JP2018025427A - 温度測定回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】より精確な温度を検出する温度測定回路を提供する。【解決手段】第1抵抗素子、前記第1抵抗素子の温度係数と異なる温度係数を有する第2抵抗素子、および、入力される選択信号に応じて選択される前記第1抵抗素子または前記第2抵抗素子が順次接続されるコンデンサを有し、入力される交流信号の周波数に応じた前記コンデンサの充放電によって直流成分を有する第1信号を出力する変換回路40と、基準信号と前記変換回路から出力された第1信号とが入力され、当該第1信号の電圧が当該基準信号の電圧と一致するように前記交流信号の周波数を制御する制御回路25と、前記選択信号が前記第1抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第1周波数、および前記選択信号が前記第2抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第2周波数に基づいて、温度を算出する演算回路60と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、温度測定回路に関する。
従来、図7に示すように、2つのダイオード接続したバイポーラトランジスタそれぞれに、比が異なる電流を供給し、それぞれのベースエミッタ間電圧の差ΔVBEの正確な温度依存性を、アナログデジタル変換器(Analog to Digital Converter;ADC)を介してデジタル値を得ることによって、温度を検出する温度センサが知られている。また、比が異なる電流を供給するのではなく、2つのバイポーラトランジスタの面積比を変えて、それぞれのバイポーラトランジスタに等しい電流を供給し、それぞれのベースエミッタ間電圧のΔVBEの正確な温度依存性を、ADCを介してデジタル値を得ることによって、温度を検出する温度センサが知られている。
また、バイポーラトランジスタに電流を供給するオペアンプとADCにチョッピング技術を採用し、さらにΔVBEを生成する電流比のばらつきと、ADCに使う容量のばらつきを抑えるためにダイナミックエレメントマッチング(Dynamic Element Matchnig;DEM)による平均化を行い、ΔVBEの温度に対する特性をデジタル値として取り出す技術が開示されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。また、基準温度における抵抗値が等しく温度係数が異なる2つの抵抗素子に流れる電流差から温度を求める技術が開示されている(例えば、特許文献2及び非特許文献2)。さらに、電圧制御発振回路(Voltage−Controlled Oscillator;VCO)の発振周波数の温度依存性から温度を求める技術が開示されている(例えば、特許文献3及び非特許文献3)。
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C. H. Weng; C. K. Wu; T. H. Lin "A CMOS Thermistor-Embedded Continuous-Time Delta-Sigma Temperature Sensor With a Resolution FoM of 0.65 pJ℃2" IEEE J. Solid-State Circuits, Nov. 2015, vol. 50, no. 11, pp. 2491.2500.
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本発明は、上記のような従来技術に伴う課題を解決しようとするものであって、その目的とするところは、より精確な温度を検出する温度測定回路を提供するところにある。
本発明の一実施形態によれば、第1抵抗素子、前記第1抵抗素子の温度係数と異なる温度係数を有する第2抵抗素子、および、入力される選択信号に応じて選択される前記第1抵抗素子または前記第2抵抗素子が順次接続されるコンデンサを有し、入力される交流信号の周波数に応じた前記コンデンサの充放電によって直流成分を有する第1信号を出力する変換回路と、基準信号と前記変換回路から出力された第1信号とが入力され、前記交流信号を出力する制御回路であって、当該第1信号の電圧が当該基準信号の電圧と一致するように前記交流信号の周波数を制御する制御回路と、前記選択信号が前記第1抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第1周波数、および前記選択信号が前記第2抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第2周波数に基づいて、温度を算出する演算回路と、を備える温度測定回路が提供される。
本発明によれば、より精確な温度を検出する温度測定回路を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
<実施形態>
[温度測定回路の構成]
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る温度センサ(温度測定回路)1の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路のブロック図を示す図である。
[温度測定回路の構成]
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る温度センサ(温度測定回路)1の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路のブロック図を示す図である。
温度センサ1は、リファレンス電圧回路10、オペアンプ(増幅回路)20、電圧制御発振器(発振回路)30、周波数電圧変換回路(変換回路)40、周波数デジタル変換器(生成回路)50、論理回路(演算回路)60を備える。オペアンプ20と電圧制御発振器30とを合わせて、制御回路25と呼ぶ。
リファレンス電圧回路10は、基準信号を出力する。基準信号は、直流成分を有し、出力される電圧をリファレンス電圧Vrefと呼ぶ。リファレンス電圧Vrefは、図5の説明において詳述するとおり、電源電圧VDDの分圧から生成される。
オペアンプ20は、非反転入力端子と、反転入力端子、出力端子を有する。リファレンス電圧Vrefは、オペアンプ20の非反転入力端子へ接続される。また、後述の周波数電圧変換回路40が出力するフィードバック電圧Vfbは、オペアンプ20の反転入力端子へ接続される。オペアンプ20は、リファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbの差分を増幅して、制御電圧Vcntを生成する。言い換えると、制御電圧Vcntは、リファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbに基づいて生成される。
電圧制御発振器30は、電圧制御発振器30の出力クロック信号CLKの発振周波数を制御する制御電圧Vcntが入力される入力端子を有する。また、電圧制御発振器30は、出力クロック信号CLKの電圧を出力する出力端子を有する。電圧制御発振器30は、リングオシレータ又はリラクゼーションオシレータである。
周波数電圧変換回路40は、出力クロック信号CLKが入力され、第1信号を出力する。第1信号は、直流成分を有し、出力される電圧をフィードバック電圧Vfbと呼ぶ。言い換えると、周波数電圧変換回路40は、入力される出力クロック信号CLKの周波数に応じて、フィードバック電圧Vfbを出力する。以上の構成によって、負帰還制御が働き、フィードバック電圧Vfbはリファレンス電圧Vrefと常に等しくなるように電圧制御発振器30の出力クロック信号CLKの周波数が制御される。
周波数デジタル変換器50は、出力クロック信号CLKの周波数を計測して、デジタルデータを生成する。周波数デジタル変換器50は、この例では、周波数カウンタである。
論理回路60は、周波数デジタル変換器50が生成したデジタルデータに基づいて、温度を算出する。温度測定回路1は、電圧制御発振器30の発振周波数の温度係数が異なる2種類の出力クロック信号CLKを選択して出力する。温度係数が異なる2つの出力クロック信号CLKの周波数の比を取ることで精確に温度を測定することができる。
次に、図2を用いて、温度係数が異なる2つの出力クロック信号CLKの周波数の比Nの任意温度Tに関するグラフについて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路における温度に関するグラフの一例を示す図である。
入力周波数を電圧に変換する周波数電圧変換回路40は、2種類の温度係数を切り替えられる仕組みを有する。後述のとおり、論理回路60から送信される選択信号SELに応じて、2種類の温度係数を切り替える。ここで、温度係数が異なる2つの出力クロック信号CLKの周波数の比Nは、以下の数式1で表される。T0は、N=1となる基準温度、Tは任意温度、AbとAcは温度係数である。
この式から、図2に示すような比Nと任意温度Tの関係が描け、グラフの近似線からTに関する方程式が得られる。周波数デジタル変換器50で温度係数が異なる2つの出力クロック信号CLKの周波数を計測し、論理回路60で温度係数が異なる2つの出力クロック信号CLKの周波数の比Nを算出して得られたNの値を、この方程式に当てはめることで任意温度Tを算出することが可能となる。
[周波数電圧変換回路の構成]
図3から図5を用いて、周波数電圧変換回路40の構成を具体的に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路が備える周波数電圧変換回路の構成を示す図である。
図3から図5を用いて、周波数電圧変換回路40の構成を具体的に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路が備える周波数電圧変換回路の構成を示す図である。
周波数電圧変換回路40は、抵抗素子(第1抵抗素子)R2bと抵抗素子(第2抵抗素子)R2cを有する。抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの温度係数は、互いに異なる。ここで、抵抗素子R2bの温度係数はAbであり、抵抗素子R2cの温度係数はAcである。抵抗素子R2bと抵抗素子R2cのいずれか一方は、選択信号SELで制御されるスイッチS3、スイッチS4を介して、グラウンドGNDへ接地される。
周波数電圧変換回路40は、コンデンサC1及びコンデンサC2を有する。コンデンサC1は、スイッチS1とスイッチS2によって、電源電圧VDDまたは周波数電圧変換回路40の出力端子のいずれか一方に接続される。コンデンサC1は、入力される選択信号SELに応じて選択される抵抗素子R2bまたは抵抗素子R2cが順次接続されるコンデンサである。スイッチS1とスイッチS2は、電圧制御発振器30の出力クロック信号CLKによって、制御されるが、この例では、電圧制御発振器30の出力端子とスイッチS2との間にインバータ401があることにより、スイッチS1のどちらか一方がONのとき、他方はOFFするように制御されている。なお、この例では、電圧制御発振器30の出力端子とスイッチS2との間にインバータ401があると説明したが、電圧制御発振器30の出力端子とスイッチS2との間にインバータ401を設けず、電圧制御発振器30とスイッチS1との間にインバータを設けることによって、スイッチS1のどちらか一方がONのとき、他方はOFFするように制御してもよい。
上述のとおり、周波数電圧変換回路40は、入力されるクロック信号CLKの周波数(交流信号の周波数)に応じたコンデンサC1の充放電によって、直流成分を有する第1信号を出力する。
ここで、スイッチS3がONでスイッチS4がOFFで、抵抗素子R2cが接地されているときの電圧制御発振器30から出力される出力クロック信号CLKの発振周波数を求めるが、わかりやすさの観点から、図3の周波数電圧変換回路40を簡易にした基本的な周波数電圧変換回路40A(図4)及びリファレンス電圧回路10を用いて、説明する。図4は、図3の周波数電圧変換回路を理解するための周波数電圧変換回路の基本構成を示す図である。図5は、本発明の一実施形態に係る温度測定回路が備えるリファレンス電圧回路の構成を示す図である。
図4に示す周波数電圧変換回路40Aは、図3に示す周波数電圧変換回路40が抵抗素子を2つ有するのと異なり、抵抗素子が1つである。すなわち、周波数電圧変換回路40Aは、抵抗素子R2を有するのに対し、周波数電圧変換回路40は、抵抗素子R2b及び抵抗素子R2cを有する。周波数電圧変換回路40Aの抵抗素子R2は、グラウンドGNDに接地している。周波数電圧変換回路40AのスイッチS1、スイッチS2、コンデンサC1、コンデンサC2については、周波数電圧変換回路40で説明したため、ここでは詳細な説明はしない。
スイッチS1がONでスイッチS2がOFFのとき、コンデンサC1の接続端子XはスイッチS1を介して電源電圧VDDに接続されて電荷が充電される。その後、スイッチS1がOFFでスイッチS2がONになったとき、コンデンサC1の接続端子XはスイッチS2を介して、出力端子に接続され、電源電圧VDDから充電された電荷は、出力端子に接続されたコンデンサC2と抵抗素子R2へ放電される。ここで、コンデンサC1の等価抵抗値は出力クロック信号CLKの周波数Fclkによって、以下の数式2のとおりに表すことができる。
次に、図5を用いて、リファレンス電圧回路10について説明する。リファレンス電圧Vrefは、周波数電圧変換回路40や周波数電圧変換回路40Aと同じ電源電圧VDDの分圧によって生成することが可能である。この例では、リファレンス電圧回路10は、スイッチドキャパシタ回路を備える。リファレンス電圧回路10は、コンデンサC3、コンデンサC4、コンデンサC5、セレクトスイッチS5、スイッチS6、スイッチS7を有する。
コンデンサC3及びコンデンサC4の一方のプレートは、スイッチS6を介して電源電圧VDDへ接続、もしくはスイッチS7を介してリファレンス電圧回路10の出力端子のどちらか一方に接続される。コンデンサC3の反対側のプレートは、セレクトスイッチS5を介してVDDまたはグラウンドGNDへ接続される。コンデンサC4の反対側のプレートは、常にグラウンドGNDへ接地とする。
ここで、スイッチS5、スイッチS6及びスイッチS7は、電圧制御発振器30の出力クロック信号CLKによって制御される。スイッチS6がONのとき、インバータ101があるためスイッチS7はOFFであり、セレクトスイッチS5は電源電圧VDD側へ接続される。そして、コンデンサC4には、電源電圧VDDから電荷が充電されて、コンデンサC3の両プレートは同電位となるため、コンデンサC3の電荷は放電されてリセット状態となる。
他方、スイッチS6がOFFのとき、スイッチS7はONとなり、スイッチS5はグラウンドGND側へ接続される。そのため、コンデンサC4に充電された電荷はコンデンサC3とコンデンサC5へ放電される。リファレンス電圧回路10の出力端子に現れるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサC3、コンデンサC4及び電源電圧VDDから、以下の数式5で表される。
周波数電圧変換回路40Aとリファレンス電圧回路10のスイッチ制御は、電圧制御発振器30の出力クロック信号CLKによって同一の周波数で制御される。また、リファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbが等しくなるように負帰還制御が働いている。そのため、リファレンス電圧回路10のコンデンサC3と周波数電圧変換回路40AのコンデンサC1、リファレンス電圧回路10のコンデンサC5と周波数電圧変換回路40AのコンデンサC2の容量値がそれぞれ等しい値とすれば、電源電圧VDDからリファレンス電圧Vrefと、電源電圧VDDからフィードバック電圧Vfbの周波数特性は等しくなるよう制御される。
また、周波数電圧変換回路40Aの抵抗素子R2の値がデバイスの温度で変化しても、リファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbが等しくなるように出力クロック信号CLKの周波数が変化して、リファレンス電圧回路10のコンデンサC3、コンデンサC4と周波数電圧変換回路40AのコンデンサC2の等価抵抗値は、R2に対する比が変化しないように出力クロック信号CLKで制御される。そのため、リファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbの周波数特性の温度に対する変化も等しくなる。電源電圧VDDにノイズが乗ってもリファレンス電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbに現れるノイズ成分は振幅と位相が等しい同相成分となるため、電源電圧VDDからのノイズ成分はオペアンプの同相除去によって低減することが可能である。
数式6をみると、周波数Fclkは、電源電圧VDDの依存性がなく、抵抗素子とコンデンサの値のみで決まることがわかる。すなわち、電源電圧VDDの変化は、温度測定回路1の精度に与える影響が小さいため、あらゆる電源電圧の条件でも使用が可能であるという効果を奏する。
ところで、半導体プロセスにおける抵抗素子は、ポリシリコン抵抗や拡散抵抗で実現され、これらの抵抗素子の温度係数の範囲は、−1500ppm/℃から500ppm/℃と広く、抵抗素子の材質によって温度係数は異なる。他方、コンデンサは、一般的な半導体プロセスではMetal−Oxide−Metal(MOM)またはMetal−Insulator−Metal(MIM)構造で実現でき、これらの容量値の温度係数は抵抗に対して無視できるほどに小さい。そこで、数式6の周波数Fclkは、抵抗値R2の温度変化のみに依存する周波数となり、以下の数式7で表される。
ここで、Aは抵抗素子の温度係数、T0は基準温度、Tは任意温度、R2|T0は基準温度におけるR2の抵抗値、Fclk|Tは任意温度のクロックの周波数である。
ここで、Aは抵抗素子の温度係数、T0は基準温度、Tは任意温度、R2|T0は基準温度におけるR2の抵抗値、Fclk|Tは任意温度のクロックの周波数である。
再び図3に戻って説明する。スイッチS3がONでスイッチS4がOFFで抵抗素子R2bが接地されているときの電圧制御発振器30から出力されるクロックの発振周波数Fclk_b|Tは、数式7から、以下の数式8で表される。
基準温度T0における抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値が等しければ、数式8と数式9の比は、以下の数式10で表される。数式10から、任意温度TにおけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比Nは2つの温度係数AbとAc、基準温度T0のみで決まることがわかる。
ここでフィードバック電圧Vfbとリファレンス電圧Vrefの差分を増幅して電圧制御発振器30の制御電圧Vcntを生成するオペアンプの有限利得とバラつきによる入力オフセット電圧Vofsを考慮に入れると、フィードバック電圧Vfbは、リファレンス電圧Vrefと等しくはならず、以下の数式11で表されることになる。
入力オフセット電圧Vofsを含む係数Vref−Vofs/(VDD−Vref+Vofs)は、抵抗素子R2が温度係数の異なる抵抗素子R2bまたは抵抗素子R2cに置き換わったとしても2つの状態において不変な値となる。したがって、それぞれの温度係数におけるクロック周波数Fclk_b|T及びFclk_c|Tの比Nを求める過程で入力オフセット電圧Vofsを含む係数は打ち消される。その結果、Nは数式10となりオペアンプの入力オフセット電圧の影響は受けないことがわかる。すなわち、本実施形態では、オペアンプ20の有限利得と素子ばらつきによるオフセットは、温度測定回路1の精度に影響しない。そのため、DC利得は小さくてよく、高い電源電圧が必要なMOSのカスケード構造や素子バラつきを抑えるための対策を採らなくてもよいといった効果を奏する。
本実施形態に係る温度測定回路1では、主な回路である電圧制御発振器30、周波数電圧変換回路40は、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)回路によるスイッチング動作で実現される。そのため、CMOS回路を構成するNMOSとPMOSの閾値電圧を超える程度の電源電圧で動作可能である。また、本実施形態に係る温度測定回路1は、オペアンプ20の出力の僅かな変化で、電圧制御発振器30が変わる感度を有する。そのため、オペアンプ20の出力範囲は狭くなり、電源電圧が1V程度でも十分な動作が可能である。したがって、ため、本実施形態に係る温度測定回路1によれば、低電圧化が可能であるという効果を奏する。
また、本実施形態に係る温度測定回路1では、従来技術より簡易な構成で精確な温度を検出する。そのため、コストの増加を抑制しつつ、より精確な温度を検出する温度測定回路1を提供することができる。
<変形例>
以上の実施形態では、リファレンス電圧回路10は、スイッチドキャパシタ回路による分圧回路であることを前提に説明した。もっとも、リファレンス電圧回路10は、これに限定されるものではなく、抵抗ラダー回路による分圧回路であってもよい。また、リファレンス電圧回路10は、より安定した基準電圧を生成することができるバンドギャップリファレンス回路であってもよい。
以上の実施形態では、リファレンス電圧回路10は、スイッチドキャパシタ回路による分圧回路であることを前提に説明した。もっとも、リファレンス電圧回路10は、これに限定されるものではなく、抵抗ラダー回路による分圧回路であってもよい。また、リファレンス電圧回路10は、より安定した基準電圧を生成することができるバンドギャップリファレンス回路であってもよい。
変形例においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
ところで、基準温度T0おける抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値は、設計段階で等しい値を取るようにしても、プロセスの変動やバラつきの影響により、サンプルごとに値は、互いに異なることがある。そこで、基準温度T0における抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値の差異を補正する方法として、以下の方法が考えられる。
[抵抗値の差異の補正1]
基準温度T0における抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値の差異を補正するために、抵抗素子R2bと抵抗素子R2cのどちらか一方または両方を可変抵抗として、サンプルごとに基準温度T0で抵抗値が等しくなるように調整してもよい。
基準温度T0における抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値の差異を補正するために、抵抗素子R2bと抵抗素子R2cのどちらか一方または両方を可変抵抗として、サンプルごとに基準温度T0で抵抗値が等しくなるように調整してもよい。
[抵抗値の差異の補正2]
基準温度T0におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比を求めておくことで周波数デジタル変換器50の後段の論理回路60で補正が可能である。この場合には、基準温度T0におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比の値を予めメモリなどに保持し、論理回路60で補正する際にメモリから読み出すことを要する。
基準温度T0におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比を求めておくことで周波数デジタル変換器50の後段の論理回路60で補正が可能である。この場合には、基準温度T0におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比の値を予めメモリなどに保持し、論理回路60で補正する際にメモリから読み出すことを要する。
抵抗素子R2bに対して抵抗素子R2cが±ΔRだけ誤差があることを仮定して、基準温度T0において測定されたFclk_b|T0とFclk_c|T0の比Nmは数式13、任意温度TにおけるN±ΔNは数式14で表される。なお、R2b|T0=R2c|T0である。
数式14はNmを含むため、数式13のNmの逆数を補正係数として式14へ乗算すれば数式9と等しくなる。したがって、以下の数式15で示すように、基準温度T0における抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの抵抗値の差異を補正したことと等価となる。
周波数電圧変換回路40が持つ温度係数の異なる2つの抵抗素子のばらつきの補正は、各抵抗素子を接地したときの電圧制御発振器30から出力されるクロック信号の周波数を観測して、それらの比を補正係数として予めデジタル値で記憶しておくことにより、後段の論理回路60でばらつきの補正は可能である。そのため、従来技術と異なり、温度精度に悪影響をもたらす調整用抵抗素子とバイパスするためのMOSスイッチを持たなくてもよい。したがって、コストの増加を抑制しつつ、より精確な温度を検出する温度測定回路を提供することができる
[抵抗値の差異の補正3]
測定時の温度Tmを用いることで計算から、抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの差異を補正するための係数1/Nmを得る求めることが可能である。抵抗素子R2bの温度係数Ab=−300ppm/℃、抵抗素子R2cの温度係数Ac=1500ppm/℃、基準温度T0=25℃とした時の0から100℃におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比Nは、数式10から図6のとおりに表される。図6は、本発明の変形例に係る温度測定回路が備える周波数電圧変換回路の2つの抵抗素子の抵抗値の差異を補正するための係数を求めるグラフの一例を示す図である。
測定時の温度Tmを用いることで計算から、抵抗素子R2bと抵抗素子R2cの差異を補正するための係数1/Nmを得る求めることが可能である。抵抗素子R2bの温度係数Ab=−300ppm/℃、抵抗素子R2cの温度係数Ac=1500ppm/℃、基準温度T0=25℃とした時の0から100℃におけるFclk_b|TとFclk_c|Tの比Nは、数式10から図6のとおりに表される。図6は、本発明の変形例に係る温度測定回路が備える周波数電圧変換回路の2つの抵抗素子の抵抗値の差異を補正するための係数を求めるグラフの一例を示す図である。
数式17において、N|Tmは数式16から得られる既知の値である。また、測定温度TmにおけるFclk_b|TmとFclk_c|Tmも測定から得られる既知の値となる。そのため、数式17を補正係数1/Nmについて解くことが可能である。
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1:温度測定回路 10:リファレンス電圧回路 20:オペアンプ
30:電圧制御発振器 40:周波数電圧変換回路
50:周波数デジタル変換器 60:論理回路
101、401、403:インバータ
30:電圧制御発振器 40:周波数電圧変換回路
50:周波数デジタル変換器 60:論理回路
101、401、403:インバータ
Claims (9)
- 第1抵抗素子、前記第1抵抗素子の温度係数と異なる温度係数を有する第2抵抗素子、および、入力される選択信号に応じて選択される前記第1抵抗素子または前記第2抵抗素子が順次接続されるコンデンサを有し、入力される交流信号の周波数に応じた前記コンデンサの充放電によって直流成分を有する第1信号を出力する変換回路と、
基準信号と前記変換回路から出力された第1信号とが入力され、前記交流信号を出力する制御回路であって、当該第1信号の電圧が当該基準信号の電圧と一致するように前記交流信号の周波数を制御する制御回路と、
前記選択信号が前記第1抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第1周波数、および前記選択信号が前記第2抵抗素子を選択しているときに前記制御回路から出力される前記交流信号の第2周波数に基づいて、温度を算出する演算回路と、
を備える温度測定回路。 - 前記演算回路は、前記第1周波数を保持した後、前記第2抵抗素子を選択する前記選択信号を前記変換回路に送信し、
前記制御回路は、前記第2周波数の前記交流信号を出力し、
前記演算回路は、前記第1周波数及び前記第2周波数に基づいて、前記温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の温度測定回路。 - 前記制御回路は、
前記基準信号及び前記第1信号が入力され、前記基準信号及び前記第1信号の電圧差に応じた電圧の制御信号を出力する増幅回路と、
前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じた周波数を有する前記交流信号を出力する発振回路と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度測定回路。 - 少なくとも前記第1抵抗素子及び前記第2抵抗素子のうち一つは、可変抵抗であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一に記載の温度測定回路。
- 前記第1抵抗素子及び前記第2抵抗素子それぞれの抵抗値の差異を補正する情報を前記演算回路に入力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一に記載の温度測定回路。
- 前記基準信号は、少なくともバンドギャップリファレンス回路、抵抗ラダー回路による分圧回路のうちの一つによって生成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一に記載の温度測定回路。
- 前記基準信号は、スイッチドキャパシタ回路を含む参照電圧回路によって生成され、
前記参照電圧回路には、前記制御回路が出力する前記交流信号が入力され、
前記基準信号は、前記第1信号と同相であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一に記載の温度測定回路。 - 前記発振回路は、リングオシレータ又はリラクゼーションオシレータであることを特徴とする請求項3に記載の温度測定回路。
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