JP2018025276A - 液圧アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】組付ミスによる製品不良を回避できる液圧アクチュエータの提供である。【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の液圧アクチュエータAは、内部に収縮側室R1と伸長側室R2とを有して伸縮可能な片ロッド型のシリンダCにおける収縮側室R1と伸長側室R2とを連通する補償通路2に、リザーバRの接続点Sを挟んで両側に設けた一対の弁座3,4と互いに逆向きに設けられて各弁座3,4に対して反接続点側から離着座する一対の弁体5,6と各弁体5,6同士の軸方向の接近を規制するプッシュロッド7とを備えた。【選択図】図2
Description
本発明は、液圧アクチュエータに関する。
航空機では、エルロン、ラダー、エレベータといった舵の駆動、ランディングギアの昇降などに油圧アクチュエータを利用している。このような油圧アクチュエータとしては、たとえば、シリンダとシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンとシリンダ内に挿入されるとともにピストンに連結されるピストンロッドとを備えたアクチュエータ本体と、モータで駆動されるポンプと、シリンダ内の収縮側油室と伸長側油室の一方を選択して圧油を供給する油圧回路とを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
油圧回路は、途中に双方向吐出型に設定されるポンプを備えて収縮側油室と伸長側油室とを連通する管路と、前記管路に対して前記ポンプと並列に設けられた分流バルブと、チェック弁を介してボア側油室に連通されるとともに分流バルブのドレーン口へ連通されるリザーバ油室とを備えている。このように構成された油圧アクチュエータでは、モータでポンプを駆動してアクチュエータ本体を伸縮させて所望する推力を得られる。
前述の油圧アクチュエータでは、アクチュエータ本体が片ロッド型とされているので、収縮時にあっては、シリンダ内に侵入するピストンロッドの体積分の作動油を分流バルブでリザーバ油室へ逃がして体積補償するようにしている。
ところが、分流バルブは、収縮側油室と伸長側油室との受圧面積を異にしているため、油圧アクチュエータに分流バルブを組付ける際に組付ミスによって取付け向きを反対にしてしまうと油圧アクチュエータが正常に機能しない。つまり、従来の油圧アクチュエータでは、組付ミスによる製品不良が生じやすい構造を備えているという問題があった。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的は、組付ミスによる製品不良を回避できる液圧アクチュエータの提供である。
上記した目的を達成するため、請求項1の液圧アクチュエータは、内部に収縮側室と伸長側室とを有して伸縮可能な片ロッド型のシリンダにおける収縮側室と伸長側室とを連通する補償通路に、リザーバの接続点を挟んで両側に設けた一対の弁座と互いに逆向きに設けられて各弁座に対して反接続点側から離着座する一対の弁体と各弁体同士の軸方向の接近を規制するプッシュロッドとを備えた。このように、液圧アクチュエータでは、片ロッド型に構成されたシリンダの体積補償を、補償通路に設けた弁座と、弁体と、プッシュロッドとで行っており、弁座および弁体の組付け方向に極性を持たせずに済む。
また、請求項2の液圧アクチュエータでは、プッシュロッドを軸方向長さが等しい一方側プッシュロッドと他方側プッシュロッドとして、それぞれ弁体に取り付けている。このようにすれば、一方側プッシュロッドを備えた弁体と他方側プッシュロッドを備えた弁体をともに同形状とできる。よって、プッシュロッドを含んで弁体が同一形状の部品となるので製造が容易となり製造コストも低減される。
さらに、請求項3の液圧アクチュエータでは、各弁体をそれぞれ対応する各弁座へ向けて附勢する一対のばねを備えている。このように構成された液圧アクチュエータでは、常に弁体を附勢して、弁体が弁座に着座する収縮側室と伸長側室の差圧をチューニングでき、ポンプの駆動に対して応答遅れなくシリンダが伸縮作動を呈する。
本発明の液圧アクチュエータによれば、組付ミスによる製品不良を回避できる。
以下、本発明の実施の形態における液圧アクチュエータAは、図1に示すように、内部に収縮側室R1と伸長側室R2とを有して伸縮可能な片ロッド型のシリンダCと、収縮側室R1と伸長側室R2とを連通する供給通路1と、供給通路1に設けた双方向吐出型のポンプPと、収縮側室R1と伸長側室R2とを連通する補償通路2と、補償通路2に接続されるリザーバRと、補償通路2のリザーバRの接続点Sを挟んで両側に設けた一対の弁座3,4と一対の弁体5,6と、弁体5,6間に設けたプッシュロッド7とを備えて構成されている。
液圧アクチュエータAは、本例では、外部から液圧の供給を受けずにモータ8でポンプPを駆動して伸縮作動できるようになっており、用途は限定されてはいないが、たとえば、航空機のエルロン、ラダー、エレベータといった舵の駆動、ランディングギアの昇降などを駆動する用途に適している。
以下、液圧アクチュエータAの各部を詳細に説明する。シリンダCは、筒10と、筒10内に移動可能に挿入されて筒10内を収縮側室R1と伸長側室R2とに仕切るピストン11と、筒10内に移動可能に挿入されて一端がピストン11に連結されるピストンロッド12とを備えた片ロッドのシリンダとされている。このシリンダCは、筒10に対してピストン11が軸方向へ移動してピストンロッド12が筒10に出入りして伸縮するテレスコピック型に設定されている。
筒10は、図1中右端が閉塞されるとともに左端はピストンロッド12の外周に摺接してピストンロッド12の軸方向の移動を案内する環状のロッドガイド13によって閉塞されている。また、筒10は、収縮側室R1に通じるポート10aと伸長側室R2に通じるポート10bが設けられており、これらポート10a,10bは筒10外で供給通路1により接続されている。なお、筒10内に設けられた収縮側室R1と伸長側室R2には、作動油などの液体が充填されているが、液圧アクチュエータAの作動に使用される液体は、作動油に限定されず、使用環境によっては、水、水溶液といった作動油以外の液体の使用も可能である。
供給通路1の途中には、双方向吐出型のポンプPが設けられている。ポンプPは、モータ8によって駆動されるようになっており、正回転させられると供給通路1を通じて収縮側室R1へ液体を送り出し、逆回転させられると供給通路1を通じて伸長側室R2へ液体を送り出すように液体を吐出する。
補償通路2は、供給通路1のポンプPを挟んだ両側にループ状に接続されており、補償通路2にはリザーバRが接続点Sにて接続されるとともに、前述の弁座3,4、弁体5,6およびプッシュロッド7が設けられる。
補償通路2は、供給通路1とは独立して収縮側室R1と伸長側室R2を筒10外で連通するように設置されてもよいが、前述のように供給通路1に補償通路2を接続して構成すると筒10に設けるポート10a,10bの数を少なくできる点で有利である。
リザーバRは、本例では、液体の他に気体が充填されて加圧されており、筒10内の収縮側室R1および伸長側室R2へ内部圧力を作用させられるようになっていて、航空機が高高度を飛行してもシリンダC内が外気圧より低くならないようしている。なお、リザーバR内においては、航空機のヨー、ロール、ピッチの姿勢変化によっても気体と液体とが混ざり合わないように、気体と液体とをフリーピストン、ダイヤフラムやブラダ、ベローズ等で仕切る気液分離構造が採用される。なお、液圧アクチュエータAが地上でのみ使用されて筒10内の加圧が不要な場合には、リザーバRを加圧式とせずともよく、また、液圧アクチュエータAへの振動入力によって気体と液体とが混ざり合いの心配がない場合、気液分離構造の採用を省略できる。
弁座3,4は、図1および図2に示すように、補償通路2の途中であって、リザーバRの接続点Sを挟んで両側に設けられており、ともに同一形状とされている。具体的には、図2に示すように、補償通路2を内部に備えるハウジングH内に弁座3,4が設けられている。
そして、ハウジングH内に設けた補償通路2を形成する通路H1のリザーバRが接続される接続点Sを含む区間L1の内径をこの区間L1の両側の区間L2,L3の内径よりも小径にして、接続点Sの両側に段部を設け、この段部で環状の弁座3,4を形成している。通路H1は、直線状とされて補償通路2の一部を形成しており、弁座3,4は、互いに同軸上に対向して配置されている。
弁体5,6は、補償通路2のリザーバRの接続点Sを挟んで両側に同軸であって互いに逆向きに設けられて対応する各弁座3,4に対して反接続点側から離着座するよう補償通路2内に収容されている。
具体的には、弁体5,6は、ハウジングH内に設けた補償通路2を形成する通路H1の区間L2,L3にそれぞれ軸方向移動可能に収容されている。弁体5,6は、ともに、通路H1の内周に摺接する筒状のガイド部5a,6aと、ガイド部5a,6aの一端を閉塞するとともにガイド部5a,6aおよび通路H1の内径より小径の小径部5b,6bと、小径部5b,6bの先端に設けられて対応する弁座3,4に離着座する円錐状の弁頭5c,6cと、小径部5b,6bの側方からガイド部5a,6a内に開口する弁内通路5d,6dとを備えている。そして、弁体5,6は、ともに同一形状とされている。
このように、弁体5は、弁座3に対して接続点Sとは反対側の通路H1の区間L2内に軸方向移動可能に収容されていて、弁座3に反接続点側、つまり、図2中右側から着座するようになっている。また、弁体5は、ガイド部5aが通路H1内に摺接しているので、ハウジングHによって軸方向の移動が案内されて弁座3に着座した際に弁頭5cを弁座3の内周縁に密着させて通路H1を閉塞して、リザーバRと収縮側室R1との連通を断つようになっている。他方、弁体5は、弁座3から離座した状態では、弁内通路5dと小径部5bと通路H1との間の隙間を介してリザーバRの収縮側室R1との連通を許容する。
弁体6も同様に、対応する弁座4に対して接続点Sとは反対側の通路H1の区間L3内に軸方向移動可能に収容されていて、弁座4に反接続点側、つまり、図2中左側から着座するようになっている。また、弁体6は、ガイド部6aが通路H1内に摺接しているので、ハウジングHによって軸方向の移動が案内されて弁座4に着座した際に弁頭6cを弁座4の内周縁に密着させて通路H1を閉塞して、リザーバRと伸長側室R2との連通を断つようになっている。他方、弁体6は、弁座4から離座した状態では、弁内通路6dと小径部6bと通路H1との間の隙間を介してリザーバRの伸長側室R2との連通を許容する。
そして、ハウジングHに設けた通路H1は直線状に伸びており、通路H1内に収容された弁体5,6も弁座3,4と同様に同軸上に配置され、弁体5,6は互いに逆向きに設置されている。なお、本例では、弁体5,6の弁座3,4に着座する弁頭5c,6cの形状は円錐状とされているが、円柱状であって端面を弁座3,4に着座させる平弁等、他の形状とされてもよい。
プッシュロッド7は、本例では、弁体5に取り付けられる一方側プッシュロッド7aと弁体6に取り付けられる他方側プッシュロッド7bとを備えて構成されている。一方側プッシュロッド7aは、弁体5の弁頭5cの先端である図2中右端から突出していて、この場合、弁体5に同一部品として一体とされているが、別部品で構成して弁体5に取り付けてもよい。他方側プッシュロッド7bは、弁体6の弁頭6cの先端である図2中左端から突出していて、この場合、弁体6に同一部品として一体とされているが、別部品で構成して弁体6に取り付けてもよい。
一方側プッシュロッド7aの先端である図2中右端と他方側プッシュロッド7bの先端である図2中左端は、弁体5,6同士が接近すると当接して、それ以上の弁体5,6同士の軸方向での接近を規制するようになっている。そして、一方側プッシュロッド7aと他方側プッシュロッド7bの各軸方向の長さは等しく同一で、また、プッシュロッド7の軸方向の全長、つまり、一方側プッシュロッド7aと他方側プッシュロッド7bの各軸方向の長さの総延長は、両弁体5,6が対応する両弁座3,4に同時に着座しない長さに設定されている。
つまり、本例では、一方側プッシュロッド7aの先端と他方側プッシュロッド7bの先端が当接して弁体5,6同士の接近を規制した状態では、弁体5と弁体6の少なくともいずれか一方は、対応する弁座3,4に着座できないようになっている。具体的には、弁座3,4間の軸方向長さよりも、一方側プッシュロッド7aの先端と他方側プッシュロッド7bの先端が当接した状態における弁体5の弁座3に着座する弁頭5cの箇所aから弁体6の弁座4に着座する弁頭6cの箇所bまでの距離(軸方向距離)の方が長くなるように、プッシュロッド7の全長を設定してある。
よって、弁体5と弁体6が軸方向で最接近しても、弁体5と弁体6が対応する弁座3と弁座4のいずれにも接していないか、弁体5のみが弁座3に着座し弁体6が弁座4から離座しているか、或いは、弁体5が弁座3から離座し弁体6のみが弁座4に着座する状態となる。よって、前記三つの状態以外の状態、つまり、弁体5が弁座3に着座し、且つ、弁体6が弁座4に着座する状態は生じないようになっている。
なお、プッシュロッド7は、前述の状態を実現できれば、弁体5にのみ取り付けられて弁体6に対しては当接するようになっていてもよいし、弁体6にのみ取り付けられて弁体5に対しては当接するようになっていてもよい。また、プッシュロッド7は、通路H1或いは通路H1内にガイドを設置して、弁体5および弁体6に当接できる状態で軸方向移動可能であって径方向に位置決めされれば、弁体5,6とは別体として設けるようにしてもよい。
つづいて、ハウジングHの通路H1の区間L2の左端には、ばね受20が螺着されており、ハウジングHの通路H1の区間L3の右端には、ばね受21が螺着されている。そして、ばね受20と弁体5の小径部5bの図2中左端にはばね22が圧縮状態で介装され、ばね受21と弁体6の小径部6bの図2中右端にはばね23が圧縮状態で介装されている。よって、弁体5,6は、一対のばね22,23によって対応する弁座3,4側へ附勢されている。そして、ばね22,23の附勢力のほかに弁体5,6に外部から負荷が作用していない状態では一方側プッシュロッド7aと他方側プッシュロッド7bが当接して弁体5,6が最接近する状態となる。ばね受20,21は、ハウジングH外から操作可能とされており、ばね22,23へ与える初期荷重を調節できる。この初期荷重の調節により、ばね22,23の附勢力のほかに弁体5,6に外部から負荷が作用していない状態を中立状態とすると、中立状態において前記三つの状態のいずれの状態をとるかを設定できる。
このように構成された液圧アクチュエータAでは、モータ8を駆動してポンプPを正回転させると、ポンプPは、伸長側室R2から作動油を吸い込んで収縮側室R1へ供給する。すると、ピストン11が筒10内を図1中右方へ移動して、収縮側室R1内の容積が拡大するとともに伸長側室R2の容積が減少し、シリンダCは収縮作動を呈する。
ポンプPを正回転させて収縮側室R1へ作動油を供給し、シリンダCを収縮作動させる際、収縮側室R1の圧力が伸長側室R2の圧力より高くなる。よって、収縮側室R1の圧力が弁体5を弁座3へ向けて押圧する力が伸長側室R2の圧力が弁体6を弁座4へ向けて押圧する力に勝り、弁体5が弁座3に着座してプッシュロッド7を介して弁体6を押し、押された弁体6は弁座4から離間する。このように、伸長側室R2は、弁体6が弁座4から離座するのでリザーバRに連通されるため、筒10内にピストンロッド12が侵入する体積分の作動油はリザーバRによって吸収され、体積補償される。よって、シリンダCの収縮作動の際、筒10内の収縮側室R1と伸長側室R2の総容積は減少するが、収縮作動によって減少した作動油は、伸長側室R2からリザーバRへ逃げるので、シリンダCは、円滑に収縮作動を呈する。
他方、液圧アクチュエータAでは、モータ8を駆動してポンプPを逆回転させると、ポンプPは、収縮側室R1から作動油を吸い込んで伸長側室R2へ供給する。すると、ピストン11が筒10内を図1中左方へ移動して、伸長側室R2内の容積が拡大するとともに収縮側室R1の容積が減少し、シリンダCは伸長作動を呈する。
ポンプPを逆回転させて伸長側室R2へ作動油を供給し、シリンダCを伸長作動させる際、伸長側室R2の圧力が収縮側室R1の圧力より高くなる。よって、伸長側室R2の圧力が弁体6を弁座4へ向けて押圧する力が収縮側室R1の圧力が弁体5を弁座3へ向けて押圧する力に勝り、弁体6が弁座4に着座してプッシュロッド7を介して弁体5を押し、押された弁体5は弁座3から離間する。このように、収縮側室R1は、弁体5が弁座3から離座するのでリザーバRに連通されるため、筒10内からピストンロッド12が退出する体積分の作動油はリザーバRから供給され、体積補償される。よって、シリンダCの伸長作動の際、筒10内の収縮側室R1と伸長側室R2の総容積は増大するが、伸長作動によって増大した作動油は、ポンプPがリザーバRから作動油を吸い込んで伸長側室R2へ供給するので、シリンダCは、円滑に伸長作動を呈する。
また、収縮側室R1或いは伸長側室R2の圧力がリザーバRの圧力よりも低くなると、弁体5或いは弁体6は弁座3或いは弁座4から離座して、リザーバRから圧力が低下した収縮側室R1或いは伸長側室R2へ作動油を供給する。これにより、収縮側室R1および伸長側室R2内がリザーバRによって加圧され、シリンダCが作動中であっても筒10内が外気圧より低くならずに済む。
液圧アクチュエータAは、内部に収縮側室R1と伸長側室R2とを有して伸縮可能な片ロッド型のシリンダCにおける収縮側室R1と伸長側室R2とを連通する補償通路2に、リザーバRの接続点Sを挟んで両側に設けた一対の弁座3,4と互いに逆向きに設けられて各弁座3,4に対して反接続点側から離着座する一対の弁体5,6と各弁体5,6同士の軸方向の接近を規制するプッシュロッド7とを備えている。このように、液圧アクチュエータAでは、片ロッド型に構成されたシリンダCの体積補償を、補償通路2に設けた弁座3,4と、弁体5,6と、プッシュロッド7とで行っており、弁座3,4および弁体5,6の組付け方向に極性を持たせずに済む。
弁座3,4および弁体5,6は、同一形状とされており組付け方向に極性を持たず、よって、本発明の液圧アクチュエータAでは、補償通路2に組み付ける際に、弁座3,4および弁体5,6の組付けミスを誘発しないので、組付ミスによる製品不良を回避できる。
また、本例の液圧アクチュエータAでは、プッシュロッド7を前述の通り、軸方向長さが等しい一方側プッシュロッド7aと他方側プッシュロッド7bとして、それぞれ弁体5,6に取り付けている。このようにすれば、弁体5,6が同形状で、一方側プッシュロッド7aと他方側プッシュロッド7bの軸方向長さが等しいので、一方側プッシュロッド7aを備えた弁体5と他方側プッシュロッド7bを備えた弁体6はともに同形状となる。よって、弁体5,6を補償通路2に組み付ける際に、組付けミスが生じないので、組付ミスによる製品不良を回避できるとともに、プッシュロッド7a,7bを含んで弁体5,6が同一形状の部品となるので製造が容易となり製造コストも低減される。
なお、プッシュロッド7を弁体5,6とは別体とする場合、弁体5,6の同一形状となるので、組付けミスを回避できるが、弁体5と弁体6の一方にのみプッシュロッド7を取り付ける場合にも、プッシュロッド7を持つ弁体とそうでない弁体を補償通路2に組み付ければよいので、作業者は両者の違いは目視で容易に認識できるので組付けミスを回避できる。弁体5に取り付ける一方側プッシュロッド7aと弁体6に取り付ける他方側プッシュロッド7bの軸方向長さを違える場合、目視で容易に両者の違いが判別できる程度に長さに違いを持たせると組付けミスを回避できる。
さらに、本例の液圧アクチュエータAでは、各弁体5,6をそれぞれ対応する各弁座3,4へ向けて附勢する一対のばね22,23を備えている。このように構成された液圧アクチュエータAでは、常に弁体5,6を附勢して、弁体5(6)が弁座3(4)に着座する収縮側室R1と伸長側室R2の差圧をチューニングできる。また、弁体5,6間の軸方向距離をプッシュロッド7によって規制された距離として弁体5,6が弁座3,4から際限なく離間して閉弁が遅れてしまう事態を阻止できる。これにより、ポンプPの駆動に対して応答遅れなくシリンダCは伸縮作動を呈する。
なお、図示はしないが、本例の液圧アクチュエータAにおける供給通路1のポンプPを挟んで両側に開閉弁を設けて、両開閉弁を閉じた状態では、シリンダCの伸縮を不能としてシリンダロックする状態を実現するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
1・・・供給通路、2・・・補償通路、3,4・・・弁座、5,6・・・弁体、7・・・プッシュロッド、7a・・・一方側プッシュロッド、7b・・・他方側プッシュロッド、22,23・・・ばね、A・・・液圧アクチュエータ、C・・・シリンダ、P・・・ポンプ、R・・・リザーバ、R1・・・収縮側室。R2・・・伸長側室、S・・・接続点
Claims (3)
- 内部に収縮側室と伸長側室とを有して伸縮可能な片ロッド型のシリンダと、
前記収縮側室と前記伸長側室とを連通する供給通路と、
前記供給通路に設けた双方向吐出型のポンプと、
前記収縮側室と前記伸長側室とを連通する補償通路と、
前記補償通路に接続されるリザーバと、
前記補償通路の前記リザーバの接続点を挟んで両側に設けた一対の弁座と、
前記補償通路の前記リザーバの接続点を挟んで両側に同軸であって互いに逆向きに設けられて前記各弁座に対して反接続点側から離着座する一対の弁体と、
前記各弁体間に設けられ前記弁体同士の軸方向の接近を規制するプッシュロッドとを備え、
前記プッシュロッドの軸方向長さは、前記両弁体が対応する前記両弁座へ同時に着座させない長さに設定される
ことを特徴とする液圧アクチュエータ。 - 前記プッシュロッドは、前記弁体の一方に取り付けられる一方側プッシュロッドと、前記弁体の他方に取り付けられる他方側プッシュロッドとを有し、前記一方側プッシュロッドと前記他方側プッシュロッドの軸方向長さが等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の液圧アクチュエータ。 - 前記各弁体をそれぞれ対応する前記各弁座へ向けて附勢する一対のばねを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液圧アクチュエータ。
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