JP2018057333A - 処理キット、処理方法、cDNAの合成方法及び処理装置 - Google Patents

処理キット、処理方法、cDNAの合成方法及び処理装置 Download PDF

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侑希 米川
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Sachie Suzuki
幸栄 鈴木
浩子 大倉
Hiroko Okura
浩子 大倉
賢 和泉
Ken Izumi
賢 和泉
匡貴 毛利
Masataka Mori
匡貴 毛利
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Nobuyuki Kurosawa
信幸 黒澤
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Masaharu Isobe
正治 磯部
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Abstract

【課題】磁性体粒子に固定化されているmRNAから磁性体粒子に固定化されているcDNAを自動で合成する場合に、磁性体粒子に固定化されているcDNAの回収率を向上させることが可能な処理キットを提供する。
【解決手段】処理キットは、磁性体粒子と、磁性体粒子に固定されている物質の処理に用いられる治具10を有する。治具10は、基板11の一方の表面に、突起状囲い12により、磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴L0又は水を含む処理液滴L1〜L7を保持する液滴保持面13が形成されており、液滴保持面13に、複数の突起状囲い12が整列して設けられている。液滴保持面13は、水に対する接触角が90〜150°の範囲である。液滴保持面13の表面粗さをRa[μm]、磁性体粒子のメジアン径をD50[μm]とすると、式
Ra/D50<0.3
を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理キット、処理方法、cDNAの合成方法及び処理装置に関する。
一般に、cDNA合成、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の遺伝子関係の反応においては、複数種類の反応が小容量で並列的に実施されることが多い。その場合、例えば、96穴、384穴等のマイクロウェルアレイの各ウェルに反応液あるいは洗浄液を入れ、反応あるいは洗浄が終了したら、ピペットにより反応液あるいは洗浄液を次のウェルに移動させ、次の処理に供するのが一般的である。このような処理がルーチンで実施される場合、ロボットを使用して自動化される場合がある。
しかしながら、ロボットを使用する場合でも、反応液あるいは洗浄液を移動させる際に使用したピペットは、その都度、洗浄又は交換して、次の処理に使用する必要があり、操作は非常に煩雑であった。
そこで、ピペットを使用する代わりに、処理毎に液滴を移動させる器具を使用して、洗浄又は交換することなく、複数種類の反応や洗浄の操作を並列的に実施する方法も知られている。
特許文献1には、基板の一方の表面に複数の突起状囲いが、整列して設けられており、突起状囲いは、少なくとも1つの切欠き部を有し、かつ内部には液滴を保持できる空間を有し、かつ基板表面の少なくとも液滴を保持する面は、純水に対する接触角が90〜150°の範囲である反応治具が開示されている。また、特許文献1には、このような反応治具であって、1つの縦列に、少なくとも2つの突起状囲いが設けられた反応治具を用い、2つの突起状囲いの液滴保持用空間には、表面張力低下試薬を含有する細胞溶解用溶液、及びcDNA合成用溶液の液滴をこの順にそれぞれ保持し、磁気ビーズに固定化したmRNAを、2つの突起状囲いの液滴保持用空間に保持された溶液に、順次、基板の突起状囲いを有する表面とは反対側の表面から磁石を用いて、移動させ、磁気ビーズに固定化したcDNAを得ることを含む、cDNAの合成方法が開示されている。
しかしながら、磁気ビーズに固定化したmRNAから磁気ビーズに固定化したcDNAを自動で合成する場合に、磁気ビーズに固定化したcDNAの回収率をさらに向上させることが望まれている。
本発明は、磁性体粒子に固定化されているmRNAから磁性体粒子に固定化されているcDNAを自動で合成する場合に、磁性体粒子に固定化されているcDNAの回収率を向上させることが可能な処理キット及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、磁性体粒子と、該磁性体粒子に固定されている物質の処理に用いられる治具を有する処理キットであって、前記治具は、基板の一方の表面に、突起状囲いにより、前記磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴又は水を含む処理液滴を保持する液滴保持面が形成されており、前記液滴保持面に、複数の前記突起状囲いが整列して設けられており、前記液滴保持面は、水に対する接触角が90〜150°の範囲であり、前記液滴保持面の表面粗さをRa[μm]、前記磁性体粒子のメジアン径をD50[μm]とすると、式
Ra/D50<0.3
を満たす。
本発明の別の態様は、磁性体粒子に固定されている物質を処理する装置であって、治具及び磁場印加手段を有し、前記治具は、基板の一方の表面に、突起状囲いにより、前記磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴又は水を含む処理液滴を保持する液滴保持面が形成されており、前記液滴保持面に、複数の前記突起状囲いが整列して設けられており、前記液滴保持面は、水に対する接触角が90〜150°の範囲であり、前記液滴保持面の表面粗さをRa[μm]、前記磁性体粒子のメジアン径をD50[μm]とすると、式
Ra/D50<0.3
を満たし、前記磁場印加手段は、前記基板の前記液滴保持面が形成されている側とは反対側から磁場を印加して、前記磁性体粒子に固定されている物質を前記処理液滴中に移動させる。
本発明によれば、磁性体粒子に固定化されているmRNAから磁性体粒子に固定化されているcDNAを自動で合成する場合に、磁性体粒子に固定化されているcDNAの回収率を向上させることが可能な処理キット及び処理装置を提供することができる。
本実施形態の処理キットが有する治具の一例を示す下面図である。 本実施形態の処理装置の一例を示す側面図である。
本発明を実施するための形態を、以下の図面を用いて詳細に説明する。
[処理キット及び処理装置]
本実施形態の処理キットは、磁性体粒子と、磁性体粒子に固定されている物質の処理に用いられる治具を有する。
図1に、本実施形態の処理キットが有する治具の一例を示す。
治具10は、基板11の一方の表面に、突起状囲い12により、水を含む液滴を保持する液滴保持面13が形成されており、液滴保持面13に、192個の突起状囲い12が縦列及び横列に整列して設けられている。このとき、磁性体粒子に固定されている物質及び水を含む液滴L0及び水を含む処理液滴L1、L2、L3、・・・、L7は、縦列に整列して設けられている8個の突起状囲い12により順次保持されている。一方、横列に整列して設けられている24個の突起状囲い12により保持されている処理液滴は、同一である。このため、複数種類の磁性体粒子に固定されている物質を処理液滴L1、L2、L3、・・・、L7中に順次移動させると、複数種類の処理を並列的に実施することができる。
なお、複数種類の処理を並列的に実施する必要が無い場合は、複数の突起状囲い12が一列に整列して設けられていてもよい。
図2に、本実施形態の処理装置の一例を示す。
処理装置20は、治具10、磁石21及び磁石21の移動を電気的に制御する制御手段を有する。このとき、治具10は、液滴保持面13を鉛直下向きにして、設けられているため、液滴L0及び処理液滴L1〜L7からの水分の蒸発を抑制することが可能である。また、磁石21は、基板11の液滴保持面13が形成されている側とは反対側に設けられている。
以下、処理装置20を用いて、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理する方法について説明する。
具体的には、まず、磁石21を鉛直下向きに移動させ、磁場を印加する(図2(a)参照)。このとき、磁石21は、基板11の液滴保持面13が形成されている側とは反対側の表面の液滴L0に対応する位置に配置される。
次に、磁石21を縦列方向に移動させて、磁性体粒子Mに固定されている物質を液滴L0中から処理液滴L1中に移動させ、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L1中で所定時間処理する(図2(b)、(c)参照)。このとき、磁石21は、基板11の液滴保持面13が形成されている側とは反対側の表面の処理液滴L1に対応する位置に配置される。また、液滴L0が突起状囲い12により液滴保持面13に保持されている状態で、磁性体粒子Mに固定されている物質が処理液滴L1中に移動する。ここで、必要に応じて、磁石21を鉛直上向きに移動させた後、鉛直下向きに移動させて元の位置に戻す操作を所定回数実施してもよい。これにより、磁性体粒子Mに固定されている物質が処理液滴L1中に分散し、処理液滴L1による磁性体粒子Mに固定されている物質の処理の効率を向上させることができる。
磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L1中で処理する時間は、処理条件によって異なるが、例えば、1秒〜1時間の範囲である。
磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L1中で処理する温度は、処理によって異なるが、例えば、常温(室温)である。このとき、必要により、温度を調節して、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L1中で処理してもよい。
次に、磁石21を縦列方向に移動させて、磁性体粒子Mに固定されている物質を、処理液滴L1中から処理液滴L2中に移動させ、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L2中で所定時間処理する(図2(d)、(e)参照)。
以下、同様にして、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴L3〜L7中で所定時間処理する。
処理装置20を用いると、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理液滴中に移動させる際にピペットを使用しなくてもよいため、ピペットを洗浄又は交換せずに、自動で処理することができる。
なお、磁石21の移動を手動で制御してもよい。
また、磁石21を移動させる代わりに、アレイ状に配置されている電磁石に順次電圧を印加することにより、磁場を印加してもよい。
さらに、処理装置20には、必要により、加熱装置及び/又は冷却装置を設けることもできる。
[治具]
以下、治具10を詳細に説明する。
液滴保持面13の水に対する接触角は、90〜150°の範囲であり、95〜110°の範囲であることが好ましい。液滴保持面13の水に対する接触角が90°未満である場合又は150°を超える場合は、液滴保持面13が適度な撥水性を有さないため、突起状囲い12により液滴又は処理液滴を保持するのが困難になる。
液滴保持面13の表面粗さをRa[μm]、磁性体粒子Mのメジアン径をD50[μm]とすると、式
Ra/D50<0.3
を満たし、式
Ra/D50<0.2
を満たすことが好ましい。Ra/D50が0.3以上であると、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAから磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを自動で合成する場合に、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAが液滴保持面13の表面に残留しやすくなり、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率が低下する。
液滴保持面13のジヨードメタンに対する接触角は、60〜150°の範囲であることが好ましく、61〜100°の範囲であることがさらに好ましい。液滴保持面13のジヨードメタンに対する接触角が60°以上150°以下であることにより、液滴保持面13が適度な撥油性を有するため、突起状囲い12により液滴又は処理液滴を保持しやすくなる。
液滴保持面13を構成する材料としては、水に対する接触角が90〜150°の範囲であれば、特に限定されないが、フッ素樹脂、ポリプロピレン、シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
なお、基板11を構成する材料は、液滴保持面13を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
基板11を構成する材料が液滴保持面13を構成する材料と同一である場合、基板11が液滴保持面13を兼ねる。
基板11を構成する材料が液滴保持面13を構成する材料とは異なる場合、基板11を構成する材料としては、特に限定されないが、ガラス等が挙げられる。
突起状囲い12は、少なくとも1つの切欠き部を有する。
突起状囲い12の形状としては、液滴又は処理液滴を内部に保持することが可能であれば、特に限定されない(特許文献1参照)。
なお、突起状囲い12は、磁性体粒子Mに固定されている物質を移動させることが可能であれば、切欠き部を有していなくてもよい。
また、液滴保持面13に設けられる突起状囲い12は、1種類に限定されず、複数の異なる形状を有する突起状囲い12を適宜設けることもできる。
突起状囲い12の液滴又は処理液滴を内部に保持することが可能な空間の容量は、治具10の用途や、突起状囲い12の機能に応じて適宜設定できるが、例えば、0.5〜200μLの範囲とすることができる。
縦列を構成する突起状囲い12の数及び横列を構成する突起状囲い12の数は、治具10の用途や、一度に処理する磁性体粒子Mに固定されている物質の数、さらには、基板11の大きさ及び形状、突起状囲い12の形状や大きさ、突起状囲い12同士の間隔等を考慮して、適宜決定することができる。縦列を構成する突起状囲い12の数は、例えば、2〜10個とすることができ、横列を構成する突起状囲い12の数は、例えば、2〜100個とすることができる。
突起状囲い12の高さは、液滴又は処理液滴を内部に保持することが可能であれば、特に制限はない。突起状囲い12の高さは、例えば、0.1〜5mmの範囲とすることができる。
なお、突起状囲い12を構成する材料は、液滴保持面13を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
突起状囲い12が設けられている液滴保持面13は、成型加工により製造することができる。
治具10は、突起状囲い12が設けられている液滴保持面13を覆う覆い部材をさらに有してもよい。この場合、治具10は、覆い部材により覆われている空間に湿気を供給する保湿部材をさらに有することができる(特許文献1参照)。
[磁性体粒子]
以下、磁性体粒子Mを詳細に説明する。
磁性体粒子Mとしては、市販の磁気ビーズを使用することができる。
磁性体粒子Mのメジアン径D50は、例えば、0.01〜10μmの範囲であり、好ましくは0.1〜5μmの範囲である。
磁性体粒子Mは、常法によって、表面に物質を固定することができる。
磁性体粒子Mの表面に固定する物質としては、特に制限はなく、核酸(DNA、RNA等)、ペプチド、タンパク質、糖類、脂質、複合糖脂質、天然低分子化合物、合成低分子化合物、高分子化合物、金属等を挙げることができる。
磁性体粒子Mに固定する物質の量は、物質の種類や反応の種類等を考慮して、適宜決定することができる。
[処理液滴]
以下、処理液滴を詳細に説明する。
処理液滴としては、磁性体粒子Mに固定されている物質を処理することが可能であれば、特に限定されないが、洗浄液滴、反応液滴等が挙げられる。
液滴及び処理液滴は、界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、液滴及び処理液滴の表面張力を減少させ、液滴保持面13に液滴及び処理液滴を安定的に保持することができる。その結果、磁性体粒子Mに固定されている物質が移動しやすくなる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、以下に、具体例を例示する。
陰イオン系界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩等が挙げられる。中でも、ドデシル硫酸リチウムが好ましい。
陽イオン系界面活性剤としては、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。中でも、オクチルフェノールエトキシレート(例えば、Triton X−100)が好ましい。
液滴及び処理液滴中の界面活性剤の添加量は、例えば、0.001〜1質量%の範囲であり、好ましくは、0.01〜1質量%の範囲である。
処理装置20を用いると、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAから磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを自動で合成することができ、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率を向上させることができ、その結果、処理装置20を遺伝子解析等の定量解析に適用することを可能にする。
処理装置20の用途としては、cDNAの合成以外に、PCR、抗原抗体反応等が挙げられる。
[cDNAの合成方法]
以下、処理装置20を用いて、cDNAを合成する方法の一例を説明する。
まず、磁性体粒子Mを含む細胞溶解用水溶液中で単一細胞を溶解して磁性体粒子MにmRNAを固定化する。
磁性体粒子Mに固定化されるmRNAとしては、特に制限はなく、種々の生物由来のmRNAを用いることができる。
次に、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAを含む細胞溶解用水溶液滴(液滴L0)、mRNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L1)、逆転写反応用水溶液滴(処理液滴L2)及びcDNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L3)を、突起状囲い12により、液滴保持面13に順次保持する。
次に、基板11の液滴保持面13が形成されている側とは反対側の表面から磁場を印加して、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAを、mRNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L1)、逆転写反応用水溶液滴(処理液滴L2)及びcDNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L3)中に順次移動させる。
以上により、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを合成することができる。
[実施例1]
処理装置20を用いて、単一細胞から磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを合成した。
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.02μm、水に対する接触角が106.4°、ジヨードメタン(CH)に対する接触角が98.7°のフッ素樹脂(FEP)及びシリコーン樹脂の混合膜を用いた。
ここで、表面粗さRaは、レーザー顕微鏡OLS31−SU(Olympus社製)を用いて、共焦点観察法の3D計測により測定される3点の算術平均粗さである。
また、接触角は、自動接触角測定装置OCA20(英弘精機社製)を用いて、各液滴(水、ジヨードメタン)の滴下液量3μL、流量10μL/sの条件で測定される3点の接触角の平均値である。
磁石21として、小型ネオジム磁石を用いた。
磁性体粒子Mとして、メジアン径D50が2.8μmのoligo dT25により表面修飾されている磁気ビーズを用いた。
ここで、メジアン径D50は、レーザー回折散乱法により、測定した。
細胞溶解用水溶液100μLに、濃度が10mg/mLになるように磁性体粒子Mを懸濁させた後、細胞溶解液水溶液900μLに濃度が59.5pg/μLになるように認証標準物質NMIJ CRM 6204−a(国立研究開発法人産業技術総合研究所製)のRNA1000−Bを混合させた溶液100μLを加え、磁性体粒子MにmRNAを固定化した。上記の操作により、RNA1000−BのmRNAは、polyAテールを介して、磁性体粒子Mのoligo dT25に結合し、固定化される。
細胞溶解用水溶液として、100mMのTris−HCl(pH7.5)、500mMのLiCl、1質量%のドデシル硫酸リチウム及び5mMのdithiothreitolを含む水溶液を用いた。
次に、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAを含む細胞溶解用水溶液滴(液滴L0)、mRNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L1)、逆転写反応用水溶液滴(処理液滴L2)及びcDNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L3)各3μLを、突起状囲い12により、液滴保持面13に順次保持した。
mRNA洗浄用水溶液として、10mMのTris−HCl(pH7.5)、0.15MのLiCl、0.1質量%のドデシル硫酸リチウムを含む水溶液を用いた。
逆転写反応用水溶液として、50mMのTris−HCl(pH8.3)、75mMのKCl、3mMのMgCl、0.1質量%のTriton X−100、0.5mMのdNTP、5mMのDTT、2ユニットのRNase inhibitor、8ユニットのSuperScript III Reverse transcriptaseを含む水溶液を用いた。
cDNA洗浄用水溶液として、50mMのTris−HCl(pH8.3)、75mMのKCl、3mMのMgCl、0.1質量%のTriton X−100、0.5mMのdNTP、5mMのDTT、2ユニットのRNase inhibitorを含む水溶液を用いた。
次に、基板11の液滴保持面13が形成されている側とは反対側の表面から磁場を印加して、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAを、mRNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L1)、逆転写反応用水溶液滴(処理液滴L2)及びcDNA洗浄用水溶液滴(処理液滴L3)中に順次移動させ、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例2]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.03μm、水に対する接触角が112.4°、ジヨードメタンに対する接触角が75.9°のフッ素樹脂(FEP)膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例3]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.05μm、水に対する接触角が106.6°、ジヨードメタンに対する接触角が73.5°のノンシリコーン系の離型膜が形成されているポリエチレンテレフタラートフィルムTN100(東洋紡社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例4]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.10μm、水に対する接触角が97.6°、ジヨードメタンに対する接触角が61.3°のポリプロピレン膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例5]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.19μm、水に対する接触角が107.2°、ジヨードメタンに対する接触角が95.3°のシリコーン樹脂膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例6]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.15μm、水に対する接触角が111.4°、ジヨードメタンに対する接触角が93.1°のシリコーン樹脂膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[実施例7]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが0.75μm、水に対する接触角が92.3°、ジヨードメタンに対する接触角が60.5°のポリプロピレン膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[比較例1]
基板11(液滴保持面13)として、表面粗さRaが5.16μm、水に対する接触角が107.9°、ジヨードメタンに対する接触角が65.3°のパラフィン膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した。
[磁性体粒子に固定化されているcDNAの回収率]
細胞溶解用水溶液中の磁性体粒子Mの濃度から、3μLの液滴L0中の磁性体粒子Mの個数を算出すると、1.98×10個である。そして、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを回収した後に、基板11(液滴保持面13)の表面に残留している磁性体粒子Mの個数を、顕微鏡観察の画像処理により求め、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率を算出した。
なお、回収率の判定基準を以下に示す。
◎:回収率が99%以上である場合
○:回収率が90%以上99%未満である場合
×:回収率が90%未満である場合
表1に、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率の評価結果を示す。
Figure 2018057333
表1から、実施例1〜7は、磁性体粒子Mに固定化されているmRNAから磁性体粒子Mに固定化されているcDNAを自動で合成する場合に、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率が高いことがわかる。
これに対して、比較例1は、Ra/D50が1.84であるため、磁性体粒子Mに固定化されているcDNAの回収率が低い。
10 治具
11 基板
12 突起状囲い
13 液滴保持面
20 処理装置
21 磁石
L0 液滴
L1、L2、L3、・・・、L7 処理液滴
M 磁性体粒子
国際公開第2009/091048号

Claims (9)

  1. 磁性体粒子と、該磁性体粒子に固定されている物質の処理に用いられる治具を有する処理キットであって、
    前記治具は、基板の一方の表面に、突起状囲いにより、前記磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴又は水を含む処理液滴を保持する液滴保持面が形成されており、前記液滴保持面に、複数の前記突起状囲いが整列して設けられており、
    前記液滴保持面は、水に対する接触角が90〜150°の範囲であり、
    前記液滴保持面の表面粗さをRa[μm]、前記磁性体粒子のメジアン径をD50[μm]とすると、式
    Ra/D50<0.3
    を満たす、処理キット。
  2. 前記液滴保持面は、ジヨードメタンに対する接触角が60〜150°の範囲である、請求項1に記載の処理キット。
  3. 前記複数の突起状囲いは、少なくとも一部が縦列及び横列に整列して設けられている、請求項1又は2に記載の処理キット。
  4. 前記液滴保持面は、フッ素樹脂、ポリプロピレン又はシリコーン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の処理キット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の処理キットを用いて、前記磁性体粒子に固定されている物質を処理する方法であって、
    前記磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴及び前記水を含む処理液滴を、前記突起状囲いにより、前記液滴保持面に保持することと、
    該磁性体粒子に固定されている物質を、前記基板の前記液滴保持面が形成されている側とは反対側から磁場を印加して、前記処理液滴中に移動させることを含む、処理方法。
  6. 前記液滴保持面を鉛直下向きにして、前記治具を設ける、請求項5に記載の処理方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の処理キットを用いて、cDNAを合成する方法であって、
    前記磁性体粒子を含む細胞溶解用水溶液中で単一細胞を溶解して前記磁性体粒子にmRNAを固定化することと、
    該磁性体粒子に固定化されているmRNAを含む細胞溶解用水溶液滴及び逆転写反応用水溶液滴を、前記突起状囲いにより、前記液滴保持面に保持することと、
    前記基板の前記液滴保持面が形成されている側とは反対側から磁場を印加して、前記磁性体粒子に固定化されているmRNAを前記逆転写反応用水溶液滴中に移動させることを含む、cDNAの合成方法。
  8. 前記治具は、縦列及び横列に、それぞれ少なくとも2つの前記突起状囲いが整列して設けられており、
    前記磁性体粒子を含む細胞溶解用水溶液中で異なる種類の単一細胞を溶解して前記磁性体粒子に異なる種類のmRNAを固定化し、
    該磁性体粒子に固定化されている異なる種類のmRNAを含む細胞溶解用水溶液滴及び前記逆転写反応用水溶液滴を、それぞれ前記少なくとも2つの突起状囲いにより、前記液滴保持面に保持し、
    前記磁性体粒子に固定化されている異なる種類のmRNAを前記逆転写反応用水溶液滴中に移動させる、請求項7に記載のcDNAの合成方法。
  9. 磁性体粒子に固定されている物質を処理する装置であって、
    治具及び磁場印加手段を有し、
    前記治具は、基板の一方の表面に、突起状囲いにより、前記磁性体粒子に固定されている物質と水を含む液滴又は水を含む処理液滴を保持する液滴保持面が形成されており、前記液滴保持面に、複数の前記突起状囲いが整列して設けられており、
    前記液滴保持面は、水に対する接触角が90〜150°の範囲であり、
    前記液滴保持面の表面粗さをRa[μm]、前記磁性体粒子のメジアン径をD50[μm]とすると、式
    Ra/D50<0.3
    を満たし、
    前記磁場印加手段は、前記基板の前記液滴保持面が形成されている側とは反対側から磁場を印加して、前記磁性体粒子に固定されている物質を前記処理液滴中に移動させる、処理装置。
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