JP2018021861A - 製剤の物性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体製剤の乾燥塗膜の粘着性を、適切に評価することのできる製剤の物性測定装置を提供する。【解決手段】互いに平行に配された駆動ロール11及び自由回転ロール12により形成されるニップ部14に、液状又は半固体状の製剤15として、例えば化粧料である化粧水や乳液を供給して、これらの製剤15のタック値を測定するための製剤の物性測定装置10であって、自由回転ロール12は、ゴム等の弾性素材を用いて形成されており、自由回転ロール12の表面は、非弾性素材として、例えば無機固体や、好ましくは金属、金属酸化物、カーボン、ケイ素化合物、又は弗化炭素類によって被覆されている。【選択図】図1

Description

本発明は、製剤の物性測定装置に関する。
本願発明の発明者らは、先に、駆動ロール及び自由回転ロールの二本のロールにより形成されるニップ部にファンデーション又はマスカラを供給し、供給されたファンデーション又はマスカラがニップ部の出口側において分裂する際にロール軸に発生する、二本のロール軸を含む平面に垂直な方向の力を測定して、ファンデーション又はマスカラのタック値を評価する化粧料の性能評価方法を発明した(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2には、これらの特許文献1,2に記載の方法によって測定されたファンデーション又はマスカラのタック値の測定結果と、専門パネラーによるファンデーション又はマスカラの実使用におけるべたつき感の官能評価の評価結果との間に、高い相関性があることが報告されており、特許文献1,2に記載の化粧料の性能評価方法によれば、評価することが難しかった化粧料(製剤)のべたつき感を、客観的に評価することが可能になる。
また、特許文献1,2に記載の化粧料の性能評価方法では、ニップ部を形成する駆動ロール及び自由回転ロールの二本のロールを備える測定装置は、顔料などの固体粒子を含まない製剤として例えば化粧水がニップ部に供給された場合には、その構成上、ニップ部において滑りが発生し易くなる。ニップ部で滑りが発生すると、ニップ部の出口側において製剤の分裂が行われなくなり、製剤のタック値を計測することができなくなる。これに対して、本願発明の発明者らは、ニップ部での滑りを防止する機構を設けることにより、固体粒子を含まない製剤に対しても、タック値の測定を可能とする化粧料の物性測定装置を開発した(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−106731号公報 特開2008−70382号公報 特開2015−166713号公報
"タッキング試験機「TAC−2」"佐々木信博,コンバーテック28(3),63−65(2000)
上述の化粧料の性能評価方法や物性測定装置では、化粧水などの液状製剤の、湿潤時におけるタック値を計測するようになっている。特に、化粧水などの液状製剤においては、皮膚の上に液状製剤が塗布されてからある程度の時間が経過した後の乾き際に、べたつきが最も強く発現することが解明されている。すなわち、化粧水などの液状製剤は、塗布された直後には強くべたつくことが無く、ある程度の時間が経過した後に、べたつきが最も強く発現し、さらに乾燥が進むことによって、べたつきが低減することになる。また、化粧水などの液状製剤を実際に使用した際のべたつきの官能評価は、例えば特許文献3の化粧料の物性測定装置を用いて計測された乾燥過程で変化するタック値のうちの、最大のタック値に対して特に良好な相関関係を示すことになる。
一方、化粧水などの液状製剤では、乾燥過程での湿潤時のべたつきとは別に、乾燥が進んだ後に残った乾燥残留成分による粘着性(べたつき)もまた、化粧水などの液状製剤の使用時における、べたつきの感触の重要な要因となることが知られている。例えば、しっとりとした肌には微かな吸着性があることは経験上明らかであるが、逆にかさかさとした肌の表面に、べたつきを僅かに有する油剤等を塗布することによって、肌にはしっとり感が演出されることがある。また、肌の表面に過剰に粘着性(べたつき)が与えられると、逆に塗布後のべたつきとして嫌がられることになる。このようなことから、乾燥残留成分が適切な強さの粘着性を備えるようにコントロールすることが、しっとりとした肌の感触が得られるように調整するためのポイントとなる。
化粧水などの液状製剤を塗布した後に、塗布した液状製剤が乾燥した時点でのタック性を測定する方法として、例えばシリコーンゴムの板などに液状製剤を塗布し、塗布した液状製剤が乾燥した後に、一定の圧力でプローブを押し付けて、これを引き剥がす際に要する力を測定する方法が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、非特許文献1に記載の方法と同等の測定を行うことが可能な他の方法として、好ましくは上述の特許文献1〜3に記載の物性測定装置を用いて、ロール上で液状製剤が乾燥するに至った後のタック値(プラトー値)を計測する方法が考えられる。特許文献1〜3に記載の物性測定装置を用いることにより、湿潤時の液状製剤の乾燥過程でのタック値の変化や最大値に加えて、液状製剤が乾燥した後の乾燥残留成分による乾燥塗膜のタック値(粘着性)も計測できることから、液状製剤のタック値を効率良く計測することが可能になると考えられる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の物性測定装置を用いて、非特許文献1の測定方法と同等の方法により液状製剤が乾燥した後の乾燥塗膜のタック性を評価しようとすると、特に液体製剤が、化粧水、乳液等の固体粒子を含まない製剤であると、互いに平行に配された駆動ロール及び自由回転ロールの少なくともいずれか一方を、ゴム製のロール等の弾性素材を用いて形成したロールとした場合に、弾性素材によるロールの表面の粘着性によって、液状製剤が乾燥した後の乾燥塗膜のタック値の計測が阻害されるといった課題を生じることになる。
すなわち、特許文献1〜3に記載の物性測定装置では、例えば、金属製のロールからなる駆動ロールと、ゴム製のロールからなる自由回転ロールとの2本のロールの間に形成されるニップ部における、ロール間の引き剥がし(ロール表面に構成された塗膜の分裂)に掛かる力を計測して、乾燥塗膜のタック性を評価することになっているが、この際に、ゴム製のロールの表面の状態や製剤の成分によっては、ゴム製のロールの表面に強い粘着性を生じることがあり、このようなロールの表面に生じた粘着性によって、乾燥塗膜のタック値の計測が阻害され易くなる。
上述のような、ゴム製のロール等の弾性素材を用いて形成したロールの表面に粘着性が生じる理由については解明されておらず、固体粒子を含む製剤の乾燥塗膜のタック値を計測する場合には、このような粘着性を生じることはない。また同種のゴム製のロール等であっても、ロールを作成した後に年数を経過したもののなかには、このような粘着性を生じないものもある。実際、経年変化を経たゴム製のロール等の場合、化粧水のような固体粒子を含まない製剤を用いても、ロールの表面に塗布された製剤の乾燥塗膜のタック値を計測して、粘着性を評価することが可能なことがあった。しかし、このことは主にゴム製のロールの経年変化による結果と考えられ、経年変化後にこのような物性を備えるゴム製のロールを常時準備できればよいが、このようなゴム製のロールを新たに作成することは困難である。また、どのようなゴム製のロールであれば、経年変化後に、固体粒子を含まない製剤の乾燥塗膜のタック値を計測して評価する際に使えるロールとなるか等については不明であり、評価結果が不適切、又は不安定になるおそれがあった。
本発明は、経年変化後のゴム製のロール等の弾性素材を用いて形成したロールの物性に頼ることなく、化粧水、乳液のような固体粒子を含まない製剤の乾燥塗膜のタック値を、適切に且つ安定的に測定することを可能にして、液体製剤の乾燥塗膜の粘着性を適切に且つ安定的に評価することのできる製剤の物性測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、互いに平行に配された駆動ロール及び自由回転ロールにより形成されるニップ部に、液状又は半固体状の製剤を供給して、該製剤のタック値を測定する製剤の物性測定装置であって、前記駆動ロール及び前記自由回転ロールの少なくともいずれか一方は、弾性素材を用いて形成されており、該弾性素材を用いて形成されたロールの表面は、非弾性素材、或いは被測定物である製剤の乾燥残留物に対して非膨潤性を有する非膨潤性弾性素材によって被覆されている製剤の物性測定装置を提供するものである。
本発明の製剤の物性測定装置によれば、経年変化後のゴム製のロール等の弾性素材を用いて形成したロールの物性に頼ることなく、化粧水、乳液のような固体粒子を含まない製剤の乾燥塗膜のタック値を、適切に且つ安定的に測定することを可能にして、液体製剤の乾燥塗膜の粘着性を適切に且つ安定的に評価することができる。
図1(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係る製剤の物性測定装置の測定前の状態を説明する要部概念図、図1(b)は、測定時の状態を説明する要部概念図である。 図2(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係る製剤の物性測定装置の構成を説明する要部斜視図であり、図2(b)は、他の形態の製剤の物性測定装置を説明する要部斜視図である。 図3(a)〜図3(c)は、本発明の他の実施形態に係る製剤の物性測定装置の要部斜視図である。 乾燥残留物のタック値と、専門パネルによる官能評価値との関係を示す図である。 実施例2及び比較例1の装置によるサンプルの乾燥過程におけるタック値の変化を示す図である。
以下、本発明の製剤の物性測定装置を、その好ましい実施形態に基づき、図1(a)、(b)及び図2(a)を参照しながら説明する。図1(a)、(b)及び図2(a)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る製剤の物性測定装置10は、製剤の物性として、例えばファンデーション、マスカラなどの化粧料、とりわけ化粧水、乳液など固体粒子を含まない化粧料のべたつき感を、測定して評価するための装置として好ましく用いられる。本実施形態の物性測定装置10は、駆動ロール11及び自由回転ロール12の二本のロールにより形成されるニップ部14に液状又は半固体状の製剤15(図1(b)参照)として、具体的には、例えば化粧料、整髪料、育毛剤、皮膚外用剤、ボディー用ローション、サンスクリーン剤、アフターシェーブローション、口唇用保湿剤、マッサージ剤、皮膚・毛髪用洗浄料、毛髪用コンディショナー、トリートメント等を供給し、供給された製剤15がニップ部14において分裂する際に発生する力を計測して得られるタック値を、精度良く測定して、製剤15のべたつき感をより適正に評価できるようにするための装置として用いられる。ここで、タック値と、製剤15のべたつき感の官能評価との間には、上述のように、高い相関性があることが報告されている。本実施形態の物性測定装置10は、湿潤時の製剤の乾燥過程でのタック値の変化や最大値に加えて、液状製剤が乾燥した後の乾燥残留成分による乾燥塗膜のタック値(粘着性)をも、適切に且つ安定的に計測できるようにする機能を備える。また、本実施形態の物性測定装置10は、例えば印刷インキの粘着性の評価に用いられる装置として公知の、インコメータに適宜改良を加えて使用することができる。
そして、本実施形態の製剤の物性測定装置10は、互いに平行に配された駆動ロール11及び自由回転ロール12により形成されるニップ部14に、液状又は半固体状の製剤15として、例えば化粧料である化粧水や乳液を供給して、これらの製剤15のタック値を測定するための測定装置である。駆動ロール11及び自由回転ロール12の少なくともいずれか一方(本実施形態では、自由回転ロール12)は、ゴム等の弾性素材を用いて形成されており、弾性素材を用いて形成されたロール(自由回転ロール12)の表面は、非弾性素材として、例えば無機固体や、好ましくは金属、金属酸化物、カーボン、ケイ素化合物、又は弗化炭素類によって被覆されている。被測定物に極性油剤が含まれていることで、この極性油剤によって、液状製剤が乾燥した後の乾燥残留成分による乾燥塗膜のタック値の計測が阻害されるといった、上述の課題を生じる場合には、弾性素材を用いて形成されたロール(自由回転ロール12)の表面は、被測定物である製剤15の乾燥残留物に対して非膨潤性を有する素材である、好ましくはシリコーン樹脂又はフッ素樹脂等の、極性油剤に対し非膨潤性を有する非膨潤性弾性素材によって被覆されていても良い。
また、本実施形態では、駆動ロール12と隣接して、供給された化粧料(製剤)15を薄く広げるための、膜厚制御ロール13を有してもよい。
本実施形態の製剤の物性測定装置10では、駆動ロール11及び自由回転ロール12は、図1(a)、(b)に示すように、それぞれの回転軸11a,12aがヒンジ又はアーム等を介して測定装置10の枠体(不図示)に回転可能に取り付けられている。駆動ロール11と自由回転ロール12とは、図2(a)に示すように、その回転軸11a,12aが互いに平行に配されており、駆動ロール11と自由回転ロール12とが接触していることで、自由回転ロール12による上方からの荷重が、供給された化粧料15を挟み込む部分である、ニップ部14に付加される構造となっている。また自由回転ロール12は、ニップ部14において駆動ロール11と接触することによる摩擦力の作用によって、駆動ロール11の回転に伴って回転するようになっている。
また、本実施形態では、製剤の物性測定装置10は、上述のように、好ましくは駆動ロール11及び自由回転ロール12以外に、第3のロールとして、駆動ロール11上に化粧料5を均等に薄く拡げる膜厚制御ロール(バイブレーションロール)13を有している。膜厚制御ロール13は、図2(a)に示すように、その回転軸13aが駆動ロール11の回転軸12aと平行に配されており、駆動ロール11と接触することによる摩擦力の作用によって、駆動ロール11の回転に伴って回転するようになっている。膜厚制御ロール13は、好ましくは軸方向(図2(a)における左右方向)への往復駆動を可能にする機構を備えている。
ここで、ニップ部14に付加される荷重は、例えば自由回転ロール12の回転軸12aに荷重を加えることによって、自由回転ロール12の自重以上の荷重が付加されるように調整することもできる。また、例えばバネ等の発条部材による押し付け機構を用いることによって、横方向から荷重を付加することで、駆動ロール11と自由回転ロール12との位置関係を、例えばこれらの回転軸11a,12aを含む平面が、水平となるよう配置することもできる。
駆動ロール11は、本実施形態では、金属製のロールとなっており、回転軸11aにモータ(不図示)が取り付けられて、所定の速度で回転駆動されるようになっている。また、駆動ロール11は、ロールを一定の温度に保持するための、温度調整装置(不図示)を有している。駆動ロール11の大きさは、図2(a)に示すように、直径D1が例えば50mm〜120mm程度であることが好ましく、回転軸11a方向の長さL1が例えば50mm〜250mm程度であることが好ましい。
自由回転ロール12は、本実施形態では、ゴム等の弾性素材として、例えばニトリルブタジエンゴム(NBR)からなるゴムロールとなっており、図1(a)、(b)及び図2(a)に示すように、駆動ロール11の上方に、駆動ロール11と接触するように配されている。図1(a)、(b)に示すように、自由回転ロール12には、回転軸12aの両端に回動アーム22が取り付けられている。回動アーム22における自由回転ロール12とは反対側の下端部には、分銅21が配置されている。回動アーム22には、回動アーム22の回転軸22a(駆動ロール11の回転軸11aと共軸)周りの角度変化を検知するセンサ(不図示)が取り付けられている。該センサ(不図示)が検出する回動アーム22の角度は、化粧料15の分裂による抗力として自由回転ロール12に生じる力が、回動アーム22を介して回転軸22aに加わることによるトルクと、分銅が持ち上がることで回転軸22aに加わる分銅21の重量によるトルクとの釣り合いの位置における、回動アーム22の傾斜角度に該当する。即ち、この角度が大きければ、化粧料15の分裂により自由回転ロール12に掛かる力が大きくなったことを示すことになる。該センサ(不図示)は、この角度を検知して、制御装置(不図示)に検知結果を出力する。
制御装置(不図示)は、該センサの検知結果に基づいて、自由回転ロール12の回転軸12aと駆動ロール11の回転軸11aとを含む平面に対して垂直な方向に加わる力(べたつきによる引っ張り力)である、化粧料15のタック値(相対値)を、測定対象として算出できるようになっている。なお、タック値の計測は、図1(a)、(b)に示す、タック力により回動アーム22を介して持ち上げられる分銅21の位置を測定することにより行う方法の他、自由回転ロール12に負荷される力を、フォースゲージ等によって直接計測する方法を用いて行うこともできる。
自由回転ロール12の大きさは、図2(a)に示すように、直径D2が例えば50mm〜120mm程度であることが好ましく、回転軸12a方向の長さL2が駆動ロール11と同程度の、例えば50mm〜120mm程度であることが好ましい。なお、図1(b)では、動きを理解しやすいように回動アーム22の振れを大きく描いたが、実際の測定では振れはこれほど大きくはない。自由回転ロール12に掛かる力は、分銅21が持ち上がる角度を計測する方法の他に、上述のように、フォースゲージを用いて、自由回転ロール12の回転軸12aに対して垂直な方向の力を検出する方法を用いてもよい。
自由回転ロール12は、ゴム硬度(以下、単に「硬度」という)が40°以上95°以下のゴム製のロールであることが好ましく、硬度が40°以上85°以下のゴム製のロールであることが更に好ましい。
また、ゴム等の弾性素材からなる自由回転ロール12には、ニップ部14に化粧料15が介在する際に、金属製の駆動ロール11と、弾性素材からなる自由回転ロール12との間の直接的な接触を回避する目的のために、その表面が無機固体(例えば非弾性素材)で被覆されている。無機固体(非弾性素材)としては、例えば、金属、金属酸化物、カーボン、ケイ素化合物、弗化炭素類などを用いることができるが、無機固体(非弾性素材)による被膜の耐久性、被測定物(化粧料15)の濡れ性(自由回転ロール12の表面へのなじみやすさ)等の観点から、カーボン、特にダイアモンドライクカーボンを用いることが好ましい。
本実施形態における自由回転ロール12の表面への無機固体(非弾性素材)の被覆方法としては、CVD法、ディップ法等、被覆される無機固体(非弾性素材)の種類に応じて適宜選択することができる。例えば被覆される無機固体(非弾性素材)がカーボン材料の場合には、例えばプラズマイオンの注入等による成膜技術(一般社団法人日本ゴム協会発行の日本ゴム協会誌、2009年82巻、「プラズマイオン注入・成膜によるDLC成膜技術とゴム、樹脂への産業応用 鈴木泰雄著」、p252-257参照)を用いることが好ましい。この方法を用いて、好ましくはダイアモンドライクカーボンを自由回転ロール12の表面に成膜することで、比較的安価に自由回転ロール12の表面に非弾性素材による被覆を成膜することが可能になる。ダイアモンドライクカーボンの被膜は、ゴムの表面に強く固着することから、サンプル測定後の自由回転ロール12の表面の拭き取り操作に対する機械的耐久性にも優れる。すなわち、自由回転ロール12の表面は、ダイアモンドライクカーボンによって被覆されていることが、種々の観点から最も好ましい。
膜厚制御ロール13は、図1(a)、(b)及び図2(a)に示すように、駆動ロール11の前方側に、駆動ロール11に接触して配置されている。膜厚制御ロール13は、上述したように、駆動ロール11と接触することによる摩擦力の作用によって、駆動ロール11の回転に伴って、駆動ロール11と同期した状態で回転する。膜厚制御ロール15は、自由回転ロール12と同様に、例えばゴム等の弾性素材からなるゴムロールとして形成できる他、例えばナイロンやその他の各種の樹脂から幅広く材質を選択して形成することができる。膜厚制御ロール13は、駆動ロール11の直径D1よりも小さな、例えば35〜80mm程度の直径を有していることが好ましい。膜厚制御ロール13は、軸方向への往復駆動(バイブレーション動作)をおこなう場合には、駆動ロール11及び自由回転ロール12の長さL1,L2に対して、その駆動巾だけ長くなっていることが好ましい。
なお、本発明では、物性測定装置10を用いて塗膜乾燥後におけるタック値を測定して、べたつき感等の物性が評価される化粧料(製剤)15は、ファンデーションやマスカラはもちろん、化粧水、乳液、クリーム、美容液、UVケア剤、制汗用塗布液、アフターシェーブローション等の肌用化粧料、ネイルエナメル等の爪用化粧料、毛髪用化粧料及び育毛剤、口唇用保湿剤、スキンケア製剤などの、液状又は半固体状のその他の種々の化粧料を挙げることができる。また、本発明の物性測定装置10,10A,10B,10Cは、ニップ部14に滑りを生じさせ易い化粧料15の塗膜乾燥後におけるタック値を測定する際にも、好ましく用いることができる。ニップ部14に滑りを生じさせ易い化粧料15は、例えば顔料などの固体粒子を僅かしか含んでいなかったり、全く含んでいない化粧料等を挙げることができる。ここで、顔料などの固体粒子は、具体的には、有機顔料、無機顔料、光輝性顔料等のことであり、このうち、有機顔料としては、アゾ系、ポリアゾ系等の顔料を挙げることができる。無機顔料としては、アセチルカーボン、グラファイトのような炭素粉末、合成シリカ、酸化鉄、酸化チタン、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化銅、酸化亜鉛、或いはマイカ等の粘土鉱物等を挙げることができる。光輝性顔料としては、パール顔料等を挙げることができる。
またニップ部14に供給される化粧料15の供給量は、駆動ロール11上に均等に薄く広げられた化粧料15の厚みが、1μm以上30μm以下となる供給量であることが好ましく、1.5μm以上20μm以下となる供給量であることが更に好ましい。
上述の構成を備える本実施形態の製剤の物性測定装置10を用いて、化粧料(製剤)15の物性として、例えば湿潤時の製剤15の乾燥過程でのべたつき感を評価するためのタック値や、塗膜乾燥後のべたつき感を評価するためのタック値を測定するには、先ず、図1(a)に示すように、化粧料15として例えば化粧水や乳液を供給する前の状態、即ち化粧料15のタック値を測定する前の状態において、駆動ロール11、自由回転ロール12、及び(膜厚制御ロールを用いる場合には)膜厚制御ロール13を、所定の初期の回転速度で回転させながら、所定の温度に維持する。具体的には、駆動ロール11の回転軸11aに取り付けられたモータ(不図示)を駆動させて、駆動ロール11を回転させる。駆動ロール11の回転に伴って、駆動ロール11と接触している自由回転ロール12及び膜厚制御ロール13は、駆動ロール11との接触による摩擦力の作用によって、駆動ロール11と共に連れ回る。
駆動ロール11、自由回転ロール12、及び(膜厚制御ロールを用いる場合には)膜厚制御ロール13を回転させた状態で、次に、例えばピペット(不図示)等を用いて、これらロール上に、タック値を測定したい化粧料15として、例えば乳液や化粧水を所定量供給する。或いは、膜厚制御ロール13を駆動ロール11に対して非接触の状態にして、他の2ロール(駆動ロール11及び自由回転ロール12)を回転させておき、図2(a)においては駆動ロール11と対向している膜厚制御ロール13の全領域に、後述する図3(a)、(b)においては、駆動ロール11におけるニップ部14の物性測定領域14cと対応する部分に対向している膜厚制御ロール13の領域に、サンプルとなる化粧料15を軸方向に均等に載せたうえで、好ましくは膜厚制御ロール13を静かに駆動ロール11に接触させることにより、駆動ロール11の測定領域の表面に均等に化粧料15を供給する。供給された化粧料15は、好ましくはバイブレーション動作をしている、或いはバイブレーション動作を停止している膜厚制御ロール13の作用によって、駆動ロール11におけるタック値の測定領域に均等に薄く押し広げられてゆく。
これらロール上に供給されて、駆動ロール11におけるタック値の測定領域に押し広げられた化粧料15は、駆動ロール11と自由回転ロール12との間のニップ部14に至ると、図1(b)に示すように、ニップ部14を通過することで、ニップ部14の出口側において、化粧料の分裂に要する力を生じるようになる。この分裂に要する力は、自由回転ロール12から回動アーム22を介して、回転軸22aを中心に回転して分銅21を持ち上げるトルクとして分銅21側に伝わると共に、分銅21が持ち上げられると、持ち上げられた分銅21の重量によるトルクと釣り合うことになって、平衡状態となる。この平衡状態の位置にある回動アーム22の角度を、センサ(不表示)で検出し、検出した回動アーム22の角度を、制御装置(不図示)に出力することで、制御装置(不図示)において、測定対象であるタック値が算出されることになる。このようなタック値の算出を、化粧料15が供給された直後の、湿潤時の化粧料15から、乾燥過程を経て、化粧料15が乾燥した後の、乾燥残留成分による乾燥塗膜についても行うことによって、湿潤時の化粧料15の乾燥過程でのタック値の変化や最大値に加えて、液状製剤が乾燥した後の乾燥残留成分による乾燥塗膜のタック値(粘着性)をも、物性測定装置10を用いて効率良く計測することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の製剤の物性測定装置10によれば、経年変化後のゴム製のロール等の弾性素材を用いて形成したロールの物性に頼ることなく、化粧水、乳液のような固体粒子を含まない製剤の乾燥塗膜のタック値を、適切に且つ安定的に測定することを可能にして、液体製剤の乾燥塗膜の粘着性を適切に且つ安定的に評価することが可能になる。
すなわち、本実施形態の製剤の物性測定装置10によれば、ゴム製の自由回転ロール12の表面が例えば無機固体(非弾性素材)で被覆されているので、金属製の駆動ロール11とゴム製の自由回転ロール12との間のニップ部14に、非弾性素材が介在していることにより、ゴム製の自由回転ロール12の表面に、ゴム素材に由来する強い粘着性が発現されることがなく、塗膜乾燥後におけるタック値を適切に且つ安定的に測定することが可能になる。
なお、上述の実施形態の製剤の物性測定装置10においては、ゴム製の自由回転ロール12の表面を無機固体等による非弾性素材によって被覆することで、金属製の駆動ロール11と、弾性部材からなる自由回転ロール12との直接的な接触を回避させたが、例えば、測定物に極性油剤が含まれていることで、この極性油剤によって、液状製剤が乾燥した後の乾燥残留成分による乾燥塗膜のタック値の計測が阻害されるといった課題を生じる場合には、自由回転ロール12の表面を、被測定物である化粧料15の乾燥残留物に対して非膨潤性を有する素材である、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂等の、極性油剤に対し非膨潤性を有する非膨潤性弾性素材によって被覆することもできる。すなわち、自由回転ロール12の表面を非膨潤性弾性素材で被覆することで、金属製の駆動ロール11と、弾性素材からなる自由回転ロール12との直接的な接触を回避させても良い。被測定物の表面を非膨潤性弾性素材で被覆した場合においても、非弾性素材で被覆した場合と同様の効果を奏することができる。
以下に、図3(a)〜図3(c)に示した、本発明の他の実施形態の製剤の物性測定装置について更に詳細に説明する。
図3(a)に示す製剤の物性測定装置10Aは、駆動ロール11Aの両側の端部の周面に、ニップ部14を物性測定領域14cと駆動力伝達領域14dとに区分けするための溝11bが設けられていること以外は、上記の物性測定装置10と略同様の構成を備えている。そして、図3(a)に示す製剤の物性測定装置10Aは、駆動ロール11Aの周面に、回転軸11aと垂直な面に沿って延設する溝11bが、全周に亘って形成されている。
図3(a)に示す物性測定装置10Aによれば、駆動ロール11Aの両側の端部の周面に溝11bが形成されているので、駆動ロール11Aの表面に化粧料15を供給した際に、駆動ロール11Aの周面に押し広げられた化粧料15は、駆動ロール11Aの溝11bを越えてこれの外側には広がって行かないようになっている。
これによって、図3(a)に示す製剤の物性測定装置では、化粧料15は、駆動ロール11Aの両側の溝11bの内側(ニップ部14における物性測定領域14c)にのみ、これらの全長に亘って、均等に薄く押し広げられてゆくことになる。そのため、供給される化粧料15が、例えば粒子が入っておらず滑り易い化粧料となっている場合においても、駆動ロール11Aの両側の溝11bの外側(ニップ部14における駆動力伝達領域14d)で、摩擦力を確実に確保することができる。これにより、駆動ロール11Aの回転に伴って、自由回転ロール12を同期させて回転させることが可能になり、化粧料15のタック値を、さらに精度良く測定することが可能になる。また、駆動ロール11Aの回転に伴って、同期させて膜厚制御ロール13を回転させることが可能になり、均一な膜厚を安定して形成することが可能になる。
図3(b)に示す製剤の物性測定装置10Bは、自由回転ロール12B及び膜厚制御ロール13Bの両側の端部の周面に、溝12b,13bが設けられていること以外は、上記の実施形態の製剤の物性測定装置10と略同様の構成を備えている。そして、図3(b)に示す製剤の物性測定装置10Bは、自由回転ロール12の周面に、回転軸12aと垂直な面に沿って延設する溝12bが全周に亘って形成されており、膜厚制御ロール13の周面には、回転軸13aと垂直な面に沿って延設する溝13bが、自由回転ロール12の周面に形成された溝12bと対応する位置に、全周に亘って形成されている。
図3(b)に示す物性測定装置10Bによれば、図3(a)に示す物性測定装置10Aと同様に、駆動ロール11の回転に伴って、自由回転ロール12Bを同期させて回転させることが可能になり、化粧料15のタック値を、さらに精度良く測定することが可能になる。また、駆動ロール11の回転に伴って、同期させて膜厚制御ロール13Bを回転させることが可能になり、均一な膜厚を安定して形成することが可能になる。
図3(c)に示す製剤の物性測定装置10Cは、駆動ロール11C及び自由回転ロール12Cの両側の端部の周面に溝11b,12bが設けられていること、及び膜厚制御ロール13Cの両側の端部の周面にも溝13bが設けられていること以外は、上記の実施形態の製剤の物性測定装置10と略同様の構成を備えている。そして、図3(c)に示す製剤の物性測定装置10Cは、駆動ロール11Cの周面に、回転軸11aと垂直な面に沿って延設する溝11bが全周に亘って形成され、自由回転ロール12Cの周面に、回転軸12aと垂直な面に沿って延設する溝12bが全周に亘って形成され、膜厚制御ロール13Cの周面には、回転軸13aと垂直な面に沿って延設する溝13bが、駆動ロール11C及び自由回転ロール12Cの周面に形成された溝11b,12bと対応する位置に、全周に亘って形成されている。
図3(c)に示す物性測定装置10Cによれば、図3(a)に示す物性測定装置10Aと同様に、駆動ロール11Cの回転に伴って、自由回転ロール12Cを同期させて回転させることが可能になり、化粧料15のタック値を、サンプルとなる化粧料の種類に依らず、物性測定装置10よりもさらに精度良く測定することが可能になる。また、駆動ロール11Cの回転に伴って、同期させて膜厚制御ロール13Cを回転させることが可能になり、サンプルとなる化粧料の種類に依らず、均一な膜厚を安定して形成することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、図3(a)〜(c)の製剤の物性測定装置は、供給された製剤を薄く広げるための膜厚制御ロールが、駆動ロールと隣接して設けられている必要は必ずしも無く、図2(b)と同様に、膜厚制御ロールを備えていない装置として構成することもできる。また、凹溝は、駆動ロールや自由回転ロールや膜厚制御ロールの両端部の周面に、一対設けられている必要は必ずしも無く、例えばこれらの周面の片側に、1箇所のみに設けられていても良い。凹溝は、これらの周面に、3箇所以上設けることもできる。
また、本発明の製剤の物性測定装置は、上述した化粧料以外にも、整髪料、育毛剤、皮膚外用剤、ボディー用ローション、サンスクリーン剤、アフターシェーブローション、口唇用保湿剤、マッサージ剤、皮膚・毛髪用洗浄料、毛髪用コンディショナー、トリートメント等を被測定物として好適に用いることができる。
また、本発明の製剤の物性測定装置は、駆動ロール11及び自由回転ロール12の少なくとも一方が、弾性素材を用いて形成されたロールであればよく、駆動ロール11及び自由回転ロール12の少なくともいずれか一方の、弾性素材を用いて形成されたロールの表面が、非弾性素材や非膨潤性弾性素材によって被覆されていれば良い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
図2(a)の構成による物性測定装置10と同様の構成を備える装置として、市販のインコメーター(デジタルインコメータD型、(株)東洋精機製作所製)を用いた。この装置のトップロール(物性測定装置10における自由回転ロール12に相当)の材質はニトリルブタジエンゴム(NBR)であり、駆動ロールは真鍮製であった。トップロールの表面に、非弾性素材として、厚さ約1μmのカーボン材料(DLC‐ダイヤモンド・ライク・カーボン‐コート処理、株式会社都ローラー工業製)を被覆した。
市販品、及び試作品の乳液サンプル、27点について、駆動ロール及びトップロールのロール面全体に行き渡るように、各々の乳液サンプルを展開させ、ロール上で乳液サンプルが乾燥に至った時点(乾燥残留物)でのタック値を計測した。これにより得られた各乾燥残留物のタック値(塗液乾燥後のタック値)と、各乳液サンプルに対する専門パネルによる「塗布後のべたつき」の官能評価値(値が大きいほどべたつくことを示す)との関係を図4にプロットした。
図4に示すように、非弾性素材としてカーボン材料を表面に被覆したトップロール(自由回転ロール)を用いた場合に、乳液サンプルの乾燥残留物のタック値と、専門パネルによる乳液サンプルの「塗布後(の肌の)べたつき」の評価値との間には、高い相関が認められた。
〔実施例2〕
図3(c)の構成による装置を使用して、市販化粧水Aについて、駆動ロール及びトップロール(自由回転ロール)の測定面全体に行き渡るように展開し、計測を行った際の、各計測値に現れるサンプルの乾燥過程におけるタック値の変化を計測した。計測結果を図5に示す。
〔比較例1〕
トップロールの表面が非弾性素材としてカーボン材料で被覆されていないこと以外は実施例2の装置と同様の構成を備える装置を使用して、実施例2と同様に、市販化粧水Aを駆動ロール及びトップロールのロール面全体に行き渡るように展開し、実施例2と同様の計測を行った際の、各計測値に現れるサンプルの乾燥過程におけるタック値の変化を計測した。計測結果を図5に示す。
図5に示す計測結果によれば、実施例2の装置では、タック値はピークをとって減衰し、乾燥後のプラトー値に至るのに対し、比較例1の装置ではピークを示した後、さらに乾燥してタック値の異常な増大を示すことが判明する。最初に述べたように、化粧水の塗布時の感触は、一般に、乾き際に強いべたつきを発現した後、さらに乾けばべたつきは収まる。実施例2の装置での計測結果は、この感触の変化を適切に説明している(乾燥に伴い、ピークをとって低下し、一定値に落ち着く)ものといえる。一方、比較例1の装置では、乾燥するに連れてさらに高いタック値を示しており、化粧水の塗布時の使用感触の推移と合致する結果であるとは認められなかった。
10,10A,10B,10C 製剤の物性測定装置
11,11A,11C 駆動ロール
11a 回転軸
11b 溝(凹溝)
12,12B,12C 自由回転ロール
12a 回転軸
12b 溝(凹溝)
13,13B,13C 膜厚制御ロール
13a 回転軸
13b 溝(凹溝)
14 ニップ部
14c 物性測定領域
14d 駆動力伝達領域
15 製剤(化粧料)

Claims (7)

  1. 互いに平行に配された駆動ロール及び自由回転ロールにより形成されるニップ部に、液状又は半固体状の製剤を供給して、該製剤のタック値を測定する製剤の物性測定装置であって、
    前記駆動ロール及び前記自由回転ロールの少なくともいずれか一方は、弾性素材を用いて形成されており、該弾性素材を用いて形成されたロールの表面は、非弾性素材、或いは被測定物である製剤の乾燥残留物に対して非膨潤性を有する非膨潤性弾性素材によって被覆されている製剤の物性測定装置。
  2. 前記非弾性素材は、金属、金属酸化物、カーボン、ケイ素化合物、又は弗化炭素類である請求項1記載の製剤の物性測定装置。
  3. 前記製剤の乾燥残留物に対して非膨潤性を有する非膨潤性弾性素材は、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂である請求項1記載の製剤の物性測定装置。
  4. 前記駆動ロールと隣接して、供給された前記製剤を薄く広げるための、膜厚制御ロールを有している請求項1〜3のいずれか1項記載の製剤の物性測定装置。
  5. 前記駆動ロール及び前記自由回転ロールの少なくともいずれか一方の周面に、回転軸と垂直な面に沿って延設する溝が全周に亘って形成されており、
    前記駆動ロール及び前記自由回転ロールの少なくともいずれか一方の周面は、前記ニップ部において、前記溝によって、供給された前記製剤のタック値を測定する物性測定領域と、前記駆動ロールに前記自由回転ロールが接することで該自由回転ロールを回転させる駆動力伝達領域とに区分けされている請求項1〜4のいずれか1項記載の製剤の物性測定装置。
  6. 前記駆動ロール及び前記自由回転ロールは、回転軸方向の長さが略同じ長さとなっており、
    前記溝は、前記駆動ロール及び前記自由回転ロールの少なくともいずれか一方に、一対形成されており、
    前記ニップ部における物性測定領域は、前記駆動ロール及び/又は前記自由回転ロールに形成された一対の前記溝の間に形成されており、
    前記ニップ部における駆動力伝達領域は、前記駆動ロール及び/又は前記自由回転ロールに形成された一対の前記溝よりも外側に形成されている請求項5記載の製剤の物性測定装置。
  7. 前記液状又は半固体状の製剤が、化粧料、整髪料、育毛剤、皮膚外用剤、ボディー用ローション、サンスクリーン剤、アフターシェーブローション、口唇用保湿剤、マッサージ剤、皮膚・毛髪用洗浄料、毛髪用コンディショナー、又はトリートメントである請求項1〜6のいずれか1項記載の製剤の物性測定装置。
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