JP2018020285A - 試料の前処理装置及びそれを用いた分析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】試料液に含まれる測定成分の回収率が大きく、且つ、夾雑成分の除去率が大きい誘電泳動方式を用いた試料の前処理装置及びそれを用いた分析システムを提供する。【解決手段】試料の前処理装置1は、測定成分S及び夾雑成分Xを含む試料液を通流する流路12と、流路12内に配される電極13とを有し、電極13に交流電圧を間欠的に印加すると共に、間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、試料液から測定成分Sと夾雑成分Xを流路12内で分離する。【選択図】 図3

Description

本発明は、化学分析における試料液から夾雑成分を分離し、測定成分を得る試料の前処理装置(分離デバイス)及びそれを用いた分析システムに関する。
化学分析では、例えば、検出前の試料液の前処理としてプロテオーム等の夾雑成分を除去する必要がある。液体クロマトグラフィー等のフロー処理の分析装置の場合、試料の前処理である夾雑成分除去もフロー処理で行える様にし、分析装置に前処理部をインラインで組み込むことで、オフラインで前処理した試料を分析装置で分析する場合に比べて作業を効率化できる。このようなフロー処理での夾雑成分除去を微小流路内の誘電泳動を用いて行うものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3に記載される技術が提案されている。
特許文献1には、絶縁体で形成されたマイクロピラーを設けた流路内の誘電泳動を用いた微粒子分離装置が開示され、振幅値が一定の交流電圧を間欠的に電極に印加することによって、それに応じて誘電泳動力を変化させる構成が記載されている。具体的には、電極への印加電圧を0にすることで、誘電泳動力も0になり、微粒子には流体抗力のみが働き、流体抗力によって微粒子は同一列内のマイクロピラーの間を通過する。これにより、微粒子は偏向されつつ、微粒子を含む懸濁液より微粒子を分離する。
また、特許文献2には、上流から下流に向かって試料セル内の電極の間隔が順次狭くなっていく誘電泳動検出装置が開示されている。すなわち、特許文献2に記載される誘電泳動検出装置は、被測定物質を含む試料溶液が収容又は流されるセル、上記セルの一内面上で互いに分離され間隔が狭くなっていくように一列に配置された複数の電極、電極配列の間隔が狭くなっていく方向の延長線上の位置で被測定物質を検出する検出部、及び、上記電極に交流電圧を印加する電源装置と、を備えている。
また、特許文献3には、微粒子を含む溶液が流れている中で、流れの力と反対方向に微粒子を誘電泳動させ、流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に上記微粒子を分離させる微粒子分離方法が開示されている。
特許第5700598号公報 特開2005―195397号公報 特許第4779261号公報
特許文献1の構成では、振幅値が一定の交流電圧を間欠的に電極に印加することによって、微粒子捕捉期間(交流電圧印加期間)と微粒子移動期間(印加電圧が0の期間)を繰り返すことにより、ポリスチレン等の微粒子が純水等の液体に混入する懸濁液からの微粒子を偏向させて分離するものである。誘電泳動方式においては、分子量が大きいほど、電極若しくは絶縁体構造物から離れた位置で捕集されるため、流路内の捕集領域が大きい。ここで、例えば、アミノ酸等の測定成分と、プロテオーム等の夾雑成分を含む試料液を、誘電泳動を発生可能な流路に流すと、測定成分と夾雑成分は流路内でともに誘電泳動力を受ける。しかしながら、特許文献1では、このように測定成分と夾雑成分とが共に誘電泳動力を受ける点については必ずしも考慮されていない。測定成分の分子量が夾雑成分の分子量よりも小さければ、流路内の捕集領域がその分小さいために、捕集されない測定成分が上記流路内から流出し、下流の検出器で検出できる。ただし、上記流路内に捕集された測定成分は流出されない。また、夾雑成分をできるだけ多く上記流路内に捕集しようする場合は、それに伴って測定成分が捕集される割合も大きくなる。そのため、上記流路からの測定成分の回収率(流出量と流入量の比)が小さくなり、検出器で高い測定精度を得ることが困難となる。
上記の課題は、特許文献2及び特許文献3に開示される技術においても同様に生じ得るものである。
そこで、本発明は、試料液に含まれる測定成分の回収率が大きく、且つ、夾雑成分の除去率が大きい誘電泳動方式を用いた試料の前処理装置及びそれを用いた分析システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明に係る試料の前処理装置は、測定成分及び夾雑成分を含む試料液を通流する流路と、流路内に配される電極とを有し、前記電極に交流電圧を間欠的に印加すると共に、間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記試料液から前記測定成分と前記夾雑成分を前記流路内で分離することを特徴とする。
また、本発明に係る分析システムは、少なくとも、測定成分及び夾雑成分を含む試料液を収容する試料容器と、前記試料容器より試料液を配管系へ注入する試料インジェクタと、流入する試料液から測定成分と夾雑成分を分離するための前処理装置と、前記前処理装置にて分離された測定成分を検出する検出器と、前記前処理装置と前記検出器の間に配され、前記前処理装置と前記検出器とを接続する流路及び前記前処理装置と夾雑成分用廃液ポートとを接続する流路とを切換える流路切換バルブを備え、前記前処理装置は、前記試料液を通流する流路と、流路内に配される電極と、を有し、前記電極に交流電圧を間欠的に印加すると共に、間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記試料液から前記測定成分と前記夾雑成分を前記流路内で分離することを特徴とする。
本発明によれば、試料液に含まれる測定成分の回収率が大きく、且つ、夾雑成分の除去率が大きい誘電泳動方式を用いた試料の前処理装置及びそれを用いた分析システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る分析システムの全体概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る分析システムの全体概略構成図である。 図1及び図2に示す分離デバイスの構造の主要部を示す水平断面図である。 図1及び図2に示す分離デバイスの構造の主要部を示す垂直断面図である。 図3に示す分離デバイスにおいて、試料液中の測定成分と夾雑成分が捕集される領域を示した模式図である。 図3に示す分離デバイスにおける電源電圧の時間変化の模式図である。 図3に示す分離デバイスにおいて、試料液中の測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示した模式図である。 図1及び図2に示す分離デバイスにおける流路内の構造を示す模式図である。 図1及び図2に示す分離デバイスにおける流路内の構造を示す他の模式図である。 本発明の一実施例に係る実施例1の分離デバイスにおいて、電源電圧の時間変化及びそれに伴う測定成分と夾雑成分の捕集率の変化の模式図である。 図10に示す電源電圧の時間変化に対応する測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示す模式図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の分離デバイスにおいて、電源電圧の時間変化及びそれに伴う測定成分と夾雑成分の捕集率の変化の模式図である。 図12に示す電源電圧の時間変化に対応する測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示す模式図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の分離デバイスにおいて、分離デバイスの構造の主要部を示す断面図、電極に印加される電圧の分布、それに伴う測定成分と夾雑成分の捕集率の変化、及び測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示した模式図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4の分離デバイスの構造の主要部を示す水平断面図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4の分離デバイスの構造の主要部を示す他の水平断面図である。 誘電泳動を用いた分離デバイスにおいて、交流電圧を連続的に印加する場合の測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示した模式図である。
先ず、誘電泳動方式について説明する。
誘電泳動とは不均一な電界によって、液体中の微粒子や溶質分子(以下、単に「溶質分子」と称する)が電界強度の大きい方若しくは小さい方に力を受ける現象である。電界強度の大きい方に力が働く場合は「正の誘電泳動」、その逆に電界強度の小さい方に力が働く場合は「負の誘電泳動」と呼ばれる。この誘電泳動の力を流れの抗力に対して反対向きに発生させることで、溶質分子を流れに対して捕集することができる。
誘電泳動力の大きさFdepは、以下の式(1)にて表される。
Fdep=2πεRe[(ε −ε )/(ε +2ε )]∇|E|…(1)
ここで、aは溶質分子の半径、Reは実部、Eは電界強度、εは複素誘電率(=ε−iσ/(2πf))、εは誘電率、σは導電率、iは虚数単位(=√−1)、fは電界の周波数であり、添え字のmは溶媒、pは溶質分子を表す。
また、流れの抗力Fdragは、以下の式(2)にて表される。
Fdrag=6πμau ・・・(2)
ここで、μは溶媒の粘度、uは流れの速度である。
式(1)及び式(2)より、流れの抗力に対する誘電泳動力の比Fdep/Fdragは、以下の式(3)となる。
Fdep/Fdrag=εRe[(ε −ε )/(ε +2ε )]∇|E|/(3μu) ・・・(3)
上記式(3)に示すように、流れの抗力に対する誘電泳動力の比Fdep/Fdragは、溶質分子の半径aの2乗に比例する。今、対象としている溶質分子の密度は種類によらずほぼ一定と考えると、溶質分子の半径aは、質量、すなわち分子量の1/3乗に比例する。従って、流れの抗力に対する誘電泳動力の比Fdep/Fdragは、溶質分子の分子量の2/3乗に比例する。
また、上記式(1)より、誘電泳動力は電界強度の2乗の勾配∇|E|に比例する。一般に、電極若しくは絶縁体構造物の表面に近いほど電界強度の勾配が大きいため、電極若しくは絶縁体構造物の表面に近いほど誘電泳動力が大きい。一方、固体表面に近いほど流れの速度は小さい(表面では流れの速度は0)ので、上記式(2)より流れの抗力も小さい。従って、流れの抗力に対する誘電泳動力の比Fdep/Fdragは、電極若しくは絶縁体構造物の表面に近いほど大きいような分布となる。このとき、溶質分子の分子量が大きいほど、電極もしくは絶縁体構造物から離れた位置で捕集されるため、流路内の捕集領域が大きい。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る分析システムの全体概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る分析システム20は、少なくとも、溶媒を収容する溶媒容器2、溶媒容器2より溶媒を配管系へ送液するための送液ポンプ3、測定成分及び夾雑成分を含む試料液を収容する試料容器5、試料容器5より試料液を配管系へ注入する試料インジェクタ4、流入する試料液及び溶媒から測定成分と夾雑成分を分離するための前処理装置としての分離デバイス1、流路切換バルブ6、検出器7、及びこれらを制御する制御部10から構成される。ここで、溶媒容器2に収容される溶媒として、例えば水が用いられる。図1及び図2では、流路切換バルブ6として三方弁を用いる場合を一例として示すがこれに限られるものでは無い。分離デバイス1と夾雑成分用廃液ポート9とを接続する流路と、分離デバイス1と検出器7とを接続する流路と、を切換え可能な構成であればいずれの構成を用いても良い。図1では、制御部10からの流路切換指令により、流路切換バルブ6である三方弁が分離デバイス1と検出器7とを接続する流路に切換えた状態を示している。試料インジェクタ4により注入された試料液が分離デバイス1に流入し、試料液に含まれる測定成分Sと夾雑成分Xは分離デバイス1内で流れ方向に分離され、測定成分Sが先に分離デバイス1から流出する。分離デバイス1から流出した測定成分Sは、流路切換バルブ6である三方弁を介して検出器7に流入して測定され、その後、試料用廃液ポート8より流出する。
一方、図2に示すように、測定成分Sに遅れて夾雑成分Xが分離デバイス1から流出すると、制御部10からの流路切換指令により、流路切換バルブ6である三方弁が分離デバイス1と夾雑成分用廃液ポート9とを接続する流路に切換える。これにより、分離デバイス1から流出した夾雑成分Xは、流路切換バルブ6である三方弁を介して夾雑成分用廃液ポート9より流出する。
なお、制御部10は、例えば、図示しないCPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置等の記憶装置にて実現されると共に、CPU等のプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。例えば、制御部10は、上述のように流路切換バルブ6である三方弁へ流路切換指令を出力する機能に加え、詳細後述する分離デバイス1に設けられた電極へ印加する交流電圧の印加パターンを制御すると共に、送液ポンプ3及び/又は試料インジェクタ4の動作を制する機能も有する。なお、本明細書においいて試料の前処理装置とは、少なくとも分離デバイス1及び制御部10を含むものとする。但し、以下では、便宜的に分離デバイス1のみを以て、試料の前処理装置と称する。
ここで、図1及び図2に示す分析システム20を、液体クロマトグラフィーとして用いる場合について説明する。
例えば、アミノ酸を測定成分Sとした場合、通常の液体クロマトグラフィーにて分析する際において、仮に、前処理時に分子量の大きい(分子の体積が大きい)プロテオームからアミノ酸の分離が不完全であると、液体クロマトグラフィーの分離カラム内に充填された例えばシリカゲルの粒子に、夾雑成分Xとしてのプロテオームが吸着され、測定成分Sである分子量の小さい(分子の体積が小さい)アミノ酸の分析が行えない不具合が生じ得る。
しかしながら、本実施形態に係る分析システム20では、前処理装置としての分離デバイス1内において、誘電泳動力を用いることで、仮に、測定成分Sであるアミノ酸に夾雑成分Xであるプロテオームが混在する場合であっても、分離デバイス1に流入する試料液に含まれる測定成分S(アミノ酸)と夾雑成分X(プロテオーム)は分離デバイス1内で流れ方向に分離される。そして、測定成分S(アミノ酸)が先に分離デバイス1から流出し、分離デバイス1から流出した測定成分S(アミノ酸)は、流路切換バルブ6である三方弁を介して検出器7に流入し測定される。ここで、検出器7として、例えば、吸光光度検出器、蛍光検出器、或は、pH又は酸化還元電位の変動を検出する電気化学検出器等が用いられる。一方、測定成分Sであるアミノ酸に遅れて夾雑成分Xであるプロテオームが分離デバイス1から流出すると、制御部10からの流路切換指令により、流路切換バルブ6である三方弁が分離デバイス1と夾雑成分用廃液ポート9とを接続する流路に切換える。これにより、分離デバイス1から流出した夾雑成分Xであるプロテオームは、流路切換バルブ6である三方弁を介して夾雑成分用廃液ポート9より流出する。
このように、本実施形態に係る分析システム20によれば、試料液から測定成分Sであるアミノ酸を夾雑成分Xであるプロテオームより分離し、測定成分Sであるアミノ酸の分離回収率を向上させ、分離回収されたアミノ酸を良好に分析することができる。
本実施形態に係る分析システム20を液体クロマトグラフィーに適用した場合、液体クロマトグラフィーの分離カラムに相当する分離デバイス1は、分離処理のみならず、従来行われていた前処理の機能も有する。
また、液体クロマトグラフィーの場合、測定成分Sに応じて送液ポンプより分離カラムに供給する溶媒の種類が定まるため、予め複数種の溶媒と送液ポンプを用意する必要がある。これに対し、本実施形態に係る分析システム20では、誘電泳動力を用いた分離デバイス1を有することから、溶媒は、測定成分Sに依らず、例えば、水のみを用意すれば良く、従って、溶媒を送液するための送液ポンプ3も一つで済み、分析システム20全体としての小型化を図ることも可能となる。
図3は、図1及び図2に示す分離デバイス1の構造の主要部を示す水平断面図であり、図4は、分離デバイス1の構造の主要部を示す垂直断面図であって、図3のA―A断面矢視図である。図3及び図4に示すように、試料の前処理装置としての分離デバイス1は、試料液を導入するための流入口11、流入口11より流出口14へと延伸する流路12、延伸する流路12の長手方向に対して直交するよう複数の列をなすよう相互に離間し配される複数のピラー電極13、各列をなす複数のピラー電極13間を電気的に接続する配線電極15、交流電源17、及び、交流電源17と配線電極15とを電気的に接続する電気配線16を備える。測定成分S及び夾雑成分Xを含む試料液は、流入口11から流路12に流入し、流路12の下面から上面までの高さを持つピラー電極13(図4)の間を通り抜けて、流出口14から流出する。換言すれば、各ピラー電極13は、基板19aの上面より立設し、その上端部が蓋体19bの下面に接合され、ピラー電極13間に空間を形成することで流路12を構成している。また、ピラー電極13は、流路12の下面上に極薄い厚さで形成された配線電極15と電気配線16を介して交流電源17に電気的に接続されている。
分離デバイス1を構成するピラー電極13及び配線電極15には、例えば、金、銅、クロム、アルミニウム、或はニッケル等の導電性材料が用いられる。また、流路12を構成する基板19a及び蓋体19bの構成材料として、例えば、ガラス、セラミック、或は樹脂等の絶縁材料が用いられる。また、基板19a及び蓋体19bとして、半導体材料であるシリコンの表面を熱酸化膜等で絶縁化したものを用いても良い。
分離デバイス1の作製方法として、例えば、ガラスを材料とする基板19aをドライエッチングで溝加工して、流路12を作製した後に、スパッタやエッチング等のフォトリソグラフィープロセスで流路12の底面に配線電極15を形成する。その後、更に電解めっきによって配線電極15の上にピラー電極13を形成する。配線電極15及びピラー電極13を形成した基板19aと蓋体19bの接合は、蓋体19bの下面に接着材料を薄く塗布して基板19aの上面に接着することで実現できる。
交流電源17からピラー電極13に交流電圧を印加することで、ピラー電極13間に電界を発生させて誘電泳動力を発生させる。図5は、図3に示す分離デバイス1において、試料液中の測定成分Sと夾雑成分Xが捕集される領域を示した模式図であり、誘電泳動力Fdepと流れの抗力Fdragを受けて溶質分子18が捕集される領域を示した模式図である。溶質分子18が正の誘電泳動力Fdepを受ける場合、誘電泳動力Fdepが大きく、流れの抗力Fdragが小さいピラー電極13の近傍に捕集される。このとき、測定成分Sは夾雑成分Xよりも分子量(分子の体積)が小さいので、上述の式(1)により、測定成分Sの分子の方が夾雑成分Xの分子よりも受ける誘電泳動力Fdepが小さい。従って、測定成分Sの分子が捕集される領域21は、夾雑成分Xの分子が捕集される領域22よりも小さい。
図5において、流路12内を通流する測定成分S及び夾雑成分Xを含む試料液の流れの方向を白抜き矢印にて示すと共に、試料液の流れの方向をx軸方向、試料液の流れの方向に対し直交する方向、すなわち、流路12の流路幅方向をy軸方向として示している。ピラー電極13の流路幅方向(y軸方向)の周期長さの間隔の流線23のピラー電極13の上流での間隔を1としたとき、測定成分Sの捕集領域21に接する流線24のピラー電極上流の間隔をdS、夾雑成分Xの捕集領域22に接する流線25のピラー電極13の上流の間隔をdXとする。すると、dS(0<dS≦1)、dX(0<dX≦1)は、それぞれ、全流量に対して測定成分Sが捕集される比率(以下、捕集率と称する)atS(0<atS≦1)、全流量に対して夾雑成分Xが捕集される比率(捕集率)atX(0<atX≦1)に対応する。
ピラー電極13に対して交流電圧を印加し続けた場合(交流電圧を連続的に印加する場合)、上流から流れてきた試料液に含まれる測定成分Sの分子のうち比率(捕集率)atSで定まる分子は、1つ目(初段)のピラー電極13(図5において左側のピラー電極13)の近傍(測定成分Sが捕集される領域21)で捕集され、そこで捕集されなかった比率1−atSで定まる測定成分Sの分子はその下流に流れる。そして、それは2つ目(2段目)のピラー電極13(図5において右側のピラー電極13)まで流れる間に流路12の幅方向(y軸方向)に拡散して、そのうちの比率(捕集率)atSで定まる測定成分Sの分子が2つ目(2段目)のピラー電極13(図5において右側のピラー電極13)の近傍で捕集され、比率1−atSで定まる測定成分Sの分子は、さらに下流に流れる。なお、ここで、上述の「2つ目(2段目)のピラー電極13(図5において右側のピラー電極13)まで流れる間に流路12の幅方向(y軸方向)に拡散して」とは、1つ目(初段)のピラー電極13(図5において左側のピラー電極13)の近傍(測定成分Sが捕集される領域21)にて捕集されなかった測定成分Sの分子は、ピラー電極13の流路幅方向(y軸方向)の周期長さの間隔の流線23内に存在する。一方、1つ目(初段)のピラー電極13(図5において左側のピラー電極13)の近傍(測定成分Sが捕集される領域21)にて捕集された後の測定成分Sの捕集領域21に接する流線24内は、例えば、水である溶媒のみが通流している。2つ目(2段目)のピラー電極13(図5において右側のピラー電極13)に至るまでの間に、この溶媒流中に、ピラー電極13の流路幅方向(y軸方向)の周期長さの間隔の流線23内に存在する測定成分Sの分子が拡散し溶け込むことを意味する。
このようにして、分離デバイス1の下流に行くほど流路12内を通流する測定成分Sの濃度が小さくなり、流路12の十分下流側では実質的に測定成分Sの濃度は0になる。夾雑成分Xに関しても捕集のされ方は同様であるが、夾雑成分Xの捕集率atXが測定成分の捕集率atSよりも大きくなるため、流路12のより上流側で夾雑成分Xの濃度が0に近づく。
図17は、誘電泳動を用いた分離デバイスにおいて、交流電圧を連続的に印加する場合の測定成分Sと夾雑成分Xの分離デバイス内の濃度分布を示した模式図である。図17では、横軸に最上流のピラー電極13からの流れ方向(x軸方向)の距離を取り、縦軸に濃度を取ったグラフであり、最上流のピラー電極13からの距離に対する測定成分Sの濃度を実線にて示し、最上流のピラー電極13からの距離に対する夾雑成分Xの濃度を点線にて示している。図17に示すように、夾雑成分Xの濃度が実質的に0となる位置よりも下流側(図17中のLの位置)に、最下流のピラー電極13を設けると、夾雑成分Xは全て分離デバイス1内に捕集され、その除去率は0となる。但し、このとき、分離デバイス1から流出する測定成分Sは、図17に示す斜線部51であり、最上流のピラー電極13からの流れ方向(x軸方向)の距離0〜Lに捕集される測定成分Sは分離デバイス1から流出しない。そのため、測定成分Sの回収率が小さい。そこで、ピラー電極13への交流電圧の印加を図6のように間欠的にする。図6は、図3に示す分離デバイスにおける電源電圧の時間変化の模式図である。図6に示すように、交流電圧の印加期間(1)と交流電圧遮断期間(2)とを交互に繰り返すことにより、ピラー電極13へ間欠的に交流電圧を印加する。交流電圧の印加期間(1)に捕集された分子が、交流電圧遮断期間(2)に流路12内を下流側へと流れる。
上述の前処理装置としての分離デバイス1の構成と、交流電圧の間欠印加により、測定成分S及び夾雑成分Xの流れ方向(x軸方向)の分布は図7のようになる。図7は、図3に示す分離デバイス1において、試料液中の測定成分Sと夾雑成分Xの分離デバイス1内の濃度分布を示した模式図である。図7に示すように、時間が経過するにつれて、測定成分S及び夾雑成分Xは共に下流側へと流れていくが、測定成分Sの方が夾雑成分Xに比べ捕集率が小さいため、全体としては夾雑成分Xよりも早く下流側へ流れる。従って、測定成分Sと夾雑成分Xを流れ方向に分離できる。図7に示すように、最下流のピラー電極13の位置Lにおいて、測定成分Sと夾雑成分Xが流れ方向に十分に分離できていれば、測定成分Sの回収率を十分大きく、夾雑成分Xの除去率を十分に小さくすることができる。
これまでに示した分離方法において、測定成分Sと夾雑成分Xの捕集率が大きいほど分離が良い。捕集率を大きくするには、図3及び図4に示したピラー電極13を用いる構成においては、交流電圧の振幅を大きくすれば良い。上述の式(1)において、電界強度Eは印加電圧の振幅に比例するので、電界強度Eの2乗の勾配∇|E|は印加電圧の振幅の2乗に比例する。これによって、捕集率atS及びatXが大きくなる。但し、印加電圧の振幅を大きくしていくと、ある値で溶媒が電気分解し、試料液の組成が変化して正しい分析ができなくなる。そこで、印加電圧の制限を受けにくい構造を以下に示す。
図8は、図1及び図2に示す分離デバイスにおける流路内の構造を示す模式図である。図8に示すように、流れ方向(x軸方向)に沿って配線電極15で接続された複数のピラー電極13を、流れの方向(x軸方向)に平行に複数配列し、これら平行に複数配列され配線電極15で接続された複数のピラー電極13の間に、絶縁体ポスト31を流れ方向(x軸方向)に沿って流路12内に複数設けた構造である。各絶縁体ポスト31は、ピラー電極13と同様に、流路12の下面から上面までの高さを有する。この構造の場合、流れ方向(x軸方向)に沿って設けられる絶縁体ポスト31間の隙間32に電気力線が集中するため、その周辺で電気力線が密になって電界強度Eが大きくなり、誘電泳動力Fdepも大きくなる。一方、絶縁体ポスト31表面の近傍での流速は小さいため、流れの抗力Fdragに対する誘電泳動力の比Fdep/Fdragは、絶縁体ポスト31間の隙間32の近傍で最大となる。この構成では電界強度Eの2乗の勾配∇|E|は、絶縁体ポスト31間の隙間32のサイズにより(隙間32が狭いほど∇|E|が大きい)、印加電圧の振幅を大きくする必要はない。そのため、電気分解の制限を受けることなく、誘電泳動力Fdepを大きくすることができる。
図9は、図1及び図2に示す分離デバイスにおける流路内の構造を示す他の模式図である。図9に示すように、試料液を流す流路12内にピラー電極13は形成せずに絶縁体ポスト31のみを形成した構造である。すなわち、流れ方向(x軸方向)に沿って設けられた複数の絶縁体ポスト31を、流れの方向(x軸方向)に平行に複数配列する構造である。このとき、試料液を流す流路12の両端、すなわち、流れの方向(x軸方向)に平行であって、且つ、流路幅方向(y軸方向)の両側部に、絶縁体で形成された隔壁42を挟んで通電用流路41を設け、通電用流路41には電解液を充填しておく。通電用流路41の電解液に交流電源17から交流電圧を、電気配線16を介して印加することで、隔壁42を介して試料液を流す流路12内に電界が発生する。このとき、図8の構成と同様に、絶縁体ポスト31間の隙間32の近傍で電界強度Eの2乗の勾配∇|E|が最も大きくなるような電界が発生し、ここに溶質分子18が捕集される。この構成では、電解液に印加される電圧は隔壁42で絶縁されているので、電気分解は起こらない。したがって、振幅の大きな電圧を印加することができ、誘電泳動力Fdepを大きくできる。
これらの構造とすることで捕集率atS及びatXを大きくでき、測定成分Sと夾雑成分Xの分離を良好にできる。なお、測定成分Sと夾雑成分Xの分離の改善が必要ない場合は、これらの構造によって印加電圧の振幅を小さくすることができ、消費電力の低減、電源の小型化・簡易化が可能となる。
図8及び図9に示した絶縁ポスト31の構成材料として、例えば、ガラスやフォトレジストなどの絶縁材料が用いられる。絶縁ポスト31の作製方法としては、例えば、流路12の作製時に絶縁ポスト31を残すように基板19aの材料であるガラスをエッチングする、若しくは、まず流路12ができるように基板19aをエッチングした後に流路12の底面にフォトレジストをフォトリソグラフィープロセスでパターニングする、などが挙げられる。
また、図6に示した交流電圧の間欠印加の周期(以下、間欠印加周期と称する)、すなわち交流電圧の印加期間(1)と交流電圧遮断期間(2)のそれぞれの時間と、印加電圧の振幅(以下、電圧振幅と称する)を決定する方法として、例えば以下の方法が挙げられる。
測定成分Sと夾雑成分Xの分子量がある程度わかっている場合は、予め分子量が既知の成分に対して作成しておいたデータベースから電圧印加条件を決定する。このデータベースは、様々な間欠印加周期と電圧振幅に対して、試料成分が試料インジェクタ4によって注入されてから検出器7で検出されるまでの時間(分離デバイス1に試料成分が流入してから流出するまでの時間にほぼ等しいため、以下、流出時間と称する)を分子量既知の成分に対して測定し、分子量、間欠印加周期、電圧振幅及び流出時間の対応関係を格納したものである。
測定成分Sと夾雑成分Xの分子量が未知の場合は、交流電圧の印加期間(1)の時間を0秒から徐々に長くしていくことで、測定成分Sと夾雑成分Xを分離できる条件を探索する。例えば、交流電圧の印加期間(電圧印加時)(1)の時間が0秒の場合は、測定成分Sと夾雑成分Xには誘電泳動力Fdepが働かず、共に流速uで流路12内を移動し、同じ時間で分離デバイス1の流出口14から流出する。交流電圧の印加期間(電圧印加時)(1)の時間をわずかに加えると、測定成分Sの捕集率atSは夾雑成分Xの捕集率atXよりも小さいので、測定成分Sの方が夾雑成分Xよりも早く流出するが、分離デバイス1内を流れる間に成分が流れ方向に拡がるため、それらのピークが重なった状態で分離デバイス1の流出口14から流出する。交流電圧の印加期間(電圧印加時)(1)の時間を十分長くすれば、測定成分Sは夾雑成分Xのピークが離れて分離した状態で分離デバイス1の流出口14から流出する。この手順を実験的に確認して、測定成分Sと夾雑成分Xを分離できる条件を探索する。
以下、図面を用いて、本発明の実施例について、特に、分析システム20を構成する前処理装置として分離デバイス1に印加する交流電圧又は分離デバイス1の構造を主として詳細に説明する。
図10は、本発明の一実施例に係る実施例1の分離デバイス1において、電源電圧の時間変化及びそれに伴う測定成分Sと夾雑成分Xの捕集率の変化の模式図であり、図11は、図10に示す電源電圧の時間変化に対応する測定成分Sと夾雑成分Xの分離デバイス1内の濃度分布を示す模式図である。
上述の本発明の一実施形態に係る分析システム20及び分析システム20を構成する試料の前処理装置としての分離デバイス1の構成において、試料液に含まれる測定成分Sの捕集率atSと夾雑成分Xの捕集率atXが共に1である場合、両者が同様に捕集されるため、流れ方向(x軸方向)に分離できない。そこで、測定成分Sの捕集率atSのみが1より小さく、夾雑成分Xの捕集率atXが1であれば、測定成分Sは夾雑成分Xよりも流路12内を早く流れることになり、両者を流れ方向(x軸方向)に効率良く分離できる。
以下に、図10及び図11を用いて、分析システム20の動作及びこの効果の具体例を説明する。
図10に、印加電圧をステップ状に変化させる場合の電圧の時間変化、電圧振幅の時間変化、測定成分Sの捕集率atSの時間変化、及び、夾雑成分Xの捕集率atXの時間変化を示し、図11に、下記の処理プロセス(1)〜(3)での前処理装置としての分離デバイス1の流路12内における測定成分S及び夾雑成分Xの濃度の分離デバイス1の流入口11からの距離に対する分布を示す。
処理プロセス(1)
図10に示すように、測定成分S及び夾雑成分Xを含む試料液が分離デバイス1の流入口11から流入する際に、測定成分Sの捕集率atSと夾雑成分Xの捕集率atXが共に1となる振幅値V1の交流電圧を連続印加し、流路12内で最上流のピラー電極13間に測定成分Sと夾雑成分Xを捕集する。ここで、振幅値V1の交流電圧の連続印加は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。この工程によって、図11の最上図に示すように、測定成分S及び夾雑成分Xの流れ方向(x軸方向)の分布の幅を狭くすることができるため、この後の工程で分離し易くなる。試料液の注入量が少ないとき等、流れ方向(x軸方向)の分布の幅を狭める必要がない場合は、この処理プロセス(1)は省略しても良い。
処理プロセス(2)
上述の処理プロセス(1)の後、図10に示すように、処理プロセス(1)よりも小さい振幅値V2の電圧を間欠印加し、測定成分S及び夾雑成分Xを流路12内において下流側に流し始める。このときの交流電圧の振幅値は、測定成分Sの捕集率atSが1より小さく、夾雑成分Xの捕集率atXが1となる振幅値V2にする。振幅値V2の交流電圧の間欠印加も、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。このとき、図11の中央図に示すように、測定成分Sが流れる平均速度uS2aは夾雑成分Xの平均速度uX2aよりも大きいため(図11では矢印の長さで平均速度の大きさを示している)、測定成分Sと夾雑成分Xは流路12内において流れ方向(x軸方向)に分離する。
ここで、処理プロセス(2)の実行時、制御部10は流路切換指令を流路切換バルブ6である三方弁へ出力し、流路切換バルブ6である三方弁は分離デバイス1と検出器7とを接続する流路に切換える(図1に示す状態)。なお、流路切換バルブ6である三方弁による分離デバイス1と検出器7とを接続する流路への切換動作を、上述の処理プロセス(1)の実行時に行うよう構成しても良い。
処理プロセス(3)
測定成分Sと夾雑成分Xが流路12内において流れ方向(x軸方向)に十分に分離した時間(例えば、測定成分Sが分離デバイス1の流出口14から流出し、図1に示した流路切換バルブ6よりも下流側に検出器7へと向かい流れた時間)以降では、交流電圧の振幅値を0とする。交流電圧の振幅値を0とする動作は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。これによって、図11の最下図に示すように、分離デバイス1内にとどまっていた夾雑成分Xが流路2内を下流側へと向かい流れる平均速度uX3aは、上述の処理プロセス(2)での平均速度uX2aより大きくなる。従って、平均速度uX2aの速度のままで夾雑成分Xを分離デバイス1の流出口14から流出させる場合よりも、処理時間を短くできる。
ここで、処理プロセス(3)の実行時、制御部10は流路切換指令を流路切換バルブ6である三方弁へ出力し、流路切換バルブ6である三方弁は分離デバイス1と夾雑成分用廃液ポート9とを接続する流路に切換える(図2に示す状態)。
なお、処理ステップ(1)における振幅値V1の交流電圧を連続印加する電圧印加パターン、処理ステップ(2)における振幅値V2の交流電圧を間欠印加する電圧印加パターン、及び、処理ステップ(3)における交流電圧の振幅値を0とする電圧印加パターンは、上述のデータベースに予め格納されている。
本実施例によれば、試料液に含まれる測定成分Sの回収率が大きく、且つ、夾雑成分Xの除去率が大きい誘電泳動方式を用いた試料の前処理装置(分離デバイス1)及びそれを用いた分析システム20を提供することが可能となる。
また、更に本実施例によれば、電圧印加時の交流電圧の振幅値はV1、V2の2通りで良いため、交流電源17の構成を簡素化できる。
図12は、本発明の他の実施例に係る実施例2の分離デバイス1において、電源電圧の時間変化及びそれに伴う測定成分Sと夾雑成分Xの捕集率の変化の模式図であり、図13は、図12に示す電源電圧の時間変化に対応する測定成分Sと夾雑成分Xの分離デバイス1内の濃度分布を示す模式図である。実施例1では印加電圧をステップ状に変化させる構成したのに対し、本実施例では印加電圧をリニアに変化させる構成とした点が実施例1と異なる。
図12に、印加電圧をリニアに変化させる(なだらかに変化させる)場合の電圧の時間変化、電圧振幅の時間変化、測定成分Sの捕集率atSの時間変化、及び夾雑成分Xの捕集率atXの時間変化を示し、図13に、下記の処理プロセス(1)〜(5)での前処理装置としての分離デバイス1の流路12内における測定成分S及び夾雑成分Xの濃度の分離デバイス1の流入口11からの距離に対する分布を示す。
処理プロセス(1)
処理プロセス(1)では、図10及び図11に示した実施例1の印加電圧をステップ状に変化させる場合の処理プロセス(1)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
処理プロセス(2)
処理プロセス(1)の後、図12に示すように、電圧の間欠印加の開始と同時に交流電圧の振幅値をV1からV3へとリニアに(なだらかに)小さくし始める。この処理プロセス(2)では、測定成分Sの捕集率atS及び夾雑成分Xの捕集率atXが共に1であるため、図13の上から2番目の図に示すように、測定成分S及び夾雑成分Xは同一の平均速度u2bで流路2内を下流側へと向かい流れ、測定成分S及び夾雑成分Xは流路12内において流れ方向(x軸方向)に分離しない。
交流電圧の振幅値をV1からV3へとリニアに(なだらかに)小さくする電圧の間欠印加は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。
処理プロセス(3)
処理プロセス(2)の後、図12に示すように、交流電圧の振幅値がV3よりも小さいV4へと更にリニアに(なだらかに)低下し、測定成分Sの捕集率atSが1より小さく、夾雑成分Xの捕集率atXが1となる。交流電圧の振幅値がV3よりも小さいV4へと更にリニアに(なだらかに)低下する電圧の間欠印加は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。このとき、図13の上から3番目の図に示されるように、測定成分Sが流路12内を下流側へと向かい流れる平均速度uS3bはプロセス(2)での平均速度u2bよりも大きくなる。一方で、夾雑成分Xの平均速度は、処理プロセス(2)での平均速度u2bと変わらない。この結果、測定成分Sと夾雑成分Xは流路12内において流れ方向(x軸方向)に分離する。
処理プロセス(4)
処理プロセス(3)の後、図12に示すように、交流電圧の振幅値が更に低下してV4より小さくなると、測定成分Sの捕集率atSと夾雑成分Xの捕集率atXが共に1より小さくなる。交流電圧の振幅値を更に低下させV4より小さくする電圧の間欠印加は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。これによって、図13の上から4番目の図に示されるように、夾雑成分Xが流路12内を下流側へと流れる平均速度uX4bが、処理プロセス(3)における平均速度u2bよりも大きくなる。
ここで、処理プロセス(4)の実行時、制御部10は流路切換指令を流路切換バルブ6である三方弁へ出力し、流路切換バルブ6である三方弁は分離デバイス1と検出器7とを接続する流路に切換える(図1に示す状態)。なお、流路切換バルブ6である三方弁による分離デバイス1と検出器7とを接続する流路への切換動作を、上述の処理プロセス(1)〜(3)のうち、何れかの処理プロセス実行時に行うよう構成しても良い。
処理プロセス(5)
処理プロセス(4)の後、図12に示すように、交流電圧の振幅値を0とする。交流電圧の振幅値を0とする動作は、制御部10(図1、図2)が交流電源17を制御することにより実行される。これによって、測定成分Sの捕集率atS及び夾雑成分Xの捕集率atXが共に0となり、図13の最下図に示すように、測定成分S及び夾雑成分X同一の平均速度u5bで流路2内を下流側へと向かい流れる。
ここで、処理プロセス(5)の実行時、制御部10は流路切換指令を流路切換バルブ6である三方弁へ出力し、流路切換バルブ6である三方弁は分離デバイス1と夾雑成分用廃液ポート9とを接続する流路に切換える(図2に示す状態)。
上述の実施例1では、図10に示したステップ状に交流電圧の振幅値を変化させる構成では、測定成分Sの捕集率atSが1より小さく、夾雑成分Xの捕集率atXが1となる交流電圧の振幅値の閾値V2を事前に決めておく必要があるが、図12に示した本実施例での交流電圧の振幅値の閾値V3及びV4は自動的に決まる。従って、事前に交流電圧の振幅値の閾値を決める必要がないため、条件出しを含めた全体の作業を簡易化できる。
本実施例によれば、試料液に含まれる測定成分Sの回収率が大きく、且つ、夾雑成分Xの除去率が大きい誘電泳動方式を用いた試料の前処理装置(分離デバイス1)及びそれを用いた分析システム20を提供することが可能となる。
また、更に本実施例によれば、印加電圧をリニアに変化させる構成とすることで、交流電圧の間欠印加時における振幅値の閾値が自動的に決まることから、事前に交流電圧の振幅値の閾値を決める必要がないため、条件出しを含めた全体の作業を簡易化できる。
図14は、本発明の他の実施例に係る実施例3の分離デバイスにおいて、分離デバイスの構造の主要部を示す断面図、電極に印加される電圧の分布、それに伴う測定成分と夾雑成分の捕集率の変化、及び測定成分と夾雑成分の分離デバイス内の濃度分布を示した模式図である。実施例2では、印加電圧の振幅値をステップ状に時間的に変化させることで、捕集率を時間的に変化させて、測定成分Sと夾雑成分Xを流れ方向(x軸方向)に分離する構成を示した。また、実施例3では、印加電圧の振幅値をリニアに(なだらかに)時間的に変化させることで、捕集率を時間的に変化させて、測定成分Sと夾雑成分Xを流れ方向(x軸方向)に分離する構成を示した。これらに対して、本実施例では、印加電圧の振幅は変化させることなく、捕集率を流路12内で空間的に変化させる構成とした点が、実施例1及び実施例2と異なる。この場合、交流電圧の振幅値は一定で良いため、実施例1及び実施例2と比較し交流電源17の構成をより簡素化できる。
図14に示すように、上述の本発明の一実施形態として図3及び図4に示した前処理装置としての分離デバイス1の構成に対して、本実施例に係る前処理装置としての分離デバイス1は、配線電極15を抵抗体とし、交流電源17を流路12の上流側で接続し、抵抗体としての配線電極15を流路12の下流側で電気配線16によって直結する構成を備える。その他の構成は図3及び図4と同様である。
本実施例に係る前処理装置としての分離デバイス1の構成では、抵抗体としての配線電極15において電圧降下が起こり、ピラー電極13に印加される交流電圧の振幅値は流路12の上流から下流に向かって小さくなる。図14に示すように、ピラー電極13に印加される交流電圧の振幅値がV1からV3の間の領域(1)では、測定成分Sの捕集率atS及び夾雑成分Xの捕集率atXは共に1であるため、図14の最下図に示すように、測定成分Sと夾雑成分Xは同じ速度で流路12内を下流側へと流れる。ピラー電極13に印加される交流電圧の振幅値がV3からV4の間の領域(2)では、測定成分Sの捕集率atSが1より小さく、夾雑成分Xの捕集率atXが1となり、図14の最下図に示すように、測定成分Sは夾雑成分Xよりも大きい平均速度(図14の最下図中、矢印の長さで平均速度の大きさを示している)で流路12内を下流側へと流れ、測定成分Sと夾雑成分Xは流れ方向(x軸方向)に分離する。続いて、ピラー電極13に印加される交流電圧の振幅値がV4から0の間の領域(3)では、測定成分Sの捕集率atSと夾雑成分Xの捕集率atXが共に1より小さい。これによって、夾雑成分Xが流路12内を下流側へと流れる平均速度が、領域(2)における平均速度よりも大きくなる。
本実施例によれば、抵抗体としての配線電極15の電圧降下によりピラー電極13に印加される交流電圧の振幅値は流路12の上流から下流に向かって小さくなることから、実施例1及び実施例2の効果に加え、交流電源17の構成をより簡素化できる。
図15は、本発明の他の実施例に係る実施例4の分離デバイスの構造の主要部を示す水平断面図であり、図16は、実施例4の分離デバイスの構造の主要部を示す他の水平断面図である。本実施例では、図15に示すように、流れの方向(x軸方向)に対し上流側ほどピラー電極13の配置密度を高くし、また、図16に示すように、流れの方向(x軸方向)に対し上流側ほど流路12の流路断面積を大きくした点が、実施例1〜実施例3と異なる。なお、図15において、上述の図3及び図4に示した配線電極15、電気配線16、及び交流電源17については表記を省略し、図16においては、更にピラー電極13の表記をも省略している。
図15に示すように、本実施例に係る前処理装置としての分離デバイス1は、上述の図3及び図4に示した構成に対して、流路12内において、ピラー電極13の流れ方向(x軸方向)の間隔を、流路12の上流側ほど狭くした構成を備える。最上流側のピラー電極13の流れ方向(x軸方向)の間隔131が最も狭く、最下流側のピラー電極13の流れ方向(x軸方向)の間隔132が最も広い。換言すれば、流路12内において、流れの方向(x軸方向)に対し上流側ほどピラー電極13の配置密度を高くしている。ピラー電極13の流れ方向(x軸方向)の間隔が狭いとピラー電極13間に発生する電界強度Eが大きくなり、電界の2乗の勾配∇|E|も大きくなる。一方、流速uは測定成分S及び夾雑成分Xを含む試料液の流量を流路12の断面積で割った値であり、断面積はピラー電極13の間隔と流路12の深さの積である。従って、上述の式(3)より、ピラー電極13の間隔が広い流路12の下流ほど流れの抗力Fdragに対する誘電泳動力Fdepの比Fdep/Fdragが大きくなる。従って、図14に示した構成と同様に、測定成分Sと夾雑成分Xが流路12内において流れ方向(x軸方向)に分離する。図15に示す前処理装置としての分離デバイス1の構成では、図14の構成の様に配線電極15を抵抗体にする必要がないため、分離デバイス1の構造が単純であり、製造コストを低減することが可能となる。
図16に示すよう、本実施例に係る前処理装置としての分離デバイス1は、上述の図3及び図4に示した構成に対して、流路12の流路断面積を上流側ほど広くした構成を備える。図示しないピラー電極13の流れの方向(x軸方向)の間隔は、図14と同様に一定である。図16に示す例では、流路12の流路幅(y軸方向の長さ)を流路12の上流側ほど大きくした構成としているが、これに限られるものでは無い。例えば、流路12の流路幅(y軸方向の長さ)は一定で、深さが流路12の上流側ほど大きくする構造としても良く、また、流路12の流路幅(y軸方向の長さ)及び深さ共に流路12の上流ほど大きくしても良い。すなわち、流路12の流路断面積が上流側ほど大きい構造であればいずれの構造を適用しても良い。
図16に示す前処理装置としての分離デバイス1の構成では、電界の2乗の勾配∇|E|は流れ方向に一定であるものの、流速uは流路12の上流側ほど小さいため、上述の式(3)より、流れの抗力Fdragに対する誘電泳動力Fdepの比Fdep/Fdragが流路12の上流側ほど大きくなる。従って、図14に示した構成と同様に、測定成分Sと夾雑成分Xが流路12内において流れ方向(x軸方向)に分離する。図16に示す前処理装置としての分離デバイス1の構成によれば、図14の構成の様に配線電極15を抵抗体にする必要がなく、また、図15位示す構成のようにピラー電極13の間隔を狭くする必要がないため、前処理装置としての分離デバイス1の構造が単純化され、より製造コストの低減が可能となる。
本実施例によれば、実施例1〜実施例3による効果に加え、前処理装置としての分離デバイス1の構造自体が単純化されることから、製造コストの低減が可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
1・・・分離デバイス
2・・・溶媒容器
3・・・送液ポンプ
4・・・試料インジェクタ
5・・・試料容器
6・・・流路切換バルブ
7・・・検出器
8・・・試料用廃液ポート
9・・・夾雑成分用廃液ポート
10・・・制御部
11・・・流入口
12・・・流路
13・・・ピラー電極
14・・・流出口
15・・・配線電極
16・・・電気配線
17・・・交流電源
18・・・溶質分子
19a・・・基板
19b・・・蓋体
20・・・分析システム
21・・・測定成分Sが捕集される領域
22・・・夾雑成分Xが捕集される領域
23・・・ピラー電極の流路幅方向の周期長さの間隔の流線
24・・・測定成分Sの捕集領域21に接する流線
25・・・夾雑成分Xの捕集領域22に接する流線
31・・・絶縁体ポスト
32・・・隙間
41・・・通電用流路
42・・・隔壁
51・・・斜線部
131・・・最上流のピラー電極間隔
132・・・最下流のピラー電極間隔

Claims (15)

  1. 測定成分及び夾雑成分を含む試料液を通流する流路と、流路内に配される電極とを有し、前記電極に交流電圧を間欠的に印加すると共に、間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記試料液から前記測定成分と前記夾雑成分を前記流路内で分離することを特徴とする試料の前処理装置。
  2. 請求項1に記載の試料の前処理装置において、
    前記間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記測定成分の前記流路内を通流する速度を、前記夾雑成分が前記流路内を通流する速度よりも大きくすることを特徴とする試料の前処理装置。
  3. 請求項2に記載の試料の前処理装置において、
    間欠的に印加される交流電圧の振幅値をステップ状に小さくするよう制御する制御部を備えることを特徴とする試料の前処理装置。
  4. 請求項2に記載の試料の前処理装置において、
    間欠的に印加される交流電圧の振幅値をリニアに時間の経過と共に小さくするよう制御する制御部を備えることを特徴とする試料の前処理装置。
  5. 請求項2に記載の試料の前処理装置において、
    前記流路内に配される電極はピラー電極であって、前記流路の下面から上面までの高さを有し、
    複数の前記ピラー電極が、前記流路の上流側から下流側へと前記試料液が通流する流れ方向に直交するよう複数の列をなすよう配され、各列をなす複数のピラー電極を電気的に接続する配線電極を備えることを特徴とする試料の前処理装置。
  6. 請求項5に記載の試料の前処理装置において、
    前記流路の上流側に配される交流電源と、
    前記交流電源に電気的に接続され、抵抗体としての前記配線電極と、を備え、
    前記配線電極の電圧降下により、前記流路の下流側に向かうに従い前記列をなす複数のピラー電極に印加される交流電圧の振幅値が小さくなることを特徴とする試料の前処理装置。
  7. 請求項5に記載の試料の前処理装置において、
    前記各列をなす複数のピラー電極のうち、前記流路の上流側ほど相互に隣接する列をなす複数のピラー電極との間隔が狭いことを特徴とする試料の前処理装置。
  8. 請求項5に記載の試料の前処理装置において、
    前記流路の上流側ほど流路断面積が大きいことを特徴とする試料の前処理装置。
  9. 少なくとも、測定成分及び夾雑成分を含む試料液を収容する試料容器と、前記試料容器より試料液を配管系へ注入する試料インジェクタと、流入する試料液から測定成分と夾雑成分を分離するための前処理装置と、前記前処理装置にて分離された測定成分を検出する検出器と、前記前処理装置と前記検出器の間に配され、前記前処理装置と前記検出器とを接続する流路及び前記前処理装置と夾雑成分用廃液ポートとを接続する流路とを切換える流路切換バルブを備え、
    前記前処理装置は、前記試料液を通流する流路と、流路内に配される電極とを有し、前記電極に交流電圧を間欠的に印加すると共に、間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記試料液から前記測定成分と前記夾雑成分を前記流路内で分離することを特徴とする分析システム。
  10. 請求項9に記載の分析システムにおいて、
    前記前処理装置は、前記間欠的に印加される交流電圧の振幅値を変化させることにより、前記測定成分の前記流路内を通流する速度を、前記夾雑成分が前記流路内を通流する速度よりも大きくすることを特徴とする分析システム。
  11. 請求項10に記載の分析システムにおいて、
    前記前処理装置は、間欠的に印加される交流電圧の振幅値をステップ状に小さくするよう制御する制御部を備えることを特徴とする分析システム。
  12. 請求項10に記載の分析システムにおいて、
    前記前処理装置は、間欠的に印加される交流電圧の振幅値をリニアに時間の経過と共に小さくするよう制御する制御部を備えることを特徴とする分析システム。
  13. 請求項10に記載の分析システムにおいて、
    前記前処理装置は、前記流路内に配される電極はピラー電極であって、前記流路の下面から上面までの高さを有し、
    複数の前記ピラー電極が、前記流路の上流側から下流側へと前記試料液が通流する流れ方向に直交するよう複数の列をなすよう配され、各列をなす複数のピラー電極を電気的に接続する配線電極を備えることを特徴とする分析システム。
  14. 請求項13に記載の分析システムにおいて、
    前記前処理装置は、
    前記流路の上流側に配される交流電源と、
    前記交流電源に電気的に接続され、抵抗体としての前記配線電極と、を備え、
    前記配線電極の電圧降下により、前記流路の下流側に向かうに従い前記列をなす複数のピラー電極に印加される交流電圧の振幅値が小さくなることを特徴とする分析システム。
  15. 請求項11から請求項13のうち、何れか1項に記載の分析システムにおいて、
    前記検出器は、吸光光度検出器、蛍光検出器、或は、pH又は酸化還元電位の変動を検出する電気化学検出器であることを特徴とする分析システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110102183A (zh) * 2019-05-14 2019-08-09 青岛大学 一种介电泳法高效连续分离微米粒子新工艺

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