JP2018032667A - プラズマエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能であると共に、高品質なパターンを形成可能な、プラズマエッチング方法を提供する。
【解決手段】本発明のプラズマエッチング方法は、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である、フッ素非含有臭素化合物のガスに対して、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンのガスを添加し、被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマエッチング方法に関するものであり、特に、シリコン酸化膜を選択的にプラズマエッチング可能なプラズマエッチング方法に関するものである。
半導体デバイスの製造においては、被処理体上に形成された薄膜を微細加工するにあたり、所定の処理ガス、酸素、及び希ガスの存在下でプラズマエッチングを行うことがある。かかる薄膜は、例えば、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜等のシリコン化合物膜や、アモルファスカーボンや、フォトレジスト組成物などにより形成されうる、炭素を主成分とする有機膜や、多結晶シリコン膜やアモルファスシリコン等により形成されうる、無機物を主成分とする無機膜でありうる。これらの複数種の薄膜の中のうちの一つをエッチング加工対象とし、他の薄膜を非加工対象とする場合には、同じ被処理体上に形成された非加工対象に対して、加工対象を選択的にエッチングする必要がある。即ち、エッチング時の選択性を高める必要がある。
そこで、従来、被処理体である基板上に設けられたシリコン酸化膜を選択的にエッチングするためのプラズマエッチング方法が提案されてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1には、少なくとも一つ以上の不飽和結合及び/又はエーテル結合を有し、且つ、臭素原子を有する、炭素数3又は4のフルオロカーボンを含有するプラズマエッチングガスを用いたプラズマエッチング方法が開示されている。また、特許文献2には、シリコン酸化膜層をエッチングするために通常用いられる、F2、SF6、CF4、CHF3のようなフッ素原子を有する化合物のガスを主エッチングガスとして用い、C25Br、CH3Br、CH2Br2、CHBr3、及びC24Br2のうちの何れか一つとその他のガスを混合したガス用いてシリコン酸化膜層をエッチングするプラズマエッチング方法が開示されている。
国際公開第2012/124726号 特開平9−306895号公報
近年、半導体デバイスの製造にあたり、エッチングにより形成される構造の高精度化に対する要求が高まっている。エッチングにより形成される構造を高精度化するためには、エッチング時の選択性を高めることが重要である。しかし、特許文献1及び2に開示されたプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜のエッチング選択比及び得られるパターン形状の品質に改善の余地があった。特に、従来、シリコン酸化膜のエッチングに一般的に用いられてきたフッ素原子を有する化合物のガスは、堆積物を生じやすいため、エッチング工程にて被処理体上に堆積物を堆積させて被処理体上のパターン中のホールを閉塞させてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能であり、高品質なパターンを形成可能な、プラズマエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、プラズマエッチングに際して、処理容器内に供給する処理ガスのうちの所定割合以上を占める主ガスとして、臭素原子数/炭素原子数の比率が特定範囲内である、フッ素非含有臭素化合物のガスを用いると共に、主ガスに添加して用いる添加ガスとして所定容量のフルオロカーボンガスを用いることで、ホールの閉塞を効果的に抑制可能であると共にシリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜を有する被処理体をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法であって、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である、フッ素非含有臭素化合物のガスに対して、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンのガスを添加し、前記被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程を含むことを特徴とする。臭素原子数/炭素原子数の比率が上記特定範囲内であるフッ素非含有臭素化合物のガスを主ガスとし、フルオロカーボンのガスを添加ガスとして用いたエッチング工程によれば、ホールの閉塞を効果的に抑制可能であると共にシリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。
ここで、本発明において「フルオロカーボンのガスの容量比」は、フッ素非含有臭素化合物のガスの容量を1とした場合の、フルオロカーボンのガスの容量の比率をいう。そして、両ガスの容量は、エッチング工程における処理容器内への両ガスの導入速度に相当する値である。換言すると、「フルオロカーボンのガスの容量比」とは、エッチング工程において処理容器内にフルオロカーボンのガスをフッ素非含有臭素化合物のガスの何倍の導入速度で導入するかを表す値でありうる。
ここで、本発明において「選択的に」エッチングするとは、エッチング選択比が1.5以上であることを意味する。
なお、本明細書において、「エッチング選択比」とは、単位時間当たりの加工対象のエッチング深さを、非加工対象のエッチング深さで除して得られる値である。具体的には、「シリコン酸化膜の非加工対象に対するエッチング選択比」は、単位時間当たりのシリコン酸化膜のエッチング深さを、非加工対象のエッチング深さで除して得られた値である。ここで、非加工対象とは、例えば、シリコン窒化膜、無機膜、又は有機膜でありうる。
ここで、本発明のプラズマエッチング方法は、前記フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が1以上10以下であることが好ましい。フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が上記所定範囲内であれば、シリコン酸化膜のエッチング選択比を一層向上させるとともに、エッチング工程を迅速化することができるからである。
また、本発明のプラズマエッチング方法は、前記フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が5未満であることが好ましい。フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が5未満であれば、シリコン酸化膜のエッチング選択比を一層向上させることができるからである。
また、本発明のプラズマエッチング方法は、前記フッ素非含有臭素化合物の沸点が、50℃以下であることが好ましい。フッ素非含有臭素化合物の沸点が、50℃以下であれば、プラズマエッチング装置及び配管等への負荷が小さく、さらに、プラズマエッチング処理を効率化することができるからである。
また、本発明のプラズマエッチング方法は、前記フッ素非含有臭素化合物が水素原子を含むことが好ましい。フッ素非含有臭素化合物が水素原子を含んでいれば、シリコン酸化膜のエッチング選択比を一層向上させることができるからである。
また、本発明のプラズマエッチング方法は、前記容量比を「CR」、前記フルオロカーボン中の炭素原子数を「CFC」、前記フルオロカーボン中のフッ素原子数を「F」、及び前記フッ素非含有臭素化合物中の炭素原子数を「CBrC」、とした場合に、0.05≦(F×CR)/(CFC×CR+CBrC×1)≦0.6を満たす、エッチング工程を含むことが好ましい。かかる条件を満たすエッチング工程によれば、シリコン酸化膜のエッチング選択比を一層向上させうる。
本発明によれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチング可能であり、高品質なパターンを形成可能な、プラズマエッチング方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明のプラズマエッチング方法は、半導体デバイスの製造プロセスにおいて用いられうる。さらに、本発明のプラズマエッチング方法は、シリコン酸化膜を有する被処理体をプラズマエッチング可能なプラズマエッチング方法である。被処理体は、プラズマエッチングで加工可能な対象物であれば特に限定されることなく、あらゆる対象物でありうる。被処理体としては、例えば、ガラス基板、シリコン単結晶ウエハー、ガリウム−砒素基板が挙げられる。そして、例えば、被処理体としてシリコン単結晶ウエハーを用いた場合には、被処理体上には、必要に応じて、例えば、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、有機膜、及び/又は、無機膜が形成されている。
なお、本明細書において、「シリコン窒化膜」とは、Si(SiN)、SiCN、SiBCN等の窒素原子を含有するシリコン化合物により形成される膜のことをいう。さらに、本明細書において、「シリコン酸化膜」とは、SiО、SiOC、SiOCH等の酸素原子を含有するシリコン化合物により形成される膜のことをいう。さらにまた、本明細書において、「有機膜」 とは、炭素を主成分とする膜をいう。「炭素を主成分とする」とは膜を形成する材料に含まれる炭素の割合が50質量%超であることをいい、具体的にはアモルファスカーボン等の炭素系材料や、フォトレジスト組成物などにより形成される膜(以下、レジスト膜とも称する)のことをいう。なお、フォトレジスト組成物としては、KrFレジスト組成物、ArFレジスト組成物、及びX線レジスト組成物等が挙げられる。さらに、本発明において、「無機膜」とは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜以外の、無機物を主成分とする膜であり、膜を形成する材料の50%超が無機物である膜をいい、具体的には、多結晶シリコン膜、及びアモルファスシリコン膜等が挙げられる。
また、本発明のプラズマエッチング方法において、「エッチング」とは、半導体デバイスの製造プロセスなどで用いられる被処理体に、極めて高集積化された微細パターンを食刻する技術をいう。また、「プラズマエッチング」とは、処理ガスに高周波の電場を印加してグロー放電を起こし、処理ガスを化学的に活性なイオン、電子、中性種に分離させて、これらの活性種とエッチング対象材料との化学的反応及び物理的衝突による反応を利用してエッチングを行う技術をいう。
(プラズマエッチング方法)
本発明のプラズマエッチング方法は、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である、フッ素非含有臭素化合物のガスに対して、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンガスを添加し、被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程を含む。かかる本発明のプラズマエッチング方法は、従来、シリコン酸化膜を選択的にエッチングするための処理ガス中の所定割合以上を占める主ガスとして汎用されてきたフルオロカーボンガスを、処理ガス中に含有されうる主ガス以外のガスである添加ガスとして用いる。その上で、本発明のプラズマエッチング方法では、処理ガスとして、これらを上記特定の容量比で混合して用いる。このような処理ガスを用いたエッチング工程によれば、フルオロカーボンガスを主ガスとして用いていた従来のエッチング工程により生じていたホール閉塞の問題を回避するとともに、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができる。
ここで、本発明を完成するにあたり、まず、本発明者は、プラズマエッチングガスとして臭素化合物のガスを使用した場合に、Br原子の数がC原子の数の0.4倍未満であれば、シリコン酸化膜だけでなく、マスクとして使用しうるレジスト膜等の非加工対象もエッチングしてしまい、シリコン酸化膜を選択的にエッチングすることができないことを見出した。さらに、本発明者が検討を重ねたところ、臭素化合物のガスにフッ素原子が含まれていると、シリコン酸化膜以外の非加工対象もエッチングされ易くなることがあり、シリコン酸化膜を選択的にエッチングすることができない虞があることが判明した。さらにまた、本発明者は、臭素化合物のガスに含まれるBr原子の数がC原子の数の1.0倍超となると、プラズマエッチング用のガスとして適さないことも見出した。このようにして、本発明者はこれらの知見に基づいて、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下であるフッ素非含有臭素化合物のガスが、シリコン酸化膜を選択的に加工するためのプラズマエッチングガスとして好適に使用しうることを見出した。さらに、本発明者は検討を進め、かかる所定のフッ素非含有臭素化合物のガスの容量を1とした場合に、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンガスを添加して被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングすることで、シリコン酸化膜を選択的かつ迅速に加工することができることを見出した。さらに、本発明者は、かかる容量比でフルオロカーボンガスを主ガスに対して添加してエッチング工程を実施すれば、フルオロカーボンガスに起因してエッチング中に生じた堆積物によりホールが閉塞されることを抑制しうることも新たに見出し、本発明を完成させた。
[主ガスに対する添加ガスの容量比]
ここで、本発明のプラズマエッチング方法において、主ガスとしてのフッ素非含有臭素化合物のガスに対する添加ガスとしてのフルオロカーボンガスの容量比は、フッ素非含有臭素化合物のガスの容量を1とした場合に、0超0.5以下である必要があり、0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.38以下であることが好ましい。主ガスに対する添加ガスの容量比が上記下限値以上であれば、シリコン酸化膜をより選択的に加工することができるからである。また、主ガスに対する添加ガスの容量比が上記上限値以下であれば、ホールの閉塞を抑制することができる。なお、主ガス及び/又は添加ガスとして複数種のガスを混合して用いる場合であっても、混合ガスでありうる主ガス及び添加ガスの間の容量比が上記範囲内であればよい。
[主ガス及び添加ガス中の全フッ素量と全炭素量の比率(理論値)]
さらに、主ガス(フッ素非含有臭素化合物のガス)に対する添加ガス(フルオロカーボンのガス)の容量比を「CR」、フルオロカーボン中の炭素原子数を「CFC」、フルオロカーボン中のフッ素原子数を「F」、及びフッ素非含有臭素化合物中の炭素原子数を「CBrC」、とした場合に、0.05≦(F×CR)/(CFC×CR+CBrC×1)≦0.6を満たすことが好ましい。主ガス及び添加ガス中に含有されうるC原子及びF原子の理論値の比率が上記範囲内であれば、シリコン酸化膜のエッチング選択比を顕著に向上させうる。
[フッ素非含有臭素化合物]
上記条件を満たすフッ素非含有臭素化合物としては、例えば、炭素‐臭素結合を有する有機臭素化合物が挙げられ、具体的には、一般式C25Brにより表されうるブロモエタン、一般式C23Brで表されうる臭化ビニル、及び一般式CH3Brで表される臭化メチルが挙げられる。
また、本発明のプラズマエッチング方法において、フッ素非含有臭素化合物の沸点が、50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。フッ素非含有臭素化合物の沸点が50℃以下であれば、フッ素非含有臭素化合物のガスをプラズマエッチング装置に導入する際、配管等内での液化を防ぎ、液化に起因する障害の発生を回避することができるため、プラズマエッチング処理を効率化することができる。
さらに、本発明のプラズマエッチング方法において、プラズマエッチングガスは、上述したフッ素非含有臭素化合物が、更に水素原子を含むことが好ましい。より具体的には、フッ素非含有臭素化合物が炭素-水素結合を含み、プラズマ条件下にてCHα(αは整数)のラジカルやイオンなどの活性種を生じうることが好ましい。これらの活性種は、シリコン酸化膜以外の膜との反応性が比較的低く、シリコン酸化膜を一層選択的にエッチングすることが可能となるからである。
[フルオロカーボンガス]
フルオロカーボンガスとしては、特に限定されることなく、既知のあらゆるフルオロカーボンガスを使用することができる。ここで、本明細書において、フルオロカーボンガスは臭素を含まないフルオロカーボンガスである。すなわち、フルオロカーボンガスは炭素原子、フッ素原子、及び水素原子に加えて、臭素原子以外の原子を含むことがある。好ましくは、フルオロカーボンガスは、炭素原子、フッ素原子、及び水素原子からなる。
さらに、プラズマエッチング方法において、添加ガスを構成するフルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率(以下、「F/C比」とも称する)が1以上10以下であることが好ましい。フルオロカーボン中のF/C比が上記下限値以上であれば、シリコン酸化膜のエッチング速度を向上させることができる。また、フルオロカーボン中のF/C比が上記上限値以下であれば、エッチング工程にてFラジカルが過剰に発生し、シリコン酸化膜が過度にエッチングされることを抑制することができる。
かかる比率を満たすフルオロカーボンとしては、例えば、一般式CH22、CHF3、CH3F、C2HF5、C224、C233、CF4、C24、C38、C46、C58、及びC48で表されうる各種化合物が挙げられる。これらは、一種単独で又は複数種混合して用いることができる。また、これらの各種化合物は、上記一般式で表される限りにおいて全ての異性体を含みうる。中でも、フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が1.5以上であることがより好ましく、5未満であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。更に好ましくは、上述した中でも、CH22、CHF3、C46、及びCF4が好ましく、これらの異性体の中でも、ジフルオロメタン(CH22)、ヘキサフルオロ‐1,3‐ブタジエン(C46)、及びテトラフルオロメタン(CF4)が好ましい。なかでも、特に、フルオロカーボンの炭素数が少ない場合、エッチング工程に用いた場合に、脱離種の形成が容易であると共に脱離種の分子量が小さく被処理体上に堆積物を形成しにくくなり、エッチング効率を向上させうる。
さらに、本発明のプラズマエッチング方法は、上述したような特定の主ガス及び添加ガスを用いたエッチング工程に先立って、処理容器内に被処理体を載置する準備工程を含みうる。以下、本発明のプラズマエッチング方法に含まれうる各工程について詳述する。
<準備工程>
準備工程では、まず、被処理体を、プラズマエッチング装置に備えられるドライエッチングチャンバー(すなわち、処理容器)内に載置し、処理容器内を脱気して真空にする。なお、本発明のプラズマエッチング方法は、特に限定されることなく、一般的なプラズマエッチング装置を用いて実施することができる。なかでも、反応性イオンエッチング(RIE)装置を用いることが好ましい。RIE装置としては、ヘリコン波方式プラズマエッチング装置、高周波誘導方式プラズマエッチング装置、平行平板型プラズマエッチング装置、マグネトロン方式プラズマエッチング装置、又はマイクロ波方式プラズマエッチング装置等が挙げられる。本発明においては、平行平板型プラズマエッチング装置、高周波誘導方式プラズマエッチング装置、及びマイクロ波方式プラズマエッチング装置が好適に使用されうる。高密度領域のプラズマを容易に発生させることができるからである。
さらに、準備工程において、被処理体の温度を、例えば、−50℃以上、より好ましくは−20℃以上、さらに好ましくは−10℃以上、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは100℃以下に調節しても良い。なお、被処理体の温度は、例えば、ヘリウムガスなどの冷却ガス及び冷却装置を用いて制御することができる。そこへ、上述したフッ素非含有臭素化合物のガス及びフルオロカーボンガス等の処理ガス、並びに、任意で、酸素ガス、及び希ガスを、所定の速度及び圧力となるように導入する。特に、フッ素非含有臭素化合物のガス及びフルオロカーボンガスの導入速度は、処理ガス中における各種ガスの容量比に比例させて決定すればよい。そして、処理容器内に処理ガスを供給している間、処理容器内の圧力は、通常、0.0013Pa以上1300Pa以下、好ましくは、0.13Pa以上5Pa以下の範囲に保持する。
任意でフッ素非含有臭素化合物のガス及びフルオロカーボンガス等の処理ガスと共に処理容器内に供給可能な、希ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、クリプトンガス、及びキセノンガスからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでも、希ガスとしてはアルゴンガスを好適に使用することができる。処理ガスに対して希ガスや酸素ガスを混合して用いることにより、エッチング速度を必要に応じて調節することができる。処理ガスに希ガスを混合して用いる場合、希ガスの混合割合は、上述したフッ素非含有臭素化合物のガス及びフルオロカーボンガス等の処理ガス100体積部に対して、通常、20000体積部以下、好ましくは15000体積部以下である。また、処理ガスに酸素ガスを混合して用いる場合、酸素ガスの混合割合は、上述した処理ガス100体積部に対して、通常、1体積部以上、好ましくは30体積部以上、通常5000体積部以下、好ましくは、200体積部以下である。
なお、フッ素非含有臭素化合物のガス及びフルオロカーボンガス、並びに任意でこれらのガスと併用可能な、希ガス、及び酸素ガス等の各ガスは、通常、それぞれ独立して、ボンベ等の容器に充填されて運搬され、プラズマエッチング装置に接続、設置される。そして、ボンベ等のバルブを開くことにより、各ガスが、プラズマの作用を受ける処理容器内に所定割合で導入され、各ガスにプラズマが作用し、エッチング工程等にてエッチングを進行させることができる。
<エッチング工程>
エッチング工程は、処理容器内に供給されたガス由来のプラズマにより、被処理体上のシリコン酸化膜を非加工対象に対して選択的にプラズマエッチングする工程である。かかる選択的なエッチングは、上述したような、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下であるフッ素非含有臭素化合物のガスを主ガスとし、フルオロカーボンガスを
添加ガスとして所定割合で添加して用いることによって実現することができる。非加工対象は、例えば、レジスト組成物により形成された有機膜(レジスト膜)でありうる。レジスト組成物は、特に限定されることなく、例えば、フッ素含有樹脂組成物、及びフッ素非含有の(メタ)アクリル酸系樹脂組成物でありうる。特に、エッチング工程におけるシリコン酸化膜のレジスト膜に対するエッチング選択比は、1.5以上であることが必要であり、2.5以上であることがより好ましく、3.5以上であることが更に好ましい。
なお、プラズマエッチングの効果をより良好に発現させる観点から、高密度プラズマ雰囲気下でエッチング工程を行うのが望ましい。エッチング工程におけるプラズマ密度は、特に限定されることなく、好ましくは1012/cm3以上、より好ましくは1012/cm3以上1013/cm3以下である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において使用した被処理体、プラズマエッチング装置、プラズマエッチング条件、及び主ガス及び添加ガス中に含有される全フッ素量と全炭素量の比率は、それぞれ、以下の通りであった。また、実施例および比較例におけるエッチング選択比及びパターン形状は以下のようにして算出及び評価した。
<被処理体>
まず、膜厚約1.5μmのシリコン酸化膜を有する8インチシリコン基板を用意した。かかる基板上にレジスト組成物(炭素含有割合が50質量%超のフッ素含有樹脂組成物)を塗布し、レジスト膜を形成した。得られたレジスト膜付き基板を、所定のホールパターンを画定するマスクパターンを介して露光装置により露光した。その後、ポスト露光ベーク工程及び現像工程を経て、所定のホールパターンを有する膜厚約500nmのレジスト膜を形成し、被処理体を得た。
<エッチング装置>
プラズマエッチング装置としては、平行平板型プラズマプラズマエッチング装置を使用した。平行平板型プラズマエッチング装置は、エッチングチャンバー(処理容器)内に、上部電極と、下部電極とを有し、上部電極の下面と下部電極の上面との間隔は35mmであった。平行平板型プラズマ発生装置の上部電極の周波数は60MHzであり、下部電極の周波数は2MHzであった。
<プラズマエッチング条件>
エッチング工程は、上部電極の電力を450W、下部電極の電力を450Wとし、処理容器内圧力を4.0Pa(約30mTorr)で一定にして行った。温度条件は、上部電極の温度が80℃、処理容器側壁部の温度が60℃、そして、下部電極の温度が20℃となるようにした。被処理体の温度は、下部電極の温度と同じ20℃であった。また、実施例、比較例にてプラズマエッチングの時間は全て120秒間とした。
<主ガス及び添加ガス中における全F/全C比(理論値)>
主ガスの容量を1とした場合の添加ガスの容量比を「CR」、添加ガス組成式中の炭素原子数を「CFC」、添加ガス組成式中のフッ素原子数を「F」、及び主ガス組成式中の炭素原子数を「CBrC」、とした場合に、下式(II)に従って、主ガス及び添加ガス中における全F/全C比(理論値)を算出した。
全F/全C比(理論値)=(F×CR)/(CFC×CR+CBrC×1)・・・(II)
<エッチング速度及び選択比>
実施例、比較例において、各被処理体上のレジスト膜部分及びシリコン酸化膜部分の各厚みを、エッチング前後にそれぞれエリプソメーターで測定し、その測定値からエッチング速度を算出した。なお、実施例、比較例では、エッチング時間は全て120秒間としたため、エッチング前の厚みからエッチング後の厚みを差し引いて得られた値を2で除し、エッチング速度の値(nm/分)を算出した。そして、得られた速度から、以下の式(I)に従ってエッチング選択比を算出した。
レジスト膜に対するシリコン酸化膜のエッチング選択比=(SiO膜のエッチング速度/レジスト膜のエッチング速度)・・・(I)
<パターン形状>
エッチング工程を経た被処理体を、走査型電子顕微鏡観察した。被処理体表面で、レジスト膜の消失が生じているか否か、及び、ホールの閉塞が生じているか否かを目視観察し、以下の基準に従って評価した。
[レジスト膜の消失]
レジスト膜の消失「無」:初期レジスト膜厚のうち5%以上のレジスト膜が残存
レジスト膜の消失「有」:初期レジスト膜厚のうち95%超が消失
[ホールの閉塞]
ホールの閉塞「無」:ホールパターンに含まれる全ホールが閉塞していない
ホールの閉塞「有」:ホールパターンに含まれる全ホールが閉塞
(実施例1)
まず、準備工程において、処理容器内に被処理体を配置し、処理容器内を真空とした。そして、処理容器内にブロモエタン(CBr、臭素原子数/炭素原子数=0.5、沸点38℃)ガスを65sccmの速度で、テトラフルオロメタン(CF4、フッ素原子数/炭素原子数=4)ガスを15sccmの速度で、酸素ガスを50sccmの速度で、アルゴンガスを250sccmの速度で導入し、上述したプラズマエッチング条件下でエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及びエッチング選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(実施例2〜3)
テトラフルオロメタン(CF4、フッ素原子数/炭素原子数=4)ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(実施例4〜6)
添加ガスとして、テトラフルオロメタン(CF4)ガスに代えてジフルオロメタン(CH22、フッ素原子数/炭素原子数=2)ガスを、それぞれ表1に示す速度で導入した以外は実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(実施例7〜8)
添加ガスとして、テトラフルオロメタン(CF4)ガスに代えてヘキサフルオロ‐1,3‐ブタジエン(C46、フッ素原子数/炭素原子数=1.5)ガスを、それぞれ表1に示す速度で導入した。さらに、酸素の導入速度を表1に示す通りに変更した。これらの点以外は実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
添加ガスとして、テトラフルオロメタン(CF4)ガスを導入しなかった以外は実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例2〜3)
テトラフルオロメタン(CF4、フッ素原子数/炭素原子数=4)ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例4〜5)
ジフルオロメタン(CH22、フッ素原子数/炭素原子数=2)ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は、実施例4と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例6)
ヘキサフルオロ‐1,3‐ブタジエン(C46、フッ素原子数/炭素原子数=1.5)ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は、実施例7と同様にしてエッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例7)
主ガスを供給せず、添加ガスであるジフルオロメタン(CH22)ガスの導入速度を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
(比較例8)
主ガスであるブロモエタンガスに代えて2‐ブロモ‐1‐プロペン(CBr、臭素原子数/炭素原子数=0.3、沸点48℃)ガスを用いた以外は実施例1と同様にして、エッチング工程を行った。得られた被処理体について、上述の方法に従ってエッチング速度及び選択比を算出し、パターン形状を評価した結果を表1に示す。
Figure 2018032667
表1から、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である、フッ素非含有臭素化合物のガス対して、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンガスを添加し、基板をエッチングした実施例1〜8では、エッチング選択比が高く、また、パターンが良好であったことがわかる。
一方、臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4〜1.0の範囲外のフッ素非含有臭素化合物のガスを主ガスとして用いて基板をエッチングした比較例8の場合、ホールの閉塞が生じており、高品質なパターンを形成することができなかったことが分かる。
また、フルオロカーボンガスを用いなかった比較例1では、レジスト膜よりはシリコン酸化膜が優先的にエッチングされるものの、両エッチング速度の差が小さく、エッチング選択比を十分に高めることができないことが分かる。
さらに、フルオロカーボンガスの容量比が0.5超である比較例2〜6では、ホールの閉塞が生じエッチングが進行しなかったことが分かる。
さらにまた、主ガスとしてフッ素非含有臭素化合物のガスを用いなかった比較例7では、レジスト膜が消失するとともに、ホールの閉塞が生じたため、シリコン酸化膜を選択的にエッチングできず、高品質なパターンも得られなかったことが分かる。
本発明によれば、シリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができ、高品質なパターンを形成可能である。

Claims (6)

  1. シリコン酸化膜を有する被処理体をプラズマエッチングするプラズマエッチング方法であって、
    臭素原子数/炭素原子数の比率が0.4以上1.0以下である、フッ素非含有臭素化合物のガスに対して、容量比が0超0.5以下となるようにフルオロカーボンのガスを添加し、前記被処理体上のシリコン酸化膜をプラズマエッチングするエッチング工程を含む、
    プラズマエッチング方法。
  2. 前記フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が1以上10以下である、請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
  3. 前記フルオロカーボンのフッ素原子数/炭素原子数の比率が5未満である、請求項2に記載のプラズマエッチング方法。
  4. 前記フッ素非含有臭素化合物の沸点が、50℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。
  5. 前記フッ素非含有臭素化合物が水素原子を含む、請求項1〜4の何れかに記載のプラズマエッチング方法。
  6. 前記容量比を「CR」、
    前記フルオロカーボン中の炭素原子数を「CFC」、
    前記フルオロカーボン中のフッ素原子数を「F」、及び
    前記フッ素非含有臭素化合物中の炭素原子数を「CBrC」、
    とした場合に、0.05≦(F×CR)/(CFC×CR+CBrC×1)≦0.6を満たす、エッチング工程を含む、請求項1〜5の何れかに記載のプラズマエッチング方法。

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