JP2018042185A - 超音波伝送線路及び超音波利用装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波伝送線路において、中空の管に入れた超音波導波路又はこれを保持する物体と管壁とが接触すると、通常は超音波振動が管壁に吸収されて超音波が減衰してしまうのを防止する。【解決手段】超音波発生装置の超音波発信部と超音波利用装置の超音波受信部とを接続する超音波伝送線路であって、防水性且つ可撓性の中空管と、前記中空管内に長手方向に配置された、横波、縦波、又はラム(Lamb)波を伝搬可能な、棒状又は板状の、可撓性の超音波導波路と、前記超音波の半波長又は半波長の整数倍の間隔をおいて前記中空管の内壁に固定して配置されて、前記超音波導波路との部分的接触により前記超音波導波路を前記中空管の内壁に接触しないように支持する支持部材と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は超音波伝送線路及び超音波利用装置に係り、更に詳細には、超音波発生装置の超音波発信部と超音波利用装置の超音波受信部とを接続する超音波伝送線路、及び該超音波伝送線路を活用した超音波利用装置に関する。
なお、本発明の超音波利用装置の実施形態は、超音波を医療用に利用する治療装置の場合に限定したが、適用分野は、これに限られない。
なお、本発明の超音波利用装置の実施形態は、超音波を医療用に利用する治療装置の場合に限定したが、適用分野は、これに限られない。
超音波を用いる技術分野において、電気工学における同軸ケーブルのように、柔軟(可撓性)で液体(生体を含む)中でも低損失で使える超音波導波路、即ち超音波伝送線路が得られれば、応用分野の飛躍的拡大が期待できる。この分野における先行発明としては例えば、特許文献1に記載の「超音波伝送装置及び超音波伝送線路」がある。この発明に係る超音波伝送線路は水中で使用するため外套等で被覆している(同文献明細書段落[0059])。そのため、長距離に亘って超音波を伝送できなかった。また特許文献5に記載の「進行波型超音波モータ」においても超音波伝送線路を水中においた場合には、動作が困難であった。
超音波を柔軟な(可撓性の)、且つ液体中でも低損失で伝送できる超音波用伝送線路が実現できれば、例えば医療分野における超音波血栓除去装置において、体外における大出力超音波発生装置により発生した超音波を、そのような超音波伝送線路を介して体内に導入し、先端に配置した研磨部を超音波モータで回転させて血栓を除去することが期待できる。同様に先端に超音波放射器を配置すれば、腫瘍に超音波を照射して治療することが可能になる。
超音波伝送線路を生体内や水中等で使用する場合、防水性且つ可撓性が求められる。超音波導波路を中空の管に入れて使用することが考えられるが、超音波導波路又はこれを保持する物体と管壁が接触すると、超音波の振動が管壁に吸収されるので、超音波が減衰する。それ故、中空管に挿入した超音波伝送線路を使用する長距離の超音波伝送は困難である。
Jpn.J.Appl.Phys., 53, June 2014,07KE15
本発明の目的は、上記の問題に対処して、中空の管に入れた超音波導波路又はこれを保持する物体と管壁とが接触すると、通常は超音波振動が管壁に吸収されて超音波が減衰してしまうのを防止することにある。
上記の課題を解決するためになされた本発明に係る超音波伝送線路は、超音波発生装置の超音波発信部と超音波利用装置の超音波受信部とを接続する超音波伝送線路であって、
防水性且つ可撓性の中空管と、前記中空管内に長手方向に配置された、横波、縦波、又はラム(Lamb)波を伝搬可能な、棒状又は板状の、可撓性の超音波導波路と、前記超音波の半波長又は半波長の整数倍の間隔をおいて前記中空管の内壁に固定して配置されて、前記超音波導波路との部分的接触により前記超音波導波路を前記中空管の内壁に接触しないように支持する支持部材と、を含むことを特徴とする。
防水性且つ可撓性の中空管と、前記中空管内に長手方向に配置された、横波、縦波、又はラム(Lamb)波を伝搬可能な、棒状又は板状の、可撓性の超音波導波路と、前記超音波の半波長又は半波長の整数倍の間隔をおいて前記中空管の内壁に固定して配置されて、前記超音波導波路との部分的接触により前記超音波導波路を前記中空管の内壁に接触しないように支持する支持部材と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、超音波発信部から超音波受信部に向かう進行波と逆方向に進む反射波は、一般に重畳により定在波を形成するので、支持部材の位置が丁度、定在波の節(node)に当たるようにした場合、支持部材により節の部分で定在波の振動を仮に抑止しても定在波の減衰は少なく、超音波進行波の減衰を最小限にできる。
広く知られているように進行波と反射波が重畳して発生する定在波においては、節の部分で振動を抑えても定在波の減衰は少ない。そこで、超音波発生装置の超音波発信部となる超音波振動子と超音波利用装置の超音波受信部とを接続する超音波導波路に定在波を発生させて超音波共振器を構成し、これに超音波利用装置の超音波受信部となる各種超音波デバイスを接続したシステムを構成する。超音波発生部と超音波伝送線路は共振器であり、これに接続する超音波デバイスにおける損失はシステム全体における損失と考えることができる。
定在波を発生させるために超音波導波路上に使用周波数における半波長又はその整数倍の間隔で振動を抑止する支持部材を設け、この支持部材のみで超音波導波路がスペーサとなる支持部材を介して中空管の管壁に接触し、他の部分は管壁に接触しない構造とする。この構造にすることにより、超音波の長距離伝送が可能な、防水性かつ可撓性を具備した超音波伝送線路を構成できる。
[実施例1] 超音波伝送線路
[実施例1] 超音波伝送線路
本発明に係る超音波伝送線路Lは、長手方向に切った断面図である第1図(A)に示すように、円筒状の中空管3、中空管3の中心軸に沿って配置された超音波導波路1、及び、中空管3の内壁に固定して配置され、中空管3の内壁に接触しないように超音波導波路1を支持する支持部材2、よりなる。
超音波導波路1は、横波、縦波、又はLamb波などの超音波を伝送可能な棒状もしくは板状の超音波導波路であり、中空管3は、柔軟(可撓性)且つ防水性であって、防水及び超音波導波路保護のために用いられ、支持部材2は超音波の半波長(λ/2)の整数倍の間隔で配置されており、支持部材2が配置される位置は、超音波の定在波が形成されたときには、定在波の節が形成される位置になる。
支持部材2は、上記のように中空管3の内壁に固定されているのとは異なり、超音波導波路1とは異なる線もしくは別の超音波導波路又は中空導波路のいずれかに固定されていてもよい。
支持部材2は、上記のように中空管3の内壁に固定されているのとは異なり、超音波導波路1とは異なる線もしくは別の超音波導波路又は中空導波路のいずれかに固定されていてもよい。
第1図(B)に示すように、超音波導波路1は、超音波導波路1の一部を囲む支持部材2と部分的に接触することによって中空管3内に支持され、その位置が固定されている。
支持部材2は、超音波導波路1との部分的接触箇所において、例えば、超音波導波路1の表面粒子のミクロな運動を可能にするがが、超音波導波路1のマクロな振動を抑止する。
支持部材2は、超音波導波路1との部分的接触箇所において、例えば、超音波導波路1の表面粒子のミクロな運動を可能にするがが、超音波導波路1のマクロな振動を抑止する。
超音波導波路1と支持部材2との部分的接触の程度は、前記超音波導波路1を伝搬する超音波振動を実質的に減衰(抑止)することなく伝搬できる程度に摩擦が無い。
支持部材2の超音波導波路1に対向する面は、第1図(B)に示すように、超音波導波路1に対して滑らかな凸面をなしているので、超音波導波路1との部分的接触に際して、超音波導波路1の表面粒子のミクロな運動を可能にし、且つ摩擦が最小限に抑止される。
支持部材2の超音波導波路1に対向する面は、第1図(B)に示すように、超音波導波路1に対して滑らかな凸面をなしているので、超音波導波路1との部分的接触に際して、超音波導波路1の表面粒子のミクロな運動を可能にし、且つ摩擦が最小限に抑止される。
第1図(C)に示すように、超音波伝送線路Lは2本以上の超音波導波路1を用いて構成することもできる。なお、本変形例では、支持部材2は中空管3を充填し、超音波導波路1がミクロには超音波振動が可能なように、且つマクロには位置固定されるように、長手方向に貫通する内孔に超音波導波路1を、空隙を有して収容する。
第2図に超音波伝送線路の好適な形状を示す。断面の形状は円形、矩形、楕円などが好適である。
(A)は均一な形状の超音波伝送線路で、ステンレス等の金属材料、溶融石英ファイバー、サファイアファイバー、セラミックスなどの材質から、必要な可撓性と伝送距離に応じて選択して形成する。
(B)は一部がテーパ状又は階段状の超音波導波路で、一部のみに可撓性が必要な場合に用いる。
(C)は異種材料を用いて構成したもので、長距離の伝送が必要な場合に用いる。よく知られるようにサファイアファイバーや溶融石英ファイバーは極めて損失が少ない超音波導波路であり、長距離伝送に優れている。しかし、可撓性に難点があるため、可撓性が必要な部分にはステンレス等を用いて超音波導波路の一部(図の1B部)をテーパ状にすることにより、必要な部分の可撓性を増すことが可能になる。
(D)は同一径の超音波導波路の可撓性を高める方法を示したもので、半波長又は半波長の整数倍の位置に断面積が小さい部分を設けて可撓性を高めている。この構造は縦波の伝送に適していると考えられる。
(A)は均一な形状の超音波伝送線路で、ステンレス等の金属材料、溶融石英ファイバー、サファイアファイバー、セラミックスなどの材質から、必要な可撓性と伝送距離に応じて選択して形成する。
(B)は一部がテーパ状又は階段状の超音波導波路で、一部のみに可撓性が必要な場合に用いる。
(C)は異種材料を用いて構成したもので、長距離の伝送が必要な場合に用いる。よく知られるようにサファイアファイバーや溶融石英ファイバーは極めて損失が少ない超音波導波路であり、長距離伝送に優れている。しかし、可撓性に難点があるため、可撓性が必要な部分にはステンレス等を用いて超音波導波路の一部(図の1B部)をテーパ状にすることにより、必要な部分の可撓性を増すことが可能になる。
(D)は同一径の超音波導波路の可撓性を高める方法を示したもので、半波長又は半波長の整数倍の位置に断面積が小さい部分を設けて可撓性を高めている。この構造は縦波の伝送に適していると考えられる。
第3図に試作した超音波伝送線路Lを示す。第3図(A)、(B)は各々、超音波伝送線路Lの全体と部分拡大写真を示す。第3図(B)においては、超音波導波路1として直径0.3ミリメートル、長さ85センチメートルのステンレス線(SUS304材)を2本用いて第3図(C)に示すように厚さ0.1ミリメートル、外径0.9ミリメエートルの円板に直径0.35ミリメートルの孔を2つあけた支持部材2を用いて、該孔に各々超音波導波路1を通し、支持部材2を中空管3内に10ミリメートル間隔で固定した。
第3図(D)に示すように、2本のSUS304で構成した超音波導波路1の1本の両端に駆動用及び検出用振動子を取り付け、駆動用振動子を駆動し、検出用振動子で透過信号を測定した。透過信号の周波数特性を第4図に示す。119KHz乃至120KHzにおいて低損失伝送が可能になったことが分かる。また、約2倍の周波数帯である、243kHz近辺でも低損失伝送が可能になった。実験には横波を伝送したが、縦波も同様に伝送できる。ただし横波に比べて縦波は音速が大きいため、同一の伝送線路に対して伝送できる周波数は異なる。
[実施例2] 超音波共振器と超音波デバイスからなる一般的な超音波利用装置
[実施例2] 超音波共振器と超音波デバイスからなる一般的な超音波利用装置
第5図は本発明に係る超音波利用装置における超音波伝送線路Lの一般的な適用例図である。本例図では、1対の大型の超音波振動子6A、6Bで発生した超音波を収束デバイス7A、7Bで収束した後、超音波伝送線路L1、L2で伝送し超音波デバイスDを駆動する。超音波振動子6A、6Bは超音波発生装置の超音波発信部であり、大パワーの発生のために各々、超音波伝送線路L1、L2と合わせて共振構造をなし、超音波発生装置を含めた全体が駆動部を持つ超音波共振器となっている。これに超音波デバイスDが接続されると、エネルギが超音波デバイスDに伝達され、伝達されたエネルギは超音波共振器の損失となる。超音波振動子と超音波伝送線路は各1個ずつでも良い。
[実施例3] 進行波型超音波モータ
[実施例3] 進行波型超音波モータ
本発明に係る超音波利用装置における超音波デバイスDが、特に超音波モータの場合を説明する。先行発明(特許文献5、進行波型超音波モータ)では、ロータに巻いたコイル状ステータのコイルに超音波振動を伝送することによりロータを駆動する。このモータにおいては出力トルクが小さいことが実用化における問題点であった。そこで、大出力の振動子で発生した超音波を超音波伝送線路で送る方法が考えられたが、中空管に超音波伝送線路を入れた状態で伝送することが困難であった。そこで、本発明における超音波伝送線路Lを用いて超音波定在波を立てるような条件下で駆動したところ、初めて高トルクが得られた。中空管3内における超音波の減衰を抑止できたからである。
第6図は、本発明に係る超音波利用装置の内でも特に、超音波パワー循環型直交駆動法により高トルクのモータの構成図を示したものである。
本実施例の超音波デバイスDは、ロータ8と、コイル状ステータ7と、を含み、1対の超音波伝送線路L1、L2に接続され、超音波伝送線路L1、L2は超音波発生装置(図示せず)に接続される。図中、コイル状ステータ7は本発明に係る超音波導波路からなり、ノードAとBで各々、超音波伝送線路L1、L2に接続される。ノードAとBの間には別途、直線状の超音波導波路が接続され、その長さは四分の一波長の整数倍(図では1倍)である。ノードAからBまでのコイル上の超音波導波路の距離は(n+3/4)λである。ここでnは整数、λは波長である。
本実施例の超音波デバイスDは、ロータ8と、コイル状ステータ7と、を含み、1対の超音波伝送線路L1、L2に接続され、超音波伝送線路L1、L2は超音波発生装置(図示せず)に接続される。図中、コイル状ステータ7は本発明に係る超音波導波路からなり、ノードAとBで各々、超音波伝送線路L1、L2に接続される。ノードAとBの間には別途、直線状の超音波導波路が接続され、その長さは四分の一波長の整数倍(図では1倍)である。ノードAからBまでのコイル上の超音波導波路の距離は(n+3/4)λである。ここでnは整数、λは波長である。
先行発明(非特許文献1、Fig.2参照)においては、ノードAとノードBの直近に小型の振動子(圧電素子PZT1、PZT2)を取り付けて駆動していたため、得られるトルクに制限があった。本発明においては、外付けが可能なので大型の超音波発生装置(例えば、第5図の6A、6Bに示す超音波振動子)を用いることができ、これを位相差90度の信号で駆動すると、超音波伝送線路L1とL2を介して超音波を殆ど無減衰で伝送できるので大きなトルクが得られる。
[実施例4] 超音波照射装置
[実施例4] 超音波照射装置
先行発明(特許文献1、超音波伝送装置及び超音波伝送線路)においては、超音波伝送線路全体にスペーサを用いたので、超音波が中空管の管壁に吸収され効率よく超音波を伝送することが困難であった。
そこで、第7図に示すように、本発明に係る超音波伝送線路Lを用いて、超音波照射装置を構成する。超音波振動子6で発生した超音波は収束デバイス7を介して超音波伝送線路L上を殆ど無損失で伝達される。この場合、超音波デバイスDは、超音波放射ホーン10と超音波ミラー11で構成され、超音波は超音波ミラー11を介して伝搬方向を変更してターゲットに、例えば、腫瘍に、集中照射される。
[実施例5] 血栓除去装置
そこで、第7図に示すように、本発明に係る超音波伝送線路Lを用いて、超音波照射装置を構成する。超音波振動子6で発生した超音波は収束デバイス7を介して超音波伝送線路L上を殆ど無損失で伝達される。この場合、超音波デバイスDは、超音波放射ホーン10と超音波ミラー11で構成され、超音波は超音波ミラー11を介して伝搬方向を変更してターゲットに、例えば、腫瘍に、集中照射される。
[実施例5] 血栓除去装置
脳内の動脈瘤や塞栓の治療を目的とする場合は、X線被ばくのないMRI監視下での治療が望ましい。超音波モータはMRI監視下で使用可能であるので好適であるから、鋭意開発が行われている。
第8図を参照すると、上記実施例2(第5、第6図)に示した超音波モータのロータ8に血栓用研削素子9を取り付けることにより、血栓除去装置を構成できる。回転数とトルクは駆動超音波のパワーに依存するため、体外に設けた大型の超音波振動子6A、6Bで発生した超音波を、実施例1に記載の超音波伝送線路でモータ(超音波デバイスD)に伝送して研削素子9を回転させる。特に、この目的には、順方向、逆方向の回転が必要なため、超音波伝送線路を2本用いると好適である。
同様にロータに研削素子の代わりに羽を付ければ撹拌装置、刃を付ければカッタを構成できる。
[実施例6] 超音波投薬装置
第8図を参照すると、上記実施例2(第5、第6図)に示した超音波モータのロータ8に血栓用研削素子9を取り付けることにより、血栓除去装置を構成できる。回転数とトルクは駆動超音波のパワーに依存するため、体外に設けた大型の超音波振動子6A、6Bで発生した超音波を、実施例1に記載の超音波伝送線路でモータ(超音波デバイスD)に伝送して研削素子9を回転させる。特に、この目的には、順方向、逆方向の回転が必要なため、超音波伝送線路を2本用いると好適である。
同様にロータに研削素子の代わりに羽を付ければ撹拌装置、刃を付ければカッタを構成できる。
[実施例6] 超音波投薬装置
がん治療などに用いられる薬剤は高価なため、高効率な投薬方法が望ましい。そこで、薬剤を腫瘍直近に塗布するならば、治療効果を上げることが期待される。
本発明による投薬装置では、第5図における超音波デバイスDを第9図(A)のように構成する。但し、超音波伝送超音波伝送線路は1本だけでも良い。超音波伝送線路Lの先端に超音波導波路1Aを接続して先端を固定して共振器を構成する。伸縮が少ない基底部15と超音波導波路1Aの間に薬剤セル13を配置する。薬剤セル13には入力側に逆流止め弁14A,放射側には逆流止め弁14Bが取り付けてあり、図には示してないが、入力側には更に薬剤バッグが取り付けてある。薬剤セルに薬剤が充填されている状態で、超音波が入力すると薬剤が放出され、入力が止まると超音波導波路1Aの復元力により薬剤がバッグから薬剤セルに導入される。
第9図(B)はキャビテーションによる体積変化を利用した投薬装置である。超音波伝送線路内の超音波導波路1を薬剤セル13の中に挿入し、超音波を伝送するとキャビテーションによりセル内の体積が変化するため、逆流止め弁14Bを通過して薬剤が放出される。
本発明による投薬装置では、第5図における超音波デバイスDを第9図(A)のように構成する。但し、超音波伝送超音波伝送線路は1本だけでも良い。超音波伝送線路Lの先端に超音波導波路1Aを接続して先端を固定して共振器を構成する。伸縮が少ない基底部15と超音波導波路1Aの間に薬剤セル13を配置する。薬剤セル13には入力側に逆流止め弁14A,放射側には逆流止め弁14Bが取り付けてあり、図には示してないが、入力側には更に薬剤バッグが取り付けてある。薬剤セルに薬剤が充填されている状態で、超音波が入力すると薬剤が放出され、入力が止まると超音波導波路1Aの復元力により薬剤がバッグから薬剤セルに導入される。
第9図(B)はキャビテーションによる体積変化を利用した投薬装置である。超音波伝送線路内の超音波導波路1を薬剤セル13の中に挿入し、超音波を伝送するとキャビテーションによりセル内の体積が変化するため、逆流止め弁14Bを通過して薬剤が放出される。
D 超音波デバイス
L、L1、L2 超音波伝送線路
1、1A 超音波導波路
2 支持部材
3 中空管
6、6A、6B 超音波振動子
7、7A、7B 収束デバイス
10 超音波放射ホーン
11 超音波ミラー
13 薬剤セル
14A、14B 逆流止め弁
15 基底部
L、L1、L2 超音波伝送線路
1、1A 超音波導波路
2 支持部材
3 中空管
6、6A、6B 超音波振動子
7、7A、7B 収束デバイス
10 超音波放射ホーン
11 超音波ミラー
13 薬剤セル
14A、14B 逆流止め弁
15 基底部
Claims (9)
- 超音波発生装置の超音波発信部と超音波利用装置の超音波受信部とを接続する超音波伝送線路であって、
防水性且つ可撓性の中空管と、
前記中空管内に長手方向に配置された、横波、縦波、又はラム(Lamb)波を伝搬可能な、棒状又は板状の、可撓性の超音波導波路と、
前記超音波の半波長又は半波長の整数倍の間隔をおいて前記中空管の内壁に固定して配置されて、前記超音波導波路を前記中空管の内壁に接触しないように支持する支持部材と、を含むことを特徴とする超音波伝送線路。
- 前記支持部材は、前記超音波導波路を支持する接触部において、前記超音波導波路の表面粒子のミクロな運動が可能であるが、前記超音波導波路のマクロな振動を抑止する機能を持つことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝送線路。
- 前記支持部材と前記超音波導波路との接触部において、前記超音波導波路が超音波振動を実質的に抑止することなく伝搬できる程度に、前記超音波導波路の表面粒子の運動が可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝送線路。
- 前記支持部材は、前記超音波導波路を支持する接触部において、前記超音波導波路が超音波振動を実質的に抑止することなく伝搬できる程度に、摩擦が無い、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝送線路。
- 前記支持部材は、前記超音波導波路の外形断面より大きい断面を有し、前記超音波導波路が通過する貫通孔を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝送線路。
- 前記支持部材は、複数個の副部材からなり、各副部材は、前記超音波導波路の外形断面より大きい閉曲線と前記中空管の内壁断面とにより画定された領域に含まれる断面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝送線路。
- 請求項1記載の単一の超音波伝送線路と、前記単一の超音波伝送線路の超音波導波路の一端に接続された超音波デバイスと、前記単一の超音波伝送線路の超音波導波路の他端に接続された超音波振動素子と、からなることを特徴とする超音波利用装置。
- 請求項1記載の、平行に配置された一対の超音波伝送線路と、前記一対の超音波伝送線路の超音波導波路の一端に接続された超音波デバイスと、前記一対の超音波伝送線路の超音波導波路の他端に各々接続された一対の超音波振動素子と、からなることを特徴とする超音波利用装置。
- 前記超音波デバイスが、超音波センサ、超音波モータ、超音波放射器(超音波治療装置)、超音波血栓除去装置、輸液放射器、超音波投薬装置、及び超音波カッタの何れか1つであることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波利用装置。
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