JP2018028689A - 偏光板及び液晶パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏光板100は、偏光子10と、偏光子10上に配置された保護フィルム20と、を備える。偏光子10の厚みは10μm以下であり、偏光板100の偏光度が99.98%以上であり、偏光板100の全光線透過率が42%以上である。
【選択図】図1
Description
(偏光板)
図1は、本発明の実施形態に係る偏光板100の基本的な層構成の一例を示す概略断面図であり、偏光板100は、偏光子10、偏光子10の一方の面に接着剤層5を介して貼り付けられた保護フィルム20と、偏光子10の他方の面に接着剤層5を介して貼りつけられた保護フィルム30と、を有する。保護フィルム20は液晶セル側に、保護フィルム30は液晶セルとは反対側に配置される。保護フィルム30上には機能層26を有することができる。また、保護フィルム20の下には粘着剤層28を有することができ、たとえば粘着剤層28を介して液晶セルに貼りつけられる。あるいは、図示はしていないが、保護フィルム20を用いず、偏光子10の保護フィルム30とは反対の面に直接、もしくは別の層(易接着層、帯電防止層、オーバーコート層など)を介して粘着剤層28を設け、この粘着剤層28を介して液晶セルに貼りつけられることもできる。
上記透過像鮮明度測定試験は、偏光板の透過光の光量を、透過光の光線軸に直交し、速度10mm/minで移動する幅n(mm)の光学くしを通して測定するものである。具体的には、写像性測定器(スガ試験機(株)製)を用いて測定する。写像性測定器は、スリットを透過した光を平行光線として、外側(液晶セルに対し反対側)となる保護フィルム30と反対側から(図1では保護フィルム20側から)垂直に入射させ、その透過光を移動する光学くしを通して検知する光学装置と、検知した光量の変動を波形として記録する計測系装置とから構成される。光学くしは、明部と暗部の幅の比が1:1で、その幅n(mm)は、0.125、0.5、1、2の4種類とし、移動速度は10mm/minとする。
Cn={(Mn−mn)/(Mn+mn)}×100
透過像鮮明度を高めるためには、例えば、保護フィルムなどの最外層に表面粗さの小さい防眩処理層や反射防止層などの機能層26(詳しくは後述)を設ければよい。
(偏光子)
偏光子10は、樹脂及び二色性色素を含む。二色性色素は樹脂中で配向しており、これにより偏光特性が発揮される。二色性色素の例は、ヨウ素、二色性有機染料である。
保護フィルム20、30は、可視光において透明な樹脂フィルムであれば特に限定されない。保護フィルム20、30は、互いに同一の材料のフィルムでもよく、互いに異なる材料のフィルムでもよい。またいずれか一方がなくてもよい。
接着剤層5としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを接着剤成分とする接着剤を用いることができる。本発明において好ましく用いられる接着剤の1つは、無溶剤型の接着剤である。無溶剤型の接着剤は、有意量の溶剤を含まず、加熱や活性エネルギー線(たとえば、紫外線、可視光、電子線、X線等)の照射により反応硬化する硬化性化合物(モノマーまたはオリゴマーなど)を含み、当該硬化性化合物の硬化により接着剤層を形成するものであり、典型的には、加熱や活性エネルギー線の照射により反応硬化する硬化性化合物と、重合開始剤(カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤)とを含む。無溶剤型の接着剤のなかでは、反応性の観点から、カチオン重合で硬化するものが好ましく、特に、エポキシ化合物を硬化性化合物とする無溶剤型のエポキシ系接着剤は、偏光フィルムとアクリル系樹脂フィルムとの接着性、および偏光フィルムとアクリル系樹脂以外の樹脂フィルムからなる保護フィルムとの接着性に優れているためより好ましい。
偏光板100は、保護フィルム20の上に直接又は別の層(易接着層、帯電防止層、オーバーコート層など)を介して粘着剤層28を有することができ、また、保護フィルム20が存在しない場合には偏光子10の上に直接又は別の層(易接着層、帯電防止層、オーバーコート層など)を介して粘着剤層28を有することができ、この場合、偏光板100を液晶セル等に貼り付けることが容易となる。粘着剤層28を形成する粘着剤の例は、例えば、特開2015−38631号公報に開示されている。
図3は、本発明の1実施形態に係る液晶パネル200の基本的な構成の一例を示す側面図である。図3に示す液晶パネル200は、液晶セル40と、その両面に配置された一対の偏光板100A、100Bとを有する。偏光板100Bは液晶セル40のバックライトBL側の面上に配置される。一方、偏光板100Aは液晶セル40のバックライトBLとは反対側の面、すなわち、視認側の面上に配置される。本実施形態では、視認側の偏光板100Aは機能層26を有するが、バックライト側の偏光板100Bは機能層26を有さない。各偏光板100A、100Bの粘着剤層28が液晶セル40と接触している。液晶セル40は、図示は省略するが、例えば、電極基板/液晶層/カラーフィルタ付きの電極基板という層構造を有している。
さらに、大型の液晶パネルは通常縦置きで使われ、大型の液晶パネルでは自重の影響がなくなるので、偏光板100による反りの影響を受けやすくなってしまい、本願発明の偏光板が特に好適である。
続いて、このような偏光板の製造方法の一例について説明する。まず、偏光子のフィルムを製造する。具体的には、まず、基材フィルムを用意し、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂などの樹脂の溶液を塗布し、溶媒を乾燥させて基材フィルム上に樹脂層を形成する。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、PETなどの樹脂フィルムを使用できる。プライマー層の材料の例は、偏光子に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂である。
(1)基材フィルムの製造
住友化学(株)製「住友ノーブレン W151」からなる樹脂層の両側に住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」からなる樹脂層を配置した3層構造の基材フィルムを、多層押出成形機を用いて共押出により成形し、各層厚み比3/4/3合計厚み100μmの基材フィルムを得た。
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製「Z−200」)3重量%水溶液の固形分6重量部に対して、架橋剤として(田岡化学(株)製「スミレーズレジン650」)を5重量部混合した。得られた混合水溶液を、コロナ処理を施した上記基材フィルムのコロナ処理面上にグラビアコーターを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA124」、平均重合度2400、平均けん化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を、上記プライマー層上にカンマコーターを用いて塗工し、80℃で5分間乾燥させることにより、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる3層構造の積層フィルムを作製した。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは10.5μmであった。
上記の積層フィルムを160℃の熱風下でMD方向(フィルム搬送方向)に収縮させながらTD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に延伸した。延伸工程途中のMD倍率およびTD倍率を制御しながら、最終的なMD倍率が0.40、最終的なTD倍率が5.8の延伸フィルムを得た。なお、延伸工程途中において、TD倍率1.6の時MD倍率0.71、TD倍率2.0の時MD倍率0.63、TD倍率3.0のときMD倍率0.52、TD倍率4.0の時MD倍率0.45、TD倍率5.0の時MD倍率0.41となるように延伸を行ない、最終的にTD倍率5.8、MD倍率0.40の延伸フィルムを作製した。
延伸した積層フィルムについて、次の手順で偏光性延伸フィルムを作製した。まず、延伸フィルムをヨウ素とヨウ化カリウムとを含む水溶液である30℃の染色溶液に48秒浸漬して、ポリビニルアルコール系樹脂層の染色を行ない、ついで10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次に、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液である72℃の架橋溶液に600秒間浸漬させた。その後、9℃の純水で4秒間洗浄し、最後に80℃で5分間乾燥させることにより、偏光性積層フィルムを得た。
偏光性積層フィルムを用いて、次の手順で偏光板を作製した。まず、ポリビニルアルコール((株)クラレ製「KL−318」)3重量%水溶液の固形分2重量部に対して、架橋剤(田岡化学(株)製「スミレーズレジン650」)を1重量部混合し、接着剤水溶液とした。
次に、得られた偏光性積層フィルムのポリビニルアルコール塗工面と保護フィルム(40μmのトリアセチルセルロース上に6μmの反射防止層が付与されたもの))との間に上述の接着剤水溶液を介在させた積層体を、一対のロールの間に導入して押圧し、その後80℃で5分間乾燥させた。その後、積層体から基材フィルムを剥離してさらに露出した偏光子の表面に他の保護フィルム(23μmのシクロオレフィンポリマー)を同様に貼合して偏光板を得た。
得られた長尺な偏光板から、150mm×150mmの第1の大きさの偏光板と、1780mm×1000mmの第2の大きさの偏光板を得た。偏光子の厚みは5μmであった。
保護フィルムとして40μmのトリアセチルセルロース上に8μmの防眩層を積層したものを用いた以外は実施例1と同様とした。
ポリビニルアルコール系樹脂層を支持フィルム上に、より厚く形成した以外は実施例2と同様とした。得られた偏光子の厚みは25μmであった。
ポリビニルアルコール系樹脂層を支持フィルム上に、より厚く(比較例1よりは薄い)形成し、最終的なMD倍率を0.40、最終的なTD倍率を4.3倍とした延伸フィルムを得た以外は実施例2と同様とした。得られた偏光子の厚みは25μmであった。
実施例1〜3及び比較例1〜2の偏光板の光学特性は表の通りであった。
液晶表示装置(シャープ社製の液晶テレビ、型式:NEXT「80XU30」、液晶パネルの画面サイズ:80インチ、液晶セルの厚み1.1mm、VAモード、ピクセルの面積:約0.21mm2)から液晶パネル(液晶セルAと呼ぶ)を取り外し、まず液晶パネルの視認側に配置されていた光学フィルムを150mm×150mm取り除いた後、得られた液晶セルのガラス表面を水拭きし、アルコールを浸したベンコットンで3回拭いて異物や粘着剤を取り除く。この液晶セルのガラス基板に、実施例1〜2、比較例1〜2で得られた第1の大きさの偏光板を、アクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して貼り合わせて液晶パネルを作製する。視認側の偏光板は、当該偏光板の吸収軸方向が、前記液晶セルの長辺方向と実質的に平行となるようにする。この状態で白画面を液晶パネルに表示させ、ヒトが目視で画像の見え方を評価する。評価としては、白色の明るさがほとんど周囲(元の偏光板)と変化しないものを○、周囲より暗くなるものを×として評価する。
次に液晶パネルの視認側に配置されていた光学フィルムをすべて取り除いた後、得られた液晶セルのガラス表面を水拭きし、アルコールを浸したベンコットンで3回拭いて異物や粘着剤を取り除く。この液晶セルのガラス基板に、実施例1〜2、比較例1〜2で得られた第2の大きさの偏光板を、アクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して貼り合わせて液晶パネルを作製する。この状態で花火の画像を液晶パネルに表示させ、ヒトが目視で画像の見え方を評価する。評価としては、明るい室内環境下で花火画像がくっきり見えるものを○、ぼやけて見えるものを×として評価する。
さらに森林の画像を液晶パネルに表示させ、ヒトが目視で画像の見え方を評価する。木々の葉の細部まで精細に見えるものを○、細部がぼやけるものを×とする。
反りについては、液晶パネルを80℃の炉内に250時間保持し、その後炉から取り出した直後の液晶パネルの反り量を測定する。反り量が5mm以下の場合を○、5mmより大きくなる場合を×とする。
Claims (8)
- 偏光子と、前記偏光子上に配置された保護フィルムと、を備える偏光板であって、
前記偏光子の厚みが10μm以下であり、
前記偏光板の偏光度が99.98%以上であり、
前記偏光板の全光線透過率が42%以上である、偏光板。 - 前記偏光板の外形形状は660mm以上の長辺及び370mm以上の短辺を有する矩形である、請求項1記載の偏光板。
- 3mm以下の厚みを有する液晶セル用である、請求項1又は2に記載の偏光板。
- ピクセルの面積が0.5mm2以下の液晶セル用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板。
- 0.125mm、0.5mm、1.0mm、及び、2.0mmの4種類の幅の光学くしに対する透過像鮮明度(%)の総和値(%)が200以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光板。
- 液晶セルと、前記液晶セルの両面に貼りつけられた請求項1〜5のいずれか一項に記載一対の偏光板と、を備える、液晶パネル。
- 前記液晶セルの厚みが3mm以下である、請求項6に記載の液晶パネル。
- 前記液晶セルのピクセルの面積が0.5mm2以下である、請求項6又は7に記載の液晶パネル。
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