JP2018036170A - 結線方式検出装置および結線方式検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3線式の電路(三相電路や単相3線式電路)の結線方式を検出する。【解決手段】基準電位に対する各電路L1〜L3についての電圧波形V1〜V3を測定する検出プローブ2,3,4および波形測定部5と、各電圧波形V1〜V3の波形データDv1〜Dv3に基づいて各電路L1〜L3の電圧値を第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値として測定する電圧測定処理、第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値のうちの基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する電圧波形V1〜V3のうちの2つの波形間の位相角を測定する位相角測定処理、位相角が60°のときに結線方式がデルタ結線方式であると検出する第1検出処理、位相角が120°のときに結線方式がスター結線方式であると検出する第2検出処理、および位相角が180°のときに結線方式が単相3線結線方式であると検出する第3検出処理を実行する処理部6とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、3線式の3つの電路(三相電路や単相3線式電路)の結線方式を検出する結線方式検出装置および結線方式検出方法に関するものである。
この種の電路(例えば、三相電路)を検査対象とする装置としては、本願出願人が下記の特許文献1において開示したような装置(三相交流検査装置)が知られている。この装置では、波形整形回路が、R相波形、S相波形およびT相波形を所定の閾値とそれぞれ比較してアクティブのときのデューティ比が50%よりも小さく、かつ三相交流に欠相が発生していないときに互いのアクティブ期間がオーバーラップするディジタル信号を各相波形に同期させて出力し、遅延回路が1のディジタル信号を遅延させる。また、第1のフリップフロップ回路が、遅延した1のディジタル信号の非アクティブからアクティブへの遷移に同期して、1のディジタル信号に対して位相の進んでいる一方のディジタル信号のロジック状態を検出して出力し、第2のフリップフロップ回路が、1のディジタル信号の非アクティブからアクティブへの遷移に同期して、各ディジタル信号のうちの1のディジタル信号に対して位相の遅れている他方のディジタル信号のロジック状態を検出して出力し、クリア回路が各ディジタル信号のロジック状態がすべて非アクティブのときに各フリップフロップ回路に対してその出力信号を非アクティブにさせるクリア信号を出力する。この構成により、この装置によれば、各フリップフロップ回路の出力信号および反転出力信号の各ロジック状態に基づいて、デルタ結線された三相交流線路およびスター結線された三相交流線路についての相順および欠相を確実に検査(検出)することが可能となっている。
ところが、上記した装置(三相交流検査装置)には、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、上記のような3線式の電路について検査する作業者にとってこの電路の結線方式についても装置で自動的に検出可能となっていれば便利であるが、上記の装置には、結線方式を検出する機能がないため、不便であるという改善すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、3線式の電路(三相電路や単相3線式電路)の結線方式を検出し得る結線方式検出装置および結線方式検出方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の結線方式検出装置は、3線式の3つの電路の結線方式を検出する結線方式検出装置であって、基準電位に対する前記3つの電路についての電圧波形を第1波形、第2波形および第3波形として測定する波形測定部と、前記測定した第1波形、第2波形および第3波形に基づいて前記3つの電路の電圧値をそれぞれ第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値として測定する電圧測定部と、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する前記第1波形、前記第2波形および前記第3波形のうちの2つの波形間の位相角を測定する位相角測定部と、前記位相角が60°のときに前記結線方式がデルタ結線方式であると検出する第1検出処理、前記位相角が120°のときに前記結線方式がスター結線方式であると検出する第2検出処理、および前記位相角が180°のときに前記結線方式が単相3線結線方式であると検出する第3検出処理のうちの少なくとも1つの検出処理を実行する処理部とを備えている。
また、請求項2記載の結線方式検出装置は、請求項1記載の結線方式検出装置において、前記処理部は、前記第1検出処理、前記第2検出処理および前記第3検出処理を実行する。
また、請求項3記載の結線方式検出装置は、請求項1または2記載の結線方式検出装置において、前記処理部は、前記位相角が120°のときであって、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記互いに同等の2つの電圧値以外の1つの電圧値が当該2つの電圧値と異なるときに、前記3つの電路のうちの当該1つの電圧値に対応する電路が欠相していると検出する第4検出処理を実行する。
また、請求項4記載の結線方式検出方法は、3線式の3つの電路の結線方式を検出する結線方式検出方法であって、基準電位に対する前記3つの電路についての電圧波形を第1波形、第2波形および第3波形として測定する波形測定処理と、前記測定した第1波形、第2波形および第3波形に基づいて前記3つの電路の電圧値をそれぞれ第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値として測定する電圧測定処理と、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する前記第1波形、前記第2波形および前記第3波形のうちの2つの波形間の位相角を測定する位相角測定処理と、前記位相角が60°のときに前記結線方式がデルタ結線方式であると検出する第1検出処理、前記位相角が120°のときに前記結線方式がスター結線方式であると検出する第2検出処理、および前記位相角が180°のときに前記結線方式が単相3線結線方式であると検出する第3検出処理のうちの少なくとも1つの検出処理とを実行する。
また、請求項5記載の結線方式検出方法は、請求項4記載の結線方式検出方法において、前記第1検出処理、前記第2検出処理および前記第3検出処理を実行する。
また、請求項6記載の結線方式検出方法は、請求項4または5記載の結線方式検出方法において、前記位相角が120°のときであって、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記互いに同等の2つの電圧値以外の1つの電圧値が当該2つの電圧値と異なるときに、前記3つの電路のうちの当該1つの電圧値に対応する電路が欠相していると検出する第4検出処理を実行する。
請求項1記載の結線方式検出装置および請求項3記載の結線方式検出方法によれば、三相電路や単相3線式電路などの3線式の電路の結線方式を確実に検出することができる。特に、この結線方式検出装置によれば、3線式の電路の結線方式を自動的に検出することができるため、このような電路についての検査や工事を行う作業者にとってとても便利である。
請求項2記載の結線方式検出装置および請求項4記載の結線方式検出方法によれば、第1検出処理、第2検出処理および第3検出処理を実行するため、3線式の電路が、デルタ結線方式、スター結線方式および単相3線式の結線方式のうちのいずれの結線方式の電路であっても、その結線方式を確実に検出することができる。
請求項3記載の結線方式検出装置および請求項5記載の結線方式検出方法によれば、第4検出処理を実行するため、3線式の電路が、これらの電路のうちの1つにのみ異常が生じている(欠相が生じている)スター結線方式であることを確実に検出することができる。
以下、結線方式検出装置および結線方式検出方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、結線方式検出装置の構成について、図面を参照して説明する。
結線方式検出装置の一例である図1に示す結線方式検出装置1は、3つの検出プローブ2,3,4、波形測定部5、処理部6および出力部7を備え、3線式の電路L1,L2,L3の結線方式を検出する。この場合、各電路L1,L2,L3は、予め規定された一定周波数の正弦波電圧(例えば、商用交流電圧など)が供給される電路である。また、検出する各電路L1,L2,L3の結線方式としては、図2に示すデルタ結線方式(S相である電路L2が後述のグランドGに接地された状態でのデルタ結線方式)、図3に示すスター結線方式(中性点がグランドGに接地された状態でのスター結線方式)、および図4に示す単相3線式の結線方式(中性線としての電路L3がグランドGに接地された状態での単相3線式の結線方式)のうちのいずれかであるものとする。なお、このスター結線方式の3線式の電路L1,L2,L3には、図示はしないが、この3線式の電路L1,L2,L3と共に、中性点に接続された中性線で構成される三相4線式の電路も含まれるものとする。
各検出プローブ2,3,4は、それぞれ、電路L1,L2,L3に1つずつ取り付けられて、取り付けられた電路の電圧波形(電路L1の第1波形としての電圧波形V1,電路L2の第2波形としての電圧波形V2,電路L3の第3波形としての電圧波形V3)を基準電位(本例ではグランドGの電位)を基準としてリアルタイムで検出して出力する。この場合、検出プローブ2は、電路に取り付けられた状態において、その不図示の検出電極がこの電路における不図示の導体部(例えば、電路の芯線)と電気的に接触することで、この導体部に生じている電圧波形を出力する構成であってもよいし、この検出電極が電路のこの導体部とは電気的に接触せずに電路の絶縁被覆などを介して容量結合することで、この導体部に生じている電圧波形を出力する構成であってもよい。他の検出プローブ3,4についても、検出プローブ2と同様に構成されている。
波形測定部5は、例えば、アンプおよびA/D変換器(いずれも図示せず)を備えて構成されて、各検出プローブ2,3,4から出力される電圧波形V1,V2,V3を入力すると共に一定の周期でサンプリングすることにより、電圧波形V1を示す波形データDv1、電圧波形V2を示す波形データDv2および電圧波形V3を示す波形データDv3に変換して処理部6に出力する。なお、上記の各検出プローブ2,3,4による各電圧波形V1,V2,V3の検出処理、およびこの波形測定部5による各波形データDv1,Dv2,Dv3への変換処理をまとめて、各電圧波形V1,V2,V3の波形測定処理というものとする。
処理部6は、例えば、記憶部を備えたコンピュータ(いずれも図示せず)を備えて構成されて、電圧測定処理、位相角測定処理、第1検出処理、第2検出処理、第3検出処理、第4検出処理および出力処理を実行する。電圧測定処理では、処理部6は、電圧波形V1,V2,V3に基づいて(具体的には、電圧波形V1,V2,V3を示す波形データDv1,Dv2,Dv3に基づいて)、3つの電路L1,L2,L3の電圧値を第1電圧値V1a、第2電圧値V2aおよび第3電圧値V3aとして測定する。また、位相角測定処理では、処理部6は、各電圧値V1a,V2a,V3aのうちの基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する電圧波形V1,V2,V3のうちの2つの波形(電圧波形)間の位相角θを測定する。なお、2つの電圧波形間の位相角θの測定においては、例えば、各電圧波形についての同種のゼロクロス点(例えば、一方の電圧波形について立ち上がりゼロクロス点とするときには、他方の電圧波形についても同種の立ち上がりゼロクロス点とする)間の時間t1を計測すると共に電圧波形の1周期t2を計測し(電圧波形の周期t2が既知であればそれを使用し)、360°×t1/t2の式から位相角θを測定するなど、種々の公知の測定方法を採用することができる。
また、処理部6は、第1検出処理、第2検出処理、第3検出処理および第4検出処理については、位相角θを測定し得たときに実行する。この場合、第1検出処理では、処理部6は、位相角θが60°のときに3つの電路L1,L2,L3の結線方式がデルタ結線方式であると検出する。また、第2検出処理では、処理部6は、位相角θが120°のときに3つの電路L1,L2,L3の結線方式がスター結線方式であると検出する。また、第3検出処理では、処理部6は、位相角θが180°のときに3つの電路L1,L2,L3の結線方式が単相3線結線方式であると検出する。また、第4検出処理では、処理部6は、位相角θが120°のときであって、各電圧値V1a,V2a,V3aのうちの互いに同等の2つの電圧値以外の1つの電圧値がこの2つの電圧値と異なるときに、3つの電路L1,L2,L3の結線方式がスター結線方式であり、かつ3つの電路L1,L2,L3のうちのこの1つの電圧値に対応する電路が欠相していると検出する。
出力部7は、一例として、LCDなどのディスプレイ装置で構成されて、処理部6から出力された結線方式の検出結果を画面に表示する。なお、出力部7は、ディスプレイ装置に代えて、種々のインターフェース回路で構成してもよく、例えば、メディアインターフェース回路としてリムーバブルメディアに検出結果を記憶させたり、ネットワークインターフェース回路としてネットワーク経由で外部装置に検出結果を伝送させたりする構成を採用することもできる。
次に、結線方式検出装置1の動作を、結線方式検出方法と併せて図面を参照して説明する。なお、図1に示すように、一例として、検出プローブ2は電路L1に、検出プローブ3は電路L2に、検出プローブ4は電路L3にそれぞれ取り付けられているものとする。
この状態において、結線方式検出装置1では、まず、検出プローブ2が電路L1の電圧波形V1を検出して波形測定部5に出力し、検出プローブ3が電路L2の電圧波形V2を検出して波形測定部5に出力し、検出プローブ4が電路L3の電圧波形V3を検出して波形測定部5に出力する。
次いで、波形測定部5が、各検出プローブ2,3,4から出力される電圧波形V1,V2,V3を入力すると共に、電圧波形V1を示す波形データDv1、電圧波形V2を示す波形データDv2および電圧波形V3を示す波形データDv3に変換して処理部6に出力する。
続いて、処理部6は、電圧測定処理を実行する。これにより、処理部6は、電圧測定部として機能して、波形データDv1に基づいて電路L1についての第1電圧値V1aを測定し、波形データDv2に基づいて電路L2についての第2電圧値V2aを測定し、波形データDv3に基づいて電路L3についての第3電圧値V3aを測定する。この場合、処理部6は、各電圧値V1a,V2a,V3aとして、電圧波形V1,V2,V3についての実効値、平均値(半周期分の平均値)および最大値のいずれかを測定する。
次いで、処理部6は、位相角測定処理を実行する。これにより、処理部6は、位相角測定部として機能して、各電圧値V1a,V2a,V3aのうちの基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する電圧波形V1,V2,V3のうちの2つの波形(電圧波形)間の位相角θを測定する。
具体的には、各電路L1,L2,L3の結線方式が図2に示すデルタ結線方式であり、かついずれの電路L1,L2,L3も正常なとき(欠相していないとき)には、電圧値V2aは基準電位となり、2つの電圧値V1a,V3aは互いに同等の電圧値となる。このため、処理部6は、電圧波形V1,V2,V3のうちのこの2つの電圧値V1a,V3aに対応する電圧波形V1,V3間の位相角θを測定する。この場合、デルタ結線方式であるため、処理部6は位相角θを60°と測定する。
また、各電路L1,L2,L3の結線方式が図3に示すスター結線方式であり、かついずれの電路L1,L2,L3も正常なとき(欠相していないとき)には、各電圧値V1a,V2a,V3aはいずれも互いに同等の電圧値となる。このため、処理部6は、各電圧値V1a,V2a,V3aのうちの任意の2つの電圧値に対応する電圧波形間の位相角θ(本例では一例として、電圧値V1a,V2aに対応する電圧波形V1,V2間の位相角)を測定する。この場合、スター結線方式であるため、処理部6は位相角θを120°と測定する。
また、各電路L1,L2,L3の結線方式が図4に示す単相3線式の結線方式であり、かついずれの電路L1,L2,L3も正常なとき(欠相していないとき)には、電圧値V3aは基準電位となり、2つの電圧値V1a,V2aは互いに同等の電圧値となる。このため、処理部6は、電圧波形V1,V2,V3のうちのこの2つの電圧値V1a,V2aに対応する電圧波形V1,V2間の位相角θを測定する。この場合、単相3線式の結線方式であるため、処理部6は位相角θを180°と測定する。
続いて、処理部6は、第1検出処理、第2検出処理および第3検出処理を実行する。この第1検出処理では、処理部6は、位相角測定処理で測定した位相角θが60°のときには上記したように3つの電路L1,L2,L3の結線方式がデルタ結線方式とみなせるため、各電路L1,L2,L3の結線方式はデルタ結線方式であると検出する。また、この第2検出処理では、処理部6は、位相角測定処理で測定した位相角θが120°のときには上記したように3つの電路L1,L2,L3の結線方式がスター結線方式とみなせるため、各電路L1,L2,L3の結線方式はスター結線方式であると検出する。また、この第3検出処理では、処理部6は、位相角測定処理で測定した位相角θが180°のときには上記したように3つの電路L1,L2,L3の結線方式が単相3線式の結線方式とみなせるため、各電路L1,L2,L3の結線方式は単相3線式の結線方式であると検出する。
また、処理部6は、第1検出処理、第2検出処理および第3検出処理を実行する構成として、この3つの検出処理を常にすべて実行する構成を採用することもできるが、この構成に代えて、第1検出処理、第2検出処理および第3検出処理のうちの最初に実行する検出処理において結線方式を検出できないときにのみ2番目に実行する検出処理を実行し、この2番目の検出処理において結線方式を検出できないときにのみ3番目に実行する検出処理を実行する構成を採用することもできる。また、電路L1,L2,L3の結線方式が、デルタ結線方式、スター結線方式および単相3線式の結線方式のうちのいずれか2つのどちらか(デルタ結線方式およびスター結線方式のどちらか、スター結線方式および単相3線式の結線方式のどちらか、またはデルタ結線方式および単相3線式の結線方式のどちらか)であるときには、この2つを検出し得る2つの検出処理だけを実行する構成を採用することもできる。
また、3つの電路L1,L2,L3の結線方式がスター結線方式のときには、電路L1,L2,L3がすべて正常なとき(欠相していないとき)の各電圧波形V1,V2,V3は、図5において実線で示すように、各電圧値V1a,V2a,V3aがすべて同等(V1a=V2a=V3a)で、かつ互いの位相角θが120°であるのに対して、3つの電路L1,L2,L3のうちのいずれか1つが異常なとき(欠相しているとき)には、この異常な1つの電路についての電圧波形の電圧値が、他の正常な2つの電路についての電圧波形の電圧値よりも小さくなり、かつこの異常な1つの電路についての電圧波形と他の正常な2つの電路についての電圧波形との間の位相角θが120°とは異なる角度となる。具体例を挙げて説明すると、電路L3のみが異常なときには、図5において破線で示すように、電路L3には、他の2つの電路L1,L2の各電圧波形V1,V2の影響を受けて、各電圧値V1a,V2aよりも小さい電圧値の誘導電圧波形V3inが発生する。また、この誘導電圧波形V3inは、各電圧波形V1,V2の影響を受けたものであるため、電圧波形V1,V2間の位相角θ(=120°)の間に現れる。
したがって、処理部6は、電路L1,L2,L3の結線方式がスター結線方式であって、かつ1つの電路のみが異常となったときの上記の2つの特徴点(異常な1つの電路についての電圧波形の電圧値が、他の正常な2つの電路についての電圧波形の電圧値よりも小さくなるという電圧値に関する特徴点と、異常な1つの電路についての電圧波形(誘導電圧波形)が、他の正常な2つの電路についての電圧波形間の位相角θの間に現れるという位相角に関する特徴点)のうちのいずれかを利用して、電路L1,L2,L3が、1つの電路に異常が生じた(欠相が生じた)状態のスター結線方式であると検出することもできる。この場合、電路L1,L2,L3の各電圧値V1a,V2a,V3aについては、電圧測定処理において既に測定が行われている。このことから、上記の電圧に関する特徴点を利用した検出処理を採用するのが好ましい。
具体的には、処理部6は、この検出処理として第4検出処理を実行する。この第4検出処理では、処理部6は、位相角測定処理で測定した位相角θが120°のときであって、各電圧値V1a,V2a,V3aのうちの互いに同等の2つの電圧値(例えば図5に示すように電路L3が異常なときには、互いに同等の2つの電圧値V1a,V2a)以外の1つの電圧値(異常が生じている電路L3に生じる誘導電圧波形V3inの電圧値V3a)がこの2つの電圧値V1a,V2aと異なるときに、3つの電路L1,L2,L3のうちのこの1つの電圧値V3aに対応する電路L3が欠相していると検出する。
最後に、処理部6は、出力処理を実行して、上記の検出処理(第1検出処理〜第3検出処理)において検出した検出結果を出力部7に出力する。本例では、出力部7は、ディスプレイ装置で構成されているため、処理部6から出力された結線方式の検出結果を画面に表示する。この場合、処理部6は、図示はしないが、検出結果がデルタ結線方式のときには、デルタ結線方式を示す記号(例えば「Δ」)および文字(「デルタ})のうちの少なくとも一方を表示させる。また、処理部6は、図示はしないが、検出結果がスター結線方式のときには、スター結線方式を示す記号(例えば「Y」)および文字(「スター)のうちの少なくとも一方を表示させる。また、処理部6は、図示はしないが、検出結果が単相3線式の結線方式のときには、単相3線式の結線方式を示す文字(例えば「1P3W」)を表示させる。また、処理部6は、上記の結線方式の検出結果の表示に際して、各電路L1,L2,L3が正常である旨についても併せて表示させることもできる。
一方、処理部6は、上記の第4検出処理を実行して検出結果がスター結線方式であることを検出したときには、出力処理において、スター結線方式を示す記号(例えば「Y」)および文字(「スター)のうちの少なくとも一方を表示させると共に、異常が生じている電路を示す情報(例えば電路を示す記号)を出力部7の画面に表示させる。
このように、この結線方式検出装置1および結線方式検出方法によれば、三相電路や単相3線式電路などの3線式の電路L1,L2,L3の結線方式を確実に検出することができる。特に、この結線方式検出装置1によれば、3線式の電路L1,L2,L3の結線方式を自動的に検出することができるため、このような電路についての検査や工事を行う作業者にとってとても便利である。
また、この結線方式検出装置1および結線方式検出方法によれば、上記の第1検出処理、第2検出処理および第3検出処理を実行する構成を採用することにより、3線式の電路L1,L2,L3が、デルタ結線方式、スター結線方式および単相3線式の結線方式のうちのいずれの結線方式の電路であっても、その結線方式を確実に検出することができる。
また、この結線方式検出装置1および結線方式検出方法によれば、第4検出処理を実行する構成を採用することにより、3線式の電路L1,L2,L3が、これらの電路L1,L2,L3のうちの1つにのみ異常が生じている(欠相が生じている)スター結線方式であることを確実に検出することができる。
なお、上記の結線方式検出装置1では、処理部6が、電圧測定部および位相角測定部としても機能する構成を採用しているが、電圧測定部を処理部6とは別体に配設したり、電圧測定部および位相角測定部を処理部6とは別体に配設したりする構成を採用することもできる。また、上記した3線式の電路L1,L2,L3についての結線方式を検出する機能については、上記したような専用の結線方式検出装置1として実現することもできるし、電路L1,L2,L3についての位相を検出する位相検出装置(検相装置)に組み込んだり、電路L1,L2,L3についての電力や波形を観測する観測装置に組み込んだりすることもできる。
1 結線方式検出装置
2,3,4 検出プローブ
5 波形測定部
6 処理部
L1,L2,L3 電路
V1,V2,V3 電圧波形
2,3,4 検出プローブ
5 波形測定部
6 処理部
L1,L2,L3 電路
V1,V2,V3 電圧波形
Claims (6)
- 3線式の3つの電路の結線方式を検出する結線方式検出装置であって、
基準電位に対する前記3つの電路についての電圧波形を第1波形、第2波形および第3波形として測定する波形測定部と、
前記測定した第1波形、第2波形および第3波形に基づいて前記3つの電路の電圧値をそれぞれ第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値として測定する電圧測定部と、
前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する前記第1波形、前記第2波形および前記第3波形のうちの2つの波形間の位相角を測定する位相角測定部と、
前記位相角が60°のときに前記結線方式がデルタ結線方式であると検出する第1検出処理、前記位相角が120°のときに前記結線方式がスター結線方式であると検出する第2検出処理、および前記位相角が180°のときに前記結線方式が単相3線結線方式であると検出する第3検出処理のうちの少なくとも1つの検出処理を実行する処理部とを備えている結線方式検出装置。 - 前記処理部は、前記第1検出処理、前記第2検出処理および前記第3検出処理を実行する請求項1記載の結線方式検出装置。
- 前記処理部は、前記位相角が120°のときであって、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記互いに同等の2つの電圧値以外の1つの電圧値が当該2つの電圧値と異なるときに、前記3つの電路のうちの当該1つの電圧値に対応する電路が欠相していると検出する第4検出処理を実行する請求項1または2記載の結線方式検出装置。
- 3線式の3つの電路の結線方式を検出する結線方式検出方法であって、
基準電位に対する前記3つの電路についての電圧波形を第1波形、第2波形および第3波形として測定する波形測定処理と、
前記測定した第1波形、第2波形および第3波形に基づいて前記3つの電路の電圧値をそれぞれ第1電圧値、第2電圧値および第3電圧値として測定する電圧測定処理と、
前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記基準電位と異なり、かつ互いに同等の2つの電圧値に対応する前記第1波形、前記第2波形および前記第3波形のうちの2つの波形間の位相角を測定する位相角測定処理と、
前記位相角が60°のときに前記結線方式がデルタ結線方式であると検出する第1検出処理、前記位相角が120°のときに前記結線方式がスター結線方式であると検出する第2検出処理、および前記位相角が180°のときに前記結線方式が単相3線結線方式であると検出する第3検出処理のうちの少なくとも1つの検出処理とを実行する結線方式検出方法。 - 前記第1検出処理、前記第2検出処理および前記第3検出処理を実行する請求項4記載の結線方式検出方法。
- 前記位相角が120°のときであって、前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値のうちの前記互いに同等の2つの電圧値以外の1つの電圧値が当該2つの電圧値と異なるときに、前記3つの電路のうちの当該1つの電圧値に対応する電路が欠相していると検出する第4検出処理を実行する請求項4または5記載の結線方式検出方法。
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