JP2018055410A - 画像表示装置用の指示装置及び画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】インタラクティブな画像表示装置に適用するに際して、ポインターとしての機能とインタラクティブな動作における書込みを行うための機能との切替えを可能にする画像表示装置用の指示装置及び当該指示装置を備える画像表示システムを提供すること。【解決手段】切替部72において、光射出部71から可視光のみが射出される状態と、可視光と視光外の光との双方が射出される状態とに切替可能にし、可視光のみの射出によって画像上の位置を指し示して視認させるポインターとして機能させ、可視光と可視光外の光との双方の射出によってインタラクティブな動作において可視光によって画像上の書込み位置を利用者等に視認させつつ可視光外の光の検出に基づいて位置を特定し書込みを行わせる。【選択図】図1
Description
本発明は、例えばプロジェクター等の画像表示装置において、特に、表示画面上に書込みができるようにするいわゆるインタラクティブな表示を実現するために、表示画面上における書込みを行う位置を指し示すための指示装置及び画像表示システムに関する。
インタラクティブなプロジェクターとして、例えばペン型の指示体から射出される赤外光を撮像装置で検出するとともに当該赤外光の投射画面上での発光位置を特定し、投射画像に反映させることで、上記のようなインタラクティブ機能を達成するものが知られている(例えば特許文献1参照。)。なお、特許文献1では、例えばペン型の指示体の先端部を投射画面が表示されている壁やスクリーン等に押しつける操作によって、赤外光が発生するものとなっている(同上参照。)。
しかしながら、例えば上述したペン型の指示体の先端部を押しつける操作によって赤外光を発生させるといった場合には、投射画面のうち利用者の手が届かない箇所への書込みや、投射画面から離れた位置にいる利用者による書込みが困難あるいは不可能となる可能性が高い。また、書込みをすることなく位置を指し示して直接的に視認させるポインターを利用したい場合もあるが、例えば赤外光を利用する場合では、直接的には視認されないため、そのままではポインターとして利用することができない。
本発明は、インタラクティブなプロジェクター等の画像表示装置に適用するに際して、ポインターとしての機能とインタラクティブな動作における書込みを行うための機能との切替えを可能にする画像表示装置用の指示装置及び当該指示装置を備える画像表示システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示装置用の指示装置は、可視光波長帯域の第1射出光と可視光外波長帯域であり表示画面上における検出対象となるべき第2射出光とを射出可能とする光射出部と、光射出部から第1射出光のみを射出させる第1射出状態と光射出部から第1射出光と第2射出光とを射出させる第2射出状態とに切り替え可能にする切替部とを備える。
上記画像表示装置用の指示装置では、切替部での切替えによって、可視光である第1射出光のみが光射出部から射出された状態(第1射出状態)と、可視光である第1射出光と可視光でない第2射出光との双方が光射出部から射出された状態(第2射出状態)とにできる。このような切替えが可能であることで、指示装置が、可視光によって画像上の位置を指し示して視認させるポインターとして機能する(第1射出状態)ことと、インタラクティブな動作において可視光によって画像上の書込み位置を視認させつつ書込みを行わせるものとして機能する(第2射出状態)こととを選択的に両立できる。すなわち、一使用態様として、例えばスクリーンから離れた位置から指示装置を操作してポインターとして機能させるポインターモードでの使用を1つの選択肢としつつ、必要に応じてインタラクティブな操作による書込みモードでの使用を他の1つの選択肢とすることが可能な指示装置が実現できる。
本発明の具体的な側面によれば、光射出部は、第1射出光及び第2射出光として、レーザー光を射出する。この場合、第1射出光の確実な視認と第2射出光の確実な検出が可能になる。
本発明の別の側面によれば、光射出部は、第1射出光と第2射出光とのうち一方を透過させるとともに他方を反射して重畳し、同一光路から射出させるダイクロイックミラーを有する。この場合、ダイクロイックミラーにより光を重畳して同一光路から射出させることで、簡易かつ確実に第1射出光と第2射出光とが同じ位置を指し示すようにできる。
本発明のさらに別の側面によれば、切替部は、半押しの状態と全押しの状態とにより、第1射出状態と第2射出状態との切替えを可能にするボタン部を有する。この場合、ボタン部による簡易な構造で、第1射出状態と第2射出状態との切替えを確実に行うことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、切替部は、スイッチを押した状態と、スイッチを押した状態からスライドさせる状態とにより、第1射出状態と第2射出状態との切替えを可能にするスライド式スイッチ部を有する。この場合、スイッチを押した状態と、スイッチを押した状態からさらにスライドさせる状態との2段階の状態によって、第1射出状態と第2射出状態との切替えを確実に行うことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、光射出部は、第2射出光として、赤外光波長帯域の光を射出する。この場合、第2射出光を赤外光波長帯域の光とすることで、簡易かつ確実に可視光である第1射出光との区別ができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示システムは、上記いずれかに記載の画像表示装置用の指示装置を備える画像表示システムであって、光射出部から射出された第2射出光を検出光として受光する受光部を備える。この場合、受光部において受光して検出した検出光に基づいてインタラクティブな動作が可能な画像表示システムを構築できる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像表示装置用の指示装置について説明する。
図1は、本実施形態の指示装置70の概略構成を示す図であり、指示装置70から射出する光の射出状態の切替えの様子を示す図でもある。具体的には、図1のうち、状態Aは、光射出前の状態(あるいは光射出をしていない状態)の指示装置70を示しており、状態Bは、1種類の光のみを射出している状態(第1射出状態)の指示装置70を示しており、状態Cは、2種類の光を重畳して射出している状態(第2射出状態)の指示装置70を示している。指示装置70では、矢印に示すように、これらの状態に切り替えることが可能となっている。
以下、図1等を参照して、指示装置70の構成や動作についてより具体的に説明する。まず、図1等に示す指示装置70は、光を射出する光射出部71と、光射出部71から射出させ光の状態を切り替える切替部72と、光射出部71等の各部に電力を供給するバッテリー部BTと、装置の各部を収納する筐体CSとを備える。指示装置70は、図示のように筐体CSによって各部を収納するとともに光射出部71においてレーザー光を射出させるレーザーポインター型の光射出装置であり、利用者が各種指示を行う指示体として機能するために手に携帯して操作できる程度の大きさを有している。
例えば、図2に示すように、指示装置70の利用者HUが、光射出部71から射出される光を、プロジェクター等の画像表示装置に向けて投射することで、指示装置70は、画像表示装置用のポインター等の指示装置として機能する。
図1に戻って、指示装置70のうち、光射出部71は、第1レーザー光源部71aと、第2レーザー光源部71bと、ダイクロイックミラーDMとを有する。これらのうち、第1レーザー光源部71aは、可視光波長帯域の光である赤色レーザー光を、第1射出光VLとして射出する。これに対して、第2レーザー光源部71bは、可視光外波長帯域(ここでは一例として赤外光波長帯域)の光である赤外線レーザー光を、第2射出光ILとして射出する。図示のように、第1レーザー光源部71aと第2レーザー光源部71bとは、光の射出方向(光軸OA)が90°となるような位置関係で配置されており、ダイクロイックミラーDMにおいて射出光VL,ILが重畳されて射出されるものとなっている。すなわち、ダイクロイックミラーDMは、各光の射出方向に対してそれぞれ45°傾くように配置されており、第1レーザー光源部71aからの第1射出光VLを透過させる一方、第2レーザー光源部71bからの第2射出光ILを反射させ、これらを同一光路から射出させている。つまり、指示装置70は、ダイクロイックミラーDMによって簡易かつ確実に第1射出光VLと第2射出光ILとが同じ位置を指し示すようにできる。
また、指示装置70のうち、切替部72は、ボタン部BUや、図示を省略する弾性部材やスイッチ部等で構成されている。このボタン部BUは、筐体CSの上面CSaに設けられており、利用者によって押圧された状態に応じて光射出部71の通電状態の選択が可能にしている。ここでは、特に、ボタン部BUは、例えば弾性部材やスイッチ部等と協働して、半押しの状態と全押しの状態とにすることが可能となっているものとする。すなわち、図中状態B,Cに例示するように、ボタン部BUが半押しの状態(状態B)となっている場合には、光射出部71のうち第1レーザー光源部71aのみにバッテリー部BTから電力が供給されて発光し、可視光である第1射出光VLのみを射出させる第1射出状態となる。一方、ボタン部BUが全押しの状態(状態C)となっている場合には、光射出部71のうち第1及び第2レーザー光源部71a,71bの双方にバッテリー部BTから電力が供給されてそれぞれ発光し、可視光である第1射出光VLと可視光外の波長帯域の光である第2射出光ILとを重畳した状態で射出させる第2射出状態となる。なお、レーザー光を使用することで、第1射出光VLの確実な視認と、第2射出光ILの確実な検出が可能になる。
以上のような構成により、本実施形態に係る指示装置70は、切替部72での切替えによって、光射出部71から可視光のみが射出される状態(第1射出状態)と、可視光と可視光でない光との双方が射出される状態(第2射出状態)とにできる。このような切替えが可能であることで、指示装置70は、例えば図2に示すプロジェクターシステム500において、可視光によって画像上の位置を指し示して視認させるポインターとして機能する(第1射出状態)ことと、インタラクティブな動作を可能とするために可視光外の光によって画像上の書込み位置を画像表示装置に認識させて書込みを行わせるものとしつつ人間には可視光を視認させるように機能する(第2射出状態)こととを、選択的に両立できる。
以下、図2等を参照して、指示装置70を利用したインタラクティブな画像表示装置における画像投射に関して一例を説明する。ここでは、インタラクティブ機能を搭載した画像表示装置を備える本実施形態に係る画像表示システムの一例として、プロジェクター(あるいはプロジェクターシステム)について説明する。なお、インタラクティブな画像投射を可能にするためには、投射画面上における指示装置70による指示位置(発光位置)を特定するための位置合わせ(キャリブレーション)がなされていることが前提となるが、このキャリブレーションについては、図5等を参照して後述する。
図2は、インタラクティブな状況での本実施形態に係る画像表示システムにおける指示装置70の使用態様の一例として、プロジェクターシステム500における画像投射の様子の一例を示している。
図2等に示すプロジェクターシステム500は、投射光PLを投射して画像投射を行うプロジェクター100で構成されている。なお、投射光PLの被照射領域PLaは、例えばスクリーンSC上に形成される。また、図示を省略するが、プロジェクターシステム500は、プロジェクター100のほか、例えばPC等が接続されることで構成され、必要に応じて当該PCが各種処理をすることで被照射領域PLaでの表示画面上への書込みを受け付けるインタラクティブな状況での画像動作を可能にしている。プロジェクターシステム500のうち、プロジェクター100は、スクリーンSCの斜め上方に設置され、斜め下方のスクリーンSCに向けて近接投射をする短焦点タイプのプロジェクターであり、画像投射を行うための本体部分であるプロジェクター本体部100pと、プロジェクター本体部100pにより投射された投射画像を撮像して画像情報を取得する撮像部50とで構成されている。
プロジェクター本体部100pは、スクリーンSCに向けて可視光波長帯域の光を合成して構成される画像光である投射光PLを投射して投影画像(カラー画像)の形成を行う。
プロジェクター本体部100pは、詳細な図示を省略するが、光源や光変調装置、投射光学系等を備え、スクリーンSCに対する画像投影を行う。このため、例えば図3に示すように、プロジェクター本体部100pは、投射光学系を含む画像投影部90と、プロジェクター制御部CTとを有し、プロジェクター制御部CTにより画像投射等の各種動作制御がなされている。また、特に、プロジェクター制御部CTは、撮像部50からの情報を受け付け可能とし、撮像部50からの情報を加味して投射させる画像の内容を修正することで画面上に書込みができるものとなっている、すなわちインタラクティブな画像投射を可能としている。
プロジェクター本体部100pを構成する光学系については、種々の態様が可能であるが、例えば光源等については、種々の構成のものが適用可能であり、例えばレーザー光源やLED光源、さらに有機EL(O−LED)を利用することも可能である。特に、有機EL素子等の自発光型の光源を適用した場合、光源が光変調の役割も兼ねた映像装置として構成できる。なお、光源(バックライト)と光変調とを個別の構成とする場合、光変調装置については、例えば透過型の液晶パネルとすることができる。
以下、図2を参照して、本実施形態に係る指示装置70を利用したインタラクティブな状況での画像投射での動作について説明する。図2に示すように、インタラクティブな状況での画像投射では、スクリーンSC上において、上記のような投射光PLのほかに、利用者HUが保持する指示装置70の先端部TPから射出される可視光である第1射出光VLや可視光外の光である第2射出光ILが照射される。指示装置70からの光のうち、可視光である第1射出光VLは、利用者HUがスクリーンSC上において指し示した位置TPrにあるものとして利用者HUや他の観察者の眼EYによって視認される。一方、可視光外の光である第2射出光ILは、利用者HUや等によって直接的に視認されることはないが、第2射出光ILの成分のうちの一部が撮像部50に入射すると、検出光DLとして検出される。これにより、プロジェクター100は、指示装置70により指し示された位置TPrを特定し、対応する画像上の位置における書込みを行うことでインタラクティブ機能が達成される。また、以上の場合、図示のように、利用者HUは、スクリーンSCから離れた位置から指示装置70を操作できる。本実施形態では、既述のように、プロジェクター100を上方に設置し斜め投射(近接投射)としているため、仮に利用者HUがスクリーンSCに近づいて指示装置70を使用しても、利用者HUの影がスクリーンSCに映りにくいと考えらえる。しかしながら、プロジェクター100の設置環境や、利用者HUの身長、スクリーンSCへの近づき具合等によっては影が映ってしまう可能性がある。本実施形態では、上記のように遠隔からの操作を可能とすることで、利用者HUの影が映るといった事態を回避しつつインタラクティブな状況での画像投射を維持できる。
以下、図4を参照して、撮像部50の一構成例について説明する。図4に示すように、撮像部50は、撮像レンズ系30のほか、受光部(受光素子)である撮像素子40と、制御装置80とを備える。
撮像レンズ系30は、物体上の画像を撮像素子40に結像させるためのものであり、複数のレンズや絞り等を鏡筒部に収納して構成されている。
撮像素子40は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子を用いて構成される。撮像素子40は、可視光として、プロジェクター本体部100pからの投射光PL(特にキャリブレーション時におけるパターン画像光)のほか、投射光PL以外の可視光波長帯域の成分で構成される第2射出光ILについても受光検知可能な受光素子である。
制御装置80は、撮像部50全体の制御をするとともに、撮像部50が搭載されるプロジェクター100のプロジェクター制御部CTとの通信等を行う(図3参照)。このため、制御装置80は、撮像部50を構成する撮像素子40や撮像レンズ系30の駆動制御を行う駆動制御部81と、プロジェクター100(プロジェクター制御部CT)との情報通信処理を行うための通信部82とを備える。この場合、撮像素子40や撮像レンズ系30は、制御装置80の駆動制御部81からの駆動信号に従って撮像動作をするものとなり、通信部82を介して撮像部50が搭載されたプロジェクター100での各種動作との連動が可能となっている。すなわち、プロジェクター等の本体装置からの指令に従って動作する、といったことも可能である。
なお、撮像部50は、プロジェクター100を構成する一部として組み込まれるものとすることもできるが、例えば、撮像部50は、プロジェクター100とは別体の撮像装置として存在するものとしてもよい。
以下、撮像部50の撮像レンズ系30についてさらに詳細に説明する。図示の場合、撮像レンズ系30は、複数のレンズ(ここでは一例として8つのレンズL11〜L18)と、絞りSTと、光学フィルター装置60とを備える。
複数のレンズL11〜L18は、魚眼タイプのレンズを構成し、例えば半画角70゜以上を有し、スクリーンSCの全体を撮像するのに十分なものとなっている。
絞りSTは、典型的には、各レンズL11〜L18の間のうち各光線束が最も集光する位置に配置され、各レンズL11〜L18を通過して最終的に像面IM(撮像素子40の像面)に到達する光量を制限する。
光学フィルター装置60は、第1光学フィルターFI1と、第2光学フィルターFI2とを有し、図示を省略するステッピングモーターやピニオン等によって、レンズL11〜L18と像面IM(撮像素子40の像面IM)との間において、各光学フィルターFI1,FI2を挿抜可能にしている。
光学フィルター装置60のうち、第1光学フィルターFI1は、可視光波長帯域の光である投射光(画像光)PLや指示装置70から射出される可視光である第1射出光VLに対応する波長帯域の光の成分をカットするとともに、指示装置70から射出される光のうち赤外光である第2射出光ILに対応する波長帯域の光の成分を透過させる。これにより、第1光学フィルターFI1は、プロジェクター100から射出される投射光PLや指示装置70から射出される第1射出光VLを遮蔽する一方、指示装置70から射出される第2射出光ILを透過させ、撮像素子40における検出光DLとして検出することを可能にしている。なお、第1光学フィルターFI1は、上述のように、実使用時に光路中に配置される一方、キャリブレーション時には光路外に退避している。
第2光学フィルターFI2は、キャリブレーション時に第1光学フィルターFI1に代わって光路中に配置され、キャリブレーションのためのパターン画像を形成するパターン画像光の波長帯域の光のみを透過させ、他の波長帯域の光をカットするカットフィルターである。すなわち、第2光学フィルターFI2は、キャリブレーション時において、撮像素子40におけるパターン画像光の検出を可能にするパターン画像光透過フィルターとして機能している。
なお、各光学フィルターFI1,FI2については、種々の態様が考えられるが、典型的には、例えば光透過性のガラス基板上に上記したような特性を有する膜をそれぞれ形成させて構成することが考えられる。
以下、図5等を参照して、インタラクティブな画像投射を可能にするための位置合わせ(キャリブレーション)の動作について詳細に説明する。ここでのキャリブレーションとは、投射画面上における指示装置70による指示位置(発光位置)を特定するための位置合わせであり、より具体的には、図6に例示するように、プロジェクターシステム500におけるプロジェクター本体部100p側の画素(光変調側の画素)と撮像部50側の画素(撮像素子40側の画素)とを対応付けることである。
図5に示すように、まず、プロジェクター本体部100pにおいて、プロジェクター制御部CTからの制御に従って、画像投影部90により、キャリブレーション用のパターン画像PTをスクリーンSC上の被照射領域PLaに投影するためのパターン画像光GLが投射される。ここでは、パターン画像PTは、矩形状に投影されており、プロジェクター本体部100pの光変調における画素マトリクス(光変調の画素)との対応付けがなされているものとする。また、パターン画像光GLは、例えば、緑色波長帯域の光であり、撮像部50は、スクリーンSC上に投影されたパターン画像PTを撮像する(パターン画像光GLの情報を取得する)。この際、図4を参照して説明したように、光学フィルター装置60において第1光学フィルターFI1に代えて第2光学フィルターFI2を光路上に配置することで、撮像部50は、受光部である撮像素子40においてパターン画像光GLを捉え、撮像したパターン画像PTの画像情報をプロジェクター本体部100pに対して送信する。プロジェクター本体部100pは、撮像部50で取得したパターン画像PTの情報と、光変調における画素マトリクスの情報との対応付けを行う。図6は、対応付けについて一例を説明するための図である。ここでは、図中左側に示すピクセル画像PX1は、プロジェクター本体部100pでの光変調における画素マトリクスを示すものであってスクリーンSC上のパターン画像PTと対応しているものとする。一方図中右側に示すピクセル画像PX2は、撮像部50の受光素子である撮像素子40での画素マトリクスを示すものであり、ピクセル画像PX2中にパターン画像PTを撮像した画像部分PIが捉えられている。プロジェクター本体部100pは、ピクセル画像PX1を構成する各ピクセルとピクセル画像PX2のうち画像部分PIに対応する箇所の各ピクセルとを対応づけることで、撮像部50で撮像されたパターン画像PTの各位置とプロジェクター本体部100pの光変調における画素マトリクス状の各位置すなわち投影された画像上の位置とを対応付ける。
以上のように、プロジェクター本体部100pは、撮像部50で取得したパターン画像PTの情報であるピクセル画像PX2のうち画像投射位置を示す画像部分PIと、光変調の画素の位置を示すピクセル画像PX1とを対応付けることで、キャリブレーションを行っている。これにより、撮像部50で検出された検出光DLに基づく指示位置の特定が可能となり、インタラクティブな画像投射が可能となる。
なお、撮像部50は、上記のようなキャリブレーション時や、インタラクティブな画像投射のような通常の画像投射時(実使用時)において、プロジェクター100によって投影された投影画像位置を把握するため、例えばプロジェクター本体部100pによる画像投影における投射角度や投射距離等に対応した角度等にカメラのレンズ系が向いているように配置されている。
以下、図7を参照して、インタラクティブな状況での画像投射時(実使用時)におけるプロジェクターシステム500の動作のうち、特に、キャリブレーションに基づく対応付けについて説明する。
まず、図7に示すように、書込みを可能とするために、利用者HUが指示装置70のボタン部BUを全押しの状態(図1の状態C)にすると、指示装置70の先端部TPから可視光である第1射出光VLと可視光外の光である第2射出光ILとが重畳した状態で射出され(第2射出状態)、指し示した位置TPrに到達する。既述のように、可視光である第1射出光VLは、利用者HU等によって視認され、位置TPrが差し示されているものとして視認される。一方、可視光外の光である第2射出光ILについては、成分の一部が撮像部50に入射し、受光部である撮像素子40において受光されることで、検出光DLとして検出される。撮像部50において検出光DLの検出がなされ、さらに、検出結果がプロジェクター本体部100pに送信されると、プロジェクター本体部100pは、上記したキャリブレーションによる対応付けに基づいて、位置TPrに対応した画像投射を行う。すなわち、プロジェクター本体部100pは、キャリブレーション時に撮像部50で取得したパターン画像光の情報に基づく画像投射位置に相当する破線で示す(図7の実使用時には表示されない)パターン画像PTの位置と、インタラクティブな状況での実使用時に撮像部50により検出された位置(特定位置TPx)とを特定し、当該位置の情報を反映した画像投射を行う。すなわち、図7において一部拡大して示すように、撮像素子40による撮像画像上において検出された検出光DLの発光位置である特定位置TPxについて、キャリブレーション時での対応付けによってパターン画像PT上の位置TPrと対応させ、その個所を描画した状態の画像表示を行う。なお、上記のような動作を行わせるように、例えばプロジェクター制御部CT、あるいは接続されているPC等において各種画像処理等がなされる。一方、利用者HUが指示装置70のボタン部BUを半押しの状態(図1の状態B)にし、指示装置70の先端部TPから第1射出光VLのみを射出させた(第1射出状態)場合、上記のようなインタラクティブな動作をせず、すなわち書込みの動作を行わない。この場合、可視光である第1射出光VLは、利用者HU等によって位置TPrが差し示されているものとして人間の眼EYには視認されるが、第2射出光ILが射出されていないため、撮像部50においては、指示装置70からの射出光の検知がなされない。つまり、書込み動作は行われない。言い換えると、指示装置70は、ポインターとして機能させるポインターモードでの使用を1つの選択肢としつつ、必要に応じてインタラクティブな操作による書込みモードでの使用を他の1つの選択肢とすることが可能となっている。
以上のように、本実施形態に係る指示装置70では、切替部72での切替えによって、光射出部71から可視光のみが射出される状態(第1射出状態)と、可視光と可視光でない光との双方が射出される状態(第2射出状態)とにできる。このような切替えが可能であることで、指示装置70は、画像表示装置であるプロジェクターシステム500において、可視光によって画像上の位置TPrを指し示して視認させるポインターとして機能することと、インタラクティブな動作において可視光によって画像上の書込み位置を利用者等に視認させつつ可視光外の光の検出に基づいてプロジェクター100側で位置TPrを特定し書込みを行わせるものとして機能する(第2射出状態)こととを可能にしている。
〔その他〕
この発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
この発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記の一例では、図1を参照して説明したように、半押しの状態と全押しの状態とにすることが可能なボタン部BUによって切替部72を構成するものとしている。しかし、これに限らず、例えば、図8に示すように、スイッチを押した状態と、スイッチを押した状態からスライドさせる状態との2段階の操作を可能とすることにより、第1射出状態と第2射出状態との切替えを可能にするスライド式スイッチ部SSを有した切替部72としてもよい。より具体的に構成の説明をすると、まず、図8において指示装置70のうち切替部72の部分を拡大して概念的に示すように、本変形例の切替部72は、押圧可能であるとともに押圧した状態からさらにスライド移動可能となっているスライド式スイッチ部SSと、スライド式スイッチ部SSの差込部SAに対応して設けられてスライド移動時に差込部SAに差し込まれることでスライド式スイッチ部SSを固定する突起部PPとを有している。なお、突起部PPは、例えば筐体CSに一体的に形成されていることで、差込部SAに差し込まれた場合に、スライド式スイッチ部SSを固定できる。図8のうち、状態Aは、光射出前の状態(あるいは光射出をしていない状態)の指示装置70を示している。すなわち、状態Aに示すように、スライド式スイッチ部SSが利用者によって押圧されて(押されて)いない場合には、指示装置70から光は射出されない。一方、状態Bに示すように、スライド式スイッチ部SSが利用者によって矢印A1の方向に押圧された状態となると、通電状態が適宜切り替えられて可視光である第1射出光VLのみを射出させる第1射出状態となる。さらに、状態Cに示すように、スライド式スイッチ部SSが利用者によってスライド移動され、差込部SAに突起部PPが差し込まれてスライド式スイッチ部SSが固定された状態となると、通電状態が適宜切り替えられて可視光である第1射出光VLと可視光外の波長帯域の光である第2射出光ILとを重畳した状態で射出させる第2射出状態となる。以上のように、スイッチを押した状態と、スイッチを押した状態からさらにスライドさせる状態との2段階の状態とすることが可能な構成とすることによっても、切替部72において所望の切替えができる。
また、上記では、画像表示システムとして、プロジェクターシステム500を一例としてあげているが、指示装置70を画像表示装置用の指示装置として適用可能な画像表示システムは、プロジェクターによるものに限らない。例えば液晶モニター等の種々の画像表示装置において、例えば撮像部等を有してインタラクティブな状況での画像表示を可能な構成とした場合に、適用するものとしてもよい。また、例えば画像表示装置の画像表示部が第2射出光ILを検出光として受光する受光部を備え画像表示部に指示装置70からの射出光を直接的に検知してこれを反映する画像を形成し、インタラクティブな動作を実現する構成としてもよい。
また、指示装置70から射出させるレーザー光に関して、例えば第2射出光ILとしての赤外線レーザーをパルス駆動によって射出するものとし、指示装置70において第2射出光ILのパルス幅を変更可能とし、当該パルス幅の変更をプロジェクター100側で識別することで、インタラクティブな動作での描画に際して、描画を行う際の色や形状、太さ等を変更可能にするものとしてもよい。
また、指示装置70がプロジェクター100との通信を可能とすることで、描画する際の色等を変更可能にしてもよい。
また、上記の例では、指示装置70を1本のみ示しているが、2本以上を同時利用するものとしてもよい。例えば、第2射出光IL(検出光DL)として互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ射出したり、あるいは、パルス幅を変更したりすることで、2本または2本以上の指示装置を識別できる。
また、上記では、プロジェクター制御部CTや、プロジェクター100に接続可能なPC等において各種処理をなすものとして記載しているが、担わせる処理については、種々の態様が可能であり、例えば、撮像部50で取得した投射光PLの情報に基づく画像投射位置と、撮像部50により検出された検出光DLに基づく位置とを特定する等の処理をPC側で行う(PC等がプロジェクター制御部を構成する)ようにするといったことが考えられる。また、逆に、PC等を接続せず、例えば、プロジェクター制御部CTにおいて全ての処理を担わせる構成(PCレス)とすることも可能である。
また、上記では光射出部71において、ダイクロイックミラーDMでの反射透過特性によって第1レーザー光源部71aからの第1射出光VLと第2レーザー光源部71bからの第2射出光ILとを同一光路から射出させているが、反射透過のさせ方については、上記に限らず、例えば第1射出光VLを反射させ第2射出光ILを透過させるものとしてもよい。さらに、ダイクロイックミラーを用いず、1つのレーザー光源部から2種類の射出光VL,ILを射出させる構成とすることも考えられる。
また、上記では、第1レーザー光源部71aから射出される可視光波長帯域の第1射出光VLを、赤色レーザー光をとしているが、これに限らず、例えば他の色光としてもよい。
また、上記では、パターン画像PTを緑色波長帯域の光で構成されるパターン画像光GLによって投影するものとしているが、パターン画像PTの投影については、緑色波長帯域の光に限らず、他の波長帯域の光を利用することも考えられる。この場合、併せて光学フィルター装置60における第2光学フィルターFI2の特性を種々変更することが考えられる。
また、光学フィルター装置60において、第2光学フィルターFI2については、透過特性を有する膜を設けず、ガラス基板のみとし、少なくとも可視光波長帯域を全域に亘って透過させるもので代用してもよい。さらに、第2光学フィルターFI2を有さず挿抜可能な第1光学フィルターFI1のみを有するものとすることも考えられる。
また、受光素子である撮像素子40について、例えばパターン画像光GLに対応する緑色波長帯域の光のみを受光可能な素子と第2射出光IL(検出光DL)のみを受光可能な素子とで構成するものとしてもよい。
また、上記では、プロジェクター本体部100pを構成する光源や光変調装置、投射光学系等については、図示や詳細な説明を省略しているが、種々の態様が適用可能であり、例えば光源に関しては、上記のほか、例えば高圧水銀ランプ等を利用し、3色の光源に分離して適用することも可能である。光変調装置については、上記のほか、例えば光変調装置についても液晶パネルにカラーフィルターを利用したものや、反射型液晶パネル、デジタル・マイクロミラー・デバイス等により構成するといった種々の態様が考えられる。
30…撮像レンズ系、40…撮像素子(受光部)、50…撮像部、60…光学フィルター装置、70…指示装置、71…光射出部、71a…第1レーザー光源部、71b…第2レーザー光源部、72…切替部、80…制御装置、81…駆動制御部、82…通信部、90…画像投影部、100…プロジェクター、100p…プロジェクター本体部、500…プロジェクターシステム(画像表示システム)、A,B,C…状態、BT…バッテリー部、BU…ボタン部、CS…筐体、CSa…上面、CT…プロジェクター制御部、DL…検出光、DM…ダイクロイックミラー、EY…眼、FI1…第1光学フィルター、FI2…第2光学フィルター、GL…パターン画像光、HU…利用者、IL…第2射出光、IM…像面、L11-L18…レンズ、OA…光軸、PI…画像部分、PL…投射光、PLa…被照射領域、PP…突起部、PT…パターン画像、PX1…ピクセル画像、PX2…ピクセル画像、SA…差込部、SC…スクリーン、SS…スライド式スイッチ部、TP…先端部、TPr…位置、TPx…特定位置、VL…第1射出光
Claims (7)
- 可視光波長帯域の第1射出光と、可視光外波長帯域であり表示画面上における検出対象となるべき第2射出光とを射出可能とする光射出部と、
前記光射出部から前記第1射出光のみを射出させる第1射出状態と、前記光射出部から前記第1射出光と前記第2射出光とを射出させる第2射出状態とに切り替え可能にする切替部と
を備える、画像表示装置用の指示装置。 - 前記光射出部は、前記第1射出光及び前記第2射出光として、レーザー光を射出する、請求項1に記載の画像表示装置用の指示装置。
- 前記光射出部は、前記第1射出光と前記第2射出光とのうち一方を透過させるとともに他方を反射して重畳し、同一光路から射出する、ダイクロイックミラーを有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の画像表示装置用の指示装置。
- 前記切替部は、半押しの状態と全押しの状態とにより、前記第1射出状態と前記第2射出状態との切替えを可能にするボタン部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置用の指示装置。
- 前記切替部は、スイッチを押した状態と、スイッチを押した状態からスライドさせる状態とにより、前記第1射出状態と前記第2射出状態との切替えを可能にするスライド式スイッチ部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置用の指示装置。
- 前記光射出部は、前記第2射出光として、赤外光波長帯域の光を射出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置用の指示装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置用の指示装置を備える画像表示システムであって、
前記光射出部から射出された前記第2射出光を検出光として受光する受光部を備える画像表示システム。
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JP2020068411A (ja) * | 2018-10-22 | 2020-04-30 | セイコーエプソン株式会社 | 位置検出装置、表示装置、及び、位置検出方法 |
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2016
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