JP2018030849A - 化合物を投与するための局所用製剤 - Google Patents

化合物を投与するための局所用製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚ループスなどの皮膚障害の治療に有効な新規局所用製剤の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩或いは溶媒和物を投与するための局所用製剤。亦、皮膚膠原血管病、例えば皮膚ループスなどの皮膚障害の治療に局所用製剤を使用するための方法。
Figure 2018030849

【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年12月8日に出願された米国仮特許出願第61/568,443号明細書および2012年3月9日に出願された米国仮特許出願第61/609,129号明細書の早期出願日の利益を主張するものであり、これらの仮特許は、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
分野
本開示は、化合物、その局所用製剤、ならびに皮膚膠原血管病、例えば皮膚ループス障害などの皮膚障害の治療において、化合物および/またはその局所用製剤を使用する方法に関する。
背景
JAKキナーゼ(JAnusキナーゼ)は、JAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2を含む細胞質タンパク質チロシンキナーゼのファミリーである。複数のJAKキナーゼが、特定のサイトカインまたはシグナル伝達経路により影響を受けることがあるが、JAKキナーゼのそれぞれは、特定のサイトカインの受容体に選択的である。研究により、JAK3が種々のサイトカイン受容体の共通のガンマ(c)鎖と会合することが示唆されている。JAK3は、受容体に特に選択的に結合し、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、およびIL−21に対するサイトカインシグナル伝達経路の一部になっている。JAK1は、特に、サイトカインIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、およびIL−21に対する受容体と相互作用し、一方JAK2は、特に、IL−9およびTNF−αに対する受容体と相互作用する。特定のサイトカインがその受容体(例えば、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、およびIL−21)に結合すると、受容体のオリゴマー化が生じ、会合したJAKキナーゼの細胞質側末端が近接するようになり、JAKキナーゼ上のチロシン残基のトランスリン酸化が促進される。このトランスリン酸化は、JAKキナーゼの活性化をもたらす。
リン酸化されたJAKキナーゼは、種々のSTAT(シグナル伝達性転写因子)タンパク質に結合する。チロシン残基のリン酸化により活性化されるDNA結合タンパク質であるSTATタンパク質は、シグナル伝達分子と転写因子の両方として機能し、最終的には、サイトカイン応答遺伝子のプロモーター中に存在する特異的DNA配列に結合する。JAK/STATシグナル伝達は、アレルギー、喘息、自己免疫疾患(移植(同種移植)拒絶、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、全身性エリテマトーデス、および多発性硬化症など)、眼の障害および疾患など、多くの異常な免疫応答の媒介に、ならびに固形悪性腫瘍および血液系悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫など)に関与している。
結合組織障害は、多種多様の臓器に影響を及ぼす一群の疾患であり、時として膠原血管病と呼ばれる。このクラスの疾患としては、多くの別個の炎症性障害、例えば、血管炎、円板状エリテマトーデス(DLE:discoid lupus erythematosus)、全身性エリテマトーデス(SLE)、進行性全身性硬化症、多発性筋炎/皮膚筋炎、リウマチ性多発性筋痛、結節性多発動脈炎、およびヴェグナー肉芽腫症が挙げられる。これらは、診断、予後、および治療の目的のために臨床的に相互に区別される別個の疾患である。
エリテマトーデスは、全身性障害と皮膚障害の両方を含む、総括的カテゴリーの疾患である。この疾患の全身型は、皮膚症状および全身性症状を有し得る。しかしながら、全身性の併発がなく、皮膚のみの疾患型もある。例えば、SLEは、女性に主に生じる、病因不明の炎症性障害であり、関節症状、蝶形紅斑、再発性胸膜炎、心膜炎、全身性腺症、脾腫、ならびにCNS併発および進行性腎不全を特徴とする。ほとんどの患者(98%超)の血清は、抗DNA抗体を含む抗核抗体を含有する。高力価の抗DNA抗体は、本質的にSLEに特有である。この疾患の従来の治療は、コルチコステロイドまたは免疫抑制剤を投与することである。
3つの型の皮膚ループス、すなわち、慢性皮膚ループス(円板状エリテマトーデスまたはDLEとしても知られる)、亜急性皮膚ループス、および急性皮膚ループスがある。DLEは、紅斑、毛孔性角栓、鱗屑、毛細血管拡張症、および萎縮を示す、境界の明瞭なしみおよび斑を伴った、主に皮膚を冒し外観を損なう慢性障害である。この病態は、多くの場合、日光曝露によって誘発され、初期の病変は、直径が5〜10mmで毛孔性角栓を示す、紅斑性の円形落屑性丘疹である。DLE病変は、頬、鼻、頭皮、および耳に最もよく出現するが、体幹上半部、四肢伸側、および口腔粘膜にわたって全身性であることもある。治療せずに放置すると、中心の病変が萎縮し、瘢痕を残す。SLEと異なり、二本鎖DNA(例えば、DNA結合試験)に対する抗体は、DLEではほぼ例外なく存在しない。
従来のDLE治療には、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロン、フルランドレノロン、吉草酸ベタメタゾン、またはジプロピオン酸ベタメタゾンなどの局所用コルチコステロイド軟膏またはクリームが含まれている。抵抗性のある班には、皮内コルチコステロイドを注入することができる。しかしながら、コルチコステロイドそれ自体を長期間使用すると、皮膚の萎縮、線条、皮膚の挫傷および裂傷が起こりやすくなること、皮膚炎、毛細血管拡張症、および感染症への易罹患性の増大などの深刻な副作用がもたらされることがある。他の有望なDLE治療には、ピメクロリムスクリームまたはタクロリムス軟膏などのカルシニューリン阻害剤が含まれる。特に抵抗性がある症例は、ヒドロキシクロロキン(PLAQUENIL)などの全身用抗マラリア薬で治療することができる。しかしながら、この薬物には、ウシ眼状網膜症を伴う深刻な網膜毒性のリスクがある。薬物を中止した後でも、視力喪失が継続することがあり、網膜障害を回復させる医学療法は見出されていない。
DLEは、現行の治療法が不十分であると分かっている、外観を損なう疾患である。急性型および亜急性型などの他の皮膚型ループスにも治療が必要とされている。
特定の開示実施形態は、治療有効量の化合物I(下記)
Figure 2018030849
またはその薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩またはベシル酸塩を含む、典型的には局所投与のために製剤化された医薬製剤に関する。製剤の特定の実施形態は、治療有効量の化合物、局所用基剤、抗酸化剤、および皮膚軟化剤を含む。化合物の治療有効量は変動し得るものであるが、通常は、0.1%〜10%(w/w)であることは、当業者ならば認識するであろう。
局所用基剤は、選択した分子量を有するポリエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態は、局所用基剤として分子量3000〜8000ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
特定の実施形態では、製剤は軟膏であり、平均分子量200ダルトン〜600ダルトンのポリアルキレングリコールなどの水混和性溶媒をさらに含むことができる。特定の実施形態では、水混和性溶媒は、PEG−400、さらに具体的には、不純物を実質的に含まないPEG−400を含む。特定の実施形態では、PEG−400は、65ppm未満のホルムアルデヒド、10ppm未満のホルムアルデヒド、または1ppm以下のホルムアルデヒドを含む。一態様では、水混和性溶媒はグリコフロールを含み、これは、低分子量ポリアルキレングリコール、具体的にはPEG−400などのポリエチレングリコールの代わりに、またはそれと組み合わせて使用することができる。
医薬製剤にはまた、浸透促進剤、例えば、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、およびそれらの組合せ;皮膚軟化剤、例えば、水;界面活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ステアリン酸グリコール/PEG32ステアレート/PEG6ステアレートを含む組成物、および界面活性剤の組合せ;抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、およびそれらの組合せ、また特定の実施形態では、抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンを含む;ならびに着色剤、例えば、0.05%〜0.25%(w/w)のカラメル着色剤が含まれる。
特定の実施形態の場合、治療有効量は、0.1%〜10%(w/w)であり、医薬製剤は、15%〜40%(w/w)の局所用基剤、例えば、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリアルキレングリコール;25%〜50%(w/w)の水混和性溶媒、例えば、平均分子量300〜500ダルトンのポリアルキレングリコール;10%〜20%(w/w)の浸透促進剤、例えば、ジメチルイソソルビド;3%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤、例えば、水;3%〜9%(w/w)の界面活性剤、例えば、ポリエチレングリコールモノステアレート;および抗酸化剤としての0.5%〜1.5%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエンをさらに含む。医薬製剤は、0.05%〜0.25%の着色剤、例えば、カラメル着色剤をさらに含むことができる。
特定の実施形態の場合、治療有効量は、0.1%〜10%(w/w)であり、医薬製剤は、15%〜25%(w/w)の局所用基剤、例えば、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリアルキレングリコール;40%〜50%(w/w)の水混和性溶媒、例えば、平均分子量300〜500ダルトンのポリアルキレングリコール;10%〜20%(w/w)の浸透促進剤、例えば、ジメチルイソソルビド;5%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤、例えば、水;3%〜7%(w/w)の界面活性剤、例えば、ポリエチレングリコールモノステアレート;および抗酸化剤としての0.5%〜1.5%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエンをさらに含む。医薬製剤は、0.05%〜0.25%の着色剤、例えば、カラメル着色剤をさらに含むことができる。
他の開示実施形態では、医薬製剤は、0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;30%〜40%または25%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;30%〜40%または30%〜45%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;3%〜5%(w/w)の水;5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメル着色剤を含む。
医薬製剤の別の実施形態は、0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;20%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;43%〜48.8%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;10%(w/w)の水;5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;および1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエンを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、1%(w/w)の化合物I、25%〜40%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および30%〜45%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、3%(w/w)の化合物I、32%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および38%〜42%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、6%(w/w)の化合物I、35%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および33%〜35%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、1%(w/w)の化合物I;20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール;および48%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、3%(w/w)の化合物I;20%(w/w)の、平均分子量500ダルトンのポリエチレングリコール;および46%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、6%(w/w)の化合物I;20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール;および43%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;32%(w/w)のポリエチレングリコール4500ダルトン;39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメル着色剤を含む。
医薬製剤のさらに別の実施形態は、6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメル着色剤を含む。
医薬製剤はまた、治療有効量の追加または後続の活性薬剤または薬剤を含むことができることは、当業者ならば認識するであろう。医薬製剤の特定の開示実施形態は、局所用コルチコステロイドなど、皮膚ループスの治療に適した、治療有効量の追加または後続の薬剤を含む。
医薬製剤が、他の薬剤、例えば、芳香剤、吸収剤、収れん剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、皮膜形成剤、コンディショニング剤、乳白剤、保護剤、またはそれらの任意の組合せを含むことができることは、当業者ならば認識するであろう。
特定の実施形態は、皮膚ループスを治療するための方法に関する。例えば、この方法は、医薬製剤の開示実施形態を対象に局所投与することを含むことができる。特定の実施形態の場合、この方法は、皮膚ループス病変を有する対象を同定することを含む。医薬製剤の1つまたは複数の開示実施形態は、対象の皮膚ループス病変に局所的に適用される。開示する方法は、医薬製剤の開示実施形態のいずれか1つを使用することを企図する。特定の開示実施形態では、この方法は、3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;32%(w/w)のポリエチレングリコール4500;39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および0.05%のカラメル着色剤を含む医薬製剤を使用することを含むことができる。他の特定の開示実施形態では、この方法は、6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および0.05%のカラメル着色剤を含む医薬製剤を使用することを含むことができる。
[本発明1001]
局所投与のための医薬製剤であって、
治療有効量の式
[化1]
Figure 2018030849
の化合物またはその薬学的に許容される塩;
局所用基剤;
抗酸化剤;
皮膚軟化剤;および
浸透促進剤
を含む医薬製剤。
[本発明1002]
前記治療有効量が約0.1%〜約10%(w/w)である、本発明1001の医薬製剤。
[本発明1003]
前記製剤が軟膏である、本発明1001または1002の医薬製剤。
[本発明1004]
水混和性溶媒、皮膚軟化剤、界面活性剤、着色剤、またはそれらの組合せをさらに含む、本発明1001〜1003のいずれかの医薬製剤。
[本発明1005]
前記治療有効量が約0.1〜約10%(w/w)である、医薬製剤であって、
15%〜40%(w/w)の前記局所用基剤;
25%〜50%(w/w)の前記水混和性溶媒;
10%〜20%(w/w)の前記浸透促進剤;
3%〜15%(w/w)の前記皮膚軟化剤;
3%〜9%(w/w)の前記界面活性剤;
0.5%〜1.5%(w/w)の前記抗酸化剤;および
0.05%〜0.25%(w/w)の前記着色剤
をさらに含む、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1006]
0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
30%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;
30%〜40%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
3%〜5%(w/w)の水;
5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
0.05%〜0.25%(w/w)の着色剤
を含む、本発明1001〜1004のいずれかの医薬製剤。
[本発明1007]
1%(w/w)の化合物I、25%〜40%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および30%〜45%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1008]
3%(w/w)の化合物I、32%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および38%〜42%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1009]
6%(w/w)の化合物I、35%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および33%〜35%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1010]
1%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および48%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1011]
3%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および46%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1012]
6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および43%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1005の医薬製剤。
[本発明1013]
前記局所用基剤がポリエチレングリコールを含む、本発明1001〜1004のいずれかの医薬製剤。
[本発明1014]
前記局所用基剤が、約3000〜約8000ダルトンの平均分子量を有する、本発明1013の医薬製剤。
[本発明1015]
前記水混和性溶媒が、平均分子量200〜600ダルトンのポリアルキレングリコールである、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1016]
前記水混和性溶媒がPEG−400を含む、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1017]
前記PEG−400が、不純物を実質的に含まない、本発明1016の医薬製剤。
[本発明1018]
前記PEG−400が、約65ppm未満のホルムアルデヒドを含む、本発明1017の医薬製剤。
[本発明1019]
前記PEG−400が、約10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、本発明1017の医薬製剤。
[本発明1020]
前記PEG−400が、1ppm以下のホルムアルデヒドを含む、本発明1017の医薬製剤。
[本発明1021]
前記浸透促進剤が、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、またはそれらの組合せである、本発明1001〜1004のいずれかの医薬製剤。
[本発明1022]
前記皮膚軟化剤が水を含む、本発明1001〜1004のいずれかの医薬製剤。
[本発明1023]
前記界面活性剤が、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ステアリン酸グリコール/PEG32ステアレート/PEG6ステアレートを含む組成物、またはそれらの組合せである、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1024]
前記抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、本発明1001〜1004のいずれかの医薬製剤。
[本発明1025]
前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエンである、本発明1024の医薬製剤。
[本発明1026]
前記着色剤が、0.05〜0.25%(w/w)のカラメルである、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1027]
前記局所用基剤が、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリアルキレングリコールであり、前記水混和性溶媒が、平均分子量300〜500ダルトンのポリアルキレングリコールであり、前記浸透促進剤がジメチルイソソルビドであり、前記皮膚軟化剤が水であり、前記界面活性剤がポリエチレングリコールモノステアレートであり、前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエンであり、かつ前記着色剤がカラメル着色剤である、本発明1004の医薬製剤。
[本発明1028]
皮膚ループスの治療に適した、治療有効量の後続の活性薬剤をさらに含む、本発明1001〜1027のいずれかの医薬製剤。
[本発明1029]
前記後続の活性薬剤が、局所用コルチコステロイドである、本発明1028の医薬製剤。
[本発明1030]
芳香剤、吸収剤、収れん剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、皮膜形成剤、コンディショニング剤、乳白剤、保護剤、またはそれらの任意の組合せをさらに含む、本発明1001〜1029のいずれかの医薬製剤。
[本発明1031]
3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
32%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
4%(w/w)の水;
5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
0.05%のカラメル着色剤
を含む医薬製剤。
[本発明1032]
6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
4%(w/w)の水;
5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
0.05%のカラメル着色剤
を含む医薬製剤。
[本発明1033]
皮膚ループスを治療する方法であって、
治療有効量の化合物
[化2]
Figure 2018030849

局所用基剤;
抗酸化剤;
皮膚軟化剤;および
浸透促進剤
を含む医薬製剤を、対象に局所投与することを含む方法。
[本発明1034]
前記医薬製剤が、
0.1%〜10%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に有効な塩;
15%〜40%(w/w)の局所用基剤;
25%〜50%(w/w)の水混和性溶媒;
10%〜20%(w/w)の浸透促進剤;
3%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤;
3%〜9%(w/w)の界面活性剤;および
0.5%〜1.5%(w/w)の抗酸化剤
を含む、本発明1033の方法。
[本発明1035]
0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
30%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;
30%〜40%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
3%〜5%(w/w)の水;
5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;および
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン
を含む、本発明1033または1034の方法。
[本発明1036]
前記医薬製剤が、1%(w/w)の化合物I、25%〜40%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および30%〜45%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1037]
前記医薬製剤が、3%(w/w)の化合物I、32%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および38%〜42%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1038]
前記医薬製剤が、6%(w/w)の化合物I、35%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および33%〜35%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1039]
前記医薬製剤が、1%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および48%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1040]
前記医薬製剤が、3%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および46%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1041]
前記医薬製剤が、6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および43%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、本発明1034の方法。
[本発明1042]
前記医薬製剤が、
3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
32%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
4%(w/w)の水;
5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
0.05%のカラメル着色剤
を含む、本発明1033の方法。
[本発明1043]
前記医薬製剤が、
6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
4%(w/w)の水;
5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
0.05%のカラメル着色剤
を含む、本発明1033の方法。
[本発明1044]
前記製剤がPEG−400を含む、本発明1033〜1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
前記PEG−400が、不純物を実質的に含まない、本発明1044の方法。
[本発明1046]
前記PEG−400が、約65ppm未満のホルムアルデヒドを含む、本発明1044の方法。
[本発明1047]
前記PEG−400が、約10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、本発明1044の方法。
[本発明1048]
前記PEG−400が、1ppm以下のホルムアルデヒドを含む、本発明1044の方法。
[本発明1049]
前記対象が皮膚ループス病変を有しており、かつ前記医薬製剤が該皮膚ループス病変に局所的に適用される、本発明1033〜1048のいずれかの方法。
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
詳細な説明
化合物を投与するための局所用製剤の実施形態、ならびに皮膚障害の治療において化合物および/またはその局所用製剤を使用する方法を開示する。開示する局所用製剤の実施形態は、皮膚ループス障害などの皮膚膠原血管病を治療するのに適している。
I.定義および略語
用語および略語についての以下の説明は、本開示をより詳細に記載し、本開示の実施において当業者を導くために提供される。本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」は,「含む(including)」を意味し、単数形の「a」もしくは「an」、または「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形の意味も含む。用語「または」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、指定の選ぶべき要素のうちの1つの要素または2つ以上の要素の組合せを指す。
別段の説明がない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語はすべて、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料も、本開示の実施または試験に使用することができるが、以下では適切な方法および材料を記載する。これらの材料、方法、および実施例は、例示のみを目的とし、限定することを意図するものではない。本開示の他の特徴が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになる。
別段の指示がない限り、本明細書または特許請求の範囲で使用される場合、成分量、分子量、パーセント等を表現するあらゆる数字は、用語「約」で修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、別段の指示がない限り、黙示的にまたは明示的に、示された数値パラメーターは、求められる所望の特性および/または標準試験条件/方法の下での検出限界に依存し得る近似値である。論じられた従来技術と直接的かつ明示的に実施形態を識別する場合は、単語「約」が記載されない限り、実施形態の数値は近似ではない。
A.略語および商標
ACLE:急性皮膚エリテマトーデス
API:活性医薬成分
BHA:ブチル化ヒドロキシアニソール
BHT:ブチル化ヒドロキシトルエン
CCLE:慢性皮膚エリテマトーデス
COX:シクロオキシゲナーゼ
DES:ドライアイ症候群
DILE:薬物誘発性エリテマトーデス
DLE:円板状エリテマトーデス
DMI:ジメチルイソソルビド
GMP:医薬品の製造及び品質管理に関する基準
EtOH:エタノール
IPA:イソプロピルアルコール
LE:エリテマトーデス
Myrj(登録商標):ステアリン酸ポリオキシル
PEG:ポリエチレングリコール
PG:プロピレングリコール
RH:相対湿度
SCLE:亜急性皮膚エリテマトーデス
SLE:全身性エリテマトーデス
Span(登録商標):ソルビタンモノステアレート
STAT:シグナル伝達性転写因子
Tefose(登録商標)63:PEG−6ステアレート、ステアリン酸グリコール、およびPEG−32ステアレート
THF:テトラヒドロフラン
TPGS:D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート
B.定義
「抗酸化剤」は、他の分子の酸化を阻害することができる分子を指す。
「コルチコステロイド」は、副腎皮質で産生されるステロイドホルモンである。コルチコステロイドは、幅広い生理学系、例えば、ストレス応答、免疫応答および炎症の調節、炭水化物代謝、タンパク質異化、血中電解質レベル、ならびに活動に関与する。コルチコステロイドの例としては、コルチゾール、プレドニゾン、およびプレドニゾロンが挙げられる。コルチコステロイドは、経口、非経口(例えば、注射による)、または皮膚上の病変への直接局所適用のいずれかによって投与することができ、複合製剤において化合物Iと組み合わせることができる。「局所用コルチコステロイド」は、皮膚に直接局所的に適用されるが、局所用コルチコステロイドを長期間使用すると、外観の悪い皮膚萎縮が生じる。
「皮膚の」または「真皮の」は、脊椎動物体の外層を形成する組織である皮膚を指す。皮膚(時として「外皮系」とも呼ばれる)は、粘膜(具体的には、口、鼻、口、およびまぶたの膜)と共同して、身体をその外部環境から保護する助けとなる。皮膚は、2つの層(真皮および表皮)からなり、皮膚の最外部は、多くの動物(ヒトを含む)において少なくとも一部は体毛によって覆われ得る。皮膚の機能は、眼、鼻、および口の粘膜と共に、主に保護および知覚である。
「皮膚ループス」または「皮膚エリテマトーデス」は、エリテマトーデス皮膚疾患のGilliam分類によるエリテマトーデスの皮膚症状を指す。Rothfield et al.,Clinics in Dermatology 24:348−362(2006)。このシステムでは、ループス皮膚疾患を、特有の組織学的変化を示すエリテマトーデス特異的皮膚疾患とエリテマトーデス非特異的皮膚疾患に分類する。
「円板状エリテマトーデス」または「DLE」(慢性皮膚エリテマトーデスまたはCCLEとしても知られる)は、紅斑、毛孔性角栓、鱗屑、毛細血管拡張症、および萎縮を示す、境界の明瞭なしみおよび斑を伴った、主に皮膚を冒し外観を損なう慢性疾患である。この病態は、多くの場合、日光曝露によって誘発され、初期の病変は、直径が5〜10mmで毛孔性角栓を示す、紅斑性の円形落屑性丘疹である。DLE病変は、頬、鼻、頭皮、および耳に最もよく出現するが、体幹上半部、四肢伸側、および口腔粘膜にわたって全身性であることもある。SLEと異なり、二本鎖DNA(例えば、DNA結合試験)に対する抗体は、DLEではほぼ例外なく存在しない。本明細書に開示する方法の実施形態の一部では、化合物Iは、二本鎖DNA(ds−DNA)陰性DLE対象を治療するために使用される。
「慢性皮膚エリテマトーデス」(CCLE)は、一般には、典型的円板状エリテマトーデス(DLE)、小児円板状エリテマトーデス、全身性円板状エリテマトーデス、限局性円板状エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、エリテマトーデス性脂肪織炎(深在性エリテマトーデス)、粘膜エリテマトーデス、腫脹性エリテマトーデス、凍瘡状エリテマトーデス、エリテマトーデス−扁平苔癬オーバーラップ症候群、いぼ状エリテマトーデス(肥厚性エリテマトーデス)、および他のまれな変種に細分される。典型的DLEは、CCLEの最もよく見られる形態であり、典型的DLE病変を有するほとんどの患者は、全身性エリテマトーデスの特徴をまったく発現しない。典型的DLEは、表在性鱗屑を伴う丘疹の境界の明瞭な赤紫色のしみとして現れる。病変は、サイズが増大して、周囲の色素沈着を伴うコイン形状、または円板状の斑になる。癒着性鱗屑は膨張した毛包の中におよぶ。病変の中心は、瘢痕、脱色素、および毛細血管拡張症によって凹む。斑は、融合して、外観を損なう大きな病変を形成するようになり得る。毛包は、厚い鱗屑で詰まることがあり、これがはぎ取られると、カーペット鋲状の兆候とも呼ばれる角化性の棘が現れる。組織病理学的特徴には、加角化および毛孔性角栓、組織化された基底表皮の喪失および萎縮した表皮有棘層が含まれる。基底層は、浮腫、液化、基底膜肥厚、メラニン色素沈着の増大、および色素失調症を示すこともある。マクロファージおよびTリンパ球の単核細胞浸潤が真皮に見られ、慢性病変では形質細胞がムチン沈着をもたらす。
「薬物誘発性エリテマトーデス」(DILE)は、特定の薬物の長期間使用の副作用として発症する異型自己免疫疾患である。DILEの症状は、SLEの症状と類似しており、この症状としては、疲労、微熱、食欲不振、筋肉痛、関節炎、口および鼻の潰瘍、顔面皮疹、日光に対する異常な感受性、胸膜炎、心膜炎、およびレイノー現象を挙げることができる。潰瘍および皮疹は、DILEの皮膚症状の例である。これらの症状は、基礎免疫系機能不全を有しない患者では、原因薬物の使用中止後数日から数カ月以内に消失する。DILEの原因となる最も一般的な薬物は、ヒドララジン、プロカインアミド、キニジン、イソニアジド、ジルチアゼム、およびミノサイクリンである。これらの薬物(プロカインアミド、クロルプロマジン、およびキニジンなど)の一部は、ヒストン二量体H2A−H2Bに対する抗核抗体の産生をもたらす。ヒドララジンは、H1およびH3−H4複合体に対する抗核抗体を形成させる。薬物の使用開始後数時間から数日以内に起こるSLEの発症と対照的に、DILEは、一般に、薬物の使用開始数か月から数年後に発症する。
DILEの診断は、SLEの1つまたは複数の臨床症状(例えば、関節痛、リンパ節症、皮疹、発熱)を有し;抗核抗体が存在し;患者には、原因薬物の使用前にSLEの病歴がなく;症状出現の3週間から2年前のいつかの時点で疑いのある薬物を服用し;薬物を中止すると臨床的改善は迅速であるが、抗核抗体および他の血清学的マーカーは、正常レベルに向かって徐々に低下する、患者に下される。
「皮膚軟化剤」は、皮膚をやわらかくするかまたは和らげる化合物を指す。
「上皮表面」は、身体の表面を覆う上皮細胞から構成される組織を指す。上皮表面には、皮膚と口および鼻の粘膜などの外部表面、ならびに身体内部表面の裏打ちが含まれる。「外部」上皮表面は、身体の表面(皮膚、ならびに鼻および口の裏打ちなど)に露出されているものであり、器具(内視鏡または外科用メスなど)を使用することなく、この表面にクリームまたは軟膏を容易に直接塗布することができる。
「エリテマトーデス」(LE)は、一連の自己免疫疾患の総称である。LEの症状は、関節、皮膚、腎臓、血液細胞、心臓、および肺を含む、多くの異なる体組織に影響を及ぼす可能性がある。LEは、全身性疾患(皮膚症状および他の症状の両方を有する)として発現することも、単に皮膚疾患(皮膚のみを冒す)として発現することもある。全身型のLEは、全身性エリテマトーデス(SLE)として知られる。LEの皮膚型には、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、および慢性皮膚エリテマトーデス(上述の円板状ループス)がある。
急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)は、限局性または全身性のいずれかであり得る。限局性ACLEは、顔の頬部隆起および鼻筋にわたる紅斑(蝶形紅斑)を特徴とするが、鼻唇溝には通常生じない。ACLE皮疹は、微細な表面鱗屑を有し、浮腫を伴い得るが、特に重篤な症例では、小疱水疱性の皮膚変化が生じ得る。組織病理学的変化としては、まばらな真皮細胞浸潤、基底表皮の限局性液化変性、および真皮上層浮腫が挙げられる。表皮壊死は、最重症型で起こり得る。
亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)は、2つ異なる形態、すなわち、環状SCLEおよび丘疹落屑性SCLEに細分される。環状SCLEは、辺縁性ループス、遠心性対称紅斑、自己免疫環状紅斑、および伸展性旋回性エリテマトーデスとも呼ばれる。SCLEは、後に丘疹落屑性斑または環状斑になる紅斑および丘疹を呈する。ほとんどの患者は、主に1つのタイプの病変を発症する傾向があるが、一部の患者は、両方の要素を同時に示す。SCLEは、極めて光感受性であり、病変は、首および上胸部、上背部、肩、腕および前腕の伸側面、ならびに手の甲(指関節には通常生じない)に最もよく見られる。顔および頭皮には、稀にしか生じない。病理組織学的特徴としては、過角化、基底細胞層の変性、ならびに真皮・上皮接合部および真皮における単核細胞浸潤が挙げられる。
「粘膜(mucous membrane)」(または「粘膜(mucosa)」)は、吸収および分泌に関与する上皮に覆われた、大抵は内胚葉由来の裏打ちである。粘膜は、外部環境および内臓器官に曝される体腔を裏打ちする。粘膜は、鼻孔、口、唇、まぶた、耳、生殖器部、および肛門などのいくつかの部位で皮膚と連続している。
「非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)」は、プロスタグランジンの産生を阻害することによって機能する抗炎症剤の一種である。NSAIDSには、抗炎症、鎮痛、および解熱の作用がある。NSAIDSの例としては、イブプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、スリンダク、アスピリン、次サリチル酸コリン、ジフルニサル、フェノプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、サルサラート、トルメチン、およびサリチル酸マグネシウムが挙げられる。これらの薬剤は、経口、非経口(例えば、注射による)、または炎症部位への直接局所適用のいずれかによって投与することができ、複合製剤において化合物Iと組み合わせることができる。
「浸透促進剤」は、皮膚への薬物送達を改善する化合物を指す。
「薬学的に許容される塩」は、薬物として使用することができる化合物の生物学的に適合した塩を指し、この塩は、当技術分野で周知の種々の有機および無機対イオンから誘導される。
「薬学的に有効な量」または「治療有効量」は、指定の障害もしくは疾患またはその1つもしくは複数の症状の治療に、かつ/あるいはその疾患または障害の発症の予防に十分な化合物の量を指す。「治療」には、疾患のさらなる進行の阻止、ならびに障害の回復、病変の退縮誘導、または一部の例では障害の治癒が含まれる。
本明細書で使用する場合、語句「DLE病変を有意に縮小する」は、標準的な皮膚科医療で測定される場合の、DLE病変の統計的に有意な(p<0.05など)縮小を意味する。例えば、DLE病変の縮小は、治療された病変の数のカウントによって、または治療された1つまたは複数の病変の表面積の合計によって評価することができる。
「対象」は、ヒトおよび非ヒト対象を指す。
「界面活性剤」は、水もしくは水ベースの溶液に溶解させたときに、表面張力を低下させる化合物、または2つの液体間の界面張力を低下させる化合物を指す。界面活性剤分子は、通常、極性またはイオン性の「頭部」と無極性の炭化水素「尾部」を有する。
「全身性エリテマトーデス」または「SLE」は、女性に主に発症する炎症性自己免疫障害であり、関節症状、蝶形紅斑、再発性胸膜炎、心膜炎、全身性腺症、脾腫、ならびにCNS併発および進行性腎不全によって多様に特徴づけられる。ほとんどの患者(98%超)の血清は、抗DNA抗体を含む抗核抗体を含有する。高力価の抗DNA抗体は、本質的にSLEに特有である。
「局所」送達は、皮膚表面または皮膚内に薬物の薬理学的な効果を実質的に向ける意図で、皮膚障害または疾患の皮膚症状を直接治療するために、薬物含有製剤を皮膚に適用することを指す。局所剤形は、通常は半固体系であるが、種々の他の剤形、例えば、発泡体、スプレー、薬用パウダー、溶液、および薬物添加接着剤系を含むことができる。局所送達には、患部を覆うように皮膚組織に塗布、スプレー、またはそうでなければ分散される外用局所剤、あるいは局部的活性のために、経口で、経膣で、または直腸肛門組織上で粘膜に適用される内用局所剤が含まれる。本明細書に開示する局所用薬物は、例えば、固体(パウダー、エアゾール、または硬膏剤);液体(ローション、リニメント剤、溶液、エマルジョン、懸濁液、エアゾール)、あるいは半固体(軟膏、クリーム、ペースト、ゲル、ゼリー、または坐薬)として、任意の局所剤形で投与することができる。
「局所用基剤」は、局所用製剤の固体成分を指す。治療有効量の活性化合物を局所用基剤と組み合わせて、軟膏、クリーム、またはローションなどの局所用製剤を製造する。局所用製剤はまた、限定はされないが、抗酸化剤、結合剤、皮膚軟化剤、浸透促進剤、界面活性剤等を含む賦形剤などのさらなる成分を含むことができる。
II.医薬組成物
開示する局所用医薬組成物の実施形態は、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む。化合物Iは、25℃で2μg/mLの水溶解性を有する、JAK3キナーゼおよびSykキナーゼの阻害剤である。化合物Iは、N2−(3−アミノスルホニル−4−メチルフェニル)−5−フルオロ−N4−[4−(プロパ−2−イニルオキシ)フェニル]−2,4−ピリミジンジアミンとも呼ばれる。
Figure 2018030849
説明を簡潔にするために、実施形態で化合物Iに言及する場合は常に、実施形態は化合物Iの塩形態も含む。
当業者は、化合物Iが互変異性、配座異性、および/または幾何異性の現象を示し得ることを認識するであろう。本発明が化合物Iの任意の互変異性体、配座異性体、および/または幾何異性体、ならびにこれら種々の異なる異性体の混合物を包含することを理解されたい。本発明はまた、アトロプ異性体を包含することも意図する。化合物Iは、塩形態であってもよい。そのような塩には、薬学的用途に適した塩(「薬学的に許容される塩」)、獣医学的用途に適した塩等が含まれる。そのような塩は、当技術分野で周知のように、酸または塩基から誘導することができる。化合物Iは、塩基性基、例えば、ピリミジン窒素原子、ならびに/またはピリミジンジアミン系のN2およびN4の窒素原子を有するので、この化合物は薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。
一実施形態では、塩は薬学的に許容される塩である。一般に、薬学的に許容される塩は、親化合物の所望の薬理活性の1つまたは複数を実質的に保持し、かつヒトへの投与に適した塩である。薬学的に許容される塩には、無機酸または有機酸と形成される酸付加塩が含まれる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに適した無機酸としては、例として、また限定するものではないが、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに適した有機酸としては、例として、また限定するものではないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、パルミチン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸等)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等)、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等が挙げられる。
薬学的に許容される塩にはまた、親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオン)で置換されるか、または有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等)に配位するかのいずれかの場合に形成される塩も含まれる。
本明細書に記載する薬学的に許容される塩は、従来の方法により、例えば、塩が不溶性である溶媒または媒体中で、または減圧下もしくは凍結乾燥で除去される水などの溶媒中で、生成物の遊離塩基形態を1当量以上の適切な塩と反応させることにより、あるいは適切なイオン交換樹脂上で既存の塩のアニオンを別のアニオンと交換することにより、形成させることができる。一部の実施形態では、塩は塩酸塩またはベシル酸塩である。
化合物Iおよびその塩はまた、当技術分野で周知のように、溶媒和物、例えば水和物、およびN−オキシドの形態であってもよい。
化合物Iの投与のための医薬組成物は、投与量単位形態で好都合に提供することも、また薬学分野で周知の任意の方法により調製することもできる。医薬組成物は、例えば、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体またはその両方に均一かつ緊密に結合させ、それを適切に包装することにより調製することができる。例えば、開示化合物の局所用製剤では、製剤は、適切な容器(軟膏およびクリームを投薬するための蓋付きスクイズチューブなど)に入れる。あるいは、ディスペンサーは、薬物の単位投与量を投薬するための器具(標的部位に薬物の所定投与量を制御して投薬するボトルまたは点滴器など)を含むことができる。医薬組成物には、化合物Iが所望の治療効果をもたらすのに十分な量で含まれる。
局所投与のために、化合物Iは、当技術分野で周知のように、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液等として製剤化することができる。皮膚への投与に適していることに加えて、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、および懸濁液の実施形態の一部は、眼への直接投与にも十分適している。一実施形態は、化合物Iを含む医薬製剤であり、この製剤は、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、および懸濁液から選択される。一態様では、局所投与のために製剤化されたそのような製剤は、治療有効量の化合物I、または塩酸塩もしくはベシル酸塩などのその薬学的に許容される塩を含む。本明細書に記載する方法に使用される製剤の特定の実施形態には、治療有効量の化合物、局所用基剤、抗酸化剤、皮膚軟化剤、および乳化剤が含まれる。化合物の治療有効量は変動し得るものであるが、通常、0.1%〜10%(w/w)であることは、当業者ならば認識するであろう。
局所用基剤は、選択した分子量を有するポリエチレングリコールを含むことができる。特定の実施形態は、局所用基剤として分子量3000〜8000ダルトンのポリエチレングリコールを含む。
特定の実施形態では、製剤は、軟膏であり、平均分子量200ダルトン〜600ダルトンのポリアルキレングリコールなどの水混和性溶媒をさらに含むことができる。特定の実施形態では、水混和性溶媒は、PEG−400、さらに具体的には、不純物を実質的に含まないPEG−400を含む。特定の実施形態では、実質的に不純物を含まないPEG−400は、65ppm未満のホルムアルデヒド、10ppm未満のホルムアルデヒド、または1ppm以下のホルムアルデヒドを含む。
本明細書に記載するように使用される局所用製剤にはまた、浸透促進剤、例えば、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、またはそれらの組合せ;皮膚軟化剤、例えば、水;界面活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ステアリン酸グリコール/PEG32ステアレート/PEG6ステアレートを含む組成物、および界面活性剤の組合せ;抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、およびそれらの組合せ、また特定の実施形態では、抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエンを含む;ならびに任意選択の着色剤、例えば、0.05%〜0.25%(w/w)のカラメル着色剤が含まれる。
一実施形態では、製剤は溶液である。別の実施形態では、製剤はゲルである。別の実施形態では、製剤は懸濁液である。さらに別の実施形態では、製剤はクリームまたは軟膏である。一実施形態では、製剤は、液体、例えば、均質の液体または懸濁液であり、(例えば、治療される皮膚の標的部位にのみ実質的に液体を投薬するために、皮膚の標的部位に接触させるアプリケータの先端から)液滴または液膜として製剤を投薬するボトルで販売される。一実施形態では、製剤は、クリームまたは軟膏であり、皮膚の標的部位に製剤を投薬するチューブで販売される。別の実施形態では、化合物は、皮膚に塗り込むためかまたは眼に注入するための粘稠液(カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、または油を含有する点眼剤など)の中に提供される。製剤は防腐剤を含んでも、防腐剤を含まなくてもよい(例えば、使い捨て容器では)。一実施形態は、局所投与または局部投与用のキットの中にある前述の任意の製剤である。
化合物Iを含む局所用製剤は、場合によっては、希釈剤、安定剤、および/または補助剤など、さらなる薬学的に許容される成分を含むことができる。特定の実施形態では、局所用製剤は、皮膚ループス、例えばDLEなどの慢性皮膚ループスなどの皮膚疾患および/または皮膚障害の治療のために製剤化される。
本明細書に開示する皮膚投与のための局所用製剤は、0.0001重量%〜10.0重量%以上など、化合物Iの薬学的に有効な量を含有する。特定の製剤では、化合物の薬学的に有効な量は、0.1%〜10%(w/w)、例えば、0.2%〜6%(w/w)である。他の例では、化合物は、少なくとも0.2%、1%、2%、3%、4%、5%、または6%(w/w)で存在する。
化合物Iを含む局所用製剤の実施形態は、溶媒、局所用基剤、界面活性剤/乳化剤、浸透促進剤、皮膚軟化剤、抗酸化剤、着色添加物、およびそれらの任意の組合せから選択される1つまたは複数の賦形剤を含むことができる。局所適用のための薬物の製剤化および試験の方法については、例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy(21st edition),pp.872−882(2006)に記載されている。
局所用基剤としては、これらに限定されないが、疎水性ビヒクル、例えば、炭化水素、流動パラフィン(鉱油、流動パラフィン、パラフィン油)、白色ワセリン(ワセリン、VASELINE(登録商標))、黄色ワセリン(ワセリン)、スクアラン(ペルヒドロスクアレン、スピナカン(spinacane))、およびシリコーン;シリコーン、例えば、液体ポリジメチルシロキサン(ジメチコン、サイラスティック、医療等級のシリコーン油)、アルコール、例えば、ラウリルアルコール(1−ドデカノール、ドデシルアルコール)、ミリスチルアルコール(テトラデカノール、テトラデシルアルコール)、セチルアルコール(ヘキサデカノール、エタル、パルミチルアルコール)、ステアリルアルコール(ステノール(stenol)、セトステリルアルコール(cetosteryl alcohol))、オレイルアルコール(オセノール(ocenol));ステロール、例えば、ステロールエステル;ラノリン、例えば、含水羊毛脂、ラヌム(lanum);脱水ラノリン(例えば、羊毛脂、無水ラヌム、アグニン(agnin));半合成ラノリン;カルボン酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸;エステルおよびポリエステル、例えば、コレステロールエステル(ステアリン酸エステル)、エチレングリコールモノエステル、プロピレングリコールモノエステル、グリセリルモノエステル、グリセリルモノステアレート、ソルビトールモノエステル、ソルビタンモノエステル、ソルビトールジエステル、ソルビタンポリエステル(スパン(span)、アーラセル(arlacels))、トリステアリン酸グリセリル、ラード、アーモンド油、トウモロコシ油、ヒマシ油、綿実油、オリーブ油、大豆油、硬化油、硫酸化油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル;ならびにエーテルおよびポリエーテル(多分散または単分散)、例えば、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール(プルロニック)が挙げられる。
使用することができる水混和性溶媒としては、ポリオールおよびポリグリコール、例えば、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、グリセリン(グリセロール)、液体ポリエチレングリコール、固体ポリエチレングリコール(硬質マクロゴール、carbowax(登録商標))、グリコールフロール、1,2−フェノール−ヘキサントリオール、ソルビトール溶液;エステルおよびポリエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル(例えば、Tween(登録商標)60)およびポリオキシエチレンソルビタンポリエステル(例えば、Tween(登録商標)20);エーテルおよびポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル(セトマクロゴール(cetomacrogol)1000)およびポリエチレン−ポリプロピレングリコール(プルロニック)が挙げられる。一実施形態では、水混和性溶媒はPEG−400を含む。驚くべきことに、標準GMP品質のPEG−400の使用は、製剤に不純物を導入することがわかった。任意の特定の理論に限定されることなく、PEG−400中の極微量ホルムアルデヒドが化合物Iと反応したと現在考えられている。不純物を実質的に含まないPEG−400、例えば、約10ppm未満のホルムアルデヒドまたは約1ppm以下のホルムアルデヒドなど、約65ppm未満のホルムアルデヒドを含むPEG−400を含む製剤が本明細書に開示される。
適切な界面活性剤としては、これらに限定されないが、ステロールまたはステロールエステル、例えば、コレステロール(コレステリン)、ラノリン(含水羊毛脂、ラヌム)、脱水ラノリン(羊毛脂、無水ラヌム、アグニン)または半合成ラノリン;カルボン酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のNa、K、エタノールアミン塩、またはエーテルまたはポリエーテル、例えば、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール(プルロニック)が挙げられる。水中油型(o/w)乳化剤が所望される場合、以下の例を使用することができる:エステルおよびポリエステル、例えば、ポリオキシエチレン、ソルビタンモノエステル(Span(商標)20、Span(商標)40、Span(商標)80)、ポリオキシエチレンエステル(ステアレート−ポリエチレングリコールモノエステル、Myrj(登録商標)45、Myrj(登録商標)59)、ポリオキシエチレンソルビタンポリエステル(tween);エーテルおよびポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル(セトマクロゴール1000)およびポリエチレン−ポリプロピレングリコール(プルトニック)、およびその他、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム)、エタノールアミン、またはトリエタノールアミン。界面活性剤190(ジメチコンコポリオール)、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、ラウロアミドDEA、コカミドDEA、およびコカミドMEAのような非イオン性界面活性剤、オレイルベタインおよびコカミドプロピルベタイン(Velvetex(登録商標)BK−35)のような両性界面活性剤、ならびにリン脂質PTC(コカミドプロピルホスファチジルPG−ジモニウムクロリド)のようなカチオン性界面活性剤を使用することができる。そのような界面活性剤の適切な組合せまたは混合物も使用することができる。
浸透促進剤は皮膚への薬物送達を改善する。適切な浸透促進剤としては、これらに限定されないが、アルコール、アルキルメチルスルホキシド、ピロリドン、ラウロカプラム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフルフリルアルコール、両親媒性物質、または他の種々の促進剤、例えば、クロフィブル酸アミド、ヘキサメチレンラウロアミド、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、タンパク質分解酵素、テルペン、またはセスキテルペンが挙げられる。
化合物Iの製剤で使用するのに適した保湿剤としては、これらに限定されないが、乳酸および他のヒドロキシ酸ならびにそれらの塩、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ナトリウムPCA、Carbowax(登録商標)200、Carbowax(登録商標)400、およびCarbowax(登録商標)800が挙げられる。製剤で使用するのに適した皮膚軟化剤としては、これらに限定されないが、水、PPG−15ステアリルエーテル、ラノリンアルコール、ラノリン、ラノリン誘導体、コレステロール、ワセリン、ネオペンタン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、鉱油、ステアリン酸イソセチル、Ceraphyl(登録商標)424(ミリスチン酸ミリスチル)、オクチルドデカノール、ジメチコン(Dow Corning 200−100cps)、フェニルトリメチコン(Dow Corning 556)、Dow Corning 1401(シクロメチコンおよびジメチコノール)およびシクロメチコン(Dow Corning 344)、ならびにMiglyol(登録商標)840(Hulsにより製造される;プロピレングリコールカプリレート/ジカプレート)が挙げられる。加えて、これらの保湿剤および皮膚軟化剤のいずれかの適切な組合せおよび混合物も使用することができる。
組成物はまた、防腐剤、抗菌剤、および/または抗酸化剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレソール、イミダゾリジニル尿素、パラベンエステル、フェノール、フェノキシエタノール(ソルビン酸カリウム、またはソルビン酸);抗酸化剤、例えば、α−トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、クエン酸またはエデト酸;緩衝液、例えば、クエン酸およびクエン酸塩、リン酸およびリン酸塩、HPO/NaHPO、グリシン、酢酸、トリエタノールアミン、またはホウ酸;湿潤剤、例えば、グリセリン(グリセロール)、プロピレングリコール(E1520)、三酢酸グリセリル(E1518)、ソルビトール(E420)、キシリトールおよびマリトール(malitol)(E965)、ポリデキストロース(E1200)、キラヤ(E999)、乳酸、尿素、または塩化リチウム;ならびに/あるいは捕捉抗酸化剤、例えば、クエン酸およびその塩、エチレンジアミン四酢酸(Versene(登録商標)、EDTA)を含むことができる。
組成物は、色素/着色剤および/または芳香剤をさらに含むことができる。適切な芳香剤および着色剤、例えば、カラメル、FD&C Red No.40、およびFD&C Yellow No.5を、製剤の中に使用することができる。局所用製品で使用するのに適した芳香剤および着色剤の他の例は、当技術分野で公知である。
製剤に含まれ得る他の適切な追加成分および補助成分としては、これらに限定されないが、吸収剤(例えば、ヒドロゲル)、収れん剤(例えば、アメリカマンサク、アルコール、およびカミモール抽出物などのハーブ抽出物)、結合剤(例えば、デンプン、セルロースエーテル、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、第二リン酸カルシウム、および硫酸カルシウム二水和物)、他の賦形剤(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS、またはTPGSとしても知られる)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、トレハロース、炭酸水素ナトリウム、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびラクトース)、緩衝剤(例えば、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸水素二ナトリウム、水酸化マグネシウム)、キレート剤(例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸、四ナトリウム塩))、皮膜形成剤(例えば、キトサン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール)、コンディショニング剤(例えば、ワセリン、グリセリン、プロピレングリコール)、乳白剤(例えば、二酸化チタン)、pH調整剤(例えば、クエン酸および水酸化ナトリウム)、ならびに保護剤が挙げられる。これらの成分のそれぞれの例および局所用製品製剤中の他の適切な成分の例は、The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)による刊行物に見つけることができる。例えば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,2nd edition,eds.John A.Wenninger and G.N.McEwen,Jr.(CTFA,1992)を参照されたい。
局所治療の特定の実施形態は軟膏であってもよく、軟膏は皮膚または粘膜への外用を目的とした半固体調製物である。具体的な例では、軟膏はワセリンをベースとする。軟膏は、室温で第2相に分離するのに十分な水を含有していない。水溶性軟膏は、ポリエチレングリコールで製剤化することができる。軟膏剤は、良好な皮膚浸透性および表面への粘着性を有する理想的な皮膚軟化剤である。軟膏は、チューブまたはジャーなどの好都合な容器に入っている。
あるいは、局所剤形は、水で除去可能な基剤または皮膚軟化基剤に化合物が溶解または懸濁しているクリームである。クリームは、油中水型組成物または水中油型組成物のいずれであってもよい。非混和性化合物は、湿潤ゴム、乾燥ゴム、ボトル、およびビーカーの方法を使用する機械的撹拌または加熱によって混合することができる。一部の実施形態では、クリームは、水洗浄可能で、美容的および審美的に許容される、長鎖脂肪酸またはアルコールの水中油型エマルジョンまたは水性微結晶性分散体である。
他の実施形態では、活性成分は、ペーストでの投与のために提供されるが、ペーストは、高い割合、例えば50重量%の不溶性固体が加えられた軟膏とみなすことができる。ペーストは、すでに存在する軟膏構造の上に微粒子のマトリックスを形成する固体の存在により軟膏よりもはるかに固い。デンプン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、およびタルクなどの成分が、固相として使用される。ペーストは、皮膚上に特に良好な保護障壁を提供する。軟膏と同様に、ペーストは、連続した比較的水浸透性のない膜を皮膚表面上に形成し;軟膏と異なり、膜は不透明であり、そのため有効なサンフィルターとなる。したがって、ペーストは、治療されている病態(DLEなど)を悪化させ得る紫外線から皮膚を保護するのに特に有効である。
さらに他の実施形態では、活性薬剤は、ゲル、ゼリー、またはローションの中に提供される。ゲルは、ゲル化剤の添加によりゼリー状になる水性液体ビヒクル中の小分子または大分子の分散体からなる半固体系である。使用されるゲル化剤には、カルボマー934などの合成高分子、およびカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチル−セルロースなどのセルロース誘導体がある。ゲルは、多くの物質と適合し、皮膚への送達を改善するために浸透促進剤を含有することができる。ゲルは、分散した高分子と液体の間に明らかな境界のない状態で、高分子が液体全体にわたって均一に分散している単相ゲルであっても、またはマグマと呼ばれることも多い、ゲルの塊が小さな別々の粒子の綿状凝集物からなる二重相ゲルであってもよい。ゼリーは、トラガカント、ペクチン、アルギネート、もしくはボログリセリンなどの天然ゴム、またはメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースなどの天然物質の合成誘導体から調製される水溶性基剤を含有する。ローションは、25〜50%のアルコールを含有する透明の溶液であり、場合によっては、防腐剤または皮膚軟化剤を含有する。ローションに添加され得る他の任意選択の成分は、アメリカマンサクの抽出物、メントール、グリセリン、ホウ酸、ミョウバン、またはカリウムオキシキノリンである。
開示する局所用製剤の一部の実施形態は、治療有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩を含む。特定の実施形態では、治療有効量は、製剤の最大で約10%(w/w)、例えば、約0.1〜約10%(w/w)、0.2%〜6%(w/w)、または1%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩である。
開示する局所用製剤の実施形態は、局所用基剤、水混和性溶媒、浸透促進剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、抗酸化剤、着色剤、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。一部の実施形態では、医薬製剤は、0.2%〜10%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、15%〜25%(w/w)の局所用基剤、40%〜50%(w/w)の水混和性溶媒、10%〜20%(w/w)の浸透促進剤、5%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤、3%〜7%(w/w)の界面活性剤、0.5%〜1.5%(w/w)の抗酸化剤、および場合によっては、0.05%〜0.25%(w/w)の着色剤を含む。一部の実施形態では、局所用製剤は、0.2%〜10%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、15%〜25%(w/w)の局所用基剤、40%〜50%(w/w)の水混和性溶媒、10%〜20%(w/w)の浸透促進剤、5%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤、3%〜7%(w/w)の界面活性剤、0.5%〜1.5%(w/w)の抗酸化剤から本質的になる。一部の実施形態では、医薬製剤は、0.1%〜10%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩、15%〜40%(w/w)の局所用基剤、25%〜50%(w/w)の水混和性溶媒、10%〜20%(w/w)の浸透促進剤、3%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤、3%〜9%(w/w)の界面活性剤、0.5%〜1.5%(w/w)の抗酸化剤、および場合によっては、0.05%〜0.25%(w/w)の着色剤を含む。
一部の実施形態では、局所用基剤は、ポリアルキレングリコールなどのポリエーテルから選択される。適切なポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールを含む(例えば、平均分子量が3000〜8000ダルトンの範囲にあるPEG)。ポリエチレングリコールは、多分散であっても単分散であってもよい。水混和性溶媒は、液体ポリアルキレングリコールなどのポリエーテルであってもよい(例えば、平均分子量が200〜600ダルトンの範囲にあるPEG)。特定の実施形態では、浸透促進剤は、ジメチルイソソルビド(DMI)、プロピレングリコール、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、皮膚軟化剤は水である。適切な界面活性剤には、Tefose(登録商標)63(ステアリン酸グリコール、PEG32ステアレート、PEG6ステアレート)、Span(登録商標)(ソルビタンモノステアレート)、Myrj(登録商標)(ポリエチレングリコールモノステアレート(C1835(CO)H))、またはTPGS(D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)が含まれる。一部の実施形態では、抗酸化剤はBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)である。カラメルは着色剤として加えることができる。
一部の実施形態では、局所用製剤は、0.2%〜6%(w/w)の化合物I(またはその薬学的に許容される塩)、20%(w/w)の局所用基剤、43%〜48.8%(w/w)の水混和性溶媒、15%(w/w)の浸透促進剤、10%(w/w)の皮膚軟化剤、5%(w/w)の界面活性剤、1%(w/w)の抗酸化剤、および場合によっては、0.05〜0.2%(w/w)の着色剤を含む。特定の実施形態では、局所用製剤は、1%〜6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)のPEG4500、43%〜48%(w/w)のPEG400、15%(w/w)のDMI、10%(w/w)のHO、5%(w/w)のMyrj(登録商標)59(ポリエチレングリコールモノステアレート)、1%(w/w)のBHT、および場合によっては、0.05〜0.1%(w/w)のカラメルを含む。一実施形態では、局所用製剤は、1%〜6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)のPEG4500、43%〜48%(w/w)のPEG400、15%(w/w)のDMI、10%(w/w)のHO、5%(w/w)のMyrj(登録商標)59(ポリエチレングリコールモノステアレート)、1%(w/w)のBHTから本質的になる。他の開示実施形態では、医薬製剤は、0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;30%〜40%または25%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;30%〜40%または30%〜45%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;3%〜5%(w/w)の水;5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメル着色剤を含む。
一実施形態では、局所用製剤は、1%(w/w)の化合物I、20%(w/w)のPEG4500、48%(w/w)のPEG400、15%(w/w)のDMI、10%(w/w)のHO、5%(w/w)のMyrj(登録商標)59、1%(w/w)のBHT、および0.05%のカラメル着色剤を含む。別の実施形態では、局所用製剤は、3%(w/w)の化合物I、20%(w/w)のPEG4500、46%(w/w)のPEG400、15%(w/w)のDMI、10%(w/w)のHO、5%(w/w)のMyrj(登録商標)59、および1%(w/w)のBHTを含む。さらに別の実施形態では、局所用製剤は、6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)のPEG4500、43%(w/w)のPEG400、15%(w/w)のDMI、10%(w/w)のHO、5%(w/w)のMyrj(登録商標)59、および1%(w/w)のBHTを含む。
別の実施形態では、局所用製剤は、3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;32%(w/w)のPEG4500;39.95%(w/w)のPEG400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMyrj(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメルを含む。
さらに別の実施形態では、局所用製剤は、6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;35%(w/w)のPEG4500;33.95%(w/w)のPEG400;15%(w/w)のジメチルイソソルビド;4%(w/w)の水;5%(w/w)のMyrj(登録商標)S100−PA−SG;1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン、および0.05%のカラメル着色剤を含む。
III.使用方法
A.局所用製剤の使用
本開示は、皮膚および/または粘膜の疾患および/または障害、具体的には皮膚ループスを原因とする病変の治療に使用するための、化合物I、塩、およびその溶媒和物を含む局所用製剤の実施形態を提供する。化合物Iは、単独でまたは他の薬剤と組み合わせて投与することができる。記載するように、化合物Iは、親化合物および/または塩形態として、またその医薬製剤として投与することができる。
本明細書で使用する場合、当技術分野で理解されているように、「治療」とは、臨床結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本開示の目的に対して、有益なまたは所望の結果は、これらに限定されないが、1つまたは複数の症状の緩和または寛解、疾患を含む病態の程度の軽減、疾患を含む病態の安定化した(すなわち、悪化しない)状態、疾患の拡大の防止、疾患を含む病態の進行の遅延または緩徐化、疾患を含む病態の状態の寛解または緩和、および検出可能か検出不可能かにかかわらず、寛解(部分的であるか全体的であるかにかかわらず)の1つまたは複数を含むことができる。化合物Iは強力であり、極めて低用量で(例えば、皮膚もしくは粘膜に局所的にまたは注射により)局部的に投与することができ、それ故、全身性の副作用が最小限に抑えられる。この治療はまた、より標準的な治療(コルチコステロイドなど)により引き起こされる副作用を回避し、患部へのその直接適用のために高度に有効であると考えられる。
化合物Iは、TおよびB細胞で機能するJAK1/3依存性サイトカインシグナル伝達、ならびにマクロファージ、樹状細胞、およびB細胞のSyk依存性シグナル伝達の強力な選択的阻害剤である。例えば、化合物Iは、JAK3およびSykに対するヒト細胞ベースのアッセイにおいて、それぞれ0.18μΜおよび0.14μΜの範囲の半数効果濃度(EC50)を示し、かつ他のサイトカイン(IL−1βおよびTNFα)または受容体チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達に対して活性をほとんどまたはまったく示さず、細胞増殖の広範な阻害剤ではない。化合物Iは、JAK3を含有するサイトカインシグナル伝達経路に特に選択的である。この活性の結果として、化合物Iは、種々のインビトロ、インビボ、およびエクスビボの状況において、JAKキナーゼ活性、JAKキナーゼが役割を果たすシグナル伝達カスケード、およびそのようなシグナル伝達カスケードによりもたらされる生物応答を調節または阻害するために使用することができる。例えば、一実施形態では、化合物Iは、インビトロまたはインビボのいずれかにおいて、JAKキナーゼを発現する、事実上いかなる細胞型(造血細胞など)でも、JAKキナーゼを阻害するために使用することができる。化合物Iはまた、JAKキナーゼ、特にJAK3が役割を果たすシグナル伝達カスケードを調節するために使用することができる。このようなJAK依存性シグナル伝達カスケードには、これらに限定されないが、例えば、IL−4、IL−7、IL−5、IL−9、IL−15、およびIL−21受容体のシグナル伝達カスケード、またはIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、IL−21受容体のシグナル伝達カスケードなど、共通γ鎖を含むサイトカイン受容体のシグナル伝達カスケードが含まれる。化合物Iは、インビトロまたはインビボにおいて、そのようなJAK依存性シグナル伝達カスケードによりもたらされる細胞応答または生物応答を調節、特に阻害するために使用することができる。そのような細胞応答または生物応答としては、これらに限定されないが、IL−4/ramos CD23アップレギュレーション、IL−2媒介T細胞増殖等が挙げられる。重要なことには、化合物Iは、JAKキナーゼ活性によって全体的にまたは部分的に媒介される疾患の治療または予防に向けた治療アプローチとして、インビボでJAKキナーゼを阻害するために使用することができる。このような疾患は、「JAKキナーゼ媒介性疾患」と呼ばれる。
1つの理論に拘束されることを望むものではないが、化合物Iは、少なくとも一部はそのJAK阻害活性のために皮膚障害の有効な治療法であると現在考えられている。開示方法の実施形態に従って治療または予防することができる、JAKキナーゼにより少なくとも部分的に媒介される皮膚疾患の例としては、これらに限定されないが、皮膚および粘膜上に存在するDLE、ACLE、SCLE、またはDILEなどの皮膚ループスの病変を含む、皮膚または粘膜の疾患および障害が挙げられる。しかしながら、前述の活性の結果として、本明細書に記載する方法は、皮膚および粘膜の障害の治療に向けられているが、化合物Iおよび/またはその製剤の投与は、他の治療効果、すなわち、体内の他の組織または臓器における治療効果を有する可能性がある。一実施形態は、皮膚または粘膜の障害または疾患(DLE、ACLE、SCLE、またはDILEなど)を治療する方法であり、ここでは二次的な効果も実現される。例えば、まぶた上のDLE病変への化合物Iの適用は、ドライアイ、ドライアイ症候群、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、緑内障、または(眼の)酒さの有効な治療法としても役立ち得る。乾性角結膜炎(KCS)、角膜乾燥症、乾燥症候群、または眼球乾燥症としても知られているドライアイ症候群(DES)は、ヒトおよび一部の動物でよく見られる涙産生の低下または涙液膜蒸発の増大を原因とする眼疾患である。ブドウ膜炎または虹彩毛様体炎は、眼の中間層(「ブドウ膜」)の炎症を指し、一般的使用法では、眼の内部が関与する、いかなる炎症過程も指すことができる。アレルギー性結膜炎は、アレルギーによる結膜(白目部分を覆う膜)の炎症である。緑内障は、視神経を冒す一群の疾患を指し、特徴的なパターンでの網膜神経節細胞の喪失、すなわち一種の視神経症を伴う。眼圧の上昇は、緑内障発症の深刻なリスクファクターであり(22mmHgまたは2.9kPa以上)、炎症過程、例えばブドウ膜炎は、この眼圧上昇の原因となり得る。
DLE、ACLE、SCLE、またはDILEのための開示された治療法は、眼および鼻(酒さ鼻)も冒し得る顔面紅斑を特徴とする慢性的な炎症性病態である酒さの症状も治療することができる。
一実施形態では、化合物Iは、皮膚ループスの治療と組み合わせて、前述の眼の疾患および/または障害のいずれの治療にも使用される。一実施形態では、化合物Iは、塩形態として、例えば塩酸塩またはベシル酸塩として使用される。
化合物Iまたはその医薬組成物は、一般には、目的の結果を達成するために有効な量、例えば、対象の特定の病態を治療するために有効な量で使用されることになる。この化合物は治療効果を達成するために投与される。治療効果とは、治療される基礎障害の根絶または寛解、および/または患者が基礎障害を依然として罹患している可能性があるにもかかわらず、患者が気分または状態の改善を報告するような、基礎障害に付随する症状の1つまたは複数の根絶または寛解を意味する。例えば、DLEなどの皮膚ループス形態に罹患している患者への化合物の投与により、基礎真皮病変が根絶または寛解される場合だけでなく、患者が皮膚ループスに付随した症状の重症度または期間の縮小を報告する場合もまた、治療効果となる。治療効果にはまた、症状における改善が実現されるか否かにかかわらず、疾患の進行を停止または遅延させることも含まれる。
投与される化合物Iの量は、例えば、治療される特定の病態、投与方法、治療される病態の重症度、患者の年齢等を含む、種々の要因に依存することになる。有効投与量の決定は、当業者の能力の十分範囲内である。当業者は、特定の個体に対する至適用量を決定することができるであろう。有効投与量は、インビトロアッセイから最初に推測することができる。例えば、本明細書の実施例5および6に記載するインビトロアッセイなどのインビトロアッセイで測定される特定の化合物のIC50以上である、化合物Iの循環血液または血清濃度を達成するように、動物で使用するための初期用量を製剤化することができる。特定の化合物のバイオアベイラビリティを考慮に入れながら、そのような循環血液または血清濃度を達成するための投与量を計算することは、当業者の能力の十分範囲内である。手引きとして、読者は、Fingl & Woodbury,"General Principles,"In:Goodman and Gilman's The Pharmaceutical Basis of Therapeutics,Chapter 1,pp.1−46,latest edition,Pergamon Press、およびこの中に引用された参考文献を参照されたい。
初期投与量はまた、実施例7に開示するものなど、動物モデルを使用するインビボデータから推測することができる。上記に記載する種々の疾患を治療するための化合物の効力を試験するために有用な動物モデルは、当技術分野で周知である。局部的な局所投与などの局部投与の場合、活性化合物の有効な局部濃度は血漿濃度と関係づけることはできない。当業者は、過度に実験することなく、有効な局部投与量を最適化することができるであろう。皮膚への局所投与のはるかに高い治療係数を考慮すると、副作用および毒性に対するさらなる懸念をそれほどすることなく、一般的な全身投与量を超えて、投与量を増大させることができる。局所投与または眼内投与の場合、有効投与量は、例えば、局所用製剤が皮膚病変に直接適用され、極めて局部的な用量が利用される場合、化合物の全身循環が皮膚または眼への投与からそれほど生じない投与量とすることができる。
B.同時投与
皮膚および/または粘膜の病変を治療するために使用する場合、化合物Iは、単独でまたは皮膚の疾患および/または障害を治療するのに有用な他の薬剤と組み合わせて投与することができる。化合物Iは、他の障害または疾病を治療するのに有用な薬剤、例えば、いくつかの例を挙げると、ステロイド、膜安定剤、5−リポキシゲナーゼ(5LO)阻害剤、ロイコトリエン合成および受容体阻害剤、IgEアイソタイプスイッチングまたはIgE合成、IgGアイソタイプスイッチングまたはIgG合成の阻害剤、−作動薬、トリプターゼ阻害剤、アスピリン、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、メトトレキセート、抗TNF薬、リツキサン、PD4阻害剤、p38阻害剤、PDE4阻害剤、および抗ヒスタミン剤と組み合わせて投与することができる。化合物Iは、それ自体でまたは活性化合物を含む医薬組成物として投与することができる。
本明細書に開示する医薬組成物は、皮膚に適用される種々の他の治療薬、例えば、抗菌剤(BACTROBAN(登録商標)またはCLEOCIN(登録商標)など);抗乾癬薬(Micanol(登録商標)など);抗真菌剤(LAMISIL(登録商標)、LOTRIMIN(登録商標)、およびNIZORAL(登録商標)など);座瘡治療薬;(過酸化ベンゾイル局所用調製物など);脂漏性皮膚炎の治療薬(コールタールなど);コルチコステロイド;座瘡を含む病態を治療するために使用される、ビタミンAに由来するゲルまたはクリームであるレチノイド(Retin−AおよびTazorac(登録商標)など);およびいぼ治療薬(サリチル酸など)と同時投与(同時にまたは逐次的に)することができる。これらの薬剤はいずれも、局所用製剤または化粧用製剤の中に、例えば、ローション、軟膏、クリーム、ゲル、石けん、シャンプー、またはパッチなどの粘着性アプリケータの中に提供することができる。
本明細書に開示する医薬組成物はまた、皮膚に適用されない種々の他の治療薬、例えば、経口的または非経口的になど全身投与される治療薬と同時投与(同時にまたは逐次的に)することができる。そのような全身用治療薬の例としては、他の抗ループス薬(ヒドロキシクロロキン(PLAQUENIL(登録商標))、コルチコステロイド(プレドニゾンなど)、抗生物質(エリスロマイシン、テトラサイクリン、およびジクロキサシリンなど)、抗真菌剤(ケトコナゾールおよびDIFLUCAN(登録商標)など)、抗ウイルス剤(VALTREX(登録商標)、アシクロビル、およびFAMVIR(登録商標)など)、コルチコステロイド、免疫抑制剤(CYTOXAN(登録商標)、アザチオプリン、メトトレキセート、ミコフェノレートなど)、ならびに生物学的製剤(RITUXAN(登録商標)、ENBREL(登録商標)、HUMIRA(登録商標)、REMICADE(登録商標)、STELARA(登録商標)、およびAMEVIVE(登録商標)など)が挙げられる。
化合物Iと組み合わせて使用することができる特定の免疫抑制治療薬としては、例えば、メルカプトプリン、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾロン、アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリン、シロリムス、およびタクロリムス、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤、例えばミコフェノレート、ミコフェノール酸モフェチル、およびアザチオプリン、ならびに種々の抗体、例えば抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3)、および放射線を含む、レシピエントの体液性免疫応答を損なうことなく、細胞性免疫を抑制するように設計された薬剤が挙げられる。これらの種々の薬剤は、薬物の市販形態に添付される処方情報(また、2006年版のThe Physician's Desk Referenceの処方情報も参照のこと)に指定されるとおり、標準的または一般的な投与量に準拠して使用することができる。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。アザチオプリンは、商標名AZASAN(登録商標)でSalix Pharmaceuticals,Inc.から現在入手可能であり;メルカプトプリンは、商標名PURINETHOL(登録商標)でGate Pharmaceuticals,Inc.から現在入手可能であり;プレドニゾンおよびプレドニゾロンは、Roxane Laboratories,Inc.から現在入手可能であり;メチルプレドニゾロンは、Pfizerから現在入手可能であり;シロリムス(ラパマイシン)は、商標名RAPAMUNE(登録商標)でWyeth−Ayerstから現在入手可能であり;タクロリムスは、商標名PROGRAF(登録商標)でFujisawaから現在入手可能であり;シクロスポリンは、商標名SANDIMMUNE(登録商標)でNovartisからおよび商標名GENGRAF(登録商標)でAbbottから現在入手可能であり;ミコフェノール酸モフェチルおよびミコフェノール酸などのIMPDH阻害剤は、商標名CELLCEPT(登録商標)でRocheからおよび商標名MYFORTIC(登録商標)でNovartisから現在入手可能であり;アザチオプリンは、商標名IMURAN(登録商標)でGlaxo Smith Klineから現在入手可能であり;抗体は、商標名ORTHOCLONE(登録商標)でOrtho Biotechから、商標名SIMULECT(登録商標)(バシリキシマブ)でNovartisから、また商標名ZENAPAX(登録商標)(ダクリズマブ)でRocheから現在入手可能である。
一実施形態では、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩形態は、抗ヒスタミン剤、抗生物質、抗炎症剤、抗ウイルス剤、または緑内障薬などの薬物の眼科用製剤と組み合わせてまたはそれらと併用して投与される。そのような複合調製物は、主として眼の周囲の皮膚(まぶたなど)を冒すDLEの症例を治療するのに特に有用であり、例えば点眼剤または軟膏で、眼または眼の周囲に投与することができる。これらの複合製剤を調製する場合、その薬学的に許容される塩形態を含む化合物Iは、眼科用抗生物質(スルファセタミド、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、シプロフロキサシン、またはオフロキサシンなど);眼科用コルチコステロイド(プレドニゾロン、フルオロメトロン、またはデキサメタゾンなど);眼科用非ステロイド性抗炎症剤(イブプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラク、またはフルルビプロフェンなど);眼科用抗ヒスタミン剤(リボスチン、パタノール(patanol)、クロモリン、アロミド(alomide)、またはフェニラミンなど);眼科用抗ウイルス性眼薬(トリフルオロチミジン(triflurthymidine)、アデニン、アラビノシド、またはイドクスウリジンなど);眼科用緑内障薬(例えば、チモロール、メチプラノロール、カルテオロール、ベタキソロール、またはレボブノロールなどのβ遮断薬);眼科用プロスタグランジンアナログ(ラタノプロストなど);眼科用コリン作動薬(ピロカルピンまたはカルバコールなど);ブロモニジン(bromonidine)またはアイオピジン(iopidine)などの眼科用α作動薬;眼科用炭酸脱水酵素阻害剤(ドルゾラミドなど);および眼科用アドレナリン作動薬(エピネフリンまたはジピベフリンなど)と組み合わせることができる。
IV.実施例
機器、材料、および分析:
高速液体クロマトグラフィー(HPLC):グラジエント溶出、UV検出器、およびデータ収集を装着したHPLC系を使用した。カラム:Waters SymmetryShield RP18、3.5μm、4.6×150mm。
示差走査熱量測定(DSC):2〜6mgの試料をアルミニウム皿に置き、アルミニウム蓋で抑える。試料を25℃に平衡化し、窒素気流下、10℃/分の加熱速度で285℃または300℃に加熱する。
熱重量分析(TGA):2〜6mgの試料をアルミニウム皿に置き、皿を開放したままにする。試料を、窒素気流下、10℃/分の加熱速度で外気温から175℃または300℃に加熱する。
粉末X線回折(XRPD):XRPDデータを、1.0°/分の走査速度で、0.02°のステップにて3°から40°2θまで収集する。上部負荷試料ホルダーを使用して粉末試料を調製し、30kVおよび15mAで、Cu Kα放射線(λ=1.54056Å)で照射する。
偏光光学顕微鏡(PLM):試料をスライドガラス上に載せ、カバーグラスで覆い、明視野にて200〜400倍の倍率で光学顕微鏡により分析する。
カールフィッシャー電量計:5〜20mgの試料をプラスチック製スパチュラに載せる。試料全体が媒体中に浸るように、このスパチュラをタンクの中に挿入する。含水量を環境下で測定する。
半固体試料の調製:賦形剤および活性医薬成分(API)をガラス容器に加え、65℃〜70℃に加熱および/または超音波処理してAPIを完全に溶解させる。次いで、試料を室温に冷却する。
インビトロFranz拡散アッセイ:レセプターコンパートメントをリン酸緩衝生理食塩水/プロピレングリコール/エタノール/ポリソルベート80 45/40/10/5(%v/v)で満たす。レセプター媒体を磁気撹拌棒により撹拌する。約500mgの局所用製剤試料を秤量し、ドナーコンパートメントに加える。2つのコンパートメントを、セルロースアセテート膜フィルター(0.45μm、直径25mm、ref番号10 404 006、lot番号EY0302−1、Whatman製)で分離し、24時間、媒体に浸す。アッセイは室温で実行し、6時間継続する。約0.2mLのレセプター媒体を1時間ごとに収集し、レセプターコンパートメントを、新たな媒体で直ちに補充する。レセプター中のAPI濃度をHPLCにより分析する。
水分活性:水分活性を、Rotronicプローブ(モデル番号AW−DIO、S/N番号129237)により測定する。試料1gを試料カップに入れる。周囲との湿気交換を回避するために、プローブを試料カップ上に直ちに置く。湿度および温度の値が安定してから(両方の値が1〜2分間変化しない)、測定を行う。
粘度:粘度を、Hydramotion Viscoliteポータブル粘度計(モデル番号VL700−T15、S/N番号L1004−1090)で測定する。センサーを試料中に浸す。試料がセンサーと異なる温度である場合、完全に温度を平衡化するために十分な時間をかけた後、読み取る。
実施例1
予備安定性試験
溶液(DMI/PG/PEG400/EtOH 20/40/10/30中の10mg/gの化合物I)および化合物Iベシル酸塩の半固体製剤(DMI/PG/PEG400/PEG8000/Tefose(登録商標)63 20/40/10/25/5中の10mg/g)を調製した。40℃/75%RHでの半固体製剤の安定性試験1ヶ月間の後に、1%活性剤の純度は、試験開始時(T0)の99.8%と比較して、98.5%であることが見出され、また試料はT0での灰白色と比較して淡黄色に変化し、APIが酸化された可能性が示唆された。1週間にわたる、60℃/80%RHの加速ストレス条件下での抗酸化剤を含む溶液製剤の後続評価では、標識強度がBHT、BHA、およびビタミンEに関しては約100%であったが、ビタミンCでは90%に減少することが明らかになった。これらの抗酸化剤の中で、BHT含有試料のみが色変化を示さなかった。
実施例2
溶解性試験
化合物Iの溶解性試験を実施し、その結果を表1に示す。化合物I遊離塩基の水溶解性はわずか2μg/mLである。PEG400およびグリコフロールは、200mg/mL超の溶解性を付与し、化合物I遊離塩基に対する優れた溶媒であることが見出され、一方PEG400中の化合物Iベシル酸塩の溶解性はわずか48mg/mLであった。したがって、遊離塩基を化合物Iの製剤開発のために利用した。
(表1)化合物I(遊離塩基、HCl、およびベシル酸塩を含む)の溶解性試験
Figure 2018030849
Figure 2018030849
化合物I遊離塩基について25℃で決定された
化合物I遊離塩基
化合物I遊離塩基
化合物Iベシル酸塩
化合物I HCl
実施例3
製剤開発
化合物Iの局所用製剤は、以下の考察に基づいて開発した:1)臨床使用のための化合物Iの可能な最高濃度、2)皮膚浸透のための製剤マトリックスへの化合物Iの溶解性、3)臨床試験および最終的な製品化のために許容可能な有効期間を製剤に付与する、十分な物理的および化学的安定性、4)十分量の化合物Iを皮膚に送達できるような、化合物Iの良好な浸透性、5)工業規模製造に対する適合性、および/または6)審美的に満足な感触および皮膚上への容易な展延性。目標となる製品プロファイルには以下の特徴が含まれる:複数回投与用の従来のプラスチックチューブ(例えば、5〜50mL)に保存するのに適した半固体溶液;室温(15〜25℃)で保存した場合に安定であること;pH7±0.5;細菌およびカビ抵抗性;刺激、灼熱感、または刺痛感がないこと;可能な限り等張なローション様;十分な有効期間、すなわち室温で少なくとも2年間。
表2は、製剤中に使用される賦形剤およびその機能の一覧である。
(表2)賦形剤およびその機能の一覧
Figure 2018030849
PEG8000/PEG3350/PEG4500を含む製剤(表3):PEG8000を含む製剤を40℃/75%RHに置くと、1ヶ月後に極めて固く、乾燥していることがわかった。PEG8000を融解点が低いPEG3350およびPEG4500に置換した。25%のPEG3350を含むF#2は、65℃で透明ではなく、室温で易流動性の液体であり、粘度が低すぎることがわかった。PEG3350をPEG4500で置換し、他の賦形剤およびその量を同じに維持してF#3を得たが、これはもはや易流動性の液体ではなかった。F#4において水を4%に低減すると、ざらざらした乾燥した半固体物質が得られた。水を6%に増加させると、ざらざらした乾燥した製剤が得られた(F#7およびF#10)。水を8%に増加させると(F#8)、あまりざらざらしていないおよびあまり乾燥していない半固体物質が得られた。
(表3)基剤としてPEG8000/PEG3350/PEG4500を含む製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
水を含む製剤(表4):皮膚軟化性は、皮膚用の局所用製剤の重要な性状の1つである。製品の粘度を低下させるために、また製剤中にPEG400およびより高分子量のPEGなどの吸湿性賦形剤を使用することにより、皮膚からの可能ないくらかの水分損失を補償するために、製剤に水を導入した。水はまた、偶然にも良好なテクスチャおよび感触を製剤に付与した。水を含有しないF#1は、65℃で透明であり、この複雑な5成分混合物に対して1相が達成されることがわかった。4%と低率の水を製剤に導入した場合の特定の開示実施形態では、65℃で1相の溶液は得られなかった(F#3、F#4、およびF#5)。水を10%に増加し、PEG400を10%に維持すると(F#6)、化合物Iの20mg/mL溶液を保持するのに溶解性の問題が生じた。PEG400を34%に増加し(F#7)、水を10%に維持すると、PEG400中の化合物Iの高い溶解性(292mg/mL)により、65℃で1相の溶液が得られた。
(表4)水を添加した製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
Tefose(登録商標)63のMyrj(登録商標)59への置換(表5):Tefose(登録商標)63は、PEG−6ステアレートとエチレングリコールパルミトステアレートの混合物である。これは、高粘度の安定なエマルジョンを開発するために使用される非イオン性水中油型乳化剤であり、その軽いテクスチャ、優れた展延性および柔軟性により、粘膜への適用に幅広く使用されている。製剤に水を加えた場合、水とTefose(登録商標)63の非混和性により、潜在的な物理安定性の問題がもたらされた、すなわち、製剤はもはや1相系ではなかった。Spanファミリー(Span(登録商標)20、Span(登録商標)40、Span(登録商標)80)、Myrj(登録商標)45、およびMyrj(登録商標)59を試験し、Myrj(登録商標)59(F#6)のみが、高い温度で1相の溶液を生じた。さらに、Tefose(登録商標)63をMyrj(登録商標)59(F#9の上のF#10)に置換すると、製剤のフラックス値が266から541に増加し、浸透性の向上が示された。
(表5)Tefose63をMyrj59に置換した製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
PGの除去(表6):製剤マトリックスからPGを除去すると、製剤はより単純になると見積もられた。周知の浸透促進剤であるため、最初にPGが選択された。Tefose(登録商標)63ベースの製剤中のPGを除去すると(F#AからF#Bに)、フラックスが300から266へと若干低下した。MYRJ59ベースの製剤の中では、PGを除去すると、フラックスが458から583に若干増大した(F#CからF#Dに)。これにより、これらの製剤の浸透性に対するPGの寄与が顕著ではないことがわかった。PG除去を補償するためにPEG400を43%から48%に増大すると(F#4から#5に)、あまりざらざらしていない、より滑らかな製剤が得られた。
(表6)PGの役割を評価するための製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
浸透促進剤の評価(表7):プラセボおよび活性剤に関する、表7中の18の製剤から5活性剤を、美容的感覚および物理的外観の評価を下した後、インビトロ透過性アッセイのために選択した。DMIを15%から10%に低減すると(F#14から#16に)、フラックスが266から204に若干低下することがわかった。F#16におけるTefose(登録商標)63をF#18におけるMyrj(登録商標)59またはF#11におけるTPGSに置換すると、フラックスが、266に比較して、それぞれ541および484に改善された。Myrj(登録商標)59またはTPGSのいずれかとグリコフロールの組合せは、浸透性を増強した。
(表7)製剤の組成および特徴:浸透促進剤の最適化
Figure 2018030849
(表7の続き)製剤の組成および特徴:浸透促進剤の最適化
Figure 2018030849
実施例4
臨床製剤
上記の製剤開発研究に基づいて、製剤の1タイプを臨床製剤のプロトタイプとして選択した。PEG400のはるかに幅広い用途およびGMP品質の購入の容易さのために、グリコフロールよりもPEG400を選択し;局所経路におけるその幅広い用途のために、TPGSよりもMyrj(登録商標)59を選択した。PEG400/PEG4500/HOの比を変えることによって、最適な物理的外観を得るためのさらなる評価を実施し、その結果を表8〜10に記載する。粘度を低下させて、軟膏の皮膚軟化性を増大させるために、水を14%まで加えた(表8、F#1)。2%の化合物Iでは、製剤は均一であったが、やわらか過ぎた。溶解性試験から、14%の水、45%のPEG400、および20%のPEG4500を含有する製剤において、120mg/gの化合物I濃度を45℃で得ることができることがわかった。したがって、14%の水を含む毒物学的製剤が、沈殿することなく10%の化合物Iを含有することができるであろうと予測した。実際、化合物Iが6%、8%、および10%の毒物学的製剤プロトタイプはすべて、調製中、65℃で透明であった(表8、それぞれF#3、F#2、およびF#1)。しかしながら、これらの3つの製剤は、室温で決して固化しなかった。
水を10%に低減し、PEG4500を20%に増加し、PEG400を39%に低減すると、10%の化合物Iで、許容可能な物理的外観および安定性を有する半固体製剤Eが得られた(表9)。
(表8)14%のHOを含有する製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
(表9)毒性学的使用のためのプロトタイプ製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
製剤Eに基づいて、0.2%、2%、および4%強度のプロトタイプ臨床製剤を安定性試験用に開発した。水を10%、PEG4500を20%に維持し、化合物Iの変化をPEG400で補償すると、4%強度の化合物Iに対する製剤プロトタイプが得られた(表11、F#1)。この製剤は、65℃では透明であり、やわらかいが緩くはなく、室温ではざらざらした半固体ではなかった。同じアプローチを使用して、化合物Iが0.2%、1%(F#F)、2%、3%(F#G)、4%、および6%(F#H)の製剤プロトタイプを開発した(表10)。これらはすべて、65℃で1相の溶液であり、室温で、許容可能な物理的外観およびテクスチャを有していた。化合物Iが0.2%、2%、および4%の製剤を、長期安定性試験に入れた。
(表10)プロトタイプ製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
活性剤およびプラセボの間の外観の差を最小限に抑え、臨床試験での二重盲検を容易にするために、着色添加物を求め、評価した。カラメルは製薬産業で幅広く使用される着色添加物であり、バッチ証明を免除された少数の着色添加物の1つである。FDAの非活性成分表では、カラメルは0.26%まで局所適用に使用される。
0.05%〜0.2%のカラメルを使用して、色の差を隠すことの有効性を試験するためにいくつかの実験を実施した(表11)。0.2%のカラメルを含む製剤IおよびJは、褐色の半固体として出現した。0.1%のカラメルを含む製剤KおよびLは、淡褐色の半固体として出現した。0.05%のカラメルを含む製剤MおよびNは、ベージュ色の半固体として出現した。これらにはいずれもカラメルの匂いはなかった。0.1%または0.05%のカラメルは、プラセボと6%活性剤との間の色の差を有効に隠すことが観察された。60℃で3日間にわたる、カラメルを含む製剤の加速ストレス試験により、新たな不純物がHPLCにより見出されないことが明らかになった。
(表11)着色添加物としてカラメルを含有する製剤の組成および特徴
Figure 2018030849
実施例5
IL−4で刺激されたRamos B細胞株に対するアッセイ
JAK阻害に対するアッセイの1つの手段は、下流の遺伝子産物のアップレギュレーションに対する化合物Iの効果を検出することである。Ramos/IL4アッセイでは、B細胞をサイトカインインターロイキン4(IL−4)で刺激して、JAKファミリーキナーゼであるJAK1およびJAK3のリン酸化を介してJAK/Stat経路の活性化をもたらし、これにより、次には転写因子Stat−6がリン酸化され活性化される。活性化されたStat−6によりアップレギュレートされる遺伝子の1つが、低親和性IgEレセプターであるCD23である。JAK1およびJAK3キナーゼに対する阻害剤(例えば、本明細書に記載する2,4−置換ピリミジンジアミン化合物)の効果を試験するために、ヒトRamos B細胞をヒトIL−4で刺激する。刺激20〜24時間後に、CD23のアップレギュレーションについて細胞を染色し、フローサイトメトリー(FACS)を使用して分析した。対照条件と比較して、CD23の存在量が低下することから、試験化合物がJAKキナーゼ経路を活発に阻害することがわかる。このタイプの例示的なアッセイについて、以下により詳細に記載する。
サイトカインインターロイキン4(IL−4)で刺激されたB細胞は、JAKファミリーキナーゼであるJAK−1およびJAK−3のリン酸化を介してJAK/Stat経路を活性化し、これにより、次には、転写因子Stat−6がリン酸化され活性化される。活性化されたStat−6によりアップレギュレートされた遺伝子の1つは、低親和性IgEレセプターであるCD23である。JAKファミリーキナーゼに対する阻害剤の効果を試験するために、ヒトRamos B細胞をヒトIL−4で刺激する。
Ramos B細胞株を、ATCC(ATCCカタログ番号CRL−1596)から入手した。この細胞を、ATCC増殖プロトコルに従い、熱不活性化した10%のウシ胎仔血清(FBS)(JRH Biosciences,Inc,Lenexa,Kansas、カタログ番号12106−500M)を含むRPMI 1640(Cellgro,MediaTech,Inc.,Herndon,VA、カタログ番号10−040−CM)中で培養した。細胞を3.5×10の密度で維持した。実験の前日に、Ramos B細胞を、3.5×10細胞/mLに希釈して、それらが確実に対数増殖期になるようにした。
細胞を遠心沈殿し、5%の血清を含むRPMIに懸濁した。96ウェル組織培養プレート中で1ポイント当たり5×10細胞を使用した。化合物IまたはDMSO(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO、カタログ番号D2650)ビヒクル対照と共に、37℃のインキュベーター中で、細胞を1時間プレインキュベートした。次いで、最終濃度が50単位/mLのIL−4(Peprotech Inc.,Rocky Hill,NJ、カタログ番号200−04)で、細胞を20〜24時間刺激した。次いで、細胞を遠心沈殿し、抗CD23−PE(BD Pharmingen,San Diego,CA、カタログ番号555711)で染色し、FACSにより分析した。Becton Dickinson Biosciences(San Jose,California)から購入したBD LSR I System Flow Cytometerを使用して検出を行った。化合物Iは、0.056nMのIC50を示した。
実施例6
IL−2で刺激された初代ヒトT細胞の増殖アッセイ
化合物IのJAK活性は、初代ヒトT細胞の増殖応答に対する化合物Iの効果をアッセイすることによって、さらに特徴づけることができる。このアッセイでは、末梢血に由来し、T細胞受容体およびCD28の刺激を介してプレ活性化された初代ヒトT細胞が、サイトカインインターロイキン−2(IL−2)に応答して培養物中で増殖する。この増殖応答は、転写因子Stat−5をリン酸化し、活性化するJAK1およびJAK3チロシンキナーゼの活性化に依存する。初代ヒトT細胞を、化合物Iと共に、IL−2の存在下、72時間インキュベートし、アッセイの終点で細胞内ATP濃度を測定して、細胞生存率を評価する。対照条件と比較して細胞増殖が低下すると、JAKキナーゼ経路の阻害が示される。このタイプの例示的なアッセイについて、以下により詳細に記載する。
末梢血に由来し、T細胞受容体およびCD28の刺激を介してプレ活性化された初代ヒトT細胞は、サイトカインインターロイキン−2(IL−2)に応答してインビトロで増殖する。この増殖応答は、転写因子Stat−5をリン酸化し、活性化するJAK−1およびJAK−3チロシンキナーゼの活性化に依存する。
ヒト初代T細胞を以下のように調製した。全血を健常ボランティアから採取し、PBSと1:1で混合し、2:1の血液/PBS:フィコール比で、Ficoll Hypaque(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ,カタログ番号17−1440−03)上に積層し、4℃で30分間、1750rpmで遠心分離した。血清:フィコール界面にあるリンパ球を回収し、5倍容量のPBSで2回洗浄した。40U/mLの組換えIL2(R and D Systems,Minneapolis,MN,カタログ番号202−IL(20g))を含有するYsselの培地(Gemini Bio−products,Woodland,CA,カタログ番号400−103)中に細胞を再懸濁し、1μg/mLの抗CD3(BD Pharmingen,San Diego,CA,カタログ番号555336)および5μg/mLの抗CD28(Immunotech,Beckman Coulter of Brea California,カタログ番号IM1376)で予めコーティングしたフラスコ中に播種した。初代T細胞を3〜4日間刺激し、次いで、新鮮なフラスコに移し、10%のFBSおよび40U/mLのIL−2を含むRPMI中で維持した。
初代T細胞をPBSで2回洗浄して、IL−2を除去し、2×10細胞/mLでYsselの培地に再懸濁した。80U/mLのIL−2を含有する50Lの細胞懸濁液を、平底96ウェル黒色プレートの各ウェルに加えた。刺激されていない対照のために、プレートの最終列はIL−2を省いた。化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO、純度99.7%、細胞培養試験用、Sigma−Aldrich,St.Louis,MO,カタログ番号D2650)中で、5mMから3倍希釈で連続して希釈し、次いでYsselの培地中で1:250に希釈した。1ウェル当たり2×化合物50μlを二つ組で加え、37℃で72時間増殖させた。
CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を使用して増殖を測定した。このアッセイでは、代謝的に活性な細胞の指標としてのATP存在量の定量に基づいて培養物中の生存細胞の数を決定する。基質を融解し、室温に戻した。Cell Titer−Glo(登録商標)試薬と希釈剤を一緒に混合した後、100Lを各ウェルに加えた。回転式振盪機上でプレートを2分間混合して溶解を誘導し、室温でさらに10分間インキュベートして、シグナルを平衡化させた。Perkin Elmer,Shelton,CTから購入したWallac Victor2 1420マルチラベルカウンターを使用して検出を行った。このアッセイの結果に基づいて算出されたIC50は、0.181nMであった。
実施例7
皮膚ループスのマウスモデル
この実施例では、治療、予防、および併用治療のためのレジメンの選択を含む、皮膚ループス(DLEなど)の治療について選別するためのマウスモデルの使用について記載する。開示化合物、および本明細書に記載するものなどの複合製剤を試験するために、動物モデルを使用する。特定の例では、化合物Iを含有する局所用製剤を動物の皮膚に適用し、治療応答を評価する。製剤を動物に投与した後、皮膚病変の数または重症度の減少のエビデンスについて、皮膚を調べる。
DLEを理想的に模倣する、動物ベースのモデルは1つも見出されていないが、MRL/lprマウス系は、研究ツールとして有益である。これらの自己免疫マウスのトランスジェニックまたはノックアウト形態を使用して、皮膚ループスの発現を調べた。MRL/lprマウスでは、lpr突然変異により、Fes遺伝子の変化およびアポトーシスの欠陥が生じ、異常な機能および自己抗体産生を伴う異常なリンパ球増殖が生じる。これらの動物は、若年期によく見られる自然発生ループス様皮膚病変を発症し、マウスの加齢につれて次第に重症化する。Ghoreishi and Dutz,Lupus 19:1029−1035(2010)。
代替的なマウスモデルは、皮膚ループス病変を誘発するように、フルオロウラシルおよび紫外線B光照射で処置されたTCRα−/−マウスである。Furukawa and Yoshimasu,Autoimmunity Reviews 4:345−350(2005)。
しかしながら、現在開示されている治療法の有効性を実証し、試験するために現在好ましいマウスモデルは、参照により組み込まれる、Guiducci et al.,Journal of Experimental Medicine 207:2931−2942(2010)に開示されるようなループス易発性(NZB×NZW)Fマウスの使用である。これらのループス易発性マウスは、テープストリッピング後、ヒト慢性エリテマトーデスに類似した慢性皮膚病変を発症する。
ループス易発性(NZB×NZW)Fマウスは、Jackson Laboratoryから入手可能であり、18〜22週齢で使用することができる。C57BL/6および129マウスは、対照として(例えば、Charles Riverから)入手可能である。マウスの背部を3×3cmの面積剃毛し、テープストリッピングをダクトテープで10回行う。皮膚では、PDCおよび好中球の数が増大することになり、大量の細胞浸潤には、IFNに調節される炎症促進性遺伝子の発現の増大が伴う。テープストリッピングの約3週間後、マウスは、過角化を伴う著しい表皮過形成、ケラチンで満たされたクレーターまたは嚢胞、真皮線維性硬化症、および皮下脂肪の変性変化を有する。これらの変化は、慢性エリテマトーデスに罹患したヒトに見られる変化と類似している。
このモデルでは、種々の経路、投与量、およびレジメンを使用して、マウスを試験薬剤に曝露する。特定の例では、本明細書に開示する医薬製剤を、テープストリッピングを実施した部位またはテープストリッピングを実施することになる部位に局所適用する。製剤を、テープストリッピングの前または後、一定の間隔で(例えば、テープストリッピングの後または皮膚病変の発現の後、毎日)、1回または複数回投与する。皮膚病変の数、表面積、または外観などの疾患の徴候を測定することにより、薬物応答を評価することができる。病変の数または表面積が減少していない場合でも、病変の重症度(紅斑のレベルなど)は、試験治療薬に対する応答の評価として測定することができる。皮膚検体の組織学的分析も実施し、以下の基準に基づいて検体を1〜3の等級に分ける:(a)表皮の厚さ;(b)潰瘍の程度;(c)上皮内の炎症;(d)真皮の炎症;および(e)組織層の炎症。組織学的等級を以下のように割り当てる:0、正常な皮膚構造、真皮白血球ほとんどなし、および通常の付属器;1:軽度の炎症、わずかな表皮過形成、および真皮線維芽細胞増殖の徴候;2:中等度の炎症、過角化を伴う顕著な表皮過形成(表皮の厚さが2〜4倍に増加)、ほとんどマクロファージを伴わない顕著な白血球/好中球−顆粒球の真皮浸潤、真皮の中等度線維性硬化症、付属器の数の減少、および皮下脂肪組織のわずかな変性変化;および3:重度の炎症、過角化を伴う顕著な表皮過形成(表皮の厚さが4倍超に増加)、ケラチンで満たされたクレーターおよび嚢胞の形成、表皮層の散在性不連続(潰瘍)、豊富な好中球およびマクロファージを伴う広範囲の真皮浸潤、顕著な真皮線維性硬化症、付属器の消失、および皮下脂肪組織の明らかな変性変化。種々のパラメーターを採点し、合計して総合疾患スコアを得る。細胞浸潤はフローサイトメトリーを使用して処理することができる。
実施例8
治療方法および複合製剤
開示製剤で治療される対象は、DLE、ACLE、SCLE、またはDILEなどの皮膚エリテマトーデスの臨床症状に基づいて選択される。この実施例は、具体的にはDLEの治療に取り組むが、同様の治療方法は、ACLE、SCLE、またはDILEなどの他の皮膚型ループスに使用することができる。開示組成物は、一般に、皮膚上のDLE病変、例えば皮膚上のDLE病変にのみ局所適用されるが、より一般的には皮膚に適用することもできる。治療は、少なくとも1週間、1ヶ月、または1年継続することができ、一部の対象では、治療は、複数年、疾患の間、または対象の寿命におよぶことがある。
特定の場合には、対象は、全身用PLAQUENIL(登録商標)または局所用コルチコステロイドなど、他の薬学的または非薬学的な介入との併用治療のために選択される。他の場合には、化合物Iは、全身用PLAQUENIL(登録商標)または全身用もしくは局所用コルチコステロイドなど、LEまたはDLEのための他の治療薬とは併用せずに投与される。他の実施形態では、この方法は、抗DNA抗体、例えば抗ds−DNA抗体を有しない、DLEの対象に治療薬を投与することを含む。
対象は、皮膚エリテマトーデス、例えば、DLEなどの慢性皮膚エリテマトーデスの診断を行うことによって選択される。この特定の例では、SLEを罹患していない対象が選択される(例えば、抗dsDNA抗体あるいは腎臓、肺、中枢神経系、または眼、鼻、もしくは口の皮膚または粘膜以外の任意の器官の炎症などのSLEの全身症状を有しないことによって)。他の例では、対象は、身体の表面上の疾患の皮膚症状のみを有し、身体の他のいかなる器官にも病変を有していない。治療有効量の化合物は、局所用製剤で提供され、この製剤は、体幹および四肢伸側および/または頭皮における落屑性丘疹などの皮膚エリテマトーデス病変に直接適用される。医薬製剤は、2日以上、例えば少なくとも1週間、毎日、例えば1日当たり2〜4回病変に適用される。病変への製剤の局所適用は、製剤が適用される病変が退縮もしくは消失するか、または病変の進行が遅延または停止するまで継続される。
他の例では、治療用化合物は、日焼け止め製剤中に有効量で提供され、皮膚ループス病変の発症の誘因となることが多い紫外線への曝露から保護するために、紫外線への曝露前に皮膚に適用される。日焼け止め製剤は、紫外線への皮膚の曝露を最小限に抑えるために、例えば、有効量のPABAまたは酸化亜鉛を含有することができる。
化合物I(その塩を含む)を、皮膚ループス、またはドライアイに関連する病態などの別の病態を治療する別の薬剤と組み合わせた併用療法も提供される。皮膚ループス(DLEなど)の治療のための複合製剤には、局所用コルチコステロイド、例えば、グループI、II、III、IV、V、VI、またはVIIのコルチコステロイド、例えば以下のもののいずれかを含む複合製剤が含まれる。
グループI(極めて効力が高い:ヒドロコルチゾンよりも最大600倍効力が高い)
・プロピオン酸クロベタゾール0.05%(Dermovate)
・ジプロピオン酸ベタメタゾン0.25%(Diprolene(登録商標))
・プロピオン酸ハロベタゾール0.05%(Ultravate(登録商標))
・二酢酸ジフロラゾン0.05%(Psorcon(登録商標))
グループII
・フルオシノニド0.05%(Lidex(登録商標))
・ハルシノニド0.05%(Halog(登録商標))
・アムシノニド0.05%(Cyclocort(登録商標))
・デスオキシメタゾン0.25%(Topicort(登録商標))
グループIII
・トリアムシノロンアセトニド0.5%(Kenalog(登録商標)(Aristocortクリーム))
・フランカルボン酸モメタゾン0.1%(Elocon(登録商標)軟膏)
・プロピオン酸フルチカゾン0.005%(Cutivate(登録商標))
・ジプロピオン酸ベタメタゾン0.05%(Diprosone)
グループIV
・フルオシノロンアセトニド0.01〜0.2%(Synalar(登録商標)、Synemol、Fluonid)
・吉草酸ヒドロコルチゾン0.2%(Westcort(登録商標))
・酪酸ヒドロコルチゾン0.1%(Locoid(登録商標))
・フルランドレノロン0.05%(Cordran(登録商標))
・トリアムシノロンアセトニド0.1%(Kenalog(登録商標)、Aristocort A(登録商標)軟膏)
・フランカルボン酸モメタゾン0.1%(Elocon(登録商標)クリーム、ローション)
グループV
・トリアムシノロンアセトニド0.1%(Kenalog(登録商標)、Aristocort(登録商標)クリーム、ローション)
・プロピオン酸フルチカゾン0.05%(Cutivate(登録商標)クリーム)
・デソニド0.05%(Tridesilon、DesOwen(登録商標)軟膏)
・フルオシノロンアセトニド0.025%(Synalar(登録商標)、Synemolクリーム)
・吉草酸ヒドロコルチゾン0.2%(Westcort(登録商標)クリーム)
グループVI
・プレドニカルベート0.05%(Aclovate(登録商標)クリーム、軟膏)
・トリアムシノロンアセトニド0.025%(Aristocort A(登録商標)クリーム、ケナログ(登録商標)ローション)
・フルオシノロンアセトニド0.01%(Capex(登録商標)シャンプー、Dermasmooth)
・デソニド0.05%(DesOwen(登録商標)クリーム、ローション)
グループVII
・ヒドロコルチゾン2.5%(Hytone(登録商標)クリーム、ローション、軟膏)
・ヒドロコルチゾン1%(多くの店頭薬ブランド)
一部の例では、対象は、皮膚ループスに加えてある障害が診断されており、このさらなる障害は、エリテマトーデスを原因とするものではなく、またエリテマトーデスの症状でもエリテマトーデスに関連するものでもない。例えば、皮膚ループスのまぶた病変がある対象は、ドライアイと診断されることもあり、併用療法が対象に施される。一例では、対象が、酢酸プレドニゾロンの眼科用懸濁液1%などのコルチコステロイドの局所適用に応答する可能性のあるマイボーム腺炎に罹患していることが見つかっている。化合物I(その塩を含む)は、プレドニゾロン製剤中に懸濁され、1日に2〜4回、眼に注入または適用される。他の例では、ドライアイが、季節性アレルギーまたは他の炎症性病態に関連する場合、点眼剤は、抗ヒスタミン剤(フェニラミン、エメダスチン、またはアゼラスチンなど)、うっ血除去剤(塩酸テトラヒドロゾリンまたはナファゾリンなど)、または非ステロイド性抗炎症剤(ネパフェナクまたはケトロラクなど)、コルチコステロイド(フルオロメトロンまたはロテプレドノールなど)、または肥満細胞安定剤(アゼラスチン(azelastie)、クロマル、エメダスチン、ケトチフェン、ロドキサミン(lodoxamine)、ネドクロミル、オロパタジン、またはペミロラストなど)を含む製剤と共に投与されるか、またはその製剤中で投与される。ドライアイが、感染性細菌性病態(マイボーム腺感染または角膜感染など)に関連する場合、点眼剤は、適切な抗生物質(シプロフロキサシン、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、オフロキサシン、スルファセタミン、トブラマイシン、またはモノフロキサシン(monofloxacin)など)を含有し得る複合製剤と共に投与されるか、またはその複合製剤中で投与される。ドライアイが、ウイルス感染と関連する場合、点眼剤は、トリフルリジンまたはイドクスウリジンなどの抗ウイルス剤との複合製剤と共に投与されるか、またはその複合製剤中で投与される。
併用療法の別の例は、顔面上の皮膚ループス病変および/または目のひりひり感および毛細血管拡張症に伴う顔面紅斑を呈した後の目の酒さの両方を診断された対象である。対象は、化合物Iを含有する点眼剤、または顔に適用される局所用製剤で治療され、さらに対象は、経口抗生物質、例えば、ミノサイクリンなどのテトラサイクリン抗生物質でも治療される。あるいは、DLEを治療するためのゲルなど、皮膚LEを治療するための局所用組成物は、メトロニダゾールゲルなど、酒さを治療するための局所用薬剤も含有する。
別の例では、対象は、皮膚ループスおよび別の既存の自己免疫障害を呈し、化合物Iを含有する局所用製剤で治療される。対象はまた、漸減用量のプレドニゾロンなど、全身(例えば)経口コルチコステロイド療法で治療される。
実施例9
局所アプリケータおよび剤形
開示医薬組成物の実施形態は、皮膚の非標的部位に組成物を適用することなく皮膚の標的部位に組成物を適用することを可能にする適用器具で使用することができる。例えば、最初に指に組成物を付着させることなく、組成物を適用することを可能にする器具を使用することができる。適切な器具としては、スパチュラ、綿棒、針なし注射器、および粘着パッチが挙げられる。スパチュラまたは綿棒等の使用では、組成物を含有する容器に器具を挿入することが必要となることがある。注射器または粘着パッチの使用は、注射器またはパッチに組成物を充填することによって遂行することができる。次いで、組成物を、スパチュラまたは綿棒によって局所的に塗布してもよく、注射器から人の皮膚の上に押し出してもよい。
局所用製剤は種々の形態で調製することができる。固体は一般に固く、注ぐことはできず、通常は、バーもしくはスティックとして、または微粒子形態で製剤化され;固体は、不透明であっても透明であってもよく、場合によっては、溶媒(水およびアルコールを含む)、乳化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、芳香剤、色素/着色剤、防腐剤、および活性成分を含有させることができる。クリームおよびローションは、互いに類似する点が多く、主にその粘度が異なるものであり(通常、クリームはローションよりも濃厚で、粘性が高い);ローションおよびクリームは両方とも、不透明であっても、半透明であっても、または透明であってもよく、乳化剤、溶媒(水およびアルコールを含む)、ならびに粘度調整剤を含有することが多い。ローションおよびクリームはまた、場合によっては、保湿剤および皮膚軟化剤(特に、スキンケア製品の場合)、ならびに芳香剤、色素/着色剤、防腐剤、および活性成分を含有させることができる。ゲル/セラムは、濃い(高粘度)から薄い(低粘度)まで、ある範囲の粘度で調製することができ、通常不透明ではなく透明である点で、主にローションおよびクリームと異なる。ローションおよびクリームと同様に、ゲル/セラムは、乳化剤、溶媒(水およびアルコールを含む)、および粘度調整剤を含有することが多く、保湿剤および皮膚軟化剤、芳香剤、色素/着色剤、防腐剤、ならびに本明細書に記載の活性成分を含有させることもできる。水性液体は、クリーム、ローション、またはゲルよりも薄く、一般に透明であり;液体は、通常、乳化剤を含有しない。液体局所用製品は、水(アルコールを含む)に加えて他の溶媒を含有することが多く、粘度調整剤、保湿剤および皮膚軟化剤、芳香剤、色素/着色剤/顔料、防腐剤、ならびに活性成分を含有させることもできる。
製剤で使用するのに適切な二次的活性成分としては、これらに限定されないが、アルファヒドロキシ酸、日焼け止め、制汗剤、抗座瘡薬、ビタミン(特にビタミンAおよびC)、およびミネラル、ならびに種々の処方薬および店頭薬が挙げられる。本明細書に開示する組成物は、同じ局所用製剤中に複数の活性成分を有することができ、上記に記載のものなどの活性成分の組合せを、治療される1つまたは複数の病態に必要に応じて使用することができる。
製剤に含まれ得る他の適切な追加および補助の成分としては、これらに限定されないが、研磨剤、吸収剤、固化防止剤、消泡剤、静電防止剤、収れん剤(例えば、アメリカマンサク、アルコール、およびカミモール抽出物などのハーブ抽出物)、結合剤(例えば、デンプン、セルロースエーテル、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、第二リン酸カルシウム、および硫酸カルシウム二水和物)、賦形剤(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS、またはTPGSとしても知られる)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、トレハロース、炭酸水素ナトリウム、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびラクトース)、緩衝剤、キレート剤(例えば、Versene(登録商標)EDTA)、皮膜形成剤、コンディショニング剤、乳白剤(例えば、二酸化チタン)、pH調整剤(例えば、クエン酸および水酸化ナトリウム)、ならびに保護剤が挙げられる。これらの成分のそれぞれの例および局所用製品製剤中の他の適切な成分の例は、The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)による刊行物に見つけることができる。例えば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,2nd edition,eds.John A.Wenninger and G.N.McEwen,Jr.(CTFA,1992)を参照されたい。
種々の形態の製剤を調製するための他の方法論および材料は、Anthony L.L.Hunting(ed.),"A Formulary of Cosmetic Preparations(Vol.2)−−Creams,Lotions and Milks,"Micelle Press(England,N.J.1993)にも記載されている。例えば、Chapter 7,pp.5−14(油およびゲル);Chapter 8,pp.15−98(基剤およびエマルジョン);Chapter 9,pp.101−120(「万能製品」);Chapter 10,pp.121−184(クレンジングマスク、クリーム、ローション);Chapter 11,pp.185−208(ファンデーション、バニシングクリームおよびデイクリーム);Chapter 12,pp.209−254(皮膚軟化剤);Chapter 13,pp.297−324(美顔用製品);Chapter 14,pp.325−380(ハンド用製品);Chapter 15,pp.381−460(ボディおよびスキン用クリームおよびローション);およびChapter 16,pp.461−484(ベビー用品)を参照されたい;これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
実施例10
例示的な局所用製剤
局所用製剤は、種々の強度で、また本明細書に記載する種々の賦形剤濃度を使用して調製することができる。先に提示した表2には、この実施例で使用される賦形剤の一覧、および何ら特定の理論に制約されるものではないが、各賦形剤の機能が示されている。
表2を参照すると、実際の実施例に使用されるPEG400は、Croda Inc.,Edison NJから市販されているスーパーリファインド(Super Refined)ポリエチレングリコール400であった。同様に、これもCroda Inc.から入手可能なスーパーリファインドジメチルイソソルビド(DMI)を、通常、これらの実施例に使用した。
製剤を調製するために、賦形剤および化合物Iを、ガラス容器に加え、65℃〜70℃で加熱および/または超音波処理して、APIを完全に溶解させた。次いで、試料を室温に冷却する。この方法により調製される2つの例示的な製剤の成分を、以下に表12および13で示す。
(表12)
Figure 2018030849
(表13)
Figure 2018030849
開示する発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、説明した実施形態は本発明の単に好ましい例であり、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことを認識されたい。むしろ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲により定義される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲および精神の範疇に入るすべてを本発明者らの発明として主張する。

Claims (49)

  1. 局所投与のための医薬製剤であって、
    治療有効量の式
    Figure 2018030849
    の化合物またはその薬学的に許容される塩;
    局所用基剤;
    抗酸化剤;
    皮膚軟化剤;および
    浸透促進剤
    を含む医薬製剤。
  2. 前記治療有効量が約0.1%〜約10%(w/w)である、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 前記製剤が軟膏である、請求項1または2に記載の医薬製剤。
  4. 水混和性溶媒、皮膚軟化剤、界面活性剤、着色剤、またはそれらの組合せをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  5. 前記治療有効量が約0.1〜約10%(w/w)である、医薬製剤であって、
    15%〜40%(w/w)の前記局所用基剤;
    25%〜50%(w/w)の前記水混和性溶媒;
    10%〜20%(w/w)の前記浸透促進剤;
    3%〜15%(w/w)の前記皮膚軟化剤;
    3%〜9%(w/w)の前記界面活性剤;
    0.5%〜1.5%(w/w)の前記抗酸化剤;および
    0.05%〜0.25%(w/w)の前記着色剤
    をさらに含む、請求項4に記載の医薬製剤。
  6. 0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    30%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;
    30%〜40%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    3%〜5%(w/w)の水;
    5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
    0.05%〜0.25%(w/w)の着色剤
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  7. 1%(w/w)の化合物I、25%〜40%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および30%〜45%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  8. 3%(w/w)の化合物I、32%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および38%〜42%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  9. 6%(w/w)の化合物I、35%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および33%〜35%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  10. 1%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および48%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  11. 3%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および46%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  12. 6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および43%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の医薬製剤。
  13. 前記局所用基剤がポリエチレングリコールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  14. 前記局所用基剤が、約3000〜約8000ダルトンの平均分子量を有する、請求項13に記載の医薬製剤。
  15. 前記水混和性溶媒が、平均分子量200〜600ダルトンのポリアルキレングリコールである、請求項4に記載の医薬製剤。
  16. 前記水混和性溶媒がPEG−400を含む、請求項4に記載の医薬製剤。
  17. 前記PEG−400が、不純物を実質的に含まない、請求項16に記載の医薬製剤。
  18. 前記PEG−400が、約65ppm未満のホルムアルデヒドを含む、請求項17に記載の医薬製剤。
  19. 前記PEG−400が、約10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、請求項17に記載の医薬製剤。
  20. 前記PEG−400が、1ppm以下のホルムアルデヒドを含む、請求項17に記載の医薬製剤。
  21. 前記浸透促進剤が、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、またはそれらの組合せである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  22. 前記皮膚軟化剤が水を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  23. 前記界面活性剤が、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ステアリン酸グリコール/PEG32ステアレート/PEG6ステアレートを含む組成物、またはそれらの組合せである、請求項4に記載の医薬製剤。
  24. 前記抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  25. 前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエンである、請求項24に記載の医薬製剤。
  26. 前記着色剤が、0.05〜0.25%(w/w)のカラメルである、請求項4に記載の医薬製剤。
  27. 前記局所用基剤が、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリアルキレングリコールであり、前記水混和性溶媒が、平均分子量300〜500ダルトンのポリアルキレングリコールであり、前記浸透促進剤がジメチルイソソルビドであり、前記皮膚軟化剤が水であり、前記界面活性剤がポリエチレングリコールモノステアレートであり、前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエンであり、かつ前記着色剤がカラメル着色剤である、請求項4に記載の医薬製剤。
  28. 皮膚ループスの治療に適した、治療有効量の後続の活性薬剤をさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  29. 前記後続の活性薬剤が、局所用コルチコステロイドである、請求項28に記載の医薬製剤。
  30. 芳香剤、吸収剤、収れん剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、皮膜形成剤、コンディショニング剤、乳白剤、保護剤、またはそれらの任意の組合せをさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  31. 3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    32%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
    39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    4%(w/w)の水;
    5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
    0.05%のカラメル着色剤
    を含む医薬製剤。
  32. 6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
    33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    4%(w/w)の水;
    5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
    0.05%のカラメル着色剤
    を含む医薬製剤。
  33. 皮膚ループスを治療する方法であって、
    治療有効量の化合物
    Figure 2018030849

    局所用基剤;
    抗酸化剤;
    皮膚軟化剤;および
    浸透促進剤
    を含む医薬製剤を、対象に局所投与することを含む方法。
  34. 前記医薬製剤が、
    0.1%〜10%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に有効な塩;
    15%〜40%(w/w)の局所用基剤;
    25%〜50%(w/w)の水混和性溶媒;
    10%〜20%(w/w)の浸透促進剤;
    3%〜15%(w/w)の皮膚軟化剤;
    3%〜9%(w/w)の界面活性剤;および
    0.5%〜1.5%(w/w)の抗酸化剤
    を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 0.2%〜6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    30%〜40%(w/w)の、平均分子量4000〜5000ダルトンのポリエチレングリコール;
    30%〜40%(w/w)の、平均分子量300〜500ダルトンのポリエチレングリコール;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    3%〜5%(w/w)の水;
    5%(w/w)のポリエチレングリコールモノステアレート;および
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン
    を含む、請求項33または34に記載の方法。
  36. 前記医薬製剤が、1%(w/w)の化合物I、25%〜40%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および30%〜45%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  37. 前記医薬製剤が、3%(w/w)の化合物I、32%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および38%〜42%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  38. 前記医薬製剤が、6%(w/w)の化合物I、35%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および33%〜35%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記医薬製剤が、1%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および48%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  40. 前記医薬製剤が、3%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および46%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  41. 前記医薬製剤が、6%(w/w)の化合物I、20%(w/w)の、平均分子量4500ダルトンのポリエチレングリコール、および43%(w/w)の、平均分子量400ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項34に記載の方法。
  42. 前記医薬製剤が、
    3%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    32%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
    39.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    4%(w/w)の水;
    5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
    0.05%のカラメル着色剤
    を含む、請求項33に記載の方法。
  43. 前記医薬製剤が、
    6%(w/w)の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩;
    35%(w/w)のポリエチレングリコール4500;
    33.95%(w/w)のポリエチレングリコール400;
    15%(w/w)のジメチルイソソルビド;
    4%(w/w)の水;
    5%(w/w)のMYRJ(登録商標)S100−PA−SG;
    1%(w/w)のブチル化ヒドロキシトルエン;および
    0.05%のカラメル着色剤
    を含む、請求項33に記載の方法。
  44. 前記製剤がPEG−400を含む、請求項33〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記PEG−400が、不純物を実質的に含まない、請求項44に記載の方法。
  46. 前記PEG−400が、約65ppm未満のホルムアルデヒドを含む、請求項44に記載の方法。
  47. 前記PEG−400が、約10ppm未満のホルムアルデヒドを含む、請求項44に記載の方法。
  48. 前記PEG−400が、1ppm以下のホルムアルデヒドを含む、請求項44に記載の方法。
  49. 前記対象が皮膚ループス病変を有しており、かつ前記医薬製剤が該皮膚ループス病変に局所的に適用される、請求項33〜48のいずれか一項に記載の方法。
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