JP2018060011A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を位置合わせのための画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、視認用光入射領域4aを含み表示用画像を表示する表示部4と、表示部4に表示する画像の位置合わせ処理のためのマーカ6を含む補正用画像を撮像する補正用画像撮像部32と、補正用画像処理部33と、マーカ6を含む外部画像に対して位置合わせ処理を行い表示用画像とする表示用画像処理部41と、視認用光入射領域4aを透過する光の進行方向において視認用光入射領域4aと重なるように配置され補正用画像を生成するための光を取り込む画像取得用光入射領域2aから取り込んだ光の一部を、補正用画像処理部33に導く画像取得用導光部材2とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関し、特に、画像を表示する表示装置に関する。
従来、画像を表示する表示装置が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1には、左右保持部によって使用者の頭部に保持されるとともに、外部装置から取得した画像を表示する表示部と、使用者の視野の方向の画像である補正用画像を撮像するカメラと、外部装置から取得した画像の輪郭や特徴的な部位と補正用画像の輪郭や特徴的な部位とが合うように外部装置から取得した画像に対して加工を行う重畳処理部と、を備えた表示装置が開示されている。この表示装置では、補正用画像を撮像するカメラは、使用者が表示部を装着した際の使用者の眉間に対応する位置に配置されている。
また、特許文献2には、認識用マーカと、術野をマーカとともに撮像するカメラと、カメラで撮像中の映像を表示するディスプレイとを備え、患者の立体的CT画像(外部画像)から特定された腫瘍などの着目部位を、撮像中のマーカの位置および姿勢に基づいて、カメラで撮像中の映像に重ねてディスプレイに表示する表示装置が開示されている。また、上記特許文献2の表示装置では、カメラとディスプレイとを一体のヘッドマウント型ディスプレイとする構成も開示されている。
また、上記特許文献3には、前方から到達する光の一部を使用者の眼球位置に透過するとともに、前方から到達する光の一部を第1導光部材に導き、第1導光部材に導かれる光を表示用画像生成部に導き、表示用画像生成部から送出される光を、第2導光部材を介して使用者に表示する表示装置が開示されている。また、表示用画像生成部は、輝度が低いため使用者にとって視認不可能な視野の光を取得し、使用者にとって視認可能な輝度まで増幅して送出するように構成されている。すなわち、上記特許文献3には、使用者の視線方向と一致した視野の画像を、使用者の視認できる明るさまで増幅して、使用者が暗視をすることができるように構成されている表示装置が開示されている。
特開2015−99184号公報 特開2014−131552号公報 米国特許8355610号明細書
しかしながら、上記特許文献1の表示装置では、補正用画像を撮像するカメラが使用者の眉間の位置に配置されるため、使用者が実際に視認する視野の方向と補正用画像の撮像方向とにずれが生じ、表示部に表示する画像の生成時に、使用者が実際に視認する視野と補正用画像とのずれを考慮した補正を行う必要があるという問題点がある。
また、上記特許文献2の表示装置では、カメラとディスプレイとを一体のヘッドマウント型ディスプレイとする構成も開示されているものの、カメラの取り付け位置については記載されていない。そのため、カメラの撮像位置と使用者の視野とが一致していない場合に、上記特許文献1と同様、表示部に表示する画像の生成時に、使用者が実際に視認する視野とカメラにより撮像された映像との撮像位置および撮像方向のずれを考慮した補正を行う必要があるという問題点があると考えられる。
また、上記特許文献3の表示装置では、使用者の視野と一致した画像を表示しているものの、使用者に表示される画像は、使用者に透過される視野の光と方向が一致し、導光部材に導かれる光を増幅して使用者に視認できるようにするものであり、使用者に透過される視野の光と方向が一致した光を表示用画像生成部により増幅して表示用画像として使用者に映し出している。しかしながら、外部装置により撮像された画像については、使用者の視線方向と一致させて表示することができないため、外部装置による外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を位置合わせのための画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることが可能な表示装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における表示装置は、使用者の眼球位置に到達するように入射する光を透過させる視認用光入射領域を含み、表示用画像を表示する表示部と、表示部に表示する画像の位置合わせ処理のための特徴部分を含む補正用画像を撮像する補正用画像撮像部と、補正用画像から特徴部分を抽出する補正用画像処理部と、外部装置から取得した位置合わせ処理のための特徴部分を含む外部画像に対して、補正用画像処理部で抽出された補正用画像の特徴部分との位置合わせ処理を行い、表示用画像とする表示用画像処理部と、視認用光入射領域を透過する光の進行方向において視認用光入射領域と重なるように配置され、補正用画像を生成するための光を取り込む画像取得用光入射領域を含み、画像取得用光入射領域から取り込んだ補正用画像を生成するための光の一部を補正用画像処理部に導く画像取得用導光部材とを備える。
この発明の一の局面における表示装置では、視認用光入射領域を透過する光の進行方向において視認用光入射領域と重なるように配置され、補正用画像を生成するための光を取り込む画像取得用光入射領域を設ける。これにより、補正用画像を撮像するために、使用者の眼球位置に到達するように入射させる光と一致した方向の光を画像取得用導光部材によって補正用画像撮像部に導くことができるので、補正用画像から抽出する特徴部分と使用者が実際に視認している視野に含まれる特徴部分との視差の違いによるずれがほとんど生じることがない。これにより、外部画像に含まれる特徴部分が補正用画像に含まれる特徴部分に合うように、外部画像に対してのみ位置合わせ処理を行うことにより、使用者の視野と一致するように補正された表示用画像を得ることができる。その結果、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を、位置合わせのための画像である補正用画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、使用者が実際に視認している視野の方向と補正用画像の撮像方向とが一致していない場合と比べて、補正用画像に対する画像処理の負担を軽減することができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、補正用画像処理部における画像処理にかかる時間を少なくすることができるため、使用者の頭部の動きと対応した表示用画像の表示に必要な時間が短縮され、表示の即時性(リアルタイム性)を向上させることができる。
上記一の局面における表示装置において、好ましくは、画像取得用導光部材は、画像取得用光入射領域を透過する光の一部を反射し、一部を使用者の眼球位置に透過する第1画像取得用反射部と、第1画像取得用反射部で反射された補正用画像を生成するための光を補正用画像撮像部に向かって反射する第2画像取得用反射部とを含む。このように構成すれば、第1画像取得用反射部および第2画像取得用反射部を用いて、使用者が実際に視認している視野と方向が一致した光を、容易に補正用画像撮像部に導くことができる。
上記一の局面における表示装置において、好ましくは、表示部は、視認用光入射領域を透過する光の進行方向において画像取得用導光部材と重なるように配置され、表示用画像処理部から送出される表示用画像を表示するための光を反射する第1表示用反射部と、第1表示用反射部で反射された表示用画像を表示するための光を使用者の眼球位置に向かって反射する第2表示用反射部とを有する表示用導光部材を含むように構成されている。このように構成すれば、第1表示用反射部および第2表示用反射部を用いて、使用者に表示用画像を表示するための光を、容易に使用者の眼球に導くことができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、表示用画像処理部は、外部装置で撮像した位置合わせ処理のための特徴部分と、特徴部分に加えて使用者に不可視である治療対象者の着目部位とを含む外部画像に対して、補正用画像処理部で抽出された補正用画像の特徴部分との位置合わせ処理を行うように構成されている。このように構成すれば、使用者が治療対象者に対して視線を逸らすことなく、使用者からは直接視認できない治療対象部位(患部)などの着目部位の位置を表示部による表示により確認することができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、表示用画像処理部は、使用者の眼球位置または視線方向を視線情報として取得し、視線情報にも基づいて位置合わせ処理を行うように構成されている。このように構成すれば、使用者の眼球位置の個人差や、使用者に対する表示装置の基準位置からのずれによって生じる使用者の視野と上記表示用画像との間のわずかなずれを補正することができる。また、使用者の視線方向の変化にあわせて外部画像を追従するように移動させて表示させることができる。
この場合、好ましくは、視線情報に基づいて外部装置の撮像方向を制御するように構成されている。このように構成すれば、外部装置による外部画像の撮像方向を使用者の視線情報に追従するように撮像させて、外部画像の取得範囲を使用者の視野の範囲に合わせることができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、視認用光入射領域を透過する光の進行方向において視認用光入射領域と重なるように配置され、使用者の眼球位置に到達するように入射する光のうち所定の波長成分または偏向成分を選択的に通過させまたは遮断するフィルタをさらに備える。このように構成すれば、観察対象を外部装置により撮像するための特定の波長または偏向成分の光を使用者の眼球位置に到達しないようにすることができるので、使用者の眼球を適切に保護することができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、補正用画像撮像部は、特徴部分投影部により投影される位置合わせ処理のための特徴部分を含む補正用画像を撮像し、補正用画像処理部は、投影される特徴部分を補正用画像から抽出し、表示用画像処理部は、投影される特徴部分を含む外部画像に対して、補正用画像に含まれる投影される特徴部分との位置合わせ処理を行い、表示用画像とするように構成されている。このように構成すれば、特徴部分を虚像として投影することができるため、着目部位の周辺に特徴部分を含む実体のある物体を置く必要がない。その結果、使用者が着目部位の周辺に物体を置く手間を省くことができる。
本発明によれば、上記のように、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を位置合わせのための画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。
本発明の第1実施形態による表示装置の全体構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態による表示装置の全体構成を示した概略的な正面図である。 本発明の第1実施形態による表示装置の外部装置による撮像を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態による表示装置の位置合わせ処理を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態による表示装置の全体構成を示したブロック図である。 本発明の第2実施形態による視線情報の取得を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態による視線情報に基づいた位置合わせ処理を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態による表示装置の全体構成を示したブロック図である。 本発明の第3実施形態による表示装置の位置合わせ処理を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態による表示装置の外部装置による撮像を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態による表示装置の位置合わせ処理を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態の変形例による表示装置の外部装置による撮像を説明するための模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による表示装置100の全体構成について説明する。第1実施形態では、特に、医療分野における治療対象者の外科手術に表示装置100を用いる例について説明する。
図1に示すように、表示装置100は、使用者1の頭部に装着して使用される(頭部)装着型の表示装置として構成されている。また、表示装置100は、画像取得用導光部材2と、補正用画像撮像部3と、表示部4と、装着部5とを備える。
画像取得用導光部材2は、図1に示すように、第1画像取得用反射部21と、画像取得用導光部22と、第2画像取得用反射部23とを含む。また、画像取得用導光部材2は、使用者1の視野の方向と一致した特徴部分を含む補正用画像を生成するための光L2aを取り込む画像取得用光入射領域2aを含む。
補正用画像撮像部3は、図1に示すように、撮像光学系31と、撮像素子32と、補正用画像処理部33とを含む。補正用画像処理部33は、撮像素子32に接続されている。
表示部4は、図1に示すように、表示用導光部材40と、表示用画像処理部41と、表示素子42と、表示光学系43とを含む。表示用導光部材40は、第1表示用反射部44と、表示用導光部45と、第2表示用反射部46とを含む。また、表示用導光部材40は、使用者1の視野の方向と一致した光L2bを取り込む視認用光入射領域4aを含む。表示用画像処理部41は、表示素子42と接続されている。
装着部5は、図2に示すように、頭部装着部51と、フレーム52とを含む。
表示装置100は、図3に示すように、マーカ6を含む補正用画像を撮像するように構成されている。外部装置7は、マーカ6と治療対象部位8とを含む外部画像を撮像するように構成されている。図4に示すように、治療対象部位8は、着目部位80を含む。なお、マーカ6は、特許請求の範囲の「特徴部分」の一例である。
図1に示すように、画像取得用導光部材2は、使用者1の眼球位置Eに到達するように外部から視認用光入射領域4aに向かって入射する光L1を、補正用画像を取得するための撮像素子32に到達する補正用画像を生成するための光L2aと、使用者1の眼球位置Eに到達する光L2bとに分割するために設けられている。まず、光L1は、外部から画像取得用導光部材2の画像取得用光入射領域2aに入射する。そして、画像取得用導光部材2の内部にある第1画像取得用反射部21は、画像取得用光入射領域2aを透過する光L1の一部を光L2aとして反射し、一部を使用者1の眼球位置Eにそのまま光L2bとして透過する。ここで、図1において、第1画像取得用反射部21は、図の簡略化のために2枚の反射板によって表しているが、実際には使用者1の視野(画像取得範囲)の広がりに対応するように3枚以上の複数の反射板を有している。画像取得用導光部22は、第1画像取得用反射部21で反射された光L2aを画像取得用導光部材2の境界面で全反射させながら第2画像取得用反射部23に導く。第2画像取得用反射部23は、画像取得用導光部材2により導かれた光L2aを撮像光学系31に向かって反射する。なお、第2画像取得用反射部23は、構成の簡素化のために1枚で構成する。また、第2画像取得用反射部23は、複数枚で構成することもできる。
なお、第1画像取得用反射部21は、半透過鏡となっている。第1画像取得用反射部21は、いわゆるビームスプリッターと呼ばれるもので、たとえば、誘電体積層膜を含んでいる。一方で、第2画像取得用反射部23は全反射鏡となっている。第2画像取得用反射部23は、たとえば、ガラスやプラスチックの板に金属を蒸着したものにより形成されている。画像取得用導光部材2は、たとえば、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸、シクロオレフィンポリマー樹脂やガラス材料等により板状に形成される。
補正用画像撮像部3は、光L2aによって得られる使用者1の視野とほぼ一致するように撮像される補正用画像から、表示部4に表示する画像の位置合わせ処理のための特徴部分であるマーカ6を撮像して抽出するために設けられている。撮像光学系31は、第2画像取得用反射部23で反射された光L2aに光学的な処理等を施し、撮像素子32での撮像に最適化するための調整を行う。撮像素子32は、光L2aを位置合わせ処理のための特徴部分を含む補正用画像として撮像し、信号に変換した上で、補正用画像を補正用画像処理部33に送出する。補正用画像処理部33は、撮像素子32から送出される補正用画像から、位置合わせ処理のための特徴部分であるマーカ6を抽出するように構成されている。補正用画像処理部33で抽出されたマーカ6の画像情報は、外部画像の位置合わせ処理のために、表示用画像処理部41に送出される。また、補正用画像処理部33は、使用者1の視野とほぼ一致した画像である補正用画像を、一致状況の確認用に表示素子によって表示することや、外部のモニタで表示するために、外部のモニタに送出することもできる。
なお、撮像光学系31は、1つまたは複数のレンズの組み合わせにより構成されている。このレンズは、球面レンズの組み合わせでもよいし、自由曲面レンズを含んでいてもよい。一般に、適切な自由曲面レンズを使えば、必要となるレンズの枚数を少なくすることができる。レンズは、たとえば、ガラスやプラスチックにより形成されている。また、撮像光学系31は、カートリッジに収められており、使用者1が用途に応じて最適なものに取り替えられるよう構成されている。撮像素子32は、たとえば、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などを含んでいる。補正用画像処理部33は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)により構成されている。
表示部4は、マーカ6の画像情報に基づいて、外部画像に位置合わせ処理を行い表示用画像とした上で、使用者1に対して表示用画像を表示するために設けられている。表示用画像処理部41は、外部装置7から取得した位置合わせ処理のための特徴部分であるマーカ6を含む外部画像に対して、補正用画像処理部33で抽出された補正用画像の特徴部分であるマーカ6の画像情報との位置合わせ処理を行う。また、表示用画像処理部41は、外部画像に対して、位置合わせ処理に加えて、外部画像に含まれる使用者1に不可視である治療対象者の着目部位80または着目部位80とマーカ6を抽出する処理を行い、表示用画像とする。表示用画像処理部41で生成された表示用画像は、表示素子42に送出される。表示素子42は、表示用画像を、表示させるための光L4に変換し、表示光学系43に送出する。表示光学系43は、光L4に光学的な処理等を施し、視認用光入射領域4aでの表示に最適化するための調整を行う。また、表示光学系43は、目視対象である治療対象部位8と表示用画像の焦点距離が使用者1にとって同じになるように、表示素子42から照射される光L4の制御もあわせて行う。また、表示用画像処理部41は、表示画像に含まれるマーカ6a、6bおよび6cは非表示にすることもできる。また、着目部位80は外部画像取得時と異なった着色をすることにより視認性を向上させることもできる。また、表示用画像処理部41は、使用者1の目が有するピントを合わせる能力や色感度を考慮して、使用者1が必要に応じて表示用画像の焦点距離の調整や表示用画像の着色の選択をできるように構成することもできる。また、表示用画像処理部41は、表示用画像を、モニタ画像として外部のモニタに表示するために、外部のモニタに送出することもできる。また、表示用画像処理部41は、使用者1の視野から特徴部分であるマーカ6が完全に外れて、規定の時間を超えて補正用画像に特徴部分であるマーカ6が検出されない状態が続けば、一時的に、外部装置7による撮像を停止させるように構成することもできる。
なお、表示用画像処理部41は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)により構成されている。また、表示用画像処理部41は、補正用画像処理部33と一体的に設けてもよい。なお、表示光学系43は、1つまたは複数のレンズの組み合わせで構成されており、撮像光学系31と同様の事情を考慮して構成する。また、表示光学系43は、カートリッジに収められており、使用者1が用途に応じて最適なものに取り替えられるように構成されている。表示素子42は、たとえば、液晶ディスプレイおよびバックライトで構成することができる。なお、表示素子42は、有機EL(electro−luminescence)ディスプレイ等で構成してもよい。
表示用画像処理部41から送出される表示用画像を表示するための光L4は、表示光学系43で調整され、表示光学系43に向けられた表示用導光部材40が有する光入射領域に入射する。そして、表示用導光部材40の内部にある第1表示用反射部44は、上記光入射領域を透過した光L4を反射する。表示用導光部45は、第1表示用反射部44で反射された光L4を表示用導光部材40の境界面で全反射させながら第2表示用反射部46に導く。第2表示用反射部46は、表示用導光部材40により導かれた光L4を使用者1の眼球位置Eに反射する。また、第2表示用反射部46は、第1画像取得用反射部21を透過した光L2bをそのまま使用者1の眼球位置Eに透過する。光L5は、第2表示用反射部46で反射された光L4と、第2表示用反射部46を透過した光L2bとを足し合わせた光を表している。また、表示用導光部材40は、視認用光入射領域4aを通過する光L2bの進行方向において画像取得用導光部材2と重なるように配置する。
なお、第1表示用反射部44は全反射鏡となっており、第2画像取得用反射部23と同様の事情を考慮して形成する。第2表示用反射部46は半透過鏡となっており、第1画像取得用反射部21と同様の事情を考慮して形成する。表示用導光部材40は、たとえば、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸、シクロオレフィンポリマー樹脂やガラス材料等により板状に形成される。
図2に示すように、装着部5は、画像取得用導光部材2と特に表示部4に含まれる表示用導光部材40とを支持し、使用者1の頭部に装着するために設けられている。頭部装着部51は、使用者1が頭部に被せることで表示装置100を装着する機能を有する。フレーム52は、画像取得用導光部材2と、表示用導光部材40とを保持し、視認用光入射領域4aと一致し画像取得用光入射領域2aを含むように空けられた窓領域が設けられ、頭部装着部51に支持されている。また、フレーム52は、窓領域以外から画像取得用導光部材2および表示用導光部材40の内部に外部の光が進入するのを防ぐために、外部の光を遮蔽するように構成されている。また、フレーム52は、画像取得用導光部材2が外部に露出する窓領域の周辺部で、画像取得用導光部材2の露出面に対して垂直方向となる盛り上がりを有し、画像取得用導光部材2および表示用導光部材40を衝突等から保護するように構成されている。また、フレーム52は、使用者1が頭部装着部51に支持されるフレーム52の位置を調整し、使用者1の顔面に対する距離や角度を使用者1にとって最適な位置に合わせられるように構成されている。補正用画像処理部33および表示用画像処理部41は、頭部装着部51の内部かつ使用者1の頭部上方に配置されている。また、フレーム52には、使用者1の右目と左目とに対応して、一対の画像取得用導光部材2と、表示用導光部材40と、撮像光学系31および撮像素子32と、表示光学系43および表示素子42が設けられている。
図3に示すように、外部装置7は、使用者1の眼球位置Eと異なる位置において、使用者1の視線方向と異なる方向の外部画像を撮像するために設けられている。外部装置7は、X線撮像装置であり、X線源71とX線検出部72とを含むように構成されている。X線源71は、特徴部分であるマーカ6a、6bおよび6cならびにその周辺部と使用者1に不可視である治療対象者の着目部位80およびその周辺部とを含む領域を透過するようにX線を照射する。X線検出部72は、特徴部分であるマーカ6a、6bおよび6cならびにその周辺部と治療対象部位8およびその周辺部とを透過したX線を検出し、その検出されたX線の強度に応じて変換した信号を、外部画像として表示装置100に含まれる表示用画像処理部41に送出する。X線検出部は、たとえば、フラットパネルディテクター(FPD)を含んでいる。
特徴部分であるマーカ6は、図3に示すマーカ6a、6bおよび6cのように、治療対象部位8を取り囲むように3つ配置されている。原理的にはマーカ6が3つあれば、表示用画像と使用者1の視野との、それぞれX線および可視光の取得位置の差異により生じる中心位置のずれ、および、取得方向の差異により生じる着目部位80およびその周辺部の傾きのずれを補正できる。そのため、マーカ6の数は任意ではあるが、第1実施形態では3つとした。位置合わせ処理の精度を上げるために、マーカ6の数をさらに増やしてもよい。マーカ6a、6bおよび6cは、X線透過率および色(色相、明度、濃淡など)が互いに異なるように形成されている。また、マーカ6a、6bおよび6cは、大きさもそれぞれ異なるように形成されている。また、マーカ6a、6bおよび6cは、治療対象者の体表面などに貼付するシールで構成されている。また、マーカ6a、6bおよび6cは、画像に含まれる他の部分との識別を可能とし、許容誤差内での位置合わせ処理を実現するため、画像情報の単位量であるピクセルサイズより十分に大きく写るように構成されている。なお、マーカ6は、たとえば、形状や成分の異なる数種の金属などにより形成されている。
以下、図4に沿って、位置合わせ処理について説明する。補正用画像処理部33において、撮像素子32によって取得した特徴部分であるマーカ6a、6bおよび6cを含む補正用画像から、マーカ6a、6bおよび6cを、色、大きさ、形状等の違いに基づいてそれぞれを識別した上で抽出する。同時に、表示用画像処理部41において、外部装置7によって取得した特徴部分であるマーカ6a、6bおよび6cを含む外部画像から、補正用画像に含まれるマーカ6a、6bおよび6cを、大きさ、形状、X線透過率に基づく濃淡等の違いに基づいてそれぞれを識別した上で抽出し、加えて使用者1に不可視である治療対象者の着目部位80をも抽出する。本実施形態においては、補正用画像における抽出処理と、表示用画像における抽出処理とは同時的に行う。さらに、これら抽出処理には、あらかじめ計測されすでにわかっている表示装置100に含まれるレンズ等の特性によって生じる歪みを修正する変形を含むように構成することもできる。
位置合わせ処理では、平行移動、回転移動および拡大・縮小等の線形変換と、台形歪み変形と、非線形変換等とを外部画像に対して加えることで、外部画像に含まれるマーカ6a、6bおよび6cの位置と、補正用画像に含まれるマーカ6a、6bおよび6cの位置とをそれぞれ一致させる処理が行われる。さらに、位置合わせ処理では、使用者1に対して着目部位80のみまたは着目部位80およびマーカ6のみを表示し、他の部分は表示しないように抽出処理もあわせて行われる。表示用画像に含まれるマーカ6は、位置合わせ処理を行った表示用画像に含まれるマーカ6の位置と視野に含まれるマーカ6の位置との位置合わせ処理の精度を確認したい場合には表示し、手術の進行上差し障りがあれば表示しないように適宜切り替えができるように構成することもできる。X線源71は、リアルタイムに外部画像を取得するために、手術の間は常に微弱なX線を照射するように構成されている。他に、X線源71は、外部画像についてはリアルタイム取得ではなくなるが、マーカ6の実際の位置が変わらない間は、X線の照射を止めるように構成することもできる。この場合、表示用画像処理部41は、所定の位置で撮像した外部画像の状態をあらかじめデータテーブルとして保持し、データテーブルに基づいて位置合わせ処理を行い、表示用画像を表示させる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、視認用光入射領域4aを透過する光L2bの進行方向において、視認用光入射領域4aと重なるように画像取得用光入射領域2aを配置する。これにより、光L1の内、第1画像取得用反射部21を透過した光L2bは、使用者1の眼球位置Eに到達し、また、第1画像取得用反射部21で反射された光L2aは、撮像素子32に導かれる。使用者1の眼球位置Eに到達する光L2bの方向と画像取得用光入射領域2aへの入射時点および第1画像取得用反射部21への到達時点において一致した方向の光L2aを画像取得用導光部材2によって撮像光学系31に導くことができるので、補正用画像から抽出する特徴部分であるマーカ6と使用者1が実際に視認している視野に含まれる特徴部分であるマーカ6との視差の違いによるずれが生じるのを効果的に抑制することができる。これにより、外部画像に含まれるマーカ6が補正用画像に含まれるマーカ6に合うように、外部画像に対してのみ位置合わせ処理を行うことにより、使用者1の視野と一致するように補正された表示用画像を得ることができる。その結果、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を、位置合わせのための画像である補正用画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、使用者1が実際に視認している視野の方向と補正用画像の撮像方向とが一致していない場合と比べて、補正用画像に対する画像処理の負担を軽減することができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、補正用画像処理部33における画像処理にかかる時間を少なくすることができるため、使用者1の頭部の動きと対応した表示用画像の表示に必要な時間が短縮され、表示の即時性(リアルタイム性)を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像取得用導光部材2を、画像取得用光入射領域2aを透過する光L1の一部を補正用画像を生成するための光L2aとして反射し、一部を使用者1の眼球位置Eに到達する光L2bとして透過する第1画像取得用反射部21と、第1画像取得用反射部21で反射された補正用画像を生成するための光L2aを第2画像取得用反射部23に導く画像取得用導光部22と、補正用画像を生成するための光L2aを撮像光学系31に向かって反射する第2画像取得用反射部23とを設ける。これにより、第1画像取得用反射部21および第2画像取得用反射部23を用いて、使用者1が実際に視認している視野と方向が一致した光L2aを、容易に撮像素子32に導くことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、表示部4を、視認用光入射領域4aを透過し使用者1の眼球位置Eに到達する光L2bの進行方向において画像取得用導光部材2と重なるように配置し、表示用画像処理部41から送出される表示用画像を表示するための光L4を反射する第1表示用反射部44と、第1表示用反射部44で反射された表示用画像を表示するための光L4を第2表示用反射部46に導く表示用導光部45と、表示用画像を表示するための光L4を使用者1の眼球位置Eに向かって反射する第2表示用反射部46とを有する表示用導光部材40を設ける。これにより、第1表示用反射部44および第2表示用反射部46を用いて、使用者1に表示用画像を表示するための光L4を、容易に使用者1の眼球位置Eに導くことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、表示用画像処理部41を、外部装置7で撮像した位置合わせ処理のための特徴部分であるマーカ6と、特徴部分であるマーカ6に加えて使用者1に不可視である治療対象者の治療対象部位8に含まれる着目部位80とを含む外部画像に対して、補正用画像処理部33で抽出された補正用画像の特徴部分であるマーカ6との位置合わせ処理を行うように構成する。これにより、使用者1が治療対象者に対して視線を逸らすことなく、使用者1からは直接確認できない着目部位80の位置を表示部4による表示により確認することができる。その結果、たとえば、外科手術において、治療対象者の問題部位を確実に把握し、切開領域を最小限にすることができる。また、マーカ6を治療対象者の体表面などに貼付するシールとすることにより、治療対象者の体に負担をかけることなく、治療中に治療対象部位8との相対的な位置関係の変化がほとんど生じないように特徴部分であるマーカ6を配置することができる。
(第2実施形態)
次に、図5〜7を参照して、本発明の第2実施形態による表示装置200の全体構成について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、表示用画像処理部41を、使用者1の眼球位置Eまたは視線方向を視線情報として取得し、視線情報にも基づいて位置合わせ処理を行う構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、第2実施形態でも、第1実施形態と同じく、特に、医療分野における治療対象者の外科手術に表示装置200を用いる例について説明する。
図5に示すように、第2実施形態による表示装置200は、上記第1実施形態による表示装置100の構成に加えて、視線情報検出部9をさらに備える。視線情報検出部9は、視線情報検出用反射部91を有する視線情報検出用導光部材90と、視線情報検出用光学系92と、視線情報検出用撮像素子93と、赤外線光源94とを含む。
視線情報検出部9は、使用者1の眼球位置または視線方向を視線情報として取得し、その視線情報にも基づいて、表示用画像処理部41に、外部画像に対する位置合わせ処理を行わせるために設けられている。赤外線光源94は、使用者1の眼球位置Eに赤外線を照射する。使用者1の眼球で反射された赤外線L9は、使用者1に向けられた表示用導光部材40が有する光入射領域に入射する。表示用導光部材40の内部にある第2表示用反射部46は、上記光入射領域を通過した赤外線L9を反射する。表示用導光部45は、第2表示用反射部46で反射された赤外線L9を第1表示用反射部44に導く。第1表示用反射部44は、赤外線L9を視線情報検出用反射部91に向けて反射する。なお、第2表示用反射部46は、第1実施形態の構成に加えて、赤外線に対しては全反射鏡として働き、可視光に対しては透過させるホットミラーを第2表示用反射部46の反射面と一体的に設けてもよい。ホットミラーは、たとえば、誘電体積層膜を含んでいる。これにより、可視光に対しては半透過鏡として働き、赤外線に対しては全反射鏡として働くように構成することができ、ホットミラーを構成に含めない場合と比べて、視線情報検出用撮像素子93に導かれる赤外線L9の強度を他の波長域の光の強度より相対的に上げることができる。また、視線情報検出部9は、画像取得用導光部材2、表示用導光部材40、撮像光学系31および撮像素子32、表示光学系43および表示素子42と同様に、使用者1の右目と左目とに対応して、一対設けられている。
第1表示用反射部44で反射された赤外線L9は、第1表示用反射部44に向けられた視線情報検出用導光部材90が有する光入射領域に入射する。視線情報検出用導光部材90の内部にある視線情報検出用反射部91は、上記光入射領域を通過した赤外線L9を視線情報検出用光学系92に向けて反射する。視線情報検出用光学系92は、視線情報検出用反射部91で反射された赤外線L9を視線情報検出用撮像素子93に結像させる。視線情報検出用撮像素子93は、赤外線L9を視線情報画像として撮像し、信号に変換した上で、視線情報画像を表示用画像処理部41に送出する。表示用画像処理部41は、視線情報画像から使用者1の眼球位置Eや眼球の焦点距離、視線方向を視線情報として抽出する。具体的には、たとえば、使用者1の瞳による赤外線L9の反射から、使用者1の角膜で反射された赤外線L9が作る虚像や使用者1の瞳孔の輪郭の移動などに基づいて使用者1の眼球位置E、眼球の焦点距離や視線方向を算出し、視線情報として取得する。一方、表示素子42により送出される表示用画像を表示させるための光L4は、表示光学系43で光学的処理等を施され、表示光学系43に向けられた視線情報検出用導光部材90が有する入光領域に入射する。視線情報検出用導光部材90の内部にある視線情報検出用反射部91は、上記入光領域から入射した光L4をそのまま透過させ、表示用導光部材40の内部にある第1表示用反射部44に到達させる。
なお、視線情報検出用導光部材90は、たとえば、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸、シクロオレフィンポリマー樹脂やガラス材料等により板状に形成される。視線情報検出用反射部91は、赤外線に対しては全反射鏡として働き、可視光に対しては透過させるホットミラーとなっており、たとえば、誘電体積層膜を含んでいる。また、視線情報検出用反射部91は、上記画像取得用導光部材2および表示用導光部材40に含まれた反射部の有する反射板とは異なり、複数枚のみでなく1枚でも構成することができるため、本実施例では1枚の反射板で構成する。視線情報検出用光学系92は、1つまたは複数のレンズの組み合わせで構成されており、撮像光学系31と同様の事情を考慮して構成する。視線情報検出用撮像素子93は、撮像素子32と同様に、たとえば、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などを含んでいる。
以下、図6および図7に沿って、視線情報に基づいた位置合わせ処理について説明する。図6において、表示装置200に対して、使用者1が正しく装着した場合の使用者1の正面方向を前方、頭上方向を上方とした場合に、X方向は左右方向を、Y方向は前後方向を、Z方向は上下方向をそれぞれ表している。また、ある点からX方向およびZ方向のみに伸びる平面は、表示用導光部材40の有する視認用光入射領域4aの中心的な領域が作る面とほぼ平行になっている。位置Pは、使用者1の眼球位置Eと表示装置200の設計上の基準位置とが一致した場合の使用者1の眼球位置Eを表す。位置P1は、位置Pからわずかにずれた位置である。このずれは、たとえば、複数の使用者1ごとの頭部の形や眼球位置Eの違いによって、使用者1の作業中における表示装置200の装着位置のずれによって、または、フレーム52の位置の調整によって生じる。位置Pおよび位置P1は、どちらも表示用導光部材40の有する視認用光入射領域4aの中心的な領域とほぼ平行である面内に含まれるものとする。ΔPは、位置P1の位置Pからのずれを表し、X方向成分およびZ方向成分のそれぞれのずれのみを含んだX−Z平面内のずれである。表示用画像処理部41は、図7に示すように、視線情報により算出されたΔPに応じて、表示領域を、表示可能領域内でシフトさせるように構成されている。ここで、点線で表した一番外側の領域が表示可能領域であり、表示可能領域内の実線で囲んだ領域が実際の表示領域を表し、表示可能領域内の点線で囲んだ領域が基準位置である位置Pにおける表示領域を表す。
また、表示用画像処理部41は、視線情報から使用者1の眼球位置EのY方向成分のずれを算出することも可能であり、Y方向成分のずれに対しては、表示用画像の使用者1にとっての適切な焦点距離の変化を視線情報に基づいて算出し、表示用画像の焦点距離を補正するように構成されている。また、表示用画像処理部41は、視線情報から使用者1の視線方向を算出し、視線方向の変化にあわせて表示用画像の表示位置を変化させるように構成されている。また、表示用画像処理部41は、使用者1の要求に応じて、使用者1が視線情報に基づいて表示画像の表示領域または表示画像の使用者1に対する焦点距離を使用者1にとって最適となるものに設定した後は、使用者1が再び要求するまでの間、表示画像の表示領域または表示画像の使用者1に対する焦点距離を変更させないように構成されている。
さらに、表示用画像処理部41は、視線情報から使用者1の視線方向を算出し、視線方向に基づいて外部装置7を制御する。たとえば、表示用画像処理部41は、使用者1の視線の動きに応じた視野の中心位置の移動にあわせて、外部装置7の撮像方向を追従させるように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、視認用光入射領域4aを透過する光L2bの進行方向において視認用光入射領域4aと重なるように配置され、補正用画像を生成するための光L2aを取り込む画像取得用光入射領域を設ける。その結果、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を、位置合わせのための画像である補正用画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。また、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、使用者1が実際に視認している視野の方向と補正用画像の撮像方向とが一致していない場合と比べて、補正用画像に対する画像処理の負担を軽減することができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、補正用画像処理部33における画像処理にかかる時間を少なくすることができるため、使用者1の頭部の動きと対応した表示用画像の表示に必要な時間が短縮され、表示の即時性(リアルタイム性)を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、表示用画像処理部41を、使用者1の眼球位置Eまたは視線方向を視線情報として取得し、視線情報にも基づいて位置合わせ処理を行うように構成する。これにより、使用者1の眼球位置Eの個人差や、使用中に生じる表示装置200の装着位置のずれ、フレーム52の位置の調整によって生じる、使用者1の視野と外部画像に基づいて生成される表示用画像の表示との間のわずかなずれを補正することができる。その結果、表示用画像処理部41は、表示装置200に設定された基準位置と使用者1の眼球位置Eとの間にわずかなずれが生じても、補正によって、使用者1の視野内に外部画像に基づいて生成される表示用画像に含まれる着目部位80を正しく表示することができる。また、表示用画像処理部41は、使用者1の視線方向の変化にあわせて表示用画像の表示領域が追従するように移動させて表示させることができる。また、視線情報の取得のために使用者1に照射する光を赤外線とすることで、使用者1の眼球位置Eに不必要な可視光が入射することがなく、使用者の視野に影響を及ぼすことはない。
また、第2実施形態では、上記のように、視線情報に基づいて外部装置7の撮像方向を制御するように構成する。これにより、外部装置7による外部画像の撮像方向を使用者1の視線情報に追従するように撮像させて、外部画像の取得範囲を使用者1の視野の範囲に合わせることができる。また、使用者1が治療対象部位8から規定時間を超えて視線を外した場合に、外部装置7のX線の照射および撮像を一時的に停止させるように構成することもできる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態による表示装置300の全体構成について説明する。第3実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、表示装置100に、使用者1の眼球位置Eに到達するように視認用光入射領域4aに向かって入射する光L2bに対して、光L2bのうち特定の波長成分または偏向成分を選択的に通過させまたは遮断するフィルタ47をさらに設けた構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、第3実施形態では、特に、科学捜査に表示装置300を用いる例について説明する。
図8に示すように、第3実施形態による表示装置300は、上記第1実施形態による表示装置100の構成に加えて、フィルタ47をさらに備える。フィルタ47は、画像取得用導光部材2と表示用導光部材40の間に挟みこまれるように配置され、さらに、使用者1の眼球位置Eに到達するように視認用光入射領域4aに向かって入射する光L2bの全てがフィルタ47に入射するように構成されている。また、外部装置310は、図9に示すように、紫外線を照射する紫外線照射部311と、紫外線を照射された物体により発光される光を撮像する発光撮像部312を備える。また、外部装置310は、表示装置300と有線または無線で接続され、使用者1が手に持って使用できるように構成されている。特徴部分であるマーカ6は、捜査対象に含まれる捜査したい領域を取り囲むように配置され、本実施形態では3つで構成されている。また、マーカ6は、紫外線照射部311から照射される紫外線を吸収し、ある可視の波長域で発光するように構成する。マーカ6の数は、4つ以上で構成することもできる。マーカ6d、6eおよび6fは、識別のために互いに異なったパターンの発光部分を含むシールで構成されている。上記パターンは、図9に示すように、たとえば、マーカ6d、6eおよび6fに対して格子状のパターンを刻み、格子のそれぞれの区画に、紫外線よる発光をする部分と紫外線による発光をしない部分とを、マーカ6d、6eおよび6fで互いに異なる配置にして設けることにより構成することができる。なお、図9に示されたマーカ6のパターンは、模式的なものである。他に、捜査範囲の広さに応じて、適宜、マーカ6の数を増やす構成にすることもできる。この場合、外部装置310が有する発光撮像部312で撮像される外部画像に含まれるマーカ6と表示装置300が有する撮像素子32で撮像される補正用画像に含まれるマーカ6との間に共通するものが3つ以上あれば、上記第1実施形態と同様のプロセスで表示用画像の位置合わせ処理を行うことができる。
以下、図8および図9を元に、表示装置300の使用方法を説明する。捜査対象に残された人体の分泌する脂肪分等の有機物で構成される指紋81は、使用者1が手に持った外部装置310の有する紫外線照射部311から捜査対象に対して照射される所定の波長の紫外線を吸収し、構成される有機物に固有である特定の波長で発光する。ここで、有機物の発光する光の波長は、紫外線照射部311から照射する紫外線とは異なる紫外線波長であるとする。発光撮像部312は、指紋81の紫外線波長域での発光と、その周囲に配置されたマーカ6d、6eおよび6fの可視波長域での発光とを撮像し、外部画像として表示装置300に送出する。一方、表示装置300の有する画像取得用光入射領域2aには、指紋81の紫外線発光と、マーカ6の発光と、紫外線照射部311から照射される紫外線が物体に反射した紫外線反射光と、その他の外界光とが光L1として入射する。
光L1は、第1画像取得用反射部21で反射される光L2aと、第1画像取得用反射部21を透過する光L2bにわけられる。そして、撮像素子32は、第1実施形態と同様に、光L2aを撮像し、補正用画像を生成する。一方、フィルタ47は、使用者1の眼球位置Eに、使用者1の視野の光として到達するように入射する光L2bの所定の波長成分または偏向成分を選択的に通過させまたは遮断する。本実施形態の場合は、紫外線領域の波長成分である光を遮断する。その結果、使用者1の眼球位置Eには、紫外線領域の波長成分を含まない光のみが到達する。補正用画像に基づいて外部画像に対して位置合わせ処理を行い表示用画像とするプロセスは、第1実施形態と同様であるので省略する。
なお、フィルタ47は、短波長域にある紫外線のみを遮断し、かつ、紫外線より長波長域にある可視光では透過させるロングパスフィルタ(LPF)であるダイクロイックフィルタであり、たとえば、誘電体積層膜を含んでいる。また、フィルタ47は、使用者1が用途に応じて違う特性を有するものに差し替えられるように構成されている。また、本実施形態では、例示のために、指紋81を撮像し表示用画像として表示する構成としたが、血液痕など他の観察対象にあわせて構成することもできる。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、視認用光入射領域4aを透過する光L2bの進行方向において視認用光入射領域4aと重なるように配置され、補正用画像を生成するための光L2bを取り込む画像取得用光入射領域2aを設ける。その結果、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を、位置合わせのための画像である補正用画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。また、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、使用者1が実際に視認している視野の方向と補正用画像の撮像方向とが一致していない場合と比べて、補正用画像に対する画像処理の負担を軽減することができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、補正用画像処理部33における画像処理にかかる時間を少なくすることができるため、使用者1の頭部の動きと対応した表示用画像の表示に必要な時間が短縮され、表示の即時性(リアルタイム性)を向上させることができる。
また、第3実施形態では、上記のように、視認用光入射領域4aを透過する光L2bの進行方向において視認用光入射領域4aと重なるように配置され、使用者1の眼球位置Eに到達するように入射する光L2bのうち所定の波長成分または偏向成分を選択的に通過させまたは遮断するフィルタ47を設ける。これにより、表示装置300は、使用者1には不可視である指紋81に紫外線を照射してその発光を外部装置310で撮像し、可視の表示用画像として視野と一致した位置に表示できると同時に、外部装置310により撮像される指紋81の紫外線発光および紫外線照射部311から照射された紫外線の反射光を、使用者1の眼球位置Eに到達しないようにすることで、使用者1の眼球を適切に保護することができる。また、使用者1は、手に持った外部装置310の紫外線照射部311を観察対象にかざしながら、リアルタイムに捜査することができる。また、使用者1は、捜査対象との間の距離を保ちつつ発光撮像部312を捜査対象に近づけることができるため、紫外線の照射強度を小さくし、または、照射範囲を狭くすることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態による表示装置400の全体構成について説明する。第4実施形態では、上記第3実施形態の構成に加えて、特徴部分であるマーカ6を投影するためのマーカ投影部60をさらに設ける構成について説明する。なお、上記第1および第3実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、第4実施形態では、たとえば、科学捜査に表示装置400を用いる例について説明する。
図10に示すように、第4実施形態による表示装置400は、上記第3実施形態による表示装置300の構成に加えて、マーカ投影部60をさらに備える。また、外部装置410は、図10に示すように、紫外線を照射する紫外線照射部411と、紫外線照射された物体により発光される光およびマーカ投影部60により投影されるマーカ6を撮像する発光撮像部412を備える。また、外部装置410は、表示装置400と有線または無線で接続され、使用者1が手に持って使用できるようになっている。なお、マーカ投影部60は、特許請求の範囲の「特徴部分投影部」の一例である。
マーカ投影部60は、捜査したい領域にマーカ6を投影する。具体的には、マーカ投影部60は、色、大きさ、形状等が互いに異なり、互いに識別することができる3つの投影マーカ6g、6h、6iを投影する。投影マーカ6g〜6iは、外部画像および補正用画像に映りこむように(検出されるように)投影される。このため、マーカ投影部60は、外部装置410に、発光撮像部412の撮像方向(撮像の光軸方向)と略一致するように取り付けられている。また、投影マーカ6g〜6iは、可視光で投影される。なお、マーカ6(投影マーカ6g〜6i)は、特許請求の範囲の「特徴部分」の一例である。
指紋81は、紫外線照射部411により照射される紫外線光を吸収し、照射した紫外線とは異なる波長域において紫外線発光する。このため、使用者1は、指紋81の紫外線発光を直接視認することができない。また、補正用画像を撮像するための撮像素子32は、可視光に感度を持ち、指紋81の紫外線発光を撮像(検出)することができない。このため、図11に示すように、補正用画像内には指紋81は含まれない(撮像素子32に検出されない)。一方、外部画像を撮像するための発光撮像部412は、投影マーカ6g〜6iおよび指紋81の紫外線発光を撮像することができるように構成されている。
図11に示すように、発光撮像部412により撮像された外部画像は、外部画像に含まれる投影マーカ6g〜6iと補正用画像に含まれる投影マーカ6g〜6iとが合うように変形し、可視の表示用画像として使用者1に表示させる。すなわち、補正用画像処理部33は、補正用画像撮像部3に含まれる撮像素子32によって撮像された補正用画像から投影マーカ6g〜6iを抽出する。また、表示用画像処理部41は、投影マーカ6g〜6hおよび指紋81を含む外部画像に対して、補正用画像処理部33により抽出された投影マーカ6g〜6iとの位置合わせ処理を行い、表示用画像とする。その結果、外部画像に含まれる指紋81は、使用者1の視野と方向が一致した画像に変換されるとともに、適当な可視光に変換されて、表示用画像として使用者1に表示される。なお、指紋81は、特許請求の範囲の「着目部位」の一例である。なお、投影マーカ6g〜6hは、図10および図11に示すように、指紋81を取り囲むように投影されるのが表示精度の上では望ましいが、必ずしも指紋81を取り囲むように投影されなくてもよい。外部画像に含まれる指紋81(着目部位)は、投影マーカ6g〜6hの囲む領域よりも外側にきた場合でも、図10に示す発光撮像部412の撮像領域(一点鎖線の長方形で囲まれた領域)に含まれれば、表示用画像として変換され、使用者1に表示される。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1および第3実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態は、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記第3実施形態と同様に、視認用光入射領域4aを透過する光L2bの進行方向において視認用光入射領域4aと重なるように配置され、補正用画像を生成するための光L2bを取り込む画像取得用光入射領域2aを設ける。その結果、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を、位置合わせのための画像である補正用画像に行うことなく、外部画像に位置合わせ処理をして表示させることができる。また、使用者1が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、使用者1が実際に視認している視野の方向と補正用画像の撮像方向とが一致していない場合と比べて、補正用画像に対する画像処理の負担を軽減することができる。また、使用者が実際に視認している視野とのずれを考慮した補正を行う必要がない分、補正用画像処理部33における画像処理にかかる時間を少なくすることができるため、使用者1の頭部の動きと対応した表示用画像の表示に必要な時間が短縮され、表示の即時性(リアルタイム性)を向上させることができる。
また、第4実施形態では、上記のように、補正用画像撮像部3を、マーカ投影部60により投影される前記位置合わせ処理のためのマーカ6(特徴部分)を含む補正用画像を撮像するように構成する。また、補正用画像処理部33を、投影される特徴部分を補正用画像から抽出するように構成する。また、表示用画像処理部41を、投影されるマーカ6(特徴部分)を含む外部画像に対して、補正用画像に含まれる投影されるマーカ6(特徴部分)との位置合わせ処理を行い、表示用画像とするように構成する。これにより、特徴部分であるマーカ6(投影マーカ6g〜6i)を虚像として投影することができるため、指紋81(着目部位)の周辺に特徴部分を含む実体のある物体を置く必要がない。その結果、使用者が着目部位の周辺に物体を置く手間を省くことができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1および第3実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、使用者1の右目と左目とに対応して、画像取得用導光部材2と、表示用導光部材40と、撮像光学系31および撮像素子32と、表示光学系43および表示素子42とを一対設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、使用者1の右目または左目のいずれか一方に対応して、画像取得用導光部材2と、表示用導光部材40と、撮像光学系31および撮像素子32と、表示光学系43および表示素子42とをそれぞれ1つずつ設けてもよい。また、上記第2実施形態では、視線情報検出部9を、使用者1の右目と左目とに対応して、一対設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、視線情報検出部9を、使用者1の右目または左目のいずれか一方に対応して、1つ設けてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、補正用画像処理部33および表示用画像処理部41を、便宜的に、頭部装着部51の内部かつ使用者1の頭部上方に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、必要な機能を保てば、補正用画像処理部33および表示用画像処理部41を、頭部装着部51の外に配置し、有線または無線により撮像素子32や表示素子42などと繋いで、たとえば、使用者1の服のポケットに入るように構成してもよい。
また、上記第1〜4実施形態では、表示装置100、200、300および400を頭部に装着する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置100、200、300および400は、たとえば、使用者1が肩掛けや背負い等により装着するように構成してもよい。また、表示装置100、200、300および400は、使用者1に装着されず、床面に設置された移動可能なアームなどに取り付けられ、背面からの光の一部を画像表示領域側に透過し、背面からの光の一部を補正用画像生成のために導光部材によって取得するモニタとして構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、外部装置7としてX線画像撮像装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部装置7として、CT(Computed Tomography、コンピュータ断層撮影)画像撮像装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging、核磁気共鳴画像法)画像撮像装置、超音波診断画像撮像装置、サーモグラフィー画像撮像装置、赤外線画像撮像装置などを用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、外部装置7であるX線画像撮像装置により外部画像として2次元画像を撮像する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像素子32において、外部画像として3次元画像情報を撮像し、表示用画像処理部41において、その3次元画像情報に対して位置合わせ処理等を行った上で、着目部位80のみまたは着目部位80とマーカ6のみを抽出し、使用者1の視野に合わせた表示用画像を生成するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、特徴部分であるマーカ6を識別するための情報を、色およびX線透過率の違いとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、使用者1の移動や外部装置7と使用者1との位置関係によってマーカ6の大小関係が相互に入れ替わることによる問題が生じなければ、マーカ6を識別するための情報を、それぞれのマーカ6のサイズの違いとして構成してもよい。また、マーカ6の温度を制御し、それぞれのマーカ6から輻射される赤外線の波長分布の違いとして構成してもよい。また、それぞれのマーカ6の形状または輪郭の違いとして構成してもよい。また、マーカ6を治療対象者の体表面などに貼付するシールとして構成したが、たとえば、手術台などに固定された目印や、血管の網目構造、骨や耳などの治療対象者自身の体にある特徴的な部分として構成してもよい。また、マーカ6を、マーカ6が視認または撮像される部分の3次元的な位置の違いが識別できるような特徴を持つ立体、たとえば、模様を各面において変えた三角錐型立体形状とし、さらに、1つまたは互いに識別可能な複数の組み合わせとして構成することができる。その場合、これらマーカ6のそれぞれが有する立体的構成の特徴である情報を、表示用画像処理部41に接続されたメモリにあらかじめ記憶させておくことにより、使用者1の視認するマーカ6のいくつかの面と外部装置7の撮像するマーカ6のいくつかの面との比較から、互いに一致する面が存在しない場合でも、外部画像に対する位置合わせ処理を行うことができるように構成してもよい。また、上記第3実施形態では、特徴部分であるマーカ6を識別するための情報を、マーカ6に刻まれたパターンとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マーカ6を識別するための情報を、マーカ6に刻まれたパターン以外により構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、表示用画像処理部41を、使用者1の要求に応じて、使用者1が視線情報に基づいて表示画像の表示領域または表示画像の使用者1に対する焦点距離を使用者1にとって最適となるものに設定した後は、使用者1が再び要求するまでの間、表示画像の表示領域または表示画像の使用者1に対する焦点距離を変更させないように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示用画像処理部41を、リアルタイムまたは使用者1が入力設定可能な所定の時間間隔において、視線情報に基づいて表示画像の表示領域または表示画像の使用者1に対する焦点距離を使用者1にとって最適となるものに変更し続ける構成にしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、医療分野における治療対象者の外科手術に表示装置100および200を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、不動産販売や家具販売、内装等建築設計の分野において、ショールームの展示や家具の購入、リフォームなどにおける家具や壁紙などの配置のシミュレーションに用いてもよい。その場合、部屋に家具や壁紙を配置した場合の仮想的なシミュレーション画像を使用者1に表示するように構成してもよい。たとえば、補正用画像に含まれる特徴部分であるマーカ6を撮像素子32によって撮像される部屋に置かれた標識とし、外部画像を、外部装置7の有するメモリに記憶された家具や壁紙などの画像とし、外部画像に含まれる特徴部分であるマーカ6を、外部画像に埋め込まれた標識として構成してもよい。この標識は、たとえば、補正画像を生成するために部屋に置かれたものについては、部屋の壁面、床面や天井面に打たれた複数の記号とし、外部画像に埋め込まれたものについては、部屋の大きさと規格を合わせて外部画像に埋め込まれた部屋に打たれた上記記号と対応する複数の記号として構成してもよい。その場合、外部装置7を、家具や壁紙などの配置が使用者1の欲しいシミュレーション結果と合うように、使用者1の入力に応じて計算処理し、メモリに記憶された家具や壁紙などの画像に部屋に打たれた上記記号と対応する複数の記号を埋め込むことにより生成した外部画像を、表示用画像処理部41に送出するように構成してもよい。また、第3および第4実施形態では、科学捜査に表示装置300および400を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、表示装置300および400を検査や鑑定などに用いてもよい。
また、上記第3実施形態では、フィルタ47を、画像取得用導光部材2と表示用導光部材40との間に挟みこまれるように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、使用者の眼に入射する光の波長成分や偏向成分を目的に応じて選択的に通過させまたは遮断することができれば、他の配置としてもよい。ただし、フィルタ47の配置は、補正用画像を生成するために取り込まれる光L2aや視線情報を取得するために取り込まれる赤外線L9の取り込みに支障がないように考慮される必要がある。
また、上記第4実施形態では、マーカ投影部60は外部装置410に取り付けられ、外部装置410に含まれる発光撮像部412の撮像方向(撮像の光軸方向)と一致した方向に投影マーカ6g〜6iを投影する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マーカ投影部60は、外部装置410と別個に構成してもよい。この場合、たとえば、マーカ投影部60は、使用者1が外部装置410を持っている手とは反対の手に所持されるように構成してもよい。また、マーカ投影部60によるマーカ6の投影方向と、発光撮像部412の撮像方向とは、一致していなくてもよい。また、マーカ投影部60は、マーカ投影部60に三脚などを設けて、地面に設置するように構成してもよい。
また、上記第4実施形態では、表示装置400を科学捜査に本発明を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置400を医療分野に用いてもよい。表示装置400を医療分野に用いる場合、特許請求の範囲の「着目部位」は、指紋81の代わりに、第1実施形態と同様に、治療対象部位8に含まれる着目部位80とすることもできる。この場合、マーカ投影部60により投影される投影マーカ6g〜6iは、治療対象部位8を取り囲むように投影してもよい。
また、上記第4実施形態では、マーカ投影部60によって投影されるマーカ6(特徴部分)を可視光による互いに識別可能な3つの投影マーカ6g、6h、6iとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マーカ投影部60によって投影されるマーカ6を3つ以外の数により構成してもよい。たとえば、図12に示すように、マーカ投影部60によって投影されるマーカ6を、上下左右の位置関係がわかる台形の連続線マーカ6jによって構成してもよい。また、マーカ投影部60によって投影される上記台形の連続線を、部分的に色(投影光の波長)を変えることにより上下左右の位置関係を識別するように構成してもよい。また、マーカ投影部60によって投影されるマーカ6は、可視光以外の紫外線波長や赤外線波長によって構成してもよい。なお、外部装置410の位置および撮像方向と、マーカ投影部60の位置および投影方向との関係を固定し、あらかじめマーカ6(特徴部分)と外部画像との関係を取得しておくことにより、外部画像にマーカ6(特徴部分)が検出されない場合でも、外部画像に位置合わせ処理をすることができる。具体的には、マーカ6(特徴部分)と外部画像との関係が既知であれば、補正用画像に含まれるマーカ6(特徴部分)に基づいて外部画像をどのように変換すれば外部画像を使用者1の視野と一致させることができるかも既知である。これにより、外部画像に直接マーカ6が含まれていない場合でも、マーカ6(特徴部分)と外部画像との関係をあらかじめ定めておくことにより、外部画像に位置合わせ処理をすることができる。その結果、たとえば、外部装置410(発光撮像部412)が紫外線のみに感度を持ち可視光を検出できない構成において、投影されるマーカ6が可視光であっても、補正用画像中のマーカ6(特徴部分)に基づいて位置合わせ処理をすることができる。
1 使用者
2 画像取得用導光部材
2a 画像取得用光入射領域
3 補正用画像撮像部
4 表示部
4a 視認用光入射領域
5 装着部
6 マーカ(特徴部分)
7、310、410 外部装置
8 治療対象部位
9 視線情報検出部
21 第1画像取得用反射部
22 画像取得用導光部
23 第2画像取得用反射部
31 撮像光学系
32 撮像素子
33 補正用画像処理部
40 表示用導光部材
41 表示用画像処理部
42 表示素子
43 表示光学系
44 第1表示用反射部
46 第2表示用反射部
47 フィルタ
51 頭部装着部
52 フレーム
60 マーカ投影部(特徴部分投影部)
80 着目部位
81 指紋(着目部位)
94 赤外線光源
100、200、300、400 表示装置
E 眼球位置

Claims (8)

  1. 使用者の眼球位置に到達するように入射する光を透過させる視認用光入射領域を含み、表示用画像を表示する表示部と、
    前記表示部に表示する画像の位置合わせ処理のための特徴部分を含む補正用画像を撮像する補正用画像撮像部と、
    前記補正用画像から特徴部分を抽出する補正用画像処理部と、
    外部装置から取得した前記位置合わせ処理のための特徴部分を含む外部画像に対して、前記補正用画像処理部で抽出された前記補正用画像の前記特徴部分との前記位置合わせ処理を行い、前記表示用画像とする表示用画像処理部と、
    前記視認用光入射領域を透過する光の進行方向において前記視認用光入射領域と重なるように配置され、前記補正用画像を生成するための光を取り込む画像取得用光入射領域を含み、前記画像取得用光入射領域から取り込んだ前記補正用画像を生成するための光の一部を前記補正用画像処理部に導く画像取得用導光部材とを備える、表示装置。
  2. 前記画像取得用導光部材は、前記画像取得用光入射領域を透過する光の一部を反射し、一部を前記使用者の眼球位置に透過する第1画像取得用反射部と、前記第1画像取得用反射部で反射された前記補正用画像を生成するための光を前記補正用画像撮像部に向かって反射する第2画像取得用反射部とを含む、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記表示部は、前記視認用光入射領域を透過する光の進行方向において前記画像取得用導光部材と重なるように配置され、前記表示用画像処理部から送出される前記表示用画像を表示するための光を反射する第1表示用反射部と、前記表示用画像を表示するための前記光を前記使用者の眼球位置に向かって反射する第2表示用反射部とを有する表示用導光部材を含むように構成されている、請求項1または請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記表示用画像処理部は、前記外部装置で撮像した前記位置合わせ処理のための前記特徴部分を含み、前記特徴部分に加えて前記使用者に不可視である着目部位を含む前記外部画像に対して、前記補正用画像処理部で抽出された前記補正用画像の前記特徴部分との前記位置合わせ処理を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記表示用画像処理部は、前記使用者の眼球位置または視線方向を視線情報として取得し、前記視線情報にも基づいて前記位置合わせ処理を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記視線情報に基づいて前記外部装置の撮像方向を制御するように構成されている、請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記視認用光入射領域を透過する光の進行方向において前記視認用光入射領域と重なるように配置され、前記使用者の眼球位置に到達するように入射する光のうち所定の波長成分または偏向成分を選択的に通過させまたは遮断するフィルタをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記補正用画像撮像部は、特徴部分投影部により投影される前記位置合わせ処理のための前記特徴部分を含む前記補正用画像を撮像し、
    前記補正用画像処理部は、投影される前記特徴部分を前記補正用画像から抽出し、
    前記表示用画像処理部は、投影される前記特徴部分を含む前記外部画像に対して、前記補正用画像に含まれる投影される前記特徴部分との前記位置合わせ処理を行い、前記表示用画像とするように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
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