JP2018029018A - 蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で容器の強度を向上させることができる蓄電素子を提供すること。【解決手段】容器100を備える蓄電素子10であって、容器100は、母材の内面部116の少なくとも一部が、当該母材の外面部117よりも硬度が高く形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、容器を備える蓄電素子及びその製造方法に関する。
従来、メッキが施された容器(電池缶)を備える蓄電素子(電池)が広く知られている。例えば、特許文献1には、合金メッキを鋼板の両面に硬度に差を持たせて、電池缶の内面側では硬度を高く、外面側では硬度を低くしておくことにより、プレス絞り加工した場合に、電池缶内面に肌あれや割れを発生させる構成が開示されている。これにより、電池缶に充電するカーボンや活物質との密着性をよくし、電池特性(ハイレート特性)を高めることができ、また、電池缶外面は平滑な鏡面とできるため、耐食性、耐疵性及び美観を高めることかできている。
ここで、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子では、充放電を繰り返すことで容器の内圧が上昇しまた変動するが、これによって気密漏れを起こさないために、容器の強度を高めておく必要がある。
これに対し、上記特許文献1では、メッキによって容器の内面側の硬度を高くする構成ではあるが、鋼板にメッキを施す必要があるため、構成が複雑になる。また、上記特許文献1では、メッキによって容器の内面側の硬度を高くするのは、容器内面に肌あれや割れを発生させるためであり、容器の強度を高める目的ではないため、実際に容器の強度が高まっているかは不明である。特に、上記特許文献1では、容器の内面側の硬度を高くした後にプレス絞り加工を行い、容器内面に肌あれや割れを発生させているため、容器内面の硬度は変化しているはずであり、当該硬度は高いままとは限らない。
このように、上記従来の構成では、メッキを施す必要があるため構成が複雑になり、また、当該メッキを施しても容器の強度が高まっているとは限らないため、蓄電素子が充放電を繰り返すことで気密漏れを起こすおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で容器の強度を向上させることができる蓄電素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、容器を備える蓄電素子であって、前記容器は、母材の内面部の少なくとも一部が、当該母材の外面部よりも硬度が高く形成されている。
これによれば、蓄電素子において、容器の母材の内面部の少なくとも一部が、当該母材の外面部よりも硬度が高く形成されているため、メッキなどを必要とせず簡易な構成となっている。また、容器は、内面が内圧上昇及び内圧変動の影響を大きく受けるため、容器の母材の内面部の強度を向上させることで、気密漏れを効果的に抑制することができる。このように、当該蓄電素子によれば、簡易な構成で、容器の強度を向上させることができる。
また、前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の屈曲部分または湾曲部分を含むことにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、容器の母材の内面部の屈曲部分または湾曲部分が、当該母材の外面部よりも硬度が高く形成されている。つまり、容器の内面の屈曲部分または湾曲部分が、容器の内圧上昇及び内圧変動の影響を受けやすい部分であるため、当該屈曲部分または湾曲部分を補強することで、気密漏れを抑制することができる。
また、前記内面部の少なくとも一部は、前記外面部よりも摩擦係数が大きく形成されていることにしてもよい。
ここで、蓄電素子が衝撃や振動を受けた場合には、容器内部で電極体が移動して損傷するおそれがある。このため、容器の母材の内面部の少なくとも一部が当該母材の外面部よりも摩擦係数が大きく形成されていることで、容器内部での電極体の移動を規制し、当該損傷を抑制することができる。このように、当該蓄電素子によれば、簡易な構成で、容器の強度を向上させて気密漏れを抑制するとともに、電極体の移動を規制して損傷を抑制するという2つの機能を併せ持つことができる。
また、前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の平面部分を含むことにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、容器の母材の内面部の平面部分が、当該母材の外面部よりも摩擦係数が大きく形成されている。つまり、容器の内面の平面部分が、電極体と接触して移動を規制する部分であるため、当該平面部分の摩擦係数を大きくすることで、電極体の移動を規制して損傷を抑制することができる。
また、前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の内面に形成された凹凸面を有することにしてもよい。
これによれば、容器の内面部に例えばショットピーニング加工を施す等によって、当該内面部に凹凸面を形成することで、簡易に、内面部の少なくとも一部を、外面部よりも硬度が高く形成することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子の製造方法は、容器を備える蓄電素子の製造方法であって、前記容器の内面部の少なくとも一部にショットピーニング加工を施す工程を含む。
これによれば、蓄電素子の製造方法において、容器の内面部にショットピーニング加工を施すことによって、簡易に、内面部の少なくとも一部を、外面部よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成することができる。これにより、当該蓄電素子によれば、メッキなどを必要とせず簡易な構成で、容器の強度を向上させて気密漏れを抑制するとともに、電極体の移動を規制して損傷を抑制するという2つの機能を併せ持つことができる。
なお、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える容器としても実現することができる。
本発明によれば、簡易な構成で容器の強度を向上させることができる蓄電素子を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。
また、以下の説明及び図面中において、一対の集電体の並び方向、一対の電極端子の並び方向、一対のサイドスペーサの並び方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、容器の厚さ方向、または、電極体の極板の積層方向をY軸方向と定義する。また、蓄電素子の上下方向(設置状態での重力の作用する方向)、蓄電素子の電極体の巻回軸方向、または、容器の短側面の長手方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
(実施の形態)
まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。また、図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10の分解斜視図である。
まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。また、図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10の分解斜視図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車用電源や、電子機器用電源、電力貯蔵用電源などに適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300とを備えている。また、図2に示すように、容器100内方には、正極集電体130、負極集電体140、電極体400、上部スペーサ500、緩衝シート600及びサイドスペーサ700が収容されている。
なお、容器100と正極端子200及び負極端子300との間、並びに、容器100と正極集電体130及び負極集電体140との間には、絶縁性の封止部材(ガスケット)が配置されているが、詳細な説明は省略する。また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解質)が封入されているが、電解液の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体110と、容器本体110の開口を閉塞する板状部材である蓋体120とで構成されている。また、容器100は、電極体400等を内部に収容後、蓋体120と容器本体110とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。また、容器100(蓋体120及び容器本体110)は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の溶接可能な金属で形成されている。なお、蓋体120と容器本体110とは、同じ材質で形成されているのが好ましいが、異なる材質で形成されていてもかまわない。
なお、蓋体120には、容器100内部に電解液を注入するための注液口と当該注液口を塞ぐ注液栓とからなる注液部や、容器100の内圧が上昇したときに容器100内部のガスを排出するガス排出弁が配置されているが、これらの詳細な説明は省略する。また、容器本体110の詳細な構成の説明については、後述する。
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。具体的には、電極体400は、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて形成されている。これにより、電極体400は、正極板の突出部が積層されて形成されたタブ部410と、負極板の突出部が積層されて形成されたタブ部420とを有する。なお、本実施の形態では、電極体400の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、円形状、多角形状等でもよい。この電極体400の構成の詳細な説明については、後述する。
正極端子200は、正極集電体130を介して、電極体400の正極板に電気的に接続された電極端子である。負極端子300は、負極集電体140を介して、電極体400の負極板に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子200及び負極端子300は、電極体400に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体400に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。なお、正極端子200及び負極端子300は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成されている。
正極集電体130及び負極集電体140は、電極体400と容器100との間に配置され、電極体400と正極端子200及び負極端子300とを電気的に接続する側面視U字状の板状部材である。本実施の形態では、正極集電体130は、電極体400の正極側のタブ部410と溶接等により接合され、負極集電体140は、電極体400の負極側のタブ部420と溶接等により接合されている。また、正極集電体130は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成され、負極集電体140は、銅または銅合金等で形成されている。
上部スペーサ500は、電極体400と蓋体120との間に配置された全体として平板状の部材である。上部スペーサ500は、電極体400の上方への移動を規制する部材、及び、蓋体120と電極体400との間における短絡を防止する部材として機能する。上部スペーサ500は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の絶縁性を有する素材によって形成されている。
サイドスペーサ700は、電極体400のX軸方向の両側面と、容器100の内面との間に配置されている。サイドスペーサ700は、電極体400の位置を規制する役割を果たしている。サイドスペーサ700は、例えば上部スペーサ500と同様に、PC、PP、PE、またはPPS等の絶縁性を有する素材によって形成されている。
緩衝シート600は、発泡ポリエチレン等の、柔軟性の高い多孔質の素材で形成されており、電極体400と上部スペーサ500との間の緩衝材として機能する部材である。
次に、電極体400の構成について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る電極体400の構成を示す斜視図である。なお、同図では、電極体400の巻回状態を一部展開して図示している。
同図に示すように、電極体400は、正極板430及び負極板440と、セパレータ450a及び450bとが交互に積層されかつ巻回されることで形成されている。つまり、電極体400は、正極板430と、セパレータ450aと、負極板440と、セパレータ450bとがこの順に積層され、巻回されることで形成されている。
正極板430は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の金属箔である正極基材層の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。また、負極板440は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の金属箔である負極基材層の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。また、セパレータ450a及び450bは、樹脂からなる微多孔性のシートである。なお、正極活物質層に用いられる正極活物質、及び、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。また、セパレータ450a及び450bの素材としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければ、適宜公知の材料を使用できる。
ここで、正極板430は、巻回軸方向の一端において外方に突出する複数の突出部431を有している。負極板440も同様に、巻回軸方向の一端において外方に突出する複数の突出部441を有している。これら、複数の突出部431及び複数の突出部441は、活物質が塗工されず基材層が露出した部分(活物質未塗工部)である。なお、巻回軸とは、正極板430及び負極板440等を巻回する際の中心軸となる仮想的な軸であり、本実施の形態では、電極体400の中心を通るZ軸方向に平行な直線である。
そして、複数の突出部431と複数の突出部441とは、巻回軸方向の同一側の端(同図では、Z軸方向プラス側の端)に配置され、正極板430及び負極板440が積層されることにより、電極体400の所定の位置で積層される。その結果、電極体400には、複数の突出部431が積層されることで形成されたタブ部410と、複数の突出部441が積層されることで形成されたタブ部420とが形成される。タブ部410及び420は、例えば積層方向の中央に向かって寄せ集められて、正極集電体130及び負極集電体140と溶接等により接合される。
次に、容器100の容器本体110の具体的な構成について、詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係る容器本体110の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、容器本体110は、平板形状の側壁111〜114及び底壁115を有している。この側壁111〜114及び底壁115は、板状部材を折り曲げて溶接したり、プレス加工(絞り加工)を施したりすることで形成されている。これにより、側壁111〜114及び底壁115は、それぞれが矩形かつ平板な形状となり、その境界部分は屈曲または湾曲した形状となっている。
つまり、側壁111〜114は、内側の平面部分である内平面部111a〜114aと、外側の平面部分である外平面部111b〜114bとを有し、底壁115は、内側の平面部分である内平面部115aと、外側の平面部分である外平面部115bとを有している。また、側壁111及び側壁112は、境界部分において、内側の屈曲部分または湾曲部分である内曲面部111cと、外側の屈曲部分または湾曲部分である外曲面部111dとを有している。同様に、側壁112及び側壁113は、境界部分において、内側の屈曲部分または湾曲部分である内曲面部112cと、外側の屈曲部分または湾曲部分である外曲面部112dとを有している。内曲面部113c、114c、及び、外曲面部113d、114dについても同様である。また、側壁111〜114と底壁115との境界部分についても同様に、内曲面部及び外曲面部が設けられている。
そして、これらの内平面部111a〜115a、及び、内曲面部111c〜114c等の全ての内曲面部によって、内面部116が構成される。また、外平面部111b〜115b、及び、外曲面部111d〜114d等の全ての外曲面部によって、外面部117が構成される。つまり、内面部116は、容器本体110の内側の面であり、外面部117は、容器本体110の外側の面である。
このような構成において、容器本体110は、内面部116が外面部117よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成されている。つまり、内面部116は、外面部117よりも、強度(疲労強度)が高く、かつ、摩擦抵抗が大きく(すべりにくく)形成されている。
具体的には、容器本体110において、内面部116にショットピーニング加工が施されている。図5は、本実施の形態に係る容器本体110の内面部116にショットピーニング加工を施す処理を説明する図である。なお、本実施の形態では、容器本体110の内面部116の全面(全ての内平面部及び内曲面部)にショットピーニング加工を施すが、同図では、一例として、側壁111の内平面部111aに、ショットピーニング加工を施す例を示している。
まず、同図の(a)に示すように、側壁111の内平面部111aに、無数の鉄あるいは非鉄金属の丸い球体(ショット)Sを高速度で衝突させる。これにより、同図の(b)に示すように、側壁111の内平面部111aに、例えば幅が50μm〜300μm程度で深さ(高さ)が10μm〜200μm程度の凹部または凸部を有する凹凸面が形成される。また、このとき、内平面部111aには、塑性変形による加工硬化及び圧縮残留応力の付与が図られる。このため、このショットピーニング加工によって凹凸面が形成された内平面部111aは、外平面部111bに比べて、硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きい面となる。
このように、内平面部111aは、外平面部111bに比べて、硬度が高くなり、摩擦係数が大きくなる。なお、この硬度の比較は、例えば、ビッカース硬度を計測する等、公知の硬度を比較する手法で適宜判断することができる。また、摩擦係数の比較は、例えば、JIS K 7125、ISO 8295、ASTM D 1894のいずれかの規格に準拠した試験によって計測する等、公知の摩擦係数を比較する手法で適宜判断することができる。ここで、摩擦係数は、静止摩擦係数であってもよいし、動摩擦係数であってもよい。
このように、蓄電素子10の製造方法において、容器100の内面部116にショットピーニング加工を施す工程を含んでいる。これにより、簡易に、内面部116を外面部117よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成することができる。
なお、内面部116の全面にショットピーニング加工を施すのではなく、内面部116の一部にショットピーニング加工を施す構成でもよい。つまり、蓄電素子10の製造方法において、容器100の内面部116の少なくとも一部にショットピーニング加工を施す工程を含み、当該内面部116の少なくとも一部は、容器100の内面に形成された凹凸面を有している。
また、容器本体110には、メッキ等は形成されていない。つまり、容器本体110は、母材がショットピーニング加工されている。言い換えれば、容器100は、母材の内面側の少なくとも一部が、母材の外面側よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成されている。つまり、容器100は、母材の内面部116の少なくとも一部が、当該母材の外面部117よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成されている。
ここで、容器100は、内面が内圧上昇及び内圧変動の影響を大きく受ける。このため、容器100の母材の内面部116の強度を向上させることで、気密漏れを効果的に抑制することができる。また、容器100は、メッキなどを必要とせず簡易な構成となっている。このように、蓄電素子10によれば、簡易な構成で、容器100の強度を向上させることができる。特に、大型の蓄電素子の場合には、メッキを施すことでコストが増大するため、メッキを施さないことによるコスト低減の効果は大きい。
また、蓄電素子10が衝撃や振動を受けた場合には、容器100内部で電極体400が移動して損傷するおそれがある。このため、容器100の母材の内面部116の少なくとも一部が当該母材の外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されていることで、容器100内部での電極体400の移動を規制し、当該損傷を抑制することができる。このように、蓄電素子10によれば、簡易な構成で、電極体400の移動を規制して損傷を抑制することができる。
このように、容器100の母材の内面部116にショットピーニング加工を施して内面部116に凹凸面を形成することで、簡易に、内面部116の少なくとも一部を、当該母材の外面部117よりも硬度が高く、かつ、摩擦係数が大きく形成することができる。
ここで、内面部116の少なくとも一部を外面部117よりも硬度が高く形成する場合には、当該内面部116の少なくとも一部は、容器100の屈曲部分または湾曲部分を含むのが好ましい。つまり、容器100の母材の内面部116の屈曲部分または湾曲部分が、当該母材の外面部117よりも硬度が高く形成されているのが好ましい。具体的には、容器本体110の内面部116の内曲面部(内曲面部111c〜114c等)が、外面部117よりも硬度が高く形成されているのが好ましい。
つまり、この硬度の観点では、容器本体110の内面部116の内平面部(内平面部111a〜115a)は、外面部117よりも硬度が高く形成されていなくともかまわない。なお、この場合、内面部116の全ての内曲面部が外面部117よりも硬度が高く形成されていることには限定されず、一部の内曲面部が外面部117よりも硬度が高く形成されていればよい。また、内曲面部は、外面部117の硬度の最大値よりも硬度が高く形成されていてもよいし、外面部117の硬度の平均値よりも硬度が高く形成されていてもよい。または、内曲面部は、対応(対向)する外曲面部(例えば内曲面部111cには外曲面部111dが対応する)よりも硬度が高く形成されることにしてもよいし、周辺の外平面部(例えば内曲面部111cに対しては外平面部111bまたは112b)よりも硬度が高く形成されることにしてもよい。
この構成によれば、当該内曲面部が、容器100の内圧上昇及び内圧変動の影響を受けやすい部分であるため、当該内曲面部を補強することで、気密漏れを抑制することができる。例えば、図6に示すように、側壁111及び112の内平面部111a及び112aに内圧Fa及びFbが加わった場合には、内平面部111aと内平面部112aとの間の内曲面部111cに大きな力が加わる。このため、内曲面部111cにショットピーニング加工を施し、硬度を高く形成する。図6は、本実施の形態に係る容器100において内面部116の内曲面部の硬度を高く形成することによる効果を説明する図である。
なお、側壁111と側壁112とが溶接されて内曲面部111cが形成されている場合には、絞り加工等で形成されている場合よりも内曲面部111cの強度が弱くなっているため、内曲面部111cの硬度を高く形成することによる効果は大きい。
また、内面部116の少なくとも一部を外面部117よりも摩擦係数を大きく形成する場合には、当該内面部116の少なくとも一部は、容器100の平面部分を含むのが好ましい。つまり、容器100の母材の内面部116の平面部分が、当該母材の外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されているのが好ましい。具体的には、容器本体110の内面部116の内平面部(内平面部111a〜115a)が、外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されているのが好ましい。
つまり、この摩擦係数の観点では、容器本体110の内面部116の内曲面部(内曲面部111c〜114c等)は、外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されていなくともかまわない。なお、この場合、内面部116の全ての内平面部が外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されていることには限定されず、一部の内平面部が外面部117よりも摩擦係数が大きく形成されていればよい。また、内平面部は、外面部117の摩擦係数の最大値よりも摩擦係数が大きく形成されていてもよいし、外面部117の摩擦係数の平均値よりも摩擦係数が大きく形成されていてもよい。または、内平面部は、対応(対向)する外平面部(例えば内平面部111aには外平面部111bが対応する)よりも摩擦係数が大きく形成されることにしてもよいし、周辺の外曲面部(例えば内平面部111aに対しては外曲面部111dまたは114d)よりも摩擦係数が大きく形成されることにしてもよい。
この構成によれば、容器100の内面の平面部分が、電極体400と接触して移動を規制する部分であるため、当該平面部分の摩擦係数を大きくすることで、電極体400の移動を規制して損傷を抑制することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、メッキ等を必要としない簡易な構成で、容器100の強度を向上させて気密漏れを抑制するとともに、電極体400の移動を規制して損傷を抑制するという2つの機能を併せ持つことができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、容器100の内面部116にショットピーニング加工を施して内面部116に凹凸面を形成することとした。しかし、容器100の内面部116が外面部117よりも硬度が高くなるように形成する手法であれば、ショットピーニング加工には限定されず、例えば単なるプレス加工等、どのような手法を用いてもよい。この場合、内面部116に凹凸面を形成することには限定されず、内面部116と外面部117との摩擦係数が同等であったり、内面部116よりも外面部117の方が摩擦係数が大きくなってもかまわない。
また、上記実施の形態では、容器100は矩形箱型(角型)であることとしたが、容器100の形状は特に限定されず、円柱形状や長円柱形状等であってもよい。
また、上記実施の形態では、容器100は、溶接可能な金属で形成されていることとしたが、容器100は、上記の構成を満たすことのできる材質であれば樹脂等を用いてもかまわない。
また、上記実施の形態では、電極体400は、Z軸方向の巻回軸を有するいわゆる横巻きの巻回型形状であることとした。しかし、電極体400は、例えば、X軸方向の巻回軸を有するいわゆる縦巻きの巻回型形状、複数枚の平板状極板を積層したスタック型形状、または極板を蛇腹状に折り畳んだ形状などであってもよい。
また、蓄電素子10が備える電極体400の個数は1つには限定されず、2つ以上であってもよい。蓄電素子10が複数の電極体400を備える場合、容器100のコーナー部のデッドスペースを減らすことができるため、蓄電素子10の容量の増加が図られ、容器100は、内圧上昇及び内圧変動の影響をより大きく受けることとなる。また、蓄電素子10が複数の電極体400を備える場合には、容器100内で電極体400が動きやすくなる。これらにより、蓄電素子10が複数の電極体400を備える場合での本願による効果は大きい。
なお、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子10として実現することができるだけでなく、蓄電素子10が備える容器100としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
100 容器
110 容器本体
111〜114 側壁
111a〜115a 内平面部
111b〜115b 外平面部
111c〜114c 内曲面部
111d〜114d 外曲面部
115 底壁
116 内面部
117 外面部
400 電極体
100 容器
110 容器本体
111〜114 側壁
111a〜115a 内平面部
111b〜115b 外平面部
111c〜114c 内曲面部
111d〜114d 外曲面部
115 底壁
116 内面部
117 外面部
400 電極体
Claims (6)
- 容器を備える蓄電素子であって、
前記容器は、母材の内面部の少なくとも一部が、当該母材の外面部よりも硬度が高く形成されている
蓄電素子。 - 前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の屈曲部分または湾曲部分を含む
請求項1に記載の蓄電素子。 - 前記内面部の少なくとも一部は、前記外面部よりも摩擦係数が大きく形成されている
請求項1または2に記載の蓄電素子。 - 前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の平面部分を含む
請求項3に記載の蓄電素子。 - 前記内面部の少なくとも一部は、前記容器の内面に形成された凹凸面を有する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電素子。 - 容器を備える蓄電素子の製造方法であって、
前記容器の内面部の少なくとも一部にショットピーニング加工を施す工程を含む
蓄電素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016160703A JP2018029018A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 蓄電素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016160703A JP2018029018A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 蓄電素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018029018A true JP2018029018A (ja) | 2018-02-22 |
Family
ID=61248564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016160703A Pending JP2018029018A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 蓄電素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018029018A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11489223B2 (en) | 2019-06-10 | 2022-11-01 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Secondary battery |
-
2016
- 2016-08-18 JP JP2016160703A patent/JP2018029018A/ja active Pending
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