憶手段の空き領域を増やしてから後の可変受入制御を始めることができ、後の可変受入制御の実行中に入球部に入球させようとする意欲が生じる。よって、特定状態の全体を通して、入球部への入球に対する遊技者の関心を持続させることが可能になる。さらに、最初の入球に基づく付与判定の実行分と特別情報の上限記憶数との合計を超える回数の付与判定機会を獲得することができる。これにより、特定状態中に多くの遊技球を入球部に入球させることを目指す楽しみが増強され、特定状態の興趣性が向上する。
特徴D2.遊技状態として、少なくとも第1遊技状態(高頻度サポートモード)と、当該第1遊技状態よりも前記可変受入手段が前記第1状態とされにくい第2遊技状態(低頻度サポートモード)と、を有しており、
前記移行条件が前記第2遊技状態において成立可能に構成されており、
前記第2遊技状態にて実行される前記特定状態において、先の前記可変受入制御の実行にて前記入球部に遊技球が入球した場合に、前記入球対応遊技回の終了後に後の前記可変受入制御を実行可能に構成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
第1状態とされ易い第1遊技状態では、1回又は複数回の可変受入制御を1セットとした可変受入手段の制御状態(便宜上、サポート状態と称する)が短い間隔で繰り返され易いため、一のサポート状態にて付与判定機会の獲得数が少なくても、その不足分を次回のサポート状態にて補えばよいとの遊技者心理が働く。一方、第1状態とされにくい第2遊技状態では、サポート状態が終了してから次回のサポート状態が発生するまでの期間が長くなり易く、付与判定機会の補充を期待しにくい。このため、第1遊技状態の場合とは異なり、一のサポート状態にて、より多くの付与判定機会を獲得したいという強いニーズが生じる。この点、本特徴では、第2遊技状態において、可変受入制御が複数回行われる特定状態が発生し、かかる特定状態が上記特徴D1のように構成されている。これにより、遊技者のニーズに適った構成とすることができ、特定状態の魅力を効果的に高めることが可能になる。
特徴D3.前記可変制御手段は、前記特定状態において、先の前記可変受入制御が開始されてから後の前記可変受入制御が開始されるまでの可変制御用期間(1回目の開放期間と第1待機期間との総和)を設定する可変制御用期間設定手段を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間(第2特図の遊技回の変動表示時間)を設定する動作期間設定手段を備え、
前記動作期間設定手段は、前記入球対応遊技回の前記動作期間として、前記可変制御用期間設定手段により設定される前記可変制御用期間よりも短い期間を設定可能な手段を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、入球対応遊技回の終了後に後の可変受入制御を実行することが可能になる。
特徴D4.前記動作期間設定手段は、前記入球対応遊技回の前記動作期間として、前記可変制御用期間設定手段により設定される前記可変制御用期間よりも短く、且つ、先の前記可変受入制御が開始された後の途中タイミングから後の前記可変受入制御が開始されるまでの期間よりも長い期間を設定可能な手段を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の可変受入制御の開始から上記途中タイミングまでの間に入球部に遊技球が入球した場合は、入球対応遊技回が後の可変受入制御の開始前に終了し易くなる一方、上記途中タイミング以降に入球した場合は、後の可変受入制御の開始前に遊技回が終了しにくくなる。つまり、入球タイミングによって、後の可変受入制御の開始前における空き領域の生じ易さが相違するものとなる。これにより、可変受入制御の早期に入球を目指す楽しみが付加され、特定状態の興趣性が向上する。
特徴D5.前記遊技回制御手段は、
予め定められた複数の遊技回用期間から1つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記遊技回用期間を前記遊技回用動作の動作期間(変動表示時間)として設定する遊技回用期間設定手段と、
を備え、
複数の前記遊技回用期間には、第1遊技回用期間と、当該第1遊技回用期間よりも長い第2遊技回用期間と、が含まれており、
前記第1遊技回用期間が前記可変制御用期間よりも短く、前記第2遊技回用期間が前記可変制御用期間よりも長くなっていることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段の選択結果に応じて、後の可変受入制御の開始前に遊技回が終了するか否かが相違するようになる。常に後の可変受入制御の開始前に遊技回が終了する場合に比べて遊技の単調化が抑制され、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴D6.前記第1遊技回用期間の選択確率が前記第2遊技回用期間の選択確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、後の可変受入制御の開始前に遊技回が終了する遊技を遊技者が体験し易くなる。その結果、特定状態が生じた場合に利益を受け易くなり、特定状態の発生に対する期待感を高めることが可能になる。
特徴D7.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間(第2特図の遊技回の変動表示時間)を設定する動作期間設定手段を備え、
前記動作期間設定手段は、前記情報記憶手段の特別情報の記憶数が第1記憶数である場合に、前記動作期間として第1期間を設定し、前記情報記憶手段の特別情報の記憶数が前記第1記憶数とは異なる第2記憶数である場合に、前記動作期間として前記第1期間とは異なる第2期間を設定する手段を備え、
前記入球対応遊技回の前記動作期間として前記第2期間が設定された場合に、当該入球対応遊技回の終了後に後の前記可変受入制御を実行可能に構成されていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段の特別情報の記憶数に応じて、後の可変受入制御の開始前に遊技回が終了するか否かが相違し、特別情報の記憶数が第2記憶数である場合に後の可変受入制御の実行前に遊技回が終了し易くなる。これにより、特定状態が開始された場合に、特別情報の記憶数が第2記憶数となるように入球部への入球を目指す楽しみが付加され、特定状態の興趣性が向上する。
特徴D8.前記可変制御手段は、前記特定状態において、先の前記可変受入制御の前記第1状態の実行期間(開放期間)を後の前記可変受入制御の前記第1状態の実行期間よりも長くする手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、先の可変受入制御にて特別情報の記憶数を増やし易くなる。これにより、先の可変受入制御を特別情報の記憶数を貯める機会として利用し、後の可変受入制御をそれまでの消費分を補充する機会として利用することが可能となる。この場合、遊技者は、先の可変受入制御にてある程度の記憶数を獲得し得ることから、先の可変受入制御が実行されることで一定程度の利益を享受可能になる。これにより、相応の満足感が得られる結果、後の可変受入制御にて消費分を補充できる否かを楽しむ心理的余裕が生じ易くなり、特定状態の遊び易さが向上する。
特徴D9.前記可変制御手段は、前記特定状態において、最初に行われる前記可変受入制御の前記第1状態の実行期間を最も長くする手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、最初の可変受入制御にて特別情報の記憶数を増やし易くなる。この場合、遊技者は、初回の可変受入制御にてある程度の記憶数を獲得し得ることから、特定状態の初期段階で一定程度の利益を享受可能になる。これにより、相応の満足感が得られる結果、以後の可変受入制御にて消費分を補充できる否かを楽しむ心理的余裕が生じ易くなり、特定状態の遊び易さが向上する。
特徴D10.前記可変制御手段は、前記特定状態において、先の前記可変受入制御が終了してから後の前記可変受入制御が開始されるまでの制御用期間(第1待機期間)を設定する制御用期間設定手段を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間(第2特図の遊技回の変動表示時間)を設定する動作期間設定手段を備え、
前記動作期間設定手段は、前記入球対応遊技回の前記動作期間として、前記制御用期間設定手段により設定される前記制御用期間よりも短い期間を設定可能な手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、先の可変受入制御の実行中に入球部に遊技球が入球した場合に、入球対応遊技回が先の可変受入制御の終了前に開始されれば、当該遊技回を後の可変受入制御の開始前に確実に終了させることが可能になる。
特徴D11.後の前記可変受入制御が、先の前記可変受入制御の次回に行われる前記可変受入制御であることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、入球対応遊技回を次の可変受入制御の開始前に終了させることが可能となる。これにより、特定状態において、遊技者が付与判定の機会を効率的に獲得することが可能になる。
特徴D12.前記入球部としての第1入球部(上作動口303)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を第1情報として記憶する第1情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な前記第1入球部とは異なる第2入球部(下作動口305)と、
前記2入球部への遊技球の入球に基づいて第2情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81による下作動口305用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2情報を記憶する第2情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2情報記憶手段に記憶されている第2情報が前記付与情報又はこれとは異なる付与情報に対応しているか否かの第2付与判定処理を行う第2付与判定手段(主制御装置81による下作動口305用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1情報記憶手段に第1情報が記憶され、且つ、前記第2情報記憶手段に第2情報が記憶されている状況では、前記付与判定よりも前記第2付与判定を優先して行うように制御する優先手段(主制御装置81による入賞処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1入球部用の付与判定処理と、第2入球部用の付与判定処理とを備える構成において、前者が優先的に行われるように構成されている。これにより、第1入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する遊技回が速やかに行われ易くなり、上記特徴D1乃至D11のいずれかに記載の各構成における各効果がより得られ易くなる。
特徴D13.前記特定状態の終了条件として、前記入球部への遊技球の入球個数が予め定められた上限個数となる第1条件と、予め定められた上限実行回数の前記可変受入制御が完了する第2条件と、が設定されており、
前記特定状態は、前記第1条件及び第2条件の少なくとも一方が成立した場合に終了されるように制御されるものであり、
前記上限個数は、前記上限実行回数以上の数に設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
例えば、上限個数が上限実行回数よりも小さい数に設定されている構成では、特定状態において1回の可変受入制御につき1個の遊技球が入球部に入球すると、可変受入制御の実行回数が上限実行回数に達する前に特定状態が終了し、特定状態を最後まで楽しむことができないおそれが生じる。この点、本特徴によれば、上限個数が上限実行回数以上の数に設定されているため、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
特徴D14.前記発射手段は、遊技球を所定の発射周期で発射可能となっており、
前記情報記憶手段は、複数の数として予め定められた所定数を上限として特別情報を記憶可能となっており、
前記可変受入制御は、前記第1状態の実行期間が予め定められた上限期間となった場合に、前記可変受入手段を前記第1状態から第2状態とするように行われるものであり、
前記上限期間が、前記所定数に1を加算した加算値と前記発射手段の発射周期との積以下の期間であることを特徴とする特徴D1乃至D13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入制御が実行された場合に、付与判定との関係で見た場合の入球部への無効な入球が生じることを抑制することが可能になる。
なお、上記特徴D14において、「前記所定数に1を加算した加算値と発射手段の発射周期との積以下」を「前記発射手段の発射周期以上で、且つ前記所定数に1を加算した加算値と前記発射手段の発射周期との積以下」としてもよい。また、「前記所定数に1を加算した加算値と前記発射手段の発射周期との積以下の期間」を「3sec以下」としてもよく、さらには、「0.6sec以上で且つ3.0sec以下」としてもよい。
特徴D15.遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、所定の演出手段にて遊技演出が行われるように制御する制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が複数回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態にて実行される複数回の前記可変受入制御において、先の前記可変受入制御の実行にて前記入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する前記遊技演出の終了後に後の前記可変受入制御を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報が取得され、当該特別情報が情報記憶手段に記憶される。そして、情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて遊技演出が行われる。この構成では、遊技演出が実行されることに応じて情報記憶手段での特別情報の記憶数が減少し、これに伴って新たな特別情報を記憶可能な空き領域が増加する。かかる構成を前提とし、本特徴では、特定状態にて実行される複数回の可変受入制御において、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する遊技演出の終了後に後の可変受入制御を実行可能に構成されている。
例えば、先の可変受入制御の実行にて入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する遊技演出が特定状態の終了時まで継続する構成であると、当該遊技演出の開始から特定状態の終了までの間、情報記憶手段にて新たな空き領域が発生しない。このため、特定状態への移行中において、情報記憶手段の記憶数が上限数に達した後は、入球部への入球に対する遊技者の関心が薄れることが想定される。さらに、情報記憶手段にて新たな空き領域が生じないことから、多くても、最初の入球に基づく遊技演出の実行分と特別情報の上限記憶数との合計回数分の遊技演出の実行機会しか獲得できないという懸念もある。
この点、本特徴によれば、先の可変受入制御の実行中に入球部に遊技球が入球した場合に、後の可変受入制御の開始前において、当該入球に対応する遊技演出を終了させ、次の遊技演出を開始させることが可能になる。これにより、情報記憶手段の空き領域を増やしてから後の可変受入制御を始めることができ、後の可変受入制御の実行中に入球部に入球させようとする意欲が生じる。よって、特定状態の全体を通して、入球部への入球に対する遊技者の関心を持続させることが可能になる。さらに、最初の入球に基づく付与判定の実行分と特別情報の上限記憶数との合計を超える回数の遊技演出の実行機会を獲得することができる。これにより、特定状態中に多くの遊技球を入球部に入球させることを目指す楽しみが増強され、特定状態の興趣性が向上する。
<特徴E群>
特徴E1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
前記切換制御の実行態様に対応する特定報知(特別表示演出)が所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行われるように制御する報知制御手段(演出制御装置82によるサポート状態中処理を実行する機能)と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記情報記憶手段における特別情報の記憶状況を把握する把握手段(演出制御装置82によるステップS2501〜S2503,S2504〜S2508の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果に基づいて前記特定報知の実行態様を変更する変更手段(演出制御装置82によるステップS2504,S2508,S2509の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、入球部への遊技球の入球に基づいて情報記憶手段に特別情報が記憶され、情報記憶手段に記憶されている特別情報を用いて付与判定が行われる構成上、付与判定は、情報記憶手段における特別情報の記憶可能な範囲内にて行われる。このため、情報記憶手段の記憶可能な範囲を超えて入球部に遊技球を入球させても、当該入球は付与判定に結び付かないものとなる。かかる事情の下、可変受入手段の切換制御が行われる構成において、入球部への効率的な入球を図るには、可変受入手段が第1状態に切り換えられ、且つ、情報記憶手段が特別情報を記憶可能である場合に、入球部へ入球させ、それ以外の場合は入球を控えることが望ましくなる。しかしながら、そのような打ち分けを遊技者の判断で行おうとすると、遊技者は、可変受入手段の状況だけでなく、情報記憶手段の記憶状況にも常に気を配る必要が生じ、注意が散漫になりがちとなる。
この点、本特徴では、可変受入手段の切換制御の実行態様に対応する特定報知が行われるとともに、その特定報知の実行態様が情報記憶手段の記憶状況に応じて変更可能に構成されている。すなわち、特定報知において、可変受入手段の切換制御の実行態様と、情報記憶手段の記憶状況との両方に対して相関を生じさせている。このため、遊技者は、自らが可変受入手段の切換状況と情報記憶手段の記憶状況とを把握しなくても、特定報知を参考に遊技を進めれば、それらの状況を踏まえた遊技を自然と行うことができる。これにより、注意が散漫化することが抑制され、遊技への集中力を増進させることが可能になる。加えて、特定報知に対する注目度を向上させることができ、演出効果を高めることが可能になる。
特徴E2.前記情報記憶手段は、複数の数として予め定められた所定数を上限として特別情報を記憶可能に構成されており、
前記把握手段は、前記情報記憶手段における特別情報の記憶数又は前記所定数までの残り記憶可能数を把握する記憶数把握手段を備え、
前記変更手段は、前記記憶数把握手段の把握結果に基づいて特定報知の実行態様を変更する手段を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を、特別情報の記憶数又は所定数までの残り記憶可能と相関させることができ、可変受入手段の切換状況と特別情報の記憶数等とを踏まえた遊技を行うことができる。
特徴E3.前記変更手段は、前記記憶数把握手段により把握される特別情報の記憶数が前記所定数に達しているか否かに基づいて特定報知の実行態様を変更する手段を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が上限数に達しているか否かに応じて特定報知の実行態様を異ならせることができ、可変受入手段が切換制御される場合に、特別情報の記憶可能数を最大限に活用した遊技を行うことができる。
特徴E4.前記変更手段は、前記把握手段の把握結果が第1状況である場合に、前記特定報知が第1態様(第1特別表示演出S1)で行われ、前記把握手段の把握結果が前記第1状況とは異なる第2状況である場合に、前記特定報知が前記第1態様とは異なる第2態様(第2特別表示演出S2)で行われ、又は、前記特定報知が行われないようにする手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の切換状況と情報記憶手段の記憶状況との変遷に合わせて特定報知の態様や特定報知の有無を切り換えることができ、都度の状況に適した特定報知を行うことが可能になる。
特徴E5.前記第1態様は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換わることを示唆、又は遊技者に対して前記可変受入手段を狙うように促す態様の報知を含んでいることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様が可変受入手段の第1状態への切り換わり示唆や可変受入手段を狙うように促す態様の報知であることによって、可変受入手段及び情報記憶手段の各状況を踏まえながら遊技者の遊技進行を補助することができる。
特徴E6.前記第1態様は、前記情報記憶手段の特別情報の残り記憶可能数に応じた報知を含むことを特徴とする特徴E4又はE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知により残り記憶可能数を報知することができ、遊技者が特定報知に集中していても残り記憶可能数を把握しながら遊技を進めることが可能になる。
特徴E7.遊技者により前記所定の発射操作が行われる発射操作手段(発射ハンドル54)を備え、
前記発射手段は、前記発射操作手段に対して第1操作量で発射操作が行われた場合に、前記遊技領域における第1領域(左側領域PE2)を遊技球が流下するように遊技球を発射し、前記発射操作手段に対して第2操作量で発射操作が行われた場合に、前記遊技領域における第2領域(右側領域PE3)を遊技球が流下するように遊技球を発射するものであり、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、前記第2領域を流下する遊技球を前記入球部に受入可能又は受け入れ易くなるように構成されており、
前記第1態様は、前記第2領域を流下させるべきことを示唆する態様の報知(右打ち報知)であることを特徴とする特徴E4乃至E6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知により遊技者の発射操作を補助することができ、可変受入手段及び情報記憶手段の各状況に適した遊技を行い易くなる。
特徴E8.前記第2態様は、遊技者に対して遊技待機又は遊技球の発射停止を促す態様の報知を含んでいることを特徴とする特徴E4乃至E7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2態様が遊技待機や遊技球の発射停止を促す態様の報知であることによって、可変受入手段及び情報記憶手段の各状況を踏まえながら遊技者の遊技進行を補助することができる。
特徴E9.前記報知制御手段は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられる前の所定タイミングにて前記特定報知が行われるように制御するものであり、
前記把握手段は、前記所定タイミングにおける前記情報記憶手段の特別情報の記憶状況を把握する手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の第1状態への切り換え前に特定報知が行われるため、遊技者が事前に特定報知を把握することができ、可変受入手段を狙った遊技球の発射を適正なタイミングで行うことが可能になる。さらに、特定報知の実行タイミングにおける情報記憶手段の記憶状況を把握するため、最新の記憶状況を反映させた特定報知を行うことができ、特定報知に対する信頼性や関心度を高めることが可能になる。
特徴E10.前記可変制御手段は、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を実行する可変制御手段(主制御装置81による役物開閉処理を実行する機能)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記可変受入制御が少なくとも1回行われる特定状態(第1高入賞サポート状態)に移行させる状態移行手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記可変受入制御の直前の待機期間(オープニング期間、第1待機期間、第2待機期間)にて前記特定報知が行われるように制御する手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態の待機期間を利用して特定報知が行われる。これにより、特定報知を特定状態での一演出として活用可能になり、特定状態の興趣性を向上させることが可能になる。さらに、可変受入制御の直前の待機期間にて特定報知を行うため、直近の可変受入制御の実行態様に応じた特定報知を行うことができ、遊び易さが向上する。
特徴E11.前記報知制御手段は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられる前の所定タイミングにて前記特定報知が行われるように制御するものであり、
前記把握手段は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態とされその後前記第2状態とされるまでに生じる前記記憶状況の変化を把握する変化把握手段(演出制御装置82によるステップS2505〜S2508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段の第1状態への切り換え前に特定報知が行われるため、遊技者が事前に特定報知を把握することができ、可変受入手段を狙った遊技球の発射を適正なタイミングで行うことが可能になる。さらに、所定タイミングの以後、可変受入手段が第2状態から第1状態とされその後第2状態とされるまでに生じる記憶状況の変化を把握するため、特定報知の実行タイミングに留まらず、切換制御が終了するまでの記憶状況の変化まで加味した特定報知を行うことが可能になる。
なお、上記特徴E11において、「前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態とされその後前記第2状態とされるまでに生じる」を「前記所定タイミングから、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態とされその後前記第2状態とされるまで、の間に生じる」と読み替えてもよい。
特徴E12.前記変更手段は、
前記変化把握手段の把握結果が第1特定状況である場合に、前記特定報知が第1態様で行われ、前記変化把握手段の把握結果が前記第1特定状況とは異なる第2特定状況である場合に、前記特定報知が前記第1態様とは異なる第2態様(第2特別表示演出S2)で行われ、又は、前記特定報知が行われないようにする手段(演出制御装置82によるステップS2505〜S2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成によれば、切換制御が終了するまでの記憶状況の変化に合わせて特定報知の態様や特定報知の有無を切り換えることができ、都度の状況に適した特定報知を行うことが可能になる。
特徴E13.前記変化把握手段は、前記情報記憶手段において、前記可変受入手段が前記第2状態とされるまでに生じる特別情報の記憶数の減少を把握する手段を備えていることを特徴とする特徴E11又はE12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行時点で特別情報の記憶状況に余裕がなくても、切換制御が終了するまでに余裕が生じる状況であれば、それを踏まえた報知を行うことができる。これにより、入球部への効率的な入球を好適に補助することが可能になり、興趣性が向上する。
特徴E14.前記所定の報知手段又は当該報知手段とは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了することを遊技回の1回として、各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置81による上作動口303用の遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記変化把握手段は、
前記所定タイミングにて実行されている前記遊技回の残期間を把握する残期間把握手段(演出制御装置82によるステップS2507の処理を実行する機能)と、
前記残期間把握手段により把握される前記残期間に基づいて、前記可変受入手段が前記第2状態とされるまでに次の前記遊技回が開始されるか否かを判定する開始用判定手段(演出制御装置82によるステップS2508の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記開始用判定手段の判定結果に基づいて前記記憶数の減少を把握することを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第2状態から第1状態とされその後第2状態とされるまでの間に生じる特別情報の記憶数の減少を好適に把握することが可能になる。
特徴E15.前記所定の報知手段又は当該報知手段とは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了することを第1遊技回の1回として、各第1遊技回の前記遊技回用動作が行われるように制御する第1遊技回制御手段(主制御装置81による上作動口303用の遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球部(下作動口305)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて第2特別情報を取得する第2情報取得手段(主制御装置81による下作動口305用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2情報取得手段の取得した第2特別情報に基づいて第2付与判定を行う第2付与判定手段(主制御装置81による下作動口305用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記所定の報知手段又は当該報知手段とは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記第2付与判定の判定結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了することを第2遊技回の1回として、各第2遊技回の前記遊技回用動作が行われるように制御する第2遊技回制御手段(主制御装置81による下作動口305用の遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変化把握手段は、
前記所定タイミングにおける前記第2遊技回の実行状況を把握する実行状況把握手段(演出制御装置82によるステップS2505の処理を実行する機能)と、
前記所定タイミングにて前記第2遊技回が実行されている場合に、当該第2遊技回の残期間を把握する残期間把握手段(演出制御装置82によるステップS2506の処理を実行する機能)と、
前記残期間把握手段により把握される前記残期間に基づいて、前記可変受入手段が前記第2状態とされるまでに前記第1遊技回が開始されるか否かを判定する開始用判定手段(演出制御装置82によるステップS2508の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記開始用判定手段の判定結果に基づいて前記記憶数の減少を把握することを特徴とする特徴E13又はE14に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部及び第2入球部の複数の入球部を備え、各入球部への入球に対応して付与判定及び遊技回を各別に行われる遊技機において、可変受入手段が第2状態から第1状態とされその後第2状態とされるまでの間に生じる特別情報の記憶数の減少を好適に把握することが可能になる。
特徴E16.前記第2情報取得手段の取得した第2特別情報を記憶する第2情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記情報記憶手段に特別情報が記憶され、且つ、前記第2情報記憶手段に第2特別情報が記憶されている状況では、前記付与判定よりも前記第2付与判定を優先して行うように制御する優先手段(主制御装置81による入賞処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E15に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部用の付与判定処理と、第2入球部用の付与判定処理とを備える構成において、第1入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する遊技回が速やかに行われ易くなるため、第2遊技回の残期間に基づいて、可変受入手段が第2状態とされるまでに第1遊技回が開始されるか否かを適正に判断することが可能になる。
特徴E17.前記報知制御手段は、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられる前の所定タイミングにて前記特定報知が行われるように制御するものであり、
前記把握手段は、
前記所定タイミングにおける前記情報記憶手段の特別情報の記憶状況を把握する第1把握手段(演出制御装置82によるステップS2501〜S2503の処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段の把握結果が特定状況である場合に、前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態とされその後前記第2状態とされるまでに生じる前記記憶状況の変化を把握する第2把握手段(演出制御装置82によるステップS2505〜S2508の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変更手段は、前記第1把握手段及び前記第2把握手段の各把握結果に基づいて前記特定報知の実行態様を変更する手段(演出制御装置82によるステップS2504,S2508,S2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が事前に特定報知を把握することができ、可変受入手段を狙った遊技球の発射を適正なタイミングで行うことが可能になる。さらに、特定報知の実行タイミングに留まらず、切換制御が終了するまでの記憶状況の変化まで加味した特定報知を行うことが可能になる。
特徴E18.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口303)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による上作動口303用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定処理を行う付与判定手段(主制御装置81による上作動口303用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態と、に切り換わり可能な可変受入手段(電動役物307)と、
所定の切換条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換える可変制御手段(主制御装置81による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記切換制御の実行態様に対応する特定報知(特別表示演出)が所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行われるように制御する報知制御手段(演出制御装置82によるサポート状態中処理を実行する機能)と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記情報記憶手段における特別情報の記憶状況を把握する把握手段(演出制御装置82によるステップS2501〜S2503,S2504〜S2508の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果が第1状況である場合に、前記特定報知が第1態様(第1特別表示演出S1)で行われ、前記把握手段の把握結果が前記第1状況とは異なる第2状況である場合に、前記特定報知が前記第1態様とは異なる第2態様(第2特別表示演出S2)で行われ、又は、前記特定報知が行われないようにする特定報知用手段(演出制御装置82によるステップS2504,S2508,S2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴E1又はE4と同様の効果が期待される。本特徴に対して上記特徴E2乃至E16のいずれかに記載された各構成を適用することが可能であり、この場合、各構成における「変更手段」は「特定報知用手段」と読み替えることができる。
なお、上述した各特徴A〜E群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A〜E群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A〜E群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A〜E群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。