JP2018020011A - 血糖値測定装置および血糖値測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小出力の光源装置からの比較的弱い光の照射によって効率よく血糖値の測定を行うことができる装置および方法を提供する。【解決手段】血糖値測定装置10は、光源装置12と、プリズム13と、光検出装置14と、算出装置14Aとを備える。プリズム13は、光源装置12からの照射光91が入射される入射面13Bと、入射面13Bから入射された照射光91を中指の腹90A(生体部位)に向けて照射する照射面13Cと、中指の腹90Aにて反射された反射光92が光検出装置14に向けて出射される出射面13Fと、を別個に有する。プリズム13は、入射面13Bから入射された照射光91を照射面13Cから中指の腹90Aに対して垂直に照射し、照射光91と光軸が一致するように正反射された反射光92を入射面13Bとは異なる出射面13Fから出射するように、照射光91または反射光92を偏向させる。【選択図】図3
Description
本発明は、生体の血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定装置および血糖値測定方法に関する。
糖尿病は、血液中におけるグルコース(ぶどう糖)の濃度(本発明ではこれを「血糖値」とする。)が病的なレベルにまで高くなることを特徴として、種々の臓器に重大な障害をもたらす疾患である。糖尿病の治療においては患者における血糖値のコントロールが行われるため、血糖値を継続的に繰り返し測定できるように、血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定装置についてのニーズがあった。なお、血糖値の測定に関する技術分野において、「侵襲」とは生体から血液を採取することをいい、「血糖値を非侵襲で測定する」とは生体から得られる特定種類の情報に基づいて生体から血液を採取することなくその血糖値を割り出すことを言う。
血糖値を非侵襲で測定することが可能な血糖値測定装置については、例えば下記の特許文献1および特許文献2に記載された技術が知られている。特許文献1には、生体の毛細血管に可視光または近赤外光を照射した際の反射光を分析することで血糖値を割り出す技術が開示されている。特許文献2には、生体の指に近赤外光を照射した際の反射光を測定することで血糖値の測定を行う技術が開示されている。
一般に、反射光には、指向性があって比較的強い正反射された反射光と、指向性がなく比較的弱い拡散反射された反射光とがある。ここで、上述した特許文献1および特許文献2に記載された各技術では、比較的弱い拡散反射された反射光から血糖値の測定を行っている。したがって、大出力の光源装置を用いて比較的強い光を生体に照射する必要があった。これには、大型で大出力の高価な光源装置が必要となるとともに、この光源装置の設置スペースを広くとる必要があり、ひいては血糖値測定装置が大型化してしまうという課題がある。
そこで、本発明は上記課題を解消するものであって、小出力の光源装置からの比較的弱い光の照射によって効率よく血糖値の測定を行うことができる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明における1つの特徴によると、生体部位に照射光を照射した際に生体部位にて反射される反射光に基づいて、血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定装置が提供される。この血糖値測定装置は、照射光を発する光源装置と、光を透過可能なプリズムと、生体部位にて反射された反射光を検出する光検出装置と、この光検出装置における反射光の検出結果に基づいて血糖値を算出する算出装置とを備えている。プリズムは、光源装置からの照射光が入射される入射面と、この入射面から入射された照射光を生体部位に向けて照射する照射面と、生体部位にて反射された反射光が光検出装置に向けて出射される出射面と、を別個に有する。そのうえで、プリズムは、入射面から入射された照射光を照射面から生体部位に対して垂直に照射し、この照射光と光軸が一致するように正反射された反射光を入射面とは異なる出射面から出射するように、照射光または反射光を偏向させる。
上記血糖値測定装置における好ましい実施形態の1つにおいては、プリズムは、2つの透明多面体の間にビームスプリッター層を介在させてなるアッセンブリであり、照射光または反射光が、ビームスプリッター層によって偏向される。
この実施形態においては、プリズムの表面のうち、照射光が偏向される場合はこの照射光がビームスプリッター層を透過して到達する面、反射光が偏向される場合は照射光がビームスプリッター層で反射して到達する面に、光を吸収する光吸収層が設けられていることが好ましい。
また、光源装置からの照射光を生体部位に照射した際に生体部位にて反射される反射光に基づいて、血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定方法の発明も提供される。この血糖値測定方法においては、光が透過可能とされて、光源装置からの照射光が入射される入射面、この入射面から入射された照射光を生体部位に向けて照射する照射面、および、生体部位にて反射された反射光が出射される出射面を別個に有するプリズムを使用する。また、上記血糖値測定方法においては、生体部位にて反射された反射光を検出する光検出装置を使用する。また、上記血糖値測定方法においては、プリズムにおいて、入射面から入射された照射光を照射面から生体部位に対して垂直に照射し、この照射光と光軸が一致されるように正反射された反射光を入射面とは異なる出射面から出射するように、光を偏向させる。また、上記血糖値測定方法においては、出射面から出射される光を光検出装置が検出した検出結果に基づいて血糖値を算出する。
上記血糖値測定方法における好ましい実施形態の1つにおいては、プリズムとして、2つの透明多面体の間にビームスプリッター層を介在させてなるアッセンブリを使用し、照射光または反射光を、ビームスプリッター層によって偏向させる。
また、上記実施形態においては、プリズムとして、このプリズムが照射光を偏向する場合はこの照射光がビームスプリッター層を透過して到達する面、プリズムが反射光を偏向する場合は照射光がビームスプリッター層で反射して到達する面に、光を吸収する光吸収層が設けられてなるアッセンブリを使用することが好ましい。
本発明の血糖値測定装置および血糖値測定方法は、血液が流れる生体部位に光源装置からの照射光を垂直に照射することができる。ここで、垂直に照射される光に対して正反射される反射光の光軸は、照射される光の光軸に一致する。そのうえで、血糖値測定装置および血糖値測定方法では、正反射される反射光を入射面とは異なる出射面から出射し、この出射面から出射された反射光から血糖値を算出する。このように、正反射された比較的強い反射光から血糖値を算出することで、比較的弱い光の照射でも血糖値の測定を効率よく行うことが可能となる。これにより、光源装置を安価な小出力の光源装置としてその設置スペースを狭くし、ひいては血糖値測定装置を小型化してコストの削減を図ることができる。
ところで、入射面に入射される光をこの入射面とは別の照射面から照射し、この照射面に入射される反射光を、照射面および入射面とは別の出射面に到達させる装置としては、一般には偏光無依存型光アイソレーターが使用される。この偏光無依存型光アイソレーターは、入射される光の経路をその偏光の状態に応じて異なる経路に変える光学素子と、光を透過させる際にその偏光の状態を変化させる偏光素子とを組み合わせてなるアッセンブリである。なお、偏光無依存型光アイソレーターは、その各素子に比較的高価な材料(例えば天然の雲母、方解石、水晶またはガーネット)を用いる、比較的高価なアッセンブリである。
これに対し、上述した好ましい実施形態によれば、2つの透明多面体の間にビームスプリッター層を介在させてなるプリズムによって、入射面から入射された照射光の一部を照射面から照射し、この照射面から入射された反射光の一部を照射面および入射面とは別の出射面から出射させることができる。これにより、比較的高価なアッセンブリである偏光無依存型光アイソレーターを使用することなく、血糖値を非侵襲で測定することが可能となる。
ただし、上記好ましい実施形態においては、入射面から入射された照射光の一部が、照射面から照射されることがない迷光(stray light)となる。この迷光は、プリズムから外部に出射されるとこのプリズムの周囲の物品にて反射されて、その一部がプリズムの出射面を通って光検出装置に到達し、この光検出装置の検出結果にノイズを生じさせる。そこで、入射面から入射された照射光のうち、照射面から照射されることがない迷光を光吸収層に吸収させる構成とすれば、この迷光がプリズムの外部に出射されることをさけることができる。したがって、迷光がプリズムの周囲の物品にて反射されて光検出装置に到達することで、この光検出装置の検出結果にノイズを生じさせることをさけることができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。本発明の血糖値測定装置は、ヒトの血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定装置である。
一実施形態にかかる血糖値測定装置10は、図1に示すように、上方に盛り上がった形状に形成された盛り上がり部11Aと、この盛り上がり部11Aにおける下部から側方に張り出された張り出し部11Cとを有する筐体11を備えている。ここで、張り出し部11Cは、その上面が平坦となるように形成されて、この上面に外部に向けて表示を行うディスプレイ11Dが設けられた構成となっている。
また、盛り上がり部11Aには、その上面において一方側(以下、「前側」と記載する。)に偏った部分に、血糖値の測定に際してヒトの生体部位(図2では中指の腹90A)が押し当てられる測定部11Bが設けられている。また、盛り上がり部11Aは、パーソナルコンピュータ用のマウスのような形状に形成されて、ヒトがその手90(図2参照)を上記前側とは反対側となる後ろ側から伸ばして、この後ろ側から容易につかむことができるようになっている。また、盛り上がり部11Aの内部には、この盛り上がり部11Aをヒトがつかんだ状態にあるときにこの状態を検出するタッチスイッチ装置10Bが組み付けられている。なお、盛り上がり部11Aにおいて、測定部11Bは、ヒトの手90が上記後ろ側から盛り上がり部11Aをつかんだ際にこの手90における中指の腹90Aが自然に位置される場所に、この中指の腹90Aで覆うことが可能な大きさに設けられている。
また、盛り上がり部11Aに設けられた測定部11Bは、図3に概念的に示すように、光(図3では照射光91、反射光92、迷光91A、および、迷光92A)を透過可能なプリズム13が一体に組み付けられたものである。このプリズム13には、照射光91を発する光源装置12と、光(図3では反射光92)を検出する光検出装置14とが、それぞれ一体に組み付けられている。
また、血糖値測定装置10は、図示はしないが、種々の計算処理を行うことが可能なCPUボードを、筐体11内に収納された状態に備えている。また、血糖値測定装置10は、図示はしないが、上記CPUボードと、ディスプレイ11Dと、光源装置12と、光検出装置14と、タッチスイッチ装置10Bとを結線し、この結線の構造によって上記各構成を血糖値の測定手段として機能させるコントロールボードを、筐体11内に収納された状態に備えている。ここで、上記コントロールボードは、制御プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録して、この制御プログラムによって上記各構成を協働させることによって、血糖値測定装置10に血糖値を測定する機能を実現させるものであってもよい。また、血糖値測定装置10は、図示はしないが、給電ケーブル10A(図1参照)から供給される電気を上記CPUボードと、ディスプレイ11Dと、光源装置12と、タッチスイッチ装置10Bと、上記コントロールボードとに分配する配電盤を、筐体11内に収納された状態に備えている。ここで、給電ケーブル10Aは、血糖値測定装置10を動作させるための電気エネルギーを供給するものである。
そして、血糖値測定装置10は、図2に示すように、ヒトがその手90で盛り上がり部11Aをつかみ、その中指の腹90Aが測定部11Bに押し当てられた状態(以下においては、「つかみ状態」とも称する。)において、ヒトの血糖値を測定するようになっている。この測定結果は、血糖値測定装置10のディスプレイ11Dに表示される。なお、血糖値測定装置10は、この血糖値測定装置10が上記つかみ状態にあるか否かをタッチスイッチ装置10B(図1参照)によって検出し、血糖値測定装置10が上記つかみ状態にあるときにのみ血糖値の測定を行う。
ところで、血糖値測定装置10は、光源装置12からの照射光91を中指の腹90Aに照射した際にこの中指の腹90Aにて反射される反射光92(図3参照)に基づいて、血糖値を非侵襲で測定するようになっている。以下、血糖値測定装置10を使用して血糖値を測定する血糖値測定方法の構成および原理について、主に図3を用いて説明する。
血糖値測定装置10において、光源装置12は、コヒーレントな光を発するレーザーダイオード12Aと、このレーザーダイオード12Aからの光をコリメート光(伝播の際に拡散も収束もしない光)にするコリメートレンズ12Bとを組み合わせてなるアッセンブリである。これにより、光源装置12は、照射光91としてコヒーレントなコリメート光を発する。なお、光源装置12のレーザーダイオード12Aは、例えば波長が650[nm]の光(ヒトの目には赤っぽく見える)を発するレーザーダイオードとすることができる。
また、血糖値測定装置10において、プリズム13は、互いに合同な形状を呈する2つの直角プリズム13A、13Eにおける斜面の間に金属製のビームスプリッター層13Dを介在させてなるアッセンブリである。ここで、「直角プリズム」とは、2枚の底面が直角二等辺三角形となる直角柱形状に形成された中実の透明多面体のことをいう。また、直角プリズムにおいて、「斜面」とは、その各底面の直角二等辺三角形における底辺の間に位置される側面のことをいう。上記構成によれば、プリズム13が光を透過する際に、この光の経路が屈折によってずれることを抑えることができる。
ビームスプリッター層13Dは、直角プリズム13Aの斜面に、この斜面の全体を覆うように蒸着されている。また、ビームスプリッター層13Dにおいて直角プリズム13Aとは反対側(図3では左下側)となる面には、この面の全体を覆うように直角プリズム13Eの斜面が貼り付けられている。このため、直角プリズム13A、13Eにおける斜面を除く各面は、それぞれがプリズム13の表面の一部をなす。
そして、ビームスプリッター層13Dは、直角プリズム13Aにおける斜面以外の2側面の一方に入射された光の一部を直角プリズム13E側に透過させ、同時に上記光の一部を上記2側面の他方から出射されるように偏向させるとともに、残りの光を吸収する。なお、ビームスプリッター層13Dは、45[°]の入射角で光が入射された際に、ビームスプリッター層13Dにて反射される光の強さがこのビームスプリッター層13Dを透過する光の強さと等しくなるように構成することができる。
また、直角プリズム13Aにおいて、その斜面以外の2側面は、その一方が光源装置12からの照射光91が入射される入射面13Bとされ、他方が入射面13Bから入射された照射光91を照射する照射面13Cとされる。この照射面13Cは、筐体11の盛り上がり部11Aに設けられた測定部11Bにおいて外部側(図3では上側)に露見され、上述したつかみ状態においてはヒトの生体部位である中指の腹90Aが押し当てられた状態とされる。また、光源装置12は、直角プリズム13Aの入射面13Bに一体に貼り付けられて、この入射面13Bに照射光91を垂直に入射させるようになっている。ここで、光源装置12を直角プリズム13Aに一体に貼り付ける構成によれば、この直角プリズム13Aに入射される照射光91の経路のずれをなくすことができる。
ところで、直角プリズム13Eは、その斜面以外の2側面のうち一方が直角プリズム13Aの入射面13Bと対向し、他方が直角プリズム13Aの照射面13Cと対向するように、ビームスプリッター層13Dに貼り付けられている。ここで、直角プリズム13Eにおいて入射面13Bと対向する面は、光を吸収する光吸収層13Gに覆われている。この光吸収層13Gには、ポリカルボナートを顔料であるカーボンブラックによって黒色にした光吸収材料を使用することができる。
また、直角プリズム13Eにおいて照射面13Cと対向する面は、照射光91が中指の腹90Aにて反射され、ビームスプリッター層13Dを透過した反射光92が出射される出射面13Fとされている。したがって、プリズム13は、入射面13B、照射面13C、および、出射面13Fを、それぞれ別個の面として有する。
出射面13Fには、この出射面13Fから出射される反射光92の有無およびその強さを検出する光検出装置14が一体に貼り付けられている。この光検出装置14は、光源装置12が発する照射光91の波長(例えば650[nm])を含む波長領域の光を検出可能なフォトダイオードとすることができる。
光検出装置14には、この光検出装置14における反射光92の検出結果に基づいて血糖値を算出する算出装置14Aが接続されている。この算出装置14Aは、上述した結線の構造または上述した制御プログラムが、上述したCPUボードに、光検出装置14の検出結果に所定のデータ処理を施して血糖値を算出する機能を実現させたものとすることができる。
上述したつかみ状態において血糖値測定装置10が血糖値の測定を行う場合、光源装置12は、前もって設定された所定の出力で照射光91を発し、この照射光91をプリズム13の入射面13Bに垂直に入射させる。この照射光91は、プリズム13のビームスプリッター層13Dに45[°]の入射角で入射され、その一部がビームスプリッター層13Dを透過して迷光91Aとなる。この迷光91Aは、プリズム13においてその入射面13Bと対向する面に到達し、この面を覆うように設けられた光吸収層13Gに吸収される。
また、プリズム13のビームスプリッター層13Dに入射された照射光91は、その一部がビームスプリッター層13Dにて反射されることで90[°]偏向され、照射面13Cから中指の腹90Aに向けて照射される。ここで、中指の腹90Aは、プリズム13の照射面13Cに押し当てられることでこの照射面13Cに沿って広がった状態となっている。このため、照射光91は、プリズム13の照射面13Cから中指の腹90Aに対して垂直に照射される。
中指の腹90Aに照射された照射光91は、その一部が中指の腹90Aに吸収され、残りがプリズム13の照射面13C側(図3では下側)に向けて反射される。ここで、照射光91が生体部位(図3では中指の腹90A)にて反射される割合は、この生体部位に流れる血液の血糖値に応じて変化する。このため、所定の出力を有する照射光91を中指の腹90Aに照射した際にこの中指の腹90Aにて反射された光の強さを分析することで、中指の腹90Aから血液を採取することなくその血糖値を割り出すことができる。
ところで、光を生体部位に照射した際にこの生体部位にて反射された光には、指向性がある正反射された反射光と、指向性がない拡散反射された反射光の両方が含まれる。ここで、上記拡散反射された反射光は、生体部位に照射される光が大出力の光源装置からの強い光でない限りは血糖値の測定に用いることができないほどに弱い光である。一方、上記正反射された反射光は、上記拡散反射された反射光よりも強い光であり、生体部位に照射される光が小出力の光源装置からの弱い光であっても効率よく血糖値の測定に用いることができる。
さて、垂直に照射される光に対して正反射される反射光の光軸は、照射される光の光軸に一致する。このため、中指の腹90Aに対して垂直に照射された照射光91が正反射された反射光92は、照射面13Cからプリズム13内に入射され、照射光91の経路と同じ経路を逆向きに進み、ビームスプリッター層13Dに45[°]の入射角で入射される。そして、反射光92は、その一部がビームスプリッター層13Dにて反射されることで90[°]偏向され、入射面13Bから光源装置12に向けて出射される迷光92Aとなる。また、反射光92は、その一部がビームスプリッター層13Dを透過し、出射面13Fから光検出装置14に向けて出射される。ここで、光検出装置14をプリズム13の出射面13Fに一体に貼り付ける構成によれば、この出射面13Fから光検出装置14に向けて出射される反射光92の経路のずれをなくすことができる。
光検出装置14は、出射面13Fから出射される反射光92の強さを検出し、その検出結果を算出装置14Aに出力する。この算出装置14Aは、上記検出結果に基づいて血糖値を算出し、その算出結果をディスプレイ11D(図2参照)を介して外部に出力する。この出力は、ディスプレイ11Dにおいて、血糖値測定装置10による血糖値の測定結果として表示される。
上述した血糖値測定装置10および血糖値測定方法は、血液が流れるヒトの生体部位である中指の腹90Aに血液が流れる生体部位に光源装置12からの照射光91を垂直に照射することができる。そのうえで、上述した血糖値測定装置10および血糖値測定方法では、正反射される反射光92を入射面13Bとは異なる出射面13Fから出射し、この出射面13Fから出射された反射光92から血糖値を算出する。このように、正反射された比較的強い反射光92から血糖値を算出することで、比較的弱い光の照射でも血糖値の測定を効率よく行うことが可能となる。これにより、光源装置12を安価な小出力の光源装置としてその設置スペースを狭くし、ひいては血糖値測定装置10を小型化してコストの削減を図ることができる。
また、上述した血糖値測定装置10および血糖値測定方法では、透明多面体である2つの直角プリズム13A、13Eの間にビームスプリッター層13Dを介在させてなるプリズム13を使用する。このため、入射面13Bから入射された照射光91の一部を照射面13Cから照射し、この照射面13Cから入射された反射光92の一部を照射面13Cおよび入射面13Bとは別の出射面13Fから出射させることができる。これにより、比較的高価なアッセンブリである偏光無依存型光アイソレーターを使用することなく、血糖値を非侵襲で測定することが可能となる。
また、上述した血糖値測定装置10および血糖値測定方法では、入射面13Bから入射された照射光91のうち、照射面13Cから照射されることがない迷光91Aを光吸収層13Gに吸収させる。この構成によれば、プリズム13の外部に迷光91Aが出射されることをさけることができる。したがって、迷光91Aがプリズム13の周囲の物品(例えば図3に示す筐体11)にて反射されて光検出装置14に到達することで、この光検出装置14の検出結果にノイズを生じさせることをさけることができる。
本発明は、上述した一実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような形態を実施することができる。
すなわち、血糖値測定装置10において、光源装置12と光検出装置14との配設位置を入れ替えた変形例(図4参照)を採用することができる。この変形例においては、光源装置12からの照射光91は、プリズム13のビームスプリッター層13Dを透過する一部が中指の腹90Aに向けて照射され、ビームスプリッター層13Dにて反射により偏向される一部が光吸収層13Gに向かう迷光91Aとなる。また、中指の腹90Aにて照射光91が正反射された反射光92は、プリズム13のビームスプリッター層13Dにて反射により偏向される一部が光検出装置14に向けて出射され、ビームスプリッター層13Dを透過する一部が光源装置12に向かう迷光92Aとなる。
10 血糖値測定装置
10A 給電ケーブル
10B タッチスイッチ装置
11 筐体
11A 盛り上がり部
11B 測定部
11C 張り出し部
11D ディスプレイ
12 光源装置
12A レーザーダイオード
12B コリメートレンズ
13 プリズム
13A 直角プリズム(透明多面体)
13B 入射面
13C 照射面
13D ビームスプリッター層
13E 直角プリズム(透明多面体)
13F 出射面
13G 光吸収層
14 光検出装置
14A 算出装置
90 手
90A 中指の腹(生体部位)
91 照射光
91A 迷光
92 反射光
92A 迷光
10A 給電ケーブル
10B タッチスイッチ装置
11 筐体
11A 盛り上がり部
11B 測定部
11C 張り出し部
11D ディスプレイ
12 光源装置
12A レーザーダイオード
12B コリメートレンズ
13 プリズム
13A 直角プリズム(透明多面体)
13B 入射面
13C 照射面
13D ビームスプリッター層
13E 直角プリズム(透明多面体)
13F 出射面
13G 光吸収層
14 光検出装置
14A 算出装置
90 手
90A 中指の腹(生体部位)
91 照射光
91A 迷光
92 反射光
92A 迷光
Claims (6)
- 生体部位に照射光を照射した際に前記生体部位にて反射される反射光に基づいて、血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定装置において、
前記照射光を発する光源装置と、
光を透過可能なプリズムと、
前記生体部位にて反射された前記反射光を検出する光検出装置と、
前記光検出装置における前記反射光の検出結果に基づいて血糖値を算出する算出装置と、
を備え、
前記プリズムは、前記光源装置からの前記照射光が入射される入射面と、当該入射面から入射された前記照射光を前記生体部位に向けて照射する照射面と、前記生体部位にて反射された前記反射光が前記光検出装置に向けて出射される出射面と、を別個に有し、前記入射面から入射された前記照射光を前記照射面から前記生体部位に対して垂直に照射し、当該照射光と光軸が一致するように正反射された前記反射光を前記入射面とは異なる前記出射面から出射するように、前記照射光または前記反射光を偏向させる、
血糖値測定装置。 - 請求項1に記載の血糖値測定装置であって、
前記プリズムは、2つの透明多面体の間にビームスプリッター層を介在させてなるアッセンブリであり、
前記照射光または前記反射光が、前記ビームスプリッター層によって偏向される、
血糖値測定装置。 - 請求項2に記載の血糖値測定装置であって、
前記プリズムの表面のうち、前記照射光が偏向される場合は当該照射光が前記ビームスプリッター層を透過して到達する面、前記反射光が偏向される場合は前記照射光が前記ビームスプリッター層で反射して到達する面に、光を吸収する光吸収層が設けられている、
血糖値測定装置。 - 光源装置からの照射光を生体部位に照射した際に前記生体部位にて反射される反射光に基づいて、血糖値を非侵襲で測定する血糖値測定方法において、
光が透過可能とされて、前記光源装置からの前記照射光が入射される入射面、当該入射面から入射された前記照射光を前記生体部位に向けて照射する照射面、および、前記生体部位にて反射された前記反射光が出射される出射面を別個に有するプリズムと、前記生体部位にて反射された前記反射光を検出する光検出装置と、を使用し、
前記プリズムにおいて、前記入射面から入射された前記照射光を前記照射面から前記生体部位に対して垂直に照射し、この前記照射光と光軸が一致するように正反射された前記反射光を前記入射面とは異なる前記出射面から出射するように、前記照射光または前記反射光を偏向させ、
前記出射面から出射される光を前記光検出装置が検出した検出結果に基づいて血糖値を算出する、
血糖値測定方法。 - 請求項4に記載の血糖値測定方法であって、
前記プリズムとして、2つの透明多面体の間にビームスプリッター層を介在させてなるアッセンブリを使用し、
前記照射光または前記反射光を、前記ビームスプリッター層によって偏向させる、
血糖値測定方法。 - 請求項5に記載の血糖値測定方法であって、
前記プリズムとして、当該プリズムが前記照射光を偏向する場合は当該照射光が前記ビームスプリッター層を透過して到達する面、前記プリズムが前記反射光を偏向する場合は前記照射光が前記ビームスプリッター層で反射して到達する面に、光を吸収する光吸収層が設けられてなる前記アッセンブリを使用する、
血糖値測定方法。
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WO2022054922A1 (en) * | 2020-09-11 | 2022-03-17 | Atonarp Inc. | Measuring system |
KR20220086460A (ko) * | 2020-12-16 | 2022-06-23 | 주식회사 뷰텔 | 포도당 측정장치 |
-
2016
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