JP2018032345A - 計算装置および計算方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図2においては、各交差点が頂点v1〜v4に対応付けられ、各交差点を結ぶ道路が辺e1〜e6に対応付けられている。ここで、辺(edge)は一方通行であり、双方向の道路は2つの辺に対応付けられる。ある頂点(vertex)から見て、車両が出てゆく方向の辺(edge)を、「出力辺(outgoing edge)」と呼び、車両が流入する方向の辺を「入力辺(incoming edge)」と呼ぶ。例えば、図2において、頂点v2から見ると、辺e1は入力辺であり、辺e2は出力辺になる。逆に、頂点v1から見ると、辺e1は出力辺であり、辺e2は入力辺になる。
図3においてグラフG全体は12個の頂点v1〜v12を有しており、これらが4個ずつ、3つのパーティションPT1〜PT3に割り当てられている。そして、パーティションPT1〜PT3は、3台のワーカWK1〜WK3に、それぞれ割り当てられる。パーティショニングは、処理速度/効率性を大きく左右するため、如何なる手法を採るが重要になる。既存のパーティショニング方法、例えば非特許文献4に開示されている方法は、パーティションの大きさ(含まれる頂点の数)をなるべく均等にし、パーティション間をまたぐ辺(edge)数をなるべく少なくすることを目指すものであった。これにより、複数のワーカの処理時間のばらつきを小さくでき、ワーカ間の通信量も最小化できるためである。このような手法をPBM(Partitioning for Balancing workload while Minimizing Inter-partition edges)と呼ぶこととする。
請求項1記載の計算装置にあっては、並列して計算処理を行う複数のワーカと、複数の前記ワーカの中の処理単位である複数の頂点と、前記ワーカとを管理するマスタ装置とを有する計算装置であって、前記マスタ装置は、複数の前記ワーカに対する複数の前記頂点の配置を、再配置を行う際にランダムに再配置した場合よりも転送するデータ量が少ない手法によって決定するパーティショニング部を有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1に記載の計算装置において、前記手法は、コンシステントハッシュ法であることを特徴とする。
次に、図5を参照し、本発明の一実施形態による分散処理システムSの構成を説明する。
分散処理システムSは、マスタ装置10と、並列して計算処理を行うP台のサーバ20−1〜20−Pと、これらを接続するネットワーク30と、を有している。
マスタ装置10およびサーバ20−1〜20−Pは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、HDDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。図5において、マスタ装置10の内部は、RAMに展開されたアプリケーションプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
サブパーティション・テーブル104は、サブパーティションSPT1〜SPTmの各々に対して、次のデータを記憶する。
(1)サブパーティションID、
(2)サブパーティション・ハッシュ
(3)複数の頂点ID
ここで、「サブパーティションID」とは、サブパーティションSPT1〜SPTmを一意に特定する番号である。
(1)ワーカID
(2)ワーカ・ハッシュ
(3)一または複数のサブパーティションID
ここで、「ワーカID」とは、ワーカすなわちサーバ20−1〜20−Pを一意に特定する番号であり、サブパーティションIDとは重複しない値に設定される。
(サブパーティション・テーブル104の設定)
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、分散処理システムSで行うべき処理内容に応じて、頂点・辺テーブル102には、頂点v1〜vnおよびこれらを結ぶ辺(edge)が特定されていることとする。サブパーティション生成部106は、これら頂点v1〜vnをサブパーティションSPT1〜SPTmに割り当てる。その手法は、上述したPBMを適用する。すなわち、各サブパーティションSPT1〜SPTmの大きさ(含まれる頂点の数)をなるべく均等にするとともに、サブパーティションをまたぐ辺をなるべく少なくするように(好ましくは最小化するように)、割当を行う。
サブパーティション・テーブル104が完成すると、パーティショニング部110は、ワーカであるサーバ20−1〜20−Pに対してワーカ・ハッシュを生成し、サブパーティションSPT1〜SPTmをサーバ20−1〜20−Pにパーティショニングする。そして、パーティショニング部110は、ワーカID、ワーカ・ハッシュおよび一または複数のサブパーティションIDをワーカ・テーブル108に書き込む。
サーバ20−1〜20−Pにおいて分散処理を実行中にサーバ20−1〜20−Pの構成が変更されると(例えばサーバの数が増加または減少すると)、パーティショニング部110は、変更後のサーバ20−1〜20−Pに応じて、ワーカ・テーブル108を再設定する。そして、ワーカ制御部112は、再設定されたワーカ・テーブル108の内容を、構成変更後のサーバ20−1〜20−Pに反映させる。
次に、図6(a)〜(d)を参照し、本実施形態の具体的な動作例を説明する。まず図6(a)は、分散処理システムSにおいて処理される複数の頂点v1〜vnを示す。なお、各頂点v1〜vnを結ぶ辺(edge)については、図示を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、コンシステントハッシュ法によってサブパーティションSPT1〜SPTmをワーカ(サーバ20−1〜20−P)にマッピングしたため、ワーカの構成を変更する際に、サブパーティションSPT1〜SPTmおよびこれらに含まれる頂点v1〜vnを移動するための処理量および通信量を小さくすることができ、分散処理システムSの処理負担を軽減できる。この結果、特に、分散処理の実行中に、ワーカの追加/削除が生じた際、分散処理の中断時間を短くできるという利点が生じる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置換することも可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
20−1〜20−P サーバ(ワーカ)
30 ネットワーク
104 サブパーティション・テーブル
106 サブパーティション生成部
108 ワーカ・テーブル
110 パーティショニング部
112 ワーカ制御部
S 分散処理システム(計算装置)
SPT1〜SPTm サブパーティション
v1〜vn 頂点
Claims (5)
- 並列して計算処理を行う複数のワーカと、
複数の前記ワーカの中の処理単位である複数の頂点と、前記ワーカとを管理するマスタ装置と
を有する計算装置であって、
前記マスタ装置は、複数の前記ワーカに対する複数の前記頂点の配置を、再配置を行う際にランダムに再配置した場合よりも転送するデータ量が少ない手法によって決定するパーティショニング部を有する
ことを特徴とする計算装置。 - 前記手法は、コンシステントハッシュ法であることを特徴とする請求項1に記載の計算装置。
- 前記マスタ装置は、複数の前記頂点を複数のサブパーティションの何れかに割り当てるサブパーティション生成部をさらに有し、
前記パーティショニング部は、前記サブパーティションを単位として、複数の前記ワーカに対する複数の前記頂点の配置を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の計算装置。 - 前記サブパーティション生成部は、複数の前記サブパーティションに各々含まれる前記頂点の数を均等にし、複数の前記サブパーティション間をまたぐ辺数を最小化するように、複数の前記頂点の各々を複数の前記サブパーティションのうち何れかに割り当てる
ことを特徴とする請求項3に記載の計算装置。 - 並列して計算処理を行う複数のワーカと、
複数の前記ワーカの中の処理単位である複数の頂点と、前記ワーカとを管理するマスタ装置と
を有する計算装置が行う計算方法であって、
前記マスタ装置が、複数の前記ワーカに対する複数の前記頂点の配置を、再配置を行う際にランダムに再配置した場合よりも転送するデータ量が少ない手法によって決定する
ことを特徴とする計算方法。
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