JP2018056798A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、複数の労働者等の移動する監視対象物の存在状況を管理するための監視対象物管理システムに使用するビーコン端末の認識方法に関するものである。
従来から、複数の移動する監視対象物の存在状況を管理するニーズが存在している。例えば、プラント建設現場等の作業現場では、予定人数の労働者が予め定めた作業現場で働いているか否かなどの労務管理を行う必要があり、一般的には、入退出の際に、ゲート等でRFID(Radio Frequency IDentification)からの情報によって、作業現場への出入りの管理を行っている。また、複数の労働者にビーコン信号を発信する発信機となるRFIDタグを保持させ、作業場所にビーコン信号を受信する受信機となるRFIDタグリーダを配置し、労務管理を行う管理システムも開発されている(例えば、特開2010−40038号公報(特許文献1))。
そこで、発明者らは、複数のビーコン端末と、1以上のビーコン信号収集端末と、管理用サーバとから構成される、監視対象物管理システムを開発している。監視対象物管理システムは、複数のビーコン端末を監視対象物に保持させ、ビーコン端末が発信するビーコン信号を1以上のビーコン信号収集端末で収集し、管理用サーバで監視対象物の存在状況を管理するものである。
複数のビーコン端末のそれぞれは、不特定のビーコン信号収集端末で受信できる電波として、ビーコン端末の周囲にビーコン信号を発信する、いわゆるブロードキャスト方式で電波を発信するものであり、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)技術を用いたiBeacon(登録商標)の発信機等を想定している。
複数のビーコン端末でブロードキャスト方式で電波を発信し、ビーコン信号収集端末で受信し、受信したビーコン信号に基づいてビーコン端末の位置等の存在状況を管理するためには、複数のビーコン端末のそれぞれが発信するビーコン信号の周波数及び電波強度を同等にしておく必要がある。しかしながら、このようにすると、ビーコン信号収集端末で複数のビーコン信号を受信した際に、受信強度が同程度のビーコン信号同士が混信を起こしてしまい、ビーコン信号を受信できないことがあり得る。
図6は、ビーコン信号が混信を起こす可能性のある具体例を示す図である。複数のビーコン端末は、ビーコン信号を発信する発信時間と、ビーコン信号を発信しない休止時間の組み合わせからなる所定の時間長(t)のビーコン発信周期を有している。通常は、各ビーコン端末は、一定周期で発信と休止を繰り返している。ここで、1つのビーコン端末(ビーコン端末A)の発信時間と、他のビーコン端末(ビーコン端末B)の発信時間が重複し、且つ、ビーコン信号収集端末が受信するビーコン端末Aのビーコン信号の受信強度と、ビーコン端末Bのビーコン信号の受信強度が同程度の場合、電波の衝突が生じてしまい、ビーコン信号収集端末がいずれのビーコン信号をも受信できない可能性がある。
そこで、例えば、特開2005−277500号公報(特許文献2)に記載のように、休止期間を変化させることで、電波の衝突を回避しようとするものが存在する。
監視対象物管理システムを構成する複数のビーコン端末は、人が携行しても邪魔にならない小型の装置である。多くのものは、充電を行えない一次電池を電源とするものであり、電池残量がなくなると廃棄する使い捨てタイプのものも多い。監視対象物管理システムでは、同時に数十、数百以上のビーコン端末を使うことも想定されているため、複数のビーコン端末がバラバラに電池残量がなくなってしまうことをなるべく避けたいという要望がある。そのため、複数のビーコン端末のそれぞれの使用開始時期及び使用期間を合わせて、想定されている電池寿命の範囲内でビーコン端末を交換することが望ましい。
しかしながら、特許文献2(特開2005−277500号公報)のように、休止期間を変化させてしまうと、一定の期間内におけるビーコン信号の発信回数にばらつきが生じる可能性がある。その結果として、各ビーコン端末の消費電力がばらつき、電池残量がばらつくことになる。
本発明の目的は、複数のビーコン端末が発生するビーコン信号の混信を防ぎながら、各ビーコン端末の消費電力を平均化することが可能なビーコン端末認識方法を提供することにある。
本発明のビーコン端末認識方法は、複数のビーコン端末が発生する複数のビーコン信号を、1以上のビーコン信号収集端末で受信して、1以上のビーコン信号収集端末の周囲に存在する複数のビーコン端末を認識するビーコン端末認識方法に関するものである。複数のビーコン端末として、予め定めた複数の信号パターンを内蔵しており、該複数の信号パターンから選択した信号パターンに従って、2以上の一定時間長さのビーコン信号及び2以上の信号休止期間を含む信号列を一定の周期で発生するように構成されたものを準備する。そして、複数のビーコン端末において、それぞれ1周期または複数周期ごとに、予め定めた複数の信号パターンからランダムに次の1周期または複数周期で使用する信号パターンを選択し、該次の周期または複数周期では、新たに選択した信号パターンに従って信号列を発生する。
このような複数のビーコン端末を用いることで、1周期または複数周期ごとに、ビーコン信号の発信期間をずらしてビーコン信号同士が混信することを防ぎながら、一定期間内での各ビーコン端末の発信回数を同回数にすることができる。その結果、各ビーコン端末の消費電力を平均化することができるため、複数のビーコン端末の使用開始時期及び使用期間を合わせれば、理論上、複数のビーコン端末のそれぞれの電池残量は同じになるので、複数のビーコン端末の電池残量の管理が容易になる。
複数のビーコン端末で、複数の信号パターンから信号パターンをランダムに選択する方法は任意である。通常、ビーコン端末は、それぞれ固有の個体番号を有していることから、個体番号に含まれる数字、文字及び/または記号を利用すれば、簡単な方法でランダムに選択が可能である。
複数のビーコン端末は、ビーコン信号と信号休止期間とが交互に現れる信号パターンを選択したときには、2以上の信号休止期間の比率をランダムに変更するようにしてもよい。このように休止期間の比率を変えれば、さらにビーコン信号同士が混信することを防ぐことができる。この場合も、ビーコン端末の個体番号に含まれる数字、文字及び/または記号を利用して比率を変更すればよい。
以下、図面を参照して、本発明のビーコン端末認識方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のビーコン端末認識方法を利用する監視対象物管理システム内の労務管理システム1の概念図である。
プラント建設現場では、1以上の監督者SFと複数の労働者FLからなる複数のグループを構成し、グループ単位で移動して、作業をしている。労務管理システム1は、プラント建設現場内を移動する1以上の監督者SFの周囲に存在する複数の労働者FLを把握するためのものであり、主に、複数のビーコン端末3(ビーコン端末3a,3b,3c・・・)と、1以上のビーコン信号収集端末5(ビーコン信号収集端末5a,5b,5c・・・)、管理用サーバ7とから構成されている。
複数のビーコン端末3は、プラント建設現場に存在して移動する複数の労働者FLにそれぞれ保持され、それぞれ固有のビーコン識別子を有して、それぞれビーコン信号を発信するものである。本実施の形態では、ビーコン端末3は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)技術を用いたiBeacon(登録商標)の発信機である。この発信機は小型軽量であるため、例えば、IDカードを首掛けする際に使用するネックストラップに取り付けて労働者に携帯させることが可能である。
1以上のビーコン信号収集端末5は、プラント建設現場内を移動する1以上の監督者SFに保持されるものである。1以上のビーコン信号収集端末5は、ビーコン信号を受信してビーコン識別子及びビーコン存在情報を取得し且つ位置測位システム(GPS)によって位置情報を取得して、自発的にまたは要求に応じてビーコン識別子、ビーコン存在情報及び位置情報を出力する。本実施の形態では、ビーコン信号収集端末5は、iBeaconが発する電波を受信することができる携帯端末としてのスマートフォンである。
管理用サーバ7は、1以上のビーコン信号収集端末5から得たビーコン識別子、ビーコン存在情報及び位置情報に基づいて、プラント建設現場における複数のビーコン端末(すなわち、複数の労働者FL)の存在状況を確定するものである。
[ビーコン端末の構成]
図2は、ビーコン端末3の構成を示すブロック図である。ビーコン端末3は、記憶部9と、水晶発振子11と、カウンタ13と、制御部15と、ビーコン信号発信部17とから構成されている。記憶部9には、固有のビーコン識別子(個体番号であるUUID(Universally Unique Identifier))と、予め定めた複数の信号パターンとが記憶されている。水晶発振器11は、ベースクロックとなるものである。カウンタ13は、時間の基準を構成するものであり、水晶発振器11の出力を0からカウントアップして、カウンタ値を得るようになっている。制御部15は、個体番号及びカウンタ値に基づいて後述の演算を行い、信号パターンを選択する。ビーコン信号発信部17は、制御部15が決定した信号パターンで、ビーコン信号を発信する。
図2は、ビーコン端末3の構成を示すブロック図である。ビーコン端末3は、記憶部9と、水晶発振子11と、カウンタ13と、制御部15と、ビーコン信号発信部17とから構成されている。記憶部9には、固有のビーコン識別子(個体番号であるUUID(Universally Unique Identifier))と、予め定めた複数の信号パターンとが記憶されている。水晶発振器11は、ベースクロックとなるものである。カウンタ13は、時間の基準を構成するものであり、水晶発振器11の出力を0からカウントアップして、カウンタ値を得るようになっている。制御部15は、個体番号及びカウンタ値に基づいて後述の演算を行い、信号パターンを選択する。ビーコン信号発信部17は、制御部15が決定した信号パターンで、ビーコン信号を発信する。
[信号パターン]
ビーコン端末3は、ビーコン信号を発信する発信時間と、ビーコン信号を発信しない休止時間の組み合わせからなる所定の時間長(t)のビーコン発信周期を有している。本実施の形態では、ビーコン端末が、予め定めた複数の信号パターンを内蔵しており、該複数の信号パターンから選択した信号パターンに従って、2以上の一定時間長さのビーコン信号及び2以上の信号休止期間を含む信号列を一定の周期で発生する。具体的には、連続するnのビーコン発信周期(nは2以上の整数)を1組とすると、発信と休止の組み合わせの最大数は、2n!/n!(2n−n)!の式で求まる。例えば、2つのビーコン発信周期を1組とする場合には、発信と休止の組み合わせは、6通りとなる。同様に、3つのビーコン発信周期を1組とする場合には、20通りとなる。そして、この組み合わせの中から、複数の組み合わせ(m通り)を選択して、ビーコン端末が内蔵する信号パターンとしている(2≦m≦2n!/n!(2n−n)! ただし、mは整数)。
ビーコン端末3は、ビーコン信号を発信する発信時間と、ビーコン信号を発信しない休止時間の組み合わせからなる所定の時間長(t)のビーコン発信周期を有している。本実施の形態では、ビーコン端末が、予め定めた複数の信号パターンを内蔵しており、該複数の信号パターンから選択した信号パターンに従って、2以上の一定時間長さのビーコン信号及び2以上の信号休止期間を含む信号列を一定の周期で発生する。具体的には、連続するnのビーコン発信周期(nは2以上の整数)を1組とすると、発信と休止の組み合わせの最大数は、2n!/n!(2n−n)!の式で求まる。例えば、2つのビーコン発信周期を1組とする場合には、発信と休止の組み合わせは、6通りとなる。同様に、3つのビーコン発信周期を1組とする場合には、20通りとなる。そして、この組み合わせの中から、複数の組み合わせ(m通り)を選択して、ビーコン端末が内蔵する信号パターンとしている(2≦m≦2n!/n!(2n−n)! ただし、mは整数)。
本実施の形態では、図3に示すように、2つのビーコン発信周期(時間長=2t)を1組とした6通りの組み合わせの中から、5通りを選択して、信号パターン(Case1〜Case5)としている。図3に示した信号パターンにおいて、休止が連続する場合には、特に区分けせずに「休止」と図示してあり、休止が2つに分かれる場合には、「休止1」と「休止2」と図示してある。
[信号パターンの選択]
図4は、ビーコン端末の信号パターンを決定する演算のフローチャートである。本実施の形態では、各ビーコン端末3は、ビーコン端末の起動時には初期化時に信号パターンの選択を行い、その後は、休止期間時に演算を行い、次の信号パターンの選択を行っている。まず、制御部15は、記憶部9からUUIDを構成する128ビットの数値を取得し、カウンタ13から演算時のカウンタ値を取得し、両数値を加算する(ステップST1)。次に、得られた数値をシードとして、ランダム関数を呼び出し、ランダム数値を得る(ステップST2)。そして、得られたランダム数値をビット列101(十進数の5)で割り、得られた余りに1を加算して数値を得る(ステップST3)。ここで得られる数値は、1,2,3,4,5のいずれかであり、それぞれ、信号パターンのCase1〜Case5に対応して、どの信号パターンにするかが決定される(ステップST4)。
図4は、ビーコン端末の信号パターンを決定する演算のフローチャートである。本実施の形態では、各ビーコン端末3は、ビーコン端末の起動時には初期化時に信号パターンの選択を行い、その後は、休止期間時に演算を行い、次の信号パターンの選択を行っている。まず、制御部15は、記憶部9からUUIDを構成する128ビットの数値を取得し、カウンタ13から演算時のカウンタ値を取得し、両数値を加算する(ステップST1)。次に、得られた数値をシードとして、ランダム関数を呼び出し、ランダム数値を得る(ステップST2)。そして、得られたランダム数値をビット列101(十進数の5)で割り、得られた余りに1を加算して数値を得る(ステップST3)。ここで得られる数値は、1,2,3,4,5のいずれかであり、それぞれ、信号パターンのCase1〜Case5に対応して、どの信号パターンにするかが決定される(ステップST4)。
本実施の形態では、ビーコン信号の衝突をさらに避けるため、Case2及び3の場合、休止1と休止2の比率を変化させる。すなわち、どの信号パターンでも、2回分の休止期間の合計時間は変わらないため、休止期間が休止1と休止2に分かれるCase2及び3の場合には、その比率を変動させることで、ビーコン信号の衝突をさらに避けることができる。そこで、信号パターンを決定したら、次に、信号パターンがCase2または3のいずれかであるかを判定する(ステップST5)。Case2または3であった場合、制御部15は、記憶部9からUUIDを構成する128ビットの数値の上位64ビットの数値を取得し、カウンタ13から演算時のカウンタ値を取得し、両数値を加算する(ステップST6)。次に、得られた数値をシードとして、ランダム関数を呼び出し、ランダム数値を得る(ステップST7)。そして、得られたランダム数値をビット列1010(十進数の10)で割り、数値を得る(ステップST8)。ここで得られた数値を休止1の数値(比率)の十の位とする(ステップST9)。次に、制御部15は、記憶部9からUUIDを構成する128ビットの数値の下位64ビットの数値を取得し、カウンタ13から演算時のカウンタ値を取得し、両数値を加算する(ステップST10)。次に、得られた数値をシードとして、ランダム関数を呼び出し、ランダム数値を得る(ステップST11)。そして、得られたランダム数値をビット列1010(十進数の10)で割り、数値を得る(ステップST12)。ここで得られた数値を休止1の数値(比率)の一の位とする(ステップST13)。このようにして休止1の数値(比率)を決定し、100から休止1の数値を減算して得られる数値を休止2の数値(比率)とし、休止1と休止2の比率を決定する(ステップST14)。例えば、休止1として得られた数値が62であった場合、休止2の数値は38であり、休止1:休止2は、62:38となる。
図5は、本実施の形態のビーコン端末認識方法によるタイムチャートの例を示す図である。ビーコン端末3aでは、初期化中に、信号パターンとして、Case2が選択され、休止1:休止2=50:50となっている。ビーコン端末3bでは、初期化中にCase4が選択されている。ビーコン信号収集端末5が受信するビーコン端末3aのビーコン信号の受信強度と、ビーコン端末3bのビーコン信号の受信強度が同程度の場合、(i)では混信が生じているが、(ii)ではビーコン端末3bのビーコン信号を受信し、(iii)ではビーコン端末3aのビーコン信号を受信している。したがって、ビーコン信号の受信強度に変化がなくても、ビーコン信号収集端末5がビーコン信号を受信できるようになる。しかも、所定の期間内(図3では2周期)の間では、ビーコン端末3aも3bも発信回数は2回で同じであり、休止期間の合計長も同じである。したがって、理論上は、ビーコン端末3aも3bも消費電力は同じである。ビーコン端末3aは、休止2の期間中に次の信号パターンの演算を行い、ビーコン端末3bは、休止期間中に次の信号パターンの演算を行う。
なお、本実施の形態において、発信時間と休止時間の組み合わせからなる時間長tは、1sである。また、発信するデータの情報量にもよるが、ビーコン信号の発信時間は、100ms程度である。図5では、説明の便宜上、発信時間と休止時間の比率は正確には図示していない。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で変更が可能であるのは勿論である。例えば、信号パターンの変更は上記例のように1周期ごとでもよいが、複数周期ごとにしてもよい。また、信号パターンの選択はランダムに行えればよいため、必ずしも上記のような演算でなくてもよく、他の手法によってもよい。上記ではビーコン端末に含まれるUUIDを利用したが、ビーコン端末によっては、他の数字や、文字、記号を利用してもよいのはもちろんである。
本発明によれば、複数のビーコン端末が発生するビーコン信号の混信を防ぎながら、各ビーコン端末の消費電力を平均化することが可能なビーコン端末認識方法を提供することができる。
1 労務管理システム
3 ビーコン端末
5 ビーコン信号収集端末
7 管理用サーバ
9 記憶部
11 水晶発振子
13 カウンタ
15 制御部
17 ビーコン信号発信部
3 ビーコン端末
5 ビーコン信号収集端末
7 管理用サーバ
9 記憶部
11 水晶発振子
13 カウンタ
15 制御部
17 ビーコン信号発信部
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