JP2018045088A - ノイズ低減装置、音声認識システム、ノイズ低減方法、及びプログラム - Google Patents

ノイズ低減装置、音声認識システム、ノイズ低減方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】予測不能なランダムに変動するノイズ音も低減する。【解決手段】ノイズ低減装置(3)は、ノイズ音(Na)の発生源近傍で取得されたノイズ音(Na)を表すノイズ信号(Ns)をノイズ送信機(4)から受信する電波受信部(17)と、ノイズ音(Na)に応じて予め記憶されたパラメータに基づいてノイズ信号(Ns)を調整したノイズ低減信号(Nb)を生成する振幅調整部(18)、位相・遅延時間調整部(19)とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、音声に重畳されるノイズ音を低減するためのノイズ低減装置、音声認識システム、ノイズ低減方法、及びプログラムに関する。
に関する。
音声に重畳されるノイズ音を低減するノイズ低減装置が知られている。特許文献1に記載の音声認識サーバは、使用者の発話中に使用者の周囲にあるテレビが出力したテレビ音(ノイズ)の逆位相データを、テレビ局等の外部の逆位相データ提供装置から取得する。
特開2015-187626号公報(2015年10月29日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は下記の問題がある。
特許文献1の逆位相データ提供装置は、例えばテレビ局から提供された音声信号の逆位相データを提供するものであるため、例えば、ペットの鳴き声、他人の声等の登録されていない予測不可能な音データの逆位相データは提供することができないという問題がある。
特許文献1には、家電機器のノイズを収集することにも言及されているが、ノイズ除去の手法が「逆位相」データのみを想定していることから、時間的に変化のあるノイズ、特に、ランダムに変動するノイズを除去することが困難である。例えば、掃除機を起動した後、徐々に作動音の周波数の成分が(ウィィィンと)上昇することがあるが、この上昇パターン(例えば、X軸を時間、Y軸を音成分の周波数、Z軸を音成分の振幅とする立体的パターン)は、掃除機の運用時の負荷等によって異なるから、無限の種類のパターンが発生し得る。このため、発生し得るすべてのパターンを予めサーバに準備(録音)しておくことができない。従って、掃除機の作動音のように時間的に変化のあるノイズに一致するパターンがサーバに準備(録音)されていないので、ノイズを効果的に除去することが困難であるという問題がある。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、規則的なノイズ音に加えて、予測不能なランダムに変動するノイズ音を低減することができるノイズ低減装置、音声認識システム、ノイズ低減方法、及びプログラムを実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るノイズ低減装置は、音声に重畳されるノイズ音を低減するノイズ低減装置であって、前記ノイズ音の発生源近傍で取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信する受信部と、前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成するノイズ低減信号生成部とを備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る音声認識システムは、本発明の一態様に係るノイズ低減装置と、前記ノイズ音の発生源近傍に配置され、前記ノイズ音を取得し、前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を送信するノイズ送信機と、前記ノイズ低減装置によりノイズ音が低減された音声を認識する音声認識端末とを備えたことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るノイズ低減方法は、音声に重畳されるノイズ音を低減するノイズ低減方法であって、前記ノイズ音の発生源近傍において取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信するノイズ受信工程と、前記ノイズ受信工程が、前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成する工程を含むことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、音声に重畳されるノイズ音を低減するために、前記ノイズ音の発生源近傍において取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信してノイズ低減信号を生成するノイズ受信機として機能させるためのプログラムであって、前記ノイズ低減装置が、前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、規則的なノイズ音に加えて、予測不能なランダムに変動するノイズ音を低減することができるという効果を奏する。
実施形態1に係る音声認識システムを模式的に示す図である。 上記音声認識システムに設けられたノイズ低減システムの構成を示すブロック図である。 上記ノイズ低減システムのキャリブレーションモードにおける動作を示すフローチャートである。 上記キャリブレーションモードにおける平均レベルの算出動作を示すフローチャートである。 上記キャリブレーションモードにおける遅延時間の探索例を示すグラフである。 上記遅延時間の他の探索例を示すグラフである。 実施形態2に係る音声認識システムを模式的に示す図である。 上記音声認識システムに設けられたノイズ低減システムの構成を示すブロック図である。 (a)は実施形態3に係る音声認識システムを模式的に示す図であり、(b)は上記音声認識システムに設けられたノイズ低減装置の構成を示すブロック図である。 上記ノイズ低減システムの変形例の構成を模式的に示す図である。 上記変形例が低減するノイズ音と反響音との位相を示すグラフである。 実施形態4に係る音声認識システムに設けられたノイズ低減システムの構成を示すブロック図である。 実施形態5に係るノイズ低減システムの構成を示す図であり、(a)はノイズ源とノイズ送信機を示す模式図であり、(b)はノイズ送信機の構成を示すブロック図である。 上記ノイズ低減装置におけるノイズ音のノイズ信号に対する遅延時間を示すグラフである。 実施形態6に係るノイズ低減システムの構成を示す図であり、(a)はノイズ源とノイズ送信機を示す模式図であり、(b)はノイズ送信機の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(音声認識システム1の構成)
図1は実施形態1に係る音声認識システム1を模式的に示す図である。音声認識システム1は、使用者7の音声Vに重畳されるノイズ源6のノイズ音Naを低減するノイズ低減システム3と、ノイズ低減システム3によりノイズ音Naが低減された音声Vを認識する音声認識端末2とを備える。
ノイズ低減システム3は、ノイズ源6のノイズ音Naを表すノイズ信号Nsを送信するノイズ送信機4と、ノイズ送信機4から送信されたノイズ信号Nsを受信するノイズ低減装置5とを有する。ノイズ源6は例えばエアコンやテレビであり得る。
本明細書において、「ノイズ音」とは、ノイズ源が発生する音全体を意味するものとする。例えば、エアコンは作動音や送風音等の音が発生するが、エアコンからのノイズ音Naとは、それらエアコンが発生する作動音と送風音とをまとめた音を意味する。同様に、テレビからは、番組出演者の音声と番組に係る音楽と効果音等の音が発生するが、テレビからのノイズ音Naはこれらの音をまとめた音を意味するものとする。
従って、例えば、請求項に記載の「ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータ」における「ノイズ音」は、1つのノイズ源が発生する音全体を意味する。例えば、ノイズ源がテレビの場合、1台のテレビからは様々な種類のノイズ音(出演者の声・音楽・効果音など)が発生するが、パラメータは、各種の音(出演者の声、音楽、効果音)毎にそれぞれ用意されるのではなく、1台のテレビ(ノイズ源)から発生する音全体(つまり、ノイズ送信機4が1台のテレビから取得してノイズ低減装置5に送って来るノイズ信号Nsに対応する音)に応じて用意される。
ノイズ源から発生する各種の音は、時間的に前後して発生する場合もあり、ノイズ源からの音全体はそれらの各種の音の合成音とは限らない。また、1台のテレビに複数のスピーカが接続される場合があり、それぞれのスピーカを別のノイズ源として扱う場合と、まとめてひとつのノイズ源として扱う場合との双方があり得る。
ノイズ送信機4はノイズ源6の近くに設置される。ノイズ送信機4は例えばノイズ源6に取り付けられてもよい。音声認識端末2は、音声認識機能付きの端末、あるいは外部の音声認識サービスを利用することによる音声認識が可能な端末であればよく、例えばロボット型携帯電話機やロボット、または携帯電話機等であり得る。ノイズ低減装置5は例えば音声認識端末2の近くに設置される。
(ノイズ低減システム3の構成)
図2は音声認識システム1に設けられたノイズ低減システム3の構成を示すブロック図である。ノイズ送信機4は、ノイズ源6から発生して空気中を伝搬するノイズ音Naを入力するマイク14と、マイク14に入力されたノイズ音Naに基づくノイズ信号Nsを増幅する増幅器15と、増幅器15により増幅されたノイズ信号Nsをノイズ低減装置5に無線で送信する送信部16とを有する。マイク14に入力されるノイズ音Naは、ノイズ源6の振動成分を含み得る。ノイズ送信機4は、複数台設置してもよい。
ノイズ送信機4は、音声を取得して無線送信可能な装置であればよく、例えば、「FM(周波数変調、Frequency Modulation)ワイヤレスマイク」として低コストで実装することができる。また、FMワイヤレスマイクは、軽量に構成できるため、ノイズ源6に貼り付けるなどして用いることが可能である。
さらに、ノイズ送信機4は、本発明のノイズ低減システム専用の装置として実装されてもよいし、市販の製品、例えば市販のFMワイヤレスマイクをノイズ送信機4として用いてもよい。また、ノイズ送信機4は、一般的な音声送信無線送信装置のトランシーバー等であってもよい。
音声認識端末2は、使用者7の音声Vを入力するために設けられたマイク26を有する。ノイズ低減装置5は、音声認識端末2のマイク26の近くに設置される。
ノイズ低減装置5は、音声認識端末2に取り付けた構成としてもよい。これにより、音声認識端末2は、ノイズ低減装置5との関係で電気的な改造を施す必要が無くなる。
ノイズ低減装置5は、自身が待つスピーカ8から、周辺のノイズ音Naと逆相になるように調整したノイズ低減音波Ncを発生させ、空気中でノイズ音Naを消音(低減)する。このため、音声認識端末2には、消音の対象となっていない使用者7の本来の音声Vに近い音声が入力される。
ノイズ低減装置5は、ノイズ送信機4の送信部16から送信されたノイズ信号Nsを受信する電波受信部17と、電波受信部17により受信されたノイズ信号Nsの振幅を調整する振幅調整部18と、振幅調整部18により振幅が調整されたノイズ信号Nsの位相及び遅延時間を調整してノイズ低減信号Nbを生成する位相・遅延時間調整部19と、位相・遅延時間調整部19により生成されたノイズ低減信号Nbを増幅する増幅器25と、増幅器25により増幅されたノイズ低減信号Nbに基づいてノイズ低減音波Ncを出力するスピーカ8とを有する。
ノイズ低減装置5には、ノイズ信号Nsの振幅を調整するためのフィードバック制御信号を振幅調整部18に供給し、ノイズ信号Nsの位相及び遅延時間を調整するためのフィードバック制御信号を位相・遅延時間調整部19に供給する制御信号調整部22が設けられる。
制御信号調整部22は、ノイズ源6のノイズ音Naに応じたパラメータを予め記憶するためのパラメータ記憶部23を有する。制御信号調整部22は、パラメータ記憶部23に記憶されたパラメータに基づいてフィードバック制御信号を生成し、振幅調整部18及び位相・遅延時間調整部19に供給する。
ノイズ低減装置5は、パラメータ記憶部23に記憶するパラメータを調整する運用前のキャリブレーションモードで、ノイズ源6からのノイズ音Naと、スピーカ8から出力されたノイズ低減音波Ncとを入力するためのマイク9と、マイク9に入力されたノイズ音Na及びノイズ低減音波Ncに基づくノイズ音信号Nfを増幅する増幅器20と、増幅器20により増幅されたノイズ音信号Nfの信号レベルを測定する信号レベル測定部21とを有する。
ノイズ低減装置5には、調整開始スイッチ24が設けられる。制御信号調整部22は、調整開始スイッチ24の動作をトリガとして、マイク9により集音されて信号レベル測定部21により測定されたノイズ音信号Nfの信号レベルが最小となるように、振幅調整部18及び位相・遅延時間調整部19にフィードバックするためのパラメータを調整してパラメータ記憶部23に記憶する。即ち、制御信号調整部22は、ノイズ音Na+ノイズ低減音波Nc=ノイズ音信号Nfが最小となるように(理想的には零となるように)、スピーカ8から出力されたノイズ低減音波Ncをフィードバック制御する。
ノイズ低減装置5のマイク9を音声認識端末2のマイク26の近くに設置すると、音声認識端末2に入力されるノイズ源6からのノイズ音Naがノイズ低減音波Ncにより低減される。従って、使用者7の本来の音声Vにより近い音声を元に音声認識が実施されることになり音声認識端末2による認識率が向上する。即ち、音声認識端末2の近くでは、ノイズ音Na+音声V+ノイズ低減音波Nc≒音声V となる。即ち、ノイズ音Naの大部分がノイズ低減音波Ncにより打ち消される。従って、音声Vが相対的に高レベル(言い換えれば高いS/N比)で音声認識端末2のマイク26から入力される。これにより、音声認識端末2に入力されるノイズ音Naが低減され音声認識端末2の音声認識率が向上する。
(ノイズ低減装置5の動作)
図3はノイズ低減装置5のキャリブレーションモードにおける動作を示すフローチャートである。図4はキャリブレーションモードにおける平均レベルNmの算出動作を示すフローチャートである。
キャリブレーションモードにおけるパラメータの調整は、まず、ノイズ低減装置5の調整開始スイッチ24の操作をトリガとして開始される。そして、制御信号調整部22がノイズ低減音波Ncのパラメータを初期化する(ステップS1)。当該パラメータは、位相係数Pと遅延時間Dと振幅係数Aとを含む。位相係数P=1は正相を表し、P=−1は逆相を表す。位相係数はP=−1に初期化される。そして、遅延時間はD=10(μ秒)に初期化される。ノイズ送信機4からノイズ低減装置5に到達する音波の1mあたりの遅延時間は約3000(μ秒)である。また、振幅係数はA=0dBに初期化される。振幅係数は0dBが標準である。
次に、制御信号調整部22は、位相係数Pが逆相の状態で遅延時間Dを探索する(ステップS2)。図5はキャリブレーションモードにおける遅延時間Dの探索例を示すグラフである。横軸は遅延時間Dを示し、縦軸は平均レベルNmを示す。制御信号調整部22は遅延時間Dを変化させながら平均レベルNmが最小となる遅延時間Doを遅延時間Do−として探索し、このときの平均レベルNmoを平均レベルNmo−として、遅延時間Do−と共に一時記録する。具体的には、遅延時間Dを10(μ秒)から10000(μ秒)まで10(μ秒)刻みで増加させて各時点の平均レベルNmを算出し、平均レベルNmが最小となる遅延時間D、即ち、遅延時間Doを探索する。図5に示す例では、最適な振幅係数Aの探索の前に遅延時間Dを探索しているため、最小の平均レベルNm(平均レベルNmo)が一般的には零とならないことが示されている。デジタル音声信号に関しては、例えば、リングバッファへの書込みと読出しとの時間差により、信号の遅延時間を制御することができる。
平均レベルNmの算出は、ノイズ源6をノイズ音Naが発生する発音状態とし、信号レベル測定部21がノイズレベルNを測定し、平均レベルNmを算出する(図4のステップS7)。平均レベルNmは、例えば、ノイズ音信号Nfの1秒間の絶対値の平均である。この平均レベルNmを算出するルーチン(ステップS7)は、図3の各ステップにて平均レベルNmを算出する際に都度呼び出される。
その後、制御信号調整部22は、位相係数Pが正相の状態で遅延時間Dを探索する(ステップS3)。具体的には、制御信号調整部22が位相係数Pを正相に再設定する。そして、ステップS2と同様に、制御信号調整部22は遅延時間Dを変化させながら平均レベルNmが最小となる遅延時間Doを遅延時間Do+として求め、このときの平均レベルNmoを平均レベルNmo+として、遅延時間Do+と共に一時記録する。
そして、制御信号調整部22は、平均レベルNmo−と平均レベルNmo+とを比較して、小さい方の平均レベルに対応する位相係数を、平均レベルNmを最小とする位相係数Poとして設定し、小さい方の平均レベルに対応する遅延時間を、平均レベルNmを最小とする遅延時間Doとして設定する(ステップS4)。
次に、制御信号調整部22は、振幅係数Aを変化させながら平均レベルNmが最小となる振幅係数Aを振幅係数Aoとして探索的に求める(ステップS5)。最適な振幅係数Aを探索的に求めるには、振幅係数Aを例えば、−10dBから+10dBまで0.1dB刻みで変化させ、最適な平均レベルNmを算出するとよい。
以上により求めた位相係数Poと遅延時間Doと振幅係数Aoとを、対象のノイズ源6に対する最適パラメータとして制御信号調整部22はパラメータ記憶部23に記録する(ステップS6)。
位相係数P、振幅係数Aの調整は、ノイズ送信機4から受信したノイズ信号Nsに対して行う例を示しているが、マイク9から集音したノイズ音信号Nfに対して行ってもよい。さらに、ノイズ音Naの周波数特性、反響特性等を解析することにより、パラメータのより精密な調整が可能となる。
図6は遅延時間Dの他の探索例を示すグラフである。ノイズ音Naの波形が周期性を有する場合は、遅延時間Dに対する平均レベルNmも周期性を有する。このため、平均レベルNmの最小値が複数個算出されることがある。この場合、図6に示すように、複数個の平均レベルNmの最小値のうちの遅延時間Dがより小さいポイントを遅延時間Doとして採用する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図7〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は実施形態2に係る音声認識システム1aを模式的に示す図である。図8は音声認識システム1aに設けられたノイズ低減システム3aの構成を示すブロック図である。
音声認識システム1aは、ノイズ低減システム3aと音声認識端末2とを備える。ノイズ低減システム3aは、ノイズ送信機4とノイズ低減装置5aとを有する。
実施形態2は、空気中ではなく、ノイズ低減装置5a内の信号経路でノイズをキャンセルするように構成される。
ノイズ低減装置5aに設けられたマイク9は、使用者7からの音声Vとノイズ源6からのノイズ音Naとを入力する。ノイズ低減装置5aの増幅器20は、マイク9に入力された音声V及びノイズ音Naに対応するノイズ音信号Nfを増幅する。
ノイズ低減装置5aはミキサ10を有する。ミキサ10は、増幅器20により増幅されたノイズ音信号Nfと、位相・遅延時間調整部19から供給されるノイズ低減信号Nbとを混合することによりノイズ音Naに対応する成分を低減した信号を音声信号インターフェイス11及び信号レベル測定部21に供給する。音声信号インターフェイス11は、ミキサ10により供給されたノイズ音Naに対応する成分を低減した信号を、信号ケーブル27を介して音声認識端末2に出力する。
マイク9は、空気中を伝わってきたノイズ音Naと使用者の音声Vとを集音する。ミキサ10は、ノイズ音Naと音声Vとに対応する信号をノイズ低減信号Nbと混合する。これにより、信号中のノイズ音Naに対応する成分が除去(低減)される。そして、残った使用者7の音声Vに対応する信号が音声信号インターフェイス11から、音波以外の信号伝達部材(オーディオ信号ケーブル、シリアル信号ケーブル、無線通信、光通信など、形態は問わない)で音声認識端末2に出力される。ノイズ低減装置5aにより処理される信号の種類は、アナログ信号であるか、デジタル信号であるかを問わない。
音声認識端末2は、この「音波以外の信号」を入力する構成を有し、「音波以外の信号」に基づいて音声認識を実行する。従って、実施形態2における音声認識端末2には、音波を入力するためのマイクは設けられなくてもよい。
図7及び図8に示す構成では、ノイズ低減装置5aと音声認識端末2とは、音声信号インターフェイス11で接続されているが、本発明はこれに限定されない。ノイズ低減装置5aと音声認識端末2とは一体型の構成にしてもよい。
キャリブレーションの方法は、実施形態1と同様である。
〔実施形態3〕
図9(a)は実施形態3に係る音声認識システム1bを模式的に示す図であり、(b)は上記音声認識システム1bに設けられたノイズ低減システム3bのノイズ低減装置5bの構成を示すブロック図である。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施形態3では、複数のノイズ源6・6bに対応する構成を示す。この場合、ノイズ送信機、電波受信部、振幅調整部、位相・遅延調整部は、それぞれ複数チャンネル分が用意される。そして、FM変調の電波を用いた送受信を用いる場合、周波数帯などを使い分けて行う。
音声認識システム1bは、ノイズ低減システム3bと音声認識端末2とを備える。ノイズ低減システム3bは、ノイズ源6に取り付けられたノイズ送信機4と、ノイズ源6bに取り付けられたノイズ送信機4bと、ノイズ低減装置5bとを有する。
ノイズ低減装置5bは、ノイズ送信機4から送信されるノイズ信号Ns1を受信する電波受信部17と、電波受信部17により受信されたノイズ信号Ns1の振幅を調整する振幅調整部18と、振幅調整部18により振幅が調整されたノイズ信号Ns1の位相及び遅延時間を調整してノイズ低減信号Nb1を生成する位相・遅延時間調整部19とを有する。
そして、ノイズ低減装置5bには、ノイズ送信機4bから送信されるノイズ信号Ns2を受信する電波受信部17bと、電波受信部17bにより受信されたノイズ信号Ns2の振幅を調整する振幅調整部18bと、振幅調整部18bにより振幅が調整されたノイズ信号Ns2の位相及び遅延時間を調整してノイズ低減信号Nb2を生成する位相・遅延時間調整部19bとを有する。
増幅器25は、位相・遅延時間調整部19により生成されたノイズ低減信号Nb1と位相・遅延時間調整部19bにより生成されたノイズ低減信号Nb2とを増幅してスピーカ8に供給する。スピーカ8は、増幅器25により増幅されたノイズ低減信号Nb1及びノイズ低減信号Nb2に基づくノイズ低減音波Nc1及びノイズ低減音波Nc2を出力する。
キャリブレーションモードにおいては、それぞれのチャンネルが別時間に分割されて動作する。例えば、最初の1分間で、ノイズ源6からノイズ音Na1がマイク9から入力されて、ノイズ源6、ノイズ送信機4、電波受信部17、振幅調整部18、位相・遅延時間調整部19を含む第1のチャンネルが調整され、制御信号調整部22が最適なパラメータ(位相係数Po1、遅延時間Do1、振幅係数Ao1)を得てパラメータ記憶部23に記録する。そして、次の1分間で、ノイズ源6bからノイズ音Na2がマイク9から入力されて、ノイズ源6b、ノイズ送信機4b、電波受信部17b、振幅調整部18b、位相・遅延時間調整部19bを含む第2のチャンネルが調整され、制御信号調整部22が最適なパラメータ(位相係数Po2、遅延時間Do2、振幅係数Ao2)を得てパラメータ記憶部23に記録する。パラメータ記憶部23に記録された最適なパラメータは、使用者7の音声Vに重畳されるノイズ音Na1・Na2を低減する運用時に使用される。
図10はノイズ低減装置の変形例の構成を模式的に示す図である。説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ノイズ源6から発生するノイズ音Na1が壁28などにより反射して反響音Na3として反響する場合、主な反響面37がわかれば、その反響面37にノイズ送信機4bを設置してもよい。
図11は上記変形例が低減するノイズ音と反響音との位相を示すグラフである。横軸は時間を示しており、縦軸は位相を示している。
直接音であるノイズ音Na1を、逆相に調整したノイズ低減音波Nc1で打ち消すだけでは、反響音であるノイズ音Na3が残ってしまう。即ち、
Na1+Na3+Nc1 ≒ Na3
となる。
そこで、主な反響音Na3をノイズ低減音波Nc2で打ち消すとよい。即ち、
Na1+Na3+Nc1+Nc2 ≒ 0
となる。
ここでは、低レベルの反響音Na4・Na5は、影響が少ないため無視するものとする。
〔実施形態4〕
図12は実施形態4に係る音声認識システム1cに設けられたノイズ低減システム3cの構成を示すブロック図である。説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施形態2に係る図8のノイズ低減システム3aのように、ノイズ送信機4からノイズ低減装置5aへ送信されるノイズ信号NsがFM波などのアナログ信号である場合、ノイズ信号Nsは通常、空気中の音波(ノイズ音Na)よりも高速で伝送される。
しかしながら、ノイズ信号NsがWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標) などに基づくデジタル信号である場合、ノイズ低減装置側では空気中の音よりも到達時刻が遅れることがある。この場合、位相・遅延時間調整部19でノイズ信号Nsを遅延させることによる消音ができない。
そこで、実施形態2を拡張して、ノイズ送信機4cではノイズ信号Nsをデジタル信号として送信する送信部16cを設け、また、ノイズ低減装置5cではデジタル信号のノイズ信号Nsを受信する電波受信部17cと、マイク9の後段の増幅器20とミキサ10との間に遅延器12を設ける。そして、ミキサ10でノイズ低減信号Nbと混合する前にマイク9に入力された音声V及びノイズ音Naに対応する信号に対して遅延器12により遅延処理が行われる。これにより、ノイズ信号Nsに遅れが生じた場合でも最適に消音することが可能となる。
この場合、キャリブレーションモードにおいて、遅延器12による遅延時間を調整してもよいし、遅延器12の遅延時間は一定(たとえば長めの0.5秒)とし、そのうえで実施形態1などと同様に、位相・遅延時間調整部19で微細な遅延時間の調整を行ってもよい。
〔実施形態5〕
図13は実施形態5に係るノイズ低減装置の構成を示す図であり、(a)はノイズ源6dとノイズ送信機4dを示す模式図であり、(b)はノイズ送信機4dの構成を示すブロック図である。説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ノイズ源6dは、音を発する生物等であり、例えば鳥籠の中の鳥であり得る。この場合、ノイズ送信機4dが鳥籠に取り付けられる。ノイズ源6dが生物である場合のように、ノイズ源6dによるノイズ発生タイミングが極端に不規則な場合、安定したキャリブレーションが困難となる。
そこで、ノイズ送信機4dにパルス発生器30と発音制御部29とスピーカ31とを設ける。そして、キャリブレーションモードにおいて、指示信号が入力された発音制御部29からの指示により、パルス発生器30からパルス信号を発生させてスピーカ31からキャリブレーションの基準となるノイズ音Naを発生させる。このノイズ音Naはノイズ送信機4dのマイク14に入力され、増幅器15により増幅されて、送信部16からノイズ信号Nsとして送信される。あるいは、ノイズ音Naをマイク14から入力する代わりにパルス発生器30の信号をノイズ送信機4d内部で直接送信部16に供給して送信してもよい。このように、ノイズ音Naとノイズ信号Nsとをノイズ源6dとは無関係に人工的に発生させてノイズ低減装置のパラメータを調整するとよい。
発音制御部29は、パルス発生器30から発生する調整用パルス信号の発生・停止を制御するもので、手動のスイッチでも良いし、ノイズ低減装置からの指示信号を無線通信により受信して動作するものでも良い。後者の場合、ノイズ受信機側に指示信号送信部(図示せず)を設け、調整手順と同期して、指示信号をノイズ送信機4dに向けて送信する。
具体的には実施形態1の図4のフローチャートに示されるステップS7(平均レベルNm算出ルーチン)の動作に同期して指示信号送信部が指示信号を発音制御部29に送信するとよい。
図14は上記ノイズ低減装置におけるノイズ音のノイズ信号に対する遅延時間を示すグラフである。
キャリブレーションモードにおける基準となるノイズ音Naを単発のパルス信号(疑似的なインパルス信号)に基づいてスピーカ31から出力してもよい。この場合、ノイズ低減装置側でノイズ音Naのノイズ信号Nsに対する遅延時間の測定が容易にできるなどのメリットがある。
〔実施形態6〕
図15は実施形態6に係るノイズ低減システムの構成を示す図であり、(a)はノイズ源6eとノイズ送信機4eを示す模式図であり、(b)はノイズ送信機4eの構成を示すブロック図である。説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図13(b)のパルス発生器30により発生するパルス信号の代わりに、実際のノイズ音Naを予めサンプリング(録音)したデータを再生してスピーカ31に供給してもよい。これにより、ノイズ低減装置側で実際のノイズ音Naの音響特性に即したキャリブレーションが可能となる。
ノイズ送信機4eは、マイク14に入力された実際のノイズ音Naをサンプリングするためのサンプリング部33と、サンプリング部33の動作を制御するサンプリング制御部32と、サンプリング部33によりサンプリングされたノイズ音Naのデータを格納するサンプリングメモリ34とを有する。
ノイズ送信機4eには、サンプリングメモリ34に格納されたノイズ音Naのデータを再生してスピーカ31及び送信部16に供給するサンプル再生部36と、サンプル再生部36の動作を制御する発音制御部35とが設けられる。
キャリブレーションに先立ち、サンプリング制御部32(スイッチなどでも良い)からの指示により、サンプリング部33は、マイク14から入力されたノイズ源6eのノイズ音Naに基づくノイズ信号をA/D変換した後、サンプリングメモリ34に「ノイズサンプル」として記録しておく。
そして、キャリブレーションモードにおいては、発音制御部35からの指示により、サンプル再生部36が、サンプリングメモリ34に記録された「ノイズサンプル」を1回または複数回繰り返して再生する。
例えば、動物の鳴き声をノイズ源としてキャリブレーションを行いたい場合、適切なタイミングでノイズ源からのノイズ信号が得られない場合がある。そこで、動物が鳴いた時点でマイク14で集音した信号を、サンプリング部33が「ノイズサンプル」としてサンプリングメモリ34に保持しておけば、動物の鳴き声をノイズ源としたノイズ信号をいつでも繰り返してキャリブレーションに使用することが可能となる。
また、キャリブレーション後にノイズ源(動物)が移動してしまった場合、キャリブレーションのやり直しが必要となるが、この場合も以前にサンプリングメモリ34に記録された「ノイズサンプル」を使用すれば、再びキャリブレーションを行うことができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
ノイズ低減装置5・5a・5b・5cの制御ブロック(特に振幅調整部18、位相・遅延時間調整部19、制御信号調整部22、及び信号レベル測定部21)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、ノイズ低減装置5・5a・5b・5cは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るノイズ低減装置5・5a・5b・5cは、音声Vに重畳されるノイズ音Na・Na1・Na2を低減するノイズ低減装置であって、前記ノイズ音Na・Na1・Na2の発生源近傍で取得された前記ノイズ音Na・Na1・Na2を表す第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を外部装置(ノイズ送信機4・4c・4d・4e)から受信する受信部(電波受信部17)と、前記ノイズ音Na・Na1・Na2に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を調整したノイズ低減信号Nb・Nb1・Nb2を生成するノイズ低減信号生成部(振幅調整部18、位相・遅延時間調整部19)とを備える。
上記の構成によれば、前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号が生成され、前記音声に重畳される前記ノイズ音が前記ノイズ低減信号に基づいて低減される。このため、ノイズ音を低減するノイズ低減信号を生成するためのパラメータが、ノイズ音に応じて予め記憶される。従って、予測不能なランダムに変動するノイズ音に応じて、ノイズ低減信号を生成するためのパラメータを予め記憶しておくことができる。この結果、予測不能なランダムに変動するノイズ音を低減することができる。
本発明の態様2に係るノイズ低減装置5・5bが、前記ノイズ低減信号Nb・Nb1・Nb2に基づいて、前記音声Vに重畳される前記ノイズ音Na・Na1・Na2を低減するためのノイズ低減音波Nc・Nc1・Nc2を出力するスピーカ8と、前記スピーカ8により出力されたノイズ低減音波Nc・Nc1・Nc2を入力して第2ノイズ音信号(ノイズ音信号Nf)を生成するマイク9と、前記第2ノイズ音信号(ノイズ音信号Nf)の信号レベルが最小となるように前記パラメータを調整して記憶する制御信号調整部22とをさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、音声に重畳されるノイズ音がスピーカから出力されるノイズ低減音波により低減される。
本発明の態様3に係るノイズ低減装置5aは、上記態様1において、前記音声Vを入力して音声信号を生成すると共に、前記ノイズ音Naを入力して第2ノイズ音信号(ノイズ音信号Nf)を生成するマイク9と、前記マイク9により生成された前記音声信号及び前記第2ノイズ音信号(ノイズ音信号Nf)を前記ノイズ低減信号Nbと混合した混合信号を生成するミキサ10と、前記ミキサ10により生成された混合信号を出力するために設けられたインターフェイス(音声信号インターフェイス11)とをさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、ノイズ受信機内の信号経路でノイズ源のノイズ音がキャンセルされる。
本発明の態様4に係るノイズ低減装置5cは、上記態様3において、前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns)がデジタル信号であり、前記マイク9により生成された第2ノイズ音信号を遅延させるために前記ミキサ10と前記マイク9との間に配置された遅延器12をさらに有する。
上記の構成によれば、デジタル信号である第1ノイズ音信号のノイズ受信機への到達時刻が空気中を伝搬するノイズ音よりも遅れた場合でも、最適な消音を行うことが可能となる。
本発明の態様5に係るノイズ低減装置5・5a・5cは、前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)の振幅を調整する振幅調整部18と、前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)の位相と遅延時間とを調整する位相・遅延時間調整部19とをさらに備え、前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)の位相、遅延時間、及び振幅のうちの少なくとも一つを含むパラメータを調整することにより前記ノイズ低減信号Nb・Nb1・Nb2を生成してもよい。
上記の構成によれば、簡易な構成により、ノイズ低減信号を生成することができる。
本発明の態様6に係るノイズ低減装置5・5a・5b・5cは、上記態様1から5のいずれか一態様において、前記ノイズ音Na・Na1・Na2に基づいて前記パラメータを探索して記憶するキャリブレーションモードを有してもよい。
上記の構成によれば、ノイズ音を低減するノイズ低減信号を生成するためのパラメータを、ノイズ音に応じて予め記憶することができる。
本発明の態様7に係る音声認識システム1・1a・1b・1cは、上記態様1から6のいずれか一態様に記載のノイズ低減装置5・5a・5b・5cと、前記ノイズ音Na・Na1・Na2の発生源近傍に配置され、前記ノイズ音Na・Na1・Na2を取得し、前記ノイズ音Na・Na1・Na2を表す第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を送信するノイズ送信機4・4c・4d・4eと、前記ノイズ低減装置5・5a・5b・5cによりノイズ音Na・Na1・Na2が低減された音声Vを認識する音声認識端末2とを備える。
本発明の態様8に係る音声認識システムは、上記態様7において、前記ノイズ送信機4dが、前記ノイズ音に基づいて前記パラメータを探索して記憶するキャリブレーションモードにおいて、前記ノイズ音Na・Na1・Na2に代替する疑似ノイズ音を発生する疑似ノイズ音発生器(パルス発生器30)を有してもよい。
上記の構成によれば、ノイズ源が生物である場合のように、ノイズ源によるノイズ発生タイミングが極端に不規則な場合であっても、安定したキャリブレーションが可能となる。
本発明の態様9に係る音声認識システムは、上記態様7又は8において、前記ノイズ送信機が、異なる複数のノイズ発生源(ノイズ源6・6b)からのノイズ音Na1・Na2にそれぞれ対応する複数台のノイズ送信機4・4bであり、前記ノイズ低減装置5bが、前記複数台のノイズ送信機4・4bからそれぞれ送信された複数の第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns1・Ns2)を受信し、前記複数のノイズ発生源(ノイズ源6・6b)からのノイズ音Na1・Na2を低減するノイズ低減信号Nb1・Nb2を生成してもよい。
上記の構成によれば、複数のノイズ源から発せられる予測不能なランダムなノイズ音を低減することができる。
本発明の態様10に係るノイズ低減方法は、音声Vに重畳されるノイズ音Na・Na1・Na2を低減するノイズ低減方法であって、前記ノイズ音Na・Na1・Na2の発生源近傍において取得された前記ノイズ音Na・Na1・Na2を表す第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を外部装置(ノイズ送信機4・4c・4d・4e)から受信するノイズ受信工程と、前記ノイズ音Na・Na1・Na2に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を調整したノイズ低減信号Nb・Nb1・Nb2を生成する工程とを包含する。
本発明の態様11に係るプログラムは、コンピュータを、音声Vに重畳されるノイズ音Na・Na1・Na2を低減するために、前記ノイズ音Na・Na1・Na2の発生源近傍において取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を外部装置から受信してノイズ低減信号を生成するノイズ低減装置5・5a・5b・5cとして機能させるためのプログラムであって、前記ノイズ低減装置5・5a・5b・5cが、前記ノイズ音Na・Na1・Na2に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号(ノイズ信号Ns・Ns1・Ns2)を調整したノイズ低減信号Nb・Nb1・Nb2を生成する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 音声認識システム
2 音声認識端末
3 ノイズ低減システム
4 ノイズ送信機
5 ノイズ低減装置
8 スピーカ
9 マイク
10 ミキサ
11 音声信号インターフェイス(インターフェイス)
12 遅延器
17 電波受信部(受信部)
18 振幅調整部(ノイズ低減信号生成部)
19 位相・遅延時間調整部(ノイズ低減信号生成部)
22 制御信号調整部
30 パルス発生器(疑似ノイズ音発生器)

Claims (11)

  1. 音声に重畳されるノイズ音を低減するノイズ低減装置であって、
    前記ノイズ音の発生源近傍で取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信する受信部と、
    前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成するノイズ低減信号生成部とを備えることを特徴とするノイズ低減装置。
  2. 前記ノイズ低減信号に基づいて、前記音声に重畳される前記ノイズ音を低減するためのノイズ低減音波を出力するスピーカと、
    前記スピーカにより出力されたノイズ低減音波を入力して第2ノイズ音信号を生成するマイクと、
    前記第2ノイズ音信号の信号レベルが最小となるように前記パラメータを調整して記憶する制御信号調整部とをさらに備える請求項1に記載のノイズ低減装置。
  3. 前記音声を入力して音声信号を生成すると共に、前記ノイズ音を入力して第2ノイズ音信号を生成するマイクと、
    前記マイクにより生成された前記音声信号及び前記第2ノイズ音信号を前記ノイズ低減信号と混合した混合信号を生成するミキサと、
    前記ミキサにより生成された混合信号を出力するために設けられたインターフェイスとをさらに備える請求項1に記載のノイズ低減装置。
  4. 前記第1ノイズ音信号がデジタル信号であり、
    前記マイクにより生成された第2ノイズ音信号を遅延させるために前記ミキサと前記マイクとの間に配置された遅延器をさらに備える請求項3に記載のノイズ低減装置。
  5. 前記第1ノイズ音信号の振幅を調整する振幅調整部と、
    前記第1ノイズ音信号の位相と遅延時間とを調整する位相・遅延時間調整部とをさらに備え、
    前記第1ノイズ音信号の位相、遅延時間、及び振幅のうちの少なくとも一つを含むパラメータを調整することにより前記ノイズ低減信号を生成する請求項1から4のいずれか一項に記載のノイズ低減装置。
  6. 前記ノイズ音に基づいて前記パラメータを探索して記憶するキャリブレーションモードを有する請求項1から5のいずれか一項に記載のノイズ低減装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のノイズ低減装置と、
    前記ノイズ音の発生源近傍に配置され、前記ノイズ音を取得し、前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を送信するノイズ送信機と、
    前記ノイズ低減装置によりノイズ音が低減された音声を認識する音声認識端末とを備えたことを特徴とする音声認識システム。
  8. 前記ノイズ送信機が、前記ノイズ音に基づいて前記パラメータを探索して記憶するキャリブレーションモードにおいて、前記ノイズ音に代替する疑似ノイズ音を発生する疑似ノイズ音発生器を有する請求項7に記載の音声認識システム。
  9. 前記ノイズ送信機が、異なる複数のノイズ発生源からのノイズ音にそれぞれ対応する複数台のノイズ送信機であり、
    前記ノイズ低減装置が、前記複数台のノイズ送信機からそれぞれ送信された複数のノイズ信号を受信し、前記複数のノイズ発生源からのノイズ音を低減するノイズ低減信号を生成する請求項7又は8に記載の音声認識システム。
  10. 音声に重畳されるノイズ音を低減するノイズ低減方法であって、
    前記ノイズ音の発生源近傍において取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信するノイズ受信工程と、
    前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成する工程とを包含することを特徴とするノイズ低減方法。
  11. コンピュータを、音声に重畳されるノイズ音を低減するために、前記ノイズ音の発生源近傍において取得された前記ノイズ音を表す第1ノイズ音信号を外部装置から受信してノイズ低減信号を生成するノイズ低減装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記ノイズ低減装置が、前記ノイズ音に応じて予め記憶されたパラメータに基づいて前記第1ノイズ音信号を調整したノイズ低減信号を生成することを特徴とするプログラム。
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