[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
図1に本実施形態の無線通信装置10の構成例を示す。本実施形態の無線通信装置10は、設定指定部11、無線通信部12、設定送受信部13および設定記憶部14により構成される。
設定指定部11は、無線通信に使用する設定を指定する部分である。無線通信部12は、指定された設定に従って無線通信を行う部分である。設定送受信部13は、指定された設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部に記憶させる部分である。
このように無線通信装置10を構成することによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
次に、図2に本実施形態の無線通信装置10の動作の例を示す。
設定指定部11は、無線通信に使用する設定を指定する(ステップS101)。次に、無線通信部12は、指定された設定に従って無線通信を行う(ステップS102)。設定送受信部13は、指定された設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる(ステップS103、ステップS104)。
このように動作することによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、無線通信装置は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部に記憶させる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施形態では、第一の実施形態の無線通信装置10について、より具体的に説明する。
まず、図3に本実施形態の無線通信システムの構成例を示す。本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bにより構成される。
無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bは、第一の実施形態の無線通信装置10に相当する。本実施形態の無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bは、親機モードおよび子機モードで動作が可能な装置である。また、当初、無線通信装置10Aは親機モードで、また、無線通信装置10Bは子機モードで動作するものとする。なお、親機モードとは、他の無線通信装置を自身に帰属させるモードであり、子機モードとは、他の無線通信装置に帰属するモードである。
次に、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの構成例について説明する。無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの構成例は、図1の無線通信装置10の構成例と同様である。
設定指定部11は、無線通信の設定を指定する部分である。本実施形態では、当初、無線通信装置10Aの設定指定部11は、親機モードに対応する親機設定Aを、無線通信装置10Bの設定指定部11は、子機モードに対応する子機設定Bを指定しているものとする。なお、親機設定は、無線通信装置が親機モードで動作するために必要な設定、また、子機設定は、無線通信装置が子機モードで動作するために必要な設定である。
また、本実施形態では、設定指定部11が指定する設定は、利用者によってあらかじめ指定されているものとする。たとえば、利用者が親機モードを設定することで、設定指定部11は親機モードに対応する親機設定を指定する。
無線通信部12は、指定された設定に従って無線通信を行う部分である。本実施形態では、当初、無線通信装置10Aの無線通信部12は、親機設定Aに従って無線通信装置10Bと無線通信を行う。このとき、親機設定Aは親機モード用の設定のため、無線通信部12は親機モードで動作する。また、無線通信装置10Bの無線通信部12は子機モードで子機設定Bに従って無線通信装置10Aと無線通信を行う。
本実施形態では、親機設定および子機設定は、子機が親機に帰属するために必要な設定、たとえば、SSID、暗号化キー、暗号化方式などを含むものとする。また、親機設定には、無線周波数、その他の無線設定(ステルス機能等)や、親機がWAN(Wide Area Network)に接続するための設定(ユーザ名やパスワード等)等を含むことも可能である。
設定記憶部14は、無線通信の詳細設定を記憶する部分である。本実施形態では、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの設定記憶部14は、親機モードに対応する親機設定および子機モードに対応する子機設定を記憶するものとする。また、本実施形態では、当初、無線通信装置10Aの設定記憶部14は、親機モードに対応する親機設定Aを、無線通信装置10Bの設定記憶部14は、子機モードに対応する子機設定Bを記憶しているものとする。
図4に、設定記憶部14に記憶されている設定の例を示す。この例では、無線通信装置10Aは、親機モードに対応する設定として、親機設定Aが設定記憶部14に記憶されている。親機設定Aは、子機が自身(無線通信装置10A)に帰属するために必要な、無線通信装置10AのSSID(SSIDA)等を含む。また、無線通信装置10Bは、子機モードに対応する設定として、子機設定Bが設定記憶部14に記憶されている。子機設定Bは、自身が親機(無線通信装置10A)に帰属するために必要な、無線通信装置10AのSSID(SSIDA)等を含む。
設定送受信部13は、指定された設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる部分である。
図5に、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの設定記憶部14が当初図4の例の設定を記憶しているときの、設定送受信部13が設定の送受信を行った後に設定記憶部14が記憶している設定の例を示す。この場合、無線通信装置10Aの設定送受信部13は、親機設定Aを無線通信装置10Bへ送信するとともに、無線通信装置10Bから子機設定Bを受信して設定記憶部14へ記憶させる。また、無線通信装置10Bの設定送受信部13は、子機設定Bを無線通信装置10Aへ送信するとともに、無線通信装置10Aか親機設定Aを受信して設定記憶部14へ記憶させる。
この状態で、無線通信装置10Aの設定指定部11が子機設定Bを指定すると、無線通信装置10Aの無線通信部12は子機設定Bに従って子機モードで無線通信を行う。このとき、無線通信装置10Aは、SSIDがSSIDAの装置に帰属して無線通信を行う。また、無線通信装置10Bの設定指定部11が親機設定Aを指定すると、無線通信装置10Bの無線通信部12は親機設定Aに従って親機モードで無線通信を行う。このとき、無線通信装置10BのSSIDがSSIDAとなる。このように、本実施形態では、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの親子関係を入れ替えても、無線通信装置10Aが無線通信装置10Bに帰属して無線通信を行うことが可能である。
このように無線通信装置10を構成することによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
次に、図6および図2を用いて、本実施形態の無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bの動作例について説明する。なお、ここでは、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bにはあらかじめ利用者によって図4の設定がされているものとする。
まず、利用者が無線通信装置10Aを親機モード、無線通信装置10Bを子機モードに設定する。次に、無線通信装置10Aの設定指定部11は、設定記憶部14に記憶されている親機モードに対応する設定が一つのため、その設定(親機設定A)を無線通信に使用する設定として指定する。同様に、無線通信装置10Bの設定指定部11は、設定記憶部14に記憶されている子機モードに対応する設定が一つのため、その設定(子機設定B)を無線通信に使用する設定として指定する(図2のステップS101)。そして、無線通信装置10Aは親機モードで親機設定Aに従って、無線通信装置10Bは子機モードで子機設定Bに従って無線通信を開始する(ステップS102)。
このとき、まず、無線通信装置10Aと無線通信装置10Bは、互いに認証(Authentication)を行う(図6のステップS201)。そして、無線通信装置10Bは無線通信装置10Aへ接続要求(Association Request)を行う(ステップS202)。また、無線通信装置10Aは接続応答(Association Response)を行う(ステップS203)。これらの動作により、無線通信装置10Bは無線通信装置10Aに帰属する(ステップS204)。
ステップS202において、本実施形態の無線通信装置10Bは、設定の送受信が可能であることを示すエレメントビットをAssociation Requestに付加する。たとえば、Association RequestのData領域のビットのいずれかを「1」とする。また、ステップS203において、本実施形態の無線通信装置10Aは、エレメントビットを付加したままAssociation Responseを応答する。このようにすることで、相手が設定の送受信が可能な装置であることを、お互いに認識することができる。なお、設定の送受信が可能な装置であることを認識させるための方法には、これ以外の方法を用いても良い。
次に、無線通信装置10Bは、Association Responseにエレメントビットが付加されていたため、設定の送受信が可能と判断し、無線通信装置10Aへ無線通信装置10Aの設定(親機設定A)を要求する(ステップS205)。これは、図2のステップS104に相当する。なお、図2において、ステップS103とステップS104の動作は順不同である。また、本実施形態では、まず、子機が親機へ親機設定を要求するものとするが、要求なしで親機が親機設定を送信しても良いし、親機設定の送受信に先立って親機が子機へ子機設定を要求しても良い。
親機設定の要求を受信した無線通信装置10Aは、親機設定Aを送信する(ステップS206)。これは、図2のステップS103に相当する。親機設定Aを受信した無線通信装置10Bは、親機設定Aを設定記憶部14に記憶させる(ステップS207)。これは、図2のステップS104に相当する。
また、無線通信装置10Aは、Association Requestにエレメントビットが付加されていたため、設定の送受信が可能と判断し、無線通信装置10Bへ無線通信装置10Bの設定(子機設定B)を要求する(ステップS208)。本実施形態では、親機から子機への親機設定の送信の完了後に親機が子機へ子機設定を要求するものとするが、要求なしで親機が子機設定を送信しても良い。
子機設定の要求を受信した無線通信装置10Bは、子機設定Bを送信する(ステップS209)。これは、図2のステップS103に相当する。子機設定Bを受信した無線通信装置10Aは、子機設定Bを設定記憶部14に記憶させる(ステップS210)。これは、図2のステップS104に相当する。このようにして、設定記憶部14は、図5の設定を記憶することになる。
そして、無線通信装置10Aの無線通信部12は、設定指定部11から子機設定Bを指定されると、子機設定Bで無線通信を行い、無線通信装置10Bの無線通信部12は、設定指定部11から親機設定Aを指定されると、親機設定Aで無線通信を行う。
このように動作することによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に、無線通信装置は、第一の設定を送信するとともに、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部に記憶させる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。本実施形態では、無線通信システムが中継機を含む構成である場合について説明する。
まず、図7に本実施形態の無線通信システムの構成例を示す。本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cにより構成される。
無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cは、第一の実施形態の無線通信装置10に相当する。本実施形態の無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cは、いずれも、親機モード、子機モードおよび中継機モードで動作が可能な装置とする。また、当初、無線通信装置10Aは親機モードで、無線通信装置10Bは子機モードで、また、無線通信装置10Cは中継機モードで動作するものとする。なお、親機モードとは、他の無線通信装置を自身に帰属させるモード、子機モードとは、他の無線通信装置に帰属するモード、中継機モードとは、他の無線通信装置(親機)に帰属するとともに他の無線通信装置(子機)を帰属させるモードである。
次に、無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cの構成例について説明する。無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cの構成例は、図1の無線通信装置10の構成例と同様である。
設定指定部11は、無線通信に使用する設定を指定する部分である。本実施形態では、当初、無線通信装置10Aの設定指定部11は親機設定Aを、無線通信装置10Bの設定指定部11は子機設定Bを、無線通信装置10Cの設定指定部11は中継機設定Cを指定しているものとする。また、本実施形態では、設定指定部11が指定する設定は、利用者によってあらかじめ指定されているものとする。
無線通信部12は、指定された設定に従って無線通信を行う部分である。本実施形態では、当初、無線通信装置10Aの無線通信部12は親機設定Aに従って親機モードで無線通信装置10Cと無線通信を行う。また、無線通信装置10Bの無線通信部12は子機設定Bに従って子機モードで無線通信装置10Cと無線通信を行う。また、無線通信装置10Cの無線通信部12は中継機設定Cに従って中継機モードで、無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bと無線通信を行う。なお、親機設定は、無線通信装置10が親機モードで動作するために必要な設定、また、子機設定は、無線通信装置10が子機モードで動作するために必要な設定である。また、中継機設定は、無線通信装置10が中継機モードで動作するために必要な設定である。
本実施形態では、親機設定、子機設定および中継機設定は、子機が中継機に帰属したり中継機が親機に帰属したりするために必要な設定、たとえば、SSIDや暗号化キーなどを含むものとする。親機設定には、親機がWANに接続するための設定等を含むことも可能である。
設定記憶部14は、各々の動作モードに対応付けて設定を記憶する部分である。本実施形態では、無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cの設定記憶部14は、親機モードに対応する親機設定、子機モードに対応する子機設定および中継機モードに対応する中継機設定を記憶するものとする。また、本実施形態では、当初、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cの設定記憶部14は、各々、親機モードに対応する親機設定A、子機モードに対応する子機設定B、中継機モードに対応する中継機設定Cを記憶しているものとする。
図8に、設定記憶部14に記憶されている設定の例を示す。この例では、無線通信装置10Aでは、親機モードに対応する設定として、親機設定Aが設定記憶部14に記憶されている。親機設定Aは、中継機が自身(無線通信装置10A)に帰属するために必要な、無線通信装置10AのSSID(SSIDA)等を含む。また、無線通信装置10Bでは、子機モードに対応する設定として、子機設定Bが設定記憶部14に記憶されている。子機設定Bは、自身が中継機(無線通信装置10C)に帰属するために必要な、無線通信装置10CのSSID(SSIDC)等を含む。無線通信装置10Cでは、中継機モードに対応する設定として、中継機設定Cが設定記憶部14に記憶されている。中継機設定Cは、子機が自身(無線通信装置10C)に帰属するために必要な、無線通信装置10CのSSID(SSIDC)等、および、自身が親機(無線通信装置10A)に帰属するために必要な、無線通信装置10AのSSID(SSIDA)等を含む。
設定送受信部13は、指定された設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる部分である。
図9に、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cの設定記憶部14が当初図8の例の設定を記憶しているときの、設定送受信部13が設定の送受信を行った後に設定記憶部14が記憶している設定の例を示す。この場合、無線通信装置10Aの設定送受信部13は、親機設定Aを無線通信装置10Cおよび(無線通信装置10C経由で)無線通信装置10Bへ送信する。また、(無線通信装置10C経由で)無線通信装置10Bから子機設定Bを、無線通信装置10Cから中継機設定Cを受信して設定記憶部14へ記憶させる。
無線通信装置10Bの設定送受信部13は、子機設定Bを無線通信装置10Cおよび(無線通信装置10C経由で)無線通信装置10Aへ送信する。また、(無線通信装置10C経由で)無線通信装置10Aから親機設定Aを、無線通信装置10Cから中継機設定Cを受信して設定記憶部14へ記憶させる。
無線通信装置10Cの設定送受信部13は、中継機設定Cを無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bへ送信する。また、無線通信装置10Aから親機設定Aを、無線通信装置10Bから子機設定Bを受信して設定記憶部14へ記憶させる。
この状態で、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cの設定指定部11が新たな設定を指定すると、各々の無線通信装置10は指定された設定に従って無線通信を行う。
たとえば、図10のように設定を変更する場合、無線通信装置10Aの設定指定部11が中継機設定Cを指定すると、無線通信装置10Aの無線通信部12は中継機設定Cに従って無線通信を行う。このとき、無線通信装置10Aは、自身のSSIDをSSIDCとし、また、SSIDがSSIDAの装置に帰属して無線通信を行う。
また、無線通信装置10Bの設定指定部11が親機設定Aを指定すると、無線通信装置10Bの無線通信部12は親機設定Aに従って無線通信を行う。このとき、無線通信装置10BのSSIDがSSIDAとなる。
また、無線通信装置10Cの設定指定部11が子機設定Bを指定すると、無線通信装置10Cの無線通信部12は子機設定Bに従って無線通信を行う。このとき、無線通信装置10CはSSIDがSSIDCの装置に帰属して無線通信を行う。
その結果、無線通信装置10Bが親機、無線通信装置10Aが中継機、無線通信装置10Cが子機として動作し、各々が無線通信を行うことが可能になる。このように、本実施形態では、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cの役割(動作モード)を入れ替えても、無線通信を行うことが可能である。
なお、中継機や子機が複数存在する場合には、設定記憶部14に中継機設定や子機設定を複数記憶できるようにし、設定指定部11は、複数の設定のうちのどれを使用するか設定できるようにすると良い。たとえば、中継機設定や子機設定の各々に識別番号を付与し、その識別番号を設定指定部11が指定するようにすると良い。
このように無線通信装置10を構成することによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
次に、図11、図12および図2を用いて本実施形態の無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cの動作例について説明する。なお、ここでは、無線通信装置10A、無線通信装置10Bおよび無線通信装置10Cにはあらかじめ利用者によって図8の設定がされているものとする。また、無線通信装置10Aと無線通信装置10Cは設定の送受信をせずに接続しているものとする。
まず、利用者が無線通信装置10Bを子機モードに指定することで、無線通信装置10Bの設定指定部11は子機設定Bを設定する(図2のステップS101)。そして、無線通信装置10Bは子機設定Bに従って子機モードで無線通信装置10Cと無線通信を開始する(ステップS102)。
このとき、まず、無線通信装置10Cと無線通信装置10Bは、互いに認証(Authentication)を行う(図11のステップS301)。そして、無線通信装置10Bは無線通信装置10Cへ接続要求(Association Request)を行う(ステップS302)。また、無線通信装置10Cは接続応答(Association Response)を行う(ステップS303)。これらの動作により、無線通信装置10Bは無線通信装置10Cに帰属する(ステップS304)。
ステップS302において、本実施形態の無線通信装置10Bは、設定の送受信が可能であることを示すエレメントビットをAssociation Requestに付加する。たとえば、Association RequestのData領域のビットのいずれかを「1」とする。また、ステップS303において、本実施形態の無線通信装置10Cは、エレメントビットを付加したままAssociation Responseを応答する。
次に、無線通信装置10Cは、Association Requestにエレメントビットが付加されていたため、設定の送受信が可能と判断し、無線通信装置10Aに対して再帰属を行う(ステップS305〜ステップS309)。再帰属の際、無線通信装置10Cは、エレメントビットを付加したAssociation Requestを送信する(ステップS307)。また、無線通信装置10Aは、エレメントビットを付加したままAssociation Responseを応答する(ステップS308)。これにより、無線通信装置10Aと無線通信装置10Cはお互いが設定の送受信が可能な装置であることを認識する。
次に、無線通信装置10Cは、自身に帰属する無線通信装置10Bへ、自身の動作モード(中継機モード)を送信する(ステップS310)。これにより、無線通信装置10Bは無線通信装置10Cが親機ではなく中継機であることを認識することができる。動作モードを受信した無線通信装置10Bは、自身の動作モード(子機モード)を送信する。これにより、無線通信装置10Cは、無線通信装置10Bが中継機ではなく子機であることを認識することができる。
また、無線通信装置10Aも、自身に帰属する無線通信装置10Cへ、自身の動作モード(親機モード)を送信する(ステップS312)。これにより、無線通信装置10Cは無線通信装置10Aが中継機ではなく子機であることを認識することができる。動作モードを受信した無線通信装置10Cは、自身の動作モード(中継機モード)を送信する(ステップS313)。これにより、無線通信装置10Aは、無線通信装置10Cが子機ではなく中継機であることを認識する。
次に、無線通信装置10Bは、無線通信装置10CからのAssociation Responseにエレメントビットが付加されていたため、設定の送受信が可能と判断し、無線通信装置10Cへ親機設定を要求する(ステップS314)。これは、図2のステップS104に相当する。なお、本実施形態では、まず、子機が親機へ親機設定を要求するものとするが、要求なしで親機が親機設定を送信しても良いし、親機設定の送受信に先立って親機や中継機が子機へ子機設定を要求しても良い。また、親機設定の送受信に先立って子機が中継機へ中継機設定を要求しても良い。
親機設定の要求を受信した無線通信装置10Cは、自身が親機モードではないため、自身が帰属する無線通信装置10Aへ親機設定を要求する。そして親機設定の要求を受信した無線通信装置10Aは、親機設定Aを送信する。これは、図2のステップS103に相当する。親機設定Aを受信した無線通信装置10Cは、親機設定Aを自身に帰属する無線通信装置10Bへ送信する(ステップS315)。そして、無線通信装置10Cは親機設定Aを設定記憶部14に記憶させる(ステップS316)。また、親機設定Aを受信した無線通信装置10Bは、親機設定Aを設定記憶部14に記憶させる(ステップS317)。これは、図2のステップS104に相当する。
また、無線通信装置10Bは、帰属先の無線通信装置10Cが中継機モードであるため、無線通信装置10Cへ中継機設定を要求する(ステップS318)。中継機設定の要求を受信した無線通信装置10Cは、中継機設定Cを無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bへ送信する(ステップS319)。中継機設定Cを受信した無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Bは、各々の設定記憶部14に中継機設定Cを記憶させる(ステップS320、ステップS321)。
また、無線通信装置10Aは、Association Requestにエレメントビットが付加されていたため、設定の送受信が可能と判断し、無線通信装置10Cへ子機設定を要求する(ステップS322)。本実施形態では、親機設定の送信の完了後に親機が子機設定を要求するものとするが、要求なしで親機が子機設定を送信しても良い。
子機設定の要求を受信した無線通信装置10Cは、自身が子機モードではないため、帰属している無線通信装置10Bへ子機設定を要求する。子機設定の要求を受信した無線通信装置10Bは、子機設定Bを無線通信装置10Cへ送信する(ステップS323)。これは、図2のステップS103に相当する。子機設定Bを受信した無線通信装置10Cは、自身が中継機モードのため、帰属先の無線通信装置10Aへ子機設定Bを送信する。子機設定Bを受信した無線通信装置10Aおよび無線通信装置10Cは、子機設定Bを各々の設定記憶部14に記憶させる(ステップS324、ステップS325)。これは、図2のステップS104に相当する。このようにして、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10Cの設定記憶部14は、いずれも、図9の設定を記憶することになる。
そして、各々の無線通信装置(10A、10B、10C)の無線通信部12は、設定指定部11から新たに指定された設定に従って無線通信を行う。なお、一つの動作モードに対して複数の設定が記憶されているときは、利用者に対して、複数の設定の中から一つを選択させるものとする。
このように動作させることによって、無線通信装置10は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置10は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、第一および第二の実施形態と同様に、無線通信装置は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部に記憶させる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。本実施形態は、第一から第三の実施形態に対して、無線通信システム内の各々の無線通信装置の無線能力に基づいて各々の無線通信装置の推奨設定を決定する機能を追加した形態である。
第二の実施形態は親機と子機の2台の役割を交換する形態のため、利用者は各々の無線通信装置に新たな役割を容易に設定することができる。しかし、第三の実施形態のように無線通信システム内の無線通信装置の数が多い場合、各々の無線通信装置に新たな役割を設定するのは手間である。また、リテラシーの低い利用者が無線通信装置を複数所持していた場合、どの無線通信装置を親機にするのが最適なのか判断することができず、無線能力の低い無線通信装置を親機としてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、無線通信システム内の各々の無線通信装置の無線能力に基づいて各々の無線通信装置の推奨設定を決定する機能を追加することで、無線通信装置の役割を最適な状態に容易に交換できるようにする。
図13に、本実施形態の無線通信システムの構成例を示す。本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置20および無線通信装置30により構成される。無線通信装置20は、無線通信装置10に対して、各々の無線通信装置の無線能力に基づいて推奨設定を決定する機能を追加した装置である。無線通信装置30は、無線通信装置10に対して、受信した推奨設定情報に基づいて動作する機能を追加した装置である。本実施形態では、無線通信装置20は親機モードで、無線通信装置30は子機モードで動作するものとするが、逆であっても良い。
次に、図14に、本実施形態の無線通信装置20の構成例を示す。本実施形態の無線通信装置20は、設定指定部21、無線通信部12、設定送受信部13、設定記憶部14、無線能力送受信部25、推奨設定決定部26および推奨設定送受信部27により構成される。無線通信部12、設定送受信部13および設定記憶部14については、第一から第三の実施形態と同様のため、説明を省略する。
無線能力送受信部25は、他の無線通信装置から無線能力を受信する部分である。本実施形態では、無線通信装置30から子機設定とともに送信されてくる無線能力を受信する。
推奨設定決定部26は、受信した無線能力と自身の無線能力とを比較して、無線通信システム内の各々の無線通信装置の推奨設定を決定する部分である。本実施形態の場合、無線通信装置20と無線通信装置30の無線能力を比較して、どちらが親機モードで動作するかを決定する。
推奨設定送受信部27は、推奨設定決定部26が決定した推奨設定を示す推奨設定情報を各々の無線通信装置へ通知する部分である。本実施形態の場合、無線通信装置30の推奨設定情報を無線通信装置30へ通知する。なお、このとき、動作中の設定から変更があるときのみ無線通信装置30へ通知するようにしても良い。
設定指定部21は、設定指定部11と同様に無線通信部12の設定を指定する部分であるが、本実施形態では、推奨設定決定部26が決定した自身の推奨設定を指定する。なお、指定している設定が変わる場合に、LED(Light Emitting Diode)等で利用者へ通知するようにしたり、通知に対して利用者が許可したときのみ設定を変更するようにしたりしても良い。
次に、図15に本実施形態の無線通信装置30の構成例を示す。本実施形態の無線通信装置30は、設定指定部31、無線通信部12、設定送受信部13、設定記憶部14、無線能力送受信部35および推奨設定送受信部37により構成される。無線通信部12、設定送受信部13および設定記憶部14については第一から第三の実施形態と同様のため説明を省略する。
無線能力送受信部35は、自身の無線能力を送信する部分である。また、推奨設定送受信部37は、受信した推奨設定情報を設定指定部31へ通知する部分である。
設定指定部31は、設定指定部11と同様に無線通信部12の設定を指定する部分であるが、本実施形態では、推奨設定送受信部37が受信した推奨設定情報に対応する設定を指定する。なお、指定している設定が変わる場合に、LED等で利用者へ通知するようにしたり、通知に対して利用者が許可したときのみ設定を変更するようにしたりしても良い。
なお、無線通信装置20および無線通信装置30は、機能を融合して、図16の無線通信装置40のように構成しても良い。無線通信装置40の設定指定部41は、無線通信装置20の設定指定部21と無線通信装置30の設定指定部31の機能を合わせたものである。また、無線通信装置40の無線能力送受信部45は、無線通信装置20の無線能力送受信部25と無線通信装置30の無線能力送受信部35の機能を合わせたものである。また、無線通信装置40の推奨設定送受信部47は、無線通信装置20の推奨設定送受信部27と無線通信装置30の推奨設定送受信部37の機能を合わせたものである。ただし、推奨設定を決定するのは、無線通信システム内で1台とする。
次に、無線通信装置20の推奨設定決定部26における推奨設定の決定方法について説明する。
推奨設定決定部26は、無線通信システム内の各々の無線通信装置の無線能力に基づいて、各々の無線通信装置の推奨設定を決定する。なお、各設定には動作モードが対応付けられているため、推奨設定を決定すると、推奨動作モードも決定することになる。
無線能力は、無線通信装置の能力(スペック)の高低を示す指標である。無線通信装置の能力を比較するのに用いられる項目には、たとえば、対応している通信規格の数(11acの対応有無等)、最大通信速度、MU−MIMO(Multi User MIMO(Multi Input Multi Output))機能の有無、ビームフォーミング機能の有無などがある。対応している通信規格や機能が多いほど、あるいは、最大通信速度が大きいほど、その無線通信装置の能力は高いと言える。そのため、本実施形態の無線通信装置20あるいは無線通信装置30は、上述の項目に基づいて無線能力を計算する。なお、無線能力の計算は、無線通信装置30の無線能力送受信部35が行うものとするが、無線通信装置20の推奨設定決定部26が行っても良い。
たとえば、無線能力送受信部35は、以下のように無線能力を計算することができる。まず、所定の定められた機能や規格について、対応していれば1点、対応していなければ0点とする。また、最大通信速度については、たとえば、最大通信速度が所定の最大値以上のとき1点、最小値以下のとき0点、最小値から最大値の間のときは最大値と最小値の差で最大通信速度を割った値(0〜1の間となる)を点数とする方法が考えられる。また、最大通信速度をあらかじめ決められた範囲に応じて点数化(たとえば、速度1以上は1点、速度1未満速度2以上は0.5点、等)することも可能である。なお、最大通信速度は、対応規格や対応機能から導出することも可能である。そして、無線能力送受信部35は、各々の無線通信装置についての合計点を無線能力とする。
推奨設定決定部26は、各々の無線通信装置30から受信した無線能力と、自身(無線通信装置20)の無線能力に基づいて、各々の無線通信装置(無線通信装置30および無線通信装置20)の推奨設定を決定する。たとえば、無線通信システムが図13のように親機と子機から構成されているときは、無線能力が高い方を親機モード、もう一方を子機モードとする。
無線能力が高い無線通信装置を親機や上段の中継機とすることで、無線通信システム全体の無線環境を向上できる可能性を向上することができる。たとえば、MU−MIMO機能は複数の子機へ同時に無線送信を行うことができる機能であるため、この機能があれば、通信速度を劣化させることなく多くの子機や中継機と通信することができる。そのため、この機能を持つ無線通信装置を親機や上段の中継機とすることで、無線通信システム全体の無線環境を向上することができる。
また、図7のように無線通信システムが親機、中継機、子機から構成されている場合は、中継機モードに対応している無線通信装置を中継機とする。中継機モードに対応している無線通信装置が複数あるときには、その中で無線能力が最大のものを親機、次に無線能力が大きいものを中継機、その他を子機とする。このとき、中継機が推奨設定を決定すると、他の無線通信装置の無線能力の受信および推奨設定情報の他無線通信装置への通知がより容易である。
また、中継機が1つ以上、かつ、子機が1つ以上存在する場合は、まず、元の親機と元の子機が中継機モードに対応していないときは、元の中継機を中継機モードとする。そして、元の親機と元の子機の中で無線能力が最大の無線通信装置を親機モード、他を子機モードとする。また、中継機モードとした無線通信装置の中で、無線能力が高いものから順に、親機との間の中継機がより少ない(すなわち、より上段の)中継機に割り当てる。たとえば、中継機が直列にn段接続されている場合、無線能力が高いものから順に、中継機1段目、2段目、・・・、中継機n段目、と割り当てる。子機モードとした無線通信装置の各子機への割り当て方法は任意である。たとえば、なるべく変更がないように決定する等も可能である。
中継機モードに対応している無線通信装置の数が元の中継機の数より多いときは、無線通信システム内で最も無線能力が高い無線通信装置を親機モードとする。そして、中継機モードの対応している無線通信装置の中で、無線能力が高いものから順に、親機との間がより少ない中継機に割り当てる。そして、残りを子機モードとする。
そして、割り当てた無線通信装置に対応する設定を推奨設定とする。なお、本実施形態では、各動作モードに対応する無線通信装置の数は、動作モードの変更前後で変わらないものとする。
このように無線通信装置20および無線通信装置30を構成することによって、無線通信装置20および無線通信装置30は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置20および無線通信装置30は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
また、本実施形態の無線通信装置20は、各無線通信装置の無線能力に基づいて各々の無線通信装置の推奨設定を決定する。これにより、より無線能力の高い装置を親機や上段の中継機とすることができ、無線通信システム全体の無線環境の向上を図ることが可能になる。また、利用者が最適な設定を容易に行うことが可能になる。
次に、図17を用いて本実施形態の無線通信装置20および無線通信装置30の動作例について説明する。
まず、無線通信装置30が無線通信装置20に帰属する(ステップS401からステップS404)。そして、無線通信装置30は、無線通信装置20へ親機設定を要求し、受信した親機設定を設定記憶部14に記憶させる(ステップS405からステップS407)。ここまでは図6と同様である。
次に、無線通信装置20は、無線通信装置30へ子機設定および無線能力を要求する(ステップS408)。要求を受信した無線通信装置30は、子機設定および自身の無線能力を無線通信装置20へ送信する(ステップS409)。なお、無線通信装置30は、要求なしに子機設定と無線能力を送信しても良いし、子機設定と無線能力を別々に送信しても良い。
子機設定を受信した無線通信装置20は、子機設定を設定記憶部14に記憶させる(ステップS410)。次に、無線通信装置20は推奨設定を決定する(ステップS411)。そして、決定した推奨設定を示す推奨設定情報を無線通信装置30へ送信する(ステップS412)。このとき、無線通信装置30の動作中の設定と推奨設定が異なるときのみ、推奨設定情報の送信を行っても良い。
そして、無線通信装置30は、動作中の設定と無線通信装置20から通知された推奨設定が異なるとき、LEDの点灯等により、利用者に対して設定の変更を促す。そして、自動で、あるいは、利用者が設定の変更設定や変更許可を行うことにより、無線通信装置20の設定指定部21および無線通信装置30の設定指定部31が指定する設定が変更される。
次に、図7のように、無線通信システムが親機、中継機、子機を含む場合の動作例について説明する。この場合、推奨設定の決定を行う無線通信装置以外が、推奨設定の決定を行う無線通信装置へ自身の無線能力を送信する。たとえば、中継機が推奨設定の決定を行う場合、図11のステップS315で親機が中継機に親機設定を送信する時、および、図12のステップS323で子機が中継機に子機設定を送信する時、設定とともに無線能力を送信しても良い。あるいは、図11のステップS314で子機が親機設定を要求する時や、図12のステップS322で親機が子機設定を要求する時に、要求とともに無線能力を送信しても良い。また、あるいは、図18のように、設定の送受信とは別に、推奨設定の決定を行う無線通信装置が他の無線通信装置に対して無線能力を要求し、他の無線通信装置が推奨設定の決定を行う無線通信装置へ無線能力を送信するようにしても良い。
このように動作させることによって、無線通信装置20および無線通信装置30は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部14に記憶させる。これにより、無線通信装置20および無線通信装置30は、自身の設定と他の無線通信装置の設定を、他の無線通信装置と共有することが可能になる。そして、利用者が各々の無線通信装置に対して再度詳細な設定を行うことなく、各々の無線通信装置の設定の指定を変更することで、各々の無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
以上で説明したように、本発明の第四の実施形態では、第一から第三の実施形態と同様に、無線通信装置は、無線通信に使用する設定を送信するとともに、他の無線通信装置の設定を受信して設定記憶部に記憶させる。そのため、より簡単な操作で無線通信装置の役割を入れ替えることが可能になる。
また、本実施形態の無線通信装置は、各無線通信装置の無線能力に基づいて各々の無線通信装置の推奨設定を決定する。これにより、より無線能力の高い装置を親機や上段の中継機とすることができ、無線通信システム全体の無線環境の向上を図ることが可能になる。また、利用者が最適な設定を容易に行うことが可能になる。
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における無線通信装置(10、20、30、40)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、無線通信装置は、物理的または機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、無線通信装置は、専用の装置として実現してもよい。また、無線通信装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現しても良い。
図19は、本発明の各実施形態の無線通信装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置90は、通信インタフェース91、入出力インタフェース92、演算装置93、記憶装置94および不揮発性記憶装置95およびドライブ装置96を備える。
通信インタフェース91は、各実施形態の無線通信装置が、有線あるいは/および無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、無線通信装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース91経由で相互に通信可能なように接続しても良い。
入出力インタフェース92は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
演算装置93は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置である。演算装置93は、たとえば、不揮発性記憶装置95に記憶された各種プログラムを記憶装置94に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
記憶装置94は、演算装置93から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置94は、揮発性のメモリ装置であっても良い。
不揮発性記憶装置95は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
ドライブ装置96は、たとえば、後述する記録媒体97に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
記録媒体97は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
本発明の各実施形態は、たとえば、図19に例示した情報処理装置90により無線通信装置を構成し、この無線通信装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
この場合、無線通信装置に対して供給したプログラムを、演算装置93が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、無線通信装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置90で構成することも可能である。
さらに、上記プログラムを記録媒体97に記録しておき、無線通信装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置95に格納されるよう構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して無線通信装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
無線通信に使用する設定を指定する設定指定部と、
前記指定された前記設定に従って前記無線通信を行う無線通信部と、
前記指定された前記設定を送信するとともに、他の無線通信装置の前記設定を受信して設定記憶部に記憶させる設定送受信部と
を備えることを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
前記設定は、前記他の無線通信装置を自身に帰属させるための設定あるいは/および自身に前記他の無線通信装置を帰属させるための設定を含む
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)
前記他の無線通信装置の無線能力を受信する無線能力送受信部と、
自身と前記他の無線通信装置の前記無線能力に基づいて、自身と前記他の無線通信装置の推奨の前記設定を決定する推奨設定決定部と、
前記他の無線通信装置へ当該他の無線通信装置に対応する推奨の前記設定を示す推奨設定情報を送信する推奨設定送受信部と
をさらに備え、
前記設定指定部は、自身に対応する推奨の前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記1あるいは付記2に記載の無線通信装置。
(付記4)
自身の無線能力を送信する無線能力送受信部と、
推奨の前記設定を示す推奨設定情報を受信する推奨設定送受信部と
をさらに備え、
前記設定指定部は、前記推奨設定情報に対応する前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記1あるいは付記2に記載の無線通信装置。
(付記5)
前記無線能力は、対応機能、対応規格、最大通信速度のいずれか一つ以上に基づく指標である
ことを特徴とする付記3あるいは付記4に記載の無線通信装置。
(付記6)
付記3に記載の無線通信装置と、
付記4に記載の無線通信装置と
を備えることを特徴とする無線通信システム。
(付記7)
前記無線能力は、対応機能、対応規格、最大通信速度のいずれか一つ以上に基づく指標である
ことを特徴とする付記6に記載の無線通信システム。
(付記8)
無線通信に使用する設定を指定し、
前記指定された前記設定に従って前記無線通信を行い、
前記指定された前記設定を送信するとともに、他の無線通信装置の前記設定を受信して設定記憶部に記憶させる
ことを特徴とする無線通信方法。
(付記9)
前記設定は、前記他の無線通信装置を自身に帰属させるための設定あるいは/および自身に前記他の無線通信装置を帰属させるための設定を含む
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信方法。
(付記10)
前記他の無線通信装置の無線能力を受信し、
自身と前記他の無線通信装置の前記無線能力に基づいて、自身と前記他の無線通信装置の推奨の前記設定を決定し、
前記他の無線通信装置へ当該他の無線通信装置に対応する推奨の前記設定を示す推奨設定情報を送信し、
自身に対応する推奨の前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記8あるいは付記9に記載の無線通信方法。
(付記11)
自身の無線能力を送信し、
推奨の前記設定を示す推奨設定情報を受信し、
前記推奨設定情報に対応する前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記8あるいは付記9に記載の無線通信方法。
(付記12)
前記無線能力は、対応機能、対応規格、最大通信速度のいずれか一つ以上に基づく指標である
ことを特徴とする付記10あるいは付記11に記載の無線通信方法。
(付記13)
コンピュータに、
無線通信に使用する設定を指定する設定指定機能と、
前記指定された前記設定に従って前記無線通信を行う無線通信機能と、
前記指定された前記設定を送信するとともに、他の無線通信装置の前記設定を受信して設定記憶部に記憶させる設定送受信機能と
を実現させることを特徴とする無線通信プログラム。
(付記14)
前記設定は、前記他の無線通信装置を自身に帰属させるための設定あるいは/および自身に前記他の無線通信装置を帰属させるための設定を含む
ことを特徴とする付記13に記載の無線通信プログラム。
(付記15)
前記他の無線通信装置の無線能力を受信する無線能力送受信機能と、
自身と前記他の無線通信装置の前記無線能力に基づいて、自身と前記他の無線通信装置の推奨の前記設定を決定する推奨設定決定機能と、
前記他の無線通信装置へ当該他の無線通信装置に対応する推奨の前記設定を示す推奨設定情報を送信する推奨設定送受信機能と
をさらにコンピュータに実現させ、
前記設定指定機能は、自身に対応する推奨の前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記13あるいは付記14に記載の無線通信プログラム。
(付記16)
自身の無線能力を送信する無線能力送受信機能と、
推奨の前記設定を示す推奨設定情報を受信する推奨設定送受信機能と
をさらにコンピュータに実現させ、
前記設定指定機能は、前記推奨設定情報に対応する前記設定を前記指定する
ことを特徴とする付記13あるいは付記14に記載の無線通信プログラム。
(付記17)
前記無線能力は、対応機能、対応規格、最大通信速度のいずれか一つ以上に基づく指標である
ことを特徴とする付記15あるいは付記16に記載の無線通信プログラム。