JP2018057828A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
被検眼の網膜および硝子体を含む断層画像を取得する取得手段と、
前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁を、前記断層画像の輝度値に基づいて検出する検出手段と、を有する。
以下、図面を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムは、断層画像から硝子体を検出することを特徴としている。以下、本実施形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムと、眼の構造ならびに画像処理システムで取得する眼の画像について、詳細を説明する。なお、図3は、画像処理システムで取得する眼の構造と画像を示す図である。図3(a)に眼球の模式図を示す。図3(a)において、Cは角膜、CLは水晶体、Vは硝子体、Mは黄斑部(黄斑の中心部は中心窩を表す)、Dは視神経乳頭部を表す。本実施形態に係る断層画像撮影装置200は、主に、硝子体、黄斑部、視神経乳頭部を含む網膜の後極部を撮影する場合について説明を行う。なお、断層画像撮影装置200は、角膜、水晶体の前眼部を撮影することも可能である。
ステップS201では、不図示の被検眼情報取得部が、被検眼を同定する情報として被検者識別番号を外部から取得する。そして、被検者識別番号に基づいて、外部記憶部500が保持している当該被検眼に関する情報を取得して記憶部302に記憶する。
ステップS202では、断層画像撮影装置200が、被検眼をスキャンして撮影を行う。被検眼のスキャンは、操作者が非図示のスキャン開始を選択すると、断層画像撮影装置200は、駆動制御部202を制御し、ガルバノミラー201を動作させて断層画像のスキャンを行う。ガルバノミラー201は、水平方向用のXスキャナと垂直方向用のYスキャナで構成される。そのため、これらのスキャナの向きをそれぞれ変更すると、装置座標系における水平方向(X)、垂直方向(Y)それぞれの方向に走査することが出来る。そして、これらのスキャナの向きを同時に変更させることで、水平方向と垂直方向とを合成した方向に走査することが出来るため、眼底平面上の任意の方向に走査することが可能となる。
ステップS203では、断層画像生成部311が、断層画像の生成を行う。断層画像生成部311は、それぞれの干渉信号に対して、一般的な再構成処理を行うことで、断層画像を生成する。まず、断層画像生成部311は、干渉信号から固定パターンノイズ除去を行う。固定パターンノイズ除去は検出した複数のAスキャン信号を平均することで固定パターンノイズを抽出し、これを入力した干渉信号から減算することで行われる。次に、断層画像生成部311は、有限区間でフーリエ変換した場合にトレードオフの関係となる深さ分解能とダイナミックレンジを最適化するために、所望の窓関数処理を行う。次に、FFT処理を行う事によって断層信号を生成する。
ステップS204では、位置合わせ部331が、ステップS203で生成した一つのライン上を繰り返し複数枚撮影した断層画像の位置合わせを行う。位置合わせ処理としては、例えば、2つの断層画像の類似度を表す評価関数を事前に定義しておき、この評価関数の値が最も良くなるように断層画像を変形する。評価関数としては、画素値で評価する方法が挙げられる(例えば、相関係数を用いて評価を行う方法が挙げられる)。ここで、類似度を表す評価関数として相関係数を用いた場合の式を数1に示す。
ステップS205では、検出部332が、硝子体の検出を行う。検出部332の処理について、図2(b)のフローチャートと図4、図5を用いて説明をする。
ステップS251では、ステップS203からS204で生成した断層画像に対して、検出部332が、コントラスト強調を行う。断層画像において、硝子体は網膜と比較すると輝度値が低い。そのため、本処理においては、硝子体領域を強調するために低輝度の輝度値を高くする処理を行う。これについて図4を用いて説明をする。図4(a)に断層画像の輝度ヒストグラム(図において実線で示す領域H)と、コントラスト強調のためのWindow Width(WW)とWindow Level(WL)を示す。横軸は輝度値(Iin)、縦軸は出力画像の輝度値(Iout)と、輝度ヒストグラムの頻度とを表す。なお、WWはコントラスト強調を行うための輝度値の範囲、WLはコントラスト強調する範囲の中心輝度値となる。図4(a)に示すような低輝度の輝度値を高くする処理を行った後のヒストグラムの例を図4(b)に示す。図4(b)において、横軸は輝度値(I)と、縦軸は輝度ヒストグラムの頻度を表す。図4(b)に示すように低輝度の輝度値が高くなる。この処理により硝子体領域の輝度が強調され、網膜領域の輝度値はもともと高いため、全体的に高い値となる。なお、図4ではコントラスト強調のための変換曲線を直線で示したがこれに限らない。ガンマ曲線、シグモイド曲線など他の変換曲線を用いてもよい。
ステップS252では、検出部332が、低輝度領域をコントラスト強調した断層画像に対してノイズ除去を行う。ノイズ除去としては、例えばメディアンフィルタやガウシアンフィルタなどを用いる。検出部332は、ノイズ除去に用いるフィルタのサイズをノイズ量に応じて変更するようにしてもよい。その場合、ノイズ量は、網膜や硝子体が存在しない領域として、脈絡膜L6よりも下の領域に任意のサイズの矩形領域を設定し、矩形領域の中の輝度値の分散や標準偏差を評価することで、ノイズを評価する。この場合、分散や標準偏差の数値が大きいほどノイズが多いと推定できる。あるいは、ステップS204で加算平均化した断層画像の枚数によって決めてもよい。この場合、加算平均化した枚数が少ないとノイズが多く、枚数が多いとノイズが少ないと推定できる。そして、ノイズが多い場合にはフィルタサイズを大きくし、ノイズが少ない場合にはフィルタサイズを小さくする。これにより、ノイズ除去による画像のボケを少なくし、ノイズが多い場合にはノイズを除去する事が出来る。また、フィルタサイズの上限値は、1ピクセルあたりの物理サイズによって決めることが望ましい。例えば、1mmの範囲をAスキャン100本で撮影した場合と、50本で撮影した場合とでは、画像のピクセルに相当する画像範囲が異なってしまう。すなわち、X方向のノイズ除去フィルタのパラメータを10と設定した場合に、1ピクセルあたりの物理サイズは100本で撮影した方は0.1mm相当だが、50本で撮影した方は0.2mm相当となるため、同程度の範囲でノイズ除去を行うようにパラメータを調整する。なお、ステップS251とステップS252の処理の順番は逆でもよい。
ステップS253では、検出部332が、二値化をする。二値化の方法として、装置特性からコントラスト強調後の硝子体の輝度値の範囲が分かっている場合は固定閾値でもよい。あるいは、p‐tileや判別分析法など、動的に閾値を決定してもよい。二値化により、硝子体と網膜領域とを検出する。
ステップS254では、検出部332が、モルフォロジー処理を行う。二値化処理により硝子体領域の一部輝度が低い個所に穴が空くことや、一部に局所的なノイズが残ることがある。それらを統合、あるいは除去するためにこの処理を行う。モルフォロジーは、領域を拡張させるDilationと、収縮させるErosionを組み合わせて使用する。これらの処理の組み合わせはErosion後にDilationを実行する事をOpening、Dilation後にErosionを実行する事をClosingとも呼ぶ。この処理により、ステップS253で二値化した硝子体と網膜領域との穴埋めとノイズの除去とを行う。
ステップS255では、検出部332が、硝子体境界を検出する。硝子体境界の検出は、二値化した画像において、二値化した領域に対して境界線追跡処理を行うことで、領域の境界線を求める。それにより図5(b)の太い実線で示すように領域の境界線を検出することが出来る。
ステップS256では、検出部332が、硝子体の剥離領域(後部硝子体ポケット)を検出する。硝子体の剥離領域Sは、図5(c)で示す硝子体Vと境界線L1とで規定される斜線領域となる。すなわち、硝子体の剥離領域Sは、断層画像における網膜に関する領域よりも硝子体側の領域内の硝子体の外縁(境界)と、網膜の表層とで規定される複数の領域のうち輝度値が低い方の領域である。なお、硝子体剥離が発生していない場合には、剥離領域Sは検出されない。
ステップS206では、算出部333が、硝子体領域の定量化を行う。硝子体領域の定量化として、硝子体の剥離領域Sの定量化を行う。定量化としては、剥離領域Sの厚み、幅、面積、体積などを求める。剥離領域Sの厚みは、xz平面上の各座標点で、硝子体境界線と網膜境界線とのz座標の差を求めることで画素数を求め、z方向の画素数とz方向のピクセル解像度[μm]とを掛けることで算出出来る。剥離領域Sの幅は、剥離領域Sの最小x座標と最大x座標との差を求めることで画素数を求め、x方向の画素数とx方向のピクセル解像度[μm]とを掛けることで算出出来る。このような計算と同様に、面積や体積を計算する事が出来る。また、剥離領域Sの体積を求める場合は、撮影時のスキャンパターンによって計算方法が異なる。ラスタスキャンで撮影している場合には、各断層画像で求めた面積をy軸方向に加算することで計算出来る。放射状スキャンの場合は、円周方向に補正をして計算をする。クロススキャンの場合には、体積計算は行わない。ここでは、剥離領域Sを例に説明したが、硝子体Vの厚み、幅、面積、体積なども同様にして求めることが出来る。
ステップS207では、表示制御部305が、解析結果を表示部600に表示させる。図7は、本実施形態において、ラスタスキャンで3次元的に取得したデータに対し、硝子体剥離領域を解析した結果を表示部600に表示する画面の一例を示している。図7において、710は断層画像観察画面、711は断層画像、712は眼底画像、713は撮影位置とそのスキャンパターンマーク、714は硝子体剥離領域を眼底画像に重畳表示したもの、715は硝子体剥離領域の厚みをカラーで表示した場合に、どの色が何μmに相当するかを示すためのカラーバー、716は硝子体剥離領域の厚みグラフ、717は硝子体剥離領域を定量化した指標を示す。断層画像711はラスタスキャンで撮影されている場合、少なくとも3枚以上の断層画像で構成される3次元データであるため、断層画像711は他の位置を撮影した断層画像に切り替えて表示することが出来る。厚みグラフ716と、指標717の硝子体剥離領域の厚み、幅、面積は1枚の断層画像から求まる数値である。そのため、断層画像観察画面710に表示する断層画像711を切り替えて表示する場合、グラフ716と指標717も連動して対応する数値を表示することが望ましい。しかし、指標717に関しては、全断層画像の最大値、最小値、平均値、中央値などの代表値を表示する場合には、断層画像711の変更に連動して数値を変更する必要はない。また、剥離領域の厚みは網膜層境界と剥離領域との距離で定義するが、網膜から黄斑部など網膜の特徴部位を検出し、その特徴部位との距離を表示するなどしてもよい。
ステップS208において、不図示の指示取得部が、画像処理システム100による断層画像の撮影を終了するか否かの指示を外部から取得する。この指示は、入力部700を用いて、操作者によって入力される。処理を終了する指示を取得した場合には、画像処理システム100はその処理を終了する。一方、処理を終了せずに、撮影を続ける場合には、ステップS202に処理を戻して撮影を続行する。以上によって、画像処理システム100の処理が行われる。
第1の実施形態では、硝子体の構造全体を検出し、硝子体構造を定量的に求めるものであったが、本実施形態では、硝子体内部の線維構造(あるいは、線状構造、ひだ状構造とも言う)を検出し定量化することを特徴とする。なお、第1の実施形態と同様の機能を有するものに関しては、ここでは説明を省略する。本実施形態において画像処理部803の第二の検出部832、第二の算出部833が異なり、処理フローにおいては図9のステップS905の検出とステップS906の定量化、ステップS907の表示が異なる。以下、本実施形態の処理について図8から図13を用いて説明を行う。
ステップS905では、第二の検出部832が、硝子体内部の線維構造の検出を行う。第二の検出部832の処理について、図9(b)のフローチャートと図10と図11を用いて説明をする。
ステップS951では、ステップS203からS204で生成した断層画像に対して、第二の検出部832が、コントラスト強調を行う。なお、本処理はステップS251と同じ処理を行う。
ステップS952では、第二の検出部832は低輝度領域をコントラスト強調した断層画像に対してノイズ除去を行う。なお、本処理はステップS252と同じ処理を行う。第1の実施形態と同様にステップS951とステップS952の処理の順番は逆でもよい。
ステップS953では、第二の検出部832が、線維構造強調処理を行う。線維構造強調処理としては、例えばヘッセ行列の固有値に基づく線維構造強調フィルタを用いる。これは、ヘッセ行列の3つの固有値(λ1、λ2、λ3)の関係に基づいて、3次元輝度分布の二次局所構造を強調することが出来る。ヘッセ行列は数2で与えられる。ヘッセ行列は、多変数関数の2階偏導関数全体が作る正方行列である。Iは画像の輝度値である。数3にヘッセ行列の固有値の関係を示し、数4に線維状構造を強調するための固有値の条件式を示す。
これらで求めた3つの固有値から、以下の数5を求めることで、硝子体の線維状構造を強調することが出来る。ここで、数5におけるω(λs;λt)は重み関数であり、それを数6に示す。数6におけるγとαは重みである。
ステップS954では、第二の検出部832が、二値化をする。二値化の方法として、装置特性から線維構造強調後の硝子体の線維構造の輝度値の範囲が分かっている場合は固定閾値でもよい。あるいは、p‐tileや判別分析法など、動的に閾値を決定してもよい。閾値の設定としては、画像全体に対して一つの閾値を設定するのではなく、局所的な領域(矩形や円形領域)を設定して、局所領域毎に平均値や中央値等を用いて設定してもよい。
ステップS955では、第二の検出部832が、細線化をする。細線化では、図形の連結性を保持して幅1画素の中心線を抽出する処理をする。細線化の方法としては、Hilditchの方法や田村の方法等を用いる。図11に硝子体の線維構造を細線化した後の画像の一例を示す。図の1101は、図10(b)の2値化画像における線維構造1002を細線化したものを示している。
ステップS956では、第二の検出部832が、線維構造を検出する。線維構造の検出では、ステップS955までで求めた線維構造に関して、0は背景で255は線維とするマスク画像としてデータを保存する。あるいは、ラベリング処理を行い、線維構造1101のそれぞれにラベル付けを行う。ラベリング処理により連結する線維構造には同じラベルが割り当てられ、異なる連結成分には異なるラベルが割り当てられる。なお、ステップS951からS956までで求めた線維構造検出は、断層画像全体を対象にするのではなく、第1の実施形態で示したように硝子体Vの領域を検出してから、その領域だけに上記の処理を実施するようにしてもよい。
ステップS906では、第二の算出部833が、硝子体線維構造の定量化を行う。定量化としては、線維構造の本数、占有率、線維密度などを求める。本数を求める場合、ステップS956のラベリング処理により、何本の線維構造が存在するかを求めることが出来る。その際に、短い線維構造(例えば、数ピクセルの線)はノイズの可能性もあるため、本数のカウントから除外する。
ステップS907では、表示制御部305が、解析結果を表示部600に表示する。図13は本実施形態において、ラスタスキャンで3次元的に取得したデータに対し、硝子体の線維構造領域を解析した結果を表示部600に表示する画面の一例を示している。図13において、710は断層画像観察画面、1311は断層画像、1312は眼底画像、713は撮影位置とそのスキャンパターンマーク、1314は線維構造の本数をカラーマップとして眼底画像に重畳表示したもの、1315は線維構造の本数をカラーマップにおいてどの色が何本に相当するかを示すためのカラーバー、1316は線維構造の本数グラフ、717は線維構造領域を定量化した指標を示す。
上記第1、2の実施形態では、硝子体の構造全体、硝子体内部の線維構造を検出し、定量的に求めるものであったが、本実施形態では、これらの定量結果を比較表示する事を特徴とする。なお、上記第1、2の実施形態と同様の機能を有するものに関しては、ここでは説明を省略する。本実施形態において画像処理部1403の選択部1431、差分検出部1432が異なり、処理フローにおいては図15のステップS1505の検出からステップS1509が異なる。以下、本実施形態の処理について図14から図17を用いて説明を行う。
ステップS1505では、第1、2の実施形態で示したように硝子体の構造全体や、硝子体内部の線維構造を検出する。
ステップS1506では、硝子体の構造全体や、硝子体内部の線維構造を定量化する。なお、本実施形態においては、硝子体構造の剥離を定量化して比較表示を行う場合について説明を行う。
ステップS1507では、操作者が不図示の比較表示選択のユーザーインターフェイスを選択した場合、ステップS1508に処理を進める。比較表示選択のユーザーインターフェイスを選択しない場合は、ステップS1509に処理を進める。なお、ステップS1509における表示は、第1、2の実施形態で示した表示と同様であるため本実施形態においては説明を省略する。
ステップS1508では、比較表示を行う。なお、比較表示としては、任意の選択データ同士の選択比較と、同一被検眼に対して異なる時間に撮影された時系列データの比較(経過観察)と、同一被検者の左右眼の比較を行う左右眼比較と、標準データベースとの比較を行うデータベース比較がある。ここで、標準データベースとは、多数眼のデータから作成される統計的な値をもつデータであり、人種別、年齢別のデータを統合して作成されるものである。なお、眼科の分野においては、左右眼別、眼軸長別など、眼特有のパラメータで分類されていてもよい。標準データベースは、正常データの95%範囲を正常、4%範囲をボーダーライン、残り1%範囲を異常などと設定しておく。これら比較表示について図15(b)のフローを用いて説明をする。
ステップS1581では、経過観察を行うための基準データを取得する。経過観察の基準データは、例えば、ステップS1506までの定量化を行い、ステップS1507で比較表示選択のユーザーインターフェイスを選択する際に選択されているデータを基準データとする。
ステップS1582では、選択部1431は基準画像に対して比較可能なデータの選択を行う。選択比較や経過観察におけるデータ選択は、同一患者、同一眼、同じスキャンモード、同じ撮影範囲のデータ選択を可能とする。例えば、基準画像に選択したデータが、患者ID:00001、右眼、ラスタスキャン、10mm範囲を撮影したデータであった場合、選択部1431はこれらの条件を満たすデータを選択する。そして、比較可能なデータ一覧を表示部600に表示する。操作者は表示されたデータ一覧の中から任意のデータを選択する。また、左右眼比較の場合には、基準画像とは異なる眼で、同一患者、同じスキャンモード、同じ撮影範囲のデータ選択を可能とする。そして、比較可能なデータ一覧を表示部600に表示する。また、データベース比較の場合には、同一患者、同一眼、同じスキャンモード、同じ撮影範囲で作成されているデータベースを選択する。データベース比較においては、操作者にデータベース一覧を表示することなく、基準に合うものを自動的に選択する。
ステップS1583では、差分検出部1432が、ステップS1581で選択した基準画像とステップS1582で選択した比較画像との差分を検出する。選択比較や経過観察の場合には、差分検出部1432は基準画像と比較画像との差を検出するために基準画像と比較画像との位置合わせを行う。位置合わせには、眼底画像撮影装置400で撮影した眼底画像を用いる。位置合わせの方法は、画像の類似度に基づいて位置を合わせるか、画像から血管のような特徴点を検出し、その特徴点を用いて位置合わせが出来る。ラスタスキャンで断層画像を撮影している場合には、位置合わせ用の画像に断層画像を用いることも出来る。断層画像を用いる場合、断層画像の各Aスキャンにおいて、Z軸方向(深さ方向)に加算平均を行うことで擬似的な眼底画像を生成する。そして、その擬似眼底画像を用いて位置合わせを行う。基準画像と比較画像との位置合わせ後、差分を見たいデータの差分を検出する。
ステップS1584では、表示制御部305は比較表示用の画面を表示部600に表示する。これについて図17を用いて説明をする。図17は、選択比較において、硝子体剥離の比較を行う画面の一例を示している。図17において、710は断層画像観察画面であり、基準画像(1601から1604)、比較画像(1611から1614)、差分マップ1624、撮影位置とそのスキャンパターンマーク(1705と1715)、マップのカラーバー1701、硝子体剥離領域を定量化した指標1702を示す。指標1702は、基準画像の定量化値、比較画像の定量化値、それらの定量化値の差分を表示する。
本実施形態において、硝子体検出用にコントラスト強調を行う例を示した。しかし、コントラスト強調はこれに限らない。検出のためではなく表示のためにコントラスト強調を行っても良い。画像表示のためのコントラスト強調は画像全体に対して同じパラメータで処理しても良いし、領域毎に異なるパラメータで処理をしても良いし、複数の領域を一つの領域として異なるパラメータで処理をしても良い。ここで、領域というのは、硝子体領域、硝子体の剥離領域、網膜領域、網膜深層領域の事を意味する。なお、硝子体領域とは、断層画像における網膜に関する領域よりも硝子体側の領域内の硝子体の外縁(境界)と、網膜の表層とで規定される複数の領域のうち輝度値が高い方の領域である。また、硝子体の剥離領域とは、断層画像における網膜に関する領域よりも硝子体側の領域内の硝子体の外縁(境界)と、網膜の表層とで規定される複数の領域のうち輝度値が低い方の領域である。
上記のそれぞれの実施形態は、本発明を画像処理装置として実現したものである。しかしながら、本発明の実施形態は画像処理装置のみに限定されるものではない。本発明をコンピュータ上で動作するソフトウェアとして実現することも可能である。画像処理装置のCPUは、RAMやROMに格納されたコンピュータプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行う。また、画像処理装置の各部に対応するソフトウェアの実行を制御して、各部の機能を実現する。また、ボタンなどのユーザーインターフェイスや表示のレイアウトは上記で示したものに限定されるものではない。
Claims (19)
- 被検眼の網膜および硝子体を含む断層画像を取得する取得手段と、
前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁を、前記断層画像の輝度値に基づいて検出する検出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記検出手段は、前記検出された外縁と前記網膜の表層とで規定される領域を、前記断層画像の輝度値に基づいて検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記規定される領域に関する値を算出する算出手段と、
前記算出された値を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 被検眼の網膜および硝子体を含む断層画像を取得する取得手段と、
前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁と前記網膜の表層とで規定される領域に関する値を算出する算出手段と、
前記算出された値を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記規定される領域に関する値は、前記規定される領域の厚み、幅、面積、体積の少なくとも1つの値であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
- 前記網膜の表層を抽出する抽出手段と、
前記検出された外縁と前記抽出された表層とで規定される複数の領域のうち輝度値が高い方の領域である前記硝子体に関する領域における複数の線状構造を、前記硝子体に関する領域の輝度値に基づいて特定する特定手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記硝子体に関する領域の一部を指定する指定手段を更に有し、
前記特定手段は、前記指定された一部の領域における前記複数の線状構造を、前記指定された一部の領域の輝度値に基づいて特定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記複数の線状構造に関する値を算出する算出手段と、
前記算出された値を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に有することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置。 - 前記算出手段は、前記規定される領域における複数の線状構造に関する値を算出することを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
- 前記複数の線状構造に関する値は、前記複数の線状構造の本数、占有率、密度の少なくとも1つの値であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。
- 異なる時間に同一被検眼を撮影して得た複数の断層画像を用いて前記算出された値の差分を検出する差分検出手段を更に有することを特徴とする請求項3乃至5、8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 異なる時間に同一被検者の左右眼それぞれを撮影して得た複数の断層画像を用いて前記算出された値の差分を検出する差分検出手段を更に有することを特徴とする請求項3乃至5、8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記算出された値と硝子体に関する統計的な値との差分を検出する差分検出手段を更に有することを特徴とする請求項3乃至5、8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁と前記網膜の表層とで規定される複数の領域のうち輝度値が高い方の領域の輝度値が、前記網膜に関する領域の輝度値が強調される処理よりも強調されるように、前記規定される複数の領域のうち輝度値が高い側の領域の輝度値を強調する処理手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記硝子体の外縁とは、前記硝子体と後部硝子体ポケットとの境界のことであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 測定光を照射した被検眼からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを合波して得た光を受ける受光手段を有する断層画像撮影装置と通信可能に接続され、
前記取得手段は、前記受光手段の受光結果に基づいて前記断層画像を取得することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
- 被検眼の網膜および硝子体を含む断層画像を処理する画像処理方法であって、
前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁を、前記断層画像の輝度値に基づいて検出する検出工程を有することを特徴とする画像処理方法。 - 被検眼の網膜および硝子体を含む断層画像を処理する画像処理方法であって、
前記断層画像における前記網膜に関する領域よりも前記硝子体側の領域内の前記硝子体の外縁と前記網膜の表層とで規定される領域に関する値を算出する算出工程と、
前記算出された値を示す情報を表示手段に表示させる表示制御工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
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