JP2018059832A - HbA1c測定用流路構造体およびこれを備えるHbA1c測定装置 - Google Patents

HbA1c測定用流路構造体およびこれを備えるHbA1c測定装置 Download PDF

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田口 好弘
Yoshihiro Taguchi
好弘 田口
酒井 修
Osamu Sakai
修 酒井
健一郎 鮫島
Kenichiro Samejima
健一郎 鮫島
淳子 伊藤
Junko Ito
淳子 伊藤
憲 細矢
Ken Hosoya
憲 細矢
谷川 哲也
Tetsuya Tanigawa
哲也 谷川
博義 水口
Hiroyoshi Mizuguchi
博義 水口
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Abstract

【課題】ポイント・オブ・ケア検査や血糖自己測定に用いることができる、HbA1c測定用流路構造体およびこれを備えたHbA1c測定装置を提供する。【解決手段】HbA1c測定用流路構造体100は、第1の基材101Aと第2の基材101Bとを張り合わせてなり、両基材間に、第1〜第3の流路102〜104および第1〜第3の流路102〜104のそれぞれと直接繋がる混合処理槽105が形成されている。第1および第2の流路102および103から供給された第1および第2の展開液が混合処理槽105で混合された後に第3の流路104に供給可能に構成されている。第3の流路104には多孔質シリカモノリスカラム111が内包されており、多孔質シリカモノリスカラム111の表面は、ポア(メソポア、ミクロポア、マクロポア)が存在せず、ポリマーによって表面修飾され陰イオン性を示す。【選択図】図1

Description

本発明は、ポイント・オブ・ケア検査(Point-of-Care Testing,POCT)や、血糖自己測定(Self-Monitoring of Blood Glucose,SMBG)に対応しうる血液中のグリコヘモグロビン(HbA1c)測定用流路構造体およびこれを備えるHbA1c測定装置に関する。
近年、診療・看護現場で医療スタッフが実施する簡易、迅速検査などを意味するPOCTや、医師の指導の下で糖尿病患者が自宅等で実施するSMBGによって血液中のHbA1cを測定することが求められている。
POCTに関し、特許文献1には、多孔性シリカを主成分とする多孔性シリカカラムであって、第1の性質と第1の平均細孔径とを有する第1の多孔性シリカ部と、前記第1の性質とは異なる第2の性質と第1の平均細孔径とは異なる第2の平均細孔径とを有する第2の多孔性シリカ部とを含む、多孔性シリカカラムが記載されており、その多孔性シリカカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography,HPLC)装置が示されている。
国際公開第2008/023534号
しかし、特許文献1に記載されているHbA1cの検査に用いられるHPLC装置は、分離カラムや他の要素に液体を供給する配管の構成が複雑である。このため、この構造のままでは、診察・看護の現場や患者の自宅等において、ポイント・オブ・ケア検査や血糖自己測定に用いることが困難である。
本発明は、ポイント・オブ・ケア検査や血糖自己測定に用いることができる、HbA1c測定用流路構造体およびこれを備えるHbA1c測定装置を提供することを目的とする。
本発明のHbA1c測定用流路構造体は、少なくとも第1の基材と第2の基材とを張り合わせてなり、前記第1の基材と前記第2の基材との間に、第1〜第3の流路および前記第1〜第3の流路のそれぞれと直接繋がる混合処理槽が形成されており、前記第1および第2の流路から供給された第1および第2の展開液が前記混合処理槽で混合された後に前記第3の流路に供給可能に構成されており、前記第3の流路には多孔質シリカモノリスカラムが内包されており、前記多孔質シリカモノリスカラムの表面は、ポアが存在せず、ポリマーによって表面修飾され陰イオン性を示すことを特徴とする。
第1および第2の展開液を混合し、多孔質シリカモノリスカラムを内包する第3の流路に供給可能な混合処理層を備えていることにより、HbA1c測定用流路構造体の構成を簡素化することができる。上記シリカモノリスカラムを用いることにより、分離性能が良好になる。
前記多孔質シリカモノリスカラムは、長さLが10〜14mmであり、内径Rが1.5〜2.5mmであり、体積が50mm以下であることが好ましい。
多孔質シリカモノリスカラムは、従来よりも小さいサイズとすることができるから、HbA1c測定用流路構造体の小型化に有効である。
前記流路構造体は第1および第2の展開液槽を備えており、前記第1および第2の流路のそれぞれが、前記第1および第2の展開液層にそれぞれ接続されており、前記第1および第2の展開液槽のそれぞれが、前記流路構造体の外側に設けられている第1および第2の接続部にそれぞれ連通されており、前記第1および第2の接続部から気体を注入することにより、前記第1および第2の流路に第1および第2の展開液が供給される構成としてもよい。
本発明のHbA1c測定装置は、本発明のHbA1c測定用流路構造体を備えることを特徴とする。簡素化された構成のHbA1c測定用流路構造体を用いることにより、HbA1c測定装置としても小型化することができる。
2つの展開液槽を備えたHbA1c測定用流路構造体は、HbA1cのさらなる小型化に有益である。
本発明のHbA1c測定用流路構造体は、構成が簡素であるから小型化が容易である。このため、HbA1c測定用流路構造体を用いて、ポイント・オブ・ケア検査や血糖自己測定に適したHbA1c測定用流路構造体を提供することができる。
(A)流路構造体100を平面視した場合の構造を模式的に表す図、(B)図1(A)の流路構造体100をA−A線に沿って切断し、矢印方向に見た場合の断面を模式的に表す図 (A)図1(A)の流路構造体100の変形例を平面視した場合の構造を模式的に表す図、(B)図2(A)の流路構造体100をA−A線に沿って切断し、矢印方向に見た場合の断面を模式的に表す図 流路構造体100を備える測定装置200の構造を模式的に表すブロック図 多孔質シリカモノリスカラム111の概略構成を表す斜視図 多孔質シリカモノリスカラム121の概略構成を表す斜視図 HbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置を用いて測定した、実施例1のHbA1c標準試料(M,H,HH試料)のクロマトグラム 標準試料(M,H,HH試料)のNGSP値(国際標準値)と、HbA1c測定装置の測定により得られたHbA1cの濃度との相関を示すグラフ 実施例2のグルコース添加試料のクロマトグラム (A)実施例3−1の試料のクロマトグラム、(B)実施例3−2の試料のクロマトグラム、(C)実施例3−3の試料のクロマトグラム
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材の説明については適宜省略する。
<流路構造体>
図1(A)は、本実施形態の流路構造体100を平面視した場合の構造を模式的に表す図であり、図1(B)は、図1(A)の流路構造体100をA−A線に沿って切断し、矢印方向に見た場合の断面を模式的に表す図である。
図1(B)に示すように、流路構造体100は、それぞれの接合表面に溝が形成されている第1の基材101Aと第2の基材101Bとが膜厚方向に重ねられて張り合わせられたものである。第1の基材101Aと第2の基材101Bとの間に、第1の流路102、第2の流路103および第3の流路104、ならびに第1〜第3の流路102〜104それぞれと直接繋がる混合処理槽105が形成されている。
混合処理槽105は、第1の流路102から供給される第1の展開液と、第2の流路103から供給される第2の展開液と、を混合して第3の流路104に供給する。混合処理槽105には平面視三角形の形状に沿って、展開液混合用のシリカモノリスが配置されている。この構成によって、流路構造体100の構成を簡素化しつつ、展開液の混合処理を高精度に行うことができる。
流路構造体100は、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107を備えている。第1の流路102および第2の流路103はそれぞれ、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107に接続されている。そして、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107はそれぞれ、流路構造体100の側面に設けられている第1の接続部108および第2の接続部109と連通されている。
第1の接続部108および第2の接続部109から気体を注入することにより、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107から第1の流路102および第2の流路103に、それぞれ第1の展開液および第2の展開液が供給される。第1の接続部108および第2の接続部109の圧力比率を変化させることにより、第1の展開液と第2の展開液との混合比の異なる混合液を第3の流路104に供給することができる。
第3の流路104の分離素子収納部110内には多孔質シリカモノリスカラム111が内包されている。多孔質シリカモノリスカラム111を用いることにより、カラムサイズが小さく、展開液の量が小さく、短時間での測定が可能な、サイズの小さい流路構造体100とすることができる。
分離素子収納部110の上流側には、測定対象である血液を第3の流路104内に導入する導入部112が設けられている。導入部112から導入された血液は、分離素子収納部110内の多孔質シリカモノリスカラム111によって成分が分離される。分離された血液の成分は排出部113から排出され、後述する検出部によって検出される。
第1の基材101Aおよび第2の基材101Bは、同じ合成樹脂材料で形成されている。好ましい合成樹脂材料として、耐薬品性が高く蛍光性が低い環状ポリオレフィン樹脂(シクロオレフィンポリマー;COP)が挙げられる。
図1(A)および図1(B)に示した流路構造体100は、2枚の基材(プレート)を用いて構成したものであるが、3枚以上の基材を用いて構成することもできる。
図2(A)は、図1(A)の流路構造体の変形例を平面視した場合の構造を模式的に表す図であり、図2(B)は図2(A)の流路構造体をA−A線に沿って切断し、矢印方向に見た場合の断面を模式的に表す図である。同図に示すように、流路構造体100は、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107(図1(A)参照)を備えない構成とすることもできる。この場合、第1の接続部108および第2の接続部109から第1および第2の展開液を注入することにより、第1の流路102および第2の流路103にそれぞれ第1の展開液および第2の展開液が供給される。
<測定装置>
多孔質シリカモノリスカラムを備える測定装置として本発明を実施する態様について、以下に説明する。
図3は、本実施形態に係る流路構造体を備える測定装置を表すブロック図である。同図に表すように、本実施形態に係る測定装置200は、上述した流路構造体100と、送液部120と、検出部130と、を備えている。
送液部120は、加圧した気体を送るポンプを備えており、例えば、空気などの気体を第1の接続部108および第2の接続部109に注入することにより、第1の展開液槽106および第2の展開液槽107から、第1の流路102および第2の流路103にそれぞれ第1の展開液および第2の展開液を供給する。第1の接続部108および第2の接続部109に供給する気体の比率を変化させることにより、第1の展開液と第2の展開液との混合比の異なる混合液を第3の流路104に供給する(図1(A)参照)。
流路構造体100が第1の展開液槽106および第2の展開液槽107を備えていない場合(図2(A)および図2(B)参照)、送液部120は、第1の貯液部および第2の貯液部(図示せず)から、第1の展開液および第2の展開液を吸い上げて、第1の接続部108および第2の接続部109に展開液を注入する。第1の展開液および第2の展開液の比率を変化させることで、混合比の異なる混合液が第3の流路104に供給される。
検出部130は、排出部113から排出された血液中の成分を検出する。血液は、多孔質シリカモノリスカラム111によって成分が分離された後に排出部113から排出されるから、検出部130により血液中のHbA1cを検出して定量することができる。検出部130は、分離後の成分を検出するために、例えば約250nm以上450nm以下程度の光を用いる。但し、検出に用いられる光の波長はこれに限定されない。
<多孔質シリカモノリスカラム>
上述した流路構造体100に内包されている多孔質シリカモノリスカラム111について、以下に説明する。
図4は、本実施形態の多孔質シリカモノリスカラム111の概略構成を表す斜視図である。同図に示すように多孔質シリカモノリスカラム111は、多孔質シリカモノリス11が被覆チューブ12で被覆されたものである。
多孔質シリカモノリス11は、多孔性のシリカからなる連続体であり、水溶性高分子および熱分解性化合物を含むシリカを主成分とする反応溶液を用いて相分離を伴うゾル−ゲル反応によりゲルを調製し、ゲル中の熱分解性化合物を熱分解し、乾燥し、加熱して製造することができる。
ゾル−ゲル反応において、ゲルを形成する網目成分の前駆体としては、金属アルコキシド、錯体、金属塩、有機修飾金属アルコキシド、有機架橋金属アルコキシド、およびこれらの部分加水分解生成物、部分重合生成物である多量体を用いることができる。また、水ガラスほかケイ酸塩水溶液のpHを変化させるゾル−ゲル転移を利用することもできる。
反応溶液にあらかじめ添加しておく水溶性高分子は、加水分解性の官能基を有する金属化合物によって生成するアルコールを含む反応系中に均一に溶解し得るものであれば良い。例えば、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ホルムアミド、グリセリン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類などが挙げられる。
反応溶液にあらかじめ添加しておく熱分解性化合物は、熱分解後に溶媒を塩基性にする化合物であり、例えば、尿素、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の有機アミド類が挙げられる。
熱分解性化合物は、化合物の種類にもよるが、例えば尿素の場合には、反応溶液10gに対して、0.05〜0.8g、好ましくは0.1〜0.7gの配合量とする。また、反応溶液の加熱温度は、例えば尿素の場合には40〜200℃で、加熱後の溶媒のpH値は6.0〜12.0が好ましい。また、熱分解によってシリカを溶解する性質を有する化合物を生じるフッ化水素酸等も、熱分解性化合物として利用することができる。
反応溶液の相分離を伴うゾル−ゲル反応の条件は、例えば、40〜80℃の雰囲気において0.5〜24時間とすればよい。相分離を伴うゾル−ゲル反応では、当初透明であった反応溶液が白濁してシリカ相と水相との相分離を生じる過程を経て、ゲル化する。このゾル−ゲル反応の過程において、水溶性高分子は反応溶液(ゲル)中に分散した状態にあり、沈殿を実質的に生じることはない。
多孔質シリカモノリス11は、表面にポア(メソポア、ミクロポア、マクロポア)が存在せず、かつ表面がポリマーにより陰イオン修飾されている。本実施形態において、「メソポア」とは直径2〜50nmの孔をいい、液体窒素温度での窒素ガス吸着を測定した結果、直径2〜50nmのメソ細孔が検出されないことが確認されている。また、50nm以上の孔(ミクロポア、マクロポア)も存在しないことが望ましい。
ゾル−ゲル反応により調製されたゲル中の熱分解性化合物を熱分解し、乾燥し、加熱して製造された多孔質シリカモノリス11を焼成することにより、表面のポア(メソポア、ミクロポア、マクロポア)を消失させることができる。焼成温度は、例えば600〜1200℃であり、多孔質シリカモノリス11の比表面積、メソポア細孔径および細孔容積をそれぞれ小さくし、機械的強度を大きくするためには、950〜1050℃で焼成することが好ましい。
多孔質シリカモノリス11の表面は、シランカップリング剤(スペーサー)を介して重合により結合された陰イオンポリマー(オリゴマー)により修飾されカチオン交換能を有している。
修飾されていない多孔質シリカモノリス11の表面にシランカップリング剤を導入した後、陰イオン性のイオン交換基を有するモノマーを重合することにより、陰イオンポリマーを多孔質シリカモノリス11の表面に連結する。イオン交換基を有するモノマーは、スルホ基や、カルボキシル基など、カチオン交換性を有する陰イオン性官能基を含むモノマー、例を挙げれば、メタクリル酸3−スルホプロピルカリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸メチルアクリル酸メチルであり、これら例示モノマーに限られるモノではない。シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン(トリエトキシ可)を用いることができる。
被覆チューブ12は円柱状の多孔質シリカモノリス11の側面に接して覆う円筒であり、多孔質シリカモノリスカラム111により分析する測定対象液体の流れをその内部に規定する。被覆チューブ12は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)のチューブを用いることができる。
図4では多孔質シリカモノリス11が一つの柱状体として構成されている。この場合、多孔質シリカモノリス11の内径rおよび長さlは、多孔質シリカモノリスカラム111の内径Rおよび長さLと等しくなる。
図5は、複数の多孔質シリカモノリスからなる多孔質シリカモノリスカラム121の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、多孔質シリカモノリス11は、多孔質シリカモノリス11Aと11Bによって構成されている。この場合、多孔質シリカモノリス11Aおよび11Bの長さlAおよびlBの合計が多孔質シリカモノリス11の長さLとなる。多孔質シリカモノリス11Aと11Bとは、同じ表面修飾がなされたものを組み合わせても、異なる表面修飾がなされたものを組み合わせても良い。
ただし、多孔質シリカモノリス11Aと11Bとの連結部13は、多孔質シリカモノリスカラム121の分析性能低下の原因となるため、多孔質シリカモノリス11を複数の柱状体で構成する場合、多孔質シリカモノリスカラム121の分析性能を良好にする観点から、連結部13を少なくすることが好ましい。また、分析性能を高くする観点から、図4に示した一つの柱状体からなる多孔質シリカモノリス11のほうが、同じ表面修飾がなされたものを複数組み合わせたものよりも好ましい。
図4および図5に示す多孔質シリカモノリスカラム111および121は、分析性能を良好にする観点から、内径Rが1.5〜2.5mmであることが好ましく、長さLが10〜14mmであることが好ましく、体積が50mm以下であることが好ましい。なお、多孔質シリカモノリスのマクロ構造は相分離(スピノーダル分解)により形成され、シリカ骨格とマクロポアが互いに連続し絡み合った構造を持つ。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下の条件で、本発明の多孔質シリカモノリスカラムを内包しているHbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置を用いて、以下の測定を行った。
(実施例1)
(測定条件)
多孔質シリカモノリスカラム
表面修飾:メタクリル酸3−スルホプロピルカリウムを重合したポリマー
多孔質シリカモノリスのサイズ:R2.0mm×L12mm
マクロポアサイズ:1.0μm
検出部の発光部:UV(波長415nm)
測定試料:HbA1c標準試料、JCCRM 423−10(M),(H),(HH)の凍結乾燥品を0.2mlの希釈用液(2mmol/L HEPES,0.01% 0.01%NaN(pH7.2))で溶解し、さらに同希釈液で200倍希釈したものを用いた。
試料注入量:5μL
測定温度:40℃
流動相;KO500法に記載される分離用緩衝溶液を用い、グラジエント条件は必要により適宜微修正した。具体的には、下記のX液とY液とを所定の割合で混合したA液とB液とを流動相として用いた。
A:下記のX液とY液とをX/Y=3/7の比で混合した。
B:下記のX液とY液とをX/Y=2/8の比で混合した。
X:20mM MES,20mM HEPES(pH5.2)+0.01%NaN
Y:20mM MES,20mM HEPES(pH7.0)+100mMNaCl+0.01%NaN
グラジエント条件:40%−30%B(0−3min),100%B(3−4.5min),40%B(4.5min−5.5min)
移動相の流速:0.2mL/分
(測定結果)
測定結果を図6および図7に示す。
図6は、HbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置を用いて測定した、HbA1c標準試料(M,H,HH試料)のクロマトグラムである。図7は、標準試料(M,H,HH試料)のNGSP値(国際標準値)と、HbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置で測定したHbA1cとの相関性を示すグラフである。
図6に示すように、HbA1c標準試料のHbA1c濃度が高くなるに伴って、HbA1cが検出されたことを示すクロマトグラムのピークも大きくなった。また、図7に示すように、標準試料(M,H,HH試料)のNGSP値とHbA1cのピーク面積比(ピーク全体に対する比率、%)とをプロットすると直線状になった(相関係数0.99999)。
この結果より、本発明の多孔質シリカモノリスカラムを内包しているHbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置を用いて、血液中のHbA1cを正確に測定できることが分かった。
(実施例2)
(測定条件)
多孔質シリカモノリスカラム
表面修飾:メタクリル酸3−スルホプロピルカリウムを重合したポリマー
多孔質シリカモノリスのサイズ:R2.0mm×L12mm
マクロポアサイズ:1.0μm
発光部:UV(波長415nm)
測定試料:グルコース添加試料,1002mg/dl(55.6mM)4.32(HbA1C値:KO32法測定値)
試料注入量:5μL
測定温度:40℃
流動相:KO500法に記載される分離用緩衝溶液を用い、グラジェント条件は必要により適宜微修正した。具体的には、下記のX液とY液とを所定の割合で混合したA液とB液とを流動相として用いた。
A:下記のX液とY液とをX/Y=8/2の比で混合した。
B:下記のX液とY液とをX/Y=2/8の比で混合した。
X:20mM MES,20mM HEPES(pH5.0)+0.01%NaN
Y:20mM MES,20mM HEPES(pH7.0)+100mMNaCl+0.01%NaN
グラジエント条件:Int.40%,55%(0.01min),55%(3.5min),100%(3.51min),100%(5.0min),40%(5.01min),40%(6.0min),stop(6.01min)
移動相の流速:0.2mL/分
(測定結果)
図8は、HbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置を用いて測定した、実施例2のグルコース添加試料のクロマトグラムである。同図に示すように、本発明のHbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置によって、HbA1cの安定型と不安定型のA1cを分離できることが分かった。
(実施例3)
以下の実施例3−1〜3−3に共通な測定条件を説明した後、実施例ごとに相違する測定条件について説明する。
(測定条件)
多孔質シリカモノリスカラム
表面修飾:メタクリル酸3−スルホプロピルカリウムを重合したポリマー
多孔質シリカモノリスのサイズ:R2.0mm×L12mm
マクロポアサイズ:1.0μm
発光部:UV(波長415nm)
測定試料:HbA1c標準試料、JCCRM 423−10(H)
試料注入量:5μL
測定温度:40℃
流動相:X:20mM MES,20mM HEPES(pH5.2)+0.01%NaN
Y:20mM MES,20mM HEPES(pH7.0)+400mMNaCl+0.01%NaN
(実施例3−1:分析時間0.5分間)
負荷圧:4.4MPa
グラジエント条件:20%−22%B(0−0.02min),34−35%B(0.02−0.3min),35−80%B(0.3−0.35min)
移動相の流速:0.9mL/分
(実施例3−2:分析時間1分間)
負荷圧:2.9MPa
グラジエント条件:20%−22%B(0−0.1min),30−32%B(0.1−0.8min),32−80%B(0.8−0.9min)
移動相の流速:0.6mL/分
(実施例3−3:分析時間2分間)
負荷圧:1.4MPa
グラジエント条件:20%−28%B(0−0.1min),30−32%B(0.1−1.5min),32−80%B(1.5−1.8min)
移動相の流速:0.3mL/分
(測定結果)
実施例3−1〜3−3の測定結果を、図9(A)〜図9(C)に示す。図9(A)〜図9(C)に示すように、本発明のHbA1c測定用流路構造体およびHbA1c測定装置により、HbA1cを短時間で測定することができた。
なお、図9(A)〜図9(C)では、デッドボリュームによって開始時間にずれが生じている。例えば、実験(3−1)はグラジエント(分離)時間が0.35分間(18秒)であるが、図9(A)では、0.8分間付近で分離終了となっている。
11、11A、11B 多孔質シリカモノリス
12 被覆チューブ
13 連結部
R:多孔質シリカモノリスカラムの内径
L:多孔質シリカモノリスカラムの長さ
r、rA、rB:多孔質シリカモノリスの内径
l、lA、lB:多孔質シリカモノリスの長さ
100 流路構造体
101A、101B 第1の基材、第2の基材
102 第1の流路
103 第2の流路
104 第3の流路
105 混合処理槽
106 第1の展開液槽
107 第2の展開液槽
108 第1の接続部
109 第2の接続部
110 分離素子収納部
111、121 多孔質シリカモノリスカラム
112 導入部
113 排出部
120 送液部
130 検出部
200 測定装置
本発明に係る流路構造体は、多孔質シリカモノリスカラムを内包しているから、少量の展開液を用いて短時間でHbA1cを測定でき、かつサイズを小さくすることができる、このため、HbA1cを測定対象とするPOCTやSMBG用の測定装置に組み込まれる流路構造体として好適である。

Claims (5)

  1. 少なくとも第1の基材と第2の基材とを張り合わせてなり、
    前記第1の基材と前記第2の基材との間に、第1〜第3の流路および前記第1〜第3の流路のそれぞれと直接繋がる混合処理槽が形成されており、
    前記第1および第2の流路から供給された第1および第2の展開液が前記混合処理槽で混合された後に前記第3の流路に供給可能に構成されており、
    前記第3の流路には多孔質シリカモノリスカラムが内包されており、
    前記多孔質シリカモノリスカラムの表面は、ポアが存在せず、ポリマーによって表面修飾され陰イオン性を示すことを特徴とするHbA1c測定用流路構造体。
  2. 前記多孔質シリカモノリスカラムは、長さLが10〜14mmであり、内径Rが1.5〜2.5mmである請求項1に記載のHbA1c測定用流路構造体。
  3. 前記多孔質シリカモノリスの体積は50mm以下である、請求項1または2に記載の流路構造体。
  4. 前記流路構造体は第1および第2の展開液槽を備えており、
    前記第1および第2の流路のそれぞれが、前記第1および第2の展開液層にそれぞれ接続されており、
    前記第1および第2の展開液槽のそれぞれが、前記流路構造体の外側に設けられている第1および第2の接続部にそれぞれ連通されており、
    前記第1および第2の接続部から気体を注入することにより、前記第1および第2の流路に第1および第2の展開液が供給される、
    請求項1、2または3のいずか1項に記載のHbA1c測定用流路構造体。
  5. 請求項1〜4のいずか1項に記載のHbA1c測定用流路構造体を備えることを特徴とするHbA1c測定装置。
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