JP2018020283A - 液体検量器 - Google Patents

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雅博 高下
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渉裕 中島
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Abstract

【課題】単純な操作によって正確な検量を行うとともに、ユーザビリティを向上させることが可能な定量スポイトを提供する。【解決手段】定量スポイト10は、先端開口部11、吸引吐出部12、定量部13、廃液貯留部14a,14b、逆流抑制部15を備えている。吸引吐出部12は、使用者の操作によって先端開口部11から採取液体を吸引させるための吸引力を発生させる。定量部13は、先端開口部11と吸引吐出部12との間に設けられており、吸引吐出部12が操作されて先端開口部11から吸引された採取液体のうち、所定量の採取液体を貯留する。廃液貯留部14a,14bは、定量部13と連通した状態で定量部13の側方に定量部13を胴体部分とする腕状の形状を有するように設けられ、定量部13から溢れ出た所定量を超える余剰の採取液体を貯留する。【選択図】図2

Description

本発明は、採取液体を検量するために用いられる液体検量器に関する。
生化学的分析や臨床検査等においては、検体等の採取液体を正確に検量するための各種器具が用いられている。これらの検量器具には、操作性等の使い勝手(ユーザビリティ)、定量性等の性能が要求される。
例えば、特許文献1には、採取液体をより正確に検量することが可能なピペットチップについて開示されている。
このピペットチップは、吸引された採取液体を所定量だけ保持する液体保持部と、液体保持部から所定量を超えてオーバーフローした液体を収容する液体収容部とを備えている。
特開2007−315793号公報
しかしながら、上記従来のピペットチップでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたピペットチップでは、ピベットの先端部分において、液体収容部が液体保持部を周設した構成となっている。このため、液体収容部の大きさの分、ピベットの先端部分が太くなってしまい、液体検体をピベット先端から吸引あるいは吐出する際に視認性、操作性が低下し、使い勝手が低下してしまう。
本発明の課題は、単純な操作によって正確な検量を行うとともに、使用者の使い勝手を向上させることが可能な液体検量器を提供することにある。
第1の発明に係る液体検量器は、採取液体を吸引して、所定量の採取液体を吐出する液体検量器であって、先端開口部と、吸引吐出部と、定量部と、廃液貯留部と、逆流抑制部と、を備えている。先端開口部は、第1端側に設けられており、採取液体を吸引・吐出するための開口を有する。吸引吐出部は、第1端から離間した位置に設けられており、使用者の操作によって先端開口部から採取液体を吸引させるための吸引力、吸引した採取液体を吐出するための吐出力を発生させる。定量部は、先端開口部と吸引吐出部との間に設けられており、吸引吐出部が操作されて先端開口部から吸引された採取液体のうち、所定量の採取液体を貯留する。廃液貯留部は、定量部と連通した状態で定量部の側方に定量部を胴体部分とする腕状の形状を有するように設けられており、定量部から溢れ出た所定量を超える余剰の採取液体を貯留する。
ここでは、先端開口部から採取液体を吸引して所定量の採取液体を吐出する液体検量器において、吸引吐出部を操作することによって吸引された採取液体を定量部に流入させ、定量部から溢れ出した余剰の採取液体が廃液貯留部において貯留される。
ここで、本液体検量器は、定量部の体積が所定量に規定されていることで、例えば、採取液体の体積を検量するための目盛りを必要としない構成を採用している。そして、本液体検量器は、定量部に採取液体を充填させた状態のまま他の容器等へ採取液体を移し変えることで、目盛りを見ながらスポイト内で検量することなく、容易に所定量の採取液体の検量を可能とする器具である。
吸引吐出部は、例えば、使用者の指の操作によって内部の体積を一時的に減少させることが可能な薄肉状、あるいは蛇腹状の形状を有している。そして、吸引吐出部が元の形状に戻ろうとする復元力を利用して、液体検量器内の内圧を低下させ、先端開口部から採取液体を吸引する吸引力を生じさせる。
なお、吸引吐出部は、使用者の指による手動操作だけでなく、電力等を用いて自動操作によって、採取液体の吸引・吐出を行ってもよい。
定量部は、検量したい所定量(例えば、2ml等)の採取液体を貯留可能な体積を有しており、所定量を超える量の採取液体を貯留できない。そして、廃液貯留部は、吸引吐出部の操作によって吸引された、例えば、5mlの採取液体のうち、2mlの定量部から溢れ出した3ml分の採取液体を貯留する。
また、定量部の側方に設けられた廃液貯留部は、定量部を胴体部分とする腕状の形状を有している。
これにより、廃液貯留部と定量部とがともに外部から視認可能な状態で配置されるため、使用者は、定量部を採取液体によって充填させ、定量部から溢れ出した採取液体が廃液貯留部へと流入している状態を、視認することができる。
この結果、単純な操作によって正確な検量を行うとともに、使用者の使い勝手を向上させることができる。
第2の発明に係る液体検量器は、第1の発明に係る液体検量器であって、吸引吐出部を鉛直上向きとする姿勢において、定量部から廃液貯留部に向かって採取液体が流出する流出口は、廃液貯留部の採取液体の流入口よりも、鉛直方向下方に配置されている。
ここでは、吸引吐出部を上向きとする液体検量器の使用時の姿勢において、定量部の流出口が、廃液貯留部の流入口よりも低い位置(鉛直方向における下方)に配置されている。
これにより、定量部から溢れ出した採取液体を、重量によって、低い位置にある廃液貯留部の流入口から廃液貯留部内へとスムーズに流入させることができる。さらに、一旦、廃液貯留部内へ移動した採取液体は、使用姿勢において上方にある定量部の流出口へ移動することは困難である。
この結果、定量部から溢れ出して廃液貯留部へ貯留された採取液体の定量部への逆流を防止することができる。
この結果、採取液体を吸引して定量部へ所定量の採取液体を貯留し、正確に所定量の採取液体を吐出することができる。よって、液体検量器の使用者の使い勝手を向上させることができる。
第3の発明に係る液体検量器は、第1または第2の発明に係る液体検量器であって、定量部と廃液貯留部との間に設けられ、定量部よりも採取液体の流入断面積が小さくなるように形成されており、定量部から廃液貯留部への採取液体の移動を抑制する逆流抑制部を、さらに備えている。
ここでは、定量部と廃液貯留部との間に、定量部から廃液貯留部への採取液体の移動を抑制する逆流抑制部が設けられている。
ここで、逆流抑制部は、定量部と廃液貯留部との間の位置に設けられた採取液体の流路(流入断面積)が狭くなるように形成された部分であって、例えば、内径1mm程度の円形の断面として形成される。このため、逆流抑制部では、流路を狭めた部分において生じた採取液体の表面張力によって、採取液体の移動が抑制される。
これにより、吸引吐出部の操作によって一旦、定量部に流入した採取液体は、逆流抑制部において生じる表面張力によって、定量部から流出しにくい状態となる。また、定量部から溢れ出して廃液貯留部へ貯留された採取液体は、常に定量部が満たされた状態のまま維持されるため、定量部の方へ移動することを抑制することができる。
この結果、採取液体を吸引して定量部へ所定量の採取液体を貯留した後、液体検量器を斜めにして他の容器等へ採取液体を吐出した場合でも、正確に所定量の採取液体を吐出することができる。よって、液体検量器の使用者の使い勝手を向上させることができる。
第4の発明に係る液体検量器は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、吸引吐出部によって吸引される最大体積をV1、定量部において貯留される最大体積をV2とすると、以下の関係式(1)を満たす。
V1>V2 ・・・・・(1)
ここでは、吸引吐出部の1回の操作によって吸引可能な採取液体の量の方が、定量部に貯留可能な所定量よりも大きくなるように設定されている。
これにより、吸引吐出部による1回の吸引操作によって、定量部から溢れ出させるだけの所定量を超える量の採取液体を吸引することができる。
この結果、使用者は、1回の吸引操作によって定量部を充填させた後、そのまま吐出操作によって所定量の採取液体を吐出することができるため、採取液体を他の容器等へ移動させる際の作業を単純化して、作業効率を向上させることができる。
第5の発明に係る液体検量器は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、吸引吐出部によって吸引される最大体積をV1、定量部において貯留される最大体積をV2、廃液貯留部において貯留される最大体積をV3とすると、以下の関係式(2)を満たす。
V3>V1−V2 ・・・・・(2)
ここでは、吸引吐出部の操作によって吸引される最大体積から定量部において貯留可能な体積を引いた体積よりも、廃液貯留部の体積の方が大きくなるように設定されている。
つまり、定量部から溢れ出した採取液体の量よりも、廃液貯留部の体積が大きくなるように設定されている。
これにより、吸引吐出部を最大限操作することで液体検量器内に吸引された採取液体のうち、定量部から溢れ出した採取液体は全て廃液貯留部において貯留することができる。よって、1回の吸引操作によって液体検量器内に吸引された採取液体について、廃液貯留部から採取液体が溢れてしまうことを防止することができる。
第6の発明に係る液体検量器は、第3の発明に係る液体検量器であって、逆流抑制部は、定量部における採取液体の流入側の端部に設けられている。
ここでは、定量部よりも小さい流入断面積を有する逆流抑制部が、定量部における流入側の端部に設けられている。
これにより、定量部における流入側の端部に設けられた逆流抑制部によって、定量部に充填された採取液体が定量部の外へ流出することを効果的に抑制することができる。
この結果、吸引操作によって定量部に所定量の採取液体が充填された後、定量部に充填された採取液体の量が各種操作中に変動することを抑制して、所定量の採取液体を正確に検量することができる。
第7の発明に係る液体検量器は、第3の発明に係る液体検量器であって、逆流抑制部は、廃液貯留部における採取液体の流入側の端部に設けられている。
ここでは、定量部よりも小さい流入断面積を有する逆流抑制部が、廃液貯留部における流入側の端部に設けられている。
これにより、廃液貯留部における流入側の端部に設けられた逆流抑制部によって、一旦、廃液貯留部内に流入した採取液体が定量部の方へ流出することを効果的に抑制することができる。
この結果、吸引操作によって定量部に所定量の採取液体が充填された後、定量部と廃液貯留部との間における採取液体の移動を抑制して、所定量の採取液体を正確に検量することができる。
第8の発明に係る液体検量器は、第3の発明に係る液体検量器であって、逆流抑制部は、定量部に対する採取液体の流入方向に交差する面に沿った断面積が、定量部よりも小さい。
ここでは、逆流抑制部の流入断面積が定量部における採取液体の流入方向に交差する面に沿った断面積となる向きで、逆流抑制部を設けている。
これにより、逆流抑制部によって、定量部における採取液体の流入方向における採取液体の移動を効果的に抑制することができる。
この結果、吸引操作によって定量部に所定量の採取液体が充填された後、定量部と廃液貯留部との間における採取液体の移動を抑制して、採取液体の正確な検量を実施することができる。
第9の発明に係る液体検量器は、第3の発明に係る液体検量器であって、逆流抑制部は、定量部に対する採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積が、定量部よりも小さい。
ここでは、逆流抑制部の流入断面積が定量部における採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積となる向きで、逆流抑制部を設けている。
これにより、逆流抑制部によって、定量部における採取液体の流入方向に交差する方向における採取液体の移動を効果的に抑制することができる。
この結果、吸引操作によって定量部に所定量の採取液体が充填された後、定量部と廃液貯留部との間における採取液体の移動を抑制して、採取液体の正確な検量を実施することができる。
第10の発明に係る液体検量器は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、廃液貯留部は、定量部から溢れ出た採取液体を貯留する複数の貯留部を有している。
ここでは、廃液貯留部には、定量部から溢れ出した採取液体を貯留するための貯留部が複数設けられている。
ここで、廃液貯留部に含まれる複数の貯留部は、例えば、定量部を挟み込むように配置されていてもよいし、定量から見て同じ側へ設けられていてもよい。
これにより、定量部から溢れ出した採取液体を、複数の貯留部において保持することができる。
第11の発明に係る液体検量器は、第1から第10の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、定量部と廃液貯留部との間に設けられ、定量部から溢れ出た余剰の採取液体を廃液貯留部側へ誘導する傾斜面を有する液体残留防止部を、さらに備えている。
ここでは、定量部と廃液貯留部との間に、余剰の採取液体を廃液貯留部側へ誘導するための傾斜面を含む液体残留防止部を設けている。
これにより、吸引操作によって吸引された採取液体のうち、定量部から溢れ出た余剰の採取液体を、スムーズに廃液貯留部の方へ移動させることができる。よって、例えば、採取液体を検量して他の容器等へ移し変える操作中に、余剰の採取液体が定量部の方へ移動することを抑制することで、正確な検量を実施することができる。
第12の発明に係る液体検量器は、第1から第11の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、吸引吐出部と定量部との間に設けられており、吸引吐出部が操作される際に把持される筒状の把持部を、さらに備えている。
ここでは、吸引吐出部と定量部との間に、使用者等によって把持される筒状の把持部を設けている。
これにより、吸引・吐出操作が行われる際には、使用者等は把持部を持った状態で吸引吐出部を操作するとともに、吸引吐出部の操作によって生じた減圧状態によって、筒状の把持部を介して先端開口部から採取液体を吸引することができる。
第13の発明に係る液体検量器は、第1から第12の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、吸引吐出部は、蛇腹状に形成されている。
ここでは、吸引吐出部として、蛇腹状の部材を用いている。
これにより、吸引・吐出操作の際に操作しやすく、押し込み操作の後の復元力も安定しているため、押し込む量によって吸引量を容易に調整することができる。
第14の発明に係る液体検量器は、第1から第13の発明のいずれか1つに係る液体検量器であって、先端開口部は、定量部への採取液体の流入方向に対して斜めに配置されている。
ここでは、採取液体を吸引・吐出するための開口を有する先端開口部の向きを斜めに配置している。
これにより、例えば、採取液体を吸引する際に、先端開口部の開口が鉛直方向に沿った向きになるように、液体検量器を斜め姿勢にした状態で操作することができる。
第15の発明に係る液体検量器は、第14の発明に係る液体検量器であって、廃液貯留部は、先端開口部の向きに合わせて傾けた状態で、定量部よりも鉛直方向下方に配置される。
ここでは、上述した先端開口部の向きを斜めに配置した構成において、先端開口部の開口が鉛直方向に沿った向きになるように液体検量器を斜め姿勢にした状態で、鉛直方向下方に廃液貯留部を設けている。
これにより、斜めの先端開口部の向きに合わせて液体検量器を斜め姿勢にして採取液体を吸引した場合でも、定量部から溢れ出た余剰の採取液体を斜め姿勢のスポイトの下方に設けられた廃液貯留部へとスムーズに移動させて貯留することができる。
本発明に係る液体検量器によれば、単純な操作によって正確な検量を行うとともに、使用者の使い勝手を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る定量スポイトの使用方法を示す概念図。 (a),(b)は、本発明の一実施形態に係る定量スポイトの構成を示す正面図、側面図。 図2(a)の定量スポイトの要部の構成を示す正面図。 (a)〜(d)は、図2(a)の定量スポイトを用いた分注作業の工程を示す図。 (a)〜(d)は、本発明の一実施例に係る定量スポイトと、比較例に係る従来のスポイトの構成を示す図。 本発明の一実施例に係る定量スポイトの分注量と従来のスポイトの分注量との比較結果を示すグラフ。 本発明の一実施例に係る定量スポイトの分注量のばらつきと従来のスポイトの分注量のばらつきとの比較結果を示すグラフ。 (a)は、図2(a)の定量スポイトの構成を示す正面図。(b)は、本発明の他の実施形態に係る定量スポイトの要部(A部分)の構成を示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの要部の構成を示す正面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの要部の構成を示す正面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの要部の構成を示す正面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの全体構成を示す正面図。 (a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの構成を示す正面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの全体構成を示す正面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る定量スポイトの全体構成を示す正面図。
本発明の一実施形態に係る定量スポイトについて、図1〜図4(d)を用いて説明すれば以下の通りである。
(定量スポイト10)
本実施形態に係る定量スポイト(液体検量器)10は、例えば、図1に示すように、血液等の検体(採取液体)20を採取して、分析装置31に装填されるカートリッジ30へ所定量だけ吐出するために使用される。そして、定量スポイト10は、例えば、PE(Polyethylene)等の熱可塑性樹脂を用いたブロー成形によって成形される。
ここで、分析装置31は、例えば、消耗品であるカートリッジ30に吐出された検体20(図4(a)等参照))中に含まれるウィルス、菌の有無を判定する。
定量スポイト10は、図2(a)および図2(b)に示すように、先端開口部11、吸引吐出部12、定量部13、廃液貯留部14a,14b、逆流抑制部15、および把持部16を備えている。
なお、本実施形態では、定量スポイト10の定量部13の外周面側に、検体20を検量するための視認可能な目盛りを設けていない。
これは、後述する定量部13が所定量の体積(V2)を有しており、定量部13が検体20によって充填された後、吸引吐出部12を操作して検体20を吐出することで、常に所定量(体積V2)の検体20を正確に吐出できる構成を採用しているためである。つまり、本実施形態の定量スポイト10は、体積V2の検体20を常に正確に検量可能な器具である。よって、体積V2とは異なる体積(例えば、体積V4)の検体を検量する場合には、体積V4の定量部13を有する定量スポイトを用意して検量を実施すればよい。
先端開口部11は、定量スポイト10における検体20と接触して、検体20を吸引・吐出する側(第1端側)の先端に設けられている。そして、先端開口部11は、円筒状に形成されており、直接的に連通する定量部13よりも細い内径の開口11aを有している。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、先端開口部11の開口11aが、例えば、肉厚0.7mm、円筒部分の内径1.4mmとなるように成形されている。
吸引吐出部12は、定量スポイト10の長手方向において、先端開口部11とは反対側の端部に設けられている。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、図2(a)等に示すように、開口11aを有する先端開口部11、定量部13、逆流抑制部15、廃液貯留部14a,14b、および把持部16と連通しており、共通の内部空間を形成する。これにより、吸引吐出部12は、使用者の指等による操作によって押圧され元の形状に戻る復元力によって、先端開口部11から検体20を吸引させるための吸引力を発生させる。反対に、吸引吐出部12は、使用者の指等による操作によって押圧されて内部空間の体積が減少することで、先端開口部11から検体20を吐出させるための吐出力を発生させる。
また、吸引吐出部12は、図2(a)および図3等に示すように、蛇腹状の円筒部として形成されている。これにより、薄肉状の円筒部や円盤部を押圧して吸引力を発生させる構成と比較して、操作しやすく安定した吸引力を生じさせることができる。また、押圧量に応じて検体20の吸引量を調整しやすい。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、蛇腹状の吸引吐出部12が、例えば、肉厚0.3mmで成形されている。これにより、蛇腹状の吸引吐出部12が他の部分よりも薄肉化されて成形されているため、使用者の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、図3に示す吸引吐出部12の部分の体積V1が、例えば、6000mm3になるように設定されている。
定量部13は、図2(a)および図3等に示すように、定量スポイト10の長手方向において先端開口部11と吸引吐出部12との間に設けられた筒状の部分であって、先端開口部11に接続されている。そして、吸引吐出部12が操作されて定量スポイト10の内部空間内に吸引された検体20は、まず、先端開口部11から流入し、先端開口部11に接続された定量部13内に充填される。
また、定量部13は、図3に示すように、先端開口部11の円筒部分と後述する逆流抑制部15の円筒部分とを含めた体積が所定量として規定された体積V2となるように設定されている。これにより、定量部13から溢れ出すまで吸引された検体20を、所定量の体積V2だけ貯留することができる。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、定量部13内に貯留される検体20の体積V2が、例えば、1.9mlになるように設定されている。また、定量部13は、例えば、肉厚0.7mm、内径3.3mmになるように成形されている。
さらに、本実施形態では、定量部13の部分の体積V2が、例えば、2000mm3になるように設定されている。
これにより、吸引吐出部12の1回の操作によって吸引可能な検体20の体積V1(6000mm3)の方が、定量部13に貯留可能な所定量の体積V2(2000mm3)よりも大きいため、吸引吐出部12を1度操作するだけで、定量部13を充填させることができる。よって、使用者等は、1回の吸引操作だけで定量部13を充填させた状態にすることができるため、すぐに次のステップ(吐出操作等)へ進むことができ、検量作業の作業効率を向上させることができる。
なお、吸引吐出部12の体積V1と定量部13の体積V2との関係は、本実施形態のように、以下の関係式(1)を満たすように設定されていることが好ましい。
V1>V2 ・・・・・(1)
これにより、吸引吐出部12の1回の操作によって、確実に定量部13を充填させることができる。
廃液貯留部14a,14bは、図2(a)および図3等に示すように、定量部13の上部と、逆流抑制部15を介して連通した状態で定量部13の左右の側方にそれぞれ設けられた腕状の部分であって、定量部13から溢れ出た検体20、つまり所定量(体積V2)を超えた余剰の検体20を貯留する。
すなわち、廃液貯留部14a,14bは、吸引吐出部12の操作によって吸引された検体20のうち、定量部13から溢れ出した余剰分(V1-V2)の検体20が流入するように、定量部13の上部と連通する位置に設けられている。そして、廃液貯留部14a,14bは、その長手方向が定量部13に対して略平行な方向に沿って、それぞれ設けられている。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、廃液貯留部14a,14bが、例えば、肉厚0.7mmになるように成形されている。さらに、本実施形態では、図3に示す廃液貯留部14a,14bが、それぞれ1500mm3(V3/2の体積(体積V3の半分))となるように設定されている。そして、廃液貯留部14a,14bの合計体積V3が、例えば、3000mm3(=1500mm3×2)になるように設定されている。
なお、吸引吐出部12の体積V1と定量部13の体積V2と廃液貯留部14a,14bの体積V3との関係は、本実施形態のように、以下の関係式(2)を満たすように設定されていることが好ましい。
V3>V1−V2 ・・・・・(2)
これにより、吸引吐出部12の1回の操作によって定量部13から溢れ出た検体20の最大体積(V1−V2)よりも、廃液貯留部14a,14bに貯留可能な最大体積V3の方が大きくなる。よって、吸引吐出部12の1回の操作によって定量部13から溢れ出た検体20の全てを、廃液貯留部14a,14bにおいて貯留することができる。
また、本実施形態の定量スポイト10では、図2(a)および図2(b)に示すように、廃液貯留部14a,14bが、定量部13を胴体部分とすると、その定量部13の左右の側方に配置された腕状の形状を有するように設けられている。
廃液貯留部14a,14bの腕状の部分は、定量部13の流出口(図2(a)に示す逆流抑制部15の位置参照)から左右に突出した肩状の部分を形成し、下方に屈曲されて下向きに伸長するように形成されている。このため、廃液貯留部14a,14bの検体20の流入口は、定量部13の流出口よりも下方に配置されている。
逆流抑制部15は、図2(a)および図3等に示すように、定量部13と廃液貯留部14a,14bとの間であって、定量部13における検体20の流入側の端部に設けられている。そして、逆流抑制部15は、定量部13よりも検体20の流入断面積が小さくなるように形成されている。これにより、定量部13から廃液貯留部14a,14bへの検体20の移動が、逆流抑制部15において抑制される。
具体的には、逆流抑制部15は、定量スポイト10の長手方向に略垂直に交差する平面に沿った断面(流入断面)が、内径1.0〜2.0mm程度の円形になるように形成されている。これにより、吸引操作によって定量部13に充填された検体20は、定量部13の上部に設けられた逆流抑制部15を介して溢れ出し、定量部13の左右両側に設けられた廃液貯留部14a,14bへ流入していく。
このとき、一旦、定量部13に充填された検体20は、定量部13よりも小さい隙間として形成された逆流抑制部15の部分において表面張力を生じさせ、定量部13内に保持される。
これにより、定量部13に検体20が充填された状態で、定量スポイト10を傾けて作業を行った場合でも、定量部13の上端に設けられた逆流抑制部15において生じる表面張力によって、検体20が定量部13内から流出しないように保持することができる。
把持部16は、図2(a)および図3等に示すように、吸引吐出部12と定量部13および廃液貯留部14a,14bとの間に設けられた筒状の部分であって、吸引・吐出操作が行われる際に使用者等によって把持される。
そして、把持部16は、吸引吐出部12、定量部13等と連通しており、吸引吐出部12が操作されて定量スポイト10内の圧力が変化して生じた吸引力または吐出力を、先端開口部11側へ伝達する。
ここで、本実施形態の定量スポイト10では、把持部16が、先端開口部11、定量部13、および廃液貯留部14a,14bと同様に、肉厚0.7mmになるように成形されている。
<定量スポイト10を用いた検量工程>
ここでは、上述した定量スポイト10を用いて実施される検量工程の流れについて、図4(a)〜図4(d)を用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、定量スポイト10を先端開口部11が下向きになる姿勢で吸引操作すると、吸引吐出部12の操作によって発生した吸引力によって、図4(a)に示すように、検体20が、先端開口部11から定量部13内へと流入する。
このとき、検体20は、先端開口部11が位置する下方から徐々に定量部13内に充填されていく。
ここで、上述したように、吸引吐出部12の体積V1は、定量部13の体積V2よりも大きくなるように設定されている。このため、1回の吸引操作によって吸引された検体20は、図4(b)に示す定量部13を充填した状態を超えて、図4(c)に示すように、逆流抑制部15を介して定量部13から溢れ出し、廃液貯留部14a,14b内へと流入する。
次に、押圧された吸引吐出部12が初期形状に戻って吸引力が消滅すると、図4(d)に示すように、定量部13が上端の逆流抑制部15の部分まで充填され、廃液貯留部14a,14bに余剰の検体20が貯留された状態で安定する。
このとき、定量部13内に貯留された検体20には、逆流抑制部15の部分において内径が狭くなっているため、表面張力が生じる。
これにより、図4(d)に示す姿勢から、定量スポイト10を傾けた場合でも、定量部13から検体20が流出してしまうことを抑制することができる。
よって、次の工程として、吸引吐出部12を押圧する吐出操作によって、分析装置31のカートリッジ30等へ、所定量(本実施形態では、1.9ml)の検体20を正確に吐出することができる。
この結果、簡単な操作によって、所定量の検体20を正確に検量して吐出することが可能な定量スポイト10を提供することができる。
<主な特徴>
本実施形態の定量スポイト10は、図2(a)および図2(b)に示すように、先端開口部11、吸引吐出部12、定量部13、廃液貯留部14a,14b、逆流抑制部15を備えている。吸引吐出部12は、使用者の操作によって先端開口部11から検体20を吸引させるための吸引力を発生させる。定量部13は、先端開口部11と吸引吐出部12との間に設けられており、吸引吐出部12が操作されて先端開口部11から吸引された検体20のうち、所定量の検体20を貯留する。廃液貯留部14a,14bは、定量部13と連通した状態で定量部13の側方に設けられ、定量部13から溢れ出た所定量を超える余剰の検体20を貯留する。逆流抑制部15は、定量部13と廃液貯留部14a,14bとの間に設けられ、定量部13よりも検体20の流入断面積が小さくなるように形成され、定量部13から廃液貯留部14a,14bへの検体20の移動を抑制する。
これにより、吸引吐出部12の操作によって一旦、定量部13に流入した検体20は、逆流抑制部15において生じる表面張力によって、定量部13から流出しにくい状態となる。また、定量部13から溢れ出して廃液貯留部14a,14bへ貯留された検体20は、常に定量部13が満たされた状態のまま維持されるため、定量部13の方へ移動することを抑制することができる。
この結果、検体20を吸引して定量部13へ所定量の検体20を貯留した後、定量スポイト10を斜めにしてカートリッジ30へ検体20を吐出した場合でも、正確に所定量の検体20を吐出することができる。よって、使用者の使い勝手を向上させることができる。
そして、本実施形態では、図2(a)および図2(b)に示すように、廃液貯留部14a,14bが、定量部13を胴体部分とすると、その左右の側方に配置された腕状の形状を有するように設けられている。
これにより、廃液貯留部14a,14bと定量部13とがともに外部から視認可能な状態で配置されるため、使用者は、定量部13を採取液体によって充填させ、定量部13から溢れ出した採取液体が廃液貯留部14a,14bへと流入している状態を、視認することができる。
この結果、単純な操作によって正確な検量を行うとともに、使用者の使い勝手を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、廃液貯留部14a,14bの腕状の部分は、定量部13の流出口(図2(a)に示す逆流抑制部15の位置参照)から左右に突出した肩状の部分を形成し、下方に屈曲されて下向きに伸長する腕の部分を形成する。このため、廃液貯留部14a,14bの検体20の流入口は、定量部13の流出口よりも下方に配置されている。
これにより、検体20を吸引して定量部13において所定量の検体20を貯留させた後、定量スポイト10を斜めにしてカートリッジ30へ検体20を吐出する場合でも、廃液貯留部14a,14bから定量部13の流出口を介して定量部13に検体20が逆流することを抑制することができる。よって、正確に所定量の検体20を吐出することができるため、使用者の使い勝手を向上させることができる。
また、廃液貯留部14a,14bは、定量部13を胴体部分とすると、その側方に腕状の形状を有するように配置されている。そして、定量部13と廃液貯留部14a,14bとは、腕状の付け根部分に配置された位置の近傍において互いに連通している。一方、定量部13と廃液貯留部14a,14bとは、その連通部分以外の部分では連通していない。
特に、定量部13の側面および下方の先端部分である先端開口部11では、廃液貯留部14a,14bとは分離した内部空間が形成されている。
これにより、定量部13および先端開口部11の太さは、定量部13の大きさのみに依存する。よって、定量スポイト10を任意の大きさで形成することができるため、検体20の採取時および吐出時において、視認性、操作性が高い所望の大きさで構成することができる。
なお、本実施形態では、定量スポイト10の形状を人間の形として見て、廃液貯留部14a,14bの部分の形状を、定量部13を胴体部分とする腕状の形状と表現した。
廃液貯留部14a,14bの形状を示す他の表現としては、定量スポイト10の形状を刀剣の形とすると、廃液貯留部14a,14bの部分の形状を、鉤(かぎ)状の鍔(つば)と表現することもできる。このとき、剣にあたる部分は、定量部13となる。
この場合は、鉤の部分は、剣先方向、つまり、鉛直下方に向けて曲がった形状となっている。
さらに、本実施形態の定量スポイト10では、図2(a)等に示すように、鉛直下方より、開口11aを有する先端開口部11、定量部13、逆流抑制部15、廃液貯留部14a,14b、および把持部16と連通しており、共通の内部空間を形成する。そして、定量部13、逆流抑制部15、廃液貯留部14a,14b、および把持部16は、外装面が一体となって構成されている。
これにより、製造時には、1つの金型で一体成型することができる。すなわち、本体外装を一体成型可能となるため、製造が容易であり、部品点数も少なくすることができる。
(実施例1)
本発明の一実施例について、図5(a)〜図7を用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、上述した定量スポイト10を用いて分注作業を実施した際の、従来のスポイトとの比較結果について以下で説明する。
図5(d)に示す本実施例の定量スポイト10に対する比較例としては、図5(a)に示す円筒型の吸引吐出部を有するポリスポイト(比較例1)、図5(b)に示す円盤型の吸引吐出部を有するデスペット(比較例2)、図5(c)に示す蛇腹型の吸引吐出部を有するケミカルスポイト(比較例3)を用いた。
なお、各比較例1〜3のスポイトは、上述した定量部13を有していないため、使用者が保持部に設けられた目盛りを見ながら検量を行う構成であって、本実施例の定量スポイト10とは異なっている。
まず、各スポイトの分注量(2.0ml前後)について試験を行った結果、図6に示すように、各スポイトに設定された所定の分注量に対して、いずれのスポイトも多少のばらつきが見られた。
特に、比較例1,3に係るポリスポイトおよびケミカルスポイトは、本実施例の定量スポイト10と比較して、分注量のばらつきが大きかった。
より詳細には、図6に示すように、各スポイトによる分注量のばらつきは、比較例1に係るポリスポイトでは約1.0%、比較例2に係るデスペットでは約0.6%、比較例3に係るケミカルスポイトでは約2.5%であった。
これに対して、本実施例の定量スポイト10では、分注量のばらつきは約0.6%であった。
ここで、比較例3に係るケミカルスポイトの分注量のばらつきが大きかった理由としては、蛇腹状の吸引吐出部の操作性が高い分、必要以上の検体を吸引してしまうため、目盛りを見ながらの検量の難易度が高くなったことが考えられる。
一方、比較例1,2に係るポリスポイトおよびデスペットの場合には、分注量のばらつきは比較的小さいものの、薄肉状の円筒部、あるいは円盤部を押圧して吸引操作を行うため、どの程度押圧すればどの程度の検体が吸引されるか判断が難しいという課題がある。
本実施例の定量スポイト10では、操作性の高い蛇腹状の吸引吐出部12を採用し、かつ分注量のばらつきも抑制することができた。
これは、上述したように、定量スポイト10を用いた検量作業が、使用者が目盛りを見ながら行われるものではなく、定量部13の体積によって予め規定されたものであることが考えられる。
これにより、吸引・吐出操作の操作性が高い蛇腹状の吸引吐出部12を採用した構成であっても、分注量のばらつきを最小限に抑制することが可能となる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、図8(a)に示すように、逆流抑制部15が、定量部13の上端(流入側の端部)に設けられた構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図8(b)に示すように、定量部13側だけでなく、廃液貯留部14a,14bの上端(流入側の端部)に逆流抑制部115a,115bを設けた定量スポイト(液体検量器)110であってもよい。
この場合には、吸引された採取液体が、一旦、定量部13と廃液貯留部14a,14bへ流入すると、逆流抑制部115a,115bによって、採取液体が定量部13、廃液貯留部14a,14b内から流出することを抑制することができる。
この結果、定量部13において検量された採取液体の量が変動することを抑制して、高精度な検量を実施することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、検体20の流入方向に交差する面に沿った断面積を狭めた逆流抑制部15が、定量部13の上端(流入側の端部)に設けられた構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図9(a)に示すように、採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積を狭めた逆流抑制部215aa,215abが、廃液貯留部14a,14bの上端(流入側の端部)に設けられた定量スポイト(液体検量器)210aであってもよい。
また、図9(b)に示すように、採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積を狭めた逆流抑制部215ba,215bbが、廃液貯留部14a,14bの上部付近(流入側の部分)に設けられた定量スポイト(液体検量器)210bであってもよい。
さらに、図9(c)に示すように、採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積を狭めた逆流抑制部215ca,215cbが、廃液貯留部14a,14bの中央付近(流入側の部分)に設けられた定量スポイト(液体検量器)210cであってもよい。
この場合でも、定量部13へ一旦流入した採取液体が流出することを抑制するとともに、廃液貯留部14a,14bへ一旦流入した採取液体が流出することを抑制することができる。
この結果、定量部13と廃液貯留部14a,14bとの間における採取液体の移動を抑制して、高精度な採取液体の検量を実施することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態では、廃液貯留部14a,14bが、定量部13の両側2箇所に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図10に示すように、定量部13の両側に2つずつ、計4つの貯留部314a,314b,314c,314dを含む廃液貯留部314が設けられた定量スポイト(液体検量器)310であってもよい。
この場合でも、定量部13から溢れ出した余剰の採取液体を、複数の貯留部314a,314b,314c,314dへと流入させて保持することができる。
(D)
上記実施形態では、廃液貯留部14a,14bが、定量部13の両側2箇所に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、定量部13の片方の側面に沿って単一の廃液貯留部414が設けられた定量スポイト(液体検量器)410であってもよい。
図11に示す定量スポイト410では、円筒状の把持部16の軸方向に対して斜め方向に沿って形成された先端開口部411を含む構成であることが好ましい。
この場合には、先端開口部411が略垂直に採取液体の液面に対して挿入されるように定量スポイト410の姿勢を維持すると、単一の廃液貯留部414が鉛直方向における下方に配置される。
これにより、吸引操作によって吸引された採取液体のうち、定量部13から溢れ出した余剰分の採取液体を、吸引操作時の姿勢において下方に配置される廃液貯留部414へと流入させることができる。
(E)
上記実施形態では、定量部13から溢れ出した検体20は、吸引操作時に略水平方向に沿って配置される平面を介して、廃液貯留部14a,14bへと流入する構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、定量部13から溢れ出した採取液体を廃液貯留部14a,14bへと誘導するための傾斜面517a,517bを含む液体残留防止部517を備えた定量スポイト(液体検量器)510であってもよい。
この場合には、吸引された採取液体のうち、定量部13から溢れ出した余剰分の採取液体は、傾斜面517a,517b上に位置すると重力によって廃液貯留部14a,14bへと流入する。
なお、図12に示す構成では、この傾斜面517a,517bは、人間の腕状の廃液貯留部14a,14bに対して、人間の脇の部分に相当する位置に設けられている。
これにより、定量部13から溢れ出した余剰分の採取液体が、定量部13の流入口付近に残留し定量部13に流入することを防止して、定量部13における検量精度を低下させることを防止することができる。
(F)
上記実施形態では、吸引吐出部12として、蛇腹状の部材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図13(a)および図13(b)に示すように、薄肉状の円筒部を有する吸引吐出部612a、円盤部を有する吸引吐出部612bを押圧して変形させ、その復元力を利用して採取液体を吸引する定量スポイト(液体検量器)610a,610bであってもよい。
(G)
上記実施形態では、本定量スポイト10を使用者の指による手動操作によって吸引吐出部12が操作され、血液等の検体を検量して吐出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
吸引吐出部の操作は手動操作に限定されるものではなく、例えば、自動化された検量ラインにおいて、電力等を用いて自動操作によって吸引吐出部12が操作され、採取液体を検量して吐出する構成であってもよい。
(H)
上記実施形態では、本発明の定量スポイト10によって検量される採取液体として、分析装置31によってウィルス等の有無の分析が行われる血液等の検体を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明における採取液体としては、血液等の検体以外に、検量が必要な各種液体を用いてもよい。
(I)
上記実施形態では、廃液貯留部14a,14bが定量部13の左右両側へそれぞれ配置された定量スポイト10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、廃液貯留部714が定量部13の側方に1つだけ設けられた定量スポイト(液体検量器)710であってもよい。
(J)
上記実施形態では、廃液貯留部14a,14bが、定量部13に対して、腕の付け根にあたる定量部13の流入口近傍で連通しており、それ以外の部分では連通はしていない構成を採用した定量スポイト10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図15に示すように、廃液貯留部814a,814bの側面が、定量部13の側面と連結されるように構成された定量スポイト(液体検量器)810であってもよい。
この場合には、定量部13の側面と連結された廃液貯留部814a,814bの腕状の部分の剛性を高めることができる。
具体的には、図15に示すように、廃液貯留部814a,814bの腕状の部分の側面と、定量部13の胴体状の脇の部分に相当する側面とを連結している。この部分の連結は、薄い樹脂によって成形時に連結させているが、廃液貯留部814a,814bと定量部13の内部空間同士は連通していない。
これにより、廃液貯留部814a,814bの腕状の部分が定量部13に対して固定されるので、定量スポイト810の全体の剛性を向上させることができる。
(K)
上記実施形態では、PE等の樹脂を用いてブロー成形された定量スポイト10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、吸引吐出部に相当するゴム製の部品と、その他の部分(先端開口部、定量部、廃液貯留部)に相当するガラス製の部品と、を組み合わせて構成されるピペット等の液体検量器として、本発明を実現してもよい。
本発明の定量スポイトは、単純な操作によって正確な検量を行うとともに、使用者の使い勝手を向上させることができるという効果を奏することから、各種検量器具に対して広く適用可能である。
10 定量スポイト(液体検量器)
11 先端開口部
11a 開口
12 吸引吐出部
13 定量部
14a,14b 廃液貯留部
15 逆流抑制部
16 把持部
20 検体(採取液体)
30 カートリッジ
31 分析装置
110 定量スポイト(液体検量器)
115a,115b 逆流抑制部
210a,210b,210c 定量スポイト(液体検量器)
215aa,215ab 逆流抑制部
215ba,215bb 逆流抑制部
215ca,215cb 逆流抑制部
310 定量スポイト(液体検量器)
314 廃液貯留部
314a,314b,314c,314d 貯留部
410 定量スポイト(液体検量器)
411 先端開口部
414 廃液貯留部
510 定量スポイト(液体検量器)
517 液体残留防止部
517a,517b 傾斜面
610a,610b 定量スポイト(液体検量器)
612a,612b 吸引吐出部
710 定量スポイト(液体検量器)
714 廃液貯留部
810 定量スポイト(液体検量器)
814a,814b 廃液貯留部
V1,V2,V3 体積

Claims (15)

  1. 採取液体を吸引して、所定量の前記採取液体を吐出する液体検量器であって、
    第1端側に設けられており、前記採取液体を吸引・吐出するための開口を有する先端開口部と、
    前記第1端から離間した位置に設けられており、使用者の操作によって前記先端開口部から前記採取液体を吸引させるための吸引力、吸引した前記採取液体を吐出するための吐出力を発生させる吸引吐出部と、
    前記先端開口部と前記吸引吐出部との間に設けられており、前記吸引吐出部が操作されて前記先端開口部から吸引された前記採取液体のうち、前記所定量の前記採取液体を貯留する定量部と、
    前記定量部と連通した状態で前記定量部の側方に前記定量部を胴体部分とする腕状の形状を有するように設けられており、前記定量部から溢れ出た前記所定量を超える余剰の前記採取液体を貯留する廃液貯留部と、
    を備えている液体検量器。
  2. 前記吸引吐出部を鉛直上向きとする姿勢において、
    前記定量部から前記廃液貯留部に向かって前記採取液体が流出する流出口は、前記廃液貯留部の前記採取液体の流入口よりも、鉛直方向下方に配置されている、
    請求項1に記載の液体検量器。
  3. 前記定量部と前記廃液貯留部との間に設けられ、前記定量部よりも前記採取液体の流入断面積が小さくなるように形成されており、前記定量部から前記廃液貯留部への前記採取液体の移動を抑制する逆流抑制部を、さらに備えている、
    請求項1または2に記載の液体検量器。
  4. 前記吸引吐出部によって吸引される最大体積をV1、前記定量部において貯留される最大体積をV2とすると、以下の関係式(1)を満たす、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の液体検量器。
    V1>V2 ・・・・・(1)
  5. 前記吸引吐出部によって吸引される最大体積をV1、前記定量部において貯留される最大体積をV2、前記廃液貯留部において貯留される最大体積をV3とすると、以下の関係式(2)を満たす、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の液体検量器。
    V3>V1−V2 ・・・・・(2)
  6. 前記逆流抑制部は、前記定量部における前記採取液体の流入側の端部に設けられている、
    請求項3に記載の液体検量器。
  7. 前記逆流抑制部は、前記廃液貯留部における前記採取液体の流入側の端部に設けられている、
    請求項3に記載の液体検量器。
  8. 前記逆流抑制部は、前記定量部に対する前記採取液体の流入方向に交差する面に沿った断面積が、前記定量部よりも小さい、
    請求項3に記載の液体検量器。
  9. 前記逆流抑制部は、前記定量部に対する前記採取液体の流入方向に略平行な面に沿った断面積が、前記定量部よりも小さい、
    請求項3に記載の液体検量器。
  10. 前記廃液貯留部は、前記定量部から溢れ出た前記採取液体を貯留する複数の貯留部を有している、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の液体検量器。
  11. 前記定量部と前記廃液貯留部との間に設けられ、前記定量部から溢れ出た余剰の前記採取液体を前記廃液貯留部側へ誘導する傾斜面を有する液体残留防止部を、さらに備えている、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の液体検量器。
  12. 前記吸引吐出部と前記定量部との間に設けられており、前記吸引吐出部が操作される際に把持される筒状の把持部を、さらに備えている、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の液体検量器。
  13. 前記吸引吐出部は、蛇腹状に形成されている、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の液体検量器。
  14. 前記先端開口部は、前記定量部への前記採取液体の流入方向に対して斜めに配置されている、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の液体検量器。
  15. 前記廃液貯留部は、前記先端開口部の向きに合わせて傾けた状態で、前記定量部よりも鉛直方向下方に配置される、
    請求項14に記載の液体検量器。
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