<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
また、パチンコ機10には、再現操作手段としての操作装置100が遊技者によって操作可能に設けられている(詳細には、パチンコ機10前方から操作可能に下側膨出部66に設けられている)。操作装置100は、実行された演出を再現可能に記憶するために操作される操作手段としての保存ボタン101と、その記憶した演出を再現するために操作される再現部102と、を有している。また、パチンコ機10は、再現可能に複数種の演出を記憶可能となっており、操作装置100における再現部102には、いずれの演出を再現するかを選択するために用いられる選択ボタン103と、選択ボタン103によって選択された演出を再現するよう操作される再現実行ボタン104と、が設けられている。そして、遊技者により操作装置100が操作されたことに基づいて実行された演出が記憶されたり、その記憶された演出が再現されたりするようになっている。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリアが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。また、音声ランプ制御装置82には、操作装置100が接続されている。そして、保存ボタン101や再現部102が操作されたことを示す信号が操作装置100から音声ランプ制御装置82に出力されるようになっている。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される(以下、確変大当たりを特定大当たりともいい、通常大当たりを非特定大当たりともいう)。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリアに格納される。
保留球格納エリアは、第1取得情報記憶手段としての第1結果表示部用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段としての第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域と、を備えている。第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1結果表示部用保留エリアRaには、上作動口33への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
第2結果表示部用保留エリアRbも同様に、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアを備えており、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報がいずれかの記憶エリアに格納される。第1エリア〜第4エリアに情報が格納される順序は、第1結果表示部用保留エリアRaと同様である。このように4つの記憶エリアが設けられていることにより、下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2結果表示部用保留エリアRbには、下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数をMPU202にて特定するための情報が格納される記憶領域として、保留数記憶領域が設けられている。
実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。総保留数記憶領域は、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶する機能を有している。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、非特定大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、特定大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
非特定大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
特定大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリアに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU202の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理の通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後メイン処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及びメイン処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM204の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、上記のとおり定期的に起動される。この場合、本実施の形態では2msec周期で起動されるように構成されているが、この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、各種信号の入力確認、各種カウンタC1〜C4,CINIの更新及び各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
ステップS101では、各種検知センサ211a〜211eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサ211a〜211eの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検知情報を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。ステップS105における作動口用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図11のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1加算するとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップS304の処理を実行したら本情報取得処理を終了する。
<メイン処理>
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS402では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置98に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS404ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS407〜S408の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS407〜S408の処理に移行する。
ステップS407では、RAM204の使用領域を0にクリアし(初期化し)、ステップS408ではRAM204の初期化処理を実行する。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、電断フラグが格納されていること、及びRAM判定値が正常であることを条件に、ステップS410にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS411にてRAM204に記憶されているRAM判定値を消去する。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509及びS510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS505では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS507では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS507にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS511以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS511では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS512にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS513にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS501〜ステップS506の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図14〜図18のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリアにおける開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリアにおける変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
換言すれば、MPU202は、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶されている場合には、その記憶されている保留情報よりも早いタイミングで取得された保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されていたとしても第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が変動表示用のデータとして設定されるようにする(当否判定の対象となるようにする)優先手段としての機能を有している。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS703では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリアに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS709では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリアに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが通常状態に対応した低確率モードである場合には、ROMにおける低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率状態に対応した高確率モードである場合には、ROMにおける高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
ステップS801にて当否判定処理を実行した後は、ステップS802にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS803にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS804では、ステップS803における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS805にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS806にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS807にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS805〜ステップS807の各停止結果設定処理では、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS805及びステップS806では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリアに格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS805では確変大当たりフラグを格納し、ステップS806では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理を実行した後は、ステップS808にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリアに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、上作動口33の入賞に係る保留情報の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されているとともに、下作動口34の入賞に係る保留情報の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されており、さらに下作動口34の入賞に係る保留情報に基づく遊技回においては上作動口33の入賞に係る保留情報の数が考慮されない構成としてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS808にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS809にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、特定大当たり結果の情報、非特定大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS809にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212にコマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信したコマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるよう図柄表示装置41を表示制御する。詳細には、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212に対して、変動表示態様を決定するための情報を含む予告コマンドと、主制御装置81から受信した変動用コマンド及び種別コマンドと、を出力する。表示制御装置212では各コマンドの情報を組み合わせることによって図柄表示装置41における図柄の具体的な変動表示態様を決定するようになっている。
その後、ステップS810にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る表示部(第1結果表示部AS又は第2結果表示部BS)にて表示されるように当該表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて、RAM204の各種カウンタエリアに設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1005に進む。ステップS1005では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS1006では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1007にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS1008にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、非特定大当たりフラグ又は特定大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<表示制御装置212に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図19のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
ROM243には、特定演出におけるスピーカ部64の制御データを記憶する特定演出用音声データ記憶エリア243aと、特定演出における表示ランプ部63の制御データを記憶する特定演出用ランプデータ記憶エリア243bと、予告コマンド設定に用いる予告テーブル記憶エリア243cと、が設定されている。また、RAM244には、制御を実行する上で使用する各種カウンタ244aと、各種フラグを格納する各種フラグ格納エリア244bとが設定されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、各種コマンドを受信する。MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
また、MPU242には、操作装置100が接続されている。操作装置100には、上述したように保存ボタン101と再現部102とが設けられている。操作装置100から信号を受信した場合、音声ランプ制御装置82は、特定演出を記憶したり、その特定演出を再現したりするよう表示制御装置212にコマンドを出力する。この特定演出の記憶及び再現については後述する。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、音声ランプ制御装置82から、各種コマンドを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置41にて図柄の変動表示を行う場合の停止図柄の決定に用いる停止図柄選択テーブル記憶エリア253aと、図柄の変動表示を行う場合の変動態様の決定に用いる表示態様選択テーブル記憶エリア253bとが設けられている。また、プログラムROM253には、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。ワークRAM254には、特定演出を再現するための情報を記憶する再現用コマンド記憶エリア254aと、各種制御を実行する上で使用される各種カウンタ254bと、各種フラグが格納される各種フラグ格納エリア254cと、が設定されている。音声ランプ制御装置82から操作装置100が操作されたことに基づくコマンドが出力された場合、そのコマンドに従って、再現用コマンド記憶エリア254aに情報が記憶されたり、記憶されている情報が読み出されたりする。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41に特定演出を表示させるための特定演出用画像データ記憶エリア256aが設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<変動表示制御処理>
変動表示制御処理について以下に説明する。変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、音声ランプ制御装置82にて図柄の変動表示が終了した場合の最終停止図柄等が決定されるようになっている。また、本パチンコ機10では、実行された特定演出を再現可能となっている。説明の便宜上、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212による特定演出の実行及び記憶のための処理について説明した後に、特定演出を再現するための処理について説明する。
図20のフローチャートに示すように、ステップS1101にて、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS1102にて、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1103にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、ステップS1101にて図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS1104にて、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1105にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1106にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS1103の変動開始用処理、ステップS1105の変動中用処理及びステップS1106の変動終了用処理について、詳細に説明する。
<変動開始用処理>
先ずステップS1103の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、変動表示の内容を決定し、その結果を表示制御装置212に出力する処理である。
図21のフローチャートに示すように、ステップS1201にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1201では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1201では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のRAM244に記憶する。変動表示時間の情報について説明すると、当該時間の情報は、RAM244の各種カウンタ244aの変動表示用タイマカウンタにセットされる。そして、その値は、所定周期毎(例えば2msec周期)にて減算されるようになっている。これにより、音声ランプ制御装置82では、1遊技回が開始されてからの期間を把握することが可能となっており、このカウントを用いて変動表示が行われている場合の表示内容を把握するようになっている。
続くステップS1202では、ステップS1201にて記憶した情報から大当たり抽選の当選の有無を判定する。大当たり抽選に当選と判定した場合、ステップS1203に進み、特定演出を実行するか否かを決定する特定演出抽選を実行する。
本パチンコ機10では、特定演出は、その実行に用いられる情報が記憶され得る演出であり、大当たり抽選に当選している遊技回においてのみ実行され得るようになっている。このため、特定演出が実行されたことにより、その遊技回にて大当たり抽選に当選していることを遊技者に教示可能となっている。また、特定演出抽選に当選する確率は、特定演出抽選に当選しない確率よりも低くなっている(例えば、特定演出抽選に当選する確率が10%、特定演出抽選に当選しない確率が90%)。特定演出は大当たり抽選に当選している場合にのみ実行され得るようになっていることに加え、大当たり抽選に当選している場合の一部の遊技回においてのみ実行されるため、その他の演出に比べ、出現頻度が低くなっている。
特定演出抽選について説明すると、音声ランプ制御基板241のRAM244には、特定演出を実行するか否かを決定するために用いるループカウンタが設けられている。特定演出抽選を実行する場合、このループカウンタの値を取得するとともに、その取得した値とプログラムROM253に記憶された特定演出用テーブルとを比較することによって特定演出抽選に当選したか否かを判定する。
ステップS1204にて特定演出抽選に当選していた場合には、ステップS1205に進み、特定演出に対応した予告コマンド設定処理を実行するとともに、特定演出が実行されることを示す特定演出フラグをRAM244に設けられた各種フラグ格納エリア244bにおける特定演出フラグ格納エリアにセットする。
予告コマンドは、図柄の変動表示が行われている場合の表示ランプ部63、スピーカ部64の表示態様の情報を含んでいる。予告コマンド設定処理では、ステップS1201にて把握した情報から設定する予告コマンドを決定する。予告コマンド設定処理について説明すると、音声ランプ制御装置82のROM243には、予告情報群記憶手段としての複数の予告テーブルが記憶された予告テーブル記憶エリア243cが設けられている。予告テーブルは、特定演出当選に対応したもの、大当たり当選に対応したもの及び大当たりに当選していないものに対応して設けられており、さらに、いずれかのテーブルから大当たりの種別、リーチ発生の有無、変動表示時間に対応した予告コマンドが選択されるようになっている。そして、その予告コマンドから表示ランプ部63、スピーカ部64の表示態様が導出されるようになっている。
特定演出に対応した予告コマンド設定処理では、特定演出当選に対応した予告テーブルから予告コマンドが決定されるようになっている。詳細には、特定演出に対応した予告テーブルからステップS1201にて特定した大当たりの種別及び変動表示時間に対応した予告コマンドが決定される。そして、決定された予告コマンドから特定演出用音声データ記憶エリア243a、特定演出用ランプデータ記憶エリア243bからその予告コマンドに対応したスピーカ部64及び表示ランプ部63の制御プログラムが選択されるようになっている。
一方、ステップS1204にて特定演出抽選に当選していなかった場合、ステップS1206に進み、大当たりに対応した予告コマンド設定処理として、大当たりに対応した予告コマンドをセットする。詳細には、予告テーブルのうち大当たり当選に対応したテーブルの中からステップS1201にて特定した大当たりの種別及び変動表示時間に対応した予告コマンドが選択される。
ステップS1202にて大当たり当選と判定しなかった場合、ステップS1207に進み、外れに対応した予告コマンド設定処理として外れに対応した予告コマンドをセットする。詳細には、予告テーブルのうち外れに対応したテーブルの中からステップS1201にて特定したリーチの有無及び変動表示時間に対応した予告コマンドが選択される。
ステップS1205〜ステップS1207にていずれかに対応した予告コマンドをセットしたら、ステップS1208に進み、コマンド出力処理を実行する。コマンド出力処理では、ステップS1205〜ステップS1207にてセットしたコマンドと、主制御装置81から受信した変動用コマンド及び種別コマンドと、を表示制御装置212に出力する。コマンド出力処理を実行したら本変動開始用処理を終了する。すなわち、予告コマンドは、音声ランプ制御装置82における表示ランプ部63、スピーカ部64の制御に用いられるとともに、表示制御装置212に出力されるようになっている。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図20)におけるステップS1105の変動中用処理について説明する。パチンコ機10では、特定演出が実行された場合、その特定演出を記憶するとともに、その記憶された特定演出を再現可能になっている。変動中用処理では、特定演出が実行されている場合に、操作装置100における保存ボタン101が操作されたことを特定する。
図22のフローチャートに示すように、ステップS1301にて、特定演出フラグが各種フラグ格納エリア244bの特定演出フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。特定演出フラグがセットされていない場合、その遊技回では特定演出が実行されないことを意味するため、本変動中用処理を終了する。
特定演出フラグがセットされていた場合、ステップS1302に進み、操作許容タイミングか否かを判定する。操作許容タイミングか否かの判定では、その変動表示の実行中において、特定演出が開始されるタイミングとなっているか否かを判定する。詳細には、セットされた特定演出に対応した予告コマンド及び主制御装置81から受信した変動用コマンドの組み合わせから特定演出が実行されるタイミングを導出し(図柄の変動表示が行われている場合に特定演出としての教示演出が行われるタイミングを導出し)、変動表示用タイマカウンタの値からそのタイミングを経過しているか否かを判定する。詳細には、特定演出に対応した予告コマンド及び主制御装置81から受信した変動用コマンドの組み合わせに対応付けられてROM243に特定演出が実行されるタイミングとしての変動表示タイマカウンタの値が記憶されており、その値と現在の変動表示用タイマカウンタとの値を比較することにより判定している。
ステップS1302では特定演出が実行されるタイミングを経過しているか否かを判定しており、一度操作許容タイミングであることと判定した場合、その遊技回が終了するまでステップS1302では肯定判定されるようになっている。操作許容タイミングでなかった場合、本変動中用処理を終了する。ステップS1302にて操作許容タイミングであった場合、ステップS1303に進み、操作装置100における保存ボタン101が操作されたか否かを判定する。保存ボタン101が操作されていなかった場合、そのまま本変動中用処理を終了する。保存ボタン101が操作されていた場合、ステップS1304に進み、保存ボタン101が操作されたことを示す保存コマンドを表示制御装置212に出力して本変動中用処理を終了する。
<変動終了用処理>
次に、変動表示制御処理(図20)におけるステップS1106の変動終了用処理について説明する。当該処理が実行された場合に変動表示している図柄が停止されるようになっている。
図23のフローチャートに示すように、ステップS1401にて最終停止表示コマンド出力処理として表示制御装置212に最終停止表示コマンドを出力する。表示制御装置212は、当該コマンドを受信することにより、図柄表示装置41にて最終停止図柄を停止させるようになっている。
続くステップS1402では、特定演出フラグがセットされているか否かを判定する。特定演出フラグがセットされていた場合にはステップS1403にて特定演出フラグをクリアして、特定演出フラグがセットされていなかった場合には特定演出フラグをクリアすることなく、本変動終了用処理を終了する。
<表示装置制御処理>
以下、表示制御装置212にて2msec周期にて実行される表示装置制御処理について説明する。本表示装置制御処理にて図柄表示装置41が制御される。
図24のフローチャートに示すように、ステップS1501にて図柄の変動表示実行中か否かを判定する。変動表示実行中か否かの判定には、表示制御装置212におけるワークRAM254の各種カウンタ254bに設けられた変動表示用カウンタを用いている。当該カウンタには変動用コマンドを受信した場合に、その変動用コマンドに対応した一遊技回の期間がセットされるようになっている(詳細には、本表示装置制御処理におけるステップS1505にてセットされる)。ステップS1501における変動表示実行中か否かの判定では、変動表示用カウンタの値が0であるかを判定し、0でない場合に変動表示実行中と判定する。
ステップS1501にて変動表示実行中でなかった場合、ステップS1502に進み、変動用コマンド、予告コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンド、予告コマンド及び種別コマンドを受信していた場合、ステップS1503に進み、音声ランプ制御装置82から特定演出に対応した予告コマンドを受信したか否かを判定する。特定演出に対応した予告コマンドを受信していた場合、ステップS1504に進み、特定演出フラグを各種フラグ格納エリア254cの特定演出フラグ格納エリアにセットする。
ステップS1503にて特定演出に対応した予告コマンドを受信していなかった場合、ステップS1504にて特定演出フラグをセットした場合、ステップS1505に進み、変動表示制御処理を実行する。
変動表示制御処理について詳細に説明する。上述したように、表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から出力された変動用コマンド、種別コマンド及び予告コマンドを受信している。変動表示制御処理では、各コマンドを読み出し、各コマンドに含まれた情報を把握する。詳細には、種別コマンドから大当たり当選の有無及び大当たりに当選している場合には特定又は非特定のいずれの大当たりに対応しているか、変動用コマンドから一遊技回の期間、予告コマンドから図柄の変動表示が行われる場合のリーチの発生タイミングやリーチ演出の内容が把握される。
変動用コマンドからその遊技回の期間を把握した場合、その期間に対応した値を各種カウンタ254bに設けられた変動表示タイマカウンタにセットする。なお、変動表示タイマカウンタの値は後述する表示側変動中用処理が実行される毎に1減算されるようになっている。表示側変動中用処理は、表示装置制御処理において実行される処理であり、2msec周期にて実行される。そのため、例えば、一遊技回が30秒に相当した変動用コマンドを受信した場合、変動表示タイマカウンタに15000をセットするようになっている。
また、変動表示制御処理の一部として遊技回が終了した場合の最終停止図柄を決定する最終停止図柄決定処理を実行する。最終停止図柄決定処理では、表示制御装置212のプログラムROM253の停止図柄情報群記憶手段としての停止図柄選択テーブル記憶エリア253aに記憶された停止図柄選択テーブルから最終停止図柄を決定する。停止図柄選択テーブルは複数種にわけて設けられている。詳細には、特定大当たりに対応したもの、非特定大当たりに対応したもの、大当たり当選となっておらずリーチの発生に対応したもの及び大当たり当選となっておらずリーチの非発生に対応したものが設けられている。種別コマンドから大当たり当選となっているか、大当たり当選となっている場合には、特定又は非特定大当たりのいずれに対応しているかによって停止図柄選択テーブルが決定される。さらに、大当たり当選となっていない場合には、予告コマンドからリーチの発生、非発生が特定され、それぞれ対応した停止図柄選択テーブルが参照されるようになっている。
表示制御装置212では、停止図柄選択テーブルを決定した後にその中からランダムに停止図柄を決定するようになっている。その抽選にはワークRAM254に設けられたループカウンタを用いている。本パチンコ機10では、所定周期にて更新されるとともに、0〜99の範囲にて最大値に達した後0に戻るループカウンタを用いており、そのループカウンタの値を取得することによって最終停止図柄を決定している。例えば、特定大当たり当選となっている場合には、取得したループカウンタの値が「0〜19」の範囲であった場合、「1」が付された図柄が一列に並ぶ停止図柄が選択されるようになっており、以下同様に、「20〜39」、「40〜59」、「60〜79」、「80〜99」の範囲がそれぞれ「3」、「5」、「7」、「9」図柄に対応したものとなっている。なお、ループカウンタの範囲、停止図柄選択テーブルの振分を変更してもよいのはいうまでもない。
さらに、変動表示制御処理の一部として変動表示態様設定処理を実行する。変動表示態様設定処理では、遊技回が開始されてからその遊技回が終了するまでの図柄表示装置41における変動表示態様を決定する。本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置82から受信した変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄決定処理にて決定した最終停止図柄の組み合わせによって変動表示態様が導出されるようになっている。
詳細には、プログラムROM253に設けられた表示態様情報群記憶手段としての表示態様選択テーブル記憶エリア253bに複数の表示態様選択テーブルが記憶されている。複数の表示態様選択テーブルは、それぞれ変動用コマンドに対応して設けられている(すなわち、一遊技回の期間に対応して設けられている)。変動用コマンドから対応した表示態様選択テーブルを決定した後にそのテーブルの中から最終停止図柄及び予告コマンドに対応付けられた表示コマンドが選択されるようになっている。選択された表示コマンドはMPU252からVDP255に内部コマンドとして出力されるようになっている。
VDP255は、表示コマンドを受信した場合、その表示コマンドに対応した画像情報をキャラクタROM256から読み出しビデオRAM257にセットする。そして、そのセットされた画像情報を表示するよう図柄表示装置41に所定周期毎にコマンドを出力する。これにより、表示コマンドに対応した画像情報が図柄表示装置41にて表示される。例えば、表示制御装置212が受信した予告コマンドが特定演出に対応したものであった場合、特定演出に対応したリーチ演出用の画像が、特定演出用画像データ記憶エリア256aが参照されビデオRAM257にセットされるようになっている。
ステップS1505にて変動表示制御処理を実行したらステップS1506に進み、音声ランプ制御装置82から受信した変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄決定処理にて決定した最終停止図柄の情報をワークRAM254に記憶する。なお、ステップS1506にて記憶した情報は、その遊技回が終了した場合にクリアされるようになっている。ステップS1506の処理を実行したら本表示装置制御処理を終了する。
ステップS1502にて変動用コマンド及び種別コマンドを受信していなかった場合、ステップS1507に進み、デモ表示処理を実行する。デモ表示処理を実行したら本表示装置制御処理を終了する。デモ表示処理については後述する。
一方、ステップS1501にて変動表示実行中と判定した場合、ステップS1508に進み、音声ランプ制御装置82から最終停止表示コマンドを受信したか否かを判定する。最終停止表示コマンドを受信していた場合、ステップS1509に進み、最終停止表示処理を実行する。最終停止表示処理は、その遊技回にて決定した最終停止図柄に対応した図柄を停止させ、その遊技回を終了させる処理である。最終停止表示処理を実行したら、ステップS1510に進み、特定演出フラグが各種フラグ格納エリア254cの特定演出フラグ格納エリアにセットされているかを判定する。セットされていた場合にはステップS1511にて特定演出フラグをクリアし、セットされていなかった場合には特定演出フラグをクリアすることなく、本表示装置制御処理を終了する。
ステップS1508にて最終停止表示コマンドを受信していなかった場合、ステップS1512に進み、表示側変動中用処理を実行する。表示側変動中用処理を実行したら、本表示装置制御処理を終了する。
<表示側変動中用処理>
以下、図柄の変動表示実行中に表示制御装置212にて実行される表示側変動中用処理について図25のフローチャートを用いて説明する。本処理が行われることにより、特定演出が実行されている場合に保存ボタン101が操作されたことに基づいて、特定演出を再現可能に情報が記憶されるようになっている。
ステップS1601では、変動表示タイマカウンタの値を1減算する。この処理を実行することにより、表示制御装置212は変動表示タイマカウンタの値から変動表示の具体的な内容を把握できるようになっている。
続くステップS1602では、操作教示フラグ(本処理におけるステップS1606にてセットされるフラグである)が各種フラグ格納エリア254cの操作教示フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。操作教示フラグがセットされていなかった場合、ステップS1603に進み、特定演出フラグが特定演出格納エリアにセットされているか否かを判定する。ステップS1603にて特定演出フラグがセットされていた場合、ステップS1604に進む。
ステップS1604では、操作教示タイミングか否かを判定する。操作教示タイミングか否かの判定には、上述した変動表示用タイマカウンタの値を参照するようになっている。詳細には、実行する特定演出毎に操作教示タイミングが、特定演出に対応した予告コマンドの情報及び変動用コマンドの情報に対応付けられてプログラムROM253に記憶されており、その遊技回において実行する特定演出に対応付けて操作教示タイミングを決定することが可能となっている。すなわち、表示制御装置212では、変動用コマンドの情報及び予告コマンドの情報の組み合わせから操作教示タイミングを導出する。ステップS1603にて特定演出フラグがセットされていなかった場合、又は、操作教示タイミングではなかった場合、本表示側変動中用処理を終了する。
ステップS1604にて操作教示タイミングであった場合、ステップS1605に進み、操作教示開始処理を実行する。当該処理が実行された場合、図柄表示装置41に操作装置100における保存ボタン101の操作を促すメッセージ(本実施形態では「PUSH!!」)が表示される。続くステップS1606にて操作教示フラグを各種フラグ格納エリア254cにセットして本表示側変動中用処理を終了する。なお、詳細な説明は省略するが、本ステップS1606にてセットされた操作教示フラグは、その遊技回が終了した(図柄の変動表示が最終停止表示された)場合にクリアされるようになっている。
一方、ステップS1602にて操作教示フラグがセットされていなかった場合、ステップS1607に進み、音声ランプ制御装置82から保存コマンドを受信していたか否かを判定する。保存コマンドを受信していなかった場合、本表示側変動中用処理を終了する。
ステップS1607にて保存コマンドを受信していた場合、ステップS1608に進み、各種コマンド確認処理を実行する。各種コマンド確認処理では、受信した変動用コマンド及び予告コマンドと、決定した最終停止図柄の情報とを確認する(表示装置制御処理におけるステップS1506にて記憶した情報を確認する)。
各種コマンドの情報を確認したらステップS1609に進み、再現用コマンド確認処理を実行する。当該処理では、再現用コマンド記憶エリア254aに記憶されている情報を参照する。続くステップS1610では、ステップS1608及びステップS1609にて確認した情報の組み合わせが一致しているか否かを判定する。
ステップS1610にて一致情報なしと判定した場合、ステップS1611に進み、再現用コマンド記憶処理及びタイミング記憶処理を実行する。再現用コマンド記憶処理では、ステップS1608にて確認したコマンドの情報を再現用コマンド記憶エリア254aに記憶する。すなわち、変動用コマンドの情報と、予告コマンドの情報及び最終停止図柄の情報と、を記憶するようになっている。そして、タイミング記憶処理では、保存ボタン101が操作された場合の変動表示用タイマカウンタの値を確認するとともに、その値を再現用コマンド記憶エリアに記憶する。なお、上述したように保存コマンドは音声ランプ制御装置82から出力されるものであり、特定演出が実行される遊技回においてのみ送信され得るようになっている。
再現用コマンド記憶エリア254aについて説明すると、当該記憶エリア254aには、変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄の情報の複数種の組み合わせを記憶可能に複数の記憶領域が設けられている。本パチンコ機10では、変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせが5種類記憶可能に、その組み合わせを記憶するための領域が5種類設けられている。そして、各記憶領域に対して変動表示用タイマカウンタの値を記憶する領域が複数設けられている。詳細には、変動用コマンドの情報、予告コマンドの情報及び最終停止図柄の情報の一の組み合わせを記憶する領域に対して複数種の変動表示用タイマカウンタの値を記憶する領域が設けられている。そして、各コマンドの情報及び最終停止図柄の情報とタイマカウンタの値とを対応付けて記憶している。すなわち、一の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを共通情報として記憶しておき、その共通情報に対して複数種の変動表示用タイマカウンタの値を記憶するようになっている。
また、既に5種類の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせが記憶されている場合に、新たに各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを記憶する場合、記憶されてから最も期間が経過している情報の組み合わせが記憶を記憶している領域が上書きされるようになっている。そして、記憶されている情報は、パチンコ機10の電源が遮断された場合に消去されるようになっている。
一方、ステップS1610にて一致情報ありと判定した場合におけるステップS1612に進み、タイミング記憶処理を実行する。ステップS1612におけるタイミング記憶処理では、一致した各コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶している領域に対応した領域に変動表示用タイマカウンタの値を記憶するようになっている。すなわち、既に各コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶している遊技回にて、再び保存ボタン101の操作が行われた場合、新たに各コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶することがないようになっている。ステップS1611又はステップS1612の処理を実行したら本変動中用処理を終了する。例えば、特定演出が実行される一の遊技回において複数タイミングに亘り、保存ボタン101が操作されることが考えられる。この場合に、各コマンド及び最終停止図柄の情報を保存ボタン101が操作される毎に記憶すると、各情報を記憶する情報量が必要以上に多くなることが考えられる。本実施形態では、既に各コマンドに対応した同じ情報が記憶されている場合には、タイミングカウンタの値のみを記憶することにより、特定演出の再現のために記憶する情報量を少なくしている。
また、本パチンコ機10では、ステップS1605の処理にて表示した保存ボタン101の操作を促すメッセージに対応した情報は記憶されないようになっている。そして、特定演出を再現する場合にそのメッセージは再現されないようになっている。なお、特定演出を再現する場合にそのメッセージも再現されるようにしてもよい。
<デモ開始処理>
以下、記憶された特定演出を再現するために実行される処理について説明する。先ず、音声ランプ制御装置82にて実行されるデモ開始処理について説明し、その後に表示制御装置212におけるデモ表示処理について説明する。
デモ開始処理とは、所定周期(2msec周期)にて音声ランプ制御装置82にて実行される処理である。デモ開始処理にて、所定タイミングになった場合にデモ表示が開始されるとともに、再現部102の操作に基づいて表示制御装置212にコマンドが出力される。そして、表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて記憶された特定演出を再現させるようになっている。
図26のフローチャートに示すように、ステップS1701では、再現フラグが各種フラグ格納エリア244bにおける再現フラグ格納エリアセットされているか否かを判定する(再現フラグは本デモ開始処理におけるステップS1709にてセットされるフラグである)。再現フラグがセットされていなかった場合、ステップS1702に進み、デモフラグが各種フラグ格納エリア244bにおけるデモフラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する(デモフラグは本デモ開始処理におけるステップS1705にてセットされるフラグである)。
デモフラグ格納エリアにデモフラグがセットされていなかった場合、ステップS1703に進み、デモ開始タイミングか否かを判定する。デモ開始タイミングか否かの判定は、図柄の変動表示が実行されておらず、かつ大当たり状態ではない場合に肯定判定されるようになっている。デモ開始タイミングと判定しなかった場合、本デモ開始処理を終了する。なお、図柄の変動表示が実行されているかは、変動表示制御処理におけるステップS1101と同様に判定する。また、パチンコ機10では、大当たり状態に移行した場合、各種フラグ格納エリア244bに大当たりフラグがセットされるようになっている。そして、そのフラグの有無にて大当たり状態か否かを判定する。詳細には、大当たりとなった場合及び大当たりが終了した場合に、それらのことを示す各種コマンドが主制御装置81から音声ランプ制御装置82に出力されるようになっている。
デモ開始タイミングと判定した場合、ステップS1704に進み、デモコマンド設定処理を実行する。デモコマンド設定処理では、デモ表示における表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御を開始するとともに、デモコマンドを表示制御装置212に出力する。表示制御装置212では、デモコマンドを受信することにより、図柄表示装置41にてデモ表示を開始する。デモコマンド設定処理を実行したら、ステップS1705に進み、デモフラグをRAM244の各種フラグ格納エリア244bにおけるデモフラグ格納エリアにセットして本デモ開始処理を終了する。
ステップS1702にてデモフラグがセットされていた場合、ステップS1706に進み、変動用コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンドを受信していなかった場合、ステップS1707に進み、再現操作がされたか否かを判定する。再現操作とは、記憶されている特定演出を再現するように、再現部102における選択ボタン103及び再現実行ボタン104が操作されることである。
ステップS1707にて再現操作有りと判定した場合、ステップS1708に進み、再現コマンド出力処理にて再現コマンドを出力するとともに、再現ランプ表示処理として、表示ランプ部63を同色(例えば、白色)にて点灯させ続ける処理を実行する。図柄表示装置41にて再現ではなく通常の図柄の変動表示が実行されている場合、例えば表示ランプ部63が点滅を繰り返すようになっており、表示ランプ部63が同色にて点灯し続けることにより、表示されている図柄が再現されているものであることを遊技者が理解可能となっている。
再現コマンドについて補足すると、再現コマンドが表示制御装置212に出力された場合、表示制御装置212は受信した再現コマンドに対応した図柄の変動表示態様を再現するようになっている。再現コマンドには、表示制御装置212のワークRAM254の再現用コマンド記憶エリア254aにおけるコマンド及び停止図柄の情報の組み合わせを記憶する複数の領域のうち、いずれの情報の組み合わせに対応しているかの情報が含まれている。再現コマンドの内容は、再現部102の操作結果によって決定されるようになっている。
詳細な説明は省略するが、本実施形態では、デモ画面が表示されている場合に再現部102が操作されることにより、図柄表示装置41の表示内容を演出再現選択画面に切り替えるように表示制御装置212にコマンドを出力するようになっている。表示制御装置212による演出再現選択画面の表示により、図柄表示装置41を視認しながら再現部102を操作することにより、記憶されている特定演出のうち再現させる特定演出を遊技者が選択可能となっている。例えば、5種類の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせが記憶されている場合、第1〜第5演出を再現可能なこと演出再現選択画面にて表示され、第1〜第5演出のうちいずれの演出を再現するかを選択できるようになっている。そして、音声ランプ制御装置82では、その遊技者の再現部102の操作によって出力する再現コマンドの情報を決定するようになっている。
上記構成であることにより、複数の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせが表示制御装置212のワークRAM254に記憶されている場合に、いずれか一の組み合わせに対応した変動表示態様を再現することができる。
続くステップS1709では、再現フラグをRAM244の各種フラグ格納エリア244bに設けられた再現フラグ格納エリアにセットするとともに、各種カウンタ244aに設けられた再現カウンタに15000をセットする。
ステップS1706にて変動用コマンドを受信していた場合、又は、ステップS1709の処理を実行した場合、デモ終了コマンド設定処理を実行する。デモ終了コマンド設定処理では、デモ表示を終了させるよう表示制御装置212にデモ終了コマンドを出力する。また、デモ終了コマンド設定処理にて、音声ランプ制御装置82による表示ランプ部63及びスピーカ部64におけるデモ表示が終了されるようになっている。すなわち、ステップS1708にて再現ランプ表示処理が実行されていた場合、デモ終了コマンド設定処理が実行されたタイミングにて再現ランプ表示処理の実行として表示ランプ部63が同色にて点灯することとなる。デモ終了コマンド設定処理を実行したら、ステップS1711に進み、各種フラグ格納エリア244bのデモフラグ格納エリアに格納されたデモフラグをクリアして本デモ開始処理を終了する。
一方、ステップS1701にて再現フラグがセットされていた場合、ステップS1712に進み、変動用コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンドを受信していなかった場合、ステップS1713に進み、再現カウンタの値を1ディクリメントする。続くステップS1714では再現カウンタの値が0であるか否かを判定する。再現カウンタの値が0でなかった場合、本デモ開始処理を終了する。
ステップS1712にて変動用コマンドを受信していた場合、又は、ステップS1714にて再現カウンタの値が0であった場合、ステップS1715に進み、再現終了コマンド出力処理として再現終了コマンドを表示制御装置212に出力するとともに、再現ランプ表示終了処理として表示ランプ部63の点灯を終了する。表示制御装置212は、再現終了コマンドを受信することにより、特定演出の再現を終了する。そして、ステップS1716にて、再現フラグ格納エリアにセットされている再現フラグをクリアして本デモ開始処理を終了する。
本デモ開始処理は2msec周期にて実行されるものであるため、再現カウンタに15000がセットされてからステップS1713の処理が繰り返し実行され再現カウンタの値が0となるまでに30秒かかるようになっている。すなわち、特定演出の再現が実行されてから30秒が経過した場合にその特定演出の再現が終了されるようになっている。
ステップS1706及びステップS1714にて変動用コマンドを受信したか否かの判定を行うことにより、図柄表示装置41にて遊技回として図柄の変動表示が行われる場合にデモ画面や特定演出の再現が行われることを防止できる。特に、図柄の変動表示が実行されている場合に、特定演出を再現すると、図柄表示装置41の表示内容が特定演出の再現なのか、又は遊技の進行に伴って表示されているものなのかを混同することが考えられる。変動用コマンドを受信したことに基づいて特定演出の再現を終了することにより、上記遊技者の混同を防止できる。
<デモ表示処理>
以下、表示制御装置212にて実行されるデモ表示処理について図27のフローチャートを用いて説明する。本デモ表示処理が実行されることにより、音声ランプ制御装置82から受信した信号に基づいて、図柄表示装置41にてデモ画面が表示されたり、特定演出が再現されたりするようになっている。
ステップS1801では表示側再現フラグ(本処理におけるステップS1808にてセットされるフラグ)がワークRAM254の各種フラグ格納エリア254cに設けられた表示側再現フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。
ステップS1801にて表示側再現フラグがセットされていなかった場合、ステップS1802に進み、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア254cに設けられた表示側デモフラグ格納エリアにデモフラグがセットされているかを判定する。デモフラグがセットされていなかった場合、ステップS1803に進み、デモコマンド(ステップS1704にて出力されるコマンド)を音声ランプ制御装置82から受信したか否かを判定する。デモコマンドを受信していなかった場合、本デモ表示処理を終了する。
ステップS1803にて、デモコマンドを受信していた場合、ステップS1804に進み、表示側デモフラグを表示側デモフラグ格納エリアにセットする。表示側デモフラグをセットしたらステップS1805に進み、デモ画面表示処理を実行する。本処理が実行されることにより、図柄表示装置41にてデモ画面の表示が開始される。デモ画面表示処理を実行したら本デモ表示処理を終了する。詳細には、図柄表示装置41にてデモ画面を表示するようキャラクタROM256に設けられたデモ画面用画像データ記憶エリアを参照してデモ画面の設定処理を行う。
デモ画面が図柄表示装置41に表示された場合、デモ画面として遊技説明やどのようなキャラクタが表示されるか等、パチンコ機10に関する情報が表示されるようになっている。また、再現用コマンド記憶エリア254aに特定演出を再現可能にコマンドが記憶されている場合、再現部102を操作することにより特定演出が再現されることがデモ画面として表示されるようになっている。
ステップS1802にて表示側デモフラグがセットされていた場合、ステップS1806に進み、再現コマンド(ステップS1708にて出力されるコマンド)を受信したか否かを判定する。再現コマンドを受信していなかった場合、本デモ表示処理を終了する。
ステップS1806にて再現コマンドを受信していた場合、ステップS1807に進み、コマンド対応記憶領域参照処理を実行する。上述したように再現コマンドは記憶されている特定演出のうちいずれの特定演出を再現させるかの情報を含んでいる。コマンド対応記憶領域参照処理では、受信した再現コマンドに対応した再現用コマンド記憶エリア254aに記憶されている情報を参照する。続くステップS1808では、コマンド対応記憶領域参照処理にて参照した情報から記憶されている特定演出の画像を導出し、その画像を図柄表示装置41に表示する特定演出画再現処理を実行する。特定演出画像再現処理を実行したらステップS1809に進み、表示側再現フラグを表示側再現フラグ格納エリアにセットして本デモ表示処理を終了する。
特定演出画像再現処理では、受信した再現コマンドに対応した再現用コマンド記憶エリア254aの記憶領域に記憶されている変動用コマンドの情報、最終停止図柄の情報、予告コマンドの情報及び変動表示タイマカウンタの値を参照する。各コマンド及び最終停止図柄の情報を参照することにより、そのコマンドの情報の組み合わせからどのような変動表示が実行されていたかを導出できるとともに、変動表示タイマカウンタの値を参照することによってその変動表示におけるいずれのタイミングの画像(特定演出)を再現すればよいかを特定演出用画像データ記憶エリア256aから把握することが可能となる。そして、把握した画像を図柄表示装置41に表示する処理を実行する。
具体的には、上述した変動表示態様設定処理(表示装置制御処理のステップS1505)と同様の処理を行っており、各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせから表示コマンドが選択される。そして、その表示コマンドがMPU252からVDP255に内部コマンドとして出力される。さらに、MPU252からVDP255に変動表示タイマカウンタの値が内部コマンドとして出力される。これにより、VDP255では、その表示コマンドに対応した遊技回のうち、いずれのタイミングの画像情報を表示すればよいかを導出できる。そして、キャラクタROM256を参照してそのタイミングに対応した画像情報をビデオRAM257にセットする。この結果、図柄表示装置41にて、特定演出が表示された遊技回における保存ボタン101が操作されたタイミングの画像情報が再現されるようになっている。すなわち、本パチンコ機10では、各コマンド及び停止図柄の情報を用いて同様の処理にて特定演出の実行及び再現を行っている。
各コマンド及び最終停止図柄の情報とカウンタの値とを用いて特定演出を再現することによって、保存ボタン101が操作された場合に画像情報そのものを記憶する構成と比して、特定演出の再現のために記憶する情報量を少なくすることが可能となる。さらには、通常の遊技回において停止図柄や変動表示の内容を具体的に決定する情報と、特定演出を再現するために用いる情報と、がそれぞれ同一のものとなっているため、特定演出を再現するための新たな情報を導出した後にその情報を記憶する必要がなくなる。よって、特定演出を再現するために情報を記憶する場合の処理負荷を軽減できる。さらに、特定演出の実行とは別に特定演出を再現するための画像情報をキャラクタROM256に予め記憶しておく必要がなくなり、キャラクタROM256が記憶する情報量を削減できる。
また、本実施形態では、一の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせに対して複数の変動表示タイマカウンタの値が記憶可能となっている。この各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせに対応した再現コマンドを受信した場合、表示制御装置212では、その複数の変動表示タイマカウンタの値をVDP255にそれぞれ出力する。VDP255では、複数の変動表示タイマカウンタの値を受信した場合には、キャラクタROM256を参照して、所定周期毎にて各タイミングにおける表示に切り替わるように各値に対応した画像情報をビデオRAM257にセットする。すなわち、一の特定演出が実行された遊技回にて複数回の保存ボタン101の操作が実行されていた場合には、再現コマンドが出力された場合に、その複数回の操作に対応したタイミングの表示が全て再現されるようになっている。
なお、再現コマンドを受信した場合の再現の態様を変更してもよく、例えば、いずれの各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせに対応しているかの情報が含まれておらず、再現コマンドを受信した場合、記憶している各コマンド及び最終停止図柄の組み合わせに対応した画像情報が所定周期毎に切り替わるように図柄表示装置41にて再現されてもよい。また、例えば、一の各コマンド及び最終停止図柄の組み合わせに対して複数の変変動表示タイマカウンタの値が記憶されている場合、その複数の変動表示タイマカウンタの値のうち、いずれの値に対応した画像を再現するかの情報が再現コマンドに含まれていてもよい。この場合、一の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせに対して複数の変動表示タイマカウンタの値が記憶されている場合においても、いずれか一の変動表示タイマカウンタの値に対応したタイミングの画像情報を再現できる。
ステップS1801にて表示側再現フラグがセットされていた場合、ステップS1810に進み再現終了コマンド(ステップS1715にて出力されるコマンド)を受信したか否かを判定する。再現終了コマンドを受信していなかった場合、本デモ表示処理を終了する。
ステップS1810にて再現終了コマンドを受信していた場合、ステップS1811に進み、再現終了処理を実行する。再現終了処理が実行されることにより、図柄表示装置41に表示されている特定演出の再現が終了するようになっている。そして、ステップS1812にてセットされている表示側再現フラグをクリアして、本デモ表示処理を終了する。
<特定演出を記憶する場合及び再現する場合の具体的な態様>
次に本パチンコ機10において実行されている特定演出を記憶する場合について説明する。図28(a)に示すようにta1のタイミングにて特定演出が実行される図柄変動表示が開始される。そして、図28(b)に示すようにta2のタイミングにてリーチが開始されるとともに、変動表示されている図柄の背景にキャラクタ(男の子)が表示される。また、ta2のタイミングにて、操作教示タイミングとなり(変動中用処理におけるステップS1604にて肯定判定され)、図柄表示装置41の端部にて保存ボタン101の操作を促すメッセージが表示される。そして、図28(c)に示すようにta3のタイミングにて大当たり当選となる図柄が最終停止され、図28(d)に示すようにta4のタイミングにて大当たり状態となるようになっている。すなわち、保存ボタン101の操作を促すメッセージはta2のタイミングからta3のタイミングまでの期間(すなわち、リーチの発生から遊技回の終了までの期間)に亘り表示されるようになっている。
次にta2のタイミングにて保存ボタン101が操作され特定演出が記憶された場合の特定演出の再現について説明する。
図28(e)に示すように、tb1のタイミングにて一の遊技回が終了し、デモ画面表示となる(デモ画面の一環として停止した図柄が停止表示されている)。そして、図28(f)に示すようにtb2のタイミングにて再現実行ボタン104が操作された場合、ta2のタイミングにて表示されていた特定演出の画像が静止画像として表示される。そして、図28(g)に示すようにtb3のタイミングにて変動用コマンドを受信し、図柄の変動表示が開始されることにより、特定演出の再現が終了するようになっている。すなわち、tb1のタイミング〜tb3のタイミングにおける期間に亘り、特定演出の再現が可能な期間となっており、tb2のタイミングにて再現操作を行った場合、tb2のタイミング〜tb3のタイミングにおける期間に亘り特定演出の再現が実行されるようになっている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
実行された特定演出を再現可能な構成とした。特定演出は遊技の進行や期間の経過等によって変化していくものであり、一度の特定演出の表示にて遊技者が当該特定演出の表示内容を全て理解することが困難なことが考えられる。特定演出が実行されたことにより大当たり抽選に当選していることを教示できるが、特定演出を遊技者が十分に理解できないとすると、特定演出による情報教示の効果が十分に得られないことが考えられる。さらに、特定演出はその他の演出に比べの出現頻度が低く、表示された場合には遊技結果が大当たり当選となるため、特定演出が実行されたことによって遊技者の優越感を高めることが考えられるが、特定演出を遊技者が理解できなかった場合、その優越感を高める効果が十分に得られないことが考えられる。本実施形態では、特定演出を再現可能なため、遊技者が特定演出を理解できなかった場合に特定演出を再び視認することが可能となる。これにより、特定演出における表示情報を遊技者に好適に理解させることができる。
操作装置100における再現部102の操作により特定演出が再現される構成とした。これにより、特定演出の再現タイミングを遊技者が任意に決定することが可能となる。また、再現部102の操作を有効とするタイミングをデモ画面表示が行われている場合とした。すなわち、各入賞口33,34への入球に基づいた図柄の変動表示が行われていない場合に特定演出を再現するようにした。この結果、表示されている特定演出が再現されているものなのか、遊技の進行に伴い表示されているものなのかを遊技者が混同することを抑制できる。
また、特定演出が再現される場合、表示ランプ部63にて同色の光を点灯し続けることにより表示内容が再現されていることを報知する構成とした。これにより、表示されている特定演出が再現されているものであることを遊技者に把握させることができる。これにより、上記遊技者の混同を一層抑制できる。また、遊技回において遊技結果は、図柄表示装置41にて最終停止図柄として表示されるため、特定演出を再現する場合に図柄表示装置41の表示を再現すれば遊技結果を含む情報を再現したこととなり、図柄表示装置41における表示情報のみを再現したとしても不都合が生じない。
静止画像として特定演出を再現する構成とした。これにより、特定演出が再現された場合、その再現を遊技者は視認することが可能となる。図柄表示装置41における表示内容によって遊技が進行するものであり、特定演出のうち画像情報によるもののみを再現したとしても、情報を遊技者に十分に伝達できる。
特定演出が実行されている場合に保存ボタン101が操作された場合、特定演出を決定する情報として変動用コマンドの情報、予告コマンドの情報及び最終停止図柄の情報を記憶し、それらコマンドの情報を参照することによって特定演出が再現される。図柄表示装置41における遊技回の変動態様は、各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせから、一義的に導出することができる。このため、各コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶するのみでも特定演出を再現する場合に不具合が生じない。各コマンド及び最終停止図柄の情報から特定演出を再現することにより、保存ボタン101が操作された場合に、そのタイミングにおける図柄表示装置41の表示内容そのものを画像情報として記憶する構成と比して、特定演出を再現するために情報を記憶する場合の情報量を削減できる。
また、特定演出の再現のために記憶する情報を、遊技の進行に伴う遊技回の表示に用いる情報と同じ情報とした。これにより、特定演出を再現するために新たな情報を生成する必要がなくなり、特定演出を再現するために要する処理負荷を軽減することが可能となる。この場合、特定演出を再現するための画像情報を予めキャラクタROM256に記憶しておく必要がなくなり、特定演出を再現するための情報が、遊技回において特定演出を表示するための情報と別に記憶している構成に比べ、キャラクタROM256に記憶する情報量を削減する効果も得ることができる。
特定演出の再現のために情報を記憶する場合、主制御装置81から出力される変動用コマンド及び種別コマンドと、音声ランプ制御装置82によって決定される予告コマンドと、表示制御装置212にて決定される最終停止図柄のうち、変動用コマンドの情報、予告コマンドの情報及び停止図柄の情報を記憶する構成とした。すなわち、特定演出の再現に必要な情報のみを記憶し、特定演出を再現するために必要以上の情報を記憶することを防止している。
また、主制御装置81にて決定された変動用コマンド、及び音声ランプ制御装置82にて決定された予告コマンドを表示制御装置212にて記憶する構成とした。これにより、特定演出を再現する場合に、主制御装置81、及び音声ランプ制御装置82から再現するべき特定演出を特定するために新たに、各制御装置81,82から変動用コマンド及び予告コマンドを出力する必要がない。すなわち、特定演出を再現する場合、表示制御装置212のみにて再現する特定演出の画像情報を導出できるようになっている。
特定演出を再現するための情報として、遊技回が開始されてから経過した期間の情報を記憶する構成とした。予告コマンドの情報、変動用コマンド及び最終停止図柄の情報から遊技回の表示内容(変動態様)を導出することが可能となり、上記期間の情報からどのような表示内容におけるいずれのタイミングの演出を再現すればよいかを特定できる。これにより、特定演出が実行された遊技回の一部の演出を再現する場合に不具合が生じにくい。
一の特定演出が実行されている場合に複数回の保存ボタン101の操作があった場合、一の変動用コマンドの情報、予告コマンドの情報及び最終停止図柄の情報の組み合わせに対して、複数の保存ボタン101の操作タイミングが記憶される。これにより、一の特定演出の実行に際して、複数回の保存ボタン101の操作があったとしても、その複数回の操作に対して一のみの各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを記憶すればよく、特定演出の再現に必要以上の記憶領域を要することがなくなる。
特定演出が再現されている場合に、図柄の変動表示が開始されることに基づいて(変動用コマンドを受信したことに基づいて)、その特定演出の再現が終了される。これにより、特定演出の再現と、遊技の進行に伴う演出とが同時に図柄表示装置41にて表示されることを抑制することが可能となる。よって、表示されている演出が再現されているものなのか、又は、遊技の進行に伴い表示されているものなのか、を遊技者が混同することを抑制できる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、特定演出を再現する場合、保存ボタン101が操作されたタイミングにて表示されていた画像を静止画像として再現するものであったが、本実施形態では、実行された特定演出を動画として再現する。かかる構成について以下に説明する。
<変動中用処理>
本実施形態における音声ランプ制御装置82による変動中用処理について図29のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1901にて、音声ランプ制御装置82のRAM244の各種フラグ格納エリア244bにおける操作フラグ格納エリアに操作フラグ(本変動中用処理におけるステップS1905にてセットされるフラグ)がセットされているか否かを判定する。
ステップS1901にて操作フラグがセットされていなかった場合、ステップS1902〜ステップS1904の処理を実行する。ステップS1902〜ステップS1904については、上記第1の実施形態にて説明した音声ランプ制御装置82の変動中用処理におけるステップS1301〜ステップS1303と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1904にて保存ボタン101の操作有りと判定した場合、ステップS1905に進み、各種フラグ格納エリア244bの操作フラグ格納エリアに操作フラグをセットし、続くステップS1906にて操作開始コマンド出力処理を実行する。操作開始コマンド出力処理では、表示制御装置212に操作開始コマンドを出力する。表示制御装置212は、当該コマンドを受信することにより、保存ボタン101の操作が開始されたことを認識できる。操作開始コマンド出力処理を実行したら本変動中用処理を終了する。
一方、ステップS1901にて操作フラグがセットされていた場合、ステップS1907に進み、保存ボタン101の操作が解除されたか否かを判定する。保存ボタン101が操作され続けている場合には、本変動中用処理を終了する。
ステップS1907にて保存ボタン101の操作が解除された場合、ステップS1908に進み、操作フラグをクリアする。続くステップS1909にて、操作終了コマンド出力処理を実行したら、本変動中用処理を終了する。操作終了コマンド出力処理では、表示制御装置212に操作終了コマンドを出力する。表示制御装置212は、当該コマンドを受信することにより、保存ボタン101の操作が解除されたことを認識できる。
<変動終了用処理>
次に本実施形態における音声ランプ制御装置82による変動終了用処理について図30のフローチャートを用いて説明する。
ステップS2001〜ステップS2003については、第1の実施形態におけるステップS1401〜ステップS1403と同様のため説明を省略する。
ステップS2003にて操作フラグがセットされていた場合、ステップS2004に進み、上述した終了コマンド出力処理を実行するとともに、操作フラグ及び特定演出フラグをクリアする。ステップS2003にて操作フラグがセットされていなかった場合、ステップS2005に進み、特定演出フラグをクリアする。ステップS2004又はステップS2005の処理を実行したら変動終了用処理を終了する。
本実施形態における変動中用処理、変動終了用処理が実行されることにより、特定演出が実行される遊技回において、音声ランプ制御装置82にて保存ボタン101の操作が開始されたタイミングと終了されたタイミングとを把握できるようになっている。また、そのタイミングを表示制御装置212に出力することにより、表示制御装置212において保存ボタン101の操作が開始されたタイミングと終了されたタイミングとを認識することが可能となる。
<表示側変動中用処理>
以下、本実施形態において表示制御装置212にて実行される表示側変動中用処理について図31のフローチャートを用いて説明する。本処理にて音声ランプ制御装置82から操作開始コマンド又は操作終了コマンドを受信したことに基づいてそれぞれ、そのタイミングを記憶するようになっている。
ステップS2101では、上述したカウンタ減算処理を実行する。カウンタ減算処理を実行したら、ステップS2102に進み、表示側操作フラグ(本表示側変動中用処理におけるステップS2109にてセットされるフラグ)がワークRAM254の各種フラグ格納エリア254cの表示側操作フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。ステップS2102にて表示側操作フラグがセットされていなかった場合、ステップS2103〜ステップS2113の処理を実行する。ステップS2103〜ステップS2113の処理のうち、ステップS2103〜ステップS2107の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1602〜ステップS1606と同様のため、説明を省略する。
ステップS2103にて操作教示フラグがセットされていた場合、ステップS2108に進み、操作開始コマンドを音声ランプ制御装置82から受信したか否かを判定し、操作開始コマンドを受信していなかった場合、本表示側変動中用処理を終了する。
ステップS2108にて操作開始コマンドを受信していた場合、ステップS2109にて表示側操作フラグを各種フラグ格納エリア254cの表示側操作フラグ格納エリアに表示側操作フラグをセットするとともに、上述した各種コマンド確認処理を実行する。続くステップS2110にて再現用コマンド確認処理を実行してステップS2111に進む。ステップS2109〜ステップS2111については、ステップS2109にて表示側操作フラグをセットすることを除き、上記第1の実施形態における表示側変動中用処理のステップS1608〜ステップS1610と同様であるため、説明を省略する。
ステップS2111にて一致情報がなかった場合、ステップS2112に進み、再現用コマンド記憶処理及び開始タイミング記憶処理を実行する。再現用コマンド記憶処理については上記第1の実施形態におけるステップS1611にて説明したものと同様であるため説明を省略する。開始タイミング記憶処理では、保存ボタン101の操作が開始されたタイミングの情報として変動表示用カウンタの値を再現用コマンド記憶エリア254aに記憶する。ステップS2111にて一致情報があった場合、ステップS2113に進み、開始タイミング記憶処理を実行する。ステップS2113では、上記第1の実施形態におけるステップS1612と同様に、一致した情報に対応した開始タイミングを記憶する領域に値を記憶するようになっている。ステップS2112又はステップS2113の処理を実行したら本変動中用処理を終了する。
一方、ステップS2102にて表示側操作フラグがセットされていた場合、ステップS2114に進み、操作終了コマンドを受信していたか否かを判定する。当該コマンドを受信していなかった場合、そのまま本変動中用処理を終了する。
ステップS2114にて操作終了コマンドを受信していた場合、ステップS2115に進み、表示側操作フラグ格納エリアにセットされている表示側操作フラグをクリアしてステップS2116に進む。ステップS2116では、終了タイミング記憶処理を実行する。終了タイミング記憶処理では、保存ボタン101の操作が終了されたタイミングの情報として変動表示用カウンタの値を再現用コマンド記憶エリア254aに記憶する。終了タイミング記憶処理を実行したら本変動中用処理を終了する。詳細には、ステップS2112又はステップS2113にて記憶した開始タイミングの値を記憶する領域に、終了タイミングの値を記憶する領域が対応付けて設けられている。すなわち、終了タイミング記憶処理では、ステップS2112又はステップS2113にて記憶された開始タイミングの値に、対応付けて終了タイミングの値を記憶するようになっている。
すなわち、本実施形態では、特定演出が実行されている場合に保存ボタン101が操作された場合、そのボタン101の操作の開始タイミングと、その操作の終了タイミングと、を記憶する。この結果、遊技者により保存ボタン101が操作された場合、その操作が解除されるまでの期間に亘る特定演出を再現することが可能となる。具体的には、表示制御装置212によるデモ表示処理のステップS1808における特定演出画像再現処理が実行された場合、記憶されている開始タイミングから終了タイミングまでの期間の亘る特定演出を動画として再現するようになっている。そして、再現カウンタ(音声ランプ制御装置82によるデモ開始処理を参照されたい)の値が0となるまでその特定演出が繰り返し再現されるようになっている。
本実施形態では、音声ランプ制御装置82から最終停止コマンドが出力される場合に終了コマンドが出力されることがある(本実施形態における変動終了用処理のステップS2001、ステップS2004)。そのため、図示しない本実施形態における表示制御装置212による表示装置制御処理では、最終停止コマンドを受信していた場合、表示側変動中用処理におけるステップS2114の処理を実行する。詳細には、ステップS1509にて特定演出フラグがセットされていると判定した場合に、ステップS2114〜ステップS2116の処理を実行するようになっている。
本実施形態では、特定演出を再現するために記憶する情報として、保存ボタン101の操作開始タイミングと、その操作の終了タイミングとを記憶する。これにより、特定演出を再現する場合の再現開始タイミングと再現終了タイミングとを把握することが可能となり、動画にて特定演出を再現することが可能となる。また、遊技回における一部の期間にて実行された特定演出を再現可能とすることにより、特定演出のうち遊技者が再現を望む部分のみを再現させることが可能となる。
また、各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを用いて遊技回における一部の期間にて実行された特定演出を再現できる。これにより、所定期間の範囲における特定演出を再現する場合に、その特定演出を動画情報として記憶する構成に比べ、特定演出を再現するために記憶する情報量を削減できる。
なお、本実施形態では、動画にて特定演出を再現できるため、その遊技回において特定演出が実行されている場合だけでなく、その遊技回が開始されたタイミングから特定演出を再現可能としてもよい。この場合、表示側変動中用処理におけるステップS2104にて特定演出フラグがセットされていた場合、ステップS2105にて操作教示タイミングか否かを判定することなく、ステップS2106の操作教示開始処理を実行するようにすればよい。また、音声ランプ制御装置82による変動中用処理におけるステップS1902にて特定演出フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1903の操作許容タイミングか否かを判定することなく、ステップS1904にて保存ボタン101が操作されたか否かを判定するようにすればよい。この結果、特定演出が実行される遊技回が開始されたタイミングにて図柄表示装置41に保存ボタン101の操作を促すメッセージが表示され、保存ボタン101が操作された場合、そのタイミングを記憶することが可能となる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、特定演出を再現する場合、特定演出用画像データ記憶エリア256aから特定演出の画像のみを把握し、特定演出の再現として画像情報のみを再現するものであったが、本実施形態では、画像情報に加え、表示ランプ部63におけるランプ情報が再現されるようになっている。
本実施形態における音声ランプ制御装置82による変動中用処理について図32のフローチャートを用いて説明する。本実施形態におけるデモ開始処理におけるステップS2201〜ステップS2204については、上記第1の実施形態にて説明した音声ランプ制御装置82による変動中用処理におけるステップS1301〜ステップS1304と同様であるため、説明を省略する。
ステップS2204の処理を実行したらステップS2205に進む。ステップS2205では、各種コマンド確認処理を実行する。各種コマンド確認処理では、受信した変動用コマンド及び予告コマンドの情報と、決定した最終停止図柄の情報と、を確認する。
各種コマンドを確認したらステップS2206に進み、再現用コマンド確認処理を実行する。当該処理では、音声ランプ制御装置82のRAM244に設けられた音声側再現用コマンド記憶エリアを参照する。続くステップS2207では、ステップS2205及びステップS2206にて確認した情報の組み合わせが一致しているか否かを判定する。
ステップS2207にて一致情報なしと判定した場合、ステップS2208に進み、再現用コマンド記憶処理及びタイミング記憶処理を実行する。再現用コマンド記憶処理では、ステップS2208にて確認したコマンドの情報を音声側再現用コマンド記憶エリアに記憶する。すなわち、変動用コマンドの情報、予告コマンドの情報及び最終停止図柄の情報を記憶するようになっている。そして、タイミング記憶処理では、保存ボタン101が操作された場合の変動表示用タイマカウンタの値を確認するとともに、その値を音声側再現用コマンド記憶エリアに記憶する。なお、音声側再現用コマンド記憶エリアについては、上記第1の実施形態にて説明した表示制御装置212における再現用コマンド記憶エリア254aと同様となっているため、説明を省略する。
ステップS2207にて一致情報ありと判定した場合、ステップS2208に進み、タイミング記憶処理を実行する。ステップS2209におけるタイミング記憶処理では、一致した各コマンドの情報を記憶している領域に対応付けて変動表示用タイマカウンタの値を記憶するようになっている。ステップS2208又はステップS2209の処理を実行したら本変動中用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、表示制御装置212に加え、音声ランプ制御装置82においても保存ボタン101が操作された場合に各種コマンドの情報及び保存ボタン101の操作タイミングの値を記憶するようになっている。これにより、実行された特定演出を再現する場合、表示制御装置212による図柄表示装置41における特定演出の再現に加え、音声ランプ制御装置82による表示ランプ部63における特定演出の再現が可能となる。
詳細には、音声ランプ制御装置82によるデモ開始処理の再現ランプ表示処理において、音声側再現用コマンド記憶エリアに記憶されている情報を用いて特定演出用ランプデータ記憶エリア243bから表示ランプ部63の表示情報を導出する。そして、その情報に対応して表示ランプ部63を点灯させる。これにより、特定演出において表示された画像情報のみならず、特定演出において表示されたランプ情報を再現することが可能となる。
なお、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の一方の制御装置のみが各種コマンド及び保存ボタン101の操作タイミングを記憶しており、再現操作が実行されたことに基づいて他方の制御装置にその情報を出力するようにしてもよい。例えば、第1の実施形態において、表示制御装置212によるデモ表示処理においてステップS1807のコマンド対応記憶領域参照処理が実行される場合に、その処理にて参照された情報を音声ランプ制御装置82に出力するようにすればよい。
また、本実施形態における音声ランプ制御装置82による特定演出を再現可能な構成を上記第2の実施形態に適用すれば、特定演出を再現する場合の動画情報に加え、音声ランプ制御装置82により表示ランプ部63及びスピーカ部64の表示情報を再現することが可能となる。上記第2の実施形態では、動画にて特定演出を再現するため、スピーカ部64にて特定演出を再現することにより、スピーカ部64では特定演出が再現されない構成に比べ、実行された特定演出をより正確に再現できる。なお、この場合、表示ランプ部63及びスピーカ部64の少なくとも一方において特定演出を再現するようにしてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、特定演出が再現される場合に、特定演出の再現とともに、遊技者によって入力される付加情報が表示されるようになっている。以下、かかる構成について説明する。
本実施形態におけるデモ開始処理を図33のフローチャートを用いて説明する。本デモ表示処理に示すステップS2301〜ステップS2312については、ステップS2302にて表示側デモフラグがセットされていた場合に、ステップS2313及びステップS2314の処理を実行した後にステップS2306にて再現コマンドを判定する点を除き、上述した第1の実施形態のデモ表示処理におけるステップS1801〜ステップS1812と同様のため説明を省略する。
ステップS2302にて表示側デモフラグがセットされていた場合、ステップS2313に進み、付加情報入力信号を受信したか否かを判定する。本実施形態では、音声ランプ制御装置82にて付加情報入力操作有りか否かを判定する。付加情報とは、記憶された特定演出が再現されている場合に表示される文字である。付加情報入力操作とは、操作装置100における再現部102を操作することによって遊技者が付加情報を決定することである。詳細な説明は省略するが付加情報入力操作が行われた場合、音声ランプ制御装置82からその操作に基づいたコマンドが表示制御装置212に対して出力される。表示制御装置212では、そのコマンドに基づいて図柄表示装置41に入力画面を表示する。遊技者はその入力画面を視認しながら、入力操作を行う。そして、付加情報の内容が最終決定された場合に(入力した付加情報を記憶するよう遊技者によって保存ボタン101が操作された場合に)、音声ランプ制御装置82から付加情報入力信号が表示制御装置212に出力される。
ステップS2313にて付加情報入力信号を受信していた場合、ステップS2314に進み、付加情報記憶処理を実行する。付加情報記憶処理では、遊技者によって入力された情報を記憶するよう表示制御装置212のRAM254の再現用コマンド記憶エリア254aに設けられた付加情報記憶エリアに記憶する。また、再現用コマンド記憶エリア254aにて複数の特定演出が記憶されている場合、いずれの特定演出に対応した付加情報であるかを特定可能に付加情報記憶エリアは、再現用コマンド記憶エリア254aの各領域に対応付けられて設定されている。ステップS2314にて付加情報記憶処理を実行した場合、ステップS2313にて付加情報操作なしと判定した場合、ステップS2306に進む。
本実施形態では、特定演出が再現される場合、その特定演出の実行に加え、付加情報が表示される。詳細には、表示制御装置212によるデモ開始処理のステップS1807におけるコマンド対応記憶領域参照処理にて、上述した付加情報記憶エリアを参照し、その参照した情報に対応した内容を図柄表示装置41に表示する。これにより、特定演出の再現を遊技者に促すことが可能となる。さらに、付加情報が表示されることにより、遊技者に特定演出が表示されたことを印象付け、特定演出が表示されたことによる遊技者の優越感を高めることが可能となる。
なお、付加情報として、遊技者が入力した文字が表示されるものであったが、遊技者が入力した文字以外に特定演出が実行された日時等の一部を表示するようにしてもよい。日時等を表示する場合、遊技者が文字等を入力できないようになっていてもよい。特定演出が実行された日時が表示される場合、表示制御装置212にリアルタイムクロックが設けられており、保存ボタン101が操作されたタイミングにてそのリアルタイムクロックから日時に対応した日時情報を入力し、その日時情報を各コマンド及び最終停止図柄の組み合わせに対応付けて再現用コマンド記憶エリア254aに記憶すればよい。また、リアルタイムクロックがパチンコ機10に設けられていない構成においては、パチンコ機10外部(例えば、パチンコ機10が設置されている遊技ホールにおけるホールコンピュータ)より日時情報を入力するようにすればよい。すなわち、パチンコ機10(表示制御装置212)が日時情報入力手段を備えていればよい。この場合、特定演出を記憶するよう保存ボタン101が操作された場合(例えば、ステップS1607にて保存コマンドを受信しステップS1608にて各種コマンド確認処理を行う場合)に日時情報入力手段が日時情報を入力するようにすればよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)特定演出を実行している場合に保存ボタン101が操作された場合、表示制御装置212では、変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶する構成としたが、各コマンドの情報に対応した情報を記憶するようにしてもよい。すなわち、コマンドの情報そのものを記憶する構成に限定しない。
また、特定演出を再現するために記憶する情報の種類を変更してもよく、例えば、変動用コマンドの情報と最終停止図柄の情報とを記憶する構成や、最終停止図柄の情報と予告コマンドの情報とを記憶する構成等が考えられる。最終停止図柄の情報及び予告コマンドの情報を記憶する構成においては、音声ランプ制御装置82にて決定された情報のみを表示制御装置212にて記憶しているともいえる。これらの場合、それぞれ各コマンドの情報から実行される特定演出を一義的に導出できるよう各ROM253、256に記憶する情報を設定しておけばよい。すなわち、特定演出を再現可能であれば、記憶する情報の種類は限定しない。すなわち、変動表示態様設定処理に用いる表示態様選択テーブルを変更すればよい。
(2)上記各実施形態では、特定演出が図柄表示装置41にて実行されるものであったが、特定演出の少なくとも一部が可動体(装飾体)によって実行されてもよい。そして、特定演出を再現する場合、役物の動作を再現するようにしてもよい。この場合、可動体の動作コマンドの情報を再現用コマンド記憶エリア254aに記憶するようにしてもよいし、その動作コマンドの情報が変動用コマンド、予告コマンド及び最終停止図柄の情報から導出できるならば、上記各実施形態と同様に、各コマンド及び最終停止図柄の情報を記憶するようにしてもよい。
(3)特定演出の再現を開始してから所定期間が経過したことに基づいて音声ランプ制御装置82から再現終了コマンドが出力され、特定演出の再現を終了した場合、いずれの特定演出を再現させるかの選択画面を図柄表示装置41にて表示してもよい。
(4)上記各実施形態では、大当たり抽選に当選していた遊技回にて実行された特定演出を再現可能とするものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、パチンコ機10において表示される情報ならばいずれの情報を再現可能としてもよい。例えば、遊技回にて実行される特定演出以外の演出を再現可能としてもよい。この場合、その遊技回にて大当たり抽選に当選していなくとも実行された演出を記憶可能としてもよい。また、例えば、大当たり状態において表示される情報を再現可能としてもよい。この場合、大当たりの種類(特定大当たり、非特定大当たり)、大当たりにおけるラウンド数、そのラウンドにおいて保存ボタン101が操作されたタイミング等を再現用コマンド記憶エリア254aにその表示内容に対応した情報を記憶するようにすればよい。大当たり状態において表示される情報を再現する場合においてもその表示に用いるコマンドやコマンドに基づいて記憶された情報を記憶するようにすれば、表示された情報を再現するために記憶する情報量を削減できる。
(5)特定演出を再現可能なタイミングとしてデモ画面が表示されている場合としたが、特定演出を再現するタイミングを変更してもよい。例えば、特定演出が実行された後の大当たり状態にて再現されるようにしてもよい。この場合、その大当たり状態となる遊技回にて表示された特定演出が再現されるようにしてもよいし、その大当たり状態となる前までに実行されていた特定演出を再現するようにしてもよい。本構成においても、再現された特定演出を遊技者が認識することが可能となり、特定演出にて表示された情報を遊技者に伝達することが可能となる。なお、大当たり状態にて特定演出が再現される場合、遊技者の操作装置100の操作に基づいて再現されるようにしてもよいし、操作装置100が操作されたか否かに関係なく特定演出が再現されるようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、特定演出を再現するために、特定演出の実行に用いるコマンドを記憶するものであったが、実行されている(表示されている)特定演出の画像情報そのものを記憶するようにしてもよい。本構成によれば、特定演出を再現する場合にかかる処理負荷を軽減できる。
(7)特定演出の再現のために記憶した情報をパチンコ機10外部へと出力可能としてもよい。例えば、赤外線等によってパチンコ機10の外部端末(携帯電話等)に記憶している情報を出力可能としてもよい。この場合、再現部102に代えて、操作された場合に情報を出力する出力操作部をパチンコ機10が備えていてもよいし、外部端末より信号を受信した場合に情報を出力する信号出力部をパチンコ機10が備えていてもよい。本構成においては、遊技者はパチンコ機10以外の端末を用いて再現された特定演出を認識することが可能となる。
さらには、記憶した特定演出の情報からURLを作成し、そのURLを表示したり、外部出力したりするようにしてもよい。すなわち、通信回線上にて再現された特定演出を遊技者に認識させるようにしてもよい。URLの表示や出力方法として、例えば、上述した赤外線を用いたものや、URLに対応したバーコード(例えば、QRコード(登録商標))を表示するものが考えられる。この場合、特定演出を再現可能なデータが外部端末に記憶されていればよく、例えば、表示制御装置212が外部端末に設けられているものが考えられる。
(8)上記実施形態では、特定演出に対応した各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを記憶可能な数は5種類としたが、記憶可能な特定演出の数を変更してもよい。例えば、特定演出を記憶可能と設定されている数が、1〜4種、又は6種以上のいくつになっていてもよい。なお、特定演出を再現可能に記憶する数が少ない場合、設定されている上限の種類だけ特定演出が既に記憶されている場合に、さらに、特定演出を記憶しようとした場合、既に記憶されている特定演出のいずれかを削除するようにすればよい。
また、遊技が開始されてからの遊技回数によって特定演出を記憶できる数が変化するものが考えられる。例えば、所定回数以上の遊技回数の遊技が実行された場合に、特定演出を記憶可能な種類が増加するものが考えられる。補足すると、実行された遊技回数が増加した場合、それに伴い、複数回の特定演出が実行されることが考えられる。このため、所定回数以上の遊技が実行され、複数回の特定演出が実行されている場合に記憶可能な特定演出の種類を増加させることにより、実行された特定演出のうち、一部の特定演出が再現不可能となってしまうことを抑制できる。
(9)上記各実施形態では、保存ボタン101の操作によって実行されている演出を記憶し、再現実行ボタン104によって再現する特定演出を最終決定するものであったが、保存ボタン101と再現実行ボタン104とを同一の操作部としてもよい。
(10)上記第2の実施形態では、特定演出を動画にて再現することが可能であったが、その特定演出を再現している場合に遊技者の操作によって、その動画の一時停止、早送り及び巻き戻しのうち、少なくともいずれかを可能にしてもよい。
(11)上記第2の実施形態では、特定演出が実行されている場合に、保存ボタン101が操作されたタイミングとその操作が解除されたタイミングとを記憶するものであり、その操作され続けた期間の特定演出を再現するものであったが、かかる構成に限定しない。保存ボタン101が操作されたタイミングにて特定演出の再現を開始するタイミングを記憶し、再び保存ボタン101が操作されたタイミングにて特定演出の再現を終了するタイミングを記憶するようにしてもよい。すなわち、特定演出を再現する場合、最初の保存ボタン101の操作タイミングから次の保存ボタン101の操作タイミングまでの期間に亘る特定演出が再現されることとなる。
(12)上記第1の実施形態では、保存ボタン101が操作されたタイミングにおける特定演出を静止画像として再現するものであったが、保存ボタン101が操作された遊技回の全てを再現するようにしてもよい。この場合、上記第2の実施形態と同様特定演出が動画にて再現されることとなる。
(13)特定演出が再現されている場合、特定演出が再現されていることを示す報知手段として表示ランプ部63を同色にて点灯させるものであったが、特定演出が再現されていることを報知する方法を変更してもよい。例えば、特定演出が再現されている場合、図柄表示装置41にてその特定演出が再現されているものであることを表示してもよいし、特定演出が再現されている場合に点灯するランプが表示ランプ部63の他に設けられていてもよい。さらには、特定演出が再現されている場合、スピーカ部64から特定演出が再現されていることを教示するメッセージが出力されるようにしてもよい。
(14)上記各実施形態では、主制御装置81にてデータ設定処理及び変動開始処理が実行され、変動用コマンド及び種別コマンドが出力されたことに基づいて、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されるものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、変動用コマンド及び種別コマンドが出力される前に図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されていてもよい。なお、本構成においては、変動用コマンド及び種別コマンドが出力されるに先立って、音声ランプ制御装置82に図柄の変動表示を開始させるタイミングを計るための信号が主制御装置81から出力されるのが望ましい。
(15)上記実施形態では、再現用に記憶された各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせがパチンコ機10の電源が遮断された場合に消去されるものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、図柄表示装置41にてデモ画面表示が、途中で図柄の変動表示を挟まずに、所定回の複数に亘って実行された場合に各コマンド及び最終停止図柄の情報が消去されるものが考えられる。また、図柄表示装置41にてデモ画面表示が開始され遊技が再開される一連の流れが、複数回に亘って実行された場合に各コマンド及び最終停止図柄の情報が消去されるものが考えられる。
(16)操作装置100は音声ランプ制御装置82に接続されているものとしたが、主制御装置81又は表示制御装置212に接続されていてもよい。
(17)上記各実施形態では、保存ボタン101が操作された場合に再現用の各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせを記憶するものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、遊技者の操作に関わらず、実行された特定演出に対応した情報が記憶されるものが考えられる。
また、図柄の変動表示の内容に関わらず、図柄の変動表示が実行された場合にその図柄の変動表示に対応した各コマンド及び最終停止図柄の情報の組み合わせが記憶されるものが考えられる。この場合、その記憶された情報が、所定遊技回数が経過した場合に消去されるようにしてもよい。所定遊技回数の経過によって情報を消去する場合、保留情報が記憶されることを加味して少なくとも4回の遊技回が経過した場合に記憶された情報を消去するようにするとよい。また、大当たり状態においてその図柄の変動表示が再現されてもよい。
(18)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(19)上記各実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.特別情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
遊技者により記憶操作が実行されたことを特定する記憶操作特定手段(音声ランプ制御装置82の変動中用処理におけるステップS1303)と、
前記記憶操作特定手段により前記記憶操作の実行が特定されたことに基づいて、前記表示手段にて表示されている特別情報又はそれに対応した情報を態様情報として態様情報記憶手段(再現用コマンド記憶エリア254a)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212の変動中用処理におけるステップS1611、ステップS1612)と、
前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報又はそれに対応した情報を出力する情報出力手段(音声ランプ制御装置82による再現コマンド出力処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、遊技者により記憶操作がなされたことに基づいて、表示されている特別情報又はそれに対応した情報が態様情報として態様情報記憶手段に記憶される。また、その態様情報が情報出力手段により出力される。態様情報又はそれに対応した情報が出力されることにより、表示された特別情報を再現することが可能となる。
特別情報は遊技の進行や期間の経過等によって変化していくものがあり、一度の特別情報の表示にて遊技者が当該特別情報の表示内容を全て理解することが困難なことが考えられる。特別情報は遊技に関する情報等、遊技者に対して何らかの情報を教示していることが考えられるが、特別情報を遊技者が十分に理解できないとすると、特別情報による情報教示の効果が十分に得られないことが考えられる。特に、特別情報の出現頻度が低く、かつ、特別情報が表示された場合には遊技者に特典が付与される構成においては、特別情報が表示されたことによって遊技者の優越感を高めることが可能となるが、特別情報を遊技者が理解できなかった場合、優越感を高める効果が得られないことが考えられる。これに対して本特徴によれば、遊技者が特別情報を理解できなかった場合に特別情報を再び認識することが可能となる。よって、特別情報を遊技者に好適に理解させることが可能となる。
なお、「記憶操作の実行」として、遊技者により操作可能に設けられた記憶操作手段(操作装置100における保存ボタン101)を備え、記憶操作手段が操作された場合に遊技者により記憶操作が実行されたものとしてもよい。
特徴2.特徴1において、前記情報出力手段は、前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報に基づいて前記特別情報を再現するよう前記表示手段を特別制御する特別制御手段(表示制御装置212による特定演出画像再現処理)であることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、表示手段にて実行された特別情報が再現される。これにより、遊技機において、態様情報を記憶するとともに、その記憶された態様情報に基づいて特別情報を再現できる。この結果、特別情報の表示及び再現を遊技機にて実行できる。
なお、「特別情報を表示する」とは、装飾体や画像(光)のように遊技者が視覚にて情報を認識するものが含まれるだけでなく、音声等のように遊技者が聴覚にて情報を認識するものが含まれる。
特徴3.特徴2において、遊技者により再現操作が実行されたことを特定する再現操作特定手段(音声ランプ制御装置82のデモ開始処理におけるステップS1707)を備え、
前記特別制御手段は、前記再現操作の実行が特定された場合に、前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報に基づいて前記特別制御を実行することを特徴とする遊技機。
特徴3によれば、再現操作が実行されたことに基づいて特別情報が再現される。これにより、特別情報を再現するタイミングを遊技者が任意に決定することが可能となる。
なお、特別情報が表示されていない場合に特別制御を実行する構成とすれば、表示されている特別情報が再現されているものなのか、遊技の進行に伴い表示されているものなのかを遊技者が混同することを抑制できる。
特徴4.特徴1乃至3のいずれか1において、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて表示情報を決定する表示情報決定手段(主制御装置81による変動開始処理におけるステップS805〜ステップS808、音声ランプ制御装置82による変動開始用処理)と、
前記表示情報決定手段により決定された表示情報に応じて前記表示手段を表示制御することにより当該表示手段にて前記特別情報を表示させる表示制御手段(表示制御装置212)と、
を備え、
前記記憶実行手段は、前記表示情報を前記態様情報として前記態様情報記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
特徴4によれば、特定条件が成立したことに基づいて表示情報が決定される。そして、その表示情報に応じた特別情報が表示される。また、態様情報としてその表示情報が記憶される。すなわち、表示制御手段による特別情報の表示と、特別制御手段による特別情報の再現と、にそれぞれ同じ情報を用いている。この結果、記憶操作の実行が特定された場合に、特別制御手段による特別情報の表示を可能とするために新たな情報を生成した後に、その情報を態様情報記憶手段が記憶する必要がなくなる。よって、実行された特別情報の表示を再現できる構成において、その表示の再現のために遊技機にかかる処理負荷が増大することを抑制できる。
また、特別情報を再現するために、特別情報に対応した表示態様そのものの情報(例えば、画像情報)を記憶する場合、特別情報を再現するための表示態様の情報を遊技機にて予め記憶しているものが考えられる。これに対して本特徴によれば、特別情報を再現するために表示態様そのものの情報を予め記憶する必要がなくなり、特別情報を再現するために予め記憶しておく情報量を削減することが可能となる。
特徴5.特徴4において、前記表示手段は、絵柄を変動表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)であり、
前記特別情報に対応した画像情報を予め記憶する画像情報記憶手段(表示制御装置212のキャラクタROM256)を備え、
前記表示制御手段は、前記表示情報に対応した画像情報を時間の経過とともに出力することにより、前記特別情報を表示するよう前記絵柄表示手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴5によれば、表示制御手段により表示情報に対応した画像情報が出力されることにより、特別情報が表示される。すなわち、決定された表示情報に応じて出力される画像情報が導出される。これにより、表示情報は画像情報を導出できるものであればよく、表示情報として画像情報を決定する必要がなくなる。この結果、特別情報に対応した画像情報そのものを表示情報として決定する構成と比べ、決定される表示情報の情報容量が過度に大きくなることを抑制できる。
特徴6.特徴4又は5において、前記表示手段は、演出を実行する演出実行手段(図柄表示装置41)であり、
遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理)と、
前記特典付与手段により特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による変動開始処理)と、
を備え、
前記表示情報決定手段は前記付与判定手段により前記付与判定が行われた場合に、当該付与判定の判定結果に基づいて前記表示情報を決定するものであり、
前記表示制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記演出実行手段において演出の実行を開始させ、前記表示情報決定手段により決定された表示情報に対応した一連の演出を実行し、前記付与判定の結果に対応した結果を表示させ演出を終了させることを遊技回の1回として、各演出の実行が行われるように前記演出実行手段を表示制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴6によれば、表示情報に対応した一連の演出が終了した場合に付与判定の結果に対応した結果が表示される。よって、表示情報に対応した一連の演出を行いつつ、付与判定の結果を遊技者に教示することが可能となる。また、遊技回における一連の演出は表示情報に対応しているため、表示情報を態様情報として記憶することによりその遊技回における演出を好適に再現できる。
なお、本特徴に対して特徴5を適用する場合、本特徴における「演出実行手段」を、特徴5における「絵柄表示手段」とすればよい。
特徴7.特徴4乃至6のいずれか1において、前記表示情報決定手段を有し、当該表示情報決定手段により決定された前記表示情報を出力する第1制御手段(主制御装置81、音声ランプ制御装置82)と、
前記表示制御手段、前記記憶実行手段及び前記情報出力手段を有し、前記第1制御手段から前記表示情報を受信するとともに、当該表示情報に基づいて前記表示手段を制御する第2制御手段(表示制御装置212)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴7によれば、表示情報を決定する手段と、表示手段を制御する手段とが異なって設けられている。これにより、表示情報の決定と、表示手段の制御と、にかかる処理負荷を分配できる。
表示情報は表示を行う上で必要な情報であり、表示情報の態様情報としての記憶が第2制御手段にて実行される。また、第2制御手段が情報出力手段を有しており、態様情報又はそれに対応した情報が第2制御手段から出力される。これにより、第2制御手段から出力される態様情報を用いて特別情報の再現が実行できる。また、第2制御手段にて表示情報が態様情報として記憶されるため、第2制御手段にて特別情報の表示内容そのものを記憶する構成に比べ、特別情報の再現のために第2制御手段にて記憶される情報量を削減することが可能となる。
また、第2制御手段にて特別情報の表示に用いる表示情報を、特別情報の再現のための情報に使用できる。すなわち、同一の情報を用いて特別情報の表示及び再現を実行できる。
なお、「表示情報に基づいて表示手段を制御する」には、第1制御手段にて決定された表示情報のみを用いて表示手段を制御するものが含まれる。また、表示情報と、第2制御手段にて決定した情報と、を組み合わせて表示手段を制御するものが含まれる。第2制御手段にて情報を決定する構成において、受信した表示情報からその決定した情報を一義的に導出できないものについては、記憶実行手段がその決定した情報と、表示情報と、を態様情報記憶手段に記憶させるようにすればよい。
特徴8.特徴4乃至6のいずれか1において、前記表示手段は、演出を実行する演出実行手段であり、前記演出を実行する期間を決定する期間抽選と、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行うとともに、それら期間抽選の結果及び移行判定の結果を結果情報として出力する主制御手段(主制御装置81)を備え、
前記表示制御手段は、前記主制御手段から前記結果情報を受信する副制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置212)であり、
前記副制御手段は、演出の内容を決定するために用いる演出情報を決定する演出決定手段(音声ランプ制御装置82による変動開始用処理におけるステップS1202〜1207)を備えるとともに、前記特別情報の表示として、前記演出情報及び前記結果情報の組み合わせに対応付けられた特別演出を実行するよう前記演出実行手段を制御するものであり、
前記記憶実行手段は、前記結果情報と前記演出情報とを前記態様情報として前記態様情報記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
特徴8によれば、主制御手段により出力される結果情報と、副制御手段により決定される演出情報との組み合わせに対応付けられて特別演出が実行される。これにより、同一の結果情報であったとしても演出実行手段にて実行される演出を多様化させることができる。また、期間抽選及び移行判定を行う制御手段と、その期間抽選及び移行判定の結果に基づいて特別演出を実行する制御手段と、が異なって設けられている。これにより、期間抽選及び移行判定にかかる処理負荷と、特別演出の実行にかかる処理負荷とを分配できる。
また、演出実行手段にて実行される特別演出は、結果情報及び演出情報に対応付けられている。これにより、態様情報記憶手段が結果情報と抽選情報とを記憶すれば同一の特別演出を再現することが可能となる。この結果、特別制御手段による特別情報の表示(再現)を可能とするために新たな情報を生成した後に、その情報を態様情報記憶手段に記憶させる必要がなくなる。よって、実行された特別情報の表示を再現できる構成において、その表示の再現のために遊技機にかかる処理負荷が増大することを抑制できる。
なお、本特徴では、結果情報及び抽選情報が態様情報として機能しており、本特徴に特徴4乃至6のいずれかを適用する場合、表示情報決定手段が主制御手段及び副制御手段を備えていればよい。
特徴9.特徴4乃至8のいずれか1において、前記記憶実行手段は、前記記憶操作特定手段により前記記憶操作の実行が特定された場合に、前記特別情報の表示が開始されてから経過した期間に対応した経過期間情報を前記表示情報に対応付けて前記態様情報記憶手段に記憶させる(表示制御装置212によるタイミング記憶処理、操作開始タイミング記憶処理を実行する機能)ことを特徴とする遊技機。
特徴9によれば、態様情報記憶手段は、特別情報が開始されてから経過した期間に対応した経過期間情報を表示情報に対応付けて記憶する。すなわち、態様情報記憶手段は表示情報と経過期間情報とを記憶する。これにより、表示情報から再現する特別情報を導出できるともに、経過期間情報から導出した特別情報におけるいずれのタイミング又はいずれまでのものを再現すればよいかが特定できる。よって、記憶操作が実行されたタイミングにおける特別情報の表示内容を再現することが可能となる。この結果、表示された特別情報のうち、遊技者が再現を望む部分を好適に再現できる。
特徴10.特徴9において、前記情報出力手段は、記憶されている表示情報に対応した一連の特別情報のうち、前記経過期間情報に対応したタイミング又は期間に応じたものを再現するよう前記表示手段を特別制御する特別制御手段(表示制御装置212による特定演出画像再現処理)であることを特徴とする遊技機。
特徴10によれば、実行された特別情報が表示手段にて再現される。これにより、遊技機において、表示情報を記憶するとともに、その記憶された表示情報に基づいて特別情報を再現できる。この結果、特別情報の表示及び再現を遊技機にて実行できる。さらに、経過期間情報に対応したタイミング又は期間に応じた特別情報が再現される。よって、遊技者が再現を望む部分を遊技機にて好適に再現することが可能となる。
特徴11.特徴9又は10において、前記記憶実行手段は、前記記憶操作の実行が特定されたことに基いて、その記憶操作に応じた期間に対応した情報として前記経過期間情報を前記態様情報記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
特徴11によれば、記憶操作に応じた期間に対応した情報として経過期間情報が記憶される。すなわち、動画情報等のように、特別情報が期間の経過によって変化していく場合においても、特別情報の再現を好適に実行できる。よって、特別情報のうち遊技者が再現を望む範囲のものを好適に再現できる。
さらに、本特徴によれば、表示情報及び経過期間情報を用いて特別情報の再現を実行するため、所定期間に亘る特別情報を再現するためにその期間に亘る表示内容そのものを記憶する構成と比べ、特別情報の再現のために記憶する情報量を削減できる。
特徴12.特徴9又は10において、前記記憶実行手段は、前記記憶操作特定手段により前記記憶操作の実行が特定された場合の前記特別情報の表示が開始されてからの期間に対応した第1経過期間情報を前記表示情報に対応付けて前記態様情報記憶手段に記憶させるとともに、当該記憶操作の終了が特定された場合又は再び前記記憶操作の実行が特定された場合の前記特別情報の表示が開始されてからの期間に対応した第2経過期間情報を前記表示情報に対応付けて前記態様情報記憶手段に記憶させる(表示制御装置212による操作終了タイミング記憶処理)ことを特徴とする遊技機。
特徴12によれば、態様情報記憶手段は、記憶操作の実行が特定されたことに基づいて、特別情報の再現を開始するタイミングと終了するタイミングとを記憶する。これにより、動画情報等のように、特別情報が期間の経過によって変化していく場合において、第1経過期間情報に対応した期間から第2期間経過情報に対応した期間までの特別情報を表示させることが可能となる。よって、特別情報のうち遊技者が再現を望む範囲のものを好適に再現できる。
さらに、本特徴によれば、表示情報及び各経過期間情報を用いて特別情報の再現を実行するため、所定期間に亘る特別情報を再現するためにその期間に亘る表示内容そのものを記憶する構成と比べ、特別情報の再現のために記憶する情報量を削減できる。
特徴13.特徴9乃至12のいずれか1において、前記記憶実行手段は、前記特別情報が表示されており前記記憶操作の実行が特定され、前記経過期間情報及び前記表示情報を前記態様情報記憶手段に記憶させた場合において、当該特別情報の表示が実行されている場合に再び前記記憶操作の実行が特定された場合、当該表示情報に対応付けて前記経過期間情報を前記態様情報記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
特徴13によれば、一の特別情報の表示が実行されている場合に複数回に亘り記憶操作の実行が特定された場合、一の特別情報に対応した表示情報に対して複数の経過期間情報が記憶される。すなわち、既に表示情報が記憶されている場合、その表示情報に対応した特別情報が表示されている場合に、記憶操作の実行が特定されたとしても、新たに表示情報を記憶しない。仮に、一の特別情報の表示に対して複数回に亘る記憶操作の実行の特定があった場合、それら記憶操作の特定毎に表示情報を記憶すると、その特別情報の再現に必要以上の記憶容量を要することとなる。これに対して本特徴によれば、一の特別情報の表示に際して、複数回の記憶操作の実行が特定されたとしても一の表示情報を記憶すればよく、特別情報の再現に必要以上の記憶領域を要することがなくなる。
特徴14.特徴1乃至13のいずれか1において、前記記憶実行手段は、前記態様情報を記憶する場合、当該態様情報に加え、前記特別情報とは異なる付加情報の表示に用いる付加表示情報を前記態様情報記憶手段に記憶させるものであり、
前記情報出力手段は、前記態様情報又はそれに対応した情報を出力する場合、当該情報に加え、前記付加表示情報又はそれに対応した情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴14によれば、情報出力手段により態様情報又はそれに対応した情報が出力される場合、その情報の出力に加え、付加表示情報又はそれに対応した情報が出力される。これにより、それら情報から特別情報が再現された場合、特別情報の再現に加え付加情報が表示される。付加情報が表示されることにより、遊技者に特別情報が表示されたことを印象付けることが可能となる。
なお、「付加表示情報を記憶する」とは、態様情報を記憶する場合に自動的に付加表示情報が記憶されるものが含まれるだけでなく、態様情報を記憶した後に表示する付加情報が遊技者によって決定され、その付加情報の表示に用いる付加表示情報を記憶するものが含まれる。また、付加情報として、その特別情報が表示された日時や遊技者の名前を表示するものが含まれる。
特徴15.特徴1乃至14のいずれか1において、前記情報出力手段は、前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報に基づいて前記特別情報を再現するよう前記表示手段を特別制御する特別制御手段(表示制御装置212による特定演出画像再現処理)であり、
報知手段(表示ランプ部63)と、
前記特別制御手段による前記特別制御が実行されている場合に、当該特別制御が実行されていることを報知するよう前記報知手段を報知制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82による再現ランプ表示処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴15によれば、特別情報が再現される場合、その特別情報の表示が再現されているものであることが報知される。これにより、表示されている特別情報が再現されているものであることを遊技者に把握させることができる。仮に、報知が行われない構成においては、表示されている特別情報が再現されているものなのか、遊技の進行に伴い表示されているものなのかを遊技者が混同するおそれがある。これに対して本特徴によれば、報知を行うことにより上記遊技者の混同を抑制することが可能となる。
なお、本特徴に特徴14を適用する場合、特徴14における付加情報に対応した情報として、表示されている特別情報が再現されているものであることを報知することも可能である。
特徴16.特徴1乃至15のいずれか1において、前記情報出力手段は、前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報に基づいて前記特別情報を再現するよう前記表示手段を特別制御する特別制御手段(表示制御装置212による特定演出画像再現処理)であり、
遊技者により再現操作が実行されたことを特定する再現操作特定手段(音声ランプ制御装置82のデモ開始処理におけるステップS1707)と、
遊技が実行されていない状態にて予め定められた期間が経過した場合に待機情報を表示するよう前記表示手段を待機表示制御する待機制御手段(音声ランプ制御装置82によるデモ開始処理のステップS1704、表示制御装置212によるデモ表示処理のステップS1805)と、
を備え、
前記特別制御手段は、前記待機制御手段による待機表示制御が実行されており、前記再現操作の実行が特定された場合に、前記態様情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を再現するよう前記表示手段を特別制御することを特徴とする遊技機。
特徴16によれば、待機状態となっており再現操作の実行が特定された場合に、特別情報が再現される。これにより、遊技が行われている場合に再現操作の実行が特定され特別情報が再現されることを抑制できる。この結果、その特別情報の表示が再現されているものなのか、遊技の進行に伴い表示されているものなのかを遊技者が混同することを抑制できる。
特徴17.特徴16において、前記特別制御手段は、前記特別制御を実行している場合に、遊技が開始されたことに基づいて当該特別制御を終了することを特徴とする遊技機。
特徴17によれば、特別情報が再現されている場合に遊技が開始されたことに基づいてその再現が終了される。これにより、遊技が行われている場合に特別情報が再現されることを抑制し、表示されている特別情報が再現されているものなのか又は遊技の進行に伴い表示されているものなのかを遊技者が混同することを抑制できる。
なお、「遊技が開始された」とは、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて遊技が進行する遊技機においては、遊技球の発射又は始動入球部への遊技球の入球を遊技の開始とするものが含まれる。また、絵柄が付された変動表示手段と、遊技媒体を受け入れる受入手段と、受入手段に遊技媒体が受け入れられた後に操作された場合に、変動表示手段にて絵柄の変動表示が行われる遊技機においては、遊技媒体の受入又はその受入の後における始動操作手段の操作を遊技の開始とするものが含まれる。
特徴18.特別情報を表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記表示手段にて表示されている特別情報又はそれに対応した情報を態様情報として態様情報記憶手段(再現用コマンド記憶エリア254a)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212の変動中用処理におけるステップS1611、ステップS1612)と、
前記態様情報記憶手段に記憶されている前記態様情報又はそれに対応した情報を出力する情報出力手段(音声ランプ制御装置82による再現コマンド出力処理)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴18によれば、表示されている特別情報又はそれに対応した情報が態様情報として態様情報記憶手段に記憶される。また、その態様情報が情報出力手段により出力される。態様情報又はそれに対応した情報が出力されることにより、表示された特別情報を再現することが可能となる。
特別情報は遊技の進行や期間の経過等によって変化していくものがあり、一度の特別情報の表示にて遊技者が当該特別情報の表示内容を全て理解することが困難なことが考えられる。特別情報は遊技に関する情報等、遊技者に対して何らかの情報を教示していることが考えられるが、特別情報を遊技者が十分に理解できないとすると、特別情報による情報教示の効果が十分に得られないことが考えられる。特に、特別情報の出現頻度が低く、かつ、特別情報が表示された場合には遊技者に特典が付与される構成においては、特別情報が表示されたことによって遊技者の優越感を高めることが可能となるが、特別情報を遊技者が理解できなかった場合、優越感を高める効果が得られないことが考えられる。これに対して本特徴によれば、遊技者が特別情報を理解できなかった場合に特別情報を再び認識することが可能となる。よって、特別情報を遊技者に好適に理解させることが可能となる。
なお、本特徴18に対して特徴2乃至17のいずれかを適用してもよい。特徴3,9〜13を適用する場合、遊技者により記憶操作が実行されたことを特定する記憶操作特定手段を備え、記憶操作特定手段により記憶操作の実行が特定されたことに基づいて態様情報を記憶するようにすればよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内レール部51、外レール部52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。