JP2018042040A - 端末装置、その制御方法および制御プログラム - Google Patents

端末装置、その制御方法および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】端末装置に3つ以上のセンサを設けずに、入力信号から目標信号を抽出すること。【解決手段】信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置であって、第1センサと第2センサとを結ぶ直線は、端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、端末装置の外部から第1センサおよび第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えたことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、装置外部から到達した信号を強調または抑圧する技術に関する。
上記技術分野において、装置外部から到達した信号を強調または抑圧する技術が、特許文献1乃至4に記載されている。
特許文献1には、矩形の平板形状の携帯端末装置において、筺体の頂点部のみに4つのマイクを設け、各マイクまでの信号到達の時間差に基づいて、周囲で発生した音の音源方向を検知する技術が開示されている。
特許文献2には、矩形の平板形状の携帯端末装置において、筺体の下辺のみに2つの無指向性マイクを設け、異なる方向から到来する音声を取得し、到来方向に応じた異なった利得を適用して音量補正を行う技術が開示されている。
特許文献3には、矩形の平板形状の携帯端末装置において、筺体の対向する2辺にのみ合計3つのマイクを、相互の間隔が全て異なるように配置し、それらのうち2つを選択して、広い周波数帯域で、高い信号分離性能を得つつ、音源の位置を判別し、ノイズの抑圧を行なう技術が開示されている。
特許文献4には、3以上のマイクから構成されるマイク群から、2マイクから構成されるマイク対を、装置の保持方向または信号到来方向に基づいて選択して使用することで、端末の保持方向によらず、所望の信号に適した指向性を形成することのできる装置が開示されている。
特開2013−183286号公報 特開2011−205324号公報 特開2008−092512号公報 特開2012−524505号公報 特願2014−228497号公報 特願2015−033430号公報
1982年1月、アイ・イー・イー・イー・トランザクションズ・オン・シグナル・プロセシング、第30巻、第1号、 (IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATIONS, VOL.30, NO.1, PP.27-34, Jan. 1982) 27〜34 ページ 1972年8月、プロシーディングス・オブ・アイ・イー・イー・イー、第60巻、第8号、 (IEEE PROCEEDINGS OF IEEE, vol.60, NO.8, PP.926-934, Aug. 1972) 926〜934 ページ 1999年10月、アイ・イー・イー・イー・トランザクションズ・オン・シグナル・プロセシング、第47巻、第10号、 (IEEE TRANSACTIONS ON SIGNAL PROCESSING, VOL.47, NO.10, PP. 2677-2684, Oct. 1999) 2677〜2684 ページ 2008年、「ハンドブック・オブ・スピーチ・プロセシング」、シュプリンガー、ベルリン ハイデルベルグ ニューヨーク(HANDBOOK OF SPEECH PROCESSING, SPRINGER, BERLIN HEIDELBERG NEW YORK, 2008.)
しかし、上述の従来技術では、2つのセンサを用いて、外部から端末に到来する信号を選択的に強調または抑圧することができなかった。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置であって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置である。
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
信号入力手段として、第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御方法であって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する端末装置の制御方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御プログラムであって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧するステップを端末装置に実行させる制御プログラムである。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の装置は、
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置であって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御方法であって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御方法である。
上記目的を達成するため、本発明に係る他のプログラムは、
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御プログラムであって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御プログラムである。
本発明によれば、2つのセンサを用いて、外部から端末に到来する信号を選択的に強調または抑圧することができる。
本発明の第1実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る端末装置の外観構成および信号処理を説明するための図である。 本発明の第6実施形態に係る端末装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態に係る端末装置の信号処理を説明するための上面図である。 本発明の第6実施形態に係る端末装置の信号処理を説明するための図である。 本発明の第7実施形態に係る端末装置の構成を説明する図である。 本発明の第7実施形態に係る端末装置の構成を説明する図である。 本発明の第8実施形態に係る端末装置の構成を説明する図である。 本発明の第8実施形態に係る端末装置の構成を説明する図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明中における「音声信号」とは、音声その他の音響に従って生ずる直接的の電気的変化であって、音声その他の音響を伝送するためのものをいい、音声に限定されない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態にかかる端末装置100について図1を用いて説明する。図1は、端末装置100の構成を示す図である。
端末装置100は、信号入力手段として、センサ101およびセンサ102の2つのみを備えている。センサ101とセンサ102とを結ぶ直線Lは、装置のいずれの外周辺とも平行ではない。このため、端末装置100のセンサ101およびセンサ102に到達した信号には、端末装置100の外周部のいずれかの辺を水平に保つ限り、その保持方向によらず非ゼロの到達時間差を生じる。
端末装置100は、信号処理部103をさらに備え、端末装置100の外部からセンサ101およびセンサ102に到達した信号の到達時間差を用いて、信号の強調または抑圧を行なう。
以上の構成によれば、3つ以上のセンサを設けなくても、入力信号から目標信号を抽出することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態としての端末装置200について、図2Aを用いて説明する。矩形の端末装置200は、センサ201とセンサ202からの信号を強調または抑圧する装置である。これらのセンサ201およびセンサ202はマイクロホンなどの音響センサに限定されるものではなく、超音波センサ、振動センサなどでもよい。すなわち、これらのセンサで得られる信号は、音声、音楽、自然音を含む音響信号、超音波信号、振動などであるが、平面波として伝搬するどのような信号に対しても適用することができる。
図2Aに示すように、端末装置200は、センサ201、センサ202、これらのセンサから受けた信号を処理する信号処理部240、および出力端子261および出力端子262を含む。端末装置200は、さらに画像情報を表示するための表示部220を含んでいる。信号処理部240は、センサ201およびセンサ202から受けた信号に対して所定の信号を強調または抑圧して出力信号を生成し、出力端子261および出力端子262に供給する。信号の強調または抑圧を実施する方法に関しては、非特許文献1から3、特許文献5および6に複数の方法が開示されている。
非特許文献1に記載の技術は、複数入力信号の位相差を利用して、目標信号を減衰させることで目標信号以外の信号が支配的な目標ブロック信号を生成する。目標ブロック信号を適応フィルタで処理することで、変形目標ブロック信号を生成する。また、複数の入力信号の位相差を利用して、目標信号を強調した目標強調信号を生成する。目標強調信号の中に残留する目標信号以外の成分を、目標強調信号から変形目標ブロック信号を減算することでさらに低減する。減算結果である出力信号の平均パワーが最小化されるように、適応フィルタの係数を更新する。このようにして得られた減算結果は、入力信号と比較して目標信号が強調された出力信号となっている。目標強調信号を適応フィルタで処理して変形目標強調信号を生成し、目標ブロック信号から減算することで、目標信号を抑圧した出力信号を得ることもできる。
非特許文献2に記載の技術は、複数入力信号の位相差(時間差)がなくなるように、最も位相の遅れた信号を基準として、それ以外の信号をそれぞれ適切に遅延した後、等長の有限インパルス応答長(FIR)フィルタで処理し、最後に総和を求めて出力とする。FIRフィルタの係数は、出力信号の平均二乗誤差を最小化するように更新する。その際に、FIRフィルタ全体の目標信号に対する伝達関数が単位インパルスになる、という制約を付加する。非特許文献2に記載の技術は、非特許文献1に記載の技術と等価であることが知られている。
非特許文献3に記載の技術は、非特許文献1に記載の技術に対して、目標ブロック信号生成に係数値拘束適応フィルタを、変形目標ブロック信号の生成に係数ノルム拘束適応フィルタを導入している。目標信号の変動に対する過剰な追従性を改善し、出力信号の歪を低減することができる。
特許文献5に記載の技術は、周波数成分ごとに入力信号の位相差を求め、あらかじめ設定した位相差−利得特性に基づいて0と1の間の利得を作用させることで、信号の強調または抑圧を行う。周波数成分ごとに異なった位相差−利得特性を用い、周波数に比例した位相差の値を設定することで、空間方向に対する信号通過角度幅を周波数によらずに一定にする。特許文献5に記載の技術は、非特許文献1から3に記載の技術と比べて、少ないセンサ数で鋭い空間信号選択性を実現することができる。また、位相差−利得特性を適切に設計する、具体的には複数の通過方向帯域を設定することで、複数の異なった方向から到来する信号を同時に通過させ、それ以外の方向から到来する信号を抑圧することができる。
特許文献6に記載の技術は、特許文献5に記載の技術と同様の方法で求めた位相差−利得特性を、共通に全センサの信号に作用させる。共通の利得を作用させることで、入力に存在する複数の入力信号間の相関を維持することができ、ステレオ信号などの多チャネル信号に対して、音源定位を変化させることなく、空間選択性を実現することができる。
非特許文献1から3や特許文献5および6に記載された技術をはじめとして、複数センサを利用して空間的に異なった方向から到来する信号を強調または抑圧する技術では、複数センサにおける信号の位相差を利用する。このため、複数センサにおける信号間に信号到来方向に対応した位相差が存在するか否かが問題となる。この問題は、複数センサがどのように端末に装着されるか、端末がどの向きに保持されるか、信号源が空間にどのように分布するか、などに依存する。
典型的な端末の利用シーンでは、例えば、目標信号源が第1の話者、妨害信号源が第2の話者であって、両話者の身長を同一と仮定すると、それぞれの話者の口、すなわち信号源は地表または床面から身長と等しい高さにある同一の平面O上に存在する。一方、端末は、端末の主要な辺が水平になるように保持されるとする。本実施形態では、端末装置200は、図2B、図2Cに示すように矩形なので、端末の下辺および上辺が水平になるように、端末が保持される。
矩形の端末装置200は、図2A、図2B,図2Cに示すように、表示部220の外側に外周部210を含む。端末装置200は、2つのセンサ201、202を備えている。2つのセンサ201、202は、端末装置200の頂点Aを挟んで隣接する2辺を構成する外周部210に1つずつ設けられている。
センサ201およびセンサ202は頂点以外に配置されている。そのため、センサ201およびセンサ202を結んだ直線は、これらセンサの辺ABおよび辺DA上の位置によらず、装置の外周を構成するいずれの辺とも、非ゼロの角度をなす。辺AB、辺BC、辺CD、辺DAのいずれかが水平になるように、端末装置200が保持されていれば、センサ201およびセンサ202を結んだ直線は、水平面とも非ゼロの角度をなす。センサ201およびセンサ202は、装置の外周を構成する隣接する2辺にあり、隣接する2辺が互いに直角なので、センサ201およびセンサ202を結んだ直線が外周を構成する辺となす角度θが、非ゼロとなるためである。
2つのセンサを、端末の辺に対して斜めに配置することで、端末を水平保持しても、垂直保持しても、センサの水平間隔が非ゼロになる。このため、異なった方向から到来する信号が平面波であると仮定すると、2センサにおける信号には信号到来方向に対応した到着時間差が生じる。この時間差をセンサで受ける信号の速度で除して距離を求めると、この距離が信号到来方向に相当する。信号到来方向がわかれば、それに応じて、特許文献5または6の方法で、方向に応じた利得または減衰を与えることができ、選択的な信号強調または信号減衰を遂行できる。
一方、同一の辺に2センサを配置すると、上辺または下辺に配置したときは垂直保持のときに、右辺または左辺に配置したときは水平保持のときに、水平面に沿ったセンサ間隔がゼロになる。このため、水平面に沿って異なった方向から到来する信号を2センサで捕捉したときに、それら2信号に到着時間差が生じない。したがって、信号到来方向の推定ができず、到来方向に基づいた選択的な信号強調または信号減衰を遂行できない。
<目標信号源と妨害信号源の高さが同じで辺ABと同一の水平面Oにある場合>
図2Bおよび図2Cに示すとおり、端縁部に含まれる頂点Aおよび頂点Bを通る辺ABが水平となるように、端末装置200が保持され、少なくとも一つの目標信号と一つの妨害信号を含む複数の信号源が、同一水平面O上の異なる方向に存在すると仮定する。すなわち、複数の信号源の地表または床面からの高さは全て等しく、同一の水平面O上にこれらが存在する。また、図2B、図2Cのように、水平面Oが辺ABを含むような高さに、端末装置200が保持されていると仮定する。図2Bでは端末装置200の辺BCが垂直(水平面Oと直角)に、図2Cでは端末装置200の辺BCが水平面Oとπ/2より小さい角度をなす例を図示している。さらに、信号源Sが端末装置200から信号の波長に対して十分遠方にあると仮定すれば、センサ201およびセンサ202に到来する信号S0と信号S1は近似的に平面波とみなすことができる。
センサ201およびセンサ202の間隔(最短距離)をdとし、センサ201とセンサ202とを結ぶ直線Lと辺ABとのなす角をθとすると、辺ABを含む水平面Oに沿ったセンサ間隔は、dcosθとなる。図2Bに示すように、辺ABを含む水平面O上で辺ABと角度φをなす方向にある信号源Sから、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τに対応した距離τ/cは、センサ間距離dを用いてdcosθsinφと表すことができる。ここに、cはセンサで受ける信号の伝搬速度であり、音響信号の場合は音速となる。つまり、dcosθsinφ=τ/cとなる。
τを測定すれば、d、θ、およびcは既知なので、上式をφについて解いて、信号Sの到来方向φを求めることができる。すなわち、辺ABを含む水平面O上で、方向φから到来する信号に対して、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。例えば、辺ABにセンサがあると、端末をπ/2回転して辺ABが垂直になるように保持したとき、水平面に沿った全方向からの信号に対して、2センサの信号は時間差ゼロになる。このため、信号の時間差で方向推定することで方向に応じた信号の強調または減衰ができず、問題となる。2つのセンサが斜めに配置されていれば、水平保持でも垂直保持でも、水平面上のあらゆる方向から到来する信号に対して、その到来方向に応じた時間差が生じる。この時間差は、正面から到来する信号に対しては、ゼロになるが、正面を含む全ての方向に対して異なった時間差となるために、信号到来方向の推定が可能となる。
したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面O上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
<目標信号源および妨害信号源の高さが辺ABと同じで、辺ABの高さとは異なり、端末前方にδ1傾いた平面上にある場合>
次に、図2Dに示すように、少なくとも一つの目標信号と一つの妨害信号を含む複数の信号源S1,S2と、辺ABの存在する水平面とが、地表または床面からの高さが異なる水平面に存在する場合を考える。この場合、少なくとも一つの目標信号と一つの妨害信号を含む複数の信号源と辺ABは、水平面Oと角度δ1をなす平面O1に存在すると考えることができる。平面O1上で、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τに関しても、平面O上と同じ式が成立し、dcosθsinφ=τ/cとなる。
すなわち、辺ABの存在する水平面Oをδ1傾けた水平面O1上でも、O1上の方向φから到来する信号に対して、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面O1上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
<目標信号と妨害信号の高さが異なり、左方向にδ2傾いた平面上にある場合>
次に、少なくとも一つの目標信号と一つの妨害信号を含む複数の信号源の存在する平面O2が、辺ABの存在する水平面Oを右方向にδ2傾けたものになる場合を考える。これは、第1の話者と第2の話者の身長が異なる場合に相当し、大人と子供や人間と小型ロボットからの信号などがその例となる。この場合、図2Eに示すように、目標信号と妨害信号の存在する平面O2上に辺ABは存在しない。しかし、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τは平面O2上で生じているので、平面O2に沿ったセンサ201およびセンサ202の距離dcos(θ+δ2)を用いて、水平面Oの場合と同様の関係が成立する。
dcos(θ+δ2)sinφ=τ/c
ここで、水平面Oの場合と異なるのは、δ2の存在であり、通常δ2は未知である。しかし、信号源が端末装置200から信号の波長に対して十分遠方にあり、センサ201およびセンサ202に到来する信号S0と信号S1が近似的に平面波とみなすことができる場合には、δ2は近似的にゼロとみなすことができる。このため、平面O2の場合にも水平面Oの場合と同様に、dcos(θ+δ2)sinφ≒dcosθsinφ=τ/cとすることができる。すなわち、辺ABの存在する水平面Oを左方向にδ2傾けた水平面O2上でも、O2上の方向φから到来する信号に対して、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面O2上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
<前2つの例の組み合わせ>
次に、水平面Oに対して、端末前方にδ1、右方向にδ2傾いた平面O3を考える。このような平面は、平面O1と平面O2の組み合わせと考えることができる。平面O3上で方向φから到来する信号Sに対するセンサ201およびセンサ202の距離はdcos(θ+δ2)であり、水平面O2の場合と同様にしてdcos(θ+δ2)sinφ≒dcosθsinφ=τ/cとなる。すなわち、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面O3上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
全ての平面は、左方向にδ2、前方向にδ1だけ傾いた平面と考えることができるので、少なくとも一つの目標信号と一つの妨害信号を含む複数の信号源がいかなる平面上に分布していたとしても、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
<端末の保持状態が水平ではなく、傾いている場合>
次に、図2Fのように端末装置200が水平面Oから左にα傾いて保持されている場合を考える。このとき、センサ201およびセンサ202を水平面Pに投影すると、その間隔は、dcos(θ+α)であり、α=0.5π−θのときゼロとなる。このため、α=0.5π−θの場合(つまり、センサ201とセンサ202とが垂直に並ぶように端末装置200を保持した場合)を除いて、端末装置200が傾いて保持されているときでも、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面O1上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
端末装置200の傾きがα=0.5π−θとなる場合には、既に説明したように、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することは不可能である。しかし、通常、ユーザーが端末を保持する場合には、端末の上辺または下辺を水平に保つので、α=0.5π−θは成立しない。さらに、α=0.5π−θという値自体、αの発生確率を一様分布と仮定しても、その発生確率は極めて低い。このため、α=0.5π−θの場合に限って信号到来方向を推定することが不可能になることは、大きな問題とはならない。
<端末の保持状態が水平ではなく、垂直の場合>
次に、図2Gに示すように、辺ABが垂直に、辺DAが水平(上辺)となるように、端末装置200を図2Aの状態から右に90度回転することを考える。このとき、辺DAを含む水平面QまたはQと平行な水平面に沿ったセンサ201およびセンサ202の間隔は、dsinθ=dcos(0.5π−θ)となる。水平面Qおよびそれと平行な水平面上の、辺DAと角度φをなす方向から到来する信号に対しては、センサ201およびセンサ202に入力される信号の相対時間差τに対応した距離τ/cは、dsinθsinφとなる。すなわち、辺DAを含む水平面Q上またはこれと平行な水平面上の方向φから到来する信号に対して、センサ201およびセンサ202に入力される信号の相対時間差は(等価的に相対位相差も)到来方向φに対応した値となり、dsinθsinφ=τ/cによって推定可能である。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺DAを含む水平面Qまたはこれと平行な平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
<端末の保持状態が、垂直から左にα傾いている場合>
図2Gのように縦(垂直)に保持した端末装置200を、図2Fと同様に角度αだけ傾けた場合を考える。このとき、水平面に沿ったセンサ201およびセンサ202の間隔は、dsin(θ+α)であり、α=−θのときゼロとなる。このため、α=−θの場合を除いて、端末装置200が傾いて保持されているときでも、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することが可能となる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号Sに、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺DAを含む水平面Qを左にα傾けた平面上の異なった方向から到来する信号を、強調または抑圧することができる。
端末装置200の傾きがα=−θとなる場合には、既に説明したように、センサ201およびセンサ202に入力される信号S0と信号S1の相対時間差τ(等価的に相対位相差も)を測定することによって、φを求め、信号到来方向を推定することは不可能である。しかし、通常、ユーザーが端末を保持する場合には、端末の上編または下辺を水平に保つので、α=−θは成立しない。さらに、α=−θという値自体、αの発生確率を一様分布と仮定しても、その発生確率は極めて低い。このため、α=−θの場合に限って信号到来方向を推定することが不可能になることは、大きな問題とはならない。
以上説明したように、信号源が存在する平面に対して2つのセンサを結ぶ直線を投影した場合のセンサ間隔が非ゼロであれば、センサ201およびセンサ202に入力される信号は、信号到来方向φに応じた相対時間差(および相対位相差)τ≠0を有する。
図2Bの例ではセンサ間隔がdcosθ、図2Gの例ではdsinθ=dcos(0.5π−θ)である。センサ201が辺DAに、センサ202が辺ABに配置されている限り、0<θ<0.5πである。また、2つのセンサに対してdは非ゼロである。すなわち、端末装置200の様々な保持状態の中で、信号源が存在する平面上でのセンサ間隔は、ほとんどの場合に非ゼロの値をとる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、信号源が存在する水平面上の特定の方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
同様に、端末装置200を図2Gの状態からさらに右に90度回転して辺ABが水平(下辺)となるようにした場合、ならびに図2Bの状態から左に90度回転して辺DAが水平(下辺)となるようにした場合に関しても、図2Bおよび図2Gと同様の議論が成り立つ。すなわち、辺ABが水平(下辺)となる場合と辺DAが水平(下辺)となる場合のセンサ間隔はそれぞれ、dcosθおよびdsinθ=dcos(0.5π−θ)であり、いずれもほとんどの場合に非ゼロの値をとる。したがって、センサ201およびセンサ202に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、信号源が存在する水平面上の特定の方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、異なった複数の端末保持方向(辺AB、辺DAのいずれかが上辺または下辺として水平になる4状態)に対して、この端末保持方向と平行な平面(辺ABまたは辺DAのいずれかを含む平面)上の特定の方向から到来する信号を、2センサを用いて選択的に強調または抑圧することができる。
以上の説明をまとめると、本実施形態によれば、異なった複数の端末保持状態に対して、様々な方向から到来する信号を、2センサを用いて選択的に強調または抑圧することができる。
以上、端末装置200の頂点Aを挟む位置に配置されたセンサ201とセンサ202とについて説明したが、端末装置200の頂点に区別はなく、これらのセンサは、頂点B,C,Dのいずれかを挟む位置に配置されてもよいことは言うまでもない。
このような構成とセンサの配置により、端末装置200は、異なる複数の端末保持方向に対して、装置外の様々な方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
なお、図2Hに示すとおり、端末装置270の外周部275の形状が5角形の場合にも、外周部275のいずれかの辺内に、センサを結ぶ直線が装置のいずれの辺とも平行にならないように、2つのセンサ271、272を設ければ、上記と同様の効果が得られる。
また、図2Iに示すとおり、端末装置280の外周部285の形状が6角形の場合にも、外周部285のいずれかの辺内に、センサを結ぶ直線が装置のいずれの辺とも平行にならないように、2つのセンサ281、282を設ければ、上記と同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態のセンサ配置は、端末装置の外周部が7角形以上の場合にも同様に適用でき、同様の効果をえることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態としての端末装置300について、図3を用いて説明する。端末装置300は、センサの設置位置を除いて第1実施形態と等しいので、その動作の詳細については説明を省略し、異なったセンサ位置によって生じる違いについてだけ説明する。
端末装置300は、図3に示すように、矩形で外周部310よりも小さい表示部320を含む。端末装置300は、対向する2つの辺ABと辺DCを構成する外周部310にセンサ301、302を一つずつ装備する。センサ301とセンサ302とを結ぶ直線Lは、装置のいずれの辺AB,BC,CD,DAとも平行ではない。つまり直線Lと辺ABとのなす角θは、常に0.5πでない値となる。
そのため、センサ301および302を結んだ直線は、これらセンサの辺CDおよび辺BA上の位置によらず、装置の外周を構成するいずれの辺とも、非ゼロの角度をなす。辺AB、辺BC、辺CD、辺DAのいずれかが水平になるように、端末装置300が保持されていれば、センサ301およびセンサ302を結んだ直線Lは、水平面または地平面と非ゼロの角度をなす。
端末装置300が頂点AおよびBを含む辺ABが水平となるように保持され、センサ301およびセンサ302の間隔(最短距離)がdであるとき、水平面に沿ったセンサ間隔は、dcosθとなる。ただし、θはセンサ301とセンサ302を結ぶ直線Lと辺ABとのなす角である。図2Bと同様に辺ABと角度φをなす水平面上の方向から到来する信号S0、S1に対しては、センサ301およびセンサ302に入力される信号の相対時間差τはcdcosθsinφとなる。すなわち、辺ABを含む平面上であって、地平面または水平面に平行な平面上の特定方向から到来する信号に対しては、センサ301およびセンサ302に入力される信号の相対時間差は(等価的に相対位相差も)、到来方向φに対応した値となる。したがって、センサ301およびセンサ302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、辺ABを含む地平面または水平面に平行な平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
図2Fと同様に端末装置300が左にα傾いて保持されている場合、センサ301、302の水平方向間隔は、dcos(θ+α)である。したがって、α=0.5π−θの場合を除いて、端末装置300が傾いて保持されているときでも、上記効果を奏する。
辺ABが垂直に、辺DAが水平(上辺)となるように、端末装置300を縦に保持すると、センサ301、302の水平間隔は、dsinθ=dcos(0.5π−θ)となる。辺DAと角度φをなす水平面上の方向から到来する信号に対しては、センサ301、302に入力される信号の相対時間差τはcdsinθsinφとなる。さらに、その状態から端末装置300が左にα傾いて保持されている場合も同様に、センサ301、302の水平間隔は、dsin(θ+α)であり、α=−θのときゼロとなる。このため、α=−θの場合を除いて、上記効果を奏する。
したがって、第2実施形態と同様に、センサ301、302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、辺DAを含む地平面または水平面に平行な平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
同様に、端末装置300を辺ABが水平(下辺)となるように保持した場合、ならびに辺DAが水平(下辺)となるように保持した場合に関しても、同様の議論が成り立つ。すなわち、辺ABが水平(下辺)となる場合と辺DAが水平(下辺)となる場合のセンサ間隔はそれぞれ、dcosθおよびdsinθ=dcos(0.5π−θ)であり、θ=0.5πの場合を除いて、いずれも非ゼロの値をとる。したがって、センサ301、302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、信号源が存在する水平面上の特定の方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
図2Dを用いて説明した平面O1上に信号源が存在する場合、センサ301およびセンサ302の平面O1上の間隔は、dcosθとなる。したがって、θ=0.5πの場合を除いて、センサ301またはセンサ302から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O1上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
また、図2Eを用いて説明した平面O2上に、信号源が存在する場合、センサ301、302の平面O2上の間隔は、dcos(θ+δ2)となる。また、図2Eを用いて説明したように、δ2=0とみなすことができる。したがって、θ=0.5πの場合を除いて、センサ301またはセンサ302から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O2上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
これら2種類の平面O1,O2の例からわかるように、端末保持方向に対して平行でない平面上の特定の方向から到来する信号も、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
このような構成とセンサの配置により、端末装置300は、異なる複数の端末保持方向に対して、装置外の様々な方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
以上、辺ABにセンサ301が配置され辺CDにセンサ302が配置されている場合を例として説明してきたが、全く同じ説明が、辺DAと辺BCにそれぞれ1つずつセンサが配置されている場合にもそのまま当てはまる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態としての端末装置400について、図4を用いて説明する。端末装置400は、センサの設置位置を除いて第2実施形態と等しいので、その構成および動作の詳細については説明を省略し、異なったセンサ位置によって生じる違いについてだけ説明する。
端末装置400は、矩形の外周部410よりも小さい表示部420を含む。端末装置400は、対角を構成する外周部410、つまり、隣接しない2頂点B,Dにそれぞれ1つずつセンサ401、402を備えている。これらのセンサの代わりに頂点Aと頂点Cにそれぞれ1つずつセンサを設けてもよい。
端末装置400が辺ABが水平かつ上辺となるように保持され、センサ401、402の間隔(最短距離)がdであるとき、水平面に沿ったセンサ間隔は、dcosθとなる。したがって、センサ401、402に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用することにより、信号を強調または抑圧することができる。また、端末装置400が、傾けて保持された場合や、信号源が、辺ABを含む水平面Oと角度をなして存在する場合など、図2C〜図2Gに示した様々な場合も同様に、センサ401、402に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献6および7に記載された技術などを適用することにより、信号を強調または抑圧することができる。
本実施形態によれば、このようなセンサの配置により、端末装置は、異なる複数の端末保持方向に対して、装置外の様々な方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態としての端末装置500について、図5を用いて説明する。端末装置500は、センサの設置位置を除いて第2実施形態と等しいので、同じ構成については同じ符号を付して、その詳細については説明を省略し、異なったセンサ位置によって生じる違いについてだけ説明する。
端末装置500は、1辺ABを構成する外周部510内に2つのセンサ501、502を装備する。センサ501およびセンサ502は、共に辺AB内にあるが、センサ501およびセンサ502を結ぶ直線Lは、装置のいずれの辺AB,BC,CD,DAとも平行ではない。
本実施形態でも、第2実施形態と同様に、センサ501、502に入力される信号の相対時間差は(等価的に相対位相差も)、到来方向に対応した値となる。したがって、センサ501、502に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、装置外部から到来する信号を強調または抑圧することができる。
2つのセンサ501、502は、辺ABに配置されることを限定されるものではなく、辺BC、辺CD、辺DAのいずれの辺に配置されても同じ効果が得られることは言うまでもない。
すなわち、本実施形態によれば、このようなセンサの配置により、端末装置500は、異なる複数の端末保持方向に対して、装置外の様々な方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
なお、図6に示すとおり、端末装置600の外周部610の形状が5角形の場合にも、外周部610のいずれかの辺内に、センサを結ぶ直線が装置のいずれの辺とも平行にならないように、2つのセンサ601、602を設ければ、上記と同様の効果が得られる。
また、図7に示すとおり、端末装置700の外周部710の形状が6角形の場合にも、外周部710のいずれかの辺内に、センサを結ぶ直線が装置のいずれの辺とも平行にならないように、2つのセンサ701、702を設ければ、上記と同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態のセンサ配置は、端末装置の外周部が7角形以上の場合にも同様に適用でき、同様の効果をえることができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態としての端末装置800について、図8を用いて説明する。端末装置800は、第2実施形態と比べると、補正部801と入力端子820を備えた点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
<補正部の動作>
補正部801は、入力端子820から受けた遅延情報を用いて、センサ201およびセンサ202から受けた信号に異なった遅延を与えることによって、遅延入力信号を生成する。さらに、遅延入力信号を信号処理部240に伝達する。センサ201から受けた信号およびセンサ202から受けた信号に与えられる遅延によって、信号処理部240において生成する指向性を、与えられた遅延に対応した角度に相当するだけ、右または左方向にシフトさせる。このような指向性のシフトは、ビームステアリングと呼ばれる。補正部801においてビームステアリングされた信号を信号処理部240で処理することによって、より正確な信号の強調または減衰を行うことができる。その理由を、図9を用いて説明する。
<補正部801が必要となる理由>
図9は、図2Bと同様に辺ABにセンサ201およびセンサ202を備えた端末装置800の上面図である。通常、端末装置800は、その表示面に直角な方向から目標信号が到来するという仮定のもとで使用される。この条件を満たすように、使用者が端末装置800を保持すると、端末装置800の辺ABに対する中点U0の正面に目標信号が存在するようになる。すなわち、目標音源の位置U1と中点U0を結ぶ直線U0U1は、辺ABと直角に交わる。ところが、センサ201およびセンサ202を結ぶ直線Lを辺ABに投影した線分の中点U2と辺ABの中点U0が一致しないために、中点U2と目標音源の位置U1を結ぶ直線U1U2は、辺ABと直角にならない。
辺ABが直線U1U2となす角度をΔ、辺ABと直角で端末装置800の前方(表示部のある面)に相当する方向を0とすると、端末装置800の正面にある目標信号源の信号到来方向は、−Δとなる。これを補正するために、補正部801はセンサ201およびセンサ202から受けた信号を+Δステアリングする。−Δ方向から到来する信号はセンサ201に先に到着し、センサ202にはそれより遅れて到着する。補正部801はセンサ202に到着した信号はそのまま、センサ201に到着した信号には遅延を与えて出力することで、信号処理部240に伝達する遅延入力信号が、センサ201およびセンサ202に同時に到着した信号に等しくなるようにする。このために必要な遅延時間または等価な位相差を、入力端子820に供給する。
また、入力端子820には遅延時間の代わりに端末装置800に関するサイズやセンサ201およびセンサ202の配置に関する情報を供給して、遅延時間を補正部801で求めることもできる。
<補正部801における遅延時間の計算>
線分U0U2の長さをd02、線分U0U1の長さをd01とすると、図10の抽出図から、補正部801が付加する遅延時間に相当する距離d03は、d03=d02sinΔであり、遅延時間はτ03は、τ03=(d02sinΔ)/cで与えられる。
<角度Δの推定>
線分U0U2の長さd02は、端末装置200の詳細が特定されれば求めることができる。また、信号到来方向(Direction of Arrival:DOA)に相当するΔは、センサ201およびセンサ202に到来した信号を用いて推定することができる。信号到来方向の推定法として様々なものが知られており、複数センサに到来する信号の位相差を利用した方法(例えば相互相関法、相互スペクトルパワー分析法、GCC−PHATなど)、MUSIC法に代表されるサブスペース法などが、非特許文献4に開示されている。角度Δを別の装置によって推定し、入力端子820に、線分U0U2の長さd02と共に供給してもよい。
<角度Δの近似計算>
辺ABが直線U1U2となす角度Δは、次のように、近似計算で求めることもできる。sinΔは、sin2Δ+con2Δ=1であるから、
Figure 2018042040

で与えられ、最終的に遅延時間はτ03は、
Figure 2018042040

となる。このうち、線分U0U2の長さd02は、端末装置200の詳細が特定されれば求めることができる。線分U0U1の長さd01が未知であるが、目標信号源のおよその位置がわかれば、近似値を得て用いることができる。例えば、端末装置200を両手で保持して利用するときに、利用者の声を目標信号としてとらえるならば、d01=0.5mとすることができる。すなわち、入力端子820には、線分U0U1の長さd01と線分U0U2の長さd02を供給する。
このようにして得られたτ03、またはその近似値を、センサ201に先に到着した信号に付加して遅延入力信号とすることで、ビームステアリングを実現する。センサ201およびセンサ202のいずれの信号を遅延させるかは、どちらの信号の位相が進んでいるかによって決まる。すなわち、負の遅延は付加できないので、遅延させる信号は常に、センサ201およびセンサ202の信号のうち、位相の進んでいる方の信号となる。
<補正部801における振幅と遅延の同時補正>
これまで、センサ201およびセンサ202のいずれかの信号を遅延させることによってビームステアリングを実現する方法について述べてきたが、補正部801は、遅延の付加と同時に、振幅の補正を行ってもよい。センサ201およびセンサ202の信号のうち、到着時間の遅い信号の方が大きな減衰を受けている。これは、信号源とセンサ間の距離が長いためである。これを補正するために、遅延を付加する信号には合わせて減衰も付加する。この減衰量は、遅延時間τ03または対応する距離d03、端末装置200を取り囲む媒質、ならびにセンサ201およびセンサ202に到着する信号の周波数帯域などによって決定され、あらかじめ知ることができる。遅延の付加と同時に減衰の付加を行い、位相と振幅の双方を補正することにより、より正確なビームステアリングを行うことができ、目標信号の強調または抑圧性能を向上させることができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態としての端末装置1100について、図11を用いて説明する。端末装置1100は、センサの設置位置を除いて第2実施形態と等しいので、その動作の詳細については説明を省略し、異なったセンサ位置によって生じる違いについてだけ説明する。端末装置1100は、第5実施形態(図6)と比べると、センサの設置位置が異なる。その他の構成および動作は、第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
正五角形の端末装置1100は、外周部1110よりも小さい表示部1120を含む。外周部1110は、隣接するいずれか2頂点にセンサ1101、1102を装備する。
端末装置1100の辺CDが水平かつ下辺となるように保持され、センサ1101およびセンサ1102の間隔(最短距離)がdであるとき、センサの水平間隔は、dcos(0.2π)となる。ただし、0.2πは辺CDとセンサ1101、1102を結ぶ直線Lとのなす角である。辺CDを含む水平面上において、辺CDと角度φをなす方向から到来する信号に対しては、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号の相対時間差τはcdcos(0.2π)sinφとなる。すなわち、辺CDを含む平面上のいずれかの位置から到来する信号に対しては、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号の相対時間差は(等価的に相対位相差も)、到来方向φに対応した値となる。したがって、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺CDを含む地平面または水平面に平行な平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
端末装置1100が水平面から左にα傾いて保持されている場合、水平面に沿ったセンサ1101およびセンサ1102の間隔は、dcos(0.2π+α)である。したがって、α=0.3πの場合を除いて、端末装置1100が傾いて保持されているときでも、上記の効果を奏する。次に、図12に示すように、辺BCが水平(下辺)となるように、端末装置1100を図11の状態から右に0.4π回転することを考える。このとき、センサ1101およびセンサ1102の水平間隔は、dsin(0.1π)=dcos(0.4π)となる。辺BCと角度φをなす水平面上の方向から到来する信号に対しては、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号の相対時間差τはcdsin(0.1π)sinφとなる。したがって、第2実施形態と同様に、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺CDを含む地平面または水平面に平行な平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
次に、端末装置1100が、図2Fと同様に、図12の状態から左にα傾いて保持されている場合を考える。このとき、水平面に沿ったセンサ1101およびセンサ1102の間隔は、dsin(0.1π+α)であり、α=−0.1πのときゼロとなる。このため、α=−0.1πの場合を除いて、端末装置1100が左にα傾いて保持されているときでも、到来する信号を強調または抑圧することができる。
同様に、端末装置1100を図12の状態からさらに右に0.4π回転して辺ABが水平(下辺)となるようにした場合、0.8π回転して辺EAが水平(下辺)となるようにした場合、図12の状態から左に0.4π回転して辺DCが水平(下辺)となるようにした場合、ならびに0.8π回転して辺EDが水平(下辺)となるようにした場合に関しても、図11および図12と同様の議論が成り立つ。すなわち、辺ABが水平(下辺)となる場合、辺EAが水平(下辺)となる場合、辺DCが水平(下辺)となる場合、辺EDが水平(下辺)となる場合のセンサ間隔はそれぞれ、d、dsin0.1π、dcos0.2π、およびdcos0.2πであり、いずれも非ゼロの値をとる。したがって、センサ1101およびセンサ1102に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、信号源が存在する水平面上の特定の方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、異なった複数の端末保持方向(辺CD、辺BC、辺AB、辺EA、辺DEのいずれかが下辺として水平になる5状態)に対して、この端末保持方向と平行な平面(辺CD、辺BC、辺AB、辺EA、辺DEのいずれかを含む平面)上の特定の方向から到来する信号を、2センサを用いて選択的に強調または抑圧することができる。
次に、第2実施形態の図2Dと同様に、辺CDを軸として平面Oを下方に角度δ1だけ回転した平面O1を考える。センサ1101およびセンサ1102の平面O1上の間隔は、dcos(0.2π)となる。したがって、センサ1101またはセンサ1102から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O1上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
次に、第2実施形態の図2Eと同様に、辺CDを含む水平面Oと平面O2が角δ2を成す場合、すなわち、水平面O2が水平面Oに対して左にδ2傾いた場合、センサ1101およびセンサ1102の平面O2上の間隔は、dcos(0.2π+δ2)となる。したがって、δ=0.3πの場合を除いて、センサ1101またはセンサ1102から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O2上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
これら2種類の平面O1,O2の例からわかるように、端末保持方向に対して平行でない平面上の特定の方向から到来する信号も、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
以上の説明をまとめると、本実施形態によれば、異なった複数の端末保持方向(辺CD、辺BC、辺AB、辺EA、辺DEのいずれかが水平になる状態)に対して、特定の平面(端末保持方向と平行な平面と非平行な平面)上の特定の方向から到来する信号を、2センサを用いて選択的に強調または抑圧することができる。
以上、頂点Aにセンサ1101が、頂点Bにセンサ1102が配置されている場合を例として説明してきたが、頂点Bと頂点Cのみにそれぞれ1つのセンサが配置された場合も同様の効果を奏する。頂点Cと頂点Dのみにそれぞれ1つのセンサが配置された場合も同様の効果を奏する。頂点Dと頂点Eのみにそれぞれ1つのセンサが配置された場合も同様の効果を奏する。頂点Eと頂点Aのみにそれぞれ1つのセンサが配置された場合も同様の効果を奏する。
このような構成とセンサの配置により、端末装置1100は、異なった複数の端末保持方向に対して、特定の平面上の特定の方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態としての端末装置1300について、図13および図14を用いて説明する。端末装置1300は、第5実施形態(図7)と比べると、センサの設置位置が異なる。その他の構成および動作は、第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
端末装置1300は、図13、図14に示すように、正六角形の外周部1310と、それよりも小さい表示部1320を含む。端末装置1300は、外周部1310の隣接するいずれかの2頂点にセンサ1301、1302を装備する。
辺ABが水平かつ上辺となるように端末装置1300が保持され、センサ1301およびセンサ1302の間隔(最短距離)がdであるとき、センサの水平間隔も、dとなる。辺ABと角度φをなす水平面上の方向から到来する信号に対しては、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号の相対時間差τはcdsinφとなる。すなわち、辺ABを含む水平面上の特定方向から到来する信号に対しては、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号の相対時間差は(等価的に相対位相差も)、到来方向φに対応した値となる。したがって、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺ABを含む水平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
端末装置1300が水平面から左にα傾いて保持されている場合、水平面に沿ったセンサ1301およびセンサ1302の間隔は、dcosαである。したがって、α=0.5πの場合を除いて、端末装置1300が傾いて保持されているときでも、上記効果を奏する。
次に、図14に示すように、辺FAが水平かつ上辺となるように、端末装置1300を図13の状態から右にπ/3回転することを考える。このとき、センサ1301およびセンサ1302の水平面に沿った間隔は、dsin(π/6)=dcos(π/3)となる。辺FAと角度φをなす水平面上の方向から到来する信号に対しては、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号の相対時間差τはcdsin(π/6)sinφとなる。したがって、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、辺FAを含む平面上の異なった方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
端末装置1300が水平面から左にα傾いて保持されている場合、センサ1301およびセンサ1302の水平間隔は、dsin(π/6+α)であり、α=−π/6のときゼロとなる。このため、α=−π/6の場合を除いて、端末装置1300が左にα傾いて保持されているときでも、到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
同様に、端末装置1300を図14の状態からさらに右にπ/3回転して辺EFが水平かつ上辺となるようにした場合、2π/3回転して辺DEが水平かつ上辺となるようにした場合、図13の状態から左にπ/3回転して辺EFが水平かつ下辺となるようにした場合、ならびに2π/3回転して辺FAが水平かつ下辺となるようにした場合に関しても、上述の効果を奏することができる。すなわち、辺EFが水平かつ上辺となる場合、辺DEが水平かつ上辺となる場合、辺EFが水平かつ下辺となる場合、辺FAが水平かつ下辺となる場合のセンサ間隔はそれぞれ、dcos(π/3)、d、dsin(π/6)、およびdcos(π/3)、であり、いずれも非ゼロの値をとる。したがって、センサ1301およびセンサ1302に入力される信号に、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、信号源が存在する水平面上の特定の方向から到来する信号を強調または抑圧することができる。
次に、図2Dと同様に、辺ABを軸として平面Oを下方に角度δ1だけ回転した平面O1を考える。センサ1301およびセンサ1302の平面O1上の間隔は、dcosδ1となる。したがって、δ=0.5πの場合を除いて、センサ1301またはセンサ1302から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O1上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。次に、第2実施形態の図2Eと同様に、辺ABを含み、水平面Oと平面O2が角δ2を成す場合、すなわち、平面O2が水平面Oに対して左にδ2傾いた場合、センサ1301およびセンサ1302の平面O2上の間隔は、dcosδ2となる。したがって、δ2=0.5πの場合を除いて、センサ1301またはセンサ1302から得られる信号は非ゼロの位相差(時間差)を持ち、平面O2上で方向φから到来する信号を、非特許文献1から3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
これら2種類の平面、O1、O2の例からわかるように、端末保持方向に対して平行でない平面上の特定の方向から到来する信号も、非特許文献1〜3や特許文献5および特許文献6に記載された技術などを適用して、強調または抑圧することができる。
以上の説明をまとめると、本実施形態によれば、異なった複数の端末保持方向(辺AB、辺BC、辺CD、辺DE、辺EFのいずれかが水平になる状態)に対して、特定の平面(端末保持方向と平行な平面と非平行な平面)上の特定の方向から到来する信号を、2センサを用いて選択的に強調または抑圧することができる。
このような構成とセンサの配置により、端末装置1300は、異なった複数の端末保持方向に対して、特定の平面上の特定の方向から到来する信号を2センサで選択的に強調または抑圧することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する信号処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置であって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置。
(付記2) 前記第1、第2センサは、前記端末装置の一つの角を挟む2辺を構成する外周部に、一つずつ配置された付記1に記載の端末装置。
(付記3)
前記第1、第2センサは、前記端末装置の対向する2辺を構成する外周部に、一つずつ配置された付記1に記載の端末装置。
(付記4)
前記第1、第2センサは、前記端末装置の対角を構成する外周部に、一つずつ配置された付記1に記載の端末装置。
(付記5)
前記第1、第2センサの双方が、前記端末装置の1辺を構成する外周部内に配置された付記1に記載の端末装置。
(付記6)
前記端末装置の外周辺は、4以上の角を有する付記1乃至5のいずれか1項に記載の端末装置。
(付記7)
前記端末装置は、表示画面を備えた4角形の平板形状である付記1乃至6のいずれか1項に記載の端末装置。
(付記8)
遅延情報を用いて、前記第1、第2センサから受けた信号に異なった遅延を与える補正部をさらに備えた付記1乃至7のいずれか1項に記載の端末装置。
(付記9)
信号入力手段として、第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御方法であって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する端末装置の制御方法。
(付記10)
信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御プログラムであって、
前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧するステップを端末装置に実行させる制御プログラム。
(付記11)
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置であって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置。
(付記12)
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御方法であって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御方法。
(付記13)
外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御プログラムであって、
信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御プログラム。

Claims (13)

  1. 信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置であって、
    前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置。
  2. 前記第1、第2センサは、前記端末装置の一つの角を挟む2辺を構成する外周部に、一つずつ配置された請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記第1、第2センサは、前記端末装置の対向する2辺を構成する外周部に、一つずつ配置された請求項1に記載の端末装置。
  4. 前記第1、第2センサは、前記端末装置の対角を構成する外周部に、一つずつ配置された請求項1に記載の端末装置。
  5. 前記第1、第2センサの双方が、前記端末装置の1辺を構成する外周部内に配置された請求項1に記載の端末装置。
  6. 前記端末装置の外周辺は、4以上の角を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の端末装置。
  7. 前記端末装置は、表示画面を備えた4角形の平板形状である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の端末装置。
  8. 遅延情報を用いて、前記第1、第2センサから受けた信号に異なった遅延を与える補正手段をさらに備えた請求項1乃至7のいずれか1項に記載の端末装置。
  9. 信号入力手段として、第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御方法であって、
    前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する端末装置の制御方法。
  10. 信号入力手段として、外周部に第1センサおよび第2センサの2つのみを備えた端末装置の制御プログラムであって、
    前記第1センサと前記第2センサとを結ぶ直線は、前記端末装置のいずれの外周辺とも平行ではなく、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧するステップを端末装置に実行させる制御プログラム。
  11. 外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置であって、
    信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理手段を備えた端末装置。
  12. 外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御方法であって、
    信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御方法。
  13. 外周辺が5角形以上の多角形に形成された端末装置の制御プログラムであって、
    信号入力手段として、外周部の隣り合う角に第1センサおよび第2センサの2つのみを備え、
    前記端末装置の外部から前記第1センサおよび前記第2センサに到達した信号の到達時間差を用いて、前記信号を強調または抑圧する信号処理ステップを含む端末装置の制御プログラム。
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